本明細書で開示される主題は、衛星測位システム(SPS)から受信される信号の処理に関係する。
電波測位(radio-location)及び時刻伝送(time transfer)のためのシステムの一つの例は、全地球測位システム信号仕様書(Global Positioning Service Signal Specification)(2d ed., 1995, USCG Navigation Center, Alexandria, VA)に記載のNAVSTAR全地球測位システム(GPS)である。他の例は、ロシア共和国により主張されるGLONASS GPS及びヨーロッパで提案されるGALILEOシステムを含む。NAVSTAR GPSは、1.57542GHzのキャリア(L1周波数とも呼ばれる)上でナビゲーション・メッセージを送信する一組の衛星又は“スペース・ビークル”(SV)を含む。ナビゲーション・メッセージは、直接シーケンス・スペクトラム拡散(DSSS)信号(それは、BPSK(2位相偏移変調)でキャリアの上へ変調される)を介して、50ビット/秒のデータレートで送信される。信号を拡散するために、各々のSVは、一組の擬似ランダム雑音(PRN又はPN)コード(それらは“粗捕捉(coarse acquisition)”又はC/Aコードとも呼ばれる)のうちの異なる一つを使用する。各々のC/Aコードは、コードが1ミリ秒ごとに繰り返すように、1.023MHzのチップ・レート及び1023チップの長さを持つ。C/Aコードは、それらの自己相関特性のために選択されるGoldコードである。図1は、GPS PRN 1の自己相関関数の一部を示す。それは、+1から+511まで及び−1から−511までのすべてのコード・オフセットについて0.1未満の大きさを持つ。
NAVSTAR GPS SVはまた、1.22760GHz(L2周波数とも呼ばれる)におけるキャリアの上へ変調される10.23MHzのP(Y)コードを介して、メッセージを送信することがある。GPS SVは、同様に、幾つかの他のキャリア及び/又はコードを介して、同様の方法でメッセージを送信することがある。GPS信号の一つの共同利用(common use)は、地上受信機によるポジション・ロケーション・オペレーション(position location operations)をサポートすることである。一般的に、3次元における位置を解決(resolve)するために、少なくとも4つのSVからの信号が必要である。
一般的に、地上のユーザにより受信されるGPS信号は、地球の表面におけるGPS信号の受信電力が−130dBmになる。対照的に、熱雑音レベルは、一般的に、およそ−111dBm、あるいは、ほぼ20dB高い。建物の内部の受信機は、例えば、コンクリート又は他の建築材料から更なる20dBの信号減衰を経験することが予期され、屋内で受信されるGPS信号が熱雑音レベルよりおよそ40dB未満になる可能性がある。これらの状況において、C/Aコードの強い自己相関特性にもかかわらず、熱雑音レベルをはるかに下回る(well below)干渉信号は、GPS受信機が有効な信号を検出するのを妨げるのに十分であることがある。
以下の図面を参照しながら非制限的且つ非網羅的な特徴が説明されるであろう。様々な図面を通して同様の参照番号は同様の部分を指し示す。
一つの態様において、受信されたSPS信号は、コード位相仮説の範囲を含むコード位相探索ウィンドウにおける相関ピーク検出を得るために、処理される。コード位相探索ウィンドウの境界のコード位相仮説のセットされた範囲内でのエネルギー・ピークの検出に応じて、受信されたSPS信号の処理が変更されても良い。しかし、これらは単に開示された主題の態様の例であり、また、そのクレームされた主題はそのように制限されないことは、理解されるべきである。
図1は、一例に従ったGPS C/Aコードの自己相関関数の一部を示すプロットである。
図2A−2Cは、一つの実装に従った受信コードと参照コードとの比較を示す。
図2A−2Cは、一つの実装に従った受信コードと参照コードとの比較を示す。
図2A−2Cは、一つの実装に従った受信コードと参照コードとの比較を示す。
図3は、特定の例に従った相関器の概略ブロック図である。
図4は、特定の実装に従った二次元の探索ウィンドウを示す図である。
図5は、特定の例において視線信号(line-of-sight signal)から得られるであろうピークを示すエネルギー・プロットである。
図6は、特定の例において同一の送信信号のマルチパス・インスタンスのための幾つかのピークを示すエネルギー・プロットである。
図7Aは、特定の例においてジャマーに起因するようなエネルギー・リッジを示すエネルギー・プロットである。
図7B及び7Cは、特定の例においてマルチ・トーン・ジャマーに起因するエネルギーを示すエネルギー・プロットである。
図7B及び7Cは、特定の例においてマルチ・トーン・ジャマーに起因するエネルギーを示すエネルギー・プロットである。
図8は、特定の実装において、隣接するコード位相探索ウィンドウ・セグメント間のコード位相空間におけるオーバーラップを示す図である。
図9は、特定の例において、エネルギー・ピーク及びエネルギー・リッジを示すエネルギー・プロットである。
図10は、特定の実装において、ドップラー・ビン中に検出されるピークのリストを提供するためのプロセスを示すフローチャートである。
図11は、特定の実装において、一組のソートされた(整列された、sorted)ピーク・リストを示す概略図である。
図12は、特定の実装において、ドップラー・ビン中のピークを識別するためのプロセスを示すフローチャートである。
図13Aは、特定の実装において、ピーク・リストに関連して実行されてもよいタスクを示す概略図である。
図13Bは、特定の実装において、ドップラー・ビン・チャート中のピークのリストで情報を解析するためのプロセスを示すフローチャートである。
図14Aは、特定の実装に従ったピーク強度テストに関連してパス及びフェイル基準を示す図である。
図14B及び14Cは、特定の実装に従って、リスト・エネルギー分布テストに関連してパス及びフェイル基準を示す図である。
図14B及び14Cは、特定の実装に従って、リスト・エネルギー分布テストに関連してパス及びフェイル基準を示す図である。
図15は、特定の実装に従ったリスト・エネルギー分布テストを行うためのプロセスを示すフローチャートである。
図16は、特定の実装に従ったドップラー・ビンに関連するピーク・エネルギーに関してテストを実行するためのプロセスを示すフローチャートである。
図17は、特定の例において、マルチパス信号及びエネルギー・リッジのためのエネルギー・ピークを示すエネルギー・プロットである。
図18Aは、特定の実装に従ったビン・エネルギー分布をテストするためのプロセスのフローチャートである。
図18Bは、特定の実装に従ったマルチ・トーン・ジャマーの存在下でエネルギー・ピークを処理するプロセスのフローチャートである。
図19は、特定の実装に従った相互相関をテストするプロセスのフローチャートである。
図20は、サイドローブ・テストの特定の実装において使用されるようなマスクの例を示す概略図である。
図21は、特定の実装においてベスト・アーリー・ピーク検出プロセスの実装において使用されるようなマスクの例を示す概略図である。
図22は、特定の実装に従ったベースバンド・プロセッサの概略図である。
図23は、特定の実装に従った受信機の概略図である。
図24Aは、特定の実装に従ったRFフロントエンドの概略図である。
図24B及び24Cは、特定の実装に従ったダウンコンバーターの概略図である。
図24B及び24Cは、特定の実装に従ったダウンコンバーターの概略図である。
図25は、特定の実装に従った通信デバイスの概略ブロック図である。
詳細な説明
“一つの例(one example)”、“一つの特徴(one feature)”、“一つの例(an example)”又は“一つの特徴(one feature)”へのこの明細書を通した参照は、特徴及び/又は例に関連して説明される特定の特徴(feature)、構造(structure)又は特性(characteristic)が、クレームされた主題の少なくとも一つの特徴及び/又は例に含まれることを意味する。それゆえ、この明細書を通して、様々な箇所における、“一つの例において(in one example)”、“一つの例(an example)”、“一つの特徴にいて(in one feature)”、又は“一つの特徴(a feature)”というフレーズの出現は、必ずしもすべて同一の特徴及び/又は例を指し示しているというわけではない。さらにまた、特定の特徴、構造又は特性は、1又は複数の例及び/又は特徴に組み込まれることがある。。
一つの例によれば、デバイス及び/又はシステムは、SVから受信される信号に少なくとも部分的に基づいて、その位置を推定しても良い。特に、そのようなデバイス及び/又はシステムは、関連する諸SVと航行衛星受信機(navigation satellite receiver)との間の距離の近似値を含む“擬似距離(pseudorange)”メジャーメントを得ても良い。特定の例において、そのような擬似距離は、衛星測位システム(SPS)の一部である1又は複数のSVからの信号を処理することができる受信機において判定されても良い。少し例を挙げれば、そのようなSPSは、例えば、全地球測位システム(GPS)、Galileo、Glonass、又は、将来に開発される任意のSPSを含んでも良い。その位置を判定するために、衛星航行受信機(satellite navigation receiver)は、送信するときにおける3つ以上のSVの位置に加えてそれらに対する擬似距離メジャーメントを得ても良い。SVの軌道のパラメータを知ると、これらの位置は、任意の時刻に対して計算されることができる。擬似距離メジャーメントは、それから、SVから受信機まで信号が進む(travels)時間に光速を乗じた値に、少なくとも部分的に基づいて、判定されても良い。本明細書で説明される技術は、特定の例に従った特定の説明としてのGPSタイプ及び/又はGalileoタイプのSPSにおける位置判定の実装として提供されても良いが、これらの技術はまた、他のタイプのSPSに適用されても良いこと及びクレームされた主題はこの点に制限されないことは理解されるべきである。
例えば、本明細書で説明される技術は、上記のSPSを含む幾つかのSPSのいずれか一つで使用されても良い。さらにまた、そのような技術は、擬似衛星(pseudolites)又は衛星と擬似衛星の組み合せを利用する位置判定システム(positioning determination systems)で使用されても良い。擬似衛星は、Lバンド(又は、他の周波数)のキャリア信号(それはGPS時間と同期されてもよい)の上で変調されるPNコード又は他の変動コード(ranging code)(例えば、GPS又はCDMAセルラ信号と同様の)をブロードキャストする地上ベースの送信機を含んでも良い。そのような送信機は、リモート受信機による識別を可能にするために、固有のPNコードを割り当てられても良い。擬似衛星は、軌道に乗って回っている衛星からのGPS信号が利用できない可能性のある状況において有用である(例えば、トンネル、鉱山、建物、都市峡谷(urban canyons)又は他の囲まれたエリアにおいて)。擬似衛星の他の実装は、ラジオビーコンとして知られている。本明細書で使用される用語“衛星(satellite)”は、擬似衛星、擬似衛星の均等物、及び、できる限り他のものを含むことを意図されている。本明細書で使用される用語“SPS信号”は、擬似衛星又は擬似衛星の均等物からのSPSのような信号(SPS-like signals)を含むことを意図されている。
下に示すように、SPS信号は、反復するシーケンシャル・コードで符号化されても良い。一つの実装において、受信機は、受信SPS信号に関連するコード位相に少なくとも部分的に基づいて、受信SPS信号から擬似距離メジャーメントを判定しようと試みても良い。ここでは、例えば、そのような受信機は、コード位相探索ウィンドウ内でのエネルギー・ピーク検出の位置に基づいて、そのようなコード位相を検出しても良い。しかし、マルチパス、雑音及び/又はジャミング(jamming)の存在は、誤認警報(false alarms)の発生率を増加させる可能性がある。
一つの態様において、下に示すように、シングル・トーン・ジャマー(single-tone jammer)が、特定のドップラー周波数において、かつ、コード位相探索ウィンドウにおけるすべてのコード位相検出仮説にわたって、実質的に均一なエネルギー・リッジを生成することがある。そのような均一なエネルギー・リッジは、図7A中に示される。2005年11月30日に出願され、クレームされた主題の譲受人に譲渡された、「ジャマー検出のためのシステム、方法及び装置(Systems, Methods and Apparatus for Jammer Detection)」に関する米国特許出願第11/291,173号は、とりわけ、コード位相探索ウィンドウからそのような均一なエネルギー・リッジを除去するための技術を示す。例えば特定のドップラー周波数においてそのような実質的に均一なエネルギー・リッジを検出することによって、そのようなシングル・トーン・ジャマーからエネルギーを除去するための技術。コード位相探索ウィンドウからのそのようなエネルギーの除去は、そのような均一なエッジから生じる可能性がある誤認警報の発生率を低減し得る。
他方、マルチ・トーン・ジャマー(multi-tone jammer)が、図7Bにおいて示されるように、ドップラー領域(Doppler regions)においてコード位相探索ウィンドウにわたって不均一に変化するエネルギーを生成することがある。例えば、一つの態様において、上記の米国特許出願第11/291,173号に示される技術を使用して、コード位相探索ウィンドウにおけるマルチ・トーン・ジャマーのそのような不均一に変化するエネルギーが、ジャマーとして検出されないことがあり、また、マルチ・トーン・ジャマーとしてではなくマルチ・パスとして出現することがある。
一つの態様において、本明細書で説明される技術及び方法は、マルチ・トーン・ジャマーに起因するエネルギー・コード位相探索ウィンドウの検出及び棄却(rejection)に関係する。例えば、クレームされた主題はこの点に制限されないが、方法及び処理は、マルチ・トーン・ジャマーをマルチパス信号として間違って検出することを防止するように構成される。図18Bは、マルチ・トーン・ジャマーの存在を検出し、それに応じて、受信SPS信号の処理を変更するために、コード位相探索ウィンドウにおける相関ピークを処理するための方法の一つの特定の実装を示す。
電波測位(radio-location)及び/又は時刻伝送(time transfer)のための方法は、例えばSPS又はCDMA信号のような予め定められたコード(例えば、一連のシンボル)を有する信号を受信することを含む。一つの特定の例において、そのような予め定められたコードは、例えばGPS C/Aコードのような反復するコードを含んでも良い。あるいは、そのような予め定められたコードは、例えばGPS P(Y)コードのような、繰り返さない又は非常に長い周期をもつコードを含んでも良い。多くのアプリケーションにおいて、元のコードは、例えば+1と−1のような(GPS C/Aコードの場合のような)一連のバイナリ・シンボルを含むであろうが、受信されるコードは、シンボル値の一つから他にわたる値を含んでも良い。例えば、受信されたコードは、複素数値を持っても良く、各々のコンポーネントは、一つのシンボル値から他のシンボル値に(例えば、およそ+1から−1に)わたる値をもつ。少なくとも幾つかの実装はまた、元のコードがバイナリ・シーケンスでない状況に適用されても良い。
そのような予め定められたコードが、受信されるコードとそのコードの参照コピーとの相関がはっきりした(well-defined)ピークを与えることが予期され得るように、擬似雑音(PN)シーケンスを含むか、或いはさもなければ雑音のような自己相関特性(例えば、図1で示されるように)をもつことは、望ましい場合がある。そのような受信信号はまた、データ変調されたものであっても良い。例えば、そのような受信信号は、予め定められたコードがデータストリームのバンド幅を広げるために使用されるスペクトラム拡散信号(拡散されたデータストリームは、キャリアを変調するために使用される(例えば、PSK変調を介して))を含んでも良い。
本明細書の説明は、GPS L1キャリア上のC/Aコードに対するアプリケーションの例を主に参照し、また、特定の実装は、そのようなコードを受信及び処理するシステム、方法及び装置を含む。しかし、他の実装はまた、その代わりに他のコード上で動作するシステム、方法及び装置、並びに、これらのコード上でも他のコード(例えば、GPS P(Y)コード、Galileo、Glonass及び/又はCDMA PNコード)上でも動作するシステム、方法及び装置を含んでも良い。それゆえ、クレームされた主題は、この特定のアプリケーション又はこれらの特定の予め定められたコードに制限されない。実装が適応される他の信号は、GPS L1 M、L1 P/Y、L2 Civil、L2 P/Y、L2 M及び/又はL5 Civilを含む。本明細書で説明される原則はまた、データ信号及びパイロット信号を含む伝送(例えば、GPS L5、Galileo E5a及び/又はE5b)の受信に適用されても良い。
