JP5544936B2 - むらの視認性判定装置、むらの視認性判定方法およびプログラム - Google Patents

むらの視認性判定装置、むらの視認性判定方法およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、対象物が有する視覚的なむらの視認性判定装置および視認性判定方法、ならびにむらの視認性判定処理をコンピュータ装置に実行させるためのプログラムに関する。
各種フィルムや樹脂成形品、表示装置、塗装品などの対象物に視覚的な「むら」が生じると、その程度により製品の品質上の問題となる場合がある。このため、対象物に生じた視覚的なむらを定量的に評価する方法が求められている。
例えば、特許文献1には、肉眼で認識できる特定の波長範囲に該当する周波数のパワースペクトルに対して、強調関数とよばれる定数を乗じて強調画像を得ることが記載されている。より具体的には、この方法では、対象物の画像データをフーリエ変換し、特定の周波数のパワースペクトルに対して強調関数を乗じてから二次元逆フーリエ変換を行なって強調画像を得る。そして、強調画像の分散と標準偏差を計算することで、対象物が有する視覚的なむらを定量的に判定する。
また、特許文献2には、対象物の画像データから得たパワースペクトルに対して乗じる強調関数として、空間周波数の関数を用いることが記載されている。この方法では、特許文献1と同様に、強調関数を乗じたパワースペクトルを二次元逆フーリエ変換して強調画像を得た後、その分散と標準偏差を計算することで対象物の視覚的なむらを定量的に判定する。
非特許文献1および2に関しては後述する。
特開平6−222002号公報 特開平10−96696号公報
Michael J.Flynn :Visual Requirements for High-Fidelity Display, Advances in Digital Radiography, RSNA Categorical Course in Diagnostic Radiology Physics, 103-107, 2003. 大頭仁、行田尚義、「年齢による時空間周波数特性の変化」、日本眼光学学会誌、Vol.8(1)、pp.32-41、(1987)
人間の視覚特性には空間周波数依存性があり、むらの周期によって見えやすさが変わるという特性をもつことが知られている。特許文献2の方法では、強調関数を空間周波数の関数としたことで、特許文献1の方法よりも、人の目視観察による官能評価に近いむら判定が可能である。
しかしながら、対象物に生じるむらには、周期の異なる複数の成分が合成されている場合がある。このとき、特許文献2の方法では、総ての成分が合成された総合的なむらの定量化が行われるだけであって、どの周期成分のむらが判定結果に影響を及ぼしているかを知ることはできない。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、対象物が有する視覚的なむらに影響を及ぼしている周期成分を知ることのできる、むらの視認性判定装置および判定方法、ならびにむらの視認性判定処理をコンピュータ装置に実行させるためのプログラムを提供するものである。
本発明のむらの視認性判定装置は、周期的なむらに対する人の視認感度を表す感度データを記憶する記憶手段と、対象物の画像データの入力を受け付ける画像入力手段と、入力された前記画像データと前記感度データとに基づいて、前記対象物が有するむらにおける、人が視認可能なむらの周期成分を判定する判定手段と、を備える。
対象物の画像データに含まれる視覚的なむらの周期成分のうち、人が視認可能な強度のものが判定される。このため、本発明によれば、どの周期成分のむらが視認性に影響を及ぼしているかを知得することができる。
本発明のむらの視認性判定方法は、対象物の画像データを取得する画像取得工程と、画像データを変換処理して、前記対象物の視覚的なむらを複数の周期成分に分解するとともに各周期成分の強度を算出する変換工程と、周期的なむらに対する人の視認感度を表す感度データを参照して、算出された前記周期成分における前記視認感度を取得する感度取得工程と、取得された前記視認感度と、算出された前記強度と、を対比して、前記対象物が有するむらにおける、人が視認可能なむらの周期成分を判定する判定工程と、を含む。
本発明のプログラムは、コンピュータ装置で実行されるプログラムであって、対象物の画像データを取得する画像取得処理と、画像データを変換して前記対象物の視覚的なむらを複数の周期成分に分解するとともに各周期成分の強度を算出する変換処理と、周期的なむらに対する人の視認感度を表す感度データを参照して、算出された前記周期成分における前記視認感度を取得する感度取得処理と、取得された前記視認感度と、算出された前記強度と、を対比して、前記対象物が有するむらにおける、人が視認可能なむらの周期成分を判定する判定処理と、を含む、むらの視認性判定処理を、前記コンピュータ装置に実行させるためのプログラムである。
本発明によれば、周期的なむらに対する人の視認感度に基づいて、対象物が有するむらの周期成分が人に視認可能であるか否かが判定される。これにより、対象物が有する視覚的なむらに影響を及ぼしている周期成分を知ることができ、むらを解消するための問題抽出に有用な情報を得ることができる。
本発明の実施形態にかかる、むらの視認性判定装置を示す機能ブロック図である。 テーブル形式で表された感度データの一例を示す図である。 要因データの一例を示す模式図である。 年齢補正データの一例を示す模式図である。 むらの視認性判定方法のフローチャートである。 実施例1に用いた画像データをそれぞれ示す図であり、(a)は周期2mm、(b)は周期20mmの図である。 (a)、(b)は、図6(a)、(b)の画像の周期方向の輝度変動をそれぞれ示すグラフである。 感度データを表すグラフである。 人の視覚特性を示すグラフである。 視認下限強度を示すグラフである。 (a)、(b)は、図6(a)、(b)の画像の視認性判定結果をそれぞれ示す図である。 (a)、(b)は、実施例2に用いた画像データをそれぞれ示す図である。 (a)、(b)は、図12(a)、(b)の画像の周期方向の輝度変動をそれぞれ示すグラフである。 (a)、(b)は、図12(a)、(b)の画像の視認性判定結果をそれぞれ示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
なお、本発明の各種の構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等でもよい。
また、本発明の各種の構成要素は、その機能を実現するように形成されていればよく、たとえば、所定の機能を発揮する専用のハードウェア、所定の機能がコンピュータプログラムにより付与されたデータ処理装置、コンピュータプログラムによりデータ処理装置に実現された所定の機能、これらの任意の組み合わせ、等として実現することができる。
ここで、記憶手段が「感度データを記憶する」とは、本発明の装置が感度データを記憶する機能を有することを意味し、感度データを現に保有しているか否かによらない。
また、本発明のむらの視認性判定装置は、プログラムを読み取って対応する処理動作を実行できるように、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、I/F(Interface)ユニット、等の汎用デバイスで構築されたハードウェア、所定の処理動作を実行するように構築された専用の論理回路、これらの組み合わせ、等として実施することができる。
