JP5544804B2 - 障害診断システム、障害診断装置および障害診断方法 - Google Patents

障害診断システム、障害診断装置および障害診断方法 Download PDF

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Description

本発明は、複数のコンポーネントが互いにデータをやり取りすることにより動作するシステムにおいて発生した障害を診断する障害診断システム、障害診断装置および障害診断方法に関するものである。
現在、車両の安全性、快適性の要求が増大し、ソフトウェアによって実現される様々な機能が車載システムに搭載されている。新しい機能の中には、車車間通信や路車間通信など外部との通信処理なども含まれ、車載システムの大規模化、複雑化が顕著になってきている。
こうした中で、車載システムの信頼性を維持することが困難になっている。市場投入前であれば、ECU連携の不整合による開発の手戻りが多くなっている。また、市場投入後であれば、車載システムに搭載されるソフトウェア関連の障害やリコールが増加している。こうした障害は、潜在的なバグに起因する想定外のものが多く、障害原因を特定することが非常に困難になっている。ここで、想定外の障害とは、ドライバーは障害を検知しているにも関わらず、故障診断コード(DTC:Diagnostic Trouble Code)が立たず、障害時の動作値を記録するフリーズフレームデータ(FFD:Freeze Frame Data)などが利用できない障害である。ソフトウェアの潜在的なバグなどに起因する障害の場合、事前に障害として想定しているものではないから、故障診断コードが立たない。
従来の電子装置の故障診断としては、非特許文献1の階層型モデルベース診断が知られている。モデルベース診断とは、診断対象装置の構造や動作に関する知識を基に故障診断を行うアプローチである。また、階層型とは、モデルを階層的に表現し、診断の序盤では抽象度の高いモデルを用いて大局的な故障箇所の絞り込みを行い、ある程度故障箇所が絞り込まれた後に、より詳細なレベルのモデルへ移行する、といった診断モデルの使い分けを行うものである。
しかしながら、モデルベース診断では、抽象度の高いモデルにおいて故障箇所の絞り込みができない障害については対応できない。例えば、車車間通信や路車間通信などによる外部からの入力値がある場合、診断対象装置の構造や動作に関する知識だけでは故障箇所の絞り込みができない。また、現在ではECUごとに開発を行うことが多いことから、ECU間のデータのやり取りにも同様のことが言える。そこで、このような外部からの入力値を含むシステム等で発生する想定外の障害についても障害原因を特定できる故障診断システムが望まれる。
本願の発明者らは、特許文献1に記載の発明を考案した。特許文献1に記載の発明は、障害発生前の正常時においてログを保存しておき、障害発生時のログと正常時のログとの相違集合を抽出し、最大充足可能性問題に定式化して、障害発生条件を導出する。特許文献1に記載の発明は、正常時のログを一定量蓄積しておくことで、事前に想定していなかった原因による障害についても障害原因を特定できる。
特願2009−067379号公報
中莖洋一郎、古関義幸、田中みどり著 「階層型モデルベース診断における適応機能−適応型人工知能の実現へ向けて−」 人工知能学会誌 Vol 10 No.3 p446−453、1995年
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、障害発生条件の候補となる入出力信号等を全てログとして保存することが前提となる。従って、車載ネットワーク等のリソース消費量が大きくなり、車両の動作性能をある程度落とす必要がある。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的とすることは、事前に想定していなかった原因による障害が発生した場合であっても障害発生条件を特定可能であり、かつ障害発生時のログの保存を必要最小限に抑えて車両の動作性能を維持することが可能な故障診断システム等を提供することである。
前述した目的を達成するために第1の発明は、複数のコンポーネントが互いにデータをやり取りすることにより動作するシステムにおいて発生した障害を診断する障害診断システムであって、診断対象システムの振る舞いを階層ごとに記述したブロック線図と、診断対象システムの各コンポーネントの状態遷移を抽象度レベルごとに記述した状態遷移図とを記憶する記憶手段と、診断対象システムの正常時における、前記ブロック線図に係る全ての階層の入出力信号と、前記状態遷移図に係る全ての抽象度レベルの状態値とを正常データログとして取得し、診断対象システムの異常時における、前記ブロック線図に係る最上位の階層の入出力信号と、前記状態遷移図に係る最上位の抽象度レベルの状態値とを異常データログとして取得するデータログ取得手段と、前記正常データログと前記異常データログとを比較して値が相違する入出力信号および状態値のいずれか一方または両方の集まりを相違集合として算出し、全ての前記相違集合を充足することを制約条件として最大充足可能性問題の形に定式化し、前記最大充足可能性問題を解くことで、障害発生条件となる入出力信号および状態値のいずれか一方または両方の組み合わせを算出する障害発生条件算出手段と、前記障害発生条件が算出された場合は、前記データログ取得手段が前回取得した階層よりも低い階層の入出力信号を取得するように変更し、前記障害発生条件が算出されなかった場合は、前記データログ取得手段が前回取得した抽象度レベルよりも低い抽象度レベルの状態値を取得するように変更する異常データログ取得変更手段と、を具備することを特徴とする障害診断システムである。
第1の発明における前記異常データログ取得変更手段による変更指示は、前記ブロック線図に係る最上位の階層の入出力信号と、前記状態遷移図に係る最上位の抽象度レベルの状態値とについては常に取得するものとし、これらに加えて取得する入出力信号および状態値を変更するものであることが望ましい。
第1の発明における前記障害発生条件算出手段は、入出力信号および状態値のいずれか一方または両方のそれぞれの値が障害発生条件の構成要素であることを否定する論理式に同じ重みを設定することで最大充足可能性問題の形に定式化し、前記最大充足可能性問題の解を算出し、算出された解を否定する論理式を制約条件として逐次追加して再度解を算出する処理を、解が存在しなくなるまで繰り返すことで、障害発生条件となる入出力信号および状態値のいずれか一方または両方の組み合わせを算出するものである。
