JP5582558B2 - 新規プリンヌクレオシド化合物、その異性化方法および光特性を変化させる方法、ならびに光スイッチング型デバイス材料 - Google Patents

新規プリンヌクレオシド化合物、その異性化方法および光特性を変化させる方法、ならびに光スイッチング型デバイス材料 Download PDF

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本発明は、新規プリンヌクレオシド化合物に関し、より詳しくは、光照射により可逆的に異性化可能な新規プリンヌクレオシド化合物に関する。
核酸は、Gカルテット等のユニークな高次構造を取ることにより各種機能を得ている。したがって、核酸の高次構造を光等の外部刺激によって制御することができれば、核酸の機能を容易に制御することができ、生物学分野、医学分野等において大きな意義があると考えられる。
光応答性を有する置換基を核酸に導入することにより、核酸の構造を制御する試みの1つとして、非特許文献1および2には、光解離基を核酸塩基に導入したケージド核酸が提案されている。また、非特許文献3および4には、核酸のバックボーンまたは糖にアゾベンゼンを導入し、E−Z異性化における核酸高次構造への影響の差で活性のON/OFFを可逆的に制御することが提案されている。
P. Wenter, et al., Angew. Chem. Int. Ed, 2005, 44, 2600. R. Ting et al., J. Am. Chem. Soc., 2004, 126, 12720; A. Heckle et al, Angew. Chem. Int, Ed., 2006, 45, 6748. Y. Liu, et al., J. Mol. Biol, 2004, 341, 887. S. Keiper et al., Angew. Chem. Int, Ed., 2006, 45, 3306.
しかし、非特許文献1および2に記載のケージド核酸は、光反応が不可逆的であり一方通行的な制御しかできない。
一方、非特許文献3および4に記載の技術によれば、核酸のバックボーンまたは糖へアゾベンゼンを導入することにより、光反応を可逆的に起こすことができる。しかし、アゾベンゼンの嵩高さのため活性状態の構造をも歪めてしまいON/OFFが明瞭ではない。また、Gカルテット等の高次構造は塩基のみでも形成し得るため、高次構造制御の点からは、核酸の塩基部分で異性化を起こすことが好ましい。光異性化可能なヌクレオシドを提供することができれば、塩基部分で光異性化可能な核酸を提供することができると考えられる。
更に、塩基部分を修飾することは、DNAの二重螺旋構造形成、RNAの高次構造形成(例えばリボザイム、アプタマー)を阻害しない点でも好ましい。
そこで本発明の目的は、光照射により可逆的に異性化可能な新規ヌクレオシドを提供することにある。
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、プリンヌクレオシドの8位にオレフィンを介しアリール基またはヘテロアリール基を導入することにより、光により可逆的に異性化し得る新規ヌクレオシドが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、上記目的は、下記手段により達成された。
[1]プリン核の8位の炭素原子が下記一般式(I)で表される基によって置換されたプリンヌクレオシド化合物。
[一般式(I)中、Aはアリール基またはヘテロアリール基を表し、*はプリン核の8位炭素原子との結合位置を表す。]
[2]グアノシン誘導体である[1]に記載のプリンヌクレオシド化合物。
[3]一般式(I)中、Aは環構成原子数10〜20のアリール基またはヘテロアリール基である[1]または[2]に記載のプリンヌクレオシド化合物。
[4]一般式(I)中、Aはフェニル基、ナフチル基、9H‐フルオレニル基、またはピレニル基である[1]または[2]に記載のプリンヌクレオシド化合物。
[5][1]〜[4]のいずれかに記載のプリンヌクレオシド化合物に光を照射することにより、該化合物を異性化する方法。
[6]前記異性化は可逆的に行われる[5]に記載の方法。
[7][1]〜[4]のいずれかに記載のプリンヌクレオシド化合物に光を照射することにより、該化合物の光特性を変化させる方法。
[8]前記変化は可逆的に行われる[7]に記載の方法。
[9][1]〜[4]のいずれかに記載のプリンヌクレオシド化合物および/または[1]〜[4]のいずれかに記載のプリンヌクレオシド化合物由来の核酸を含む光スイッチング型デバイス材料。
本発明により、光により構造および光特性を可逆的にスイッチング可能な新規ヌクレオ
シドを提供することができる。
[プリンヌクレオシド化合物]
本発明のプリンヌクレオシド化合物は、プリン核の8位の炭素原子が下記一般式(I)で表される基によって置換されたプリンヌクレオシド化合物である。
[一般式(I)中、Aはアリール基またはヘテロアリール基を表し、*はプリン核の8位炭素原子との結合位置を表す。]
一般式(I)で表される基は、異なる2波長の光によりオレフィンのE−Z異性化を可逆的に起こし得るため、上記基を導入することにより光照射により可逆的に構造変化し得るヌクレオシドを得ることができる。
以下に、本発明のプリンヌクレオシド化合物について、更に詳細に説明する。
本発明において、ある官能基または原子が置換基を有し得る場合、置換基の種類、その数および置換位置は特に限定されるものではないが、置換基の具体例としては、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、好ましくは臭素原子)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30の置換または無置換のアリール基、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、ビフェニリル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、フルオレニル基、ピレニル基)、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20の置換または無置換のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n‐ブチル基、sec‐ブチル基、tert‐ブチル基、n‐ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェネチル基、ジフェニルメチル基、トリチル基)を挙げることができる。また、ある基について「炭素数」とは、置換基を有する基については、該置換基を含まない部分の炭素数をいうものとする。
本発明において「プリンヌクレオシド化合物」とは、プリン塩基と糖の還元基がグリコシド結合によって結合した、プリン核を含む配糖体化合物である。また、本発明における「プリン核」とは、下記構造をいうものとする。
[上記において、ZおよびZは、それぞれ独立に水素原子または置換基を表し、n1は1または2を表し、n2は1〜4の範囲の整数を表し、実線と破線からなる二重線は単結合または二重結合を表し、*は糖との結合位置を表す。n1、n2が2以上の場合、複数存在するZ、Zは同一でも異なっていてもよい。]
本発明のプリンヌクレオシド化合物では、上記プリン核の8位の炭素原子が上記一般式(I)で表される基によって置換されている。オレフィン部の異性化により下記のE体またはZ体のいずれかとなる。
[上記において、Z、Z、n1、n2、*、実線と破線からなる二重線は前述と同義である。]
上記および一般式(I)において、Aはアリール基またはヘテロアリール基を表す。
アリール基としては、例えば炭素数6〜30であり、単環または多環のいずれでもよい。前記アリール基は、置換基を有していてもよい。前記アリール基としては、具体的には、置換または無置換のフェニル基、ナフチル基を挙げることができる。また、フェニル基;ナフチル基、as‐インダセニル基、s‐インダセニル基、アセナフチレニル基、9H‐フルオレニル基、フェナントリル基、アントリル基、フルオランテニル基、アセフェナントリレニル基、アセアントリレニル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、テトラフェニル基、ナフタセニル基およびペリレニル基など環構成原子数10〜20のアリール基;ピセニル基、ペンタフェニル基およびペンタセニル基など環構成原子数21〜30のアリール基などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。アリール基として好ましくは、環構成原子数10〜20のアリール基、および置換基を有するフェニル基である。置換基を有するフェニル基としては、ニトロ基、ジエチルアミノ基、ジメチルアミノ基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、カルボニル基またはハロゲンなどの電子供与基、電子吸引基を置換基として有しているフェニル基が挙げられる。
これらの中でも、環構成原子数10〜20のアリール基、置換または無置換のフェニル基が好ましく、2〜4個の環が縮合してなる置換または無置換のアリール基、置換または無置換のフェニル基が更に好ましく、ナフチル基、9H‐フルオレニル基、ピレニル基、無置換のフェニル基が更に好ましい。なお、環構成原子数10〜20のアリール基であれば、後述のように高波長の光によって異性化できるため核酸に与えるダメージが少ない点で有利である。
Aで表されるヘテロアリール基としては、例えば、窒素原子、酸素原子およびイオウ原子からなる群から選ばれる1または2以上のヘテロ原子を環構成原子として含む5〜10員のヘテロアリール基を挙げることができ、単環または多環のいずれでもよい。より好ましくは窒素原子を環構成原子として1個または2個含む5または6員のヘテロアリール基を挙げることができ、さらに好ましくは窒素原子を環構成原子として1個含む5または6員のヘテロアリール基を挙げることができる。前記ヘテロアリール基は置換基を有していてもよい。具体的には、ヘテロアリール基としては置換または無置換のピロリル基、イミダゾリル基などヘテロ原子として窒素原子を含む環構成原子数5または6の単環式ヘテロアリール基;インドリル基などヘテロ原子として窒素原子を含む環構成原子数7〜9の縮合環式ヘテロアリール基;イソキノリニル基、2,7‐ナフチリジニル基、2,6‐ナフチリジニル基、1,6‐ナフチリジニル基、1,5‐ナフチリジニル基、キノキサリニル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、9H‐カルバゾリル基、9H‐β‐カルボリニル基、フェナントリジニル基、1H‐ペリミジニル基、4,7‐フェナントロリニル基、3,8‐フェナントロリニル基および2,9‐フェナントロリニル基などのフェナントロリニル基、フェナジニル基、テベニジニル基ならびに10H‐キンドリニル基などヘテロ原子として窒素原子を含む環構成原子10〜20のヘテロアリール基などを挙げることができる。中でも、環構成原子数10〜20のヘテロアリール基、置換または無置換のピロリル基および置換または無置換のカルバゾリル基が好ましい。
なお、本明細書において「環構成原子数」とは、置換基を考慮せずに、環を構成している原子数を表す。アリール基の場合には、環構成原子数は環を構成している炭素原子数であり、例えばピレニル基であれば16である。ヘテロアリール基の場合には、環構成原子数は環を構成している炭素原子およびヘテロ原子の総数であり、例えばキノキサリニル基であれば10である。
また、アリール基およびヘテロアリール基における、エチレン性二重結合との結合位置は特に限定されるものではなく、使用する基および合成方法などにより適宜決定すればよい。後述する実施例においては、例えば、2‐9H‐フルオレニルおよび2‐ピレニルである。また、ナフチル基である場合には、2‐ナフチルが好ましい。
