JP5518246B1 - 循環水利用システム - Google Patents

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Abstract

【課題】新規な循環水利用システムを検討するにあたり、水需要体からの排出水が流れる排出流路を洗浄する、該システムに適した洗浄装置を備えた循環水利用システムを提供する。
【解決手段】循環水利用システムであって、浄化装置8で浄化された循環水を加圧する加圧ポンプ11と、供給流路6から分岐し水需要体3を迂回して排出流路4に接続され、加圧ポンプによって加圧された循環水を排出流路へ排出可能なバイパス流路13と、バイパス流路を開閉するためのバルブ15と、バルブの開閉を制御するよう構成され、バルブを開放して加圧ポンプによって加圧された循環水を排出流路へ排出することで排出流路を洗浄する洗浄モードを実行可能な洗浄モード実行部17と、を有する。
【選択図】図1

Description

本開示は、公共の上水道網とは別に、特定の地域を対象として構築される循環水利用システムに関する。
限られた水資源を有効に利用するため、建物や家庭等から排出される排出水を浄化して再利用するシステムが従前より知られている。例えば特許文献1には、一般家庭等で使用した上水の排水及び雨水を、水洗トイレの洗浄水等に使用するように構成し、節水を図ることのできる排水再利用システムが開示されている。また特許文献2には、建物内で発生した雑排水を処理して中水を生成し、生成した中水を建物内で栽培する植物の灌漑水として再利用する中水利用の建物内緑化設備が開示されている。
特開平8−19773号公報 特開平10−286033号公報
ところで本出願人は、上述した従来の再利用システムとは全くスケールの異なる、新たな循環水利用システムを検討しているところである。
上述した従来の再利用システムは、基本的に一建物内や一家庭等内において、上水道網から供給される上水の排水を浄化して特定用途の中水として利用するものであり、利用後の中水は下水道網に排出される。すなわち、既存の公共の上水道網、下水道網の存在が前提であり、これに代替するシステムとはなり得ない。
これに対して、本出願人が検討している新規な循環水利用システムは、後で詳述するように、例えば10,000人規模の人々が生活する地域や複合施設等に対して、上下水統合処理サービスを提供するものであり、その地域・建物内では、循環的に水供給と水処理が行われるシステムである。すなわち、この循環水利用システムは、当面の間は飲用水に限って上水道からの供給を受けることを考えてはいるものの、基本的には既存の上水道網及び下水道網とは独立して構築される小規模分散型の上下水道統合処理システムとなっている。
このような新規の循環水利用システムを検討するにあたり、対象地域・建物(水需要体)から排出された排出水が流れる排出流路の洗浄装置をどのように構成するかが課題であった。
本発明の少なくとも一つの実施形態は、上述したような従来の課題に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、新規な循環水利用システムを検討するにあたり、水需要体からの排出水が流れる排出流路を洗浄する、該システムに適した洗浄装置を備えた循環水利用システムを提供することにある。
(1)本発明の幾つかの実施形態は、
循環水利用システムであって、
循環水が流れる循環流路と、
前記循環流路を流れる循環水を使用する、住居、テナント、及び事務所の内の少なくとも一種からなる小口水需要体が複数集まって構成される水需要体、から排出される排出水を前記循環流路へ排出する排出流路と、
前記循環流路を流れる前記排出水を含む循環水を浄化する浄化装置と、
前記浄化装置で浄化された循環水を前記水需要体に供給する供給流路と、
前記排出流路を洗浄する洗浄装置と、
を有し、
前記洗浄装置は、
前記浄化装置で浄化された循環水を加圧する加圧ポンプと、
前記供給流路から分岐し前記水需要体を迂回して前記排出流路に接続され、前記加圧ポンプによって加圧された循環水を前記排出流路へ排出可能なバイパス流路と、
前記バイパス流路を開閉するためのバルブと、
前記バルブの開閉を制御するよう構成され、前記バルブを開放して前記加圧ポンプによって加圧された循環水を前記排出流路へ排出することで前記排出流路を洗浄する洗浄モードを実行可能な制御部と、
を有する。
上記(1)に記載の循環水利用システムにおける排出流路には、水需要体から排出された排出水が流れるので、流路内が常に水で満たされているわけではない(流路の内壁が乾燥する時間帯もある)。したがって、適切に洗浄を行わなければ、排出流路の内壁には、水需要体から排出された排出水に含まれる固形物や水垢等の汚れがこびりついてしまう。
そこで、上記(1)に記載の循環水利用システムの洗浄装置は、浄化装置で浄化された循環水を加圧する加圧ポンプと、供給流路から分岐し水需要体を迂回して排出流路に接続され、加圧ポンプによって加圧された循環水を排出流路へ排出可能なバイパス流路と、バイパス流路を開閉するためのバルブと、バルブの開閉を制御するよう構成され、バルブを開放して加圧ポンプによって加圧された循環水を排出流路へ排出することで排出流路を洗浄する洗浄モードを実行可能な制御部と、を有している。
このように、浄化装置で浄化され加圧ポンプで加圧された清浄度の高い高圧の循環水を排出流路へ排出することで、当該システム外部からの供給水や洗浄器具などを用いることなく、排出流路を当該システムによって自浄することができる。
(2)幾つかの実施形態では、上記(1)に記載の循環水利用システムにおいて、
更に、前記排出流路を流れる排出水量を計測する排出水量計測手段を備え、
前記制御部は、前記排出水量計測手段によって計測された前記排出水量が一定期間連続して所定の水準を下回った場合に前記洗浄モードを実行するよう構成される。
