JP5574794B2 - インバータ一体型電動圧縮機 - Google Patents

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本発明は、ハウジングに設けられているインバータ収容部内にインバータ装置を一体に組み込んだインバータ一体型電動圧縮機に関するものである。
電気自動車やハイブリッド車に搭載される車両空調装置用の圧縮機として、インバータ一体型電動圧縮機が用いられている。該インバータ一体型電動圧縮機は、電動モータおよび圧縮機が内蔵されているハウジングの外周にインバータ収容部(インバータボックス)を設け、その内部に電源から供給される直流電力を三相交流電力に変換し、電動モータに印加するインバータ装置が組み込まれた構成とされており、車両側制御装置(ECU)から送信される制御信号に基づいて回転数が可変制御されるようになっている。
インバータ装置は、直流電力を三相交流電力に変換して電動モータに印加するIGBT等の半導体スイッチング素子が実装されているパワー系基板あるいはインテリジェントパワーモジュール(IPM)等を備えたパワー系部およびECUからの制御信号に基づいて電動モータに印加する三相交流電力を制御するCPU等が実装されている制御系基板等を備えた制御系部からなるインバータ回路と、該インバータ回路に直流電力を供給する電力ラインに設けられ、電力を平滑化、安定化するキャパシタ(平滑コンデンサ)等の比較的大型の電気部品とから構成されている。
かかるインバータ装置をインバータ収容部に収容設置する場合の構造として、その内部に仕切り壁を設け、該仕切り壁を挟んで一方側にインバータ回路のパワー系部や制御系部を構成するパワー系基板や制御系基板を配置し、他方側にキャパシタ等の比較的大型の電気部品をまとめて配置したもの(例えば、特許文献1,2参照)や、パワー系基板や制御系基板等を一体にモジュール化してインバータ収容部内に収容設置し、キャパシタ等の比較的大型の電気部品を別の収容部に分けて設置したもの(例えば、特許文献3参照)等が知られている。
特開2008−19767号公報 特開2009−74517号公報 特開2009−275606号公報
ところで、車両用空調装置に用いられるインバータ一体型電動圧縮機は、狭いエンジンルーム内に架装されることから、小型化に対するニーズが高く、インバータ装置およびその収容部についても如何にしてコンパクト化するかが課題となっており、従来から様々な改善がなされている。しかし、この種インバータ装置では、特許文献1−3にも示されるように、一つの収容部内にインバータ装置をまとめて収容設置する場合またはキャパシタ等の電気部品を別の収容部に分けて収容設置する場合のいずれの場合においても、インバータ回路とキャパシタ等の高電圧電気部品とを離して設置しており、双方をバスバー等の第3電気部品を介して接続していた。
このため、インバータ回路とキャパシタ等との間を接続する第3電気部品が必要となるだけではなく、該第3電気部品の配置スペースが必須となり、それに伴ってデッドスペースが発生し易くなることから、インバータ装置やその収容部の体積増加やコスト増加をもたらす要因となっていた。従って、かなりコンパクト化されているとは云え、まだまだ小型化できる余地が残されているのが現状である。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、キャパシタとインバータモジュールとの間を接続する電気部品およびその配置スペース等を不要化し、インバータ装置およびその収容部を更にコンパクト化、低コスト化できるインバータ一体型電動圧縮機を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明のインバータ一体型電動圧縮機は、以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかるインバータ一体型電動圧縮機は、電動モータおよび圧縮機構が内蔵されているハウジングの外周にインバータ収容部が設けられ、その内部に電源からの電力を変換して前記電動モータに印加するインバータ装置が設置されているインバータ一体型電動圧縮機において、前記インバータ装置は、電力を変換するパワー系部とそれを制御する制御系部とが樹脂製ケースを介して一体化されたインバータモジュールを備え、前記樹脂製ケースの外周の前記インバータモジュールの前記パワー系部に電源からの電力を入力するP−N端子が配設される側のケース側面に、キャパシタを収容する収容部が一体に形成され、該キャパシタ収容部内に前記インバータ装置のキャパシタが収容設置されているとともに、前記キャパシタの接続端子と、電源からの電力を入力する前記P−N端子とが一体に形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、インバータ収容部の内部に設置されているインバータ装置が、電力を変換するパワー系部とそれを制御する制御系部とが樹脂製ケースを介して一体化されたインバータモジュールを備え、該樹脂製ケースの外周のインバータモジュールのパワー系部に電源からの電力を入力するP−N端子が配設される側のケース側面に、キャパシタを収容する収容部が一体に形成され、該キャパシタ収容部内にインバータ装置のキャパシタが収容設置されているとともに、キャパシタの接続端子と、電源からの電力を入力するP−N端子と、が一体に形成されているため、電源から供給される電力を平滑化、安定化するキャパシタ(平滑コンデンサ)をインバータモジュールの樹脂製ケース外周に一体に形成したキャパシタ収容部内に収容設置することにより、キャパシタをインバータモジュールと一体にモジュール化することができる。従って、キャパシタを別置きにて収容設置するスペース、あるいはキャパシタとインバータモジュールとの間を電気的に接続するための電気部品およびその配置スペース等を不要とし、インバータ装置およびその収容部、ひいてはインバータ一体型電動圧縮機の小型コンパクト化、低コスト化を図ることができるとともに、インバータ装置の組み立てを容易化し、生産性を向上することができる。また、キャパシタ収容部内に収容設置されたキャパシタの接続端子と、インバータモジュールに電源からの電力を入力するP−N端子とを一体に形成したことにより、キャパシタをP−N端子間に直接接続することが可能となる。従って、キャパシタとインバータモジュールとの間を電気的に接続する第3電気部品を省略化できるだけでなく、P−N端子を独立した部品として製作する必要がなく、部品数を削減することができるとともに、双方を一部品としてキャパシタを組み込むことにより、インバータ装置の構成の一層の簡素化、省スペース化、低コスト化を図ることができ、しかも電力ラインに対してキャパシタの接続端子を個別に溶接接続する等の作業を省略化できるため、組立ての容易化、生産性の向上を図ることができる。
さらに、本発明のインバータ一体型電動圧縮機は、上記のインバータ一体型電動圧縮機において、前記キャパシタ収容部は、前記樹脂製ケース内に前記パワー系部および前記制御系部を挿入組み立てする方向と同一方向から前記キャパシタを挿入組み立て可能に形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、キャパシタ収容部が、樹脂製ケース内にパワー系部および制御系部を挿入組み立てする方向と同一方向からキャパシタを挿入組み立て可能に形成されているため、キャパシタ収容部に対するキャパシタの挿入組み立てを、樹脂製ケースにパワー系部および制御系部を挿入組み立てする方向と同一方向から行うことができる。従って、キャパシタの組み立てを容易化することができるとともに、樹脂製ケース内に収容設置されたパワー系部やキャパシタ等を樹脂材で封止する際等においても、同方向から樹脂材を充填して封止することが可能となり、製造工程の簡素化やコスト低減を図ることができる。
さらに、本発明のインバータ一体型電動圧縮機は、上述のいずれかのインバータ一体型電動圧縮機において、前記キャパシタ収容部内に収容設置された前記キャパシタは、前記樹脂製ケース内に収容設置された少なくともパワー系部の上面を封止する樹脂材と同一の樹脂材により封止されていることを特徴とする。
本発明によれば、キャパシタ収容部内に収容設置されたキャパシタは、樹脂製ケース内に収容設置された少なくともパワー系部の上面を封止する樹脂材と同一の樹脂材により封止されているため、キャパシタ収容部内に収容設置されたキャパシタおよび樹脂製ケース内に収容設置された少なくともパワー系部を樹脂封止する際、同一方向から同一時期に樹脂材を充填し、当該樹脂材が熱硬化性樹脂の場合は、同時に加熱処理して樹脂封止することができる。従って、樹脂封止工程およびその時間を短縮し、生産効率を高めることができるとともに、コストダウンを図ることができる。
