以下、図面を用いて、本発明の実施形態に係るブラシ付DCモータについて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係るブラシ付DCモータの電機子の構造を示す分解斜視図である。
また、図2は、図1に示した電機子の側断面図である。
図1および図2に示すように、本実施形態の電機子10は、電機子コア11に対してその上方および下方からインシュレータ13を被せ、さらに円筒状の絶縁樹脂21およびその外周に設けた整流子片22から成る整流子20を有し、またリングバリスタ15および印刷基板16を有し、これらを回転軸であるシャフト14で貫通して構成される。なお、電機子10を回転子とした場合の、この回転子に対向して配置される永久磁石や外部からの電流を供給するためのブラシ、また回転子を固定するための軸受は、一般的なブラシ付DCモータの構成と同じであるため、説明や図は省略する。また、電機子コア11の突極に巻回すコイルも図1および図2においては図示を省略している。
図3は、図1に示した電機子コア11の平面図である。
図4は、図1に示したインシュレータ13を示す図であり、(a)は斜視図であり、(b)は平面図である。
電機子コア11は、珪素鋼板を図4に示す平面形状に打ち抜き加工して積層したものである。本実施形態では、この電機子コア11は、12個の突極12を有している。12個の突極12のそれぞれは、中心から外側に放射状に延びる腕部12aを有する。電機子コア11の中心孔にシャフト14を通し所定の位置で固定する。
インシュレータ13は、図1および図2に示すように、電機子コア11の上側および下側に1つずつ設けている。図4は、1つのインシュレータ13を示しているが、もう1つのインシュレータ13も同様の形状である。
インシュレータ13は、絶縁体、例えば樹脂製であり、突極12の腕部12aを両側および上面から覆う腕部13bを有する。もう1つのインシュレータ13の腕部13bは、突極12の腕部12aを両側および下面から覆う。このようにすることによって、突極12の腕部12aは、上下のインシュレータ13の腕部13bによって完全に覆われる。
インシュレータ13の中央には台座部13aを有し、この台座部13aの中心には貫通孔13cを有する。
整流子20は、電機子コア11の突極12のそれぞれに対応した12枚の整流子片22を有して成り、それぞれの整流子片22は、径方向外側に突出した端子23と軸方向下側に突出したライザ24(電極)と径方向内側に突出した固定片25とを有しており、中心に孔が開いたほぼ円筒形状であって樹脂モールドされた絶縁樹脂21に対し、整流子片22の固定片25にて固定されている。この整流子20の中心にシャフト14を通し、絶縁樹脂21下面をインシュレータ13の台座部13a上面に突き当てて固定する(図2参照)。
電機子10のコイルは、マグネットワイヤの端をまず整流子20の所定のライザ24(電極)に絡げて巻き始め、電機子コア11のそれぞれの突極12に対し被せられたインシュレータ13の腕部13bの上から所定の回数巻回し、所定のライザ24(電極)に絡げて巻線を形成する。この点については、図7を参照しながら後述する。
図5は、図1に示した印刷基板16の平面図であり、(a)は図1での下面を示す図であり、(b)は図1での上面を示す図である。
円環状に形成した印刷基板16は、両面に配線パターン(プリントパターン)を形成しており、一方の面(図5(b)に示す面)には12個の整流子片22のうち所定の整流子片同士が同電位になるよう(整流子の所定のセグメント同士が同電位になるよう)短絡する周方向の配線パターン201、202および203を形成し、他方の面(図5(a)に示す面)には、リングバリスタ15の電極15b(図6参照)と整流子片22とを接続するよう放射状に伸長した12個の配線パターン191を形成している。
図5(a)に示す印刷基板16の周方向外側には12個のランド部161が設けられ、周方向内側には12個のランド部181が設けられ、それぞれのランド部161とランド部181とは配線パターン191で電気的に接続されている。
