JP5582558B2 - 新規プリンヌクレオシド化合物、その異性化方法および光特性を変化させる方法、ならびに光スイッチング型デバイス材料 - Google Patents
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Description
P. Wenter, et al., Angew. Chem. Int. Ed, 2005, 44, 2600. R. Ting et al., J. Am. Chem. Soc., 2004, 126, 12720; A. Heckle et al, Angew. Chem. Int, Ed., 2006, 45, 6748. Y. Liu, et al., J. Mol. Biol, 2004, 341, 887. S. Keiper et al., Angew. Chem. Int, Ed., 2006, 45, 3306.
[2]グアノシン誘導体である[1]に記載のプリンヌクレオシド化合物。
シドを提供することができる。
本発明のプリンヌクレオシド化合物は、プリン核の8位の炭素原子が下記一般式(I)で表される基によって置換されたプリンヌクレオシド化合物である。
一般式(I)で表される基は、異なる2波長の光によりオレフィンのE−Z異性化を可逆的に起こし得るため、上記基を導入することにより光照射により可逆的に構造変化し得るヌクレオシドを得ることができる。
本発明のプリンヌクレオシド化合物では、上記プリン核の8位の炭素原子が上記一般式(I)で表される基によって置換されている。オレフィン部の異性化により下記のE体またはZ体のいずれかとなる。
上記および一般式(I)において、Aはアリール基またはヘテロアリール基を表す。
本発明のプリンヌクレオシド化合物の合成方法は特に限定されるものではないが、例えば8位がハロゲン化されたプリンヌクレオシド誘導体(以下、「ハロゲン化ヌクレオシド誘導体」ともいう)の8位ハロゲン原子を、一般式(I)で表される基と置換することにより、一般式(I)で表されるプリンヌクレオシド化合物を得ることができる。例えば、E体の合成には、鈴木‐宮浦カップリングを用いることができる。具体的には、8位をハロゲン化したプリン核と(E)‐アルケニルホウ素化合物をパラジウム等の触媒存在下で数時間加熱還流し、反応後、エバポレーターで溶媒を除去し、カラム精製、再結晶、洗浄などの方法を用い精製を行なうことにより目的物を得ることができる。上記反応の詳細については、N. Miyaura et al., Chem. Rev., 1995, 95, 2457-2483; N. Amann et al., Synlett, 2002, 5, 687-691.を参照できる。一方、Z体は、例えば8‐アリールエチニルプリンの接触水素還元により得ることができる。上記接触水素還元について、より具体的に説明する。まず薗頭カップリングを用い、8位をハロゲン化したプリン核と末端アルキンをもつ原子団をパラジウム等の触媒に加えヨウ化銅、アミン塩基などを同時に加えて数時間加熱還流し、反応後、エバポレーターで溶媒を除去し、カラム精製、再結晶、洗浄などの方法で精製する。得られた8‐アリールエチニルプリンをエタノール、メタノールなど適当な溶媒に溶かし、パラジウム等の触媒下、系内を水素で置換し常圧もしくは加圧下で接触水素還元する。
更に本発明は、本発明のプリンヌクレオシド化合物に光を照射することにより、該化合物を異性化する方法、および、本発明のプリンヌクレオシド化合物に光を照射することにより、該化合物の光特性を変化させる方法に関する。
更に本発明は、本発明のプリンヌクレオシド化合物および/または上記プリンヌクレオシド化合物由来の核酸を含む光スイッチング型デバイス材料に関する。本発明の光スイッチング型デバイス材料は、上記プリンヌクレオシド化合物および/または上記核酸の1種または2種以上からなることができ、または、エレクトロニックデバイスに通常使用される他の成分を含むこともできる。
(E)‐8‐スチリル‐2’‐デオキシグアノシンの合成
1H NMR (DMSO-d6) δ : 10.7 (s, 1H), 7.68 (d, J = 7.3, 2H) 7.53 (d, J = 16.1, 1H) 7.47 (d, J = 16.1, 1H), 7.37 (m, 2H), 7.29 (m, 1H), 6.47 (s, 2H), 6.37 (dd, J = 8.6, 6.2, 1H), 5.26 (d, J = 4.2, 1H), 5.17 (t, J = 5.1, 1H), 4.45 (m, 1H), 3.82 (m, 1H), 3.71 (m, 1H), 3.65 (m, 1H), 2.60 (m, 1H), 2.09 (m, 1H).
13C NMR (DMSO-d6) δ : 156.2, 153.1, 151.5, 144.1, 136.0, 132.8, 128.6, 128.2, 127.0, 116.4, 115.7, 87.1, 82.3, 70.2, 61.2.
HR-FAB (M+H)+ for C18H19N5O4. Calculated: 370.1515; Found: 370.1571.。
(Z)‐8‐スチリル‐2’‐デオキシグアノシンの合成
(1)8‐フェニルエチニル‐2’‐デオキシグアノシンの合成
1H NMR (DMSO-d6) δ : 10.8 (s, 1H), 7.64 (m, 2H), 7.50 (m, 3H), 6.58 (s, 2H), 6.35 (t, J = 7.6, 1H), 5.28 (d, J = 4.4 1H), 4.87 (t, J = 5.8, 1H), 4.42 (m, 1H), 3.81 (dd, J = 8.8, 5.4, 1H), 3.62 (m, 1H), 3.51 (m, 1H), 3.10 (m, 1H), 2.18 (m, 1H).
13C NMR (DMSO-d6) δ : 155.8, 153.7, 150.7, 131.4, 129.7, 128.8, 120.4, 117.4, 92.6, 87.6, 83.4, 79.6, 71.0, 62.0, 37.3.
FAB MS (M+H)+ for C18H17N5O4. Calculated: 368.14; Found: 368.13.。
(2)(Z)‐8‐スチリル‐2’‐デオキシグアノシンの合成の合成
1H NMR (DMSO-d6) δ : 10.8 (s, 1H), 7.56 (m, 2H), 7.29 (m, 3H), 6.83 (d, J = 13.0, 1H), 6.64 (d, J = 13.0, 1H), 6.47 (s, 2H), 6.15 (dd, J = 8.5, 6.6, 1H), 5.18 (s, 1H), 5.00 (s, 1H), 4.33 (s, 1H), 3.76 (dd, J = 7.8, 4.6, 1H), 3.61 (m, 1H), 3.53 (m, 1H), 2.71 (m, 1H), 1.83 (m, 1H).
