JP5572118B2 - 表面処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、回転する基板に表面処理用原料流体を供給して、基板上に膜を生成する表面処理装置に関する。
例えば、半導体素子等を製造するために、適当な反応ガス等の原料流体を基板上に供給して、基板上に半導体層や絶縁膜、導電体層等を形成し、あるいは、基板の表面をエッチングし、あるいはコーティング材料を形成すること等が行われる。このような処理は半導体素子の製造以外にも広く行われており、これらの処理を広義の表面処理と呼ぶことができ、この表面処理を行う装置を広義の表面処理装置と呼ぶことができる。
例えば、半導体ウェハあるいは絶縁体ウェハ等に半導体層をエピタキシャル成長させるエピタキシャル装置、半導体ウェハ上に適当な酸化膜等の絶縁膜を堆積させる気相成長(Chemical Vapor Deposition:CVD)装置、半導体ウェハ上に形成された薄膜等を除去するドライエッチング装置等は、広義の表面処理装置である。
表面処理装置には、表面処理用原料流体を基板の表面の方向に平行に供給する横型方式と、表面処理用原料流体を基板の表面にほぼ垂直な方向に供給する縦型方式とがある。後者は、表面処理の均一性を確保するために、基板をその表面に垂直な方向の軸の周りに回転させることが行われることが多い。
このような縦型回転式の表面処理装置は、様々な用途に用いられるが、以下の点で共通する特徴を有する。すなわち、(1)中心部に様々な形の被処理面を有する被処理物(基板)を設置してこれを回転させる、(2)原料である気体または液体は上方から流入し、回転によって被処理物の表面の近くで境界層が形成される、(3)相転移や化学反応は表面もしくは境界層内で生じ、表面処理の効果が得られる、(4)流体は後に遠心力によって中心から被処理物外縁部へ流出する。
このように、縦型回転式の表面処理装置の特徴としては、被処理物の回転によって形成された境界層内で、境界層厚さや温度・濃度などの物理量分布が均一となることが挙げられる。この均一な操作環境は、表面で一様な物理・化学反応を得ることができ、製品の均一性が向上する。
例えば、特許文献1には、半導体基板の表面にエピタキシャル成長層を形成する気相成長装置において、ウェハを毎分数百回転以上の高速で回転させることにより、ウェハ近傍の気圧が低くなりウェハ上方から送られる反応ガスをウェハ表面に引き寄せる(ポンプ効果)と共に、エピタキシャル成長反応の進行するウェハ表面直上の境界層を遠心力により均一化させて薄化し、反応ガスの供給効率を上げて、エピタキシャル成長速度の高速化を図ることが述べられている。
特許文献1に述べられているように、縦型回転式の表面処理装置においては、ポンプ効果によって境界層が効果的に形成されて、表面処理の均一性の向上と生産性向上が期待される。
また、例えば、特許文献2には、基板の回転に伴って生じるポンプ効果の考え方を導入し、基板上に生じる原料流体の逆流を抑制する原料流体の最適流量を算出し、その最適流量(あるいは最適流速)を基板に供給して表面処理を行う表面処理装置が開示されている。
この最適流量より少ない流量(あるいは最適流速より遅い流速)では、基板上で原料流体の逆流が発生し、表面処理速度は基板の面内で不均一に分布するため、表面処理の面内均一性を維持することが困難となる。
特開平9−63966号公報 特開2011−29592号公報
Dr.Hermann Schlichting(Translated by Dr.J.K.Kestin);Boundary−Layer Theory;Seventh Edition;USA;Mc Graw−Hill Book Company;1979;p102−104
基板に対して行われる表面処理の面内均一性を維持する観点からは、基板に最適流量で原料流体を供給することが望ましいが、その一方で、表面処理の低コスト化の観点からは、原料流体の流量は少ない方が好ましい。
そこで、本発明の目的は、基板に対して行われる表面処理の面内均一性を維持しながら、基板に供給する原料流体の使用量を低減する表面処理装置を提供することにある。
