JP5588767B2 - 太陽電池モジュール - Google Patents

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Description

本発明は太陽電池モジュールに関し、更に詳しくは、太陽電池セルを覆う保護面板が衝撃を受けても、その衝撃が太陽電池セルに伝播して太陽電池セルが破壊されるのを防止できるようにした太陽電池モジュールに関する。
従来の一般的な太陽電池モジュールは、太陽電池本体(セル)の受光面側に保護面板としてガラス板が設けられているが、このガラス板は重量が大きいため、屋根に設置すると家屋に負担をかけるという問題があった。このため、軽量化を目的として、太陽電池モジュールの保護面板をプラスチック板に変更したものが開発されたが、このようなプラスチック板では、上方から衝撃を受けると、その衝撃が太陽電池本体(セル)に伝播して、太陽電池本体(特に単結晶シリコンセルや多結晶シリコンセル)が破壊されることがあった。
一方、太陽電池本体の受光面側に透明な保護面板を接着剤で接着するタイプの太陽電池モジュールも知られているが、このタイプの太陽電池モジュールは、太陽電池本体と保護面板との熱膨張率の差によって接着界面に大きい歪み応力が発生するため性能劣化を招く虞れがあった。このため、太陽電池本体と保護面板との間に、ゲル状の透光性充填材としてシリコンゲルを介在させ、太陽電池本体と保護面板との熱膨張率の差による歪み応力をシリコンゲル層で緩和して性能劣化を防止するようにした太陽電池モジュールが提案されている(特許文献1)。
しかしながら、この特許文献1の太陽電池モジュールのように、太陽電池本体と保護面板との間にシリコンゲルを介在させると、シリコンゲル中に可塑剤として含まれるシリコンオイルが滲出して、配線の接点不良の原因となる虞れがあった。
特開平5−315634号公報
本発明は上記事情の下になされたもので、その解決しようとする課題は、太陽電池セルを覆う保護面板が衝撃を受けても、その衝撃が太陽電池セルに伝播して太陽電池セルが破壊されるのを防ぐことができる太陽電池モジュールを提供することにある。
そして、望ましい実施形態においては、配線の接点不良、保護面板のストレスクラックの発生、気泡の発生、白濁などを防止することも課題としている。
上記課題を解決するため、本発明に係る太陽電池モジュールは、太陽電池セルの受光面側に透光性の保護面板を配置し、太陽電池セルと保護面板との間に透光性の緩衝材を介在させた太陽電池モジュールであって、
上記緩衝材が、300000〜20000Paのヤング率を有するポリウレタンゲルであり、
このポリウレタンゲルは、ポリオール成分としてアルキレンオキサイド鎖を有するポリオール又は/及びアルキレンオキサイド鎖を有するポリウレタンポリオールプレポリマーと、ポリイソシアネート成分としてアルキレンオキサイド鎖を有するポリウレタンポリイソシアネートプレポリマーとを反応させて得られるゲルであって、ポリオール成分の末端の官能基である水酸基とポリイソシアネート成分の末端の官能基であるイソシアネート基との比率(OH/NCO)が1.3より大きく、且つ、2.5より小さくなるように、ポリオール成分とポリイソシアネート成分を混合して反応させたものである、ことを特徴とするものである。