13C NMR (DMSO-d6) δ : 156.4, 153.3, 151.2, 142.6, 135.4, 135.3, 129.0, 128.1, 127.9, 117.4, 116.3, 87.3, 83.1, 70.6, 61.7, 38.0.
HR-FAB (M+H)+ for C18H19N5O4. Calculated: 370.1515; Found: 370.1564.
[実施例3]
E→Z光異性化反応
実施例1で合成した(E)‐8‐スチリル‐2’‐デオキシグアノシンを25μMになるよう超純水(2%アセトニトリル含有)に溶解し、ストックソリューションとした。ストックソリューションから1mLを1cm角の石英セルに移し暗所で370nmの光を照射し光異性化の経時変化を観察した。この際、光源には(株)朝日分光のLAX‐Cuteを使用し、フィルターには同社のHQBP370‐UVを使用した。一定時間経過ごとにサンプリングし、サンプリング溶液を逆相HPLCで分析しピークエリアより転換率を算出した。逆相HPLCで分析では等吸収点である268nmのUV吸収でモニタリングした。結果を図1(a)に示す。図1(a)に示すように、およそ5秒の光照射で96%の転換率が得られた。同時に、E→Z光異性化によるUV/可視光吸収スペクトルの変化を調べた。結果を図1(b)に示す。図1(b)に示すように、E→Z光異性化に伴い340nmのピークが減少し、249nmの吸収強度が増加した。
Z→E光異性化反応
実施例2で合成した(Z)‐8‐スチリル‐2’‐デオキシグアノシンを25μMになるよう超純水(2%アセトニトリル含有)に溶解しストックソリューションとした。ストックソリューションから1mLを1cm角の石英セルに移し暗所で254nmの光を照射し光異性化の経時変化を観察した。この際、光源には(株)朝日分光のLAX‐Cuteを使用し、フィルターには同社のHQBP254‐UVを使用した。一定時間経過ごとにサンプリングし、サンプリング溶液を逆相HPLCで分析しピークエリアより転換率を算出した。逆相HPLCで分析では等吸収点である268nmのUV吸収でモニタリングした。結果を図2(a)に示す。図2(a)に示すように、およそ50秒の光照射で67%の転換率が得られた。同時に、Z→E光異性化によるUV/可視光吸収スペクトルの変化を調べた。結果を図2(b)に示す。図2(b)に示すように、Z→E光異性化に伴い249nmのピークが減少し、340nmの吸収強度が増加した。これはE→Z光異性化とは真逆の結果であり、これによりZ→E光異性化が生じたことが確認された。
Z‐E光異性化の繰り返し耐久性の評価
実施例1で合成した(E)‐8‐スチリル‐2’‐デオキシグアノシンを25μMになるよう超純水(2%アセトニトリル含有)に溶解しストックソリューションとした。ストックソリューションから1mLを1cm角の石英セルに移し暗所で370nm(7秒)‐254nm(50秒)の光を交互に10回照射し可逆的光異性化による化合物の耐久性を調べた。光源には実施例3および4と同様のものを用いた。結果を図3に示す。図3に示すように、10回の可逆的光異性化後においても化合物の副反応および分解などは見られなかった。これにより本発明のプリンヌクレオシド化合物が、繰り返し光異性化に対し優れた耐久性を有することが確認された。
本実施例では以下の合成経路によりプリンヌクレオシド化合物を合成した。フォトクロミック塩基とは、光照射によって分子量を変えることなく分子内での化学結合の組み替えなどによって構造変化(異性化)反応を起こす塩基である。
8‐ブロモ‐2‘‐デオキシグアノシン(3.08g)を2口ナス型フラスコに入れ、そこへDMF(80mL)、N,N‐ジメチルホルムアミドジエチルアセタール(9mL)を加え55℃で30分間撹拌した。反応後、溶媒をエバポレーターで除去し2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐2’‐デオキシグアノシンを得た。得られた2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐2’‐デオキシグアノシンをピリジン(10mL)で3回共沸し、次いで減圧・窒素置換を3回繰り返して、系内を十分に窒素置換した。そこへピリジン(15mL)、ジメチルアミノピリジン(269mg)を加え、さらに0℃でピリジン(15mL)に溶解させたジメトキシトリチルクロライド4.10gをゆっくり滴下した。その後、反応溶液を室温で2時間攪拌した。撹拌した後、エバポレーターで溶媒を除去して、次に、ジクロロメタン(50mL×3)と水(50mL)で抽出し、得られた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を除去した。残留物を中圧液体クロマトグラフで精製した。その際、展開溶媒にはクロロホルム/メタノールを使用した。目的物を含むフラクションを回収して、展開溶媒を除去した後、5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐2’‐デオキシグアノシン(6.18g;化合物2)を白色固体として得た。同定した結果を以下に示す。
1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.5 (s, 1H), 8.31 (s, 1H), 7.27-7.25 (m, 2H), 7.20-7.12 (m, 7H), 6.75 (dd, J = 15.6, 8.8, 4H), 6.26 (dd, J = 7.8, 4.9, 1H), 5.37 (d, J = 4.9, 1H), 4.66-4.60 (m, 1H), 4.09-4.06 (m, 1H), 3.71 (s, 3H), 3.70 (s, 3H), 3.32-3.09 (m, 3H), 3.02 (s, 6H), 2.29- 2.23 (m, 1H); 13C NMR (DMSO-d6) δ: 157.9, 157.8, 157.7, 156.8, 156.4, 150.4, 144.9, 135.7, 135.6, 129.6, 129.4, 127.6, 126.5, 122.3, 120.3, 113.0, 112.9, 85.5, 85.1, 84.9, 70.3, 63.7, 48.6, 40.8, 37.1, 34.7; FAB MS (M+H)+ for C34H36N6O6Br, Calculated: 703.19; Found: 703.17.。
5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐2’‐デオキシグアノシン(化合物2)(1.50g)を2口ナス型フラスコに入れて、N‐メチルピロリドン4mLを加えた後、溶液をアルゴンガスで10分間バブリングした。次いでテトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム247mg、トリブチルビニルすず1.25mLを加え、反応溶液を110℃で45分間加熱還流した。反応後、酢酸エチル(50mL×3)と水(50mL)で抽出し、得られた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を除去した。残留物を中圧液体クロマトグラフで精製した。その際、展開溶媒にはジクロロメタン/メタノールを使用した。目的物を含むフラクションを回収し展開溶媒を除去した後、5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐ビニル‐2’‐デオキシグアノシン(1.18g;化合物3)を黄色固体として得た。同定した結果を以下に示す。
