JP5521775B2 - 単結晶シリコンウェーハの評価方法 - Google Patents

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Description

本発明は単結晶シリコンウェーハの評価方法に関し、特に、ウェーハ加工工程において単結晶シリコンウェーハに生じる加工起因欠陥を評価する方法に関する。
単結晶シリコンウェーハの多くは、チョクラルスキー法(Cz法)によって育成された単結晶シリコンインゴットをスライスすることによって作製される。Cz法は、石英ルツボ内のシリコン融液に種結晶を浸漬し、回転させながら種結晶をゆっくりと引き上げることによって単結晶シリコンインゴットを育成する方法である。この方法で育成された単結晶シリコンインゴットには、石英ルツボから溶出した酸素が過飽和に取り込まれるため、結晶の冷却過程で微小な酸素析出物(SiO)が形成される。また、シリコン融液が結晶化する際に空孔も取り込まれ、結晶の冷却過程で凝集してCOPと呼ばれる微小なボイドが形成される。COPは空洞であるが、COP形成後の結晶の冷却過程でその内壁にシリコン酸化膜が形成されるため、COPもSiOを含む欠陥である。
単結晶シリコンウェーハには、このような結晶欠陥の他に、ウェーハ加工工程において導入される加工起因欠陥が含まれる。単結晶シリコンウェーハは、単結晶シリコンインゴットをスライスするスライス工程、ウェーハの外周部を面取りする面取り工程、ウェーハを平坦化するラッピング工程、機械的な加工歪みを除去するエッチング工程、表面を鏡面化する研磨工程、異物や洗浄液などを除去する洗浄工程などを経て完成し、半導体デバイスの基板として使用可能な単結晶シリコンウェーハとして出荷される。ウェーハ加工工程において生じる加工起因欠陥は非常に微小であり、検出することが難しい。また、結晶欠陥との識別も容易ではない。加工起因欠陥が常にデバイス不良を引き起こすわけではないが、より高品質な単結晶シリコンウェーハを製造するためには、加工起因欠陥を正確に評価し、これを研磨工程などにフィードバックすることによってより加工起因欠陥の少ないウェーハ加工工程を構築することが望ましい。
加工起因欠陥を評価する方法としては、特許文献1〜8に記載された方法が知られている。
特許文献1〜3には、SC−1と呼ばれる洗浄に用いられる液(アンモニア、過酸化水素及び水の混合液)を用いて加工起因欠陥を顕在化させ、これをパーティクルカウンタなどでカウントする方法が記載されている。しかしながら、この方法では、COPなどの結晶欠陥及び加工起因欠陥がいずれもピットとして顕在化されることから、加工起因欠陥だけを抽出して評価することができないという問題がある。これに関し、特許文献1には、ウェーハ加工工程を経た単結晶シリコンウェーハに対し、HF洗浄及びSC−1洗浄の前後において欠陥数を測定し、その差分を取る方法が開示されている。特許文献1には、前後の測定値の差分が加工起因欠陥であると記載されているが、実際には、HF洗浄及びSC−1洗浄を行う前後においてパーティクルカウンタなどで検出される結晶欠陥の数も無視できない程度に増加することから、差分が加工起因欠陥であると単純に評価することはできない。しかも、欠陥数の測定を2回行う必要があることから、評価に時間がかかるという問題もある。
また、特許文献4,5には、実際に単結晶シリコンウェーハにMOSキャパシタを作製し、絶縁破壊電界強度を測定する方法が記載されている。しかしながら、この方法は実際にMOSキャパシタを作製する必要があることから工数が非常に多いばかりでなく、結晶欠陥と加工起因欠陥とを識別することが困難である。
さらに、特許文献6〜8には、光学的観察によって加工起因欠陥を検出する方法が記載されている。しかしながら、後述するように、特許文献6〜8に記載された方法では実際に加工起因欠陥を正しく検出することは困難である。
つまり、特許文献6には光散乱法によって各欠陥のサイズを検出し、検出されたサイズによって結晶欠陥であるか加工起因欠陥であるかを判定する方法が記載されている。しかしながら、結晶欠陥のサイズは結晶の育成条件によって大幅に変化するため、単に欠陥のサイズによって区別することは現実的でない。しかも、加工起因欠陥の中にはほとんど顕在化されていないものも含まれているため、単に光学的観察を行うだけでは、加工起因欠陥を検出することは実際には困難である。
また、特許文献7には、コンフォーカル光学系によるレーザー顕微鏡または暗視野顕微鏡によって、コロニー状の加工起因欠陥を検出する方法が記載されている。しかしながら、この方法では、コロニー状に集合した加工起因欠陥しか検出することができず、その他の欠陥については結晶欠陥であるか加工起因欠陥であるかを判定することができない。
