JP5521063B2 - 無線通信装置の符号化及び変調方法、並びに復号方法 - Google Patents

無線通信装置の符号化及び変調方法、並びに復号方法 Download PDF

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Description

本発明は、無線伝搬路を介してデータの送受信を行う無線通信装置の符号化及び変調方
法、並びに、復号方法に関する。
移動通信などの無線通信方式として、符号化方式及び、変調方式を適切に組み合わせて効率の良い、即ち、理論的な限界であるシャノン限界にいかに肉薄した通信を実現するかという課題への取り組みが、長年にわたり盛んになされてきた。このために、特性の良い符号化(誤り訂正符号化)方式が採用されてきており、1990年代中頃に登場したCDMA(符号分割多元接続)方式のIS-95標準では、拘束長9 (K=9)の畳み込み符号とビタビ復号を用いることで低SNR(信号対雑音電力比)における通信を実現し、システム容量を飛躍的に増大させたことは周知の通りである。更に、第三世代移動通信IMT-2000及び、その改良システムであるHSPA (High Speed Packet Access)、EV-DO等では、誤り訂正符号化方式としてターボ符号化及び繰り返し復号を採用している。更に、次世代システムではLDPC (Low Density Parity Check)符号などの採用も検討されている。これらのIMT-2000の改良システムでは、高速データ通信を実現するために多値変調方式が採用されている。多値変調の方式としては、8PSK, 16QAM, 64QAMなどが規定されており、1シンボルで伝送できるビット数は、それぞれ、3, 4, 6ビットとなる。これら複数のビットを復調する際に、より多くの情報量を引き出すために、ビットの割り当て(マッピング)方法としてGrayマッピングが採用されている。Grayマッピングは、図29(a), 図29(b)に示すように、隣接する信号点(シンボル)間では1ビットのみが異なるようにビットの割り当て(マッピング)を行ったものであり、復調器(デマッパ)単体で取り出すことのできる情報量が最大となるという特徴があるため、広く採用されている。
以上のアプローチは、変調に対する復調処理と符号化に対する複号処理をそれぞれ独立に特性を追求するアプローチといえる。これに対して、BICM-ID (Bit Interleaved Coded Modulation with Iterative Decodingという技術(〔非特許文献1〕が提唱され、注目を浴びている。BICM-IDは、変調に対する復調処理と、符号化に対する復号処理とを繰り返して実行し、一方の処理結果を次回の他方の処理で参照するという、いわゆるターボ信号処理方式を、復調処理、復号処理を含めた形で実行するというものである。BICM-ID技術によれば、〔非特許文献2〕に示されるように、符号化方式、および、変調方式における各々単体の特性を改善するのではなく、両者の特性の整合(マッチング)をとることで優れた特性が実現できることが明らかとなってきた。
〔非特許文献2〕によれば、符号化方式として拘束長3 (K=3)、符号化率1/2 (R=1/2)の畳み込み符号を用いた場合、Grayマッピングよりも単体としては特性の劣る変調方式であるMSP (Modified Set Partitioning、図30) と呼ばれるマッピング方式を採用した場合、BICM-IDとしては、Grayマッピングを採用する場合よりも格段に優れた特性を発揮することを明らかにしている。また、〔非特許文献3〕によれば、符号化方式として拘束長2 (K=2)、符号化率1/2 (R=1/2)の畳み込み符号を採用し、変調方式としては図32に示す拡張マッピング(extended mapping)と呼ぶ、本来マッピング可能なビット数よりも多くのビットを割り当てる特殊なマッピングを組み合わせたBICM-IDにより、優れた特性が得られることを明らかにしている。なお、これら〔非特許文献2〕、〔非特許文献3〕に示されるBICM-ID方式が優れた特性を発揮することは、〔非特許文献4〕で提唱されたEXIT (Extrinsic Information Transfer) 解析を用いてそれぞれの文献中で説明されている。
一方で、前述のLDPC符号など、単体としても優れた特性を持つ符号を用いたBICM-ID方式が〔非特許文献5〕等で示されている。
X. Li and J. A. Ritcey, "Bit-interleaved coded modulation with iterative decoding," IEEE Communications Letters, vol.1, pp. 169171, 1997 F. Schreckenbach, N. Gortz, J. Hagenauer and G. Bauch, "Optimized Symbol Mappings for Bit-Interleaved Coded Modulation with Iterative Decoding," IEEE GLOBECOM 2003, pp.3316-3320, 2003. P. Henkel, "Extended Mappings for Bit-Interleaved Coded Modulation," IEEE PIMRC 2006 S. ten Brink, "Convergence Behavior of Iteratively Decoded Parallel Concatenated Codes," IEEE Transactions on Communications, Vol. 49, No. 10, pp.1727-1737, October 2001 S. ten Brink, G. Kramer, and A. Ashikhmin, "Design of Low-Density Parity-Check Codes for Modulation and Detection," IEEE Transactions on Communications, Vol.52, No.4, April 2004