一般式(I)で表される基は、一般式(I)中の*で表される位置においてプリン核の8位の炭素原子と結合している。一般式(I)で表される基によって置換されたプリン核がグリコシド結合する糖部分の構造は、特に限定されるものではなく、公知のヌクレオシド化合物に含まれる糖部分を挙げることができ、より具体的には、後述する一般式(II)、(III)に含まれる糖部分を挙げることができる。
本発明のプリンヌクレオシド化合物の好ましい態様としては、プリン核の8位の炭素原子が上記一般式(I)で表される基によって置換された、下記一般式(II)で表されるグアノシン誘導体および下記一般式(III)で表されるアデノシン誘導体を挙げることができる。
なお、下記一般式(II)、(III)にはE体を示すが、本発明のプリンヌクレオシド化合物はE体に限定されるものではなくZ体でもあってもよい。
一般式(II)、(III)におけるAの定義およびその詳細は、前述の通りである。
一般式(II)、(III)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水酸基もしくはその保護基、オリゴヌクレオチドの製造のために導入され得る反応性基、またはヌクレオシド誘導体の自己組織化を利用する際に導入され得る原子団を表す。
は、水素原子、水酸基もしくはその保護基、オリゴヌクレオチドの製造のために導入され得る反応性基、またはヌクレオシド誘導体の自己組織化を利用する際に導入され得る原子団を表す。
前記保護基としては、イソブチル、tert‐ブチルジメチルシリル(TBDMS)、ジメトキシトリチル(DMTr)等を挙げることができ、前記反応性基としては、2‐シアノエチル‐N,N,N’,N’‐テトライソプロピルホスホロアミダイト等を挙げることができる。また、前記原子団の詳細は、Isao Yoshikawa, et al., Tetrahedron 63 (2007) 7474-7481、Jeffery T. Davis, et al Chem. Soc. Rev., 2007, 36, 296-313、Gian Piero Spada, et al., SYNLETT 2004, No.4, pp 0596-0602に記載されている。前記原子団の具体例としては、−OR(Rはアルキルシリル基(例えばSi(iPr)17等)、エステル基を挙げることができる。また、R〜Rは、2つ以上が連結して環を形成してもよい。
一般式(II)、(III)中、Rは、水素原子、置換もしくは無置換のアミノ基またはその保護基を表す。前記保護基としては、イソブチル基、ジメチルホルムアミジン(DMF)基等を挙げることができる。
一般式(II)で表されるグアノシン誘導体の更に具体的な態様としては、下記一般式(II)‐2、一般式(II)‐2で表される化合物を挙げることができ、一般式(III)で表されるアデノシン誘導体の更に具体的な態様としては、下記一般式(III)‐1、一般式(III)‐2で表される化合物を挙げることができる。
[上記において、Aは前述と同義である。]
本発明のプリンヌクレオシド化合物の合成方法は特に限定されるものではないが、例えば8位がハロゲン化されたプリンヌクレオシド誘導体(以下、「ハロゲン化ヌクレオシド誘導体」ともいう)の8位ハロゲン原子を、一般式(I)で表される基と置換することにより、一般式(I)で表されるプリンヌクレオシド化合物を得ることができる。例えば、E体の合成には、鈴木‐宮浦カップリングを用いることができる。具体的には、8位をハロゲン化したプリン核と(E)‐アルケニルホウ素化合物をパラジウム等の触媒存在下で数時間加熱還流し、反応後、エバポレーターで溶媒を除去し、カラム精製、再結晶、洗浄などの方法を用い精製を行なうことにより目的物を得ることができる。上記反応の詳細については、N. Miyaura et al., Chem. Rev., 1995, 95, 2457-2483; N. Amann et al., Synlett, 2002, 5, 687-691.を参照できる。一方、Z体は、例えば8‐アリールエチニルプリンの接触水素還元により得ることができる。上記接触水素還元について、より具体的に説明する。まず薗頭カップリングを用い、8位をハロゲン化したプリン核と末端アルキンをもつ原子団をパラジウム等の触媒に加えヨウ化銅、アミン塩基などを同時に加えて数時間加熱還流し、反応後、エバポレーターで溶媒を除去し、カラム精製、再結晶、洗浄などの方法で精製する。得られた8‐アリールエチニルプリンをエタノール、メタノールなど適当な溶媒に溶かし、パラジウム等の触媒下、系内を水素で置換し常圧もしくは加圧下で接触水素還元する。
反応後、触媒を濾去し、エバポレーターで濾洗液から溶媒を除去する。カラム精製、再結晶、洗浄などの方法で精製しZ体を得ることができる。上記反応の詳細については、A. G. Firth et al., Tetrahedron Lett., 2006, 27, 3529-3533; H. Lindlar, Helv. Chim. Acta., 1952, 35, 446-450.を参照できる。
本発明のプリンヌクレオシド化合物の合成反応の詳細は、後述の実施例を参照できる。また、反応に使用する原料および試薬は、公知の方法で合成可能であり、市販品として入手できるものもある。合成反応後、必要に応じて公知の方法で精製を行なうことにより、目的物質を得ることができる。目的物質が得られたことは、NMR、質量分析等の同定方法によって確認できる。なお、一般式(I)で表されるプリンヌクレオシド化合物は、官能基や置換基の種類によっては塩を形成する場合があり、遊離の状態または塩の状態で水和物または溶媒和物を形成することもあるが、これらの状態も本発明の範囲に含まれるものとする。
本発明のプリンヌクレオシド化合物は、構造変化(異性化)を可逆的に制御することができる。また、光源のON/OFFにより構造を変化させることができ構造制御が容易である。
また、適当なポリメラーゼの使用により核酸合成にも利用可能と期待される。特に、プリン環の7位の窒素原子は、核酸において相互作用系(水素結合、金属イオンへの配位結合等)に関与することが知られている。本発明のプリンヌクレオシド化合物由来の核酸では、プリン環の8位の炭素原子に置換した一般式(I)で表される基のE→Z異性化により、上記相互作用系の阻害を制御(Z体により阻害、E体により阻害を解除)することができると考えられ、より正確な活性制御が可能になるものと期待される。特に、塩基部分に光応答性基を導入することは、分子構造全体への影響が少ないため、核酸の機能を保持しつつ活性を制御することができると考えられる。また、本発明のプリンヌクレオシド化合物由来の核酸は、塩基部分が修飾されているため、DNAの二重螺旋構造、RNAのリボザイム、アプタマー等の高次構造形成を、上記修飾の影響を受けることなく良好に行なうことができる。また、本発明のプリンヌクレオシド化合物は同様の理由によりPCR法またはRCA法などの核酸増幅技術によって簡便に核酸に導入することができる。
[異性化方法、光特性を変化させる方法]
更に本発明は、本発明のプリンヌクレオシド化合物に光を照射することにより、該化合物を異性化する方法、および、本発明のプリンヌクレオシド化合物に光を照射することにより、該化合物の光特性を変化させる方法に関する。
先に説明したように、本発明のプリンヌクレオシド化合物は、一般式(I)で表される基のオレフィン部のE−Z異性化を可逆的に起こすことができる。本発明のプリンヌクレオシド化合物は、E体、Z体とも高い安定性を有するため、光照射しない限り異性化が進行せず、光照射によって異性化(E→Z異性化およびZ→E異性化)を制御することができる。E→Z異性化は、E体に対して紫外光等の光(例えば波長300〜400nm)を照射することにより起こすことができる。Z→E異性化は、Z体に対して、E→Z異性化に使用する光より短波長の光(例えば波長240〜270nm)を照射することにより起こすことができる。また、例えば、前記一般式(I)におけるAがナフチル基、9H−フルオレニル基、ピレニル基、または置換基を有するフェニル基である場合、E→Z異性化は400〜500nmの光、Z→E異性化は290〜400nmの光にて行なうことができる。この場合、290nm以上という長波長の光にて異性化を行なうことができるので核酸に与えるダメージが少なくなる点において有利である。E→Z光異性化、Z→E光異性化とも、室温で容易に進行し得る。また、異性化のための光照射時間、使用する光源および照射光の強度等の異性化条件は、適宜設定すればよい。異性化条件については、後述の実施例も参照できる。
本発明のプリンヌクレオシド化合物は、E体とZ体で吸収スペクトル、蛍光強度、量子収率等の光特性が異なる。したがって、上記光照射による異性化により、本発明のプリンヌクレオシド化合物の光物性を変化させることができる。更に、上記光異性化は可逆的に起こすことができるため、本発明のプリンヌクレオシド化合物へ異なる波長の光を繰り返し照射することにより、化合物の光特性を可逆的に変化させることができる。光特性を変化させるための光照射条件については、前述の通りである。
[光スイッチング型デバイス材料]
更に本発明は、本発明のプリンヌクレオシド化合物および/または上記プリンヌクレオシド化合物由来の核酸を含む光スイッチング型デバイス材料に関する。本発明の光スイッチング型デバイス材料は、上記プリンヌクレオシド化合物および/または上記核酸の1種または2種以上からなることができ、または、エレクトロニックデバイスに通常使用される他の成分を含むこともできる。
本発明において「光スイッチング型」とは、光照射により機能や構造をスイッチングすることができる性質をいう。先に説明したように、本発明のプリンヌクレオシド化合物は、光照射により可逆的に異性化し構造を変化させることができ、それに伴い光特性を変えることができる。この性質を利用し、例えばE体の状態をオンまたはデジタル信号におけるビットの1とし、Z体の状態をオフまたはデジタル信号におけるビットの0とすることにより、スイッチング素子、記憶素子等のエレクトロニックデバイスを形成することができる。特に、本発明の光スイッチング型デバイス材料は、光駆動型ナノデバイスの光スイッチとして好適である。
以下、本発明を実施例により更に説明する。但し、本発明は実施例に示す態様に限定されるものではない。
[実施例1]
(E)‐8‐スチリル‐2’‐デオキシグアノシンの合成
8‐ブロモ‐2’‐デオキシグアノシン(化合物1)3.0gを2口ナス型フラスコに入れ、減圧・窒素置換を3回繰り返し系内を十分に窒素置換した。そこへDMF 200 mL、2‐トランス‐フェニルビニルボロニックアシッド1.54mg、トリエチルアミン4.81mLを加え、室温で5分間攪拌した。そこへテトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0)500mgを加え110℃で16時間加熱還流した。反応後、エバポレーターで溶媒を除去し、次いでシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=95:5)で精製した。目的物を含むフラクションを回収し展開溶媒を除去することにより、(E)‐8‐スチリル‐2’‐デオキシグアノシン(化合物2)2.06gを得た。同定結果を以下に示す。
1H NMR (DMSO-d6) δ : 10.7 (s, 1H), 7.68 (d, J = 7.3, 2H) 7.53 (d, J = 16.1, 1H) 7.47 (d, J = 16.1, 1H), 7.37 (m, 2H), 7.29 (m, 1H), 6.47 (s, 2H), 6.37 (dd, J = 8.6, 6.2, 1H), 5.26 (d, J = 4.2, 1H), 5.17 (t, J = 5.1, 1H), 4.45 (m, 1H), 3.82 (m, 1H), 3.71 (m, 1H), 3.65 (m, 1H), 2.60 (m, 1H), 2.09 (m, 1H).