さらに、特許文献8には、コンフォーカル光学系によるレーザー顕微鏡を用いて各種欠陥の形状などを特定し、これによって欠陥の種類を特定する方法が記載されている。しかしながら、この方法では欠陥の種類を特定するのに膨大な時間がかかるという問題がある。また、ピット状の加工起因欠陥についてはCOPとの区別が困難であるため、加工起因欠陥を正しく検出することができないという問題もある。さらに、上述の通り、加工起因欠陥の中には、ほとんど顕在化されていないものも含まれているため、このような加工起因欠陥については検出することができないという問題もある。
特開平11−145088号公報 特開2002−158271号公報 特開2008−153538号公報 特開平10−209238号公報 特開2005−216993号公報 特開2000−315714号公報 特開2002−76082号公報 特開2006−40961号公報
このように、加工起因欠陥を評価する従来の方法では、結晶欠陥と加工起因欠陥とを識別することが困難であったり、顕在化されていない微小な加工起因欠陥を検出することができないという問題があった。
したがって、本発明は、加工起因欠陥をより高感度に検出することが可能な単結晶シリコンウェーハの評価方法を提供することを目的とする。
本発明による単結晶シリコンウェーハの評価方法は、鏡面加工された単結晶シリコンウェーハの表面に、SiOよりもSiのエッチング速度が大きい条件でドライエッチングを施すことにより加工起因欠陥をピットとして顕在化させる第1の工程と、ドライエッチングされた前記表面に存在するピットの個数を計測する第2の工程と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、SiOよりもSiのエッチング速度が大きい条件でドライエッチングを施していることから、結晶欠陥については突起(凸型の欠陥)として顕在化し、加工起因欠陥についてはピット(凹型の欠陥)として顕在化する。このため、ピットの個数を計測することにより、加工起因欠陥だけを正しく検出することが可能となる。
前記第2の工程においては、前記表面に存在する突起の個数をさらに計測することが好ましい。これによれば、結晶欠陥についても正しく検出することが可能となる。
前記第2の工程は、前記表面に光を照射した場合の光散乱特性の違いに基づいてピットと突起とを識別することが好ましい。これによれば、ピットと突起とを簡単且つ確実に識別することが可能となる。
前記第2の工程は、前記表面に対して所定の入射角で光を照射した場合に、第1の反射角から検出される各欠陥のサイズと、前記第1の反射角とは異なる第2の反射角から検出される各欠陥のサイズとの比に基づいて、ピットと突起とを識別することが好ましい。これによれば、個々の欠陥の実体を一つずつ観察しなくても、ピットと突起とを一括して識別することが可能となる。
このように、本発明によれば、加工起因欠陥をより高感度に検出することが可能な単結晶シリコンウェーハの評価方法を提供することが可能となる。
本発明の好ましい実施形態による単結晶シリコンウェーハの評価方法を説明するためのフローチャートである。 ドライエッチングによって結晶欠陥が顕在化する様子を説明するための模式図であり、(a)はドライエッチング前の状態、(b)はドライエッチング後の状態を示している。 ドライエッチングによって加工起因欠陥が顕在化する様子を説明するための模式図であり、(a)はドライエッチング前の状態、(b)はドライエッチング後の状態を示している。 パーティクルカウンタの模式図である。 欠陥サイズの比L1/L2の分布の一例を示すグラフである。 実施例1の結果を示すグラフであり、(a)はドライエッチング前における結果、(b)はドライエッチング後における結果を示している。 (a)はSEMによって観察された突起の画像であり、(b)はSEMによって観察されたピットの画像である。 実施例2の結果を示すグラフであり、(a)はサンプルB1に対する結果、(b)はサンプルB2に対する結果を示している。 実施例3の結果を示すグラフである。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の好ましい実施形態による単結晶シリコンウェーハの評価方法を説明するためのフローチャートである。
