JP5527606B2 - 加熱装置及び加熱装置のスペース形成部材 - Google Patents
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Description
給湯装置は、外装ケース内に熱交換器や水の配管を有するものであるから、厳寒期には配管内部の残水が凍結する懸念がある。
そのため外装ケースの中に凍結防止用のヒータが設置されているものがある。
即ち凍結防止用ヒータは、発熱部と給電線部を有し、給電線部の端部にコネクター片が取り付けられている。
そして凍結防止用ヒータは、公知の固定具によって、発熱部が配管等に機械的に取り付けられる。また電気的には、前記したコネクターを介して接続される。
即ちリレー等が取り付けられた制御板の端子に、接続用電線が接続され、当該接続用電線の先端にコネクター片が取り付けられている。
そして凍結防止用ヒータ側のコネクター片と、リレー側のコネクター片を嵌合させて、凍結防止用ヒータの電気配線が完成する。
そのため凍結防止用ヒータのコネクターが、外装ケースの底にあると、底に溜まった水のために漏電が生じる懸念がある。
即ちコネクターは、他の電線部分よりも重いので、下側に移動しようとする。そのため物理的な制約が無いならば、コネクターは外装ケースの底に落ちつく。
一方、コネクターは、その構造上、水密性が低いので、内部に水が侵入しやすい。そのため、凍結防止用ヒータのコネクタと、外装ケースとの間で漏電が生じる場合があった。
ここで給湯装置等の設置工事の手順を考えると、工場で製造された給湯装置は、マンション等の設置場所に運搬され、公知の方法で、マンションの壁面等に設置される。
そしてその後に、電気工事の担当者が、給湯装置の配線を行う。
ここで給湯装置の外装ケース内の配線は、既に工場内で完了しており、施工現場で行う電気工事は、給電線を外装ケース内に引き込んで、外装ケース内の所定の端子に接続する工事や、リモコンのコードを外装ケース内に引き込んで、外装ケースの所定の端子に接続する工事に限られる。
そして外部から外装ケース側に挿通される電線は、電線挿通孔に入れられ、さらにこれを上方側に押し入れることによってその端部を外装ケースの中に挿入するが、外装ケースの中は、すでに工場内で配線された電線や配管等がいっぱいに配置された状態である。そのため単に電線を電線挿通孔に入れて押し込むと、電線の端部が既設の配線や配管等の間に入り込んでしまい、もつれた状態となって作業者の手元側に引き出すことができなくなってしまう。
そのため電線挿通孔から電線を挿通すると、電線の先端は、スペース形成部材が形成する空間に入る。そのため電線の先端が、細部にもぐり込んでしまうという不具合が生じず、電気配線が容易となる。
また本発明で採用するスペース形成部材は、その外郭部に、外装ケース内の配線を係止する配線係止部が設けられている。そのため外装ケース内の配線を、スペース形成部材の配線係止部と係合させて、中空に保持することができる。その結果、電線やコネクター等の着底が阻止され、漏電の懸念が減少する。また外装ケース内の配線のまとまりも向上する。
配線係止部はフックであってもよい。
配線係止部はスペース形成部材の外表面から片持ち状に張り出したものであってもよい。
外装ケースは前蓋を有し、当該前蓋には窓が設けられており、窓の開口とスペース形成部材が形成する空間とが連通するものであることが望ましい。
スペース形成部材の側面部に切り欠き部が設けられていることが望ましい。
本発明のスペース形成部材についても同様であり、加熱装置を取り付ける際の電線の取扱いが容易となる効果があり、さらに電線やコネクター等の着底を防ぐことができ、漏電を防止することができる効果がある。
本実施形態の加熱装置は、給湯装置1であり、外装ケース2を有し、外装ケース2内に熱源部3と熱交換器5が内蔵されている。熱源部3は燃焼装置であり、ガス又は灯油を燃料とするバーナを備えている(図示せず)。また外装ケース2内には、凍結防止用ヒータ、送風機、センサー、リレー、電磁弁、ポンプ等の電気機器が内蔵されている(いずれも図示せず)。さらに制御板6及び端子板7が設けられている。またさらに外装ケース2内には、本実施形態に特有の構成たる、スペース形成部材10が配されている。
外装ケース2は、図1の様な略直方体の筐体であり、正面11、背面12、左右側面13,14、天面15及び底面16が金属板で囲まれたものである。
