[ダウンロード放送の概要の説明]
図1は、本発明が適用される情報処理システムの一実施の形態としてのコンテンツダウンロードシステムの構成例を示している。
図1の例では、コンテンツダウンロードシステムは、ダウンロード放送に対応している。このため、コンテンツダウンロードシステムは、放送局11、並びに、ユーザの家12等に設置される受信機21およびテレビジョン受像機22を含むように構成されている。
放送局11は、テレビジョン放送信号を用いてダウンロードコンテンツ31(以下、DLコンテンツ31と表記する)を、衛星13を介して放送する。
即ち、放送局11によるテレビジョン放送の手法は、図1の例では衛星放送波を用いた手法が採用されている。もっとも、放送局11によるテレビジョン放送の手法自体は、図1の例に特に限定されず、地上波を用いたり、CATV(Community Antenna Television Cable television)網を介したりする手法を採用することができる。また、テレビジョン放送波以外の放送波、例えばデジタルラジオ放送波を用いる手法を採用することもできる。
受信機21は、DLコンテンツ31を受信(取得)して蓄積することができる。なお、DLコンテンツ31を受信(取得)して蓄積することを、以下、DLコンテンツ31をダウンロードする、と表現する。受信機21はまた、許容されている利用期間内の任意のタイミングで、DLコンテンツ31を、テレビジョン受像機22等により再生させることができる。
なお、受信機21は、図1の例ではテレビジョン受像機22の外部に設けられているが、テレビジョン受像機22に内蔵されていてもよい。
[ダウンロード放送の送出フローと受信フローの説明]
図2は、ダウンロード放送の送出フローと受信フローを説明する図である。
DLコンテンツ31を構成する映像と音声が供給されると、放送局11は、ステップS11において、AVエンコード/多重化処理を実行する。AVエンコード/多重化処理とは、映像と音声の各信号を所定の方式で圧縮符号化し、その結果得られる映像と音声の各データを多重化することで、DLコンテンツ31をファイルとして生成する処理をいう。なお、以下、かかるファイルを、コンテンツファイルと称する。コンテンツファイルの単位は、特に限定されないが、例えば本実施の形態では、番組単位が採用されているとする。即ち、本実施の形態では、1つのコンテンツファイルには、1つの番組を構成するDLコンテンツ31が含まれているとする。なお、以下、DLコンテンツ31として構成される番組を、ダウンロード番組と称する。
ステップS12において、放送局11は、コンテンツファイルを保持する。かかるステップS12の処理を、コンテンツファイルアーカイブ処理と称する。放送局11はまた、ダウンロード番組に関する各種情報(以下、メタデータと称する)もファイルとして保持する。
放送局11は、所定の放送スケジュールに従って、ステップS13において、FLUTE/IPパケット化処理を実行し、ステップS14において、放送送出処理を実行する。FLUTE/IPパケット化処理とは、FLUTE(File Delivery over Unidirectional Transport)や、UDP(User Datagram Protocol)/IP(Internet Protocol)に従い、コンテンツファイル等をTS(Transport Stream)パケット化する処理をいう。放送送出処理とは、TSパケットを放送波として送出するまでの一連の処理をいう。
ここまでのステップS11乃至S14までのフローが、放送局11における、ダウンロード放送の送出のフローである。
次のステップS15乃至S18までのフローが、ストレージ付き受信機21Aにおける、ダウンロード放送の受信フローである。なお、受信機21とせずに、ストレージ付き受信機21Aとしたのは、後述する図15や図16に示されるように、ストレージなし受信機21Bも存在するからである。
ストレージ付き受信機21Aは、ステップS15において、放送受信処理を実行し、ステップS16において、FLUTE/IPパケット処理を実行し、ステップS17において、ストレージ処理を実行する。
放送受信処理とは、チューナにより放送波を受信して、その受信信号からTSパケットを抽出するまでの一連の処理をいう。FLUTE/IPパケット処理は、FLUTEや、UDP/IPに従い、TSパケットからコンテンツファイル等を復元する処理をいう。ストレージ処理とは、コンテンツファイル等をストレージに蓄積する処理をいう。
このように、ステップS15乃至S17の処理が実行されることで、各ダウンロード番組(DLコンテンツ31)がダウンロードされることになる。
ストレージ付き受信機21Aは、許容されている利用期間内の任意のタイミングで、ステップS18において、Demux/AVデコード処理を実行する。Demux/AVデコード処理とは、再生対象のコンテンツファイルに含まれる映像データと音声データを分離し、それぞれ所定の方式で伸長復号化処理を施し、その結果得られる映像と音声の各信号を出力するまでの一連の処理を言う。
この映像と音声の各信号がテレビジョン受像機22等に供給されることで、再生対象のダウンロード番組(DLコンテンツ31)が再生されることになる。
[ストレージ付き受信機21Aの構成例]
図3は、ストレージ付き受信機21Aの構成例を示している。
ストレージ付き受信機21Aは、チューナ部41、TSデマックス部42、DLプロセッサ43、ストレージ44、ファイルデマックス部45、ビデオデコード部46、およびオーディオデコード部47を含むように構成されている。