図1に示すように、本実施形態による単結晶シリコンウェーハの評価方法は、結晶育成工程(ステップS1)及びウェーハ加工工程(ステップS2)を経て作製された単結晶シリコンウェーハに対して行われる。結晶育成工程(ステップS1)については特に限定されず、Cz法やフローティングゾーン法(Fz法)を用いることができる。ウェーハ加工工程(ステップS2)は、単結晶シリコンインゴットをスライスするスライス工程、ウェーハの外周部を面取りする面取り工程、ウェーハを平坦化するラッピング工程、機械的な加工歪みを除去するエッチング工程、表面を鏡面加工する研磨工程、異物や洗浄液などを除去する洗浄工程を少なくとも含む。
ウェーハ加工工程(ステップS2)においては、エッチング工程によって加工歪みがほぼ取り除かれ、研磨工程によって表面の凹凸が除去される。しかしながら、研磨工程において新たな加工起因欠陥が導入されることがある。本発明は、研磨工程において導入される加工起因欠陥を評価するものである。
本実施形態による単結晶シリコンウェーハの評価方法においては、まず、鏡面加工された単結晶シリコンウェーハの表面に、SiOよりもSiのエッチング速度が大きい条件でドライエッチングを施す(ステップS11)。ドライエッチングは、いわゆる反応性イオンエッチング(Reactive Ion Etching: RIE)を用いることが好ましく、エッチング速度比はSiOに対してSiが10倍程度大きい条件で行うことが好ましい。このような条件でドライエッチングを行うと、酸素析出物(SiO)からなる結晶欠陥がエッチングされずに、突起として顕在化する。その一方で、単結晶シリコンウェーハに含まれる加工起因欠陥がピットとして顕在化する。
図2はドライエッチングによって結晶欠陥が顕在化する様子を説明するための模式図であり、(a)はドライエッチング前の状態、(b)はドライエッチング後の状態を示している。
図2(a)に示すように、Cz法によって育成された単結晶シリコンウェーハ10には、COPなどのSiOを含む結晶欠陥11が含まれることがある。また、実際に顕在化していなくても、熱処理を行うことによって顕在化される酸素析出核が多数含まれている。これは、Cz法においては石英ルツボから溶融した酸素が単結晶内に過飽和に取り込まれるからである。このようなSiOを含む結晶欠陥11(又は未顕在の酸素析出核)が単結晶シリコンウェーハ10の内部に含まれている場合、SiOよりもSiのエッチング速度が大きい条件でドライエッチングを行うと、図2(b)に示すようにSiOを含む結晶欠陥11(又は未顕在の酸素析出核)を頂点とした突起として表面に顕在化する。
図3はドライエッチングによって加工起因欠陥が顕在化する様子を説明するための模式図であり、(a)はドライエッチング前の状態、(b)はドライエッチング後の状態を示している。
図3(a)に示すように、研磨工程によって導入された加工起因欠陥12は単結晶シリコンウェーハ10の表面10aに形成される。しかしながら、加工起因欠陥12は非常に微小であるため、この状態では検出困難なものも多数含まれる。このような加工起因欠陥12が存在する単結晶シリコンウェーハ10に対してSiOよりもSiのエッチング速度が大きい条件でドライエッチングを行うと、図3(b)に示すように加工起因欠陥12がピットとして表面に顕在化する。
ドライエッチングによって加工起因欠陥12がピットとして顕在化する理由については必ずしも明らかではないが、加工起因欠陥12が存在する箇所のSiは他の箇所のSiよりもエッチング速度が若干速くなるのが理由であると推測される。或いは、研磨時に単結晶シリコンウェーハ10の裏面とキャリアプレートとの間に異物が混入した場合、異物によって押される箇所が強く研磨される結果、当該箇所に僅かなピットが形成されることがある。このようなメカニズムで形成されたピットがドライエッチングによって増幅され、検出可能なサイズに顕在化するのも理由の一つであると推測される。
このようなドライエッチング(ステップS11)を行った後、パーティクルカウンタを用いて欠陥(Light Point Defect: LPD)の個数、個々のサイズ及び座標を測定する(ステップS12)。パーティクルカウンタは、より高感度なレーザーパーティクルカウンタを用いることが好ましい。パーティクルカウンタによって検出された欠陥(LPD)は、そのままでは突起であるのかピットであるのか判別が困難であるが、突起とピットでは光散乱特性が異なるため、その違いに基づいてピットと突起とを識別することが可能となる。