1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.4 (s, 1H), 8.45 (s, 1H), 7.31-7.29 (m, 2H), 7.24-7.16 (m, 7H), 6.99 (dd, J = 17.6, 10.8, 1H), 6.80 (t, J = 8.8, 4H), 6.40 (t, J = 6.8, 1H), 6.16 (dd, J = 17.6, 2.0, 1H), .5.40 (d, J = 4.9, 1H), 5.27 (dd, J = 10.8, 2.0, 1H), 4.65-4.60 (m, 1H), 3.90-3.86 (m, 1H), 3.71 (s, 6H), 3.18 (d, J = 3.9, 2H), 3.08 (s, 3H), 3.02 (s, 3H) 3.00- 2.92 (m, 1H), 2.25- 2.19 (m, 1H); 13C NMR (DMSO-d6) δ: 158.0, 157.9, 157.8, 157.4, 156.7, 150.0, 145.1, 144.8, 135.5, 135.4, 129.7, 129.6, 127.7, 127.6, 126.6, 124.7, 119.8, 119.4, 113.1, 85.3, 82.3, 69.9, 63.1, 40.8, 39.0, 34.7; FAB MS (M+H)+ for C36H38N6O6, Calculated: 651.29; Found: 651.26.。
トリフェニルフォスフィン30.2 mgを2口ナス型フラスコに入れ、減圧・窒素置換を3回繰り返して、系内を十分に窒素置換した。そこへDMF4mL、パラジウム(II)アセテイト10.3mg、トリエチルアミン76.7mLを加え60℃で10分間攪拌した。反応溶液がワインレッドに変色するのを確認した後、ブロモベンゼン96.6mg、DMF(3mL)に溶解させた5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐ビニル‐2’‐デオキシグアノシン(化合物3)300mgを順に加えて、115℃で1時間加熱還流した。反応後、触媒を濾去して、濾液を中圧液体クロマトグラフで精製した。その際、展開溶媒にはジクロロメタン/メタノールを使用した。目的物を含むフラクションを回収し展開溶媒を除去した後5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐スチリル‐2’‐デオキシグアノシン(151mg;化合物4)を黄色固体として得た。同定した結果を以下に示す。
1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.5 (s, 1H), 8.42 (s, 1H), 7.68-7.62 (m, 3H), 7.38-7.30 (m, 4H), 7.25-7.23 (m, 2H), 7.14-7.12 (m, 4H), 6.72 (t, J = 9.3, 4H), 6.58 (dd, J = 6.8, 4.4, 1H), 5.41 (d, J = 4.9, 1H) 4.67-4.60 (m, 1H), 3.93-3.88 (m, 1H), 3.63 (s, 6H), 3.25-3.31 (m, 3H), 3.05 (s, 3H), 3.03 (s, 3H) 2.31- 2.25 (m, 1H); 13C NMR (DMSO-d6) δ: 157.9, 157.7, 157.4, 156.4, 150.0, 145.7, 144.9, 136.1, 135.6, 135.5, 129.5, 129.5, 128.8, 128.6, 127.6, 127.1, 126.5, 120.2, 115.0, 113.0, 82.7, 70.2, 63.6, 40.8, 38.2, 34.7; HR-FAB (M+H)+ for C42H42N6O6, Calculated: 727.3244; Found: 727.3295.。
トリフェニルフォスフィン30.2 mgを2口ナス型フラスコに入れ、減圧・窒素置換を3回繰り返して、系内を十分に窒素置換した。そこへDMF4mL、パラジウム(II)アセテイト10.3mg、トリエチルアミン76.7mLを加え60℃で10分間攪拌した。反応溶液がワインレッドに変色するのを確認した後、DMF(2.5mL)に溶解させた2‐ブロモナフタレン190mg、DMF(2.5mL)に溶解させた5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐ビニル‐2’‐デオキシグアノシン(化合物3)300mgを順に加えて、115℃で1時間加熱還流した。反応後、触媒を濾去し、濾液を中圧液体クロマトグラフで精製した。その際、展開溶媒にはジクロロメタン/メタノールを使用した。目的物を含むフラクションを回収し展開溶媒を除去した後、5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(2‐(ナフチル)ビニル)‐2’‐デオキシグアノシン(183mg;化合物5)を黄色固体として得た。同定した結果を以下に示す。
1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.5 (s, 1H), 8.44 (s, 1H), 8.10 (s, 1H) 7.93-7.81 (m, 4H), 7.65-7.49 (m, 3H), 7.27-7.11 (m, 10H), 6.71 (dd, J = 12.5, 8.8, 4H), 6.64 (dd, J = 12.0, 4.6, 1H), 5.43 (d, J = 5.1, 1H), 4.71-4.63 (m, 1H), 3.96-3.92 (m, 1H), 3.63 (s, 6H), 3.32-3.20 (m, 3H), 3.07 (s, 3H), 3.05 (s, 3H), 2.34-2.29 (m, 1H); 13C NMR (DMSO-d6) δ: 157.8, 157.6, 157.3, 156.3, 150.0, 145.7, 144.8, 135.5, 135.4, 133.6, 133.4, 133.1, 132.9, 129.5, 129.4, 128.2, 128.0, 127.5, 126.5, 126.4, 123.6, 120.2, 115.3, 112.9, 85.0, 82.6, 70.2, 63.6, 40.7, 38.1, 34.6; HR-FAB (M+H)+ for C46H44N6O6, Calculated: 777.3400; Found: 777.3468.。
トリフェニルフォスフィン30.2mgを2口ナス型フラスコに入れ、減圧・窒素置換を3回繰り返して、系内を十分に窒素置換した。そこへDMF4mL、パラジウム(II)アセテイト10.3mg、トリエチルアミン76.7mLを加え60℃で10分間攪拌した。反応溶液がワインレッドに変色するのを確認した後、DMF(2.5mL)に溶解させた2-ブロモフルオレン 170mg、DMF(2.5mL)に溶解させた5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐ビニル‐2’‐デオキシグアノシン(化合物3)300mgを順に加えて、115℃で1時間加熱還流した。反応後、触媒を濾去し、濾液を中圧液体クロマトグラフで精製した。その際、展開溶媒にはジクロロメタン/メタノールを使用した。目的物を含むフラクションを回収し展開溶媒を除去した後5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(2‐(フルオレニル)ビニル)‐2’‐デオキシグアノシン(184mg;化合物6)を黄色固体として得た。同定した結果を以下に示す。