本発明の表面処理装置は、円筒状の周囲壁を形成する筐体部と、前記筐体部の内部に設けられ、表面処理を行う対象物である基板を保持する試料保持台と、前記試料保持台を回転駆動する回転機構と、前記筐体部において前記試料保持台の上方側に設けられ、前記基板に対し原料流体を供給する原料流体供給流路部と、前記筐体部において前記試料保持台の側方に設けられ、前記試料保持台の上方から前記基板に向かって縦型流として供給される前記原料流体が前記基板表面に沿って流れながら前記基板に対して表面処理を行った後に、前記試料保持台の側方から流出させる流出流路部と、を備え、前記基板に向かって縦型流として供給される前記原料流体の流量は、回転する前記基板面に垂直方向を軸方向とした時の前記基板に対する前記原料流体の軸方向速度分布に基づいて算出された流量であり、前記基板の径(d)に合わせて前記原料流体供給流路部の流入口(D)の径が規定される。
また、前記表面処理装置において、前記基板の径(d)に対する前記原料流体供給流路部の流入口の径(D)の割合(D/d)は、1.0〜1.125の範囲であることが好ましい。
本発明によれば、基板に対して行われる表面処理の面内均一性を維持しながら、基板に供給する原料流体の使用量を低減することができる。
本実施形態に係る表面処理システムの構成の一例を説明するための模式図である。 従来の表面処理装置における基板の径(d)と原料流体供給流路部の流入口の径(D)との関係を説明するための図である。 本実施形態の表面処理装置における基板の径(d)と原料流体供給流路部の流入口の径(D)との関係を説明するための図である。 基板の径(d)より原料流体供給流路部の流入口の径(D)の方を大きく規定した表面処理装置において、設定流量が最適の場合の流体の流れの様子を説明するための図である。 基板の径(d)より原料流体供給流路部の流入口の径(D)の方を大きく規定した表面処理装置において、設定流量が不足の場合の流体の流れの様子を説明するための図である。 基板の径(d)に合わせて原料流体供給流路物の流入口の径(D)を規定した表面処理装置において、設定流量が最適の場合の流体の流れの様子を説明するための図である。 基板外周部における原料流体の半径方向の速度と温度分布を示す図である。 基板の径(d)より原料流体供給流路部の流入口の径(D)の方を大きくした表面処理装置において、原料流体供給流路部の流入口の径(D)の割合(D/d)が1の時に最適化された設定流量の場合の流体の流れの様子を説明するための図である。 w(∞)×πd/4で求められる設定流量で、原料流体供給流路部の流入口の径(D)の方を大きくしていった場合の流入口の径の拡大率(x)と原料流体の逆流の長さ(L)との関係を説明するための図である。 通常の表面処理装置における基板の搬入・搬出方法の一例を説明するための図である。 (A)〜(C)は、本実施形態の表面処理装置における基板の搬入・搬出方法の一例を説明するための図である。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。また、以下では、表面処理装置の例として、シリコン単結晶のエピタキシャル成長装置を説明するが、これは例示である。ここでは、適当な反応ガス等の原料流体を基板に供給して、基板上に半導体層や絶縁膜、導電体層等を形成し、あるいは、基板の表面をエッチングし、あるいはコーティング材料を形成する等の表面処理装置であってもよい。
また、以下では、シリコン単結晶成長のために、表面処理用の原料流体として、SiHCl+Hの混合物としての反応ガスを説明するが、これは表面処理装置の例示の都合上このようになったものであって、表面処理の内容に応じ、他の種類の反応ガスであってもよい。また、他の液体等の原料流体であってもよい。例えば、噴霧状のエッチング液、レジスト液等であってもよい。
図1は、本実施形態に係る表面処理システムの構成の一例を説明するための模式図である。図1に示すように、表面処理システム1は、表面処理装置2と、表面処理装置用制御装置3と、を備える。
表面処理装置2は、円筒状の周囲壁を形成する筐体部10と、筐体部10の内部に設けられる円筒状の試料保持台12と、試料保持台12の側方周囲に設けられる円筒状の隔壁14と、を備える。
