JP5526379B2 - 新規化合物の同定法 - Google Patents

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本発明は、微生物が産生する多種多様な代謝産物の中から、医学・薬学の分野で有用な新規な化合物、特に二次代謝産物を同定する方法に関する。
一般に、微生物が生産する産業上の有用物質のスクリーニングと同定は、非常に多数の分離微生物株を様々な条件で培養し、その培養抽出物の生理活性を測定して、目的の活性を示した株を大量培養し、そこから目的の物質を単離した後、その化学構造を決定することにより行われていた。しかし、天然化合物のスクリーニングの弱点として、スクリーニングのハイスループット化が必ずしも容易でないことや、スクリーニングでヒットしたあと、活性を持つ物質を単離精製して構造決定するのに手間がかかることが挙げられる。そして、苦労して活性物質の構造を決定した結果、それが既知の化合物であることが大半であると言っても過言ではない。また、複数種の微生物から同一の化合物が得られてしまう場合が非常に多く、このような重複を如何に減らしていくかも重要な課題であった(非特許文献1参照)。
このように、従来法は労力、時間、費用がかかり、効率が悪く、更に近年では新しい化合物が得られる頻度が極めて低いという問題を抱え、結果的に、微生物からは有用化合物が得られる確率が低いと考えられるようになってしまった(非特許文献2、3参照)。
一方、近年のゲノム研究によって、微生物の持つ生理活性物質生産遺伝子のごく一部しか利用していない事実も明らかになった(非特許文献4参照)。だが、従来のスクリーニング法では、例えば生産量が少ない化合物などは見逃されてしまう事が多く、微生物代謝産物の有用性や多様性を十分に活用することはできない。
最近では、従来法に代わって機器分析を活用したメタボローム解析技術も探索研究に導入されている。この手法は、スクリーニングの重要なステップとして、微生物が生産する化合物が既知かどうかを速やかに見極める作業に有効であると考えられてきた。また、化合物の分子式や構造式を得ることができ、このような情報は求める化合物がどの菌株にあるかを勘と経験で探す従来法よりも遙かに精度の良い探索を可能にするはずである。メタボローム解析で検出された化合物の新規性を判断するには、充実した化合物データベースが必須であるが、既存の化合物データベース(KNApSAcK:http://kanaya.naist.jp/KNApSAcK/、KEGG LIGAND Database:www.kegg.jp/kegg/ligand.html、NPedia:http://npd.riken.go.jp/npd/npedia.html、CHEMnetBASE:www.chemnetbase.com/、PubChem:www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?db=pccompoundなど)は微生物が生産する化合物を十分に網羅しているとは言い難い。その一方で、一菌株が生産する代謝産物は一次代謝産物を含めると数百種を超えるので、その中から目的の化合物を効率良く見出すことは事実上不可能に近く、残念ながらメタボローム解析で得られた膨大なデータを生かし切れていないのが実情である。よって、検出された多数の化合物の中から産業上有用な化合物を絞り込む手法の開発は、探索研究の効率化に向けた大きな課題と位置付けられる。
平成18年度製品評価技術基盤機構委託 微生物の分離・濃縮・培養・解析に関する調査 調査報告書 財団法人バイオインダストリー協会(平成19年3月) Berdy J., Bioactive microbial metabolites. J Antibiot (Tokyo). 2005 Jan;58(1):1-26 Watve MG et al., How many antibiotics are produced by the genus Streptomyces? Arch Microbiol. 2001 Nov;176(5):386-90 Ikeda H et al., Complete genome sequence and comparative analysis of the industrial microorganism Streptomyces avermitilis. Nat Biotechnol. 2003 May;21(5):526-31