また、印刷基板16は、基板を貫通して、一方の面の配線パターン201、202および203うちの所定の配線パターンと、他方の面の配線パターン191とを電気的に接続する12個のスルーホール171を有する。図5(b)に示すように、スルーホールAとスルーホールDとスルーホールGとスルーホールJとは配線パターン203で接続され、スルーホールBとスルーホールEとスルーホールHとスルーホールKとは配線パターン202で接続され、スルーホールCとスルーホールFとスルーホールIとスルーホールLとは配線パターン201で接続される。
図6は、図1に示したリングバリスタ15を示す図であり、(a)は図1での下面を示す平面図であり、(b)は(a)のVIB−VIB断面図である。
リングバリスタ15は、セラミック等のバリスタ素子15aをリング状に形成し、その片面にのみ電極15bを有する。電極15bは、バリスタ素子15aの周方向にほぼ均等に、整流子片22と同じ数である12個を設けている。
本実施形態では、図1に示すように、リングバリスタ15の電極15bを設けた面を下面にし、且つ印刷基板16の他方の面(図5(a)に示す面)を下面にした状態で、12個の電極15bのそれぞれと12個の外側ランド部161のそれぞれとを周方向で位置合わせし、それぞれどうしをバリスタ素子15aの厚みを乗り越えた半田付けで電気的に接続して、印刷基板16にリングバリスタ15を実装する。
また、電気子コア11にコイルを巻回した後、リングバリスタ15を実装した印刷基板16をシャフト14に通し、印刷基板16の12個の内側ランド部181のそれぞれと整流子20の径方向外側に突出した12個の端子23のそれぞれとを周方向で位置合わせし、それぞれどうしを半田付けで電気的に接続して固定する。
図7は、図1に示した電機子コア11の突極12に巻線を巻回す手順を説明する図である。
本発明は、ステータの永久磁石が8極であり、電機子コアが周方向均等に12個の突極を有し、12個の突極のそれぞれにコイルを巻回してなる3相ブラシ付DCモータを対象にしている。
ここでは、たとえば、印刷基板16の図5(a)の面において、スルーホールAと接続された整流子片22のライザ24(電極)を第1のライザ(第1の電極)と呼び、スルーホールBと接続されたライザ24を第2のライザ(第2の電極)と呼び、スルーホールCと接続されたライザ24を第3のライザ(第3の電極)と呼び、スルーホールDと接続されたライザ24を第4のライザ(第4の電極)と呼び、スルーホールEと接続されたライザ24を第5のライザ(第5の電極)と呼び、スルーホールFと接続されたライザ24を第6のライザ(第6の電極)と呼び、スルーホールGと接続されたライザ24を第7のライザ(第7の電極)と呼び、スルーホールHと接続されたライザ24を第8のライザ(第8の電極)と呼び、スルーホールIと接続されたライザ24を第9のライザ(第9の電極)と呼び、スルーホールJと接続されたライザ24を第10のライザ(第10の電極)と呼び、スルーホールKと接続されたライザ24を第11のライザ(第11の電極)と呼び、スルーホールLと接続されたライザ24を第12のライザ(第12の電極)と呼ぶ。
すなわち、周方向均等に12個の整流子片22を有し、前記12個の整流子片22のそれぞれがライザ24(電極)を有し、12個の整流子片22のうちの所定の整流子片のライザを第1のライザとし、前記第1のライザの周方向右隣のライザを第2のライザとし、順に第3のライザとし、最後12個目のライザを第12のライザとして第1のライザの左隣に位置する。
また、たとえば、電機子コア11の12個の突極12のうち、組み立て時に第1のライザと周方向位置がほぼ一致する突極12を第1の突極と呼び、第2のライザと周方向位置がほぼ一致する突極12を第2の突極と呼び、第3のライザと周方向位置がほぼ一致する突極12を第3の突極と呼び、第4のライザと周方向位置がほぼ一致する突極12を第4の突極と呼び、第5のライザと周方向位置がほぼ一致する突極12を第5の突極と呼び、第6のライザと周方向位置がほぼ一致する突極12を第6の突極と呼び、第7のライザと周方向位置がほぼ一致する突極12を第7の突極と呼び、第8のライザと周方向位置がほぼ一致する突極12を第8の突極と呼び、第9のライザと周方向位置がほぼ一致する突極12を第9の突極と呼び、第10のライザと周方向位置がほぼ一致する突極12を第10の突極と呼び、第11のライザと周方向位置がほぼ一致する突極12を第11の突極と呼び、第12のライザと周方向位置がほぼ一致する突極12を第12の突極と呼ぶ。