本発明の太陽電池モジュールにおいては、上記ポリオール成分及びポリイソシアネート成分におけるアルキレンオキサイド鎖、常温で液状であること、及び、疎水性であることが望ましい。ここで、「アルキレンオキサイド鎖が常温で液状である」とは、アルキレンオキサイド鎖が、常温で液状のポリアルキレングリコール又はその2種以上の共重合体を構成するアルキレンオキサイド鎖であることを意味する。
最も望ましいアルキレンオキサイド鎖は、常温で液状である疎水性のプロピレンオキサイド鎖である。
本発明の太陽電池モジュールのように、太陽電池セルと保護面板との間に、特定のポリウレタンゲルからなる透光性の緩衝材が介在されていると、保護面板が衝撃を受けても、その衝撃が緩衝材に吸収緩和されて太陽電池セルまで伝播し難いため、太陽電池セルが破壊されるのを防止することができる。
即ち、本発明の太陽電池モジュールのように、緩衝材が300000〜20000Paのヤング率を有するポリウレタンゲルであると、優れた衝撃緩和性能を有するため、太陽電池セルの破壊をほぼ確実に防止することができ、しかも、ポリウレタンゲルはシリコンオイルのような太陽電池モジュールの配線に悪影響を及ぼす液体を一切含まないので、配線の接点不良等を引き起こすこともない。
しかも、本発明の太陽電池モジュールのように、緩衝材のポリウレタンゲルが、前述のポリオール成分と前述のポリイソシアネート成分を、ポリオール成分末端の水酸基とポリイソシアネート成分末端のイソシアネート基との比率(OH/NCO)が1.3よりも大きく、且つ、2.5よりも小さくなるように、混合して反応させたものであると、未反応のイソシアネート基が残らないので、未反応のイソシアネート基と水分が後反応して発生する炭酸ガスの気泡により、ポリウレタンゲルの全光線透過率が低下して太陽電池セルの発電効率の低下を招いたり配線に悪影響を及ぼしたりする心配はない。また、上記の混合比率で反応させたポリウレタンゲルは、ポリオール成分が多過ぎないので、ポリオール成分がポリウレタンゲルからブリードアウトして保護面板にストレスクラックを発生させる心配もない。
ポリオール成分及びポリイソシアネート成分におけるアルキレンオキサイド鎖が常温で液状であると、アルキレンオキサイド鎖が屈曲性に富むので、上記のヤング率を有する柔軟なポリウレタンゲルを容易に得ることができ、また、アルキレンオキサイド鎖が疎水性であると、得られるポリウレタンゲルが水分を吸収しにくいため、白濁することがなくなり、白濁による太陽電池セルの発電効率の低下を防ぐことができる。そして、アルキレンオキサイド鎖が常温で液状である疎水性のプロピレンオキサイド鎖であると、柔軟で優れた衝撃緩和性能を有する白濁しないポリウレタンゲルが得られるので、このゲルを太陽電池セルと保護面板の間に介在させると、衝撃による太陽電池セルの破壊と、ゲル白濁による発電効率の低下が生じない太陽電池モジュールを確実かつ容易に得ることができる。
本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールの概略断面図である。 落球試験の説明図である。 ストレスクラック試験の説明図である。
図1に示す太陽電池モジュールは、基材1の上に複数の太陽電池セル2が配設されて配線3で接続されており、その四周が枠材4で囲まれている。そして、この枠材3の内側には、透光性の緩衝材として特定のヤング率を有するポリウレタンゲル5が充填されており、このポリウレタンゲル5中に太陽電池セル2が埋没している。この太陽電池セル2の受光面側(上側)には、透光性の保護面板6がポリウレタンゲル5に密着して配置されており、太陽電池セル2と保護面板6との間にポリウレタンゲル5が挟まれて介在している。
