JP5548926B2 - 二酸化塩素(ClO2)を伴う組成物、系、及び/又は方法 - Google Patents

二酸化塩素(ClO2)を伴う組成物、系、及び/又は方法 Download PDF

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Description

[関連出願に対する相互参照]
本出願は2008年7月31日出願の、出願中の米国非仮特許出願第12/183,523号(代理人整理番号1099−012)に対する優先権を主張し、この全体を本明細書中に引用によって取込み、2007年8月23日出願の米国仮特許出願第60/965,870号(代理人整理番号1099−008)に対する優先権を主張する。
種々の有望、実用的、かつ有用な実施形態が、添付の例示の図面に対する以下の詳細な、特定の例示的な実施形態の記載を通じて、より容易に理解されるであろう。
図1は、例示的な方法1000の実施形態のブロック図である。 図2は、例示的な実施形態のClO2を維持する能力のグラフである。 図3は、例示的な実施形態のClO2を維持する能力のグラフである。 図4は、個別の実施例の特性を記載した表である。 図5は、例示的な方法5000の実施形態のフローチャートである。
二酸化塩素(ClO2)は優れた消毒薬であり、及び/又は、広範囲の有機体に対し有効になりうる。例えば、ClO2はウイルス及び細菌、ならびにジアルジア属の寄生原虫、クリプトスポリジウム、及び/又はアメーバ属グルーバーネグレリア、及びそれらの嚢胞の優れた制御を提供できる。
消毒に加えて、ClO2は呈色、風味及び臭気の制御、ならびに鉄及びマンガンの除去といった水処理において有益に使用できる。水処理以外にも、パルプ及び紙の漂白(最大の商業上の用途)、表面の消毒、及び果物及び野菜の衛生化/保存といった更に重要な用途がある。
ClO2は明白な問題を呈するが、大部分はそれ固有の物理的及び化学的不安定性に由来しうる。純粋形態のClO2は、標準状態下で気体化合物である。気体の場合、ClO2は化学的分解に対する感受性があり、高濃度で、かつ圧縮された場合に爆発しうる。ClO2は水中で高可溶性となりうるため、ClO2は水中に溶解されたClO2ガスの溶液として用いられうる。
しかしながら、ClO2の気体の性質はそれが揮発性であることを意味し、従って、ClO2は大気に対し密封されてない場合に、溶液から迅速に蒸発する傾向がある(物理的不安定性)。この傾向は実用的に有効なClO2溶液の濃度を限定しうる。濃溶液であれば、この迅速な蒸発によって不快で強い臭気を与えうるガス濃度のClO2が生成され、ユーザに吸入の危険を与えうる。溶液の容器の密封によって、溶液中の濃度と平衡状態にある容器の上部空間中の濃縮が迅速に得られうる。高濃度溶液は空気中の爆発限界(空気中で約10重量%と見なされる)を超える平衡状態の上部空間濃度を有する。
これら及び他の理由のために、現在まで実質的に総ての商業上の用途で、この問題を扱うために、使用の時点でClO2を生成することが求められてきた。しかしながら、現場での生成は特に、設備の操作面、ならびに危険な前駆体化学物質を処理及び保存する必要性において特に、顕著な弱点を有しうる。更なる形態の既製のClO2を有することが所望されている。
特定の例示的な実施形態によって、シクロデキストリンと合成された固形形態の二酸化塩素を含む物質の組成物が提供できる。保存時に物質の組成物中の二酸化塩素の濃度は、前記物質の組成物の初期濃度に対し、例えば少なくとも14日間、12%より大きく、及び/又は少なくとも80日間、90%より大きく維持されうる。特定の例示的な実施形態によって、シクロデキストリンと合成された二酸化塩素を含む固体組成物から、二酸化塩素を放出するステップを含む方法が提供できる。
特定の例示的な実施形態によって、ClO2をシクロデキストリンのような複合化剤と組合わせることにより形成される固体複合物、複合体を形成する方法、及び/又は実質的にClO2を即時に送達するといった、ClO2を送達する手段として複合体を用いる方法が提供できる。
ClO2は本質的に不安定であると広く考えられている。更に、ClO2は相当に広範囲の有機化合物と反応すると広く考えられており、有機化合物はグルコースを含み、グルコースの塩基はαシクロデキストリンといったシクロデキストリンのブロックを構築する。ClO2が溶液中のシクロデキストリンと反応すると仮定することは合理的である。更に、亜塩素酸塩及び/又は塩素酸塩の不純物を含む、比較的不純なClO2の系は、亜塩素酸塩/塩素酸塩の、有機化合物との反応によってシクロデキストリンを破壊するとしてもよい。
二酸化塩素はストリッピングガスとして窒素を用いて、OxyChem社の技術データシート(Technical Data Sheet)である、「Laboratory Preparations of Chlorine Dioxide Solutions − Method II:Preparation of Reagent−Grade Chlorine Dioxide Solution」に記載の方法によって生成できる。
その方法は、以下の装置及び試薬を規定する。
・1リットルの三口反応フラスコ(1)
・125mlの均圧付加漏斗(pressure equalizing addition funnel) (2)
・アダプタを有するガス導入管(3)
・ガス流出アダプタ(4)
・1リットルのガス洗浄塔(5)
・1リットルの琥珀色の試薬ボトル(6)
・アダプタを有さないガス導入管(7)
・氷浴(8)
・フレキシブルチューブ(ゴム又はタイゴン(Tygon:登録商標))
・Technical Sodium Chlorite Solution31.25(工業用亜塩素酸ナトリウム)
・36Nの濃硫酸
その方法は中でも以下の手順を規定する。
・図1に示したような発生器機構を構築。気密性機構を保証するために、標準的なテーパ状のガラス器具と、可能であればシリコングリスが用いられる。ゴム栓が代替的に許容可能である。
・反応フラスコ及びガス洗浄塔を500mlの約2.5%(重量パーセント)NaClO2溶液で充填。総ての吸入ガスが水浸されることを確認(2.5%NaClO2溶液はOxyChem社のTechnical Sodium Chlorite Solution31.25を脱イオン水と1:10で希釈することによって調製できる)