本発明は、従来の化合物検索をより効率的に進めることができる改良方法を提供することを目的とする。より具体的には、生理活性を持つ画分を精製する古典的な手法ではなく、メタボローム解析を利用した新規化合物の同定方法を提供することを目的とする。
本発明は、微生物が生産する目的の化合物量を操作する手法とメタボローム解析とを併用することで、目的の化合物の検出からその分子式及び/又は化学構造の決定までを簡便かつ容易に行うことを含む、新規な化合物を同定する方法に関する。
すなわち、本発明は以下の特徴を包含する。
(1)以下のステップ(a)〜(d)を含む、微生物が生産する新規な化合物を同定する方法。
(a) 被検菌株を、同定対象の化合物の生産量に影響するように操作された培養条件、及びそのような操作がされていない点でのみ異なる培養条件にて培養するステップ、
(b) 各培養条件にて培養された各培養菌株の抽出物又は培養上清を質量分析に供するステップ、
(c) 各質量分析結果を比較して、生産量が異なる成分を検出するステップ、
(d) 検出された前記成分の質量分析データに基づいて該成分の分子式及び/又は化学構造を決定するステップ
(2) 同定対象の化合物は二次代謝産物である、上記(1)記載の方法。
(3) 質量分析データは質量電荷比(m/z)を含む、上記(1)記載の方法。
(4) (e)同定対象の化合物に関するデータベースを参照することにより、ステップ(c)で検出された成分が既知の化合物であるか否かを判定するステップをさらに含む、上記(1)記載の方法。
(5) ステップ(a)の培養を、化学修飾された目的の化合物の前駆体化合物の存在下で行う、上記(1)記載の方法。
(6) 化学修飾は同位体標識である、上記(5)記載の方法。
(7) 13C標識されたブドウ糖又は酢酸の存在下でステップ(a)の培養を行う、上記(1)記載の方法。
(8) 質量分析は、液体クロマトグラフィー質量分析(LC−MS)である、上記(1)記載の方法。
(9) 質量分析はフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型質量分析(FT/ICR−MS)である、上記(1)記載の方法。
(10) 質量分析はLC−FT/ICR−MSである、上記(1)記載の方法。
(11) 前記操作された培養条件は、同定対象の化合物の生産を阻害する培養条件である、上記(1)記載の方法。
(12) 同定対象の化合物の生産を阻害する培養条件は、同定対象の化合物の生合成経路に関与する生合成酵素の阻害剤が培養培地に添加された条件である、上記(11)記載の方法。
(13) 同定対象の化合物はポリケタイド系化合物であり、前記阻害剤がセルレニンである、上記(12)記載の方法。
本発明によれば、微生物が生産する抗菌作用、抗癌作用、免疫賦活性等を有する新規な化合物、特に二次代謝産物を、従来の手法に比べてはるかに簡便かつ短時間で効率よく同定することができる。
図1は、ストレプトマイセス・ビオラセオルベル(S.violaceoruber)に対するセルレニンの影響を示す。図中、白丸はセルレニンが添加されない条件下での結果を示し、黒丸はセルレニンが添加された条件下での結果を示す。 図2は、サッカロポリスポラ・エリスラエア(S.erythraea)に対するセルレニンの影響を示す。図中、白丸はセルレニンが添加されない条件下での結果を示し、黒丸はセルレニンが添加された条件下での結果を示す。 図3は、非標識(対照)培養上清サンプルのLC−FT/ICR−MSクロマトグラムを示す。 図4は、13C−U−ブドウ糖で標識した培養上清サンプルのLC−FT/ICR−MSクロマトグラムを示す。 図5は、非標識(対照)培養上清サンプルのLC−FT/ICR−MSクロマトグラムを示す。 