1H NMR (DMSO-d6) δ: 11.4 (s, 1H), 8.41 (s, 1H), 7.92-7.86 (m, 3H), 7.75-7.59 (m, 3H), 6.78-6.72 (m, 3H), 7.43-7.31 (m, 3H), 6.78-6.72 (m, 4H), 6.78-6.72 (m, 4H), 7.25-7.24 (m, 2H), 7.16-7.10 (m, 7H), 6.71 (dd, J = 12.7, 9.2, 4H), 6.60 (dd, J = 7.3, 4.9, 1H), 5.41 (d, J = 3.9, 1H), 4.67-4.63 (m, 1H), 3.91 (s, 3H), 3.61 (s, 6H), 3.28-3.17 (m, 3H), 3.05 (s, 3H), 3.03 (s, 3H), 2.32-2.25 (m, 1H); 13C NMR (DMSO-d6) δ: 157.9, 157.6, 157.4, 150.0, 146.0, 145.0, 143.6, 143.5, 141.6, 140.7, 135.6, 134.9, 133.9, 129.6, 129.5, 127.6, 127.1, 126.9, 126.6, 126.5, 125.2, 123.4, 120.3, 114.3, 113.0, 85.1, 82.7, 70.2, 63.7, 38.1, 36.3, 34.7; HR-FAB (M+H)+ for C49H46N6O6, Calculated: 815.3557; Found: 815.3571.。
5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐スチリル‐2’‐デオキシグアノシン(化合物4)240mgを2口ナス型フラスコに入れ、減圧・窒素置換を3回繰り返して、系内を十分に窒素置換した。そこへジクロロメタン2.5mL、2‐シアノエチルテトライソプロピルフォスフォロジアミダイト115μL、アセトニトリルに溶解した0.25Mのテトラゾール1.45mLを加え室温で1.5時間攪拌した。反応後、溶媒を除去し中圧液体クロマトグラフで精製した。その際、展開溶媒にはジクロロメタン/メタノールを使用した。目的物を含むフラクションを回収し展開溶媒を除去した後5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐3‘‐O‐[2-シアノエトキシ‐(N,N‐ジイソプロピルアミノ)‐フォスフィノ]‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐スチリル‐2’‐デオキシグアノシン(311mg;化合物7)を黄色固体として得た。これ以上の精製はせず、このままDNA合成機へ取り付けて、後述するオリゴマーの合成を行なった。また、同定した結果を以下に示す。
FAB MS (M+H)+ for C51H59N8O7P, Calculated: 927.43; Found: 927.47.。
5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(2−(ナフチル)ビニル)‐2’‐デオキシグアノシン(化合物5)230mgを2口ナス型フラスコに入れ、減圧・窒素置換を3回繰り返して、系内を十分に窒素置換した。そこへジクロロメタン2.5mL、2‐シアノエチルテトライソプロピルフォスフォロジアミダイト94μL、アセトニトリルに溶解した0.25Mのテトラゾール1.18mLを加えて、室温で1.5時間攪拌した。反応後、溶媒を除去し中圧液体クロマトグラフで精製した。その際、展開溶媒にはジクロロメタン/メタノールを使用した。目的物を含むフラクションを回収し展開溶媒を除去した後、5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐3‘‐O‐[2-シアノエトキシ‐(N,N‐ジイソプロピルアミノ)‐フォスフィノ]‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(2‐(ナフチル)ビニル)‐2’‐デオキシグアノシン(228mg;化合物8)を黄色固体として得た。当該化合物8を用いてオリゴマーを合成する際は、これ以上の精製はせず、このままDNA合成機へ取り付けるとよい。また、同定した結果を以下に示す。
FAB MS (M+H)+ for C55H61N8O7P, Calculated: 976.44; Found: 976.32.。
5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(2‐(フルオレニル)ビニル)‐2’‐デオキシグアノシン(化合物6)320mgを2口ナス型フラスコに入れ、減圧・窒素置換を3回繰り返して、系内を十分に窒素置換した。そこへジクロロメタン 2.5mL、2‐シアノエチルテトライソプロピルフォスフォロジアミダイト137μL、アセトニトリルに溶解した0.25Mのテトラゾール1.73mLを加え室温で1.5時間攪拌した。反応後、溶媒を除去し中圧液体クロマトグラフで精製した。その際、展開溶媒にはジクロロメタン/メタノールを使用した。目的物を含むフラクションを回収し展開溶媒を除去した後5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐3‘‐O‐[2-シアノエトキシ‐(N,N‐ジイソプロピルアミノ)‐フォスフィノ]‐2‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(2‐(フルオレニル)ビニル)‐2’‐デオキシグアノシン(337mg;化合物9)を黄色固体として得た。これ以上の精製はせず、このままDNA合成機へ取り付けて、後述するオリゴマーの合成を行なった。また、同定した結果を以下に示す。
FAB MS (M+H)+ for C58H63N8O7P, Calculated: 1015.46; Found: 1015.46.。
本実施例では以下の合成経路によりプリンヌクレオシド化合物を合成した。
8‐ブロモ‐2‘‐デオキシアデノシン(4.50g)を2口ナス型フラスコに入れ、ピリジン(10mL)で3回共沸し、次いで減圧・窒素置換を3回繰り返して、系内を十分に窒素置換した。そこへピリジン(40mL)、ジメチルアミノピリジン(167mg)を加え、さらに0℃でピリジン(20mL)に溶解させたジメトキシトリチルクロライド5.58gをゆっくり滴下した。その後、反応溶液を室温で1.5時間攪拌した。反応後、エバポレーターで溶媒を除去し、残留物を中圧液体クロマトグラフで精製した。その際、展開溶媒にはクロロホルム/メタノールを使用した。目的物を含むフラクションを回収し展開溶媒を除去した後、5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐8‐ブロモ‐2’‐デオキシアデノシン(6.13g;化合物2)を白色固体として得た。同定した結果を以下に示す。
