以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1〜図35に従って説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出表示装置11が配設されている。演出表示装置11には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。本実施形態において演出表示装置11の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置11の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。また、演出表示装置11の左下には、7セグメント型の特別図柄表示装置12が配設されている。特別図柄表示装置12では、複数種類の特別図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。特別図柄は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。
特別図柄表示装置12には、複数種類の特別図柄の中から、大当り抽選の抽選結果に応じて選択された特別図柄が、図柄変動ゲームの終了によって確定停止表示される。複数種類の特別図柄は、大当りを認識し得る図柄となる大当り図柄(大当り表示結果に相当する)と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄とに分類される。
そして、演出表示装置11には、特別図柄表示装置12の表示結果に応じた表示結果が表示される。具体的に言えば、特別図柄表示装置12に大当りを認識し得る大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。また、特別図柄表示装置12にはずれを認識し得るはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。
なお、演出表示装置11に確定停止表示される大当り図柄は、全列の飾り図柄が同一図柄となる図柄組み合わせによって構成される。また、演出表示装置11に確定停止表示されるはずれ図柄は、全列の飾り図柄が異なる飾り図柄となる図柄組み合わせや、1列の飾り図柄が他の2列の飾り図柄とは異なる飾り図柄となる図柄組み合わせによって構成される。また、演出表示装置11では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄列の変動が停止するようになっており、特定の2列(本実施形態では左右の2列)に同一の飾り図柄が一旦停止表示(ゆれ変動表示)された場合、リーチが形成される。
特別図柄表示装置12の下方には、複数個(本実施形態では2個)の特別図柄保留発光部を備えた特別図柄保留表示装置13が配設されている。特別図柄保留表示装置13は、機内部で記憶した特別図柄用の始動保留球の記憶数(以下「保留記憶数」と示す)を遊技者に報知する。保留記憶数は、遊技盤10に配設した後述の始動入賞口15に遊技球が入球することで1加算される一方で、図柄変動ゲームの開始により1減算される。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口15へ遊技球が入球すると、保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積される。
また、特別図柄保留表示装置13の左方には、普通図柄表示装置14が配設されている。普通図柄表示装置14では、複数種類の普通図柄を変動させて1つの普通図柄を導出する普通図柄変動ゲーム(以下「普図ゲーム」と示す)が行われる。本実施形態の普通図柄表示装置14は、図示しない発光体(LEDやランプなど)をレンズカバーで覆って構成した複数個(本実施形態では2個)の普通図柄表示部から構成されている。普通図柄表示装置14では、大当りか否かの大当り抽選とは別に行う普図当りか否かの内部抽選(後述する普図当り抽選)の抽選結果を表示する。すなわち、普図当り抽選に当選した場合には、普図ゲームで普通図柄の当り図柄(本実施形態では左側の普通図柄表示部が点灯)が確定停止表示(導出)される。一方、普図当り抽選に当選しない場合(はずれの場合)には、普通図柄のはずれ図柄(本実施形態では右側の普通図柄表示部が点灯)が確定停止表示(導出)される。
また、画像表示部GHの下方領域には、保留記憶数を画像表示するための保留画像表示領域H(個別保留表示手段)が形成されている。保留画像表示領域Hは、図1に示すように、保留記憶数の上限数に対応する4つの個別表示領域(報知部)H1,H2,H3,H4を含んで構成されている。そして、保留画像表示領域Hでは、保留記憶数に対応する個数の個別表示領域が、保留有表示の態様で画像表示される。例えば、保留記憶数「2」の場合には、個別表示領域H1,H2が保留有表示の態様で画像表示される一方で、個別表示領域H3,H4が保留無表示の態様で画像表示される。すなわち、個別表示領域は、始動保留球毎に個別対応している。保留画像表示領域は、遊技者が常に注目する画像表示部GHに形成されていることから、遊技者は、保留画像表示領域Hにおける保留有表示の態様で画像表示された個別表示領域の個数から保留記憶数を認識することになる。
そして、本実施形態のパチンコ遊技機では、保留画像表示領域Hを用いて後に詳述する事前演出を実行させるようになっている。事前演出は、当該演出の対象となる始動保留球に基づく図柄変動ゲームが実行される以前に、当該ゲームが大当りとなる可能性があることを予告する演出である。本実施形態の事前演出は複数種類設定されており、特に保留画像表示領域を用いた事前演出では、当該演出の対象となる始動保留球に対応する個別表示領域の保留有表示の態様(報知態様)を、他の個別表示領域の保留有表示の態様とは異なる態様とすることによって実行される。具体的には、個別表示領域H1〜H4が、通常色(白色)とは異なる色で発光することによって、演出が実行される。以下、保留画像表示領域Hを用いた事前演出を「保留変化演出」と示す。
演出表示装置11の下方には、遊技球の入球口15aを有する始動手段としての始動入賞口15が配設されている。始動入賞口15は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根16を備えている。始動入賞口15は、開閉羽根16の開動作により入口が拡大されて遊技球が入球(入賞)し易い開状態とされる一方で、開閉羽根16の閉動作により入口が拡大されずに遊技球が入球(入賞)し難い閉状態とされる。そして、始動入賞口15の奥方には入球した遊技球を検知する始動手段としての始動口スイッチSW1(図2に示す)が配設されている。始動入賞口15は、入球した遊技球を始動口スイッチSW1で入球検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
また、始動入賞口15の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉17を備えた大入賞口(特別電動役物)18が配設されている。大入賞口18の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW2(図2に示す)が配設されている。大入賞口18は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数(例えば10個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口18は、大当り遊技中に大入賞口扉17の開動作によって開放されることで遊技球の入球が許容される。このため、大当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。
また、演出表示装置11の左方には、普通図柄作動ゲート(以下「ゲート」と示す)19が配設されている。ゲート19の奥方には、入球し通過した遊技球を検知するゲートスイッチSW3(図2に示す)が配設されている。ゲート19は、遊技球の通過を契機に、普図ゲームの始動条件(普図当り抽選の抽選契機)のみを付与し得る。
また、演出表示装置11における右上方には、刀を模した可動体Kが配設されている。可動体Kは、図示しないアクチュエータ(モータなど)に接続されており、そのアクチュエータの動作によって上下に可動することで、可動体演出を実行する。また、演出表示装置11の右下方には、水晶を模した装飾ランプ20が配設されている。該装飾ランプ20には、複数色に発光可能なランプ(図示しない)が内蔵されており、装飾ランプ20の発光色が変化することによって事前演出が実行されるようになっている。以下、装飾ランプ20を用いた事前演出を「水晶変化演出」と示す。
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、大当り遊技終了後に大当り抽選の当選確率(抽選確率)を低確率から高確率に変動(向上)させる確率変動(以下「確変」と示す)状態を付与可能に構成されている。本実施形態において確変状態は、次回大当り遊技が生起されるまでの間、付与される。確変状態は、大当り抽選の当選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、遊技者にとって有利な状態となる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、変動時間短縮(以下、「変短」と示す)機能を備えている。また、本実施形態のパチンコ遊技機は、変動時間短縮(以下、「変短」と示す)機能を備えている。変短機能は、普図ゲームの変動時間が短縮されるとともに、ゲート19の通過に基づく普図当り抽選の当選確率(抽選確率)を低確率から高確率に変動させる変短状態を付与する機能である。また、変短状態中は、1回の普図当り抽選に当選したことに基づく開閉羽根16の合計開放時間が、非変短状態中に比して長くなる。そして、変短状態は、予め定めた回数の図柄変動ゲームが行われるまでの間、又は前記回数に達する前に大当りが生起されるまでの間、付与される。なお、変短状態が付与されると、非変短状態時に比して、普図当りか否かの普図当り判定(普図当り抽選)の当選確率が高くなる。また、変短状態時に行われる普図ゲームの変動時間は、非変短状態時に行われる普図ゲームの変動時間よりも短縮される。さらに、普図当りとなる普図ゲームの終了後、普図当り時の遊技状態に応じて開閉羽根16の開放態様が異なる。具体的には、非変短状態には開閉羽根16が、第1開放時間(例えば、0.3(秒))で第1回数(例えば、1(回))分開放される一方で、変短状態時には開閉羽根16が、第2開放時間(例えば、1.4(秒))で第2回数(例えば、3(回))分開放される。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機に規定する大当り遊技について説明する。
大当り遊技は、図柄変動ゲームにて大当り図柄が確定停止表示され、その図柄変動ゲームの終了後に開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出の終了後には、大入賞口18が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では、9ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口18の開閉が所定回数行われるまでであり、1回のラウンド遊技中に大入賞口18は、規定個数(入賞上限個数)の遊技球が入賞するまでの間、又は規定時間(ラウンド遊技時間)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り抽選に当選した場合、複数種類(本実施形態では、大当りA〜Cの3種類)の大当りの中から1つの大当りが決定され、その決定された大当りに基づく大当り遊技が付与される。3種類の大当りのうち、何れの大当りとするかは、大当り抽選に当選した場合に決定する特図(大当り図柄)の種類に応じて決定される。本実施形態において100種類の特図の大当り図柄は、特別図柄毎に分類される。本実施形態では、大当りAに対応する図柄(特別図柄)として図柄Aが、大当りBに対応する図柄(特別図柄)として図柄Bが、大当りCに対応する図柄(特別図柄)として図柄Cが、それぞれ対応している。
図柄Aに基づく大当り遊技の終了後には、大当り抽選当選時における遊技状態に関係なく、次回大当り抽選に当選するまで、確変状態及び変短状態がそれぞれ付与される。一方、図柄Bに基づく大当り遊技の終了後には、大当り抽選当選時における遊技状態に関係なく、次回大当り抽選に当選するまで確変状態が付与される一方で、100回の図柄変動ゲームが終了するまでを変短上限回数として変短状態が付与される。また、図柄Cに基づく大当り遊技の終了後には、大当り抽選当選時における遊技状態に関係なく、次回大当り抽選に当選するまで非確変状態が付与される一方で、100回の図柄変動ゲームが終了するまでを変短上限回数として変短状態が付与される。
次に、パチンコ遊技機の制御構成を図2に従って説明する。
機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、サブ統括制御基板31と演出表示制御基板32が装着されている。
サブ統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示制御基板32を制御する。また、演出表示制御基板32は、主制御基板30とサブ統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置11の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。
以下、主制御基板30、サブ統括制御基板31及び演出表示制御基板32の具体的構成を説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW3が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、特別図柄表示装置12、特別図柄保留表示装置13、及び普通図柄表示装置14が接続されている。
また、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、はずれ演出判定用乱数、普図当り判定用乱数、及び特図振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)で用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選に当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチの形成を許可するか否かのリーチ抽選(リーチ判定)で用いる乱数である。はずれ演出判定用乱数は、リーチ抽選に当選した場合に、複数の変動パターンが対応付けられた変動パターン群(グループ)を特定する際に用いる乱数である。普図当り判定用乱数は、普図当りか否かの普図当り抽選で用いる乱数である。特図振分用乱数は、大当り抽選で当選した場合に特別図柄の大当り図柄を決定する際に用いられる乱数である。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
また、主制御用ROM30bには、メイン制御プログラムや複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄変動ゲームが開始してから図柄変動ゲームが終了するまでの間の演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間(変動時間)を特定し得る。そして、変動パターンは、大当り変動用、はずれリーチ変動用及びはずれ変動用からなる変動内容毎に分類されている。
大当り変動は、大当り抽選に当選した場合に行われる変動である。そして、大当り変動では、特別図柄による図柄変動ゲームにおいて最終的に大当り図柄を確定停止表示させる。一方、大当り変動では、飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経て、最終的に大当り図柄を確定停止表示させる。はずれリーチ変動は、大当り抽選に当選せずに、リーチ抽選に当選し、かつリーチ演出を対応付けたリーチグループが決定された場合に行われ、特別図柄による図柄変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。一方、はずれリーチ変動では、飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経て、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。はずれ変動は、大当り抽選及びリーチ抽選の何れにも当選しなかった場合、及びリーチ抽選に当選したが、リーチ演出を対応付けたリーチグループが決定されなかった場合に行われ、特別図柄による図柄変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。一方、はずれ変動では、飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチ演出を経ないで、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。なお、特別図柄による図柄変動ゲームでは、特別図柄の変動が開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで特別図柄の変動が継続される。そして、大当り変動用、はずれリーチ変動用及びはずれ変動用の変動パターンは、それぞれ複数種類あり、何れかが選択される。
また、主制御用ROM30bには、大当り判定値、リーチ判定値(許可値)、はずれ演出判定値(特定値)、及び普図当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値(0〜952までの全953通りの整数)の中から定められている。本実施形態では、非確変状態用の大当り判定値として3個の値が設定されており、大当り抽選で当選する確率は953分の3となる。一方、確変状態用の大当り判定値として30個の値が設定されており、大当り抽選で当選する確率は953分の30となる。