図2Aは、受信される予め定められたコードS1(タイム・インデックス0から始まる)とコードの参照コピーSR(以下、“参照コード(reference code)”と呼ばれる)との間の比較の例を示す。この例において、塗りつぶされた四角は、一つのバイナリ・シンボル(例えば、+1)を示し、開いた四角は、他のバイナリ・シンボル(例えば、−1)を示す。図2Aの例では2つのコードが位置合わせ(aligned)されいてないことが見られる。
図2Bにおいて、参照コードSRは、タイム・インデックス0に関して8チップのオフセットでシフトされる。この位置における参照コードでは、いま、2つのコードが位置合わせされている。2つのコードが位置合わせされるように参照コードがある位置にある場合に、受信コードと参照コードとの間のオフセットは、信号のコード位相と呼ばれる。それゆえ、受信コードS1は、8チップのコード位相をもつ。
図2Cは、参照コードと、6チップのコード位相をもつ他の受信コードS2との間での位置合わせの例を示す。この例において、コードS2を運んでいる受信信号はまた、コード・ピリオドにわたって受信コードS2のシンボルが参照コードのそれらと比較して反転されるように、データ変調されたものである。
コード位相は、受信信号の遅延のインジケーションとして使用されても良い。そして、それは、送信機と受信機との間の距離のメジャーとして使用されても良い。加えて又は代わりに、コード位相は、1又は複数の他の信号の受信及び/又は送信に関係する動作を同期させる際に使用されても良い。例えば、コード位相から得られるタイミング情報は、受信機をスロット付きアクセス・チャンネル(slotted access channel)に同期させるために使用されても良い。スロット付きアクセス・チャンネルの例は、(例えば、ダウンリンク又は逆方向リンク上で)受信コードの送信機により送信されてもよいアクセス・チャンネル、及び、(例えば、アップリンク又は順方向リンク上で)その位置における受信機によりモニターされてもよいページング・チャネルを含む。
受信コード・シーケンスの参照コードとの相関は、以下のような関係(1)に従って参照コードの長さのある部分わたって受信コードと参照コードとの積を積分することによって、時間領域で実行されても良い。
ここで、xは受信コードであり、rは長さNの参照コードであり、y(t)はオフセットtにおける相関結果(correlation result)である。ここでは、受信コードは複素ベースバンド信号を含んでも良く、相関は受信コードのIコンポーネント及びQコンポーネントの各々について実行される。
あるいは、所定のオフセットについての受信信号と参照コードとの相関結果は、例えば以下のような関係(2)に従って、複素参照コードr+jrの整合フィルタ(matched filter)(すなわち、参照コードを時間的に反転された複素共役であるインパルス応答をもつフィルタ)で信号を畳み込むこと(convolving)によって、得られても良い。
ここで、r* = r - jrは、複素参照コードの複素共役である。
GPS C/Aコード実装については、ほんの一例を挙げると、オフセットの範囲にわたる関係(1)及び(2)の結果は、シンク関数の形状を有する。いずれの式(及び/又は2つのコードの相関の程度の他の表現)を使用して得られる相関結果も、対応するオフセットについてのエネルギー結果(energy result)として使用されても良いが、該エネルギー結果は、Iコンポーネント及びQコンポーネントについてのそのような各相関結果の二乗の和として計算されても良い。オフセットの範囲にわたるそのような計算の結果は、(sinc)2関数の形状を有しても良い。(sinc)2関数は、そのピークが、シンク関数のそれに比べて、より鋭く、それゆえ、より局所的である。
エネルギー計算オペレーションは、サンプリングされた受信信号の上で実行されても良く、関係(1)及び(2)において説明されたオペレーション及びオフセットtにおけるエネルギー計算オペレーションは、離散時間で以下のように表されても良い。
それぞれ、ここで、xIは受信コードの同相成分(in-phase component)であり、xQは受信コードの直交成分(quadrature component)であり、e(t)はオフセットtにおけるエネルギー結果である。
特定のデザインに応じて、エネルギー結果は、固定小数点又は浮動小数点値として表されても良く、それらは、任意のユニットにおいて、例えばエネルギー結果がピーク間の相対的差異を判定するためだけに使用される場合において、そうしても良い。エネルギー結果がまた(例えば、他のシステム・パラメータと比較して)1又は複数の他のタスクのために使用されても良い場合に、メジャーメント・スケールはまた、そのような一つのタスク又は複数のタスクに適切であるように選択されても良い。
図3は、一つの特定の実装においてエネルギー結果を得るために使用されてもよい相関器100の一つの例のブロック図を示す。乗算器10は、複素受信コードS10を参照コードと乗算するように構成され、アキュムレータ20は、参照コードの長さにわたって積をアキュムレートするように構成される。非線形検出器30(それは二乗器として実装されても良い)は、各々の成分についての二乗和を得るように構成され、アキュムレータ40は、エネルギー結果を得るために二乗和を加算するように構成される。参照コード発生器110(それは線形フィードバックシフトレジスタ(LFSR)のようなシフトレジスタとして実装されても良い)は、受信コード又はその何らかの派生物のチップ・レートに従ってクロックされても良い。あるいは、参照コードは、適当なレートでストレージからリードされても良いし、あるいは、外部デバイス又は回路から受信されても良い。
図3の例は、シリアル相関器を示すが、相関器100はまた、パラレル相関(同時に各コードの2ビット以上を乗算する)、又は、シリアル・オペレーション及びパラレル・オペレーションの任意の組み合せを実行するように、実装されても良い。GPS受信機は、例えば、一度に2以上のコード位相仮説に関する結果を得るために、相関器100の複数のインスタンス、参照コードのコピーの各受信、及び、異なる対応する遅延の適用を含んでも良い。相関器100の複数のインスタンスはまた、一度に2以上の参照コードを探索するために使用されても良い。1又は複数の相関器と、所望のセットの仮説に関するエネルギー結果を得るように該相関器を制御するように構成されるロジック(例えば、プロセッサ)とを含むモジュールは、探索器又は探索するための手段と呼ばれることがある。
図2A−2Cにおける例と対照的に、受信されるコードのシンボルは、いくぶん不明瞭(ambiguous)である場合がある。それでも、相関計算及び/又はエネルギー計算の複雑さは、参照コードの性質及び特定のアプリケーションの基準に従っていくぶん低減され得る。GPS C/Aコードのアプリケーションにおいて、例えば、受信シンボルを参照コード・シンボルで乗算する結果は、受信シンボル又はその反転のいずれかである。信号対雑音比における関連する損失が許容できるならば、受信シンボルは、乗算がXORオペレーションに対して低減され得るように、+1又は−1として分類されさえしても良い。実装は、これら及び類似する最適化を使用するシステム、方法及び装置を含む。
先に述べたように、エネルギー結果の計算は、考慮されるべき各々のオフセット(又は、“コード位相仮説(code phase hypothesis)”)について繰り返されても良い。GPS C/Aコード位相のサークルにおいて、1023個のあり得る仮説(又は、1/2チップの分解能における2046個の仮説)が存在する。しかしながら、多くの場合において、探索されるべき仮説の数は、前の探索から及び/又は外部ソース(例えば、位置判定実体(position determination entity)(PDE))から得られる、受信コードのコード位相位置についての知識を適用することによって、大いに削減されても良い。そのような実装において、探索は、例えば、256チップの幅又は32チップの幅又はより少ない幅に削減されても良い。
あるいは、様々なコード位相仮説に関する相関結果及び/又はエネルギー結果は、周波数領域におけるオペレーションを介して得られても良い。ここでは、全体のコード位相のサークルは、例えば、受信コードを周波数領域に変換し(例えば、高速フーリエ変換(FFT)のような離散フーリエ変換(DFT)オペレーションを使用して)、該変換された信号を、参照コードの整合フィルタで乗算し、そして、時間領域において対応する結果を得るために、逆変換を適用することによって、選択された分解能で効率的に探索されても良い。幾つかの周波数領域の相関技術はまた、周波数領域においいてより精密な(narrow)探索を実行するために使用されても良い。例えば、米国特許出願公開第2004/0141574号(Akopian, 2004年7月22日に公開)は、コード位相の制限された範囲にわたる探索のための周波数領域の方法を説明すると主張している。
時間領域における計算に関しては、一度に2以上の参照コードについての探索をサポートするために、適当な相関器(例えば、プログラムされた又はさもなければFFT、IFFT及び関連するオペレーションを実行するようにアレンジされた、一組の論理素子(例えば、トランジスタ及び/又はゲート))の複数のインスタンスを含むことが、周波数領域の実装において要求されても良い。前もって参照コードの変換を実行し、その結果を、メモリに(例えば、不揮発性メモリに)ストアすることはまた、望ましい場合がある。
コード位相ディメンションにおいて受信コードを位置検出すること(locating)に加えて、受信機と送信機との間での相対運動を考慮することはまた、望ましい場合がある。ここでは、受信機と送信ソースとの間のそのような相対運動(及び/又は、可動反射器(moving reflector)に起因し得るような2つの間の仮現運動(apparent motion))は、vf/c・cos φとしてヘルツで表されることができる受信機におけるドップラー周波数エラーをもたらす。ここで、vは受信機及びソースの仮現相対速度(apparent relative velocity)であり、fはヘルツでのキャリア周波数であり、cは光速であり、φは受信機の移動の方向と受信機から送信ソースへの方向との間の角度である。受信機が、ソースの方へ直接移動しているならば、φ=0ラジアンであり、また、受信機が、ソースから離れて直接移動しているならば、φ=0ラジアンである。
特定の実装における地上のGPSユーザのために、互いに関連するSV及びユーザの結合された移動に起因するドップラー偏移は、およそ+/−2.7ppmに達しても良い。合計4.7ppmの周波数不確実性のために、受信機における1又は複数の発振器の周波数エラーは、およそもう2ppmを加えても良い(あるいは、局部発振器エラーは、例えばPLL又は他の補正ループ(correction loop)で、少なくともいくぶん補正されても良い)。この4.7ppmは、1.57542GHzのL1キャリア周波数において、およそ+/−7.5kHzに対応する。フィルタは、その範囲の外側の周波数コンポーネントを除去するために使用されても良い。
したがって、コード空間において信号を探索することに加えて、受信デバイスはまた、周波数空間において信号を探索しても良い。多くの技術及び対応する相関器及び探索器の構造は、時間領域及び/又は周波数領域におけるオペレーションを使用して2つのディメンションにおける検索結果を得るために、使用されても良い。一つの特定の例において、相関は、時間領域において特定のコード位相仮説について実行され、そして、その結果は、周波数仮説の所望の範囲がそのコード位相仮説について探索される周波数領域に(例えば、DFT又はFFTを使用して)変換される。そのようなオペレーションは、コード位相仮説の所望の範囲にわたって繰り返されても良い。
非常に低いレベルをもつ受信信号(例えばGPS信号)のために、コヒーレント積分を使用して特定のグリッド・ポイントにおいてエネルギーをアキュムレートすることは、望ましい場合がある。時間領域において、コヒーレント積分は、受信コードの2以上の連続的なコード期間にわたって相関及び/又はエネルギー結果を合計することによって達成されても良く、そして、周波数領域において、それは、時間にわたって周波数成分の各々を合計することによって、実行されても良い。
GPS C/A信号が50ビット/秒のレートで、データで変調されるので、信号のコヒーレント積分は、20ミリ秒に制限されても良い。データがアプリオリに知られているならば、それは信号から除去されても良く(データ・ワイプオフ又は変調ワイプオフと呼ばれる処理)、そして、コヒーレント積分期間は、例えば、40ミリ秒又は最高160ミリ秒若しくはそれ以上までさえ延長されても良い。非コヒーレント積分はまた、最高88回又はそれ以上まで、連続しないコード期間又はコヒーレント積分期間からの結果を結合(combine)するように構成されても良い。統合(integrated)されたGPS受信デバイスをもつ通信デバイスにおいて、積分時間は、通信チャネルの要求に関係する最大チューン・アウェイ時間(tune-away time)により制限されても良い。
特定の実装において、GPS C/A信号の上で送信されるデータは、大部分は冗長(largely redundant)であり、変調ワイプオフをサポートするためのデータは、例えばPDEのような外部ユニットにより提供されても良い。PDEは、関係する情報(例えば、いずれのSVが、現在、見えるか(visible)、そして、それらのおよそのコード位相及びドップラー)を提供しても良い。PDEはまた、探索を開始するためにGPS受信デバイスを要求するように構成されても良い。GPS受信デバイスとPDEとの間の通信は、セルラ通信のためのネットワークの上で(例えば、GPS受信機が組み込まれるセルラ電話トランシーバを介して)起こっても良い。
コード及び/又は周波数仮説のスペーシング及び範囲は、例えば要求されるSV信号の強度、干渉信号強度、コード位相の範囲及び周波数不確実性、要求される正確さ、要求される検出可能性及び要求される固定時間(time-to-fix)のような要因に基づいて、変化させられても良い。ここでは、例えば、コード位相スペーシングは、1チップ、1/2チップ及び1/4チップを含んでも良い。周波数範囲は、例えば、+/−31.25Hz、62.5Hz、125Hz及び250Hzを含み、特定の実装について、該範囲は、20の周波数ビンに分割されている。積分期間があまりに長いならば、2つ以上のコード位相及び/又は周波数ビンにわたる受信エネルギーのスミアリング(Smearing)が起こることがある。周波数領域におけるスペーシングがあまりに狭いならば、2つ以上の周波数ビンにわたる受信エネルギーのスミアリングが起こることもある。
受信デバイス(又は、そのようなデバイスの中の探索器)は、周波数スペーシング及び積分長のような特徴によって識別される幾つかの異なる探索モードの選択可能な一つに従って探索を実行するように構成されても良い。例えば、探索オペレーションは、より精細な(finer)分解能での1又は複数の探索が後に続く、低分解能の広範囲に及ぶ(wide-range)探索を含んでも良い。探索は、初期コード捕捉のために実行されても良く、後に続くトラッキングは、タイミング・ループを使用してなされる。他のアプリケーションにおいて、コードの捕捉は、十分である場合がある。受信デバイスの中であるかどうか、又は、該デバイス(例えばPDE)と通信する他のユニットの中にあるかどうかにかかわらず、受信コードのコード位相は、受信コード(又は擬似距離)の到達時間(time-of-arrival)のメジャーメントを得るために使用されても良く、また、幾つかのSVからの擬似距離は、空間における位置を得るために統合(combined)されても良い。
受信信号は、2以上のコードを運んでも良い。例えば、受信されるGPS信号が2以上のSVにより送信されるコードを含み得るように、地球の表面上の任意の位置において、見える最高12の異なるGPS SVが存在しても良い。GPS受信デバイスは、例えば、一度に、4、8又はより多くのSVを探索しても良い。そのような探索(それは受信信号の同一の部分の上で実行されても良い)は、順次に及び/又は並列に、行われても良い。
図4は、周波数ディメンションにおける20の仮説にわたって広がるコード位相探索ウィンドウ、及び、コード位相ディメンションにおける32のコード位相仮説又はビンの例を示す。コード位相探索ウィンドウの各々のディメンションの仮説の特定の位置及び/又はスペーシングの選択は、外部的に及び/又は1又は複数の前の探索から得られる情報によって導かれても良い。例えば、所望の信号が所定のコード位相から特定のチップ数の範囲内にあることが、及び/又は、該信号が所定の周波数のまわりの特定のバンド幅の中で見つかり得ることが、知られているか又は推定されても良く、それに応じて、コード位相探索ウィンドウが、定義されても良い。また、以下に記すように、コード位相探索ウィンドウは、例えば、マルチ・トーン・ジャマーを検出する目的に関する1又は複数の条件の検出に応答して、コード位相ディメンションにおいてシフトされても良い。探索が2以上のコードのために行われるべき場合において、関連する探索ウィンドウは、同一のディメンションを有している必要はない。