チューナ部41は、放送局11から衛星13を介して送出された衛星放送波を受信し、その受信信号をTSデマックス部42に供給する。TSデマックス部42は、チューナ部41の受信信号からTSパケットを抽出する。TSパケットは、DLプロセッサ43に供給される。即ち、チューナ部41とTSデマックス部42とが、図2のステップS15の放送受信処理を実行する。
なお、ストレージ付き受信機21Aは、ダウンロード放送のみならず、いわゆるリアルタイム放送にも対応している。このため、リアルタイム放送の場合には、TSパケットのうち音声パケットから音声のストリームデータが生成されて、オーディオデコード部47に供給される。また、TSパケットのうち映像パケットから映像のストリームデータが生成されて、ビデオデコード部46に供給される。
DLプロセッサ43は、FLUTEや、UDP/IPに従い、TSパケットからコンテンツファイル等を復元して、ストレージ44に蓄積する。このようにして、ストレージ44には、複数のダウンロード番組(DLコンテンツ31)がコンテンツファイルの形態で蓄積される。また、メタデータもファイルの形態で蓄積される。即ち、DLプロセッサ43が、ステップS16のFLUTE/IPパケット処理と、ステップS17のストレージ処理とを実行する。
ファイルデマックス部45は、ストレージ44に蓄積された複数のコンテンツファイルの中から再生対象のコンテンツファイルを検索し、その中に含まれる映像データと音声データとを分離して取得する。映像データはビデオデコード部46に供給され、音声データはオーディオデコード部47に供給される。
ビデオデコード部46は、映像データに対して所定の方式で伸長復号化処理を施し、その結果得られる映像の信号を出力する。オーディオデコード部47は、音声データに対して所定の方式で伸長復号化処理を施し、その結果得られる音声の信号を出力する。
即ち、ファイルデマックス部45、ビデオデコード部46、およびオーディオデコード部47が、図2のステップS18のDemux/AVデコード処理を実行する。
[ダウンロード放送の信号の説明]
図4は、ダウンロード放送の信号の構成例を示している。
図4に示されるように、ダウンロード放送の信号51は、各チャンネルごとの信号の集合体として構成される。具体的には図4の例では、ダウンロード放送の信号51は、信号DLCh#1、信号DLCh#2、および、信号MetadataChから構成される。信号DLCh#1は、チャンネル1において放送される各ダウンロード番組61が放送時間帯に従って配置されて構成される信号である。信号DLCh#2は、チャンネル2において放送される各ダウンロード番組61が放送時間帯に従って配置されて構成される信号である。信号MetadataChは、複数のメタデータ62から構成される信号である。
メタデータ62は、チャンネル1または2のダウンロード番組61に関する各種情報を含む。例えば、メタデータ62は、図5の構成を有する。
図5は、ダウンロード放送のメタデータ62の構成例を示している。
図5に示されるように、メタデータ62は、コンテンツ属性情報71とコンテンツ配信情報72とに大別される。
コンテンツ属性情報71は、主に、ユーザに提示する内容の情報を含む。例えば、コンテンツ名、コンテンツ説明、ジャンル、課金情報、ライセンス情報等が、コンテンツ属性情報71に含まれる。
コンテンツ配信情報72は、主に、コンテンツの制御情報を含む。例えば、コンテンツID、配信サービスチャンネル、配信スケジュール等が、コンテンツ配信情報72に含まれる。
コンテンツ属性情報71とコンテンツ配信情報72にはまた、コンテンツIDが含まれておいる。即ち、同一のコンテンツIDが含まれているコンテンツ属性情報71とコンテンツ配信情報72とが、そのコンテンツIDが示すDLコンテンツ31(本実施の形態では、所定の1つのダウンロード番組)のメタデータ62を構成することになる。換言すると、コンテンツ属性情報71とコンテンツ配信情報72とは、コンテンツIDで対応付けられている。
図6は、ダウンロード放送の信号の階層構造例を示している。
図6に示されるように、最下層にPhysical layerが存在し、その上層にTransport layerが存在する。Transport layerの上層には、制御信号としてのSignalling dataと、IP(multicast)が存在する。IP(multicast)の上層にはUDPが存在し、その上層にはFLUTE/ALC/LCTが存在する。そして、最上層には、メタデータ62としてのMeta dataと、ダウンロード番組61を含むコンテンツファイルとしてのContent Fileが存在する。
[ダウンロード放送における受信側の通常動作の例の説明]
次に、ダウンロード放送における受信側の動作例について説明する。
図7は、ダウンロード放送におけるストレージ付き受信機21Aの通常動作の例を示す図である。
図7のAには、横方向のフローチャートが示されており、図7のBには、放送信号のタイミングチャートが示されている。図7のBの「受信機処理」という記述の右方には、図7のAのフローチャートに示される各ステップの処理タイミングが示されている。
ステップS21において、ストレージ付き受信機21Aは、メタデータ62を受信する。なお、メタデータ62は、図4を用いて説明したように、ダウンロード放送の信号に含まれて伝送されてくる。よって、ステップS21の処理として、上述した図2のステップS15乃至S17の処理が実行されて、図3のストレージ44にメタデータ62が蓄積される。