巻線は、第1の巻線31および第2の巻線32を用いており、第1の巻線31は、その端をまず整流子20の第1のライザに絡げて巻き始め、第1の突極に対し所定の回数巻回し、第4の突極に対し所定の回数巻回し、第2のライザに絡げ、第2の突極に対し所定の回数巻回し、第5の突極に対し所定の回数巻回し、第3のライザに絡げ、第3の突極に対し所定の回数巻回し、第6の突極に対し所定の回数巻回し、第1のライザに絡げて巻き終わり、巻線を形成する。
第2の巻線32は、その端をまず整流子20の第7のライザに絡げて巻き始め、第7の突極に対し所定の回数巻回し、第10の突極に対し所定の回数巻回し、第8のライザに絡げ、第8の突極に対し所定の回数巻回し、第11の突極に対し所定の回数巻回し、第9のライザに絡げ、第9の突極に対し所定の回数巻回し、第12の突極に対し所定の回数巻回し、第7のライザに絡げて巻き終わり、巻線を形成する。
すなわち、第1の巻線を前記第1のライザに接続し、続いて前記第1の突極に巻回し、続いて前記第4の突極に巻回し、続いて前記第2のライザに接続し、続いて前記第2の突極に巻回し、続いて前記第5の突極に巻回し、続いて前記第3のライザに接続し、続いて前記第3の突極に巻回し、続いて前記第6の突極に巻回し、続いて前記第1のライザに接続し、第2の巻線を前記第7のライザに接続し、続いて前記第7の突極に巻回し、続いて前記第10の突極に巻回し、続いて前記第8のライザに接続し、続いて前記第8の突極に巻回し、続いて前記第11の突極に巻回し、続いて前記第9のライザに接続し、続いて前記第9の突極に巻回し、続いて前記第12の突極に巻回し、続いて前記第7のライザに接続している。
第1のライザ(スルーホールAのライザ)と、第4のライザ(スルーホールDのライザ)と、第7のライザ(スルーホールGのライザ)と、第10のライザ(スルーホールJのライザ)とは、配線パターン203で短絡される。
第2のライザ(スルーホールBのライザ)と、第5のライザ(スルーホールEのライザ)と、第8のライザ(スルーホールHのライザ)と、第11のライザ(スルーホールKのライザ)とは、配線パターン202で短絡される。
第3のライザ(スルーホールCのライザ)と、第6のライザ(スルーホールFのライザ)と、第9のライザ(スルーホールIのライザ)と、第12のライザ(スルーホールLのライザ)とは、配線パターン201で短絡される。
以上のように、第1、第4、第2、第5、第3および第6の突極の6個分巻くまでを第1の工程とし、第7、第10、第8、第11、第9および第12の突極の6個分巻くまでを第2の工程とし、2工程で巻線が完了する。
本発明によれば、巻線の工程が減るため、時間の短縮が可能である。
また本発明によれば、ライザ12個分中6個分(第4のライザ、第5のライザ、第6のライザ、第10のライザ、第11のライザ、第12のライザ)は、巻線を絡げていないため、接続確認のための検査をしなくてよい。このため、検査時間の短縮が可能である。
また本発明の実施の形態では、巻線機のノズルが1つの場合について、第1の巻線の後、第2の巻線を行うことを説明したが、第1の巻線で巻回す突極および電極は、シャフトを中心にして反対側に、第2の巻線で巻回す突極および電極が位置しているため、巻線機のノズルをシャフトを中心にして向い合せるように配置し、第1の巻線と第2の巻線を同時に行っても良い。この場合は、1工程で巻線が完了するため、更に時間の短縮が可能である。
なお、図7を参照して説明した電機子コア11の突極12に巻線を巻回す手順は、図1に示したブラシ付DCモータの電機子にのみ適用可能なものではなく、別の電機子にも適用可能である。以下に、本発明を適用可能な電機子の別の例について説明する。
図8は、本発明の第2の実施の形態に係るブラシ付DCモータの電機子の構造を示す分解斜視図である。
なお、本実施形態の電機子100において、電機子コア111周辺の構造は図1に示した電機子コア11と同様であるので、詳しい説明は省略する。また、リングバリスタ115の構造も、図6に示したリングバリスタ15と同様であるので、以下において、図6と同じ参照番号を用いて、詳しい説明は省略する。