探索は、D×Cのエネルギー結果のグリッドを得るために、(例えば、C個のコード仮説によるD個の周波数仮説の探索ウィンドウに従って)行われても良く、各々の結果は、D個の周波数仮説のうちの一つ及びC個のコード仮説のうちの一つに対応する。我々は、特定の周波数仮説についての複数のコード位相仮説に対応するエネルギー結果のセットを、“ドップラー・ビン(Doppler bin)”と呼ぶ。
図5は、20のドップラー・ビン(各々のビンは、64のコード位相仮説をもつ)のエネルギー・グリッドの中のピークの例を示す。この例において、グリッドがコード空間における32チップにわたって広がるように、隣接するコード位相仮説は、1/2チップ離れている。この図中のエネルギー・ピークは、ドップラー・ビン10中のコード位相仮説16における、選択されたSV信号の存在を示す。受信機(又は、そのようなデバイスの中の探索器)は、受信信号の同一の部分から、異なる幾つかの対応するSVのためにエネルギー・グリッドを生成しても良い(グリッドは、場合により、異なるディメンションをもつ)。
受信信号は、異なる時間に受信機に到着するように異なる経路上を伝播する同一の送信信号の複数のバージョンを含んでも良い。そのような受信信号の対応する参照コードとの相関は、異なるグリッド・ポイントにおける幾つかのピーク(送信信号の異なるインスタンス(マルチパスとも呼ばれる)に対する各々のピーク)をもたらす場合がある。様々なマルチパスの間での遅延に関して、送信機と受信機との間の相対速度が著しく(significantly)変化しない限り、これらのマルチパス・ピークは、同一のドップラー・ビンの範囲に入り得る。図6は、送信信号のマルチパス・インスタンスのための幾つかのピークがすべて同一のドップラー・ビンに位置する例を示す。
エネルギー・グリッドはまた、参照コードと探索されている特定のSVの信号との有効な相関以外の影響に起因するピークを含むことがある。例えば、他のソースからの帯域内信号(in-band signal)はまた、グリッド内に1又は複数のピークを生成するのに十分なエネルギーをもっていることがある。そのような信号は、概して、ジャマー(jammer)と呼ばれることがある。
一つの特定の例において、受信デバイスは、セルフ・ジャミング(self-jamming)であることがある。つまり、ジャミング信号(jamming signal)は、内部のソースから生じる。共通の内部ジャマーは、例えば、内部発振器(例えば、位相ロックループ(PLL)、電圧制御発振器(VCO)、局部発振器(LO)、又は、デジタル論理回路(例えばプロセッサ)の周波数変換及び/又はクロッキングのために使用される他の発振器又はクロック回路)からのクロック・スパー又はリーケージ(clock spurs or leakage)を含むことがある。ジャミング信号はまた、外部ソースから生じることがある(例えば、近くのGPS受信機からのクロック・スパー又は発振器リーケージ)。しかしながら、これらは単にジャマー及び/又はジャミング信号のソースの例であり、クレームされた主題は、これらの点で制限されないことは、理解されるべきである。
連続波(CW)帯域内ジャミング信号は、相関オペレーションによってコード空間にわたって広げられることがある。それはまた信号をおよそ30dBc減衰するであろう。図7Aの例で示されるように、ジャマーは、対応する周波数におけるコード位相仮説の多く又は全てにおいて同様のエネルギーをもつ一連のピークをもたらすことがある。地上ベースの受信機において受信されるSPS信号の強度が与えられると、熱雑音レベルをはるかに下回る(well below)ジャマーさえ、エネルギー・グリッドにおける多数の比較的強いピークをもたらし、それゆえ、受信機が既存の有効な相関ピークを検出するのを防ぐのに十分であることがある。
理想的な状況において、グリッドの中で最も高いエネルギーをもつピークは、有効な相関に対応するであろう。それで、様々な仮説の間でコードを位置検出すること(locating)は、単に最も高いエネルギーをもつピークを検出することであるであろう。しかしながら、図6の特定のマルチパスの例において示されるように、グリッドの中で最も高いピークは、最も正確なものでないことがある。したがって、受信コードを位置検出(locate)するために、グリッド値のうちの少なくとも幾つかの更なる処理を実行することは、望ましい。
特定の実装において、SPS受信機を構築するために使用されるデバイスにおけるチップ・エリアを最小にすることは、望ましいことがある。データ記憶素子のアレイ(例えばメモリ・セル)が多くのチップ・エリアを占有する傾向があるので、通常、他の動作パラメータに過度に影響を及ぼすことなくデータ記憶素子の数が削減されるように、チップ・デザインを実装することは望ましい。グリッド値が格納される記憶素子のアレイが連続する探索(例えば、異なる参照コードを使用する探索又は受信コードの異なる部分の上で同一の参照コードを使用する探索)において再利用されるように、探索器(又はその処理ロジック)を実装することが、要求されても良い。そのような検索器は、グリッドが上書きされるのを可能にする前に、ベスト・ピーク(best peak)の探索をサポートするために、及び、この情報を格納し又はさもなければ他のユニットにそれを提供するために(例えば、格納及び処理されるために)、グリッドから十分な情報を抽出するように構成されても良い。例えば、探索を指示するオペレーション及びピークをレポートするオペレーションは、一つの処理ユニットにより(例えばファームウェアにおいて)実行されても良いが、いずれがベストかを判定するオペレーションは、全グリッドにアクセスすることができない他の処理ユニットにより(例えばソフトウェアにおいて)実行されても良い。一つの特定の実装において、そのような格納された情報は、最大のピークのリスト、又は、グリッドの最も強いピークのリスト(例えば、最も高いエネルギーをもつ10のピーク)、並びに、それらが対応するコード位相及び周波数仮説を含んでも良い。
要求される探索空間を、いずれか又は両方のディメンションにおいて、幾つかのより小さな“ウィンドウ”にセグメント化することによって、大きな探索(large search)が実行されても良い。例えば、コード空間において隣接するコード位相探索ウィンドウからの結果は、コード空間におけるより大きなコード位相探索ウィンドウを効率的に作成するために、結合されても良い。そのような方法において、およそ256のチップの効率的なコード位相探索ウィンドウ(例えば、およそ512の仮説)を作成するために、8つの32チップ・コード位相探索ウィンドウ(例えば、各々は、64の仮説をカバーする)が結合されても良い。同様に、周波数空間において隣接するコード位相探索ウィンドウからの結果は、周波数空間におけるより大きなコード位相探索ウィンドウを効率的に作成するために、結合されても良い。
特に結果として生じるグリッドが互いに独立して処理されるべき場合、結合されるべきコード位相探索ウィンドウをオーバーラップすることは、望ましい場合がある。例えば、グリッドの端における仮説が極大(local maximum)であるかどうか判定されてもよいように、少なくとも一つの仮説のオーバーラップが要求されても良い。さらに、より早い(earlier)マルチパスに起因するピークが識別されてもよいように、幾つかのチップによりコード空間においてコード位相探索ウィンドウをオーバーラップすることが要求されても良い。
一つの特定の例において、グリッド中の最大のピークの位置は、有効な相関結果の位置と関連している場合がある。しかし、比較的強いピークが最大のピークと同じドップラー・ビン中に、そして、それの前の8つのチップの範囲内で見つかるならば、例えば、その代わりに、より早いピークが、同一の信号の第1の(すなわち最も直接の)マルチパスであると仮定され、有効な相関結果として選択されても良い。より早いピークが最大のピークとは異なるウィンドウ・セグメントで起こるならば、2つのピークの間の関連は、分らないままでも良い。したがって、図8で示すように(この場合、4つのチップによって)、個々のウィンドウ・セグメントをオーバーラップすることは、望ましい場合がある。
あいにく、そのようなオーバーラッピングは、探索処理にオーバーヘッドを追加する。図8中の8つのウィンドウ・セグメントの各々が64の仮説の幅であるならば、たとえ実行される探索の総数の幅が512であるとしても、結果として生じる実効的な探索ウィンドウは、たった484の仮説の幅であることができる。
その代わりに、セグメント化されたコード位相探索ウィンドウに関連するオーバーヘッドを避けるために、コード位相探索ウィンドウのサイズを増加させることは、望ましい場合がある。例えば、そのコード空間及び/又は周波数空間におけるディメンションが動的に変更され得るコード位相探索ウィンドウ(例えば、コード空間において64から最高512 1/2までのチップ仮説(from 64 up to 512 1/2 - chip hypotheses))を実装することが、要求されても良い。
図9は、ジャマー・リッジのピークすべてが、有効なピークより高いエネルギー値を持つエネルギー・グリッドを示す。この場合には、合理的なサイズの最大のピークのリストのエントリの全てが、ジャマーによって占められ、それゆえ、信号の位置を防ぐ可能性がある。コード位相ディメンション中の探索グリッドのサイズに伴って、ジャマーに起因するスプリアスの(偽の、spurious)ピークの数が増加すると予期されるであろうから、コード位相において広がる探索ウィンドウの中のジャマーは、いっそう、最大のピークのリストに負担をかけ過ぎそうである。
図10は、一つの実装に従ったプロセスM100を示すフローチャートである。そのような方法は、エネルギー・グリッドにおけるD個のビンの各々について実行されても良く、あるいは、ビンの幾つかをこの処理オペレーションから除外することが要求されても良い。例えば、外側のドップラー・ビンにおけるエネルギー結果のいずれかが極大(local maxima)であるかどうか判定するための十分な情報が、利用できない場合がある。したがって、(D−2)個の他のビンの上のみで本方法を実行することが、決定されても良い。同様に他のビンを除外するための理由が存在しても良い。例えば、前の探索は、1又は複数のビンが信頼できる結果を与えるにはあまりに破損されている(corrupted)ことを示しても良く、あるいは、周波数空間のより狭い部分に探索を削減することが要求されても良い(例えばさらなる情報に基づいて)。このように、プロセスM100は、エネルギー・グリッドにおけるd個のビンの各々について実行されても良い。ここで、dは1より大きく且つD以下である。
便宜上、この説明は、エネルギー値のグリッドの概念を指し示すが、必ずしも、いかなる瞬間においてもそのようなグリッドにおける値の全てが存在するわけではないことは、理解されるべきである。(例えばプロセスM100の実装に従って)何らかの値が処理されている間、“グリッド”の他の値はまだ計算されていないことがあり、一方、すでに処理された“グリッド(grid)”の値が返されていることがある。実際に、ビンの範囲内でさえ、必ずしも、いかなる瞬間においても該値の全てが存在するわけではなく、プロセスM100の何らかの実装に従ったビンの処理は、すべてのビン値が利用可能になる前に、始まっても良い。
タスクT110は、ビンにおけるピークを識別しても良い。例えば、タスクT110は、コード位相空間において及び周波数空間において極大であるそれらのエネルギー結果を、ピークとして分類するように実装されても良い。これらの点における結果が極大であるかどうか判定するのに十分な情報が利用できないとき、タスクT110は、各々のビンについて最初の及び/又は最後のコード位相仮説をスキップしても良い。しかしながら、プロセスM100から除外されるグリッド・ポイントにおける結果が、テストの下の結果が極大であるかどうか判定する際に依然として考慮されるように、タスクT110を実行することが要求されても良い。タスクT110の何らかの実装において、計算の複雑性(computational complexity)は、いずれかのディメンションにおいて識別された極大に隣接しているグリッド点を(コード位相において及び/又は周波数において)スキップすることによって、削減されても良い。
タスクT120は、ビンにおけるピークの間でP個の最も大きいものを選択しても良い。Pの値は、例えば、要求されるマルチパスNの最大許容数(maximum allowed number)に従って、選択されても良い。N(それはヒューリスティックに選択されても良い)の値は、受信された信号及び/又は受信する環境の特徴に従って一組の値の中から選択されても良い。分離できるマルチパスの存在は、都市峡谷環境で起こっている最も高い数のマルチパスで、非常に低い信号対雑音比で主に起こることが見出された。一つの例において、Nの値は、4にセットされる。Pの値を少なくとも(N+1)にセットすることが望ましい場合がある。
例えば過去の検索結果に基づいて、異なるビンから異なる数のピークを選択することが要求されても良い。幾つかの実装において、例えば、パラメータP及び/又はNの値は、ビンごとに(from bin to bin)変化しても良い。例えば、1又は複数のビンは、タスクT120においてそのようなビンに対する0ピークを選択することによって、プロセスM100から除外されても良い。タスクT110及びT120は、順次に及び/又は並列して、実行されても良い。
タスクT130は、該ビンのP個の最も大きいソートされたピークのリストを返しても良い。例えば、タスクT130は、各々のピークのリストをソートしても良く、また、該ソートされたピーク・リストを、更なる処理のための他のタスクにフォワードしても良い。一つの例において、プロセスM100は、ファームウェア・プログラムに従って、論理素子の第1のアレイ(例えば、組み込みプロセッサ)により実行されても良く、そして、タスクT130は、ソフトウェア・プログラムに従って、該ソートされたビン・リストを、更なる処理のための論理素子の第2のアレイ(例えば、マイクロプロセッサ)にパスしても良い。各々のピークがソートされるにつれて一つのピーク・リストが選択されるように、ビン・ピーク・リストのソートが、タスクT120の完了に伴って既に達成されていても良い。
図11は、プロセスM100の実装によって作成され得るの一組のd個のピーク・リストを示す。各々のリストは、ビン0〜(d−1)のうちの一つに対応し、各々のリスト・エントリーは、コード位相仮説に関連するエネルギー結果を示す。各々のリストは、エネルギーの大きい順にソートされる。
図12は、プロセスM100の特定の実装のフローチャートである。タスクT210は、一組のエントリn(1)〜n(P)を初期化しても良い(各々のエントリは、コード位相及び対応するエネルギー結果を示すように構成される)。タスクT220は、最初のP個のピークをn(1)〜n(P)に格納し、そして、エネルギーの大きい順にソートする。タスクT230及びT240は、プロセスM100が、ビンにおけるグリッド・ポイント全体を通して進行するようにするループ・メンテナンス・タスクである。タスクT250は、現在のグリッド・ポイントのエネルギー結果がピークであるかどうか判定しても良い。例えば、タスクT250は、エネルギー結果が、コード位相において且つ周波数において(又は、代わりに、一方の若しくは他のディメンションにおいて)極大であるかどうか判定しても良い。結果がピークであるならば、タスクT260は、該ピークのエネルギー値をn(P)のそれと比較する。該ピークのエネルギー値がn(P)より大きいならば、タスクT270は、エントリn(P)をピークで置き換え、また、エントリn(1)〜n(P)をエネルギーの大きい順にリソートする。
一つのアプリケーションにおいて、プロセスM110は、ファームウェアにおけるルーチンに従って、モジュール(例えば、探索プロセッサ(例えば専用又は組み込みプロセッサなどのような論理素子のアレイであっても良い))で実行されても良く、そして、結果として生じるリストは、ソフトウェアにおけるルーチンに従って、更なる処理のために、他のモジュール(例えば、マイクロプロセッサのような論理素子のアレイ)に格納されても良く又はさもなければ該他のモジュールに利用できるようにされても良い。