その後、ユーザが、ダウンロード放送の今後の放送予定等を知りたい場合に、ストレージ付き受信機21Aを操作すると、ステップS22のECG(Electronics Contents Guide)(ダウンロードナビゲーション)の処理が実行される。
ECG(ダウンロードナビゲーション)の処理とは、図8の左上方に示されるように、放送局11の放送スケジュールに従って各ダウンロード放送番組の各種情報(例えば、番組名と放送開始時刻)が羅列された番組リストを、画面表示させる処理をいう。
図8は、ダウンロード放送における受信側の画面の遷移例を示している。
ユーザは、ストレージ付き受信機21Aを操作することで、この画面リストに掲載されたダウンロード番組の中からダウンロード対象を選択することができる。即ち、ストレージ付き受信機21Aは、放送局11から放送されるダウンロード番組の全てをダウンロードさせることも可能であるし、そのうちの一部のみをダウンロードさせることも可能である。
例えばここでは、ダウンロード番組61A,61Bのうち、ダウンロード番組61Aのみがダウンロード対象として選択されたとする。
この場合、ストレージ付き受信機21Aは、ダウンロード番組61Aの放送時間帯に、ステップS23において、ダウンロード番組61Aを受信して、コンテンツファイルの形態でストレージ44に蓄積させる。即ち、ステップS23の処理として、上述した図2のステップS15乃至S17の処理が実行されて、ダウンロード番組61Aのコンテンツファイル(DLコンテンツ31)がストレージ44に蓄積される。
その後、ユーザが、ダウンロード済みのダウンロード番組(DLコンテンツ31)のうち所望の番組を再生したい場合に、受信機21を操作すると、ステップS24のECG(ローカルコンテンツナビゲーション)の処理が実行される。
ECG(ローカルコンテンツナビゲーション)の処理とは、図8の右上方に示されるように、ストレージ44に蓄積された各ダウンロード放送番組の各情報(例えば、番組名)が羅列された蓄積済みコンテンツリストを、画面表示させる処理をいう。
ユーザは、ストレージ付き受信機21Aを操作することで、この蓄積済みコンテンツリストに掲載されたダウンロード番組の中から再生対象を選択することができる。例えばここでは、ダウンロード番組61Aが再生対象として選択されたとする。
この場合、ステップS25において、ストレージ付き受信機21Aは、ダウンロード番組61A(DLコンテンツ31)を再生する。即ち、ステップS25の処理として、上述した図2のステップS18の処理が実行されて、図8の右下方に示されるように、ダウンロード番組61Aが再生される。
以上、ダウンロード放送におけるストレージ付き受信機21Aの通常動作の例について説明した。
[ダウンロード放送における受信側のプログレッシブ再生動作の例の説明]
次に、ダウンロード放送におけるストレージ付き受信機21Aのプログレッシブ再生動作の例について説明する。
図9は、ダウンロード放送におけるストレージ付き受信機21Aのプログレッシブ再生動作の例を示す図である。
図9のAには、横方向のフローチャートが示されており、図9のBには、放送信号のタイミングチャートが示されている。図9のBの「受信機処理」という記述の右方には、図9のAのフローチャートに示される各ステップの処理タイミングが示されている。
ステップS41乃至S43までの一連の処理は、図7のステップS21乃至S23までの一連の処理と同様の処理であり、ここでは、それらの説明については省略する。
ステップS43の処理中、即ち、ダウンロード番組61Aのダウンロード中に、ユーザが、ストレージ付き受信機21Aを操作して、蓄積済みコンテンツリストの表示指示をしたとする。この場合、ステップS44のECG(ローカルコンテンツナビゲーション)の処理が実行され、その結果、図8の右上方に示されるような蓄積済みコンテンツリストが、画面に表示される。
ユーザは、ストレージ付き受信機21Aを操作することで、この蓄積済みコンテンツリストに掲載されたダウンロード番組の中から再生対象を選択することができる。例えばここでは、ダウンロード番組61Aが再生対象として選択されたとする。
この場合、ステップS45において、ストレージ付き受信機21Aは、ダウンロード番組61A(DLコンテンツ31)を再生する。即ち、ダウンロード番組61Aのダウンロード中に、図8の右下方に示されるように、ダウンロード番組61Aが再生される。
このようなプログレッシブ再生は、再生位置が、ダウンロード位置を追い越してしまうと、再生が破綻してしまう。従って、ダウンロード中にいつでも再生開始が可能なわけではなく、ダウンロードの速度(DLコンテンツ31の伝送レート)と再生速度(DLコンテンツ31の再生レート)の関係に応じて、途中で破綻を生じさせない再生開始可能時刻が変化する。
通信によるダウンロード配信の分野では、通常、Best Effortでダウンロードが進行する。よって、途中で破綻を生じさせないように、再生開始可能時刻を予測することは困難である。
これに対して、放送ダウンロードの分野では、放送により送信されてくるDLコンテンツ31の伝送レート(以下、放送伝送レートと称する)は固定レートか、或いは可変レートであってもレートの変更の進行度が予測可能である。このため、途中で破綻を生じさせないように、再生開始可能時刻を予測することは容易に可能である。
[放送ダウンロードにおけるプログレッシブ再生の開始時刻の説明]
以下、放送ダウンロードにおけるプログレッシブ再生の開始時刻についてさらに説明する。
