JP5551819B1 - 箱外部構造、これを備えた箱組立用のブランク材及びこのブランク材を組み立てた箱 - Google Patents

箱外部構造、これを備えた箱組立用のブランク材及びこのブランク材を組み立てた箱 Download PDF

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Abstract

【課題】取っ手構造を含む箱外部構造であって、組立てた状態で積み重ねて置くことができる箱外部構造、これを備えた箱組立用のブランク材及びこのブランク材を組み立てた箱を提供すること。
【解決手段】開閉可能な一対の外蓋部8と、各外蓋部8に連なる状態で設けられた取っ手部10a及び係合舌部10bとを備えた箱外部構造である。一対の取っ手部は、前記一対の外蓋部が閉状態のときに、相互に対面接触することができる位置に配置されており、各係合舌部は、前記一対の外蓋部が閉状態のときに、相互に係合可能な位置に形成された切り込み10xを備えており、一対の切り込みを相互に係合させると、前記一対の外蓋部の閉状態が保持されるようになっている。
【選択図】図3

Description

本発明は、箱外部構造、これを備えた箱組立用のブランク材及びこのブランク材を組み立てた箱に関する。
板紙などのシート状の素材で構成された箱組立て用のブランク材や、これを組立てた箱としては、種々のものが知られている。
例えば、従来の組み立て式の箱として、図18(A)に示されるような持ちかえり用ケーキ箱がある(特許文献1参照)。
この箱は、箱組立て時に形成される把手部a2の両端に突起a1を備えていると共に、箱の側壁上端であって突起a1に隣接する位置に設けられた舌片a4を備えている。この舌片a4の中央部には縦方向に延びるスリットが形成されており、把手部a2の両端の突起a1をこのスリットに差し込むと、箱が組立て状態に固定されるようになっている。
そして、図18(B)に示されるような箱がある(特許文献2参照)。
この箱は、その天井部b2に切り込み加工がなされた構造であり、切り込みによって囲まれた部分を起立させることによって構成された把手部b1を備えた構造になっている。
また、図18(C)に示されるような箱がある(特許文献3参照)。
この箱は、側壁c5及び天井部c2に連接している把手部c1を備えている。また把手部c1は、その中央に手や指を差し入れるための切り欠き部を備えており、さらにこの箱は、この切り欠き部に引っ掛けることができる係留片c3を備えている。この係留片c3は、折り線を介して側壁係止片c4に連なっている。そして、この側壁係止片c4は、折り線c6を介して側壁c5に連なっている。
実用新案登録第3091837号公報 実開平06−072822号公報 特開2005−126089号公報
ところで、図18(A)に示される箱は、持ち帰りの途中など、箱をぶら下げた状態で不都合が生じるおそれは少ないかも知れないが、組立手状態の箱を積み重ねようにも、把手部a2や舌片a4が邪魔になり、箱を積み重ねて置くことができない。
また、図18(B)に示される箱は、天井部b2に切り込み加工を施すことで把手部b1を形成した構造であるため、天井部b2の強度が弱くなっており、把手部b1を用いて箱をぶら下げたときにたわみが生じやすく、変形しやすい。特に、収容物が重いものであると、箱が大きく変形し、箱としての機能を果たさなくなるおそれがある。また、箱をぶら下げたときに切り込み加工の端部に重力に起因する力が加わりやすい構造であるので、切り込み加工の端部に裂け目が入りやすい。さらに、この箱は、天井部b2に窓b5を有する構成である。このような窓があると異物が混入しやすい。フィルム等を用いて塞ぐことが考えられるが、箱材とは異なる材料が必要になるので、ブランク材の製造に手間がかかると共にコスト高になる。
また、図18(C)に示される箱は、いわゆるブランク材を組立てることによって形成される箱である。そして、組立て前のブランク材は、ブランク材の中心部に矩形の底部が位置するものであり、底部を中心として、底部の対角線上に位置するように、一対の係留片c3が配置されている。このようなブランク材は、複雑な構造ということができるものであり、組立て後の状態を想定しつつ組み立てることが容易でない構造ということができる。そして、このような複雑な構造のブランク材から箱を組み立てる作業や組み立てられた箱を開閉する作業もまた容易でない。
なお、把手c1が箱天面の対角線上に位置しているので、箱に収める物品の重心を箱中央位置(少なくとも、対角線上に位置する把手c1の直下位置)に位置させるように物品を配置しなければ、把手c1を利用して箱を吊り下げるように持ち上げたときに箱が傾きやすい。箱が傾いてしまうと、箱(特に一対の天井部c2,c2で構成された箱天井部)が歪み、把手c1の中央直下位置で係合された一対の係留片c3,c3がはずれやすくなる。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、組立てた状態で積み重ねて置くことができ、しかも取っ手構造を含んでいる箱外部構造を提供することを課題としており、さらには、当該箱外部構造を備えた箱組立用のブランク材及びこのブランク材を組み立てた箱を提供することを課題としている。
本出願に係る発明は、開閉可能な一対の外蓋部と、各外蓋部に連なる状態で設けられた取っ手部及び係合舌部とを備えた箱外部構造であり、一対の取っ手部は、前記一対の外蓋部が閉状態のときに、相互に対面接触することができる位置に配置されており、各係合舌部は、前記一対の外蓋部が閉状態のときに、相互に係合可能な位置に形成された切り込みを備えており、一対の切り込みを相互に係合させると、前記一対の外蓋部の閉状態が保持されるようになっており、各係合舌部は、前記切り込みを介して前記外蓋部に隣接している先部と、前記外蓋部に連通している基部とを備えており、前記先部は、前記基部に対して、当該基部及び前記外蓋部と同一平面に位置する状態になる延び位置と、前記基部とのなす角度が直角又は鋭角である曲げ位置とに折り曲げ可能であり、各係合舌部の基部は、前記先部を曲げ位置に折り曲げた状態で前記外蓋部を閉状態に位置させると、他方の係合舌部が連なっている他方の外蓋部の外面に重なるものであり、前記係合舌部の先部は、前記基部が前記他方の外蓋部の外面に重ねられた状態で前記延び位置に位置させると、前記他方の係合舌部の基部の上に重なって前記一対の切り込みが相互に係合した状態になる、ことを特徴とする箱外部構造である。
このような構成の箱外部構造であれば、組立状態の箱を積み重ねて置くことが可能であるので、高い集積度で積層できるなど取り扱い性に優れる。
そして、各取っ手部は、前記一対の切り込みが相互に係合された状態で、他方の取っ手部と対面接触して取っ手を構成する起立位置に折り曲げ可能であり、前記一対の外蓋部は、対向配置された一方の側壁部の上端に連なるものであり、対向配置された他方の側壁部の上端に連なる一対の係合フラップをさらに備えており、各係合フラップは、前記取っ手に隣接して配置されていると共に上下方向に延在するスリットを備えており、前記取っ手は、前記スリットを貫通する状態で当該スリットに挿入可能な突起を備えており、各係合フラップは、前記突起が前記スリットを貫通した状態になる係合位置と、前記突起が前記スリットから離間した状態になる係合解除位置とに折り曲げ可能である。
本出願に係る別の発明は、対向配置された一方の側壁部と、対向配置された他方の側壁部と、対向配置された一方の側壁部の上端に連なる一対の外蓋部と、各外蓋部に連なる状態で設けられた取っ手部及び係合舌部と、対向配置された他方の側壁部の上端に連なる一対の係合フラップと、を備えた箱の箱外部構造であり、前記一対の外蓋部は、開閉可能であり、各係合舌部は、前記一対の外蓋部が閉状態のときに、相互に係合可能な位置に形成された切り込みを備えており、一対の切り込みを相互に係合させると、前記一対の外蓋部の閉状態が保持されるようになっており、一対の取っ手部は、前記一対の外蓋部が閉状態のときに、相互に対面接触することができる位置に配置され、しかも前記一対の切り込みが相互に係合された状態で、他方の取っ手部と対面接触して取っ手を構成する起立位置に折り曲げ可能であり、各係合フラップは、前記取っ手に隣接して配置されていると共に上下方向に延在するスリットを備えており、前記取っ手は、前記スリットを貫通する状態で当該スリットに挿入可能な突起を備えており、各係合フラップは、前記突起が前記スリットを貫通した状態になる係合位置と、前記突起が前記スリットから離間した状態になる係合解除位置とに折り曲げ可能である、ことを特徴とする箱外部構造である。
また、前記取っ手は、前記突起が挿入された状態の前記スリットの上端を位置させることができる切り欠き部を前記突起に隣接する位置に備えている。
また、各取っ手部は、前記外蓋部に接する倒伏位置と、前記起立位置とに折り曲げ可能である。
このような箱外部構造であれば、箱の組立状態を維持しつつ、取っ手部を折り曲げることができる。これにより、箱の天井部を容易に平坦にすることができる。天井部の平坦化が可能な箱は、積み重ねて置くことが可能であるので、高い集積度で積層できるなど取り扱い性に優れる。
また、前記各取っ手部は、前記倒伏位置に折り曲げられた状態で、平面視したときの箱の輪郭からはみでない大きさである。
また、前記一対の外蓋部、取っ手部及び係合舌部は、少なくとも側壁部を備えた箱を組み立てることができるブランク材の一部を構成するものであり、前記係合舌部は、展開されたブランク材の状態で、前記取っ手部に囲まれた位置に配置されており、前記ブランク材が組み立てられて前記一対の切り込みが相互に係合され、しかも前記一対の取っ手部を起立位置に位置させて前記取っ手が構成された状態になると、当該取っ手に囲まれた通孔部が形成される。
また、前記通孔部は、相互に係合された前記一対の切り込みの上方に位置するものである。
そして、本出願に係る別の発明は、前記一対の外蓋部、取っ手部及び係合舌部は、少なくとも側壁部を備えた箱を組み立てることができるブランク材の一部を構成するものであり、前記係合舌部は、展開されたブランク材の状態で、前記取っ手部に囲まれた位置に配置されており、前記ブランク材が組み立てられて前記一対の切り込みが相互に係合され、しかも前記一対の取っ手部を起立位置に位置させて前記取っ手が構成された状態になると、当該取っ手に囲まれた中空部が形成されるようになっているブランク材である。
そして、本出願に係るさらに別の発明は、上述したブランク材を組み立てた箱である。
本出願に係る発明である箱外部構造であれば、組立状態の箱を積み重ねて置くことが可能であるので、高い集積度で積層できるなど取り扱い性に優れる。
本発明に係るブランク材の第1実施例を示す展開図である。 図1に示されるブランク材を組み立てた箱を開いて使用している状態を示す説明図である。 本発明に係るブランク材の第2実施例を示す展開図である。 図3に示されるブランク材の組立て手順を示す説明図である。 (A)から(F)は、図3に示されるブランク材の組立て状態の変形例を示す説明図であり、(G)及び(H)は、図3に示されるブランク材の運搬時の状態として好適な折り畳み状態の一例を示す説明図である。 本発明に係るブランク材の第3実施例を示す展開図である。 図6に示されるブランク材の組立て手順を示す説明図である。 図6に示されるブランク材を組み立てた箱を開いて使用する手順及び使用している状態を示す説明図である。 本発明に係るブランク材の第4実施例を示す展開図である。 図9に示されるブランク材の組立て手順を示す説明図である。 本発明に係るブランク材の第5実施例を示す展開図である。 図11に示されるブランク材の組立て手順を示す説明図である。 本発明に係るブランク材の第6実施例を示す展開図である。 本発明に係るブランク材の第7実施例を示す展開図である。 図14に示されるブランク材の組立て手順を示す説明図である。 本発明に係るブランク材の第8実施例を示す展開図である。 図16に示されるブランク材の組立て手順を示す説明図である。 (A)から(C)は、それぞれ、従来の箱の一例として、当該箱の組立状態を示す斜視図である。
1a…第1実施例のブランク材(箱組立用展開板紙)、
3…中蓋外部、4…中蓋内部、4x…分離切断部、4y…中蓋折り線、
5…第1側壁部、5x…第1側部折り線、5y…第1壁上部折り線、
6…箱底部、6x…第2底部折り線、6y…第1底部折り線、
7…第2側壁部、7g…ミシン目(分離容易化構造、分離用の切り込み)、
7x…第2壁上部折り線、7y…第2側部折り線、
8…外蓋部、8u…境界線(外蓋部8と閉じ部9の境界線)
9…閉じ部、9u…切り込み(部)、9a…一方の舌片、9b…他方の舌片、
12…折込み部、12a…第1折込み部、12b…第2折込み部、12c…中蓋構成部、
12u…折込み部折り線、12v…第3壁上部折り線、
X…第1壁上部折り線5yの延びている方向(延在方向)、Y…Xと直交する方向、
1b…第2実施例のブランク材、
2…爪部、2a…爪基部、2b…爪先部、2y…爪挿入用折り線、3y…爪部折り線、
4x…分離切断部、8x…取っ手部折り線、10…閉じ部、10a…取っ手部、10b…第1舌部、
