以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
まず以下の実施形態に共通に適用可能な固体撮像装置のブロック図及び画素の等価回路図に関して図1、2を用いて説明する。
図1において、101は画素領域である。画素が行列状に複数配置されている。102は垂直走査部である。画素領域の画素を画素行ごともしくは複数の画素行ごとに走査する。シフトレジスタもしくはデコーダを用いて構成することができる。
103は列回路である。画素領域101から垂直走査部の走査によって読み出された信号に対して所望の処理を行なう。例えば、画素のノイズ等を抑制するCDS回路や、画素からの信号を増幅する増幅部、画素からのアナログ信号をディジタル変換するAD変換部等を含んで構成され得る。
104は水平走査部である。列回路で所望の処理を施された信号を外部に読み出すために画素列毎もしくは複数の画素列毎に順次走査する。垂直走査部と同様に、シフトレジスタもしくはデコーダを用いて構成される。
105は信号処理部である。固体撮像装置から出力された信号に対して所定の処理を行なう。
各構成部間には光信号もしくは駆動信号等を伝達する配線が存在するがここでは省略している。
図2は画素領域に配された画素の等価回路図である。説明の簡略化のために画素領域101に含まれる画素は3行×3列の計9画素としているが、これに限定するものではない。2は光電変換部として機能するフォトダイオード(PD)である。PDのアノードは固定電位(例えば接地)に接続され、カソードは第1転送部として機能する第1転送トランジスタ8を介して電荷保持部3の一方の端子に接続される。電荷保持部3の他方の端子は固定電位(例えば接地)に接続されている。電荷保持部3の一方の端子はさらに第2転送部である第2転送トランジスタ9を介してFD領域4と接続されている。FD領域は増幅部の一部として機能する増幅トランジスタ12のゲート端子に接続される。増幅トランジスタのゲートは増幅部の入力部として機能する。増幅トランジスタ12のゲートはリセット部として機能するリセットトランジスタ10を介して画素電源線に接続される。各転送トランジスタとしてはMOSトランジスタを用いることができる。
選択部として機能する選択トランジスタ11は一方の主電極であるドレイン端子が画素電源線に、他方の主電極であるソース端子が増幅トランジスタ12の一方の主電極であるドレインと接続されている。アクティブな信号SELが入力されると選択トランジスタの両主電極は導通状態となる。これにより増幅トランジスタ12は垂直信号線OUTに設けられた不図示の定電流源とでソースフォロワ回路を形成し、増幅トランジスタ12の制御電極であるゲート端子の電位に応じた信号が垂直信号線OUTに現われる。垂直信号線OUTに現われた信号に基づいて固体撮像装置から信号が出力され、信号処理回路部などを経て画像信号を形成する。
図2では各画素にリセット部、増幅部、選択部を設けたが、複数の画素でこれらの構成を共有することも可能である。また選択部を設けずに、増幅部の入力部の電位により画素を選択するような構成とすることも可能である。
本発明は、以上述べたような構成を一例とする、光電変換部とFD領域との間に電荷保持部を有する構成に適用するものである。
特に好ましくは光電変換部と電荷保持部との間の電荷経路の構造に下記特徴を有する構成、つまり、第1転送部が非導通状態となるローレベルパルスが供給されている状態で、光電変換部から電荷保持部へ電荷を転送可能な構造を用いることが望ましい。
例えば具体的な構成としては、第1転送部をMOSトランジスタであるとすると、このMOSトランジスタが埋め込みチャネル構造である。そして、非導通状態であっても表面よりも深い部位にポテンシャル障壁がその部位だけが一部低くなっている部分が存在している構成である。この場合には電荷転送部は、信号電荷を蓄積中に積極的な制御を行なわずに一定の電圧が供給された状態とすることもできる。つまり転送部としての機能を有さずとも固定のポテンシャル障壁を設けても良い。そして、蓄積終了直前に、そのポテンシャル障壁の高さを低くする制御を行い、光電変換部に残った信号電荷を電荷保持部に転送する。
このような構成によれば、光電変換部に光が入射した際に光電変換により生成した信号電荷のほぼすべてが光電変換部で蓄積されることなく電荷保持部へ転送可能となる。したがって、全ての画素に含まれる光電変換部において電荷の蓄積時間を揃えることが可能となる。また、MOSトランジスタが非導通時においてはチャネル表面にホールが蓄積されており、かつ電荷が転送されるチャネルが表面よりも所定深さの部分に存在するため、絶縁膜界面における暗電流の影響を低減することが可能となる。
別の観点でいうと、光電変換部及び電荷保持部で信号電荷を蓄積している期間において、光電変換部と電荷保持部の間の電荷経路のポテンシャル障壁が光電変換部と他の領域との間の電荷経路のポテンシャル障壁よりも低いともいえる。ここでのポテンシャルとは信号電荷に対してのポテンシャルである。例えばOFD領域を設けたときはOFD領域との間のポテンシャルよりも低くすればよい。
また、特に好ましくは、電荷保持部が電荷結合素子で形成され、電荷保持部で信号電荷を蓄積している期間において、絶縁膜を介した対向電極に電位を与えて電荷保持部の表面に信号電荷と逆極性の電荷を蓄積させる。これにより、電荷保持部が形成される半導体表面での暗電荷の生成を抑制することが望ましい。