13C NMR (DMSO-d6) δ : 156.2, 153.1, 151.5, 144.1, 136.0, 132.8, 128.6, 128.2, 127.0, 116.4, 115.7, 87.1, 82.3, 70.2, 61.2.
HR-FAB (M+H)+ for C18H19N5O4. Calculated: 370.1515; Found: 370.1571.。
[実施例2]
(Z)‐8‐スチリル‐2’‐デオキシグアノシンの合成
(1)8‐フェニルエチニル‐2’‐デオキシグアノシンの合成
8‐ブロモ‐2’‐デオキシグアノシン(化合物1)5.0gを2口ナス型フラスコに入れ、減圧・窒素置換を3回繰り返し系内を十分に窒素置換した。そこへDMF 200 mL、エチニルベンゼン19mL、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0) 427mg、トリエチルアミン6.0mL、ヨウ化銅(I)138mgを加え110℃で2時間加熱還流した。反応後、エバポレーターで溶媒を除去し、次いでクロロホルム、熱湯、少量のメタノールの順で洗浄し8‐フェニルエチニル‐2’‐デオキシグアノシン(化合物3)3.12gを得た。同定結果を以下に示す。
1H NMR (DMSO-d6) δ : 10.8 (s, 1H), 7.64 (m, 2H), 7.50 (m, 3H), 6.58 (s, 2H), 6.35 (t, J = 7.6, 1H), 5.28 (d, J = 4.4 1H), 4.87 (t, J = 5.8, 1H), 4.42 (m, 1H), 3.81 (dd, J = 8.8, 5.4, 1H), 3.62 (m, 1H), 3.51 (m, 1H), 3.10 (m, 1H), 2.18 (m, 1H).
13C NMR (DMSO-d6) δ : 155.8, 153.7, 150.7, 131.4, 129.7, 128.8, 120.4, 117.4, 92.6, 87.6, 83.4, 79.6, 71.0, 62.0, 37.3.
FAB MS (M+H)+ for C18H17N5O4. Calculated: 368.14; Found: 368.13.。
(2)(Z)‐8‐スチリル‐2’‐デオキシグアノシンの合成の合成
上記(1)で得た8‐フェニルエチニル‐2’‐デオキシグアノシン200mgをエタノール50mLに加え50℃で10分攪拌し溶解させた。そこへ5%パラジウム/カーボン25mgを加え系内を水素置換した後、室温で24時間攪拌し、接触水素還元を行った。反応後、系内を窒素により十分置換した後、触媒を濾去し、濾液を1mLになるまで濃縮した。濃縮液を逆相HPLCにて精製し(Z)‐8‐スチリル‐2’‐デオキシグアノシン(化合物4)80mgを得た。その際、溶離液は30分間で超純水:アセトニトリル=80:20から70:30へと移動相の組成を変化させたものを用いた。同定結果を以下に示す。
1H NMR (DMSO-d6) δ : 10.8 (s, 1H), 7.56 (m, 2H), 7.29 (m, 3H), 6.83 (d, J = 13.0, 1H), 6.64 (d, J = 13.0, 1H), 6.47 (s, 2H), 6.15 (dd, J = 8.5, 6.6, 1H), 5.18 (s, 1H), 5.00 (s, 1H), 4.33 (s, 1H), 3.76 (dd, J = 7.8, 4.6, 1H), 3.61 (m, 1H), 3.53 (m, 1H), 2.71 (m, 1H), 1.83 (m, 1H).
13C NMR (DMSO-d6) δ : 156.4, 153.3, 151.2, 142.6, 135.4, 135.3, 129.0, 128.1, 127.9, 117.4, 116.3, 87.3, 83.1, 70.6, 61.7, 38.0.
HR-FAB (M+H)+ for C18H19N5O4. Calculated: 370.1515; Found: 370.1564.
[実施例3]
E→Z光異性化反応
実施例1で合成した(E)‐8‐スチリル‐2’‐デオキシグアノシンを25μMになるよう超純水(2%アセトニトリル含有)に溶解し、ストックソリューションとした。ストックソリューションから1mLを1cm角の石英セルに移し暗所で370nmの光を照射し光異性化の経時変化を観察した。この際、光源には(株)朝日分光のLAX‐Cuteを使用し、フィルターには同社のHQBP370‐UVを使用した。一定時間経過ごとにサンプリングし、サンプリング溶液を逆相HPLCで分析しピークエリアより転換率を算出した。逆相HPLCで分析では等吸収点である268nmのUV吸収でモニタリングした。結果を図1(a)に示す。図1(a)に示すように、およそ5秒の光照射で96%の転換率が得られた。同時に、E→Z光異性化によるUV/可視光吸収スペクトルの変化を調べた。結果を図1(b)に示す。図1(b)に示すように、E→Z光異性化に伴い340nmのピークが減少し、249nmの吸収強度が増加した。
次に(E)‐8‐スチリル‐2’‐デオキシグアノシンを5μMになるよう超純水(2%アセトニトリル含有)に溶解しストックソリューションとした。ストックソリューションに窒素ガスを1時間程度バブリングし窒素飽和させた。ストックソリューションから2.5mLを1cm角の石英セルに移し(E)‐8‐スチリル‐2’‐デオキシグアノシンの蛍光発光とE→Z光異性化反応における量子収率(ΦE→Z)を調べた結果、450nmに蛍光をもち、ΦE→Z=0.35であった。
[実施例4]
Z→E光異性化反応
実施例2で合成した(Z)‐8‐スチリル‐2’‐デオキシグアノシンを25μMになるよう超純水(2%アセトニトリル含有)に溶解しストックソリューションとした。ストックソリューションから1mLを1cm角の石英セルに移し暗所で254nmの光を照射し光異性化の経時変化を観察した。この際、光源には(株)朝日分光のLAX‐Cuteを使用し、フィルターには同社のHQBP254‐UVを使用した。一定時間経過ごとにサンプリングし、サンプリング溶液を逆相HPLCで分析しピークエリアより転換率を算出した。逆相HPLCで分析では等吸収点である268nmのUV吸収でモニタリングした。結果を図2(a)に示す。図2(a)に示すように、およそ50秒の光照射で67%の転換率が得られた。同時に、Z→E光異性化によるUV/可視光吸収スペクトルの変化を調べた。結果を図2(b)に示す。図2(b)に示すように、Z→E光異性化に伴い249nmのピークが減少し、340nmの吸収強度が増加した。これはE→Z光異性化とは真逆の結果であり、これによりZ→E光異性化が生じたことが確認された。
次に(Z)‐8‐スチリル‐2’‐デオキシグアノシンを5μMになるよう超純水(2%アセトニトリル含有)に溶解しストックソリューションとした。ストックソリューションに窒素ガスを1時間程度バブリングし窒素飽和させた。ストックソリューションから2.5mLを1cm角の石英セルに移し(Z)‐8‐スチリル‐2’‐デオキシグアノシンの蛍光発光とZ→E光異性化反応における量子収率(ΦE→Z)を調べた。その結果、(E)‐8‐スチリル‐2’‐デオキシグアノシンと同様450nmに蛍光をもちΦE→Z=0.15であった。しかし、蛍光強度は(E)‐8‐スチリル‐2’‐デオキシグアノシンの1/6であった。
[実施例5]
Z‐E光異性化の繰り返し耐久性の評価
実施例1で合成した(E)‐8‐スチリル‐2’‐デオキシグアノシンを25μMになるよう超純水(2%アセトニトリル含有)に溶解しストックソリューションとした。ストックソリューションから1mLを1cm角の石英セルに移し暗所で370nm(7秒)‐254nm(50秒)の光を交互に10回照射し可逆的光異性化による化合物の耐久性を調べた。光源には実施例3および4と同様のものを用いた。結果を図3に示す。図3に示すように、10回の可逆的光異性化後においても化合物の副反応および分解などは見られなかった。これにより本発明のプリンヌクレオシド化合物が、繰り返し光異性化に対し優れた耐久性を有することが確認された。
[実施例6:フォトクロミック塩基(デオキシグアノシン)のアミダイト体の合成]
本実施例では以下の合成経路によりプリンヌクレオシド化合物を合成した。フォトクロミック塩基とは、光照射によって分子量を変えることなく分子内での化学結合の組み替えなどによって構造変化(異性化)反応を起こす塩基である。
5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐2’‐デオキシグアノシン(化合物2)の合成
8‐ブロモ‐2‘‐デオキシグアノシン(3.08g)を2口ナス型フラスコに入れ、そこへDMF(80mL)、N,N‐ジメチルホルムアミドジエチルアセタール(9mL)を加え55℃で30分間撹拌した。反応後、溶媒をエバポレーターで除去し2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐2’‐デオキシグアノシンを得た。得られた2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐2’‐デオキシグアノシンをピリジン(10mL)で3回共沸し、次いで減圧・窒素置換を3回繰り返して、系内を十分に窒素置換した。そこへピリジン(15mL)、ジメチルアミノピリジン(269mg)を加え、さらに0℃でピリジン(15mL)に溶解させたジメトキシトリチルクロライド4.10gをゆっくり滴下した。その後、反応溶液を室温で2時間攪拌した。撹拌した後、エバポレーターで溶媒を除去して、次に、ジクロロメタン(50mL×3)と水(50mL)で抽出し、得られた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を除去した。残留物を中圧液体クロマトグラフで精製した。その際、展開溶媒にはクロロホルム/メタノールを使用した。目的物を含むフラクションを回収して、展開溶媒を除去した後、5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐2’‐デオキシグアノシン(6.18g;化合物2)を白色固体として得た。同定した結果を以下に示す。
1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.5 (s, 1H), 8.31 (s, 1H), 7.27-7.25 (m, 2H), 7.20-7.12 (m, 7H), 6.75 (dd, J = 15.6, 8.8, 4H), 6.26 (dd, J = 7.8, 4.9, 1H), 5.37 (d, J = 4.9, 1H), 4.66-4.60 (m, 1H), 4.09-4.06 (m, 1H), 3.71 (s, 3H), 3.70 (s, 3H), 3.32-3.09 (m, 3H), 3.02 (s, 6H), 2.29- 2.23 (m, 1H); 13C NMR (DMSO-d6) δ: 157.9, 157.8, 157.7, 156.8, 156.4, 150.4, 144.9, 135.7, 135.6, 129.6, 129.4, 127.6, 126.5, 122.3, 120.3, 113.0, 112.9, 85.5, 85.1, 84.9, 70.3, 63.7, 48.6, 40.8, 37.1, 34.7; FAB MS (M+H)+ for C34H36N6O6Br, Calculated: 703.19; Found: 703.17.。
5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐ビニル‐2’‐デオキシグアノシン(化合物3)の合成