本実施形態において非確変状態用の大当り判定値は、「17、409、701」の3個に設定されている。一方、本実施形態において確変状態用の大当り判定値は、上記「17、409、701」の3個の値に、「37、83、137・・(以下、省略)」などの27個の値を加えた合計30個に設定されている。すなわち、非確変状態用の大当り判定値と確変状態用の大当り判定値は、その総数は異なるが、設定値については一部の値(本実施形態では「17、409、701」)が共通値とされている。すなわち、この共通値とされる3個の値(「17、409、701」)は、低確率抽選状態時及び高確率抽選状態時の何れの状態においても大当り判定用乱数の値と一致する値とされている。一方、確変状態用の大当り判定値において、前記共通値(「17、409、701」)を除く、他の値(27個)は、非確変状態用の大当り判定値(共通値)とは異なる非共通値とされている。この非共通値とされる27個の値は、大当り抽選時の遊技状態に応じて、大当り判定値と一致する場合と一致しない場合とがある。具体的に言えば、非共通値は、低確率抽選状態時の大当り抽選において、大当り判定用乱数の値とは一致しない。その一方で、非共通値は、高確率抽選状態時の大当り抽選において、大当り判定用乱数の値と一致する。
リーチ判定値は、リーチ抽選で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜238までの全239通りの整数)の中から定められている。図5に示すように、本実施形態では、大当り抽選の抽選確率及び保留記憶数にかかわらず、非変短状態用のリーチ判定値として31個の値が設定されており、リーチ抽選で当選する確率は239分の31となる。一方、保留記憶数にかかわらず、大当り抽選の抽選確率が低確率状態時における変短状態用のリーチ判定値として、8個の値が設定されており、リーチ抽選で当選する確率は239分の8となる。また、保留記憶数にかかわらず、大当り抽選の抽選確率が高確率時における変短状態用のリーチ判定値として、1個の判定値が設定されており、リーチ抽選で当選する確率は239分の1となる。
はずれ演出判定値は、リーチ抽選に当選した際に、複数の変動パターンで構成された変動パターン群を特定する際に用いる判定値であり、はずれ演出判定用乱数の取り得る数値(0〜210までの全211通りの整数)の中から定められている。なお、はずれ演出判定値については、後に詳述する。
普図当り判定値は、普図当りか否かの内部抽選(普図当り抽選)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る数値(0〜250までの全251通りの整数)の中から定められている。本実施形態では、非変短状態用の普図当り判定値として10個の値が設定されており、普図当り抽選で当選する確率は251分の10となる。一方、本実施形態では、変短状態用の普図当り判定値として250個の値が設定されており、普図当り抽選で当選する確率は251分の250となる。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機における変動パターンについて、図3を参照して説明する。なお、図3は、非変短状態時の図柄変動ゲームを実行させる場合に選択可能な大当り変動用、はずれリーチ変動用、及びはずれ変動用の変動パターンを示す。
本実施形態では、はずれ変動用の変動パターンとして、変動パターンP1〜P4の4種類が設定されている。変動パターンP1,P2は、変動内容として「通常変動」を特定する変動パターンであって、それぞれ変動時間が異なっている。
また、はずれリーチ変動用の変動パターンとして、変動パターンP5〜P24の20種類が設定されている。なお、はずれリーチ変動用の変動パターンは、はずれ変動用の変動パターンに定められた変動時間以上の長さの変動時間が定められているとともに、その変動内容の違いから、大きく8つのリーチグループに分類することができる。具体的に説明すると、変動内容として「ノーマルリーチN1〜N4」を特定する変動パターンP5〜P8は、「リーチグループG8」に分類される。ノーマルリーチ変動は、リーチ演出において、第3停止列となる中列の図柄(飾り図柄)を、その中列の変動を停止させることによって導出する演出である。また、変動内容として「ロングリーチ」を特定する変動パターンP9は、「リーチグループG7」に分類される。ロングリーチ変動は、リーチ演出において、第3停止列となる中列の図柄(飾り図柄)を、その中列の変動を停止させることによって導出する演出であって、中列の図柄を導出するまでに要する時間が、ノーマルリーチ変動よりも長い。
また、変動内容として「レベルLv1−1〜Lv1−3」を特定する変動パターンP10〜P12は、「リーチグループG6」に分類される。後述するが、本実施形態では、大当り抽選の抽選確率状態を示す演出モードが設定されるようになっている。そして、その演出モードには、大当り抽選の抽選確率が高確率状態及び低確率状態のどちらでも設定可能な非変短状態用の演出モードとして、「変短なしの潜確モード」が含まれる。そして、「変短なしの潜確モード」は、大当り抽選の抽選確率が高確率状態であることへの期待度(高確期待度)の高低に応じて、3段階の背景画像が設定されるようになっている。なお、背景画像とは、演出表示装置11における飾り図柄の背面に画像表示される画像である。本実施形態では、最も高確期待度が低い背景画像に対応するリーチ演出として「リーチ演出Lv1」が設定され、次に高確期待度が低い背景画像に対応するリーチ演出として「リーチ演出Lv2」が設定され、最も高確期待度が高い背景画像に対応するリーチ演出として「リーチ演出Lv3」がそれぞれ設定されている。
以下同様に、変動内容として「レベルLv2−1〜Lv2−4」を特定する変動パターンP13〜P16は、「リーチグループG5」に分類される一方で、変動内容として「レベルLv3−1〜Lv3−4」を特定する変動パターンP17〜P20は、「リーチグループG4」に分類される。
また、変動内容として「モード移行ガセM1」を特定する変動パターンP21は、「リーチグループG3」に分類される。本実施形態では、前述したように、変短なしの潜確モードを高確期待度の違いによって3段階に分類している。そして、モード移行ガセ演出では、各段階の背景画像に移行するように見せかけて、実際は背景画像を移行させずに「移行失敗」とする内容で演出が行われるようになっている。なお、「モード移行ガセM1」が、最も高確期待度が低い背景画像に対応し、「モード移行ガセM2(M2−1,M2−2)」が、次に高確期待度が低い背景画像に対応し、「モード移行ガセM3」が、最も高確期待度が高い背景画像に対応している。なお、本実施形態におけるモード移行演出とは、特定の変動パターンに当選したときに、背景画像を移行させる演出である。また、モード移行演出の契機は、大当り抽選に当選しなかった場合に、小当りか否かを決定する小当り抽選に当選したこととしても良い。小当りは、小当り遊技終了後の遊技状態を、小当り抽選の当選時における遊技状態で継続させる当りである。また、複数回のラウンド遊技で構成されるとともに、1回あたりのラウンド遊技時間を短く設定した(例えば、0.04秒)演出モード移行用の大当り(例えば、2ラウンド確変大当たり)に当選した場合にも演出モードを移行させるようにしても良い。本実施形態では、モード移行ガセ演出が、モード移行契機となるモード移行演出に相当する。また、モード移行契機は、モード移行ガセ演出を特定する変動パターンが選択されることである。また、「リーチグループG1,G2」が、特定グループに相当する。
以下同様に、変動内容として「モード移行ガセM2−1,M2−2」を特定する変動パターンP22,P23は、「リーチグループG2」に分類される一方で、変動内容として「モード移行ガセM3」を特定する変動パターンP24は、「リーチグループG1」に分類される。
また、大当り変動用の変動パターンとして、変動パターンP25〜P39の15種類が設定されている。なお、大当り変動用の変動パターンは、その変動内容の違いから、大きく4つのリーチグループに分類することができる。
具体的に説明すると、変動内容として「Lv1−1〜Lv1−4」を特定する変動パターンP25〜P27が、1つのリーチグループを構成する一方で、変動内容として「Lv2−1〜Lv2−4」を特定する変動パターンP28〜P31が、1つのリーチグループを構成する。また、変動内容として「Lv3−1〜Lv3−4」を特定する変動パターンP32〜P35が、1つのリーチグループを構成する。なお、大当り変動用の変動パターンP25〜P35に定められた内容は、はずれリーチ変動用の変動パターンP10〜P20に定められた内容と同一である。また、変動内容として「確定リーチR1〜R4」を特定する変動パターンP36〜P39が、1つのリーチグループを構成する。なお、大当り変動用の変動パターンP36〜P39に定められた「確定リーチ」の内容は、はずれリーチ変動用の変動パターンに定められていないため、これらの内容でリーチ演出が実行されると、大当り抽選に当選していることが確定的に報知されることになる。
また、本実施形態では、ノーマルリーチ<ロングリーチ<「Lv1−1〜Lv1−3」<「Lv2−1〜Lv2−4」<「Lv3−1〜Lv3−4」<「R1〜R4」の順に大当り期待度が高いリーチ演出内容として設定している。大当り期待度は、大当りになる場合の出現率とはずれになる場合の出現率を合算した全体出現率に対し、大当りになる場合の出現率の割合を示すものである。このため、大当り期待度は、全体出現率に対して大当りになる場合の出現率の割合が高いほど高くなる。大当り期待度を設定するための出現率は、各変動パターンに対して振分けられる変動パターン振分用乱数の振分け態様(振分け個数)によって規定することができる。本実施形態では、リーチ演出が特定演出に相当し、リーチ演出を伴うはずれ変動が、第1演出となる一方で、リーチ演出を伴わないはずれ変動が、第2演出となる。
次に、サブ統括制御基板31について説明する。
サブ統括制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU31aと、統括制御用CPU31aの統括制御プログラムや各種のテーブルを格納する統括制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM31cが設けられている。統括制御用CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。また、統括制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。また、統括制御用CPU31aには、可動体K及び装飾ランプ20が接続されている。
次に、演出表示制御基板32について説明する。
演出表示制御基板32には、制御動作を所定の手順で実行することができる表示制御用CPU32aと、表示制御用CPU32aの制御プログラムを格納する表示制御用ROM32bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM32cが設けられている。表示制御用CPU32aには、演出表示装置11が接続されている。また、表示制御用ROM32bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。
以下、主制御基板30、サブ統括制御基板31、及び演出表示制御基板32が実行する制御内容を説明する。
まず、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。なお、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの実行中であっても、制御周期の到来によって特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。
最初に、特別図柄入力処理について図6に従って説明する。
主制御用CPU30aは、始動入賞口15に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップS10)。ステップS10において主制御用CPU30aは、始動口スイッチSW1が遊技球を検知した時に出力する検知信号を入力したか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップS11)。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、ステップS12に移行する。なお、主制御用CPU30aは、ステップS10又はステップS11の判定結果が否定の場合、特別図柄入力処理を終了する。
ステップS12に移行した主制御用CPU30aは、保留記憶数を+1(1加算)する。本実施形態において主制御用RAM30cは、始動入賞口15に入球した遊技球を始動保留球として記憶する記憶手段となる。また、ステップS12で保留記憶数を+1した主制御用CPU30aは、加算後の保留記憶数を表すように特別図柄保留表示装置13の表示内容(点灯態様)を変更する。また、主制御用CPU30aは、加算後の保留記憶数を指示する保留指定コマンドを統括制御用CPU31aに出力するように保留指定コマンドを送信バッファにセットする。保留指定コマンドは、次周期からの制御周期において出力される。
次に、主制御用CPU30aは、各種乱数の値(本実施形態では大当り判定用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、及びはずれ演出判定用乱数)を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する(ステップS13)。その後、主制御用CPU30aは、非変短状態中であるか否かを判定する(ステップS14)。ステップS14において主制御用CPU30aは、遊技状態フラグとしての作動フラグの設定値が「0(非変短状態)」である場合に肯定判定し、作動フラグの設定値が「1(変短状態)」である場合に否定判定する。ステップS14の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了するので、変短状態中は、後に詳述する事前判定処理を実行しないことになる。また、本実施形態では、大当り遊技中に始動入賞口15に遊技球が入賞した場合も、事前判定処理を実行しない。なお、本実施形態では、変短状態が付与されている期間中、主制御用CPU30aから外部機器(台上のデータ表示装置やホールコンピュータなど)に、変短状態が付与されていることを示す遊技信号が出力されるようになっている。その一方で、大当り遊技が付与されている期間中、大当り遊技が付与されていることを示す当り信号を外部機器に出力するようになっている。これにより、主制御用CPU30aは、同じ「非変短状態中」であっても、大当り遊技中であるのか、図柄変動ゲーム中であるのかを認識できるようになっている。
一方、ステップS14の判定結果が肯定の場合、次に、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、はずれ演出判定用乱数、及び特図振分用乱数などの各値を読み出す(ステップS15)。より詳しくは、主制御用CPU30aは、最も早く記憶した保留記憶数「1」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数を読み出す。また、主制御用CPU30aは、乱数を読み出した後、保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数を保留記憶数「1」に対応付けられた記憶領域に記憶する。同様に、主制御用CPU30aは、保留記憶数「3」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数を保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶する。同様に、主制御用CPU30aは、保留記憶数「4」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数を保留記憶数「3」に対応付けられた記憶領域に記憶する。
その後、主制御用CPU30aは、ステップS15で読み出した大当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、両値が一致するか否かを判定する事前大当り判定を行う(ステップS16)。事前大当り判定において主制御用CPU30aは、始動入賞口15への入球に伴って取得した大当り判定用乱数の値が、大当り抽選(特別図柄開始処理のステップS33)に当選する値であるか否かを判定する。このとき、主制御用CPU30aは、非確変状態用の大当り判定値(共通値)を用いて事前大当り判定を行う。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、ステップS10の入賞検知の対象となる始動保留球が、大当り抽選の抽選確率にかかわらず、大当りになることを事前に認識する。そして、主制御用CPU30aは、ステップS16の判定結果を示す事前判定コマンド「D3xxH」を、統括制御用CPU31aに出力するために送信バッファにセットする(ステップS17)。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
一方、ステップS16の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、ステップS15で読み出したリーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較し、両値が一致するか否かを判定する事前リーチ判定を行う(ステップS18)。事前リーチ判定において主制御用CPU30aは、始動入賞口15への入球に伴って取得したリーチ判定用乱数の値が、リーチ判定(特別図柄開始処理のステップS35)に当選する値であるか否かを判定する。
事前リーチ判定において主制御用CPU30aは、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較し、両値が一致するか否かを判定する。本実施形態では、事前リーチ判定を実行する際に参照する当選用のリーチ判定値を、保留記憶数にかかわらず同一値としている。したがって、事前リーチ判定では、リーチ判定値と一致するリーチ判定用乱数を取得しているのであれば、保留記憶数にかかわらず、リーチ演出が実行される可能性があることになる。ただし、本実施形態では、事前リーチ判定に当選しても必ずリーチ演出が実行されるわけではないので、ステップS18では、リーチ演出の実行を許可しても良いか否かが判定されていることになる。
ステップS18の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、事前判定コマンドを設定することなく特別図柄入力処理を終了する。すなわち、リーチ演出の実行が許可されていないことを事前に判定されたときには、事前判定コマンドが設定されないとともに、ステップS10の入賞検知の対象となる始動保留球は、必ずはずれとなる。