尚、裏面にポリウレタンゲル5の層が形成された保護面板6を太陽電池セル2の受光面側に配置して、太陽電池セル2と保護面板6との間にポリウレタンゲル5を介在させるようにしてもよい。
基材1は光反射性のシートからなるものであって、例えば、アルミニウムシートや、アルミニウムを蒸着した熱可塑性樹脂シートなどが好ましく使用される。このような光反射性の基材1を用いると、直射光のみならず、反射光まで有効に利用して太陽電池セル2の発電効率を向上させることができる。また、枠材4についても、アルミニウムやSUSなどの錆びにくい光反射性の金属枠材が好ましく使用される。
基材1の上に配設される太陽電池セル2としては、単結晶シリコンセル、多結晶シリコンセル、アモルファスシリコンセル等のシリコン型セルや、CIS系セル等の非シリコン型セルなど、公知の太陽電池セルが全て使用可能である。
太陽電池セル2の受光面側に配置される保護面板6は、透光性の合成樹脂板が適しており、特に、ポリカーボネート樹脂板は全光線透過率、強度、耐衝撃性、耐候性などが良好であるため、好ましく使用される。保護面板6として使用されるポリカーボネート樹脂板の厚さは、1mm以上であればよいが、衝撃強度を考慮すると2mm以上であることが望ましく、一方、重量や樹脂量(コスト面)を考慮すると5mm以下であることが望ましい。
太陽電池セル2と保護面板6の間に緩衝材として介在させるポリウレタンゲル5は、ポリオール成分としてアルキレンオキサイド鎖を有するポリオール又は/及びアルキレンオキサイド鎖を有するポリウレタンポリオールプレポリマーと、ポリイソシアネート成分としてアルキレンオキサイド鎖を有するポリウレタンポリイソシアネートプレポリマーとを反応させて得られるものであり、アルキレンオキサイドのセグメントによって構造化された内部貫入型(Interpenetrated Network)の一成分系のセグメント化ポリウレタンゲルである。
このポリウレタンゲル5は、ヤング率が300000〜20000Paの範囲となるように調製されたものが好適である。ヤング率が300000Pa以下のポリウレタンゲル5は、適度な弾力性ないし柔軟性を有するため、優れた衝撃緩和作用を発揮して太陽電池セル2の破壊をほぼ確実に防止でき、一方、ヤング率が20000Pa以上のポリウレタンゲル5は、後述するようにポリオール成分が多過ぎないので、ポリウレタンゲル5からブリードアウトするポリオール成分によって保護面板6にストレスクラックが発生するのを防止できるからである。
ポリウレタンゲル5の更に望ましいヤング率の範囲は300000〜25000Paであり、極めて望ましいヤング率の範囲は200000〜30000Paである。
上記のポリウレタンゲル5は、下記構造式1〜4に示すポリオール成分の一種又は二種以上と、下記構造式5〜9に示すポリイソシアネート成分の一種又は二種以上を、触媒と共に混合し、この混合物を前記枠材4の内側空間に注入して反応させることにより容易に形成することができる。反応条件は制限されないが、60℃で24時間反応させることが好ましい。また、触媒としてはジブチル錫ラウレートや、トリアルキルアミン、トリエチレンジアミン等の第3級アミンが好ましく使用される。尚、紫外線吸収剤を太陽電池セル2の吸収波長を阻害しない程度に配合したり、酸化防止剤を適量配合してもよい。
Figure 0005588767