前記排出流路を流れる排出水量が一定期間連続して所定の水準を下回った場合には、排出流路が乾燥して排出水中の固形物や水垢等が排出流路にこびりつきやくなるため、排出流路自体の汚染度合が悪化している可能性が高い。従って、上記(2)に記載のように、排出水量計測手段によって計測した排出水量が一定期間連続して所定の水準を下回った場合に上記洗浄モードを実行することで、排出流路の内壁の汚染度合を直接的に検査せずとも、該汚染度合について比較的信頼性の高い判断を行って洗浄モードを実行することができる。
(3)幾つかの実施形態では、上記(1)又は(2)に記載の循環水利用システムにおいて、
更に、前記排出流路を流れる排出水の水質に関する水質指標を測定する水質測定手段を備え、
前記制御部は、前記水質測定手段によって測定された前記排出水の水質指標が所定の水準よりも悪化した場合に前記洗浄モードを実行するよう構成される。
前記排出流路を流れる排出水の水質指標が所定の水準よりも悪化した場合には、排出流路自体の汚染度合が悪化している可能性が高い。従って、上記(3)に記載のように、水質測定手段によって測定した排出水の水質指標が所定の水準よりも悪化した場合に上記洗浄モードを実行することで、排出流路の内壁の汚染度合を直接的に検査せずとも、該汚染度合について比較的信頼性の高い判断を行って洗浄モードを実行することができる。
(4)幾つかの実施形態では、上記(2)又は(3)に記載の循環水利用システムにおいて、
前記制御部は、前記洗浄モードを前回実行してから所定期間が経過した場合に、前記洗浄モードを実行するよう構成される。
上記(2)又は(3)に記載の循環水利用システムにおいて、洗浄モードを実行してから次の洗浄モードが実行されることなく所定期間が経過した場合には、時間の経過に伴って排出流路に排出水中の固形物や水垢等が蓄積しやすいため、排出流路自体の汚染度合が悪化している可能性が高い。従って、上記(4)に記載のように、洗浄モードを前回実行してから(次の洗浄モードが実行されることなく)所定期間が経過した場合に洗浄モードを実行することで、排出流路の内壁の汚染度合を直接的に検査せずとも、該汚染度合について比較的信頼性の高い判断を行って洗浄モードを実行することができる。
(5)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(4)に記載の循環水利用システムにおいて、
前記加圧ポンプは、前記循環流路における前記浄化装置よりも下流側であって前記循環流路と前記供給流路との接続部よりも上流側の位置に設けられる。
上記(5)に記載の循環水利用システムによれば、加圧ポンプを上記の位置に設けたことにより、該加圧ポンプを、循環流路内での循環水の通常の循環、及び上記洗浄モードの実行、の両方の目的で使用することができる。すなわち、簡易な構成で、循環流路内での循環水の循環と洗浄モードの実行とを実現することができる。
(6)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(4)に記載の循環水利用システムにおいて、
前記加圧ポンプは、前記供給流路における前記供給流路と前記バイパス流路との接続部より上流側の位置に設けられる。
上記(6)に記載の循環水利用システムによれば、加圧ポンプを上記の位置に設けたことにより、該加圧ポンプを、水需要体への循環水の供給、及び上記洗浄モードの実行、の両方の目的で使用することができる。また、上記(4)に記載の循環水利用システムと比較して、加圧ポンプが水需要体に近い位置に設けられるため、該加圧ポンプと水需要体との間での圧力損失を低減することができる。
(7)幾つかの実施形態では、上記(1)〜(4)に記載の循環水利用システムにおいて、
前記加圧ポンプは、前記バイパス流路に設けられる。
上記(7)に記載の循環水利用システムによれば、上記(4)および上記(5)に記載の循環水利用システムと比較して、加圧ポンプを排出流路に近づけることができる。従って、加圧ポンプと水需要体との間での圧力損失を低減して、排出流路を効果的に洗浄することができる。
本発明の少なくとも一つの実施形態によれば、新規な循環水利用システムを検討するにあたり、水需要体からの排出水が流れる排出流路を洗浄する、該システムに適した洗浄装置を備えた循環水利用システムを提供することができる。
幾つかの実施形態にかかる循環水利用システムを示した全体模式図である。 洗浄モード実行部における洗浄モードを実行するか否かの判断フローを示した図である。 幾つかの実施形態にかかる循環水利用システムを示した全体模式図である。 循環水使用料金算出部における循環水使用料金の算出ロジックを示した図である。 課金装置における循環水使用料金の算出フローを示した図である。 本実施形態にかかる排出水量計測手段及び水質測定手段を説明するための循環水利用システムを示した部分模式図である。 水質単価補正係数の計算例を示した表である。 飲用水使用料金算出部における飲用水使用料金の算出ロジックを示した図である。 課金装置における飲用水使用料金の算出フローを示した図である。 本実施形態にかかる飲用水量計測手段及び飲用水質測定手段を説明するための循環水利用システムを示した部分模式図である。 図1に示した循環水利用システムに対応する模式図であって、特に、浄化装置及び飲用水生成手段における処理槽の配置例を示したものである。
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいてより詳細に説明する。
