JP5579696B2 - 有機薄膜太陽電池 - Google Patents

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Description

本発明は、調光機能を有する有機薄膜太陽電池に関する。
太陽電池パネルの発電効率が向上し、性能改善に伴って、太陽光発電の普及が進んでいる。太陽光発電の普及は、主に、設置面積が潤沢である郊外の太陽光発電所、工場等の大規模事業所、および住宅等の屋根から順次進んでいる。
一方、大規模電力消費地である大都市圏では、消費エネルギに対する太陽電池パネルの設置面積が相対的に少なく、自然エネルギを十分活用できていないのが実情である。大都市のビル等に太陽電池パネルの設置を促進するため、ビル壁面等に設置可能な建材一体型太陽電池パネルの開発も進んでいる。
このように大都市圏のオフィスビル等への自然エネルギの導入が検討されつつあるが、建材一体型太陽電池パネルなどは設置工事が大規模であり、特に既築物件への設置はコストが大幅に増大する傾向がある。
大都市ビルの既築物件等に自然エネルギを導入する有効手段の一つに、窓等を利用した太陽電池パネルの設置が考えられる。既存の窓ガラス等を活用した太陽電池パネルの場合、貼り付けができるシート状が利便性もよく、設置コストの低減につながる。
シート状太陽電池パネルとして、有機薄膜太陽電池(Organic Photovoltaics:OPV)が注目されている。有機薄膜太陽電池は、電子供与体である共役高分子と電子受容体であるアクセプタ分子の混合物から構成される光活性層を含む薄膜で構成され、溶液からの印刷工程で作製でき、シート状などの形状加工も容易である特徴を持つ(特許文献1)。
また、シート状太陽電池パネルには、単に窓に設置する以外に付加価値を持たせて、ビルのエネルギ需給を多角的に制御できる高機能型パネルが求められている。
有機薄膜太陽電池の薄膜形状を利用して、ディスプレイ等のほかのデバイスと積層した発電機能付きシートデバイスも提案されている(特許文献2)。また、シート状太陽電池パネルの高機能化のひとつに窓の調光機能(遮光機能)と組み合わせた形態が考えられる。例えば、有機EL素子と組み合わせた調光素子が提案されており(特許文献3)、太陽光の入射光と発光の干渉で入射光強度を弱めて遮光し、その駆動電源の一部を有機薄膜太陽電池から供給することが示されている。
特表2008−537846号公報 特表2009−506360号公報 特開2005−149886号公報
有機薄膜太陽電池の高機能化の手段として、従来は、有機薄膜太陽電池と他の薄膜デバイスとの積層構造が試みられてきた。しかし、単なる積層構造では透明電極部が各機能に1対ずつ必要であり、製造コストが増大する。また、他の薄膜デバイスから見て、受光面側に2つの透明電極(有機薄膜太陽電池の電極)があるために、透明電極で入射光が散乱して、未活用の光エネルギが生じる問題があった。
また、調光機能と有機薄膜太陽電池の組み合わせについて、従来技術(特許文献3)では有機薄膜太陽電池は受光面側に積層して設置することが提案されているが、入射光を取り込む場合に有機薄膜太陽電池の潜在的な吸収と調光素子の基板反射等によるロスが積算され、入射光を得たい場合のロスが大きいという問題があった。
調光機能を持たせた有機薄膜太陽電池の実現には調光機能と受光および光電変換機能でロスの少ない構造が必要であるが、これまでの技術では実現困難であった。
そこで、本発明は、調光機能を有する有機薄膜太陽電池を提供することを課題とする。
このような課題を解決するために、本発明は、光透過性を有する一対の電極と、前記一対の電極の間に設けられ、該電極を透過した光を吸収して光電変換する光活性層と、前記一対の電極のうちの一方の電極と前記光活性層の間に設けられる正孔輸送層と、前記一対の電極のうちの他方の電極と前記光活性層の間に設けられる正孔ブロック層と、を備える有機薄膜太陽電池であって、前記光活性層は、光透過率を変更可能な光散乱源が分散された構造を有し、前記光散乱源は、前記一対の電極間にバイアスが印加されることにより光透過率が増大し、前記一対の電極間に印加されるバイアス方向は、前記光活性層の光電変換の際に発生するバイアス方向と、反対の方向であることを特徴とする有機薄膜太陽電池である。
また、本発明は、光透過性を有する一対の電極と、前記一対の電極の間に設けられ、該電極を透過した光を吸収して光電変換する光活性層と、前記一対の電極のうちの一方の電極と前記光活性層の間に設けられる正孔輸送層と、前記一対の電極のうちの他方の電極と前記光活性層の間に設けられる正孔ブロック層と、を備える有機薄膜太陽電池であって、前記正孔輸送層は、光透過率を変更可能な光散乱源が分散された構造を有し、前記光散乱源は、前記一対の電極間にバイアスが印加されることにより光透過率が増大し、前記一対の電極間に印加されるバイアス方向は、前記光活性層の光電変換の際に発生するバイアス方向と、反対の方向であることを特徴とする有機薄膜太陽電池である。
本発明によれば、調光機能を有する有機薄膜太陽電池を提供することができる。