第2の発明は、複数のコンポーネントが互いにデータをやり取りすることにより動作するシステムにおいて発生した障害を診断する障害診断装置であって、診断対象システムの振る舞いを階層ごとに記述したブロック線図と、診断対象システムの各コンポーネントの状態遷移を抽象度レベルごとに記述した状態遷移図とを記憶するモデル記憶手段と、診断対象システムに搭載されたデータログ取得装置から、診断対象システムの正常時における、前記ブロック線図に係る全ての階層の入出力信号と、前記状態遷移図に係る全ての抽象度レベルの状態値とを正常データログとして入力し、診断対象システムの異常時における、前記ブロック線図に係る最上位の階層の入出力信号と、前記状態遷移図に係る最上位の抽象度レベルの状態値とを異常データログとして取得するデータログ取得手段と、前記正常データと前記異常データとを比較して値が相違する入出力信号および状態値のいずれか一方または両方の集まりを相違集合として算出し、全ての前記相違集合を充足することを制約条件として最大充足可能性問題の形に定式化し、前記最大充足可能性問題を解くことで、障害発生条件となる入出力信号および状態値のいずれか一方または両方の組み合わせを算出する障害発生条件算出手段と、前記障害発生条件が算出された場合は、前回入力した異常データログの階層よりも低い階層の入出力信号を取得するように前記データログ取得装置に変更指示を行い、前記障害発生条件が算出されなかった場合は、前回入力した異常データログの抽象度レベルよりも低い抽象度レベルの状態値を取得するように前記データログ取得装置に変更指示を行う異常データログ取得変更手段と、を具備することを特徴とする障害診断装置である。
第3の発明は、複数のコンポーネントが互いにデータをやり取りすることにより動作するシステムにおいて発生した障害を診断する障害診断方法であって、診断対象システムの振る舞いを階層ごとに記述したブロック線図と、診断対象システムの各コンポーネントの状態遷移を抽象度レベルごとに記述した状態遷移図とを記憶する障害診断装置が、診断対象システムに搭載されたデータログ取得装置から、診断対象システムの正常時における、前記ブロック線図に係る全ての階層の入出力信号と、前記状態遷移図に係る全ての抽象度レベルの状態値とを正常データログとして入力するステップと、前記データログ取得装置から、診断対象システムの異常時における、前記ブロック線図に係る最上位の階層の入出力信号と、前記状態遷移図に係る最上位の抽象度レベルの状態値とを異常データログとして入力するステップと、前記正常データと前記異常データとを比較して値が相違する入出力信号および状態値のいずれか一方または両方の集まりを相違集合として算出し、全ての前記相違集合を充足することを制約条件として最大充足可能性問題の形に定式化し、前記最大充足可能性問題を解くことで、障害発生条件となる入出力信号および状態値のいずれか一方または両方の組み合わせを算出するステップと、前記障害発生条件が算出された場合は、前回入力した異常データログの階層よりも低い階層の入出力信号を取得するように前記データログ取得装置に変更指示を行い、前記障害発生条件算出手段によって前記障害発生条件が算出されなかった場合は、前回入力した異常データログの抽象度レベルよりも低い抽象度レベルの状態値を取得するように前記データログ取得装置に変更指示を行うステップと、を実行することを特徴とする障害診断方法である。
本発明により、事前に想定していなかった原因による障害が発生した場合であっても障害発生条件を特定可能であり、かつ障害発生時のログの保存を必要最小限に抑えて車両の動作性能を維持することが可能な故障診断システム等を提供することができる。
障害診断システム1の概略構成を示す図 障害診断装置5を実現するコンピュータのハードウェア構成図 データログ取得装置7のハードウェア構成図 ブロック線図41と状態遷移図42の一例を示す図 障害診断システム1の処理全体を示すフローチャート 正常時の時系列データの一例を示す図 異常時の時系列データの一例を示す図 抽出前の異常時の時系列データの一例を示す図 抽出後の異常時の時系列データの一例を示す図 第1の相違集合算出処理の詳細を示すフローチャート 相違集合の算出結果の一例を示す図 相違集合の算出結果の一例を示す図 第2の相違集合算出処理の詳細を示すフローチャート 異常データログ取得の変更の一例を示す図 最大充足可能性問題の制約条件となる論理式の一例を示す図 各データの値が障害発生条件の構成要素であることを否定する論理式の一例を示す図 障害発生条件算出処理の詳細を示すフローチャート 異常データログ取得の変更の一例を示す図
以下図面に基づいて、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、障害診断システム1の概略構成を示す図である。障害診断システム1は、複数のコンポーネントが互いにデータをやり取りすることにより動作するシステムにおいて発生した障害を診断するためのシステムである。診断対象のシステムとしては、複数のECUを搭載する車載システムなどがある。
図1に示すように、障害診断システム1は、障害診断装置5、データログ取得装置7、障害検知装置9等から構成される。診断対象の車載システム3は、データログ取得装置7、障害検知装置9、複数のECU11等がCAN(Controller Area Network)などの車載ネットワーク13や無線通信などを介して接続されている。データログ取得装置7と障害検知装置9は、車載システム3に搭載されている。一方、障害診断装置5は、例えばコンピュータであって、車載システム3に搭載される必要はない。
障害診断装置5は、正常時と異常時のデータログを入力として、車載システム3において発生した障害を診断する。データログは、車載ネットワーク13に流れる入出力信号、各コンポーネントの状態値などである。障害診断装置5の出力は、障害発生条件である。障害発生条件は、入出力信号、状態値の組み合わせである。例えば、発生した障害に対して、車速を示す信号がAkm/h、車間距離制御(ACC:Adaptive Cruise Control)システムがONであることが障害発生条件という具合である。
データログ取得装置7は、車載ネットワーク13に流れる入出力値、各コンポーネントの状態値をデータログとして取得する。取得したデータログは、無線で遠隔にあるコンピュータに送信しても良いし、ケーブル等を介してコンピュータに送信しても良い。