(式中、R、Rはアルキル化合物、脂環式化合物、芳香族化合物のいずれかであり、(AO)はアルキレンオキサイド鎖である。)
Figure 0005588767

(式中、(AO)はアルキレンオキサイド鎖であり、lは1又は4の整数である。)
Figure 0005588767

(式中、(AO)はアルキレンオキサイド鎖である。)
Figure 0005588767

(式中、(AO)はアルキレンオキサイド鎖であり、RはHである。)
Figure 0005588767

(式中、(AO)はアルキレンオキサイド鎖であり、Rはアルキル基、脂環式化合物、芳香族化合物のいずれかである。)
Figure 0005588767

(式中、(AO)はアルキレンオキサイド鎖であり、Rはアルキル基、脂環式化合物、芳香族化合物のいずれかである。)
Figure 0005588767

(式中、(AO)はアルキレンオキサイド鎖であり、Rはアルキル基、脂環式化合物、芳香族化合物のいずれかであり、lは1又は4の整数である。)
Figure 0005588767

(式中、(AO)はアルキレンオキサイド鎖であり、Rはアルキル基、脂環式化合物、芳香族化合物のいずれかである。)
Figure 0005588767

(式中、(AO)はアルキレンオキサイド鎖であり、Rはアルキル基、脂環式化合物、芳香族化合物のいずれかである。)
上記構造式1〜4のポリオール成分について説明すると、構造式1はポリエーテルポリオールとジイソシアネートの反応物であるポリウレタンポリオールプレポリマーであって、両末端成分がポリエーテルポリオール、両末端の官能基が−OH基である。ここに使用されるジイソシアネート化合物は、後述するポリウレタンポリイソシアネートプレポリマーの中のそれと同じものであり、例えばフェニレンジイソシアネート、2,2,4−トルイレンジイソシアネート(TDI)、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタリン1,5−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、テトラメチレンジイソシアネート(TMDI)、リジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添加TDI、水添加MDI、ジシクロヘキシルジメチルメタンp,p′−ジイソシアネート、ジエチルフマレートジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等が任意に使用できる。
また、構造式2はグリセロール(l=1)又はソルビトール(l=4)にポリエーテルポリオールを付加したものである。
構造式3は、トリメチロールプロパンにポリエーテルを付加したものであり、同様に下記構造式10,11で示される1,2,6−ヘキサントリオールやトリメチロールエタン、或いは、ペンタエリスリットC(CHOH)、或いは、下記構造式12で示されるポリグリセリンやその部分エステルなどの多価アルコールとポリエーテルポリオールの付加物も使用できる。この場合、(AO)はホモポリマーであっても、ブロックコポリマー或いはランダムコポリマーであってもよい。
Figure 0005588767

Figure 0005588767

Figure 0005588767

(式中、nは2〜30の整数である。)
構造式4はアルキレンオキサイド鎖を有するポリエーテルポリオールであり、両末端が−OH基で2官能のポリオールであり、市販品として容易に入手できる。
次に、構造式5〜9のポリイソシアネートプレポリマーについて説明すると、構造式5はトリメチロールプロパンにジイソシアネートを反応させて得られるトリイソシアネートの2分子を(AO)の1分子で2量化した4官能のテトライソシアネートであり、このトリメチロールプロパンの代わりにグリセロールを用いたものが構造式6のポリイソシアネートプレポリマーである。この種のテトライソシアネートは、(AO)の2分子又は3分子とトリイソシアネートの2分子との反応では得られないので、(AO)の量を化学当量より少なくして反応を微妙に調節する必要がある。そのため未反応のトリイソシアネートが混在するが、これがポリオールと反応するとセグメント化ポリウレタン分子の大きさにバラツキが生じ、ゲルの硬度をコントロールするのに都合の良い方へ作用することもある。
構造式7は構造式2のポリオールにジイソシアネートを反応させたもので、3官能が6官能であり、また、構造式8は同様に構造式3のポリオールにジイソシアネートを反応させたもので、3官能である。構造式9はポリエーテルポリオールとジイソシアネートの反応物で、2官能である。
上記構造式1〜9の(AO)で表記されるアルキレンオキサイド鎖は、適度な弾力性ないし柔軟性を有するポリウレタンゲル5を形成するためには、アルキレンオキサイド鎖の殆どないし全てが常温で液状であり、十分な屈曲性を有することが望ましい。もし、アルキレンオキサイド鎖の殆どが固体であると、分子運動が少なくて屈曲性が殆どなくなり、系の構造化(ゲル化)の分散媒として働かないため、弾力性を有するポリウレタンゲルを得ることが困難になる。
アルキレンオキサイド鎖(AO)を構成する化合物としては、例えば、ポリメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリペンタメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、ポリヘプタメチレングリコールなどが挙げられるが、このうち常温で液状物質として入手し易いものは、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、低分子量のポリテトラメチレングリコールである。また、これらの共重合体、例えば下記構造式13,14で表されるブロックコポリマーや、ランダムコポリマーも使用できる。
Figure 0005588767