第1実施形態に係る有機薄膜太陽電池の断面模式図である。 第1実施形態に係る有機薄膜太陽電池の作製工程を説明する模式図である。 第2実施形態に係る有機薄膜太陽電池の断面模式図である。 第2実施形態に係る有機薄膜太陽電池の作製工程を説明する模式図である。 第1実施形態に係る有機薄膜太陽電池と外部負荷および外部電源との接続例を示す模式図である。 第1実施形態に係る有機薄膜太陽電池の各モードを説明する模式図であり、(a)は外部負荷に接続して発電機として使用する発電モードであり、(b)は外部電源と接続して光透過性を上昇させる調光モードである。
以下、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略する。
≪第1実施形態≫
<第1実施形態に係る有機薄膜太陽電池100の基本構成>
図1を用いて、第1実施形態に係る有機薄膜太陽電池100の基本構成について説明する。図1は、第1実施形態に係る有機薄膜太陽電池100の断面模式図である。
シート状に構成される有機薄膜太陽電池100は、第1透明基板101と、第1透明電極102と、正孔輸送層(電子ブロック層)103と、光散乱源105が分散された光活性層104と、正孔ブロック層(電子輸送層)106と、第2透明電極107と、第2透明基板108と、を備え、例えば、建造物や乗り物の窓等に貼付される。
そして、第1実施形態に係る有機薄膜太陽電池100は、後述する図5および図6に示すように、有機薄膜太陽電池100の光電変換により発電する発電機能(発電モード)と、光透過性を発電モード時より上昇させて有機薄膜太陽電池100が貼付された窓等から室内に入射光(太陽光)を取り込む調光機能(調光モード)とを切り替えることができるようになっている。
第1透明基板101は、光透過性のある基板であれば特に制限なく用いることができ、例えば、ガラス、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate:PET)、ポリエチレンナフタレート(Polyethylene naphthalate:PEN)等を用いることができる。なお、第1透明基板101の厚さを概ね200μm以下にすると、有機薄膜太陽電池100に湾曲などの取り扱いができるフレキシブル性を付与することができる。
第1透明電極102は、一方の面で第1透明基板101と接し、他方の面で正孔輸送層103と接するように設けられている。
第1透明電極102は、光透過性と有機薄膜太陽電池100の発電性能を確保するシート抵抗があればよく、例えば、スズ(Sn)をドープした酸化インジウム(Indium Tin Oxide:ITO)等をイオンプレーティング法をはじめとする既存の方法で形成することができる。この時、内部抵抗が有機薄膜太陽電池100の発電性能に影響を与えないシート抵抗30Ω/□以下を実現するために、第1透明電極102の厚さは0.05〜0.50μmの範囲が望ましい。
正孔輸送層103は、一方の面で第1透明電極102と接し、他方の面で光活性層104と接するように設けられている。
正孔輸送層(電子ブロック層)103は、有機薄膜太陽電池100(光活性層104)で発生した電荷のうち、正孔のみを輸送し、電子をブロックする機能を有している。正孔輸送層103は、導電性と第1透明電極102の仕事関数よりも低い準位にフェルミ準位に相当する最高占有分子軌道(Highest Occupied Molecular Orbital:HOMO)を有するものであれば特に制限なく用いることができ、例えば、PEDOT−PSS(ポリエチレンジオキシチオフェン−ポリスチレンスルホン酸)等を用いることができる。なお、内部抵抗を抑えかつ電子ブロック機能・リーク電流防止機能を確保するため、正孔輸送層103の厚さは、0.02〜0.10μmの範囲が望ましい。
光散乱源105が分散された光活性層104は、一方の面で正孔輸送層103と接し、他方の面で正孔ブロック層106と接するように設けられている。
第1実施形態に係る有機薄膜太陽電池100は、有機薄膜太陽電池100の発電機能(発電モード)と、調光機能(調光モード)との両立を実現するため、光吸収して光電変換する光活性層104中に調光する光(可視光)の波長程度の小泡からなる光散乱源105を分散した構造(相分離構造)を有している。
光活性層104は、光吸収、電荷生成、電荷輸送の機能を担い、電子供与性の共役高分子と電子受容性のアクセプタ分子の相分離構造を有している。
電子供与性の共役高分子は、主に光吸収と正孔輸送の役割を担い、例えば、P3HT(Poly-3-Hexylthiophene)、MDMO−PPV(Poly(2-methoxy-5-(3',7'-dimethyloctyl
oxy)-1,4-phenylenevinylene))等を用いることができる。
電子受容性のアクセプタ分子は、C61−PCBM(6,6'-Phenyl-C61-Butyric acid Methyl ester)をはじめとするフラーレン誘導体を広く用いることができる。
これら電子供与性の共役高分子と電子受容性のアクセプタ分子は、モノクロロベンゼンやオルトジクロロベンゼンなどの有機溶媒に相溶し、溶液を作製することができる。この溶液をキャスト法などの任意の成膜法で塗布すると、有機溶媒の揮発に伴って、電子供与性の共役高分子と電子受容性のアクセプタ分子が相分離構造を形成する。
ここで、光活性層104の厚さは、100nm以上1000nm以下が望ましい。