このような構成によれば、電荷保持部起因の暗電流をさらに低減することが可能となる。なおかつ、電荷保持部の表面に暗電流対策のための反対導電型の不純物注入を行う必要が無いことから、フォトダイオードと比較して、電荷保持を担当する部位を表面近くに浅く形成できる。それゆえに単位体積あたりの電荷保持能力を高めることができ、従来のフォトダイオードが電荷保持を兼用する構成と比べて数倍の保持能力を持たせることが可能になる。
さらに駆動の観点では、1信号電荷生成期間中に光電変換部から電荷保持部に移動した信号電荷を電荷保持部において保持し、画像信号として用いる。つまり、光電変換部での1信号電荷生成期間を開始後、電荷保持部のリセット動作を介することなく画素外部へ信号を読み出しているともいえる。なお1信号電荷生成期間とは1フレームの画像を撮影する際に、各光電変換部で共通に決定されるものである。
以下、本発明の具体的構成、駆動方法に関して説明する。なお、その際の画素構成の例は、第1転送部が埋め込みチャネル型のMOSトランジスタの場合であり、かつ、電荷保持部が電荷結合素子で形成された構成を元にする。また第1、第2転送部としてトランジスタを用いる構成を例にして説明する。
(第一の実施形態)
第一の実施形態の駆動パルスを図3に、各構成部におけるポテンシャル状態を示す図を図4に示す。本実施形態においては、一信号電荷生成期間中に生じた信号電荷を増幅部へ転送する際に、まず、第2転送部のみに導通パルスを供給して電荷保持部に保持された信号電荷を増幅部へ転送する。そして、前記リセット部に導通パルスを供給して該増幅部に転送された信号電荷をリセットする。その後、第1及び第2転送部に導通パルスを供給することにより光電変換部に保持された信号電荷を増幅部へ転送する。これらの動作を行なわせるために各素子に駆動パルスを供給するのは、垂直走査部102である。したがって垂直走査部を各駆動パルスを供給する制御部とよぶことができる。もしくは垂直走査部102を制御するタイミングジェネレータなどを含めて制御部としてもよい。
図3においてPTX1は第1転送トランジスタに供給される駆動パルス、PTX2は第2転送トランジスタに供給される駆動パルス、PRESはリセットトランジスタに供給される駆動パルス、PSELは選択トランジスタに供給される駆動パルスをそれぞれ示す。括弧書きで示した数字は画素行番号を示す。また本実施形態の撮像装置はメカシャッタを有しており、メカシャッタが開状態で光電変換部に光が入射し、メカシャッタが閉状態で光電変換部に光が入射しない状態となっている。メカシャッタによって光電変換部での露光状態を制御し、信号電荷生成期間を規定することが可能である。図3において、黒塗りの部分はメカシャッタが閉状態であり、白塗りの部分は開状態である。
PTSは列回路に含まれる光信号保持用の保持部に信号を取り込むためのサンプリングパルスであり、PTNは列回路に含まれるノイズ信号保持用の保持部に信号を取り込むためのサンプリングパルスである。ノイズ信号とは画素のリセットトランジスタ、及び増幅トランジスタのオフセット、ランダムノイズ、もしくは列回路に増幅部を含む場合にはこの列増幅部のオフセットなどである。
またハイレベルパルスにより各トランジスタが導通、もしくはサンプリングを行なうものとする。
本実施形態においては、電荷保持部に保持された信号電荷を増幅部に転送した後に、増幅部に転送された信号電荷をリセットし、その後、光電変換部で保持されていた電荷を電荷保持部を介してFD領域へ転送することを特徴としている。
まずT1では、リセットトランジスタおよび第1〜第3転送トランジスタにハイレベルパルスが供給されて導通状態となり、光電変換部、電荷保持部及びFD領域の電荷をリセットする。この時メカシャッタは閉状態ある。
T2では、メカシャッタを開状態とし光電変換部に光を入射させる。このとき各転送トランジスタに供給されるパルスは各転送トランジスタを非導通状態とするローレベルパルスである。
T3において、メカシャッタを閉状態とする。
T4において、1行目の画素行のPRESにローレベルパルスを供給し、PSELにハイレベルパルスを供給する。ここでは同時に行なっているが異なる時刻に行なってもよい。ただし、リセット部のkTCノイズを抑制したい場合には、少なくともノイズ信号をサンプリングするPTNにハイレベルパルスが供給される期間においてPRESにローレベルパルスが供給されている必要がある。
T5において、PTNにハイレベルパルスを供給し、その後一定時間経過後にローレベルパルスを供給することで、1行目の画素のノイズ信号を列回路にて保持する。
T6aにおいて、1行目の画素行の第2転送トランジスタにハイレベルパルスを供給する。これにより電荷保持部の電荷と、光電変換部と電荷保持部の間のポテンシャル障壁を超える電荷のみが増幅部に転送される(第1のステップ)。
T6bにおいて、1行目の画素行の第2転送トランジスタに非導通状態となるローレベルパルスを供給する。
T7において、PTSにハイレベルパルスを供給し、第1のステップにより読み出された信号電荷に基づく信号を列回路にて保持する。
T8において、1行目の画素行のPSELにローレベルパルスを供給し、PRESにハイレベルパルスを供給する。この動作によって、第1のステップにより増幅部に転送された電荷がリセットされる。