図8に示すように、本実施形態の電機子100は、電機子コア111に対してその上方および下方からインシュレータ113を被せ、さらに円筒状の絶縁樹脂121およびその外周に設けた整流子片122から成る整流子120を有し、またリングバリスタ115および印刷基板116を有し、これらを回転軸であるシャフト114で貫通して構成される。なお、電機子100を回転子とした場合の、この回転子に対向して配置される永久磁石や外部からの電流を供給するためのブラシ、また回転子を固定するための軸受は、一般的なブラシ付DCモータの構成と同じであるため、説明や図は省略する。また、電機子コア111の突極に巻回すコイルも図8において図示を省略している。
整流子120は、電機子コア111の突極112のそれぞれに対応した12枚の整流子片122を有して成り、それぞれの整流子片122は、径方向外側に突出した端子123と径方向内側に突出した固定片(図2の固定片25と同様であるので図示省略する)とを有しており、中心に孔が開いたほぼ円筒形状であって樹脂モールドされた絶縁樹脂121に対し、整流子片122の固定片にて固定されている。
図9は、図8に示した印刷基板116の平面図であり、(a)は図8での下面を示す図であり、(b)は図8での上面を示す図である。
円環状に形成した印刷基板116は、両面に配線パターン(プリントパターン)を形成しており、一方の面(図9(b)に示す面)には12個の整流子片122のうち所定の整流子片同士が同電位になるよう(整流子の所定のセグメント同士が同電位になるよう)短絡する周方向の配線パターンを形成し、他方の面(図9(a)に示す面)には、リングバリスタ115の電極15bと整流子片122とを接続するよう放射状に伸長した12個の配線パターン1191を形成している。
印刷基板116の径方向内側には周方向に12個のランド部1181が設けられ、各配線パターン1191は、各ランド部1181に接続されている。
また、印刷基板116は、径方向外側に放射状に突出する12個の腕部116aを有し、配線パターン1191のそれぞれは、この腕部116a上まで形成している。
なお、印刷基板116のスルーホール1171による、配線パターン1201、1202、1203と配線パターン1191との接続の構造は、図5に示した印刷基板16のスルーホール171と同じであるので、詳しい説明は省略する。
本実施形態では、図8に示すように、リングバリスタ115の電極15bを設けた面を下面にし、且つ印刷基板116の他方の面(図9(a)に示す面)を下面にした状態で、12個の電極15bのそれぞれと12個の腕部116a上の配線パターン1191のそれぞれとを周方向で位置合わせし、それぞれどうしをバリスタ素子15aの厚みを乗り越えた半田付けで電気的に接続して、印刷基板116にリングバリスタ115を実装する。
また、リングバリスタ115を実装した印刷基板116の各ランド部1181と整流子120の各端子123とをそれぞれ半田接続する。このリングバリスタ115と整流子120と印刷基板116との組付け体をシャフト114に通し、絶縁樹脂121下面をインシュレータ113の台座部113a上面に突き当てて固定する。
電機子100のコイル(不図示)は、マグネットワイヤ(不図示)の端をまず印刷基板116の所定の腕部116aに絡げて巻き始め、電機子コア111のそれぞれの突極112に対し被せられたインシュレータ113の腕部113bの上から巻回し、所定の配線パターン1191に絡げて巻線を形成する。
図7を参照して説明した電機子コア11の突極12に巻線を巻回す手順は、本実施の形態の電機子100にも適用可能である。
本発明は、ステータの永久磁石が8極であり、電機子コアが周方向均等に12個の突極を有し、12個の突極のそれぞれにコイルを巻回してなる3相ブラシ付DCモータを対象にしている。
ここでは、周方向均等に12個の整流子片122を有し、前記12個の整流子片122のそれぞれに電気的に接続される12個の印刷基板116の電極(腕部116a上の配線パターン1191)を有し、12個の電極のうちの所定の電極を第1の電極とし、前記第1の電極の周方向右隣の電極を第2の電極とし、順に第3の電極とし、最後12個目の電極を第12の電極として第1の電極の左隣に位置する。