1又は複数の有効なピークに加えて、エネルギー・グリッドは、干渉信号(例えば1又は複数のジャマー及び/又は相互相関)からのピークを含むことがある。図9の例で示すように、ジャマーは、有効なピークより高いエネルギーをもつ十分なピークに、合理的なサイズの最大ピーク・リストをあふれさせることがあり、それゆえ、有効なピークが位置検出されること(located)を妨げる。プロセスM100により作成される一組のピーク・ビン・リストは、2以上のドップラー・ビンにおけるピークに関する情報を提供しても良い。プロセスM100の少なくとも幾つかの実装は、1又は複数の破損されているビンの棄却及び信号の首尾良い位置検出(successful location)をサポートするように構成されても良い。プロセスM100の少なくとも幾つかの実装は、少なくともコード位相ディメンションにおいて(場合により、動的に)広げられるコード位相探索ウィンドウを有効にするように構成されても良く、1又は複数の他のビンにおけるジャマーに起因する多数のピークのために、1つのビンにおける有効なピークをロスする可能性(likelihood)を低減する。
図13Aは、プロセスM100により生成されるビン・リストの上で及び/又はそれらのリスト中のピークの上で実行されてもよい更なるタスクの例を示す。ピーク強度テスト・タスクT500は、リスト中の少なくとも一つのピークのエネルギー値を、雑音レベルに関係する最小値と比較しても良い。リスト・エネルギー分布テスト・タスクT600は、リスト中のピークの間でエネルギーの分布をテストしても良い。ビン・エネルギー分布テスト・タスクT700は、1又は複数のピークのエネルギー値を、ビンに関する雑音測定値と比較しても良い。
特定の実装は、プロセスM100の態様を、ビン選別手続きと結合することを含んでも良い。該ビン選別手続きにおいては、タスクT500,T600及びT700のうちの1又は複数の結果に少なくとも部分的に基づいて、1又は複数の周波数仮説が、棄却される(例えば、更なる処理オペレーションの間、考慮されない)ことがある。あるいは、ピークの棄却が、同一のビンからの他のピークが考慮されることを妨げないように、タスクT500,T600及びT700の任意のものが、ピークごとに(on a peak-by-peak basis)適用されても良い。ビン・リスト中のピークの上で行われてもよい他のテストは、相互相関テスト・タスクT800(それは他のコードとの相互相関に起因しそうなピークを棄却してもよい)、及び、サイドローブ・テスト・タスクT900(それは他のピークのサイドローブでありそうなピークを棄却してもよい)を含む。
下に示すように、一つの特定の実装に従って、マルチ・トーン・ジャマー・テスト・タスクT1000は、検出されたエネルギー・ピークにおけるマルチ・トーン・ジャマーの存在を検出し、そして、マルチ・トーン・ジャマーのそのような存在の検出に応じて、そのようなエネルギー・ピークの処理に影響を及ぼしても良い。例えば、タスクT1000は、テスト・タスクT500〜T900の後で実行されても良い。図7Aに関して上で指摘されたように、シングル・トーン・ジャマーは、実質的に均一な“リッジ(ridge)”において、特定の周波数においてコード位相仮説にわたって、実質的に均一なエネルギー・プロファイル(energy profile)を持ち得る。下で説明される実施態様は、特定の周波数のあたりにおいてコード位相仮説にわたる不均一のエネルギー・プロファイル(例えば、図7Bで示すように正弦波の(sinusoidal))をもつマルチ・トーン・ジャマーの存在を検出しても良く、それに応じて、エネルギー・ピークの処理を変更しても良い。
図13Bは、特定の実装に従ったプロセスM300を示すフローチャートである。ここでは、ビン選別手続きは、ピーク強度テスト・タスクT500及びリスト・エネルギー分布テスト・タスクT600のうちの1又は複数を含んでも良い。ベスト・マキシマム・ピーク・テスト(Best maximum peak test)T300(それは残存しているビンの中から最もあり得る(likely)有効な最大ピークを選択するように構成されている)は、例えばビン・エネルギー分布テスト・タスクT700、相互相関テスト・タスクT800及び/又はサイドローブ・テスト・タスクT900のようなタスクを含んでも良い。ベスト・アーリー・ピーク・テスト(Best early peak test)T400(それはベスト・マキシマム・ピークに関係するより直接的なマルチパスの存在を判定するように構成されている)はまた、例えばビン・エネルギー分布テスト・タスクT700、相互相関テスト・タスクT800及び/又はサイドローブ・テスト・タスクT900のようなタスクを含んでも良い。プロセスM300は、擬似距離を計算するために使用され得るコード位相におけるドップラー・オフセット及び/又は位置を返しても良い。
選別手続きは、例えば、対応するビン・リスト中のピークが雑音フロア(noise floor)とは十分に区別されないことが判定される場合に、ビンを破棄することを含んでも良い。ピーク強度テスト・タスクT500の実装T510は、リスト中の第1の最大ピークのエネルギー値n(1)を最小値L1と比較しても良い。値L1は、少なくとも部分的に雑音フロアに基づいても良い。例えば、L1は、雑音フロアの値であっても良く、あるいは、L1は、雑音フロアと閾値T1との総和であっても良く、あるいは、L1は、雑音フロアのパーセンテージ(例えば110%)として計算される値であっても良い。しかし、これらは単にそのような最小ピークの値が少なくとも部分的に雑音フロアに基づいてどのようにして判定され得るかという例であり、そして、クレームされた主題はこの点で制限されないことは、理解されるべきである。雑音フロアの値は、測定されても良く(例えば、別々のレベル検出器を使用して又は受信されたサンプル・ストリームのデジタル解析によって得られる)、あるいは、予測されても良い(例えば、ジャマーの不存在を仮定する理論に基づいて)。雑音フロア値はまた、コヒーレント積分時間及び非コヒーレント積分時間の一方又は両方に依存しても良い。第1のピークのエネルギーがL1より少ないならば、例えば、ソートされたリスト中の他のピークのエネルギーはまた、この値未満に低下すると考えられても良く、そして、ビンは更なるテストなし破棄されることができる。図14Aは、ピークのエネルギー値が雑音フロアと比較されるそのようなテストにおいて適用されるパス(pass)及びフェイル(fail)基準の例を示す。
選別手続きでは、ビン・リスト中のピークの間のエネルギーの分布が考慮される。一つの実装において、対応するビン・リストがあまりに多くの有効なピークを含むならば、そのような手続きは、ビンを棄却しても良い。あるいは、そのような状態の下でビンを棄却する代わりに、選別手続きは、単に、そのビンを、疑わしいビンとして、フラグ及び/又は識別しても良く、例えば、タスクT720が、ビンが他の情報に基づいて棄却されるべきかどうかに関する決定をすることを可能にする。ビン・リストが順序付けられている特定の実装において、第(N+1)番目のピークのテストは、ビンがN個の有効なピークしかもたないという基準を満たすかどうかにかかわらず、確立するのに十分である場合がある。図15は、ビン・リスト中の第(N+1)番目のピークのエネルギーに関する2つの部分のテストを含むリスト・エネルギー分布テスト・タスクT600の特定の実装におけるプロセスT602のフローチャートを表す。一つの態様において、タスクT610は、第(N+1)番目のピークのエネルギーを、最小値L2(それは、測定された又は予測された雑音フロア値に少なくとも部分的に基づいても良い)と比較しても良い。例えば、L2は、雑音フロア値を含んでも良く、あるいは、L2は、雑音フロアと閾値T2との総和を含んでも良く(ここで、T2はT1に等しくてもよい)、あるいは、L2は、雑音フロアのパーセンテージ(例えば110%)として計算される値を含んでも良い。しかし、これらは、単にL2が特定の実装に従ってどのように判定され得るかの例であり、そのクレームされた主題がこの点で制限されないことは、理解されるべきである。第(N+1)番目のピークのエネルギーが最小値L2より小さいならば、タスクT610は、パスを登録しても良い。図14Bは、例えば、タスクT610の実装に関するパス及びフェイルのエネルギーの基準の例を示す。
ピーク・エネルギー分布テスト・タスクT602の他の部分において、タスクT620は、ビン・リスト中の第1番目のピークと第(N+1)番目のピークのエネルギー値の間の差分を、閾値T3と比較しても良い。ここでは、ジャマー・リッジのピークを、互いから分離することを避けるのに十分低いが、無関係な現象(例えば自己相関サイドローブ)からのピークが有効として識別され、それゆえ、ビンが破棄されることをもたらすことを妨げるのに十分高い、T3の値を選択することは、望ましい場合がある。GPS C/Aコードに関する自己相関のメインローブ及びサイドローブ間の最悪の場合の分離は、21.6dBであり、一つの例において、T3の値は、偏差(variation)及び誤差(error)に関するマージンを可能にするように、15dBにセットされる。第1番目のピーク及び第(N+1)番目のピークのエネルギー値の差分が15dB未満であるならば、例えば特定の実装において、第(N+1)番目のピークが自己相関サイドローブによらないと仮定されても良く、そして、ビンはあまりに多くの有効なピークを持つために棄却される。
第(N+1)番目のピークが雑音フロアより小さいならば、例えば、関連するビンが雑音レベルより大きいN個のピークしか持たないと判定されても良い。第(N+1)番目のピークが、雑音フロアより大きいが、最大ピークより小さい閾値より大きいならば、例えば、それは自己相関サイドローブによる可能性があり、それゆえ、ビンが依然としてN個の有効なピークしかを持たないように、無効にされる。いずれにしても、ビン中の幾つかの有効なピークは、ビンがジャマーによって破損されないという結論をサポートするために、十分に制限される。しかしながら、ピークが両方のテストにフェイル(失敗、fails)するならば(すなわち、それは有効なピークである)、ビンがあまりに多くの有効なピークを含み、それが破棄されることが判定されても良い。特定の実装において、タスクT610及びT620は、並列して又はいずれかの順序で実行されても良く、また、いずれのテストも、一旦、他のテストがフェイルしたならば、スキップされても良い。他の実装において、タスクT610及びT620の一方又は両方は、交互論理(alternate logic)に従って構成されても良い。例えば、雑音フロアより大きいピークがテスト・タスクT610にパスし、閾値の範囲内のピークがテスト・タスクT620にパスし、そして、両方のテストにパス(合格、passes)することが有効なピークを示すように、タスクが構成されても良い。
タスクT500の実装に従ったピーク強度テスト及びタスクT600の実装に従ったリスト・エネルギー分布テストを実行することの見込まれる利点は、全体のビンを保持するべきであるか除外するべきかについての決定が、方法M100により作成されるリストのピークのうちの2つのみを調べることに基づいてなされ得るということである。図16は、プロセスM100並びにタスクT500及びT600の実装を含む特定の実装に従ったプロセスM200を説明しているフローチャートを示す。
タスクT600の実装に従ったリスト・エネルギー分布テストの他の見込まれる利点は、そのようなテストが、異なるコードとの相互相関に起因する強いピークを持つビンを除外しても良いということである。特定の例において、2つの異なるGPS C/Aコードの間の相互相関がジャマーのようなリッジを生成しない可能性があるが、それでも、そのような相互相関に起因するピークが、コード空間におけるそれらの周期性に起因する有効な信号のそれらから区別される可能性がある。この周期性のため、そのような相互相関に起因する強いピークは、有効なピークの数がマルチパスNの最大許容数を超える原因になる可能性がある。コード位相探索ウィンドウ・サイズが増加するにつれて(例えば、相互相関関数のより多くの期間を含むために)、ジャマーとして相互相関ビンを除外する可能性が、増加し得る。他の実装は、あり得る(likely)相互相関の期間及び/又はドップラー周波数を識別するために、現在、いずれのSVが見えるかという知識を適用すること、そのような基準にマッチしているピークがグリッド中に存在するかどうか判定すること、及び、そのようなピーク又はそれらのビンを棄却することを含んでも良い。
本明細書で説明されるプロセスの少なくとも幾つかの実装の見込まれる利点は、たとえエネルギー・グリッドの幾つか又は多くのビンがジャマーによって破損されるとしても、他のビンにおける有効なピークがまだ見つかることができるということである。コード空間においてコード位相探索ウィンドウが非常に大きいことを考慮に入れても、ジャマーが多数のエネルギー・ピークを引き起こす場合があるように、特定の実装に従ったプロセスは、破損されるビンを考慮すべき事柄から除外することによって処理サイクルの初期にジャマー・ピークを棄却することと、一方で、d個のビンのうちの他の各々について幾つかのピークを維持することによって、有効なピークの以降の識別をサポートすることを、サポートするために使用されても良い。図17は、圧倒的に強いジャマー・リッジの存在の下でさえこのように検出される可能性がある早いマルチパスの一つの例を示す。
強いジャミング信号は、受信デバイスの動作に、他の好ましくない影響を与えるかもしれない。特定の実装において、受信機は、受信信号が弱い場合に、増幅器利得を増加し、受信信号が強い場合に、増幅器利得を低減するための自動利得制御(automatic gain control)(AGC)の何らかの形を利用しても良い(例えば、ADCのダイナミックレンジ内に信号レベルを維持する)。強いジャミング信号は、AGCが、雑音フロアより小さい有効な信号ピークをプッシュするのに十分な利得を低減する原因になる場合がある。場合によっては、ジャマーは、帯域内エネルギーの支配的なソースである場合がある。(例えばビン選別の間に)そのようなジャマーを検出すると、AGCが使用不能になるか又はさもなければ妨害されるかもしれないが、このように信号レベルを増加させることは、信号がクリップされる原因になる場合がある。更なる実施態様において、ジャマーによって破損される周波数バンドは、到来信号(incoming signal)から除外される。例えば、1又は複数のバンドストップフィルタは、ジャマーが検出されたRFバンドを減衰させるように選択的に構成されても良い。そのような減衰は、アナログ領域の信号上で及び/又はデジタル的に、実行されても良い。一つの実装において、信号が更なる処理のために低分解能(例えば4ビット)に変換される前に、高いダイナミックレンジのデジタル信号(例えば12〜18ビット)に関して、選択可能な減衰が実行されても良い。
更なる処理は、プロセスM100又はM200の実装の後で、ピーク・ビン・リストに関して実行されても良い。例えば、Douglas Rowitchによる「ジャマー検出のための手続き(Procedure for Jammer Detection)」と題された米国特許第7,127,011号で説明されるそれらのような手続きは、リスト又は残存するリスト中のピークに適用されても良い。
一つの特定の実装において、ビン・エネルギー分布テスト・タスクT700は、ベスト・マキシマム・ピークを識別するために、一組のビン・リストを処理しても良い。図18Aは、タスクT700の実装T702のフローチャートである(それはビン・リストの間でのベスト・マキシマム・ピークを返すように構成される)。この特定の実装(それは1又は複数のテストを含む)は、諸テストにパスするピークが見つかるまで、最大ピークのリスト全体にわたって、繰り返しても良い。本明細書で説明される相互相関テスト・タスクT800及び/又はサイドローブ・テスト・タスクT900の実装は、タスクT700の他の実装に組み込まれても良い。
ピーク選択タスクT710は、各々のビン・リスト(又は、ビン選別が実行された場合には、各々の残存するビン・リスト(surviving bin list))から、最も高いエネルギーをもつピークを選択することによって、ビン・リストから、最大ピークのリストを作成しても良い。タスクT710はまた、このリスト中のピークを、それらのエネルギー値により(例えば、高いものから順に)ソート(整列、sort)しても良い。幾つかのアプリケーションにおいて、タスクT710は、1又は複数のビンから2以上のピークを選択して、リストするように実装されても良い。例えば、ループ初期化タスクT720は、リスト中の最も高いエネルギーをもつピークを、テストのための現在のピークとして、選択しても良い。
たとえ現在のピークが雑音フロア値を超えるとしても、関連するビンが雑音によって破損され、現在のピークが信頼できないことがある。現在のピークのために、雑音推定タスクT730は、関連するビンについて、平均雑音エネルギーの測定を得ても良い。この雑音エネルギー測定(それは平均測定雑音推定(mean measured noise estimate)と呼ばれることがある)は、ビンのピークでないサンプル(non-peak samples)の平均エネルギーとして計算されても良い。
一つの特定の実装において、タスクT730は、ビンに関するエネルギー総和を計算すること、ピークに起因するエネルギーを減算すること、そして、減算された値の個数より少ないビン中の値の個数によって結果として生じる総和を分割することを含んでも良い。ここでは、減算されるべきピークは、ビン・リスト中に出現するそれらのピークのみを含んでも良く、あるいは、また、幾つかの閾値を超えるエネルギー値を持つ他の極大を含んでも良い。一つの例において、減算されるべきピークは、雑音フロアを超え且つビン中の最大のピークの15dBの範囲内にある極大を含む。ピークに起因するビンから減算することは、3つの値が各々のピークに関するビンから減算されるように、ピークに隣接するビン中のグリッド・ポイントのエネルギー値を減算することを含んでも良い。幾つかの実装において、平均雑音エネルギー測定(average noise energy measure)は、関連するビン・リストを使う探索器によって計算及び提供されても良い。
ジャマーに起因するピークに関するエネルギー値と、関連するドップラー・ビンに関する雑音推定との間の比率は、有効なピークに関するエネルギー値と、関連するドップラー・ビンに関する雑音推定との間の比率に比べて、非常に小さい場合がある。比率テスト・タスクT740は、現在のピークに関するエネルギー値を、ビンに関する平均雑音エネルギーと比較しても良い。これらの値の間の比率が閾値T4より少ない(又は、等しい)ならば、ピークは棄却されても良い。ビン中の最大のピークが、このテストにフェイルするならば、ビン中のすべての他のピークは、同様にフェイルすることがあり、無視されても良い。
閾値T4は、不変であっても良いし、可変であっても良い。例えば、T4のための値は、コヒーレント積分及び/又は多くの非コヒーレント積分の特定の期間に従って選択されても良い。以下の表1は、T4の一組の異なる値の一つの例を示す。
タスクT700はまた、粗いジャマー検出タスクT750を含んでも良い。それは、平均雑音エネルギー測定を得るためにビンから減算されたエネルギー値の総数が、閾値T5を超える場合に、ビンを棄却しても良い。一つの特定の例において、T5は、各々のピークに関するビンから減算されるエネルギー値の個数(上の例において、3)と、マルチパスの最大許容数Nとの積にセットされても良い。
一つの実施態様に従って、シングル・トーン・ジャマー信号は、以下のように、関係(6)に従ったs(t)としてモデル化されても良い。
ここで、A0は、トーン振幅であり、
f0は、キャリア周波数に関連するシングル・トーンの周波数である。
受信ジャマー信号s(t)は、例えば、以下のような関係(7)に従ったフーリエ級数としてモデル化される信号c(t)により表されるC/Aコードとの相関によって受信機において処理されても良い。
ここでは、相関フィルタ出力信号y
0(t)は、非コヒーレント・オペレーションの前に、以下の関係(8)に従って表されても良い。
ある整数Kについて、f
oは、キャリア周波数を意味し、f
aは、受信エンド・ローテーター周波数f
o´=f
o−f
aを意味し、また、x=0ならば、δ(x)=1であり、さもなければ、0である。特定の実装において、時間において有限窓関数(finite windowing functions)を適用して、シングル・トーン・ジャマーは、コヒーレント積分長の関数として、周波数の範囲にわたって検出可能であっても良い。特定の実施態様において、あるKについて、f
0´=1000Kであり、非コヒーレント二乗オペレーションを使用する積分、我々は以下のような関係(9)に従ってy(t)を得る。
それゆえ、周波数オフセットfo´において、時間から独立したDC成分が存在する。これは、図7Aにおいて示され、ここでは、ジャマー・エネルギーは、すべてのコード位相仮説にわたって、静的なリッジ及びオフセットにおいて一つの周波数のあたりに位置する。上で説明されるように、ドップラー・ビンにおけるそのようなDC成分は、例えば、図15中に示されたピーク数テスト・タスクT602(例えば、ドップラー・ビン中の有効なピークの数をカウントすること)、図18A中に示された比率テスト・タスクT740(例えば、現在のピークのエネルギー値を、ビンに関する平均雑音エネルギーと比較すること)、及び/又は、図18A中に示された粗いジャマー検出タスクT750(例えば、平均雑音測定を得るためにビンから減算されたエネルギー値の総数が、閾値を超えるかどうかを判定すること)のようなテストを使用して、検出されても良い。上で説明されるように、これらの技術の1又は複数を使用してシングル・トーン・ジャマーを検出したときに、関連するドップラー・ビンが棄却されても良い。他方、マルチ・トーン・ジャマーの場合、これらのテストは、単独で、マルチ・トーン・ジャマーの検出及び関連するエネルギーの棄却において、効果的でない場合がある。
特定の例において、マルチ・トーン・ジャマーは、複数のトーン及び/又は周波数においてエネルギーをもつ信号を提供し得る。ツートーン・ジャマー(two-tone jammer)(マルチ・トーン・ジャマーの特定の例)は、一次トーン又は周波数、二次トーン又は周波数、一次トーンと比較した二次トーンの強度によって特徴付けられる、幾つかのプロファイルのうちのいずれか一つを有しても良い。下記の表2は、そのようなプロファイルの例を提供する。しかし、これらは単に説明のために提供されるマルチ・トーン・ジャマーのプロファイルの特定の例であり、そのクレームされた主題はこの点で制限されないことは、理解されるべきである。
マルチ・トーン・ジャマーはまた、関数によって特徴付けられても良い。特定の例において、マルチ・トーン・ジャマー信号は、以下のような関係(10)に従ったs(t)としてモデル化されても良い。
ここで、
fmは、キャリア周波数と比較した、マルチ・トーン・ジャマーの単一の第m番目のトーンの周波数を表し、
Amは、マルチ・トーン・ジャマーの第m番目のトーンのトーン振幅を表す。
特定の実施態様において、{f´m}は、1kHzのある倍数に等しく、関係(10)で示されたマルチ・トーン・ジャマー信号s(t)と、信号c(t)によって表されるC/Aコードとの相関は、以下のような関係(11)に従ったフーリエ級数としてモデル化されても良い。
非コヒーレント二乗オペレーションを使用して関係(11)で表されるマルチ・トーン・ジャマーについてy
0(t)を積分することは、以下のような関係(12)に従ったy(t)を提供しても良い。
ここでは、y(t)はDC成分及び時間的に変化する成分の両方を含むことが、認められるはずである。マルチ・トーン・ジャマーがツートーン・ジャマーである特定の実施態様において(例えば、M=2をセットする)、y(t)は、以下のような関係(14)に従って変形(reduced)されても良い。
これは、ツートーン・ジャマーが、すべてのコード位相仮説にわたって対応する周波数オフセットに位置される(located)、正弦波エネルギー(例えば、正弦波リッジとして)をもつ一連のピークをもたらす特定の例によって、説明される。この正弦波リッジに起因して、更なる処理なしで、ツートーン・ジャマーは、上で概説された1又は複数のジャマー検出テスト(例えば、タスクT602,T740及びT750)にパスする場合がある。
図4中の例示的な実装に従って上で説明されたように、コード位相探索ウィンドウは、固定された及び/又はセットされた数のコード位相仮説を含んでも良い。すぐに説明される実施態様において、例えば、そのようなコード位相探索ウィンドウは、32のコード位相仮説を含んでも良く、各々のコード位相仮説は、C/A参照コードにおける関連するチップに対応している。しかし、これは単に特定の実装に従ったコード位相探索ウィンドウの例であり、クレームされた主題はこの点で制限されない。
図7B及び関係(14)で説明されるように、マルチ・トーン・ジャマーは、コード位相仮説にわたって正弦関数として大幅に変化するドップラー・ビンに沿って、エネルギー・プロファイルを生成しても良い。図7Cに示される特定の例において、そのようなエネルギー・プロファイルは、およそ64のチップ期間を有しても良い。しかし、これは、単に、説明の目的で提供された、そのような正弦波エネルギー・プロファイルの期間の例であり、クレームされた主題はこの点で制限されない。
また、マルチ・トーン・ジャマーのそのような正弦波エネルギー・プロファイルは、コード位相探索ウィンドウの境界に関して、未知の位相を有していても良い。ここでは、図7B及び7Cに示される正弦波ジャマー・エネルギーは、未知の及び/又はランダムな位相を有する場合があることが、関係(14)から認められるはずである。そのような正弦波エネルギー・プロファイルからのピークが、コード位相探索ウィンドウの境界のあたりにのみ検出される場合に、そのようなエネルギー・ピークが、有効な相関ピークを表すか、又は、単に、コード位相探索ウィンドウの境界に現れるだけであるジャマー・エネルギーを表すに過ぎないか判定するために、上記のタスクT602,T740及びT750を越えた更なる処理が使用されても良い。
コード位相探索ウィンドウが、正弦波ジャマー・エネルギーの期間のおよそ1/2であり、コード位相探索ウィンドウが、32チップに及ぶように置かれ、及び/又は、コード位相仮説が、チップ0からチップ32までである、図7Cの特定の例において、正弦波ピークは、コード位相探索ウィンドウの中心のあたりに位置される(located)。そのようなジャマーに雑音信号10を加えたものは、チップ又はコード位相仮説17のあたりにピークが検出され得るように、検出閾値12を上回って広がる。ここでは、上記のタスクT602、T740又はT750のうちの1又は複数は、ドップラー・ビンにおいてそのようなジャマーの存在を検出することができる場合があり、ジャマーに起因しているドップラー・ビン中のピークを棄却することを可能にする。
対照的に、コード位相探索ウィンドウがその代わりにチップ32からチップ64に及ぶ場合には、ジャマーに雑音信号10を加えたものは、この範囲のいずれかの部分において検出閾値12を超えず、ピークを検出しない結果をもたらす。この特定の探索ウィンドウの上では、したがって、ジャマーの存在は、真のコード位相に関連する有効な相関ピークの検出に影響を及ぼさないことができる。
コード位相探索ウィンドウがチップ16からチップ48に及ぶ特定の例において、ジャマーに雑音信号10を加えたものは、このコード位相探索ウィンドウの下方境界のあたりにおいて、ピークに達する。ここでは、4つの極大のピークは、チップ17,23,26及び30のあたりにおけるエネルギーを減少させることで、検出閾値12を上回って検出される場合がある。そのように、最も強いピークは、チップ17のあたりにおいて検出される。コード位相ビン17を超えるビンの範囲においてエネルギーを減少させることで、極大が検出されるが、コード位相ビン17の前のコード位相探索ウィンドウ中のコード位相ビンにおいて低エネルギーをもつ極大は、検出されない。ここでは、例えば、Nより少ない有効なピークが存在するので、タスクT602及びT750は、このコード位相探索ウィンドウにおいて、このジャマーを検出することにフェイルすることがある。それゆえ、不十分なセルは、雑音の計算から除外される。さらに、雑音推定がチップ32〜48中のセルに起因してまだ低いので、タスクT740はまた、そのようなジャマーの存在の検出にフェイルすることがある。したがって、それはピーク検出がコード位相ビン17で起こるかどうかに関して確定的でない(ジャマーにチップ0〜16からの雑音信号10を加えたものの一部が、この特定のコード位相探索範囲において検出可能でないので)。この特定の例において、タスクT602、T740又はT750における上記のテストは、ジャマーの存在を検出しない場合があり、コード位相ビン17におけるピークの検出を、有効な相関ピークであるとして扱わない場合がある。
特定の実装に従った図18Aを参照して、ツートーン・ジャマーからエネルギーにおいて検出されたピークは、上で示したように、特定の状況の下で、タスクT740及びT750におけるテストにパスする場合がある(例えば、ピーク・エネルギーが、コード位相探索ウィンドウ境界でのみ検出される場合)。ツートーン・ジャマーからのそのようなエネルギーを、有効な相関ピークとして間違って検出することを避けるために、検出されたエネルギー・ピークは、そのような検出が有効であることを確認するために、あるいは、マルチ・トーン・ジャマーのあり得る存在について対処するために処理が変更されるべきかどうかを確認するために、更に評価されても良い。ここでは、タスクT602,T740及びT750における上記のテストにパスすると、ダイヤモンドT760において判定されるように、タスクT780は、現在のピークを、ベスト・マキシマム・ピークとして識別する。それから、タスクT1000における更なる処理がマルチ・トーン・ジャマーの存在を検出し及び/又はそのような検出に基づいて処理を変更し若しくは処理に影響を及ぼし得るように、タスクT790は、識別されたベスト・マキシマム・ピークのドップラー・ビンにおけるエネルギー・ピーク間のスペーシングを計算しても良い。
図18Bに示されるプロセスは、特定の実装に従ったマルチ・トーン・ジャマー・テストT1000の少なくとも一部を実行しても良いが、クレームされた主題はこの点で制限されない。例えば、そのようなプロセスは、サイドローブ・テストT900が終了すると、タスクT1002において開始されても良い。タスクT1004は、ベスト・マキシマム・ピーク(例えば、タスクT780において判定された)が、該ベスト・マキシマム・ピークが有効な検出であるかどうか判定するために、コード位相探索ウィンドウの境界に近いかどうか、あるいは、処理が変更されるべきかどうか、判定しても良い。例えば、ピーク・エネルギーが、コード位相探索ウィンドウの境界のセットされた数のコード位相仮説及び/又はチップの範囲内で検出される場合に、更なる及び/又は異なる処理が実行されても良い。図18B中に示される特定の実装において、タスクT1004は、検出されたピーク・エネルギーが、コード位相探索ウィンドウの境界の4つのコード位相仮説及び/又はチップの範囲内にあるかどうか判定する。しかし、他の実装において、タスクT1004は、検出されたピーク・エネルギーが、コード位相探索ウィンドウの境界からより多い又はより少ないコード位相仮説の範囲内ににあるかどうか判定しても良い。より大きな数のコード位相探索仮説をもつそのような範囲を使用することは、ジャマー検出パフォーマンスを向上させ得るが、そのようなより大きな数はまた、コード位相探索ウィンドウの効率的なサイズを低減させ得る。
特定の実装において、受信機は、例えば、擬似距離メジャーメントを得るために、受信信号を処理するためのオペレーションの異なるモデルを使用可能であっても良い。一例の実装において、受信機は、SVまでの一連の複数の擬似距離メジャーメントをとるように試みても良い(例えば、コード位相を検出するために、SVにおける一連の複数のドエル(dwells)又はルック(looks)にわたって)。一つの特定の実装において、“確認探索(verification search)”ドエルは、初期ドエル(initial dwell)において検出されるエネルギー・ピークが有効であることを確認するために、初期探索ドエル(initial search dwell)に続いても良い。この特定の実装において、例えば、図10に示されるプロセスM100は、エネルギー結果e(t)を得るために、処理(例えば、図3に示される相関器100による処理)の完了の後に続いて実行されても良い。この特定の実装において、例えば、最大のピークが、コード位相探索ウィンドウのエッジのセットされたチップ数の範囲内にあると判定されるならば(例えば、上で示したようにタスクT1004において)、タスクT1006は、確認探索が許可される(permitted)ことを判定しても良い。ここで、正弦波エネルギーのプロファイルは、擬似距離メジャーメントを得るための最初の試みから、後続する試みまで、著しく(significantly)変更しなくても良い。図7Cに関して再び上の例を参照して、後続する確認探索ドエルにおける処理を変更することは、チップ16及び48により境界をつけられた32チップのコード位相ウィンドウを、16チップでシフト又はリセンタリング(re-centering)することを含んでも良い。ここでは、コード位相探索ウィンドウは、チップ0及び32により境界をつけられたコード位相まで、コード位相ディメンションにおいてシフトされても良い(ここで、上で説明されるように、雑音信号10をプラスしたジャマーに起因するエネルギーが、他のテストを使用して、ジャマーとして検出され、そして、棄却されることができる)。
上で指摘されるように、オペレーションの特定の方法は、確認探索ドエルを許可しても良いが、オペレーションの他の方法は、そのような確認探索ドエルを許可しなくても良い。オペレーションの更なる特定のモードは、初期探索ドエルの後に続く単一の又は制限された数の確認探索ドエルを単に許可しても良い。タスクT1006で判定されたように、後続する確認探索ドエルが許可されない場合に、最大のピークが確認探索ドエルである現在の探索ドエルから得られるならば、タスクT1008は、最大のピークがマルチ・トーン・ジャマーの結果であると結論しても良い。そして、他の処理は、以下に記すタスクT1014において開始されても良い。しかし、現在の探索ドエルが確認探索ドエルでないならば、タスクT1008は、最大のピーク以外のいずれかのピーク検出が、マルチパスの結果であるかについて評価するために、タスクT1010において処理を開始しても良い。
図18Aにおいて上で説明されるように、タスクT790は、ベスト・マキシマム・ピークのドップラー・ビンにおけるエネルギー・ピークの間で、スペーシングを計算しても良い。図7Cにおいて説明される特定の現象において、正弦波ジャマー・エネルギーは、コード位相探索ウィンドウの長さのおよそ2倍の期間を有する。しかしながら、その代わりに、期間が、例えばコード位相探索ウィンドウの長さの1/2のように著しく(significantly)より小さくても良い。ここでは、正弦波ジャマー・エネルギーは、雑音を超える複数のピークをもたらす場合がある。それは、上記のタスクT602,T740又はT750によるジャマーとして検出され得る。一つの実装において、タスクT1010は、ドップラー・ビン又はセグメントにおいて隣接して検出されたピークが、最大のスペーシングを超えて分離されているかどうか判定することによって、そのようなジャマーの存在を検出しても良い。ここでは、例えば、そのような最大のスペーシングは、後のマルチパス信号からのピーク及びマルチパス信号に由来するピークの最大のスペーシングに少なくとも部分的に基づいて判定されても良い。一つの特定の例において、図18Bにおいて説明されるように、そのような最大のスペーシングは、4つのチップ又はコード位相仮説にセットされても良い。しかし、これは単にそのような最大のスペーシングの一つの例であり、クレームされた主題はこの点で制限されない。そのような最大のスペーシングが、セットされたチップ又はコード位相仮説の数より少ないならば、最大のピークは、タスクT1016において有効であると宣言されても良い。さもなければ、そのような最大のスペーシングが、セットされたチップ又はコード位相仮説の数を超えるならば、タスクT1010は、最大のピークがジャマーからあると判定して、タスクT1014において代わりの処理を開始しても良い。
一例である実装において、探索ドエルの間に、エネルギー結果e(t)を得るための処理の間のコヒーレント積分時間が変化しても良く(例えば、0.5秒のステップにおいて、0.5秒〜12.0秒の間で)、また、例えば上記のセットされた閾値を超えるエネルギー・ピークを受信するような1又は複数の条件に応答して、短縮されても良い。言い換えると、そのようなプロセスは、早期にそして最大の積分時間より前に、エネルギー結果e(t)を得るための積分を終了しても良い。図18B中で説明されるタスクT1000の特定の実装において、タスクT1014における検出された最大のピークはジャマーからであるという結論に応じて、処理が変更されても良い。ここで、タスクT1014において処理を変更することは、例えば、エネルギー結果e(t)を得るための最大の継続時間まで積分を可能にするために、積分の早期の終了を保留(suspending)することを含んでも良い。積分が最大の継続時間まで続くことを可能にすることは、参照コードと、探索されている特定のSVのSPS信号との有効な相関に関連している更なるピークの検出を可能にしても良い。積分時間に続いて、ピークが典型的なマルチパス・プロファイルより広い分離を示すならば、ピーク・スペーシングは、ジャマーの検出のためにチェックされても良い。
参照コードと探索されているコードとの間の相互相関に起因するピークに加えて、エネルギー・グリッドはまた、参照コードと他のコードとの間の相互相関に起因するピークを含むことがある。GPS受信シナリオにおいて、例えば、受信信号は、12もの異なるSVにより送信されるコードを含んでも良く、また、エネルギー・グリッドは、参照コードと、これらのSVのうちの幾つかのコードとの間の相互相関に起因するピークを含むと予期されても良い。
一つの特定の例において、C/Aコード間の最悪の場合のコード分離は、わずか21.6dBである場合がある。探索されているSVからの信号が他のSVのそれと比較して非常に減衰されているならば、参照コードと、他のSVからのコードとの相互相関は、最も問題を提示しそうである。そのようなシナリオは、例えば、探索されているSVが地平線に近くにあり或いは障害によりブロックされるが、他のSVは受信機の視線(line-of-sight)の範囲内にある場合に、起こることがある。1又は複数の擬似衛星、同期衛星(synchrolites)又はGPSリピーターからの信号はまた、強い相互相関を引き起こす場合がある。
C/Aコードは、特定の実施態様において、およそ1ミリ秒の期間を有するので、干渉するSV信号とターゲットSV信号との間の相違が、1kHzの倍数であるならば、最重要の相互相関(most significant cross-correlations)が起こる場合がある。潜在的に干渉するSV信号のドップラー周波数オフセットに関する情報は、それゆえ、周波数空間におけるその信号との相互相関の最も見込みのある(1又は複数の)位置を判定するために使用されても良い。
相互相関テスト・タスクT800は、ピークのエネルギー値及び周波数仮説を、相互相関マスクのパラメータと比較しても良い。図19は、相互相関タスクT800の実装T802のフローチャートである。タスクT810は、相互相関ビン及び閾値を得ても良い。タスクT820は、現在のピークのビンを、相互相関ビンと比較しても良い。タスクT830は、現在のピークのエネルギー値を、相互相関閾値と比較しても良い。ピークがマスクの範囲内に入るならば、それは、おそらく、他の見えるSVの信号との相互相関結果であるとして、棄却されても良い。タスクT802は、1又は複数の他のSVのためのマスクに対してピークをテストするために、繰り返されても良い。
マスク・パラメータを得る際に、タスクT810は、他の見えるSVの識別情報及び現在のドップラー位置を含んでいるルックアップテーブルを参照しても良い。このテーブルは、過去の探索から得られる及び/又は例えばPDEのような他のデバイスから得られる情報に少なくとも部分的に基づいても良い。現在のピークの位置におけるドップラーと他のSVの位置におけるドップラーとの間の相違が判定されても良く、また、この値のモジュロ1kHzの剰余が、相互相関ビンを示すように計算されても良い。例えばエネルギー値の閾値、ヘルツ若しくはビンにおけるマスク幅、及び/又は、モジュロ・デバイダーのような他のマスク・パラメータは、他のSVの信号に関連するエネルギー値、及び/又は、現在の探索の態様(例えば、ビン・スペーシングと、コヒーレント及び/又は非コヒーレント積分長)に少なくとも部分的に基づいても良い。ピークに関連するドップラーと他のSV信号に関連するドップラーとの間の大きな相違のために、低いエネルギー閾値が使用されても良い(例えば、大きなドップラー・オフセットにおけるコード・スミアリングのために)。
タスクT800の他の実装は、付加的な影響をもつ複数のソース(例えば、2以上の他のSV)から生じている複合相互相関(compound cross-correlations)をテストするように構成されても良い。相互相関タスクT800の実装に含まれ得る他の態様に関する議論は、米国特許出願公開第2004/0196183号(Roh, 2004年10月7日に公開)に記述されており、それは、例えば、メインローブ、周波数サイドローブ及びサンプルホールド相互相関のためのマスクのような詳細を開示する(例えばパラグラフ[0111]-[0161]において)。
相互相関テストが実行されるならば、その選択プロセスがそのピークをすでにコミットした(committed)ように、ベスト・マキシマム・ピークの選択プロセスが実装されても良い。タスクT702の更なる実装において、例えば、相互相関テスト・タスクT800は、タスクT760又はT780の後に実行されても良い。タスクT800が、相互相関として、ピークを放棄するならば、グリッドから他のピークを選択するにはあまりに遅い場合がある。
例えばT702のようなベスト・マキシマム・ピーク・テスト・タスクの一つの特定の実装は、先制の(pre-emptive)相互相関テスト・タスクT850(それは、代わりの候補を可能にする)を含んでも良い。ここでは、タスクT850は、ベスト・マキシマム・ピークに関する現在の候補が、疑わしいビンからのものであるかどうか判定しても良い。例えば、タスクT850は、疑わしいビンの位置を計算するために先に述べたように他の見えるSVのドップラー・オフセットを含んでいるルックアップテーブルを参照しても良い。現在の候補が疑わしいビンからであるならば、タスクT850は、ピークに、あり得る相互相関として、タグを付け、そして、ベスト・マキシマム・ピークのための探索が継続する。他の実装において、タスクT850は、最初に、疑わしいビンが他のピークの閾値の番号(例えば、2又は3)を含むかどうか判定しても良く、そして、それは、ビンが相互相関のためにピークを含むという判定を補強しても良い。いかなる他の許容できる候補も見つからないならば、タグを付けられたピークが使用されても良い。他の実装において、最初のものが棄却されるならば他の候補が利用可能になるように、タスクT850は、2以上の候補ピークが相互相関テスト・タスクT800に送られるのを可能にしても良い。
特定の実装に従う方法はまた、サイドローブ・テスト・タスクT900を含んでも良い(例えば、ベスト・マキシマム・ピーク・テストT300の実装の範囲内で)。サイドローブ・テスト・タスクT900は、現在のピークのサイドローブに起因し得る候補ピークを棄却しても良い。タスクT900の一つの実装は、周波数サイドローブ(通常、メインローブからの1つのコード仮説の範囲内で)及びすべてのより遅いピークの棄却のために、1/2チップに対してより遅い又は等しいコード位相に関連するピークを棄却するマスクを、現在のピーク(図中の時間軸は、1/2のチップの間隔にマークされる)のそれの前に、適用しても良い。タスクT900は、そのようなマスクを、現在のピークと同じビンに、2、3の(a few)周囲のビンを含む範囲に、又は、グリッド中のすべてのビンに、適用しても良い。そのようなマスクはまた、他の不必要なピーク(例えば、自己相関サイドローブに起因するピーク)を棄却するように構成されても良い。特定の実装において、GPS C/Aコード自己相関関数のサイドローブは、例えば、メインローブから21.6dB下にあっても良く、また、タスクT900は、偏差及び誤差のためのマージンを含む閾値に従って構成されるマスクを適用しても良い。図20は、現在のピークを15dB以上下回るエネルギー値を持っているピークを棄却してもよいそのようなマスクの例を示す。サイドローブ・テスト・タスクT900はまた、ベスト・マキシマム・ピークの候補リストからピークを選別する独立したルーチンとして実装されても良い。
ビンにおける最も強いピークは、必ずしもグリッドのためのベストの選択であるというわけではない。図6及び17で示されるように、例えば、より前であるがより弱いマルチパスが、より正確なピークである場合がある。更なる実施態様に従った方法は、より前のマルチパスに起因するピークに対するテストを含む。
ベスト・アーリー・ピーク・テスト・タスクT400は、ベスト・マキシマム・ピークに比べてより早いピークを識別するために、1又は複数のビン・リストを探索しても良い。タスクT400は、ベスト・マキシマム・ピークの閾値に比べてより早いT6チップの閾値まで、その探索をコード位相仮説に関連するピークに制限しても良い。一つの例において、T6の値は、8チップである。一つのGPSチップのエラーがおよそ300mの距離に対応するので、マルチパス信号のより早いピークを位置検出(locating)することは、ポジション・ロケーションの精度(position location accuracy)における重要な増大を提供し得る。
早いピークの探索の範囲を、ベスト・マキシマム・ピーク、又は、場合により、同様に、2、3の近隣のビンを含む周波数ビンに制限することは、望ましい場合がある。さもなければ、選択されたピークは、他のコードとの相互相関に起因するかもしれない。マルチパスは、最も屋内で起こりそうである。そこで、屈折及び散乱が普通に見られる(common)。それゆえ、早いピークの探索ウィンドウのタイム・スパンにわたる送信機と受信機との間の相対運動に起因するドップラーの変化は、いずれにしろ、低くなりそうである。さらに、屋内で受信される信号はまた、弱くなりそうであり、弱い信号シナリオは、相互相関に影響されやすい可能性がある。
一つの例において、現在選択されたピークの前の最高8つチップまでのピークは、早いピークの候補として考えられる。現在選択されたピークから1/2チップの範囲内でピークを除外することはまた、望ましい場合がある(例えば、サイドローブを選択することを避けるために)。図21は、早いピークの探索で使用されてもよいマスクの一つの例を示す。ここでは、円は現在選択されたピーク(例えば、ベスト・マキシマム・ピーク)を表し、長方形は、8つのチップによって、3つの周波数ビンを測定しているマスクを表す(この例において、コード位相における分解能は、2分の1のチップである)。周波数空間におけるマスクの幅は、ドップラー変化(Doppler change)及び/又は屈折効果(refraction effects)の期待される範囲に依存しても良く、他の例において、マスクは、現在選択されたピークの両側に、2、3、4又はそれ以上の周波数ビンを広げる。関係する最大のピークのある値(例えば、15dB、9dB又は6dB)の範囲内のエネルギー値をもつ早いピークの候補のみを受け入れることは、望ましい場合がある。候補ベスト・アーリー・ピークが信号の位置を示すこととして受け入れられる前に、相互相関テスト(例えば、タスクT800)、サイドローブ・テスト(例えば、タスクT900)、及び/又は、ピーク又はそのビンの上でまだ実行されなかった、タスクT500,T600及びT700のうちのいずれかに従ってピークをテストすることは、望ましい場合がある。
本明細書で開示されたシステム、方法又は装置の何らかの実装において、様々なレベルL1,L2,L3及び閾値T1,T2,T3,T4,T5,T6のうちの1又は複数は、例えば探索ウィンドウ・サイズ、信号強度、総受信電力、及び以前の結果のような1又は複数の要因に少なくとも部分的に基づいて、動的に変更されても良い。コード位相探索ウィンドウ・サイズ、ビン・スペーシング及び/又は積分長の異なる組み合せを適用する各々のモードで、異なる探索モードが使用されても良い。テストは、要求されるの誤認警報レートに従って構成されても良く、また、特定の実装のデザインは、例えばミスされた検出及び誤認警報レート、又は、正確さ及び固定された時間(time-to-fix)のような要因間のトレードオフを組み込んでも良い。例えば、より精密な(narrow)探索ウィンドウを持っている各々の探索で、探索の繰り返しが実行されても良い。
図22は、本明細書で説明されるように、プロセスM100の全部又は一部の実装を実行するように構成されてもよいベースバンド・プロセッサ262の概略図である。プロセッサ430は、C個のコード位相及びD個の周波数仮説のコード位相探索ウィンドウに関する相関結果を得るように、探索器410を制御しても良く、また、d個のビンの各々について、ソートされたピークのリストを得ても良い。グリッド・ストレージ420は、一部又は全部の相関結果(又は、相関結果に基づくエネルギー結果)を格納するために使用されても良い。グリッド・ストレージ420はまた、プロセスM100を実行する際に、プロセッサ430により実行されるインストラクションを格納しても良い。この例において、ソートされたリストは、更なる処理のために他のプロセッサに提供されても良いが(例えば、本明細書で説明されるように、ベスト・マキシマム・ピーク・テスト・タスク及び/又は他のタスクに従って)、他の例において、リストの少なくとも何らかの更なる処理が、プロセッサ430により実行されても良い。ベースバンド・プロセッサ262の様々な要素は、同一のチップの上に(場合により、例えばセルラ電話通信のためのネットワークとの通信のためのデバイスの部分のような他の要素で)実装されても良く、あるいは、異なるチップ又はさらに異なるデバイスにわたって分散されても良い。
ハンドヘルド及び/又はさもなければポータブルのデバイスにおいて、又は、リモート・ロケーションにおいてそれ自身の電源の上で動作することを意図されたデバイスにおいて、その電力消費を低減するようにデバイスを設計することは、望ましい場合がある。例えば、RF回路が、信号を受信してサンプリングするように、アクティベートし、場合により、該サンプリングされた信号を中間ストレージ(intermediate storage)に格納し、それから、該RF回路をパワーダウンすることは、望ましい場合がある。探索器410は、受信されたコードを、それが受信されるにつれて、処理するように、アクティベートされても良く、また、相関及び/又はエネルギー結果を得るために、場合により、その後になって、ストレージから該コードにアクセスするように、アクティベートされても良い。探索器410からの結果はまた、中間ストレージに格納されても良い。そして、プロセッサ430は、ソートされたリスト又は更なる結果を提供するために、探索器410からの結果を処理するための他のタスクから、アクティベート又はインターラプトされてもよく、場合により、この情報を、他のプロセッサがアクティベート又はインターラプトされるときにアクセスされる中間ストレージに格納する。
図23は、特定の実施態様に従った受信デバイス202の概略図である。そのようなデバイスは、例えば、ハンドヘルドに、体の上に(例えば、リストバンドの上に)着用されるように、又は、車載されるように、構成されても良い。そのようなデバイスはまた、場合により、例えば強化された地図表示のような地理情報システム(Geographic Information Systems)(GIS)情報と組み合わせて、位置情報を提供するように構成されても良い。あるいは、そのようなデバイスは、遠隔操作のために構成されても良い。
GPS受信機280は、GPS衛星通信を受信し、復調し、そして、該復調された信号をベースバンド・プロセッサ260に提供するように構成されても良い。ベースバンド・プロセッサ260は、例えば、該復調された信号から相関情報を得るように構成されても良い。所定の参照コードについては、ベースバンド・プロセッサ260は、コード位相探索ウィンドウを定義するコード位相仮説の範囲にわたって、及び、ドップラー周波数仮説の範囲にわたって、定義された相関関数を生成しても良い。個々の相関は、定義されたコヒーレント及び非コヒーレント積分パラメータに従って実行されても良い。
RFフロントエンド(それは、一般的に、アンテナ(例えば、アンテナ295)を介して受信される信号を増幅及び/又は調整する働きをする)は、1又は複数の増幅器(例えば低雑音増幅器又はLNA)及び/又はフィルタ(例えば、特定の周波数又はバンドを減衰するための)を含んでも良い。RFパスはまた、アンテナ給電装置(antenna feed)の範囲内の異なる周波数バンドを分離するダイプレクサー(又は、マルチプレクサ)のような素子を含んでも良い。図24Aは、LNA及びフィルタ(例えば、LC、セラミック又は表面弾性波(SAW)フィルタ)を含むGPSフロントエンド310の実装を示す。
図24Bは、GPSダウンコンバータ285の特定の実装に従ったヘテロダイン・ダウンコンバータ322の概略図である。ここでは、ダウンコンバータ322は、RF信号を受信し、ベースバンドで又はその近くで、複合信号(complex signal)を送信しても良い。ミキサーは、RF信号を中間周波数(IF)に変換するために、第1の局部発振器信号を適用しても良い(例えば、10MHzのオーダーの上で)。IF信号は、IFステージにおいて処理されても良い。この例において、IFステージは、フィルタ(例えば、1又は複数のイメージを減衰するための)及び可変利得増幅器プ(VGA)を含む。ミキサーは、該IF信号をベースバンドに変換するために、第2の局部発振器信号を適用しても良い。ベースバンド信号は、フィルタされても良い(例えば、1又は複数のイメージを減衰するために)。
アナログ−デジタル変換器(ADC)は、ベースバンド信号を、アナログからサンプルのデジタル・ストリームに変換しても良い。受信信号が特定のレート(例えばチップ・レート)でデジタル情報(例えばPSK、QAM、MSK及び/又はOOK変調を介して)によって変調される場合において、ADCは、ADCは、ベースバンド信号を(例えばchipx2、chipx4、chipx8、chipx12若しくはchipx16のレートで、又は、そのようなレートのあたりの何らかの範囲内で)オーバー・サンプリングしても良い。ADCはまた、並列して実行している2つのADCを含むように構成されても良い(例えば、各々の一つは、ダウンコンバータの複合信号パス(complex signal path)の異なるそれぞれの成分を受信し、デジタル化している)。ADCサンプリング・クロックは、例えば周波数基準信号のような局部発振器ソースから得られても良い。サンプリング・レートは、コード位相ディメンション及び/又は逆拡散信号の要求されたバンド幅において要求される探索分解能に応じて選択されても良い。デジタル出力の各々の成分は、例えば、1、2、4、8又はより多くのビットの幅をもっても良い。1ビット長信号(one-bit-wide signal)のために、ADCは、コンパレータとして実装されても良い。ダウンコンバータはまた、ADCの1又は複数の上流に、AGCステージを含んでも良い。
図24Cは、ダウンコンバータ285の実装に従ったホモダイン(又はゼロ−IF(zero-IF))実装を含むダウンコンバータ324の概略図である。ゼロ−IF変換(それは直接ダウンコンバージョンとも呼ばれる)において、受信RF信号は、ベースバンドに直接的に変換されても良い。そのようなダウンコンバータはまた、ベースバンド信号におけるDCオフセットの除去又は補償のために回路を含んでも良い。そのようなダウンコンバータはまた、局部発振器信号の振幅制御を含んでも良い(例えば、リーケージを低減するために)。ニア−ゼロ IF(near-zero IF)(又は、非常に低いIF又はVLIF)と呼ばれている関係する技術において、受信RF信号は、数百kHz又はそれより低いこともあるニア−ベースバンド周波数(near-baseband frequency)に直接的に変換されても良い。VLIFダウンコンバータは、IFステージで又はIFステージなしに(例えば、変換された信号の相回転により実行されているIFからベースバンドへの変換で)実装されても良い。
局部発振器信号は、特定のアプリケーションに適した任意の波形(例えば、正弦、方形、三角、のこぎり歯など)をもつように実装されてもよい基本周波数を持っている周期信号を含む。1又は複数の局部発振器信号は、可変周波数発振器(VFO)から得られても良い。それは、水晶発振器(又はXO)、温度補償型発振器(TCO)、温度補償型XO(TCXO)、電圧制御発振器(VCO)、電圧制御型TCO(VCTCO)又は電圧制御型TCXO(VCTCXO)として実装されても良い。ここでは、TCXOは、およそ1ppm(100万分の1(part per million))の安定性をもっても良い。一つの特定のアプリケーションは、定格+/−5ppmで、19.68MHzの公称出力周波数を有するVCTCXOを含む。+/−5ppmのトレランスは、例えば、800MHzからの+/−4kHz、又は、1.9GHzからの+/−9.5kHzの範囲に対応する。
ダウンコンバータ120において適用される1又は複数の局部発振器信号は、周波数基準信号(例えば、VFOから得られる)に少なくとも部分的に基づいても良い。例えば、ダウンコンバータ285及び/又はデバイス200は、他の周波数の信号(例えば局部発振器信号)が得られるタイミング参照として周波数基準信号を使用する1又は複数の周波数シンセサイザーを含んでも良い。そのようなシンセサイザーは、例えば、周波数マルチプライヤー又はディバイダー(frequency multiplier or divider)として実装されても良く、また、フェイズロックループ(PLL)のような回路を含んでも良い。
局部発振器信号は、位相において90度分離された2つの成分(例えば同相及び直角位相)として、ダウンコンバータ120のミキサーに供給されても良い。各々の成分は、復号ダウンコンバート信号が得られるように、分離混合経路(separate mixing path)において適用される。局部発振器信号の振幅は、例えば、可変利得増幅器を使用することによって、制御されても良い。周波数基準信号(又は、周波数基準信号に基づく信号)はまた、(1又は複数の)ADCがベースバンド(又は、ニア・ベースバンド)信号をそれによってサンプリングするサンプリング・クロックとして使用されても良い。
特定の実装において、ベースバンド・プロセッサ260は、(例えば、本明細書説明されるように、ベスト・マキシマム・ピーク・テスト・タスク及び/又は他のタスクに従って)更なる処理のためにマイクロプロセッサ220にソートされたリストを提供するために、プロセスM100の全部又は一部を実行するように構成されても良いが、他の例において、該リストの少なくとも何らかの更なる処理は、ベースバンド・プロセッサ260により実行されても良い。マイクロプロセッサ220、メモリ230及びベースバンド・プロセッサ262は、同一の半導体装置の上で実装されても良いし、あるいは、異なるデバイスにわたって分散されても良い。
マイクロプロセッサ220は、上で説明される1又は複数の技術を使用して、選択されたピークから1又は複数の時間メジャーメント(例えば、擬似距離s)を得るように構成されても良い。マイクロプロセッサ220はまた、時間メジャーメントに関連する誤差(例えば二乗平均平方根誤差又はRMSE)を判定するように構成されても良い。マイクロプロセッサ220は、複数のSVに対応する選択されたピークに少なくとも部分的に基づいて、デバイス202の位置を判定するように構成されても良い。
メモリ230は、本明細書で説明され及び/又は提案されるプロセスを実行及び/又は制御する際にベースバンド・プロセッサ260及び/又はマイクロプロセッサ220によって実行されるインストラクションを格納するように構成されても良い。メモリ230はまた、他のオペレーションのためのインストラクションを格納するように及び/又はそのようなプロセス及び/又はオペレーションの中間結果を格納するように構成されても良い。マイクロプロセッサ220は、ユーザ・コマンドを受信するように、及び/又は、ユーザ・インタフェース210を介してそのような方法及び/又はオペレーションの結果を出力するように、構成されても良い。
ユーザ・インタフェース210は、ユーザ・コマンドを受信するための、及び/又は、例えば地図上の及び/又は緯度、経度及び/又は高度における座標のような位置情報を提供するための、数のデバイスを含む。ユーザ・インタフェース210は、例えば、キーパッド及び/又はキーボード、及び、表示スクリーン(例えば液晶又は有機発光ダイオードのディスプレイ)のようなデバイスを含んでも良い。
一つの実装に従った受信デバイスは、通信デバイスに組み込まれても良い。ここでは、そのような通信デバイスは、異なるタスクのために周波数間で切り替えられるように構成された一つのチューナーを含んでも良い。そのようなデバイスにおいて、SPS周波数へのビジット(visit)の間にサンプリングされる信号は、チューナーがもとの通信(例えば、CDMA)周波数に同調した(tuned back to)後で、格納又は処理されても良い。通信ネットワークの要求及び/又は要求される動作パフォーマンスは、最大利用可能チューン・アウェイ時間(maximum available tune-away time)を制限しても良い。あるいは、そのようなデバイスは、2以上のチューナーを含んでも良い。例えば、そのようなデバイスは、SPS受信専用のチューナー及び他の通信専用の他のチューナーを含んでも良い。
図25は、実装に従った通信デバイス302の概略ブロック図である。例えば、そのようなデバイスは、図23で示すように、受信デバイス202の1又は複数の素子を含んでも良い。通信デバイス302は、フロントエンド272を含む通信受信機270(それは、図24Aで示すように及び/又は上で示したように実装されても良い)、ダウンコンバーター275(それは、図24B又は24Cで示すように及び/又は上で示したように実装されても良い)、及び、情報(例えばアンテナ290を介した伝送のためのRFキャリアの上のボイス又はデータ)を変調するように構成された変調器278を含む。トランシーバ・フロントエンド272はまた、セルラ電話通信のためのネットワークとの通信のために、通信信号(例えばCDMA信号又は他信号)を受信するように構成されても良く、そして、また、アンテナ290の上での受信及び送信アクティビティーをサポートするデュプレクサー(duplexer)を含んでも良い。通信デバイス300の何らかの実装において、フロントエンド及び/又はダウンコンバータの部分は、通信及びSPS信号経路に共通であっても良い。
この装置において、ベースバンド・プロセッサ260は、無線通信リンクの上での伝送のためにマイクロプロセッサ220から送受信機1206へベースバンド情報を提供するように構成されても良い。次に、マイクロプロセッサ220は、ユーザ・インタフェース210内の入力デバイスから、このベースバンド情報を得ても良い。ベースバンド・プロセッサ260は、送受信機1206からマイクロプロセッサ220にベースバンド情報を提供するように構成されても良い。次に、マイクロプロセッサ220は、このベースバンド情報を、ユーザ・インタフェース210内の出力デバイスに提供しても良い。ユーザ・インタフェース210は、ユーザ情報(例えばボイス又はデータ)を入力又は出力するための1又は複数のデバイスを含むように実装されても良い。上で説明されるように、そのようなユーザ・インタフェースの中に含まれるデバイスは、キーボード、表示スクリーン、マイク及びスピーカなどを含む。
ベースバンド・プロセッサ260は、通信送受信機270により提供されるパイロット信号に関係する情報から、パイロットに関係する(pilot-related)相関関数を得るように構成されても良い。この情報は、無線通信サービスを得るために、通信デバイス302により使用されても良い。メモリ230は、通信デバイス302の通信オペレーションを実行する際に必要とされるようなインストラクション及び/又は中間結果を格納するように構成されても良い。
アンテナ290を介して受信される情報は、変調ワイプオフ、現在見えているSV並びにそれらのおよそのコード位相及びドップラー値のリスト、及び、特定の実装に従ってプロセスM100又は他のプロセスの実装を開始するためのコマンドをサポートするための情報を含んでも良い。マイクロプロセッサ220は、時間メジャーメント及び誤差をPDEに提供するように構成されても良い。それは、例えばコンピュータ・ネットワークに接続されるサーバのようなネットワーク要素であっても良い。一つの例において、PDEは、その対応するRMSE値の逆数(inverse)に基づいて、メジャーメントの各々を重み付けし、そして、該重み付けされたメジャーメントに基づいて、通信デバイス302の位置を推定する。PDEにより計算される位置は、それから、それが911又は他の緊急通報の場合に利用できるように、デバイス302にダウンロードされても良い。他の潜在的なアプリケーションは、例えばレストラン又はATM(現金自動預払機)の位置のようなユーザ要求された位置サービス(user-requested location services)、及び、例えば位置依存型の広告(position-dependent advertising)のようなプッシュ指向サービス(push-oriented services)を含む。デバイス302及びPDEの間の通信は、セルラ通信のためのネットワークの上で起こっても良い。
特定の実装において、デバイス(例えば受信デバイス200又は通信デバイス300の実装)はまた、独立したユニット(場合により、例えば、電力管理、ユーザ・インタフェース・サポート、GPS又は他の受信機から受信される情報の更なる処理のための他の要素を含む)、又は、他の回路及び/又は機能性を含むデバイス若しくはシステムの一部を含んでも良い。
“ソフトウェア”という用語は、ソース・コード、アセンブリ言語コード、マシン・コード、バイナリコード、ファームウェア、マクロコード、マイクロコード、論理素子アレイにより実行可能な任意の1又は複数のセット又はシーケンスのインストラクション、及び、そのような例の任意の組合せを含むことは、理解されるべきである。
本明細書で開示される相関器が、(例えば受信コードと参照コードとを)相関するための手段と呼ばれることがあること、及び、本明細書で開示されるプロセッサ又は他の論理素子のアレイが、(例えばストレージ及び/又は他の回路若しくはアレイから受信される情報を)処理するための手段と呼ばれることがあることは、理解されるべきである。
本明細書で説明される手順は、特定の特徴及び/又は例に従いアプリケーションに応じて様々な手段により実装されても良い。例えば、そのような手順は、ハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア及び/又はそれらの組み合せで実装されても良い。ハードウェア実装において、例えば、処理ユニットは、1又は複数の特定用途向けIC(ASIC)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、デジタル信号処理装置(DSPD)、プログラマブル・ロジック・デバイス(PLD)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、電子デバイス、本明細書で説明される機能を実行するようにデザインされた他のデバイス・ユニット、及び/又は、それらの組み合せの中で実装されても良い。