本発明によると、電源から供給される電力を平滑化、安定化するキャパシタ(平滑コンデンサ)をインバータモジュールの樹脂製ケース外周に一体に形成したキャパシタ収容部内に収容設置することによって、キャパシタをインバータモジュールと一体にモジュール化することができるため、キャパシタを別置きにて収容設置するスペース、あるいはキャパシタとインバータモジュールとの間を電気的に接続するための電気部品およびその配置スペース等を不要とし、インバータ装置およびその収容部、ひいてはインバータ一体型電動圧縮機の小型コンパクト化、低コスト化を図ることができるとともに、インバータ装置の組み立てを容易化し、生産性を向上することができる。また、キャパシタ収容部内に収容設置されたキャパシタの接続端子と、インバータモジュールに電源からの電力を入力するP−N端子とを一体に形成したことにより、キャパシタをP−N端子間に直接接続することが可能となるため、キャパシタとインバータモジュールとの間を電気的に接続する第3電気部品を省略化できるだけでなく、P−N端子を独立した部品として製作する必要がなく、部品数を削減することができるとともに、双方を一部品としてキャパシタを組み込むことにより、インバータ装置の構成の一層の簡素化、省スペース化、低コスト化を図ることができ、しかも電力ラインに対してキャパシタの接続端子を個別に溶接接続する等の作業を省略化できるため、組み立ての容易化、生産性の向上を図ることができる。
本発明の一実施形態にかかるインバータ一体型電動圧縮機の外観側面図である。 図1に示すインバータ一体型電動圧縮機に組み込まれるインバータモジュール(インバータ装置)の縦断面図である。 図2に示すインバータモジュール(インバータ回路)の一部の分解斜視図である。 図3に示すインバータモジュール(インバータ回路)を樹脂モールドした状態の斜視図である。
以下に、本発明の一実施形態について、図1ないし図4を参照して説明する。
図1には、本発明の一実施形態に係るインバータ一体型電動圧縮機の外観側面図が示され、図2には、該圧縮機に組み込まれているインバータモジュール(インバータ回路)の縦断面図が示されている。
インバータ一体型電動圧縮機1は、外殻を構成するハウジング2を備えている。このハウジング2は、図示省略の電動モータが収容されているモータハウジング3と、図示省略の圧縮機構が収容されている圧縮機ハウジング4とがボルト5で一体に締め付け結合されることにより構成されている。モータハウジング3および圧縮機ハウジング4は、耐圧容器であり、アルミダイカスト製とされている。
ハウジング2の内部に収容されている図示省略の電動モータおよび圧縮機構は、モータ軸を介して連結され、電動モータの回転によって圧縮機構が駆動されるように構成されている。モータハウジング3の一端側(図1の右側)には、冷媒吸入ポート6が設けられており、この冷媒吸入ポート6からモータハウジング3内に吸い込まれた低温低圧の冷媒ガスは、電動モータの周囲をモータ軸線方向に沿って流通後、圧縮機構に吸い込まれて圧縮される。圧縮機構により圧縮された高温高圧の冷媒ガスは、圧縮機ハウジング4内に吐き出された後、圧縮機ハウジング4の一端側(図1の左側)に設けられている吐出ポート7から外部へと送出されるように構成されている。
ハウジング2には、例えば、モータハウジング3の一端側(図1の右側)の下部および圧縮機ハウジング4の一端側(図1の左側)の下部の2箇所と、圧縮機ハウジング4の上部側1箇所との計3箇所に、取り付け脚8A,8B,8Cが設けられている。インバータ一体型電動圧縮機1は、この取り付け脚8A,8B,8Cが車両のエンジンルーム内に設置されている走行用原動機の側壁等にブラケットおよびボルトを介して固定設置されることにより車両側に架装されるようになっている。
モータハウジング3の外周部には、その上部にボックス形状のインバータ収容部9が一体に成形されている。このインバータ収容部9は、上面が開放された所定高さの周囲壁により囲われたボックス形状とされており、側面には、2つのケーブル取出し口10が設けられている。また、インバータ収容部9の上面は、蓋部材11がガスケット等のシール材を介してネジ止め固定されることにより密閉されるようになっている。
インバータ収容部9の内部には、車両に搭載されている図示省略の電源ユニットまたはバッテリー等から電源ケーブルを介して供給される直流電力を三相交流電力に変換し、モータハウジング3の内部に収容されている電動モータに印加するインバータ装置20が収容設置されている。図2には、このインバータ装置20を構成するインバータモジュール(インバータ回路)21の縦断面図が示されている。
インバータモジュール21は、IGBT等の複数個の半導体スイッチング素子から構成されるスイッチング回路22が実装されているアルミ板材製のパワー系基板23を備えたパワー系部24と、CPU等の低電圧で動作する素子を有する制御通信回路25が実装されている制御系基板26を備えた制御系部27とが、樹脂製ケース28を介して一体にモジュール化されたものである。パワー系基板23は、矩形の箱型形状を成している樹脂製ケース28の底面側に一体にインサート成形されており、該パワー系基板23上に、図3に示されるように、複数の半導体スイッチング素子から構成されるスイッチング回路22が実装された構成とされている。
