JP5522350B2 - Ct装置 - Google Patents
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Description
以下、本発明の第一の実施形態の構成について図1を参照して説明する。
図2ないし図4を参照して作用を説明する。
TI(I)=b1・RI(I)+b2・GI(I)+b3・BI(I) ……(1)
によって、重みb1、b2、b3を掛けて加算して、単色透過像データの検出特性関数TI(I)を得る。ここで、b1、b2、b3は所定の定数で、ここではそれぞれ1とする。
T=b1・R+b2・G+b3・B ……(2)
によって、重みb1、b2、b3を掛けて加算して、単色透過像Tを得る。ここで、加算は画素ごとに行われ、b1、b2、b3は所定の定数で、ここではそれぞれ1とする。全ての回転位置の透過像について式(2)の計算を行い、それぞれ単色透過像Tを得る。
IT=IT(T) ……(3)
を計算することで行われる。全ての回転位置の単色透過像Tに対して、それぞれ非線形性補正が行われる。
図5は第一及び第二の実施形態の効果を説明するための検出特性関数のグラフである。
IT(T)={(dRI/dI)・IR(R)+(dGI/dI)・IG(G)+(dBI/dI)・IB(B)}/(dRI/dI+dGI/dI+dBI/dI) ……(4)
で表される(証明は後述)。R,G,Bの非線形性補正後の値IR(R),IG(G),IB(B)に検出特性関数の傾斜dRI/dI,dGI/dI,dBI/dIで重み付けて加算することで、誤差が少ない単色透過像が得られる。それは、同じX線量Iの画素は検出特性関数の傾斜の大きな色成分ほど微分感度が高くディテールの情報が増えて精度が高いので、精度の高い色成分に大きな重みを掛けて加算することで誤差が少なくなり、SN比が良くなってダイナミックレンジが広くなった単色透過像が合成できるためである。図5を参照して、Iが小さな時はRの重みが大きく、Iが増すにつれてRが飽和するためGの重みが大きくなり、Iがずっと大きくなるとGも飽和してくるためBの重みが大きくなる。これにより飽和気味の傾斜の小さい色成分は重みが小さくできる。また、なだらかに連続して重みを変化させることができ、継ぎ目などが生じない。
透過像R,G,Bを単純加算して単色透過像Tを合成した後、非線形性補正を加える(式(4)左辺)のと、透過像R,G,Bそれぞれを非線形性補正した後、検出特性関数の傾斜で重み付けて加算平均する(式(4)右辺)のと誤差は等価であることを証明する。
I=(a1・IR(R)+a2・IG(G)+a3・IB(B))/(a1+a2+a3) ……(5)
で得られた値IはIT(T)に一致する。
σ1=√(σR 2+σG 2+σB 2)/(dTI/dI)
=√(σR 2+σG 2+σB 2)/(dRI/dI+dGI/dI+dBI/dI) ……(6)
となる。他方、非線形性補正してから、加算平均する場合のノイズσ2(rms値)は、
σ2=√{a12・σR 2/(dRI/dI)2+a22・σG 2/(dGI/dI)2+a32・σB 2/(dBI/dI)2}/(a1+a2+a3) ……(7)
となる。ここで、
a1=dRI/dI、a2=dGI/dI、a3=dBI/dI ……(8)
と置けば、σ2=σ1となる。<>終了。
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが可能である。以下の変形例は組み合わせて適用することもできる。
第一の実施形態で、合成の重み係数b1、b2、b3はそれぞれ1としたが、1でなくても良い。例えば、R,G,Bに正規分布の検出器ノイズσR,σG、σB(rms値)が有った場合、検出器ノイズの二乗に反比例するように選んでも良い。すなわち、式、
b1:b2:b3=1/σR 2:1/σG 2:1/σB 2 …(9)
とすることで、色別透過像の検出器ノイズに違いがあった場合、誤差の少ない(SN比が良くダイナミックレンジが広い)単色透過像を合成できる。
第一の実施形態で、非線形性が小さい場合、非線形性補正は省略できる。但し、非線形性は対数変換後で評価される。すなわち、リニアな(明るさTとX線量Iの)グラフ上で直線でなくても、対数変換した(LOG(T)とLOG(I)の)グラフ上で直線に近ければ非線形性は小さい。
T=Iγ ……(10)
の場合でγが0.5のとき、リニアなグラフ上では検出特性関数は大きく曲がった曲線であるが、対数変換したグラフ上では、
LOG(T)=γ・LOG(I) ……(11)
となり、傾きがγの直線となって非線形性はない。