特に他の方法で述べられない限り、以下の議論から明らかであるように、この明細書を通して、例えば“処理すること(processing)”、“計算すること(computing)”、“計算すること(calculating)”、“選択すること(selecting)”、“形成すること(forming)”、“可能にすること(enabling)”、“妨げること(inhibiting)”、“位置検出すること(locating)”、“終了させること(terminating)”、“識別すること(identifying)”、“開始すること(initiating)”、“検出すること(detecting)”、“得ること(obtaining)”、“ホストをつとめること(hosting)”、“維持すること(maintaining)”、“表すこと(representing)”、“推定すること(estimating)”、“可能にすること(enabling)”、“低減すること(reducing)”、“関連付けること(associating)”、“受信すること(receiving)”、“送信すること(transmitting)”、“判定すること(determining)”、及び/又はその他のような用語を利用している議論が、例えばコンピュータ・プラットホームのプロセッサ、メモリ、レジスタ及び/又は他の情報ストレージ、送信、受信及び/又は表示デバイスの中の物理電子及び/又は磁気量及び/又は他の物理量として表されるデータを操作及び/又は変換するコンピュータ又は類似する電子コンピュータ・デバイスのようなコンピュータ・プラットホームにより実行され得るアクション及び/又はプロセスを参照することが認識される。そのようなアクション及び/又はプロセスは、例えば、記憶媒体に格納される機械読み取り可能なインストラクションの制御の下でコンピュータ・プラットホームにより実行されても良い。そのような機械読み取り可能なインストラクションは、例えば、コンピュータ・プラットホームの一部として含まれる(例えば、処理回路の一部として含まれる又はそのような処理回路の外部に含まれる)記憶媒体に格納されるソフトウェア又はファームウェアを含んでも良い。さらに、特に他の方法で述べられない限り、本明細書で説明されるプロセスはまた、フローチャート又は他のものに関して、そのようなコンピュータ・プラットホームにより全体的に又は部分的に実行及び/又は制御されても良い。
本明細書で説明される通信技術は、例えば無線ワイド・エリア・ネットワーク(WWAN)のような様々な無線通信ネットワークで実装されても良い。用語“ネットワーク”及び“システム”は、本明細書で互換的に使用されることがある。WWANは、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交周波数分割多元接続(OFDMA)ネットワーク、シングル・キャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)ネットワークなどを含んでも良い。CDMAネットワークは、わずかな無線技術を挙げると、例えばcdma2000、ワイドバンドCDMA(W−CDMA)のような1又は複数の無線アクセス技術(RAT)を実装しても良い。ここでは、cdma2000は、IS−95、IS−2000及びIS−856標準に従って実装される技術を含んでも良い。TDMAネットワークは、グローバル移動体通信システム(Global System for Mobile Communications)(GSM(登録商標))、デジタル・アドバンスト・モバイル・フォン・システム(Digital Advanced Mobile Phone System)(D−AMPS)又は何らかの他のRATを実装しても良い。GSM及びW−CDMAは、“第3世代パートナーシッププロジェクト”(3GPP)という名前のコンソーシアムからのドキュメントに記載されている。Cdma2000は、“第3世代パートナーシッププロジェクト2”(3GPP2)という名前のコンソーシアムからのドキュメントに記載されている。3GPP及び3GPP2のドキュメントは、一般公開されている。
さらに、本明細書で説明される技術、デバイス及び/又はプロセスは、ナビゲーション受信機において実装されても良い。そのようなナビゲーションは、例えばモバイル局(MS)、基地局及び/又はカー・ナビゲーション・システムのような幾つかのデバイスのうちのいずれか一つに組み込まれても良い。そのようなMSは、通信ネットワークと通信するためのトランシーバを含んでも、また、ユーザ・インタフェースを含んでも良い。例えば、そのようなMSは、例えばモバイル・フォン、ノートブック・パソコン、携帯情報端末、パーソナル・ナビゲーション・デバイス及び/又はその他のような幾つかのデバイスのうちのいずれか一つを含んでも良い。
例である特徴と考えられることが現在図示及び説明されたが、様々な他の修正がなされても良く、また、均等物がクレームされた主題を逸脱しない範囲で置き換えられてもよいことは、当業者により理解されるであろう。さらに、本明細書で説明される中心概念を逸脱しない範囲で、特定の状況をクレームされた主題の教示に適応するように、多くの修正がなされても良い。したがって、クレームされた主題は開示される特定の例に制限されず、そのようなクレームされた主題はまた、添付のクレーム及びその均等物の範囲内になっているすべての態様を含んでも良いことが意図される。
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された各請求項に対応する発明を付記する。
[1]コード位相仮説の範囲を含むコード位相探索ウィンドウにおける相関ピーク検出を得るために、受信された衛星測位システム(SPS)信号を処理することと、
前記処理されたSPS信号中の1又は複数のエネルギー・ピークを検出することと、
前記コード位相探索ウィンドウの境界のコード位相仮説のセットされた範囲内での最大エネルギー・ピークの検出に応答して、前記処理を変更することを含む方法。
[2]前記処理を前記変更することは、
前記コード位相探索ウィンドウをシフトすることと、
前記シフトされたコード位相探索ウィンドウに従って、前記前記受信されたSPS信号を処理することを更に含む[1]の方法。
[3]前記シフトされたコード位相探索ウィンドウに従って、前記前記受信されたSPS信号を前記処理することは、
前記1又は複数の検出されたエネルギー・ピークのうちの少なくとも1つに関連するドップラー領域におけるエネルギーを棄却することを更に含む[2]の方法。
[4]前記シフトされたコード位相探索ウィンドウに従って、前記前記受信されたSPS信号を処理することは、
1又は複数の棄却されなかったエネルギー・ピークに少なくとも部分的に基づいて、相関ピークを検出することを含む[3]の方法。
[5]前記1又は複数の検出されたエネルギー・ピークのうちの少なくとも1つに関連する前記ドップラー領域におけるエネルギーを前記棄却することは、
前記ドップラー領域において検出されたエネルギー・ピークのエネルギー値の比較に少なくとも部分的に基づいて、前記ドップラー領域における前記エネルギーを棄却することを更に含む[3]の方法。
[6]前記ドップラー領域におけるエネルギーを棄却することは、前記ドップラー領域における少なくとも一つのピークのエネルギー値の、前記ドップラー領域における平均雑音レベルとの比較に少なくとも部分的に基づいて、前記エネルギーを棄却することを更に含む[3]の方法。
[7]前記処理を前記変更することは、前記コード位相探索ウィンドウにおける更なるエネルギー・ピークの検出を可能にするように積分時間を延長することを更に含む[1]の方法。
[8]前記積分時間を延長することは、エネルギー結果を得るために、積分の早期の終了を保留することを含む[7]の方法。
[9]前記コード位相仮説のセットされた範囲は、擬似雑音コード・シーケンスにおけるセットされた数のチップを含む[1]の方法。
[10]前記最大エネルギー・ピークは、最も見込みのある有効な最大エネルギー・ピークを含む[1]の方法。
[11]コード位相仮説の範囲を含むコード位相探索ウィンドウにおける相関ピーク検出を得るために、受信された衛星測位システム(SPS)信号を処理することと、
前記処理されたSPS信号中の2以上のエネルギー・ピークを検出することと、
前記コード位相仮説の範囲におけるセットされたスペーシングより多く離れて間隔を空けられたエネルギー・ピークの検出に応答して、前記処理を変更することを含む方法。
[12]前記セットされたスペーシングは、後のマルチパス信号の検出からのエネルギー・ピーク及びマルチパス信号の検出から生じているエネルギー・ピークの最大スペーシングに少なくとも部分的に基づくものである[11]の方法。
[13]前記処理を前記変更することは、
前記コード位相探索ウィンドウにおける更なるエネルギー・ピークの検出を可能にするように積分時間を延長することを更に含む[11]の方法。
[14]前記積分時間を延長することは、エネルギー結果を得るために、積分の早期の終了を保留することを含む[13]の方法。
[15]SPS信号を受信して、ダウンコンバートするように構成された受信機と、
ベースバンド・プロセッサとを含み、
前記ベースバンド・プロセッサは、
コード位相仮説の範囲を含むコード位相探索ウィンドウにおける相関ピーク検出を得るために、前記ダウンコンバートされたSPS信号を処理し、
前記処理されたSPS信号中の1又は複数のエネルギー・ピークを検出し、
前記コード位相探索ウィンドウの境界のコード位相仮説のセットされた範囲内での最大エネルギー・ピークの検出に応答して、前記処理を変更するように構成されたモバイル局。
[16]前記ベースバンド・プロセッサは、前記コード位相探索ウィンドウをシフトし、前記シフトされたコード位相探索ウィンドウに従って、前記前記受信されたSPS信号を処理するように更に構成された[15]のモバイル局。
[17]前記シフトされたコード位相探索ウィンドウに従って、前記前記受信されたSPS信号を前記処理することは、
前記1又は複数の検出されたエネルギー・ピークのうちの少なくとも1つに関連するドップラー領域におけるエネルギーを棄却することを更に含む[16]のモバイル局。
[18]前記シフトされたコード位相探索ウィンドウに従って、前記前記受信されたSPS信号を処理することは、
1又は複数の棄却されなかったエネルギー・ピークに少なくとも部分的に基づいて、コード位相を検出することを含む[17]のモバイル局。
[19]前記ベースバンド・プロセッサは、前記コード位相探索ウィンドウにおける更なるエネルギー・ピークの検出を可能にするように積分時間を延長することによって前記検出することに応答して、前記処理を前記変更するように更に構成された[15]のモバイル局。
[20]前記コード位相仮説の範囲は、擬似雑音コード・シーケンスにおけるセットされた数のチップを含む[15]のモバイル局。
[21]前記最大エネルギー・ピークは、最も見込みのある有効な最大エネルギー・ピークを含む[15]のモバイル局。
[22]SPS信号を受信して、ダウンコンバートするように構成された受信機と、
ベースバンド・プロセッサとを含み、
前記ベースバンド・プロセッサは、
コード位相探索ウィンドウ(該コード位相探索ウィンドウはコード位相仮説の範囲を含む)における相関ピークを検出するために、前記ダウンコンバートされたSPS信号を処理し、
前記処理されたSPS信号中の2以上のエネルギー・ピークを検出し、
前記コード位相仮説ビンの範囲におけるセットされたスペーシングより多く離れて間隔を空けられた前記エネルギー・ピークの検出に応答して、前記ダウンコンバートされたSPS信号の前記処理を変更するように構成されたモバイル局。
[23]前記セットされたスペーシングは、真のコード位相検出からのエネルギー・ピーク及びマルチパス信号の検出から生じているピークの最大スペーシングに少なくとも部分的に基づくものである[22]のモバイル局。
[24]前記ベースバンド・プロセッサは、前記コード位相探索ウィンドウにおける更なるエネルギー・ピークを検出するように積分時間を延長することによって前記検出することに応答して、前記処理を前記変更するように構成された[22]のモバイル局。
[25]前記積分時間を延長することは、エネルギー結果を得るために、積分の早期の終了を保留することを含む[24]のモバイル局。
[26]記憶媒体を含む製品において、
前記記憶媒体は、コンピュータ・プラットホームにより実行される場合に、前記コンピュータ・プラットホームが、
コード位相仮説の範囲を含むコード位相探索ウィンドウにおける相関ピークを検出するために、ダウンコンバートされたSPS信号を処理することを制御し、
前記処理されたSPS信号中の1又は複数のエネルギー・ピークを検出し、
前記コード位相探索ウィンドウの境界のコード位相仮説の範囲内での最大エネルギー・ピークの検出に応答して、前記処理を変更することを可能にするように構成された機械読み取り可能なインストラクションをその上に記憶する製品。
[27]前記最大エネルギー・ピークは、最も見込みのある有効な最大エネルギー・ピークを含む[26]の製品。
[28]記憶媒体を含む製品において、
前記記憶媒体は、コンピュータ・プラットホームにより実行される場合に、前記コンピュータ・プラットホームが、
コード位相仮説の範囲を含むコード位相探索ウィンドウにおける相関ピークを検出するために、前記ダウンコンバートされたSPS信号を処理することを制御し、
前記処理されたSPS信号中の2以上のエネルギー・ピークを検出し、
前記コード位相仮説の範囲におけるセットされたスペーシングより多く離れて間隔を空けられたエネルギー・ピークの検出に応答して、前記ダウンコンバートされたSPS信号の前記処理を変更することを可能にするように構成された機械読み取り可能なインストラクションをその上に記憶する製品。
[29]コード位相仮説の範囲を含むコード位相探索ウィンドウにおける相関ピーク検出を得るために、受信された衛星測位システム(SPS)信号を処理するための手段と、
前記処理されたSPS信号中の1又は複数のエネルギー・ピークを検出するための手段と、
前記コード位相探索ウィンドウの境界のコード位相仮説の範囲内での最大エネルギー・ピークの検出に応答して、前記処理するための手段を変更するための手段とを含む装置。
[30]前記処理するための手段を変更するための前記手段は、
前記コード位相探索ウィンドウをシフトするための手段と、
前記シフトされたコード位相探索ウィンドウに従って、前記前記受信されたSPS信号を処理するための手段とを更に含む[29]の装置。
[31]前記シフトされたコード位相探索ウィンドウに従って、前記前記受信されたSPS信号を処理するための前記手段は、
前記1又は複数の検出されたエネルギー・ピークのうちの少なくとも1つに関連するドップラー領域におけるエネルギーを棄却するための手段を更に含む[29]の装置。
[32]前記シフトされたコード位相探索ウィンドウに従って、前記前記受信されたSPS信号を処理するための前記手段は、1又は複数の棄却されなかったエネルギー・ピークに少なくとも部分的に基づいて、相関ピークを検出するための手段を更に含む[31]の装置。
[33]前記1又は複数の検出されたエネルギー・ピークのうちの少なくとも1つに関連する前記ドップラー領域におけるエネルギーを棄却するための手段は、前記ドップラー領域において検出されたエネルギー・ピークのエネルギー値の比較に少なくとも部分的に基づいて、前記ドップラー領域における前記エネルギーを棄却するための手段を更に含む[31]の装置。
[34]前記ドップラー領域におけるエネルギーを棄却するための手段は、前記ドップラー領域における少なくとも一つのピークのエネルギー値の、前記ドップラー領域における平均雑音レベルとの比較に少なくとも部分的に基づいて、前記エネルギーを棄却するための手段を更に含む[31]の装置。
[35]前記処理するための手段を変更するための前記手段は、前記コード位相探索ウィンドウにおける更なるエネルギー・ピークを検出するように積分時間を延長するための手段を更に含む[29]の装置。
[36]前記積分時間を延長するための前記手段は、エネルギー結果を得るために、積分の早期の終了を保留するための手段を含む[35]の装置。
[37]コード位相仮説に関連するコード位相ビンの範囲を含むコード位相探索ウィンドウにおける相関ピークを検出するために、受信された衛星測位システム(SPS)信号を処理するための手段と、
前記処理されたSPS信号中の2以上のエネルギー・ピークを検出するための手段と、
前記コード位相ビンの範囲におけるセットされたスペーシングより多く離れて間隔を空けられたエネルギー・ピークの検出に応答して、前記処理を変更するための手段とを含む装置。
[38]前記セットされたスペーシングは、後のマルチパスの検出から生じているエネルギー・ピーク及びマルチパス信号の検出から生じているピークの最大スペーシングに少なくとも部分的に基づくものである[37]の装置。
[39]前記処理を前記変更するための前記手段は、前記コード位相探索ウィンドウにおける更なるエネルギー・ピークの検出を可能にするように積分時間を延長するための手段を更に含む[37]の装置。
[40]前記積分時間を延長するための前記手段は、エネルギー結果を得るために、積分の早期の終了を保留することを含む[39]の装置。