なお、本発明において、プログラムに対応した各種処理動作をコンピュータ装置に実行させることは、各種デバイスをコンピュータ装置に動作制御させることも意味している。
また、本発明のむらの視認性判定方法は、複数の工程を順番に記載してあるが、その記載の順番は複数の工程を実行する順番を限定するものではない。
さらに、本発明のむらの視認性判定方法は、複数の工程が個々に相違するタイミングで実行されることに限定されない。このため、ある工程の実行中に他の工程が発生すること、ある工程の実行タイミングと他の工程の実行タイミングとの一部ないし全部が重複していること、等でもよい。
<むらの視認性判定装置>
図1は、本発明の実施形態にかかる、むらの視認性判定装置(判定装置100)を示す機能ブロック図である。
はじめに、本実施形態の判定装置100の概要について説明する。
判定装置100は、画像入力部10、記憶部20および判定部50を少なくとも備えている。
画像入力部10は、対象物の画像データIMGの入力を受け付ける。
記憶部20は、周期的なむらに対する人の視認感度を表す感度データ22を記憶する。
判定部50は、入力された画像データIMGと感度データ22とに基づいて、対象物が有するむらにおける、人が視認可能なむらの周期成分を判定する。
次に、本実施形態の判定装置100について詳細に説明する。
本実施形態の判定装置100でむらの視認性が判定される対象物は特に限定されるものではない。一例として、樹脂フィルム、樹脂の立体成型品、金属加工品、液晶ディスプレイなどの表示装置、半導体装置、塗装品などを挙げることができる。
対象物の表面には、一つまたは複数の周期成分からなる周期的なむらが存在している。そして、かかる対象物を観察者が肉眼でまたは観察機器を通じて目視した場合に視認される周期成分を、判定装置100は判定する。
対象物が有する視覚的なむら(以下、「対象むら」という場合がある)としては、輝度むらと色むらを挙げることができる。その発生原因は対象物によって異なるが、輝度むらに関しては、対象物の表面または内部の凹凸に起因する光の反射むらや、光の透過率または反射率の制御むらを一例として挙げることができる。色むらの発生原因については、材料の局所的な不均一や、塗料の塗布むらを一例として挙げることができる。
同様に、対象物を目視する人(以下、「観察者」という場合がある)も、対象物によって異なる。対象物が表示装置などの最終製品である場合は、観察者として一般消費者が例示される。また、対象物が樹脂フィルムや半導体装置などの素材である場合は、観察者として品質検査者等が例示される。
画像入力部10は、対象物の画像データIMGを画像取得部110から受け付ける入力インタフェースである。
画像取得部110は、対象物を撮像した画像データIMGを取得する手段であり、代表的にはデジタルカメラ114を例示することができる。画像入力部10は、有線もしくは無線の信号線または可搬性の記憶媒体を介して、画像データIMGをデジタルカメラ114から受け付ける。
画像データIMGは、対象物を撮影した画像である。ここで、本実施形態の判定装置100において観察者の自然な目視観察による官能評価に近い判定結果を得るためには、当該観察者が通常の方法でその対象物を観察するのと同じ条件で撮影された画像データIMGであることが好ましい。すなわち、観察者が照明環境下において肉眼で目視観察することが一般的な対象物の場合は、画像データIMGとして、照明環境下の自然光画像を取得するとよい。また、観察者が偏光照射下で目視する対象物の場合は、画像データIMGとして偏光画像を撮像するとよい。
なお、画像取得部110としては、デジタルカメラ114のほか、オンラインまたは記憶媒体を介して取得した画像データIMGを蓄積しておくコンピュータ112を用いてもよい。すなわち、本実施形態の判定装置100は、画像入力部10を通じて、外部の記憶装置または撮像装置である画像取得部110から、対象物の画像データIMGを取得する。
以下、本実施形態では、対象物の表面をグレースケールで撮影した輝度画像を画像データIMGとして取得する場合を例に説明する。ただし、画像データIMGはカラー画像でもよい。
記憶部20は、周期的なむらに対する観察者の視認感度を表す感度データ22が記憶される記憶装置である。判定装置100でむらの視認性判定が行われる時点においては、記憶部20には感度データ22が格納されている。
感度データ22は、空間周波数に依存する人間の視覚特性をデータ化したものである。感度データ22のデータ形式は特に限定されず、テーブル形式でも関数形式でもよい。
具体的には、感度データ22は、空間周波数(またはその逆数である周期)と、当該空間周波数(または周期)で繰り返される周期的なむらに対する人間の視認感度と、の対応関係を示すデータである。より具体的には、正弦波または非正弦波の波形パターンで繰り返される輝度むらまたは濃度むらに対する、人間のコントラスト感度を表す関係データを、感度データ22として用いる。非正弦波としては、三角波または矩形波を挙げることができる。
本実施形態の感度データ22は、人間の視認感度に対して空間周波数または周期のいずれが対応づけられていてもよい。以下、感度データ22として、人間の視認感度に対して空間周波数または周期のいずれが対応づけているかを特に区別しない。また、感度データ22に用いられる人間の視認感度としては、むらの輝度差、パワースペクトルまたはコントラスト感度を例示することができる。
ここで、輝度コントラストに対する視覚的なコントラスト感度と空間周波数との関係を、コントラスト感度関数(Contrast Sensitivity Function:CSF)とよぶ。
本実施形態の感度データ22には、このコントラスト感度関数またはその演算値を用いることができる。本実施形態では、コントラスト感度関数の演算値である視認下限強度を、感度データ22に用いている。視認下限強度は、対応する空間周波数のむらを人間が識別できる最低限の輝度差を意味し、コントラスト感度関数の演算値である。その具体的な算出方法は後記の実施例で詳述するが、コントラスト感度関数の逆数をフーリエ変換して求めることができる。
本実施形態の判定装置100は、対象物のむらに含まれる周期成分と、コントラスト感度関数における当該周期のむらの視認感度と、をパワースペクトル密度同士で大小比較して、当該周期成分が観察者に視認可能かどうかを判定する。
本実施形態の感度データ22は、空間周波数と、この空間周波数で繰り返されるむらに対して観察者が視認可能なコントラスト強度の下限(視認下限強度)との関係を表すデータである。
感度データ22を得るにあたり、観察者に視認させる対象は、サンプル画像でもサンプル物品でもよい。本発明者らの検討によれば、対象物の種別が異なっても人間のコントラスト感度は大きくは変動しない。このため、周期的なむらの空間周波数を種々に変化させたサンプル画像またはサンプル物品に対する観察者の視認下限強度を予め取得しておくことにより、多様な対象物のむらについて視認性を判定することができる。
より具体的には、本実施形態の感度データ22は、空間周波数と、その空間周波数で輝度が周期的に繰り返されるグレースケール画像(濃淡画像:サンプル画像)の視認下限強度と、を対応づけたデータである。
図2は、テーブル形式で表された感度データ22の一例を示す図である。