一方、ステップS18の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cを読み出し、保留記憶数を確認する(ステップS19)。その後、主制御用CPU30aは、ステップS13で取得したはずれ演出判定用乱数が、リーチグループを特定する値であるか否かを判定する(ステップS20)。具体的に説明すると、本実施形態では、前述したリーチグループを決定するに際し、ステップS13で取得したはずれ演出判定用乱数の値が用いられるようになっている。そして、図8〜図11に示すように、特定のはずれ演出判定用乱数は、保留記憶数に応じて異なるリーチグループに対して振分けられているので、同一のはずれ演出判定用乱数を取得している場合であっても、ステップS18の処理の実行時点における保留記憶数に応じて異なるリーチグループが特定されることがある。なお、本実施形態では、リーチ演出を対応付けていないグループG9にもはずれ演出判定用乱数の値を対応付けている。したがって、ステップS18に示す事前リーチ判定が肯定判定された場合であっても、取得したはずれ演出判定用乱数の値がグループG9に対応付けられているときには、リーチ演出が実行されないことになる。
以下、はずれ演出判定用乱数とリーチグループとの関連性について、図8〜図11に従って説明する。なお、図8の括弧外に記載されている数値は、そのリーチグループに対応付けられているはずれ演出判定用乱数の個数を示す一方で、図8の括弧内に記載されている数値は、前記はずれ演出判定用乱数の個数に相当する図9〜図11のはずれ演出判定用乱数値の内訳を示している。
本実施形態では、ステップS18の実行時点における保留記憶数が「0」「1」である場合、図9に示すように、1個のはずれ演出判定用乱数値「0」が、リーチグループG1(M3)に対応付けられている。一方、8個のはずれ演出判定用乱数値「1」〜「8」が、リーチグループG2(M2)に対応付けられている。また、4個のはずれ演出判定用乱数値「9」〜「12」が、リーチグループG3(M1)に対応付けられている一方で、3個のはずれ演出判定用乱数値「13」〜「15」が、リーチグループG4(Lv3)に対応付けられている。また、4個のはずれ演出判定用乱数値「16」〜「19」が、リーチグループG5(Lv2)に対応付けられている一方で、35個のはずれ演出判定用乱数値「20」〜「54」が、リーチグループG6(Lv1)に対応付けられている。また、9個のはずれ演出判定用乱数値「55」〜「63」が、リーチグループG7(ロング)に対応付けられている一方で、145個のはずれ演出判定用乱数値「64」〜「208」が、リーチグループG8(ノーマル)に対応付けられている。そして、2個のはずれ演出判定用乱数値「209」「210」が、リーチなしグループG9(はずれ)に対応付けられている。
また、ステップS18の実行時点における保留記憶数が「2」である場合、図10に示すように、1個のはずれ演出判定用乱数値「0」が、リーチグループG1(M3)に対応付けられている。一方、8個のはずれ演出判定用乱数値「1」〜「8」が、リーチグループG2(M2)に対応付けられている。また、4個のはずれ演出判定用乱数値「9」〜「12」が、リーチグループG3(M1)に対応付けられている一方で、3個のはずれ演出判定用乱数値「13」〜「15」が、リーチグループG4(Lv3)に対応付けられている。また、4個のはずれ演出判定用乱数値「16」〜「19」が、リーチグループG5(Lv2)に対応付けられている一方で、24個のはずれ演出判定用乱数値「20」〜「43」が、リーチグループG6(Lv1)に対応付けられている。また、6個のはずれ演出判定用乱数値「55」〜「60」が、リーチグループG7(ロング)に対応付けられている一方で、84個のはずれ演出判定用乱数値「64」〜「147」が、リーチグループG8(ノーマル)に対応付けられている。そして、77個のはずれ演出判定用乱数値「44」〜「54」、「61」〜「63」、「148」〜「210」が、リーチなしグループG9(はずれ)に対応付けられている。
また、ステップS18の実行時点における保留記憶数が「3」以上である場合、図11に示すように、1個のはずれ演出判定用乱数値「0」が、リーチグループG1(M3)に対応付けられている。一方、8個のはずれ演出判定用乱数値「1」〜「8」が、リーチグループG2(M2)に対応付けられている。また、3個のはずれ演出判定用乱数値「13」〜「15」が、リーチグループG4(Lv3)に対応付けられている一方で、4個のはずれ演出判定用乱数値「16」〜「19」が、リーチグループG5(Lv2)に対応付けられている。また、7個のはずれ演出判定用乱数値「22」〜「28」が、リーチグループG6(Lv1)に対応付けられている一方で、6個のはずれ演出判定用乱数値「55」〜「60」が、リーチグループG7(ロング)に対応付けられている。また、4個のはずれ演出判定用乱数値「64」〜「67」が、リーチグループG8(ノーマル)に対応付けられている。そして、178個のはずれ演出判定用乱数値「9」〜「12」、「20」、「21」、「29」〜「54」、「61」〜「63」、「68」〜「210」が、リーチなしグループG9(はずれ)に対応付けられている。
このように、本実施形態では、グループG9にはずれ演出判定用乱数値を対応付けているため、ステップS18に示す事前リーチ判定が肯定判定された場合であっても、リーチ演出の実行が決定されないこともある。また、リーチグループG4(Lv3)及びリーチグループG5(Lv2)など、大当り期待度が高く設定されたリーチ演出を含むリーチグループは、保留記憶数にかかわらず、同一のはずれ演出判定用乱数値を対応付けている。具体的には、はずれ演出判定用乱数として「13」を取得した場合、保留記憶数にかかわらず、リーチグループG4が特定される。したがって、事前リーチ判定が肯定判定され、かつステップS13で取得したはずれ演出判定用乱数の値が「13」〜「15」又は「16」〜「19」であった場合、保留記憶数にかかわらず、必ず「リーチグループG4(Lv3)」又は「リーチグループG5(Lv2)」が特定されることになる。一方、リーチグループG8(ノーマル)など、大当り期待度が低く設定されたリーチ演出を含むリーチグループは、該グループに対応付けられているはずれ演出判定用乱数が保留記憶数毎に異なるように設定されている。したがって、例えば、事前リーチ判定が肯定判定され、かつステップS13で取得したはずれ演出判定用乱数の値が「68」であった場合、保留記憶数が「0」〜「2」のうちいずれかであるならば、「リーチグループG8(ノーマル)」が特定されることになる。一方、保留記憶数が「3」であった場合、「グループG9(はずれ)」が特定されることになる。
さらに、リーチグループG1(M3)及びリーチグループG2(M2)など、高確期待度が高く設定された演出モード(背景画像)に移行するとみせかけるリーチ演出を含むリーチグループも、保留記憶数にかかわらず、同一のはずれ演出判定用乱数値を対応付けている。具体的には、はずれ演出判定用乱数として「0」を取得した場合、保留記憶数にかかわらず、リーチグループG1が特定される。したがって、事前リーチ判定が肯定判定され、かつステップS13で取得したはずれ演出判定用乱数の値が「0」又は「1〜8」であった場合、保留記憶数にかかわらず、必ず「リーチグループG1(M3)」又は「リーチグループG2(M2)」が特定されることになる。一方、リーチグループG3(M1)など、高確期待度が低く設定された演出モード(背景画像)に移行するとみせかけるリーチ演出を含むリーチグループは、該グループに対応付けられているはずれ演出判定用乱数が保留記憶数毎に異なるように設定されている。したがって、例えば、事前リーチ判定が肯定判定され、かつステップS13で取得したはずれ演出判定用乱数の値が「9」であった場合、保留記憶数が「0」〜「2」のうちいずれかであるならば、「リーチグループG3(M1)」が特定されることになる。一方、保留記憶数が「3」であった場合、「グループG9(はずれ)」が特定されることになる。
また、本実施形態では、保留記憶数が多くなるほど、「グループG9(はずれ)」にはずれ演出判定用乱数を多く対応付けている。これにより、事前リーチ判定では、保留記憶数にかかわらず、同一の確率でリーチ演出を実行する可能性があるが、その後、保留記憶数を参照してリーチグループが決定されるようになっているので、保留記憶数が多いほどリーチ演出の実行が決定されないことになる。
したがって、ステップS13で取得したはずれ演出判定用乱数の値がリーチグループG1〜G8のうちいずれかを特定している場合、主制御用CPU30aは、ステップS20を肯定判定することになる。そして、ステップS20を肯定判定した主制御用CPU30aは、リーチになることを事前に認識する。そして、主制御用CPU30aは、ステップS21の判定結果を示す事前判定コマンド「D5xxH」を、統括制御用CPU31aに出力するために送信バッファにセットする(ステップS21)。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
一方、ステップS13で取得したはずれ演出判定用乱数の値がグループG9(はずれ)を特定している場合、主制御用CPU30aは、ステップS20を否定判定することになる。そして、ステップS20を否定判定した主制御用CPU30aは、リーチにならないことを事前に認識する。ただし、特別図柄開始処理の実行時点における保留記憶数によっては、ノーマルリーチとなる場合もある。その後、主制御用CPU30aは、事前判定コマンドを生成することなく、特別図柄入力処理を実行する。
以下、事前判定コマンドについて図5に従って説明する。
事前判定コマンドは、上記判定における認識結果の識別情報(識別子)と、上記判定時点の保留記憶数を示す保留情報の組み合わせによって構成されている。具体的に説明すると、事前大当り判定が肯定判定された際にはその大当りの種類を示す識別情報も特定されるようになっている。また、事前リーチ判定が肯定判定され、かつリーチグループG1〜G8を特定した際には、該リーチグループを示す識別情報も事前判定コマンドによって特定されるようになっている。すなわち、事前判定コマンドは、上記判定における認識結果に対応して専用に設定されている。これにより、事前判定コマンドを構成する認識結果の識別情報から、大当りとなるのか、リーチとなるのかを認識し得るようになっている。主制御用CPU30aは、ステップS16の事前大当り判定、及びステップS18の事前リーチ判定により、ステップS10の入賞検知の対象となる始動保留球が、大当り又はリーチとなるか否かを判定する。
本実施形態では、ステップS16の事前大当り判定及びステップS18の事前リーチ判定を行う主制御用CPU30aが、事前判定手段として機能する。また、ステップS16の事前大当り判定を行う主制御用CPU30aが、事前大当り判定手段として機能する。さらに、ステップS18の事前リーチ判定を行う主制御用CPU30aが、事前リーチ判定手段として機能する。
次に、特別図柄開始処理を図7に従って説明する。
主制御用CPU30aは、まず、大当り遊技中であるか否か、及び図柄変動ゲームの実行中であるか否かを判定する(ステップS30)。この判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、ステップS30の判定結果が否定(図柄変動ゲーム中ではなく、かつ大当り遊技中ではない)の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否かを判定する(ステップS31)。ステップS31の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、保留中の図柄変動ゲームが存在しないので、特別図柄開始処理を終了する。一方、ステップS31の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、保留中の図柄変動ゲームが存在するので、保留記憶数を−1(1減算)する(ステップS32)。また、ステップS32で保留記憶数を−1した主制御用CPU30aは、減算後の保留記憶数を表すように特別図柄保留表示装置13の表示内容(点灯態様)を変更する。また、主制御用CPU30aは、減算後の保留記憶数を指示する保留指定コマンドを統括制御用CPU31aに出力するように保留指定コマンドを送信バッファにセットする。保留指定コマンドは、次周期からの制御周期において出力される。
続いて、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている大当り判定用乱数の値、リーチ判定用乱数、はずれ演出判定用乱数、及び特図振分用乱数などの各値を読み出す(ステップS32a)。より詳しくは、主制御用CPU30aは、最も早く記憶した保留記憶数「1」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数を読み出す。また、主制御用CPU30aは、乱数を読み出した後、保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数を保留記憶数「1」に対応付けられた記憶領域に記憶する。同様に、主制御用CPU30aは、保留記憶数「3」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数を保留記憶数「2」に対応付けられた記憶領域に記憶する。同様に、主制御用CPU30aは、保留記憶数「4」に対応付けられた記憶領域に記憶されている乱数を保留記憶数「3」に対応付けられた記憶領域に記憶する。
続いて、主制御用CPU30aは、読み出した大当り判定用乱数の値と大当り判定値を比較し、当該大当り判定値と一致するか否かを判定する(ステップS33)。ステップS33において主制御用CPU30aは、現在の遊技状態が非確変状態(低確率)の場合、非確変状態用の大当り判定値を用いて大当り判定を行う一方で、現在の遊技状態が確変状態(高確率)の場合、確変状態用の大当り判定値を用いて大当り判定を行う。なお、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに設定された制御フラグ(後述する確変フラグ)に基づき現在の遊技状態が確変状態か否かを把握する。
ステップS33の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、大当り抽選で大当りに当選したことから、大当り変動となる図柄変動ゲームを実行させるための大当り変動処理を実行する(ステップS34)。ステップS34において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄として大当り図柄を決定するとともに、変動パターン振分用乱数の値に基づき、大当り変動用の変動パターンを選択し、決定する。具体的には、図3に示すように、変動パターン振分用乱数は、決定した大当り図柄の種類毎に振分けられているとともにリーチグループ毎に振分けられている。したがって、主制御用CPU30aは、決定した大当り図柄及びリーチグループの種類に従って、大当り変動用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
また、ステップS33の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、大当り判定用乱数の値が大当りとなる値ではないことからはずれを認識する。そして、主制御用CPU30aは、保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されているリーチ判定用乱数の値を読み出す。
そして、主制御用CPU30aは、読み出したリーチ判定用乱数の値と、リーチ判定値を比較し、当該リーチ判定値と一致するか否かのリーチ抽選を実行する(ステップS35)。ステップS35において主制御用CPU30aは、現在の遊技状態が非変短状態(低確率)の場合、非変短状態用のリーチ判定値を用いてリーチ判定を行う一方で、現在の遊技状態が変短状態(高確率)の場合、変短状態用のリーチ判定値を用いてリーチ判定を行う。なお、変短状態用のリーチ判定値は、大当り抽選の抽選確率状態によって異なる値が設定されている。また、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに設定された制御フラグ(後述する確変フラグ及び作動フラグ)に基づき現在の遊技状態が確変状態か否か、又は変短状態か否かを把握する。なお、前述したように、リーチ判定値は、保留記憶数にかかわらず同一個数と設定されている。これにより、ステップS35の抽選に当選する確率は、同一遊技状態であれば、保留記憶数がどのような値であっても同一となる。
ステップS35の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、減算後(ステップS32)の保留記憶数を確認する(ステップS36)。その後、主制御用CPU30aは、図6のステップS10で取得したはずれ演出判定用乱数の値が、リーチグループG1〜G8に対応付けられているか否かを判定する(ステップS37)。ステップS37において主制御用CPU30aは、ステップS36で確認した保留記憶数にしたがって、図9〜図11に示すテーブルのうちいずれかを特定し、特定したテーブルの中から、図6のステップS10で取得したはずれ演出判定用乱数の値が対応付けられたリーチグループを特定する。ただし、前述したように、取得したはずれ演出判定用乱数の値と保留記憶数によっては、グループG9(はずれ)が特定されることもある。
本実施形態では、ステップS37の判定結果が肯定の場合に演出内容を参照する際に使用される図9〜図11に示す保留記憶数毎に定められたテーブルにおけるはずれ演出判定用乱数の値を対応付けた集合体が、演出内容群に相当する。また、「リーチLv2、Lv3」が、大当り期待度が高く設定された特定第1演出に相当する一方で、その演出内容が対応付けられたリーチグループG4,G5が、特別グループに相当する。