また、たとえば、電機子コア111の12個の突極12のうち、組み立て時に、第1の電極と周方向位置がほぼ一致する突極12を第1の突極と呼び、第2の電極と周方向位置がほぼ一致する突極12を第2の突極と呼び、第3の電極と周方向位置がほぼ一致する突極12を第3の突極と呼び、第4の電極と周方向位置がほぼ一致する突極12を第4の突極と呼び、第5の電極と周方向位置がほぼ一致する突極12を第5の突極と呼び、第6の電極と周方向位置がほぼ一致する突極12を第6の突極と呼び、第7の電極と周方向位置がほぼ一致する突極12を第7の突極と呼び、第8の電極と周方向位置がほぼ一致する突極12を第8の突極と呼び、第9の電極と周方向位置がほぼ一致する突極12を第9の突極と呼び、第10の電極と周方向位置がほぼ一致する突極12を第10の突極と呼び、第11の電極と周方向位置がほぼ一致する突極12を第11の突極と呼び、第12の電極と周方向位置がほぼ一致する突極12を第12の突極と呼ぶ。
巻線は、第1の巻線31および第2の巻線32を用いており、第1の巻線31は、その端をまず印刷基板116の第1の電極に絡げて巻き始め、第1の突極に対し所定の回数巻回し、第4の突極に対し所定の回数巻回し、第2の電極に絡げ、第2の突極に対し所定の回数巻回し、第5の突極に対し所定の回数巻回し、第3の電極に絡げ、第3の突極に対し所定の回数巻回し、第6の突極に対し所定の回数巻回し、第1の電極に絡げて巻き終わり、巻線を形成する。
第2の巻線32は、その端をまず印刷基板116の第7の電極に絡げて巻き始め、第7の突極に対し所定の回数巻回し、第10の突極に対し所定の回数巻回し、第8の電極に絡げ、第8の突極に対し所定の回数巻回し、第11の突極に対し所定の回数巻回し、第9の電極に絡げ、第9の突極に対し所定の回数巻回し、第12の突極に対し所定の回数巻回し、第7の電極に絡げて巻き終わり、巻線を形成する。
すなわち、第1の巻線を前記第1の電極に接続し、続いて前記第1の突極に巻回し、続いて前記第4の突極に巻回し、続いて前記第2の電極に接続し、続いて前記第2の突極に巻回し、続いて前記第5の突極に巻回し、続いて前記第3の電極に接続し、続いて前記第3の突極に巻回し、続いて前記第6の突極に巻回し、続いて前記第1の電極に接続し、第2の巻線を前記第7の電極に接続し、続いて前記第7の突極に巻回し、続いて前記第10の突極に巻回し、続いて前記第8の電極に接続し、続いて前記第8の突極に巻回し、続いて前記第11の突極に巻回し、続いて前記第9の電極に接続し、続いて前記第9の突極に巻回し、続いて前記第12の突極に巻回し、続いて前記第7の電極に接続している。
第1の電極と、第4の電極と、第7の電極と、第10の電極とは、配線パターン1203で短絡される。
第2の電極と、第5の電極と、第8の電極と、第11の電極とは、配線パターン1202で短絡される。
第3の電極と、第6の電極と、第9の電極と、第12の電極とは、配線パターン1201で短絡される。
以上のように、第1、第4、第2、第5、第3および第6の突極の6個分巻くまでを第1の工程とし、第7、第10、第8、第11、第9および第12の突極の6個分巻くまでを第2の工程とし、2工程で巻線が完了する。
本発明によれば、巻線の工程が減るため、時間の短縮が可能である。
また本発明によれば、電極12個分中6個分(第4の電極、第5の電極、第6の電極、第10の電極、第11の電極、第12の電極)は、巻線を絡げていないため、接続確認のための検査をしなくてよい。このため、検査時間の短縮が可能である。
また本発明の実施の形態では、巻線機のノズルが1つの場合について、第1の巻線の後、第2の巻線を行うことを説明したが、第1の巻線で巻回す突極および電極は、シャフトを中心にして反対側に、第2の巻線で巻回す突極および電極が位置しているため、巻線機のノズルをシャフトを中心にして向い合せるように配置し、第1の巻線と第2の巻線を同時に行っても良い。この場合は、1工程で巻線が完了するため、更に時間の短縮が可能である。
以下、本発明を適用可能な電機子のさらに別の例について説明する。
図10は、本発明の第3の実施の形態に係るブラシ付DCモータの電機子の構造を示す分解斜視図である。
なお、本実施形態の電機子200において、電機子コア211周辺の構造は図1に示した電機子コア11と同様であるので、詳しい説明は省略する。また、リングバリスタ215の構造も、図6に示したリングバリスタ15と同様であるので、以下において、図6と同じ参照番号を用いて、詳しい説明は省略する。