光活性層104の厚さが100nm未満となると、光活性層104における光吸収量が減少して有機薄膜太陽電池100の発電量が低下するため望ましくない。また、光活性層104の厚さが1000nmより厚くなると、有機薄膜太陽電池100の内部抵抗の増大にするため望ましくない。
光散乱源105は、例えば、液晶分子のような電子供与性の共役高分子に比べて屈折率の大きな分子が選ばれる。光活性層104を構成する溶液(電子供与性の共役高分子、電子受容性のアクセプタ分子、有機溶媒)に、液晶分子も混在させて溶解することができ、キャスト法などの任意の方法で薄膜化すると、液晶分子は電子供与性の共役高分子、電子受容性のアクセプタ分子と互いにに相分離構造を形成し、光散乱源105として小泡の形状をなす。
光散乱源105の小泡サイズは、使用する液晶分子、薄膜形成条件、溶液濃度等によって調整が可能であり、小泡サイズとしては直径が5nm以上500nm以下が望ましく、さらに最適値としては50nm以上200nm以下が望ましい。
光散乱源105の小泡サイズが調光する光の波長に対して小さすぎると、遮光効果が小さくなり、遮光制御(後述する調光モードのOFF)に関わらず、常時、光透過しやすい状況になる。
一方、光散乱源105の小泡サイズが500nm以上の大きさでは、調光モードの駆動電圧が大きくなり、遮光制御しているにも関わらず、最大透過率が減少してしまい、全体として曇った(ヘイズを有した)状態になる。これは液晶分子が高分子中に分散した場合によく起こる現象で、液晶分子の配向乱れが原因である。また、光散乱源105の小泡サイズが大きく調光モードの駆動電圧が大きくなると、正孔輸送層103および正孔ブロック層106が降伏(ブレークダウン)して降伏電流(ブレークダウン電流)が流れるため、消費電力がかさむと同時に、光活性層104で発熱が生じるため、望ましくない。
このため、光散乱源105の小泡サイズを適切に制御することが望ましい。
正孔ブロック層106は、一方の面で光活性層104と接し、他方の面で第2透明電極107と接するように設けられている。
正孔ブロック層(電子輸送層)106は、有機薄膜太陽電池100(光活性層104)で発生した電荷のうち、電子のみを輸送し、正孔をブロックする機能を有している。正孔ブロック層106は、例えば、アモルファス酸化チタン、酸化モリブデン等の無機酸化膜を厚さ10nm以下で設置すると効果を発揮する。正孔ブロック層106は、バルクの性質が誘電体であるため、厚さは10nm以下であることが望ましく、それ以上になると内部抵抗の増大につながる。
第2透明電極107は、一方の面で正孔ブロック層106と接し、他方の面で第2透明基板108と接するように設けられている。
第2透明電極107は、第1透明電極102と同一の材質であっても有機薄膜太陽電池100の機能と遮光機能を発揮することが可能であるが、有機薄膜太陽電池100の電荷輸送の駆動要因と考えられている2つの電極の仕事関数差に由来する内部電界(Built-in Potential)を生じさせるために第1透明電極102よりも絶対値の小さい仕事関数を持つ物質を用いる方がより好ましい。光透過性と十分な導電性とを有する物質は、ITO以外に優良な物質が見当たらないこともあり、例えば、ITOにアルミニウム(Al)等の仕事関数を満たす金属をごく薄く蒸着などの方法で成膜し、全体として透過性を保持した電極を形成することができる。仕事関数の異なる金属の膜厚は10nm以下が望ましい。
第2透明基板108は、第1透明基板101と同様に、光透過性のある基板であれば特に制限なく用いることができ、例えば、ガラス、ポリエチレンテレフタレート(Polyethylene terephthalate:PET)、ポリエチレンナフタレート(Polyethylene naphthalate:PEN)等を用いることができる。また、第2透明基板108は、第1透明基板101と同じ材質であってよく、異なる材質であってもよい。また、第2透明基板108は、光透過性や場合によってはフレキシブル性などを備えていることが望ましい。
<第1実施形態に係る有機薄膜太陽電池100の作製方法>
第1実施形態に係る有機薄膜太陽電池100の作製方法の一例について、図2を用いて説明する。図2は、第1実施形態に係る有機薄膜太陽電池100の作製工程を説明する模式図である。
一般的な有機薄膜太陽電池は、受光面側の電極は透明である必要があるため、例えば、ITOをイオンプレーティング法など真空プロセスを用いて透明電極を作成する必要があるが、もう一方の電極は必ずしも透明である必要はないため、基板と透明電極が一体化した基材から順に成膜することによって作製可能である。
これに対し、第1実施形態に係る有機薄膜太陽電池100は、第1透明電極102および第2透明電極107のどちらも透明電極であるため、第1透明基板101(または第2透明基板108)から順に成膜すると、光活性層104を成膜した後に、第2透明電極107(または第1透明電極102)をイオンプレーティング法など真空プロセスを用いて成膜することとなり、光活性層104の材料にダメージを与えてしまう。このように、有機薄膜太陽電池100の作製に関しては、光活性層104の材料にダメージを与える真空プロセスによる成膜は、プロセス手順を考えて設計する必要がある。