そして、ステップS37の判定結果が肯定の場合、リーチグループG1〜G8のうちいずれかを特定したことになるので、主制御用CPU30aは、はずれリーチ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのリーチ変動処理を実行する(ステップS38)。ステップS38において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定するとともに、変動パターン振分用乱数の値に基づき、はずれリーチ変動用の変動パターンを選択し、決定する。具体的には、図3に示すように、変動パターン振分用乱数は、リーチグループ毎に振分けられている。したがって、主制御用CPU30aは、リーチグループの種類に従って、はずれリーチ変動用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、ステップS37の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、ステップS35にてリーチ演出の実行を許可したが、ステップS37でグループG9(はずれ)を特定したことから、リーチ演出を実行しないことを決定する。そして、主制御用CPU30aは、グループG9を特定したことから、はずれ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのはずれ変動処理を実行する(ステップS39)。ステップS39において主制御用CPU30aは、特別図柄表示装置12に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定するとともに、変動パターン振分用乱数の値に基づき、はずれ変動用の変動パターンを選択し、決定する。具体的には、図3に示すように、変動パターン振分用乱数は、保留記憶数毎に振分けられている。したがって、主制御用CPU30aは、保留記憶数に従って、はずれ変動用の変動パターンを選択し、決定する。なお、図3では、保留記憶数が「0」「1」であったときの態様を示しているが、保留記憶数が「2」「3」であったときも、はずれ変動用の変動パターンを選択可能となるように、変動パターン振分用乱数が対応付けられている。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
また、図7の特別図柄開始処理において特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、決定事項にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで統括制御用CPU31aに出力する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する主制御用の変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU30aは、特別図柄を指示する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを主制御用の変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU30aは、指示した主制御用の変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する図柄停止コマンドを変動時間の経過に伴って出力する。
本実施形態では、ステップS33に示す処理を実行する主制御用CPU30aが、大当り抽選手段として機能する。また、大当り抽選に当選しなかった場合、リーチ抽選(ステップS35)を実行し、はずれ時の演出内容として「はずれ変動」又は「はずれリーチ変動」を決定する主制御用CPU30aが、演出内容決定手段として機能する。また、ステップS33及びステップS35の処理を実行する主制御用CPU30aが、ゲーム開始時判定手段として機能する。また、ステップS35のリーチ抽選に当選することが、リーチ演出の実行を許可する一次抽選に当選することとなる。一方、ステップS37において、はずれ演出判定用乱数の値に基づいて、リーチグループ又はリーチなしのグループ(グループG9)を選択することが、二次抽選に相当する。
次に、大当り遊技終了後の遊技状態に関して主制御用CPU30aが実行する制御を説明する。
主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に確変状態を付与する場合には確変フラグに「1」を設定するとともに、確変状態であることを指示する確変コマンドを出力する。一方、主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に確変状態を付与しない場合には確変フラグに「0」を設定するとともに、非確変状態であることを指示する非確変コマンドを出力する。
また、主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に変短状態を付与する場合には作動フラグに「1」を設定するとともに、変短状態であることを指示する作動コマンドを出力する。一方、主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に変短状態を付与しない場合には作動フラグに「1」を設定するとともに、非変短状態であることを指示する非作動コマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、大当りB,Cを決定した場合、変短上限回数(100回)を、作動回数として主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。そして、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームが実行される毎に作動回数を「1」減算し、値が「0」となると、作動フラグに「0」を設定し、非作動コマンドを出力する。なお、主制御用CPU30aは、大当り遊技の開始時に、確変フラグ、作動フラグ、及び作動回数に「0」を設定する。
次に、サブ統括制御基板31の統括制御用CPU31aが制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板32に出力する。また、統括制御用CPU31aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、当該コマンドにしたがって演出表示装置11に確定停止表示させる飾り図柄の図柄組み合わせを決定する。具体的に言えば、統括制御用CPU31aは、大当りAが決定された場合、統括制御用CPU31aは、確変大当りを確定的に認識し得る大当りの図柄組み合わせを決定する(本実施形態では、[777])。一方、大当りB,Cが決定された場合、統括制御用CPU31aは、確変大当りを確定的に認識し得ない大当りの図柄組み合わせを決定する(本実施形態では、[111]〜[666])。
その一方で、統括制御用CPU31aは、特別図柄としてはずれ図柄が指示されている場合、飾り図柄としてはずれの図柄組み合わせを決定する。このとき、統括制御用CPU31aは、はずれリーチ変動用の変動パターンが指示されている場合、飾り図柄として、リーチ図柄を含むはずれの図柄組み合わせを決定する。その一方、統括制御用CPU31aは、はずれ変動用の変動パターンが指示されている場合、飾り図柄として、リーチ図柄を含まないはずれの図柄組み合わせを決定する。そして、統括制御用CPU31aは、決定した飾り図柄を指示する飾り図柄用の停止図柄指定コマンドを演出表示制御基板32に出力する。また、統括制御用CPU31aは、図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを演出表示制御基板32に出力する。本実施形態では、主制御用CPU30aからの各種指示コマンドに基づいて図柄変動ゲームを実行させる統括制御用CPU31aが、ゲーム制御手段として機能する。
また、統括制御用CPU31aは、確変コマンドを入力すると確変状態が付与されることを統括制御用RAM31cに設定し、非確変コマンドを入力すると非確変状態が付与されることを統括制御用RAM31cに設定する。また、統括制御用CPU31aは、作動コマンドを入力すると変短状態が付与されることを統括制御用RAM31cに設定し、非作動コマンドを入力すると非変短状態が付与されることを統括制御用RAM31cに設定する。そして、統括制御用CPU31aは、確変コマンド、非確変コマンド、作動コマンド、及び非作動コマンドを入力するまで現在の設定内容を統括制御用RAM31cに記憶保持させる。統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cの設定内容によって、パチンコ遊技機の遊技状態が確変状態であるか否か、変短状態であるか否かを把握している。また、統括制御用CPU31aは、確変コマンド、非確変コマンド、作動コマンド及び非作動コマンドのこれらコマンドを入力すると、それぞれのコマンドを演出表示制御基板32に出力する。
また、統括制御用CPU31aは、入力した確変コマンド、非確変コマンド、作動コマンド、及び非作動コマンドから遊技状態を特定し、現在の遊技状態を遊技者に報知するための演出モードを設定するとともに、その設定した演出モードを指示するモード指定コマンドを表示制御用CPU32aに出力する。統括制御用CPU31aは、上記各コマンドから特定される遊技状態と、大当りの種類をもとに、演出モードを設定する。また、統括制御用CPU31aは、設定した演出モードを特定する情報(フラグなど)を統括制御用RAM31cに設定する。
具体的に説明すると、統括制御用CPU31aは、大当りAが決定された場合、設定されている演出モードの種類にかかわらず、大当り遊技終了後の演出モードを「高確+変短あり」の高確確定モードに設定する。高確確定モードは、確変状態が付与されている場合のみ設定される演出モードである。一方、統括制御用CPU31aは、大当りB,Cが決定された場合、設定されている演出モードの種類にかかわらず、大当り遊技終了後の演出モードを変短ありの潜確モードに設定する。なお、大当りB,Cが決定された場合、統括制御用CPU31aは、変短状態の終了に伴って、大当り遊技終了後、101回目の図柄変動ゲームから変短なしの潜確モードに移行させる。潜確モードは、非確変状態及び確変状態の何れの状態でも設定可能な演出モードであって、何れの状態であるかを遊技者に分かり難くする演出モードである。また、変短なしの潜確モードが設定されている場合、特定の変動パターンが選択されたときには背景画像が変化する場合と、通常モードに移行する場合と、がある。通常モードは、確変状態が付与されている可能性が最も低い演出モードである。また、各演出モードでは、図柄の背面に表示される背景画像が演出モード毎に設定されている。
次に、演出表示制御基板32について説明する。
演出表示制御基板32の表示制御用CPU32aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、これらのコマンドの指示内容にしたがって演出内容を選択するとともに、該演出内容で図柄変動ゲームを行わせるように画像表示部GHの表示内容を制御する。このとき、表示制御用CPU32aは、選択した演出内容をもとに表示制御用ROM32bの画像データを用いて前記演出内容に沿った画像を表示するための表示用データを生成する。そして、表示制御用CPU32aは、図柄変動ゲームの開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時することにより、その計時した時間と表示用データをもとに画像表示部GHに映し出す画像を所定の制御周期毎に切り替える。そして、表示制御用CPU32aは、図柄変動ゲームにおいて飾り図柄用の停止図柄指定コマンドで指示された飾り図柄を導出するとともに、図柄停止コマンドの入力によって飾り図柄による図柄組み合わせを確定停止表示させるように画像表示部GHの表示内容を制御する。
また、表示制御用CPU32aは、モード指定コマンドを入力すると、その指示内容に基づき、背景画像を画像表示させる。本実施形態では、統括制御用CPU31aからの指示を受けて、背景画像を演出表示装置11に画像表示させる表示制御用CPU32aが、モード制御手段となる。また、統括制御用CPU31aからの各種指示コマンドに基づいて図柄変動ゲームを実行させる表示制御用CPU32aが、ゲーム制御手段として機能する。
このように構成された本実施形態のパチンコ遊技機では、前述したように事前演出を実行可能に構成されている。本実施形態の事前演出としては、3種類設定されている。具体的に説明すると、装飾ランプ20の色を図柄変動ゲーム毎に変化させる水晶変化演出と、図柄変動ゲーム毎に手裏剣が画像表示部GH上を飛散する画像を表示させる手裏剣変化演出が設定されている。さらに、手裏剣変化演出では、該演出が実行されることを保留変化演出にて報知する「告知」と、保留変化演出にて報知しない「非告知」の2種類が設定されている。
以下、事前演出を実行させるための制御内容を説明する。
まず、統括制御用CPU31aは、事前判定コマンドを入力すると、該コマンドで特定される保留記憶数に従って、該コマンドを対応する統括制御用RAM31cの記憶領域に設定する。なお、事前判定コマンドに従って演出内容を決定した場合には、その内容を指示する各種情報を、対応する統括制御用RAM31cの記憶領域に設定する。また、統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力する毎に、現在の保留記憶数から−1(1減算)した保留記憶数に新たに対応付けて事前判定コマンド及び各種情報を統括制御用RAM31cに記憶する。
また、本実施形態では、事前演出の実行中に新たに事前演出を開始させないように規制している。したがって、統括制御用CPU31aは、事前演出の実行中に事前判定コマンドを入力したとしても、該コマンドに基づいて事前演出を新たに開始させない。なお、統括制御用CPU31aは、事前演出の実行中か否かを示す実行中フラグに設定した値を確認することによって、事前演出の実行中か否かを判断するようになっている。また、統括制御用CPU31aは、大当り抽選に当選した場合、統括制御用RAM31cに記憶した事前判定コマンド及び事前演出にかかる各種情報をリセットする。
図12は、保留変化指示コマンド及び色変化指示コマンドによって特定される演出内容を規定したテーブルである一方、図13は、予告指定コマンドによって特定される演出内容を規定したテーブルである。
図12に示す保留変化指示コマンドは、個別表示領域H1〜H4の色を変化させることを指示するコマンドであり、「E1H00H」〜「E1H2CH」がそれぞれ対応付けられている。また、以下の説明では、保留変化指示コマンド「E1H00H」〜「E1H2CH」それぞれを特定する指示パターンを、指示パターンK0〜K44として示す場合がある。
例えば、指示パターンK1で特定される「E1H01H」は、個別表示領域H1の色を通常色である「白」とすることを指示するコマンドである。また、指示パターンK9で特定される「E1H09H」は、個別表示領域H1の色を「青」とするとともに、個別表示領域H2の色を「白」とすることを指示するコマンドである。
一方、図12に示す色変化指示コマンドは、保留記憶数が「1」であるときに手裏剣が飛散した際に、個別表示領域H1の色変化のみを指示するコマンドであり、「ECH05H」〜「ECH2CH」がそれぞれ対応付けられている。また、以下の説明では、色変化指示コマンド「ECH05H」〜「ECH2CH」それぞれを特定する指示パターンを、指示パターンX5〜X44として示す場合がある。
例えば、指示パターンX5で特定される「ECH05H」は、個別表示領域H1の色を手裏剣飛散時に「青」に変化させることを指示するコマンドである。なお、前述したように色変化指示コマンドとしては「ECH05H」〜「ECH2CH」が設定されているが、手裏剣飛散時に使用されるコマンドは、「ECH05H」〜「ECH08H」の4種類である。つまり、保留変化指示コマンドは、保留記憶数の増減と色変化を指示するコマンドである一方、色変化指示コマンドは、手裏剣飛散時の個別表示領域H1の色の変化のみを指示するコマンドである。
図13に示す予告指定コマンドは、水晶変化演出、及び手裏剣変化演出の詳細内容を規定するコマンドであり、「CBH00H」〜「CBH1DH」がそれぞれ対応付けられている。また、以下の説明では、予告指定コマンド「CBH00H」〜「CBH1DH」それぞれを特定する指示パターンを、指示パターンY1〜Y30として示す場合がある。
例えば、指示パターンY1〜Y5で特定される「CBH00H」〜「CBH04H」は、水晶変化演出の実行を特定するとともに、その色変化のタイミングを「変動開始時」に規定したコマンドである。また、指示パターンY5〜Y10で特定される「CBH05H」〜「CBH09H」は、水晶変化演出の実行を特定するとともに、その色変化のタイミングを「変動開始3秒後」に規定したコマンドである。また、指示パターンY11〜Y15で特定される「CBH0AH」〜「CBH0EH」は、手裏剣変化演出の実行を特定するとともに、その飛散態様として「一枚飛散」を規定したコマンドである。また、指示パターンY16〜Y30で特定される「CBH0FH」〜「CBH1DH」は、手裏剣変化演出の実行を特定するとともに、その飛散態様として「八方飛散」を規定したコマンドである。
そして、統括制御用CPU31aは、事前判定コマンドを入力すると、入力したコマンドに従って、事前演出の実行可否、及び実行させる際の演出内容を決定する。図14は、事前演出の実行可否、及び実行される際の演出内容を決定する際に参照する演出内容決定テーブルである。なお、図14では、事前演出を実行させないことを「なし」と示し、水晶変化演出を実行させることを「水晶」と示し、手裏剣変化演出を実行させることを「手裏剣」と示している。
図14では、指示された事前判定コマンドに対応する指示パターン毎に、「なし」、「水晶」、及び「手裏剣」のうちいずれかを選択可能となるように、乱数の取り得る数値(本実施形態では、0〜240までの全241通りの整数値)が、所定個数ずつ振分けられている。
図14に示すように、リーチグループを特定する事前判定コマンドには、保留記憶数にかかわらず、「なし」に対して同一個数の乱数値が振分けられている。さらに、大当りを特定する事前判定コマンドには、リーチグループを特定する事前判定コマンドよりも「水晶」が選択される確率が高くなるように乱数値を振分けている。また、リーチグループを特定する事前判定コマンドでは、保留記憶数にかかわらず、大当り期待度が高く設定された「リーチグループG4,G5」を特定する事前判定コマンドには、その他のリーチグループを特定する事前判定コマンドよりも「水晶」が選択される確率が高くなるように乱数値を振分けている。本実施形態では、図14の演出内容決定テーブルに「事前演出の実行なし」を選択肢として組み込んでいるが、先に保留記憶数に応じて事前演出の実行可否を決定してから、事前演出の予告系統を決定しても良い。