障害検知装置9は、障害の発生を検知し、障害が発生したことをデータログ取得装置7に通知する。障害検知装置9は、例えば、車両に搭載されている各種のセンサから障害発生を示すダイアグ信号を受信すると、障害が発生したと判断する。また、車両の運転者が障害の発生を検知したときに、入力装置等によってその旨を入力するようにしても良い。
データログ取得装置7は、常にデータログを記録し、特定の期間は記録を残すようにしておく。そして、障害検知装置9から障害発生の通知を受けると、記録しているデータログの中から障害発生の通知を受けた前後のデータログは、異常時のデータログとして記録する。一方、正常時のデータログは、車両の実験走行時などに取得して記録する。正常時のデータログは、様々な走行環境で取得することが望ましい。
ECU11は、診断対象のシステムにおける各機能を実現する。
図2は、障害診断装置5を実現するコンピュータのハードウェア構成図である。尚、図2のハードウェア構成は一例であり、用途、目的に応じて様々な構成を採ることが可能である。
図2に示すように、障害診断装置5は、制御部21、記憶部22、メディア入出力部23、通信制御部24、入力部25、表示部26、周辺機器I/F部27等が、バス28を介して接続される。
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成される。CPUは、記憶部22、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、バス28を介して接続された各装置を駆動制御し、障害診断装置5が行う後述する処理を実現する。
ROMは、不揮発性メモリであり、コンピュータのブートプログラムやBIOS等のプログラム、データ等を恒久的に保持している。
RAMは、揮発性メモリであり、記憶部22、ROM、記録媒体等からロードしたプログラム、データ等を一時的に保持するとともに、制御部21が各種処理を行う為に使用するワークエリアを備える。
記憶部22は、HDD(ハードディスクドライブ)であり、制御部21が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ、OS(オペレーティングシステム)等が格納される。プログラムに関しては、OS(オペレーティングシステム)に相当する制御プログラムや、後述する処理をコンピュータに実行させるためのアプリケーションプログラムが格納されている。
これらの各プログラムコードは、制御部21により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて各種の手段として実行される。
メディア入出力部23(ドライブ装置)は、データの入出力を行い、例えば、CDドライブ(−ROM、−R、−RW等)、DVDドライブ(−ROM、−R、−RW等)、MOドライブ等のメディア入出力装置を有する。
通信制御部24は、通信制御装置、通信ポート等を有し、コンピュータとネットワーク29間の通信を媒介する通信インタフェースであり、ネットワーク29を介して、他のコンピュータ間との通信制御を行う。
入力部25は、データの入力を行い、例えば、キーボード、マウス等のポインティングデバイス、テンキー等の入力装置を有する。
入力部25を介して、コンピュータに対して、操作指示、動作指示、データ入力等を行うことができる。
表示部26は、CRTモニタ、液晶パネル等のディスプレイ装置、ディスプレイ装置と連携してコンピュータのビデオ機能を実現するための論理回路等(ビデオアダプタ等)を有する。
周辺機器I/F(インタフェース)部27は、コンピュータに周辺機器を接続させるためのポートであり、周辺機器I/F部27を介してコンピュータは周辺機器とのデータの送受信を行う。周辺機器I/F部27は、USBやIEEE1394やRS−232C等で構成されており、通常複数の周辺機器I/Fを有する。周辺機器との接続形態は有線、無線を問わない。
バス28は、各装置間の制御信号、データ信号等の授受を媒介する経路である。
図3は、データログ取得装置7のハードウェア構成図である。尚、図3のハードウェア構成は一例であり、用途、目的に応じて様々な構成を採ることが可能である。
図3に示すように、データログ取得装置7は、制御部31、記憶部32、周辺機器I/F部33、通信インタフェース34等で構成される。
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成される。CPUは、記憶部32、ROM、記録媒体等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、モジュール5全体を駆動制御する。
ROMは、不揮発性メモリであり、処理に必要なプログラム、データ等を恒久的に保持している。
RAMは、揮発性メモリであり、記憶部32、ROM等からロードしたプログラム、データ等を一時的に保持するとともに、制御部31が各種処理を行う為に使用するワークエリアを備える。
記憶部32は、制御部31が実行するプログラム、プログラム実行に必要なデータ等が格納される。これらの各プログラムコードは、制御部31により必要に応じて読み出されてRAMに移され、CPUに読み出されて各種の手段として実行される。
周辺機器I/F(インタフェース)部27は、データログ取得装置7に周辺機器を接続させるためのポートであり、周辺機器I/F部27を介してデータログ取得装置7は周辺機器とのデータの送受信を行う。周辺機器は、遠隔のコンピュータと無線で通信するための無線通信機器、コンピュータと有線で通信するための各種ケーブル等である。
通信インタフェース34は、データログ取得装置7と車載ネットワーク13間の通信を媒介する。
図4は、ブロック線図41と状態遷移図42の一例を示す図である。ブロック線図41と状態遷移図42は、障害診断装置5の記憶部22に記憶される。ブロック線図41は、診断対象システムの振る舞いを階層ごとに記述したものである。また、状態遷移図42は、診断対象システムの各コンポーネントの状態遷移を抽象度レベルごとに記述したものである。
一般に、ブロック線図とは、自動制御系の中での信号伝達を表す線図であり、伝達関数を示すブロック、信号を示す矢印などで構成される。矢印の向きは、信号の伝達方向を表す。
例えば、最上位層(第一層)は、複数のECUから構成された車両システム全体の振る舞いを表すものとし、各ブロックが一つのECUに対応する。また、例えば、第二層は、一つのECUの振る舞いを表すものとし、各ブロックが一つのECUが備える各機能に対応する。また、例えば、第三層は、一つの機能の振る舞いを表すものとし、各ブロックが一つの機能が備えるソフトウェア部品に対応する。但し、階層化の基準はこれに限定されるものではなく、様々な基準によってブロック線図の階層化を行うことができる。