Figure 0005588767

(これらの式中、l,m,nは1以上の整数である。)
更に、アルキレンオキサイド鎖は疎水性であることが望ましい。太陽電池モジュールは屋外で使用されるため、ポリウレタンゲルが親水性のアルキレンオキサイド鎖を有する親水性のゲルであると、モジュール内部に浸入した水分(湿気)がゲルに吸収されて白濁し、太陽電池セル2の発電効率の低下を招く虞れがあるが、疎水性のアルキレンオキサイド鎖を有する疎水性のポリウレタンゲルは、水分浸入による白濁が生じないので、太陽電池セル2の発電効率の低下を防止することができる。
疎水性のアルキレンオキサイド鎖(AO)を構成する化合物としては、上記のポリアルキレングリコールのうち、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリペンタメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、ポリヘプタメチレングリコールが挙げられるが、特に、分子量が大きくても常温で液状である疎水性のポリプロピレングリコールは極めて好ましく使用される。尚、低分子量のポリテトラメチレングリコールも常温で液状の疎水性の物質であるが、このような低分子量のポリテトラメチレングリコールでアルキレンオキサイド鎖を形成すると、セグメントが短いため動きが小さくなって弾力性に富むポリウレタンゲルを得ることが難しくなるので、好ましくない。
ポリオール成分とポリイソシアネート成分は、一方が2官能で、他方が3官能以上の化合物の組合わせである必要がある。どちらか一方が1官能であれば連鎖しないし、2官能同士では直鎖分子となるからである。しかし、双方の官能数があまり多すぎる組合わせにすると、得られる反応物は網目鎖濃度が高くなりすぎて適度な弾力性を有するゲルになりにくいので、好ましい組合わせは双方の官能基数が2〜4の組合わせであり、殊に2官能と3官能の組合わせが配合上、調節し易い。
ポリオール成分とポリイソシアネート成分の混合比率(反応比)は、双方の成分の官能基の比率、即ち、ポリオール成分の末端の官能基である水酸基とポリイソシアネート成分の末端の官能基であるイソシアネート基との比率(OH/NCO)によって規制される。このOH/NCOの比率が1より小さい場合は、未反応のNCO基がゲル中に残り、この未反応のNCO基が水分と後反応して発生する炭酸ガスの気泡によりポリウレタンゲルの全光線透過率が低下して太陽電池セルの発電効率の低下を招いたり配線に悪影響を及ぼしたりするので、OH/NCOの比率は1以上でなければならない。
また、ポリオール成分が常温で液状のアルキレンオキサイド鎖を有するものである場合、得られるポリウレタンゲルのヤング率とOH/NCOの比率との間には負の相関関係があり、OH/NCOの比率が大きくなるほど、ポリウレタンゲルのヤング率は小さくなる。従って、OH/NCOの比率を調節することによって、ポリウレタンゲルのヤング率を前述した300000〜20000Paの範囲に調節することができる。