樹脂製ケース28は、上面側が開放されており、上方から内部に各種電装品が挿入組み立て可能とされている。この樹脂製ケース28には、パワー系基板23の他、パワー系基板23のスイッチング回路22で変換された三相交流電力を電動モータに印加するためのU−V−W端子29、パワー系基板23と制御系基板26との間を接続する多数の接続端子群30等が一体にインサート成形されている。また、その4コーナー部分には、インバータモジュール21をインバータ収容部9内にボルト等を介して固定設置するための取付け脚部31が一体に成形されている。なお、U−V−W端子29は、樹脂製ケース28の前方側、すなわち圧縮機ハウジング4側に面する側面に前方に向って突出するように設けられている。
さらに、樹脂製ケース28には、その外周面のU−V−W端子29が突出されている側面と隣接している側面、すなわちインバータモジュール21をインバータ収容部9内に収容設置したとき、インバータ収容部9のケーブル取出し口10が設けられている側面と対向する側の側面に、図3に示されるように、キャパシタ(平滑コンデンサ)33を収容設置するためのキャパシタ収容部32が一体に成形されている。このキャパシタ収容部32は、樹脂製ケース28の側面に沿ってキャパシタ33の外形形状と略同一形状を成す長方形状とされており、上面側が開放され、キャパシタ33が上方から挿入組み込み可能な構成とされている。
キャパシタ(平滑コンデンサ)33は、ケーブル取出し口10を介してインバータ装置20に繋がれる電源ケーブルからインバータモジュール21のパワー系基板23に電力を供給するP−N電力ラインに設けられ、電力を平滑化、安定化する電気部品であり、P−N電力ラインに接続するための接続端子34A,34Bを備えている。この一対の接続端子34A,34Bは、P−N電力ラインとインバータモジュール21のパワー系基板23とを接続するためのP−N端子35A,35Bと一体に形成されており、該P−N端子35A,35BにP−N電力ラインを接続することによって、P−N電力ライン間にキャパシタ33が接続されるようになっている。
該キャパシタ33は、樹脂製ケース28のキャパシタ収容部32内に上方から挿入設置されることにより、インバータモジュール21と一体にモジュール化されるようになっている。この状態でP−N端子35A,35Bの他端は、パワー系基板23側と回路と電気的に結線されるようになっている。
また、上記インバータモジュール21では、パワー系部24およびキャパシタ33に対して絶縁性、防湿性および耐振性を維持するため、図2および図4に示されるように、少なくともパワー系部24の上面およびキャパシタ33の上面を覆うように、絶縁性、防湿性に優れた特性を持つ樹脂材、例えば熱硬化性のエポキシ系樹脂を充填し、該エポキシ系樹脂層36によりパワー系部24およびキャパシタ33を樹脂封止している。なお、インバータモジュール21自体は、ガスケット等でシールされた密閉空間(インバータ収容部9)内に設置され、防湿性が確保されているとともに、絶縁距離を保った設計により絶縁性が確保されていることは云うまでもない。また、パワー系部24およびキャパシタ33を封止する樹脂材は、他の樹脂材、例えばシリコン系ゲル材としてもよく、更には、樹脂材やゲル材による封止に代え、基板表面に防湿コーティングを施した構成としてもよい。
以上に説明の構成により、本実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
車両側の電源ユニットから電源ケーブルによりインバータ一体型電動圧縮機1のインバータ装置20に供給された直流電力は、P−N端子35A,35Bを介してインバータモジュール21のパワー系部24に入力される。この過程においてP−N電力ラインに接続されているキャパシタ(平滑コンデンサ)33により平滑化、安定化される。パワー系基板23上のスイッチング回路22に入力された直流電力は、制御系部27側の制御通信回路25を介して制御される半導体スイッチング素子のスイッチング動作により制御指令周波数の三相交流電力に変換された後、U−V−W端子29を介してモータハウジング3内の電動モータに印加される。