パーティクルカウンタによって評価される欠陥のサイズは、標準粒子(球状のポリスチレンラテックス)の直径と散乱光の強度との関係に基づき、校正された値である。例えば、図4に示すように、単結晶シリコンウェーハ10の表面10aに対して光源20から入射角θ0で光を照射した場合、反射角θ1の位置にある検出器21で検出されるサイズと、反射角θ2(>θ1)の位置にある検出器22で検出されるサイズとは、標準粒子を測定した場合には同じ値になる。しかし、実際の欠陥は球形ではないので、反射角θ1の位置にある検出器21から検出される欠陥のサイズと、反射角θ2(>θ1)の位置にある検出器22から検出される欠陥のサイズとは、同じ欠陥であっても異なるサイズとして検出される。具体的には、ドライエッチングによって形成される突起については反射角が大きいほど検出されるサイズが大きくなる傾向があり、逆に、ピットについては反射角が小さいほど検出されるサイズが大きくなる傾向がある。したがって、同じ欠陥を検出器21,22の両方から検出し、得られるサイズの比を算出すれば、当該欠陥が突起であるのかピットであるのか判別することが可能となる。つまり、反射角θ1の位置にある検出器21から検出された欠陥サイズをL1とし、反射角θ2の位置にある検出器22から検出された欠陥サイズをL2とした場合、L1/L2が所定のしきい値未満であれば突起であると判別することができ、L1/L2がしきい値以上であればピットであると判別することができる。実際にL1/L2の値をグラフ化すると、図5に示すように、あるしきい値を境として2つのボリュームゾーンが形成されることが多い。
しきい値となるL1/L2の具体的な値については使用する光学系によって異なる。このため、電子顕微鏡(SEM)などを用いて突起かピットか予め判明している複数の欠陥に対してL1/L2の値を評価し、これに基づいてしきい値となるL1/L2の具体的な値を定めればよい。
以上の原理により、個々の欠陥についてL1/L2の値を評価すれば、単結晶シリコンウェーハ10の表面10aに顕在化した結晶欠陥(突起)の数と、加工起因欠陥(ピット)の数を知ることが可能となる(ステップS13)。但し、本発明において結晶欠陥(突起)の数を実際に計算することは必須でなく、少なくとも加工起因欠陥(ピット)の数が得られれば足りる。また、ドライエッチング(ステップS11)中に発生する反応生成物がウェーハに付着して、その部分のエッチングを阻害することによっても突起が形成されることがあるが、これらも突起として検出されることから、加工起因欠陥の評価に与える影響はほとんどない。
以上が本実施形態による単結晶シリコンウェーハの評価方法である。このように、本実施形態によれば、ドライエッチングによって加工起因欠陥を顕在化させていることから、従来の方法と比べて正確且つ簡単に加工起因欠陥の評価を行うことが可能となる。したがって、加工起因欠陥の原因である研磨工程の条件を得られた評価結果に基づいて見直せば、より高品質な単結晶シリコンウェーハを提供することが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、上記実施形態では、ドライエッチングにより顕在化したピットの検出方法として、パーティクルカウンタを用いた光散乱特性の違いを利用しているが、本発明がこれに限定されるものではない。したがって、ドライエッチングにより顕在化したピットの検出方法としては、他の方法、例えば、コンフォーカル光学系によるレーザー顕微鏡を用いても構わないし、SEMを用いても構わない。但し、レーザー顕微鏡を用いた方法では解像度が低いことから突起とピットの判別が必ずしも容易ではないという問題があり、しかも、非常に微小なピットについては認識できないおそれもある。一方、SEMを用いた方法では、突起とピットの判別は容易であるものの、一度に観測できるエリアが極めて狭いことから、ウェーハ全面を評価するためには膨大な時間を必要とする。これらの問題を考慮すれば、上記実施形態のように僅か数分間でウェーハ全面のLPDを評価できるパーティクルカウンタを用い、光散乱特性の違いを利用してピットを検出することが最も好ましい。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこの実施例に何ら限定されるものではない。
直径300mm、厚み775μmの単結晶シリコンウェーハを用意し、その表面に厚さ4μmのエピタキシャル層を形成した。エピタキシャル層には酸素が含まれていないので、SiOを含む欠陥は存在しない。また、エピタキシャル層の表面に研磨を施す前は、加工起因欠陥も存在しない。次に、上記エピタキシャルウェーハに対して研磨を行い、エピタキシャル層を0.5μm研磨除去し、サンプルA1とした。