例えば、プロピレンオキサイド鎖を有する2官能のポリオール(重量平均分子量3000)と、プロピレンオキサイド鎖を有する3官能のポリイソシアネートプレポリマー(重量平均分子量3000)を反応させてポリウレタンゲルをつくる場合は、後述する表1の試験データに示すように、OH/NCOの比率が1.3より大きく、且つ、2.5より小さくなるように、ポリオールとポリイソシアネートプレポリマーを混合して反応させると、300000〜20000Paのヤング率を有する衝撃緩和性能に優れたポリウレタンゲルを得ることができる。
上記のOH/NCOの比率の範囲は、他のポリオール成分とポリイソシアネート成分を反応させて衝撃緩和性能の良好なポリウレタンゲルを得る場合においても、好ましい基準となるものである。
OH/NCOの比率が1.3以下であると、ポリウレタンゲルのヤング率が高くなりすぎて衝撃緩和性能が低下し、一方、OH/NCOの比率が2.5以上であると、ポリオール成分が多過ぎるためポリウレタンゲルからブリードアウトして保護面板6にストレスクラックを発生させる虞れがあるので、いずれも好ましくない。OH/NCOの更に好ましい比率は1.4〜2.3であり、極めて好ましい比率は1.6〜2.1である。
ポリオール成分とポリイソシアネート成分の重量平均分子量の範囲は、アルキレンオキサイド鎖、イソシアネートの種類、分子形状などによって広い範囲で変わるが、ポリオールで大略150〜6000、ポリウレタンポリオールプレポリマーで大略1400〜10000、ポリウレタンポリイソシアネートプレポリマーで大略1000〜10000であり、好ましくは各々大略200〜4000、1000〜6000、800〜50000の範囲で選択できる。
太陽電池セル2と保護面板6との間に介在させるポリウレタンゲル5の厚さは少なくとも0.5mmあれば十分であり、この厚さでも優れた衝撃緩和作用を発揮して太陽電池セル2の破壊をほぼ確実に防ぐことができる。
尚、ポリウレタンゲル5はいくら厚くしてもよいが、厚くし過ぎると材料の無駄となり、全光線効果率も低下するので、2mm以下とするのが好ましい。
次に、本発明の効果を確認するために行った落球試験、ストレスクラック試験、キセノンウェザーメーターによる白濁試験について説明する。
[落球試験]
(1)試験片の作製
下記構造式15に示す2官能のポリプロピレングリコール(重量平均分子量:3000)と、下記の構造式16に示すプロピレンオキサイド鎖を有する3官能のポリイソシアネートプレポリマー(重量平均分子量:3000)と、触媒(ジブチる錫ラウレート)とを下記表1に示す組成割合で混合することによって、OH/NCOの比率が下記表1に示すように異なる9種類の混合液を調製し、この混合液をポリカーボネート板(縦200mm×横300mm×厚さ2mm)の片面に塗布して60℃、3時間反応させることにより、厚さ0.5mmのポリウレタンゲル層9を片面に有するポリカーボネート板を得た。そして、このポリカーボネート板のポリウレタンゲル層に、市販の多結晶シリコンセル(縦156mm×横156mm×厚さ0.2mm)をポリウレタンゲル層の粘着力を利用して貼付けることにより、9種類の試験片1〜9を作製した。
Figure 0005588767