外装ケース2は、大きく本体部17と前蓋18とに分かれている。即ち背面12、左右側面13,14、天面15及び底面16の5面が一体に成形されていて本体部17を構成している。前蓋18は本体部17とは別途の部材であり、図示しないネジによって本体部17の正面の開口を覆っている。
電線管接続用短管部材25,26,27は、いずれも樹脂で作られたものであり、短管部31とその端部に設けられたフランジ部30によって構成されている。また短管部31の外周には、ネジが設けられている。
電線管接続用短管部材25,26,27は、外装ケース2の内側から、電線挿通孔21,22,23に挿入されている。そして外装ケース2から突出した短管部31に薄型のナット29を係合させることによって電線管接続用短管部材25,26,27が外装ケース2の底面16に取り付けられている。
即ちベース部33は、外装ケース2の底面16と接する座を構成すると共に短管部36,37の基端を形成する部分である。
ベース部33は平面視が略長方形をしている。但し外装ケース2の奥側に配置されることとなる部位の角側は、大きな円弧38を描いている。
ベース部33は、中央の領域43が最も面積が大きい。ベース部33の中央の領域43は平坦である。
ただし前記した短管部36,37は、ベース部33の中央の領域43を基端として垂下されているので、短管部36,37については開口している。
しかしながら、少なくとも空間形成部35は、正面側55が開放されている。また少なくとも天面部53には、平坦面56がある。
さらに少なくとも天面部53の平坦面56と、背面部52との間には図5、図8の様に傾斜壁部57がある。
即ち配線係止部60は、細い線状、又は板状であり、その一端がスペース形成部材10の傾斜壁部57に一体的に接続され、他端側は開放されている。そのため配線係止部60は片持ち状であり、さらに配線係止部60は樹脂であって弾性を持つので、自由端61側が、傾斜壁部57に対して近接・離反方向に姿勢変更可能である。
配線係止部60は、図5、図8の様に側面視した形状が「く」の字状であり、垂直方向に立ち上げられた立ち上げ部63と、立ち上げ部63から折り曲げられた水平姿勢部62を有している。水平姿勢部62の最も高い位置の高さは、天面部53の平坦面56と同じ高さか、あるいは平坦面56よりもやや低い高さである。
本実施形態では、立ち上げ部63が傾斜壁部57の下側に接続された固定端であり、水平姿勢部62の端部が自由端61である。
一方、立ち上げ部63の先端は、曲げられて水平姿勢部62につながっているから、自由端61たる配線係止部60の先端側は、逆に傾斜壁部57に近づく。
この様に配線係止部60は、一旦、スペース形成部材10の外郭から離れる方向に延び、カーブを描いて自由端61側がスペース形成部材10の外郭に近づくから、配線係止部60とスペース形成部材10の外郭(傾斜壁部57)との間に空間65が形成される。また配線係止部60の自由端61側が、傾斜壁部57に対して近接・離反方向に姿勢変更可能であるから、空間65は拡大・縮小方向に自由度を持つ。
即ち空間66は、ベース部33によって底面が覆われ、空間形成部35の左右の側面部50,51と、背面部52と、天面部53によって覆われ、正面側だけが開放されている。
左側面部50の開放端側は、天面切り欠き部75の切り欠き量に合わせて切り欠かれている。即ち左側面部50の一部には、側面切り欠き部78が形成されている。
また他方の下角部は、ベース部33がやや持ち上げられていて小庇部77が形成されている。即ち図4を基準として右下の角の部位は、ベース部33がやや持ち上げられていて小庇部77が形成されている。
スペース形成部材10は、図9,10,11の様に、2本の短管部36,37が外装ケース2の底面16に設けられた電線管接続用短管部材25,26に挿入されている。即ち外装ケース2の底面16には3個の電線挿通孔21,22,23が設けられており、それぞれに電線管接続用短管部材25,26,27が装着されている。
そしてこの3個の電線管接続用短管部材25,26,27の内の図面左側の2個にスペース形成部材10の短管部36,37が挿入されている。
なお電線管接続用短管部材25,26はフランジ部30を有し、当該フランジ部30は外装ケース2の底面16から突出することとなるが、スペース形成部材10のベース部33は、底面が凹状であるから、フランジ部30は凹状部内に入り込む。
またスペース形成部材10の開放面(正面側55)は、正面側に向く、一方、配線係止部60は、奥側に位置することとなる。