ただし、本発明の範囲は以下の実施形態に限定されるものではない。以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、本発明の範囲をそれにのみ限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は、本発明の少なくとも一実施形態にかかる循環水利用システムを示した全体模式図である。
循環水利用システム1は、公共の上水道網とは別に、特定の地域を対象として構築されるシステムである。本システムの対象となる人口規模としては、おおよそ5,000〜20,000人を想定している。対象地域としては、住居の集合体であるマンション、事務所の集合体であるオフィスビル、テナントの集合体である商業施設、及びこれらが混在する複合施設などである。
図1に示したように、循環水利用システム1は、循環流路2、水需要体3、排出流路4、供給流路6、浄化装置8、洗浄装置9、飲用水生成手段12、飲用水供給手段14、などからなる。
循環流路2は、水道管が閉ループ状に配管されてなる管網として構成される。循環流路2を流れる循環水の原水は、公共の上水道から供給される水道水に限定されず、井戸水、河川から取水した水、海水を淡水化した水、雨水等であってもよい。また、循環水が不足する場合には、これらの原水を外部から補給水として循環流路2に取り入れるように構成してもよい。なお、これらの原水を補給水として循環流路2に取り入れる場合、その水質レベルに応じて後述する浄化装置8の処理槽に取り込むとよい。例えば、比較的水質の良い井戸水、河川から取水した水、海水を淡水化した水については、後述する浄化装置8の粗膜コンテナL4又は微細膜コンテナL5に取り込み、比較的水質の悪い雨水については嫌気性コンテナL2、好気性コンテナL3に取り込むように構成するとよい。
水需要体3は、循環流路2を流れる循環水を生活用水として利用する主体である。水需要体3は、住居3a、テナント3b、及び事務所3cの内の少なくとも一種からなる小口水需要体が複数集まって構成される。住居3aとは、1世帯が生活するマンションの一部屋や戸建て家屋などを指す。テナント3bは、商業施設の一区画において一般顧客に対してサービスを提供する店舗などを指す。業種としては、例えば、服飾店、雑貨店、ドラッグストア、酒屋、等々の小売業や、レストラン、カフェ、寿司屋、居酒屋、等々の飲食業などを含む。事務所3cは、オフィスビルの一部分などにおいて、そこで働く勤務者が一定の目的のために事務を行う場所を指す。
住居3aにおける生活用水の用途としては、例えばシャワーや風呂、洗濯、食器の洗浄、手洗いや洗顔、トイレ、等々が挙げられる。テナント3bにおける生活用水の用途としては、洗浄やトイレ等が挙げられる。また業種によって水需要量が大きく異なっており、例えば飲食店は小売業と比べてはるかに大量の生活用水を利用する。事務所3cにおける生活用水の用途は主にトイレである。
また、水需要体3には、上述した循環水とは別に、飲用水が供給される。この飲用水は、公共の上水道網から導水した水道水を更に浄化することで生成され、市販のミネラルウォーターと同等の品質を有するものである。このような仕組みは、循環水を飲用することに抵抗を感じる人の不安感を解消させることができるとともに、本循環水利用システム1を普及させる際のセールスポイントとなることを期待してのものである。
水道水は、水道水導水管16を介して、公共の上水道網から飲用水生成手段12に導水される。飲用水生成手段12は、導水した水道水を浄化して水需要体3のための飲用水を生成する。飲用水生成手段12は、後述する浄化装置8と同様に、一連の浄化工程を分割した内の一処理工程を行う処理装置がコンテナの内部に格納されたコンテナ式の処理槽が使用される。そして、このコンテナ式の処理槽を処理工程の順番に沿って直列に接続することで構成される。
なお、本明細書においてコンテナとは、輸送用途のため寸法が規格化された矩形状の容器のことを指す。
なお、循環水利用システム1における飲用水の原水は、水道水には限定されず、例えば井戸水や河川から取水した水、海水を淡水化した水などであってもよい。
飲用水生成手段12で生成された飲用水は、飲用水供給手段14によって小口水需要体の各々に供給される。飲用水供給手段14は、飲用水送水管14a、貯留タンク14b、及び飲用水配管14cなどからなる。飲用水生成手段12で生成された飲用水は、飲用水送水管14aを介して貯留タンク14bに送水され、貯留タンク14bにて一旦貯留される。そして、貯留タンク14bに貯留されている飲用水は、飲用水配管14cを介して、上述した住居3a、テナント3b、及び事務所3cからなる小口水需要体の各々に供給される。
排出流路4は、水需要体3から排出される排出水を循環流路2へ排水するための流路である。この排出流路4から排水される排出水には、水需要体3が生活用水として利用した循環水の他に、飲用水やその他のシステム外由来の水も含まれている。供給流路6は、後述する浄化装置8で浄化された循環水を生活用水として水需要体3に供給するための流路である。排出流路4及び供給流路6は共に管路から構成される。
浄化装置8は、循環流路2を流れる排出水を含む循環水を浄化する手段である。浄化装置8は、一連の浄化工程を分割した内の一処理工程を行う処理装置がコンテナの内部に格納されたコンテナ式の処理槽が使用される。そして、このコンテナ式の処理槽を処理工程の順番に沿って直列に接続することで構成される。
また、本循環水利用システム1において、上記循環流路2は、公共の下水道網には接続されていない。後述するように、排出水の浄化過程で発生する汚泥ケーキ等の余剰汚泥はシステム外に搬出されるが、それ以外の排出水は100%再利用される。すなわち、本循環水利用システム1は、システム内で循環的に水供給と水処理とが行われ、システム外には下水を排出しない完全循環型の循環水利用システムとなっている。