10b1…第1舌部の基部、10b2…第1舌部の先部、10c…連通部、10h…通孔部(貫通部)、
10u…第1切断線、10v…係合用折り線、10x…切り込み、
12a1…第1折込み下部、12a2…第1折込み上部、12c…中蓋構成部、
12c1…中蓋構成基部、12c2…中蓋構成先部(先端部)、12e…段差部、12f…切り欠き、
12w…組立て用折り線、13a…隙間、
1c…第3実施例のブランク材、
4a…第2舌部(係合フラップ)、4s…取っ手係合用スリット(スリット)、
4u…中蓋内部切断線(切断線)、
10d…突起(係合突起)、10e…円弧形状部、10f…切り欠き(切り欠き部)、
1d…第4実施例のブランク材、
9a…一方の舌片(被覆部)、9b…他方の舌片、9c…膨出部(突出部)、
9s…傾斜部、9v…切り込み、9x…舌部折り線、13b…隙間、20…爪部、20a…くびれ部、
50…スリット、50a…スリット中央部、50b…スリット側部、
1e…第5実施例のブランク材、21…爪部、
1f…第6実施例のブランク材、3w…斜部、4e…段差部、13c…隙間、
1g…第7実施例のブランク材、
8e…中間段差部、8f…境界段差部、
9c…突出部、9d…突起(係合突起)、9e…凹部、9s…傾斜部、
9w…切り込み、9w1…切込み基部、9w2…切り込み本体、
22…爪部、22a…爪部本体、22b…くびれ部、22y…折り線、22s…スリット、
1h…第8実施例のブランク材、
10k…通孔部、12b1…第2折込み下部、12b2…第2折込み上部、
12g…段差部、12h…爪部、12k…傾斜縁、
13b…隙間、23…爪部、40…スリット、51…スリット。
本出願に係る発明である箱外部構造であれば、箱の組立状態を維持しつつ、取っ手部を折り曲げることができる。これにより、箱の天井部を容易に平坦にすることができる。天井部の平坦化が可能な箱は、積み重ねて置くことが可能であるので、高い集積度で積層できるなど取り扱い性に優れる。
次に、本出願に係る発明である箱外部構造を備えることができる箱組立用のブランク材の実施例について、図を用いてさらに具体的に説明する。
なお、各図にて示された符号のうち、後述の中蓋側面部3、中蓋内部4、側壁部5,7、箱底部6及び外蓋部8を示す符号については、各部分の表面(内面又は外面)に表示した。従って、図中、これらの構成部分内に示された数字3,4,5,6,7,8は模様ではなく、各部分を示す符号である。また、各図においてブランク材の外面を灰色で示した。なお、ブランク材の外面とは、後述の箱底部6についてであれば、ブランク材を箱に組立てたときに箱の外側に現れた面のことであり、内面とは、組立てた箱の内側に現れる面のことである。そして、箱底部6以外については、箱底部6の外面と同じ側の面を外面と称し、箱底部6の内面と同じ側の面を内面と称する。
また、以下の説明では、ブランク材を箱に組立てる際の折り曲げ動作について、内面同士を対面させるように折り曲げる動作を内折り(あるいは内側への折曲げ)と称し、外面同士を対面させるように折り曲げる動作を外折り(あるいは外側への折曲げ)と称することがある。
図1に示されるように、第1実施例のブランク材1aは、矩形の箱底部6と、一対の第1側壁部5,5と、一対の第2側壁部7,7と、側壁部5,7の間に位置する都合4つの折込み部12と、一対の中蓋内部4,4と、一対の中蓋外部3,3と、一対の外蓋部8,8と、一対の閉じ部9とを備えている。なお、ブランク材の素材は、箱の素材として一般的である、いわゆる厚紙であるので、ここではその説明を省略する。
箱底部6は、相対向するY方向に延びる第1底部折り線6y,6yと、相対向するX方向に延びる第2底部折り線6x,6xとに囲まれている。X方向とY方向は直交しており、第1底部折り線6yと第2底部折り線6xは同じ長さであるので、箱底部6は正方形である。各第1側壁部5は、各第1底部折り線6yを介して箱底部6に連なっている。各第2側壁部7は、各第2底部折り線6xを介して箱底部6に連なっている。各中蓋内部4は、第1壁上部折り線5yを介して第1側壁部5の外側に連なっている。各中蓋外部3は、中蓋折り線4yを介して各中蓋内部4の外側に連なっている。この中蓋外部3は、箱組立て時、中蓋内部4との協働によって、後述の中蓋構成部12cを挟む状態に折り返し可能である。
各中蓋内部4のX方向の幅寸法は、第2底部折り線6xの長さ(=箱底部6のX方向の幅寸法)の半分である。また、中蓋外部3のX方向の幅寸法は、中蓋内部4のX方向の幅寸法と一致している。この大きさであれば、箱組立て時、中蓋内部4との協働によって、後述の中蓋構成部12cを挟むことができる。
また、中蓋折り線4yは二重折り線である(図1参照)。中蓋折り線4yは、1つの折り線で構成されたものでもよいが、二重の折り線であれば、箱組立て時、後述するように、中蓋内部4と中蓋外部3との協働によって中蓋構成部12cを挟む際、中蓋内部4及び中蓋外部3全体で、中蓋構成部をしっかりと挟むことができ、その後の組立作業が容易である。また、箱の組立て完了後、箱内に残留する復元力(中蓋内部4に対して折り曲げられた中蓋外部3が元の状態に戻ろうとする力)が最小限に抑制され、組立てられた箱の形状を直方体形状に近い形状に維持することがより容易である。二重の折り線の間隔としては、例えば、本実施例のように後述の中蓋構成部12cの厚さ寸法に合わせた寸法が考えられる。
各折込み部12は、隣接する側壁部5,7の間の位置に存しており、第1側部折り線5xを介して第1側壁部5に連なり、しかも第2側部折り線7yを介して第2側壁部7に連なっている。なお、第1側部折り線5xは、第2底部折り線6xの延長線上に位置しており、第1側壁部5の幅方向(Y方向)の端部に位置している。また、第2側部折り線7yは、第1底部折り線6yの延長線上に位置しており、第2側壁部7の幅方向(X方向)の端部に位置している。そして、第1側部折り線5xと第2側部折り線7yの長さは同じである。
そして、各折込み部12は、底部6の角から外側に延びており当該折込み部12を二分する折込み部折り線12uと、当該折込み部折り線12uに隣接する第1折込み部12a及び第2折込み部12bと、前記第1壁上部折り線5yの端部から当該折り線5yの延長線上に沿ってY方向に延在する第3壁上部折り線12vと、当該第3壁上部折り線12vを介して前記第1折込み部12aのX方向外側に連なる中蓋構成部12cと、を備えている。
箱として組み立てた状態で、第1折込み部12a及び第2折込み部12bが箱外側に存在すると、倉庫やコンテナ内などに箱を並べて積み重ねたとき、これらの折込み部が邪魔になって箱相互の間に隙間が生じるが、折込み部が箱内に折込まれる構造であると、組立てられた箱を並べて積載する際、折込み部12a,12bが邪魔にならず、高い集積度で箱を積載することができる。
折込み部折り線12uは、折込み部12を第1側壁部側と第2側壁部側に二分する方向に延びている。より具体的には、折込み部折り線12uの延びる方向は、相互に直交している第1側部折り線5xと第2側部折り線7yとのなす角を二等分する方向である。つまり、折込み部折り線12uと、第1側部折り線5x又は第2側部折り線7yとのなす角は、45度である。
第1折込み部12aは、折込み部折り線12uよりも第1側壁部5側であり、より具体的には、折込み部折り線12uと第3壁上部折り線12vと第1側部折り線5xとに囲まれた範囲に存する部位である。
第2折込み部12bは、折込み部折り線12uよりも第2側壁部7側であり、より具体的には、折込み部折り線12uと第2側部折り線7yと後述の第2壁上部折り線7xの延長線とに囲まれた範囲に存する部位である。
中蓋構成部12cは、上述したように、箱組立て時に、中蓋内部4と中蓋外部3との間に挟まれるものである。また、中蓋構成部12cは、第1折込み部12aからX方向に延びた部位であり、中蓋内部4に隣接している。さらに、中蓋構成部12cは、第1壁上部折り線5yの端部(折り線5yと折り線12vとの接点)から延在方向Xに延びる分離切断部4xを介して中蓋内部4と分離されている。
なお、中蓋構成部12cのY方向の幅寸法及び第3壁上部折り線12vの長さ寸法は、中蓋内部4のX方向の高さ寸法より短い(別言すれば幅狭)である。また、本実施例の中蓋構成部12cの、第3壁上部折り線12vからの延在方向Xの長さ(以下、単に中蓋構成部の長さと称する)は、第1壁上部折り線5yの長さ(=中蓋内部のX方向の幅寸法)の半分より短い(例えば、折り線5yの長さの40%の長さ)。
各外蓋部8は、第2壁上部折り線7xを介して第2側壁部7の外側に連なっており、箱組立て時に中蓋外部3の箱外側に重ねられるようになっている。つまり、一対の外蓋部(箱外部構造の一部)8は、組立後の箱の上端開口に対して観音開き可能な状態になっており、箱の中蓋外部3に重ねられた閉位置と、中蓋外部3から離間した開位置とに開閉可能である。
各閉じ部9は、各外蓋部8の外側に連なるものであり、箱組立て時に、他方の閉じ部9に係合される。この係合によって箱の蓋閉じ状態が維持される。
なお、各外蓋部8のY方向の幅寸法は、本実施例では、第1底部折り線6yの長さ寸法の半分である。つまり、各閉じ部9は、第2壁上部折り線7xの位置からY方向外側に向けて、第1底部折り線6yの半分の長さの位置まで達した境界位置(図1のA−A線の位置)よりも外側の部分のことである。この境界位置に、X方向に延びる境界線(外蓋部8と閉じ部9の境界線)8uが位置している(図1参照)。
そして、各閉じ部9は、閉じ部9の幅方向(X方向)の中央部に形成された切り込み9uと、切り込み9uを介して分割された2つの舌片9a,9bとを備えている。
切り込み9uは、蓋閉じ状態を維持する係合部として形成されたものであり、閉じ部9の外側の端縁から箱底部6側に向けて直線状にY方向に延びている。
各舌片9a,9bは、いずれも、境界線8uを介して外蓋部8に連なっている。両舌片9a,9bはY方向寸法が同じである。また、一対の閉じ部9の切り込み部9uは、箱組立て時、相互に係合されるものである。閉じ部9同士を係合させると、箱の蓋閉じ状態が維持される。
なお、境界線8uの位置にX方向に延びる折り線を形成していてもよい。この場合、折り線は、舌片9a,9bのうちのいずれか一方と外蓋部8との境界位置だけ又は両舌片9a,9bと外蓋部8との境界位置に形成することができる。
また、ブランク材1aは、箱底部6の中心を通るY方向の中心線(及びX方向の中心線)を基準として線対称の形状である。また、ブランク材1aは、箱底部6の中心点(本実施例では矩形の箱底部6の対角線の交点)を基準として点対称の形状である。
また、第2壁上部折り線7xの位置には、外蓋部8を第2側壁部7から分離可能にする構造(分離容易化構造)が形成されている。
具体的には、第2壁上部折り線7xに沿って形成された分離用の切り込みである。分離用の切り込みとは、より具体的には、第2壁上部折り線7xに沿って形成されたミシン目構造7gやミシン目7gの端部(であると共に外蓋部の側縁部)に形成された端部切り込みのことである。これらの構造があれば、これらを利用して、容易に外蓋部8を第2壁上部折り線7xに沿って第2側壁部7から切り離すことができる。
分離用の切り込みやミシン目7gは、第2壁上部折り線7xに沿って形成されていることが好ましい。本実施例では、切り込みやミシン目7gを、第2壁上部折り線7xから離れた位置に形成した(図1参照)。このように、切り込み等を折り線からずれた位置に形成すると、例えば、ブランク材の材質が段ボール紙など厚い板紙であっても、紙厚に順応した折り曲げ状態で折り曲げることがより容易になる。また、切り込みやミシン目7g等を折り線からずれた位置に形成すると、折り線における折り曲げ角度の緩和を実現でき、折り線の位置における強度低下の抑制を実現できる。
他方、切り込みやミシン目7gを第2壁上部折り線7x上に形成してもよい。このような構成にすると、折り線における折り曲げ作業がより容易である。
従って、比較的重い物を収容する箱の場合は、切り込みやミシン目7g等を折り線の位置からずらして形成し、比較的軽い物を収容する箱の場合は、切り込みやミシン目7g等を折り線上に形成するようにすることが考えられる。
次に、このような構成のブランク材1aを箱に組立てる手順を説明する。
なお、ここで説明する手順は、組立手順の一例である。組立てられた箱の形状や構造が同じであれば、箱の組立て手順は、次に説明する手順に限られない。この点は、以降に説明する各実施例についても同様である。
まず、一対の第1側壁部5,5(図1参照)及び一対の第2側壁部7,7を内折りして箱底部6に対して起立させる(側壁起立工程)。
このとき、側壁部5,7の間の4つの折込み部12の折込み部折り線12uを箱内側に折込む。別言すれば、折込み部12の第1折込み部12aは第1側壁部5に対して内折りし、第2折込み部12bは第2側壁部7に対して内折りする。つまり、各折込み部12の第1折込み部12a及び第2折込み部12bを箱内に折り曲げつつ、4つの側壁部5,7を起立させる。そして、第1側部折り線5xと第2側部折り線7yとが接する状態にする。これにより、ブランク材1aは、箱底部と4つの側壁部に囲まれ、天井部が開放された直方体の箱内空間を有する状態になる。
次に、上方に向けた開放した開口を有する箱内空間を上側から中蓋で覆う(中蓋工程)。