5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐2’‐デオキシグアノシン(化合物2)(1.50g)を2口ナス型フラスコに入れて、N‐メチルピロリドン4mLを加えた後、溶液をアルゴンガスで10分間バブリングした。次いでテトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム247mg、トリブチルビニルすず1.25mLを加え、反応溶液を110℃で45分間加熱還流した。反応後、酢酸エチル(50mL×3)と水(50mL)で抽出し、得られた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を除去した。残留物を中圧液体クロマトグラフで精製した。その際、展開溶媒にはジクロロメタン/メタノールを使用した。目的物を含むフラクションを回収し展開溶媒を除去した後、5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐ビニル‐2’‐デオキシグアノシン(1.18g;化合物3)を黄色固体として得た。同定した結果を以下に示す。
1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.4 (s, 1H), 8.45 (s, 1H), 7.31-7.29 (m, 2H), 7.24-7.16 (m, 7H), 6.99 (dd, J = 17.6, 10.8, 1H), 6.80 (t, J = 8.8, 4H), 6.40 (t, J = 6.8, 1H), 6.16 (dd, J = 17.6, 2.0, 1H), .5.40 (d, J = 4.9, 1H), 5.27 (dd, J = 10.8, 2.0, 1H), 4.65-4.60 (m, 1H), 3.90-3.86 (m, 1H), 3.71 (s, 6H), 3.18 (d, J = 3.9, 2H), 3.08 (s, 3H), 3.02 (s, 3H) 3.00- 2.92 (m, 1H), 2.25- 2.19 (m, 1H); 13C NMR (DMSO-d6) δ: 158.0, 157.9, 157.8, 157.4, 156.7, 150.0, 145.1, 144.8, 135.5, 135.4, 129.7, 129.6, 127.7, 127.6, 126.6, 124.7, 119.8, 119.4, 113.1, 85.3, 82.3, 69.9, 63.1, 40.8, 39.0, 34.7; FAB MS (M+H)+ for C36H38N6O6, Calculated: 651.29; Found: 651.26.。
5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐スチリル‐2’‐デオキシグアノシン(化合物4)の合成
トリフェニルフォスフィン30.2 mgを2口ナス型フラスコに入れ、減圧・窒素置換を3回繰り返して、系内を十分に窒素置換した。そこへDMF4mL、パラジウム(II)アセテイト10.3mg、トリエチルアミン76.7mLを加え60℃で10分間攪拌した。反応溶液がワインレッドに変色するのを確認した後、ブロモベンゼン96.6mg、DMF(3mL)に溶解させた5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐ビニル‐2’‐デオキシグアノシン(化合物3)300mgを順に加えて、115℃で1時間加熱還流した。反応後、触媒を濾去して、濾液を中圧液体クロマトグラフで精製した。その際、展開溶媒にはジクロロメタン/メタノールを使用した。目的物を含むフラクションを回収し展開溶媒を除去した後5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐スチリル‐2’‐デオキシグアノシン(151mg;化合物4)を黄色固体として得た。同定した結果を以下に示す。
1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.5 (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 7.68-7.62 (m, 3H), 7.38-7.30 (m, 4H), 7.25-7.23 (m, 2H), 7.14-7.12 (m, 4H), 6.72 (t, J = 9.3, 4H), 6.58 (dd, J = 6.8, 4.4, 1H), 5.41 (d, J = 4.9, 1H) 4.67-4.60 (m, 1H), 3.93-3.88 (m, 1H), 3.63 (s, 6H), 3.25-3.31 (m, 3H), 3.05 (s, 3H), 3.03 (s, 3H) 2.31- 2.25 (m, 1H); 13C NMR (DMSO-d6) δ: 157.9, 157.7, 157.4, 156.4, 150.0, 145.7, 144.9, 136.1, 135.6, 135.5, 129.5, 129.5, 128.8, 128.6, 127.6, 127.1, 126.5, 120.2, 115.0, 113.0, 82.7, 70.2, 63.6, 40.8, 38.2, 34.7; HR-FAB (M+H)+ for C42H42N6O6, Calculated: 727.3244; Found: 727.3295.。
5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(2‐(ナフチル)ビニル)‐2’‐デオキシグアノシン(化合物5)の合成
トリフェニルフォスフィン30.2 mgを2口ナス型フラスコに入れ、減圧・窒素置換を3回繰り返して、系内を十分に窒素置換した。そこへDMF4mL、パラジウム(II)アセテイト10.3mg、トリエチルアミン76.7mLを加え60℃で10分間攪拌した。反応溶液がワインレッドに変色するのを確認した後、DMF(2.5mL)に溶解させた2‐ブロモナフタレン190mg、DMF(2.5mL)に溶解させた5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐ビニル‐2’‐デオキシグアノシン(化合物3)300mgを順に加えて、115℃で1時間加熱還流した。反応後、触媒を濾去し、濾液を中圧液体クロマトグラフで精製した。その際、展開溶媒にはジクロロメタン/メタノールを使用した。目的物を含むフラクションを回収し展開溶媒を除去した後、5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(2‐(ナフチル)ビニル)‐2’‐デオキシグアノシン(183mg;化合物5)を黄色固体として得た。同定した結果を以下に示す。
1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.5 (s, 1H), 8.44 (s, 1H), 8.10 (s, 1H) 7.93-7.81 (m, 4H), 7.65-7.49 (m, 3H), 7.27-7.11 (m, 10H), 6.71 (dd, J = 12.5, 8.8, 4H), 6.64 (dd, J = 12.0, 4.6, 1H), 5.43 (d, J = 5.1, 1H), 4.71-4.63 (m, 1H), 3.96-3.92 (m, 1H), 3.63 (s, 6H), 3.32-3.20 (m, 3H), 3.07 (s, 3H), 3.05 (s, 3H), 2.34-2.29 (m, 1H); 13C NMR (DMSO-d6) δ: 157.8, 157.6, 157.3, 156.3, 150.0, 145.7, 144.8, 135.5, 135.4, 133.6, 133.4, 133.1, 132.9, 129.5, 129.4, 128.2, 128.0, 127.5, 126.5, 126.4, 123.6, 120.2, 115.3, 112.9, 85.0, 82.6, 70.2, 63.6, 40.7, 38.1, 34.6; HR-FAB (M+H)+ for C46H44N6O6, Calculated: 777.3400; Found: 777.3468.。
5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(2‐(9H‐フルオレニル)ビニル)‐2’‐デオキシグアノシン(化合物6)の合成
トリフェニルフォスフィン30.2mgを2口ナス型フラスコに入れ、減圧・窒素置換を3回繰り返して、系内を十分に窒素置換した。そこへDMF4mL、パラジウム(II)アセテイト10.3mg、トリエチルアミン76.7mLを加え60℃で10分間攪拌した。反応溶液がワインレッドに変色するのを確認した後、DMF(2.5mL)に溶解させた2-ブロモフルオレン 170mg、DMF(2.5mL)に溶解させた5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐ビニル‐2’‐デオキシグアノシン(化合物3)300mgを順に加えて、115℃で1時間加熱還流した。反応後、触媒を濾去し、濾液を中圧液体クロマトグラフで精製した。その際、展開溶媒にはジクロロメタン/メタノールを使用した。目的物を含むフラクションを回収し展開溶媒を除去した後5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(2‐(フルオレニル)ビニル)‐2’‐デオキシグアノシン(184mg;化合物6)を黄色固体として得た。同定した結果を以下に示す。
1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.4 (s, 1H), 8.41 (s, 1H), 7.92-7.86 (m, 3H), 7.75-7.59 (m, 3H), 6.78-6.72 (m, 3H), 7.43-7.31 (m, 3H), 6.78-6.72 (m, 4H), 6.78-6.72 (m, 4H), 7.25-7.24 (m, 2H), 7.16-7.10 (m, 7H), 6.71 (dd, J = 12.7, 9.2, 4H), 6.60 (dd, J = 7.3, 4.9, 1H), 5.41 (d, J = 3.9, 1H), 4.67-4.63 (m, 1H), 3.91 (s, 3H), 3.61 (s, 6H), 3.28-3.17 (m, 3H), 3.05 (s, 3H), 3.03 (s, 3H), 2.32-2.25 (m, 1H); 13C NMR (DMSO-d6) δ: 157.9, 157.6, 157.4, 150.0, 146.0, 145.0, 143.6, 143.5, 141.6, 140.7, 135.6, 134.9, 133.9, 129.6, 129.5, 127.6, 127.1, 126.9, 126.6, 126.5, 125.2, 123.4, 120.3, 114.3, 113.0, 85.1, 82.7, 70.2, 63.7, 38.1, 36.3, 34.7; HR-FAB (M+H)+ for C49H46N6O6, Calculated: 815.3557; Found: 815.3571.。
5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐3‘‐O‐[2‐シアノエトキシ‐(N,N‐ジイソプロピルアミノ)‐フォスフィノ]‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐スチリル‐2’‐デオキシグアノシン(化合物7)
5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐スチリル‐2’‐デオキシグアノシン(化合物4)240mgを2口ナス型フラスコに入れ、減圧・窒素置換を3回繰り返して、系内を十分に窒素置換した。そこへジクロロメタン2.5mL、2‐シアノエチルテトライソプロピルフォスフォロジアミダイト115μL、アセトニトリルに溶解した0.25Mのテトラゾール1.45mLを加え室温で1.5時間攪拌した。反応後、溶媒を除去し中圧液体クロマトグラフで精製した。その際、展開溶媒にはジクロロメタン/メタノールを使用した。目的物を含むフラクションを回収し展開溶媒を除去した後5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐3‘‐O‐[2-シアノエトキシ‐(N,N‐ジイソプロピルアミノ)‐フォスフィノ]‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐スチリル‐2’‐デオキシグアノシン(311mg;化合物7)を黄色固体として得た。これ以上の精製はせず、このままDNA合成機へ取り付けて、後述するオリゴマーの合成を行なった。また、同定した結果を以下に示す。