〔非特許文献2〕、〔非特許文献3〕に示される畳み込み符号化は、拘束長が3もしくは2と短く、符号単体としては前記IS-95に採用された畳み込み符号よりも特性が悪いのである。また、〔非特許文献2〕で示される変調方式MSPは単体ではGrayマッピングよりも特性が劣る。更には、〔非特許文献3〕で採用されている拡張マッピング(Extended Mapping)に至っては、雑音が全く無い場合であっても、復調器(デマッパ)単体では各ビットを誤り無く復調することすら不可能な変調方式である。それにも関わらず、これらの方式が優れた特性を発揮するのは、それぞれの文献で示されているEXIT (Extrinsic Information Transfer)チャートからわかるように、復調器(デマッパ)、及び、復号器のEXITカーブがよく整合し、BICM-IDの繰り返し処理の結果、収束する点である復調器のEXITカーブと復号器のEXITカーブとの交差点における相互情報量がほぼ1であることから説明される。
〔非特許文献2〕に示されるEXITチャート(図31)を説明する。ここで説明する例は、符号化方式として拘束長3、符号化率1/2 (R=1/2)の畳み込み符号化を、変調方式としてMSPマッピングとがなされた16QAM多値変調を採用した例である。EXITカーブ2300が複号器のEXITカーブ、EXITカーブ2302が復調器のEXITカーブである。横軸は復調器に入力される相互情報量、縦軸は復調器が出力する相互情報量である。BICM-ID方式では、復調と複号とを繰り返すため、それぞれ、横軸は複号器が出力する相互情報量、縦軸は複号器に入力される相互情報量に等しい。折れ線2304は復調と複号とを繰り返すことで相互情報量が1に近づくことを示している。すなわち、復調器は最初約0.37の相互情報量の情報を複号器に出力し、複号器はその情報を復号することで、約0.41の相互情報量の情報を復調器に出力する。この繰り返しにより複号器が出力する相互情報量(横軸)が1に収束していることが分かる。なお、参考までに変調方式としてGrayマッピングを採用した場合の復調器のEXITカーブがEXITカーブ2306である。この場合は、復調器が出力する相互情報量はほぼ一定であり、BICM-ID方式では効果がない。
〔非特許文献3〕に示されるEXITチャート(図33)も同様である。ここで説明する例は、符号化方式として拘束長2、符号化率1/2 (R=1/2)の畳み込み符号化を、変調方式として図32に示す拡張マッピングとがなされた16QAM多値変調を採用した例である。EXITカーブ2500が複号器のEXITカーブ、EXITカーブ2502が復調器のEXITカーブである。横軸は復調器に入力される相互情報量、縦軸は復調器が出力する相互情報量である。図31と同様に、折れ線2504は復調と複号とを繰り返すことで相互情報量が1に近づくことを示している。
一方、図31, 図33のEXITチャートからは、復調器のEXITカーブと復号器のEXITカーブとの間に、交差点以外の場所で少なからず開きがあることがわかる。復調器のEXITカーブと復号器のEXITカーブとの間の面積は、伝送レートの損失に対応することが知られており、この面積が0に近づくことが、即ち伝送レートが変調信号のコンスタレーション制約におけるシャノン限界に近づくことを意味する。これは、次のように理解できるであろう。すなわち、復調器のEXITカーブと復号器のEXITカーブに開きがあることは、復調器(複号器)から複号器(復調器)に入力される情報が、冗長な情報を多く含むことによって相互情報量が大きく向上できることに対応する。言い換えれば、伝送レートは低くなる。この観点から、〔非特許文献2〕、〔非特許文献3〕のBICM-ID方式よりも伝送レートの損失の小さなBICM-ID方式が望まれる。従って、本発明の第一の目的は、伝送レート損失が小さいBICM-ID方式を提供することにある。
また、〔非特許文献5〕に示されるBICM-ID方式は、LDPC符号の特性の良さを引き継いでおり、極めて伝送レートの損失が少ないことがEXITチャートを用いて示されている。しかしながら、LDPC符号等の強力な符号を用いるため、復号器の処理量が大きくなる欠点があった。従って、本発明の第二の目的は、復号器の処理量が小さいBICM-ID方式を提供することにある。
上記目的を達成するために、送信側無線通信機では、最も単純な符号とされる繰り返し符号を基本とした符号により符号化を行い、符号化された各ビットの順番を入れ替えるインタリーブ処理を経て非Grayマッピング、例えば、拡張マッピング(Extended Mapping)による多値変調を施して送信する。また、受信側無線通信機では、上記、マッピングに対応した復調処理(デマッパ処理)を行い、復調結果をデインタリーブし、上記、繰り返し符号を基本とした符号の復号処理を行った結果を再度インタリーブし、前記、復調処理は、インタリーブされた復号処理結果を参照して実行することでBICM-ID方式を構成する。
拡張マッピングは、lビットからmビット(m<l)へのビット数削減処理と非Grayマッピングによって構成され、ビット数削減処理は、1シンボルにマッピングされる所定数のビットの少なくとも一つのビットは、インタリーブされた複数のビットから決定されるようにすると同時に、所定数のビットの少なくとも一つのビットはインタリーブされたビットの一つのみから決定されるようにする。このとき、インタリーブされた複数のビットの各ビットは、特定の1シンボルの特定の1ビットの決定にのみ使用され、非Grayマッピングされる他のビットには影響を与えないように構成することが望ましい。
複号化方式と復調方式とのEXITカーブの整合(マッチング)を良くすることにより、伝送速度の損失をより小さくすることができる。これにより、シャノン限界により近い伝送を実現できる。
