JP5541106B2 - 圧力センサ - Google Patents

圧力センサ Download PDF

Info

Publication number
JP5541106B2
JP5541106B2 JP2010255831A JP2010255831A JP5541106B2 JP 5541106 B2 JP5541106 B2 JP 5541106B2 JP 2010255831 A JP2010255831 A JP 2010255831A JP 2010255831 A JP2010255831 A JP 2010255831A JP 5541106 B2 JP5541106 B2 JP 5541106B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
wall
gel
lower wall
length
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010255831A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012107927A (ja
Inventor
知樹 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2010255831A priority Critical patent/JP5541106B2/ja
Publication of JP2012107927A publication Critical patent/JP2012107927A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5541106B2 publication Critical patent/JP5541106B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Measuring Fluid Pressure (AREA)

Description

本発明は、センサチップの受圧面をゲル部材で被覆保護した圧力センサに関するものである。
従来、センサチップの受圧面をゲル部材で被覆保護した圧力センサとして、下記特許文献1に開示される圧力センサが知られている。この圧力センサでは、中空部分を有するように有底筒状に形成されてケースの圧力導入穴の壁面を覆うステムが採用されている。このステムは、中空部分に充填されたゲル部材を介して開口部から圧力導入穴の内部に進入した圧力媒体の圧力をセンサチップの受圧面に伝達させるように構成されている。これにより、ステムによってゲル部材が樹脂製のケースに直接接しなくなり、ゲル部材の内部での気泡の発生が抑制されて、センサチップの圧力特性の変動を低減している。
また、下記特許文献2に開示される圧力センサは、凹部を有するハウジングと、凹部内に設置され圧力を受圧する受圧部としてのダイアフラムとを備え、凹部の開口部としてのリングウェルドから圧力媒体が導入され、この圧力媒体による圧力をダイアフラムが受圧するようになっている。そして、凹部の開口部であるリングウェルドの内周面は、凹部内から外方へ向かって広がった形状となっている。これにより、ダイアフラムに水が溜まるのを極力防止している。
特開2009−250651号公報 特開2005−249514号公報
ところで、上記特許文献1に示す有底筒状のステムは、その周壁が重力方向に対して直交する方向(水平方向)に延出して配置されている。また、ステムにおける中空部分内のゲル部材は、その気液界面が周壁の内面に対して所定の角度を有するように充填されるため、気液界面の中央近傍が凹状になる。
このため、自動車の吸排気圧など高温となる圧力媒体を測定対象とする場合には、運転停止時との温度差により、ゲル部材の気液界面に圧力媒体中の水分が結露すると、気液界面の凹部や周壁のうち下側に位置する部分に結露した結露水が滞留しやすくなる。上述のような温度差に応じて結露水の滞留やこの結露水の気化が繰り返されると、圧力媒体中に酸成分等が含まれる場合、滞留する結露水に含まれる酸成分等が濃縮されることとなる。このため、酸成分等に対してより耐性を高めたゲル部材等を採用する必要があり、耐性が劣るゲル部材等を採用すると、このゲル部材等が溶解されて、圧力の検出精度が低下してしまうという問題がある。
また、上記特許文献2に示す構成でも、凹部の開口部の重力方向に対する向きによっては、上述に結露した結露水が開口部内に滞留してしまう可能性がある。また、開口部が下方に位置する場合でも、当該開口部が環状形状であることから、結露した結露水が開口部の内面に沿い円環状に濡れ広がり流れ落ちにくくなるため、排水性が十分確保できているとは言い難い。
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、センサチップを圧力媒体から保護するゲル部材に結露した結露水の滞留を防止して検出精度の低下を抑制し得る圧力センサを提供することにある。