本実施形態の視認下限強度は、濃淡が所定の周期で正弦波的に繰り返されるサンプル画像を目視した観察者が、濃淡むらを視覚的に認識しうる最小の輝度差に関するパワースペクトル密度である。ここで、サンプル画像の輝度差とは、濃色部と淡色部のピーク同士の輝度(画素強度)の差である。本実施形態の視認下限強度は、一般的な大人が視距離60cmで濃淡むらを目視観察した場合に認識しうる最小の輝度差を、当該濃淡むらの平均輝度で規格化して求めることができる。例えば、周期50mmの正弦波的な濃淡むらの場合、視認下限強度は2.6×10−2[単位なし]である。
ここで、正弦波的な輝度むらに対する大人の人間のコントラスト感度は、視距離60cmの場合、0.5[mm−1]程度の空間周波数において最も高くなることが知られている。言い換えると、60cmの距離から対象物を目視した場合に、2mm程度の周期の輝度むらが最も良く目立つこととなる。以下、かかる空間周波数(周期)を、高感度周波数(高感度周期)と呼ぶ。高感度周波数(高感度周期)は、視距離に対してほぼ反比例(比例)する。例えば、30cmの視距離における高感度周期は約1mmである。
図2に示す感度データ22は、このような人間のコントラスト感度を反映している。すなわち、空間周波数:0.5[mm−1]における視認下限強度のパワースペクトル密度が極小値(1.5×10−4)となっている。これは、当該空間周波数(高感度周波数)の輝度むらが、小さな輝度差であっても観察者が目視で識別可能であることを意味している。そして、空間周波数が0.5[mm−1]よりも小さい0.2[mm−1]や0.1[mm−1]などの場合や、逆にこれよりも大きい1[mm−1]や2[mm−1]などの場合には、視認下限強度は大きくなる。これは、視距離が60cmの場合、空間周波数が0.5[mm−1](周期:2mm)から乖離した輝度むらは目視しにくいということを意味している。
図2では、説明のため、空間周波数と周期をともに図示している。しかしながら、本実施形態の感度データ22は、空間周波数または周期の一方と、視認下限強度とが対応づけられていれば足りる。
感度データ22におけるコントラスト感度としては、その空間周波数のむらに対する視覚的な鋭敏さ(感度の高さ)を表す値を用いてもよく、または逆に、その空間周波数のむらに対する視覚的な鈍感さ(感度の低さ)を表す値を用いてもよい。図2に例示した本実施形態の視認下限強度は、高感度周波数に対して最も小さな値が与えられている。すなわち、本実施形態の感度データ22は、所定の空間周波数のむらに対する視覚的な鈍感さ(コントラスト感度の逆数)を表している。
以上、対象物の輝度コントラストに対する感度について説明したが、感度データ22において空間周波数(または周期)と対応づけられているコントラスト感度はこれに限られない。感度データ22は、明度コントラスト、彩度コントラストまたは色相コントラストに対する人間の視認感度と、空間周波数(または周期)とを対応づけた関係データでもよい。つまり、本実施形態の判定装置100で判定される対象むらは、対象物の輝度むらのみならず、明度、彩度または色相のむらでもよい。
感度データ22におけるコントラスト感度は、観察者が対象物のむらを目視観察する際の指標に対応していることが好ましい。例えば、観察者が対象物の彩度コントラストを指標として対象むらの判定をする場合には、感度データ22として、彩度コントラストと空間周波数(または周期)との関係データを用いるとよい。
図1に戻り、判定部50は、入力された画像データIMGと感度データ22とに基づいて、対象物が有するむらにおける各周期成分が観察者に視認可能であるか否かを判定する。
本実施形態の判定部50は、画像入力部10に入力された画像データIMGを変換処理して、対象物の視覚的なむら(対象むら)を複数の周期成分に分解するとともに各周期成分の強度を算出する。そして、判定部50は、記憶部20を参照して、算出された強度と視認感度(視認下限強度)とを、算出された周期成分ごとに対比する。
ここで、対象むらを複数の周期成分に分解するとは、対象むらに含まれる複数の周期成分について、周期もしくは空間周波数、またはこれらに置換可能な物理量を算出することをいう。
図1に示すように、本実施形態の判定部50は、変換部52と比較部54とからなる。
判定部50は、より具体的には、画像入力部10から受け付けた画像データIMGを変換部52でフーリエ変換し、空間周波数の関数として表されるパワースペクトル密度を算出する。
変換部52は、パワースペクトルの波形(極大値)から、対象むらに含まれる一つまたは複数の周期成分を抽出する。本実施形態のように画像データIMGがグレースケールの輝度画像である場合、変換部52は、輝度むらを構成する周期成分を抽出する。
さらに、本実施形態の変換部52は、当該周期成分の輝度の強度を、パワースペクトル密度として算出する。
比較部54は、対象むら(輝度むら)から抽出された所定の周期成分のパワースペクトル密度と、感度データ22の視認下限強度とを対比する。そして、輝度むらに含まれる上記所定の周期成分のパワースペクトル密度が、感度データ22の視認下限強度よりも大きい場合、当該周期成分の輝度むらが人間に視認可能であると判断する。
判定部50は、画像データIMGに含まれるすべての周期成分について視認可能性を判定してもよく、一部の周期成分についてのみこれを行ってもよい。例えば、画像データIMGに含まれる周期成分のうち、パワースペクトル密度の高い上位ひとつまたは複数のみ、視認可能性を判定してもよい。
ここで、対象むらの画像データIMGに含まれる周期成分がいずれも正弦波である場合、これを変換部52でフーリエ変換して求まる空間周波数は、各成分につき一つ(一次モード)のみである。したがって、この場合は、パワースペクトル密度の高い空間周波数を単純に選択することで、視認性の判定結果を得ることができる。
判定装置100は、人が視認可能と判定されたむらの周期成分を表す判定結果を出力する出力部40をさらに備える。これにより、対象むらに混在する周期成分のうち、観察者が視認可能なものを知得することができる。出力部40による出力形態は特に限定されず、一例として、ディスプレイ装置への表示出力、プリンタ装置への印刷出力、または記憶装置への書き込みなどを挙げることができる。
出力部40は、判定部50の判定結果を種々の方法で出力することができる。例えば、対象むらに含まれる視認可能な周期成分の空間周波数または周期を、数値として出力してもよく、または空間周波数または周期に対応したメッセージとして出力してもよい。数値として出力する場合、周期成分の空間周波数または周期を、他の値に換算して出力してもよい。また、画像データIMGにおける当該周期成分の輝度差の程度をあわせて出力してもよい。
本実施形態の出力部40は、周期成分の周期を周長とする回転体の直径を判定結果として出力する。例えば、視認可能と判定された周期成分の周期が10mmであった場合、出力部40は、これを円周率(π)で除した数値をディスプレイ装置に表示出力する。これは、対象物に対する周期的なむらの発生要因の一つとして、搬送ローラーなどの回転体からの付勢力の不均一が挙げられることに基づく。すなわち、搬送ローラーに偏心や表面の凹凸が生じると、これに移送される対象物には、当該搬送ローラーの周長を繰り返し周期とする周期的なむらが生じる場合がある。このため、判定部50の判定結果を回転体の直径に換算することで、当該直径をもつ搬送ローラーがむらの発生要因になっている可能性があることを容易に知ることができる。