また、別の側面では、符号化において繰り返し符号を基本としているため、復号器の処理量を小さくすることができる。
さらに、別の側面では、非Grayマッピングの復調処理と、ビット数削減処理に関する復調処理を分離して行うことができ、拡張マッピングの復調処理を低減することができる。これにより、多値数の大きな変調方式を用いた場合にも拡張マッピングの復調処理におけ
る処理量の増大を少なく抑えることができる。
本発明の送信側無線通信機の構成、受信側無線通信機の構成、アンテナ、および、無線伝搬路の関係を示す図である。 第一の実施例の送信側無線通信機の構成を説明する図である。 変調器の構成を説明する図であり、図3(a)は16QAM(l=8)、図3(b)は64QAM(l=12)、図3(c)は256QAM(l=16)の例である。 図4(a)(b)は、変調器の第一のマッピングの例を示す図である。 図5(a)(b)は、変調器の第二のマッピングの例を示す図である。 図6(a)(b)は、変調器の第三のマッピングの例を示す図である。 第一の実施例の復号処理の構成を示す図である。 ビット削減処理デマッパの構成を示す図である。 第一の実施例の復号処理手順を示す図である。 第一の実施例の復号処理手順を示す図である。 第一の実施例の復号処理手順を示す図である。 第一の実施例の復号処理手順を示す図である。 第一の実施例の復号処理手順を示す図である。 第二の実施例の送信側無線通信機の構成を説明する図である。 第二の実施例の復号処理の構成を示す図である。 第三の実施例の送信側無線通信機の構成を説明する図である。 第三の実施例の復号処理の構成を示す図である。 第三の実施例の復号器の処理手順を示す図である。 第四の実施例の送信側無線通信機の構成を説明する図である。 第四の実施例の符号化器の処理手順を説明する図である。 第四の実施例の復号処理の構成を示す図である。 第四の実施例のEXITチャートを示す図である。 第四の実施例のEXITチャートを示す図である。 第四の実施例のEXITチャートを示す図である。 第四の実施例のEXITチャートを示す図である。 第四の実施例のEXITチャートを示す図である。 第四の実施例の符号化方式の例を示す図である。 第四の実施例の伝送レートを示す図である。 従来の技術のGrayマッピング方式を示す図であり、図29(a)は8PSK Grayマッピング、図29(b)は16QAM Grayマッピングの例である。 従来の技術の非Grayマッピング方式を示す図である。 〔非特許文献2〕によるBICM-ID方式のEXITチャートを示す図である。 〔非特許文献3〕の拡張マッピング方式を示す図である。 〔非特許文献3〕によるBICM-ID方式のEXITチャートを示す図である。
図1に本発明の通信システムを示す。送信側無線通信機1において、情報ビットを繰り返し符号ベースの符号化器10で符号化し、インタリーバ11で符号化器10から出力される符号語内のビット順序の入れ替えを行い、変調器12で変調を行ってアンテナから送信する。一方、受信側無線通信機2では、アンテナで受信された信号をデマッパ13で復調し、デインタリーバ14でインタリーバ11の逆処理によりビット順序を元に戻し、繰り返し符号ベースの符号の復号器15で復号する。復号器15で復号された信号は、再度、デインタリーバ14の逆処理を行うインタリーバ16を介してデマッパ13に供給され、デマッパ13は、復号器から供給された情報を元にさらに精度の良い復調結果を出力する。このように、デマッパ13、デインタリーバ14、復号器15、インタリーバ16の処理を繰り返して行うことにより、BICM-IDを構成する。
図2に第一の実施例の送信側無線通信機の構成を示す。符号化器10は、単純な繰り返し処理のみを行うビット複製器20から構成され、入力された情報ビットは、dvビットに複製されてインタリーバ11、変調器12を介して送信される。
図3に変調器(マッパ)12の構成例を示す。図3(a)〜(c)に示す変調器12は、拡張マッピングを行う変調器の例である。図3(a)は8ビットの符号語を16シンボルにマッピングする例(16QAM(l=8))、図3(b)は12ビットの符号語を64シンボルにマッピングする例(64QAM(l=12))、図3(c)は16ビットの符号語を256シンボルにマッピングする例(256QAM(l=16))である。それぞれ、ビット削減処理マッパ30-1, 30-2, 30-3、および、変調器(マッパ)31-1, 31-2, 31-3から構成される。さらに、図3(c)の変調器ではI, Q信号を複素平面上でマッピングするための直交変調器を有している。変調器12では、ビット削減処理を行うサブマッパ30-1, 30-2, 30-3により所定の規則に従いビットを削減する。16QAM (l=8)の例では、ビット削減処理マッパ30-1にd0〜d7の8ビットが入力され4ビットが出力される。この際、d0, d1, d2の3ビットの排他的論理和(ExOR)、d3, d4の2ビットの排他的論理和、d5, d6の排他的論理和、および、d7そのものを出力する。この時、d7をそのまま出力することは受信側復調処理において、復号器からのフィードバック情報が無い初回の処理においてもある程度の情報を得るために必須である。64QAM(l=12),256QAM(l=16)の例についても同様であり、64QAMの例では12ビットを6ビットに削減、256QAMの例では、16ビットを2セットの8ビットに分けそれぞれを4ビットに削減している。
図3において、ビット削減処理マッパ30は、インタリーブされた符号語ビット(図3(a)の例では、d0〜d7)を以下の2つの規則にしたがってビット削減処理を行い、削減ビット(図3(a)の例では、m0〜m3)を得る。
(1)符号語ビットの少なくとも1ビットは、ビット数を削減するための他のビットと演算することなくそのまま変調を行う。図3の例では、16QAM(l=8)のビット”d7”、 64QAM(l=12)のビット”d11”等がこれに該当する。