FAB MS (M+H)+ for C51H59N8O7P, Calculated: 927.43; Found: 927.47.。
5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐3‘‐O‐[2-シアノエトキシ‐(N,N‐ジイソプロピルアミノ)‐フォスフィノ]‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(2‐(ナフチル)ビニル)‐2’‐デオキシグアノシン(化合物8)の合成
5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(2−(ナフチル)ビニル)‐2’‐デオキシグアノシン(化合物5)230mgを2口ナス型フラスコに入れ、減圧・窒素置換を3回繰り返して、系内を十分に窒素置換した。そこへジクロロメタン2.5mL、2‐シアノエチルテトライソプロピルフォスフォロジアミダイト94μL、アセトニトリルに溶解した0.25Mのテトラゾール1.18mLを加えて、室温で1.5時間攪拌した。反応後、溶媒を除去し中圧液体クロマトグラフで精製した。その際、展開溶媒にはジクロロメタン/メタノールを使用した。目的物を含むフラクションを回収し展開溶媒を除去した後、5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐3‘‐O‐[2-シアノエトキシ‐(N,N‐ジイソプロピルアミノ)‐フォスフィノ]‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(2‐(ナフチル)ビニル)‐2’‐デオキシグアノシン(228mg;化合物8)を黄色固体として得た。当該化合物8を用いてオリゴマーを合成する際は、これ以上の精製はせず、このままDNA合成機へ取り付けるとよい。また、同定した結果を以下に示す。
FAB MS (M+H)+ for C55H61N8O7P, Calculated: 976.44; Found: 976.32.。
5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐3‘‐O‐[2‐シアノエトキシ‐(N,N‐ジイソプロピルアミノ)‐フォスフィノ]‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(2‐(9H‐フルオレニル)ビニル)‐2’‐デオキシグアノシン(化合物9)の合成
5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(2‐(フルオレニル)ビニル)‐2’‐デオキシグアノシン(化合物6)320mgを2口ナス型フラスコに入れ、減圧・窒素置換を3回繰り返して、系内を十分に窒素置換した。そこへジクロロメタン 2.5mL、2‐シアノエチルテトライソプロピルフォスフォロジアミダイト137μL、アセトニトリルに溶解した0.25Mのテトラゾール1.73mLを加え室温で1.5時間攪拌した。反応後、溶媒を除去し中圧液体クロマトグラフで精製した。その際、展開溶媒にはジクロロメタン/メタノールを使用した。目的物を含むフラクションを回収し展開溶媒を除去した後5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐3‘‐O‐[2-シアノエトキシ‐(N,N‐ジイソプロピルアミノ)‐フォスフィノ]‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(2‐(フルオレニル)ビニル)‐2’‐デオキシグアノシン(337mg;化合物9)を黄色固体として得た。これ以上の精製はせず、このままDNA合成機へ取り付けて、後述するオリゴマーの合成を行なった。また、同定した結果を以下に示す。
FAB MS (M+H)+ for C58H63N8O7P, Calculated: 1015.46; Found: 1015.46.。
[実施例7:フォトクロミック塩基(デオキシアデノシン)のアミダイト体の合成]
本実施例では以下の合成経路によりプリンヌクレオシド化合物を合成した。
5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐8‐ブロモ‐2’‐デオキシアデノシン(化合物2)の合成
8‐ブロモ‐2‘‐デオキシアデノシン(4.50g)を2口ナス型フラスコに入れ、ピリジン(10mL)で3回共沸し、次いで減圧・窒素置換を3回繰り返して、系内を十分に窒素置換した。そこへピリジン(40mL)、ジメチルアミノピリジン(167mg)を加え、さらに0℃でピリジン(20mL)に溶解させたジメトキシトリチルクロライド5.58gをゆっくり滴下した。その後、反応溶液を室温で1.5時間攪拌した。反応後、エバポレーターで溶媒を除去し、残留物を中圧液体クロマトグラフで精製した。その際、展開溶媒にはクロロホルム/メタノールを使用した。目的物を含むフラクションを回収し展開溶媒を除去した後、5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐8‐ブロモ‐2’‐デオキシアデノシン(6.13g;化合物2)を白色固体として得た。同定した結果を以下に示す。
1H NMR (CDCl3) δ: 8.06 (s, 1H), 7.38-7.14 (m, 9H), 6.75 (dd, J = 8.8, 1.8, 4H), 6.39 (t, J = 6.9, 1H), 5.87 (s, 2H), 4.95 (m, 1H), 4.13 (dd, J = 10.2, 5.5, 1H), 3.76 (s, 6H), 3.56 (m, 1H), 3.40 (m, 2H), 2.35 (m, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ:158.4, 154.1, 152.5, 150.7, 144.7, 135.9, 135.8, 130.0, 129.9, 128.1, 127.8, 127.7, 126.7, 120.3, 113.0, 86.2, 86.0, 72.8, 63.7, 55.2, 53.4, 36.7 ; FAB MS (M+H)+for C31H30N5O5Br, Calculated: 632.15; Found: 632.14.。
5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐8‐ビニル‐2’‐デオキシアデノシン(化合物3)
5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐8‐ブロモ‐2’‐デオキシアデノシン(化合物2)6.00gを2口ナス型フラスコに入れ、N‐メチルピロリドン25mLを加えた後、溶液をアルゴンガスで10分間バブリングした。次いでテトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム1.10g、テトラビニルすず3.44mLを加え、反応溶液を110℃で1時間加熱還流した。反応後、酢酸エチル(50mL×3)と水(50mL)で抽出し、得られた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を除去した。残留物を中圧液体クロマトグラフで精製した。その際、展開溶媒にはジクロロメタン/メタノールを使用した。目的物を含むフラクションを回収し展開溶媒を除去した後、目的物を含むフラクションを回収して、展開溶媒を除去した後、5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐8‐ビニル‐2’‐デオキシアデノシン(3.25g;化合物3)を白色固体として得た。同定した結果を以下に示す。
1H NMR (CDCl3) δ: 8.17 (s, 1H), 7.38-7.16 (m, 9H), 7.02 (dd, J = 17.1, 11.2, 1H), 6.76 (dd, J = 9.3, 3.4, 4H), 6.47-6.38 (m, 2H), 6.59 (s, 2H), 5.47 (dd, J = 11.2, 1.5, 1H), 4.89 (m, 1H), 4.10 (m, 1H), 3.75 (s, 6H), 3.43 (dd, J = 10.2, 4.9, 1H), 3.38-3.30 (m, 2H), 2.33 (ddd, J = 13.7, 6.8, 3.9, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ:158.4, 154.9, 152.3, 150.5, 149.0, 144.6, 135.8, 130.0, 128.1, 127.7, 126.8, 124.1, 123.9, 119.2, 113.0, 86.3, 85.6, 83.5, 72.1, 63.3, 55.2, 38.5; FAB MS (M+H)+for C33H33N5O5, Calculated: 580.26; Found: 580.37.。
5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐6‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐ビニル‐2’‐デオキシアデノシン(化合物4)
5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐8‐ビニル‐2’‐デオキシアデノシン(化合物3)2.20gを2口ナス型フラスコに入れ、減圧・窒素置換を3回繰り返して、系内を十分に窒素置換した。そこへメタノール15mL、N,N‐ジメチルホルムアミドジエチルアセタール(2.52mL)を加え50℃で45分間攪拌した。反応後、エバポレーターで溶媒を除去し、残留物を中圧液体クロマトグラフで精製した。その際、展開溶媒にはクロロホルム/メタノールを使用した。目的物を含むフラクションを回収して、展開溶媒を除去した後、5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐6‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐ビニル‐2’‐デオキシアデノシン(2.24g;化合物4)を白色固体として得た。同定した結果を以下に示す。
1H NMR (CDCl3) δ: 8.90 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 7.39-7.15 (m, 9H), 7.02 (dd, J = 17.6, 11.2, 1H), 6.76 (dd, J = 8.8, 2.9, 1H), 6.58 (dd, J = 17.6, 1.4, 1H), 6.51 (t, J = 6.8, 1H), 5.49 (dd, J = 11.2, 1.4, 1H), 4.88 (m, 1H), 4.08 (m, 1H), 3.76 (s, 6H), 3.44 (dd, J = 11.4, 4.9, 1H), 3.39 (dd, J = 11.4, 4.9, 1H), 3.25 (s, 3H), 3.18 (s, 3H) 2.34 (ddd, J = 13.4, 6.8, 3.9, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ: 158.9, 158.4, 157.9, 152.4, 151.9, 144.6, 135.8, 130.0, 128.1, 127.7, 126.7, 125.7, 124.5, 123.9, 113.0, 86.3, 85.5, 83.2, 77.2, 72.2, 63.3, 55.2, 41.2, 38.6, 35.2; FAB MS (M+H)+ for C36H38N6O5, Calculated: 635.30; Found: 635.36.。