1H NMR (CDCl3) δ: 8.06 (s, 1H), 7.38-7.14 (m, 9H), 6.75 (dd, J = 8.8, 1.8, 4H), 6.39 (t, J = 6.9, 1H), 5.87 (s, 2H), 4.95 (m, 1H), 4.13 (dd, J = 10.2, 5.5, 1H), 3.76 (s, 6H), 3.56 (m, 1H), 3.40 (m, 2H), 2.35 (m, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ:158.4, 154.1, 152.5, 150.7, 144.7, 135.9, 135.8, 130.0, 129.9, 128.1, 127.8, 127.7, 126.7, 120.3, 113.0, 86.2, 86.0, 72.8, 63.7, 55.2, 53.4, 36.7 ; FAB MS (M+H)+for C31H30N5O5Br, Calculated: 632.15; Found: 632.14.。
5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐8‐ブロモ‐2’‐デオキシアデノシン(化合物2)6.00gを2口ナス型フラスコに入れ、N‐メチルピロリドン25mLを加えた後、溶液をアルゴンガスで10分間バブリングした。次いでテトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム1.10g、テトラビニルすず3.44mLを加え、反応溶液を110℃で1時間加熱還流した。反応後、酢酸エチル(50mL×3)と水(50mL)で抽出し、得られた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させた後、溶媒を除去した。残留物を中圧液体クロマトグラフで精製した。その際、展開溶媒にはジクロロメタン/メタノールを使用した。目的物を含むフラクションを回収し展開溶媒を除去した後、目的物を含むフラクションを回収して、展開溶媒を除去した後、5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐8‐ビニル‐2’‐デオキシアデノシン(3.25g;化合物3)を白色固体として得た。同定した結果を以下に示す。
1H NMR (CDCl3) δ: 8.17 (s, 1H), 7.38-7.16 (m, 9H), 7.02 (dd, J = 17.1, 11.2, 1H), 6.76 (dd, J = 9.3, 3.4, 4H), 6.47-6.38 (m, 2H), 6.59 (s, 2H), 5.47 (dd, J = 11.2, 1.5, 1H), 4.89 (m, 1H), 4.10 (m, 1H), 3.75 (s, 6H), 3.43 (dd, J = 10.2, 4.9, 1H), 3.38-3.30 (m, 2H), 2.33 (ddd, J = 13.7, 6.8, 3.9, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ:158.4, 154.9, 152.3, 150.5, 149.0, 144.6, 135.8, 130.0, 128.1, 127.7, 126.8, 124.1, 123.9, 119.2, 113.0, 86.3, 85.6, 83.5, 72.1, 63.3, 55.2, 38.5; FAB MS (M+H)+for C33H33N5O5, Calculated: 580.26; Found: 580.37.。
5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐8‐ビニル‐2’‐デオキシアデノシン(化合物3)2.20gを2口ナス型フラスコに入れ、減圧・窒素置換を3回繰り返して、系内を十分に窒素置換した。そこへメタノール15mL、N,N‐ジメチルホルムアミドジエチルアセタール(2.52mL)を加え50℃で45分間攪拌した。反応後、エバポレーターで溶媒を除去し、残留物を中圧液体クロマトグラフで精製した。その際、展開溶媒にはクロロホルム/メタノールを使用した。目的物を含むフラクションを回収して、展開溶媒を除去した後、5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐6‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐ビニル‐2’‐デオキシアデノシン(2.24g;化合物4)を白色固体として得た。同定した結果を以下に示す。
1H NMR (CDCl3) δ: 8.90 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 7.39-7.15 (m, 9H), 7.02 (dd, J = 17.6, 11.2, 1H), 6.76 (dd, J = 8.8, 2.9, 1H), 6.58 (dd, J = 17.6, 1.4, 1H), 6.51 (t, J = 6.8, 1H), 5.49 (dd, J = 11.2, 1.4, 1H), 4.88 (m, 1H), 4.08 (m, 1H), 3.76 (s, 6H), 3.44 (dd, J = 11.4, 4.9, 1H), 3.39 (dd, J = 11.4, 4.9, 1H), 3.25 (s, 3H), 3.18 (s, 3H) 2.34 (ddd, J = 13.4, 6.8, 3.9, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ: 158.9, 158.4, 157.9, 152.4, 151.9, 144.6, 135.8, 130.0, 128.1, 127.7, 126.7, 125.7, 124.5, 123.9, 113.0, 86.3, 85.5, 83.2, 77.2, 72.2, 63.3, 55.2, 41.2, 38.6, 35.2; FAB MS (M+H)+ for C36H38N6O5, Calculated: 635.30; Found: 635.36.。
トリフェニルフォスフィン41.4mgを2口ナス型フラスコに入れ、減圧・窒素置換を3回繰り返して、系内を十分に窒素置換した。そこへDMF4mL、パラジウム(II)アセテイト14.2mg、トリエチルアミン131μLを加え60℃で10分間攪拌した。反応溶液がワインレッドに変色するのを確認した後、DMF(2.5mL)に溶解させた2-ブロモナフタレン190mg、DMF(2.5mL)に溶解させた5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐6‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐ビニル‐2’‐デオキシアデノシン(化合物4)400mgを順に加えて、115℃で1時間加熱還流した。反応後、触媒を濾去し、濾液を中圧液体クロマトグラフで精製した。その際、展開溶媒にはクロロホルム/メタノールを使用した。目的物を含むフラクションを回収し展開溶媒を除去した後、5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐6‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(2‐(ナフチル)ビニル)‐2’‐デオキシアデノシン(326mg;化合物5)を黄色固体として得た。同定した結果を以下に示す。