円筒状の試料保持台12の上面には、不図示の試料保持機構が設けられ、その試料保持機構により、シリコン単結晶を成長させるシリコンウェハ等の基板18が保持される。試料保持機構としては、例えば、基板18の外形に合わせた窪み、機械的に基板18の外周を固定する機構、真空で基板18を吸引して固定する機構等が挙げられる。
円筒状の試料保持台12には、ヒータ20及び加熱部22を有する加熱機構が設置され、加熱機構により試料保持台12を所定の温度に加熱することができる。本実施形態では、円筒状の試料保持台12の下面側に凹部が形成されており、その凹部の中にヒータ20が収納されている。ヒータ20には加熱部22が接続されており、加熱部22はヒータ20を通電制御して、試料保持台12を予め定めた温度に制御することができるものである。
また、円筒状の試料保持台12には回転部24が設けられている。回転部24は、モータ、試料保持台12とモータとを接続するための動力伝達機構等から構成され、試料保持台12の平面に垂直な回転軸周りに回転させる機能を有する回転機構である。試料保持台12の平面に垂直な回転軸は、円筒状の筐体部10の中心軸とすることが望ましい。
筐体部10において試料保持台12の上方側に設けられる円筒状部分28は、試料保持台12上の基板18に対し原料流体32を供給する原料流体供給流路部である(以下、原料流体供給流路部28とする)。
筐体部10において隔壁14の外周に設けられる流路部は、流出流路部30である。流出流路部30は、原料流体供給流路部28から基板18に向かって供給される原料流体32が基板18の表面に沿って流れた後、隔壁14の外周側から流出させる機能を有する流路である。
筐体部10の原料流体供給流路部28には供給部36が設置されている。供給部36は、基板18に表面処理を施すための原料流体32を、所望の圧力及び流量で供給する機能を有するガス供給装置である。例えば、シリコン単結晶を結晶させる際の反応ガスとしては、SiHCl+Hの混合ガス等が用いられる。
筐体部10の流出流路部30の下流側には、排出部26が設置されている。排出部26は、流出流路部30を通る流体を適当な排出無害化処理を施して外部に排出する機能を有する排出処理装置である。排出部26には、流体を外部に導きやすくするための排出ポンプ等を備えることが望ましい。また、排出無害化処理としては、例えば、希釈処理や流出流路部30を通る流体中に含まれる有害成分を沈殿反応等によって取り除く除去処理等が挙げられる。
隔壁14は、試料保持台12が回転する際の外周の保護等の機能を有するものであり、その形状は試料保持台12の側方周囲に設けられるものであれば円筒状に限定されるものではなく、角型筒状等であってもよい。
表面処理装置用制御装置3は、表面処理装置2とネットワークあるいは適当な通信線で接続されており、主として、供給部36における動作を制御して、基板18に供給される原料流体32の流量を設定する機能を有する。この原料流体32の最適な流量の設定方法は上記特許文献2に記載の方法に基づくものであり、その設定方法については後述するが、基板18に供給される原料流体32の流量は、基板18の平面に垂直な方向を軸方向として、基板18に対する原料流体32の軸方向速度分布について軸方向距離を無限大にしたときに算出される軸方向速度w(∞)に、原料流体32の流路に垂直な面の面積Aを乗じることにより得られる。本実施形態では、原料流体供給流路部28の流入口の径(D)と基板18の径(d)とはほぼ同じに規定されるため、基板18に供給される原料流体32の流量は、w(∞)×πd/4(A=πd/4)となる。このように設定された流量で、原料流体32を基板18に供給することにより、ポンプ効果の理論通りの流れとなって原料流体32の逆流の発生が抑制されるため、基板18に対して行われる表面処理の面内均一性が確保される。
表面処理装置用制御装置3は、その他に、排出部26の排出処理装置の動作を制御して、流出流路部30を通る原料流体32を系外に排出させたり、回転部24における回転機溝の動作を制御して、角速度ωで試料保持台12を回転させたり、加熱部22におけるヒータ20の通電制御によって試料保持台12を所定の温度に維持したりする機能を有する。