また、一般に、状態遷移図とは、状態が遷移していく様子を表現する図であり、状態を表す角のまるい四角、角のまるい四角同士を結ぶ矢印、初期状態を示す黒丸、終了状態を示す黒二重丸などから構成される。
また、状態遷移図には階層化の概念を導入することもできる。例えば、カーエアコンの場合、最も抽象度レベルの高い最上位層(第一層)は、スイッチが「ON」と「OFF」の2つの状態を表現する。また、例えば、第二層は、スイッチが「ON」の状態の入れ子として、「冷房」と「暖房」の2つの状態を表現する。また、例えば、第三層は、「冷房」の状態の入れ子として、風の強さが「弱」、「中」、「強」の3つの状態を表現する。状態遷移図42の抽象度レベルは様々な基準によって決定することができる。
尚、本願の状態遷移図42は、状態遷移表を含む概念である。状態遷移図と状態遷移表は互いに一方から他方を作成することが可能な関係にあり、本願発明においては適宜選択することができる。
システムが大規模な場合、ブロック線図において一つの階層でシステムの全ての振る舞いを記述しようとすると、ブロックの数が増えて煩雑になる。このような問題に対処する為、現在市販されている一般的なモデリングソフトウェアでは、ブロック線図における複数のブロックを一つのブロックとしてまとめて上位層とする機能、一つのブロックの内部を複数のブロックで記述して下位層とする機能を備えている。こうしたソフトウェアを用いることで、図4に示すブロック線図41を作成することができる。
また、ブロック線図と状態遷移図を組み合わせることで、局所的に必要十分な精度でモデル化することができる。現在市販されている一般的なモデリングソフトウェアでは、ブロック線図と状態遷移図を組み合わせて記述する機能を備えている。こうしたソフトウェアを用いることで、図4に示すように、診断対象システムの振る舞いをブロック線図41と状態遷移図42で記述することができる。
図5は、障害診断システム1の処理全体を示すフローチャートである。
図5に示すように、データログ取得装置7の制御部31は、正常時のデータログを取得する(S101)。正常時のデータログは、障害診断装置5に送信されて記憶部22に記憶される。
次に、障害診断装置5の制御部21は、正常時の時系列データを生成する(S102)。
図6は、正常時の時系列データの一例を示す図である。時系列データは、データログに含まれる入出力信号、コンポーネントの状態値などのデータを入力としたとき、各ECU11の処理結果が変わらない範囲、例えば、プログラム中の条件分岐やジャンプ部で同じ動きをする範囲を同値とみなし、同値とみなす範囲にデータを分割して変換し、同一時刻ごとに纏めたものである。例えば、車速を示す信号の場合、0km/hであれば0、0km/h〜5km/hであれば1、5km/h〜20km/hであれば2、・・・といった具合に変換する。
図6に示すように、例えば、No.が「X1」の正常時の時系列データは、データ1が「0」、データ2が「1」、データ3が「0」、データ4が「1」、データ5が「0」である。
図5の説明に戻ると、データログ取得装置7の制御部31は、異常時のデータログを取得する(S103)。異常時のデータログは、障害検知装置9から通知を受けたときの前後のデータログであり、障害診断装置5に送信されて記憶部22に記憶される。
次に、障害診断装置5の制御部21は、異常時の時系列データを生成する(S104)。
図7は、異常時の時系列データの一例を示す図である。図7に示すデータは、図6に示す正常時の時系列データと同じように、同値とみなす範囲にデータの値を分割して変換し、同一時刻ごとに纏めたものである。図7に示すデータでは、データ容量を圧縮する為、データの組み合わせが変化する時刻のみを抽出するようにしている。
図8は、抽出前の異常時の時系列データの一例を示す図である。図9は、抽出後の異常時の時系列データの一例を示す図である。
図8に示すように、取得時刻が「t2」のデータは、取得時刻が「t1」のデータと比較して変化がない。そこで、図9に示すように、取得時刻が「t2」のデータは抽出しない。次に、取得時刻が「t3」のデータは、取得時刻が「t2」のデータと比較してデータ1、データ5の値が変化している。そこで、図9に示すように、取得時刻が「t3」のデータを抽出する。同様に、取得時刻が「t5」と「t6」のデータは、それぞれ一時刻前のデータとデータの値が変化していることから抽出対象となる。
尚、データ容量を圧縮するためのデータの抽出は、一定時間間隔ごとに抽出するようにしても良い。
図5の説明に戻ると、障害診断装置5の制御部21は、相違集合を算出する(S105)。相違集合は、異常時の時系列データのそれぞれを全ての正常時の時系列データと比較した結果、値が相違するデータの集まりである。
図10は、第1の相違集合算出処理の詳細を示すフローチャートである。図10では、1時刻単位で異常時の時系列データのそれぞれを全ての正常時の時系列データと比較し、相違集合を算出する。
図10に示すように、障害診断装置5の制御部21は、正常時の時系列データXiの番号を示す添え字i、異常時の時系列データYjの番号を示す添え字jにそれぞれ1を代入する(S201)。
次に、制御部21は、正常時の時系列データXiと異常時の時系列データYjの相違を算出する(S202)。
図11は、相違集合の算出結果の一例を示す図である。図11は、図7に示すNo.が「Y1」の異常時の時系列データと、図6に示す全ての正常時の時系列データとを比較した結果である。
No.が「Y1」の異常時の時系列データは、データ1が「1」、データ2が「3」、データ3が「1」、データ4が「0」、データ5が「1」である。No.が「X1」の正常時の時系列データは、データ1が「0」、データ2が「1」、データ3が「0」、データ4が「1」、データ5が「0」である。これらを比較すると、全てのデータの値が相違することから、図10に示すように、No.が「D1」の相違集合は、{S1f、S2f、S3f、S4f、S5f}となる。ここで、S1fは障害発生時におけるデータ1の値、この例ではY1のデータ1の値を意味する。
図10の説明に戻ると、障害診断装置5の制御部21は、S202の結果、正常時の時系列データXiと異常時の時系列データYjの相違がある場合(S203のYes)、S204に進む。一方、制御部21は、S202の結果、正常時の時系列データXiと異常時の時系列データYjの相違がない場合(S203のNo)、S206に進む。
