JP5589046B2 - 観覧車 - Google Patents
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Description
従来から大重量でかつ強風時に強い風圧を受ける大型回転輪を枢支するために、溶接やボルト連結等を中心軸に適用することは、強度上,耐久性上から不安視されていた。従って、溶接やボルト連結(リベット結合)等を全く用いないで1本ものの(ムクの)鍛造品から成る軸部材が従来から、当然の如く、使用されている。
しかも、重量が過大となるという問題、及び、製造コストが著しく高くなるという問題、また、その後の機械加工部分が多くなるという問題や、製造工場から遊園地等の現場までの運搬が交通制限を受ける等して困難であるという問題があった。
図1は本発明の観覧車の実施の一形態を示す簡略側面図であり、図2はその要部断面側面図である。
尚、前後方向とは、軸心L方向から見た前と後の方向である。
さらに、短軸10は、回転輪Kの前後内方側から外方側へ抜け落ちるのを規制すると共にボス部材12に固着するためのボルト部材が挿通可能な孔部を有する外鍔部10bと、回転輪Kに固着されたボス部材12の挿通孔12aに嵌入される挿入部10cと、ボス部材12を介して回転輪Kの外方側に突出すると共に軸受31が外嵌される支持部10dと、を有している。
軸心孔10aは、スリップリング20の乗籠G等に供給する側(供給側)の電気配線21が挿通され、電気配線21を回転輪K側へ導入している。
外鍔部10bは、ボス部材12に当接して軸心L方向の位置決めをおこなうと共に、ボルト部材にてボス部材12に固着されている。
挿入部10cは、回転輪Kに固着されたボス部材12の挿通孔12aに嵌入している。
支持部10dは、ベアリング等の軸受31が回転自在に外嵌されている。
言い換えると、短軸10の内端の挿入部10cにはボス部材12が外嵌固着されて、外端の支持部10dには、軸受31が回転自在に外嵌されている。また、軸受31は軸受台を介して固定支持部30に取着されている。つまり、短軸10は、固定支持部30に軸受31を介して回転自在に支持されている。
ボス部12Aは、回転輪Kに固着された状態で軸心Lと同心状になる挿通孔12aを有している。挿通孔12aは短軸10が挿入されている。
連結部12Bは、回転輪K(枠体k)に固着可能に形成されている。また、管状部材11が固着可能に形成されている。管状部材11をボルト止め可能なネジ孔、又はボルト・ナット結合可能な貫孔、を有している。
内部11Aには、軸心孔10aを挿通した電気配線21が導入されている。
フランジ部11Bには、ボス部材12と結合するためのボルト部材が挿通する貫孔が形成されている。つまり、管状部材11はボス部材12に固着されている。言い換えると、両側の短軸10,10を、両側のボス部材12,12を介して連結している。
円周壁11Dには、内部11Aから外周側に連通する貫通孔11dを貫設している。なお、本発明に於て、管状部材11が「大径」とは、管状部材11の外径寸法Dが,短軸10の支持部直径寸法dの2倍以上であることと、定義する。
結合部11Cは、一方の筒体11aの、他方の筒体11aと連結される端面側に、断面視L字状の受けフランジ部40を設けている。そして、他方の筒体11aの、一方の筒体11aと連結される端面側に、受けフランジ部40に係止され一方の筒体11aに対して他方の筒体11aを同心状に配設させる係合フランジ部41を設けている。受けフランジ部40及び係合フランジ部41は、係合状態で結合させる筒体11a,11aを同心状とさせると共に結合ボルト部材42が挿通可能な連結用貫孔を各々有している。
つまり、連結部11Cは、一方の筒体11aの受けフランジ部40に他方の筒体11aの係合フランジ部41を嵌め合わせて、筒体11a同士を相互に同心状に配設し、受けフランジ部40及び係合フランジ部41の同心状となった連結用貫孔に挿通した結合ボルト部材42に、結合ナット部材43を螺着することで、連結(結合)している。
中心軸構造体1を製造する際に、(中心軸構造体1を1本の鍛造製の軸で製作した場合に比べ)中央部を管状部材11とし、両端部のみを鍛造製の短軸10,10としているので、容易に鍛造成形される。また、機械工作加工が必要な軸心孔10aや挿入部10c及び支持部10d等は容易に加工される。管状部材11は、連結一体化される前の短い複数の筒体11a,11a,11aで製作される。連結一体化した管状部材11に比べ半分以下の重量及び大きさ(長さ)であるため容易に製作される。中心軸構造体1は容易に製作される。