図2は、従来の表面処理装置における基板の径(d)と原料流体供給流路部の流入口の径(D)との関係を説明するための図であり、図3は、本実施形態の表面処理装置における基板の径(d)と原料流体供給流路部の流入口の径(D)との関係を説明するための図である。
通常、図2に示す表面処理装置4のように、試料保持台11上の基板19に行われる表面処理の面内均一性を確保し易くするために、基板19の径(d)より原料流体供給流路部29の流入口の径(D)の方を大きく規定する。このような表面処理装置4において、基板19に対して行われる表面処理の面内均一性を確保するための最適化された設定流量(Q)は、軸方向速度w(∞)に、原料流体の流路に垂直な面の面積Aを乗じることにより求められるが、原料流体の流路に垂直な面の面積Aは、πD/4として、基板19の径(d)より大きい原料流体供給流路部29の流入口の径(D)が用いられる。
一方、図3に示す本実施形態の表面処理装置2では、基板18の径(d)に合わせて原料流体供給流路部28の流入口(D)の径を規定している。このように、原料流体供給流路部28の流入口の径(D)と基板18の径(d)とをほぼ同じに規定した表面処理装置2において、基板18に対して行われる表面処理の面内均一性を確保するための最適化された設定流量(Q)はw(∞)×πd/4で求められる。すなわち、原料流体の流路に垂直な面の面積Aの算出に基板18の径(d)を用いても、基板18に対して行われる表面処理の面内均一性を確保するための最適化された設定流量を求めることが可能となる。なお、本実施形態では、基板18の径(d)に合わせて原料流体供給流路部28の流入口(D)の径を規定しているので、最適化された設定流量(Q)が、w(∞)×πD/4で求められてもよいことは当然理解される。
このように、図3に示すように基板18の径(d)に合わせて原料流体供給流路部28の流入口(D)の径を規定することにより、図2に示すように基板19の径(d)より原料流体供給流路部29の流入口の径(D)の方を大きく規定する場合に比べて、基板18に対して行われる表面処理の面内均一性を確保するための最適化された設定流量を低減させることができる。そして、この最適化された設定流量は、流入口の径の2乗に比例するため、原料流体のガス使用量を大幅に低減することができ、表面処理の低コスト化を可能にする。また、図2に示すように基板19の径(d)より原料流体供給流路部29の流入口の径(D)の方を大きく規定すると、流入口の縁付近から供給される原料流体は、基板19に接触することなくそのまま流出流路部34へ排出される。しかし、図3に示すように基板18の径(d)に合わせて原料流体供給流路部28の流入口の径(D)を規定することにより、原料流体が基板18に接触することなく流出流路部30へ排出されることはほとんどなくなるため、原料流体の利用効率を向上させることが可能となる。さらに、基板18の径(d)に合わせて原料流体供給流路部28の流入口の径(D)を規定することにより、原料流体のほとんどは基板18と接触して表面処理に使用された後、表面処理に寄与しない使用済み流体として流出流路部30へ排出されるため、基板18以外の箇所(筐体部10の内壁等)で表面処理が行われることが抑制され、筐体部10の内壁等に堆積する副生成物の堆積量が抑えられる。
図4〜6は、表面処理装置内の流動場の3次元シミュレーションプログラムを用いて、表面処理装置の基板の外周端とその周辺の流出流路部における原料流体の流れ場を解析した様子を示す図である。図4は、基板の径(d)より原料流体供給流路部の流入口の径(D)の方を大きく規定した表面処理装置において、設定流量が最適の場合の流体の流れの様子を説明するための図であり、図5は、基板の径(d)より原料流体供給流路部の流入口の径(D)の方を大きく規定した表面処理装置において、設定流量が不足の場合の流体の流れの様子を説明するための図であり、図6は、基板の径(d)に合わせて原料流体供給流路部の流入口の径(D)を規定した表面処理装置において、設定流量が最適の場合の流体の流れの様子を説明するための図である。