第一の実施形態では、単色透過像の合成(S11)と非線形性補正(S12)を行なった後で対数変換(S13)を行っているが、順番はこれには限れられない。例えば、対数変換、単色透過像合成、非線形性補正の順でも、単色透過像合成、対数変換、非線形性補正の順でもよい。
本発明の第二の実施形態の構成は図1の第一の実施形態の構成と同じであるので、説明は省略する。
第二の実施形態の作用で、断層撮影に先立つ検出特性の較正については図2、図3を用いて説明した第一の実施形態の場合とほぼ同じだが、検出特性関数の傾斜を求めることが追加される点のみが異なる。以下追加点のみ説明する。
IR=IR(R),
IG=IG(G),
IB=IB(B) ……(12)
を計算することで行われる。全ての回転位置の色成分ごとの透過像に対してそれぞれ非線形性補正が行われる。
IT=a1・IR+a2・IG+a3・IB ……(13)
によって、重みa1、a2、a3を掛けて加算して、単色透過像ITを得る。ここで、加算は画素ごとに行われ、全ての回転位置について式(13)の計算を行い、それぞれ単色透過像ITを得る。
a1:a2:a3={dRI/dI(R)}2:{dGI/dI(G)}2:{dBI/dI(B)}2 ……(14)
で表されるように、それぞれ、記憶してある、R,G,Bにおける検出特性関数の傾斜(微分感度)の2乗に比例する重みとする。
第二の実施形態によれば、R,G,Bの非線形性補正後の値IR(R),IG(G),IB(B)に対し検出特性関数の傾斜(微分感度)の2乗(dRI/dI)2,(dGI/dI)2,(dBI/dI)2に比例する重みを付けて加算することで、誤差が最小(SN比が最大)の透過像が得られる。その理由を以下に示す。
σIR=σR/{dRI/dI(R)},
σIG=σG/{dGI/dI(G)},
σIB=σB/{dBI/dI(B)} ……(15)
となる(図5参照)。ここで、理論、
「同一量を複数回測定してそれぞれ正規分布の誤差があるとき、各測定の誤差(rms値)の2乗に逆比例した重みを掛けて平均した場合、誤差が最小となる」
……(M1)
という理論を用いると、IR(R),IG(G),IB(B)に対し、それぞれ、重みa1、a2、a3として、式、
a1:a2:a3 =
{dRI/dI(R)}2/σR 2:{dGI/dI(G)}2/σG 2:{dBI/dI(B)}2/σB 2 ……(16)
の比率の重みをかけて平均するとSN比が最大になる。式(16)で、σR,σG,σBが等しいとすると式(14)になる。
簡単に説明する。
たとえば1回目に一つの量を1回測定して値I1、誤差σ1を得たとする。次に、2回目として同じ測定を4回行い平均して値I2、誤差σ2を得たとする。
I=(I1+I2・4)/5
となり、同じ測定5回を同じ重みで平均したのと同じとなり、最小誤差でIが得られる保証となる。<>終了
その他、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが可能である。以下の変形例は組み合わせて適用することもできる。
第二の実施形態では、色成分ごとの非線形性補正後の値に対し、式(14)の重みを掛けて加算しているが、代わりに、式(16)の重みを掛けて加算してもよい。これで、色成分ごとの検出器ノイズの二乗に反比例する重みを掛けて加算して合成することになる。この場合は、検出器ノイズが色成分で異なる場合に、誤差が最小の(SN比が最大でダイナミックレンジが広い)単色透過像が得られる。
第二の実施形態では、非線形性補正(S21)と単色透過像の合成(S22)を行なった後で対数変換(S23)を行っているが、順番はこれには限れられない。例えば、対数変換、非線形性補正、単色透過像合成の順でも、非線形性補正、対数変換、単色透過像合成の順でもよい。
以下の変形例は組み合わせて適用することもできる。
第一あるいは第二の実施形態で、検出特性関数の較正において、検出特性関数RI(I),GI(I),BI(I)を求める際に、I方向にスムージング(高周波数成分除去)を行って求めると較正時の測定誤差が均されて非線形性補正の誤差が減少する。
第一あるいは第二の実施形態では非線形補正関数、及び検出特性関数の傾斜は表として記憶しているが、代わりに測定で求めたグラフに対し数式としてフィティングカーブを求め、数式として記憶してもよい。
第一あるいは第二の実施形態ではカラーカメラ3bは透過像をデジタルデータとして出力するものを用いたが、アナログ出力として制御処理部9でデジタルデータに変換してもよい。
第一あるいは第二の実施形態では、カラーX線II(放射線可視光変換手段)3aとカラーカメラ(撮像手段)3bで構成した放射線検出器を使用しているが、これには限られない。例えば、放射線可視光変換手段としてカラーシンチレータ層を持ったプレートを用いてもよく、また、電子を増幅するマイクロチャンネルプレートの入力面にシンチレータ層と光電層を設け、出力面にカラーシンチレータ層を設けたものを用いてもよい。