T9において、再度同一行を読み出すために、1行目の画素行のPRESにローレベルパルスを供給し、PSELにハイレベルパルスを供給する。
T10において、PTNにハイレベルパルスを供給し、その後一定時間経過後にローレベルパルスを供給することで、1行目の画素のノイズ信号を列回路にて保持する。
T11aにおいて、1行目の画素行の第1転送トランジスタ及び第2転送トランジスタに導通状態となるハイレベルパルスを供給する(第2のステップ)。これにより光電変換部に蓄積されていた信号電荷が電荷保持部を介してFD領域に転送される。
T11bにおいて、1行目の画素行の第2転送トランジスタに非導通状態となるローレベルパルスを供給する。
T12において、PTSにハイレベルパルスを供給し、その後一定時間経過後にローレベルパルスを供給することで、第2のステップにより転送される電荷に基づく信号を列回路にて保持する。
T13において、1行目のPSELにローレベルパルスを供給し、PRESにハイレベルパルスを供給する。
そしてその後、上述の第1、第2のステップにより得られる信号を信号処理部105において加算する。これにより光電変換部にて光電変換により生じた電荷の大部分を光電変換部、電荷保持部よりも後段に配された読み出し回路のダイナミックレンジに関わらず画像形成用の信号として取り扱うことが可能となる。
そしてT4〜T13までの動作を各画素行ごとに繰り返すことによって、1フレームの信号を読み出すことが可能である。
なお、ここでは、各行毎に第1のステップ、第2のステップを繰り返した。しかし、たとえば全行にわたって第1のステップを経たあと、第2のステップを経るような駆動でもよい。つまりは一度全画面にわたって電荷保持部からFD領域へ転送した後、先頭行に戻って光電変換部からFD領域に読み出すような駆動を行っても良い。
次に図4において、図3にて説明した時刻におけるポテンシャル状態を示す。なおポテンシャル図上部に黒塗りの四角が表示されているのはメカシャッタにより光電変換部等が遮光されている状態であることを示している。
図4(a)は、光電変換部、電荷保持部での信号電荷の蓄積前に、光電変換部及び電荷保持部の電荷をリセットする動作を示す。また図4(a)では図示していないが、FD領域に転送された電荷はリセットトランジスタにより排出される。この時、メカシャッタは閉状態であり光電変換部に光は入射しない。
図4(b)〜図4(d)はメカシャッタが開状態となり光電変換部に光が入射し光電変換を行なう信号電荷生成期間のポテンシャル状態を示している。
図4(b)はメカシャッタが開いた直後の状態を示しており、光電変換部に信号電荷が生じていない状態を示している。
図4(c)は少量の光が入射した状態であり、第1転送トランジスタに供給されるパルスの波高値によって決まる光電変換部と電荷保持部との間のポテンシャル障壁を越えずに光電変換部において信号電荷が保持されている状態である。ここで第1転送トランジスタにはローレベルパルスが供給されているわけであるが、光電変換部で生じた電荷が直ちに電荷保持部へ移動するようにそのポテンシャル障壁は比較的低く制御されている。このような状態を実現するためには上述したように第1転送トランジスタを埋め込みチャネル型のMOSトランジスタとすることなどにより実現可能である。
図4(d)は、光電変換部で発生した信号電荷が第1転送トランジスタにより形成されるポテンシャル障壁を超えて電荷保持部へ移動し電荷保持部においても信号電荷が保持されている状態である。ここで説明のために図4(d)の光電変換部の点線部よりも下の領域に存在する電荷の数をQ1=10000個、電荷保持部の点線部よりも下の領域に存在する電荷の数をQ2=60000個、点線部よりも上に存在する電荷の数をQ3=40000個とする。ここで点線は第1転送トランジスタにローレベルパルスが供給されている状態のポテンシャル障壁の高さを示している。
図4(e)は、図3のT6a〜T6bにおけるポテンシャル図を示すものであり、第1転送トランジスタにローレベルパルスが、第2転送トランジスタにハイレベルパルスが供給された状態である(第1のステップ)。この動作によりFD領域には図4(d)における電荷Q3とQ2が転送される。
図4(f)は、図3のT11a〜T11bにおけるポテンシャル図を示すものであり、第1及び第2転送トランジスタにハイレベルパルスが供給された状態である(第2のステップ)。この動作によりFD領域には光電変換部に保持されていた信号電荷が転送される。
なお、前述のQ2とQ3の電荷数がFD領域の保持能力を上回ると、T6a〜T6bのタイミングで全ての電荷をFD領域に転送できない場合がある。その場合を図4(g)で説明する。図中の一点鎖線で示すように、電荷を全てFD領域に転送できないので、転送できない一部の電荷が、電荷保持部に残ってしまう。その場合でも図4(h)に示すように残った電荷が光電変換部の電荷と共に次の転送で完全にFD領域に読み出されるように設計されていればよい。そのような条件は、FD領域に一度で完全転送できる電子数をQFDMAXとすると、
Q2+Q3―QFDMAX+Q1<QFDMAX ・・・(条件式1)
という式で表される。
また、Q1がQFDMAXを超えてしまうと、残った電荷を読み出さずに画素の駆動が終了してしまうことから、
QFDMAX>Q1 ・・・(条件式2)
も必要な条件となる。