・50mlの10%(容量パーセント)硫酸溶液を調製し、この溶液を添加漏斗に配置。警告:酸を水に必ず添加すること。決して水を酸に添加してはならない。
・琥珀色の試薬ボトルを500ないし750mlの脱イオン水で充填し、氷浴中に配置。
・気流を発生機構に出す(総ての3の溶液中で通気すべきである)。そうならない場合は、機構を漏出点検。
・漏出がなければ、酸性溶液をゆっくりと添加(一度に5ないし10ml)。添加の間に5分間待機。最終添加後30分間気流を持続。
・密封した琥珀色ボトル中の二酸化塩素溶液を冷蔵庫に保存。適切に保存された溶液は一週間用いられうるが、「Standard Methods for the Examination of Water and Wastewater.,20th Ed.,APHA,Washington,D.C.,1998,pp 4−73 to 4−79」のMethod4500−ClO2のような認可可能な方法によって、使用前に毎日標準化すべきである。
我々は、例えば、約100ml/分ないし約300ml/分の速度で(この方法で発生させるように)窒素中に希釈された十分に純粋なClO2ガスを、室温又はそれ未満で、淡水の代わりにαシクロデキストリンの略飽和溶液(約11%ないし約12%w/w(重量パーセント))に通気することによって、固体沈殿物が形成されることを予期せず発見した。固体沈殿物を得るのに要求されるClO2の最小濃度は、約500ppmないし約1500ppmの範囲中のいずれかである。シクロデキストリンに対し1:1のモル比のClO2、つまり約11%のαシクロデキストリンに対し約7600ppmのClO2が、αシクロデキストリンを総て複合するのに必要であると推定される。我々は更なる量のClO2の使用が形成される沈殿の量を最大化すると考える。沈殿は、添加されるClO2の量と、系の温度とによって、ClO2の添加が完了する前に始まるようにしてもよく、あるいは、約2ないし約3日かかるようにしてもよい。
この固体物質を調製する別の方法は以下の通りである。αシクロデキストリン溶液が調製される。その溶液は実質的に飽和されていてもよい(約11%)。別個のClO2溶液は、場合によってはモルベースでαシクロデキストリン溶液よりも若干濃縮されるように、上に引用された方法によって調製してもよい。次いで2の溶液は容量ベースで約1:1に組合わされ、混合溶液を形成するよう短時間混合されうる。2の成分の濃度及び容量は、最終混合物及び/又は混合溶液中の合成濃度が複合体の沈殿を生成するのに十分である限りにおいては変更できる。混合物及び/又は混合溶液は次いで、場合によっては室温又はそれ未満で、沈殿が形成されるまで静置可能にできる。固体は濾過又はデカント等の適切な手段によって収集できる。濾液/上清は更なる沈殿の形成を促進するために冷却できる。この最適化されていない処理による一般的な収量は乾燥後、シクロデキストリンの開始量に基づき、約30ないし約40%にできる。濾液/上清は再利用されて、十分に有効にシクロデキストリンを用いることができる。
収集された沈殿は、場合によっては乾燥剤であるドライエライト(Drierite)を用いて、雰囲気圧でデシケータ等の中で乾燥できる。この条件下での最適な乾燥時間は約24時間であることが分かった。この条件下で乾燥時間が短いと、所望されない自由水を有する複合体が残りうる。この条件下で乾燥時間が長いと、わずかなClO2成分しか含まない固体が生じうる。
我々は乾燥チャンバ内の複合体の滞留時間が生じた乾燥複合体のClO2成分に異なる効果を有することを観察したため、複合体を分離及び又は乾燥する代替的な使用方法は、収量率を変え、特定の用途に好適な特定の特性(安定性、ClO2の濃度、溶解特性等)を有するClO2とシクロデキストリンとの複合体を得るために用いられうると予測される。凍結乾燥及び噴霧乾燥はこの種類の代替的な方法の例であり、沈殿した複合体を乾燥でき、及び/又は、溶液相の複合体から及び/又は組合わせた沈殿/溶液の混合物から乾燥固体として複合体を分離できる。
シクロデキストリンとの他の複合体を形成するのに用いられる方法に基づいて、いくつかの更なる方法のいずれもClO2とシクロデキストリンとの複合体を形成するのに用いられうると考えられる。スラリの複合体形成、ペースト状の複合体形成、固相捕捉、及び共溶媒系は更なる予備的な選択肢の例である。ある最適化されていない、変更されたスラリプロセスの例においては、11gの固体αシクロデキストリンが7800ppmのClO2の溶液100gに直接的に添加され、一晩混合された。シクロデキストリンの大部分は溶液に入るが、約20%の粉末は入らなかった。このことで分離時に約0.8重量パーセントのClO2を含む、ClO2を有する複合体を形成したことがその後に分かった。ある最適化されない固相捕捉プロセスの例において、ClO2はOxyChem社の技術データシートに記載の方法によって生成された。反応後のClO2は最初に、十分な量のドライエライトで充填されたクロマトグラフィカラムに通されて、ガス流を乾燥させた。この乾燥ステップ後に、2.0gの固体αシクロデキストリンがインラインに配置されて、気相中で乾燥したClO2に約5時間曝露された。αシクロデキストリンはその後除去され、約0.75重量パーセントのClO2を含む、ClO2を有する複合体を形成したことが分かった。
この沈殿はClO2/αシクロデキストリンの複合体であると見なされる。上に示した理由のため、安定した複合体がClO2とともに形成されることは驚くべきことであるが、シクロデキストリンは特定の他の分子を有する、複合体又は「包接化合物(inclusion compound)」を形成することで知られる。このような複合体はシクロデキストリン分子(ホスト(host))と「ゲスト(guest)」分子との間の、共有結合を含まない結合によって潜在的に特徴づけられる。これらの複合体はホストとゲストとの間で1:1のモル比に大抵は形成されるが、他の比率も可能である。
複合体の形成を導くプロセスに影響を与える多数の反応条件がある。これらの条件のいずれもが複合体の収量及び/又は純度を向上させるように最適化できる。この条件のいくつかは以下に述べる。