そして、統括制御用CPU31aは、事前判定コマンドを入力すると、入力したコマンドに基づいて、予告系統として「なし」、「水晶」、及び「手裏剣」のうちいずれかを選択する。そして、統括制御用CPU31aは、選択した予告系統を示す値を統括制御用RAM31cの所定の記憶領域に設定する。このとき、統括制御用CPU31aは、「水晶」を選択した場合、統括制御用RAM31cに「02H」を設定する一方で、「手裏剣」を選択した場合、統括制御用RAM31cに「03H」を設定するようになっている。なお、後に詳細に説明するが、本実施形態では、事前判定コマンドを入力していない場合であっても、入力した保留指定コマンドに基づいて、保留変化演出及び手裏剣変化演出を実行可能に構成されている。以下の説明では、保留指定コマンドに基づいて実行される事前演出を「ガセ演出」と示す。
図14の説明に戻り、予告系統を決定した統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cに設定した値にしたがって、事前演出の詳細内容を決定する。具体的には、予告系統として「水晶」を決定した場合、統括制御用CPU31aは、図15に示すテーブルから詳細内容を決定する一方で、予告系統として「手裏剣」を決定した場合、統括制御用CPU31aは、図16に示すテーブルから詳細内容を決定する。本実施形態では、事前演出の予告系統を決定する統括制御用CPU31aが、事前決定手段として機能する。
以下、図15及び図16に示すテーブルについて説明する。
図15では、指示された事前判定コマンドに対応する指示パターン毎に、「なし」、「白」、「青」、「緑」、「赤」、及び「虹」のうちいずれかを選択可能となるように、乱数の取り得る値(本実施形態では、0〜240までの全241通りの整数値)が、所定個数ずつ振り分けられている。そして、本実施形態では、水晶変化演出としての「白」、「青」及び「緑」が、「事前演出弱」に分類される一方で、「赤」及び「虹」が、「事前演出強」に分類される。「事前演出の強弱」とは、その内容で事前演出が実行された際に最終的に大当りとなる確率の高低に対応している。
図15に示すように、大当りAを特定する事前判定コマンドには、「虹」にも乱数値を振り分ける一方で、リーチグループを特定する事前判定コマンドには、「虹」に乱数値を振り分けていない。これにより、水晶変化演出で「虹色」に変化した場合、大当り抽選に当選し、かつ大当りAが付与されることが確定的に報知されることになる。また、大当りを特定する事前判定コマンドと、「リーチグループG4,G5」を特定する事前判定コマンドには、「赤」を選択可能となるように乱数値を振り分けている。その一方で、「リーチグループG4,G5」よりも大当り期待度が低く設定されたリーチグループを特定する事前判定コマンドには、「赤」に乱数値を振り分けていない。これにより、水晶変化演出で「赤色」に変化し、かつ最終的に大当り期待度が高く設定されたリーチ演出が実行された際には、大当りとなる可能性が高いことになる。また、「リーチグループG4,G5」を特定する事前判定コマンドでは、保留記憶数が多くなるほど「赤」を選択する確率が高くなるように乱数値が振り分けられている。これにより、水晶変化演出で「赤色」に変化し、かつ水晶変化演出を伴って実行される図柄変動ゲーム数が多いほど大当りとなる可能性が高いことになる。
図16では、指示された事前判定コマンドに対応する指示パターン毎に、「非告知 白」、「非告知 青」、「非告知 緑」、「非告知 赤」、「非告知 虹」、「告知 青」、「告知 緑」、「告知 赤」、及び「告知 虹」のうちいずれかを選択可能となるように、乱数の取り得る値(本実施形態では、0〜240までの全241通りの整数値)が、所定個数ずつ振り分けられている。そして、本実施形態では、手裏剣変化演出としての「非告知 白」、「非告知 青」、「告知 青」、「非告知 緑」、及び「告知 緑」が、「事前演出弱」に分類される。その一方で、「非告知 赤」、「告知 赤」、「非告知 虹」、及び「告知 虹」が、「事前演出強」に分類される。本実施形態では、「事前演出弱」に分類される事前演出が、低期待度事前演出に相当する一方で、「事前演出強」に分類される事前演出が、高期待度事前演出に相当する。また、本実施形態では、事前大当り判定の判定結果が肯定の場合、及び事前リーチ判定の判定結果が肯定であって、かつリーチグループが特定されたときに事前演出を実行させる統括制御用CPU31aが、演出制御手段として機能する。
図16に示すように、大当りAを特定する事前判定コマンドには、告知の有無にかかわらず「虹」にも乱数値を振り分ける一方で、リーチグループを特定する事前判定コマンドには、告知の有無にかかわらず「虹」に乱数値を振り分けていない。これにより、手裏剣変化演出で「虹色」の手裏剣が飛散した場合、大当り抽選に当選し、かつ大当りAが付与されることが確定的に報知されることになる。また、大当りを特定する事前判定コマンドと、「リーチグループG4,G5」を特定する事前判定コマンドには、告知の有無にかかわらず「赤」を選択可能となるように乱数値を振り分けている。その一方で、「リーチグループG4,G5」よりも大当り期待度が低く設定されたリーチグループを特定する事前判定コマンドには、告知の有無にかかわらず「赤」に乱数値を振り分けていない。これにより、手裏剣変化演出で「赤色」の手裏剣が飛散し、かつ最終的に大当り期待度が高く設定されたリーチ演出が実行された際には、大当りとなる可能性が高いことになる。また、「リーチグループG4,G5」を特定する事前判定コマンドでは、保留記憶数が多くなるほど「赤」を選択する確率が高くなるように乱数値が振り分けられている。これにより、手裏剣変化演出で「赤色」の手裏剣が飛散し、かつ水晶変化演出を伴って実行される図柄変動ゲーム数が多いほど大当りとなる可能性が高いことになる。
そして、図15又は図16のテーブルから事前演出の詳細内容を決定した統括制御用CPU31aは、決定した詳細内容を示す値を統括制御用RAM31cの所定の記憶領域に設定する。例えば、予告系統として「水晶」を選択し、かつ詳細内容として「青」を決定した場合、統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cに「08H」を設定する。その一方で、予告系統として「手裏剣」を選択し、かつ詳細内容として「非告知 青」を決定した場合、統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cに「0DH」を設定する。
続いて、統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cに設定した値に基づき、図17に従って、事前演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームにおける演出内容を特定する予告指定コマンドと、事前演出の強弱にかかる情報を取得する。
図17では、統括制御用RAM31cの所定の記憶領域に設定した値(図15及び図16参照)に応じて、予告指定コマンドと、事前演出の強弱にかかる情報が定められている。例えば、統括制御用RAM31cに「09H」が設定されていた場合、実行される事前演出として「水晶(緑)」と、予告指定コマンド「CBH02H」(指示パターンY3(図13参照))と、事前演出弱を特定する値「01H」が特定される。また、統括制御用RAM31cに「14H」が設定されていた場合、実行される事前演出として「告知 虹」と、予告指定コマンド「CBH86H」と、事前演出強を特定する値「02H」が特定される。本実施形態では、事前演出の強弱を示す値として、強を特定する値「02H」と、弱を特定する「01H」と、ガセ又は事前演出の実行否を特定する「00H」が設定されている。
なお、統括制御用RAM31cに設定されていた値が「0EH」〜「10H」、「12H」〜「14H」のうちいずれかである場合、すなわち、「非告知 白」を除く手裏剣変化演出を選択した場合、統括制御用CPU31aは、図18を参照して手裏剣の色を決定するようになっている。
図18では、図17で特定した予告指定コマンドの下位バイトに応じて、手裏剣が八方に飛散する場合における色変化が抽選で決定されるようになっている。例えば、下位バイトが「81H」であった場合、色変化として「白→緑」又は「緑→緑」のどちらかが選択可能となるように乱数値を振分けている。なお、「白→緑」とは、画面中央まで「白」で、八方に飛散するときに「緑」となる内容であり、その内容を特定する予告指定コマンドは、「CBH11H」(指示パターンY18)である。また、「緑→緑」とは、画面中央まで「緑」で、八方に飛散するときに「緑」となる内容であり、その内容を特定する予告指定コマンドは、「CBH18H」(指示パターンY25)である。
また、下位バイトが「86H」であった場合、色変化として「緑→虹」「赤→虹」又は「虹→虹」のいずれかが選択可能となるように乱数値を振分けている。なお、「緑→虹」を特定する予告指定コマンドは、「CBH1AH」(指示パターンY27)であり、「赤→虹」を特定する予告指定コマンドは、「CBH1CH」(指示パターンY29)であり、「虹→虹」を特定する予告指定コマンドは、「CBH1DH」(指示パターンY30)である。すなわち、手裏剣の色変化では、変化前の色が、変化後の色に定められた大当り期待度以下となっている。
そして、統括制御用CPU31aは、図18から予告指定コマンドを特定し、該コマンドの下位バイトに従って、事前演出の演出態様及び個別表示領域H1〜H4の変化態様を決定する。
最初に、予告系統として「水晶変化演出」が決定されたときの制御内容について、図19及び図20に従って説明する。
統括制御用CPU31aは、事前判定コマンドの対象となる図柄変動ゲームが実行されるまでの事前演出の内容を決定するようになっている。なお、図19及び図20では、入力した事前判定コマンドで特定される図柄変動ゲーム、すなわち、事前演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームを、「当該変動」と示している。
最初に、保留記憶数「1」を特定する事前判定コマンドを入力したときの制御内容について説明する。
この場合、始動入賞口15への遊技球の入賞を契機に、個別表示領域H1が保留有の状態で表示されることになる。そして、統括制御用CPU31aは、水晶変化演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームにおける事前演出の演出内容(水晶の色)を決定する。具体的には、統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cの所定の記憶領域に設定された予告指定コマンド(図17参照)を、保留記憶数「1」に対応する記憶領域に設定する。続いて、統括制御用CPU31aは、事前判定演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームの開始時に表示させる個別表示領域H1の保留表示色として「なし」を決定する。そして、統括制御用CPU31aは、その内容を指示する保留変化指示コマンド(指示パターンK1)を保留記憶数「1」に対応する記憶領域に設定する。
次に、統括制御用CPU31aは、保留記憶数「1」を特定する事前判定コマンドを生起させる契機となった遊技球が、始動入賞口15に入賞したときに表示させる個別表示領域H1の保留表示色を決定する。このとき、統括制御用CPU31aは、表示色として「白」を決定し、その色を指定する保留変化指示コマンド(指示パターンK1)を保留記憶数「0」に対応する記憶領域(演算領域)に設定する。
次に、保留記憶数「2」を特定する事前判定コマンドを入力したときの制御内容について説明する。
この場合、始動入賞口15への遊技球の入賞を契機に、個別表示領域H1に加えて個別表示領域H2が保留有の状態で表示されることになる。そして、統括制御用CPU31aは、水晶変化演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームにおける事前演出の演出内容を決定する。具体的には、統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cの所定の記憶領域に設定された予告指定コマンド(図17参照)を、保留記憶数「2」に対応する記憶領域に設定する。続いて、統括制御用CPU31aは、事前判定演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームの開始時に表示させる個別表示領域H1の保留表示色として「なし」を決定する。そして、統括制御用CPU31aは、その内容を指示する保留変化指示コマンド(指示パターンK1)を保留記憶数「2」に対応する記憶領域に設定する。
次に、統括制御用CPU31aは、事前演出の実行を決定した契機となる始動保留球が、1減算されたことによって保留記憶数「1」となる場合における事前演出の演出内容を決定する。具体的には、統括制御用CPU31aは、当該変動(最終回)で決定された演出内容を指示する予告指定コマンドに基づいて、保留記憶数「1」となるときの演出内容を決定する。このとき、統括制御用CPU31aは、図20に示す演出内容決定テーブルから、水晶の色を決定する。
図20では、当該変動(最終回)で決定された演出内容が「水晶(緑)」であった場合、保留記憶数「1」となるときの演出内容として「水晶(緑)」のみが選択されるように乱数値を振分けている。一方、当該変動で決定された内容が「水晶(赤)」であった場合、保留記憶数「1」となるときの演出内容として、「水晶(緑)」又は「水晶(赤)」のうちずれかが選択可能となるように乱数値を振分けている。また、当該変動で決定された内容が「水晶(虹)」であった場合、保留記憶数「1」となるときの演出内容として、「水晶(緑)」「水晶(赤)」「水晶(虹)」のうちずれかが選択可能となるように乱数値を振分けている。
そして、図20に示す演出内容決定テーブルから、保留記憶数「1」となるときの演出内容を決定した統括制御用CPU31aは、決定した演出内容を指示する予告指定コマンドを保留記憶数「1」に対応する記憶領域に設定する。続いて、統括制御用CPU31aは、1減算されたことによって保留記憶数「1」となるときの図柄変動ゲームの開始時に表示させる個別表示領域H1の保留表示色として「白」を決定し、その色を指定する保留変化指示コマンド(指示パターンK1)を保留記憶数「1」に対応する記憶領域に設定する。
次に、統括制御用CPU31aは、保留記憶数「2」を特定する事前判定コマンドを生起させる契機となった遊技球が、始動入賞口15に入賞したときに表示させる個別表示領域H2の保留表示色を決定する。このとき、統括制御用CPU31aは、個別表示領域H1,H2の表示色として「白」を決定し、その色を指定する保留変化指示コマンド(指示パターンK2)を演算領域に設定する。
以下、保留記憶数「3」「4」を特定する事前判定コマンドを入力したときの制御は、保留記憶数「2」であるときの制御内容と同一の手順にて行われる。つまり、保留記憶数が「2」以上である場合、最終回よりも前の図柄変動ゲームで実行させる事前演出の演出内容は、決定順序が1つ前の図柄変動ゲームの決定内容(見た目的には、1つ後ろの図柄変動ゲームの決定内容)を参照する。そして、統括制御用CPU31aは、1つ前の図柄変動ゲームで決定した色に定められた大当り期待度以下の色を、今回実行させる図柄変動ゲームで導出する水晶の色として決定する。これにより、見た目的には、事前演出が実行されるに連れて、水晶の色変化が期待度の低くなる方向に変化することがない。また、個別表示領域H1〜H4の保留表示色に関しては、保留記憶数や決定した演出内容にかかわらず、必ず「白」が決定されるようになっている。
例えば、保留記憶数「3」を特定する事前判定コマンド(指示パターンW35)が指示されたときに、事前演出として「水晶(緑)」を決定したとする。そして、保留記憶数「2」となったときの演出内容として「水晶(緑)」を決定し、さらに保留記憶数「1」となったときの演出内容として「水晶(緑)」を決定したとする。この場合、入賞時には個別表示領域H1〜H3が「白」で表示され、1回目の図柄変動ゲームの実行時には装飾ランプ20が緑色に発光し、2回目の図柄変動ゲームの実行時には装飾ランプ20が緑色に発光する。そして、事前演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームの実行時には、装飾ランプ20が緑色に発光する。なお、個別表示領域H1〜H3に関しては、保留記憶数が減少した場合であっても常に「白」が表示される(図35(a)参照)。
また、前述したように、本実施形態では、事前演出の実行中に新たに事前演出を開始させないように規制しているが、保留指定コマンドを入力した際には、そのコマンドで指定される保留記憶数に対応する個別表示領域を「白色」とするため、その色を指示する保留変化指示コマンド(指示パターンK1)を演出表示制御基板32に出力する。
次に、予告系統として「非告知の手裏剣変化演出」が決定されたときの制御内容について、図19及び図21に従って説明する。
予告系統として「非告知の手裏剣変化演出」が決定されたときの制御内容は、保留変化演出によって手裏剣変化演出が行われることが事前に報知されるわけではないので、原則として、「水晶変化演出」が決定されたときの制御内容と同一の手順で実行されるようになっている。ただし、事前演出を伴って実行される最終回よりも前の図柄変動ゲームの演出内容(手裏剣の色)を決定する際には、図21に示す演出内容決定テーブルを参照する。
図21では、例えば、決定された演出内容が「白」であった場合、時系列的に1つ前の図柄変動ゲームで実行される手裏剣変化演出の演出内容として「白→白(指示パターンY16)」のみが選択されるように乱数値を振分けている。一方、決定された内容が「緑」であった場合、時系列的に1つ前の図柄変動ゲームで実行される手裏剣変化演出の演出内容として「白→緑(指示パターンY18)」又は「緑→緑(指示パターンY25)」のうちどちらかが選択されるように乱数値を振分けている。
次に、予告系統として「告知ありの手裏剣変化演出」が決定されたときの制御内容について、図22〜図26に従って説明する。
最初に、保留記憶数「1」を特定する事前判定コマンドを入力したときの制御内容について説明する。
この場合、始動入賞口15への遊技球の入賞を契機に、個別表示領域H1が保留有の状態で表示されることになる。そして、統括制御用CPU31aは、手裏剣変化演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームの演出内容を決定するに際し、統括制御用RAM31cの所定の記憶領域に設定された予告指定コマンド(図18参照)を、保留記憶数「1」に対応する記憶領域に設定する。続いて、統括制御用CPU31aは、事前判定演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームの開始時に表示させる個別表示領域H1の保留表示色として「なし」を決定する。そして、統括制御用CPU31aは、その内容を指示する保留変化指示コマンド(指示パターンK1)を保留記憶数「1」に対応する記憶領域に設定する。