放送ダウンロードでは、実再生レートより高速でダウンロードする運用と、実再生レートより低速でダウンロードする運用の両方が考えられる。なお、前者の運用の放送ダウンロード、即ち、放送伝送レートが再生レートよりも高い場合の放送ダウンロードを、以下、高速ダウンロードと称する。一方、後者の運用の放送ダウンロード、即ち、放送伝送レートが再生レートよりも低い場合の放送ダウンロードを、低速ダウンロードと称する。ただし、この段落の定義は、以下の説明を容易にするための簡易的なものであり、正式な定義は、本発明が適用されるメタデータ62の後述する説明において行うことにする。
図10は、高速ダウンロードにおけるプログレッシブ再生の開始時刻を説明する図である。
図11は、放送伝送レートが固定レートである場合の低速ダウンロードおけるプログレッシブ再生の開始時刻を説明する図である。
図12は、放送伝送レートが可変レートである場合の低速ダウンロードおけるプログレッシブ再生の開始時刻を説明する図である。
図10乃至図12において、横軸は時間を示し、縦軸はコンテンツ情報量を示している。「放送伝送」と記述されている線が、DLコンテンツ31のダウンロード量の推移を示している。「再生」と記述されている線が、DLコンテンツ31の再生量の推移を示している。なお、この段落の内容は、後述する図13にも同様にあてはまる。
各時刻において、「放送伝送」と記述されている線が、「再生」と記述されている線よりも上方に位置する間は、ダウンロード量が再生量を上回っているので、再生の破綻は生じない。これに対して、図示はされていないが、とある時刻において、「放送伝送」と記述されている線が、「再生」と記述されている線とがほぼ交わるような場合、再生の破綻が生じてしまう。ダウンロード量と同じ分、または、再生可能な状態になった部分(ダウンロード量より若干少ない部分)だけしか再生できないからである。
従って、DLコンテンツ31のダウンロードが終了するまでの全時間帯において、「放送伝送」と記述されている線が、「再生」と記述されている線よりも常に上方に位置するように、再生開始時刻が設定されなければならない。
高速ダウンロードの場合には、図10に示されるように、DLコンテンツ31のダウンロード開始直後に再生が開始されても、再生の破綻は生じない。即ち、DLコンテンツ31のダウンロードが開始されれば、その直後(最低限のキャッシュ時間後)の何れの時刻でも、再生開始時刻として設定することができる。
これに対して、低速ダウンロードの場合には、再生の破綻を生じさせないためには、図11や図12に示されるように、DLコンテンツ31のダウンロード開始時刻から一定時間Tpgだけ遅延させ後に再生を開始させる必要がある。なお、以下、かかる時間Tpgを、再生遅延時間Tpgと称する。即ち、DLコンテンツ31のダウンロードが開始から再生遅延時間Tpgだけ経過した時刻以降を、再生可能時刻として設定しなければならない。
ただし、再生遅延時間Tpgは、次のようにして容易に算出することが可能である。
即ち、放送伝送レートが固定レートである場合には、例えば次の式(1)により、再生遅延時間Tpgは算出される。
Tpg= Sc/Rb −Sc/Rp ・・・(1)
式(1)において、Scは、ダウンロード対象のDLコンテンツ31(例えば本実施の形態では1つのダウンロード番組)の情報量を示している。Rbは、固定レートである放送伝送レートを示している。Rpは、再生レートを示している。
これに対して、放送伝送レートが可変レートである場合には、例えば次の式(2)により、再生遅延時間Tpgは算出される。
Tpg= Sc1/Rb1+(Sc2-Sc1)/Rb2+(Sc3-Sc2)/Rb3+(Sc-Sc3)/Rb4−Sc/Rp ・・・(2)
式(2)において、Scは、ダウンロード対象のDLコンテンツ31(例えば本実施の形態では1つのダウンロード番組)の情報量を示している。Rpは、再生レートを示している。Rb1は、ダウンロード開始時刻t0乃至時刻t1までの放送伝送レートを示している。Sc1は、時刻t1におけるダウンロード量(コンテンツ情報量)を示している。Rb2は、時刻t1乃至時刻t2までの放送伝送レートを示している。Sc2は、時刻t2におけるダウンロード量を示している。Rb3は、時刻t2乃至時刻t3までの放送伝送レートを示している。Sc3は、時刻t3におけるダウンロード量を示している。
なお、式(2)は、放送伝送レートが3段階に変化する場合の再生遅延時間Tpgの算出式である。しかしながら、放送伝送レートが3段階以外に変化する場合にも、式(2)と同様のアルゴリズムで、再生遅延時間Tpgは算出可能である。即ち、時刻ta乃至時刻tbでの放送伝送レートをRbbと、時刻taにおけるダウンロード量をScaと、時刻tbにおけるダウンロード量をScbと記述した場合、(Scb-Sca)/Rbaの項を式(2)に加えることで、再生遅延時間Tpgは算出可能である。
上述したように、高速ダウンロードについては、ダウンロード開始直後から再生動作を開始しても、再生に破綻が生じない。
一方、低速ダウンロードについては、再生に破綻を生じさせないためには、ダウンロードが開始されてから再生遅延時間Tpgだけ経過した後に、再生動作を開始させる必要がある。また、この再生遅延時間Tpgは、放送伝送レートが固定レートの場合、受信側での算出が可能であるが、放送伝送レートが可変レートである場合、受信側の算出は困難である。
しかしながら、再生遅延時間Tpgは、放送局11等の事業者側では容易に算出が可能である。そこで、放送局11等の事業者側が、再生遅延時間Tpgを予め用意して受信側に予め提供すればよい。これにより、受信側は、ダウンロードが開始されてから再生遅延時間Tpgだけ経過した後に、再生動作を開始させることが容易にできるようになる。再生遅延時間Tpgの受信側への提供手法は、特に限定されない。例えば本実施の形態では、図16以降の図面を参照して後述するように、メタデータ62に再生遅延時間Tpgを含める手法が採用されている。