なお、FD領域にQFDMAXの電荷を読み出したときに、ソースフォロア、もしくは後段の読み出し回路部でその転送された電荷に基づく信号を正しく読み出せない場合がある。つまり読み出し回路部のダイナミックレンジがFD領域のダイナミックレンジよりも低い場合には、光信号が一部欠落してしまう場合がある。
制限を受ける読み出し回路の例としては、画素の増幅部、さらには列回路に設けられた列増幅部、列AD変換部、および出力チャンネル毎に設けられた最終アナログ増幅部、AD変換器などが考えられる。
一例として画素の増幅部のダイナミックレンジに関して説明する。ここでは増幅部が増幅トランジスタ及び定電流源によりソースフォロワ回路を構成している場合に関して説明する。
光電変換部及び電荷保持部からFD領域へ多くの信号電荷が転送された場合にはFD領域の電位が低下する。FD領域の電位の低下により、FD領域つまり増幅トランジスタのゲートの電位と増幅トランジスタのソースの電位差が増幅トランジスタの閾値電圧(Vth)よりも低くなるとソースフォロワ動作しなくなる。そうすると信号が読み出せない。また、たとえソースフォロア回路のダイナミックレンジよりも少ない電荷を読み出したとしても、列増幅部で高いゲインをかける場合は、列増幅回路の入力ダイナミックレンジが制限されることで読み出し回路での飽和が決定される。
したがってQFDMAXは、これら読み出し回路のダイナミックレンジを越えない量の電荷を転送可能な値に設定するのが好ましい。
ここで比較として、例えば、光電変換部及び電荷保持部の電荷を同時に転送動作でFD領域へ転送する場合、及び光電変換部の電荷を電荷保持部に転送した後に、光電変換部と電荷保持部との電荷を合わせてFD領域へ転送する場合を考える。これらの場合には、電荷保持部を設けて飽和電荷量が増加しているため、FD領域や後段の読み出し回路のダイナミックレンジを越えてしまう場合が多くなる。つまり、電荷保持部を設けて飽和電荷量を増やしても増やした電荷を有効活用できないこととなってしまう。これに対して、本実施形態のように、電荷保持部の電荷をFD領域へ転送した後に、光電変換部の電荷を電荷保持部を介してFD領域へ転送することにより、電荷保持部により増加した電荷量を有効に活用することが可能となる。
本実施形態によれば、電荷保持部を設けることによりダイナミックレンジを拡大しつつ、光電変換部及び電荷保持部の後段に設けられた読み出し回路のダイナミックレンジに制限を受けない読出しが可能となる。
本実施形態は、光電変換部及び電荷保持部をあわせたダイナミックレンジが光電変換部の後段の読み出し回路のダイナミックレンジよりも大きい場合に特に有効となる。
(第二の実施形態)
第二の実施形態の駆動パルスを図5に示す。本実施形態では、T14〜T18に示すように、電荷保持部からFD領域への第2転送トランジスタによる転送回数を増やしたことが新たな点である。第2転送トランジスタのみに複数回の導通パルスを供給している。
第一の実施形態で示した条件式(1)が成り立たない場合、光電変換部からFD領域への転送後に電荷保持部に電荷が残ってしまい、信号電荷を有効に活用できないこととなる。たとえばQFDMAXが小さい場合、もしくは、Q1,Q2,Q3の和が2×QFDMAXよりも大きいときにこのようなことが起こりうる。
そのような場合、電荷保持部で保持された信号電荷のみの転送と、光電変換部で保持された信号電荷の転送との間に電荷保持部からの読み出しを更に行う。つまり、電荷保持部に残った信号電荷のみを再度読み出すというステップを追加する。これにより、最後の転送が終了した後に電荷保持部に電荷が残ることを抑制できる。
本実施形態は、特にQ2+Q3の和が、QFDMAXに比べて非常に大きいときに有効である。
第2転送トランジスタに、追加して供給する導通パルスは1回でもよいし更に複数回供給してもよい。Q2+Q3の値に応じて適宜決定すればよい。
(第三の実施形態)
第三の実施形態の駆動パルス、及びタイミングを図6に示す。本実施形態では、画素から出力された信号を処理するゲイン可変の増幅回路を有する読み出し回路を有する。601に示すように、第2のステップ(光電変換部と電荷保持部の電荷を読み出すステップ)時の増幅回路のゲインを、第1のステップ時のゲインのG(G>1)倍に切り換えることが特徴である。つまり第2のステップ時に読み出される信号に対するゲインを第1のステップ時に読み出される信号に対するゲインよりも高くしている。
本実施形態の動作を図7を用いて説明する。
図7(a)は、入射光により各画素の光電変換部に生じた電荷の分布である。光電変換部での飽和と電荷保持部で保持している信号電荷の境界を点線で示している。
図7(b)は図7(a)のAの部分、つまり、第1のステップにより、電荷保持部から転送された信号電荷に基づく信号である。ここで本ステップにおけるランダムノイズはN1=VRN1(mVrms)と表すことができる。
図7(c)は図7(a)のBの部分、つまり、第2のステップにより、主に光電変換部から転送された信号電荷に基づく信号に関して抜き出した図である。ここでは後段の読み出し回路でのゲインをGとする。この場合のランダムノイズはN2=VRN2(mVrms)と表すことができる。
その後、図7(b)と図7(c)の信号を合成して一枚の画像を生成するが、光量に対する出力の傾き、つまり信号感度を一定にするために、高いゲインで読み出した図7(c)の信号をゲインGで除算処理を行なう必要がある。