S204では、制御部21は、添え字iと、正常時の時系列データXiの最終番号mを比較し、添え字iがmより大きくない場合(S204のNo)、添え字iにi+1を代入し(S205)、S202から繰り返す。一方、制御部21は、添え字iと、正常時の時系列データXiの最終番号mを比較し、添え字iがmより大きい場合(S204のYes)、現在処理対象の異常時の時系列データYjに障害発生条件が含まれるとして、全ての相違集合を記憶部22またはRAMに保存し(S208)、処理を終了する。
S206では、制御部21は、添え字jと、異常時の時系列データYjの最終番号nを比較し、添え字jがnより大きくない場合(S206のNo)、添え字jにj+1を代入し(S207)、S202から繰り返す。一方、制御部21は、添え字jと、異常時の時系列データYjの最終番号nを比較し、添え字jがnより大きい場合(S206のYes)、処理を終了する。尚、このケースでは、障害発生条件を特定できないことになる。この場合、図13の説明にて後述するように、複数時刻単位で異常時の時系列データのそれぞれを全ての正常時の時系列データと比較していくことになる。
図11に示す例では、No.が「D6」の相違集合が{φ}(空集合)になっている。この場合、S203の判定結果がNoになることから、制御部21は、S206に進む。相違集合が空集合になることは、異常時の時系列データYj(j=1)が正常時の時系列データXi(i=6)と一致することを意味する。従って、j=1に対応する時刻には、障害が発生していないと推定できる。
図12は、相違集合の算出結果の一例を示す図である。図12は、図7に示すNo.が「Y2」の異常時の時系列データYj(j=2)と、図6に示す全ての正常時の時系列データとを比較した結果である。
図12に示す例では、相違集合が全て空集合ではない。この場合、S203の判定結果が常にYesとなり、添え字iについて最後の番号まで処理を行うと、S204の判定結果がYesとなり、制御部21は、S208に進む。このケースでは、異常時の時系列データYj(j=2)が正常時の時系列データXiとのいずれとも一致しないことを意味する。従って、j=2に対応する時刻には、障害が発生していると推定できる。
図13は、第2の相違集合算出処理の詳細を示すフローチャートである。図13では、2時刻単位で異常時の時系列データのそれぞれを全ての正常時の時系列データと比較し、相違集合を算出する。
図10のS208を実行せずに第1の相違集合算出処理を終了した場合、障害診断装置5は、図13に示す第2の相違集合算出処理を実行する。
図13に示すように、障害診断装置5の制御部21は、正常時の時系列データXiの番号を示す添え字i、異常時の時系列データYjの番号を示す添え字jにそれぞれ1を代入する(S301)。
次に、制御部21は、正常時の時系列データXi、X(i+1)と異常時の時系列データYj、Y(j+1)の相違を算出する(S302)。
次に、障害診断装置5の制御部21は、S302の結果、正常時の時系列データXi、X(i+1)と異常時の時系列データYj、Y(j+1)の相違がある場合(S303のYes)、S304に進む。一方、制御部21は、S302の結果、正常時の時系列データXi、X(i+1)と異常時の時系列データYj、Y(j+1)の相違がない場合(S303のNo)、S306に進む。
S304では、制御部21は、添え字iと、正常時の時系列データXiの最終番号から1を引いたm−1を比較し、添え字iがm−1より大きくない場合(S304のNo)、添え字iにi+1を代入し(S305)、S302から繰り返す。一方、制御部21は、添え字iと、正常時の時系列データXiの最終番号から1を引いたm−1を比較し、添え字iがm−1より大きい場合(S304のYes)、現在処理対象の異常時の時系列データYj、Y(j+1)の組み合わせに障害発生条件が含まれるとして、全ての相違集合を記憶部22またはRAMに保存し(S308)、処理を終了する。
S306では、制御部21は、添え字jと、異常時の時系列データYjの最終番号から1を引いたn−1を比較し、添え字jがn−1より大きくない場合(S306のNo)、添え字jにj+1を代入し(S307)、S302から繰り返す。一方、制御部21は、添え字jと、異常時の時系列データYjの最終番号から1を引いたn−1を比較し、添え字jがn−1より大きい場合(S306のYes)、処理を終了する。尚、このケースでは、障害発生条件を特定できないことになる。この場合、更に3時刻単位、4時刻単位、・・・というように、異常時の時系列データのそれぞれを全ての正常時の時系列データと比較していくことで、障害発生条件を特定することができる。
但し、本発明の実施の形態では、データログ取得装置7は全ての入出力信号と状態値を取得するわけでないことから、一回の障害診断だけでは障害発生条件を特定できない場合もある。
以上の通り、図10に示す処理では、1時刻単位で相違集合を算出している。この場合、同時刻における複数のデータの値のパターンが障害発生条件となる。一方、後述する図13に示す処理では、2時刻単位で相違集合を算出する。このように複数時刻単位で相違データを算出する場合、複数のデータの値の時系列的な変化のパターンが障害発生条件となる。
図5の説明に戻ると、障害診断装置5の制御部21は、障害発生条件を算出できるかを判断する(S106)。S105にて比較した結果、比較対象の異常時の時系列データが、いずれかの正常時の時系列データに一致する場合(図11に示す場合)には、比較対象の異常時の時系列データから障害発生条件を算出できないと判断する。
障害診断装置5の制御部21は、S106にて障害発生条件を算出できないと判断すると(S106のNO)、前回より低い抽象度レベルの状態値を取得するように、データログ取得装置7に変更指示する(S107)。変更指示は、無線で遠隔から送信しても良いし、ケーブル等を介して送信しても良い。
尚、変更指示は、最上位の階層の入出力信号と最上位の抽象度レベルの状態値については常に取得するものとし、これらに加えて取得する入出力信号と状態値を変更するものとしても良い。即ち、データログ取得装置7は、最上位の階層の入出力信号と最上位の抽象度レベルの状態値については常に取得するようにしても良い。これは、稀に複数の障害が同時に発生する場合もあるので、現在診断対象としている障害とは異なる障害に対して障害原因を診断できるようにするためである。
図14は、異常データログ取得の変更の一例を示す図である。図14に示す入出力信号と状態値は、図4に示すブロック線図41と状態遷移図42に関するものである。