Figure 0005588767

(構造式15,16中、(PO)はプロピレンオキサイド鎖であり、nは整数である。)
作製した試験片1〜9のポリウレタンゲルのヤング率を、AXIOM社製バイオセンサー「Venustron」で測定した。その結果を下記表1に示す。
(2)試験方法
上記試験片1〜9について、JIS C 8917に定める降雹試験に準じた試験方法で耐衝撃性能を評価した。即ち、図2に示すように、試験片の多結晶シリコンセルを下側にして試験片の両端部を木材で支え、鉄球(質量228g、直径38mm)を高さ300mmの位置から落下させて、多結晶シリコンセルの破壊状況を調べた。その結果を下記表1に示す。
[ストレスクラック試験]
(1)試験片の作製
両面に50μmのアクリルフィルムをラミネートして耐候性を付与したポリカーボネート板(縦20mm×横150mm×厚さ2mm)の片面に、前記落球試験において調製した9種類の混合液を塗布し(但し、両端50mmは塗布しない。)、60℃で3時間反応させることによって、片面に0.5mmのポリウレタンゲル層を有する試験片1〜9を作製した。
(2)試験方法
図3に示すように、ポリウレタンゲル層を上側にして、試験片の中央部を高さ4.6mmのスペーサーで支持すると共に、試験片の両端をサイド止め治具で固定することにより、試験片を凸曲させて50kgf/mmに相当する曲げ応力を加え、5時間経過後にポリカーボネート板にストレスクラックが発生しているかどうかを目視で観察した。その結果を下記表1に示す。
[白濁試験]
(1)試験片の作製
ポリカーボネート板(縦30mm×横65mm×厚さ2mm)に、前記落球試験において調製した9種類の混合液を塗布し、60℃で24時間反応させることによって、片面に0.5mmのポリウレタンゲル層を有する試験片1〜9を作製した。
また、上記混合液に代えて、ポリプロピレングリコール−ポリエチレングリコール共重合体(PEG/PPG/PEGのモル比=1/2/1)(重量平均分子量:3000)と、前記ポリイソシアネートプレポリマーと、前記触媒とを下記表1の組成割合で混合した混合液を用いた以外は、上記と同様にして、試験片10を作製した。
(2)試験方法
作製した試験片1〜10を、キセノンウェザーメーター[スガ試験機(株)製]を用いて500時間暴露し、白濁の有無を目視で調べた。その結果を下記表1に示す。
Figure 0005588767
この表1の試験片1〜9を比較すると、OH/NCOの比率が大きくなるほどポリウレタンゲルのヤング率が小さくなり、OH/NCOの比率とヤング率は負の相関関係を有することが判る。そして、OH/NCOの比率が1.3より大きく、且つ、2.5より小さい場合は、ポリウレタンゲルのヤング率が300000〜20000の範囲に相当し、落球試験で多結晶シリコンセルが破壊することもなければ、ストレスクラック試験でポリカーボネート板にストレスクラックが生じないことも判る。
これに対し、試験片8,9のようにOH/NCOの比率が高くなると、多すぎるポリオール成分がポリウレタンゲルからブリードアウトしてポリカーボネート板を侵すため、ストレスクラックが発生するようになり、また、試験片1〜3のようにOH/NCOの比率が低い場合は、ポリウレタンゲルのヤング率が高くなりすぎて衝撃吸収性能が低下するため、落球試験によって多結晶シリコンセルが破壊されることが判る。
また、試験片1〜9のように、ポリウレタンゲルのポリオール成分がプロピレンオキサイド鎖を有する疎水性のポリプロピレングリコールであり、且つ、ポリイソシアネート成分も疎水性のプロピレンオキサイド鎖を有するものであると、ポリウレタンゲルが水分を吸収し難いため、キセノンウェザーメーターで長時間暴露しても、白濁を生じないことが判る。これに対し、試験片10のように、ポリオール成分が親水性のポリエチレングリコールと疎水性のポリプロピレングリコールとのコポリマーであると、ポリエチレングリコールによって水分が吸収されるので白濁を生じ、多結晶シリコンセルの発電効率の低下を招く虞れがあることが判る。
以上の効果確認試験によって裏付けられるように、太陽電池セル2と保護面板6との間に特定のポリウレタンゲル5を介在させた本発明の太陽電池セルは、保護面板6が衝撃を受けても太陽電池セルの破壊を生じることがなく、水分吸収により白濁して太陽電池セルの発電効率の低下を招くこともなく、保護面板6にストレスが作用してもクラックを生じることがない等、優れた効果を奏するものである。
1 基材
2 太陽電池セル
3 配線
4 枠材
5 ポリウレタンゲル
6 保護面板

Claims (4)

  1. 太陽電池セルの受光面側に透光性の保護面板を配置し、太陽電池セルと保護面板との間に透光性の緩衝材を介在させた太陽電池モジュールであって、
    上記緩衝材が、300000〜20000Paのヤング率を有するポリウレタンゲルであり、
    このポリウレタンゲルは、ポリオール成分としてアルキレンオキサイド鎖を有するポリオール又は/及びアルキレンオキサイド鎖を有するポリウレタンポリオールプレポリマーと、ポリイソシアネート成分としてアルキレンオキサイド鎖を有するポリウレタンポリイソシアネートプレポリマーとを反応させて得られるゲルであって、ポリオール成分の末端の官能基である水酸基とポリイソシアネート成分の末端の官能基であるイソシアネート基との比率(OH/NCO)が1.3より大きく、且つ、2.5より小さくなるように、ポリオール成分とポリイソシアネート成分を混合して反応させたものである、
    ことを特徴とする太陽電池モジュール。
  2. アルキレンオキサイド鎖が常温で液状であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. アルキレンオキサイド鎖が疎水性であることを特徴とする請求項2に記載の太陽電池モジュール。
  4. アルキレンオキサイド鎖が、常温で液状である疎水性のプロピレンオキサイド鎖であることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
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