図10に示すように、本実施形態の電機子200は、電機子コア211に対してその上方および下方からインシュレータ213を被せ、さらに円筒状の絶縁樹脂221およびその外周に設けた整流子片222から成る整流子220を有し、またリングバリスタ215および印刷基板216を有し、これらを回転軸であるシャフト214で貫通して構成される。なお、電機子200を回転子とした場合の、この回転子に対向して配置される永久磁石や外部からの電流を供給するためのブラシ、また回転子を固定するための軸受は、一般的なブラシ付DCモータの構成と同じであるため、説明や図は省略する。また、電機子コア211の突極に巻回すコイルも図10において図示を省略している。
整流子220は、電機子コア211の突極212のそれぞれに対応した12枚の整流子片222を有して成り、それぞれの整流子片222は、径方向外側に突出した端子223と径方向内側に突出した固定片(図2の固定片25と同様であるので図示省略する)とを有しており、中心に孔が開いたほぼ円筒形状であって樹脂モールドされた絶縁樹脂221に対し、整流子片222の固定片にて固定されている。
図11は、図10に示した印刷基板216の平面図であり、(a)は図10での下面を示す図であり、(b)は図10での上面を示す図である。
円環状に形成した印刷基板216は、両面に配線パターン(プリントパターン)を形成しており、一方の面(図11(b)に示す面)には12個の整流子片222のうち所定の整流子片同士が同電位になるよう(整流子の所定のセグメント同士が同電位になるよう)短絡する周方向の配線パターンを形成し、他方の面(図11(a)に示す面)には、リングバリスタ215の電極15bと整流子片222とを接続するよう放射状に伸長した12個の配線パターン2191を形成している。
図11(a)に示す印刷基板216の周方向外側には12個の突出電極2161が設けられ、周方向内側には12個のランド部2181が設けられ、それぞれの突出電極2161とランド部2181とは配線パターン2191で電気的に接続されている。突出電極2161は、印刷基板216の外周よりも外側に突出している。
なお、印刷基板216のスルーホール2171による、配線パターン2201、2202、2203と配線パターン2191との接続の構造は、図5に示した印刷基板16のスルーホール171と同じであるので、詳しい説明は省略する。
本実施形態では、図10に示すように、リングバリスタ215の電極15bを設けた面を下面にし、且つ印刷基板216の他方の面(図11(a)に示す面)を下面にした状態で、12個の電極15bのそれぞれと12個の突出電極2161のそれぞれとを周方向で位置合わせし、それぞれどうしをバリスタ素子15aの厚みを乗り越えた半田付けで電気的に接続して、印刷基板216にリングバリスタ215を実装する。
また、リングバリスタ215を実装した印刷基板216の各ランド部2181と整流子220の各端子223とをそれぞれ半田接続する。このリングバリスタ215と整流子220と印刷基板216との組付け体をシャフト214に通し、絶縁樹脂221下面をインシュレータ213の台座部213a上面に突き当てて固定する。
電機子200のコイル(不図示)は、マグネットワイヤ(不図示)の端をまず印刷基板216の所定の突出電極2161に絡げて巻き始め、電機子コア211のそれぞれの突極212に対し被せられたインシュレータ213の腕部213bの上から巻回し、所定の突出電極2161に絡げて巻線を形成する。
図7を参照して説明した電機子コア11の突極12に巻線を巻回す手順は、本実施の形態の電機子200にも適用可能である。
本発明は、ステータの永久磁石が8極であり、電機子コアが周方向均等に12個の突極を有し、12個の突極のそれぞれにコイルを巻回してなる3相ブラシ付DCモータを対象にしている。
ここでは、周方向均等に12個の整流子片222を有し、前記12個の整流子片222のそれぞれに電気的に接続される印刷基板216の電極(突出電極2161)を有し、12個の電極のうちの所定の電極を第1の電極とし、前記第1の電極の周方向右隣の電極を第2の電極とし、順に第3の電極とし、最後12個目の電極を第12の電極として第1の電極の左隣に位置する。