障害発生前の場合、データログ取得装置7は、ブロック線図41の最上位階層の入出力信号と、状態遷移図42の最も抽象度レベルの高い状態値を取得する。図4に示すブロック線図41では、B0が最上位階層であるから、1回目の障害診断のログ取得対象は、入出力信号a〜d、h〜jとなる。また、図4に示す状態遷移図42では、コンポーネントS1の最も抽象度レベルの高い状態値がv(v1、v2)、コンポーネントS2の最も抽象度レベルの高い状態値がx(x1、x2)であるから、1回目の障害診断のログ取得対象は、状態値v、xとなる。
図14に示す例では、1回目の障害診断の結果が「障害発生条件が算出できない」となっている。この場合、障害診断装置5の制御部21は、前回より低い抽象度レベルの状態値を取得するように、データログ取得装置7に変更指示する。従って、2回目の障害診断のログ取得対象は、入出力信号については変更せず、状態値については前回より低い抽象度レベルであるw、yとなる。
図14に示す例では、2回目の障害診断の結果が(c、y)=(−30、ON)となり、前回より低い抽象度レベルであるyを含む障害発生条件が算出できている。
ここで、障害発生条件が算出できなかった場合、前回より低い階層の入出力信号を取得するように変更するのではなく、前回より低い抽象度レベルの状態値を取得するように変更する理由について説明する。
本実施の形態における障害診断システム1は、例えば、ACC作動中なのに先行車に追従しない、というようなドライバーが障害を検知しているにも関わらず、故障診断コードが立たないような障害を対象にしている。ドライバーが検知できるような障害は、診断対象全体のふるまいを1つの順序機械と捉えると、その入力と状態と出力の関係におかしい(正常でない)ことが発生したと考えられる。つまり、図4の最上位の階層B0の入出力信号と、B0の状態を規定する状態値であるa、b、c、d、h、i、j、v、w、x、yの関係で問題が起きていると考えられる。仮に、信号m、n、iのような低い階層のコンポーネント間でやりとりされるような信号で問題が生じていたとしても、より高い階層でのふるまい、すなわち図4のa、b、c、d、h、i、j、v、w、x、yの関係で問題が生じなければ、ドライバーが検知するような障害として表面化していないと考えられる。
従って、障害が発生した際、最上位の階層で現れる信号が障害発生条件として導出された場合のみ、より低い階層の入出力信号を取得するように変更し、障害発生条件が導出されなかった場合は、そのような変更は行わない。
一方、例えば、図4において、(w、f)=(w2、f)が真の障害発生条件とする。また、(v、w、f)=(v2、w1、f)が正常データログとして記憶部22に記憶されているものとする。この場合、最上位層の状態値を取得すると、(v、f)=(v2、f)となり、正常データログと一致する(但しwは取得していないので比較しない。)ことになり、障害発生条件を算出できない。しかし、第二層の状態値を取得すれば、(w、f)=(w2、f)となり、正常データログと一致せず、障害発生条件を算出できる。従って、最上位層の状態値を取得する時点で障害発生条件を算出できない場合、より抽象度レベルの低い状態値を順次取得していくことで障害発生条件を算出できることになる。
図5の説明に戻ると、障害診断装置5の制御部21は、障害発生条件を算出できると判断すると(S106のYES)、最大充足可能性問題(MAXSAT)の形に定式化する(S108)。最大充足可能性問題とは、重み付きの節(clause)の集合が与えられたときに、充足する節の重みの和を最大にする割り当てを求める問題である。節とは、n個の変数x1,・・・,xnとその否定¬x1,・・・, ¬xnの中から、いくつかを論理和(∨)でつなげた論理式である。
制御部21は、全ての相違集合を充足することを制約条件とし、各データの値が障害発生条件の構成要素であることを否定する論理式に同じ重みを設定することで最大充足可能性問題の形に定式化する。
図15は、最大充足可能性問題の制約条件となる論理式の一例を示す図である。図15は、図12の例における最大充足可能性問題の制約条件となる論理式を示している。
障害診断装置5の制御部21は、S105にて算出した相違集合から、最大充足可能性問題の制約条件となる論理式を導出する。例えば、制御部21は、図12に示すNo.が「D1」の相違集合{S2f、S3f、S4f}から、図15に示すNo.が「L1」の論理式cd(S2f)∨cd(S3f)∨cd(S4f)を導出する。ここで、例えば、cd(S2f)は、データ2の値が障害発生条件の一つを構成するときに真となる。
制御部21は、図12に示す7つの論理式の全てを最大充足可能性問題の制約条件として定式化する。
図16は、各データの値が障害発生条件の構成要素であることを否定する論理式の一例を示す図である。
図16に示すように、例えば、データ1が障害発生条件の構成データであることを否定する論理式は、¬cd(S1f)である。制御部21は、全てのデータの値について、障害発生条件の構成データであることを否定する論理式を導出し、それぞれの論理式に同じ重みを設定することで、最大充足可能性問題として定式化する。
図12の例では、図15に示す論理式(No.が「L1」〜「L7」)を制約条件とし、図16に示す論理式(No.が「L11」〜「L15」)に同じ重みを設定した最大充足可能性問題が定式化される。
図5の説明に戻ると、障害診断装置5は、障害発生条件を算出する(S109)。障害診断装置5は、S108にて定式化した最大充足可能性問題の解を算出し、算出された解を否定する論理式を制約条件として逐次追加して再度解を算出する処理を、解が存在しなくなるまで繰り返すことで、障害発生条件となるデータの値またはデータの値の組み合わせを算出する。
図17は、障害発生条件算出処理の詳細を示すフローチャートである。
図17に示すように、障害診断装置5の制御部21は、最大充足可能性問題の解を算出する(S401)。初回のS401の処理では、制御部21は、図5のS106にて定式化した最大充足可能性問題のミニマム解を算出する。ミニマム解とは、データを1つでも削るとsatisfiableにならない解である。
次に、制御部21は、解が存在したかどうか確認する(S402)。
解が存在する場合、制御部21は、算出された解を否定する論理式を制約条件として追加し(S403)、S401に進む。2回目以降のS401の処理では、制御部21は、S403にて追加された制約条件を含めた最大充足可能性問題のミニマム解を算出する。
一方、解が存在しない場合、制御部21は、算出された全ての解の和集合を障害発生条件として保存する(S404)。正常時の時系列データが十分に多い場合、ミニマム解の和集合が真の障害発生条件に収束すると考えられる。
図15に示す論理式(No.が「L1」〜「L7」)を制約条件とし、図16に示す論理式(No.が「L11」〜「L15」)に同じ重みを設定した最大充足可能性問題を解くと、例えば、最初のミニマム解として、{S1f、S2f}が算出される(S401)。解が算出されたことから(S402のYes)、算出された解を否定する論理式を制約条件として追加する(S403)。算出された解に対応する論理式は、cd(S1f)∧cd(S2f)である。この論理式を否定する論理式は、¬cd(S1f)∨¬cd(S2f)である。
次に、¬cd(S1f)∨¬cd(S2f)の論理式を制約条件として追加し、最大充足可能性問題を解くと、次のミニマム解として、{S2f、S5f}が算出される(S401)。解が存在することから(S402のYes)、算出された解を否定する論理式を制約条件として追加する(S403)。算出された解に対応する論理式は、cd(S2f)∧cd(S5f)である。この論理式を否定する論理式は、¬cd(S2f)∨¬cd(S5f)である。
次に、¬cd(S2f)∨¬cd(S5f)の論理式を制約条件として追加し、最大充足可能性問題を解くと、解は存在しない(S401)。解が存在しないことから(S402のNo)、算出された全ての解の和集合を障害発生条件として保存する(S404)。この場合の障害発生条件は、{S1f、S2f、S5f}となる。
ミニマム解の和集合を障害発生条件とする理由は、正常時の時系列データが多くなると、ミニマム解の和集合が真の障害発生条件に近づくと考えられるからである。例えば、図7において、Y2中のデータ2が「3」、データ5が「0」が真の障害発生条件であった場合を考える。正常時データが、データ2が「3」、かつデータ5が「0」であるデータを含んでいない図6に示すX1〜X7だった場合は、前述のように、ミニマム解の和集合は、{S1f、S2f、S5f}となる。正常時の時系列データがさらに多い状態を考えると、相違データが極力少ない正常時データが存在する状況が考えられる。最も相違データが小さい正常時データとしては、Y2中のデータ2以外のすべてのデータが同じ値であるデータ、つまりデータ1が「0」、データ3が「1」、データ4が「0」、データ5が「0」でデータ2が「3」でないデータ、及び、Y2中のデータ5以外の全てのデータが同じ値であるデータ、つまりデータ1が「0」、データ2が「3」、データ3が「1」、データ4が「0」でデータ5が「0」でないデータが考えられる。Y2の上記2つの正常時データに対する相違データはそれぞれ{S2f}、{S5f}となり、前述の手順からミニマム解及びその和集合は{S2f、S5f}となり、障害発生条件と一致する。このように、正常時データが多くなると、ミニマム解の和集合が真の障害発生条件に近づくと考えられることから、ミニマム解の和集合を障害発生条件とする。
図5の説明に戻る。障害診断装置5の制御部21は、S109にて障害発生条件を算出すると、前回より低い階層の入出力信号を取得するように、データログ取得装置7に変更指示する(S110)。変更指示は、無線で遠隔から送信しても良いし、ケーブル等を介して送信しても良い。前回より低い階層の入出力信号を取得することで、真の障害発生条件を算出できる。
尚、変更指示は、最上位の階層の入出力信号と最上位の抽象度レベルの状態値については常に取得するものとし、これらに加えて取得する入出力信号と状態値を変更するものとしても良い。即ち、データログ取得装置7は、最上位の階層の入出力信号と最上位の抽象度レベルの状態値については常に取得するようにしても良い。これは、稀に複数の障害が同時に発生する場合もあるので、現在診断対象としている障害とは異なる障害に対して障害原因を診断できるようにするためである。
図18は、異常データログ取得の変更の一例を示す図である。図18に示す入出力信号と状態値は、図4に示すブロック線図41と状態遷移図42に関するものである。
障害発生前の場合、データログ取得装置7は、ブロック線図41の最上位階層の入出力信号と、状態遷移図42の最も抽象度レベルの高い状態値を取得する。図4に示すブロック線図41では、B0が最上位階層であるから、1回目の障害診断のログ取得対象は、入出力信号a〜d、h〜jとなる。また、図4に示す状態遷移図42では、コンポーネントS1の最も抽象度レベルの高い状態値がv(v1、v2)、コンポーネントS2の最も抽象度レベルの高い状態値がx(x1、x2)であるから、1回目の障害診断のログ取得対象は、状態値v、xとなる。
図18に示す例では、1回目の障害診断の結果が(i、j)=(50、50)となり、障害発生条件が算出できている。この場合、障害診断装置5の制御部21は、前回より低い階層の入出力信号を取得するように、データログ取得装置7に変更指示する。従って、2回目の障害診断のログ取得対象は、状態値については変更せず、入出力信号については前回より低い階層であるl〜nとなる。
図18に示す例では、2回目の障害診断の結果が(l、n)=(ON、ON)となり、前回より低い階層の入出力信号を含む障害発生条件が算出できている。
以上、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明した。
本発明では、システムに潜在的に存在するバグに起因する障害等、事前に想定していなかった原因による障害が発生した場合であっても障害発生条件を特定できる。本発明では、障害原因に関する事前知識は必要としないため、製品を市場に投入する段階では想定できない障害に対しても対応することができる。また、本発明では、障害発生条件を特定する過程で、障害を繰り返し再現することを必要としないため、再現が困難な障害に対しても対応することができる。
また、本発明では、ブロック線図と状態遷移図によるシステムの振る舞いの階層的な記述情報を用いて、異常時に取得する異常データログを変化させてログ取得と診断を繰り返すことで、障害発生時のログの保存を必要最小限に抑えて車両の動作性能を維持しながら、障害発生条件を絞り込むことができる。
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る障害診断システム等の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1………障害診断システム
3………車載システム
5………障害診断装置
7………データログ取得装置
9………障害検知装置
11………ECU
13………車載ネットワーク
21………制御部
22………記憶部