5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐6‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(2‐(ナフチル)ビニル)‐2’‐デオキシアデノシン(化合物5)
トリフェニルフォスフィン41.4mgを2口ナス型フラスコに入れ、減圧・窒素置換を3回繰り返して、系内を十分に窒素置換した。そこへDMF4mL、パラジウム(II)アセテイト14.2mg、トリエチルアミン131μLを加え60℃で10分間攪拌した。反応溶液がワインレッドに変色するのを確認した後、DMF(2.5mL)に溶解させた2-ブロモナフタレン190mg、DMF(2.5mL)に溶解させた5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐6‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐ビニル‐2’‐デオキシアデノシン(化合物4)400mgを順に加えて、115℃で1時間加熱還流した。反応後、触媒を濾去し、濾液を中圧液体クロマトグラフで精製した。その際、展開溶媒にはクロロホルム/メタノールを使用した。目的物を含むフラクションを回収し展開溶媒を除去した後、5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐6‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(2‐(ナフチル)ビニル)‐2’‐デオキシアデノシン(326mg;化合物5)を黄色固体として得た。同定した結果を以下に示す。
1H NMR (CDCl3) δ: 8.89 (s, 1H), 8.35 (s, 1H), 8.21 (d, J = 16.1, 1H) 7.92 (s, 4H), 7.82-7.67 (m, 3H), 7.48 (dd, J = 6.3, 3,4, 2H), 7.38-7.10 (m, 11H), 6.72 (dd, J = 9.3, 3,4, 4H), 6.56 (t, J = 6.3, 1H), 4.93 (m, 1H), 4.15 (dd, J = 9.8, 5,4, 1H), 3.68 (s, 6H), 3.44 (m, 2H), 3.29 (s, 3H), 3.20 (s, 3H), 2.39 (ddd, J = 13.7, 6.9, 2.0, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ:158.5, 158.4, 157.8, 152.5, 151.6, 150.7, 144.7, 138.8, 135.9, 133.7, 133.5, 133.4, 130.0, 128.8, 128.7, 128.5, 128.4, 128.1, 127.7, 127.5, 126.7, 126.6, 126.4, 123.4, 113.0, 86.2, 85.6, 83.8, 77.2, 72.9, 63.8, 55.1, 41.3, 37.8, 35.3; FAB MS (M+H)+ for C44H46N6O5, Calculated: 761.35; Found: 761.36.。
5’‐O‐(4,4’-ジメトキシトリチル)‐6‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(2‐(ピレニル)ビニル)‐2’‐デオキシアデノシン(化合物6)の合成
トリフェニルフォスフィン51.7mgを2口ナス型フラスコに入れ、減圧・窒素置換を3回繰り返して、系内を十分に窒素置換した。そこへDMF5mL、パラジウム(II)アセテイト17.7mg、トリエチルアミン164μLを加え60℃で10分間攪拌した。反応溶液がワインレッドに変色するのを確認した後、DMF(2.5mL)に溶解させた1‐ブロモピレン332mg、DMF(3.0mL)に溶解させた5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐6‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐ビニル‐2’‐デオキシアデノシン(化合物4)500mgを順に加えて、115℃で1時間加熱還流した。反応後、触媒を濾去し、濾液を中圧液体クロマトグラフで精製した。その際、展開溶媒にはクロロホルム/メタノールを使用した。目的物を含むフラクションを回収して、展開溶媒を除去した後、5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐6‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(2‐(ナフチル)ビニル)‐2’‐デオキシアデノシン(421mg;化合物6)を黄色固体として得た。同定した結果を以下に示す。
1H NMR (CDCl3) δ: 9.15 (d, J = 15.6, 1H), 8.91 (s, 1H), 8.65 (d, J = 9.8, 1H), 8.38 (s, 1H), 8.23-7.95 (m, 8H), 7.48 (d, J = 16.1, 1H), 7.37 (d, J = 7.3, 1H), 7.26-7.08 (m, 7H), 6.68 (dd, J = 8.8, 2,4, 4H), 6.64 (t, J = 6.8, 1H), 4.92 (m, 1H), 4.19 (dd, J = 10.3, 5,4, 1H), 3.62 (s, 6H), 3.45 (m, 2H), 3.31 (s, 3H), 3.19 (s, 3H), 2.41 (m, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ:158.5, 158.3, 157.7, 152.6, 151.7, 150.9, 144.6, 135.9, 135.8, 135.2, 131.9, 131.3, 130.8, 130.0, 129.3, 128.1, 128.0, 127.7, 127.3, 126.7, 126.4, 126.1, 125.6, 125.4, 125.0, 124.9, 124.7, 123.6, 123.1, 115.7, 113.0, 86.2, 85.6, 83.2, 77.2, 72.8, 63.8, 55.0, 41.3, 37.7, 35.3; FAB MS (M+H)+ for C52H46N6O5, Calculated: 835.36; Found: 835.31.。
5’‐O‐(4,4’-ジメトキシトリチル)‐6‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(4‐(ジエチルアミノ)スチリル)‐2’‐デオキシアデノシン(化合物7)の合成
トリフェニルフォスフィン29.0mgを2口ナス型フラスコに入れ、減圧・窒素置換を3回繰り返して、系内を十分に窒素置換した。そこへジオキサン3mL、パラジウム(II)アセテイト9.9mg、トリエチルアミン98.3μLを加え60℃で10分間攪拌した。反応溶液がワインレッドに変色するのを確認した後、DMF(1.5mL)に溶解させた4−ブロモ-N,N-ジエチルアニリン151mg、ジオキサン(1.5mL)に溶解させた5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐6‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐ビニル‐2’‐デオキシアデノシン(化合物4)280mgを順に加えて、115℃で1時間加熱還流した。反応後、触媒を濾去し、濾液を中圧液体クロマトグラフで精製した。その際、展開溶媒にはクロロホルム/メタノールを使用した。目的物を含むフラクションを回収して、展開溶媒を除去した後、5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐6‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(4‐(ジエチルアミノ)スチリル)‐2’‐デオキシアデノシン(60mg;化合物7)を黄色固体として得た。同定した結果を以下に示す。
1H NMR (CDCl3) δ: 8.88 (s, 1H), 8.35 (s, 1H), 8.05 (d, J = 16.1, 1H), 7.53-7.14(m, 13H), 6.63 (dd, J = 9.3, 2,4, 4H), 6.52 (t, J = 6.8, 1H), 4.92 (m, 1H), 4.11 (dd, J = 10.3, 4.9, 1H), 3.72 (s, 6H), 3.61 (m, 1H), 3.44-3.36 (m, 3H), 3.28 (s, 3H), 3.20 (s, 3H) 2.36 (m, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ:158.3, 152.4, 151.6, 150.6,144.6, 138.7, 135.9, 135.8, 129.9, 128.8, 128.1, 127.7 127.5, 126.7, 113.4, 113.0, 111.3, 86.2, 85.4, 83.7, 77.2, 72.9, 63.8, 55.1, 44.4, 41.3, 37.6, 35.3, 12.6; FAB MS (M+H)+ for C46H51N7O5, Calculated: 782.40; Found: 782.18.。
5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐3‘‐O‐[2‐シアノエトキシ‐(N,N‐ジイソプロピルアミノ)‐フォスフィノ]‐6‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(2‐(ナフチル)ビニル)‐2’‐デオキシアデノシン(化合物8)の合成
5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐6‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(2‐(ナフチル)ビニル)‐2’‐デオキシアデノシン(化合物5)270mgを2口ナス型フラスコに入れ、減圧・窒素置換を3回繰り返して、系内を十分に窒素置換した。そこへジクロロメタン3.0mL、2‐シアノエチルテトライソプロピルフォスフォロジアミダイト124μL、アセトニトリルに溶解した0.25Mのテトラゾール1.56mLを加え室温で1.5時間攪拌した。反応後、溶媒を除去し中圧液体クロマトグラフで精製した。その際、展開溶媒にはジクロロメタン/メタノールを使用した。目的物を含むフラクションを回収し展開溶媒を除去した後5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐3‘‐O‐[2‐シアノエトキシ‐(N,N‐ジイソプロピルアミノ)‐フォスフィノ]‐6‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(2‐(ナフチル)ビニル)‐2’‐デオキシアデノシン(177mg;化合物8)を黄色固体として得た。当該化合物8を用いてオリゴマーを合成する際は、これ以上の精製はせず、このままDNA合成機へ取り付けるとよい。また、同定した結果を以下に示す。
FAB MS (M+H)+ for C55H61N8O6P, Calculated: 961.45; Found: 961.50.。
5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐3‘‐O‐[2‐シアノエトキシ‐(N,N‐ジイソプロピルアミノ)‐フォスフィノ]‐6‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(2‐(ピレニル)ビニル)‐2’‐デオキシアデノシン(化合物9)の合成