複合体形成がClO2とシクロデキストリンとの間で生じる時のpHは、生じたClO2複合体の収量及びClO2成分に影響を与えることが観察された。従って、このパラメータは生じた複合体の安定性及び/又は特性に影響を与えうる。約11%のαシクロデキストリン溶液が約9000ppmのClO2溶液とモルベースで1:1に組合わされ、pHは即時に約10%のNaOHで約3.5ないし約6.7に調整された。コントロールは同一の方法で、約11%のシクロデキストリンと約9000ppmのClO2溶液を組合わせた後にpH調整がないのと同一の方法で調整された。pH調整された調合物の生じた収量はコントロールより約60%小さく、約20重量パーセント小さいClO2成分を有した。
複合体形成がClO2とシクロデキストリンとの間で生じる温度は、生じたClO2複合体の収量及びClO2成分に影響を与えることが観察された。従って、このパラメータは生じた複合体の安定性及び/又は特性に影響を与えうる。約11%のαシクロデキストリン溶液が、2の別個のボトル中で、約7800ppmのClO2溶液とモルベースで1:1に組合わされた。その一方は約34°Fで冷蔵庫中に置かれ、他方は室温で置かれた。生じた複合体の分離及び乾燥時に、冷蔵調合物は約25重量パーセント多い複合体と、低いClO2濃度とを生成した。
ClO2とシクロデキストリンとの複合体の形成中の攪拌速度及び/又は撹拌レベルは、生じたClO2複合体の収量及びClO2成分に影響を与えることが観察された。従って、このパラメータは生じた複合体の安定性及び/又は特性に影響を与えうる。約11%のαシクロデキストリン溶液が、2の別個のボトル中で、約7800ppmのClO2溶液とモルベースで1:1に組合わされた。ボトルの一方約60rpmの磁力攪拌プレートに置かれたが、他方は配置されずに保持した。約5日後に、各々で沈殿した複合体を分離及び乾燥した。攪拌された調合物は約20%低い収量と、約10重量パーセント低いClO2濃度とを生じた。
他の成分の複合体形成混合物への添加は、生じたClO2複合体の収量及び/又はClO2成分に影響を与えることが観察された。従って、調合プロセス中の添加剤の使用は、生じた複合体の安定性及び/又は特性に影響を与え、及び/又は、特定の用途に合わせた特性を有するClO2複合体を導く。例えば、我々はポリビニルピロリドンやカルボキシメチルセルロースのような極めて低濃度の水可溶性ポリマ(約0.1w/v%(質量/容量パーセント濃度))がシクロデキストリンとClO2とのみを含むコントロール調合物で観察されるものより、それぞれ高及び低濃度のClO2を生じさせたことが分かった。しかしながら双方の場合において、収量はコントロールより約10%低かった。別の実施例においては、約0.5%の酢酸の複合体形成混合物への添加は約10%高い収量と約40%低いClO2成分とを生じることが分かった。
分離及び乾燥させた際に、生じた固体は一般的に粒状組織を有し、鮮黄色の色、及び微臭又は無臭を呈する多少の結晶が現れる。それは水中に容易に再溶解でき、生じた溶液は黄色であり、ClO2の臭気を呈し、ClO2をアッセイする。この溶液中で測定されたClO2の濃度は、総ての固体が溶解されるとすぐに、あるいはわずかに前でも最大値に達する。一般的なアッセイ方法は、ClO2の直読用に設計された分光光度計であるHach社のDR2800の内測法のうちの1つを用いる。溶液は更にSelective Micro Technologies社、又はLaMotte Company社のClO2検査片で期待される応答を生じさせる。水中にこの複合体を溶解することによって調製される溶液はN2(窒素又はNとしても既知)で完全に分散された場合、溶液は無色になり、実質的にアッセイ方法によって検出可能なClO2を含まない。分散されたClO2は、ガス流を別の水の容器に通気することによって収集できる。
乾燥させた固体複合物の1のサンプルは、水中に溶解される前に約30時間、カバーのない容器中に静置させ、乾燥後すぐに水中に溶解したサンプルよりもClO2を失わないようにした。水中に溶解される前に、約0ないし約30時間に及ぶ期間、外気に置かれた1バッチの固体複合物の4の部分は総て、ほぼ同一モル比のαシクロデキストリンに対するClO2を有するようにした。他のバッチはやや異なる比率のαシクロデキストリンに対するClO2を有するようにした。この差異はサンプルの乾燥状態の差異を単に反映しうるが、他のシクロデキストリン複合体におけるゲストに対するシクロデキストリンの比率は、複合体が形成されるプロセスの差異とともに変化しうることが知られる。しかしながら、例示的な実施形態によって調製された本発明の複合体のサンプルは、ほぼ1:1であるが、現在のところ、それより大きくないシクロデキストリンに対するClO2のモル比を含みがちであった。すなわち、それらのClO2成分は約6.5重量パーセントあるいは約65,000ppmのClO2の1:1の複合体のための理論的限界に接近した。1:1のモル比が純粋な複合体の理想的な形態を表わす場合、ClO2のシクロデキストリンに対する比率は可能な限り1:1近くに定められ、有効なClO2送達賦形剤として作用しうる。しかしながら、1:1未満のシクロデキストリンに対する正味のClO2の比率を有する固体複合物がいくつかの場合において所望されうる(我々はこのような材料が恐らくは1:1未満のモル比を有する複合体ではない、1:1の複合体と合成されないシクロデキストリンとの混合物であると考える)。
このような高濃度を有する(例えば、約65,000ppmに近い)ClO2の水溶液は、溶液から気相への迅速なClO2の損失(濃縮、ひいてはヒトへの曝露のリスク)、及び/又は、溶液を含む容器の上部空間中の潜在的に爆発性のある蒸気濃度のような、取扱いにおける技術上及び/又は安全上の問題を有しうる。固体はこれらの問題を有しないと思われる。気相への放出は比較的遅く、外気における複合体からの曝露のリスクをほとんど有しない。顕著な臭気がないことは固体の使用時のユーザの安全性及び/又は快適性の意味で重要なファクタでありうる。例えば、小さなサンプルが約72時間外気中に置かれたが、約10%のClO2の損失のみであった。このような遅い速度では、ユーザは刺激を受けることはなく、曝露を暗示させることはない。密封した複合体の容器の上部空間中の気相のClO2の濃度は徐々に増加しうるが、爆発性の濃度に到達することはない。「飽和」溶液が形成されるように、少量の水で湿らせた固体複合物でも現在のところ、室温で約1.5%を超える上部空間のClO2の濃度を生成することは観察されない。空気中で少なくとも10%のClO2の濃度が爆発性条件が存在するのに要求されると通常考えられている。