ところで、上述の循環水利用システム1における排出流路4には、水需要体3から排出された排出水が流れるので、流路内が常に水で満たされているわけではない(流路の内壁が乾燥する時間帯もある)。したがって、適切に洗浄を行わなければ、排出流路4の内壁には、水需要体3から排出された排出水に含まれる固形物や水垢等の汚れがこびりついてしまう。
そこで、図1に示す循環水利用システム1は、排出流路4を洗浄するための洗浄装置9を有する。洗浄装置9は、浄化装置8で浄化された循環水を加圧する加圧ポンプ11と、供給流路6から分岐し水需要体3を迂回して排出流路4に接続されたバイパス流路13と、バイパス流路13を開閉するためのバルブ15と、制御部100とを有している。制御部100は、中央処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、およびI/Oインターフェイスなどからなるマイクロコンピュータとして構成されている。制御部100を構成する洗浄モード実行部17は、バルブ15の開閉を制御するよう構成され、バルブ15を開放して加圧ポンプ11によって加圧された循環水をバイパス流路13から排出流路4へ排出することで排出流路4を洗浄する洗浄モードを実行可能に構成されている。
このように、浄化装置8で浄化され加圧ポンプ11で加圧された清浄度の高い高圧の循環水を排出流路4へ排出することで、当該システム外部からの供給水や洗浄器具などを用いることなく、排出流路4を当該システムによって自浄することができる。
なお、図1に示す循環水利用システム1の加圧ポンプ11は、循環流路2における浄化装置8よりも下流側であって循環流路2と供給流路6との接続部20よりも上流側の位置に設けられている。これにより、加圧ポンプ11を、循環流路2内での循環水の通常の循環、及び上記洗浄モードの実行、の両方の目的で使用することができる。すなわち、簡易な構成で、循環流路2内での循環水の循環と洗浄モードの実行とを実現することができる。
他の実施形態では、加圧ポンプ11は、供給流路6における供給流路6とバイパス流路13との接続部22より上流側の位置に設けてもよい。これにより、加圧ポンプ11を、水需要体3への循環水の供給、及び上記洗浄モードの実行、の両方の目的で使用することができる。また、加圧ポンプ11を図1に示した位置に設ける場合と比較して、加圧ポンプ11が水需要体3に近い位置に設けられるため、該加圧ポンプ11と水需要体3との間での圧力損失を低減することができる。
さらに他の実施形態では、加圧ポンプ11は、バイパス流路13に設けてもよい。これにより、加圧ポンプ11を図1に示した位置に設ける場合と比較して、加圧ポンプ11を排出流路4に近づけることができる。従って、加圧ポンプ11と排出流路4との間での圧力損失を低減して、排出流路4を効果的に洗浄することができる。
なお、排出流路4及び供給流路6には、排出水が循環流路2に排水されるように、又は循環水が水需要体3に供給されるように、ポンプやバルブなどの機器類が地形条件等に応じて上述した以外に適宜設置されてもよい。
図1に示す循環水利用システム1は、排出流路4を流れる排出水量を計測する排出水量計測手段18aを備えており、洗浄モード実行部17は、排出水量計測手段18aによって計測された排出水量が一定期間連続して所定の水準を下回った場合に上記洗浄モードを実行するよう構成されている。排出水量計測手段18aは、上述した排出流路4に設けられた、水需要体3から排出される排出水量や重量を計測する流量計などからなる。
排出流路4を流れる排出水量が一定期間連続して所定の水準を下回った場合には、排出流路4が乾燥して排出水中の固形物や水垢等が排出流路4にこびりつきやくなるため、排出流路4自体の汚染度合が悪化している可能性が高い。従って、上述のように、排出水量計測手段18aによって計測した排出水量が一定期間連続して所定の水準を下回った場合に上記洗浄モードを実行することで、排出流路4の内壁の汚染度合を直接的に検査せずとも、該汚染度合について比較的信頼性の高い判断を行って上記洗浄モードを実行することができる。
また、図1に示す循環水利用システム1は、排出流路を流れる排出水の水質に関する後述の水質指標を測定する水質測定手段18bを備えており、洗浄モード実行部17は、水質測定手段18bによって測定された排出水の水質指標が所定の水準よりも悪化した場合に上記洗浄モードを実行するよう構成されている。水質測定手段18bは、上述した排出流路4に設けられた、水需要体3から排出される排出水のSS(懸濁物質量)BOD(生物学的酸素要求量)、TOC(全有機炭素)、COD(化学的酸素要求量)、T−N(総窒素)、T−P(総リン)、ノルマルヘキサン抽出物質、その他大腸菌などの菌類、等の各水質指標を測定する各種の水質センサなどからなる。また水質測定手段18bは、これら定置式の水質センサに替えて、可搬型の水質検査キットやマイクロ流体デバイスなどから構成されてもよい。また、水質測定手段18bは、連続的に水質指標を測定するように構成されてもよく、また周期的に水質指標を測定するように構成されてもよい。
排出流路4を流れる排出水の水質指標が所定の水準よりも悪化した場合(例えば、上述のSS、BOD、TOC、COD、T−N、T−P、ノルマルヘキサン抽出物質、その他大腸菌などの菌類量、のいずれかが所定量を上回った場合)には、排出流路4自体の汚染度合が悪化している可能性が高い。従って、上述のように、水質測定手段18bによって測定した排出水の水質指標が所定の水準よりも悪化した場合に上記洗浄モードを実行することで、排出流路4の内壁の汚染度合を直接的に検査せずとも、該汚染度合について比較的信頼性の高い判断を行って洗浄モードを実行することができる。