したがって、第1実施形態に係る有機薄膜太陽電池100の作製方法の一例として、ラミネート法を適用した第1実施形態に係る有機薄膜太陽電池100の作製方法について説明する。
第1透明基板101として、PEN(テイジン製)を用いた。
ステップS11において、第1透明基板101に第1透明電極102に相当するITOをイオンプレーティング法により厚さ300nmとなるように成膜し、第1基材201を作製した。
ステップS12において、第1基材201の第1透明電極102上に正孔輸送層103に相当するPEDOT−PSS(アルドリッチ製)をスピンコート法により厚さ150nmになるように成膜した。
ステップS13において、ステップS12で成膜した正孔輸送層103の上に光活性層104と光散乱源105とを構成する物質をオルトジクロロベンゼンで溶解した溶液をキャスト法で塗布し、80℃で5分間乾燥した。この段階では薄膜は完全には乾燥していないが、第1基材201と密着して、運搬等は自在にできる状況にあり、膜厚は約700nmであった。光活性層104を構成する電子供与性の共役高分子としてMDMO−PPV(アルドリッチ製)を使用し、光活性層104を構成する電子受容性のアクセプタ分子としてC61−PCBM(商品名E102、フロンティアカーボン製)を使用し、混合比は重量比でMDMO−PPV:C61−PCBM=1:4とした。光散乱源105を構成する液晶分子として、4−シアノ−4'−ペンチルビフェニル(通称5CB,メルク製)を使用し、MDMO−PPVの重量に対して10から50重量%の範囲内で添加した。
以上の工程(ステップS11〜S13)を経て、第1ラミネート基材202を作製した。
第2透明基板108として、第1透明基板101と同様のPEN(テイジン製)を用いた。
ステップS14において、第2透明基板108にITO117をイオンプレーティング法により厚さ300nmとなるように成膜し、さらに、ITO117に接する形でアルミニウム127を抵抗加熱蒸着法により厚さ5nmとなるように成膜して、第2透明電極107を形成した。第2透明基板108および第2透明電極107(ITO117、アルミニウム127)で構成される第2基材203は、太陽光の全光透過率について90%以上を確保していることを確認した。
ステップS15において、第2基材203のアルミニウム127(第2透明電極107)が蒸着されている面に対して、テトライソプロピルオルソチタネート(東京化成製)をエタノールで200倍に希釈した溶液をスピンコート法によって塗布した後に、50℃湿度70%の雰囲気に一定時間静置して、膜厚10nmの正孔ブロック層106に相当するアモルファス酸化チタン薄膜を成膜した。
ステップS16において、ステップS15で成膜した正孔ブロック層106の上に光活性層104と光散乱源105とを構成する物質をオルトジクロロベンゼンで溶解した溶液をキャスト法で塗布し、80℃で5分間乾燥した。この段階では薄膜は完全には乾燥していないが、第2基材203と密着して、運搬等は自在にできる状況にあり、膜厚は約700nmであった。なお、ステップS16において塗布した溶液は、ステップS13において塗布した溶液と同一である。
以上の工程(ステップS14〜S16)を経て、第2ラミネート基材204を作製した。
ステップS17において、第1ラミネート基材202と第2ラミネート基材204とを、光活性層104と光散乱源105を含む薄膜が向かい合うようにラミネータ(図2では、2つのラミネート基材202,204を加熱・圧着するラミネートロール600を示す)にセットして、80℃から110℃の温度帯でラミネートした。この際、加熱温度とラミネート圧力を最適化することによって、第1ラミネート基材202と第2ラミネート基材204は互いに密着し、一体化した有機薄膜太陽電池100を形成することができた。ラミネート後、有機溶媒(オルトジクロロベンゼン)を完全に除去し、ラミネート基材同士の密着性を向上させるため、一定時間加熱して有機薄膜太陽電池100を完成した。
このように、図2に示す有機薄膜太陽電池100の作製工程によれば、光活性層104の成膜後に、イオンプレーティング法を用いることが無いので、光活性層104を劣化させることなく、第1実施形態に係る有機薄膜太陽電池100を作製することができる。
≪第2実施形態≫
<第2実施形態に係る有機薄膜太陽電池300の基本構成>
次に、図3を用いて、第2実施形態に係る有機薄膜太陽電池300の基本構成について説明する。図3は、第2実施形態に係る有機薄膜太陽電池300の断面模式図である。
シート状に構成される有機薄膜太陽電池300は、第1透明基板301と、第1透明電極302と、光散乱源305が分散された正孔輸送層(電子ブロック層)303と、光活性層304と、正孔ブロック層(電子輸送層)306と、第2透明電極307と、第2透明基板308と、を備えている。
そして、第2実施形態に係る有機薄膜太陽電池300は、第1実施形態に係る有機薄膜太陽電池100と同様に、光電変換により発電する発電機能(発電モード)と、光透過性を発電モード時より上昇させる調光機能(調光モード)とを切り替えることができるようになっている。