短軸10は、ボス部材12のボス部12Aに外鍔部10bを当接する。外鍔部10bは突出長さ(出代)を規制して位置決めする。両短軸10は、回転輪Kの前後方向に軸心Lに同心状に突設する。突出した短軸10の支持部10dに、自動調心コロ軸受け等の軸受31を外嵌する。軸受台を介して固定支持部30に支持される。固定支持部30は、短軸10を回転自在に支持する。つまり、回転輪Kは回転自在に支持される。
3つの筒体11a,11a,11aは、受けフランジ部40と係合フランジ部41とによって、同心状に配設され、ボルト・ナット結合にて結合部11Cで連結一体化し、1本の管状部材11と成る。
管状部材11は、軸心Lに同心状に配設され、フランジ部11Bをボルト部材を用いてボス部材12の連結部12Bに固着する。管状部材11は、両短軸10,10をボス部材12を介して間接的に連結する。
すると、図4に示すベンディング・モーメント・ダイヤグラムのような力が中心軸構造体1にかかる。
この際、一方側の短軸10には、回転輪Kが他方へ傾倒しようとする力の一部である上方へ引き上げるような上向きの力(引張力)と回転輪Kの下向き荷重(自重)の差から成る上方への力P1 を受ける。また、他方側の短軸10は風W(図1参照)によって下方へ押し下げるような力(押し力)と回転輪Kの下向きの荷重(自重)とからなる下方へ大きい負荷力P2 を受ける。
つまり、風Wの向き(一方側から吹くか他方側から吹くか)によって、中心軸構造体1のどちらかの短軸10には、風W(図1参照)による押し力と回転輪Kの自重とから成る大きい負荷力P2 を受ける。この大きな負荷力P2 は、風Wの向きによって両短軸10,10のどちらか一方に発生する。そこで、大きな負荷力P2 が発生する虞れのある両側の区間E1 ,E1 を鍛造製の両短軸10,10で受けている。そして風Wの影響をあまり受けず負荷の少ない中央部の区間E2 を管状部材11で受けている。
また、管状部材11を大径に設けることで、円周壁11Dにラジアル方向に貫通孔11dを形成していても、応力集中による破壊(破損・亀裂)の虞れを低減している。
中心軸構造体1は、中央部を軽量で薄肉状の管状部材11としながらも、両端部を強靱な短軸10,10としているので、十分に回転輪Kからの負荷を受ける。
また、短軸10の内端(の外鍔部10b)に管状部材11を直接連結しても良い。また、管状部材11は、上述したように3分割に限らず、2分割や4分割以上に設けても良い。また、短軸10の挿入部10c(内端側)の直径寸法と支持部10d(外端側)の支持部直径寸法dは同寸法に設定しても良い。また、短軸10としては、中実としても良い。
また、短軸10は短いので軸心孔10aに電気配線21を容易に挿通させることができる。短い軸心孔10aによりスリップリングを短軸10外端側の端面に配設可能にする。回転輪K近傍に配線用の孔部を形成しないので、スリップリング20を回転輪Kに接近させる必要がなくなり、回転輪Kに固定支持部30を接近させることができる。回転輪Kからの力を受ける短軸10の挿入部10cと回転輪Kを支持する支持部10dを接近させ、短軸10の撓み等を軽減できると共に、曲げモーメントの影響を軽減できる。回転輪Kを確実に回転自在に保持できる。
10 短軸
11 管状部材
11a 筒体
12 ボス部材
30 固定支持部
31 軸受
G 乗籠
K 回転輪
T 全長寸法
t 長さ寸法
Claims (1)
- 多数の乗篭(G)を外周に沿って配設した回転輪(K)の中心位置に水平状に固着されると共に、前後の固定支持部(30)(30)に軸受(31)(31)を介して両持梁状に配設された中心軸構造体(1)を備えた観覧車に於て、
該中心軸構造体(1)は、一対の短軸(10)(10)と、各該短軸(10)(10)に外嵌固着されたボス部材(12)(12)と、該ボス部材(12)(12)に固着され一対の該短軸(10)(10)を該ボス部材(12)(12)を介して連結する管状部材(11)と、を有し、
上記短軸(10)は、鍛造製であって、上記中心軸構造体(1)の軸心方向全長寸法(T)の25%以下の長さ寸法(t)に形成され、該中心軸構造体(1)の両端に一対の上記短軸(10)(10)の一部が突出状となるように配設し、かつ、上記管状部材(11)は、長手方向に複数の短円筒形状筒体(11a)(11a)(11a)を連結一体化していることを特徴とする観覧車。
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