1H NMR (CDCl3) δ: 8.89 (s, 1H), 8.35 (s, 1H), 8.21 (d, J = 16.1, 1H) 7.92 (s, 4H), 7.82-7.67 (m, 3H), 7.48 (dd, J = 6.3, 3,4, 2H), 7.38-7.10 (m, 11H), 6.72 (dd, J = 9.3, 3,4, 4H), 6.56 (t, J = 6.3, 1H), 4.93 (m, 1H), 4.15 (dd, J = 9.8, 5,4, 1H), 3.68 (s, 6H), 3.44 (m, 2H), 3.29 (s, 3H), 3.20 (s, 3H), 2.39 (ddd, J = 13.7, 6.9, 2.0, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ:158.5, 158.4, 157.8, 152.5, 151.6, 150.7, 144.7, 138.8, 135.9, 133.7, 133.5, 133.4, 130.0, 128.8, 128.7, 128.5, 128.4, 128.1, 127.7, 127.5, 126.7, 126.6, 126.4, 123.4, 113.0, 86.2, 85.6, 83.8, 77.2, 72.9, 63.8, 55.1, 41.3, 37.8, 35.3; FAB MS (M+H)+ for C44H46N6O5, Calculated: 761.35; Found: 761.36.。
トリフェニルフォスフィン51.7mgを2口ナス型フラスコに入れ、減圧・窒素置換を3回繰り返して、系内を十分に窒素置換した。そこへDMF5mL、パラジウム(II)アセテイト17.7mg、トリエチルアミン164μLを加え60℃で10分間攪拌した。反応溶液がワインレッドに変色するのを確認した後、DMF(2.5mL)に溶解させた1‐ブロモピレン332mg、DMF(3.0mL)に溶解させた5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐6‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐ビニル‐2’‐デオキシアデノシン(化合物4)500mgを順に加えて、115℃で1時間加熱還流した。反応後、触媒を濾去し、濾液を中圧液体クロマトグラフで精製した。その際、展開溶媒にはクロロホルム/メタノールを使用した。目的物を含むフラクションを回収して、展開溶媒を除去した後、5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐6‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(2‐(ナフチル)ビニル)‐2’‐デオキシアデノシン(421mg;化合物6)を黄色固体として得た。同定した結果を以下に示す。
1H NMR (CDCl3) δ: 9.15 (d, J = 15.6, 1H), 8.91 (s, 1H), 8.65 (d, J = 9.8, 1H), 8.38 (s, 1H), 8.23-7.95 (m, 8H), 7.48 (d, J = 16.1, 1H), 7.37 (d, J = 7.3, 1H), 7.26-7.08 (m, 7H), 6.68 (dd, J = 8.8, 2,4, 4H), 6.64 (t, J = 6.8, 1H), 4.92 (m, 1H), 4.19 (dd, J = 10.3, 5,4, 1H), 3.62 (s, 6H), 3.45 (m, 2H), 3.31 (s, 3H), 3.19 (s, 3H), 2.41 (m, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ:158.5, 158.3, 157.7, 152.6, 151.7, 150.9, 144.6, 135.9, 135.8, 135.2, 131.9, 131.3, 130.8, 130.0, 129.3, 128.1, 128.0, 127.7, 127.3, 126.7, 126.4, 126.1, 125.6, 125.4, 125.0, 124.9, 124.7, 123.6, 123.1, 115.7, 113.0, 86.2, 85.6, 83.2, 77.2, 72.8, 63.8, 55.0, 41.3, 37.7, 35.3; FAB MS (M+H)+ for C52H46N6O5, Calculated: 835.36; Found: 835.31.。
トリフェニルフォスフィン29.0mgを2口ナス型フラスコに入れ、減圧・窒素置換を3回繰り返して、系内を十分に窒素置換した。そこへジオキサン3mL、パラジウム(II)アセテイト9.9mg、トリエチルアミン98.3μLを加え60℃で10分間攪拌した。反応溶液がワインレッドに変色するのを確認した後、DMF(1.5mL)に溶解させた4−ブロモ-N,N-ジエチルアニリン151mg、ジオキサン(1.5mL)に溶解させた5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐6‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐ビニル‐2’‐デオキシアデノシン(化合物4)280mgを順に加えて、115℃で1時間加熱還流した。反応後、触媒を濾去し、濾液を中圧液体クロマトグラフで精製した。その際、展開溶媒にはクロロホルム/メタノールを使用した。目的物を含むフラクションを回収して、展開溶媒を除去した後、5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐6‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(4‐(ジエチルアミノ)スチリル)‐2’‐デオキシアデノシン(60mg;化合物7)を黄色固体として得た。同定した結果を以下に示す。
1H NMR (CDCl3) δ: 8.88 (s, 1H), 8.35 (s, 1H), 8.05 (d, J = 16.1, 1H), 7.53-7.14(m, 13H), 6.63 (dd, J = 9.3, 2,4, 4H), 6.52 (t, J = 6.8, 1H), 4.92 (m, 1H), 4.11 (dd, J = 10.3, 4.9, 1H), 3.72 (s, 6H), 3.61 (m, 1H), 3.44-3.36 (m, 3H), 3.28 (s, 3H), 3.20 (s, 3H) 2.36 (m, 1H); 13C NMR (CDCl3) δ:158.3, 152.4, 151.6, 150.6,144.6, 138.7, 135.9, 135.8, 129.9, 128.8, 128.1, 127.7 127.5, 126.7, 113.4, 113.0, 111.3, 86.2, 85.4, 83.7, 77.2, 72.9, 63.8, 55.1, 44.4, 41.3, 37.6, 35.3, 12.6; FAB MS (M+H)+ for C46H51N7O5, Calculated: 782.40; Found: 782.18.。