上記目的を達成するため、特許請求の範囲に記載の請求項1の圧力センサでは、受圧面を有するセンサチップを備え、前記受圧面にかかる圧力媒体の圧力に応じた信号を出力する圧力センサであって、有底筒状に形成されて底壁に前記センサチップが取り付けられるケースと、前記ケース内に充填されて、前記センサチップを前記圧力媒体から保護するとともに当該圧力媒体の圧力を前記受圧面に伝達するゲル部材と、を備え、前記ケースの周壁は、設置時に下側に位置する下壁の前記底壁からの突出長さが上側に位置する上壁の前記底壁からの突出長さよりも短く形成されるとともに、前記下壁は、前記底壁に近づくほど前記上壁に近づくように傾斜して形成され、前記ゲル部材は、前記下壁の突出端部に達するまで前記ケース内に充填されることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の圧力センサにおいて、前記下壁は、当該下壁近傍における前記ゲル部材の気液界面が重力方向に沿うように、前記傾斜が設定されて、形成されることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載の圧力センサにおいて、前記上壁の突出長さから前記下壁の突出長さを減算した長さをX、前記下壁の突出端部を基準とする当該下壁の内面と前記上壁の内面との鉛直方向の距離をH、前記ゲル部材の気液界面と前記周壁の内面とがなす角度をθとした場合に、前記長さXが以下の式(1)を満たすように、前記上壁の突出長さおよび下壁の突出長さが設定されることを特徴とする。
X=H×tan((90°−θ)/2) ・・・(1)
請求項4の発明は、請求項3に記載の圧力センサにおいて、前記ゲル部材と空気との間の界面張力をσ1、前記ゲル部材と前記周壁との間の界面張力をσ2、空気と前記周壁との間の界面張力をσ3とした場合に、前記θは、以下の式(2)により求められることを特徴とする。
σ3−σ2=σ1×cosθ ・・・(2)
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の圧力センサにおいて、前記ゲル部材は、前記受圧面に接触して当該受圧面に前記圧力媒体の圧力を伝達する第1ゲルと、この第1ゲルよりも前記圧力媒体に対する耐性を高められて当該第1ゲルを覆って保護する第2ゲルと、からなることを特徴とする。
請求項1の発明では、有底筒状に形成されるケースの周壁は、下壁の突出長さが上壁の突出長さよりも短く形成されるとともに、下壁は、底壁に近づくほど上壁に近づくように傾斜して形成される。そして、ゲル部材は、下壁の突出端部に達するまでケース内に充填される。
このため、ゲル部材の気液界面(圧力媒体に対して露出する表面:メニスカスともいう)は、下壁が傾斜することなく水平に形成される場合と比較して、上壁に接触する位置が突出方向に移動するとともに、下壁の突出端部近傍の傾斜が重力方向に近づくように変化することとなる。これにより、気液界面の凹部が前傾し、突出端部近傍の気液界面がそり立つ壁のようになるので、気液界面に結露した結露水を当該気液界面上に溜まりにくくすることができる。また、ゲル部材は、下壁の突出端部に達するまでケース内に充填されるため、上述のように結露した結露水が下壁に滞留することもない。
したがって、センサチップを圧力媒体から保護するゲル部材に結露した結露水の滞留を防止して検出精度の低下を抑制することができる。
請求項2の発明では、下壁は、当該下壁近傍におけるゲル部材の気液界面が重力方向に沿うように、傾斜が設定されて、形成されるため、結露した結露水が気液界面の凹部に滞留することを確実に防止することができる。
請求項3の発明では、上壁の突出長さおよび下壁の突出長さは、長さX、距離Hおよび角度θが上記式(1)を満たすように設定される。以下、ゲル部材の気液界面と周壁の内面とがなす角度θを、接触角θと定義する。
この根拠について、以下に説明する。
長さXに相当する部分を底辺とし距離Hに相当する部分を高さとする直角三角形を定義し、この直角三角形を含む平面で気液界面を切断した切断面を考える。この場合、距離Hに相当する高さと斜辺との交点は、上壁に対する気液界面の接触位置に相当し、長さXに相当する高さと斜辺との交点は、下壁に対する気液界面の接触位置に相当に相当する。そして、上記切断面において、気液界面に相当する曲線上の各点では、水平方向に対する接線の傾きが、上壁から下壁に向かって、θから90°に変化する。そうすると、距離Hに対応する高さと斜辺とがなす角度は、上述した各接線の傾きの平均値に相当するため、(90°−θ)/2として表現することができる。このため、(90°−θ)/2を用いることで、上述した式の関係が成立する。
これにより、距離Hを既知とすると、接触角θを求めるだけで、長さXが決まるので、このように決められた長さXに基づいて上壁の突出長さおよび下壁の突出長さを適切に設定することができる。
請求項4の発明では、接触角θは、界面張力σ1,σ2,σ3に基づき上記式(2)により求められる。
これは、気液界面が周壁に接触する部位のうち最下点を3重点とするとき、この3重点にて、ゲル部材および空気間の界面張力σ1と、ゲル部材および周壁の間の界面張力σ2と、空気および周壁間の界面張力σ3とが作用し、特に、下壁近傍における気液界面が重力方向に沿うことから、界面張力σ1が重力方向に作用するからである。