5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐6‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(2‐(ピレニル)ビニル)‐2’‐デオキシアデノシン(化合物5)210mgを2口ナス型フラスコに入れ、減圧・窒素置換を3回繰り返して、系内を十分に窒素置換した。そこへジクロロメタン 2.5mL、2‐シアノエチルテトライソプロピルフォスフォロジアミダイト88μL、アセトニトリルに溶解した0.45Mのテトラゾール616mLを加えて、室温で1.5時間攪拌した。反応後、溶媒を除去し中圧液体クロマトグラフで精製した。その際、展開溶媒にはジクロロメタン/メタノールを使用した。目的物を含むフラクションを回収して、展開溶媒を除去した後、5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐3‘‐O‐[2‐シアノエトキシ‐(N,N‐ジイソプロピルアミノ)‐フォスフィノ]‐6‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8-(2‐(ピレニル)ビニル)‐2’‐デオキシアデノシン(237mg;化合物9)をオレンジ色の固体として得た。当該化合物9を用いてオリゴマーを合成する際は、これ以上の精製はせず、このままDNA合成機へ取り付けるとよい。
FAB MS (M+H)+ for C61H63N8O6P, Calculated: 1035.48; Found: 1035.56.。
5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐3‘‐O‐[2‐シアノエトキシ‐(N,N‐ジイソプロピルアミノ)‐フォスフィノ]‐6‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(4‐(ジエチルアミノ)スチリル)‐2’‐デオキシアデノシン(化合物10)の合成
5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐6‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(4‐(ジエチルアミノ)スチリル)‐2’‐デオキシアデノシン(化合物7)60mgを2口ナス型フラスコに入れ、減圧・窒素置換を3回繰り返して、系内を十分に窒素置換した。そこへジクロロメタン 1.5mL、2‐シアノエチルテトライソプロピルフォスフォロジアミダイト29μL、アセトニトリルに溶解した0.45Mのテトラゾール188mLを加えて、室温で1.5時間攪拌した。反応後、溶媒を除去し中圧液体クロマトグラフで精製した。その際、展開溶媒にはジクロロメタン/メタノールを使用した。目的物を含むフラクションを回収して、展開溶媒を除去した後、5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐3‘‐O‐[2‐シアノエトキシ‐(N,N‐ジイソプロピルアミノ)‐フォスフィノ]‐6‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8-(4‐(ジエチルアミノ)スチリル)‐2’‐デオキシアデノシン(237mg;化合物10)を黄色の固体として得た。当該化合物10を用いてオリゴマーを合成する際は、これ以上の精製はせず、このままDNA合成機へ取り付けるとよい。
FAB MS (M+H)+ for C55H68N9O6P, Calculated: 982.51; Found: 982.21。
[実施例8:フォトクロミック塩基による二本鎖形成の可逆的光制御]
実施例6にて得た化合物7を用いて、DNA合成機でオリゴマー(5‘‐TACXCGTATXCACGTXCATA‐3’)を合成した。Xは当該化合物7である。オリゴマー中に挿入されている、実施例6にて得た化合物7を図4に示す。なお、図4に示すように、当該化合物7を8STGとも表記する。また、当該オリゴマーの相補鎖(5‘‐TATGCACGTGCATACGCGTA‐3’;配列番号1)を合成した。合成した2つのオリゴマーがそれぞれ5μMになるように、反応溶液(10mMリン酸バッファー:pH7.0、100mM NaCl)を調整した。反応溶液に370nmの光を室温で5分間照射した。その反応溶液にさらに254nmの光を室温で2分間照射した。反応前後での二本鎖の熱的安定性を測定した。結果を図5に示す。図5は本実施例で合成したオリゴマーの熱的安定性の測定結果を示す図である。図5の縦軸は吸光度を示し、横軸は温度を表し、実線は光を照射する前の状態(E体(トランス体))の結果を示し、点線は370nmの光を照射した後の状態(Z体(シス体))の結果を示し、破線は370nmの光を照射した後に254nmの光を照射した後の状態の結果を示す。
反応前では、二本鎖形成を示す温度に依存した濃色効果が観られたが(図5実線)、370nmの光を照射した後には濃色効果は観られなかった(図5点線)。254nm照射後では二本鎖形成を示す温度に依存した濃色効果が再び観られた(図5破線)。この結果から、フォトクロミック塩基の光異性化により二本鎖形成を可逆的に光制御できることが示された。
本化合物7の特徴的な性質の一つは、異性化に伴い蛍光強度が劇的に変化することにある。この性質を利用し、二本鎖形成の有無をモニタリングした。上述の2つのオリゴマーがそれぞれ5μMになるように、反応溶液(10mMリン酸バッファー:pH7.0、100mM NaCl)を調製した。反応溶液に370nmの光を室温で5分間、254nmの光を室温で2分間、交互に数回照射した。その際の蛍光の変化を観察した。結果を図6に示す。図6は本実施例にて合成したオリゴマーに光を照射して蛍光強度の変化を観察した結果を示す図である。なお、図6中の「D」は二本鎖オリゴヌクレオチドを示し、「S」は一本鎖オリゴヌクレオチドを示す。つまり、「D」が付されたチューブ中には二本鎖オリゴヌクレオチドが多く存在することが確認され、「S」が付されたチューブ中には一本鎖オリゴヌクレオチドが多く存在することが確認された。図6に示すように、光を照射する前は強い蛍光が観られたが、370nmの光を照射した後には非常に弱い蛍光しか観測されなかった。また、254nmの光を照射した後には再び強い蛍光が観られた。このように、本化合物7を使えば、光によって核酸の二本鎖形成を完全かつ可逆的に制御でき、さらには二本鎖形成の有無を蛍光の変化でモニタリングできることが示された。
[実施例9:フォトクロミック塩基によるG‐quadruplex(G‐四重鎖構造)の可逆的光制御およびアンチトロンビンアプタマーの活性制御]
実施例6にて得た化合物9を用いてDNA合成機によりオリゴマー(5‘‐GGTTXGTGTXGTTGG‐3’)を合成した。本配列からなるオリゴマーは分子内でG‐quadruplexを形成するアンチトロンビンアプタマーである。なお、Xは当該化合物9である。このアンチトロンビンアプタマーの構造を模式的に図7に示す。
アンチトロンビンアプタマーが5μMになるよう反応溶液(10mMリン酸バッファー:pH7.0、100mM KCl)を調製した。反応溶液に410nmの光を室温で5分間照射した。その反応溶液にさらに310nmの光を室温で1分間照射した。光の照射前後におけるG‐quadruplex形成の有無をCDスペクトルにより判別した。結果を図8に示す。図8は実施例6にて得た化合物9を組み込んで合成したアンチトロンビンアプタマーに光を照射した際のCDスペクトルを示す図であり、縦軸はモル楕円率を示し、横軸は波長を示し、実線は光を照射する前の状態(E体(トランス体))の結果を示し、点線は410nmの光を照射した後の状態(Z体(シス体))の結果を示し、破線は410nmの光を照射した後に310nmの光を照射した後の状態の結果を示す。
図8に示すように、光の照射前においては、G‐quadruplex形成を示す290nm付近の極大、および270nm付近の極小が観られた(図8実線)が、410nm照射後においては、そのようなスペクトルは観られなかった(図8点線)。また、310nm照射後においてはG‐quadruplex形成を示す290nm付近の極大、および270nm付近の極小が再び観られた(図8破線)。この結果から、フォトクロミック塩基の光異性化によりG‐quadruplex形成を可逆的に光制御できていることが示された。
また、本アンチトロンビンアプタマーにおいてXを8STGとした以外は本実施例と同じ操作を行ない、光の照射前後におけるG‐quadruplex形成の有無をCDスペクトルにより判別した。結果を図9に示す。図9は実施例6にて得た化合物7を組み込んで合成したアンチトロンビンアプタマーに光を照射した際のCDスペクトルを示す図であり、縦軸はモル楕円率を示し、横軸は波長を示し、実線は光を照射する前の状態(E体(トランス体))の結果を示し、点線は410nmの光を照射した後の状態(Z体(シス体))の結果を示し、破線は410nmの光を照射した後に310nmの光を照射した後の状態の結果を示す。
図9を図8と比較すると分かるように、実施例6にて得た化合物9を組み込んで合成したアンチトロンビンアプタマーは、8STGを組み込んだ場合に比べて、E体とZ体とにおけるG‐quadruplexの構造に明確な差が観られた。つまり当該化合物9を組み込んだ方では、E体では、G‐quadruplexを形成するが、Z体へ異性化させると、G‐quadruplexは完全に崩壊し、再度Z体へ戻すとG‐quadruplexを再び形成することが確認された。
次に、実施例6にて得た化合物9を組み込んで合成したアンチトロンビンアプタマーとトロンビンとの結合を可逆的に光制御する実験を行なった。なお、当該アンチトロンビンアプタマーはG‐quadruplexを形成した時のみトロンビンと結合できる。
まず、アンチトロンビンアプタマー5μM、トロンビン50μMとなるよう反応溶液(PBS:pH7.4)を調製した。反応溶液に410nmの光を室温で8分間照射した。その反応溶液に、さらに310nmの光を室温で3分間照射した。光の照射前後における結合の有無を、ゲルシフトアッセイを用いて確認した。この結果を図10に示す。図10は本実施例におけるゲルシフトアッセイの結果を示す図である。
光の照射前では、アンチトロンビンアプタマーとトロンビンとの結合を示すバンドが観られた(図10レーン4)。図10レーン3はトロンビンを加えていない場合の光照射前のアンチトロンビンアプタマーである。410nmの光の照射後ではそのようなバンドは観られず、代わりにアンチトロンビンアプタマーのみの位置にバンドが観られた(図10レーン6)。図10レーン5はトロンビンを加えていない場合の410nm照射後のアンチトロンビンアプタマーである。さらに、310nmの光の照射後ではアンチトロンビンアプタマーとトロンビンが結合していることを示すバンドが再び観られた(図10レーン8)。図10レーン7はトロンビンを加えていない場合の310nm照射後のアンチトロンビンアプタマーである。なお、図10のレーン1は、実施例6にて得た化合物9を組み込まずに、G(グアニン)を組み込んで合成したアンチトロンビンアプタマーを示す。また図10のレーン2は、実施例6にて得た化合物9を組み込まずに、G(グアニン)を組み込んで合成したアンチトロンビンアプタマーにトロンビンを加えた時のものである。
このように、実施例6にて得た化合物9を用いれば、光によってG‐quadruplex形成を、完全にかつ可逆的に制御できることが示された。このことから、当該化合物9を用いれば、機能性核酸(アプタマー)の活性を完全にかつ可逆的に制御できることをも示された。
[実施例10:アデノシン誘導体の可逆的光異化反応1]
実施例7にて得た化合物8を用いて、DNA合成機によりオリゴマー(5‘‐CTGCACGTACXTGGATACAGT‐3’;配列番号2に示される塩基配列からなるDNAの3’末端と配列番号3に示される塩基配列からなるDNAの5’末端との間に、X(当該化合物7)を挿入したものである。)を合成した。オリゴマー中に挿入されている、実施例7にて得た化合物8を図11に示す。なお、図11に示すように、当該化合物8を8NVAとも表記する。また、当該オリゴマーの相補鎖(5‘‐ACTGTATCCATGTACGTGCAG‐3’;配列番号4)を合成した。合成した2つのオリゴマーがそれぞれ5μMになるように、反応溶液(10mMリン酸バッファー:pH7.0、100mM NaCl)を調整した。反応溶液に410nmの光を室温で1分間照射した。その反応溶液にさらに310nmの光を室温で30秒間照射した。反応の過程を追ったHPLCチャートを図12に示す。図12の(a)は光照射前を示し、(b)は410nmの光を室温で1分間照射した後を示し、(c)は410nmの光を室温で1分間照射し、その後310nmの光を室温で30秒間照射後を示す。また、反応前後でのUV/Visスペクトルを図13に示す。図13において縦軸は吸光度を示し、横軸は波長を示し、破線は410nmの光を照射した後の状態(Z体(シス体))の結果を示し、実線は410nmの光を照射した後に310nmの光を照射した後の状態の結果を示す。