新しく調製された複合体は、OxyChem社のMethod IIにより調製された高純度のClO2と、シクロデキストリンと、水とを組合わせることによって得られるため、高純度である。いくつかのシクロデキストリンは食品グレードで利用可能であり、これらのいずれかで生成された複合体は飲用水及び他の摂取材料に、ならびに他の用途に好適である。他のシクロデキストリンの純度グレード(技術、試薬、医薬品等)が利用可能であり、これらは更なる他の用途に好適である、ClO2を有する複合体を生じうる。
特定の実施形態においては、処理が所望される固体複合物は、水中で直接的に、迅速かつ都合良く溶解されうる。代替的に、表面、固体、水、液体、及び/又は他の材料を消毒するのに用いられうる、固体、二酸化塩素水溶液のような溶液、及び/又はClO2の蒸気のような別の形態のClO2を形成するように、及び/又はそこから放出されるように、固体を溶解、加熱、粉砕し、及び/又は、そうでない場合に操作(handled)、加工(processed)、及び/又は処理(treated)してもよい。例えば、処理すべき水、及び中間溶液のいずれかの水中で、複合体を溶解することによって調製されるClO2溶液は、その目的がシクロデキストリンがあることと矛盾しない限りにおいては、同等のClO2の濃度の単一水溶液が用いられる、当該技術分野に既知のいずれかの目的のために用いてもよい。これらの用途は飲用水、廃水、親水施設(水泳プール等)、産業用再利用水、農業用灌漑用水、ならびに生体組織(局所投与)及び食物(作物、食肉)、ならびに無生物の表面等の消毒及び/又は脱臭及び/又は脱色を含んでもよい。
複合体は、特定の生成物に対する複数の官能性が所望される用途のために、シクロデキストリン分子を介して別の基質(例えば、ポリマ)と共有結合できると予測される。例えば、不溶性の基質と結合した複合体は、水と接触するとすぐにClO2を溶液中に放出するが、シクロデキストリン及び基質は固相に維持される。
この固体複合物は通常、ClO2ガスの空気中への徐放を経ることが分かった。空気中に放出されるClO2の濃度レベルが十分に低く安全(顕著な臭気がないことにより示唆される状態)であるが、十分に高濃度であり、空気中の消毒及び/又は臭気制御に対して、及び/又は、空気と接触する表面又は材料の消毒に対して、効果的であるように条件を選択できる。
固体複合物は気相を介して、及び/又は現存する湿気を介して、他の物質内にClO2を直接的に放出できる。固体は、粉末及び/又は顆粒の固体複合物を粉末及び/又は顆粒形態の他の物質と混合する等によって、このような物質と混合してもよい。固体複合物は、十分に微細な複合体の粉末に「すり込む(rubbing in)」ことによって、及び/又は、パッチ及び/又は包帯と同様に、表面に対し固体複合物を機械的に維持することによって、皮膚及び/又は他の材料などの表面に適用してもよい。ClO2を複合体から受け取る物質は、物質処理でそのようになされてもよく、及び/又は、物質はClO2に対し副次的な賦形剤として作用しうる。
いくつかの例においては、複合体はClO2に対し、異なる及び/又は有用な反応性/特性を与えてもよい。電子的及び/又は溶媒化環境を変化させることによって、合成されたClO2の反応はほぼ確実に、定量的及び恐らくは定性的に異なる。
図2は外気(蓋のない広口瓶)中に、あるいは、比較的小さな上部空間を有する、密封及び/又は実質的にClO2不透過性の容器において、室温で保存される際に、ClO2を維持する例示的な複合体の性能を示す。ClO2は上部空間の小さな密封した容器に多少はより有効に維持され、更に上部空間を低減させることによって、更にClO2保持率を改良することが可能であると思われる。しかしながら、ClO2保持率はいずれの場合でも顕著であり、複合体は反応性の気体分子を含む本質的に無水の媒体であると見なされる。
ClO2保持率が冷却保存によって大きく増加しうるという指摘が当初からある。図3は冷蔵庫中で(約1C及び約3Cで)保存したサンプル及び冷凍庫中で(約−18Cで)保存したサンプルと比較した、室温(RT)で(約20Cないし約26Cで)保存したサンプルによる保持率を示す。例えば、当該技術分野の当業者のために、サンプルが14日間室温で保存され、0パーセントより大きく、ないし、65パーセントより大きく維持され、総ての値及びその間の部分範囲(例えば、6.157、12、22.7、33、39.94、及び45パーセント等)を含み、実際にその元のClO2成分の約70パーセントであることを図3は示す。別のサンプルは56日間室温で保存された場合、0パーセントより大きく、ないし、20パーセントより大きく維持され、総ての値及びその間の部分範囲を含み、実際にその元のClO2成分の約24パーセントである。別の実施例として、サンプルが28日間約3Cで保存され、0パーセントより大きく、ないし、90パーセントより大きく維持され、総ての値及びその間の部分範囲を含み、実際にその元のClO2成分の約94パーセントであることを図3は示す。サンプルが少なくとも35日間約1Cで保存され、0パーセントより大きく、ないし、95パーセントより大きく維持され、総ての値及びその間の部分範囲を含み、実際にその元のClO2成分の約96パーセントであることを図3は更に示す。当業者は図3を一通り再検討することによって、更なる保持量、割合、及び時間を決定できる。特定の理論によって結びつけられることを望むものではないが、これらの保持率の結果は部分的に、純粋状態のClO2が、室温では気体であるが、11C未満の温度で液体である(−59C以下の温度で固体に凍結する)という事実によるものである。
固体複合物は様々な形態及びパッケージで、包装及び/又は保存することができる。形態には実質的に沈殿プロセスから回復するような顆粒/粉末を含んでもよい。初期に得られた固体複合物は更に、微細粉末に粉砕及び/又は製粉することによって、及び/又は、錠剤及び/又はパック及び/又は当該技術分野に既知の他の形態に押し固めることにより、更に処理してもよい。ClO2と実質的に反応しない他の材料は、固体複合物と結合させて、充填剤、増量剤、結合剤及び/又は崩壊剤等として作用させてもよい。
好適なパッケージはClO2ガスを、上述のような固有の安定性と一致する許容可能な総てのClO2保持率を提供し、及び/又は、湿気からの十分な保護を提供する水準に維持できるものである。高いClO2保持率を提供する好適な材料はガラス、プラスチック、及び/又はステンレス鋼のような非反応性金属を含んでもよい。固体複合物を取り込む生成物の最終形態は、例えば溶解性及び/又は透過性のポーチ中への固体の封入、及び/又は、粉末/固体調量送達系のような好適な分散及び/又は送達手段、及び/又は、当該技術分野で既知のその他の手段を含んでもよい。
他のデキストリン:上の材料のほとんどがαシクロデキストリンと、ClO2との間で形成される複合体に関する。これは更に分離された、ClO2/シクロデキストリンの複合体だけである。我々はβシクロデキストリンがClO2と複合体を形成しうると考えるが、我々に容易に利用可能な技術では分離できなかった。αシクロデキストリンとの複合体はαシクロデキストリンのみより可溶性が少なく、すぐに複合体の沈殿が得られる一方、ClO2/βシクロデキストリンの複合体はβシクロデキストリンのみより可溶性が高く、分離が更に困難である。このような溶解度の差はシクロデキストリンの複合体周りの技術分野で既知である。凍結乾燥のような技術が、将来複合体を分離可能にできる。
しかしながら、複合体についての間接的な証拠が見られた。βシクロデキストリンは水中で既知の溶解度を有する。シクロデキストリン単体より更に可溶なシクロデキストリン複合体を生成するゲスト物質を水が含む場合、より多くのシクロデキストリンが淡水よりもそのゲストを含む水に溶解する。溶解度の増加はClO2を含む水中のβシクロデキストリンで観察された。100gの、2の別個のβシクロデキストリン溶液のスラリが調製された。コントロール溶液は超純水中に5%(w/w)のβシクロデキストリンを含み、他方は8000ppmのClO2中に5%(w/w)のβシクロデキストリンを含んだ。双方のスラリが3日間、200rpmで混合され、その期間に、不溶のβシクロデキストリンが双方の溶液から分離され、デシケータ内で2日間乾燥された。スラリを含むClO2からの乾燥したβシクロデキストリンの重量は、可溶な複合体が溶液中のβシクロデキストリンとClO2との間に存在しうることを示すコントロールのスラリよりも0.32g少なかった。拡張によってClO2は、γシクロデキストリン及び/又は化学的に誘導体化された型の天然(アルファ(α)、ベータ(β)、及びガンマ(γ))シクロデキストリンと複合体を形成しうると考えられる。β及び/又はγシクロデキストリン、及び/又はαシクロデキストリンよりも大きな内部空洞を有する他のシクロデキストリンの場合においては、ClO2とともに形成される1又はそれ以上の複合体がシクロデキストリン分子につき、1より多い数のClO2分子を取り込む。
関連する含有複合体形成剤:シクロデキストリンの複合体の観察の延長で、包接化合物を形成することで知られるその他の分子がClO2を更に合成することが予測された。特に、ククルビツリルは微小な分子を内部空間に収容する環状構造を有することで主に知られる分子である。これらの内部空間は、シクロデキストリンとほぼ同一の直径範囲である。適切な条件下で好適な1又はそれ以上のククルビツリルとClO2とを組合わせることによって、ククルビツリル/ClO2の1又はそれ以上の複合体が形成され、その有用性はシクロデキストリン/ClO2の複合体と類似しうることが予測される。
[実施例1 − 生成プロセスによる複合体調製]
上に引用したOxyChem社のMethod IIによって生成されたClO2は、窒素と混合された流動として、RTで約11%(重量パーセント)のαシクロデキストリン溶液約100gを含む約120mLの血清ボトル中に、1分あたり約100ないし300mlの速度で通気された。複合体の沈殿は約1時間以内に開始することが観察され、ClO2は最終的に溶液中で約7000ppm又はそれ以上の濃度に到達した。沈殿は非常に迅速に生じ、約10分間にわたり、十分な複合体がボトルの有意な容量を占有するよう形成された。ボトルは封され、冷蔵庫内に置かれ、更なる複合体形成を促進させた。1週後、固体は溶液から濾紙上へ除去され、約4日間ドライエライトを有するデシケータ中で乾燥させた。収量は約50%(初期シクロデキストリンの重量に対し)であり、複合体中のClO2の濃度は約1.8%であった。
[実施例2ないし10 − 結合溶液による複合体調製]
用いられた一般的な方法は以下の通りであった。別個の実施例の詳細について示した表については図4を参照。αシクロデキストリンの実質的な飽和(約11%)溶液が調製された。別個のClO2溶液は、モルベースでαシクロデキストリン溶液より多少濃くなるように、OxyChem社のMethod IIで調製された。2の溶液は容量ベースで1:1、すなわち各々が約500mlで組み合わされ、完全に結合されるよう手短に混合された。混合物はその後、沈殿が形成されるまで室温で静置された。沈殿時に攪拌することによって、生成物の収量又は質が改善されるようには見えなかった。固体は濾過又はデカントによって収集された。特定の場合においては、濾液/上清は更なる沈殿の形成を促進させるよう冷却された。収集された沈殿はその後、乾燥剤であるドライエライトを用いてデシケータ内で雰囲気圧で乾燥させた。
[更なる実施例]
他の実験によって、新しく調製された複合体の初期ClO2濃度の広範な変化を示した。例えば、いくつかの実験においては、結合溶液のアプローチによって形成された複合体が1.8%及び0.9%といったClO2の濃度を得た。他の実験においては、ClO2が氷冷されたシクロデキストリン溶液で捕捉される生成方法により形成された複合体は、0.2%のClO2を得た。
室温での更なる実験は、ClO2保持率の結果の広範な変化を生じた。例えば、結合溶液のアプローチによって形成された複合体が窒素ブランケットを有する約10mlのバイアルに封入された場合、元のClO2の濃度の約56%が35日後に維持され、約31%が56日後に維持された。別の実施例として、生成方法によって形成された複合体が暗い保存領域で空気に開放して置かれた場合、元のClO2の濃度の約42%が35日後に維持され、約25%が56日後に維持された。更に別の実施例として、生成方法によって形成された複合体が窒素ブランケットを有する約10mlの透明ガラスのバイアルに封入され、白色蛍光の元で保存された場合、元のClO2の濃度の約13%が14日後に維持された。更に別の実施例として、生成方法によって形成された複合体がパラフィルムに覆われた約2オンスの広口瓶中に保存された場合、元のClO2の濃度の約6%が59日後に維持された。