このため、界面張力σ1はゲル部材の材質により決まり、界面張力σ2はゲル部材と周壁の材質により決まり、界面張力σ3は周壁の材質により決まるので、ゲル部材および周壁(ケース)の材質を決めることで、実測等することなく、接触角θを容易に求めることができる。
請求項5の発明では、ゲル部材は、受圧面に接触して当該受圧面に圧力媒体の圧力を伝達する第1ゲルと、この第1ゲルよりも圧力媒体に対する耐性を高められて当該第1ゲルの表面を覆って保護する第2ゲルと、から構成されている。
これにより、例えば、高圧の圧力媒体が測定対象であっても、第1ゲルよりも硬く成形されて耐性を高められた第2ゲルによりセンサチップを好適に保護することができるとともに、第1ゲルにより圧力媒体の圧力を受圧面に好適に伝達することができる。
本実施形態に係る圧力センサの構成を概略的に示す断面図である。 図1の圧力センサを受圧方向から見た説明図である。 図3(A)は、突出長さと接触角との関係を説明するための説明図であり、図3(B)は、接触角と各界面張力との関係を説明するための説明図である。 本実施形態の変形例に係る圧力センサの構成を概略的に示す断面図である。
以下、本発明の圧力センサを具現化した一実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本実施形態に係る圧力センサ10の構成を概略的に示す断面図である。図2は、図1の圧力センサ10を受圧方向から見た説明図である。
圧力センサ10は、たとえば自動車に搭載され、ガソリンやディーゼルなどの内燃機関の排気ガス等の圧力媒体の圧力を検出するセンサである。図1に示すように、圧力センサ10は、主に、ケース20と、圧力媒体の圧力に応じた電気信号を出力可能なセンサチップ30と、このセンサチップ30をケース20に取り付けるためのセラミック製のステム40と、センサチップ30からの信号を取り出すための複数のターミナル50と、ゲル部材60とを備えている。
ケース20は、PPS(ポリプロピレンサルファイド)などの樹脂を成形してなるものであり、底壁21および周壁22を有するように略有底筒状に形成されている。このケース20は、測定対象である圧力媒体が導入される空間に周壁22の開口部がのみ露出し、圧力基準となる大気圧が導入される空間に底壁21側がのみ露出するとともに、底壁21に対する周壁22の突出方向が重力方向に対して直交するように設置されている。また、底壁21には、ステム40を組み付けるための貫通穴21aが形成されている。
図2に示すように、周壁22は、その内周面が円筒面状に形成されている。また、周壁22は、設置時に下側に位置する部位を下壁23とするとともに上側に位置する部位を上壁24とするとき、下壁23の底壁21からの突出長さが上壁24の底壁21からの突出長さよりも所定の長さだけ短くなるように形成されている。また、下壁23は、底壁21に近づくほど上壁24に近づくように傾斜して形成されている。両突出長さの関係と下壁23の傾斜角度とについては、後に詳述する。なお、ケース20の材質として、PPSを採用することに限らず、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)やNYLON(ナイロン:登録商標)を採用してもよい。
センサチップ30は、例えばn型シリコンからなる半導体基板30aにて構成され、その中央部に薄肉のダイアフラム31が形成されているとともに、ダイアフラム31にp型のゲージ抵抗(図示略)が形成された構造とされている。ダイアフラム31は、半導体基板30aの裏面にエッチング等により凹部32を形成することにより構成され、この凹部32の底面は、圧力媒体の圧力が伝達される受圧面31aとして機能する。
センサチップ30は、その裏面側が低融点ガラス等で構成される略円環状の台座33に接合され、この台座33が貫通穴21aに固定されたステム40に接合されることで、ケース20に固定されることとなる。これにより、ダイアフラム31に対して、凹部32側から測定対象となる圧力媒体の圧力が作用し、ダイアフラム31の表面側から圧力基準となる大気圧が作用することとなる。
底壁21には、各ターミナル50の下端部がそれぞれ露出しており、各ターミナル50は、センサチップ30の所定の接点等とボンディングワイヤ(図示略)を介してそれぞれ電気的に接続されている。そして、各ターミナル50の上端部が、図示しない外部コネクタなどに接続されることで、圧力センサ10の外部にある相手側回路等に対して、センサチップ30にて検出された圧力に応じた信号を出力可能に、電気的に接続されることとなる。なお、図1では、便宜上、複数のターミナル50のうちの1つのみを図示している。
ゲル部材60は、センサチップ30を圧力媒体から保護するとともに当該圧力媒体の圧力を受圧面31aに伝達するために、ケース20内に充填されている。ゲル部材60は、受圧面31aに接触して当該受圧面31aに圧力媒体の圧力を伝達するための第1ゲル61と、この第1ゲル61よりも硬くかつ薄く成形されて圧力媒体に対する耐性を高められて当該第1ゲル61を覆って保護する第2ゲル62とからなる。第1ゲル61および第2ゲル62としては、圧力媒体が酸性成分を含む排気ガスとなるため、耐酸性が高いフッ素系ゲルが採用されており、フッ素系ゲルに含まれるオイル等の成分を変えることでその硬さ等が調整されている。なお、第1ゲル61および第2ゲル62の材質として、フッ素系ゲルを採用することに限らず、圧力媒体に応じて、例えば、シリコーン系ゲル等を採用してもよいし、フッ素ゴムを採用してもよい。