[実施例11:アデノシン誘導体の可逆的光異化反応2]
実施例7にて得た化合物9を用いてDNA合成機によりオリゴマー(5‘‐CTGCACGTACXTGGATACAGT‐3’;配列番号2に示される塩基配列からなるDNAの3’末端と配列番号3に示される塩基配列からなるDNAの5’末端との間に、X(当該化合物9)を挿入したものである。)を合成した。オリゴマー中に挿入されている、実施例7にて得た化合物9を図14に示す。なお、図14に示すように、当該化合物8を8PVAとも表記する。また、当該オリゴマーの相補鎖(上記配列番号4に示す塩基配列からなるDNA)を合成した。合成した2つのオリゴマーがそれぞれ2.5μMになるように、反応溶液(10mMリン酸バッファー:pH7.0、100mM NaCl)を調整した。なお、実施例7にて得た化合物8を含有する当該オリゴマーは、蛍光灯の光または日光によって、Z体(シス体)として存在した。化合物反応溶液に360nmの光を室温で30秒間照射した。その反応溶液にさらに460nmの光を室温で1分間照射した。反応の過程を追ったHPLCチャートを図15に示す。図15の(a)は光照射前を示し、(b)は360nmの光を室温で30秒間照射した後を示し、(c)は360nmの光を室温で30秒間照射し、その後460nmの光を室温で1分間照射した後を示す。また、反応前後でのUV/Visスペクトルを図16に示す。図16において縦軸は吸光度を示し、横軸は波長を示し、実線は360nmの光を照射した後の状態(E体(トランス体))の結果を示し、破線は360nmの光を照射した後に460nmの光を照射した後の状態の結果を示す。
本発明のプリンヌクレオシド化合物は、生物学的分野、医学分野等への応用が期待される。
図1(a)は、実施例1で得られた化合物(E体)の光照射時間とZ体への転換率との関係を示し、図1(b)は、実施例1で得られた化合物の吸収スペクトルの経時変化を示す。 図2(a)は、実施例2で得られた化合物(Z体)の光照射時間とE体への転換率との関係を示し、図2(b)は、実施例2で得られた化合物の吸収スペクトルの経時変化を示す。 実施例1で得られた化合物の繰り返し異性化に対する耐久性を示すグラフである。 実施例8にて合成したオリゴマー中に挿入されている、実施例6にて得た化合物7を示す図である。 実施例8にて合成したオリゴマーの熱的安定性の測定結果を示す図である。 実施例8にて合成したオリゴマーに光を照射して蛍光強度の変化を観察した結果を示す図である。 実施例9にて得たアンチトロンビンアプタマーであって、実施例6にて得た化合物9を組み込んだものの構造を模式的に示す図である。 実施例9にて得たアンチトロンビンアプタマーであって、実施例6にて得た化合物9を組み込んだもののCDスペクトルを示す図である。 実施例9にて得たアンチトロンビンアプタマーであって、実施例6にて得た化合物7を組み込んだもののCDスペクトルを示す図である。 実施例9におけるゲルシフトアッセイの結果を示す図である。 実施例10にて合成したオリゴマー中に挿入されている、実施例7にて得た化合物8を示す図である。 実施例10にて合成したオリゴマーに光を照射して可逆的に異性化する過程をHPLCで追った図である。 実施例10にて合成したオリゴマーに光を照射して吸光度の変化を観察した結果を示す図である。 実施例11にて合成したオリゴマー中に挿入されている、実施例7にて得た化合物9を示す図である。 実施例11にて合成したオリゴマーに光を照射して可逆的に異性化する過程をHPLCで追った図である。 実施例11にて合成したオリゴマーに光を照射して吸光度の変化を観察した結果を示す図である。

Claims (9)

  1. プリン核の8位の炭素原子が下記一般式(I)で表される基によって置換されており、プリン核の9位の窒素原子が下記一般式(IV)で表される糖と結合しているプリンヌクレオシド化合物であって、
    該プリン核が、下記一般式(V)で表される構造、または下記一般式(VI)で表される構造であるプリンヌクレオシド化合物。
    [一般式(I)中、Aは、プリン核が一般式(V)で表される構造である場合、アリール基または環構成原子数10〜20のヘテロアリール基を表し、プリン核が一般式(VI)で表される構造である場合、アリール基またはヘテロアリール基を表し、*はプリン核の8位の炭素原子との結合位置を表す。
    一般式(IV)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水酸基、水酸基がイソブチル、tert‐ブチルジメチルシリル(TBDMS)もしくはジメトキシトリチル(DMTr)で保護された基下記式(VII)で表される基−OR(Rはアルキルシリル基)またはエステル基を表し、Rは、水素原子、水酸基、水酸基がイソブチル、tert‐ブチルジメチルシリル(TBDMS)もしくはジメトキシトリチル(DMTr)で保護された基下記式(VII)で表される基−OR(Rはアルキルシリル基)またはエステル基を表し、*はプリン核の9位の窒素原子との結合位置を表す。
    一般式(V)中、Rは置換もしくは無置換のアミノ基、または、置換もしくは無置換のアミノ基がイソブチル基もしくはジメチルホルムアミジン(DMF)基で保護された基を表し、*は糖との結合位置を表す。
    一般式(VI)中、*は糖との結合位置を表す。]
  2. 上記プリン核が上記一般式(V)で表される、グアノシン誘導体である請求項1に記載のプリンヌクレオシド化合物。
  3. 一般式(I)中、Aは環構成原子数10〜20のアリール基または環構成原子数10〜20のヘテロアリール基であることを特徴とする請求項1または2に記載のプリンヌクレオシド化合物。
  4. 一般式(I)中、Aはフェニル基、ナフチル基、9H‐フルオレニル基、またはピレニル基である請求項1または2に記載のプリンヌクレオシド化合物。
  5. 下記一般式(VIII)で表されるプリン核の8位の炭素原子が下記一般式(I)で表される基によって置換されており、プリン核の9位の窒素原子が下記一般式(IV)で表される糖と結合しているプリンヌクレオシド化合物に光を照射することにより、下記一般式(I)で表される基のエチレン性二重結合部を異性化する方法であって、波長300nm〜400nmの光を照射してE→Z異性化する、もしくは波長240nm〜270nmの光を照射してZ→E異性化する、または、下記一般式(I)におけるAがナフチル基、9H−フルオレニル基、ピレニル基もしくは置換基を有するフェニル基である場合、400nm〜500nmの光を照射してE→Z異性化する、もしくは290nm〜400nmの光を照射してZ→E異性化する方法。
    [一般式(I)中、Aはアリール基またはヘテロアリール基を表し、*はプリン核の8位の炭素原子との結合位置を表す。
    一般式(IV)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水酸基、水酸基がイソブチル、tert‐ブチルジメチルシリル(TBDMS)もしくはジメトキシトリチル(DMTr)で保護された基下記式(VII)で表される基−OR(Rはアルキルシリル基)またはエステル基を表し、Rは、水素原子、水酸基、水酸基がイソブチル、tert‐ブチルジメチルシリル(TBDMS)もしくはジメトキシトリチル(DMTr)で保護された基下記式(VII)で表される基−OR(Rはアルキルシリル基)またはエステル基を表し、*はプリン核の9位の窒素原子との結合位置を表す。
    一般式(VIII)中、Z およびZ は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アリール基またはアルキル基を表し、n1は1または2を表し、n2は1〜4の範囲の整数を表し、実線と破線からなる二重線は単結合または二重結合を表し、*は糖との結合位置を表す。n1、n2が2以上の場合、複数存在するZ 、Z は同一でも異なっていてもよい。
  6. 前記異性化は可逆的に行われる請求項5に記載の方法。
  7. 下記一般式(VIII)で表されるプリン核の8位の炭素原子が下記一般式(I)で表される基によって置換されており、プリン核の9位の窒素原子が下記一般式(IV)で表される糖と結合しているプリンヌクレオシド化合物に光を照射することにより、光特性を変化させる方法であって、下記一般式(I)で表される基のエチレン性二重結合部を波長300nm〜400nmの光でE→Z異性化する、もしくは波長240nm〜270nmの光でZ→E異性化する、または、下記一般式(I)におけるAがナフチル基、9H−フルオレニル基、ピレニル基もしくは置換基を有するフェニル基である場合、400nm〜500nmの光でE→Z異性化する、もしくは290nm〜400nmの光でZ→E異性化することによる方法。
    [一般式(I)中、Aはアリール基またはヘテロアリール基を表し、*はプリン核の8位の炭素原子との結合位置を表す。
    一般式(IV)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水酸基、水酸基がイソブチル、tert‐ブチルジメチルシリル(TBDMS)もしくはジメトキシトリチル(DMTr)で保護された基下記式(VII)で表される基−OR(Rはアルキルシリル基)またはエステル基を表し、Rは、水素原子、水酸基、水酸基がイソブチル、tert‐ブチルジメチルシリル(TBDMS)もしくはジメトキシトリチル(DMTr)で保護された基下記式(VII)で表される基−OR(Rはアルキルシリル基)またはエステル基を表し、*はプリン核の9位の窒素原子との結合位置を表す。
    一般式(VIII)中、Z およびZ は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アリール基またはアルキル基を表し、n1は1または2を表し、n2は1〜4の範囲の整数を表し、実線と破線からなる二重線は単結合または二重結合を表し、*は糖との結合位置を表す。n1、n2が2以上の場合、複数存在するZ 、Z は同一でも異なっていてもよい。
  8. 前記変化は可逆的に行われる請求項7に記載の方法。
  9. 下記一般式(VIII)で表されるプリン核の8位の炭素原子が下記一般式(I)で表される基によって置換されており、プリン核の9位の窒素原子が下記一般式(IV)で表される糖と結合しているプリンヌクレオシド化合物および/または該化合物由来の核酸を含む光スイッチング型デバイス材料。
    [一般式(I)中、Aはアリール基またはヘテロアリール基を表し、*はプリン核の8位の炭素原子との結合位置を表す。
    一般式(IV)中、RおよびRは、それぞれ独立に、水酸基、水酸基がイソブチル、tert‐ブチルジメチルシリル(TBDMS)もしくはジメトキシトリチル(DMTr)で保護された基下記式(VII)で表される基−OR(Rはアルキルシリル基)またはエステル基を表し、Rは、水素原子、水酸基、水酸基がイソブチル、tert‐ブチルジメチルシリル(TBDMS)もしくはジメトキシトリチル(DMTr)で保護された基下記式(VII)で表される基−OR(Rはアルキルシリル基)またはエステル基を表し、*はプリン核の9位の窒素原子との結合位置を表す。
    一般式(VIII)中、Z およびZ は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、アリール基またはアルキル基を表し、n1は1または2を表し、n2は1〜4の範囲の整数を表し、実線と破線からなる二重線は単結合または二重結合を表し、*は糖との結合位置を表す。n1、n2が2以上の場合、複数存在するZ 、Z は同一でも異なっていてもよい。
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