また、たとえば、電機子コア211の12個の突極12のうち、組み立て時に、第1の電極と周方向位置がほぼ一致する突極12を第1の突極と呼び、第2の電極と周方向位置がほぼ一致する突極12を第2の突極と呼び、第3の電極と周方向位置がほぼ一致する突極12を第3の突極と呼び、第4の電極と周方向位置がほぼ一致する突極12を第4の突極と呼び、第5の電極と周方向位置がほぼ一致する突極12を第5の突極と呼び、第6の電極と周方向位置がほぼ一致する突極12を第6の突極と呼び、第7の電極と周方向位置がほぼ一致する突極12を第7の突極と呼び、第8の電極と周方向位置がほぼ一致する突極12を第8の突極と呼び、第9の電極と周方向位置がほぼ一致する突極12を第9の突極と呼び、第10の電極と周方向位置がほぼ一致する突極12を第10の突極と呼び、第11の電極と周方向位置がほぼ一致する突極12を第11の突極と呼び、第12の電極と周方向位置がほぼ一致する突極12を第12の突極と呼ぶ。
巻線は、第1の巻線31および第2の巻線32を用いており、第1の巻線31は、その端をまず印刷基板216の第1の電極に絡げて巻き始め、第1の突極に対し所定の回数巻回し、第4の突極に対し所定の回数巻回し、第2の電極に絡げ、第2の突極に対し所定の回数巻回し、第5の突極に対し所定の回数巻回し、第3の電極に絡げ、第3の突極に対し所定の回数巻回し、第6の突極に対し所定の回数巻回し、第1の電極に絡げて巻き終わり、巻線を形成する。
第2の巻線32は、その端をまず印刷基板216の第7の電極に絡げて巻き始め、第7の突極に対し所定の回数巻回し、第10の突極に対し所定の回数巻回し、第8の電極に絡げ、第8の突極に対し所定の回数巻回し、第11の突極に対し所定の回数巻回し、第9の電極に絡げ、第9の突極に対し所定の回数巻回し、第12の突極に対し所定の回数巻回し、第7の電極に絡げて巻き終わり、巻線を形成する。
すなわち、第1の巻線を前記第1の電極に接続し、続いて前記第1の突極に巻回し、続いて前記第4の突極に巻回し、続いて前記第2の電極に接続し、続いて前記第2の突極に巻回し、続いて前記第5の突極に巻回し、続いて前記第3の電極に接続し、続いて前記第3の突極に巻回し、続いて前記第6の突極に巻回し、続いて前記第1の電極に接続し、第2の巻線を前記第7の電極に接続し、続いて前記第7の突極に巻回し、続いて前記第10の突極に巻回し、続いて前記第8の電極に接続し、続いて前記第8の突極に巻回し、続いて前記第11の突極に巻回し、続いて前記第9の電極に接続し、続いて前記第9の突極に巻回し、続いて前記第12の突極に巻回し、続いて前記第7の電極に接続している。
第1の電極と、第4の電極と、第7の電極と、第10の電極とは、配線パターン2203で短絡される。
第2の電極と、第5の電極と、第8の電極と、第11の電極とは、配線パターン2202で短絡される。
第3の電極と、第6の電極と、第9の電極と、第12の電極とは、配線パターン2201で短絡される。
以上のように、第1、第4、第2、第5、第3および第6の突極の6個分巻くまでを第1の工程とし、第7、第10、第8、第11、第9および第12の突極の6個分巻くまでを第2の工程とし、2工程で巻線が完了する。
本発明によれば、巻線の工程が減るため、時間の短縮が可能である。
また本発明によれば、電極12個分中6個分(第4の電極、第5の電極、第6の電極、第10の電極、第11の電極、第12の電極)は、巻線を絡げていないため、接続確認のための検査をしなくてよい。このため、検査時間の短縮が可能である。
また本発明の実施の形態では、巻線機のノズルが1つの場合について、第1の巻線の後、第2の巻線を行うことを説明したが、第1の巻線で巻回す突極および電極は、シャフトを中心にして反対側に、第2の巻線で巻回す突極および電極が位置しているため、巻線機のノズルをシャフトを中心にして向い合せるように配置し、第1の巻線と第2の巻線を同時に行っても良い。この場合は、1工程で巻線が完了するため、更に時間の短縮が可能である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、実施の形態については上記に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更および組み合わせが可能である。