次に、統括制御用CPU31aは、保留記憶数「1」を特定する事前判定コマンドを生起させる契機となった遊技球が、始動入賞口15に入賞したときに表示させる個別表示領域H1の保留表示色を決定する。このとき、統括制御用CPU31aは、図23に示す入賞時保留色決定テーブルから個別表示領域H1の保留表示色を決定する。
図23では、当該変動(最終回)で決定された手裏剣の色と同一色が、入賞時における保留表示色として決定されるようになっている。例えば、当該変動で決定された演出内容が「緑」であった場合、入賞時の保留表示色として「緑」のみが選択されるように乱数値を振分けている。
そして、図23に示す入賞時演出内容決定テーブルから、入賞時の保留表示色を決定した統括制御用CPU31aは、決定した演出内容を指示する保留変化指示コマンド(「E1H06H」〜「E1H08H」のうちいずれか)を演算領域に設定する。
次に、保留記憶数「2」を特定する事前判定コマンドを入力したときの制御内容について説明する。
なお、当該変動(最終回)に対応する手裏剣変化演出の演出内容と、当該変動の実行時における個別表示領域H1の表示色については、保留記憶数「1」の場合と同一の制御内容で実行されるので、ここでは説明を省略する。
次に、統括制御用CPU31aは、事前演出の実行を決定した契機となる始動保留球が、1減算されたことによって保留記憶数「1」となる場合における事前演出の演出内容を決定する。具体的には、統括制御用CPU31aは、当該変動で(最終回)決定された演出内容を指示する予告指定コマンドに基づいて、保留記憶数「1」となるときの演出内容を決定する。このとき、統括制御用CPU31aは、図24に示す演出内容決定テーブルを参照する。
図24では、当該変動で決定された演出内容(予告指定コマンドで特定される内容)に応じて、個別表示領域H1の保留表示色と、保留記憶数「1」となるときの手裏剣の色と、個別表示領域H1の保留表示色を変化させるか否かが決定されるようになっている。
例えば、当該変動(最終回)で決定された演出内容が「緑」であった場合、次の内容のみが選択されるように乱数値を振り分けている。その内容は、個別表示領域H1の保留表示色として「緑(指示パターンK6)」と、手裏剣の色として「緑→緑(指示パターンY25)」と、保留表示色を変化させない「なし」を特定する内容である。一方、当該変動(最終回)で決定された演出内容が「赤」であった場合、2種類の内容のうちいずれかが選択されるように乱数値を振分けている。具体的には、個別表示領域H1の保留表示色として「緑(指示パターンK6)」と、手裏剣の色として「緑→赤(指示パターンY26)」と、保留表示色を赤色に変化させる「赤変化(指示パターンX7)」を特定する内容が該当する。また、個別表示領域H1の保留表示色として「赤(指示パターンK7)」と、手裏剣の色として「赤→赤(指示パターンY28)」と、保留表示色を変化させない「なし」を特定する内容が該当する。つまり、保留表示色と変化前の手裏剣の色(八方飛散前)は、同一色となるように対応付けられている。
そして、図24に示す演出内容決定テーブルから、保留記憶数「1」となるときの演出内容を決定した統括制御用CPU31aは、決定した演出内容を指示する各種コマンド(予告指定コマンド、色変化指示コマンド、及び保留変化指示コマンド)を保留記憶数「1」に対応する記憶領域に設定する。
次に、統括制御用CPU31aは、保留記憶数「2」を特定する事前判定コマンドを生起させる契機となった遊技球が、始動入賞口15に入賞したときに表示させる個別表示領域H2の保留表示色を決定する。このとき、統括制御用CPU31aは、図23に示す入賞時保留色決定テーブルを参照し、該テーブルから保留表示色を決定する。ただし、図23に示す入賞時保留決定テーブルに対応付けられている内容は、個別表示領域H1の保留表示色となっている。このため、統括制御用CPU31aは、図25に示すように、図23で決定した保留変化指示コマンドを、個別表示領域H2用のコマンドに書き換える。具体的には、図25に示すように、図23で決定したコマンドが「E1H01H(指示パターンK1)」であった場合、統括制御用CPU31aは、該コマンドを「E1H02H(指示パターンK2)」に書き換える。指示パターンK2では、個別表示領域H1,H2を「白」とする内容が対応付けられている。同様に、図23で決定したコマンドが「E1H08H(指示パターンK8)」であった場合、統括制御用CPU31aは、該コマンドを「E1H10H(指示パターンK16)」に書き換える。指示パターンK16では、個別表示領域H1を「白」とし、個別表示領域H2を「虹」とする内容が対応付けられている。つまり、図23で決定した保留表示色を入賞時の保留表示色とする一方、個別表示領域H1を「白」とするコマンドに書き換えられることになる。そして、保留変化指示コマンドを書き換えた統括制御用CPU31aは、該コマンドを演算領域に設定する。
次に、保留記憶数「3」を特定する事前判定コマンドを入力したときの制御内容について説明する。
なお、当該変動(最終回)及び保留記憶数「1」に対応する手裏剣変化演出の演出内容と、当該変動(最終回)の開始時における個別表示領域H1の保留表示色については、保留記憶数「1」「2」の場合と同一の制御内容で実行されるので、ここでは説明を省略する。
次に、統括制御用CPU31aは、事前演出の実行を決定した契機となる始動保留球が、1減算されたことによって保留記憶数「2」となる場合における事前演出の演出内容を決定する。このとき、統括制御用CPU31aは、図24に示す演出内容決定テーブルを参照する。
そして、前述したような手順にて、統括制御用CPU31aは、図24から予告指定コマンド、色変化指示コマンド、及び保留変化指示コマンドを決定する。ただし、図24に示す演出内容決定テーブルに対応付けられている色変化指示コマンドと保留変化指示コマンドは、個別表示領域H1の保留表示色となっている。このため、統括制御用CPU31aは、図25に示すように、図24で決定した保留変化指示コマンドを個別表示領域H2用のコマンドに書き換える。それとともに、統括制御用CPU31aは、図26に示すように、図24で決定した色変化指示コマンドを個別表示領域H2用のコマンドに書き換える。
なお、保留変化指示コマンドの書き換えについては、前述した内容と同一であるため、ここでは説明を省略する。一方、図24で決定したコマンドが「ECH05H(指示パターンX5)」であった場合、統括制御用CPU31aは、該コマンドを「ECH0AH(指示パターンX10)」に書き換える。なお、指示パターンX10では、個別表示領域H1を「白」とし、個別表示領域H2を「青」とする内容が対応付けられている。つまり、図24で決定した保留表示色を入賞時の保留表示色とする一方、個別表示領域H1を「白」とするコマンドに書き換えられることになる。そして、保留変化指示コマンド及び色変化指示コマンドを書き換えた統括制御用CPU31aは、該コマンドを保留記憶数「2」に対応する記憶領域に設定する。
次に、統括制御用CPU31aは、保留記憶数「3」を特定する事前判定コマンドを生起させる契機となった遊技球が、始動入賞口15に入賞したときに表示させる個別表示領域H3の保留表示色を決定する。前述したように、統括制御用CPU31aは、個別表示領域H1の保留表示色を決定する入賞時保留決定テーブル(図23)から保留表示色を決定するので、図25に示すように個別表示領域H3用のコマンドに書き換える。
具体的には、図25に示すように、図23で決定したコマンドが「E1H08H(指示パターンK8)」であった場合、統括制御用CPU31aは、該コマンドを「E1H1CH(指示パターンK28)」に書き換える。指示パターンK28では、個別表示領域H1,H2を「白」とする一方で、個別表示領域H3を「虹」とする内容が対応付けられている。つまり、図23で決定した保留表示色を入賞時の保留表示色とする一方、個別表示領域H1,H2を「白」とするコマンドに書き換えられることになる。そして、保留変化指示コマンドを書き換えた統括制御用CPU31aは、該コマンドを演算領域に設定する。以下、保留記憶数「4」を特定する事前判定コマンドを入力したときの制御は、保留記憶数「3」であるときの制御内容と同一の手順にて行われる。また、統括制御用CPU31aは、色変化指示コマンドを演出表示制御基板32に出力する場合、変動が開始してから所定時間(実施形態では、1.5秒)が経過した後に出力するようになっている。
例えば、保留記憶数「3」を特定する大当りの事前判定コマンド(指示パターンW3)が指示されたときに、統括制御用CPU31aが事前演出として「告知有の手裏剣変化演出(虹)」を決定したとする。さらに、統括制御用CPU31aが「赤→虹(指示パターンY29)」を決定する一方で、保留記憶数「1」となったときの演出内容として「緑→赤(指示パターンY26)」を決定し、さらに保留記憶数「2」となったときの演出内容として「緑→緑(指示パターンY25)」を決定したとする。この場合、入賞時の保留表示色は、前述したように保留記憶数「2」の決定内容に基づいて選択されるため、その保留表示色は「緑」となる(図23参照)。また、図23で決定されたコマンドは、個別表示領域H3用に書き換えられる(図25参照)。これにより、入賞時には個別表示領域H1,H2が「白」で表示される一方で、個別表示領域H3が「緑」で表示される。
そして、手裏剣変化演出を伴って実行される1回目の図柄変動ゲームの実行時には、保留記憶数が1減算され、個別表示領域H1が「白」で表示される一方で、個別表示領域H2が「緑」で表示される。そして、画面中央まで飛散するときには緑色の手裏剣が飛散する一方で、八方に飛散するときにも緑色の手裏剣が飛散する。その後、手裏剣変化演出を伴って実行される2回目の図柄変動ゲームの実行時には、保留記憶数が1減算され、個別表示領域H1が「緑」で表示された後、所定時間の経過後に、その色が「赤」に変化する。また、手裏剣に関しても、画面中央まで飛散するときには緑色の手裏剣が飛散する一方で、八方に飛散するときには赤色の手裏剣が飛散する。そして、手裏剣変化演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームの実行時には、画面中央まで飛散するときには赤色の手裏剣が飛散する一方で、八方に飛散するときには虹色の手裏剣が飛散する(図35(b)参照)。
以下、本実施形態におけるリーチ確率と、従来方式のリーチ確率について説明する。
従来方式では、保留記憶数が多い場合(例えば、保留4)には、リーチ確率を高く設定することで(例えば、1/40)、保留記憶数が「4」を超える事態、所謂、オーバーフローを防止していた。このような方式が採用されたパチンコ遊技機において、大当り期待度が高く設定されたリーチ演出の選択確率(本実施形態では、リーチLv3)が、3/211であったとする。この場合、当該演出が選択される確率は、1/40×3/211=3/8440となる。
そして、このような従来方式で、保留記憶数「4」となる始動保留球に基づいて事前演出を実行させようとしたとする。この場合、事前演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲーム(4回目)のみリーチ演出を伴って終了させるためには、以下のような設定をしなければならなかった。すなわち、必ずリーチ判定を肯定判定させるために、どの保留記憶数であってもリーチ判定値として設定されている値のみで構成された保留記憶数「4」のリーチ確率を基準に事前演出の実行確率を設定せざるを得なかった。これにより、事前演出の実行割合が低くなる。
一方、本実施形態では、保留記憶数にかかわらず、事前リーチ判定の当選確率を31/239≒1/7に設定しているため、保留記憶数「4」の場合であっても、1/7×3/211=3/1477という、前述の確率(3/8440)よりも高い確率で、大当り期待度が高く設定されたリーチ演出を伴って事前演出が実行されることになる。
このように、本実施形態において高確率で事前演出を実行可能としている背景には、以下のような設定が起因する。すなわち、事前リーチ判定時に、図9〜図11に示すように保留記憶数毎に設定されたグループ決定用のはずれ演出判定用乱数の値に従ってグループを決定していることに起因する。さらに、実際の図柄変動ゲームの実行時に変動パターンを選択する際にも、事前判定時と共通して図9〜図11に示すはずれ演出判定用乱数の値に従ってグループを決定していることに起因する。これにより、事前演出における図柄変動ゲームの演出内容の選択と、実際の図柄変動ゲーム実行時における演出内容(変動パターン)の選択に関連性が生じ、保留記憶数にかかわらず、トータル的にリーチ演出及び事前演出の実行確率を高めることができる。
また、本実施形態では、事前判定においてリーチグループG1〜G8を選択した際には、必ず事前演出を実行可としたので、事前演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームでは、必ずリーチ演出を経て事前演出が終了することになる。
そして、本実施形態では、保留記憶数が多いほど、大当り期待度が高く設定された事前演出が実行される一方で、保留記憶数が少ないほど、大当り期待度が低く設定された事前演出が実行可能となるように設定している。従って、本実施形態によれば、保留記憶数が多いほど、遊技者にとって有利な内容で事前演出が実行され易いことになる。
次に、ガセ演出の制御内容について図27〜図29に従って説明する。
本実施形態において統括制御用CPU31aは、事前判定コマンドを入力しなかった場合、保留指定コマンドに基づいて、ガセ演出を実行させるか否かを決定する。なお、本実施形態におけるガセ演出は、「非告知の手裏剣変化演出」として設定されている。
具体的に説明すると、統括制御用CPU31aは、入力した保留指定コマンドに従って、図27に示す演出決定テーブルからガセ演出の実行可否を決定する。図27では、保留記憶数にかかわらず、ガセ演出を実行しない「なし」、及びガセ演出を実行する「ガセ」に対してそれぞれ同一の乱数値を振分けている。そして、図27に示すテーブルからガセ演出の実行否を決定した場合、統括制御用CPU31aは、ガセ演出の実行にかかる制御を実行しない。その一方で、図27に示すテーブルからガセ演出の実行可を決定した場合、統括制御用CPU31aは、手裏剣変化演出を入賞時から何変動目まで行うのかを、図28に示す回数決定テーブルに従って決定する。
図28では、保留指定コマンドで指定される保留記憶数に応じて、ガセ演出を実行させる図柄変動ゲーム数「1」「2」「3」のうちいずれかを選択可能となるように乱数値を振分けている。例えば、保留指定コマンドで指定される保留記憶数が「4」である場合、入賞時から2変動目にかけてガセ演出を実行させる内容が最も選択される確率が高くなるように乱数値が振分けられている。また、図28では、入賞時から4変動目までガセ演出を実行させるように乱数値を振分けていないので、手裏剣変化演出が4回の図柄変動ゲームで連続して実行された際には、必ず、リーチ演出以上が確定する。
そして、図28からガセ演出を実行させる図柄変動ゲーム数を決定した統括制御用CPU31aは、その回数を示す値を統括制御用RAM31cの所定の記憶領域に設定する。具体的には、「1変動」を特定する値として「10H」が、「2変動」を特定する値として「11H」が、「3変動」を特定する値として「12H」が、それぞれ対応付けられている。
次に、統括制御用CPU31aは、保留指定コマンドで指定される保留記憶数に応じて個別表示領域H1〜H4における保留表示色を決定する。このとき、統括制御用CPU31aは、保留記憶数にかかわらず、保留表示色として「白」を決定する。その後、統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cの所定の記憶領域に設定したガセ演出の実行回数にかかる値を読み出し、該値に基づいて、手裏剣の種類を決定する。ただし、本実施形態においては、ガセ演出の実行に関わらず、手裏剣の色は「白」のままとしている。
また、本実施形態では、事前演出以外の予告演出として、「抜刀演出」及び「キャラ登場演出」が設定されている。なお、「抜刀演出」とは、可動体Kを上下方向に動作させる態様で実行させる一方で、「キャラ登場演出」は、特定のキャラクタが画像表示部GHに登場する内容で実行される。ちなみに、「抜刀演出」は、その実行タイミングとして「リーチ形成後」を設定する一方で、「キャラ登場演出」は、その実行タイミングとして「左列停止後、リーチ形成前」を設定している。そして、「抜刀演出」及び「キャラ登場演出」は、事前演出とは異なり、当該演出の対象となる始動保留球に基づく図柄変動ゲームの実行中に、当該ゲームが大当りとなる可能性があることを予告する演出である。
また、本実施形態では、事前演出が実行されるか否か、及び実行された場合にはその演出内容の強弱に合わせて、「抜刀演出」の実行有無、及び「キャラ登場演出」の演出内容が決定されるようになっている。以下、その詳細内容について図29〜図33に従って説明する。
まず、統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cの所定の記憶領域に、事前演出の強弱を示す値が設定されているか否かを確認する。前述したように、本実施形態では、事前演出の強弱を示す値として、強を特定する値「02H」と、弱を特定する「01H」と、ガセ又は事前演出の実行否を特定する「00H」が設定されている。そして、統括制御用RAM31cに「00H(ガセ又は実行否)」又は「01H(弱)」のいずれかが設定されていた場合、統括制御用CPU31aは、図29に示すランク決定テーブルを選択する。その一方で、統括制御用RAM31cに「02H(強)」が設定されていた場合、統括制御用CPU31aは、図30に示すランク決定テーブルを選択する。
図29及び図30に示すランク決定テーブルでは、入力した変動パターン毎に、抜刀演出の有無と、キャラ登場演出のランク「弱」「中」「強」のうちいずれかを選択可能となるように乱数値が振分けられている。具体的には、ランク弱及びランク中では、抜刀演出の実行否が対応付けられている一方で、ランク強では、抜刀演出の実行可が対応付けられている。なお、キャラ登場演出のランクとは、特定のキャラクタが登場した際に大当りとなる確率の高低に対応している。つまり、事前演出が、大当り期待度が高く設定された内容で実行される場合には、抜刀演出が実行されることになる。言い換えると、抜刀演出も大当り期待度が高く設定された演出内容であるとも言え、事前演出の大当り期待度に合わせて、大当り期待度が高く設定された抜刀演出の実行可否が決定されるとも言える。また、図29及び図30に示すランク決定テーブルでは、抜刀演出を基準にランク付けをしているので、抜刀演出とキャラ登場演出は、演出態様を決定する際に基準とされるか否かという点が異なっている。本実施形態では、抜刀演出及びキャラ登場演出の演出内容のうち大当り期待度が高く設定された演出内容(特に、演出内容D1)が、高期待度演出に相当する。一方、キャラ登場演出のうち大当り期待度が低く設定された演出内容(特に、演出内容D4)が、低期待度演出に相当する。