図6は、13C−U−酢酸で標識した培養上清サンプルのLC−FT/ICR−MSクロマトグラムを示す。 図7は、非標識(対照)培養上清サンプルのLC−FT/ICR−MSクロマトグラムを示す。 図8は、13C−U−ブドウ糖で標識した培養上清サンプルのLC−FT/ICR−MSクロマトグラムを示す。 図9は、13C−U−ブドウ糖によるスタワマイシンの標識パターンを示す。 図10は、13C−U−ブドウ糖によるスルフォマイシンの標識パターンを示す。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、微生物が生産する新規な化合物、特に二次代謝産物を同定する方法(以下、単に本発明の方法という)に関する。本発明で使用する用語「同定する」とは、化合物を検出し、新規であると特定することをいう。
本発明の方法において、同定の対象とする化合物は、微生物が生産する化合物のうち、目的の性質を有する新規な化合物(既知の化合物の化学的類縁体を含む)を指す。本発明で使用する用語「新規な化合物」とは、その分子式が新規であるものの他、分子式において同一であるが、化学構造において異なるものを包含する。なお、目的の化合物の化学的類縁体とは、母核構造に共通性が認められるが酸化・還元、修飾、アルキル基や水酸基などの官能基の導入・置換・欠損などにより母体の構造や性質を大幅に変えない程度に異なる化合物をいう。
本発明において、同定対象の化合物の例として、これに限定されるものではないが、例えばポリケタイド系化合物、テルペン系化合物、アミノグリコシド系化合物及びアルカロイド化合物などの二次代謝産物、ペプチド系化合物、核酸系化合物など、並びにこれらの化学的類縁体を挙げることができる。
本発明の方法に使用できる微生物は、目的の化合物を生産することが知られる微生物種から選択することができ、特に制限されるものではない。例えば放線菌、一般細菌、糸状菌などの微生物を本発明の方法で使用することができる。また、本発明において、単離された微生物株の使用は、以降の操作を確実なものにする点で好ましいが、必ずしも単離された微生物株の使用に制限されず、複数の微生物株の混合物を使用してもよい。
本発明の方法は、目的の二次代謝産物の生産量の点で異なる被検試料と対照試料とを質量分析に供してそれらのプロフィールを比較することにより、目的の二次代謝産物の検出からその分子式及び/又は化学構造の決定までを簡便に行うことを含む方法である。
具体的に本発明の方法は、(a)被検菌株を、同定対象の二次代謝産物の生産量に影響するように操作された培養条件、及びそのような操作がされていない点でのみ異なる培養条件にて培養するステップ、(b)各培養条件にて培養された各培養菌株の抽出物又は培養上清を質量分析に供するステップと、(c)各質量分析結果を比較して、生産量が異なる成分を検出するステップと、(d)検出された成分の質量分析データに基づいて該成分の分子式及び/又は化学構造を決定するステップ、とを含んでいる。
ステップ(a)は、目的の化合物に関して示差的な量を示す被検試料と対照試料とを得るために、被検菌株を異なる条件下で培養するステップである。本発明で使用する「同定対象の化合物の生産量に影響するように操作された培養条件」とは、目的の化合物の前駆体の存在下で、同定対象の化合物の生産量が増加又は低減するように操作された培養条件をいう。そのような培養条件は、微生物による目的の化合物の生産量を増加又は低減させることができる物質を培養培地に添加することによって創出することができる。例えば、微生物による目的の化合物の生産量を増加させる場合には、当該化合物の生産の促進剤を培養培地に添加し、生産量を減少させる場合には、当該化合物の生産の阻害剤を培養培地に添加すればよい。なお、被検試料を調製するための培養培地(以下、「被検試料用の培養培地」とも称する)と対照試料を調製するための培養培地(以下、「対照試料用の培養培地」とも称する)とは、上記操作(例えば促進剤又は阻害剤の添加)の有無においてのみ異なるものとする点に留意する。
本発明において、被検試料用の培養培地を、目的の化合物の生合成経路に関与する生合成酵素の阻害剤を添加することにより創出することが好ましい。前記阻害剤は、微生物の生育を阻害しない限り、目的の化合物に応じて当業者が適宜選択することができる。