このように構成される第1ゲル61および第2ゲル62は、以下のようにしてケース20内に充填される。
まず、ケース20を用意し、台座33を介してセンサチップ30が固定されたステム40を、ケース20の貫通穴21aに組み付ける。次に、センサチップ30の受圧面31aを保護するようにケース20内に第1ゲル61を充填する。そして、第1ゲル61を覆って保護するようにケース20内に第2ゲル62を充填する。このとき、第2ゲル62は、図1から判るように、下壁23の突出端部23aや上壁24の突出端部24aに達するまで充填される。
このように充填される第2ゲル62の気液界面(圧力媒体に対して露出する表面:以下、メニスカス63ともいう)は、当該メニスカス63に結露する結露水の滞留を防止して下方への排水を促すため、周壁22の突出方向が重力方向に対して直交するように設置されるとき、当該メニスカス63の下壁23近傍が重力方向に沿うように形成される。
ここで、メニスカス63の下壁23近傍を重力方向に沿うように形成するために設定される突出長さX1,X2および下壁23の傾斜角度について、図3を用いて詳細に説明する。図3(A)は、突出長さX1,X2と接触角θとの関係を説明するための説明図であり、図3(B)は、接触角θと各界面張力σ1,σ2,σ3との関係を説明するための説明図である。
まず、下壁23の突出長さX1と上壁24の突出長さX2との関係について、図3(A)を用いて説明する。
図3(A)に示すように、上壁24の突出長さX2から下壁23の突出長さX1を減算した長さをX(=X2−X1)、下壁23の突出端部23aを基準とする当該下壁23の内面と上壁24の内面との鉛直方向の距離(周壁22の内径)をH、メニスカス63と周壁22の内面とがなす角度を接触角θとした場合に、長さXが以下の式を満たすように、以下の式(1)の関係が成立する。
X=H×tan((90°−θ)/2) ・・・(1)
この根拠について、以下に説明する。
長さXに相当する部分を底辺とし距離Hに相当する部分を高さとする直角三角形を定義し、この直角三角形を含む平面でメニスカス63を切断した切断面を考える。この場合、長さXに相当する高さと斜辺との交点P1は、下壁23に対するメニスカス63の接触位置に相当に相当し、距離Hに相当する高さと斜辺との交点P2は、上壁24に対するメニスカス63の接触位置に相当する。そして、上記切断面において、メニスカス63に相当する曲線上の各点では、水平方向に対する接線の傾きが、上壁24から下壁23に向かって、θから90°に変化する。ここで、距離Hに対応する高さと斜辺とがなす角度は、上述した各接線の傾きの平均値に相当するため、(90°−θ)/2として表現することができる。
これにより、上述した式の関係が成立し、距離Hを既知とすると、接触角θを求めるだけで、長さXが決まり、このように決められた長さXに基づいて突出長さX1および突出長さX2を設定することができる。
次に、メニスカス63の下壁23近傍が重力方向に沿う場合において、接触角θと第2ゲル62および周壁22(ケース20)の材質との関係について、図3(B)を用いて説明する。
図3(B)に示すように、メニスカス63が周壁22に接触する部位のうち最下点を3重点(交点P1に相当)とするとき、この3重点P1にて、第2ゲル62および空気間の界面張力σ1と、第2ゲル62および周壁22の間の界面張力σ2と、空気および周壁22間の界面張力σ3とが作用する。そして、メニスカス63の下壁23近傍が重力方向に沿うように形成されることから、界面張力σ1は重力方向に作用する。
このため、接触角θは、界面張力σ1,σ2,σ3に基づき以下の式により求められる。
σ3−σ2=σ1×cosθ ・・・(2)
ここで、界面張力σ1は第2ゲル62の材質により決まり、界面張力σ2は第2ゲル62と周壁22の材質により決まり、界面張力σ3は周壁22の材質により決まる。このため、第2ゲル62および周壁22の材質を決めることで、実測等することなく、上記式(2)を用いて接触角θを容易に求めることができる。なお、第2ゲル62の材質として、上述したPPS、PBT、NYLON等を選択し、周壁22の材質として、フッ素系ゲル、シリコーン系ゲル等、フッ素ゴム等を選択する場合、接触角θは、10°〜60°程度の範囲となる。
そして、このように接触角θが求められることで、メニスカス63の下壁23近傍を重力方向に沿わせるために必要な下壁23の傾斜角度を設定することができる。これにより、第2ゲル62を、下壁23の突出端部23aや上壁24の突出端部24aに達するまで充填することで、周壁22の突出方向が重力方向に対して直交するように設置されるとき、当該メニスカス63の下壁23近傍が重力方向に沿うこととなる。