(2)削減ビットはそれぞれ異なるインタリーブされた符号語の演算によって得る。図3(a)では、d0〜d2のビットはm0にのみ、d3〜d4のビットはm1にのみ、d5〜d6のビットはm2にのみ、d7のビットはm3にのみ用いられ、各インタリーブされた符号語の同じビットが複数の削減ビットを得るための演算に用いられることはない。
図3(a)〜(c)に示したビット削減処理は、この2つの規則にしたがっており、その限りで様々な変形が可能である。規則(1)(2)の意味については後述する。
ビット削減処理マッパ30-1, 30-2, 30-3から出力される削減ビットは変調器(マッパ)31-1, 31-2, 31-3に供給され、変調される。ここで、変調器(マッパ)31-1, 31-2, 31-3の変調処理は、前記Grayマッピングではなく、非Grayマッピングによる変調を行う。なお、本出願においては、「非Grayマッピング」とは「Grayマッピング」ではないという意味で用いている。非Grayマッピングを使う理由は、受信側で繰り返し復号処理を行うためであり、前述のEXITチャートにおいて収束点となるようにする、事前情報がほぼ完全、即ち、復調対象のビット以外のビットが全て確定している状況において出力される情報量が大きくなるようにするためである。
図3(a)の16QAM(l=8)の例では、非Grayマッピングとして例えば図4(a)に示すMSEW (Maximum Squared Euclidean Weight)と呼ばれるマッピング(〔非特許文献2〕)を用いることができる。ビットの削減は、例えば図4(b)に示すようにすると良い。また、64QAM(l=12)の例では、図5(a)のマッピングを用いることができる。図5(a)のマッピングには規則性が見出せないが、ビットの削減を例えば図5(b)に示すようにし、EXITカーブの右端で大きな情報量が得られるように探索した結果、得られたマッピングである。図3(c)の256QAM(l=16)の例では、直接QAMにマッピングをするのではなく、非Grayマッピングの16ASKのマッパ31-3でI, Qそれぞれを変調した後、I+jQ演算処理32によってQAMシンボルを生成している。非Gray 16ASKとしては、図6(a)に示すマッピングを使用することができる。図6(a)のマッピングも探索により得られたものであり、特に規則性は無い。各ビットの対応は、例えば図6(b)に示すようにすると良い。
次に、第一の実施例における受信側無線通信機2における処理について図7を用いて説明する。デマッパ13はQAMデマッパ40とビット削減処理デマッパ41で構成される。また、デインタリーバ14、インタリーバ16を介して復号器15(変数ノードデコーダ)に接続される。前述の通り、デマッパ、デインタリーバ、デコード、インタリーブの処理を繰り返して行うことで復号処理が実施される。ビット削減処理デマッパ41はチェックノードデコーダで構成できる。図8の例は、前記ビット削減処理マッパ30-1および30-3に対応した構成例である。
受信された信号は、まず、図9に示すように、受信信号900、及び、事前(アプリオリ)情報902を用いてQAM復調処理を行い、外部情報904を出力する。この際、あるビットの外部情報を算出する場合には、同一シンボルの当該ビット以外のビット(m-1ビット)の事前情報と受信信号を用いて、外部情報を算出する。外部情報は、対数尤度比:LLR(Log Likelihood Ratio)の形式で出力するのが一般的である。LLRは、当該ビットが0である確率と1である確率の比の対数表現であり、(数1)で表すことができる。
Figure 0005521063
なお、P(b=0)はbが0である確率、P(b=1)はbが1である確率を意味する。
同一シンボルの他のビットも同様に復調し、1受信シンボルからmビット分のLLRを算出して出力する。繰り返しの初回においては、復号器15からの事前情報は得られないので、LLRを0とする。
1受信シンボルにつきmビット分のLLRは、図10(a)に示すように、ビット削減処理デマッパ41に事前情報として供給し、デコード処理を行う。図3に示したビット削減処理マッパ30-1, 30-2, 30-3に対応するデコーダは、チェックノードデコーダ(図10(b))で構成される。チェックノードデコーダは、QAMデマッパ40から供給される事前情報1000及びインタリーバ16から供給される事前情報1002を用いて、デコード対象のビットの外部情報1004を出力する。この際、インタリーバ16から供給される当該ビットについてのLLRは演算に用いず、インタリーバからのその他のビットの事前情報入力(l-1)ビット1002、及びQAMデマッパ40から外部情報として出力され、事前情報として供給されているmビット1000について(数2)に示す演算を行うことで外部情報1004を算出する。
Figure 0005521063
但し、
Figure 0005521063
Figure 0005521063
本処理は、LDPC符号の復号方式として知られるSum-Productアルゴリズムのチェックノードデコーダ処理と同じである。
より具体的には、図4(b)に示したビット削減処理マッパ30-1に対応するビット削減処理デマッパにおいて、d0に関する外部情報の算出には、m0, d1, d2について上記の(数2)の演算を行う。同様にd4に関する外部情報の算出には、m1, d3の事前情報について(数2)の演算を行う。d7についての外部情報としては、m3についての事前情報をそのまま出力する。ここで、d7についてはビット削減の影響を受けないことは、本発明を実施するうえで極めて重要である。すなわち、繰り返し初回においては、インタリーバ16からは事前情報が供給されない(LLRが0)ので、インタリーバ16からの事前情報なしに外部情報を出力できるd7が存在しなければ、(数2)の処理の結果が0となってしまい、復調結果が復号器15に供給されなくなってしまう。このように、ビット削減処理マッパ30-1の場合は、初回処理においてd7のみの復調結果が復号器に供給されることになる。