第一あるいは第二の実施形態では、X線検出器3は3つの色成分(赤、緑、青)の透過像を出力するものであるが、色成分は赤、緑、青でなくてもよく、また、出力は2つの色成分でも4つ以上の色成分でも良い。この場合でも同様の処理で単色透過像を合成できる。
第一あるいは第二の実施形態では、被検体を1回転させる通常のスキャンを行っているが、ハーフスキャンやオフセットスキャンやヘリカルスキャンを行ってもよい。
第一あるいは第二の実施形態では、回転軸RAがX線光軸Lの方向と垂直に交差するCT装置を例にしているが、本発明は、直交していないいわゆる傾斜型CT装置(特開2005−106515等参照)に対しても適用できる。
本発明は、放射線としては、X線だけでなく、被検体に応じ、γ線、マイクロ波等の被検体に対して透過性のある放射線を用いることができる。
101…X線管、102…X線ビーム、103…X線検出器、103a…X線II、103b…カメラ、104…テーブル、105…被検体、107…回転・昇降機構、108…制御処理部
Claims (6)
- テーブル上に載置された被検体に向けて放射線を放射する放射線源と、前記被検体を透過した放射線を検出して透過像データとして出力する放射線検出手段と、前記被検体に対する前記透過の方向を変えるよう前記テーブルと前記放射線とを相対的に走査させる走査手段と、前記透過像データから前記被検体の断面像を再構成する再構成手段を有するCT装置において、
前記放射線検出手段は放射線を検出してカラーの可視光像に変換する放射線可視光変換手段と前記カラーの可視光像を撮影して色成分ごとの透過像データを出力する撮像手段より成り、
前記色成分ごとの透過像データを互いに加算した単色透過像データを作る画像合成手段と、
前記単色透過像データに前記単色透過像データの検出特性関数の逆関数で非線形性補正を加える非線形性補正手段を有し、
前記再構成手段は複数の前記走査の位置で前記放射線検出手段により得た前記色成分ごとの透過像データを前記画像合成手段により互いに加算した前記単色透過像データに対して前記非線形性補正手段により前記非線形性補正を加えた後の単色透過像データを用いて前記被検体の断面像を再構成することを特徴とするCT装置。 - テーブル上に載置された被検体に向けて放射線を放射する放射線源と、前記被検体を透過した放射線を検出して透過像データとして出力する放射線検出手段と、前記被検体に対する前記透過の方向を変えるよう前記テーブルと前記放射線とを相対的に走査させる走査手段と、前記透過像データから前記被検体の断面像を再構成する再構成手段を有するCT装置において、
前記放射線検出手段は放射線を検出してカラーの可視光像に変換する放射線可視光変換手段と前記カラーの可視光像を撮影して色成分ごとの透過像データを出力する撮像手段より成り、
前記色成分ごとの透過像データに対しそれぞれの検出特性関数の逆関数で非線形性補正を加える非線形性補正手段と、
前記色成分ごとの透過像データを互いに加算した単色透過像データを作る画像合成手段を有し、
前記再構成手段は複数の前記走査の位置で前記放射線検出手段により得た前記色成分ごとの透過像データを前記非線形性補正手段により補正してから前記画像合成手段により互いに加算した前記単色透過像データを用いて前記被検体の断面像を再構成することを特徴とするCT装置。 - 請求項2に記載のCT装置において、
前記加算は前記色成分ごとにそれぞれの検出特性関数の傾斜の二乗に比例する重みを掛けた加算であるCT装置。 - 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のCT装置において、
前記加算は前記色成分ごとの検出器ノイズの2乗に反比例する重みを掛けた加算であるCT装置。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のCT装置において、
前記放射線可視光変換手段はカラーX線IIで、前記撮像手段は赤、緑、青の3つの色成分の透過像データを出力するカラーカメラであるCT装置。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載のCT装置において、
前記放射線可視光変換手段はカラーシンチレータで、前記撮像手段は赤、緑、青の3つの色成分の透過像データを出力するカラーカメラであるCT装置。
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