次に、洗浄を行った後、KLAテンコール社製のレーザーパーティクルカウンターSP1-TBI(商品名)のDark Field Wide Oblique(DWO)モードで65nm以上のLPD(欠陥)の座標、サイズ、個数を評価した。同時に、Dark Field Narrow Oblique(DNO)モードでもLPDの座標、サイズ、個数を評価した。DWOモードは相対的に大きい反射角から検出を行うモードであり、DNOモードは相対的に小さい反射角から検出を行うモードである。評価の結果、検出されたLPD数は50個であった。
次に、同じサンプルA1に対して、SiOよりもSiのエッチング速度が大きい条件でドライエッチングを行った。エッチング雰囲気は、HBr/Cl/He+O混合ガス雰囲気とし、エピタキシャル層を0.2μmエッチングした。そして、洗浄を行った後、再びDWOモード及びDNOモードで65nm以上のLPDの座標、サイズ、個数を評価した。評価の結果、検出されたLPD数は1188個であった。
検出されたLPD数が増加したのは、ドライエッチングによって加工起因欠陥が顕在化したためであると考えられる。また、ドライエッチング中に生じた反応生成物が表面に付着し、エッチングのマスクとなって突起が形成されたことも原因の一つであると考えられる。
次に、DNOモードで得られたLPDサイズとDWOモードで得られたLPDサイズとの比(=DNO/DWO)を求め、ドライエッチングの前後についてヒストグラムを作成した。ドライエッチング前における結果を図6(a)に示し、ドライエッチング後における結果を図6(b)に示す。
図6(a)に示すように、ドライエッチング前においてはサイズ比(DNO/DWO)が全て1.3未満であるのに対し、ドライエッチング後においてはサイズ比(DNO/DWO)が1.3以上のLPDが多数検出された。サイズ比(DNO/DWO)が1.3未満のLPDについてもドライエッチング前と比べて増大した。
次に、SEMを用いていくつかのLPDの形状を実際に観察した。その結果、サイズ比(DNO/DWO)が1.3未満であるLPDの97%は突起であり、サイズ比(DNO/DWO)が1.3以上であるLPDの98%はピットであった。図7(a)はSEMによって観察された突起の画像であり、図7(b)はSEMによって観察されたピットの画像である。図7(a),(b)とも、図面の右側から電子線を照射していることから、右側が明るければ突起であり、逆に、左側が明るければピットであると判断することができる。
以上により、そのままの状態では顕在化されていない加工起因欠陥がドライエッチングによって顕在化することが確認された。そして、レーザーパーティクルカウンターで検出されたLPDのサイズ比(DNO/DWO)によって、加工起因欠陥をドライエッチングの反応生成物起因の突起と区別して評価できることが確認された。
直径300mm、厚み775μmの単結晶シリコンウェーハを2枚用意し、その表面に結晶欠陥も加工起因欠陥もほとんど含まれていない厚さ4μmのエピタキシャル層を形成した。これら2枚のウェーハの一方をサンプルB1とした。次に、他方のウェーハに対して研磨を行い、エピタキシャル層を0.5μm研磨除去し、これをサンプルB2とした。
次に、サンプルB1,B2に対して、コンフォーカル光学系によるレーザー顕微鏡でLPD数を計測した。その結果、検出されたLPD数は、表1参考例に示すとおり、サンプルB1では18個、サンプルB2では257個であった。
次に、サンプルB1,B2に対して、実施例1と同様の条件でドライエッチングを行った。そして、洗浄を行った後、実施例1と同様にDWOモード及びDNOモードで65nm以上のLPDの座標、サイズ、個数を評価した。評価の結果、検出されたLPD数は、表1に示すとおり、サンプルB1では225個、サンプルB2では1641個であった。
ここで、サンプルB1に対しては研磨を行っていないことから、検出されたLPDには、ドライエッチングの反応生成物起因の突起しか実質的に含まれないはずである。これに対し、サンプルB2に対しては研磨を行っていることから、検出されたLPDには、加工起因欠陥及びドライエッチングの反応生成物起因の突起の2種類が含まれるはずである。したがって、サンプルB1から検出されたLPD数(225個)とサンプルB2から検出されたLPD数(1641個)との差は、加工起因欠陥によるものであると考えることができる。
本発明の方法では、コンフォーカル光学系によるレーザー顕微鏡よりも、検出されるLPD数がはるかに多く、感度が高いことが分かった。
次に、実施例1と同様にして、DNOモードで得られたLPDサイズとDWOモードで得られたLPDサイズとの比(=DNO/DWO)を求め、ヒストグラムを作成した。サンプルB1に対する結果を図8(a)に示し、サンプルB2に対する結果を図8(b)に示す。