冷蔵庫温度(約1℃)での更なる実験は、元のClO2濃度に対し広範なClO2保持率結果の変化を更に生じさせ、30日後に91%を、85日後に95%を、74日後に100%を含んでいた。
図5は方法5000の例示的な実施形態のフローチャートである。動作5100では、シクロデキストリン溶液はシクロデキストリンと合成される二酸化塩素を含む固体及び/又は固体複合物を、形成及び/又は沈殿できる混合溶液を形成するために、モルベースで約1:1等に二酸化塩素溶液と結合できる。動作5200では、沈殿は混合溶液から分離でき、及び/又は、混合溶液及び/又は沈殿は乾燥、凍結乾燥、及び/又は噴霧乾燥できる。動作5300では、得られた固体複合物は共有結合等を介して、例えば基質及び/又はポリマに結合できる。複合体をシクロデキストリンを介して基質に結合するステップがこの段階で可能となるが、ClO2と複合体を形成する前にシクロデキストリンを基質と結合することがより好適である。動作5400では、固体複合物は、雰囲気温度、室温、冷蔵温度、及び/又は加熱した温度のような所望の温度で、密封した及び/又は実質的にClO2不透過性の容器等に保存できる。動作5500では、固体複合物は複合体中の二酸化塩素の初期濃度に対して、例えば、少なくとも42日間60%より大きく二酸化塩素の濃度を維持できる。動作5600では、二酸化塩素は水中で複合体を溶解等することによって、複合体から放出できる。動作5700では、二酸化塩素は水のような液体の容量、流体、及び/又は表面のような固体といった標的に適用できる。
[定義]
以下の用語が実質的に本明細書中に用いられる場合に、付随的な定義が適用される。これらの用語及び定義は偏見なく提供され、出願で一致し、本出願又は本明細書に対し優先権を主張する出願の審査中にこれらの用語を再定義する権利が確保される。本明細書に対し優先権を主張する特許の主張を解釈する目的で、各定義(又は、元の定義がその特許の実行中に補正された場合に再定義された用語)は、その定義外のはっきりとした、かつ、明確な否認の対象として機能する。
・ある(a) − 少なくとも1の
・活性(activity) − 動作、作用、ステップ、及び/又は処理あるいはその一部
・…に適用される(adapted to) − 特定の用途又は状況に好適な、又は合致した
・空気(air) − 地球の大気ガス
・及び/又は(and/or) − 〜とともに、あるいは、〜の代わりに、のいずれか
・装置(apparatus) − 特定目的のための器具又はデバイス
・適用する(apply) − 〜接触して配置する、及び/又は、〜に物理的に隣接して配置する、及び/又は、〜上にある、及び/又は、〜上に拡がる
・約(approximately) − 約(about)、及び/又は、〜とほぼ同じ
・水性の(aqueous) − 水と結び付く、及び/又は、水を含む
・少なくとも(at least) − 〜未満ではない
・結合(bond) − 付着及び/又は固定すること
・…できる(can) − 少なくともいくつかの実施形態で〜することが可能である
・二酸化塩素(chlorine dioxide) − 式ClO2又はClOの高反応性の塩素酸化物。−59℃で橙色の結晶として結晶化する赤味のある黄色いガスとして発生し、水処理及び/又は漂白にしばしば用いられる強力かつ有用な酸化剤である
・密封した(closed) − 境界を伴い、封入された
・結合する(combine) − 連結、合体、混合、及び/又は配合すること
・複合体(complex) − 分子、原子、及び/又はイオンの可逆的な連結を含む化合物
・物質の組成物(composition of matter) − 2又はそれ以上の物質及び/又は元素から人間によって、及び/又は自動的に形成された、組合せ、反応生成物、化合物、混合物、調合物、材料、及び/又は複合物
・化合物(compound) − 2又はそれ以上の物質、要素、元素、及び/又は成分からなる
・含む(comprising) − 限定しないが以下のものを含む
・濃度(concentration) −別の物質中、及び/又は別の物質とともに、混合、溶解、含有され、及び/又はそうでない場合には存在する、既定の物質の量の測定値
・容器(container) − 充填物を維持するように適用され、充填物が導入できる密封可能な開口部を有する筐体。容器の例はバイアル、注射器、ボトル、フラスコ等を含む
・共有結合的(covalently) − オクテット則の下で化学的安定性を得るように電子を共有することによる、2又はそれ以上の原子を結合することによって特徴づけられた、の意味。共有結合は一般的には他の結合より強い。
・シクロデキストリン(cyclodextrin) − 任意の環状オリゴ糖の群であり、アミロース(デンプンフラグメント)中にあるような1位から4位に結合された、5又はそれ以上のα−D−グルコピラノシドユニットからなり、一般的には酵素加水分解、及び/又はデンプンの転化によって得られ、α、β、及びγシクロデキストリンと呼ばれ(時にシクロアミロースと呼ばれ)、複合化剤として、及び、酵素作用の研究に用いられる。5員環の大環状分子は天然ではない。近年、特徴のはっきりした最大のシクロデキストリンは、32の1,4−無水グルコピラノシド(anhydroglucopyranoside)からなるが、わずかな特徴を有する混合物として、平均少なくとも150員環の環状オリゴ糖が更に知られている。一般的なシクロデキストリンは、環の中に6ないし8ユニットの範囲の多数のグルコースモノマを含み、円錐形状を形成し、一般的には6員環の糖の環状分子であるαシクロデキストリンと、7の糖の環状分子であるβシクロデキストリンと、8の糖の環状分子であるγシクロデキストリンを指す。
・送達する(deliver) − 提供、運搬、発する及び/又は放射すること
・デバイス(device) − 機械、製品、及び/又はその収集物
・溶解する(dissolve) − 溶液と混合することによって溶液を生成すること、及び/又は、溶液に通すこと
・乾燥させる、乾燥した(dry) − (動詞)〜から湿気をなくすこと、及び/又は、除去すること、(形容詞)湿気あるいは過剰な湿気が実質的にない、湿性のない、湿ってない
・食品グレード(food grade) − 食品で用いるための安全性について米国食品医薬品局によって決定される
・形成する、形態(form) − (動詞)構成、構築、発生、及び/又は生成すること、(名詞)様相、構造及び/又は外観
・…から(from) − 供給源を示すのに用いられる
・更に(further) − 加えて(in addition)
・より多数の(greater) − より大きな(larger)及び/又は〜より多くの(more than)
・初期の(initial) − 初めの(at a beginning)
・凍結乾燥する(lyophilize) − 高真空で凍結することによって乾燥すること
・…できる、してもよい(may) − 少なくともいくつかの実施形態で可能及び/又は許容される
・方法(method) − 物事を成し遂げるための関連する作用のプロセス、手順、及び/又は収集
・混合する(mix) − (物質、成分、物体等)を1の集団、収集物、又は集合体に結合することであり、一般的に完全な成分のブレンドを有する。
・モル比(molar ratio) − ある物質のモル数の別の物質のモル数に対する比率
・…ではない(not) − ある事の否定
・医薬品グレード(pharmaceutical grade) − 薬剤で用いるための安全性について米国食品医薬品局によって決定される
・複数(plurality) − 複数及び/又は1より多くなる状態
・ポリマ(polymer) − 各々は比較的軽く単純な分子である、百万以上の反復結合ユニットからなる通常高分子量の、任意の多数の天然及び合成化合物である
・沈殿(precipitate) − 固形形態及び/又は固相で溶液から分離された物質
・所定の(predetermined) − あらかじめ確立された
・確率(probability) − 発生の可能性の定量的表現
・放出する(release) − 開放すること、及び/又は、拘束、結合、固定及び/又は抑制するものがないこと
・反復的(repeatedly) − 何度も何度も、繰返し
・結果(result) − 特定の作用、動作、及び/又は経過の成果及び/又は帰趨
・維持する(retain) − 拘束、保持、及び/又は維持(hold)すること
・前記(said) − 系やデバイスの請求項で用いられる場合、既に導入された後の請求項の用語であることを冠詞が示す。
・分離する(separate) − 分離する、間隔を置く、話して置く、あるいは離して保持すること、及び/又は、中間に配置されること
・セット(set) − 関連づけられた複数のもの
・固体(solid) − 液体でも気体でもないが、規定された形状及び/又は形態ではない
・溶液(solution) − 実質的に均一な分子混合物、及び/又は、2又はそれ以上の物質の組合せ
・噴霧乾燥(spray dry) − 高温の蒸気流に液体流を排出することであり、これによって、固体及び溶媒として液体中の溶質又は懸濁液を分離し、及び/又は、蒸気に液体を維持すること。固体は通常、ドラム又はサイクロン中に収集される
・保存する(store) − 収容、維持、及び/又は保護すること
・実質的に(substantially) − 大部分又は高度に
・基質(substrate) − 基底層
・表面(surface) − 対象の外周、あるいはこのような境界を構成又はそれに類似する材料層
・系(system) − 機構、デバイス、機械、製造物品、プロセス、データ、及び/又は命令の集まりであり、この集まりは1又はそれ以上の特定の機能を行うよう設計される
・技術グレード(technical grade) − 少量の他の化学物質を含み、従ってわずかに不純である
・温度(temperature) − 物質のサンプル中の分子の平均運動エネルギの測定値であり、標準目盛で示される単位又は度数で表現される。
・用いる(utilize) − 用いる(use)こと、及び/又は業務に入れること
・…を介して(via) − 〜を経由して、及び/又は用いて
・水(water) − 約11.188重量パーセントの水素と約88.812重量パーセントの酸素とを含む透明、無臭、無味の液体であり、化学式HOで特徴づけられ、標準圧力(約14.7psia)で約32°F又は0Cで凍結し、約212°F又は100Cで沸騰する
・重量(weight) − 物体の質量と重力加速度との積に等しい、地球又は別の天体と、物体が引きつけ合う力、及び/又は、計算上の数値の効果がそのウェイトを反映するように、平均を決定する等して、計算の数値を割り当てる因子
・…時に(when) − 時点で
・ここで(wherein) − 〜に関して、及び(and)、及び/又は、〜に加えて
・…に関して(with respect to) − 〜に関連して(in relation to)
[注釈]
更に別の実質的及び特異的で、実用的及び有用な実施形態は、上に列挙され、及び/又は本明細書中に含まれる、特定の例示的な実施形態の詳細な説明及び/又は図面を読むことによって、当該技術分野の当業者に容易に明らかとなろう。多数の変形物、変更物、及び更なる実施形態が可能であると理解すべきであり、従って、総てのこのような変形物、変更物、及び実施形態は本出願の範囲内にあると見なすべきである。
従って、本出願の任意の部分(例えば、発明の名称、技術分野、背景技術、概要、詳細な説明、要約、図面等)の内容にかかわらず、任意の請求項に対し、明確な定義、断定、又は議論等を介して、そうでないと明確に特定されない限りにおいては、本出願及び/又は本明細書に対する優先権を主張する任意の出願の任意の請求項にかかわらず、及び、最初に提供されているか、そうでないかにかかわらず、
・任意の特異的に記載又は例示された特徴、機能、作用又は成分、任意の特異的な作用の順番、あるいは任意の特異的な成分の相互関係を含む要求はなく、
・任意の成分は統合、分離、及び/又は複製でき、
・任意の作用は反復でき、任意の作用は複数の主体によって実行でき、及び/又は、任意の作用は複数の権限で実行でき、
・任意の作用又は成分は特異的に排除でき、作用の順番は変更でき、及び/又は成分の相互関係を変更できる。
更に、任意の数値又は範囲が本明細書中に記載されている場合は、明確に別に記載されていない限り、その数値又は範囲は概算である。任意の範囲が本明細書中に記載されている場合は、明確に別に記載されていない限り、その範囲はその総ての値と、総てのその部分的な範囲を含む。例えば、1ないし10の範囲が記載されている場合、その範囲は例えば、1.1、2.5、3.335、5、6.179、8.9999等のようなその間の総ての値を含み、例えば、1ないし3.65、2.8ないし8.14、1.93ないし9等のようなその間の総ての部分的な範囲を含む。
任意の請求項の要素に続いて図面要素の番号がある場合、その図面要素の番号は例示的であり、請求項の範囲を限定しない。
本明細書中に引用によって取り込まれた任意の資料(例えば、米国特許、米国特許出願、書籍、論文等)中の任意の情報は、この情報と、本明細書中で説明された他の記載及び図面との間で矛盾が存在しない範囲で取り込まれるのみである。このような矛盾が生じた場合、本明細書中で妥当でない任意の請求項を与える矛盾を含み、あるいは本明細書に対する優先権を要求するが、このような資料のこのような任意の矛盾情報は特異的に本明細書中に引用によって取り込まれない。
従って、請求項自体以外の本出願の各部分(例えば、発明の名称、技術分野、背景技術、概要、詳細な説明、要約、図面等)は実質的に例示的であると見なされるべきであり、限定的であると見なすべきではない。

Claims (29)

  1. αシクロデキストリンと二酸化塩素を含む、固形複合物であることを特徴とする物質の組成物。
  2. 請求項1に記載の物質の組成物において、当該物質の組成物中の前記二酸化塩素に対する前記αシクロデキストリンのモル比が1:1であることを特徴とする物質の組成物。
  3. 請求項1に記載の物質の組成物において、当該物質の組成物中の二酸化塩素の濃度が4.9重量パーセントより大きいことを特徴とする物質の組成物。
  4. 請求項1に記載の物質の組成物において、当該物質の組成物中の二酸化塩素の濃度が少なくとも0.2重量パーセントであることを特徴とする物質の組成物。
  5. 請求項1に記載の物質の組成物において、保存時に前記物質の組成物中の二酸化塩素の濃度が、前記物質の組成物の初期濃度に対し、少なくとも14日間、12%より大きく維持されることを特徴とする物質の組成物。
  6. 請求項1に記載の物質の組成物において、保存時に前記物質の組成物中の二酸化塩素の濃度が、前記物質の組成物の初期濃度に対し、少なくとも56日間、31%より大きくされることを特徴とする物質の組成物。
  7. 請求項1に記載の物質の組成物において、保存時に前記物質の組成物中の二酸化塩素の濃度が、前記物質の組成物の初期濃度に対し、少なくとも80日間、90%より大きくされることを特徴とする物質の組成物。
  8. 請求項1に記載の物質の組成物において、1℃又はそれ未満の温度で密封した容器中に保存時に、前記物質の組成物中の二酸化塩素の濃度が、前記物質の組成物の初期濃度に対し、少なくとも35日間、90%より大きく維持されることを特徴とする物質の組成物。
  9. 請求項1に記載の物質の組成物において、3℃又はそれ未満の温度で密封した容器中に保存時に、前記物質の組成物中の二酸化塩素の濃度が前記物質の組成物の初期濃度に対し、少なくとも28日間、50%より大きく維持されることを特徴とする物質の組成物。
  10. 請求項1に記載の物質の組成物において、前記αシクロデキストリンが食品グレードであることを特徴とする物質の組成物。
  11. 請求項1に記載の物質の組成物において、前記αシクロデキストリンが医薬品グレードであることを特徴とする物質の組成物。
  12. 請求項1に記載の物質の組成物において、前記αシクロデキストリンが技術グレードであることを特徴とする物質の組成物。
  13. 混合溶液を形成すべく1:1のモル比でαシクロデキストリン溶液を二酸化塩素溶液と組合わせるステップと、生じた沈殿を分離するステップとを含み、前記沈殿が前記αシクロデキストリンと前記二酸化塩素を含む固形の複合体であることを特徴とする固形複合体の製造方法。
  14. 請求項13に記載の方法が、前記混合溶液を乾燥させるステップを更に含むことを特徴とする方法。
  15. 請求項13に記載の方法が、前記沈殿を乾燥させるステップを更に含むことを特徴とする方法。
  16. 請求項13に記載の方法が、前記混合溶液及び/又は前記沈殿を凍結乾燥させるステップを更に含むことを特徴とする方法。
  17. 請求項13に記載の方法が、前記混合溶液を噴霧乾燥させるステップを更に含むことを特徴とする方法。
  18. 二酸化塩素とαシクロデキストリンとを含む固形複合物を形成するステップを含むことを特徴とする固形複合物の製造方法。
  19. 請求項18に記載の方法が、前記固体複合物を基質と共有結合するステップを更に含むことを特徴とする方法。
  20. 請求項18に記載の方法が、前記固体複合物を形成するステップの前に、前記αシクロデキストリンを基質と共有結合するステップを更に具えることを特徴とする方法。
  21. 請求項18に記載の方法が、前記固体複合物をポリマーと共有結合するステップを更に含むことを特徴とする方法。
  22. 密封した容器中に、αシクロデキストリンと二酸化塩素を含む固形の複合体を含む物質の組成物を保存するステップを含み、前記物質の組成物中の二酸化塩素の濃度が前記物質の組成物の初期濃度に対し、少なくとも56日間、31%より大きく維持されることを特徴とする物質の組成物を保存する方法。
  23. αシクロデキストリンと二酸化塩素を含む固形の複合体を含む物質の組成物を水中で溶解するステップを含むことを特徴とする溶解方法。
  24. αシクロデキストリンと二酸化塩素を含む固形の複合体を含む物質の組成物を水中で混合することによって、二酸化塩素水溶液を形成するステップを含むことを特徴とする水溶液の製造方法。
  25. 請求項24に記載の方法が、前記二酸化塩素水溶液を水に適用するステップを更に含むことを特徴とする方法。
  26. 請求項24に記載の方法が、前記二酸化塩素水溶液を表面に適用するステップを更に含むことを特徴とする方法。
  27. 請求項24に記載の方法が、前記二酸化塩素水溶液を、空気、水、および、表面の少なくとも一つに適用するステップを更に含むことを特徴とする方法。
  28. αシクロデキストリンと固形形態の二酸化塩素を含む固体組成物から、二酸化塩素を放出するステップを含むことを特徴とする二酸化塩素を放出する方法。
  29. 前記固形複合物は基質と結合している、請求項1に記載の組成物。
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