例えば、目的の化合物として新規なポリケタイド系化合物を同定する場合には、前記阻害剤としてポリケタイド合成酵素(PKS)阻害剤であるセルレニン、ヨードアセアミド、イソニアジド、チオールアクトマイシン、プラテンシン、及びプラテンシマイシンなどを培養培地に添加することにより被検試料用の培養培地を創出することができる。これら阻害剤の添加時期は、培養前又は培養中のいずれでもよいが、培養前が特に好ましい。また、セルレニンの添加濃度は、セルレニンが添加されない培養条件下(すなわち、対照試料用の培養培地)で培養された場合と比較して、ポリケタイド系化合物の生産を少なくとも20%、好ましくは50%、最も好ましくは80%以上阻害でき、かつ微生物の生育に影響を与えない濃度とすべきである。したがって、セルレニンの添加濃度は、培養培地1ml当たり、好ましくは1〜100μg、より好ましくは5〜50μg、例えば40μgである。セルレニンなどのポリケタイド系化合物合成の阻害剤は、必ずしも特異的ではなく、脂質代謝等にも影響を与える。よって、原理的には、阻害剤の直接的・間接的影響は、ポリケタイド系化合物の合成のみならず、他の多くの化合物の合成に及ぶ可能性がある。しかし驚くべきことに、セルレニンの影響は、主に、ポリケタイド系化合物の合成に影響を与えることが確認され、セルレニンによってポリケタイド系化合物の絞込みが可能であることが証明されている(下記実施例参照)。
目的の化合物として新規なテルペン系化合物を同定する場合には、前記阻害剤としてコンパクチン、ホスミドマイシン、ケトクロマゾンなどを使用することができる。また、非リボソーム性のペプチド系化合物を同定する場合には、cyclo-L-Ala-AMSなどのaminoacyl-AMPアナログ等を使用することができる。
ステップ(a)における培養時のpH、温度は、使用する微生物に応じて当業者が適宜選択することができる。また培養時間は、同定対象とする化合物の種類や使用する微生物の種類などに応じて異なるが、目的の化合物の生産量に関して、被検試料と対照試料との間で十分に判別可能な差異を生じる時間、例えば1日以上、好ましくは2〜7日、例えば3日間とすることが好ましい。
本発明の方法において、ステップ(a)の培養を化学修飾された目的の化合物の前駆体化合物の存在下で行うことが好ましい。実施例5〜8で明らかにされているとおり、ポリケタイド系化合物などの二次代謝産物は、化学修飾したC源を含むブドウ糖などの前駆体化合物で効率良く標識され、その生産量増加を特異的かつ明確に検出することが可能になるからである。ブドウ糖から多くの代謝産物が作られることから、化学修飾したC源を含むブドウ糖を加えることで、非常に多くの代謝産物が標識されると考えられていたので、これは驚くべきことであった。この理由は依然として不明であるが、以下の二つの事象が複合的に働いて、二次代謝産物が特異的に標識された可能性がある:(1)二次代謝産物が生産される条件では、培地に加えられたC源は、選択的に二次代謝産物生産に使われる;(2)一次代謝産物は、合成されてもすぐに他の化合物へと変換され蓄積しないので強く標識されないが、二次代謝物は蓄積されるので、強く標識される。したがって、ブトウ糖や酢酸等の前駆体化合物の標識パターンと併せて質量分析を行えば、新規な化合物(特に二次代謝産物)の同定結果がより確かなものとなる。
本発明で使用できる化学修飾として、これに限定されるものではないが放射性同位体標識、安定同位体標識、蛍光標識などが挙げられる。特に、安定同位体標識(例えば13Cなど)された前記前駆体化合物を使用することが好ましい。
続くステップ(b)は、ステップ(a)の各培養条件にて培養された被検菌株の抽出物又は培養上清である被検試料及び対照試料を質量分析に供するステップである。これにより被検試料及び対照試料中の代謝産物の網羅的な質量分析データを取得することができる。なお、培養菌株の抽出物は、定法に従って調製することができ、特別な方法を使用する必要はない。