これにより、電動モータが制御指令周波数で回転駆動され、圧縮機構が圧縮動作を開始する。圧縮機構の動作により、冷媒吸入ポート6から低温低圧の冷媒ガスがモータハウジング3内に吸い込まれる。この冷媒は、電動モータの周囲をモータ軸線方向に圧縮機ハウジング4側へと流動されて圧縮機構に吸い込まれ、高温高圧状態に圧縮された後、吐出ポート7を経て電動圧縮機1の外部へと送出される。
この間、インバータ一体型電動圧縮機1のハウジング2に一体に組み込まれているインバータ装置20に対し、インバータ一体型電動圧縮機1が搭載されている車両からの走行振動やその駆動源の振動あるいは電動圧縮機1自体の駆動振動等が直接入力される。このため、インバータ装置20を構成しているインバータモジュール21のパワー系基板23や制御系基板26、更にはキャパシタ33等に対してもその振動が伝播される。
しかるに、パワー系基板23およびキャパシタ33は、樹脂製ケース28と一体にモジュール化され、インバータ収容部9の底面に取付け脚部29を介してボルト等で強固に締め付け固定されるとともに、その表面が絶縁性、防湿性および耐振性を有する熱硬化性のエポキシ系樹脂層36等の樹脂材によって封止され、しっかりと固定保護されている。従って、高電圧が印加されるパワー系基板23に対して絶縁性および防湿性を十分確保することができるとともに、振動に対してもその剛性を高めることによって耐振性を十分に確保することができる。
一方、インバータ装置20を構成する比較的大型の電気部品であるキャパシタ(平滑コンデンサ)33は、インバータモジュール21の樹脂製ケース28外周に一体成形されているキャパシタ収容部32内に収容設置され、インバータモジュール21と一体にモジュール化されている。このため、キャパシタ33をインバータモジュール21と共に一体でインバータ収容部9内に収容設置することができる。
従って、インバータ収容部9内において、キャパシタ33を別置きにて収容設置するスペース、あるいはキャパシタ33とインバータモジュール21との間を電気的に接続するバスバー等の第3電気部品およびその配置スペース等を不要とすることができ、インバータ装置20およびその収容部9、ひいてはインバータ一体型電動圧縮機1の小型コンパクト化、低コスト化を図ることができるとともに、インバータ装置20の組み立てを容易化し、生産性を向上することができる。
また、インバータモジュール21の樹脂製ケース28外周に一体成形されるキャパシタ収容部32は、インバータモジュール21のパワー系部24に電源からの電力を入力するP−N端子35A,35Bが配設される側の樹脂製ケース28の側面に一体に成形されている。このため、キャパシタ33をその収容部32内に収容設置することにより、キャパシタ33の接続端子34A,34Bを直接P−N端子35A,35B間に接続することが可能となり、従って、キャパシタ33とインバータモジュール21との間を電気的に接続するバスバー等の第3電気部品を省略化し、インバータ装置20の構成の簡素化、省スペース化、低コスト化を図ることができる。
特に、キャパシタ33の接続端子34A,34BとP−N端子35A,35Bとを一体に形成することによって、P−N端子35A,35Bを独立した部品として製作する必要がなくなる。このため、部品数を削減することができるとともに、双方を一部品としてキャパシタ33を組み込むことが可能となり、従って、インバータ装置20の構成を簡素化し、コスト低減を図ることができるとともに、電力ラインにキャパシタ33の接続端子34A,34Bを個別に溶接接続する等の作業工程を省略化でき、組み立ての容易化、生産性の向上等を図ることができる。
また、本実施形態では、キャパシタ収容部32を、樹脂製ケース28内に対してパワー系部24および制御系部27を挿入組み立てする方向と同一方向からキャパシタ33を挿入組み立てできるように上方を開放した構成としているため、キャパシタ収容部32に対するキャパシタ33の挿入組み立てを、樹脂製ケース28にパワー系部24および制御系部27を挿入組み立てする方向と同じ上方方向から行うことができる。従って、キャパシタ33の組み立てを容易化することができるとともに、樹脂製ケース28内に収容設置されたパワー系部24やキャパシタ33の表面側をエポキシ系樹脂層36等の樹脂材により樹脂封止する際にも、同方向から樹脂を充填してモールドすることが可能となり、製造工程の簡素化やコスト低減等を図ることができる。
加えて、上記したパワー系部24およびキャパシタ33の樹脂封止に際し、双方を同一の樹脂材(熱硬化性のエポキシ系樹脂)で封止するようにしているため、キャパシタ収容部32内に収容設置されたキャパシタ33および樹脂製ケース28内に収容設置されたパワー系部24の樹脂封止を、同一方向から同一時期に樹脂を充填し、同時に加熱処理して樹脂封止することができる。これにより、樹脂封止工程およびその時間を短縮し、生産効率を高めることができるとともに、コストダウンを図ることができる。