以上の処理により、デマッパ13からは一シンボルにつき、lビットの外部情報が算出され、デインタリーバ14に供給される。デインタリーバで順序を入れ替えられた外部情報は、復号器15に事前情報として供給される。復号器15は、送信側符号化器10であるビット複製器20に対応した処理によりデコード処理を行う。ビット複製器20が1ビットをdvビットに複製する処理をするとすると、図11に示すように同一信号に対するdv個のLLRが事前情報としてデインタリーバ14より得られるので、デコード処理は(数5)に示す変数ノードデコーダ(Variable Node Decoder)処理となる。
Figure 0005521063
本処理は、LDPC符号の復号方式として知られるSum-Productアルゴリズムの変数ノードデコーダ処理と同じである。この場合も、前記チェックノードと同様、外部情報の算出対象とするビット以外のビットについての外部情報のみを演算することになるので、dv-1ビット分の事前情報から1ビット分の外部情報を算出する(数5)の演算をdv回実施することで、各複製ビットに対する外部情報を算出する。
変数ノードデコーダで算出された1ビットにつきdv個の外部情報は、インタリーバ16を介して、再度ビット削減処理デマッパ41に供給される。ビット削減処理デマッパ41は、前述の通りチェックノードデコーダで構成され、図12(a)に示すようにlビット分の事前情報1200から、mビット分の外部情報1202を算出する。より具体的には、図12(b)に示すようにビット削減処理の際にExOR演算が実施された複数ビットの事前情報1204について(数2)の演算を行う。図4(b)のビット削減処理マッパ30-1の場合は、m0についての外部情報の算出には、d0, d1, d2の事前情報を用いる。m1については、d3, d4を演算、m3についてはd7についての事前情報をそのまま出力する。以上により得られた1シンボルにつきmビット分の外部情報は、QAMデマッパ40に供給され、先に述べた図9のQAM復調処理を実施する。
以上、図9〜12の処理を繰り返し実施し、処理が収束するに足る回数の繰り返しの後、復号器15は図13に示す処理にて各変数ノードの復号結果を算出する。復号結果は、事後確率のLLRによって得られるので、dvビット全ての事前情報を(数5)により演算し、1ビットの情報ビット出力を得る。
以上、第一の実施例によれば、単純な繰り返し符号化と拡張マッピングを組み合わせただけの極めて単純な構成でBICM-IDを構成することができる。前述の通り、BICM-IDにおいて重要なのは、EXITカーブの整合性である。第一の実施例で使用した符号である繰り返し符号のEXITカーブは、基本的に右上がり下凸の形状となる(図22〜26の破線参照)。従って、BICM-IDに於いて繰り返し符号に対して整合の良い変調方式は、やはり右上がり下凸の形状となる。
図3に示したビット削減処理マッパと非GrayマッピングによるQAMマッパで構成された変調器12は、図22〜26の実線に示すように右上がり下凸の形状を持ち、繰り返し符号化と組み合わせることで、レート損失の少ないBICM-IDを構成することができる。右上がり下凸の形状をもつ変調方式としては、多値数の大きな非GrayマッピングによるQAMを低SNR領域で使用することでも実現できる。この場合、1シンボル当たりに本来伝送できるビット数の2倍程度のビット数をマッピングした変調方式とすると、繰り返し符号のEXITカーブとよく整合する。
しかしながら、例えばSNR=20dB程度の環境では、理論的には1シンボル当たり6ビットの伝送が可能であるから、EXITカーブが右上がり下凸の形状となるようにするためには、12ビット程度を1シンボルにマッピングする必要がある。すると、本来64(=2^6)QAMで伝送可能なビット数の伝送に4096(=2^12)QAMという非現実的な変調方式を用いる必要があり、実際的ではない。64QAMに12ビットをマッピングする拡張マッピングによってもほぼ同じ形状のEXITカーブをえることができるが、好ましい形のEXITカーブを得るためには〔非特許文献3〕に示されるような探索によってマッピングを設計する必要がある。探索によって得られるマッピングは規則性が無く、デマッパにおける復調処理は4096通りの全ての可能性について確率演算を行う必要があり、処理量が極めて大きくなる。図3(c)に示した256QAM (l=16)の変調方式を用いた場合、やはり、12ビットを256QAMにマッピングしているが、I, Qの直交性により、I, Qを分離し、2つの16ASKの復調処理に変換している。ビット削減マッパ30-3と非Gray 16ASKマッパ31-3をあわせて考えれば、拡張マッピングになっているためI, Qそれぞれについて256通りの組み合わせがあるが、本発明では、これを16ASKマッパ31-3とビット削減マッパ30-3に分離して構成しているため、16ASKのデマッパ処理ではそれぞれ16通りの可能性についての確率演算に削減される。また、ビット削減デマッパ41の処理は(数2)の演算をI, Qそれぞれ8回演算すればよいので、極めて少ない処理量でデマッパ処理を実現できる。符号化器に極めて単純な繰り返し符号を用いているという特徴とあいまって、受信側無線通信機における復号処理の処理量低減が可能となっている。
なお、図3(b)(c)の64QAM (l=12)及び、256QAM (l=16)においては、〔非特許文献3〕同様、探索によって導出されたマッピングを用いているが、多値数がそれぞれ、64, 16(×2)と比較的少ないため前述の確率演算の処理量は少なくて済む。