具体的には、まず、一対の中蓋内部4,4を第1壁上部折り線5yの位置で内折りするように折り曲げ、一対の中蓋内部4,4によって箱内空間上部を覆う状態にする。
次に、各中蓋構成部12cを隣接する中蓋内部4の上に重ねるように折り曲げる。
次に、各中蓋外部3を、中蓋内部4の上に折り重ねた中蓋構成部12c,12cの上に重ねるように折り曲げる。これにより、中蓋の内面を構成する中蓋内部4と中蓋の外面を構成する中蓋外部3によって中蓋構成部12c,12cを挟んだ構成の中蓋によって箱内空間の上部が蓋をされた状態になる。この状態になると、中蓋構成部12cに連なる第1折込み部12aは、第2側壁部に沿った向きになるように位置決めされる。これにより、直方体形状の箱内空間が確保される。なお、箱内に収容物を収容する場合は、箱の組立てを開始した後であって、次に行う外蓋部折り曲げ工程の前までに、収容することが好ましい。
次に、中蓋外部3の上に重ねるように外蓋部8を折り曲げる(外蓋工程)。
これにより、外蓋部8によって箱内空間が上側から蓋をされる。このとき、一対の閉じ部9,9を一対の外蓋部8,8の上に重ねるように折り曲げることになるが、2つの閉じ部9,9の上下関係は問わない。
また、外蓋部8を中蓋外部3の上に重ねるように折り曲げる際、2つの閉じ部9の係合用の切り込み部9u同士を係合させる(箱閉じ工程)。
これにより、蓋閉じ状態が維持される状態になり、箱の組立てが完了する。
本実施例のブランク材1aでは、箱内側に折り曲げた第1折込み部12a及び第2折込み部12bの位置を確実に第2側壁部7に沿う向きに位置決めすることができるので、箱を組立てたとき、確実に、箱内に直方体形状の箱内空間が確保される。
また、箱中央部に位置する一箇所の係合部(一対の閉じ部9の係合用の切り込み部9u同士)を係合するだけで、箱を閉じた状態に固定することができるものであり、組立作業性に優れている。
次に、組立てられた箱を開いた状態にして利用する利用例を説明する。
なお、箱を開く手順は、基本的には、先に説明した組立て手順の逆手順であるので、ここではその詳細な説明を省略する。
本実施例のブランク材1aからなる箱では、閉じ部9の係合用の切り込み部9u同士の係合を解除して箱を開いた後、外蓋部8を第2側壁部7から切り離すことができる(図2参照)。この状態のブランク材1aは、皿状であり、皿状容器として利用するのに好適である。そして、箱を開いて外蓋部8を切り離すだけで、箱内収容物が皿形状の器に載置された状態になる。従って、箱内収容物がケーキ等の食品の場合、箱を開いて外蓋部8を切り離せば、そのまま、ケーキを移動させることなくナイフ等を用いて切り分けることができる。また、箱内収容物がショートケーキなど、切り分ける必要のないものであれば、箱を開いて外蓋部8を切り離すだけで、そのまま、皿の上に載せられたショートケーキ等の食品を即座に食べ始めることができる。
さらに、箱を開いたときに、箱の側面であった部分が皿形状の部分の一部を構成することになるので、実質的にお皿部分の面積が大きくなるという特徴がある。つまり、より大きな皿状容器が得られる。例えば、ハンバーガーなどを包装するための容器として、ハンバーガーが置かれる下側の箱と、ハンバーガーを上から覆う上側の箱とを組み合わせたものがある。このような上下の箱を組み合わせた包装容器は、食べ始める前までのハンバーガーを包装するためのものであるということができ、実際に食べ始めるときには箱としての役目を終えている。要するに、このような箱は、単に包装目的だけの箱である。この点、本実施例の包装箱は、箱としてだけでなく、食べ始めた後には、お皿としても使うことができ、しかも上述したように、お皿部分の面積が大きい皿状物になるので、テーブルを汚すことを防止でき、しかも、他のお皿や包装紙などの敷物が必要になることもないという非常に優れた特徴を有する。そして、このように、他の包装しなどが必要なければ、ごみを減らすことができたり、省エネルギーに貢献できたりするので、エコを推進する上でも好ましいというメリットがある。
次に、第2実施例のブランク材1bとして、箱外部構造を備えた箱組立用のブランク材について、図3を参照しつつ説明する。
このブランク材1bは、第1実施例のブランク材1aと共通の構成を備えている。そこで、ここでは、第1実施例のブランク材1aと異なる構成について説明し、第1実施例と共通の構成については共通の符号を用い、その詳細な説明を省略することがある。
ブランク材1bは、第1実施例のブランク材1aと比較すると、折込み部12の構成が異なっている。そして、ブランク材1bは、実施例1のブランク材1aと比較すると、箱外部構造が異なっている。具体的に説明すると、ブランク材1bの箱外部構造は、開閉可能な一対の外蓋部8と、各外蓋部8の外側に連なる閉じ部10とを備えているものであり、後述するように取っ手構造を備えているものである。また、本実施例のブランク材1bは、第1実施例のブランク材1aが備えていない爪部2を備えている。
本実施例では、折込み部12に、組立て用折り線12wが形成されている。
組立て用折り線12wは、第1壁上部折り線5yの端部から、第1側部折り線5xと第3壁上部折り線12vとの間を通る位置に形成されており、第1折込み部12aを第1側壁部5側と中蓋構成部12c側とに二分するように延びている。従って、第1折込み部12aは、折込み部折り線12uと組立て用折り線12wとの間に位置する第1折込み下部12a1と、組立て用折り線12wと第3壁上部折り線12vとの間に位置する第1折込み上部12a2と区分されている。そして、本実施例の中蓋構成部12cは、第1折込み上部12a2に連なっている。
組立て用折り線12wの延びている方向は、より具体的には、相互に直交している第1側部折り線5xと第3壁上部折り線12vとのなす角を二等分する方向である。つまり、組立て用折り線12wと、第1側部折り線5x又は第3壁上部折り線12vとのなす角は45度である。
また、組立て用折り線12wの延びている方向は、折込み部折り線12uと直交する方向であり、組立て用折り線12wは、その一端が折込み部折り線12uに達する位置まで延びている。そして、折込み部折り線12uと組立て用折り線12wとが接する位置は、折込み部折り線12uの外側の端部の位置である。
このような構成の組立て用折り線12wがあると、後述するように、箱の組立て作業がより容易になる。つまり、より容易に箱を組立てることができるようになる。
また、本実施例の折込み部12の中蓋構成部12cは、中蓋外部3に隣接する位置まで箱外側(X方向外側)に延びており、分離切断部4xを介して中蓋内部4及び中蓋外部3と分離されている。また、中蓋構成部12cは、箱外側に延びる先端側に、細幅の部分を備えている。
中蓋構成部12cの長さ(X方向の長さ)は、第1壁上部折り線5yの長さの半分以上の長さで、且つ第1壁上部折り線5yと同じ長さ以下の長さである。
中蓋構成部12cがこのような長さであると、箱組立て時、中蓋構成部12cを中蓋内部4の上に折り重ねたとき、対をなす中蓋構成部12cが相互に重なる状態になる。一対の中蓋構成部12cが重なる構造は、箱の組立作業性を向上させる構成であり、より容易に箱を組立てることができる。なお、2つの中蓋構成部12cを一つの中蓋内部4の上に重ねるように折り曲げる際、2つの中蓋構成部12cの上下関係は問わない。
また、中蓋構成部12cは、第3壁上部折り線12v に連なる中蓋構成基部12c1と、当該中蓋構成基部12c1よりも細幅の中蓋構成先細部12c2とを備えている。中蓋構成基部12c1と中蓋構成先細部12c2との境界位置であって、分離切断部4xに隣接する内側縁(中蓋内部4及び中蓋外部3に隣接するX方向に延びる側縁)の位置には段差部12eがある。そして、段差部12eより箱外側である中蓋構成先細部12c2の内側縁は、中蓋内部4や中蓋外部3から離間している。つまり、中蓋構成先細部12c2は、その内側縁に切り欠き12fを備えており、中蓋構成先細部12c2と中蓋内部4や中蓋外部3との間には隙間13aが形成されている。なお、中蓋構成基部12c1の内側縁及び中蓋構成先細部12c2の内側縁は、いずれもX方向に直線状に延びており、切り欠き12fの深さ(中蓋構成基部12c1の内側縁と中蓋構成先細部12c2の内側縁との間のY方向の段差寸法)は、一定である。
この切り欠き12fは、後述するように、箱組立て時に中蓋構成部12cを中蓋内部4の上に折り重ねたとき、第1壁上部折り線5yに隣接する位置(すなわち後述の爪部折り線3yに隣接する位置)に配置される。この切り欠き12fがあると、箱組立て時に中蓋構成部12cを中蓋内部4の上に折り重ねても、第1壁上部折り線5yに隣接する中蓋内部4の上面の一部が見える。
この状態であれば、後述するように、箱組立て時に、中蓋外部3の外側の爪部2を中蓋内部4と中蓋構成部12c,12cとの間に挿入させる作業を容易に行うことができる。つまり、上記切り欠き12fがあれば、箱組立て作業性が向上する。
各爪部2は、各中蓋外部3の外側に、爪部折り線3yを介して連なっている。そして、各爪部2は、その中央位置に、第1壁上部折り線5yの延びている方向(Y方向)に延びる爪挿入用折り線2yを備えている。つまり、各爪部2は、中蓋外部3に、爪部折り線3yを介して連なっており、中蓋外部3と爪挿入用折り線2yとの間の部分である爪基部2aと、当該爪基部2aに、爪挿入用折り線2yを介して連なる爪先部2bとを有している。
各爪部2は、後述しているように、箱組立て時、中蓋構成部12cを中蓋内部4の上に折り重ねた状態で、当該中蓋構成部12cの上に中蓋外部3を重ね合わせたときに、中蓋内部4と中蓋構成部12cの間に挿入されるものである。このような位置に爪部2を挿入すると、中蓋内部4と中蓋外部3によって中蓋構成部12cを挟んだ状態が維持されることとなり、組立てられた中蓋構造が強固な状態に保たれる。中蓋内部4と中蓋外部3で中蓋構成部12cを挟んだ状態が維持されれば、その後の箱組立て作業をより容易に行うことができる。
また、爪部2が上述したような構造であれば、折り線2yの位置で爪部2を折り曲げることができるので、爪部2をスムーズに所定位置に挿入することができる。例えば、爪部2を中蓋内部4と中蓋構成部12cの間に挿入する際、折り線2yがなければ、爪部2全体を一度に挿入しなければならず、中蓋外部3の面が爪部2の長さ分だけ起さなければ挿入できないところ、本実施例によれば、爪先部2bだけを先に挿入し、その後、爪基部2aを挿入すればよいので、爪部2を極めてスムーズに所定位置に挿入することができる。
各閉じ部10は、各外蓋部8の外側に連なるものであり、折り線8xを介して外蓋部8の外側に連なる取っ手部10aと、取っ手部10aの内側に通孔部10h(図4(E)参照)を形成するための第1切断線10uと、外蓋部8から第1切断線10u側に突出する第1舌部(係合舌部)10bと、第1舌部10bの中央に、Y方向に延びる状態で形成された係合用折り線10vとを備えている。
つまり、箱外部構造を構成する一対の外蓋部8、取っ手部10a及び第1舌部(係合舌部)10bは、箱底部6や側壁部5,7を備えた箱を組み立てることができるブランク材1bの一部を構成するものである。
一対の取っ手部10aは、箱組立て時、折り線8xの位置で折り曲げられて相互に重ね合わされるものである(図4(G)参照)。つまり、各取っ手部10aは、一対の外蓋部8が閉位置に位置する閉状態のときに、相互に対面接触することができる起立位置(図4(G)参照)と、その取っ手部10aに連なっている外蓋部8に接する倒伏位置とに折り曲げ可能な状態で形成されている。つまり、取っ手部10aの起立位置とは、他方の取っ手部と対面接触して取っ手を構成することができる位置のことであり、倒伏位置とは、外蓋部に接する位置のことである。なお、外蓋部8の閉位置とは、組立てられた箱の中蓋外部3に重ねられた閉状態のことであり、開位置とは、組み立てられた箱の中蓋外部3から離間した開状態のことである。
第1舌部(係合舌部)10bは、ブランク材1bの展開状態で、その外側が第1切断線10uに囲まれた位置に配置されている。つまり、第1舌部10bは、ブランク材1bが展開状態のとき、取っ手部10aに囲まれた位置に配置されている。したがって、後述しているように、ブランク材1bが組み立てられて一対の切り込み10xが相互に係合され、しかも一対の取っ手部10aが起立位置(図4(G)参照)に位置されて取っ手が構成された状態になると、取っ手に囲まれた通孔部10h(図4(E)参照)が形成される。
また、第1切断線10uは、その両端が折り線8xに達している。従って、取っ手部10aを折り線8xの位置で折り曲げても、第1舌部10bは折り曲がらない。
外蓋部8と閉じ部10との連接部は、より詳細には、外蓋部8と取っ手部10aの境界線8u上に位置する折り線8xと、外蓋部8と第1舌部10b(基部10b1)とをつなぐ連通部10cと、外蓋部8と第1舌部10b(先部10b2)との境界に位置する切り込み10xとを備えている。そして、折り線8x及び切り込み10xはいずれもX方向に延びており、切り込み10xは折り線8xの延長線上に位置している。さらに、一対の切り込み10xは、一対の外蓋部8が閉状態のときに、相互に係合可能な位置に形成されている。したがって、この一対の切り込み10xを相互に係合させると、一対の外蓋部8の閉状態が維持される。
また、第1舌部10bは、係合用折り線10vを境として連通部10c側である第1舌部の基部10b1と、係合用折り線10vを境として切り込み10x側である第1舌部の先部10b2とを備えている。そして、切り込み10xの先端は、係合用折り線10vの基端部に達している。したがって、第1舌部の先部10b2は、係合用折り線10vの位置で折り曲げ可能である。また、連通部10cの位置には、折り線は形成されていない。従って、折り線8xの位置で取っ手部10aを折り曲げたり、折り線10vの位置で第1舌部10bの先部10b2を折り曲げたりしても、第1舌部10bは外蓋部8に対して折り曲がらない。
なお、上述の説明から解るように、第1舌部(係合舌部)10bの先部10b2は、切り込み10xを介して外蓋部8に隣接しており、基部10b1は外蓋部8に連通しているものである。そして、先部10b2は、基部10b1に対して、基部10b1及び外蓋部8と同一平面に位置する状態になる延び位置(図4(H)参照)と、基部10b1とのなす角度が直角又は鋭角である曲げ位置(図4(F)参照)とに折り曲げ可能である。従って、各第1舌部(係合舌部)10bの先部10b2を曲げ位置に折り曲げた状態で、各外蓋部8を閉状態に位置させると、各先部10b2に連なる基部10b1は、他方の第1舌部(係合舌部)10bに連なっている他方の外蓋部8の外面に重ねられた状態になる。この状態で、曲げ位置に位置された各第1舌部(係合舌部)10bの先部10b2を延び位置に位置させると、各先部10b2は、他方の第1舌部(係合舌部)10bに連なる外蓋部8の上に重なられた状態、すなわち一対の切り込み10xが相互に係合した状態になる。
一対の閉じ部10の一対の取っ手部10aや一対の第1切断線10uの形状は、箱底部6の中心を通るY方向の中心線を基準として線対称の形状であり、箱組立て時、完全に重なる状態に重ね合わせることができる。また、一対の閉じ部10の一対の第1舌部10bの形状、一対の切り込み10xの位置及び一対の連通部10cの位置は、箱底部6の中心点(本実施例では矩形の箱底部6の対角線の交点)を基準として点対称の形状又は配置になっている。
このような構成であるので、箱組立て時、一対の取っ手部10aを重ね合わせた状態で、一方の第1舌部10bに隣接した切り込み10xを他方の第1舌部10bに隣接した連通部10cに係合させることができ、これにより一対の閉じ部10の一対の第1舌部10b同士を係合させることができる。これにより、組立てられた箱の蓋閉じ状態を容易に維持することができる。
次に、このような構成のブランク材1bを箱に組立てる手順を説明する。
第2実施例のブランク材1bの組立て手順は、第1実施例のブランク材1bの組立て手順と共通する部分がある。そこで、ここでは、第1実施例における組立て手順と異なる部分について説明し、第1実施例で説明した組立て手順と共通のところについては、その詳細な説明を省略することがある。
本実施例のブランク材1bの組立ては、第1実施例と同様、側壁起立工程、中蓋工程、外蓋工程及び箱閉じ工程を有する。ただし、本実施例では、第1実施例とは異なり、側壁起立工程の前に中蓋工程を行うのが好ましい。
中蓋工程では、まず、一対の中蓋内部4,4を第1壁上部折り線5yの位置で折り曲げる(図4(A)の上側半分を参照)。
次に、各中蓋構成部12cを隣接する中蓋内部4の上に重ねる(図4(A)の下側半分を参照)。なお、2つの中蓋構成部12cを一つの中蓋内部4の上に重ねる際、2つの中蓋構成部12cの上下関係は問わない。
本実施例のブランク材1bは組立て用折り線12wを備えているので、この組立て用折り線12wの位置で折込み部12を折り曲げることによって、側壁起立工程を行う前に、各中蓋構成部12cを隣接する中蓋内部4の上に重ねることができる。
次に、各中蓋外部3を、中蓋内部4の上に折り重ねた中蓋構成部12c,12cの上に重ねるように折り曲げる(図4(B)の上側半分を参照)。これにより、中蓋構成部12c,12cが中蓋内部4と中蓋外部3で挟まれた状態になる。
また、各中蓋外部3を折り曲げて中蓋構成部12c,12cの上に重ねる際、中蓋内部4と中蓋構成部12c,12cの間に爪部2を挿入する(図4(C)参照)。これにより、中蓋外蓋部3が中蓋内部3や中蓋構成部12cに対して位置決めされ、中蓋内部4と中蓋外部3とで中蓋構成部12cを挟んだ状態が維持される。つまり、中蓋内部4と中蓋外部3と中蓋構成部12cとで構成された中蓋の組立てが完了する。中蓋の組立てが完了すると、その後の箱組立て作業をより容易に行うことができる。
なお、箱内に収容物を収容する場合は、中蓋工程終了後に、箱内に収容物を収容するのが好ましい。
次に、側壁起立工程を行う。側壁起立工程は、基本的には第1実施例と同様である。つまり、4つの折込み部12の第1折込み部12a及び第2折込み部12bを箱内に折り曲げつつ、一対の第1側壁部5,5及び一対の第2側壁部7,7を箱底部6に対して起立させる。
ただし、本実施例の側壁起立工程では、まず、第1側壁部5及び折込み部12を起立させるように、第1底部折り線6y及び第2側部折り線7yに沿って折り曲げつつ(図4(D)参照)、中蓋工程で折り曲げた組立て用折り線12wの位置での折り曲げ状態を元に戻す。
これにより、第1折込み部12aは、全体が一枚の平板状に広がった状態になり、4つの側壁部が起立した状態になる(図4(E)参照)。これにより、第1実施例同様、中蓋構成部12cに連なる第1折込み部12aが第2側壁部7に沿った向き(箱底部6と直交する向き)になるように位置決めされる。
さらに、中蓋内部4と中蓋外部3とで中蓋構成部12cで構成された一対の中蓋が、箱底部6と4つの側壁部5,7に囲まれた箱内空間の天井部(一対の第1壁上部折り線5yと一対の第2壁上部折り線7xとで囲まれた箱内空間上端部)に位置する状態になる(図4(E)参照)。つまり、箱内空間の天井部が一対の中蓋によって覆われた直方体形状の箱内空間が確保される。
次に、外蓋工程を行う。つまり、一対の外蓋部8を中蓋外部3の上に重ねるように折り曲げる(図4(F)参照)。
そして、続けて箱閉じ工程を行う。箱閉じ工程では、外蓋部8を中蓋外部3の上に重ねるように折り曲げると同時に、各閉じ部10の各取っ手部10aを上方に起立させるように折り線8xの位置で折り曲げ(図4(F)参照)、一対の取っ手部10aを対面させるように重ね合わせる(対面接触させる)。これにより、一対の取っ手部10aが重ね合わされた取っ手が完成する。
なお、このとき、第1舌部10dは折れ曲がらないので、各取っ手部10aの内側に通孔部10hが形成される。
このとき、通孔部10hは、相互に係合される一対の切り込み10xの上方に位置する状態である(図4(G)参照)。そして、各第1舌部(係合舌部)10bは、対向する取っ手部10aの内側に形成された通孔部10h内をくぐる状態になる(図4(F)、(G)参照)。
また、箱閉じ工程では、一対の取っ手部10aを重ね合わせる際、第1舌部10bの先部10b2を係合用折り線10vの位置で第1舌部10bの基部10b1に対して折り曲げる(図4(F)、(G)参照)。つまり、先部10b2を曲げ位置に折り曲げる。そうしておくと、一対の取っ手部10aを重ね合わせたときに、各外蓋部8に連なる基部10b1が対向する外蓋部8の上側に重ねられた状態になる。その後、折り曲げられた状態の一対の先部10b2,10b2を元に戻す(延び位置の状態にする)と、一対の第1舌部10b,10b同士が相互に係合された状態になる(図4(H)参照)。別言すれば、一対の切り込み10xが相互に係合された状態になる。これにより、組立てられた箱は、蓋閉じ状態が維持された状態になり、箱の組立てが完了する。
このように、箱中央部に位置する一箇所の係合部(一対の第1舌部10b,10b同士)を係合するだけで、箱を閉じた状態に固定することができるものであり、組立作業性に優れている。また、係合箇所がこのような位置であれば、後述する箱組立て状態の変形作業(図5参照)を実現することができ、さらに、係合箇所が一箇所であれば、当該変形作業を極めて容易に行うことができるという利点がある。
ところで、本実施例のブランク材1bを用いれば、上述した箱組立て状態(図4(H)参照)のみならず、次に説明するように、箱の天井部が平坦化された状態と蓋閉じ状態(一対の切り込み10x(第1舌部10b)が相互に係合された状態)とを両立しつつ、箱を組み立てることが可能である。つまり、本実施例のブランク材1bは、箱の天井部の平坦化と蓋閉じ状態の維持(一対の切り込み10x(第1舌部10b)が相互に係合された状態)との両立が可能な箱外部構造を備えている。箱の天井部が平坦になると、箱の上に箱を積み重ねることができるので、高い集積度で箱を積載することができる。
例えば、本実施例のブランク材1bを用いて組立てた箱は、図5(A)に示される状態から図5(F)に示される状態に変形することが可能である。
変形する場合は、まず、対面接触状態に重ね合わせられた一対の取っ手部10aを傾ける(図5(B)参照)。これにより、相互に係合された第1舌部(係合舌部)10bすなわち切り込み10xの視認が容易になり、第1舌部10bに対する作業が容易になる。この状態で、係合状態の一対の第1舌部10bの先部10b2を曲げ位置に折り曲げる(図5(C)参照)ように起立させて係合状態を解除し、対面接触状態の一対の取っ手部10aを離間させる。なお、先部10b2は、起立させた状態(曲げ位置に折り曲げた状態)のままにしておく。そして、一方の取っ手部10aを含む閉じ部10の全体及びこれに連なる一方の外蓋部8(図5(C)において手前側に示された外蓋部8)を中蓋外部3の上に重ね、さらに、他方の取っ手部10aを含む閉じ部10の全体及びこれに連なる他方の外蓋部8(図5(C)において奥側に示された外蓋部8)を重ねる。
このとき、他方の外蓋部8を一方の閉じ部10bの第1舌部10bの基部10b1の下側に位置させると共に、他方の閉じ部10bの第1舌部10bの基部10b1を、一方の外蓋部8の上側に位置させる(図5(C)参照)。つまり、他方の外蓋部8を一方の閉じ部10bの第1舌部10bの基部10b1と中蓋外部3との間に挟み込むように挿入しつつ、一方の外蓋部8を他方の閉じ部10bの第1舌部10bの基部10b1と中蓋外部3との間に挟み込むように挿入する。前述したように、一対の第1舌部10bの先部10b2は、起立状態(曲げ位置の状態)であるので、このような作業を容易に行うことができる。
その後、起立状態(曲げ位置の状態)の一対の第1舌部10bの先部10b2を外蓋部8に接触させるように倒す(図5(D)及び(E)参照)。すなわち、先部10b2を延び位置に位置させる。すると、一対の第1舌部10b(切り込み10x)が相互に係合された状態になり、しかも一対の第1舌部10b及び取っ手部10aが平坦化位置に位置する状態になる(図5(F)参照)。この状態は、一対の第1舌部10bが係合状態であり、しかも箱の天井部が平坦面になっている状態である。
従って、このような変形を行うと、一対の切り込み10xすなわち第1舌部(係合舌部)10bが相互に係合された状態と箱の天井部の平坦化を両立することができる。箱の天井部が平坦になれば、箱の上に箱を積み重ねて、高い集積度で箱を積載することができる。
また、本実施例のブランク材1bを組み立てた箱(図4(H)参照)においては、一対の切り込み10xの係合状態を維持したまま、一対の取っ手部10aの対面接触状態を解除して、各取っ手部10aを外蓋部8に接触させることができる。別言すれば、この箱は、積み重ねが可能な状態(把手を必要としない場合の状態)に組み立てることができると共に、吊り下げて箱を持ち運ぶ状態(把手を必要とする場合の状態)にも組み立てることができるものであるが、このように両状態を容易に実現できるのは、把手中央部の係合部(一対の第1舌部10b,10b又は切り込み10x,10x)を一箇所係合させるだけで箱組立て状態を維持できる構造だからであるということも可能である。つまり、本実施例の係合部(一対の第1舌部10b,10b又は切り込み10x,10x)は、基本的には係合手段として機能するものであるが、取っ手部10aを取っ手として機能する状態と、取っ手として機能するのではなく箱を積載可能にする箱載置面として機能する状態(平坦な箱天井面を構成する部材として機能する状態)とに容易に変形可能な構造を実現する上で、重要な役割を果たすものである。係合箇所が一箇所である本実施例で用いられているような係合部を用いるからこそ、上述した両機能を有する取っ手(つまり、各機能を実現できる状態に容易に変形可能な構造の取っ手)を実現することができる。
このような変形を行うと、先に説明したように変形した場合と同様、箱の天井部が平坦面になり、箱の上に箱を積み重ねることができるので、高い集積度で箱を積載することができる。
このように、本実施例のブランク材を組み立てた箱においては、少なくとも、上述した2つのパターンの変形を行うことで、箱の天井を平坦化することができる。例えば、前者の方法を用いれば、箱の天井部を平坦化しつつ一対の第1舌部(係合舌部)10bすなわち切り込み10xを係合することができる。他方、後者の方法を用いれば、第1舌部(係合舌部)10bすなわち切り込み10xの係合を維持しつつ、箱の天井部を平坦にすることができる。
つまり、本実施例のブランク材の箱外部構造は、箱の天井部の平坦化と一対の第1舌部(係合舌部)10bすなわち切り込み10xの係合とを同時に実現することができるものであり、このようなことを実現するための態様を複数備えたものである。従って、状況に応じて、複数の態様を使い分けることができる。
さらに、本実施例のブランク材1bの閉じ部10(すなわち取っ手部10a)は、箱組立状態において倒伏位置に折り曲げたとき、箱の輪郭からはみ出ない大きさである(図5(B)及び(F)参照)。別言すれば、閉じ部10(すなわち取っ手部10a)は、倒伏位置に折り曲げたとき、外蓋部8からはみ出ない大きさである。従って、箱を並べて置く際、側面を密着させた状態で配置することができ、やはり高い集積度で箱を置くことができる。
また、図4(C)に示される状態の第1側壁部5、第1折込み部12a及び第2折込み部12bを、第1底部折り線6y及び第2側部折り線7yに沿って内側に折り曲げると共に、内蓋部4及び中蓋構成部12cを第1壁上部折り線5yに沿って内側又は外側に折り曲げると、箱底部6及び第2側壁部7,7の上に、第1側壁部5、折込み部12及び内蓋部4を折り重ねることができる(図5(G)参照)。そして、折り曲げた第1側壁部5及び折込み部12の上に折り重ねるように、さらに外蓋部8を折り曲げることができる(図5(H)参照)。このような折り曲げ状態は、箱として組立てられる前のブランク材1bについて、搬送性に優れる状態である。つまり、実施例2のブランク材1bは、搬送性にも優れている。この点は、各実施例のブランク材について同様である。
また、組立てられた箱を開いた状態における利用に関しては、第1実施例と同様であるので、ここではその説明を省略する(図2参照)。
次に、第3実施例のブランク材1cについて、図6を参照しつつ説明する。
第3実施例のブランク材1cは、第2実施例のブランク材1bと共通の構成を備えている。そこで、ここでは、第2実施例のブランク材1bと異なる構成について説明し、第2実施例と共通の構成については共通の符号を用い、その詳細な説明を省略することがある。
第3実施例のブランク材1cは、第2実施例のブランク材1bと比較すると、中蓋内部4及び閉じ部10の取っ手部10aの構成が異なっている。
本実施例のブランク材1cは、第2実施例同様、対向配置された第2側壁部7(一方の側壁部)の上端に連なる一対の外蓋部8を備えている上、さらに、対向配置された第1側壁部5(他方の側壁部)の上端に連なる一対の第2舌部4a(係合フラップ)を備えている。より具体的に説明すると、本実施例のブランク材1cは、中蓋内部4に、第2舌部4aを形成するための切断線4uが形成されている。つまり、第2舌部4aは、第1側壁部5の上端縁(第1壁上部折り線5y)から中蓋外部3側に突出した構成である。
また、各第2舌部4aは、第1壁上部折り線5yに対して直交する方向に延びるスリット4sを備えている。つまり、スリット4sは、円弧形状部10e(取っ手部)に隣接して配置されていると共に上下方向に延在している。また、スリット4sは、一端が第1壁上部折り線5yの中間点に位置しており、この一端から箱外側に向けてY方向に延びている。また、スリット4sの他端(外側端)は、第2舌部4aの外周縁に達していない位置である。
そして、各第2舌部4aは、後述の突起(係合突起、貫通突起)10dがスリット4sを貫通した状態になる係合位置(図8(A)参照)と、突起10dがスリット4sから離間した状態になる係合解除位置とに折り曲げ可能である。
各取っ手部10aは、箱組立時に、中蓋内部4のスリット4sが係合される係止用の突起10dを備えている。この突起10dは、取っ手部10aの箱外縁(上端縁)であって取っ手部10aの幅方向(Y方向)の両端部に形成されている。そして、各取っ手部10aが備えている突起10dは、後述するように、箱組立時、スリット4sを貫通する状態で当該スリット4sに挿入可能なものである。
なお、各取っ手部10aは、両端の突起10d,10dの間に、実質的な取っ手となる円弧形状部10eを備えている。そして、この円弧形状部10eと各突起10dとの間には、箱内側に向けて谷形状に切り込まれた切り欠き10fが形成されている。別言すれば、取っ手部10aは、突起10dが挿入された状態のスリット4sの上端を位置させることができる切り欠き10fを突起10dに隣接する位置(且つ取っ手部10aの上縁)に備えているということができる。従って、中蓋内部4のスリット4sは、この切り欠き10fに係合されるものであると考えてもよい。
次に、本実施例のブランク材1cを箱に組立てる手順を説明する。
ブランク材1cの組立て手順は、第2実施例のブランク材1bの組立て手順と共通する部分がある。そこで、ここでは、第2実施例における組立て手順と異なる部分について説明し、第2実施例で説明した組立て手順と共通のところについては、その詳細な説明を省略することがある。
ブランク材1cの組立て手順は、第2実施例と同様、中蓋工程、側壁起立工程、外蓋工程及び箱閉じ工程を有する。
中蓋工程では、まず、第2実施例と同様に、一対の中蓋内部4,4を第1壁上部折り線5yの位置で折り曲げる。ただし、本実施例では、このとき、第2舌部4aが折り曲げられていない状態である(図7(A)の上側半分を参照)。
続いて、第2実施例と同様、各中蓋構成部12cを、隣接する中蓋内部4の上に重ね(図7(A)の下側半分を参照)、さらに各中蓋外部3を中蓋構成部12c,12cの上に重ねるように折り曲げて、中蓋構成部12c,12cを中蓋内部4と中蓋外部3で挟む(図7(B)の下側半分を参照)。
この後、中蓋内部4と中蓋構成部12c,12cの間に爪部2を挿入する(図7(C)参照)。これにより、中蓋内部4、中蓋外部3及び中蓋構成部12cで構成された中蓋の組立てが完了する。
次に、側壁起立工程と外蓋工程を続けて行う。なお、両工程の手順は、第2実施例と同様であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
側壁起立工程が行われ、さらに外蓋工程が行われると、一対の外蓋部8が中蓋外部3の上に重ねるように折り曲げられた状態になる(図7(D)〜(F)参照)。
次に、箱閉じ工程を行う。箱閉じ工程では、まず、第2実施例と同様に、各外蓋部8を中蓋外部3の上に重ねるように折り曲げる(図7(G)参照)。また、このとき、一対の各閉じ部10の各取っ手部10aを上方に起立させるように折り曲げて対面させるように重ね合わせる。これにより、内部に通孔部を備える取っ手が完成する。
さらに、予め第1舌部10bの先部10b2を起立状態に折り曲げた状態で、取っ手部10aを重ね合わせる。すると、重ねあわせると同時に、一対の両第1舌部10b,10bの両基部10b1が、いずれも、対向する側の外蓋部8の上側に重ねられた状態になる。
この後、予め起立状態に折り曲げていた第1舌部10bの先部10b2を元に戻す。すると、一対の第1舌部10b,10b同士が相互に係合された状態になる。これにより、組立てられた箱の蓋閉じ状態を維持できる。
本実施例のブランク材1cの組立てでは、さらに次の作業を行う。
つまり、各中蓋内部4の第2舌部スリット(係合フラップ)4sを、各取っ手部10aの両肩の突起(係合突起)10dに係合させる(図7(H)及び図8(A)参照)。これにより、相互に重ね合わされた取っ手部10aの重ね合わせ状態がより確実に維持される状態になり、箱の組立てが完了する。また、第2舌部スリット(係合フラップ)4sに突起(係合突起)10dが係合された組立状態の箱は、より重い収容物の収納するための箱として好適である。
なお、本実施例のブランク材1cは、第2実施例のブランク材1bと同様(図5(H)参照)、搬送性に優れた状態に折り畳むことができるものであり、第1実施例のブランク材1aと同様(図2参照)、組立て後に開いた箱(図8(B)参照)を皿状の容器として利用することができる(図8(C)参照)。
次に、第4実施例のブランク材1dについて、図9を参照しつつ説明する。
ブランク材1dは、第1実施例のブランク材1aと共通の構成を備えている。そこで、ここでは、このブランク材1aと異なる構成について説明し、共通の構成については共通の符号を用い、その詳細な説明を省略することがある。
ブランク材1dは、第1実施例のブランク材1aと比較すると、閉じ部9及び折込み部12の構成が異なる。また、ブランク材1dは、第1実施例のブランク材1aが備えていないスリット50及び爪部20を備えている点で、ブランク材1aと異なる。
なお、本実施例の折込み部12及び爪部20は、第2実施例(図3参照)の折込み部12や爪部2と共通する部分が多いので、ここでは、第2実施例のブランク材1bの折込み部12や爪部2との違いを説明する。
スリット50は、中蓋の組立て(中蓋工程)の際に、爪部20が係合される部分であり、第1壁上部折り線5yの位置に形成されている。より具体的に説明すると、中蓋組立用のスリット50は、中蓋内部4内であって第1壁上部折り線5yに隣接する位置に形成されたスリット中央部50aと、スリット中央部50aの両側端部に形成されたスリット側部50bを備えている。そして、スリット中央部50aは、第1壁上部折り線5yと同じ方向(Y方向)に延びている。つまり、このスリット50は、第1壁上部折り線5yの、中蓋内部4側(箱外側)に形成されている。
爪部20の外方向(X方向)の長さ寸法は、第2実施例の爪部2の寸法より短い。また、爪部20は、X方向外側に向けて先細形状である。さらに、爪部20は、その根元部の幅方向(Y方向)の両端部に、くびれ部20aを備えている。
スリット50及び爪部20がこのような形状であると、後述の中蓋工程において爪部20をスリット50に差し込む作業を容易且つ迅速に行うことができる。また、スリット50に差し込まれた爪部20が外れにくい。
閉じ部9は、その中央部に、第1実施例の切り込み9uとは異なる形状の切り込み9vと、切り込み9vを介して分割された2つの舌片9a,9bを備えている。
一方の舌片9aは、第1実施例のものと異なり、他方の舌片9b側に向けてX方向に突出した膨出部(突出部)9cを備えている。この膨出部9cは、外縁形状が円弧形状である。つまり、蓋閉じ用に形成された切り込み9vは、Y方向内側の端部が外蓋部8との境界線8uの中央に位置しており、この位置からからY方向外側に延びるものであり、しかもその形状は円弧形状である。
他方の舌片9bのY方向の長さ寸法は、一方の舌片9aのY方向最長部分の長さ寸法より短い。そして、幅方向(X方向)に延びる他方の舌片9bの外側端縁は、幅方向内側(一方の舌片側)において、一方の舌片9aの膨出部(円弧形状の外縁の幅方向の頂点の位置)に接している。
この接触位置は、他方の舌片9bのY方向最長部分の外縁位置よりも境界線8uに近い位置である。つまり、両舌片9a,9bの接触部分のY方向外側(別言すれば、閉じ部9の外端縁の中央部)には、谷形状(V字形)の係合用の凹部が形成されている。また、両舌片9a,9bのY方向外側の端縁は、傾斜部9sを備えている。本実施例では、各舌片9a,9bの傾斜部9sは、幅方向(X方向)の外側部分になるほど高さが低くなっている。
閉じ部の形状をこのような形状にすると、一対の閉じ部をより容易、迅速且つ確実に係合させることができる。なお、ここで説明した構成以外の、第1実施例の閉じ部9と共通する構成については同一の符号を用い、その説明を省略することがある。
折込み部12は、第2実施例のものとは、中蓋構成部12cの段差部12eの位置が異なる。本実施例では、段差部12eは、箱を組立てたときに、当該段差部12eと爪20の端部が重なる位置に形成されている。そして、中蓋構成部12cと中蓋外部3及び中蓋内部4との間には、中蓋構成部12cの全長に亘る隙間13bが形成されている。
次に、このような構成のブランク材1dを箱に組立てる手順を説明する。
第4実施例のブランク材1dの組立手順は、第2及び第3実施例と同様、中蓋工程、側壁起立工程、外蓋工程及び箱閉じ工程を有する。これらのうち、側壁起立工程及び外蓋工程については、第2実施例の手順と同様の手順を用いることができる。
そこで、ここでは、本実施例の中蓋工程及び箱閉じ工程について説明し、その他の工程についてはその説明を省略する。
中蓋工程では、まず、第2実施例同様、第1壁上部折り線5yの位置で中蓋内部を箱内側に折り曲げる(図10(A)の下側半分を参照)。
次に、第2実施例同様、一対の中蓋構成部12cを組立用折り線12wの位置で、内蓋部4の上に重ねるように内側に折り曲げる(図10(A)の上側半分を参照)。
次に、第2実施例同様、中蓋折り線4yの位置で中蓋外部3を箱内側に折り曲げる(図10(B)の下側半分を参照)。これにより、折り曲げられた状態の中蓋構成部12cが中蓋内部4と中蓋外部3の間に挟まれた状態になる。
そして、爪20をスリット50に挿入する(図10(A)の上側半分を参照)。これにより、中蓋の組み付けが完了した状態になる。
この後、第2実施例同様、側壁起立工程、外蓋工程を行う。
そして、箱閉じ工程を行う。箱閉じ工程は、基本的には、第1実施例の手順と同様である。
つまり、外蓋部8を中蓋外部3の上に重ねるように折り曲げる際、一対の閉じ部9の切り込み9v同士を係合させる(箱閉じ工程)。
別言すれば、まず、舌片9b(一方の舌片)を反対側の外蓋部8と中蓋(中蓋外部3)との間に挿入して外蓋部8の箱内側に位置させる。そして、舌片9a(他方の舌片、被覆部)を反対側の外蓋部8を覆うようにして外蓋部8の箱外側に重ねた状態にすることにより、一対の閉じ部9の切り込み9v同士を係合させる。これにより、一対の閉じ部9の膨出部(突出部)同士が係合した状態になる。これにより、蓋閉じ状態が維持される状態になり、箱の組立てが完了する。
次に、第5実施例のブランク材1eについて、図11を参照しつつ説明する。
ブランク材1eは、第4実施例のブランク材1dと比較すると、爪部21の構成が異なるが、これ以外の構成は共通である。そこで、ここでは、ブランク材1dの爪部21について説明し、これ以外の構成については共通の符号を用い、その詳細な説明を省略することがある。
爪部21は、中蓋の組立て(中蓋工程)の際に、スリット50に引っ掛けられる部位であり、外方向(X方向)の長さ寸法は、第2実施例の爪部の寸法より短い。より具体的に説明すると、爪部21のX方向の長さ寸法は、ブランク材1dの紙厚の5倍以上10倍以下である。また、爪部21は括れ部を備えていない。
次に、本実施例のブランク材1dを箱に組立てる手順を説明する。
本実施例のブランク材1eの組立手順は、中蓋工程以外、第4実施例と同様の手順を用いることができる。そこで、ここでは、第4実施例と異なる中蓋工程について詳細に説明し、これ以外の工程についての説明を省略する。
中蓋工程では、まず、一対の中蓋構成部12cを第1側壁部5の内面に重ねるように、組立用折り線12wの位置で内側に折り曲げる(図12(A)の下側半分を参照)。
次に、第1壁上部折り線5yの位置で中蓋内部4を箱内側に折り曲げる(図12(B)の下側半分を参照)。これにより、折り曲げられた中蓋構成部12cの上に中蓋内部4が重なった状態になる。
そして、中蓋折り線4yの位置で中蓋外部3を箱内側に折り曲げる(図12(C)の下側半分を参照)。これにより、折り曲げられた状態の中蓋構成部12cと第1側壁部5との間に中蓋外部3が挟まれた状態になり、さらに爪21がスリット50に引っ掛けられた状態になる。つまり、中蓋の組み付けが完了した状態になる。
この後、第2実施例同様、側壁起立工程、外蓋工程及び箱閉じ工程を行うことによって箱が組立てられる。
次に、第6実施例のブランク材1fについて、図13を参照しつつ説明する。
ブランク材1fは、第5実施例のブランク材1eと比較すると、中蓋外部3と、折込み部12と、第1壁上部折り線5yに隣接して形成されているスリットの構成が異なるが、これ以外の構成は共通である。
そこで、ここでは、ブランク材1dの中蓋外部3、折込み部12及びスリット51について説明し、これら以外の構成については共通の符号を用い、その詳細な説明を省略することがある。
また、ブランク材1fの組立手順は、第5実施例のブランク材1eの手順と同様であるので、ここでは説明を省略する。
中蓋外部3は、そのX方向外側に位置する端縁に傾斜部3wを備えている。この傾斜部3wは、幅方向(Y方向)の外側部分になるほど高さが低くなっている。また、中蓋外部3は、中蓋内部4よりも、Y方向の幅寸法が幅狭であり、中蓋外部3と中蓋内部4の幅方向(Y方向)の両側の境界位置に段差部4eが形成されている。中蓋外部3がこのような形状であると、爪部21をより容易、迅速且つ確実に後述のスリット51に係合させることができる。
折込み部12の第1折込部12a及び第2折込部12bの外周縁は、その一部が、外側に向けて凸状の曲線形状(湾曲形状)である。例えば、第2折込み部12bは外周縁全体が円弧形状である。なお、第1折込み部12aの第1折込み上部12a2の外周縁のうち、中蓋構成部12cに隣接する部分は、組立用折線12wと平行に延びる傾斜部になっている。折込み部12の外周形状がこのような形状であると、箱を開いて皿状の容器として用いるとき、容器の外形がより円形に近くなり、器として使いやすい。
なお、中蓋構成部12cは、第5実施例のブランク材1eが備えている段差部12eを備えていない。また、中蓋構成部12cと中蓋内部4及び中蓋外部3との間の隙間13cは、第4実施例のブランク材1dの隙間13bと異なり、幅が一定である。
スリット51は、中蓋の組立て(中蓋工程)の際に、爪部21が係合される部分であり、第1壁上部折り線5yの位置に形成されている。より具体的に説明すると、中蓋組立用のスリット51は、第1側壁部5内であって第1壁上部折り線5yに隣接する位置に形成されたスリット中央部51aと、スリット中央部51aの両側端部に形成されたスリット側部51bを備えている。そして、スリット中央部51aは、第1壁上部折り線5yと同じ方向(Y方向)に延びている。つまり、このスリット51は、スリット50(図9参照)と異なり、第1壁上部折り線5yの、第1側壁部5側(箱内側)に形成されている。
次に、第7実施例のブランク材1gについて、図14を参照しつつ説明する。
ブランク材1gは、第6実施例のブランク材1fと比較すると、中蓋外部3、爪部22、スリット50、外蓋部8及び閉じ部9の構成が異なるが、これ以外の構成については共通である。そこで、ここでは、ブランク材1gの中蓋外部3、爪部22、スリット50、外蓋部8及び閉じ部9の構成について説明し、これらの以外の構成については共通の符号を用い、その詳細な説明を省略することがある。
中蓋外部3は、中蓋内部4よりも幅狭であり段差部4eに接している点で第6実施例の中蓋構成部3と共通であり、これ以外の構成については第5実施例の中蓋構成部3と同じである。そこで、ここでは段差部4eについては第6実施例と共通の符号を用い、これ以外の構成については第5実施例と共通の符号を用い、説明を省略することがある。
爪部22は、第4実施例の爪部20と同様、根元部の幅方向(Y方向)の両端部にくびれ部22bを備えている。また、くびれ部22bよりX方向外側の爪部本体22aは、第4実施例同様、X方向外側に向けて先細の台形である。そして、くびれ部22bと中蓋外部3との境界位置にはY方向に延びる爪部折り線3yが形成されており、くびれ部22bと爪部本体22aとの境界位置にはY方向に延びる折り線22yが形成されている。つまり、くびれ部22bは折り線3yを介して中蓋外部3に連なっており、このくびれ部22bには、折り線22yを介して爪部本体22aが連なっている。
さらに、爪部22は、その中央に、X方向に延びるスリット22sを備えている。
なお、スリット50は、第4実施例のブランク材1dのスリット50と同様であるので、ここではその詳細な説明を省略する。
外蓋部8は、両側縁に形成された中間段差部8eを備えている。
中間段差部8eは、より具体的には、箱を組立てたときに、爪部22のくびれ部22bに隣接する位置に位置するように形成されている。つまり、箱を組立てたときに、くびれ部22bの両側に位置する中間段差部8eの間にくびれ部22bが挟まれる状態になるように、各中間段差部8eの配置が定まっている。この中間段差部8eがあると、後述の閉じ工程で爪部22を閉じ部9の突起9dに引っ掛けるとき、爪部22を折り線3y,22yの位置でスムーズに折り曲げて斜め方向に向けた状態にすることができる。
閉じ部9は、その中央部に、第4実施例の切り込み9vとは異なる形状の切り込み9wと、切り込み9wを介して分割された2つの舌片9a,9bを備えている。
切り込み9Wは、Y方向内側の端部が外蓋部8との境界線8uの中央に位置しており、この位置を基端としてX方向に延びる切込み基部9w1と、この切り込み基部9w1の先端からY方向に延びる切り込み本体9w2とを備えるものである。なお、切り込み基部9w1は、より具体的には、その基端から他方の舌片9b側に延びている。つまり、一方の舌片9aは、他方の舌片9b側に向けてX方向に突出した突出部9cを備えている。
また、一方の舌片9aは、傾斜部9sと突起9dを備えている。
傾斜部9sは、舌片9aのY方向外側の端縁に形成されている。より具体的に説明すると、この傾斜部9sは、舌片9aの外端縁の幅方向(X方向)の中央寄りの端部から外側の端部になるに従って高さが低くなる傾斜である。
突起9dは、箱組立時に爪部22のスリット22sが係合される係合先であり、舌片9aの外端縁の幅方向(X方向)の外側の端部に形成されている。つまり、舌片9aの外端縁には、傾斜部9sと突起9dの間の位置に、谷形状(V字形)の係合用の凹部9eが形成されている。この凹部9eにスリット22sを係合すると考えてもよい。
他方の舌片9bのY方向外側の端縁は、幅方向内側(一方の舌片側)において、一方の舌片9aの突出部に接している。そして、両舌片9a,9bの接触部分のY方向外側に、谷形状(V字形)の係合用の凹部が形成されているということができる。
なお、閉じ部9のX方向の幅寸法は、第2側壁部7の幅寸法(つまり、外蓋部8の幅広部分の幅寸法)と同じである。つまり、外蓋部8と閉じ部9との境界線の両端部には境界段差部8fが形成されている。
閉じ部の形状をこのような形状にすると、一対の閉じ部をより容易、迅速且つ確実に係合させることができる。なお、ここで説明した構成以外の、第4実施例の閉じ部9と共通する構成については同一の符号を用い、その説明を省略する。
次に、このような構成のブランク材1gを箱に組立てる手順を説明する。
第7実施例のブランク材1gの組立手順は、第5実施例と同様、中蓋工程、側壁起立工程、外蓋工程及び箱閉じ工程を有する。
そこで、ここでは、第5実施例で説明した組立て手順と異なる部分を中心に、本実施例のブランク材1gの組立手順を説明する。なお、第5実施例の手順と同様の手順については、その説明を省略することがある。
中蓋工程では、まず、一対の中蓋構成部12cを第1側壁部5の内面に重ねるように、組立用折り線12wの位置で内側に折り曲げる(図15(A)の下側半分を参照)。
次に、第1壁上部折り線5yの位置で中蓋内部4を箱内側に折り曲げる(図15(A)の上側半分を参照)。これにより、折り曲げられた中蓋構成部12cの上に中蓋内部4が重なった状態になる。
そして、中蓋折り線4yの位置で中蓋外部3を箱内側に折り曲げつつ、爪部22をスリット50に差し込む(図12(B)参照)。すると、折り曲げられた状態の中蓋構成部12cと第1側壁部5との間に中蓋外部3が挟まれ、しかも爪22がスリット50から箱外側に突出した状態になる。つまり、中蓋の組み付けが完了した状態になる。
次に、第5実施例同様、側壁起立工程を行い(図15(C)から(E)参照)、続けて外蓋工程を行う。外蓋工程では、中蓋の上に重ねるように外蓋部8を折り曲げる。すると、各閉じ部9の他方の舌片9bが対向する閉じ部9に連なる外蓋部8の上に重なった状態になる。
次に、箱閉じ工程を行う。箱閉じ工程では、外蓋部8を中蓋の上に重ねるように折り曲げると同時に、各閉じ部10の一方の舌片9aを上方に起立させるように折り線8xの位置で折り曲げ(図15(D)、(E)参照)、一対の舌片9aの箱中央寄りの部分を対面させるように重ね合わせる(図15(F)参照)。
さらに、各爪部22の爪部本体22aを、舌片9aの突起9dに係合させる(図15(F)参照)。これにより、組立てられた箱の蓋閉じ状態がより確実に維持される状態になり、箱の組立てが完了する。
なお、第7実施例のブランク材1gについては、次に説明する別の箱閉じ工程を用いて箱を組立ててもよい。
別の箱閉じ工程では、爪部22を、外蓋部8の下側に入れる。つまり、爪部22を中蓋と外蓋部8との間に位置させる。なお、この作業は、中蓋工程で行ってもよい。
さらに、一対の閉じ部9を対向する外蓋部8の上に重ねるように折り曲げる。このとき、一対の閉じ部9の切り込み9w同士を係合させる。別言すれば、一方の舌片9a同士を係合させる。
このような閉じ工程を用いると、図15(E)に示される状態から図15(G)に示される状態に箱を組立てることができる。このように組立てると、一方の舌片9a及び爪部22が箱の外側に突出しない状態になり、箱の天井部が平坦面になるので、高い集積度で箱を積み重ねることができる。
なお、図15(F)に示される状態と図15(G)に示される状態との間で、組立て状態を変形することも可能である。
次に、第8実施例のブランク材1hについて、図16を参照しつつ説明する。
ブランク材1hは、第2実施例のブランク材1bと比較すると、中蓋外部3、爪部23、折込み部12及び閉じ部10の構成が異なっており、しかも、スリット40,51備えている点で異なっているが、これ以外の構成は共通である。そこで、ここでは、ブランク材1bと異なるこれらの構成について説明し、共通の構成については共通の符号を用い、その詳細な説明を省略することがある。
中蓋外部3は、箱外側(X方向外側)に向けて先細の形状(略三角形)であり、その先端部に爪部23が連なった構成である。つまり、中蓋外部3の高さ寸法(中蓋折り線4yから爪部折り線3yまでのX方向の長さ寸法)は中蓋内部4の高さ寸法と同じであり、爪部23は、爪部折り線3yよりも先端側に突出した三角形の部位である。なお、爪部23のX方向の長さ寸法は、特に限定されるものでないが、ブランク材1hの紙厚の5倍以上10倍以下が好ましい。また、中蓋構成部3及び爪部23の形状は、特に限定されるものではなく、例えば台形でもよい。また、爪部23の基部の幅寸法(爪部折り線3yの位置におけるY方向の寸法)は、後述のスリット51の長さ寸法以下が好ましい。
折込み部12は、第1壁上部折り線5yの端部から第2壁上部折り線7xの端部に延びた直線状の組立て用折り線12wを備えている。
そして、第2折込み部12bは、第2側部折り線7yと折込み部折り線12uと組立て用折り線12wとに囲まれた第2折込み下部12b1と、組立て用折り線12wよりも外側の第2折込み上部12b2とを備えている。なお、この第2折込み上部12b2は、折込み部折り線12uを介して第1折込み上部12a2に連なっている。つまり、折込み部折り線12uは、組立て用折り線12wとの交点よりも外側に延びた状態で、折込み部12の外周縁まで達している。なお、折込み部折り線12uが達している折込み部12の外周縁(すなわち第1折込み部上部12a2及び第2折込み上部12b2の外周縁)は、外側に膨出した膨出形状である。
中蓋構成部12cは、X方向に延びる外側縁に段差部12gを備えている。そして、中蓋構成部12cの、段差部12gよりも基部側の部分の幅寸法(Y方向寸法)は、中蓋内部4の高さ寸法よりも幅狭である。他方、段差部12gよりも外側縁の先端側には爪部12hが形勢されている。この爪部12hは、外側縁よりもY方向外側に突出しており、箱組立状態で、後述のスリット40から箱外側に突出する長さになっている。また、中蓋構成部12cは、その先端縁として、中蓋構成部12cの内側縁側から外側縁側に向けて上り勾配の傾斜縁12kを備えている。
なお、中蓋構成部12cと中蓋外部3及び中蓋内部4との間には、第4実施例同様、中蓋構成部12cの全長に亘る隙間13bが形成されている。
各閉じ部10の第1舌部10bは、第2実施例のブランク材1bが備えている係合用折り線10vを備えていない。そして、第1舌部の先部10b2は、第2実施例の先部10b2よりもX方向の長さ寸法が短い。また、第1舌部の先部10b2は、基部10b1よりもX方向の長さが短い(図16参照)。つまり、取っ手部10aの内側には、第1舌部の先部10b2のY方向に延びる先端縁と第1切断線10uとに囲まれた通孔部10kが形成されている。この通孔部10kは、ブランク材1hが組立て前の展開状態のときにも存在するものである。
そして、一対の閉じ部10の形状は、箱底部6の中心点(本実施例では矩形の箱底部6の対角線の交点)を基準として点対称の形状又は配置になっている。
スリット40は、中蓋の組立て(中蓋工程)の際に、爪部12hが係合される部分であり、中蓋折り線4yの位置に形成されている。より具体的に説明すると、中蓋組立用のスリット40は、中蓋外部3内にであって中蓋折り線4yに隣接する位置に形成されたスリット中央部40aと、スリット中央部40aの両側端部に形成されたスリット側部40bを備えている。そして、スリット中央部40aは、中蓋折り線4yと同じ方向(Y方向)に延びている。つまり、このスリット40は、中蓋折り線4yの、中蓋外部3側(箱外側)に形成されている。
スリット51は、中蓋の組立て(中蓋工程)の際に、爪部23が係合される部分であり、実施例13のスリット51(図13参照)と同様、第1壁上部折り線5yに隣接する位置に形成されたスリット中央部51aと、スリット中央部51aの両側端部に形成されたスリット側部51bで構成されている。そこで、ここではその詳細な説明を省略する。
次に、このような構成のブランク材1hを箱に組立てる手順を説明する。
本実施例のブランク材1hの組立手順は、第5実施例と同様、中蓋工程、側壁起立工程、外蓋工程及び箱閉じ工程を有する。
そこで、ここでは、第5実施例で説明した組立て手順と異なる部分を中心に、本実施例のブランク材1hの組立手順を説明する。なお、第5実施例の手順と同様の手順については、その説明を省略することがある。
中蓋工程では、一対の中蓋構成部12cを第1側壁部5の内面に重ねるように、組立用折り線12wの位置で内側に折り曲げる(図17(A)の下側半分を参照)。
次に、第1壁上部折り線5yの位置で中蓋内部4を箱内側に折り曲げる(図17(B)の下側半分を参照)。これにより、折り曲げられた中蓋構成部12cの上に中蓋内部4が重なった状態になる。
そして、中蓋折り線4yの位置で中蓋外部3を箱内側に折り曲げる(図17(C)参照)。これにより、折り曲げられた状態の中蓋構成部12cと第1側壁部5との間に中蓋外部3が挟まれた状態になり、さらに爪部23がスリット51に引っ掛けられた状態になる。つまり、中蓋の組み付けが完了した状態になる。
そして、第5実施例同様、側壁起立工程、外蓋工程を行う(図17(D)から(E)参照)。
その後、箱閉じ工程を行う。なお、箱閉じ工程は、第2実施例の箱閉じ工程と共通する部分が多いので、ここでは、第2実施例の箱閉じ工程と異なる点を中心に説明し、共通する部分については説明を省略することがある。
箱閉じ工程では、第2実施例同様、図17(F)に示されるように、外蓋部8を中蓋外部3の上に重ねるように折り曲げ、しかも各閉じ部10の各取っ手部10aを上方に起立させるように折り曲げて一対の取っ手部10aを対面させるように重ね合わせる。これにより、一対の取っ手部10aが重ね合わされた取っ手が完成する。
また、このとき、一対の第1舌部10b,10bの先部10b2,10b2同士を相互に係合させる(図17(F)参照)。これにより、組立てられた箱は、蓋閉じ状態が維持された状態になり、箱の組立てが完了する。
なお、第8実施例のブランク材1hについては、次に説明する別の外蓋工程及び箱閉じ工程を用いて箱を組立ててもよい。
別の外蓋工程では、閉じ部10の取っ手部10aを内側に折り曲げた状態で、外蓋部8を中蓋の上に重ねる(図17(G)、(H)参照)。そして、続く蓋閉じ工程で、一対の第1舌部の先部10b2,10b2同士を係合させる(図17(I)参照)。
このような閉じ工程を用いると、図17(E)に示される状態から図17(I)に示される状態に箱を組立てることができる。このように組立てると、閉じ部10が箱の外側に突出しない状態になり、箱の天井部が平坦面になるので、高い集積度で箱を積み重ねることができる。
なお、図17(F)に示される状態と図17(I)に示される状態との間で、組立て状態を変形することも可能である。
上述したような実施例のブランク材は、1枚の素材から構成されたものであるので、製造、取り扱い、さらには組立て作業が容易である。
また、組立前の状態のブランク材は、コンパクトに折り畳める構造であるので、携帯性や搬送性に優れる。
このように、組み立てた箱のストック状態まで考慮されており、多目的に使用でき、多機能で実用的な構成になっている。具体的に説明すると、素早く簡単に組み立てることができる。また、ケイタリング食品の電子レンジによる再加熱や箱を使った食品調理用の容器として用いることができる。箱を開けたときに、器や皿やプレートとして違和感なく用いることができる。接着剤や接着加工を用いる必要がないので、低コストで製造可能である。さらに、箱内の収容物を取り出す場合、箱の上からでも横からでも取り出すことができるという利点を持った構成である。
また、本出願に係る発明である箱組立て用のブランク材は、箱底部の周囲に切断線が接していない構成であるので、箱に組立てられた状態から開けたとき、箱底部を底とする凹形状になり、そのままお皿として利用可能である。また、箱の側壁の深さなどを調節することによって、浅めの皿や深めの皿などとして用いるようにすることができる。
このように切れ目がない構造であれば、お皿として用いるときに切れ目から液体が漏れるようなことがないので、汁物の食品の容器として好適である。つまり、収容していた汁物食品をたべるときに、容器をそのままお皿として用いることができるという利点がある。また、内面積層処理を容易に施すことができる構成であるので、内面積層処理を施して液体食品用の箱として用いることができる。
また、接着剤を用いることなく組立て可能(用いても良い)であるので、シート状の素材をカットするだけで容易にブランク材を製造することができる。つまり、最小限の製造工程でブランク材を製造することが可能である。より具体的に説明すれば、糊接着加工を施さないトムソン加工(抜き押しを同時に行う加工)を行うだけ(一つの工程を行うだけ)で製造することができるので、低コストでの加工が可能である。また、本実施例のブランク材を用いると、部分的に固定係留した構造の箱を組み立てることができる。このような箱の場合、箱を開いたときに収容物を箱の真上から、あるいは箱の四方八方どの位置からでも容易に取り出すことができるので便利である。
トムソン加工とは、紙器製造において、ワン工程で折り曲げ線の押し加工、切り欠き加工、輪郭の切断加工を同時に行う加工のことである。このように、トムソン工程において押し工程、切り工程及び切断工程を同時に行うことができるので、例えば、ブランク材の材料が表面に印刷しない(無地)の段ボールなどの素材の場合であれば、トムソン行程だけを行うことで商品製造が可能である。なお、例えば、上述した実施例のようなブランク材の素材として広く用いられている段ボール材は、波打ち紙を挟むようにボール紙が上下に挟まれた構造であり、印刷工場には、波打ち紙の片面側だけにボール紙が貼られた状態のもの(半製品)が納品される。そして、この半製品と、印刷工場で印刷されたボール紙とが張り合わせて得られた段ボールにトムソン加工を施すと、上述した実施例のようなブランク材が製造される。一方の面が印刷された面であるブランク材を組立てた箱は、パッケージとしても用いられることになる一方、収納された食品がブランク材の内面に直接触れる構造のことがある。このような状態で用いられるブランク材(パッケージ材)の場合、食品が接触してもよい素材(認可された素材)を用いる必要がある。また、内容物によっては、耐熱性など温度に関する条件が要求されることがあり、そのような場合は、耐熱性などの温度条件を満たした素材を用いる必要がある。
また、箱組みの表面凹凸がない四方形に組み立てることができるので、シュリンク処理ができ、量産性に優れる。なお、シュリンク処理(シュリンク加工)とは、箱の外周全体を覆ったフィルム等の薄手素材に熱処理を施すことで、当該薄手素材が箱外周全面に密着した包装状態にする加工のことである。このような包装を施すと、出荷後の商品内への異物混入が防止される。熱処理だけで密閉包装でき低コストである。
また、上述したようの実施例のブランク材を組み立てた箱は、ファーストフード等のテイクアウト用の取っ手付きパッケージとして好適である。
なお、本発明に係るブランク材は、上記実施例のものに限られない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変されたものは本発明の範囲に含まれる。
例えば、ブランク材の材質としては、上記実施例で用いられている厚紙の他にも、薄口段ボールなど、食品包装に使用可能な種々の素材を挙げることができる。
また、素材の表面に耐水性、耐油性又は耐熱性などの機能を付与したものを用いることができる。これらの機能を表面に施す方法としては、上記機能を付与するための材料を塗布する方法や上記機能を付与するための材料を貼り付ける方法など、種々の付与方法を挙げることができる。そして、貼り付ける方法としては、プレス加工など種々の貼り付け方法を挙げることができる。
塗布する材料としては、シーリング材、シリコン材など種々の塗布材料を挙げることができる。
また、プレス加工などの貼り付け方法によって貼り付けられる表面材料としては、シリコンフィルムなどのフィルム材やシート材など種々の貼り付け材料を挙げることができる。
フィルム材としては、植物系プラスチックのフィルム、石油系プラスチックのフィルム、植物系プラスチックのフィルムと石油系プラスチックのフィルムを積層したフィルム、植物系プラスチック素材と石油系プラスチック素材を混合したフィルムなど、種々のフィルムを挙げることができる。また、シート材としては、天然材質系のシート、植物系プラスチックのシート、植物系プラスチックの発砲シート、石油系プラスチックのシート、石油系プラスチックの発砲シート、植物系プラスチックと石油系プラスチックを混合したシート、植物系プラスチックと石油系プラスチックを混合した発砲シートなど、種々のシートを挙げることができる。
そして、これらのフィルム又はシートのうちの1つを貼り付ける構造、上述したフィルムを2つ以上積層した積層フィルムを貼り付ける構造、上述したシートを2つ以上積層した積層シートを貼り付ける構造を採用することができる。積層では、同種のフィルムやシートを積層してもよいし、異なる種類のフィルムやシートを積層してもよい。さらに、上述したフィルムのいずれか1つ又は複数と、上述したシート材のいずれか1つ又は複数を積層した積層体を貼り付ける構造を採用することができる。
上述したフィルムやシートを用いることで、耐水性及び/又は耐油性及び/又は耐熱性、加えて、電子レンジ調理対応性に優れたブランク材を実現でき、これを組み立てた食品収容箱や容器を実現することができる。電子レンジ調理対応性とは、箱に入れた状態の食品をそのまま電子レンジで温めることができる適性のことである。つまり、本実施例のブランク材を組み立てた箱は、電子レンジ食品の調理用容器箱(電子レンジ加熱用調理容器)として好適である。
つまり、天然材料系のボール紙の内面に前述の素材(すなわちフィルムやシート)を積層したものは、本出願に係る実施例のブランク材の素材として好ましい。別言すれば、上述したフィルムやシートは、薄口段ボールの内面ライナーとして用いることができるものである。より具体的に説明すれば、薄手段ボールの内面に、耐熱性、耐油性、耐水性のうちのいずれか1つ以上の性質を備えた素材(特に、天然樹脂系素材)を塗布したライナーを貼ったものである。
また、第1実施例のブランク材1aは、分離容易化のための構造(分離構造)として、端部切り込み7g及びミシン目7gを備えているが、いずれか一方だけを備えているブランク材でも良いし、両方を備えていないブランク材でもよい。ただし、この構造があれば、上述したように、外蓋部8を、容易に第2壁上部折り線7xに沿って第2側壁部7から切り離すことができ便利である。第2側壁部7から外蓋部8が切り離された状態のブランク材1aは、そのまま容器として使用する際に好適な形状である。
なお、端部切り込みは、第2壁上部折り線7xの両端部のうちの少なくも一端側に設けられていれば良い。また、ミシン目構造は、第2壁上部折り線7xの一部又は全部に形成されていれば良い。
また、分離容易化の構造を形成する位置は、第2壁上部折り線7xに沿う位置に限られるものではない。分離容易化構造を形成する位置としては、第2壁上部折り線7xに沿う位置以外に、さらに、中蓋折り線4y、第1壁上部折り線5y、第3壁上部折り線12vなどに沿う位置を挙げることができる。これの折り線4y,5y,7x,12vのうちの少なくとも一つに沿う位置に形成することが考えられる。なお、各折り線4y,5y,7x,12vに形成される分離容易化構造の態様は、第2壁上部折り線7xに沿う位置に形成する場合と同様である。すなわち、端部切り込みを形成する場合は、各折り線4y,5y,12vの両端部のうちの少なくも一端側に設けられていれば良く、またミシン目構造を形成する場合は、各折り線4y,5y,12v の一部又は全部に形成されていれば良い。
これらの分離容易化構造を利用して、中蓋折り線4yの外側の中蓋外部3を切り離したり、第1壁上部折り線5yの外側の中蓋内部4や第3壁上部折り線12vの外側の中蓋構成部12cを切り離したりすることにより、箱を開いた後のブランク材1dの形状を、容易に、皿上の容器として利用するのに適した状態にすることができる。
切込みやミシン目などの分離容易化構造については、第1実施例のブランク材に限らず、その他のブランク材にも適用可能である。
また、第1実施例の中蓋内部4のX方向の幅寸法は、上記実施例の寸法に限られず、第2底部折り線6xの長さの30%以上の長さで且つ第2底部折り線6xと同じ長さより短い長さであることが好ましい。そして、第2底部折り線6xの長さの50%より短ければ、箱を組立てるために一対の中蓋内部4,4で箱上側の開放部を覆ったときに、一対の中蓋内部4,4の先端同士の間に隙間ができる。隙間があれば、箱組立て後であっても、外蓋を開けるだけで中身を確認できるというメリットがある。また、隙間を確保しつつ組立て強度を確保するという観点では、中蓋内部4のX方向の幅寸法は、40%以上45%以下がより好ましい。また、50%より長ければ、箱組立て時に一対の中蓋内部4,4で開放部を覆うと、中蓋内部同士が重なり合い、箱上側の開放部(天井部)がしっかりと覆われることになるので、箱内に収容したものをより確実に保護することができる。また、各中蓋内部4のX方向の幅寸法が例えば第2底部折り線6xの長さの半分(50%)であれば、箱組立て時に一対の中蓋内部4,4で箱上側の開放部(天井部)を覆うと、中蓋内部4,4の先端縁同士(つまり中蓋折り線4yの位置の端縁同士)が接する状態に組立てられ、箱内収容物を確実に保護することができ、しかも組立てられた箱の天井部の平坦性がより確保される。これにより、組立てられた箱を積載する際、より安定した状態で箱を積み重ねることができ、高い集積度で箱を積載することができる。
また、中蓋外部3は、中蓋を構成したとき、中蓋外部3と中蓋構成部12cとが少なくとも一部で重なり合う大きさであれば良い。この大きさであれば、箱を組立てるときに、中蓋外部3と中蓋内部4との協働によって中蓋構成部12cを挟むことができる。
このような構造は、第1実施例のブランク材に限らず、同様の構造の中蓋内部3や中蓋外部4を備えている他のブランク材にも適用可能である。
また、蓋を閉じるために閉じ部を係合させる構造としては、種々の構造を挙げることができる。例えば、第1実施例は、閉じ部9の切り込み9u同士を係合する構造であり、第2実施例は、閉じ部10の第1舌部10同士を係合させる構造であり、第3実施例は、閉じ部10の第1舌部10同士のみならず、スリット4sを突起10dに係合させる構造である。
これ以外にも、閉じ部9同士を重ね合わせて係合させる構造でもよい。この場合、重ね合わせた閉じ部9同士を係合方法として、種々の方法を用いることができる。例えば、接着や留め具を用いる方法でもよいし、外蓋部8や閉じ部9にスリットや突起などを形成し、これらを係合する構造でもよい。例えば接着を用いた場合、重ね合わせた一対の閉じ部のうち、下側に配置された閉じ部は外蓋部8に接着により係合されることになる。
このように、箱を閉じるための閉じ部の係合先は、相対向する第2側壁部7よりもY方向外側の部位であればよい。
また、爪部の構成としては種々の構成が考えられる。例えば、第2実施例の爪部2は、爪部挿入用折り線2yを備えているが、これを備えていないものでもよい。ただし、各爪部2が爪部挿入用折り線2yを備えているものであれば、爪部2の挿入作業が容易であり、箱の組立て容易性がより向上する。また、爪部の形状は、四角形のほか、三角形や台形などの先細形状を挙げることができる。また、中蓋外部3のX方向外側に位置する外端縁の形状としては、第4実施例や第8実施例のように、外端縁のY方向外側の端部から爪部に向けて上り勾配の傾斜形状にしてもよい。
なお、爪及びスリットを用いない構成では、ブランク材製造時にこれらを形成する必要なく、しかも組立て時にこれらを係合させる必要がないという利点がある。また、爪及びスリットを用いる構成は、中蓋組み付け状態がより安定し、分解しにくい構成であるので、中蓋工程後の各工程における組立て作業性に優れる。
折込み部12の外周縁の形状としては、種々の形状が考えられる。例えば、第1折込部12a及び第2折込部12bの外周縁は、その全てが外側に向けて凸状の曲線形状(湾曲形状)であってもよい。
また、第5実施例における中蓋工程は、中蓋内部4とその外側に配置された中蓋外部3で中蓋構成部12cを挟む構成になる組立手順であるが、中蓋内部4とその内側に配置された中蓋外部3で中蓋構成部12cを挟む構成になる組立手順を用いても良い。なお、後者の手順を用いて組立てる場合、スリットの位置は、5yの位置が好ましい。
また、上記実施例のブランク材から組み立てられる箱の箱内空間形状は、直方体に限られず、種々の形状を採用し得る。直方体以外の形状とは、例えば、側壁部5,7が箱底部6に対して傾斜状態(テーパ形状)の箱形状である。このような形状としては、例えば、四角錐台形状を挙げることができる。四角錐台形状には、箱底部6の面積よりも上端開口面積が大きい倒立の四角錐台形状(逆四角錐台形状)と、箱底部6の面積よりも上端開口面積が小さい正立の四角錐台形状(先細の四角錐台形状)とがある。
また、第2実施例のブランク材1b等が備えている箱外部構造は、各実施例に示されたブランク材に限られず、種々のブランク材に適用することができる。つまり、箱外部構造を構成する一対の外蓋部8、取っ手部10a及び係合舌部10bは、少なくとも側壁部5,7を備えた箱を組み立てることができるブランク材の一部を構成するものであればよい。

Claims (10)

  1. 開閉可能な一対の外蓋部と、各外蓋部に連なる状態で設けられた取っ手部及び係合舌部とを備えた箱外部構造であり、
    一対の取っ手部は、前記一対の外蓋部が閉状態のときに、相互に対面接触することができる位置に配置されており、
    各係合舌部は、前記一対の外蓋部が閉状態のときに、相互に係合可能な位置に形成された切り込みを備えており、
    一対の切り込みを相互に係合させると、前記一対の外蓋部の閉状態が保持されるようになっており、
    各係合舌部は、前記切り込みを介して前記外蓋部に隣接している先部と、前記外蓋部に連通している基部とを備えており、
    前記先部は、前記基部に対して、当該基部及び前記外蓋部と同一平面に位置する状態になる延び位置と、前記基部とのなす角度が直角又は鋭角である曲げ位置とに折り曲げ可能であり、
    各係合舌部の基部は、前記先部を曲げ位置に折り曲げた状態で前記外蓋部を閉状態に位置させると、他方の係合舌部が連なっている他方の外蓋部の外面に重なるものであり、
    前記係合舌部の先部は、前記基部が前記他方の外蓋部の外面に重ねられた状態で前記延び位置に位置させると、前記他方の係合舌部の基部の上に重なって前記一対の切り込みが相互に係合した状態になる、ことを特徴とする箱外部構造。
  2. 各取っ手部は、前記一対の切り込みが相互に係合された状態で、他方の取っ手部と対面接触して取っ手を構成する起立位置に折り曲げ可能であり、
    前記一対の外蓋部は、対向配置された一方の側壁部の上端に連なるものであり、
    対向配置された他方の側壁部の上端に連なる一対の係合フラップをさらに備えており、
    各係合フラップは、前記取っ手に隣接して配置されていると共に上下方向に延在するスリットを備えており、
    前記取っ手は、前記スリットを貫通する状態で当該スリットに挿入可能な突起を備えており、
    各係合フラップは、前記突起が前記スリットを貫通した状態になる係合位置と、前記突起が前記スリットから離間した状態になる係合解除位置とに折り曲げ可能である、請求項1に記載の箱外部構造。
  3. 対向配置された一方の側壁部と、対向配置された他方の側壁部と、対向配置された一方の側壁部の上端に連なる一対の外蓋部と、各外蓋部に連なる状態で設けられた取っ手部及び係合舌部と、対向配置された他方の側壁部の上端に連なる一対の係合フラップと、を備えた箱の箱外部構造であり、
    前記一対の外蓋部は、開閉可能であり、
    各係合舌部は、前記一対の外蓋部が閉状態のときに、相互に係合可能な位置に形成された切り込みを備えており、
    一対の切り込みを相互に係合させると、前記一対の外蓋部の閉状態が保持されるようになっており、
    一対の取っ手部は、前記一対の外蓋部が閉状態のときに、相互に対面接触することができる位置に配置され、しかも前記一対の切り込みが相互に係合された状態で、他方の取っ手部と対面接触して取っ手を構成する起立位置に折り曲げ可能であり、
    各係合フラップは、前記取っ手に隣接して配置されていると共に上下方向に延在するスリットを備えており、
    前記取っ手は、前記スリットを貫通する状態で当該スリットに挿入可能な突起を備えており、
    各係合フラップは、前記突起が前記スリットを貫通した状態になる係合位置と、前記突起が前記スリットから離間した状態になる係合解除位置とに折り曲げ可能である、ことを特徴とする箱外部構造。
  4. 前記取っ手は、前記突起が挿入された状態の前記スリットの上端を位置させることができる切り欠き部を前記突起に隣接する位置に備えている、請求項に記載の箱外部構造。
  5. 各取っ手部は、前記外蓋部に接する倒伏位置と、前記起立位置とに折り曲げ可能である、請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の箱外部構造。
  6. 前記各取っ手部は、前記倒伏位置に折り曲げられた状態で、平面視したときの箱の輪郭からはみでない大きさである、請求項に記載の箱外部構造。
  7. 前記一対の外蓋部、取っ手部及び係合舌部は、少なくとも側壁部を備えた箱を組み立てることができるブランク材の一部を構成するものであり、
    前記係合舌部は、展開されたブランク材の状態で、前記取っ手部に囲まれた位置に配置されており、
    前記ブランク材が組み立てられて前記一対の切り込みが相互に係合され、しかも前記一対の取っ手部を起立位置に位置させて前記取っ手が構成された状態になると、当該取っ手に囲まれた通孔部が形成される、請求項2から請求項7のいずれか一項に記載の箱外部構造。
  8. 前記通孔部は、相互に係合された前記一対の切り込みの上方に位置するものである、請求項に記載の箱外部構造。
  9. 前記一対の外蓋部、取っ手部及び係合舌部は、少なくとも側壁部を備えた箱を組み立てることができるブランク材の一部を構成するものであり、
    前記係合舌部は、展開されたブランク材の状態で、前記取っ手部に囲まれた位置に配置されており、
    前記ブランク材が組み立てられて前記一対の切り込みが相互に係合され、しかも前記一対の取っ手部を起立位置に位置させて前記取っ手が構成された状態になると、当該取っ手に囲まれた通孔部が形成されるようになっている、請求項2から請求項8のいずれか一項に記載の箱外部構造を備えた箱組立用のブランク材。
  10. 請求項9に記載のブランク材を組み立てた箱。
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