さらに、キャパシタ収容部32内に収容設置されたキャパシタ33と樹脂製ケース28内に収容設置されたパワー系部24とは、互いに樹脂製ケース28の壁を隔てて設置されているため、両者間での直接的なノイズアタックを回避することができる。また、このノイズアタックを回避するため、必要に応じて樹脂製ケース28のキャパシタ収容部32との間を仕切っている壁に金属板を設置または埋設してもよい。
なお、本発明は、上記実施形態にかかる発明に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、適宜変形が可能である。例えば、上記実施形態では、インバータ収容部9をモータハウジング3と一体成形した例について説明したが、必ずしも一体に成形する必要はなく、別体をなすインバータ収容部をハウジング2に一体に組み付けた構成としてもよい。また、圧縮機構については、特に制限されるものではなく、如何なる形式の圧縮機構を用いてもよい。
また、上記実施形態では、パワー系部24として、IGBT等のスイッチング素子からなるスイッチング回路22を実装したアルミ板材製のパワー系基板23を用いた例について説明したが、このインバータ回路を構成する電力制御用パワーデバイスとしては、駆動回路(ゲートドライバ)や自己保護機能が一体に組み込まれているインテリジェントパワーモジュール(Intelligent Power Module;IPM)を用いてもよい。
さらに、上記実施形態では、制御系基板26を樹脂製ケース28の上面に設置している例について説明したが、制御系基板26を樹脂製ケース28の内部に設置するようにしてもよいことはもちろんである。また、キャパシタ収容部32と樹脂製ケース28内との間の壁面にスリットまたは切欠きを設け、封止用の樹脂を充填する時、一か所から充填した樹脂が該スリットまたは切欠きを介して互いに流動されるようにしてもよい。また、キャパシタ33の外形形状は、特に制約されるものではなく、キャパシタ収容部32はキャパシタ33の外形形状に合わせて形成すればよい。
また、上記実施形態では、インバータモジュール21のパワー系部24とキャパシタ33とを同一の樹脂材(熱硬化性のエポキシ系樹脂)で封止するようにしているが、必ずしも同一の樹脂材で封止する必要はなく、キャパシタ33は、異なる樹脂材(ゲル状の樹脂材を含む)によってモールドまたは封止するようにしてもよい。
1 インバータ一体型電動圧縮機
2 ハウジング
3 モータハウジング
4 圧縮機ハウジング
9 インバータ収容部
20 インバータ装置
21 インバータモジュール
24 パワー系部
27 制御系部
28 樹脂製ケース
32 キャパシタ収容部
33 キャパシタ
34A,34B キャパシタの接続端子
35A,35B P−N端子
36 エポキシ系樹脂層

Claims (3)

  1. 電動モータおよび圧縮機構が内蔵されているハウジングの外周にインバータ収容部が設けられ、その内部に電源からの電力を変換して前記電動モータに印加するインバータ装置が設置されているインバータ一体型電動圧縮機において、
    前記インバータ装置は、電力を変換するパワー系部とそれを制御する制御系部とが樹脂製ケースを介して一体化されたインバータモジュールを備え、
    前記樹脂製ケースの外周の前記インバータモジュールの前記パワー系部に電源からの電力を入力するP−N端子が配設される側のケース側面に、キャパシタを収容する収容部が一体に形成され、該キャパシタ収容部内に前記インバータ装置のキャパシタが収容設置されているとともに、
    前記キャパシタの接続端子と、電源からの電力を入力する前記P−N端子とが一体に形成されていることを特徴とするインバータ一体型電動圧縮機。
  2. 前記キャパシタ収容部は、前記樹脂製ケース内に前記パワー系部および前記制御系部を挿入組み立てする方向と同一方向から前記キャパシタを挿入組み立て可能に形成されていることを特徴とする請求項に記載のインバータ一体型電動圧縮機。
  3. 前記キャパシタ収容部内に収容設置された前記キャパシタは、前記樹脂製ケース内に収容設置された少なくともパワー系部の上面を封止する樹脂材と同一の樹脂材により封止されていることを特徴とする請求項1または2に記載のインバータ一体型電動圧縮機。
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