さらに、本実施形態の記憶部20は、対象物に生じる周期的なむらの発生要因と、むらの周期と、を対応づけた要因データ24を記憶する。そして、出力部40は、人が視認可能と判定されたむらの周期と要因データ24とに基づいて、発生要因を判定結果として出力する。
なお、図1では、感度データ22と要因データ24が共通の記憶部20に格納されている様子を図示しているが、感度データ22と要因データ24を記憶する記憶媒体は、物理的には他の記憶装置でもよい。
図3は、要因データ24の一例を示す模式図である。本実施形態の要因データ24は、対象物に周期的なむらを生じる可能性のある既知の発生要因と、その周期または空間周波数とを対応づけたテーブルである。対象物として、本実施形態では、一対の光透過性のフィルム基板によって液晶セルの駆動液晶分子を挟持した液晶表示装置を例示する。
図3に示す0.25mmの周期のむらは、液晶表示装置の画素パターンのサイズに対応している。すなわち、0.25mmの周期むらが観察された場合、その原因は画素内部にあると考えられる。液晶表示装置の光学特性に周期的なむらを生じる可能性のある他の要因の一例として、図3では、フィルム基板上に積層して塗布されるコート層の厚みむらと、バックライトを構成する発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)の輝度むらを挙げている。具体的には、図3における0.45mmおよび0.72mmの周期むらは、多層のコート層の樹脂組成物を個別にダイレクトコート方式で塗布する二種類のグラビアロールのメッシュの代表的な目開き寸法に対応している。
また、LEDの中心と周辺とで発光輝度が異なることに起因して、バックライトにおけるLEDの配置間隔に対応する周期的な輝度むらが液晶表示装置に発生する場合がある。図3では、LEDの配置に起因する周期むらの例として、その配置間隔(5mm)を挙げている。
判定装置100では、要因データ24をテーブル検索して、判定部50で求められた周期成分の周期に近接する要因を選択し、出力部40で出力する。かかる要因と、周期または空間周波数の数値とをあわせて出力してもよい。
そして、判定部50による判定結果が、例えば0.45mmまたはその近傍であった場合、出力部40は、グラビアロール(ロール1)に起因する塗布むらによって液晶セルの厚みに凹凸が生じている可能性がある旨のメッセージを表示出力する。これにより、ユーザは、ロール1によって塗工されるコート層について、成分や成膜条件を改善すべきであるという指針を容易に得ることができる。同様に、判定結果が示す周期が0.72mmまたはその近傍であった場合、出力部40は、当該輝度むらの要因がグラビアロール(ロール2)による塗布むらの可能性があることを示す出力をする。
そして、判定結果が示す周期が5mmまたはその近傍であった場合、出力部40は、LEDの配置間隔に基づく輝度むらが視認されている可能性があることを示す出力をする。これにより、ユーザは、LEDの配置間隔を変更する(例えば、より近接させる)などして、輝度むらを解消することができる。
なお、図2に示すように、2mmを超える周期の場合、周期を増大することで視認下限強度は上昇する。すなわち、周期を増大することで、むらの視認性を低減することができる。逆に、2mm未満の周期の場合は、周期を短縮することで、むらの視認性を低減することができる。したがって、出力部40では、視認可能と判定された周期成分の周期が高感度周期よりも大きい場合は、当該成分の周期を増大させることで視認性が低減されることを示す出力をしてもよい。また、出力部40は、視認可能と判定された周期成分の周期が高感度周期よりも小さい場合は、当該成分の周期を短縮させることで視認性が低減されることを示す出力をしてもよい。
出力部40によるこれらの出力は、ディスプレイ装置やプリンタ装置などにメッセージとして出力してもよい。または、対象物の検査装置や製造装置における警告や、運転条件を変更するための信号として出力してもよい。
以上、一般的な大人が特定の視距離で対象物を観察した場合を目視条件とする感度データ22を用いて対象物のむらの視認性を判定することを説明した。さらに本実施形態の判定装置100では、目視条件を種々に設定することが可能である。
図1に示すように、判定装置100は条件入力部30を備えている。条件入力部30は、判定部50による判定処理のための各種の条件を入力する手段である。
まず、本実施形態の条件入力部30は、対象物を目視する人(観察者)の視距離を示す距離情報の入力を受け付ける。そして、判定部50は、受け付けた距離情報に基づいて周期成分を判定する。これにより、本実施形態の判定装置100は、観察者が様々な視距離で対象物を目視した場合でも、むらの視認可能性を適切に判定することができる。
上述のように、人間の高感度周波数(高感度周期)は視距離にほぼ反比例(比例)する。このため、感度データ22が例えば視距離60cm(基準視距離)で取得されたコントラスト感度である場合、条件入力部30が受け付けた距離情報と基準視距離との比率を用いて、観察者の目視条件におけるコントラスト感度を算出することができる。より具体的には、観察者が30cmの視距離で対象物を目視観察した場合、条件入力部30には距離情報として30cmを入力する。
判定部50は、受け付けた距離情報(30cm)を基準視距離(60cm)で除して比率0.5を算出し、これを感度データ22の周期に乗じるか、または空間周波数をこれで除する。判定部50の比較部54は、このようにして換算された感度データ22と、対象むらのパワースペクトル密度とを対比して、対象物のむらの視認性を判定する。
なお、受け付けた距離情報から求めた上記比率を用いて感度データ22を換算することに代えて、対象むらのパワースペクトル密度のデータの空間周波数(周期)を換算してもよい。具体的には、判定部50は、受け付けた距離情報を基準視距離で除した比率(例えば0.5)を、対象むらのパワースペクトル密度の周期に乗じてもよい。かかる場合も、視距離とコントラスト感度との相関関係を用いて、観察者の目視条件に応じた視認性の判定が可能である。
さらに、本実施形態の条件入力部30は、対象物を目視する人(観察者)の年齢を示す年齢情報の入力を受け付ける。判定部50は、受け付けた年齢情報に基づいて周期成分を判定する。
図1に示すように、記憶部20は年齢補正データ26を記憶している。年齢補正データ26は、観察者の年齢とコントラスト感度との関係を示すデータである。年齢補正データ26のデータ形式は特に限定されず、テーブル形式でも関数形式でもよい。
図4は、年齢補正データ26の一例を示す模式図である。本実施形態の年齢補正データ26は、テーブル形式で記憶部20に格納されている。本実施形態の年齢補正データ26は、観察者の年齢と空間周波数(または周期)とに基づいて一意に決定されるデータである。
一般に、観察者が成人の場合、若年齢ほどコントラスト感度は鋭敏となる。また、高齢者の場合は、高感度周波数の近傍のむらのうち、空間周波数のより大きなものに対する視認感度が顕著に低下することが知られている(非特許文献2を参照)。このため、本実施形態の年齢補正データ26は、図4に示すように、年齢が上がるほど、かつ空間周波数が大きいほど、補正係数が小さく設定されている。
判定部50は、対象むらの空間周波数と、条件入力部30で受け付けた観察者の年齢情報と、に基づいて、対応する補正係数を呼び出す。判定部50は、感度データ22より呼び出された視認下限強度を上記の補正係数で除したうえで、対象むらのパワースペクトル密度と対比し、その視認性を判定する。これにより、本実施形態の判定装置100は、様々な年齢の観察者が対象物を目視した場合にも、当該観察者にとってのむらの視認可能性を適切に判定することができる。