5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐6‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(2‐(ナフチル)ビニル)‐2’‐デオキシアデノシン(化合物5)270mgを2口ナス型フラスコに入れ、減圧・窒素置換を3回繰り返して、系内を十分に窒素置換した。そこへジクロロメタン3.0mL、2‐シアノエチルテトライソプロピルフォスフォロジアミダイト124μL、アセトニトリルに溶解した0.25Mのテトラゾール1.56mLを加え室温で1.5時間攪拌した。反応後、溶媒を除去し中圧液体クロマトグラフで精製した。その際、展開溶媒にはジクロロメタン/メタノールを使用した。目的物を含むフラクションを回収し展開溶媒を除去した後5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐3‘‐O‐[2‐シアノエトキシ‐(N,N‐ジイソプロピルアミノ)‐フォスフィノ]‐6‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(2‐(ナフチル)ビニル)‐2’‐デオキシアデノシン(177mg;化合物8)を黄色固体として得た。当該化合物8を用いてオリゴマーを合成する際は、これ以上の精製はせず、このままDNA合成機へ取り付けるとよい。また、同定した結果を以下に示す。
FAB MS (M+H)+ for C55H61N8O6P, Calculated: 961.45; Found: 961.50.。
5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐6‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(2‐(ピレニル)ビニル)‐2’‐デオキシアデノシン(化合物5)210mgを2口ナス型フラスコに入れ、減圧・窒素置換を3回繰り返して、系内を十分に窒素置換した。そこへジクロロメタン 2.5mL、2‐シアノエチルテトライソプロピルフォスフォロジアミダイト88μL、アセトニトリルに溶解した0.45Mのテトラゾール616mLを加えて、室温で1.5時間攪拌した。反応後、溶媒を除去し中圧液体クロマトグラフで精製した。その際、展開溶媒にはジクロロメタン/メタノールを使用した。目的物を含むフラクションを回収して、展開溶媒を除去した後、5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐3‘‐O‐[2‐シアノエトキシ‐(N,N‐ジイソプロピルアミノ)‐フォスフィノ]‐6‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8-(2‐(ピレニル)ビニル)‐2’‐デオキシアデノシン(237mg;化合物9)をオレンジ色の固体として得た。当該化合物9を用いてオリゴマーを合成する際は、これ以上の精製はせず、このままDNA合成機へ取り付けるとよい。
FAB MS (M+H)+ for C61H63N8O6P, Calculated: 1035.48; Found: 1035.56.。
5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐6‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8‐(4‐(ジエチルアミノ)スチリル)‐2’‐デオキシアデノシン(化合物7)60mgを2口ナス型フラスコに入れ、減圧・窒素置換を3回繰り返して、系内を十分に窒素置換した。そこへジクロロメタン 1.5mL、2‐シアノエチルテトライソプロピルフォスフォロジアミダイト29μL、アセトニトリルに溶解した0.45Mのテトラゾール188mLを加えて、室温で1.5時間攪拌した。反応後、溶媒を除去し中圧液体クロマトグラフで精製した。その際、展開溶媒にはジクロロメタン/メタノールを使用した。目的物を含むフラクションを回収して、展開溶媒を除去した後、5’‐O‐(4,4’‐ジメトキシトリチル)‐3‘‐O‐[2‐シアノエトキシ‐(N,N‐ジイソプロピルアミノ)‐フォスフィノ]‐6‐N,N-ジメチルホルムアミジン‐8-(4‐(ジエチルアミノ)スチリル)‐2’‐デオキシアデノシン(237mg;化合物10)を黄色の固体として得た。当該化合物10を用いてオリゴマーを合成する際は、これ以上の精製はせず、このままDNA合成機へ取り付けるとよい。
FAB MS (M+H)+ for C55H68N9O6P, Calculated: 982.51; Found: 982.21。
実施例6にて得た化合物7を用いて、DNA合成機でオリゴマー(5‘‐TACXCGTATXCACGTXCATA‐3’)を合成した。Xは当該化合物7である。オリゴマー中に挿入されている、実施例6にて得た化合物7を図4に示す。なお、図4に示すように、当該化合物7を8STGとも表記する。また、当該オリゴマーの相補鎖(5‘‐TATGCACGTGCATACGCGTA‐3’;配列番号1)を合成した。合成した2つのオリゴマーがそれぞれ5μMになるように、反応溶液(10mMリン酸バッファー:pH7.0、100mM NaCl)を調整した。反応溶液に370nmの光を室温で5分間照射した。その反応溶液にさらに254nmの光を室温で2分間照射した。反応前後での二本鎖の熱的安定性を測定した。結果を図5に示す。図5は本実施例で合成したオリゴマーの熱的安定性の測定結果を示す図である。図5の縦軸は吸光度を示し、横軸は温度を表し、実線は光を照射する前の状態(E体(トランス体))の結果を示し、点線は370nmの光を照射した後の状態(Z体(シス体))の結果を示し、破線は370nmの光を照射した後に254nmの光を照射した後の状態の結果を示す。
実施例6にて得た化合物9を用いてDNA合成機によりオリゴマー(5‘‐GGTTXGTGTXGTTGG‐3’)を合成した。本配列からなるオリゴマーは分子内でG‐quadruplexを形成するアンチトロンビンアプタマーである。なお、Xは当該化合物9である。このアンチトロンビンアプタマーの構造を模式的に図7に示す。
実施例7にて得た化合物8を用いて、DNA合成機によりオリゴマー(5‘‐CTGCACGTACXTGGATACAGT‐3’;配列番号2に示される塩基配列からなるDNAの3’末端と配列番号3に示される塩基配列からなるDNAの5’末端との間に、X(当該化合物7)を挿入したものである。)を合成した。オリゴマー中に挿入されている、実施例7にて得た化合物8を図11に示す。なお、図11に示すように、当該化合物8を8NVAとも表記する。また、当該オリゴマーの相補鎖(5‘‐ACTGTATCCATGTACGTGCAG‐3’;配列番号4)を合成した。合成した2つのオリゴマーがそれぞれ5μMになるように、反応溶液(10mMリン酸バッファー:pH7.0、100mM NaCl)を調整した。反応溶液に410nmの光を室温で1分間照射した。その反応溶液にさらに310nmの光を室温で30秒間照射した。反応の過程を追ったHPLCチャートを図12に示す。図12の(a)は光照射前を示し、(b)は410nmの光を室温で1分間照射した後を示し、(c)は410nmの光を室温で1分間照射し、その後310nmの光を室温で30秒間照射後を示す。また、反応前後でのUV/Visスペクトルを図13に示す。図13において縦軸は吸光度を示し、横軸は波長を示し、破線は410nmの光を照射した後の状態(Z体(シス体))の結果を示し、実線は410nmの光を照射した後に310nmの光を照射した後の状態の結果を示す。