図7(d)は、図7(c)の信号をゲインGで除算した後の値である。信号のレベルは減少するが、それに併せてノイズレベルも1/Gになる。
この場合のランダムノイズはN3=VRN2/G(mVrms)と表すことができる。
それら二つの信号を合成した後のランダムノイズは、
((VRN1)2+(VRN2/G)2)0.5となり、ゲインをかけなかった場合のノイズ((VRN1)2+(VRN2)2)0.5にくらべ、低ノイズでの読み出しが可能となる。
このように、第2のステップで読み出された信号に対する増幅回路のゲインを上げることで、画素信号に対するノイズの比、つまりSN比を高め、結果として低輝度被写体の高感度撮影が可能となる。この増幅回路としては例えば列増幅回路などを用いることができる。
本実施形態の固有の効果を説明する。低輝度の被写体の場合には、光電変換部で生じた信号電荷は、光電変換部と電荷保持部との間のポテンシャル障壁を越えずに大部分が光電変換部にて保持される。つまり低輝度の被写体の場合には、信号電荷の光電変換部で保持される割合が高いため、第2のステップで読み出される信号の全体の信号に対する割合が高い。したがって第2のステップで転送される信号電荷に基づく信号に対する読み出し回路のゲインを高くすることで、画素信号に対するノイズの比、つまりSN比を高め、結果として低輝度被写体の高感度撮影が可能となる。
ここで読み出し回路のゲインを上げると入力ダイナミックレンジを狭める。つまりゲインを高くした時には前述のQFDMAXの値が減少してしまう。具体的にゲインをGとすると、入力ダイナミックレンジはQFDMAX/Gとなる。したがって、読み出し回路のゲインを高くするためには、少ない電荷数を制御性良く、分散幅を狭く読み出すことが重要となる。これに対して第2のステップによる読み出しにおいては、光電変換部と電荷保持部との間の比較的低いポテンシャル障壁を越えずに光電変換部に蓄積された信号電荷であるため、この分散幅も比較的狭くすることが可能となる。
本実施形態によれば、複数回に分けて電荷保持部、光電変換部を、それぞれの間にあるポテンシャル障壁を用いて分割して転送することで、一回目、および二回目の信号出力の分散を小さくすることができる。これにより一度で転送する電荷を多くすることができ、かつ、読み出し回路のゲインを高く設定できるようになる。
なお、好ましくは、光電変換部の飽和電荷量Q1は、
Q1<QFDMAX/G
の条件を満たすように設計されることが望ましい。
(第四の実施形態)
本実施形態は、電荷保持部で保持された信号電荷のみをFD領域へ転送した際に得られる信号を、画像形成用の信号として用いる場合と用いない場合とを切り換えることを特徴としている。電荷保持部で保持された信号電荷による信号出力が、あるしきい値以下の場合は、その信号を画像形成用の信号として用いないようにすることで、ランダムノイズの加算を防ぐことが可能となる。なお、ここでのしきい値と比較を行なう信号は、電荷保持部で保持された信号電荷のみをFD領域へ転送した際に得られる信号、主に光電変換部で保持された信号電荷をFD領域へ転送した際に得られる信号のいずれでもよい。更には、別途設けられたAEセンサにより入射光量に関する情報を取得し、この入射光量情報から、信号の加算、非加算を切り換えてもよい。いずれの方法で行なうにせよ、各画素、もしくは複数の画素を含む領域における入射光量により加算、非加算を切り換えればよい。
更に詳しく図8を用いて説明する。図8(a)は電荷保持部で保持された信号電荷のみをFD領域へ転送した際に得られる信号を示し、図8(b)は主に光電変換部で保持された信号電荷をFD領域へ転送した際に得られる信号を示している。図8(a)において、白四角で示されている領域の信号はランダムノイズの成分が大半を占めており、加算を行なうとS/N比が悪化する。これに対して図8(b)では灰色で示すように、画像形成用の信号として使うべきレベルの信号となっている。例えば低輝度の被写体の場合には、光電変換部と電荷保持部との間のポテンシャル障壁を越えずに光電変換部にのみ信号電荷が蓄積される。つまり電荷保持部には信号電荷がほとんど存在していない。したがってこのような状態で電荷保持部の電荷の転送動作を行なってもノイズ量が増えるのみである。
これを抑制するために、電荷保持部からの信号が所定のしきい値以下の場合には、電荷保持部で保持された信号電荷のみをFD領域へ転送した際に得られる信号は画像形成用の信号としては用いない。もしくは、光電変換部からの信号が所定のしきい値以上の場合には、電荷保持部からの信号が存在するという判定をおこない、画像形成用の信号として用いる、としても良い。
本実施形態を他の実施形態に適用することにより、各実施形態で得られる効果に加えて、比較的低入射光量の場合に、S/N比を悪化させること無く画像を形成することが可能となる。
具体的には、図9にしめすように、低照度側ではランダムノイズの信号に占める割合が大きくなるが、本実施形態によればランダムノイズVRN1の影響を受けない低ノイズ特性が実現可能となる。
(第五の実施形態)
第五の実施形態の駆動パルスを図10に示す。本実施形態では、電荷保持部からFD領域への転送に、一部中間レベルパルスを用いて分割転送することが新たな点である。この中間レベルパルスとは導通パルスと非導通パルスとの間の波高値を有するパルスである。この中間レベルパルスは、制御部102を中間レベルパルスを供給可能な構成とすることにより実現できる。