そして、図29に示すランク決定テーブルでは、「ランク弱」「ランク中」「ランク強」のうちいずれかが選択可能となるように乱数値が振分けられており、特に、変動パターンP1〜P12,P21〜P23に対して「ランク弱」のみが選択されるように乱数値を振分けている。したがって、これらの変動パターンが選択されているときには抜刀演出が行われない。その一方で、大当り期待度が高く設定されたリーチ内容(Lv2,L3)や大当り確定のリーチ演出(リーチR)を特定する変動パターンには、「ランク強」が選択可能となるように乱数値を振分けている。したがって、事前演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームが大当りとなる場合、又ははずれリーチとなる場合であっても、大当り期待度が高く設定された内容で実行されるのであれば、リーチ形成後に抜刀演出が実行される可能性が高いことになる。
一方、図30に示すランク決定テーブルでは、「ランク中」又は「ランク強」を選択可能となるように乱数値が振分けられており、特に、はずれリーチ変動用の変動パターンP13〜P23に関しては、大当り期待度が高く設定されたリーチ演出を特定する変動パターンに対して、「ランク強」を選択可能となるように乱数値を振分けている。一方、大当り変動用の変動パターンP25〜P39に関しては、はずれリーチ変動用の変動パターンよりも「ランク強」を選択する割合が高くなるように乱数値を振分けている。したがって、事前演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームが大当りとなる場合、又ははずれリーチとなる場合であっても、大当り期待度が高く設定された内容で実行されるのであれば、リーチ形成後に抜刀演出が実行される可能性が高いことになる。さらに、その実行確率は、事前演出を伴わない場合や、大当り期待度が低く設定された内容で事前演出が実行される場合に比して高いことになる。
そして、図29又は図30のランク決定テーブルからランクを決定した統括制御用CPU31aは、決定したランクを特定する値を、統括制御用RAM31cの所定の記憶領域に設定する。具体的には、「ランク弱」を決定した場合には「03H」を、「ランク中」を決定した場合には「02H」を、「ランク強」を決定した場合には「01H」を、それぞれ設定するようになっている。その後、統括制御用CPU31aは、統括制御用RAM31cに設定したランクの強弱にかかる値を確認し、その値に応じてキャラ登場演出の演出内容を特定するキャラ決定テーブル(図31〜図33)を選択する。
図31に示すテーブルは、「ランク強」を選択した際に参照される一方で、図32に示すテーブルは、「ランク中」を選択した際に参照される。また、図33に示すテーブルは、「ランク弱」を選択した際に参照される。
そして、図31に示すテーブルでは、入力した変動パターン毎にキャラ登場演出の演出内容として、演出内容D1〜D3のうちいずれかを選択可能となるように乱数値が振分けられている。一方、図32に示すテーブルでは、入力した変動パターン毎にキャラ登場演出の演出内容として、演出内容D1〜D4のうちいずれかを選択可能となるように乱数値が振分けられている。また、図33に示すテーブルでは、入力した変動パターン毎にキャラ登場演出の演出内容として、キャラ登場演出を実行させない「なし」及び演出内容D1〜D4のうちいずれかを選択可能となるように乱数値が振分けられている。なお、演出内容D1〜D4は、D4<D3<D2<D1の順に、大当り期待度が高く設定された演出内容として設定されている。
そして、図31に示すように、大当り変動用の変動パターンのうち、大当り期待度が高く設定されたリーチ演出を特定する変動パターン(例えば、変動パターンP32,P36)には、演出内容D1〜D3を選択する確率が略同一となるように乱数値が振り分けられている。一方、大当り変動用の変動パターンのうち、大当り期待度が低く設定されたリーチ演出を特定する変動パターン(例えば、変動パターンP25,P26)には、演出内容D1を選択する割合が、演出内容D2,D3を選択する割合よりも低くなるように乱数値が振り分けられている。
また、はずれリーチ変動用の変動パターンのうち、大当り期待度が高く設定されたリーチ演出を特定する変動パターン(例えば、変動パターンP19,P20)には、演出内容D1を選択する割合が、演出内容D2,D3を選択する割合よりも低くなるように乱数値が振り分けられている。一方、はずれリーチ変動用の変動パターンのうち、大当り期待度が低く設定されたリーチ演出を特定する変動パターン(例えば、変動パターンP13,P14)には、次のように乱数値が振り分けられている。すなわち、大当り期待度が高く設定されたリーチ演出を特定する変動パターンよりも、演出内容D1を選択する割合が、演出内容D2,D3を選択する割合よりも低くなるように乱数値が振り分けられている。
また、図32では、演出内容D4が選択可能となっているとともに、図31に示すテーブルよりもはずれリーチ変動用の変動パターンが多く設定されているため、図31に示すテーブルよりも、大当り期待度が低く設定された演出内容を選び易い。さらに、図33においても、演出内容D4が選択可能となっているとともに、図32に示すテーブルよりもはずれリーチ変動用の変動パターン及びはずれ変動用の変動パターンが多く設定されているため、図32に示すテーブルよりも、大当り期待度が低く設定された演出内容を選び易い。
つまり、図34に示すように、事前演出が行われる場合、その事前演出に定められた大当り期待度が高いのであれば(強)、同じく大当り期待度が高く設定された抜刀演出が実行され易い。そして、抜刀演出の実行が決定された際には、図31に示すテーブル(ランク強)が選択されるので、大当り期待度が高く設定された演出内容でキャラ登場演出が実行され易い。一方、大当り期待度が高く設定された内容で事前演出が実行されるが、抜刀演出の実行が決定されなかった場合、図32に示すテーブル(ランク中)が選択される。この場合、抜刀演出が実行された場合よりは、大当り期待度が高く設定された演出内容でキャラ登場演出が実行され難いが、事前演出が行われなかった場合よりは、大当り期待度が高く設定された演出内容でキャラ登場演出が実行され易い。
また、事前演出が行われない場合や、大当り期待度が低く設定された内容で事前演出が実行される場合(弱)、大当り期待度が高く設定された抜刀演出が実行され難い。ただし、抜刀演出の実行が決定された際には、事前演出は実行されないが、図31に示すテーブル(ランク強)が選択されるので、大当り期待度が高く設定された演出内容でキャラ登場演出が実行され易い。一方、抜刀演出の実行が決定されなかった場合、図32に示すテーブル(ランク中)又は図33に示すテーブル(ランク弱)が選択される。ただし、ランク中よりもランク弱が選択され易いので、大当り期待度が高く設定された演出内容でキャラ登場演出が実行され難い。
そして、図31〜図33に示すテーブルからキャラ登場演出の演出内容を決定した統括制御用CPU31aは、その内容を指示する演出指示コマンドを演出表示制御基板32に出力する。そして、これらの事前演出及び予告演出にかかる各種コマンドを入力した表示制御用CPU32aは、該コマンドに従って、事前演出及び予告演出を実行させる。なお、抜刀演出に関しては、統括制御用CPU31aは、抜刀演出の実行を決定した場合、可動体Kに対して動作信号を出力することで、可動体Kを動作させる。また、水晶変化演出を実行させる場合、統括制御用CPU31aは、装飾ランプ20に内蔵されたランプに、所定の色で発光させることを指示する指示信号を出力する。
本実施形態では、抜刀演出及びキャラ登場演出が、事前判定の対象となる始動保留球に基づいて実行される図柄変動ゲーム中に行われるゲーム開始時演出に相当する。また、事前演出が実行される演出表示装置11が、事前演出実行手段として機能する。さらに、ゲーム開始時演出としての抜刀演出及びキャラ登場演出が実行される可動体K及び演出表示装置11が、ゲーム開始時演出実行手段として機能する。また、抜刀演出の実行可否やキャラ登場演出の演出内容を決定する統括制御用CPU31aが、ゲーム開始時決定手段として機能する。また、統括制御用CPU31aからの指示内容に基づいて事前演出を実行させる表示制御用CPU32aが、事前演出制御手段として機能する。また、統括制御用CPU31aからの指示内容に基づいて抜刀演出又はキャラ登場演出を実行させる表示制御用CPU32aが、ゲーム開始時演出制御手段として機能する。
以下、各種演出の実行態様について、図35に従って説明する。
図35(a)は、前述したように、保留記憶数「3」を特定する事前判定コマンド(指示パターンW35)が指示されたときに、統括制御用CPU31aが事前演出として「水晶(緑)」を決定したとする。そして、保留記憶数「2」「1」となったときの演出内容として「水晶(緑)」をそれぞれ決定したとする。なお、水晶変化演出(緑)には、事前演出の強弱を示す値として弱を示す値「01H」が対応付けられているため(図17参照)、統括制御用CPU31aは、指示された変動パターンに従って図29に示すランク決定テーブルからランクを選択する。このとき、統括制御用CPU31aが、ランク弱を決定したとすると、抜刀演出の実行否が決定されることになる。また、ランク弱を決定したことにより、図33に示すキャラ決定テーブルを選択する。そして、統括制御用CPU31aが、キャラ登場演出の演出内容として「演出内容D4」を選択したとする。
この場合、入賞時には個別表示領域H1〜H3が「白」で表示され、1回目の図柄変動ゲームの実行時には装飾ランプ20が緑色に発光し、2回目の図柄変動ゲームの実行時には装飾ランプ20が緑色に発光する。そして、事前演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームの実行時には、装飾ランプ20が緑色に発光する。また、事前演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームでは、左列の停止後に、演出内容D4の内容でキャラ登場演出が実行されるが、リーチ形成後に抜刀演出が行われることなく、はずれとなる。
一方、図35(b)は、前述したように、保留記憶数「3」を特定する大当りの事前判定コマンド(指示パターンW3)が指示されたときに、統括制御用CPU31aが事前演出として「告知有の手裏剣変化演出(虹)」を決定したとする。さらに、統括制御用CPU31aが「赤→虹(指示パターンY29)」を決定する一方で、保留記憶数「1」となったときの演出内容として「緑→赤(指示パターンY26)」を決定し、さらに保留記憶数「2」となったときの演出内容として「緑→緑(指示パターンY25)」を決定したとする。この場合、入賞時の保留表示色は、前述したように保留記憶数「2」の決定内容に基づいて選択されるため、その保留表示色は「緑」となる(図23参照)。また、図23で決定されたコマンドは、個別表示領域H3用に書き換えられる(図25参照)。これにより、入賞時には個別表示領域H1,H2が「白」で表示される一方で、個別表示領域H3が「緑」で表示される。
なお、「告知有の手裏剣変化演出(虹)」には、事前演出の強弱を示す値として強を示す値「02H」が対応付けられているため(図17参照)、統括制御用CPU31aは、指示された変動パターンに従って図30に示すランク決定テーブルからランクを選択する。このとき、統括制御用CPU31aが、ランク強を決定したとすると、抜刀演出の実行可が決定されることになる。また、ランク強を決定したことにより、図31に示すキャラ決定テーブルを選択する。そして、統括制御用CPU31aが、キャラ登場演出の演出内容として「演出内容D1」を選択したとする。
この場合、手裏剣変化演出を伴って実行される1回目の図柄変動ゲームの実行時には、保留記憶数が1減算され、個別表示領域H1が「白」で表示される一方で、個別表示領域H2が「緑」で表示される。そして、画面中央まで飛散するときには緑色の手裏剣が飛散する一方で、八方に飛散するときにも緑色の手裏剣が飛散する。その後、手裏剣変化演出を伴って実行される2回目の図柄変動ゲームの実行時には、保留記憶数が1減算され、個別表示領域H1が「緑」で表示された後、所定時間の経過後に、その色が「赤」に変化する。また、手裏剣に関しても、画面中央まで飛散するときには緑色の手裏剣が飛散する一方で、八方に飛散するときには赤色の手裏剣が飛散する。そして、手裏剣変化演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームの実行時には、画面中央まで飛散するときには赤色の手裏剣が飛散する一方で、八方に飛散するときには虹色の手裏剣が飛散する。また、事前演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームでは、左列の停止後に、演出内容D2の内容でキャラ登場演出が実行されるとともに、リーチ形成後に抜刀演出が行われ、大当りとなる。
したがって、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)大当り抽選に当選しなかった場合、演出内容決定手段(主制御用CPU30a)は、はずれ時に実行させる演出内容を決定する。該演出内容には、特定演出(リーチ演出)を伴う第1演出(はずれリーチ演出)と、特定演出を伴わない第2演出(はずれ演出)と、を含む。そして、演出内容決定手段がはずれ内容を決定する際に参照する演出内容群(図8〜図11に示すテーブル)では、第1演出及び第2演出が混在している。これにより、演出内容決定手段は、大当り抽選に当選しなかった場合、複数段階の処理を経なくても、第1演出と第2演出のどちらかを適宜選択し得るので、処理の簡略化に繋がる。
(2)保留記憶数に応じてリーチ抽選を実行し、リーチ抽選に当選した後にリーチ演出の演出内容を決定する場合、保留記憶数が「1」と「4」である場合にリーチ確率に関して大きな差が設けられていた。例えば、保留記憶数「1」である場合のリーチ確率を1/7とする一方で、保留記憶数「4」である場合のリーチ確率を1/40としたとする。そして、大当り期待度が高く設定されたリーチ演出(以下、高期待度リーチと示す)の選択確率を1/200とする。この場合、保留記憶数「1」であるときに高期待度リーチが選択される確率は、1/7×1/200=1/1400となる。一方、保留記憶数「4」であるときに高期待度リーチが選択される確率は、1/40×1/200=1/8000となる。さらに、大当り抽選に当選したときに高期待度リーチが選択される確率は、大当り抽選の抽選確率を除くと、1/200となる。このように、保留記憶数が「1」と「4」の場合では、高期待度リーチ演出が選択された場合における該リーチ演出に対する大当り期待度に明らかな差が生じることになる。言い換えれば、保留記憶数「4」のときにはずれリーチ演出自体が行われ難いので、高期待度リーチが出現した場合には大当りに当選している可能性が高いため、大当りへの期待が高まる。その一方で、保留記憶数「1」のときには、はずれリーチ演出にて高期待度リーチが選択される確率が、保留記憶数「4」のときよりも高いので、その内容でリーチ演出が実行されたときの大当り期待度は、保留記憶数「4」の場合の大当り期待度に比して低いものとなってしまう。このため、従来のように保留記憶数に応じた抽選確率にてリーチ確率を定めた場合、同じ「高期待度リーチ」が出現したとしても、保留記憶数に応じて大当り期待度に差が生じてしまう。一方、本実施形態では、一次抽選(図7のステップS35)では保留記憶数毎にリーチ抽選の当選確率を異ならせず、二次抽選(図7のステップS37)以降で初めて保留記憶数を参照してはずれ時の演出内容を決定するようにしたので、前述のように保留記憶数毎に特定リーチ演出の出現率に大きな差が生じることがない。
(3)リーチ抽選に当選しなかった場合は、第2演出(リーチなしのはずれ演出)を確定的に決定するので、不必要な制御を実行せずに済む。
(4)大当り期待度が高く設定された特定第1演出(リーチLv2,Lv3)を含む特別グループ(リーチグループG4,G5)が選択される割合を、保留記憶数にかかわらず同一とした。これにより、大当り期待度の高い演出に関しては、保留記憶数にかかわらず略同一の割合で出現するため、第1特定演出が行われたときの大当り期待度にばらつきを生じさせることがない。
(5)第1演出(はずれリーチ演出)の変動時間を第2演出(リーチなしのはずれ演出)よりも長くなるように設定した。そして、保留記憶数が規定数(「1」)を超える場合、第1演出よりも第2演出が選択される割合が高くなるように設定した。これにより、保留記憶数が多いほど図柄変動ゲームが効率良く消化されるので無駄球を発生させ難く、保留記憶数が少ないほど始動保留球を蓄積するための猶予期間を長く設定できる。すなわち、図柄変動ゲームの実行頻度を遊技者の所望の間隔で設定することができる。
(6)一次抽選では保留記憶数を参照することなくリーチ抽選を行うようにした。その後、保留記憶数に応じてリーチ抽選に当選したが、リーチ演出を伴わないはずれ演出を決定可能とした。一次抽選で保留記憶数に応じてリーチ抽選を行ってしまうと、演出内容の決定方法やリーチの出現率が、保留記憶数の違いによって制限が設けられることになる。ところが、最終段階で保留記憶数に応じてリーチ演出を伴わないはずれ演出を選択可能とすることで、演出内容の決定方法やリーチの出現率が保留記憶数の違いによって制限され難くなる。さらに、大当り期待度にばらつきが生じてしまうことを極力抑えることができるので、リーチ演出に定められた本来の大当り期待度を遊技者に体感させ易くすることができる。
(7)遊技者を落胆させてしまうような内容のリーチ演出が実行されるのであれば、はずれ時の演出内容を、リーチ演出を伴わないはずれ演出に変更する方が、遊技者の落胆度合いを軽減することができる。
(8)大当り期待度が高く設定された演出内容が対応付けられたリーチグループ(リーチグループG4,G5)が特定された場合、図柄変動ゲームの開始時における保留記憶数が遊技球入賞時における保留記憶数と異なる場合であっても、必ず、そのリーチグループに振り分けられる変動パターンが選択されるようにした。この場合、はずれる場合であっても、期待度の高い内容でリーチ演出が実行されるため、その演出内容でリーチ演出が実行されたときには、他のリーチ演出が実行されたときに比べて大当りに期待を持たせ易い。