また、より一般的には、ビット数削減処理は、図4(b)に示したビット削減処理マッパ30-1のm0, m1, m2がそうであるように、非Grayマッピング変調器(31-1, 31-2, 31-3等)において1シンボルにマッピングされる所定数のビットの少なくとも一つのビットは、インタリーブされた複数のビットから決定されるようにする。これにより、比較的高いSNRにおいても右上がり下凸の形状とする効果があるので、非Grayマッピング変調器(31-1, 31-2, 31-3等)として比較的多値数の小さな変調方式を採用することができる。従って、非Grayマッピングと前記ビット削減処理を組み合わせて得られる拡張マッパは、対応する復調器(デマッパ)13において少ない処理量でEXITカーブを右上がり下凸の形状とする効果を発揮する。また、非Grayマッピング変調器(31-1, 31-2, 31-3等)において一つのシンボルにマッピングされる所定数のビットの少なくとも一つのビットは、図4(b)に示したビット削減処理マッパ30-1のm3がd7によってのみ決定されているように、インタリーブされたビットの一つのみから決定されるようにする。
これにより、復調器(デマッパ)13のEXITカーブの左端が完全に0となることを防止し、繰り返し復号処理の初回にも情報を出力することができる。より一般的には、このようなビットは必ずしも全ての変調シンボルに存在する必要はなく、一つの符号語を形成する符号語ビット中に一定の割合で存在すればよい。従って、マッピング、及び、デマッパ処理がシンボル毎に異なることを許容すれば、一つの符号語から得られる複数のシンボル中、所定の割合のシンボルにおいて、マッピングされる所定数のビットの少なくとも一つのビットがインタリーブされた複数のビットから決定されるようにし、かつ、また所定の割合のシンボルについては、マッピングされる所定数のビットの少なくとも一つのビットがインタリーブされたビットの一つのみから決定されるようにすることも可能である。
また、復調器(デマッパ)13のEXITカーブの左端が完全に0となることを防止する方法としては、前記、一つのシンボルにマッピングされる所定数のビットの少なくとも一つのビットがインタリーブされたビットの一つのみから決定されるようにする方法以外に、デマッパに供給される事前情報(事前確率)のLLRが初回時に全てが0とならないようにすることも可能である。最も単純には、一部、既知のビットを混合して送ることで、既知のビットのLLRを非ゼロとすることができる。また、符号語ビット中の0及び1が完全に1/2の確率で発生するのではなく、わずかに偏りを持たせる手段(例えば、符号化の前にプリコーディングする等)を用いても良い。この場合でも、前記、インタリーブされた複数のビットの各ビット(d0, d1, ....)は、特定の1シンボルの特定の1ビット(m0, m1, ...)の決定にのみ使用され、非Grayマッピングされる同一シンボルの他のビットには影響を与えないように構成する事が望ましい。これは、デマッパ処理13において同一シンボルから得られる複数のビットは、同一の雑音、干渉を受けており、独立事象にならない。独立事象から得られたLLRは(数2)、(数5)などの演算が可能となるが、独立でない場合は(数2)、(数5)が成立しない。然るに、一つのビット(d0, d1, ...)が同一シンボルの他のビット(m0, m1, ...)に影響を与える場合、復号器15に供給するビット(d0, d1, ...)のLLRをは複数のビット(m0, m1, ...)から算出する必要があるため、LLRの算出が複雑になってしまうという問題が発生する。このため、例えば図4(b)に示す本願発明のビット削減マッパ30-1は、d0, d1, d2, d3, d4, d5, d6, d7は、それぞれ、m0, m0, m0, m1, m1, m2, m2, m3にのみに影響を与えるように構成している。なお、上記観点からはインタリーブされた複数のビットの各ビット(d0, d1, ....)が、あるシンボルの特定の1ビット(m0, m1, ...)の決定にのみ使用された場合、他のシンボルの決定には用いても良い。しかしながら、遅延波が存在する伝搬路では、時間的に隣接するシンボル同士が干渉を起こす。また、外来の干渉の性質によっては、隣接するシンボルが相関のある干渉を受けている可能性もある。従って、インタリーブされた複数のビットの各ビット(d0, d1, ....)は、特定のシンボルの特定の1ビット(m0, m1, ...)の決定にのみ使用することが、より望ましい。
次に、第二の実施例について説明する。第二の実施例では、符号化としてやはり繰り返し符号を用いるが、第一の実施例では全ての情報ビットがdv回の繰り返しとなっているのに対し、図14に示すように、繰り返し数の異なるビット複製器20-1〜20-nを所定の比率(a_1, a_2, ...., a_n)で用いる。繰り返し数の異なる繰り返し符号のEXITカーブは、それぞれ形状が異なり、繰り返し数が大きくなるほど、下凸の形状が顕著になる。従って、複数の繰り返し数を混在させることで、EXITカーブの形状に対する自由度が増し、変調方式に、よりよく整合するEXITカーブを実現することができる。第二の実施例における復号処理は、図15に示すようになる。第一の実施例の図7と殆ど同じであるが、ビットによって変数ノードの次数(dv1, dv2, ...)が異なる点のみが相違である。従って、第一の実施例の図11, 図13に示した変数ノード処理の次数が情報ビットによって変更するだけで復号が可能となり、復号処理量は第一の実施例と同じと考えてよい。
次に、第三の実施例について説明する。第三の実施例では、符号化として繰り返し符号に先立ちパリティビットを付加する。図16に示すように符号化器10は、繰り返し符号化を行うビット複製器20の前に(dc-1)ビットの情報ビットから1ビットのパリティを生成し、情報ビットとあわせてdcビットを出力するパリティ付加器1600が配置される。パリティ付加器1600は、ビットの直並列変換器(21, 23)と排他的論理和(ExOR)演算器22から構成される。第三の実施例における復号処理は、図17に示すようにパリティ演算に対応するチェックノードデコーダが変数ノードデコーダに接続することで実現される。復号手順としては、図11に代わり、図18(a)〜(c)の処理を行う。