図4及び図6に示すように、原料流体の設定流量が最適化された場合では、基板上方の原料流体供給流路部(28,29)から供給された原料流体が基板表面に沿って流れ、流出流路部(30,34)へ排出され、基板の全領域にわたって滑らかな流れとなっている。そして、基板の径(d)と原料流体供給流路部の流入口の径(D)が同じ大きさである表面処理装置において最適化された原料流体の設定流量は(図6のQ)、原料流体供給流路部の流入口の径(D)を基板の径(d)より1.2倍に規定した表面処理装置において最適化された原料流体の設定流量(図4のQ)の70%に減少させることが可能となる(Q=0.69×Q)。
一方、図5に示すように、原料流体供給流路部の流入口の径(D)を基板の径(d)より1.2倍大きく規定した表面処理装置において、原料流体の設定流量をQからQ(=0.69×Q)まで減少させた場合では、基板上方の原料流体供給流路部29から供給された原料流体が基板表面に沿って流れ、流出流路部34から一旦は排出されるが、原料流体が逆流し基板の外周部で流れが乱れ、基板における表面処理の面内不均一性が生じてしまう。
また、図7は、基板外周部における原料流体の半径方向の速度と温度分布を示す図である。原料流体の半径方向の速度とは、基板の表面に沿って流れる原料流体の速度である。図7に示すように、基板の径(d)と原料流体供給流路部の流入口の径(D)が同じ大きさである表面処理装置において最適化された原料流体の設定流量の場合と、原料流体供給流路部の流入口の径(D)を基板の径(d)より1.2倍に規定した表面処理装置において最適化された原料流体の設定流量の場合と、を比較しても、ほぼ同じ原料流体の半径方向の速度及び温度分布が得られる。このことから、基板の径(d)に合わせて原料流体供給流路部の流入口の径(D)を規定しても、基板における表面処理の面内均一性を確保することができることがわかる。
本実施形態において、基板18の径(d)に合わせて原料流体供給流路部28の流入口(D)の径を規定するとは、基板18の径(d)に対する原料流体供給流路部28の流入口の径(D)の割合(D/d)が1であることに限定されるものではなく、流体の流量増加に基づく流体の使用量や流体の逆流の観点から、適宜設定されるものであるが、以下に説明するように、特に、1〜1.125の範囲を満たすことが好ましい。
図8は、表面処理装置内の流動場の3次元シミュレーションプログラムを用いて、表面処理装置の基板の外周端とその周辺の流出流路部における原料流体の流れ場を解析した様子を表している。図8は、基板の径(d)より原料流体供給流路部の流入口の径(D)の方を大きくした表面処理装置において、原料流体供給流路部の流入口の径(D)の割合(D/d)が1の時に最適化される設定流量(Q)の場合の流体の流れの様子を説明するための図である。D=dの時に最適化される設定流量(Q)は、w(∞)×πd/4となる。基板の径(d)より原料流体供給流路部の流入口の径(D)の方を大きくしていくと、逆流が生じないように最適化される設定流量は、Dに比例して増加させなければならないが、w(∞)×πd/4で求められる設定流量に維持すると、図8に示すように、原料流体の逆流が発生する。しかし、この時の原料流体供給流路部の流入口の径方向における逆流の長さ(図8に示すL)が、原料流体供給流路部の流入口の径の拡大幅(D−d)を超えなければ、逆流した原料流体は基板上に到達しないため、基板における表面処理の面内均一性は確保できると言える。
図9は、w(∞)×πd/4で求められる設定流量で、(基板の径(d)は一定)原料流体供給流路部の流入口の径(D)の方を大きくしていった場合の流入口の径の拡大率(x)と原料流体の逆流の長さ(L)との関係を説明するための図である。流入口の径の拡大率(x)は(D−d)/dで求められ、原料流体の逆流の長さ(L)は、表面処理装置内の流動場の3次元シミュレーションプログラムによって求められる流入口の径方向の長さ(図8に示すL)である。図9において、原料流体の逆流の長さ(L)が、L=xで表される実線より下側の領域にあれば、逆流した原料流体は基板上に到達しないと言える。そして、図9に示すように、流入口の径の拡大率(x)が0.125以下であれば、原料流体の逆流の長さ(L)が、L=xで表される実線より下側の領域に存在することになる。この結果から、基板の径(d)に対する原料流体供給流路部の流入口の径(D)の割合(D/d)を1より大きくする場合、1.125以下であれば、仮に原料流体の逆流が発生しても、基板に対して行われる表面処理の面内均一性を確保することができる。すなわち、基板の径(d)に対する原料流体供給流路部の流入口の径(D)の割合(D/d)が1.125より大きい場合には、逆流した原料流体が基板に達し、基板に対して行われる表面処理の面内均一性を確保することが困難となる。
次に、本実施形態の表面処理装置における基板の搬入・搬出方法について説明する。
図10は、通常の表面処理装置における基板の搬入・搬出方法の一例を説明するための図であり、図11(A)〜(C)は、本実施形態の表面処理装置における基板の搬入・搬出方法の一例を説明するための図である。図10に示すように、通常の表面処理装置4では、表面処理前(原料流体が供給される前)に、筐体部の原料流体供給流路部29に搬出入用の窓31を形成し、その窓31から基板19を表面処理装置4内に搬入する。そして、表面処理後には、基板19を上方に持ち上げ、搬出入用の窓31から表面処理装置4外へ搬出する。また、本実施形態の表面処理装置2において、例えば、基板18の径(d)に対する原料流体供給流路部28の流入口の径(D)の割合(D/d)が、上限である1.125又はその上限付近に設定される場合には、図11(A)に示すように、通常の表面処理装置4と同様に、筐体部の原料流体供給流路部28に搬出入用の窓33を形成し、その窓33から基板18の搬出入を行うことが可能である。しかし、本実施形態の表面処理装置2において、例えば、基板18の径(d)に対する原料流体供給流路部28の流入口の径(D)の割合(D/d)が、下限である1又はその下限付近に設定される場合には、基板18の搬出入の際、基板18が原料流体供給流路部28の壁面に接触して基板18を傷つける虞があるため、原料流体供給流路部28に形成される搬出入用の窓33から搬出入を行うことは好ましくない。そこで、図11(B)に示すように、基板18を保持する試料保持台12を下方へ移動させた後、筐体部10の流出流路部30等に形成した搬出入用の窓(不図示)から基板18を搬出入したり、図11(C)に示すように、試料保持台12の位置を固定したまま、原料流体供給流路部28の外壁(実質的には筐体部10)を上方へ押し上げた後、筐体部10の流出流路部30等に形成した搬出入用の窓(不図示)から基板18を搬出入したりすることが望ましい。基板18や試料保持台12や筐体部10を上下動させる装置及び方法については、特に制限されるものではなく、例えば、アクチュエータの動作によりシリンダ内のピストンが上下動する装置を用い、ピストンの上下動により、ピストンに設置された基板18等を上下動させる等の方法が挙げられる。
以下に、原料流体の設定流量の最適化について、以下に簡単に説明するが、その方法の詳細については、特許文献2(特開2011−29592号公報)に開示された内容の通りである。
原料流体の設定流量を最適化するためには、非特許文献1(Dr.Hermann Schlichting(Translated by Dr.J.K.Kestin);Boundary−Layer Theory;Seventh Edition;USA;Mc Graw−Hill Book Company;1979;p102−104)で説明されるナビエ・ストークス方程式を拡張した連立方程式(1)及び式(1)に関する境界条件である式(2)が用いられる。
ここで、回転円板の径方向における流体の速度u、回転円板の周方向における流体の速度v、回転円板の平板面に垂直方向である軸方向における流体の速度w及び圧力pは式(3)の無次元距離ζで無次元化され(F,G,H,P)、温度TはΦで無次元化されている。
また、λを熱伝導率、cを熱容量として、fは原料流体の流入時のときの値に対する原料流体の具体的な局所の位置における値の比を示し、fρは流入時と局所の密度比、fλは流入時と局所の熱伝導率比、fは流入時と局所の熱容量比をそれぞれ示す。また、Pはプラントル数で、定圧比熱をcとして、P=ν/{λ/(ρ×c)}で表される量である。また、添え字の∞は、原料流体の流入状態を示し、添え字のwは、基板の表面での状態を示している。また、Tは試料保持台の温度、ωは試料保持台の角速度を示している。
そして、式(1)〜(3)を用いて、ポンプ効果による各速度分布(F,G,H)を求める。Fは回転円板の径方向のζについての速度分布であり、Gは回転円板の周方向のζについての速度分布であり、Hは回転円板の軸方向のζについての速度分布である。
次に、算出した速度分布Hにおいて、無次元距離ζ=∞、すなわち、z=∞とした値を求め、これを軸方向速度w(∞)として算出する。このようにして算出したw(∞)は、ポンプ効果モデルの理論計算による境界層の厚さδで原料流体を流すときの流入口における速度に対応するものである。この軸方向速度z(∞)に、流路に垂直な面の面積Aを乗じることで、理論計算のポンプ効果通りのδが形成される流量が求められる。この流量は、流路に垂直な面の面積に着目したときの最適流量である。なお、回転円板の径方向のζについての速度分布F及び表面処理装置の流路形状に基づいて、前述のようにして求めた最適流量を補正してもよい。
このような原料流体の設定流量の最適化は、図1に示す表面処理装置用制御装置3により行われる。図での説明は省略するが、表面処理装置用制御装置3の構成としては、例えば、演算処理を行うCPUと、演算処理のためのパラメータ等を入力する入力部と、演算処理の結果を出力する出力部と、表面処理装置2とネットワークあるいは適当な通信線で接続するための通信制御部と、基板18に対する原料流体32の速度分布を算出するモデル算出プログラムを記憶する記憶部とを含んで構成される。これらの要素は、内部バスで相互に接続される。かかる表面処理装置用制御装置3は、数値演算に適したコンピュータで構成することができる。そして、CPUは、モデル算出プログラムによって算出された基板18に対する原料流体32の軸方向速度分布と演算処理のためのパラメータ(流路に垂直な面の面積、すなわち本実施形態では基板18平面の面積)とに基づいて、前述した理論計算のポンプ効果通りのδが形成される流量、すなわち、基板18に対して行われる表面処理の均一性のために最適化された原料流体32の設定流量を算出する。
本実施形態に係る表面処理装置は、適当な反応ガス等の原料流体を基板上に供給して、基板上に半導体層や絶縁膜、導電体層等を形成し、あるいは、基板の表面をエッチングし、あるいはコーティング材料を形成する縦型回転式表面処理に利用できる。
1 表面処理システム、2,4 表面処理装置、3 表面処理装置用制御装置、10 筐体部、11,12 試料保持台、14 隔壁、18,19 基板、20 ヒータ、22 加熱部、24 回転部、26 排出部、28 円筒状部分(原料流体供給流路部)、29 原料流体供給流路部、30,34 流出流路部、31,33 窓、32 原料流体、36 供給部。

Claims (1)

  1. 円筒状の周囲壁を形成する筐体部と、
    前記筐体部の内部に設けられ、表面処理を行う対象物である基板を保持する試料保持台と、
    前記試料保持台を回転駆動する回転機構と、
    前記筐体部において前記試料保持台の上方側に設けられ、前記基板に対し原料流体を供給する原料流体供給流路部と、
    前記筐体部において前記試料保持台の側方に設けられ、前記試料保持台の上方から前記基板に向かって縦型流として供給される前記原料流体が前記基板表面に沿って流れながら前記基板に対して表面処理を行った後に、前記試料保持台の側方から流出させる流出流路部と、
    前記基板に向かって縦型流として供給される前記原料流体の最適流量を設定する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、回転する前記基板面に垂直方向を軸方向とした時の前記基板に対する前記原料流体の軸方向速度分布について軸方向距離を無限大にしたときに算出される軸方向速度w(∞)に前記基板の表面積πd /4(dは前記基板の径)を乗じた値を前記最適流量として設定し、
    前記基板の径(d)に対する前記原料流体供給流路部の流入口の径(D)の割合(D/d)は、1より大きく1.125以下であることを特徴とする表面処理装置。
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