このように、第1実施形態に係る有機薄膜太陽電池100(図1参照)は、光活性層104中に光散乱源105が分散されているのに対し、第2実施形態に係る有機薄膜太陽電池300(図3参照)は、正孔輸送層(電子ブロック層)303中に光散乱源305が分散されている点で異なっている。なお、第2実施形態に係る有機薄膜太陽電池300の第1透明基板301、第1透明電極302、正孔ブロック層(電子輸送層)306、第2透明電極307および第2透明基板308は、第1実施形態に係る有機薄膜太陽電池100の第1透明基板101、第1透明電極102、正孔ブロック層(電子輸送層)106、第2透明電極107および第2透明基板108と同様であり、説明を省略する。
第2実施形態に係る有機薄膜太陽電池300において、正孔輸送層(電子ブロック層)303中に調光する光(可視光)の波長程度の小泡からなる光散乱源305を分散した構造(相分離構造)を有している。
ところで、第1実施形態の正孔輸送層103では、正孔輸送材料として、水分散型のPEDOT−PSSを使用した。
しかし、水分散型の正孔輸送材料(PEDOT−PSS)と光散乱源305となる物質(液晶分子)とを混合した際、光散乱源305となる物質(液晶分子)が水溶媒と既に相分離を起こし、適切な薄膜構造を作製することができない。
このため、第2実施形態の正孔輸送層303では、正孔輸送材料313として、有機溶媒に可溶な正孔輸送材料を用いて、光散乱源305となる物質(液晶分子)との混合溶液を作製して成膜することが望ましい。
また、第2実施形態に係る有機薄膜太陽電池300を実現するためには、光散乱源305の小泡サイズ等を最適化するため、正孔輸送層303の膜厚を第1実施形態の正孔輸送層103(図1参照)の膜厚より厚く設定する必要がある。
しかし、第1実施形態の正孔輸送材料として用いた標準的なPEDOT−PSSでは導電率が比較的小さいため、膜厚が増大すると内部抵抗の増大につながる。
このため、第2実施形態の正孔輸送層303では、正孔輸送材料313として、比較的導電性の高い材料を用いて、内部抵抗の増大を抑えることが望ましい。
このような有機溶媒に可溶かつ比較的導電性の高い正孔輸送材料313は、例えば、CLEVIOS(登録商標)C−ERシリーズ(H.C.Starck社製)等を用いることができる。
光散乱源305は、第1実施形態と同様に、例えば、液晶分子のような光活性層304を構成する電子供与性の共役高分子に比べて屈折率の大きな分子が選ばれる。
正孔輸送層303となる正孔輸送材料313と光散乱源305となる物質(液晶分子)は、有機溶媒に相溶し、溶液を作製することができる。この溶液をキャスト法などの任意の成膜法で塗布すると、有機溶媒の揮発に伴って、液晶分子は正孔輸送材料と相分離構造を形成し、光散乱源305として小泡の形状をなす。
なお、有機溶媒に可溶な正孔輸送材料313は、比較的導電性の高いため、電子ブロック機能やリーク電流防止機能等が低下するおそれがある。このため、正孔輸送層303として、有機溶媒に可溶な正孔輸送材料313に加えて水に可溶な正孔輸送材料323を用いてもよい。水に可溶な正孔輸送材料323は、導電性がやや小さいが、導電率の高い正孔輸送材料313と比較して電子ブロック性やリーク電流の防止に効果的であり、有機溶媒に可溶な正孔輸送材料313の短所である電子ブロック機能やリーク電流防止機能等を補填することができる。このような水に可溶な正孔輸送材料323は、例えば、CLEVIOS(登録商標)P VP AI 4083(H.C.Starck社製)等を用いることができる。正孔輸送材料323の成膜については、図4を用いて後述する。
第2実施形態の光活性層304は、第1実施形態の光活性層104と同様に、光吸収、電荷生成、電荷輸送の機能を担い、電子供与性の共役高分子と電子受容性のアクセプタ分子の相分離構造を有している。光活性層304は、電子供与性の共役高分子と電子受容性のアクセプタ分子を有機溶媒に相溶した溶液を作製し、この溶液をキャスト法などの任意の成膜法で塗布すると、有機溶媒の揮発に伴って、電子供与性の共役高分子と電子受容性のアクセプタ分子が相分離構造を形成する。なお、電子供与性の共役高分子、電子受容性のアクセプタ分子および有機溶媒は、第1実施形態と同様の物質を用いることができる。
なお、光活性層304の厚さは、100nm以上500nm以下が望ましい。
光活性層304の厚さが100nm未満となると、光活性層304における光吸収量が減少して有機薄膜太陽電池300の発電量が低下するため望ましくない。また、光活性層304が厚くなると、有機薄膜太陽電池300の内部抵抗の増大にするため望ましくない。第1実施形態の光活性層104(図1参照)は光散乱源105が分散されているのに対し、第2実施形態の光活性層304(図3参照)は光散乱源105が分散されていないため、第2実施形態の光活性層304の厚さは第1実施形態の光活性層104の厚さより薄くすることができる。
<第2実施形態に係る有機薄膜太陽電池300の作製方法>
第2実施形態に係る有機薄膜太陽電池300の作製方法の一例について、図4を用いて説明する。図4は、第2実施形態に係る有機薄膜太陽電池300の作製工程を説明する模式図である。
一般的な有機薄膜太陽電池は、受光面側の電極は透明である必要があるため、例えば、ITOをイオンプレーティング法など真空プロセスを用いて透明電極を作成する必要があるが、もう一方の電極は必ずしも透明である必要はないため、基板と透明電極が一体化した基材から順に成膜することによって作製可能である。