図18(a)では、デインタリーバ14から供給された事前情報1800に(数5)の演算を施し、外部情報1802を算出する。算出された外部情報は、図18(b)に示すチェックノードデコーダ1804に事前情報として入力し(数2)の演算を実施して各変数ノードにフィードバックする外部情報を算出する。図18(b)のチェックノードデコーダから出力された外部情報は、図18(c)の変数ノードデコーダに事前情報1806としてフィードバックされ、これを用いて変数ノードはデマッパにフィードバックすべき外部情報1808を(数5)にて算出する。
以上、第三の実施例は、第一の実施例に比較して、図18(a)および図18(b)の処理が追加されているため、復号処理は多少増加する。一方、パリティを付けたことにより、復号器のEXITカーブの右端をより1に近づける効果があり、復号処理が収束した際の残留誤りを減少させる効果がある。
以上、第二の実施例、第三の実施例を組み合わせることで、図19に示す第四の実施例の構成を得ることができる。第四の実施例は、前記、第二の実施例が持つ復号器EXITカーブの設計の自由度、および、第三の実施例が持つ残留誤りの低減の効果を併せ持つことができる。図19の構成は、一見複雑なようだが、実際の処理は図20に示すように、情報ビット列(A)にパリティを付加(B)し、所定の率でビットの複製を行い(図20(C)の例では繰り返し回数dv=3が60%, 繰り返し回数dv=5が40%)、(D)破線に示す順番でインタリーバ11に供給するのみで実現できる。対応する復号処理は、図21のようになり、復号処理量は第三の実施例の図17とほぼ同等である。
以上、第四の実施例の特性を図22〜26のEXITチャートにより例示する。いずれも、変調器(マッパ)12としては図3に示した256QAM (l=16)のものである。符号化器は、図19に示した構成で、パリティ付加率、繰り返し数は図27に示している。図27は、図19の復調器EXITチャートに整合する符号構成(Code Type)であり、符号構成(I)〜(V)はそれぞれ、 SNR=0,5,10,15,20dBの場合に整合する符号構成である。このように、SNR=0dBからSNR=20dBまでの広い範囲にわたり、符号構成を適切に選択することでデマッパのEXITカーブ(実線)と復号器のEXITカーブ(破線)を極めて良く整合させることができていることがわかる。
〔非特許文献2〕、〔非特許文献3〕のEXITチャート(図31, 図33)では、デマッパのEXITカーブが直線的な右上がり特性、復号器のEXITカーブが右上がり逆S特性となっているため、レート損失が発生している。これに対し、本発明によるレート損失は極めて小さい。図22の低SNR時には少々損失が発生しているが、これは、256QAM (l=16)という高い多値数のためであり、図3に示す他の変調方式を選択することにより図23〜26同様、レート損失を殆どなくすことができるようになる。
以上の構成により達成される伝送レートを図28に示す。実線2800はシャノン限界として知られるチャネル容量、破線2802はチャネル容量の90%、黒丸が図22〜26に対応する符号構成(I)〜(V)によって得られる伝送レートである。SNR=0dB〜20dBにわたる全領域でほぼチャネル容量の90%を達成できており、本願発明によれば、極めて理論限界に近い伝送レートを達成できることがわかる。
以上、第一の実施例から第四の実施例は、符号化器がそれぞれ異なってはいるが、変調器(マッパ)12に供給されるビットの全て、または、その大半が情報ビットを複製したものになっており、基本的には繰り返し符号としての特性を備えている。このことは、復号器のEXITカーブが右上がり下凸という形状となる要因であり、上記実施例に例示していない他の符号化方式でも、上記、変調器(マッパ)に供給されるビットの全て、または、その大半が情報ビットの複製となるものであれば、図3に示す構造の変調器(マッパ)に対応する復調器(デマッパ)のEXITカーブとよく整合するため、符号化方式として代替可能である。
また、一般的には、復調器(デマッパ)13のEXITカーブは、送信シンボルの全ての信号点が平均的に使用された場合と偏った信号点のみが使用された場合とでは異なる形状となる。従って、情報ビットが全て0であったり、全て1であったりする特殊な場合においては、受信側処理が収束しなくなる可能性がある。例えば、第一の実施例において、全ての情報ビットが0であった場合、変調器12に供給されるビットは全て0となる。従って、図3(a)に示した16QAM (l=8) においては送られる全てのシンボルが一種類の信号点(0,0,0,0)のみとなってしまう。同様に全ての情報ビットが1であった場合、変調器12に供給されるビットは全て1となる。従って、図3(a)に示した16QAM (l=8) においてはマッパ31-1に供給されるビットは、送られる全てのシンボルについて(1,0,0,1)となってしまう。送る情報によって符号化方法を変えることは通常出来ないので、送りうる全ての情報ビットの組み合わせに対してEXITカーブが交差しないように符号化方法を調整する必要がある。この場合、一部の特殊な系列の場合にEXITカーブが最も近接するようになるので、平均的にはEXITカーブは間が開いてしまい、レートの損失が発生する。