以上説明したように、本実施形態に係る圧力センサ10では、有底筒状に形成されるケース20の周壁22は、下壁23の突出長さX1が上壁24の突出長さX2よりも短く形成されるとともに、下壁23は、底壁21に近づくほど上壁24に近づくように傾斜して形成される。そして、ゲル部材60の第2ゲル62は、下壁23の突出端部23aに達するまでケース20内に充填される。
このため、メニスカス63は、下壁23が傾斜することなく水平に形成される場合と比較して、上壁24に接触する位置が突出方向に移動するとともに、下壁23の突出端部23a近傍の傾斜が重力方向に近づくように変化することとなる。これにより、メニスカス63の凹部が前傾し、突出端部23a近傍のメニスカス63がそり立つ壁のようになるので、メニスカス63に結露した結露水を当該メニスカス63上に溜まりにくくすることができる。また、第2ゲル62は、下壁23の突出端部23aに達するまでケース20内に充填されるため、上述のように結露した結露水が下壁23に滞留することもない。また、結露水は、濡れ広がらずに雫状になり、表面積が小さくなるために表面エネルギーが小さくなり、流れ落ちやすくなる。
したがって、センサチップ30を圧力媒体から保護するゲル部材60に結露した結露水の滞留を防止して検出精度の低下を抑制することができる。
特に、下壁23は、当該下壁23近傍におけるメニスカス63が重力方向に沿うように、傾斜が設定されて、形成されるため、結露した結露水がメニスカス63の凹部に滞留することを確実に防止することができる。なお、圧力媒体が水蒸気の状態でメニスカス63上に付着するとき、水蒸気の最小直径はナノメートルオーダであり小さいため、自重がほとんど作用しない。そのため、上述のようにメニスカス63の下壁23近傍を重力方向に沿うようにすることで、メニスカス63上の排水をさらに促すことができる。
また、本実施形態では、上壁24の突出長さX2および下壁23の突出長さX1は、長さX、距離Hおよび角度θが上述した式(1)を満たすように設定される。これにより、距離Hを既知とすると、接触角θを求めるだけで、長さXが決まるので、このように決められた長さXに基づいて上壁24の突出長さX2および下壁23の突出長さX1を適切に設定することができる。
さらに、本実施形態では、接触角θは、界面張力σ1,σ2,σ3に基づき上述した式(2)により求められる。このため、界面張力σ1は第2ゲル62の材質により決まり、界面張力σ2は第2ゲル62と周壁22の材質により決まり、界面張力σ3は周壁22の材質により決まるので、第2ゲル62および周壁22(ケース20)の材質を決めることで、実測等することなく、接触角θを容易に求めることができる。
また、本実施形態では、ゲル部材60は、受圧面31aに接触して当該受圧面31aに圧力媒体の圧力を伝達する第1ゲル61と、この第1ゲル61よりも圧力媒体に対する耐性を高められて当該第1ゲル61の表面を覆って保護する第2ゲル62と、から構成されている。
これにより、例えば、高圧の圧力媒体が測定対象であっても、第1ゲル61よりも硬く成形されて耐性を高められた第2ゲル62によりセンサチップ30を好適に保護することができるとともに、第1ゲル61により圧力媒体の圧力を受圧面31aに好適に伝達することができる。
図4は、本実施形態の変形例に係る圧力センサ10の構成を概略的に示す断面図である。
図4に示すように、下壁23は、底壁21に近づくほど上壁24に近づくように湾曲して傾斜して形成されてもよい。このようにしても、メニスカス63の凹部が前傾し、突出端部23a近傍のメニスカス63がそり立つ壁のようになるので、メニスカス63に結露した結露水を当該メニスカス63上に溜まりにくくすることができる。
なお、本発明は上記実施形態およびその変形例に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよい。
(1)周壁22の突出方向が重力方向に対して直交することなく水平方向に対して傾斜するように設置される場合には、その傾斜角度を考慮して、設置後のメニスカス63の下壁23近傍が重力方向に沿うように、突出長さX1,X2および下壁23の傾斜角度を設定してもよい。
(2)第2ゲル62は、使用状況に応じて、上壁24の突出端部24aに達するまで充填されなくてもよい。この場合、メニスカス63の下壁23近傍を重力方向に沿わせるには、上壁24の突出長さX2から下壁23の突出長さX1を減算した長さは、上記式(1)にて求めた長さXよりも長くなる。
(3)メニスカス63は、下壁23を底壁21に近づくほど上壁24に近づくように傾斜させて形成することで、その突出端部23a近傍が、重力方向に沿うように形成されることに限らず、重力方向に近づく程度に傾斜するように形成されてもよい。このようにしても、メニスカス63の凹部が前傾し、突出端部23a近傍のメニスカス63がそり立つ壁のようになるので、メニスカス63に結露した結露水を当該メニスカス63上に溜まりにくくすることができる。
10…圧力センサ
20…ケース
21…底壁
22…周壁
23…下壁
24…上壁
30…センサチップ
31a…受圧面
60…ゲル部材
61…第1ゲル
62…第2ゲル
63…メニスカス(気液界面)
θ…接触角
σ1,σ2,σ3…界面張力