第2実施形態に係る有機薄膜太陽電池300の作製方法の一例として、ラミネート法を適用した第2実施形態に係る有機薄膜太陽電池300の作製方法について説明する。
第1透明基板301として、PEN(テイジン製)を用いた。
ステップS21において、第1透明基板301に第1透明電極302に相当するITOをイオンプレーティング法により厚さ300nmとなるように成膜し、第1基材401を作製した。
ステップS22において、第1基材301の第1透明電極302上に正孔輸送層303と光散乱源305とを構成する物質をトルエンで溶解した溶液をキャスト法で塗布し、厚さ30nmから1000nmとなるように成膜した。正孔輸送層303を構成する物質として、有機溶媒に可溶な正孔輸送材料313(例えば、CLEVIOS(登録商標)C−ERシリーズ(H.C.Starck社製))を使用した。光散乱源305を構成する液晶分子として、4−シアノー4'−ペンチルビフェニル(通称5CB,メルク製)を使用した。
以上の工程(ステップS21〜S22)を経て、第1ラミネート基材402を作製した。
第2透明基板308として、第1透明基板301と同様のPEN(テイジン製)を用いた。
ステップS23において、第2透明基板308にITO317をイオンプレーティング法により厚さ300nmとなるように成膜し、さらに、ITO317に接する形でアルミニウム327を抵抗加熱蒸着法により厚さ10nmとなるように成膜して、第2透明電極307を形成した。第2透明基板308および第2透明電極307(ITO317、アルミニウム327)で構成される第2基材403は、太陽光の全光透過率について90%以上を確保していることを確認した。
ステップS24において、第2基材403のアルミニウム327(第2透明電極307)が蒸着されている面に対して、テトライソプロピルオルソチタネート(東京化成製)をエタノールで200倍に希釈した溶液をスピンコート法によって塗布した後に、50℃湿度70%の雰囲気に一定時間静置して、膜厚10nmの正孔ブロック層306に相当するアモルファス酸化チタン薄膜を成膜した。
ステップS25において、ステップS24で成膜した正孔ブロック層306の上に光活性層304を構成する物質をオルトジクロロベンゼンで溶解した溶液をキャスト法で塗布し、厚さ100nmから500nmとなるように成膜した。
光活性層304を構成する電子供与性の共役高分子としてMDMO−PPV(アルドリッチ製)を使用し、光活性層304を構成する電子受容性のアクセプタ分子としてC61−PCBM(商品名E102、フロンティアカーボン製)を使用し、混合比は重量比でMDMO−PPV:C61−PCBM=1:4とした。
ステップS26において、ステップS25で成膜した光活性層304の上に水に可溶な正孔輸送材料323をスピンコート法によって、膜厚40nmから100nmの範囲内で成膜した。水に可溶な正孔輸送材料323として、CLEVIOS(登録商標)P VP AI 4083(H.C.Starck社製)を使用した。
以上の工程(ステップS23〜S26)を経て、第2ラミネート基材404を作製した。
ステップS27において、第1ラミネート基材402と第2ラミネート基材404とを、有機溶媒に可溶な正孔輸送材料313を含む薄膜と水に可溶な正孔輸送材料323を含む薄膜が向かい合うようにラミネータ(図4では、2つのラミネート基材402,404を加熱・圧着するラミネートロール600を示す)にセットして、80℃から110℃の温度帯でラミネートした。この際、加熱温度とラミネート圧力を最適化することによって、第1ラミネート基材402と第2ラミネート基材404は互いに密着し、一体化した有機薄膜太陽電池300を形成することができた。ラミネート後、有機溶媒を完全に除去し、ラミネート基材同士の密着性を向上させるため、一定時間加熱して有機薄膜太陽電池300を完成した。
このように、図4に示す有機薄膜太陽電池300の作製工程によれば、光活性層304の成膜後に、イオンプレーティング法を用いることが無いので、光活性層304を劣化させることなく、第2実施形態に係る有機薄膜太陽電池300を作製することができる。なお、有機溶媒に可溶な正孔輸送材料313と水に可溶な正孔輸送材料323とは、溶媒を揮発させラミネートしたことにより一体となって正孔輸送層303を形成した。
≪本実施形態に係る有機薄膜太陽電池の駆動回路≫
本実施形態に係る有機薄膜太陽電池の駆動回路に関して、第1実施形態に係る有機薄膜太陽電池100を例に図5および図6を用いて説明する。なお、第2実施形態に係る有機薄膜太陽電池300の駆動回路は、同様であり、説明を省略する。
図5は、第1実施形態に係る有機薄膜太陽電池100と外部負荷501および外部電源502との接続例を示す模式図である。
外部負荷501は、有機薄膜太陽電池100の第1透明電極102および第2透明電極107とスイッチ503を介して接続されている。
外部電源502は、有機薄膜太陽電池100の第1透明電極102および第2透明電極107とスイッチ503を介して接続されている。ここで、外部電源502は直流電源であり、正極が第2透明電極107と接続され、負極が第1透明電極102と接続される。