なお、洗浄モードを実行してから次の洗浄モードが実行されることなく所定期間が経過した場合には、時間の経過に伴って排出流路4に排出水中の固形物や水垢等が蓄積しやすいため、排出流路4自体の汚染度合が悪化している可能性が高い。従って、洗浄モード実行部17は、前回洗浄モードを実行してから(次の洗浄モードが実行されることなく)所定期間が経過した場合に上記洗浄モードを実行するよう構成されている。これにより、排出流路4の内壁の汚染度合を直接的に検査せずとも、該汚染度合について比較的信頼性の高い判断を行って洗浄モードを実行することができる。
図2は、洗浄モード実行部17における、洗浄モードを実行するか否かの判断フローである。図2に示すように、洗浄モード実行部17は、まずS11で、排出水量計測手段18aによって計測された排出水量が一定期間連続して所定の水準を下回っているか否かを判断する。S11で、排出水量が一定期間連続して所定の水準を下回っていると判断した場合、S12で、洗浄モードを実行する。S11で排出水量が一定期間連続して所定の水準を下回っていないと判断した場合、S13で、水質測定手段18bによって測定された排出水の水質指標が所定の水準よりも悪化しているか否かを判断する。S13で、水質測定手段18bによって測定された排出水の水質指標が所定の水準よりも悪化していると判断した場合、S12で、洗浄モードを実行する。S13で、水質測定手段18bによって測定された排出水の水質指標が所定の水準よりも悪化していないと判断した場合、S14で、前回洗浄モードを実行してから次の洗浄モードが実行されることなく所定期間が経過したか否かを判断する。S14で、前回洗浄モードを実行してから所定期間が経過したと判断した場合、S12で、洗浄モードを実行する。S14で、前回洗浄モードを実行してから所定期間が経過していないと判断した場合、該判断フローを終了する。なお、S11、13、14の判断の順番はどのように設定してもよく、同時に判断してもよい。
幾つかの実施形態に係る循環水利用システム1は、図3に示すように、上述した小口水需要体の各々における循環水使用料金を算出する課金手段10(課金装置)を更に備えている。図3に示す循環水利用システムの構成に関し、特記しない部分については図1に示した循環水利用システム1と共通の構成であり、図1に示す循環水利用システム1と同様に洗浄装置9を含んでいる。
課金手段10は、図3に示すように、排出水量計測手段18a、水質測定手段18b、及び循環水使用料金算出部10Aを少なくとも備えている。すなわち、図3に示す洗浄装置9と課金手段10とは、排出水量計測手段18aと水質測定手段18bとを兼用している。
排出水量計測手段18aは、図6に示したように、住居3a、テナント3b、及び事務所3cなどの小口水需要体の各々から排出される排出水量を夫々計測するように複数の流量計18a1,18a2から構成されている。また、水質測定手段18bも、図6に示したように、住居3a、テナント3b、及び事務所3cなどの小口水需要体の各々から排出される排出水の水質を夫々測定するように複数の水質センサ18b1,18b2から構成されている。
制御部100を構成する循環水使用料金算出部10Aは、図4に示した算出ロジックおよび図5に示した算出フローに従って、小口水需要体の各々の循環水使用料金を夫々算出するように構成されている。
図4は、循環水使用料金算出部における循環水使用料金の算出ロジックを示した図である。図4に示したように、循環水使用料金算出部10Aでは、排出水量計測手段18aで計測される小口水需要体の各々から排出される排出水量に、排出水処理単価を乗じることで、循環水使用料金を算出するように構成される。排出水処理単価は、循環水単位使用料金に、水質測定手段18bで測定される排出水の水質に関する水質指標に基づいて設定される水質単価補正係数を乗じることで算出される。
図5は、課金装置における循環水使用料金の算出フローを示した図である。図5に示したように、上述した排出水量計測手段18aによって、小口水需要体の各々から排出される排出水量を計測する(S51)。次に、上述した水質測定手段18bによって、小口水需要体の各々から排出される排出水の水質に関する水質指標を測定する(S52)。なお、これらステップS51およびステップS52の順番は逆でもよく、また同時に実行されてもよい。そして、ステップS53において、排出水処理単価を算出する。
排出水処理単価は、循環水単位使用料金に水質単価補正係数を乗じて算出される。循環水単位使用料金は、例えば循環水利用システムごと、業種ごと、及び契約規模ごと等に応じて、例えば一律料金として設定される。水質単価補正係数は、排出水の水質に応じて設定される補正係数であり、例えば図7に示すように設定される。
図7は、水質単価補正係数の計算例を示した表である。図示した実施形態では、SS(懸濁物質量)、ノルマルヘキサン抽出物質(油分)、BOD,TOC,COD等(有機物)、及びT−P(総リン)の4つの水質指標から水質単価補正係数を算出する例を示している。
図7に示したように、複数の水質指標の各々に対して予め重み付け係数が規定されている。この重み付け係数の設定方法として、例えば浄化コストに占める割合に応じて重み付け係数を設定することが考えられる。これら複数の水質指標の重み付け係数は、それらの合計が1となるように配分設定される。
また、複数の水質指標の各々に対しては、予め基準値が規定されている。この基準値は、循環水使用料金を算出する上での基準となる値であり、例えば浄化装置8における標準的な処理能力として設定される。また例えば、契約形態等に応じて基準値を可変とすることも出来る。
汚濁係数は、各水質指標における汚濁の程度を評価するための指標であり、上記基準値に対する水質指標の実測値の比として定義される。水質指標の実測値は、上述した水質測定手段18bで測定された水質指標の測定値が用いられる。この実測値は、例えば一定期間内における平均値が用いられる。そして、この汚濁係数に上述した重み付け係数を乗じることで、複数の水質指標の各々における水質単価補正値が算出される。そして、これら複数の水質指標における水質単価補正値を合計することで、水質単価補正係数が算出される。図示した実施形態では、重み付け係数の高い水質指標において処理が必要となる汚濁成分量が基準値よりも多いがために、排出水処理単価が基準単価である循環水単位使用料金に対して1.55倍になっている。
図5のフロー図に戻り、ステップS53において排出水処理単価を算出後、排出水量にこの算出した排出水処理単価を乗じて循環水使用料金を算出する(S54)。そして最後に、算出した循環水使用料金を小口水需要体の各々に対して課金処理する(S55)。
以上、このような本発明の一実施形態にかかる循環水利用システム1の課金装置10によれば、排出水に基づいて課金するため、供給量だけを計測する場合には把握できないシステム外由来の排出水も把握することが出来、より公平性の高い課金システムを構築することができる。
また、本循環水利用システム1では、生活用水として利用できる程度にまで排出水を浄化する必要があり、特に排出水の水質が悪い場合にはその浄化に多大なコストを要する。このため、排出水量のみに基づく課金だと、排出水の浄化に要するコストと各小口水需要体への課金額とが一致せずに不公平感が生まれるとの問題がある。これに対して、上記循環水利用システム1の課金装置10によれば、排出水の水質に基づいて循環水使用料金を算出するため、より公平性の高い課金システムを構築することができるようになっている。
また、上述したように、小口水需要体の各々から排出される排出水の水質に基づいて設定される排出水処理単価から循環水使用料金を算出することで、より公平性の高い課金システムを構築することができる。
また、上述したように、複数の水質指標に基づいて排出水処理単価を設定することで、排出水の水質を的確に反映した排出水処理単価を設定することが出来、より公平性の高い課金システムを構築することができる。
また、上述したように、複数の水質指標の各々に対して予め重み付け係数を設定することで、例えば複数の水質指標の内、浄化コストに占める割合の高い水質指標については重み付け係数を高く設定し、浄化コストに占める割合の低い水質指標項については重み付け係数を低く設定するなどして、排出水の水質を的確に反映した、より公平性の高い課金システムを構築することができる。
また、上述したように、予め規定される基準値に対する水質指標の実測値の比である汚濁係数を用いることで、複数の水質指標を的確に反映した排出水処理単価を設定することが出来るため、より公平性の高い課金システムを構築することができる。
幾つかの実施形態では、循環水利用システム1は、上述したように、上水道網から導水した水道水を浄化して水需要体3のための飲用水を生成する飲用水生成手段12をさらに備える。
飲用水生成手段12で生成された飲用水は、飲用水供給手段14によって小口水需要体の各々に供給される。飲用水供給手段14は、飲用水送水管14a、貯留タンク14b、及び飲用水配管14cなどからなる。飲用水生成手段12で生成された飲用水は、飲用水送水管14aを介して貯留タンク14bに送水され、貯留タンク14bにて一旦貯留される。そして、貯留タンク14bに貯留されている飲用水は、飲用水配管14cを介して、上述した住居3a、テナント3b、及び事務所3cからなる小口水需要体の各々に供給される。
なお、図3に係る実施形態において、洗浄モード実行部17によって洗浄モードを実行した時に排出水量計測手段18aによって計測された排出水量は、水需要体3から排出された排出水量ではない。従って、循環水使用料金算出部10Aは、洗浄モード実行部17によって洗浄モードを実行した時に排出水量計測手段18aによって計測された排出水量を、循環水使用料金の算出に用いる排出水量にはカウントしないよう構成されている。これにより、より公平性の高い課金システムを構築することができるようになっている。
同様に、洗浄モード実行部17によって洗浄モードを実行した時に水質測定手段18bによって測定された水質指標は、水需要体3から排出された排出水の水質に関する水質指標ではない。従って、循環水使用料金算出部10Aは、洗浄モード実行部17によって洗浄モードを実行した時に水質測定手段18bによって測定された水質指標を、循環水使用料金の算出に用いる水質指標にはカウントしないよう構成されている。これにより、より公平性の高い課金システムを構築することができるようになっている。
また、上述した課金装置10は、小口水需要体の各々に供給される飲用水量を夫々計測する飲用水量計測手段19aと、小口水需要体の各々に供給される飲用水の飲用水質に関する飲用水質指標を夫々測定する飲用水質測定手段19bと、小口水需要体の各々に供給される飲用水量及び飲用水の飲用水質に基づいて、小口水需要体の各々の飲用水使用料金を算出する飲用水使用料金算出部10Bと、をさらに備えている。
飲用水量計測手段19aは、図10に示したように、住居3a、テナント3b、及び事務所3cなどの小口水需要体の各々に供給される飲用水量を夫々計測するように、飲用水配管14c1,14c2に夫々設けられた複数の流量計19a1,19a2から構成されている。一方、飲用水質測定手段19bは、小口水需要体の各々に供給される飲用水の飲用水質を一括して測定できるように、貯留タンク14bの直下流で分岐前の飲用水配管14cに設けられた水質センサ19bから構成されている。水質センサ19bで測定する飲用水質指標としては、特に限定されないが、例えば水質基準に関する省令(平成十五年五月三十日厚生労働省令第百一号)で規定されている飲用水質指標や、その他の飲用水質指標が挙げられる。また飲用水質測定手段19bは、定置式の水質センサに替えて、可搬型の水質検査キットやマイクロ流体デバイスなどから構成されてもよい。また、飲用水質測定手段19bは、連続的に水質指標を測定するように構成されてもよく、また周期的に水質指標を測定するように構成されてもよい。
図8は、飲用水使用料金算出部における飲用水使用料金の算出ロジックを示した図である。図8に示したように、飲用水使用料金算出部10Bでは、飲用水量計測手段19aで計測される小口水需要体の各々に供給される飲用水量に、飲用水単価を乗じることで、飲用水使用料金を算出するように構成される。飲用水単価は、飲用水単位使用料金に、飲用水質測定手段19bで測定される飲用水の飲用水質に関する水質指標に基づいて設定される飲用水単価補正係数を乗じることで算出される。
図9は、課金装置における飲用水使用料金の算出フローを示した図である。図9に示したように、上述した飲用水量計測手段19aによって、小口水需要体の各々に供給される飲用水量を計測する(S91)。次に、上述した飲用水質測定手段19bによって、小口水需要体に供給される飲用水の水質に関する水質指標を測定する(S92)。なお、これらステップS91およびステップS92の順番は逆でもよく、また同時に実行されてもよい。そして、ステップS93において、飲用水単価を算出する。
飲用水単価は、飲用水単位使用料金に飲用水単価補正係数を乗じて算出される。飲用水単位使用料金は、例えば循環水利用システムごと、業種ごと、及び契約規模ごと等に応じて、例えば一律料金として設定される。飲用水単価補正係数は、供給される飲用水の飲用水質に応じて設定される補正係数であり、飲用水としての品質が高い程に飲用水単価補正係数は高く設定される。
例えば、残留塩素やトリクロラミンの濃度が高いと飲む人がカルキ臭を感じるため、これらの濃度が低い程、飲用水単価補正係数を高く設定する。また、においの強さを表す指標である臭気強度(TON)が低い程、飲用水単価補正係数を高く設定する。また、2−メチルイソボルネオールやジェオスミンの濃度が高いと飲む人がかび臭を感じるため、この濃度が低い程、飲用水単価補正係数を高く設定する。また、有機物(TOC)が高いと飲用水が不快な味になるため、この濃度が低い程、飲用水単価補正係数を高く設定する。さらに、色度や濁度が高いと見た目が不快なため、これらが低い程、飲用水単価補正係数を高く設定する。
図9のフロー図に戻り、ステップS93において飲用水単価を算出後、飲用水量にこの算出した飲用水単価を乗じて飲用水使用料金を算出する(S94)。そして最後に、算出した飲用水使用料金を小口水需要体の各々に対して課金処理する(S95)。
このような実施形態によれば、小口水需要体の各々に対して供給される飲用水の飲用水使用料金を、供給される飲用水量だけでなく飲用水の飲用水質に基づいて算出することが出来るようになっている。
図11は、図1及び図3に示した循環水利用システムに対応する模式図であって、特に、浄化装置及び飲用水生成手段における処理槽の配置例を示したものである。図11に示した実施形態では、浄化装置8は、スクリーン/流量調整コンテナL1、嫌気性コンテナL2、好気性コンテナL3、粗膜コンテナL4、微細膜コンテナL5、オゾン処理コンテナL6、貯水殺菌コンテナL7、消毒コンテナL8が、この順番で直列に接続されることで構成されている。
スクリーン/流量調整コンテナL1は、排出水に含まれるし査やオイルなどを除去する処理槽であり、オイルトラップやスクリーン装置などの設備を備える。嫌気性コンテナL2及び好気性コンテナL3は、嫌気性処理及び好気性処理を行って排出水に含まれる有機物を除去するための処理槽である。処理方法としては、A20活性汚泥法、回分式活性汚泥法、接触酸化法、オキシデーションディッチ法などの各種公知の処理方法を採用することが出来る。粗膜コンテナL4は、排出水から汚泥を分離するための処理槽である。沈殿槽、MF膜、UF膜、遠心分離などの各種装置・方法を採用することが出来る。微細膜コンテナL5は、循環水の水質を上水レベルまで高めるための処理槽である。逆浸透膜、活性炭、砂濾過、オゾン発生器、イオン交換、ミネラル添加装置などの各種装置・方法を採用することが出来る。オゾン処理コンテナL6は、浄化された循環水に対してオゾン処理を行うための処理槽である。貯水殺菌コンテナL7は、浄化された循環水を紫外線などで貯水殺菌しながら一時的に貯水するための処理槽である。消毒コンテナL8は、浄化された循環水を紫外線、塩素、オゾンなどによって殺菌消毒するための処理槽である。
汚泥返送/汚泥脱水コンテナL9は、汚泥を脱水乾燥させる処理槽である、汚泥貯留コンテナL10,L11は、汚泥ケーキやし査などの汚水処理において発生する廃棄物を貯蔵するための処理槽である。汚泥貯留コンテナL10,L11に貯蔵される汚泥ケーキなどの余剰汚泥は、例えば肥料業者などが引き取ることにより、システム外に搬出される。
また、図11に示した実施形態では、飲用水生成手段12は、微細膜コンテナH1、イオン交換コンテナH2、貯水殺菌コンテナH3、ミネラル調整コンテナH4、消毒コンテナH5が、この順番で直列に接続されることで構成されている。これら微細膜コンテナH1、イオン交換コンテナH2、貯水殺菌コンテナH3、ミネラル調整コンテナH4、消毒コンテナH5は、水道水を更に浄化して市販のミネラルウォーターと同等の品質にまで高めるための処理槽である。
微細膜コンテナH1は、逆浸透膜、活性炭、砂濾過などの各種装置・方法を備えている。イオン交換コンテナH2は、イオン交換装置などを備えている。貯水殺菌コンテナH3は、浄化された水道水を紫外線などで貯水殺菌しながら一時的に貯水するための処理槽である。ミネラル調整コンテナH4は、ミネラル添加装置などを備えている。消毒コンテナH5は、浄化された水道水を紫外線、塩素、オゾンなどによって殺菌消毒するための処理槽である。