23………メディア入出力部
24………通信制御部
25………入力部
26………表示部
27………周辺機器I/F部
28………バス
29………ネットワーク
31………制御部
32………記憶部
33………周辺機器I/F部
34………通信インタフェース
41………ブロック線図
42………状態遷移図

Claims (5)

  1. 複数のコンポーネントが互いにデータをやり取りすることにより動作するシステムにおいて発生した障害を診断する障害診断システムであって、
    診断対象システムの振る舞いを階層ごとに記述したブロック線図と、診断対象システムの各コンポーネントの状態遷移を抽象度レベルごとに記述した状態遷移図とを記憶する記憶手段と、
    診断対象システムの正常時における、前記ブロック線図に係る全ての階層の入出力信号と、前記状態遷移図に係る全ての抽象度レベルの状態値とを正常データログとして取得し、診断対象システムの異常時における、前記ブロック線図に係る最上位の階層の入出力信号と、前記状態遷移図に係る最上位の抽象度レベルの状態値とを異常データログとして取得するデータログ取得手段と、
    前記正常データログと前記異常データログとを比較して値が相違する入出力信号および状態値のいずれか一方または両方の集まりを相違集合として算出し、全ての前記相違集合を充足することを制約条件として最大充足可能性問題の形に定式化し、前記最大充足可能性問題を解くことで、障害発生条件となる入出力信号および状態値のいずれか一方または両方の組み合わせを算出する障害発生条件算出手段と、
    前記障害発生条件が算出された場合は、前記データログ取得手段が前回取得した階層よりも低い階層の入出力信号を取得するように変更し、前記障害発生条件が算出されなかった場合は、前記データログ取得手段が前回取得した抽象度レベルよりも低い抽象度レベルの状態値を取得するように変更する異常データログ取得変更手段と、
    を具備することを特徴とする障害診断システム。
  2. 前記異常データログ取得変更手段による変更指示は、前記ブロック線図に係る最上位の階層の入出力信号と、前記状態遷移図に係る最上位の抽象度レベルの状態値とについては常に取得するものとし、これらに加えて取得する入出力信号および状態値を変更することを特徴とする請求項1に記載の障害診断システム。
  3. 前記障害発生条件算出手段は、入出力信号および状態値のいずれか一方または両方のそれぞれの値が障害発生条件の構成要素であることを否定する論理式に同じ重みを設定することで最大充足可能性問題の形に定式化し、前記最大充足可能性問題の解を算出し、算出された解を否定する論理式を制約条件として逐次追加して再度解を算出する処理を、解が存在しなくなるまで繰り返すことで、障害発生条件となる入出力信号および状態値のいずれか一方または両方の組み合わせを算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の障害診断システム。
  4. 複数のコンポーネントが互いにデータをやり取りすることにより動作するシステムにおいて発生した障害を診断する障害診断装置であって、
    診断対象システムの振る舞いを階層ごとに記述したブロック線図と、診断対象システムの各コンポーネントの状態遷移を抽象度レベルごとに記述した状態遷移図とを記憶するモデル記憶手段と、
    診断対象システムに搭載されたデータログ取得装置から、診断対象システムの正常時における、前記ブロック線図に係る全ての階層の入出力信号と、前記状態遷移図に係る全ての抽象度レベルの状態値とを正常データログとして入力し、診断対象システムの異常時における、前記ブロック線図に係る最上位の階層の入出力信号と、前記状態遷移図に係る最上位の抽象度レベルの状態値とを異常データログとして取得するデータログ取得手段と、
    前記正常データと前記異常データとを比較して値が相違する入出力信号および状態値のいずれか一方または両方の集まりを相違集合として算出し、全ての前記相違集合を充足することを制約条件として最大充足可能性問題の形に定式化し、前記最大充足可能性問題を解くことで、障害発生条件となる入出力信号および状態値のいずれか一方または両方の組み合わせを算出する障害発生条件算出手段と、
    前記障害発生条件が算出された場合は、前回入力した異常データログの階層よりも低い階層の入出力信号を取得するように前記データログ取得装置に変更指示を行い、前記障害発生条件が算出されなかった場合は、前回入力した異常データログの抽象度レベルよりも低い抽象度レベルの状態値を取得するように前記データログ取得装置に変更指示を行う異常データログ取得変更手段と、
    を具備することを特徴とする障害診断装置。
  5. 複数のコンポーネントが互いにデータをやり取りすることにより動作するシステムにおいて発生した障害を診断する障害診断方法であって、
    診断対象システムの振る舞いを階層ごとに記述したブロック線図と、診断対象システムの各コンポーネントの状態遷移を抽象度レベルごとに記述した状態遷移図とを記憶する障害診断装置が、
    診断対象システムに搭載されたデータログ取得装置から、診断対象システムの正常時における、前記ブロック線図に係る全ての階層の入出力信号と、前記状態遷移図に係る全ての抽象度レベルの状態値とを正常データログとして入力するステップと、
    前記データログ取得装置から、診断対象システムの異常時における、前記ブロック線図に係る最上位の階層の入出力信号と、前記状態遷移図に係る最上位の抽象度レベルの状態値とを異常データログとして入力するステップと、
    前記正常データと前記異常データとを比較して値が相違する入出力信号および状態値のいずれか一方または両方の集まりを相違集合として算出し、全ての前記相違集合を充足することを制約条件として最大充足可能性問題の形に定式化し、前記最大充足可能性問題を解くことで、障害発生条件となる入出力信号および状態値のいずれか一方または両方の組み合わせを算出するステップと、
    前記障害発生条件が算出された場合は、前回入力した異常データログの階層よりも低い階層の入出力信号を取得するように前記データログ取得装置に変更指示を行い、前記障害発生条件算出手段によって前記障害発生条件が算出されなかった場合は、前回入力した異常データログの抽象度レベルよりも低い抽象度レベルの状態値を取得するように前記データログ取得装置に変更指示を行うステップと、
    を実行することを特徴とする障害診断方法。
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