本実施形態の判定装置100においては、対象物のむらの波形パターンに応じた複数の感度データ22を備えてもよい。
すなわち、条件入力部30は、正弦波および矩形波を含む複数種類の波形パターンの群(パターン群)より選択された少なくとも1つの入力を受け付ける。
そして、記憶部20は、複数の感度データ22を記憶し、判定部50は、入力された波形パターンに対応して選ばれた感度データ22に基づいて周期成分を判定する。
波形パターンの選択肢の集合であるパターン群には、正弦波と矩形波のほか、例えば三角波などの他の波形パターンを含んでもよい。より具体的には、感度データ22として、正弦波に対する視覚感度を示す第一の感度データと、三角波に対する視覚感度を示す第二の感度データと、矩形波に対する視覚感度を示す第三の感度データとを、記憶部20に個別に格納しておく。そして、対象物のむらの波形パターンが、正弦波、三角波または矩形波のいずれであるかを選択する入力を条件入力部30より受け付けると、比較部54は、対応する第一から第三のいずれかの感度データを検索する。そして、対象むらの周期成分のパワースペクトル密度と、検索された視認下限強度との大小比較に基づいて、比較部54は当該周期成分の視認性を判定する。
ここで、対象むらの周期成分が三角波または矩形波である場合、かかる画像データIMGをフーリエ変換すると、一次モードに加えて、二次以上の高次モードのパワースペクトルが算出される。かかる一次モードと高次モードとは共通の要因に起因して発生したむらであるため、判定部50は、一次モードの空間周波数についてのみ視認性を判定すればよい。
すなわち、対象むらの周期成分が矩形波の場合、画像データIMGをフーリエ変換すると、一次モードと、三次以上の奇数次モードとに分解される。このとき、対象むらの繰り返し周波数は一次周波数であり、三次以上の周波数に対応する物理的なむらは実際には生じていない。したがって、出力部40は矩形波の一次周波数を出力するとよい。これにより、実際に生じている周期むらの発生要因を推定することができる。
また、記憶部20は、互いに異なる複数の指標(輝度、明度、彩度および色相)の各コントラスト感度と、空間周波数または周期と、の関係をそれぞれ表す感度データ22を記憶してもよい。そして、条件入力部30は、上記指標のいずれかを選択する指定入力を受け付けてもよい。判定部50は、受け付けた指定入力に対応する指標のコントラスト感度を示すデータを感度データ22より選択して、対象物の周期成分の視認性を判定してもよい。
以上、本実施形態では、対象物の画像データIMGをフーリエ変換などの変換処理によって周期成分に分解することを説明したが、本発明は必ずしもこれに限られない。例えば、感度データ22として多数のサンプル画像を記憶部20に記憶しておき、対象物の画像データIMGとサンプル画像との画像比較によって、判定部50でむらの視認性を判定してもよい。
具体的には、任意の空間周波数における視認下限強度を輝度差とする周期的な濃淡画像を、サンプル画像として記憶部20に記憶しておく。サンプル画像は、多くの空間周波数についてそれぞれ用意する。対象物のむらの発生要因が特定されている場合には、当該要因によって生じるむらの空間周波数に関してのみ、サンプル画像を用意してもよい。判定部50は、画像入力部10で取得した画像データIMGがもっともよく近似されるよう、サンプル画像の重ね合わせを算出する。そして、出力部40は、かかる重ね合わせに用いられたサンプル画像の空間周波数を出力する。これにより、対象物の画像データIMGに含まれる周期的なむらのうち、視認可能な周期成分が出力される。
<むらの視認性判定方法>
以下、本実施形態の画像入力部10を用いて行う、むらの視認性判定方法(以下、本方法という場合がある)について説明する。図5は本方法のフローチャートである。図1から図5を用いて本方法を説明する。
はじめに、本方法の概要について説明する。
本方法は、画像取得工程S10、変換工程S20、感度取得工程S30および判定工程S50を少なくとも含む。
画像取得工程S10では、対象物の画像データIMGを取得する。
画像データIMGは、観察者が対象物を目視する通常の方法にしたがって撮影された、対象物の画像に関するデータである。複数の画像データIMGを取得し、記憶部20にいったん記憶したうえで、以下の工程をおこなってもよい。
変換工程S20では、画像データIMGを変換処理して、対象物の視覚的なむらを複数の周期成分に分解するとともに各周期成分の強度(画素強度)を算出する。
本方法では、画像データIMGを高速フーリエ変換(FFT)して、一つまたは複数の空間周波数のパワースペクトルに分解する。
感度取得工程S30では、周期的なむらに対する人の視認感度を表す感度データ22を参照して、算出された周期成分における視認感度を取得する。
感度データ22は、図2に示したように、空間周波数と、当該周波数における視認下限強度とを対応づけたデータである。感度取得工程S30では、感度データ22を検索して、変換工程S20で算出された各周期成分にかかる視認下限強度をそれぞれ呼び出す。
判定工程S50では、取得された視認感度(視認下限強度)と、算出された強度(パワースペクトル密度)と、を対比して、対象物が有するむら(対象むら)における、人(観察者)が視認可能なむらの周期成分を判定する。
本実施形態では、感度データ22における視認下限強度と、画像データIMGから算出された画素強度が、いずれも輝度差のパワースペクトル密度として求められている。このため、両者の値を直接対比することで、画像データIMGに含まれる周期成分の輝度差が視認下限強度以上であるか否かが判定される。
また、本実施形態のプログラムは、むらの視認性判定処理をコンピュータ装置(判定装置100)に実行させるためのコンピュータプログラムである。
かかるコンピュータ装置が実行するむらの視認性判定処理は、画像取得処理、変換処理、感度取得処理および判定処理を少なくとも含む。
画像取得処理は、対象物の画像データIMGを取得する処理である。
変換処理は、画像データIMGを変換して対象物の視覚的なむらを複数の周期成分に分解するとともに各周期成分の強度を算出する処理である。
感度取得処理は、周期的なむらに対する人の視認感度を表す感度データ22を参照して、算出された周期成分における視認感度(視認下限強度)を取得する処理である。
判定処理は、取得された視認感度(視認下限強度)と、算出された強度と、を対比して、対象物が有するむら(対象むら)における、人が視認可能なむらの周期成分を判定する処理である。
本方法では、判定工程S50に先だって、周期成分を判定するための各種の条件を入力する(条件入力工程S40)。条件入力工程S40は、画像取得工程S10から感度取得工程S30の前後いずれのタイミングでおこなってもよい。
本方法では、条件入力工程S40にて、対象物を目視する人(観察者)の視距離を入力する。そして、判定工程S50では、観察者の視距離に基づいて周期成分を判定する。
ここで、対象物の視認感度と視距離との関係について説明する。上述のように、高感度周波数(高感度周期)は、視距離に対してほぼ反比例(比例)することが知られている。例えば、60cmの視距離における高感度周期は約2mmであり、120cmの視距離における高感度周期は約4mmである。したがって、周期2mmのむらは、視距離が60cmから120cmに変化することで視認性が低下するのに対し、周期4mmのむらは、視距離が60cmから120cmに変化することで視認性が向上する。なお、周期3mmの近傍のむらの視認性は、視距離が60cmから120cmに変化した場合、略不変である。