ステップ(b)の質量分析は、各種分画手法と組合せて実施することが好ましい。これにより生産量が変化した二次代謝産物の検出を容易に行うことができる。そのような分画手法として、例えばクロマトグラフィーを挙げることができる。ステップ(b)で使用することができるクロマトグラフィー手法は、質量分析(MS)の処理能力に適応させるのに十分な程度に被検試料及び対照試料の分画を実現することができる手法であれば特に制限されず、例えばガスクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー(LC)などを使用することができる。本発明の方法において、LCを使用することが特に好ましい。
具体的に、液体クロマトグラフィー質量分析(LC−MS)を使用する場合には、質量/電荷比(m/z)を示すパラメータと、イオン強度(intensity)を示すパラメータと、保持時間(retention time:RT)とを含む、多次元スペクトルデータを得ることができる。
ステップ(b)で使用することができる質量分析(MS)手法は、当業者に公知の手法のいずれを使用してもよい。例えば、イオン化手法は、電子イオン化法(El)、化学イオン化法(Cl)、電界脱離法(FD)、高速原子衝突法(FAB)、マトリックス介在レーザー脱離イオン化法(MALDI)、エレクトロスプレーイオン化法(ESI)、大気圧化学イオン化法(APCl)、大気圧光イオン化法(APPI)から選択することができ、分析手法として、磁場偏向型、四重極型、イオントラップ型、飛行時間型(TOF)、フーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型(FT/ICR)、オービトラップ型、タンデム型から選択することができる。
特にステップ(b)でフーリエ変換イオンサイクロトロン共鳴型質量分析(FT/ICR−MS)を使用することが好ましい。FT/ICR−MSは、イオン化された試料を高磁場中でサイクロトロン運動させ、ICRセル中に閉じ込め、ここにラジオ波パルスを照射して得られる共鳴信号を検出し、この信号をフーリエ変換することにより質量スペクトルを取得する手法である。この手法は、質量誤差2ppm以内の精度と十万から数十万の分解能が得られ、また感度も高くpmol〜fmolオーダーの試料でも測定することが可能であるという利点がある。FT/ICR−MSはまた、タンデム質量分析が可能であるため、試料のより詳細な解析が可能であるという利点もある。タンデム質量分析をハイスループットで行えるようにイオントラップ型MSとFT/ICR−MSを連結したタンデム型MSならばさらに好ましい。また質量精度はFT/ICR−MSよりやや劣るがタンデム質量分析が容易なオービトラップ型はその次に好ましい。
ステップ(b)において、質量分析としてLC−FT/ICR−MSを使用することが最も好ましい。
続くステップ(c)は、被検試料から得られた質量分析結果と対照試料から得られた質量分析結果とを比較することによって、被検試料で特異的に生産量が変化している成分を検出するステップである。例えば、被検試料がセルレニンの存在下で培養された被検菌株に由来している場合には、対照試料の質量分析結果と比較して、被検試料の質量分析結果において生産量が低減している成分のデータを抽出することにより、ポリケタイド系化合物を検出することができる。被検試料で特異的に生産量が変化している成分の検出は、例えば各成分のシグナル強度値の比較、クロマトグラフィー結果から視覚的な検出などによって行ってもよいし、標識した前駆体化合物を用いかつクロマトグラフィー手法を質量分析と併用することで、クロマトグラフィー結果から視覚的に検出してもよい。ステップ(c)において、検出されるべき成分は、対照試料に比較してその量が1.2〜2倍、好ましくは5倍以上変化しているものであることが好ましい。
続くステップ(d)では、ステップ(c)で検出した成分の質量分析データ、例えば質量電荷比m/z、に基づいて該成分の分子式及び/又は化学構造を決定する。成分の分子式は、質量電荷比m/zから分子の精密質量を算出し、その精密質量を満たす分子式を検索することによって決定することができる。化学構造は、クロマトグラフィー上の特性、タンデム質量分析の結果、次ステップのデータベース参照結果から総合的に導かれる。