実施例7にて得た化合物9を用いてDNA合成機によりオリゴマー(5‘‐CTGCACGTACXTGGATACAGT‐3’;配列番号2に示される塩基配列からなるDNAの3’末端と配列番号3に示される塩基配列からなるDNAの5’末端との間に、X(当該化合物9)を挿入したものである。)を合成した。オリゴマー中に挿入されている、実施例7にて得た化合物9を図14に示す。なお、図14に示すように、当該化合物8を8PVAとも表記する。また、当該オリゴマーの相補鎖(上記配列番号4に示す塩基配列からなるDNA)を合成した。合成した2つのオリゴマーがそれぞれ2.5μMになるように、反応溶液(10mMリン酸バッファー:pH7.0、100mM NaCl)を調整した。なお、実施例7にて得た化合物8を含有する当該オリゴマーは、蛍光灯の光または日光によって、Z体(シス体)として存在した。化合物反応溶液に360nmの光を室温で30秒間照射した。その反応溶液にさらに460nmの光を室温で1分間照射した。反応の過程を追ったHPLCチャートを図15に示す。図15の(a)は光照射前を示し、(b)は360nmの光を室温で30秒間照射した後を示し、(c)は360nmの光を室温で30秒間照射し、その後460nmの光を室温で1分間照射した後を示す。また、反応前後でのUV/Visスペクトルを図16に示す。図16において縦軸は吸光度を示し、横軸は波長を示し、実線は360nmの光を照射した後の状態(E体(トランス体))の結果を示し、破線は360nmの光を照射した後に460nmの光を照射した後の状態の結果を示す。
Claims (9)
- プリン核の8位の炭素原子が下記一般式(I)で表される基によって置換されており、プリン核の9位の窒素原子が下記一般式(IV)で表される糖と結合しているプリンヌクレオシド化合物であって、
該プリン核が、下記一般式(V)で表される構造、または下記一般式(VI)で表される構造であるプリンヌクレオシド化合物。
一般式(IV)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、水酸基、水酸基がイソブチル、tert‐ブチルジメチルシリル(TBDMS)もしくはジメトキシトリチル(DMTr)で保護された基、下記式(VII)で表される基、−OR(Rはアルキルシリル基)またはエステル基を表し、R3は、水素原子、水酸基、水酸基がイソブチル、tert‐ブチルジメチルシリル(TBDMS)もしくはジメトキシトリチル(DMTr)で保護された基、下記式(VII)で表される基、−OR(Rはアルキルシリル基)またはエステル基を表し、*はプリン核の9位の窒素原子との結合位置を表す。
一般式(VI)中、*は糖との結合位置を表す。] - 上記プリン核が上記一般式(V)で表される、グアノシン誘導体である請求項1に記載のプリンヌクレオシド化合物。
- 一般式(I)中、Aは環構成原子数10〜20のアリール基または環構成原子数10〜20のヘテロアリール基であることを特徴とする請求項1または2に記載のプリンヌクレオシド化合物。
- 一般式(I)中、Aはフェニル基、ナフチル基、9H‐フルオレニル基、またはピレニル基である請求項1または2に記載のプリンヌクレオシド化合物。
- 下記一般式(VIII)で表されるプリン核の8位の炭素原子が下記一般式(I)で表される基によって置換されており、該プリン核の9位の窒素原子が下記一般式(IV)で表される糖と結合しているプリンヌクレオシド化合物に光を照射することにより、下記一般式(I)で表される基のエチレン性二重結合部を異性化する方法であって、波長300nm〜400nmの光を照射してE→Z異性化する、もしくは波長240nm〜270nmの光を照射してZ→E異性化する、または、下記一般式(I)におけるAがナフチル基、9H−フルオレニル基、ピレニル基もしくは置換基を有するフェニル基である場合、400nm〜500nmの光を照射してE→Z異性化する、もしくは290nm〜400nmの光を照射してZ→E異性化する方法。
一般式(IV)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、水酸基、水酸基がイソブチル、tert‐ブチルジメチルシリル(TBDMS)もしくはジメトキシトリチル(DMTr)で保護された基、下記式(VII)で表される基、−OR(Rはアルキルシリル基)またはエステル基を表し、R3は、水素原子、水酸基、水酸基がイソブチル、tert‐ブチルジメチルシリル(TBDMS)もしくはジメトキシトリチル(DMTr)で保護された基、下記式(VII)で表される基、−OR(Rはアルキルシリル基)またはエステル基を表し、*はプリン核の9位の窒素原子との結合位置を表す。
- 前記異性化は可逆的に行われる請求項5に記載の方法。
- 下記一般式(VIII)で表されるプリン核の8位の炭素原子が下記一般式(I)で表される基によって置換されており、該プリン核の9位の窒素原子が下記一般式(IV)で表される糖と結合しているプリンヌクレオシド化合物に光を照射することにより、光特性を変化させる方法であって、下記一般式(I)で表される基のエチレン性二重結合部を波長300nm〜400nmの光でE→Z異性化する、もしくは波長240nm〜270nmの光でZ→E異性化する、または、下記一般式(I)におけるAがナフチル基、9H−フルオレニル基、ピレニル基もしくは置換基を有するフェニル基である場合、400nm〜500nmの光でE→Z異性化する、もしくは290nm〜400nmの光でZ→E異性化することによる方法。
一般式(IV)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、水酸基、水酸基がイソブチル、tert‐ブチルジメチルシリル(TBDMS)もしくはジメトキシトリチル(DMTr)で保護された基、下記式(VII)で表される基、−OR(Rはアルキルシリル基)またはエステル基を表し、R3は、水素原子、水酸基、水酸基がイソブチル、tert‐ブチルジメチルシリル(TBDMS)もしくはジメトキシトリチル(DMTr)で保護された基、下記式(VII)で表される基、−OR(Rはアルキルシリル基)またはエステル基を表し、*はプリン核の9位の窒素原子との結合位置を表す。
- 前記変化は可逆的に行われる請求項7に記載の方法。
- 下記一般式(VIII)で表されるプリン核の8位の炭素原子が下記一般式(I)で表される基によって置換されており、該プリン核の9位の窒素原子が下記一般式(IV)で表される糖と結合しているプリンヌクレオシド化合物および/または該化合物由来の核酸を含む光スイッチング型デバイス材料。
一般式(IV)中、R1およびR2は、それぞれ独立に、水酸基、水酸基がイソブチル、tert‐ブチルジメチルシリル(TBDMS)もしくはジメトキシトリチル(DMTr)で保護された基、下記式(VII)で表される基、−OR(Rはアルキルシリル基)またはエステル基を表し、R3は、水素原子、水酸基、水酸基がイソブチル、tert‐ブチルジメチルシリル(TBDMS)もしくはジメトキシトリチル(DMTr)で保護された基、下記式(VII)で表される基、−OR(Rはアルキルシリル基)またはエステル基を表し、*はプリン核の9位の窒素原子との結合位置を表す。
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