そこで、変調器12に供給されるビット列になるべく偏りが発生しないようにする手段を併用することが好適である。具体的には、インタリーブ時にビットの順序だけでなくビットの極性(0,1)を乱数的に入れ替えるようにすればよい。対応するデインタリーブ時には反転された極性を元に戻す操作を行う。ビットの極性反転は、受信側でLLRに対して行う場合は、符号(±)の反転となる。ビットの極性反転を符号器側で行う場合は、単純に、偶数番目のビットはそのまま、奇数番目のビットは反転するというものでも良い。この結果、例えば、図20(D)の出力系列(b0, b0, b0, b1, b1, b1, b2, b2, ...)が(b0, ~b0, b0, ~b1, b1, ~b1, b2, ~b2, ...)となり、どのような情報ビットに対しても、全て0や全て1というような偏った系列を発生しなくなる(ここで記号~は、ビット反転を表すものとする)。このような規則的な極性反転を行った場合であっても、インタリーブ処理でビットの順序が乱数的に入れ替えられるので、変調器12に供給されるビット系列は乱数的になり、送られる変調シンボルの信号点の偏りは発生しなくなる。
より一般的には、変調器12に供給されるビット系列の約半数のビットが乱数的に極性反転されるように構成すればよい。但し、符号化器10に供給する情報ビット列を乱数的に反転する構成は望ましくない。なぜなら、反転パタンにたまたま一致するビット列が情報ビットであった場合に、全て0や全て1のビット系列となってしまうからである。本願発明は繰り返し符号化後の系列に対して反転処理を行うことで、どのような情報ビット列に対しても偏りが発生せず、結果的に復調器(デマッパ)13のEXITカーブが情報ビット列によって変化しないようにすることが出来る。
なお、〔非特許文献5〕に示されるような組織LDPC符号を用いてBICM-IDを構成する場合には、組織ビットについてはそのままシンボルにマッピングされてしまう。特に符号化率が高く、パリティビットが少ない場合には、多くの送信シンボルが組織ビットによって変調されることになる。従って、QAMなどの多値変調を用いた場合、特定の情報ビット列に対して、送信シンボルの特定の信号点が偏って使用される問題を防ぐことが出来ない。また、3GPP (3rd Generation Partnership Project) LTE (Long Term Evolution) として知られる無線方式等において、インタリーブ処理後にデータのPN (Pseudo-Noise) 系列によるスクランブリング処理を行う技術が知られているが、やはり、符号化率が高い場合、ビット列の多くが組織ビットとなり、信号点の偏りが発生しうる。本願発明は、符号化として繰り返し符号化を基本としているため符号化器10の符号化率が低く、上記のような簡易な処理によって符号語ビット列が特定のビットパタンに偏ることを防止できるので、QAMなどの多値変調を使用したBICM-IDを構成するのにこの点においても優れていると考えられる。
以上、各実施例では復調(デマッパ)処理、復号処理に焦点を当てて説明してきたが、無線周波数(RF)回路、タイミング同期、伝搬路の位相回転を補正する検波処理等、通常の無線通信に必要とされる処理が別途必要であることは言うまでも無い。また、上記実施例は無線通信装置として記載しているが、符号化および変調を行う他の通信装置、例えば有線モデム装置などに適用することも可能である。
理論限界に極めて近い伝送レートを達成しながら、符号化として極めて単純な繰り返し符号を基本とした符号を用い、復号処理量が少なくて済むため、無線通信装置をはじめとする各種通信機に広く活用可能である。
1: 送信側無線通信機、2: 受信側無線通信機、10: 繰り返し符号ベースの符号化器、11: インタリーバ、12: 変調器(マッパ)、13: 復調器(デマッパ)、14: デインタリーバ、15: 復号器、16: インタリーバ、21: 直列並列変換器、22: 排他的論理和演算器、23: 並列直列変換器、24: デマルチプレクサ(De-MUX)、25: マルチプレクサ(MUX)、30-1, 30-2, 30-3: ビット削減処理マッパ、31-1, 31-2, 31-3: 非Grayマッパ、32: I+Qj演算器(直交変調器)、40: QAMデマッパ、41: ビット削減処理デマッパ。

Claims (3)

  1. kビットの所定ビットから変換されたシンボル列を受信する受信機であって、
    上記シンボル列は、上記所定ビットをdv回の繰り返し数で繰り返し符号化した複製ビットをLビットにつきmビット(m<L)に削減し、mビットに対して1シンボルを割り当てることで生成されたものであって、
    受信された1受信シンボル及び(m−1)ビットの事前情報を用いて1ビットの第1外部情報を出力するシンボルデマッパと、
    上記1受信シンボルに対応するmビットのそれぞれについて上記シンボルデマッパが出力したmビットの上記第1外部情報及び(L−1)ビットの事前情報を用いて1ビットの第2外部情報を出力するチェックノードデコーダと、
    上記シンボル列に対応する複数ビットの第2外部情報をデインタリーブするデインタリ
    ーバと、
    上記デインタリーバから出力される(dv-1)ビットの第2外部情報を事前情報として用い
    て1ビットの第3外部情報を出力する変数ノードデコーダと、
    上記変数ノードデコーダから出力される各複製ビットの第3外部情報を上記デインタリ
    ーブと逆処理となるインタリーブを行うインタリーバとを有し、
    上記チェックノードデコーダは、上記インタリーバから出力されるLビットの上記第3
    外部情報を事前情報として用いてmビットの第4外部情報を出力し、
    上記第4外部情報は上記シンボルデマッパの事前情報として用いられる受信機。
  2. 請求項1において、
    上記チェックノードデコーダは、mビットをLビットに変換する機能を有し、
    上記mビットのうち少なくとも1ビットは、上記Lビットの1ビットのみで決定され、上記mビットのうちそれ以外の複数ビットは、上記Lビットのうちの所定のビットの演算によって変換されることを特徴とする受信機。
  3. 請求項2において、
    上記mビットのある1ビットの変換に用いられる上記Lビットのビットは、上記mビットの他のビットの変換に用いられることはないことを特徴とする受信機。
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