図8(a)に示すように、研磨を行っていないサンプルB1についてはサイズ比(DNO/DWO)が全て1.3未満であるのに対し、研磨を行ったサンプルB2についてはサイズ比(DNO/DWO)が1.3以上のLPDが多数検出された。
実施例1にて得た知見の通り、サイズ比(DNO/DWO)が1.3未満であるLPDのほとんどはドライエッチングの反応生成物起因の突起であり、サイズ比(DNO/DWO)が1.3以上であるLPDのほとんどは加工起因欠陥を示すピットである。したがって、研磨を行っていないサンプルB1においては、加工起因欠陥が実質的に検出されなかったのに対し、研磨を行ったサンプルB2においては、多数の加工起因欠陥が検出された。以上により、ドライエッチングの反応生成物起因の突起の影響をほとんど受けることなく、研磨によってどの程度の加工起因欠陥が導入されたのかを正しく評価できることが確認された。
Cz法を用い、結晶の引上げ速度Vとシリコン単結晶内の成長方向における温度勾配Gの比を制御して、COPも転位クラスターも含まない直径300mmのシリコン単結晶インゴットを育成した。次に、このシリコン単結晶インゴットをスライスし、面取り、ラッピング、エッチング及び研磨工程を行うことによって単結晶シリコンウェーハのサンプルC1を作製した。研磨工程における研磨条件は、実施例2と同じとした。サンプルC1には、エピタキシャル層がないので、表面にも内部にも微小な酸素析出物(結晶欠陥)が含まれており、研磨を施したのでウェーハ表面に加工起因欠陥も存在している。
次に、サンプルC1に対して、実施例1,2と同様の条件でドライエッチングを行った。そして、洗浄を行った後、実施例1,2と同様にDWOモード及びDNOモードで65nm以上のLPDの座標、サイズ、個数を評価した。そして、実施例1,2と同様にして、DNOモードで得られたLPDサイズとDWOモードで得られたLPDサイズとの比(=DNO/DWO)を求め、ヒストグラムを作成した。結果を図9に示す。
図9に示すように、サイズ比(DNO/DWO)が1.3未満の領域と、サイズ比(DNO/DWO)が1.3以上の領域にそれぞれボリュームゾーンが形成された。サイズ比(DNO/DWO)が1.3未満のLPDの中には、実施例1、2で述べたように、ドライエッチングの反応生成物起因の突起が数百個程度は含まれていると推測されるが、サンプルC1で検出されたサイズ比(DNO/DWO)が1.3未満のLPDの個数は、二桁以上多いので、サンプルC1で検出されたサイズ比(DNO/DWO)が1.3未満のLPDの大部分は、結晶欠陥、すなわち、微小な酸素析出物に起因した突起である。サイズ比(DNO/DWO)が1.3以上のLPDは研磨によって導入された加工起因欠陥である。また、サイズ比(DNO/DWO)が1.3以上である加工起因欠陥の分布は図8(b)とほぼ同じであった。これは、実施例2と実施例3とで研磨条件が同じであるため、同じ量の加工起因欠陥が導入されたためであると考えられる。このように、微小な酸素析出物を含む単結晶シリコンウェーハであっても、加工起因欠陥を結晶欠陥と識別して評価できることが確認された。
10 単結晶シリコンウェーハ
10a 単結晶シリコンウェーハの表面
11 SiOを含む結晶欠陥
12 加工起因欠陥
20 光源
21,22 検出器

Claims (4)

  1. 鏡面加工された単結晶シリコンウェーハの表面に、SiOよりもSiのエッチング速度が大きい条件でドライエッチングを施すことにより加工起因欠陥をピットとして顕在化させる第1の工程と、
    ドライエッチングされた前記表面に存在する前記ピットの個数を計測する第2の工程と、を備えることを特徴とする単結晶シリコンウェーハの評価方法。
  2. 前記第2の工程においては、前記表面に存在する突起の個数をさらに計測することを特徴とする請求項1に記載の単結晶シリコンウェーハの評価方法。
  3. 前記第2の工程は、前記表面に光を照射した場合の光散乱特性の違いに基づいて前記ピットと前記突起とを識別することを特徴とする請求項1又は2に記載の単結晶シリコンウェーハの評価方法。
  4. 前記第2の工程は、前記表面に対して所定の入射角で光を照射した場合に、第1の反射角から検出される各欠陥のサイズと、前記第1の反射角とは異なる第2の反射角から検出される各欠陥のサイズとの比に基づいて、前記ピットと前記突起とを識別することを特徴とする請求項3に記載の単結晶シリコンウェーハの評価方法。
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