以上、放送ダウンロードにおいてプログレッシブ再生が行われる場合の運用として、低速ダウンロードと高速ダウンロードとについて説明した。
[等速ダウンロードの説明]
さらに放送ダウンロードにおいてプログレッシブ再生が行われる場合の運用として、再生レートと同レートで同期してファイル伝送する運用が考えられる。なお、かかる運用の放送ダウンロード、即ち、放送伝送レートと再生レートとが同一の場合の放送ダウンロードを、以下、等速ダウンロードと称する。
図13は、等速ダウンロードにおけるプログレッシブ再生の開始時刻を説明する図である。
等速ダウンロードの場合には、図13に示されるように、DLコンテンツ31のダウンロード開始直後に再生が開始されても、再生の破綻は生じない。即ち、DLコンテンツ31のダウンロードが開始されれば、その直後(最低限のキャッシュ時間後)の何れの時刻でも、再生開始時刻として設定することができる。
従って、等速ダウンロードを採用することで、例えば、放送局11が、DLコンテンツ31としてライブコンテンツを放送する場合、リアルタイム視聴の目的と、ダウンロード後の視聴の目的の両方の目的を兼ね合わせて放送することができる。
さらに、等速ダウンロードを採用することで、リアルタイム視聴の目的で足りる場合には、受信側の機器は、ストレージなしの機器を採用することができる。なお、以下、図1の受信機21のうちストレージなしのものを、ストレージ付き受信機21Aと区別するために、ストレージなし受信機21Bと称する。
また、等速ダウンロードを採用することで、例えば、放送局11は、DLコンテンツ31としてProprietary Contentsのライブ放送をすることができる。なお、通常のストリーミング放送ではProprietary formatのライブ配信は、法的にできない可能性がある。
さらにまた、等速ダウンロードを採用することで、Proprietary CASの放送や、Copy Never の放送が実現され得る。即ち、通常のストリーミング放送では、CAS方式はスキーム方式が制約されるため実現困難であるのに対して、放送ダウンロードでは、Proprietary CASが容易に実現され得る。また、通常のストリーミング放送では、Copy Never運用は慣習的に行われていないが、放送ダウンロードでは、自然と(結果として)Copy Neverとなる。
さらに以下、等速ダウンロードについて詳細に説明する。
[等速ダウンロードの送出フローと受信フローの説明]
図14は、等速ダウンロード放送の送出フローと受信フローを説明する図である。
DLコンテンツ31を構成する映像と音声が供給されると、放送局11は、ステップS61において、リアルタイムAVエンコード/多重化処理を実行する。リアルタイムAVエンコード/多重化処理とは、図2のAVエンコード/多重化処理と基本的に同様の処理であるが、リアルタイム放送を目的としている点が異なる処理である。
ステップS62において、放送局11は、バッファ処理をする。バッファ処理とは、ステップS61のリアルタイムAVエンコード/多重化処理により得られるデータを、必要量だけバッファリングして、後段の処理に対して順次供給していく処理をいう。
なお、リアルタイム放送を目的とするため、図14の例では、ステップS61,S62が採用されている。即ち、ダウンロード番組が予め製作されているならば、等速ダウンロードの場合であっても、図14のステップS61,62の代わりに、図2のステップS11,S12を採用することができる。
ステップS63,S64の各処理は、図2のS13,S14の各処理と基本的に同様の処理であるため、ここではその説明を省略する。
ストレージ付き受信機21Aにおける、等速ダウンロードの受信フローは、低速ダウンロード等における図2の受信フローと基本的に同様である。即ち、ストレージ付き受信機21AについてのステップS71乃至S74の各処理は、図2のS15乃至S18の各処理と基本的に同様の処理であるため、ここではその説明を省略する。
一方、ストレージなし受信機21Bにおける、等速ダウンロードの受信フローは、ステップS65乃至S68の処理からなる。
ステップS65乃至S68の処理のうち、ステップS65,S66,S68の処理は、ストレージ付き受信機21AについてのステップS71,S72,S74の処理と基本的に同様の処理であるため、ここではその説明を省略する。
ステップS65乃至S68の処理のうち、ステップS67の処理のみが、ストレージ付き受信機21Aについての処理と異なっている。即ち、ストレージなし受信機21Bにおいては、ステップS67の処理として、ストレージ処理の代わりに、バッファ処理が行われる。これにより、リアルタイム視聴が可能になる。
[ストレージなし受信機21Bの構成例]
図15は、ストレージなし受信機21Bの構成例を示している。
図15において、図3と対応する箇所には対応する符号が付してあり、これらの説明については適宜省略する。
図15の例のストレージなし受信機21Bは、図3の例のストレージ付き受信機21Aと比較して、ストレージ44の代わりにバッファ81を有している。その他のストレージなし受信機21Bの構成は、ストレージ付き受信機21Aの構成と同様とされている。
バッファ81は、図14のステップS67のバッファ処理において、DLプロセッサ43から順次供給されるデータをバッファリングして、ファイルデマックス部45に順次供給する。
[本発明が適用されるメタデータ]
以上説明したように、本実施の形態のダウンロード放送では、その運用形態として、低速ダウンロード、高速ダウンロード、および、等速ダウンロードがそれぞれ採用可能である。
そこで、例えば本実施の形態においては、ダウンロード放送のコンテンツ配信に関わるメタデータ62には、次のような情報がさらに埋め込まれている。
即ち、本実施の形態のメタデータ62には、ダウンロードレートステートが埋め込まれている。
ダウンロードレートステートとは、ダウンロード放送の運用モードとしての次の4つのモードを区別する情報をいう。なお、以下、かかる運用モードを、レート属性と称する。
1つ目のレート属性は、「低速DL」である。「低速DL」とは、上述した低速ダウンロードである。ただし、ここで、低速ダウンロードの正式な定義をする。低速ダウンロードとは、ダウンロード開始時刻からダウンロード中の任意の経過時間のコンテンツファイル(DLコンテンツ31)のダウンロード情報量が、再生開始時刻から上記の経過時間のコンテンツの再生完了情報量より少ない場合がある、というモードである。
2つ目のレート属性は、「高速DL」である。「高速DL」とは、上述した高速ダウンロードである。ただし、ここで、高速ダウンロードの正式な定義をする。高速ダウンロードとは、ダウンロード開始時刻からダウンロード中の任意の経過時間のコンテンツファイルのダウンロード情報量が、再生開始時刻から上記の経過時間のコンテンツの再生完了情報量より常に多い、というモードをいう。
3つ目のレート属性は、「等速DL」である。「等速DL」とは、ダウンロードレート(図13等でいう放送ダウンロード)と再生レートが同レートで同期がとれているモード、即ち、上述した等速ダウンロードである。
4つ目のレート属性は、「不定」である。「不定」とは、ダウンロードレート(図13等でいう放送ダウンロード)と再生レートの関係が不明の場合のモードをいう。
さらに、ダウンロードレートステートとして「低速DL」を示す情報がメタデータ62に埋め込まれている場合、さらに、再生遅延時間Tpgがメタデータ62に埋め込まれている。
なお、以下、メタデータ62に埋め込まれる情報のうち、ダウンロードレートステートと、再生遅延時間Tpgとをあわせて、プログレッシブDL情報と称する。
図16は、本発明が適用されるメタデータ62、即ち、プログレッシブDL情報が埋め込まれたメタデータ62の構成例を示している。
図16に示されるように、プログレッシブDL情報92Aは、メタデータ62のうちコンテンツ配信情報92に含まれている。
この場合のプログレッシブDL情報92Aの表記形態自体は、メタデータ62に埋め込むことが可能な形態であれば、特に限定されず、例えば図17や図18に示される表記形態を採用することもできる。
図17は、プログレッシブDL情報92AのXML(Extensible Markup Language)表記の一例を示している。
XML表記のプログレッシブDL情報92Aは、例えばNRT(Non Real Time)で行われるダウンロード放送、具体的には例えば日本国向けのダウンロード放送で採用することが可能である。この場合、NRT-ITと称されるメタデータ62に対して、XML表記のプログレッシブDL情報92Aを埋め込むことができる。
図17において、1行目の「dl_rate_state」のタグは、ダウンロードレートステートのタグである。即ち、ダウンロードレートステートが、このタグの間に表記される。例えば図17の例では、レート属性が「低速DL」であることを示す「low」が表記されている。
また、2行目の「plog_dl_time」のタグは、再生遅延時間Tpgのタグである。即ち、再生遅延時間Tpgが、このタグの間に表記される。なお、再生遅延時間Tpgの表記単位は、特に限定されないが、例えば本実施の形態では「分」が採用されている。例えば、図17の例では、再生遅延時間Tpgとして「28」が表記されている。
よって、図17の例のプログレッシブDL情報92A(メタデータ62)を取得した受信側は、レート属性が「低速DL」であり、再生遅延時間Tpgは28分であることがわかる。よって、受信側は、対象のDLコンテンツ13のダウンロード開始時刻から28分経過した後に、その再生を開始することで、破綻が生じない再生を行うことができる。
図18は、プログレッシブDL情報92Aのバイナリ表記の一例を示している。
バイナリ表記のプログレッシブDL情報92Aは、例えばアメリカ合衆国向けのダウンロード放送で採用することが可能である。この場合、MPEG(Moving Picture Experts Group)で規定されるプライベートセクション形式で構成されるメタデータ62に対して、XML表記のプログレッシブDL情報92Aを埋め込むことができる。
図18の例では、1バイトのうち、最初の2ビットに、ダウンロードレートステートが表記され、残りの6ビットに、再生遅延時間Tpgが表記されることになる。
なお、上述のプログレッシブDL情報92Aは例示に過ぎない。例えば、プログレッシブDL情報92Aに含めるダウンロードレートステートは、上述の例では4つのレート属性を区別する情報とされたが、その呼称の如く、再生レートに対するダウンロードレートの状態を示す情報であれば足り、上述の例に限定されない。例えば、上述の4つのレート属性を全て使用する必要も特に無く、任意の1以上のモードを区別する情報を、ダウンロードレートステートとして採用してもよい。
また例えば、レート属性が「低速DL」で固定されているような場合には、プログレッシブDL情報92Aには、ダウンロードレートステートを含めずに、再生遅延時間Tpgだけを含めるようにしてもよい。
このようなプログレッシブDL情報92Aを含むメタデータ62を取得した受信機21は、例えば、次のような処理を実行できる。
即ち、受信機21は、メタデータ62に記述された配信開始時刻(配信スケジュール内の情報)とプログレッシブDL情報92Aとから、各ダウンロード番組の再生開始可能時刻を算出することができる。そして、受信機21は、ECG(ローカルコンテンツナビゲーション)として、各ダウンロード番組の再生開始可能時刻を番組リストに表示させることができる。なお、図8等のように蓄積済みコンテンツリストと記述せずに、番組リストと記述したのは、ここでは、プログレッシブ再生を目的としているためである。
図19は、プログレッシブ再生を目的とする番組リストの画面表示例を示している。
図19の例の番組リストには、「コンテンツ名」と「配信開始時刻」に加えてさらに、「再生開始可能時刻」が表示されている。なお、最終行の「再生開始可能時刻」として記述されている「Before 3/1 21:50」とは、最終行に示されるコンテンツの終了時刻が3/1 21:50であり、それよりも前の適切な時刻が再生開始可能時刻であることを意味している。即ち、受信機21は、ダウンロードレートステートが「不定」である等の理由により再生遅延時間Tpgを認識できなかった場合には、「再生開始可能時刻」を特定することは困難になる。このような場合、最終行のような表示がなされるのである。
また、受信機21は、再生開始可能時刻を経過したら、ローカルナビゲーションECGとして、再生可能なコンテンツを表示して、ユーザによる再生操作を受け付ける状態とすることができる。
また、ストレージなし受信機21Bは、メタデータ62から「等速DL」であることを認識した場合、ダウンロード番組を、リアルタイム再生可能なコンテンツ(番組)として、配信開始時刻と共に表示することができる。さらに、ストレージなし受信機21Bは、配信時間中に再生操作を受け付け、ダウンロード番組を受信して、一旦キャッシュした後、直ぐに同期して再生を行うことができる。
次に、このようなプログレッシブDL情報92Aを含むメタデータ62を受信機21が受信した場合のその後一連の処理(以下、メタデータ受信処理と称する)の例について説明する。
図20は、ストレージ付き受信機21Aが実行するメタデータ受信処理の例を説明するフローチャートである。
ステップS81において、ストレージ付き受信機21Aは、1コンテンツ分のメタデータ62を受信する。
1コンテンツ分とは、例えば上述した1つのコンテンツファイルに含められるDLコンテンツ31の分、具体的には例えば、上述した例では1つのダウンロード番組分であることを意味する。
ストレージ付き受信機21Aは、1コンテンツ分のメタデータ62の内容を解析し終わると、処理をステップS82に進める。
ステップS82において、ストレージ付き受信機21Aは、レート属性は「低速DL」であるか否かを判定する。
レート属性が「低速DL」である場合、ステップS82においてYESであると判定されて、処理はステップS83に進む。
ステップS83において、ストレージ付き受信機21Aは、再生可能時刻を、配信開始時刻+PDディレイ値に設定する。これにより、処理はステップS87に進む。ただし、ステップS87以降の処理については後述する。
なお、ステップS83の処理でいう「PDディレイ値」とは、メタデータ62のプログレッシブDL情報92Aに含められている再生遅延時間Tpg以上という前提の下に設定される任意の時間を意味する。
これに対して、レート属性が「低速DL」以外である場合、ステップS82においてNOであると判定されて、処理はステップS84に進む。
ステップS84において、ストレージ付き受信機21Aは、レート属性は「不定」であるか否かを判定する。
レート属性が「低速DL」でもなく「不定」でもない場合、即ち、レート属性が「高速DL」または「等速DL」の場合、ステップS84においてNOであると判定されて、処理はステップS85に進む。
ステップS85において、ストレージ付き受信機21Aは、再生可能時刻を、配信開始時刻+固定Minディレイ値に設定する。これにより、処理はステップS87に進む。ただし、ステップS87以降の処理については後述する。
なお、ステップS85の処理でいう「固定Minディレイ値」とは、最低限のキャッシュ時間以上という前提の下に、予め設定された任意の時間を意味する。
これに対して、レート属性が「不定」である場合、ステップS84においてYESであると判定されて、処理はステップS86に進む。
ステップS86において、ストレージ付き受信機21Aは、再生可能時刻を、配信終了時刻に設定する。
このようにして、ステップS83、S85、またはS86の処理で再生可能時刻が設定されると、処理はステップS87に進む。
ステップS87において、ストレージ付き受信機21Aは、配信された最後のコンテンツのメタデータ62であるか否かを判定する。
配信された最後のコンテンツのメタデータ62でない場合、即ち、再生可能時刻が設定されていないコンテンツがまだ存在する場合、ステップS87において、NOであると判定されて、処理はステップS81に戻され、それ以降の処理が繰り返される。即ち、ステップS81乃至S87のループ処理が繰り返し実行されることで、配信された各メタデータ62のそれぞれを用いて各コンテンツの再生可能時刻が設定される。
配信された全てのメタデータ62に対応する全コンテンツの再生可能時刻が設定されると、ステップS87において、YESであると判定されて、ストレージ付き受信機21Aによるメタデータ受信処理は終了する。
次に、図21を参照して、ストレージなし受信機21Bが実行するメタデータ受信処理の例について説明する。
図21は、ストレージなし受信機21Bが実行するメタデータ受信処理の例を説明するフローチャートである。
ステップS101において、ストレージなし受信機21Bは、1コンテンツ分のメタデータ62を受信する。
ストレージなし受信機21Bは、1コンテンツ分のメタデータ62の内容を解析し終わると、処理をステップS102に進める。
ステップS102において、ストレージなし受信機21Bは、レート属性は「等速DL」であるか否かを判定する。
レート属性が「等速DL」である場合、ステップS102においてYESであると判定されて、処理はステップS103に進む。
ステップS103において、ストレージなし受信機21Bは、ステップS101の処理で受信したメタデータ62に対応するコンテンツ(ダウンロード番組)を、視聴可能番組として設定する。これにより、処理はステップS105に進む。ただし、ステップS105以降の処理については後述する。
これに対して、レート属性が「等速DL」以外である場合、ステップS102においてNOであると判定されて、処理はステップS104に進む。
ステップS104において、ストレージなし受信機21Bは、ステップS101の処理で受信したメタデータ62に対応するコンテンツ(ダウンロード番組)を、視聴不可番組として、そのコンテンツのメタデータ62を廃棄する。
このようにして、ステップS103またはS104の処理で視聴可否が判断されると、処理はステップS105に進む。
ステップS105において、ストレージなし受信機21Bは、配信された最後のコンテンツのメタデータ62であるか否かを判定する。
配信された最後のコンテンツのメタデータ62でない場合、即ち、視聴可否が判断されていないコンテンツがまだ存在する場合、ステップS105において、NOであると判定されて、処理はステップS101に戻され、それ以降の処理が繰り返される。即ち、ステップS101乃至S105のループ処理が繰り返し実行されることで、各コンテンツの視聴可否が判断される。
配信された全てのメタデータ62に対応する全コンテンツの視聴可否が判断されると、ステップS105において、YESであると判定されて、ストレージなし受信機21Bによるメタデータ受信処理は終了する。
なお、メタデータ62の送信元は、以上の例では放送局11とされているが、以上の例に特に限定されず、放送局11以外の任意の装置で構わない。
[本発明のプログラムへの適用]
ところで、上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるが、ソフトウエアにより実行させることができる。
この場合、上述した放送局11や受信機21の少なくとも一部として、例えば、図22に示されるパーソナルコンピュータを採用することができる。
図22において、CPU(Central Processing Unit)101は、ROM(Read Only Memory)102に記録されているプログラムに従って各種の処理を実行する。または記憶部108からRAM(Random Access Memory)103にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM103にはまた、CPU101が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
CPU101、ROM102、およびRAM103は、バス104を介して相互に接続されている。このバス104にはまた、入出力インタフェース105も接続されている。
入出力インタフェース105には、キーボード、マウスなどよりなる入力部106、ディスプレイなどよりなる出力部107が接続されている。また、ハードディスクなどより構成される記憶部108、および、モデム、ターミナルアダプタなどより構成される通信部109が接続されている。通信部109は、インターネットを含むネットワークを介して他の装置(図示せず)との間で行う通信を制御する。
入出力インタフェース105にはまた、必要に応じてドライブ110が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア111が適宜装着される。そして、それらから読み出されたコンピュータプログラムが、必要に応じて記憶部108にインストールされる。
一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
このようなプログラムを含む記録媒体は、図22に示されるように、装置本体とは別に、ユーザにプログラムを提供するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フロッピディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disk-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disk)を含む)、光磁気ディスク(MD(Mini-Disk)を含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア(パッケージメディア)111により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される、プログラムが記録されているROM102や、記憶部108に含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムとは、複数の装置や処理部により構成される装置全体を表すものである。