スイッチ503は、有機薄膜太陽電池100は、外部負荷501または外部電源502との接続を切り替えることができるようになっている。
図6は、第1実施形態に係る有機薄膜太陽電池100の各モードを説明する模式図であり、(a)は外部負荷501に接続して発電機として使用する発電モードであり、(b)は外部電源502と接続して光透過性を上昇させる調光モードである。
第1実施形態に係る有機薄膜太陽電池100は、外部負荷501に接続して有機薄膜太陽電池100の光電変換により発電する発電機として使用する発電モード(図6(a)参照)と、外部電源502と接続して光透過性を発電モード時より上昇させて有機薄膜太陽電池100が貼付された窓等から室内に入射光(太陽光)を取り込む調光モード(図6(b)参照)とを、スイッチ503により切り替えることができるようになっている。
<発電モード>
有機薄膜太陽電池100を発電モードで使用する場合、図6(a)に示すように、光散乱源105を構成する液晶分子は、分子配向していないランダムな状態をしており、光透過率が最も低い状態となっている。
第1透明基板101から入射した光は、第1透明基板101の表面(受光面)、第1透明基板101と第1透明電極102との界面、第1透明電極102と正孔輸送層103との界面および正孔輸送層103と光散乱源105が分散された光活性層104との界面のそれぞれで反射されるが、光散乱源105が分散された光活性層104に到達した入射光のほとんどは光散乱源105により散乱されて、光活性層104に吸収される。
したがって、発電モードの有機薄膜太陽電池100は、遮光しているのにもかかわらず、発電量は光活性層104内部での多重散乱の効果により増大する。そして、光活性層104で発生した電荷は、正孔輸送層103を介して第1透明電極102の側に正孔が輸送され、正孔ブロック層106を介して第2透明電極107の側に電子が輸送され、外部負荷501に供給される。
従来の遮光機能を持たせた有機薄膜太陽電池(例えば、特許文献3参照)においては、遮光した光は有効に活用することはできなかったが、本実施形態に係る有機薄膜太陽電池100(300)によれば、遮光した光も膜内の多重散乱によって有効に光吸収することができる。
なお、第1実施形態に係る有機薄膜太陽電池100は、第1透明基板101の側が受光面であってもよく、第2透明基板108の側が受光面であってもよい。
また、第2実施形態に係る有機薄膜太陽電池300は、第2透明基板308の側が受光面であることが望ましい。光活性層304を透過した光の一部が、正孔輸送層(電子ブロック層)303に分散された光散乱源305で散乱され、その一部が再び光活性層304に入射することにより、光吸収層304の見かけ上の光吸収量が増大し、有機薄膜太陽電池300の発電性能が向上する。
<調光モード>
有機薄膜太陽電池100を調光モードで使用する場合、図6(b)に示すように、外部電源502により直流バイアスが印加される。即ち、有機薄膜太陽電池100には、電界が印加される。これにより、光散乱源105を構成する液晶分子は電界方向(有機薄膜太陽電池100の積層方向)に配向するため、液晶分子の屈折率差に基づく散乱が低減して、光透過率が最も高い状態となっている。
また、調光モードにおける外部電源502によるバイアス方向は、発電モードにおけるバイアス方向と逆向きとなるように、即ち、第1透明電極102を負バイアスに、第2透明電極107を正バイアスになるように外部電源502が接続され、直流バイアスが印加されるようになっている。
負バイアスの第1透明電極102に接する正孔輸送層(電子ブロック層)103と、正バイアスの第2透明電極107に接する正孔ブロック層106とが、電荷注入のブロック層として機能するため、電荷が光活性層104に注入されないようになっている。
有機薄膜太陽電池に電界を印加した際、光活性層104に電荷が注入されると、注入された電荷(正孔および電子)が再結合し、熱などによって失活されるが、発生する熱などにより光活性層104を構成する材料が大きなダメージを受けて劣化する。
これに対し、本実施形態に係る有機薄膜太陽電池100(300)は、発電する際に電荷が移動する電極と逆バイアスになるように電界を印加することにより、正孔輸送層(電子ブロック層)103および正孔ブロック層106が正孔および電子が注入されることを防止して、有機薄膜太陽電池100には電界のみが印加されるようになっている。これにより、光活性層104を構成する材料が劣化することを防止することができる。
≪変形例≫
なお、本実施形態に係る有機薄膜太陽電池(100,300)は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
第2実施形態に係る有機薄膜太陽電池300は、正孔輸送層303を構成する正孔輸送材料として有機溶媒に可溶な正孔輸送材料313および水に可溶な正孔輸送材料323を用いるものとして説明したが、これに限られるものではない。有機溶媒に可溶な正孔輸送材料313のみでも正孔輸送層303の電子ブロック機能やリーク電流防止機能を確保できる場合には、水に可溶な正孔輸送材料323はなくてもよい。