(9)一次抽選では、保留記憶数を参照することなくリーチ抽選を行うようにした。そして、二次抽選にて、演出の種類によってリーチ演出を分類する複数グループの中からいずれかを決定可能とした。そして、そのグループには、モード移行契機となるモード移行演出が設定されたグループ(グループG1〜G3)を含ませた。一次抽選で保留記憶数に応じてリーチ抽選を行ってしまうと、演出内容の決定方法やリーチの出現率が、保留記憶数の違いによって制限が設けられることになる。ところが、一次抽選以降においてリーチグループを選択させることで、演出内容の決定方法やリーチの出現率が保留記憶数の違いによって制限され難くなるとともに、モード移行契機が到来する頻度が、保留記憶数によってばらつきが生じ難くなる。
(10)高確期待度の異なる演出モード(変短なしの潜確モードにおける背景画像の違い)を設定し、演出モードに対応するリーチ演出毎にグループを設定した。そして、二次抽選では、高確期待度が高く設定された演出モードに対応するモード移行演出を特定するグループ(リーチグループG1,G2)が決定される割合を、保留記憶数にかかわらず同一とした。これにより、高確期待度が高く設定された演出モードに対応するモード移行演出に関しては、保留記憶数にかかわらず略同一の割合で出現するため、高確期待度が高く設定された演出モードに移行することに対する期待度に、ばらつきを生じさせ難い。
(11)モード移行演出は、モード移行契機が成立したときに演出モードを移行させないモード移行ガセ演出とした。本実施形態では、保留記憶数毎にリーチ抽選の当選確率を異ならせず、かつリーチグループG1,G2が特定される確率が保留記憶数にかかわらず同一となるようにはずれ演出判定用乱数の値を振り分けている。これにより、演出モードを移行させないガセ演出が頻繁に行われたり、全く行われなかったりするなど保留記憶数によってガセ演出の出現頻度が偏り難くなるので、遊技者に不快感を与え難い。
(12)事前リーチ判定手段(主制御用CPU30a)は、事前判定を実行するに際し、保留記憶数を参照することなく、リーチ演出の実行を許可するか否かを事前に判定する。これにより、始動入賞口15で遊技球が検知された時点における始動保留球の記憶数にかかわらず、事前判定が肯定判定される確率を統一することができる。したがって、保留記憶数にかかわらず、適切な頻度で事前演出を実行させることができる。
(13)保留記憶数に基づいてリーチ演出を実行するか否かの判定を行う箇所を減らしたことで、つまり、事前リーチ判定では保留記憶数を参照せずに同一としたことで、事前演出が実行される頻度を高くすることができる。
(14)保留記憶数が多くなる場合には、第2演出(リーチなしのはずれ演出)が決定される割合を高く設定することで、効率良く図柄変動ゲームが消化されるため、図柄変動ゲームの消化速度を速めることができる。
(15)保留記憶数にかかわらず、リーチグループを特定するために参照するはずれ演出判定用乱数(図9〜図11参照)の総数を統一し、かつ大当り期待度が高く設定された演出内容を含む特定グループでは、保留記憶数にかかわらず同一の値(はずれ演出判定用乱数の値)を設定した。これにより、大当り期待度が高く設定された特定演出に対応する許可値は、始動入賞口15で検知された時点での保留記憶数に左右されず、必ず事前リーチ判定が肯定判定されるとともに、演出内容として特定演出が決定されることになる。したがって、保留記憶数によって出現率を低く設定したい演出に関しては、出現率を低く設定する一方で、保留記憶数にかかわらず出現率を一定に保ちたい演出に関しては出現率を一定に保つことができる。
(16)演出内容決定手段(主制御用CPU30a)は、事前リーチ判定の判定結果が否定の場合、第2演出を確定的に決定し、演出内容を変更しないので、不必要な制御を実行せずに済む。
(17)ゲーム開始時演出よりも前に演出内容が決定される事前演出の演出内容を反映させてゲーム開始時演出の演出内容を決定することで、各演出に関連性を持たせることができる。これにより、どちらの演出の期待度を信頼したら良いのか分からないということがなくなり、遊技演出に対する興趣の低下を抑制することができる。
(18)事前決定手段(統括制御用CPU31a)によって高期待度事前演出(大当り期待度の高い事前演出(例えば、「告知 赤」など))が決定されたときには、高期待度演出(抜刀演出、演出内容D1)を選択し易くなるように構成した。具体的には、事前演出が「強」に分類される内容で実行されるときには、事前演出が「弱」に分類される内容で実行される場合や、事前演出が実行されない場合に比して、「抜刀」を選択可能とする乱数値を多く設定した(図29、図30)。これにより、高期待度事前演出が実行される際には、高期待度演出が実行され易くなるので、どちらの演出に設定された期待度を信用して良いのか分からないという混乱を招くことがない。
(19)事前決定手段によって低期待度事前演出(大当り期待度の低い事前演出(例えば、「非告知 緑」など))が決定されたときには、低期待度演出(演出内容D4)を選択し易くなるように構成した。具体的には、事前演出が「弱」に分類される内容で実行されるとき、又は事前演出が実行されないときには、事前演出が「強」に分類される内容で実行される場合に比して、「抜刀なし」及び「演出内容D4」を選択可能とする乱数値を多く設定した(図29、図30)。これにより、低期待度事前演出が実行される際には、低期待度演出が実行され易くなるので、どちらの演出に設定された期待度を信用して良いのか分からないという混乱を招くことがない。
(20)事前演出(この場合は、手裏剣変化演出)は、事前判定の対象となる始動保留球よりも前の始動保留球に基づく図柄変動ゲームを対象として、複数回の図柄変動ゲームに跨って実行される。これにより、事前演出が実行されるのであれば、該演出を伴って実行される最終回よりも前の図柄変動ゲームから、事前演出を伴って実行される最終回のゲームで行われるゲーム開始時演出の期待度の高低を事前演出の内容から前もって推測させることができる。
(21)事前演出を、保留有の表示内容を大当り期待度の違いによって異ならせる保留変化演出とすることで、大当りの可能性のある始動保留球と、該始動保留球に基づく図柄変動ゲームで行われるゲーム開始時演出の関連性を分かり易く報知することができる。
(22)図29及び図30に示すランク決定テーブルでは、抜刀演出を基準にランク付けを行った。すなわち、抜刀演出とキャラ登場演出は、演出態様を決定する際に基準とされるか否かという点が異なっている。そして、抜刀演出が行われた際には、大当りとなる期待度が、キャラ登場演出が実行されたときよりも高くなるように設定しているので、抜刀演出の有無だけでも当該図柄変動ゲームの大当り期待度を判断し易くすることができる。
(23)事前演出の実行を決定した場合、実行を決定した対象となる始動保留球よりも前の保留記憶数に対して、保留記憶数によっては、図柄変動ゲームの開始時に「リーチグループ」を特定してしまうはずれ演出判定用乱数が対応付けられていたとする(例えば、「158」)。この場合、例えば、当該始動保留球が保留記憶数「3」に対応するときには「グループG9」が特定される(図11)。ただし、事前演出の実行中に遊技球が一度も入球せず、「158」が対応付けられた保留記憶数が「1」になったとすると、当該始動保留球に基づく図柄変動ゲームの開始時には、「リーチグループG8」が特定されることになる(図9)。この場合、事前演出を伴う3回目の図柄変動ゲームでノーマルリーチ演出が行われることになるが、最終回の図柄変動ゲームでは、直前に行われたノーマルリーチ演出に定められた期待度以上のリーチ演出が実行される。これにより、事前演出中に複数回のリーチ演出が実行されたことになるが、最終的に、直前に実行されたリーチ演出から演出内容が低下することがないので、遊技者に不利な印象を与えない。また、ノーマルリーチ演出は、本実施形態に定められたリーチ演出のうち最も大当り期待度が低く設定された演出内容であるため、当該リーチ演出が実行されたとしても、これ以上期待度の低いリーチ演出が実行されることがないので、遊技者の期待感を向上させることができる。
(24)図9〜図11に示すテーブルでは、事前判定で大当り期待度が高く設定されたリーチグループを選択していたが、実際の図柄変動ゲームの開始時には、大当り期待度が低く設定されたリーチグループが選択されることがないような振分となっている。具体的には、保留記憶数にかかわらず、同一値のはずれ演出判定用乱数を同一のリーチグループを特定するように対応付けた。これにより、事前判定で大当り期待度が高く設定されたリーチグループが決定されたのであれば、図柄変動ゲームの開始時には、保留記憶数にかかわらず、必ず大当り期待度が高く設定された内容でリーチ演出を実行させることができる。
(25)図9〜図11に示すテーブルでは、大当り期待度が高く設定されたリーチグループの選択確率を、保留記憶数を問わず同一とする一方で、はずれ演出判定用乱数で特定されるグループを保留記憶数に応じて変更可能としたが、遊技者に不利な印象を与えることがないようにはずれ演出判定用乱数を振り分けた。具体的には、事前判定で大当り期待度が高く設定されたリーチグループを決定したが、そのグループを特定するに至ったはずれ演出判定用乱数を、ある保留記憶数となったときには「リーチグループG8」を特定する乱数値として設定しないようにする。そして、どのような保留記憶数であっても大当り期待度が高く設定されたリーチグループを特定し得るようにその乱数値を振り分けた。これにより、テーブルにおける乱数値の振分態様だけで事前演出の実行確率などを調節することができるため、事前演出の実行時に、全体のバランスを見てから事前演出を実行させなかったり、特定の演出内容に書き換えるなどの処理を実行するよりも、制御の簡略化を図ることができる。
(26)事前演出は、図柄変動ゲームの演出内容に関係なく実行されるので、たとえ、事前演出を伴う最終回の図柄変動ゲームよりも前の図柄変動ゲームでノーマルリーチ演出が実行されたとしても、最終回の図柄変動ゲームでは、直近の図柄変動ゲームで導出された演出内容から成り下がったりすることがない。
(27)保留記憶数にかかわらず同一のリーチ確率を設定しているので、リーチ抽選に当選し、かつリーチグループが特定されるほど、全体としての事前演出の実行確率を上昇させることができる。また、保留記憶数が多い場合には図柄変動ゲームの実行権が切り捨てられることを防ぐためにリーチ確率を低下させている遊技機に比して、期待度の高い内容で事前演出を実行させることができる。つまり、期待度の高いリーチ演出が実行されるときほど、事前演出を伴って実行される図柄変動ゲーム数が多くなり、その回数から遊技者の大当りへの期待感を徐々に向上させることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更しても良い。
・ 実施形態では、最終回よりも前の図柄変動ゲームでリーチ演出が実行される場合、その図柄変動ゲームで事前演出を終了させ、本来、事前判定コマンドを出力する契機となった図柄変動ゲームでは、事前演出を実行させず、単にリーチ演出のみを実行させるようにしても良い。
・ 実施形態では、図9〜図11に示すように保留記憶数毎にテーブルを対応付けるのではなく、保留記憶数にかかわらず1つのテーブルが選択されるようにしても良い。そして、そのテーブルでは、グループG9(はずれ)にはずれ演出判定用乱数の値を振り分けなくても良い。ただし、リーチグループを決定した後、保留記憶数に応じて決定したリーチグループを異なるグループに変更しても良い。その変更先としては、グループG9(はずれ)であっても良い。このとき、リーチグループを変更するか否かを乱数抽選によって決定するようにし、保留記憶数が多いほど、「変更」に対して乱数値を多く対応付けるようにしても良い。この場合、主制御用CPU30aがリーチグループの変更を決定する抽選を行うこともできるし、統括制御用CPU31aが、リーチグループの変更を決定する抽選を行うことができる。この場合、リーチグループの変更を決定する抽選を行う主制御用CPU30a又は統括制御用CPU31aが、変更手段として機能する。なお、統括制御用CPU31aが、変更抽選を実行する場合、主制御用CPU30aから指示された変動パターンに対応する変動内容として「リーチあり態様」と「リーチなし態様」の両方が統括制御用ROM31bに記憶されており、統括制御用CPU31aが、変更することを決定した際には、「リーチなし態様」に相当するグループを選択すれば良い。また、大当り期待度が高く設定されたリーチグループが特定された際には、保留記憶数にかかわらずグループを変更しないようにしても良い。
・ 実施形態では、リーチグループ及び変動パターンを主制御基板30が決定する一方、各変動パターンの詳細内容はサブ統括制御基板31が決定するようにしても良い。
・ 本実施形態では、大当り期待度が低く設定されたリーチグループが選択された場合、大当り期待度が高く設定されたリーチグループに変更しても良い。また、リーチグループを決定した後にグループG9に変更しても良い。また、保留記憶数が多いときにリーチ演出が実行される可能性があるときには、グループG9に変更しても良い。これにより、保留記憶数が多いときにリーチ演出が実行される確率が低くなるので、図柄変動ゲームの実行権が切り捨てられることがなくなる。この場合、図柄変動ゲームの実行権が切り捨てられることが、賞球獲得に関わらない不利な状況となる。
・また、保留記憶数が少ないときに大当り期待度が高く設定された内容のリーチ演出が実行される場合、大当り期待度が低く設定されたリーチ演出に対応するリーチグループに変更しても良い。例えば、保留記憶数が少ないときにリーチ抽選に当選する確率が高く設定されていたとすると、リーチ抽選の当選確率が高いことで、大当り期待度が高く設定された内容でリーチ演出が実行されたとしても、あまり大当りに期待を持てない。このような場合、遊技者は遊技球の発射を止めてしまいがちとなり、ゲームの実行効率が低下し易い。この場合、ゲームの実行効率の低下が、賞球獲得に関わらない不利な状況となる。ところが、大当り期待度が低く設定されたリーチ演出に対応するリーチグループに変更することで、遊技者は、次の図柄変動ゲームで大当りとなることに期待し、次の図柄変動ゲームを実行させるために始動保留球を累積させようとするため、ゲームの実行効率の低下を抑制することができる。
・ また、保留記憶数が少ないときにグループG9(はずれ)を決定したが、リーチグループG8に書き換えても良い。これにより、始動保留球がなくなって待機状態が生起されるまでの間を引き伸ばすことができる。この場合、待機状態が生起されるタイミングの速さが、賞球獲得に関わらない不利な状況となる。
・ 実施形態では、ノーマルリーチ変動用の変動パターンが選択された際の図柄停止態様として、左列と右列に同一の図柄を導出させるリーチ態様と、左列と右列に異なる図柄を導出させるはずれ態様の2種類を設定し、統括制御用CPU31aがどちらかの演出態様を選択する態様としても良い。このような場合、前述したように、事前演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームよりも前にリーチグループG8(ノーマル)が選択されたことにより、ノーマルリーチ演出が実行されたとしても、統括制御用CPU31aが、図柄停止態様としてはずれ態様を選択すれば、あたかもリーチ演出が実行されていないかのような印象を与えることができる。
・ 本実施形態における図9〜図11に示すテーブルでは、はずれ演出判定用乱数値の振分態様を変更しても良い。例えば、リーチグループG4を特定するはずれ演出判定用乱数として、保留記憶数「3」の場合には「13〜15」とし、保留記憶数「2」の場合には「13〜16」とし、保留記憶数「0〜1」の場合には「13〜20」としても良い。ただし、保留記憶数が多くなるほど「グループG9」に対応付けられたはずれ演出判定用乱数の値を多く設定することが好ましい。同様に、高確期待度が高く設定された背景画像に変化するように見せかけるリーチ演出内容を特定する「リーチグループM1」を特定するはずれ演出判定用乱数値の振分態様を変更しても良い。
・ 実施形態では、事前演出に定められた大当り期待度との関連性を保つために、事前判定コマンドを出力する契機となる始動保留球に基づく抽選結果に応じて、前の始動保留球に基づいて実行される図柄変動ゲーム中の予告演出の内容が書き換えられるような態様であっても良い。
・ 実施形態では、抜刀演出又はキャラ登場演出のどちらか一方を設定しなくても良い。また、抜刀演出のように可動体Kを用いる演出ではなく、大当り期待度が高く設定されたリーチ演出が実行されることを「高期待度演出」としても良い。
・ 実施形態において、抜刀演出やキャラ登場演出は、事前演出を伴って実行される最終回よりも前の図柄変動ゲームから行っても良い。すなわち、全始動保留球に対して実行させても良いし、事前演出を伴って実行される最終回の1つ前の図柄変動ゲームから実行させても良い。ただし、事前演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームでは、必ず、事前演出の演出内容に応じて決定された内容の予告演出が実行されることが望ましい。
・ 実施形態における図14の演出内容決定テーブルでは、保留記憶数に応じて「なし」が決定される割合を異ならせても良い。この場合、保留記憶数が多くなるほど「なし」が決定される割合を低くすることが好ましい。
・ 実施形態では、保留記憶数「0」と「1」ではずれ演出判定用乱数の振分を異ならせても良い。また、それぞれ独立して行われる2種類の特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)を変動させる特別図柄変動ゲームを行う遊技機では、第1特別図柄と第2特別図柄の保留記憶数を合算した値に従って、はずれ演出判定用乱数の振分を設定しても良い。
・ 実施形態では、リーチ判定用乱数とはずれ演出判定用乱数を共有化しても良い。
・ 実施形態において、特別図柄用の停止図柄指定コマンドに代えて、大当りの種類を特定可能な専用のコマンドを設定しても良い。また、大当りの抽選結果や大当りの種類を、変動パターンから特定できるようにしても良い。
・ 実施形態において、演出表示装置11は液晶ディスプレイ型としたが、ドットマトリクス型、有機EL型、プラズマディスプレイ型などとしても良く、これらを組み合わせた表示装置を用いても良い。
・ 実施形態では、サブ統括制御基板31を省略し、サブ統括制御基板31が実行していた制御を演出表示制御基板32が実行するようにしても良い。