新規な化合物であるか否かの判定は、上記のようにして決定された分子式及び/又は化学構造式に基づき、過去の文献等で発表された既知化合物の分子式および/または化学構造式と比較することによって行えばよい。特に、分子式が既知化合物と一致していても、既知化合物とは化学構造が異なる新規化合物の場合もがあるので、過去の情報等を参考にして総合的に判断する必要がある。
この関連で、本発明の方法は、(e)同定対象の化合物に関するデータベースを参照することにより、ステップ(c)で検出された成分が既知の二次代謝産物であるか否かを判定するステップをさらに含んでもよい。本発明に使用することができる上記データベースとして、例えばKNApSAcK:http://kanaya.naist.jp/KNApSAcK/;KEGG LIGAND Database:www.kegg.jp/kegg/ligand.html;NPedia:http://npd.riken.go.jp/npd/npedia.html;CHEMnetBASE:www.chemnetbase.com/;及びPubChem:www.ncbi.nlm.nih.gov/sites/entrez?db=pccompoundなどを挙げることができる。
こうして同定された新規化合物は、特定の性質を有する化合物群としてデータベース化することにより、充実した微生物ライブラリーを構築し、効率的な産業利用を促進することができる。したがって、本発明の方法により同定された化合物のデータを含むデータベースも本発明の範囲に包含される。
本発明の方法は、微生物を大量に培養して、未知の代謝産物の中から、やみくもに化合物の単離・精製を行い、構造を決定して、微生物の化合物(例えばポリケタイド系化合物)を得るといった従来の方法に比べて、はるかに操作が簡便にかつ短時間で生産された化合物に関する網羅的な情報を取得できる。また試験した培養条件が、目的の化合物の生産に適していたかも容易に判定できる。
また、新規な構造かどうかを確認する為に微生物を大量培養し、生産物を単離構造決定するといった手間のかかる操作が不要となる。その結果、作業性が飛躍的に向上し、探索効率が著しく上昇する。これにより、各種生理作用等の有用性のある化合物の効率的な探索方法を提供することができる。
本発明は、同定対象の化合物の生産菌を見いだし、かつ、その化合物が既知のものであるか新規なものであるかを効率的かつ高確度で判定できる方法を提供するものである。従来の方法では、(i)多数の微生物を培養し、(ii)その中から生理活性物質をスクリーニングし、(iii)ヒットした株の生産する代謝産物の中から目的の化合物の単離及び構造決定を行う必要があったが、本発明によって、従来の微生物スクリーニングの手法が一変する可能性がある。さまざまなスキームが考えられるが、その一つを以下に例示する。(i)放線菌等、ポリケタイド系化合物を合成する見込みの高い微生物を培養し、本発明に記載された方法で、新規なポリケタイド系化合物を作る株を選抜する。(ii)選抜された株のライブラリー(新規のポリケタイド系化合物を作るという性質に絞ったfocused library)を、製薬会社等、スクリーニングを行っている企業に提供する。(iii)スクリーニングでヒットした場合、その活性物質が新規のポリケタイド系化合物に対応するかは、クロマトグラフィーの挙動等によって容易に明らかになる。すなわち、天然化合物のスクリーニングで最も重要なステップである重複排除が、本発明によって不要となる。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕 菌の生育やポリケタイドの生産に対するセルレニンの影響
ストレプトマイセス・ビオラセオルベル(Streptomyces violaceoruber)NBRC15146株またはサッカロポリスポラ・エリスラエア(Saccharopolyspora erythraea)NBRC13426株をYEME液体培地(0.3%酵母エキス、0.5%ペプトン、0.3%麦芽エキス、1%ブドウ糖、pH7)及び終濃度40μg/mlのセルレニンを一日毎に添加したYEME液体培地で、28℃、340rpmで振とう培養した。経時的にサンプリングし、菌体量は遠心分離により沈殿した菌体の容積が元の培養液の何%に相当するか(Packed cell volume;PCV)で測定した。ストレプトマイセス・ビオラセオルベルが生産するポリケタイド系化合物として培養上清に含まれる紫色の色素を580nmの吸光度を指標に測定した(図1)。サッカロポリスポラ・エリスラエアのポリケタイド生産は菌体メタノール抽出物に含まれるエリスロマイシンのミクロコッカス・ルテウス(Micrococcus luteus)に対する抗菌活性をペーパーディスク法で測定し、生じた阻止円の直径から見積もった(図2)。その結果、40μg/mlのセルレニンは両菌株の生育には影響を与えないが、ポリケタイド系化合物の生産を抑制することが明らかとなった。
〔実施例2〕 eurocidinの検出・同定
ストレプトマイセス・ユーロシディカス(Streptomyces eurocidicus)NBRC13491株を3mlのYEME液体培地及び終濃度40μg/mlのセルレニンを一日毎に添加した3mlのYEME液体培地の入った試験管で、28℃、340rpmで振とう培養した。3日間培養した後、遠心分離して培養上清と菌体に分画した。培養上清からは常法に従った固層抽出で脱塩サンプルを調製した。一方、菌体には1.5mlのメタノールを添加し、激しく攪拌後、遠心分離により沈殿を除去し、抽出サンプルを調製した。各条件の両サンプルを、飯島らの方法(Plant J.2008 Jun;54(5):949−62)に従いLC−FT/ICR−MSで分析した。本分析データから、セルレニン添加により生産量(シグナル強度)が減少した物質を抽出した。その中に、LCの保持時間が36.2分で、質量電荷比(m/z)が780.4165の物質を見出した。本物質はセルレニン添加により生産量が1/50〜1/100に減少しており、質量電荷比の精密な値から分子式はC4061NO14と決定され、ポリケタイド系の抗真菌性ポリエンマクロライド化合物eurocidinと同定された。
〔実施例3〕 prodignineの検出・同定
ストレプトマイセス・ビオラセオルベル(Streptomyces violaceoruber)NBRC15146株を、実施例2と同様に培養、解析した結果、LCの保持時間が44.8分で、質量電荷比が394.2853の物質を見出した。本物質はセルレニン添加により生産量が検出限界以下となり、精密マス値から分子式はC2535Oと決定され、ポリケタイド系の色素化合物prodiginineと同定された。
〔実施例4〕 erythromycin及び新規類縁体の検出・同定
サッカロポリスポラ・エリスラエア(Saccharopolyspora erythraea)NBRC13426株を、実施例2と同様に培養、解析した結果、LCの保持時間が34.5分で、質量電荷比が734.4685の物質を見出した。本物質はセルレニン添加により生産量が1/6〜1/20に減少し、精密マス値から分子式はC3767NO13と決定され、ポリケタイド系の抗細菌性マクロライド化合物erythromycin Aと同定された。また他にも生産量が減少した物質として、35.3分に質量電荷比が716.4611の物質、保持時間36.6分にマス値が700.4646の物質を見出し、それぞれC3765NO12及びC3765NO12と決定された。これらはerythromycin類縁体であることがタンデムMSによる解析データからも示唆された。
〔実施例5〕 ブドウ糖によるポリケタイド系化合物の標識
サッカロポリスポラ・エリスラエア(Saccharopolyspora erythraea)NBRC13426株を3mlのYEME液体培地(図3)及びブドウ糖の代わりにその同位体である13C−U−ブドウ糖を添加したYEME液体培地(図4)の入った試験管で、28℃、340rpmで振とう培養した。3日間培養した後、実施例2と同様にLC−FT/ICR−MSで解析した。13C−U−ブドウ糖添加により、保持時間34分から38分に溶出しm/zが700台のポリケタイド系化合物エリスロマイシンAやその類縁体が効率良く標識された。
〔実施例6〕 酢酸によるポリケタイド系化合物の標識
サッカロポリスポラ・エリスラエア(Saccharopolyspora erythraea)NBRC13426株を3mlのYEME液体培地の入った二本の試験管で、28℃、340rpmで一晩振とう培養した。一本の試験管には10%酢酸ナトリウムを0.15ml(図5)、もう一本の試験管にはその同位体である13C−U−酢酸ナトリウム(10%溶液)を0.15ml添加して、更に55時間振とう培養した。その後、実施例2と同様にLC−FT/ICR−MSで解析した。その結果、13C−U−酢酸ナトリウム添加により、ポリケタイド系化合物エリスロマイシンAやその類縁体が効率良く標識された(図6)。
〔実施例7〕 ブドウ糖によるテルペン系化合物の標識
ノカルジア・テルペニカ(Nocardia terpenica)NBRC100888株を3mlの0.5%ブドウ糖添加2×Nutrient Broth液体培地(0.3%肉エキス、0.5%ペプトン、pH6.8、図7)及びブドウ糖の代わりにその同位体である13C−U−ブドウ糖を添加した2×Nutrient Broth液体培地の入った試験管で、28℃、340rpmで振とう培養した。4日間培養した後、実施例2と同様にLC−FT/ICR−MSで解析した。13C−U−ブドウ糖添加によりテルペン系化合物brasilicardin A(保持時間34.2分、m/z893.47)が効率良く標識された(図8)。
〔実施例8〕 ブドウ糖によるペプチド系化合物等の標識
ストレプトマイセス・ビリドクロモゲネス(Streptomyces viridochromogenes)NBRC13830を2mlのYEME液体培地及びブドウ糖の代わりにその同位体である13C−U−ブドウ糖を添加したYEME液体培地の入った試験管で、28℃、340rpmで振とう培養した。4日間培養した後、実施例2と同様にサンプルを処理し、LC−FT/ICR−MS(カラム:TOSOH TSKgel ODS−100V 5μm、ガードカラム:TOSOH TSKguardgel ODS−100V 5μm、カラム温度:40℃、溶出:0.1%蟻酸存在下45分間で3%〜97%アセトニトリルグラジエント、流速:0.5ml/min)で解析した。その結果、13C−U−ブドウ糖添加によりスタワマイシン(図9)やペプチド系化合物であるスルフォマイシン(図10)が効率良く標識された。

Claims (8)

  1. 以下のステップ(a)〜(d)を含む、微生物により生合成される新規な化合物を同定する方法。
    (a) 被検菌株を、同定対象の化合物の生産量に影響するように操作された培養条件、及びそのような操作がされていない点でのみ異なる培養条件にて培養するステップ、
    (b) 各培養条件にて培養された各培養菌株の抽出物又は培養上清を質量分析に供するステップ、
    (c) 各質量分析結果を比較して、生産量が異なる成分を検出するステップ、
    (d) 検出された前記成分の質量分析データに基づいて該成分の分子式及び/又は化学構造を決定するステップ
  2. 同定対象の化合物は二次代謝産物である、請求項1記載の方法。
  3. ステップ(a)の培養を、化学修飾された目的の化合物の前駆体化合物の存在下で行う、請求項1記載の方法。
  4. 化学修飾は同位体標識である、請求項記載の方法。
  5. 13C標識されたブドウ糖又は酢酸の存在下でステップ(a)の培養を行う、請求項1記載の方法。
  6. 前記操作された培養条件は、同定対象の化合物の生産を阻害する培養条件である、請求項1記載の方法。
  7. 同定対象の化合物の生産を阻害する培養条件は、同定対象の化合物の生合成経路に関与する生合成酵素の阻害剤が培養培地に添加された条件である、請求項記載の方法。
  8. 同定対象の化合物はポリケタイド系化合物であり、前記阻害剤がセルレニンである、請求項記載の方法。
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