Claims (5)

  1. 受圧面を有するセンサチップを備え、前記受圧面にかかる圧力媒体の圧力に応じた信号を出力する圧力センサであって、
    有底筒状に形成されて底壁に前記センサチップが取り付けられるケースと、
    前記ケース内に充填されて、前記センサチップを前記圧力媒体から保護するとともに当該圧力媒体の圧力を前記受圧面に伝達するゲル部材と、を備え、
    前記ケースの周壁は、設置時に下側に位置する下壁の前記底壁からの突出長さが上側に位置する上壁の前記底壁からの突出長さよりも短く形成されるとともに、前記下壁は、前記底壁に近づくほど前記上壁に近づくように傾斜して形成され、
    前記ゲル部材は、前記下壁の突出端部に達するまで前記ケース内に充填されることを特徴とする圧力センサ。
  2. 前記下壁は、当該下壁近傍における前記ゲル部材の気液界面が重力方向に沿うように、前記傾斜が設定されて、形成されることを特徴とする請求項1に記載の圧力センサ。
  3. 前記上壁の突出長さから前記下壁の突出長さを減算した長さをX、前記下壁の突出端部を基準とする当該下壁の内面と前記上壁の内面との鉛直方向の距離をH、前記ゲル部材の気液界面と前記周壁の内面とがなす角度をθとした場合に、前記長さXが以下の式を満たすように、前記上壁の突出長さおよび下壁の突出長さが設定されることを特徴とする請求項2に記載の圧力センサ。
    X=H×tan((90°−θ)/2)
  4. 前記ゲル部材と空気との間の界面張力をσ1、前記ゲル部材と前記周壁との間の界面張力をσ2、空気と前記周壁との間の界面張力をσ3とした場合に、前記θは、以下の式により求められることを特徴とする請求項3に記載の圧力センサ。
    σ3−σ2=σ1×cosθ
  5. 前記ゲル部材は、前記受圧面に接触して当該受圧面に前記圧力媒体の圧力を伝達する第1ゲルと、この第1ゲルよりも前記圧力媒体に対する耐性を高められて当該第1ゲルを覆って保護する第2ゲルと、からなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の圧力センサ。
JP2010255831A 2010-11-16 2010-11-16 圧力センサ Expired - Fee Related JP5541106B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010255831A JP5541106B2 (ja) 2010-11-16 2010-11-16 圧力センサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010255831A JP5541106B2 (ja) 2010-11-16 2010-11-16 圧力センサ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012107927A JP2012107927A (ja) 2012-06-07
JP5541106B2 true JP5541106B2 (ja) 2014-07-09