まずT1では、リセットトランジスタおよび第1、第2転送トランジスタにハイレベルパルスが供給されて導通状態となり、光電変換部、電荷保持部及びFD領域の電荷をリセットする。この時メカシャッタは閉状態である。
T2では、メカシャッタを開状態とし光電変換部に光を入射させる。このとき各転送トランジスタに供給されるパルスは各転送トランジスタを非導通状態とするローレベルパルスである。
T3において、メカシャッタを閉状態とする。
T4において、1行目の画素行のPRESにローレベルパルスを供給し、PSELにハイレベルパルスを供給する。ここでは同時に行なっているが異なる時刻に行なってもよい。ただし、リセット部のkTCノイズを抑制したい場合には、少なくともノイズ信号をサンプリングするPTNにハイレベルパルスが供給される期間においてPRESにローレベルパルスが供給されている必要がある。
T5において、PTNにハイレベルパルスを供給し、1行目の画素のノイズ信号を列回路にて保持する。
T6aにおいて、1行目の画素行の第2転送トランジスタに中間レベルパルスを供給し、光電変換部及び電荷保持部で保持された信号電荷のうち、この中間レベルパルスが供給されることにより生じるポテンシャル障壁を越える部分の信号電荷のみがFD領域に転送される(第1のステップ)。
T6bにおいて、1行目の画素行の第2転送トランジスタに非導通状態となるローレベルパルスを供給する。
T7において、PTSにハイレベルパルスを供給し、第1のステップにより読み出された電荷に基づく信号を列回路にて保持する。
T8において、1行目の画素行のPSELにローレベルパルスを供給し、PRESにハイレベルパルスを供給する。この動作によって、第1のステップによりFD領域に転送された電荷がリセットされる。
T9において、PTNにハイレベルパルスを供給し、1行目の画素のノイズ信号を列回路にて保持する。
T10aにおいて、1行目の画素行の第2転送トランジスタに導通状態となるハイレベルパルスを供給する(第2のステップ)。好ましくは電荷保持部の電荷がFD領域に完全転送されるに充分な波高値のパルスが供給される。この時1行目の画素行の第1転送トランジスタはローレベルパルスが供給された状態となっている。
T10bにおいて、1行目の画素行の第2転送トランジスタに非導通状態となるローレベルパルスを供給する。
T11において、PTSにハイレベルパルスを供給し、第2のステップにより転送される電荷に基づく信号を列回路にて保持する。
T12において、1行目のPSELにローレベルパルスを供給し、PRESにハイレベルパルスを供給する。
T13において、PTNにハイレベルパルスを供給し、1行目の画素のノイズ信号を列回路にて保持する。
T14aにおいて、1行目の画素行の第1転送トランジスタ及び第2転送トランジスタに導通状態となるハイレベルパルスを供給する(第3のステップ)。これにより光電変換部に保持されていた信号電荷がFD領域に転送される。
T14bにおいて、1行目の画素行の第1転送トランジスタ及び第2転送トランジスタに非導通状態となるローレベルパルスを供給する。
T15において、第3のステップにより転送された信号電荷に基づく信号を列回路にて保持する。
そしてその後、上述の第1〜第3のステップにより得られる信号を信号処理部105において加算する。これにより光電変換部にて光電変換により生じた電荷の大部分を光電変換部、電荷保持部よりも後段に配された読み出し回路のダイナミックレンジに関わらず画像形成用の信号として取り扱うことが可能となる。
そしてT4〜T15までの動作を各画素行ごとに繰り返すことによって、1フレームの信号を読み出すことが可能である。
またT6a〜T6bの中間レベルパルスでの転送(第2のステップ)を1度のみ行なったがこれを複数回繰り返し行なってもよい。
次に図11において、図10にて説明した時刻におけるポテンシャル状態を示す。なおポテンシャル図上部に黒塗りの四角が表示されているのはメカシャッタにより光電変換部等が遮光されている状態であることを示している。
図11(a)は、信号電荷生成期間前に、光電変換部及び電荷保持部の電荷をリセットする動作を示す。図10のT1からT2の期間のポテンシャル状態を示している。また図11(a)では図示していないが、FD領域に転送された電荷はリセットトランジスタにより排出される。この時、メカシャッタは閉状態であり光電変換部には光は入射しない。
図11(b)〜図11(d)はメカシャッタが開状態となり光電変換部に光が入射し光電変換を行なう信号電荷生成期間のポテンシャル状態を示している。
図11(b)はメカシャッタが開いた直後の状態を示しており、光電変換部に信号電荷が生じていない状態を示している。
図11(c)は少量の光が入射した状態であり、第1転送トランジスタに供給されるパルスの波高値によって決まる光電変換部と電荷保持部との間のポテンシャル障壁を越えずに光電変換部において信号電荷が保持されている状態である。ここで第1転送トランジスタにはローレベルパルスが供給されているわけであるが、光電変換部で生じた電荷が直ちに電荷保持部へ移動するようにそのポテンシャル障壁は比較的低く制御されている。このような状態を実現するためには上述したように第1転送トランジスタを埋め込みチャネル型のMOSトランジスタとすることなどにより実現可能である。
図11(d)は、光電変換部で発生した信号電荷が第1転送トランジスタにより形成されるポテンシャル障壁を超えて電荷保持部へ移動し電荷保持部においても信号電荷が保持されている状態である。ここで説明のために図11(d)の光電変換部の点線部よりも下の領域に存在する電荷の数をQ1=10000個、電荷保持部の点線部よりも下の領域に存在する電荷の数をQ2=60000個、点線部よりも上に存在する電荷の数をQ3=40000個とする。
図11(e)は、図10のT6a〜T6bにおけるポテンシャル図を示すものであり、第1転送トランジスタにローレベルパルスが、第2転送トランジスタに中間レベルパルスが供給された状態である(第2のステップ)。この動作によりFD領域には図11(d)における電荷Q3の全てとQ2の電荷の一部が転送される。FD領域に転送される電荷量は第2転送トランジスタに供給される中間レベルパルスの波高値により任意に設定可能である。
図11(f)は、図10のT10a〜T10bにおけるポテンシャル図を示すものであり、第1転送トランジスタにローレベルパルスが、第2転送トランジスタにハイレベルパルスが供給された状態である(第3のステップ)。この動作によりFD領域には電荷保持部に保持されていた信号電荷のうち第2のステップにより転送された信号電荷の残りの電荷が転送される。ここでは例えば50000個の信号電荷が転送される。
図11(g)は、図10のT14a〜T14bにおけるポテンシャル図を示すものであり、第1及び第2転送トランジスタにハイレベルパルスが供給された状態である(第4のステップ)。この動作によりFD領域には光電変換部に保持されていた信号電荷が転送される。ここでは2000個の電荷が転送される。
本実施形態固有の効果を説明する。第一の実施形態においては、FD領域後段のソースフォロア、および読み出し回路で、QFDMAXの信号電荷を全て取り扱えるという前提だった。つまり、QFDMAXの信号がFD領域に転送された場合、その値が回路飽和することなく正しく外部に出力されるという場合である。
しかし、実際には、増幅回路に用いる電源電圧の制限などから、回路で取り扱える電荷がQFDMAX以下(以下、QFDMAX2)の場合があり得る。そのような場合に、FD領域への電荷の転送量を制限しなくてはならない。
その際に、中間レベルパルスを用いた転送を行なうことで、FD領域への電荷の転送量をQFDMAX2以下に制限し、全ての電荷が正しく読み出されるようにすることができる。つまり中間レベルパルスの波高値は、中間レベルパルスで転送される信号電荷数が、読み出し回路の読み出し可能な最大値を下回るように設定される。
なお、その際に、フォトダイオードの飽和電荷量Q1は
Q1<QFDMAX2
となるように設計されることが望ましい。もちろん、Q1をQFDMAX2に比べ十分低く設定することで、光電変換部からの信号にのみ高いゲインをかけて、暗部のノイズを低減することも可能である。
本実施形態は、FD領域のダイナミックレンジが光電変換部の後段の読み出し回路のダイナミックレンジよりも大きい場合に特に有効となる。
本実施形態によれば、電荷保持部を設けることによりダイナミックレンジを拡大しつつ、光電変換部及び電荷保持部の後段に設けられた読み出し回路のダイナミックレンジに制限を受けない読出しが可能となる。
(第六の実施形態)
本実施形態において第五の実施形態と異なるのは、各画素行に対して一回のみ中間レベルパルスを供給していたものを複数回供給することとした点である。
駆動パルス図に関しては、図10の駆動パルスに対して、中間レベルパルスと導通状態となるハイレベルパルスとの間に更に第2の中間レベルパルスを設ければよい。またそれに応じて、FD領域のリセットのためのパルス、列回路でのノイズ信号、光信号のサンプリングパルスもそれぞれ追加される。また波高値に関しては、転送トランジスタを導通とするハイレベルパルス、非導通状態とするローレベルパルスの間の任意の値を選択可能である。同じ波高値のパルスを供給してもよいし、異なる波高値のパルスを供給することもできる。
本実施形態によれば他の実施形態に適用することにより、光電変換部からFD領域への転送条件を細かく設定することが可能となり、光電変換部よりも後段の読み出し回路のダイナミックレンジに細かく対応することが可能となる。
(第七の実施形態)
本実施形態は、第五、第六の実施形態で供給した中間レベルパルスを温度に応じて変化させる例である。図12に本実施形態の固体撮像装置を含む撮像システムのブロック図を示す。
1201は固体撮像装置である。1202は温度検出部である。ここでは固体撮像装置内に配されているが、固体撮像装置外部の近傍に配置してもよい。1203はCPUである。1204は制御部である。温度検出部1202からの温度情報及びCPU1203からの制御信号に応じて固体撮像装置等の制御を行なう。1205は可変電圧供給源である。制御部1204からの制御信号に応じて、固体撮像装置に対して温度に応じた電圧を供給する。この電圧を図1の垂直走査回路に供給することにより、温度に応じて中間レベルパルスの波高値、もしくは供給時間を異ならせることが可能となる。
本実施形態の動作フローを説明する。まず信号電荷生成期間において、光電変換部において信号電荷の蓄積を行なう。所定時間が経過後、信号電荷生成期間が終了する。その後、温度検出部により固体撮像装置自身もしくはその近傍の温度情報を取得する。そして、取得した温度情報に対応した電圧情報が記録されているルックアップテーブルにアクセスし、可変電圧供給源から温度に対応した電圧が供給されるように制御する。その後、上述の各読み出し動作を行なう。
信号電荷の有するエネルギーは、温度によって異なり、温度が変化しても中間レベルパルスによって生じさせるポテンシャル障壁が同じ高さの場合にはFD領域に転送される電荷の数が異なってしまう。これに対して本実施形態においては、温度検出部を設け、この温度検出部からの信号に応じて中間レベルパルスの波高値、もしくは供給時間を異ならせるもしくは切り換えるようにする。
本実施形態を第五、第六の実施形態に適応すれば、第五、第六の実施形態で得られる効果に加えて、固体撮像装置及び固体撮像装置近傍で温度変化が生じたときにも、中間レベルパルスを供給することにより転送される電荷数の変化を抑制することが可能となる。
(第八の実施形態)
本実施形態は、上述の実施形態で述べた中間レベルパルスを光電変換部の後段に設けられた読み出し回路のゲインに応じて変化させる例である。ここで光電変換部の後段に設けられる読み出し回路としては、画素に設けられた増幅部、列回路に設けられた列増幅回路、列回路からの並列信号を直列信号に変換した後に外部へ出力するための出力増幅部などがある。
図13に本実施形態の固体撮像装置を含む撮像システムのブロック図を示す。
1301が固体撮像装置である。1302が制御部である。1303がCPUである。1304が可変電圧供給源である。光電変換部の後段に設けられた読み出し回路のゲインの切り換えは制御部1302、CPU1303によって行なわれる。このゲイン制御は例えば、感度切り換え、読み出し速度の変更等に応じて適宜行なわれるものである。
本実施形態の動作フローを説明する。まず信号電荷生成期間において、光電変換部において信号電荷の蓄積を行なう。所定時間の経過後蓄積を終了する。その後、光電変換部の後段に設けられた読み出し回路のゲインに対応した電圧情報が記録されているルックアップテーブルにアクセスし、可変電圧供給源からゲインに対応した電圧が供給されるように制御する。その後、上述の各読み出し動作を行なう。合わせて温度検出部を設けて第4の実施形態で述べた温度補正を同時に行なってもよい。
図14において、読み出し回路ゲインが可変の際に中間レベルパルスの波高値、もしくは供給時間を変更することの効果を説明する。
図14(a)は第1の中間レベルパルスを供給した時の出力電圧の入射光量依存性(光電変換特性)、図14(b)は第2の中間レベルパルスを供給した時の光電変換特性、図14(c)はハイレベルパルスを供給した時の光電変換特性である。図14(d)は各読み出しパルスによりFD領域に電荷を転送した後の加算後の出力信号特性である。また図14(e)〜(h)は読み出し回路のゲインに応じてパルスの波高値を変化させた際の光電変換特性、出力信号特性を示すものである。具体的には読み出し回路のゲインが第1のゲインから第1のゲインよりも高い第2のゲインに変化した際に、図14(a)〜(c)に比べてパルスの波高値を低くした例である。
読み出し回路ゲインが可変の際、回路飽和に至るまでの入射光量(飽和光量)が読み出し回路のゲイン毎に異なる。904a、b、cは読み出し回路のゲインが低い場合であり、906a、b、cは読み出し回路のゲインが高い場合を示している。読み出し回路のゲインが低い場合には飽和光量が905a、b、cと高いので、FD領域に転送された電荷は全て画像形成用の信号として用いることができる。しかし、読み出し回路のゲインが高い場合には、飽和光量が907a、b、cと低下するので、FD領域に転送された電荷の一部が読み出し回路の入力ダイナミックレンジを超えてしまい情報として欠落してしまう。結果として、図14(d)に示すように合成後の光電変換特性として、図14(a)〜図14(c)で得られるA、B、Cの領域の信号を合成した後の特性が、909で示すような階段状の特性となり、不感帯を有する光電変換特性になってしまう。参考までに、欠落の無い場合には908のような直線状の特性が得られるのが好ましい。
このような場合に、図14(e)〜(g)に示すように中間レベルパルスの波高値を図14(a)〜(c)にくらべて低いレベルに制限する。もしくはパルスの供給時間を短くして過渡的な電荷の移動を制限し、中間レベルパルスを用いたときに転送される電荷数を減少させる。これにより、図14(a)〜(c)と同様にパルスを3回供給して読み出したとしても図14(e)〜(g)に示すような光電変換特性を得ることができる。これらの信号を合成した後の光電変換特性が、図14(h)である。図14(d)と比べて情報の欠落がないので、A、B、Cの領域を合成した後も、好ましくない不感帯が存在しない。
なお、一度に読み出せる電子数に制限が生じるので、合成後の飽和光量は低下する。その際は、必要に応じて中間レベルパルスで読み出す回数と、印加する中間レベル電圧を増加させることで、飽和光量の低下を抑制することができる。
本実施形態を他の実施形態に適用すれば、各実施形態により得られる効果に加えて、光電変換部よりも後段に設けられた読み出し回路のゲインが変化した際にも、不感帯を生じさせること無く、合成後も連続的な光電変換特性をもった信号を得ることが可能となる。