なお、上述した浄化装置8及び飲用水生成手段12の処理槽の配置及び構成は一例であって、排水される排出水の水質や目標とする浄化水準に応じて種々変更可能である。また、図中の符号TWは公共の上水道網から供給される水道水の流れを示している。水道水TWは、上述したように飲用水生成手段12に供給されるだけでなく、必要に応じて補給水として循環流路2にも供給するように構成してもよい。この場合の供給位置は、排出水の浄化処理がほぼ完了する、微細膜コンテナL5の下流側とするのが良い。また、図中の符号WW4は、濃縮水をスクリーン/流量調整コンテナL1に送水するための戻し管路である。
このように、本出願人が検討している新規の循環水利用システム1では、排出水を浄化する浄化装置8、及び水道水を浄化する飲用水生成手段12として、一連の浄化工程を3以上の処理工程に分割した内の一処理工程を行う処理装置がコンテナの内部に格納されたコンテナ式の処理槽が使用される。そして、最初の処理工程を行うコンテナ式の処理槽、次の処理工程を行うコンテナ式の処理槽、次々の処理工程を行うコンテナ式の処理槽、を現場に搬入し、それぞれを接続管で直列に接続することで浄化装置8が構築される。このようなコンテナ式の処理槽は、そのままの状態でトラックに積載して搬送することが出来るため、可搬性に優れている。また、コンテナ収容体に取り外し自在に収容されるため、設置・撤去を自在に行うことが出来る。
上記コンテナ式処理槽の1処理槽当たりの処理能力は、1,000人程度の排出水を処理できる規模を想定している。このため、例えば10,000人規模の人々が生活する地域や複合施設に対して本循環水利用システムを導入する場合には、同一の処理工程を行う処理槽も複数(例えば10個)必要となる。このように、同一処理工程を行う処理槽を複数備えることで、1処理槽当たりの処理能力を小さくすることが出来る。よって、対象地域における人口の変動や水需要の季節変動にも柔軟に対応可能である。また、代替の処理槽を準備することも容易であり、メンテナンス性にも優れている。
以上、本発明の好ましい形態について説明したが、本発明は上記の形態に限定されるものではない。例えば上述した実施形態を組み合わせても良く、本発明の目的を逸脱しない範囲での種々の変更が可能である。
本発明の少なくとも一実施形態は、公共の上水道網とは別に構築される循環水利用システムにおいて好適に用いることが出来る。
1 循環水利用システム
2 循環流路
3 水需要体
3a 住居
3b テナント
3c 事務所
4 排出流路
6 供給流路
8 浄化装置
9 洗浄装置
10 課金手段(課金装置)
10A 循環水使用料金算出部
10B 飲用水使用料金算出部
11 加圧ポンプ
12 飲用水生成手段
13 バイパス流路
14 飲用水供給手段
14a 飲用水送水管
14b 貯留タンク、飲用水タンク
14c 飲用水配管
15 バルブ
16 水道水導水管
17 洗浄モード実行部
18a 排出水量計測手段(流量計)
18b 水質測定手段(水質センサ)
18c 生活用水量計測手段(流量計)
19a 飲用水量計測手段(流量計)
19b 飲用水質測定手段(水質センサ)
20,22 接続部
100 制御部

Claims (7)

  1. 循環水利用システムであって、
    循環水が流れる循環流路と、
    前記循環流路を流れる循環水を使用する、住居、テナント、及び事務所の内の少なくとも一種からなる小口水需要体が複数集まって構成される水需要体、から排出される排出水を前記循環流路へ排出する排出流路と、
    前記循環流路を流れる前記排出水を含む循環水を浄化する浄化装置と、
    前記浄化装置で浄化された循環水を前記水需要体に供給する供給流路と、
    前記排出流路を洗浄する洗浄装置と、
    を有し、
    前記洗浄装置は、
    前記浄化装置で浄化された循環水を加圧する加圧ポンプと、
    前記供給流路から分岐し前記水需要体を迂回して前記排出流路に接続され、前記加圧ポンプによって加圧された循環水を前記排出流路へ排出可能なバイパス流路と、
    前記バイパス流路を開閉するためのバルブと、
    前記バルブの開閉を制御するよう構成され、前記バルブを開放して前記加圧ポンプによって加圧された循環水を前記排出流路へ排出することで前記排出流路を洗浄する洗浄モードを実行可能な制御部と、
    を有する循環水利用システム。
  2. 更に、前記排出流路を流れる排出水量を計測する排出水量計測手段を備え、
    前記制御部は、前記排出水量計測手段によって計測された前記排出水量が一定期間連続して所定の水準を下回った場合に前記洗浄モードを実行するよう構成される請求項1に記載の循環水利用システム。
  3. 更に、前記排出流路を流れる排出水の水質に関する水質指標を測定する水質指標測定手段を備え、
    前記制御部は、前記水質指標測定段によって測定された前記排出水の水質指標が所定の水準よりも悪化した場合に前記洗浄モードを実行するよう構成される請求項1又は2に記載の循環水利用システム。
  4. 前記制御部は、前記洗浄モードを前回実行してから所定期間が経過した場合に、前記洗浄モードを実行するよう構成される請求項1に記載の循環水利用システム。
  5. 前記加圧ポンプは、前記循環流路における前記浄化装置よりも下流側であって前記循環流路と前記供給流路との接続部よりも上流側の位置に設けられる請求項1〜4のいずれか1項に記載の循環水利用システム。
  6. 前記加圧ポンプは、前記供給流路における前記供給流路と前記バイパス流路との接続部より上流側の位置に設けられる請求項1〜4のいずれか1項に記載の循環水利用システム。
  7. 前記加圧ポンプは、前記バイパス流路に設けられる請求項1〜4のいずれか1項に記載の循環水利用システム。
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