スペース形成部材10の開放面(正面側55)は、その上端部側だけが小窓部20と対向する。
そのため手指で配線係止部60を弾性変形させて自由端61と傾斜壁部57との間隔を開き、凍結防止用ヒータ用の配線70を配線係止部60で挟み、凍結防止用ヒータ用の配線70を保持することができる。
また配線係止部60は、外装ケース2の底面16から離れた高さにあるから、凍結防止用ヒータ用の配線70を含む配線は、中空に保持される。
その結果、凍結防止用ヒータのコネクター71は、着底を免れ、中空に保持される。そのため、本実施形態の給湯装置1では、漏電が起こらない。
施工現場で行う電気工事は、前記した様に、給電線を外装ケース2内に引き込んで、外装ケースの所定の端子に接続する工事や、リモコンのコードを外装ケース内に引き込んで、外装ケース2の所定の端子に接続する工事に限られる。
なお、前蓋18を閉じた状態で小蓋19をはずし、小窓部20だけを開いた状態であるならば、電線の端部は小窓部20から外に押し出されてくることとなる。即ちスペース形成部材10の開放側は、小窓部20に面した位置にあり、スペース形成部材10の空間66と小窓部20は連通しているから、電線の端部は小窓部20から外に押し出される。
全ての配線が終了すると、電線管80,81,82を電線管接続用短管部材25,26,27に装着し、電気工事を終える。
例えば短管部95を一つだけ設けてもよい。短管部95の数が単数である場合は、スペース形成部材10が回転してしまう恐れがあるが、例えば、図15に示すスペース形成部材93の様に、トルク負荷用の突起等の係合部96を設けることによって、回転方向の自由度を奪うことができる。もちろん、スペース形成部材をネジ等によって固定してもよい。
また逆に、3個以上の短管部を持つものであってもよい。
さらに図17の様に背面側の立壁99に配線係止部60を設けてもよい。
要するに、配線係止部60は、スペース形成部材10の外郭のいずれかの部位に有れば足る。
また図19の様に複数の係止片89を設け、この係止片89に配線70を連通させる構造の配線係止部100も推奨される。
2外装ケース
3熱源部
5熱交換器
10スペース形成部材
16底面
17本体部
18前蓋
19小蓋
21,22,23電線挿通孔
25,26,27電線管接続用短管部材
31短管部
33ベース部
35空間形成部
36,37短管部
57傾斜壁部
60配線係止部
75天面切り欠き部
77小庇部
78横引き路
90スペース形成部材
91,92短管部
95短管部
100配線係止部
Claims (6)
- 少なくとも熱源部と電気機器が内蔵される外装ケースを有し、当該外装ケースの底部に前記ケースの内外に電線を挿通する電線挿通孔が設けられた加熱装置において、前記外装ケースの内部に、空間を形成するスペース形成部材が設けられ、当該スペース形成部材は電線挿通孔の近傍にあってスペース形成部材が形成する空間は電線挿通孔と直接的に連通するものであり、スペース形成部材の外郭部に、外装ケース内の配線を係止する配線係止部が設けられていることを特徴とする加熱装置。
- スペース形成部材は短管部を有し、当該短管部が電線挿通孔に挿通されていることを特徴とする請求項1に記載の加熱装置。
- 外装ケースには電線管が接続され、外装ケースの電線挿通孔には電線管と接続する電線管接続用短管部材が装着されており、前記スペース形成部材の短管部が電線管接続用短管部材に挿入されていることを特徴とする請求項2に記載の加熱装置。
- 2以上の電線挿通孔を有し、スペース形成部材は2以上の短管部を有し、2以上の短管部が電線挿通孔に挿通されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の加熱装置。
- スペース形成部材は、側面部と裏面部と天井部が覆われていて正面側が開放された構造であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の加熱装置。
- 少なくとも熱源部と電気機器が内蔵され底部に電線を挿通する電線挿通孔が設けられた加熱装置の外装ケースに装着されて、外装ケース内に一定の空間を確保するスペース形成部材であって、電線挿通孔に挿通可能な短管部を有すると共に、前記空間外の位置に外装ケース内の配線を係止する配線係止部が設けられていることを特徴とする加熱装置のスペース形成部材。
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