このため、本方法では、感度データ22(図2を参照)に対して、空間周波数(周期)ごとに、観察者の視距離に応じた補正係数を乗じたうえで視認性を判定するとよい。
例えば、視距離に関する入力値が120cmであった場合、高感度周波数(高感度周期)は約0.25[mm−1](4mm)となる。ここで、図2の感度データ22の基準視距離は、上述のように60cmとしている。
したがって、この場合、感度データ22のうち、約0.25[mm−1](4mm)よりも空間周波数の小さい(周期の長い)むらに対しては、視認下限強度に1未満の補正係数を乗じる。これにより、視距離120cmの場合に、周期4mm以上のむらの視認性が向上することがシミュレートできる。
また、この場合、感度データ22のうち、約0.5[mm−1](2mm)よりも空間周波数の大きい(周期の短い)むらに対しては、視認下限強度に1を超える補正係数を乗じる。これにより、視距離120cmの場合に、周期2mm以下のむらの視認性が低下することが表現される。
観察者の視距離が基準視距離よりも短い場合の考え方も上記と同様である。例えば、視距離に関する入力値が30cmであった場合、高感度周波数(高感度周期)は約1[mm−1](1mm)である。したがって、この場合、感度データ22のうち、約1[mm−1](1mm)よりも空間周波数の大きい(周期の短い)むらに対しては、視認下限強度に1未満の補正係数を乗じる。これにより、視距離30cmの場合に、周期1mm以下のむらの視認性が向上することがシミュレートできる。
そして、感度データ22のうち、約1[mm−1](1mm)よりも空間周波数の小さい(周期の長い)むらに対しては、視認下限強度に1を超える補正係数を乗じる。これにより、視距離30cmの場合に、周期2mm以上のむらの視認性が低下することが表現される。
以上より、本方法では、まず、入力された視距離に基づいて、観察者の視距離における高感度周波数(高感度周期)を算出する。これを、実高感度周波数(実高感度周期)というものとする。また、基準視距離における高感度周波数(高感度周期)を、基準高感度周波数(基準高感度周期)というものとする。
つぎに、(1)観察者の視距離が基準視距離よりも大きい場合、感度データ22に対して以下の補正を行う。
(1a)感度データ22のうち、実高感度周波数(実高感度周期)よりも空間周波数の小さい(周期の長い)むらに対して、視認下限強度に1未満の補正係数を乗じる。
(1b)感度データ22のうち、基準高感度周波数(基準高感度周期)よりも空間周波数の大きい(周期の短い)むらに対して、視認下限強度に1を超える補正係数を乗じる。
また、(2)観察者の視距離が基準視距離よりも小さい場合、感度データ22に対して以下の補正を行う。
(2a)感度データ22のうち、実高感度周波数(実高感度周期)よりも空間周波数の大きい(周期の短い)むらに対して、視認下限強度に1未満の補正係数を乗じる。
(2b)感度データ22のうち、基準高感度周波数(基準高感度周期)よりも空間周波数の小さい(周期の長い)むらに対して、視認下限強度に1を超える補正係数を乗じる。
なお、実高感度周波数(実高感度周期)と基準高感度周波数(基準高感度周期)との中間のむらに対する補正は任意である。
以上により、一つの基準視距離(本実施形態の場合、60cm)で測定した視覚特性から作成した感度データに基づいて、任意の視距離におけるむらの視認性を判定することができる。
また、本方法では、条件入力工程S40にて、対象物を目視する人(観察者)の年齢を入力する。そして、判定工程S50では、観察者の年齢に基づいて周期成分を判定する。画像データIMGが共通の場合、観察者の年齢が所定以上の高齢となるほど、または所定以下の低年齢となるほど、視認性は低いと判定する。
出力工程S60では、判定工程S50で判定された、視認可能な周期成分を出力する。上述のように、周期成分の空間周波数または周期を出力してもよく、これらに対応したメッセージを出力してもよい。
<実施例>
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。ただし、本発明は実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
図6(a)、(b)は、本実施例に用いた画像データIMGをそれぞれ示す図である。
図7(a)、(b)は、図6各図の画像データIMGにおける周期方向(同図の左右方向)の輝度変動を示す輝度測定データのグラフである。
図7(a)は、より具体的には、図6(a)の画像の上下方向(幅方向)の中心線上の画素について画像データIMGの画素値(画素強度)を読み取ることで、当該画像の周期方向の輝度変動を求めたものである。
図7(a)の縦軸は、同図の平均輝度で規格化した輝度変動値であり、輝度変動の中心値を1[単位なし]としている。
図7(a)より、図6(a)の画像における輝度変動の周期は2mmであることが解析された。
図7(b)は、図6(b)にかかる画像データIMGにおける周期方向の輝度変動を示す輝度測定データのグラフである。図7(b)の縦軸もまた、図6(b)の幅方向の中心線上の平均輝度で規格化しており、輝度変動の中心値は1[単位なし]である。
図7(b)より、図6(b)の画像における輝度変動の周期は20mmであることが解析された。
また、図7各図に示すように、図6(a)、(b)の画像データIMGの輝度変動量は、1±0.05で共通であった。しかしながら、図6(a)と(b)とを互いに対比して分かるように、同図(a)の画像データIMGは、同図(b)に比べて、濃淡むらが目視しやすい。
そして、本実施例の判定装置は、図6(a)の濃淡むらが視認可能であり、同図(b)の濃淡むらが視認不可能であると判定するものである。
濃淡むらの視認可能性を判定するための感度データは、周期的なむらに対する人の視認感度を表すデータであり、本実施例では、空間周波数ごとの視認下限強度のパワースペクトル密度を表すデータである(図2を参照)。
図8は、本実施例に用いた感度データを表すグラフである。
同図に示すように、感度データは、空間周波数:0.5[mm−1]=周期:2mmの場合に、視認下限強度のパワースペクトル密度は極小値(1.5×10−4)をとる。
以下、感度データの求め方を説明する。
図9は、人の視覚特性を示すグラフである。このグラフは、非特許文献1に記載されたものであり、平面上で正弦波的に濃淡が変化する輝度100[cd/m]の濃淡画像を視距離60cmで目視観察した場合の、一般的な成人のコントラスト感度(Cs)と空間周波数[mm−1]との関係を示している。
図9のグラフ(線図)は、当該空間周波数の正弦波的な濃淡むらの視認容易性を示している。同図は、空間周波数が約0.5[mm−1]のときに濃淡むらの視認性がもっとも良好であることを示している。
図10は、視認下限強度を示すグラフである。より具体的には、同図は、図9の縦軸(Cs)の逆数に100を乗じて求まる輝度差(ΔT)と、空間周波数との関係を示すグラフである。ただし説明のため、図10の横軸は波形パターンの周期[mm]としている。
言い換えると、図10は、周期的な濃淡むらが視認可能な最低限の濃淡(輝度差)を、濃淡むらの周期と対応づけて表したものである。したがって、図10の線図よりも上方は濃淡むらが視認可能であること(視認可能領域)を意味し、下方は視認不可能であること(視認不可領域)を意味している。
これにより、対象物の対象むらに含まれる周期とその輝度差が求まれば、図10との対照によって、当該周期のむらが視認可能であるかどうかを判定することができる。
本実施例では、観察者が視認可能な最低限の輝度差(図10を参照)をもつ規格化された濃淡むらの波形をフーリエ変換し、得られたパワースペクトルのピーク値を読むことにより、図8の感度データを得た。すなわち、図8は、所定の周期で輝度変動する規格化された濃淡むらを視認するために必要な最低限のパワースペクトル密度を表したグラフである。以下、かかるグラフを視認感度グラフという。
そして、得られた視認感度グラフと、対象物より実際に得られた輝度データのパワースペクトルとを比較することにより、むらの視認性を判定することができる。なお、視認感度グラフと、対象物の画像データIMGの輝度変動とをともに規格化しておくことにより、種々の対象物に対して、共通の視認感度グラフを用いて視認性を判定することができる。
図10の波形をフーリエ変換するにあたり、サンプリング周波数は、パターンの空間周波数よりも大きくする。本実施例では、図6に示した画像データIMGの横軸寸法(50mm)を十分なサンプリング数(2)でサンプリングした。サンプリング数としては、例えば、256(N=8)、512(N=9)または1024(N=10)とした。
以下、視認感度グラフを用いて、対象物の画像データIMGの視認可能性を判定する方法を説明する。
図11(a)、(b)は、図6(a)、(b)の画像の視認性判定結果をそれぞれ示す図である。具体的には、図11(a)は、図7(a)のパワースペクトルを対数表示して、視認感度グラフ(図8)と重ね合わせて対照したものである。同様に、図11(b)は、図7(b)のパワースペクトルと視認感度グラフ(図8)とを重ね合わせて対照したものである。
図7(a)、(b)のパワースペクトルと、図8の視認感度グラフとの大小比較を行った。図11(a)が示すように、図7(a)のパワースペクトルは空間周波数0.5[mm−1]の近傍において視認感度グラフと交差した。このことは、図7(a)に示した波形が、視認可能な輝度差の周波数成分を含むことを意味している。言い換えると、図6(a)に示した画像データIMGの濃淡が観察者に視認可能であると判定されたことになる。
一方、図11(b)が示すように、図7(b)のパワースペクトルは、あらゆる空間周波数について、視認感度グラフよりも小さくなった。よって、図6(b)の画像は、濃淡むらが視認不可能と判定された。
このように、本実施例によれば、図8に示した視認感度グラフを用いて、図6各図に示した画像データIMGの視認性を、客観的に判定することができた。かかる判定結果は、図6各図を目視した場合の官能的な視認性判定結果と一致している。これにより、本実施例によれば、対象物や観察者、観察条件などを種々に変化させた場合の視認性が客観的に判定できることが分かった。
なお、図8の視認感度グラフは、基準視距離を60cmとして濃淡画像を目視した場合の視覚特性(図9、10)に基づいて算出されたものである。ここで、上述のように高感度周波数(高感度周期)は視距離に対してほぼ反比例(比例)するため、異なる視距離で濃淡画像を目視した場合には、図8〜10のグラフはそれぞれ横軸(空間周波数、周期)方向に移動することとなる。
したがって、観察者の実際の視距離に応じて視認感度グラフを作成して、これを対象物の画像データIMGのパワースペクトルと対照するとよい。具体的には、観察者の視距離に関する入力値に基づいて図10のグラフを横軸方向に平行移動させたうえでフーリエ変換をおこなって、当該視距離に対応した視認感度グラフ(図8を参照)を作成するとよい。
(実施例2)
図12(a)、(b)は、本実施例に用いた画像データIMGをそれぞれ示す図である。これらの画像データIMGにおける濃淡むらの視認性を、実施例1と同様に判定した。視認可能性の判定に用いた視認感度グラフ(図8を参照)は、実施例1と共通とした。
図13(a)、(b)は、図12各図の画像データIMGにおける周期方向(同図の左右方向)の輝度変動を示す輝度測定データのグラフである。
図13各図の縦軸は、同図の平均輝度で規格化した輝度変動値であり、輝度変動の中心値を1[単位なし]としている。
図13(a)より、図12(a)は周期20mmの強いうねり(長周期波形)と周期2mmの短周期波形とが複合した濃淡むらの画像であることが解析された。
一方、図13(b)より、図12(b)は、周期20mmの長周期波形と周期2mmの短周期波形の複合画像であるものの、長周期波形の強度が同図(a)よりも弱いことが解析された。
図14(a)は図12(a)の画像データIMGの視認性判定結果を示し、図14(b)は図12(b)の画像データIMGの視認性判定結果を示す図である。
図14(a)の結果より、図12(a)の濃淡むらのパワースペクトルは、0.05[mm−1]と0.5[mm−1]の2箇所において視認感度グラフの曲線と交差することが確認された。一方、図14(b)の結果より、図12(b)の濃淡むらのパワースペクトルは、0.5[mm−1]においてのみ視認感度グラフの曲線と交差し、0.05[mm−1]では交差しないことが確認された。
これにより、図12(a)の画像データIMGは、0.05[mm−1]と0.5[mm−1]の空間周波数の濃淡むらが視認可能であると判定された。一方、図12(b)の画像データIMGは、0.5[mm−1]の空間周波数の濃淡むらが視認可能であって、0.05[mm−1]の濃淡むらは視認不可能であると判定された。
この判定結果は、図12(a)、(b)の目視結果と良好に一致する。すなわち、図12(a)においては、短周期の濃淡むらとともに、長周期の濃淡むらがうねりとして複合していることが容易に目視される。これに対し、図12(b)においては、短周期の濃淡むらのみが目視でき、長周期のうねりは目視困難である。よって、本実施例によれば、異なる周波数の複数の濃淡むらが合成された画像データIMGに関して、目視による視認性を周波数ごとに判定できることが分かった。これにより、ユーザは、目視されるむらの周波数を知ることができるため、当該周波数のむらの発生原因を予測することが容易となる。
以上より、本発明によるむらの視認性判定技術の有用性と実現可能性が、実施例により理解される。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 周期的なむらに対する人の視認感度を表す感度データを記憶する記憶手段と、
対象物の画像データの入力を受け付ける画像入力手段と、
入力された前記画像データと前記感度データとに基づいて、前記対象物が有するむらにおける、人が視認可能なむらの周期成分を判定する判定手段と、
を備えるむらの視認性判定装置。
2. 前記判定手段が、
入力された前記画像データを変換処理して、前記対象物の視覚的なむらを複数の周期成分に分解するとともに各周期成分の強度を算出し、かつ
前記記憶手段を参照して、前記強度と前記視認感度とを、算出された前記周期成分ごとに対比することを特徴とする1に記載のむらの視認性判定装置。
3. 前記感度データが、空間周波数と、前記空間周波数で繰り返されるむらに対して人が視認可能なコントラスト強度の下限との関係を表すデータである1または2に記載のむらの視認性判定装置。
4. 前記対象物を目視する人の視距離を示す距離情報の入力を受け付ける条件入力手段を備え、
前記判定手段は、受け付けた前記距離情報に基づいて前記周期成分を判定する1から3のいずれかに記載のむらの視認性判定装置。
5. 前記対象物を目視する人の年齢を示す年齢情報の入力を受け付ける条件入力手段を備え、
前記判定手段は、受け付けた前記年齢情報に基づいて前記周期成分を判定する1から4のいずれかに記載のむらの視認性判定装置。
6. 正弦波および矩形波を含む複数種類の波形パターンの群より選択された少なくとも1つの入力を受け付ける条件入力手段を備え、
前記記憶手段は、複数の前記感度データを記憶し、
前記判定手段は、入力された前記波形パターンに対応して選ばれた前記感度データに基づいて前記周期成分を判定することを特徴とする1から5のいずれかに記載のむらの視認性判定装置。
7. 人が視認可能と判定された前記むらの周期成分を表す判定結果を出力する出力手段をさらに備える1から6のいずれかに記載のむらの視認性判定装置。
8. 前記出力手段が、前記周期成分の周期を周長とする回転体の直径を前記判定結果として出力する7に記載のむらの視認性判定装置。
9. 前記記憶手段が、前記対象物に生じる周期的なむらの発生要因と、前記むらの周期と、を対応づけた要因データを記憶し、
前記出力手段は、人が視認可能と判定された前記むらの前記周期と前記要因データとに基づいて、前記発生要因を前記判定結果として出力する7または8に記載のむらの視認性判定装置。
10. 対象物の画像データを取得する画像取得工程と、
画像データを変換処理して、前記対象物の視覚的なむらを複数の周期成分に分解するとともに各周期成分の強度を算出する変換工程と、
周期的なむらに対する人の視認感度を表す感度データを参照して、算出された前記周期成分における前記視認感度を取得する感度取得工程と、
取得された前記視認感度と、算出された前記強度と、を対比して、前記対象物が有するむらにおける、人が視認可能なむらの周期成分を判定する判定工程と、
を含む、むらの視認性判定方法。
11. 前記対象物を目視する人の視距離に基づいて前記周期成分を判定する10に記載のむらの視認性判定方法。
12. 対象物を目視する人の年齢に基づいて前記周期成分を判定する10または11に記載のむらの視認性判定方法。
13. コンピュータ装置で実行されるプログラムであって、
対象物の画像データを取得する画像取得処理と、
画像データを変換して前記対象物の視覚的なむらを複数の周期成分に分解するとともに各周期成分の強度を算出する変換処理と、
周期的なむらに対する人の視認感度を表す感度データを参照して、算出された前記周期成分における前記視認感度を取得する感度取得処理と、
取得された前記視認感度と、算出された前記強度と、を対比して、前記対象物が有するむらにおける、人が視認可能なむらの周期成分を判定する判定処理と、
を含む、むらの視認性判定処理を、前記コンピュータ装置に実行させるためのプログラム。
10 画像入力部
20 記憶部
22 感度データ
24 要因データ
26 年齢補正データ
30 条件入力部
40 出力部
50 判定部
52 変換部
54 比較部
100 判定装置
110 画像取得部
112 コンピュータ
114 デジタルカメラ

Claims (12)

  1. 周期的なむらに対する人の視認感度を表す感度データを記憶する記憶手段と、
    対象物の画像データの入力を受け付ける画像入力手段と、
    入力された前記画像データと前記感度データとに基づいて、前記対象物が有するむらにおける、人が視認可能なむらの周期成分を判定する判定手段と、
    を備え、
    前記判定手段が、
    入力された前記画像データを変換処理して、前記対象物の視覚的なむらを複数の周期成分に分解するとともに各周期成分の強度を算出し、かつ
    前記記憶手段を参照して、前記強度と前記視認感度とを、算出された前記周期成分ごとに大小比較することを特徴とするむらの視認性判定装置。
  2. 前記感度データが、空間周波数と、前記空間周波数で繰り返されるむらに対して人が視認可能なコントラスト強度の下限との関係を表すデータである請求項1に記載のむらの視認性判定装置。
  3. 前記対象物を目視する人の視距離を示す距離情報の入力を受け付ける条件入力手段を備え、
    前記判定手段は、受け付けた前記距離情報に基づいて前記周期成分を判定する請求項1または2に記載のむらの視認性判定装置。
  4. 前記対象物を目視する人の年齢を示す年齢情報の入力を受け付ける条件入力手段を備え、
    前記判定手段は、受け付けた前記年齢情報に基づいて前記周期成分を判定する請求項1から3のいずれか一項に記載のむらの視認性判定装置。
  5. 正弦波および矩形波を含む複数種類の波形パターンの群より選択された少なくとも1つの入力を受け付ける条件入力手段を備え、
    前記記憶手段は、複数の前記感度データを記憶し、
    前記判定手段は、入力された前記波形パターンに対応して選ばれた前記感度データに基づいて前記周期成分を判定することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のむらの視認性判定装置。
  6. 人が視認可能と判定された前記むらの周期成分を表す判定結果を出力する出力手段をさらに備える請求項1から5のいずれか一項に記載のむらの視認性判定装置。
  7. 前記出力手段が、前記周期成分の周期を周長とする回転体の直径を前記判定結果として出力する請求項6に記載のむらの視認性判定装置。
  8. 前記記憶手段が、前記対象物に生じる周期的なむらの発生要因と、前記むらの周期と、を対応づけた要因データを記憶し、
    前記出力手段は、人が視認可能と判定された前記むらの前記周期と前記要因データとに基づいて、前記発生要因を前記判定結果として出力する請求項6または7に記載のむらの視認性判定装置。
  9. 対象物の画像データを取得する画像取得工程と、
    画像データを変換処理して、前記対象物の視覚的なむらを複数の周期成分に分解するとともに各周期成分の強度を算出する変換工程と、
    周期的なむらに対する人の視認感度を表す感度データを参照して、算出された前記周期成分における前記視認感度を取得する感度取得工程と、
    取得された前記視認感度と、算出された前記強度と、を大小比較して、前記対象物が有するむらにおける、人が視認可能なむらの周期成分を判定する判定工程と、
    を含む、むらの視認性判定方法。
  10. 前記対象物を目視する人の視距離に基づいて前記周期成分を判定する請求項9に記載のむらの視認性判定方法。
  11. 対象物を目視する人の年齢に基づいて前記周期成分を判定する請求項9または10に記載のむらの視認性判定方法。
  12. コンピュータ装置で実行されるプログラムであって、
    対象物の画像データを取得する画像取得処理と、
    画像データを変換して前記対象物の視覚的なむらを複数の周期成分に分解するとともに各周期成分の強度を算出する変換処理と、
    周期的なむらに対する人の視認感度を表す感度データを参照して、算出された前記周期成分における前記視認感度を取得する感度取得処理と、
    取得された前記視認感度と、算出された前記強度と、を大小比較して、前記対象物が有するむらにおける、人が視認可能なむらの周期成分を判定する判定処理と、
    を含む、むらの視認性判定処理を、前記コンピュータ装置に実行させるためのプログラム。
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