この構成の場合、図4のステップS26において、正孔輸送層303(有機溶媒に可溶な正孔輸送材料313)と光散乱源305とを構成する物質を、例えば、キャスト法で塗布し成膜する。そして、図4のステップS27において、有機溶媒に可溶な正孔輸送材料313を含む薄膜同士が向かい合うように2つの基材をラミネートする。
第1実施形態に係る有機薄膜太陽電池100は、光吸収層104に光散乱源105を分散させる構成であり、第2実施形態に係る有機薄膜太陽電池300は、正孔輸送層303に光散乱源305を分散させる構成として説明したが、これに限られるものではない。
正孔ブロック層に光散乱源を分散させる構成であってもよい。この場合、正孔ブロック層は、有機溶媒に可溶な正孔ブロック材料(電子輸送材料)を用いて、光散乱源となる液晶分子との溶液を作製し、その溶液をキャスト法で塗布し成膜する構成であってもよい。
第1実施形態に係る有機薄膜太陽電池100において、光散乱源105は電界を印加することにより配向する液晶分子であるものとして説明したが、これに限られるものではなく、電子供与性の共役高分子に比べて屈折率の大きな分子の小泡であってもよい。
図6(a)を用いて説明したように、光吸収層104に光散乱源105を分散させることにより、入射した光が光散乱源105で散乱して光透過率を低下させる遮光機能を有するとともに、散乱した光が光吸収層104で光吸収されることにより、光吸収層104の見かけ上の光吸収率が増加する。これにより、有機薄膜太陽電池の発電量を大きくすることができる。
なお、この場合、有機薄膜太陽電池は、遮光機能を有するが、光透過率を変更する調光機能を有さないため、外部電源はなくてもよい。また、一方の基材(基板および電極)は透明でなくてもよい。
100,300 有機薄膜太陽電池
101,301 第1透明基板(一対の電極、一方の電極)
102,302 第1透明電極
103,303 正孔輸送層
104,304 光活性層
105,305 光散乱源
106,306 正孔ブロック層
107,307 第2透明電極(一対の電極、他方の電極)
108,308 第2透明基板
117,317 ITO
127,327 アルミニウム
201,401 第1基材
202,402 第1ラミネート基材
203,403 第2基材
204,404 第2ラミネート基材
313,323 正孔輸送材料
501 外部負荷
502 外部電源
503 スイッチ(機能切替手段)

Claims (7)

  1. 光透過性を有する一対の電極と、
    前記一対の電極の間に設けられ、該電極を透過した光を吸収して光電変換する光活性層と、
    前記一対の電極のうちの一方の電極と前記光活性層の間に設けられる正孔輸送層と、
    前記一対の電極のうちの他方の電極と前記光活性層の間に設けられる正孔ブロック層と、を備える有機薄膜太陽電池であって、
    前記光活性層は、
    光透過率を変更可能な光散乱源が分散された構造を有し、
    前記光散乱源は、
    前記一対の電極間にバイアスが印加されることにより光透過率が増大し、
    前記一対の電極間に印加されるバイアス方向は、
    前記光活性層の光電変換の際に発生するバイアス方向と、反対の方向である
    ことを特徴とする有機薄膜太陽電池。
  2. 光透過性を有する一対の電極と、
    前記一対の電極の間に設けられ、該電極を透過した光を吸収して光電変換する光活性層と、
    前記一対の電極のうちの一方の電極と前記光活性層の間に設けられる正孔輸送層と、
    前記一対の電極のうちの他方の電極と前記光活性層の間に設けられる正孔ブロック層と、を備える有機薄膜太陽電池であって、
    前記正孔輸送層は、
    光透過率を変更可能な光散乱源が分散された構造を有し、
    前記光散乱源は、
    前記一対の電極間にバイアスが印加されることにより光透過率が増大し、
    前記一対の電極間に印加されるバイアス方向は、
    前記光活性層の光電変換の際に発生するバイアス方向と、反対の方向である
    ことを特徴とする有機薄膜太陽電池。
  3. 前記光活性層は、
    電子供与性の共役高分子と電子受容性のアクセプタ分子の混合物から構成される
    ことを特徴とする請求項1または請求項に記載の有機薄膜太陽電池。
  4. 前記光散乱源は、
    液晶分子の小泡から構成される
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれか1項に記載の有機薄膜太陽電池。
  5. 前記液晶分子の小泡の直径は、5nm以上500nm以下である
    ことを特徴とする請求項に記載の有機薄膜太陽電池。
  6. 前記光活性層の厚さは、100nm以上1000nm以下である
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の有機薄膜太陽電池。
  7. 前記光活性層の光電変換機能と、
    前記一対の電極間にバイアスが印加して光透過率を増大させる機能と、を切り替える機能切替手段を更に備える
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の有機薄膜太陽電池。
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