Family

ID=46493725

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010255831A Expired - Fee Related JP5541106B2 (ja) 2010-11-16 2010-11-16 圧力センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5541106B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6275431B2 (ja) * 2013-09-18 2018-02-07 アルプス電気株式会社 圧力検知装置およびこれを使用した吸気圧測定装置
JP6228790B2 (ja) * 2013-09-18 2017-11-08 アルプス電気株式会社 圧力検知装置およびこれを使用した吸気圧測定装置
JP6507596B2 (ja) * 2014-11-28 2019-05-08 ミツミ電機株式会社 半導体センサ装置

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4380028B2 (ja) * 1999-11-02 2009-12-09 株式会社デンソー 圧力センサ
JP4049109B2 (ja) * 2004-03-03 2008-02-20 株式会社デンソー 圧力センサ
JP2006047190A (ja) * 2004-08-06 2006-02-16 Denso Corp 圧力センサ
JP2006177859A (ja) * 2004-12-24 2006-07-06 Denso Corp 圧力センサ
JP2009250651A (ja) * 2008-04-02 2009-10-29 Denso Corp 圧力センサ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012107927A (ja) 2012-06-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7690262B2 (en) Pressure sensor device including temperature sensor contained in common housing
US7284435B2 (en) Pressure sensor
JP5541106B2 (ja) 圧力センサ
US7216545B2 (en) Acid-resistant pressure sensor
US8177425B2 (en) Temperature-measuring device
JP5196218B2 (ja) 圧力センサ装置及び圧力センサ容器
US8869623B2 (en) Pressure sensor mounting structure
CN102692295B (zh) 压力传感器
KR101857896B1 (ko) 액량 검출 장치 및 액량 검출 장치를 구비하는 연료 펌프 모듈
JP2005274412A (ja) 温度センサ一体型圧力センサ装置
JP2007033411A (ja) センサ装置の製造方法及びセンサ装置
US20200200613A1 (en) Physical quantity detection device
JP4380028B2 (ja) 圧力センサ
US9410908B2 (en) Humidity measurement device
JP4821786B2 (ja) 温度センサおよび温度センサ一体型圧力センサ
JP2004279091A (ja) 圧力センサ
US11268920B2 (en) Physical quantity detection device
JP2001522995A (ja) 液面計
JP2004003905A (ja) 細管を利用した液面検知システム
JP2015059798A (ja) 圧力検知装置およびこれを使用した吸気圧測定装置
JP4963069B2 (ja) 圧力センサ
US11353350B2 (en) Physical quantity detection device
JP2013145226A (ja) 圧力センサ
JP2005326338A (ja) 圧力センサ
JP4207846B2 (ja) 圧力センサ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131022

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140307

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140408

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140421

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5541106

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees