JP5517829B2 - 三次元計測装置及び三次元計測方法 - Google Patents
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Description
光切断法では、まず、計測対象にレーザスリット光を当て、レーザスリット光を反射している計測対象の位置を撮像装置で撮像する。そして、レーザスリット光の照射角度と撮像装置の結像位置との対応を求め、その結果に基づいて、三角測量の原理で計測対象の三次元情報を復元する。しかし、光切断法では、一般的にレーザスリット光を走査しながら撮像するため、密な三次元計測を行うには時間がかかる。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、計測対象に光を投射して当該計測対象の三次元形状を計測するに際し、当該計測対象の信号に発生するノイズを低減し、当該計測対象の三次元形状の計測精度を向上することを目的とする。
三次元計測装置は、光学系101、投影部102、撮像素子103、露光タイミング制御部104、投影パターン制御部105、制御部106、記憶部107、パターン認識部108、及び三次元形状算出部109を備えて構成される。また、110は計測対象である。
次に、三次元計測装置の各部位についての詳細な説明を行う。
光学系101は、計測対象110で一部反射された光を撮像素子103へ導くものである。
投影部102は、例えば、レーザープロジェクタや液晶プロジェクタであり、光強度の異なるパターン(投影パターン)を計測対象110に投影(投射)可能な装置である。投影部102は、投影パターン制御部105から入力される投影パターンの情報に基づいて、パターンを投影する。投影部102を用いて投影されるパターンについての詳細は後述する。
撮像素子103は、光学系101を用いて導かれた像を記憶部107に出力する。撮像素子103は、投影部102によるパターンの投影方向と異なる方向から計測対象110を撮像する。
投影パターン制御部105は、制御部106からの制御信号に基づいて、投影部102を制御する。また、投影パターン制御部105は、投影パターンを生成すると共に、投影が完了したことを示す信号を制御部106に出力する。
記憶部107は、撮像素子103から入力した画像データを記憶する。そして記憶した画像データをパターン認識部108に出力する。
パターン認識部108は、記憶部107から入力された画像データを解析し、アダマール行列に基づいて計測対象に投影されたパターンを、その逆行列を用いて、スリット光(スリット位置)がシフトした画像に変換する。パターン認識部108は、空間を分割するパターンを撮像することにより得られた画像と、スリット光がシフトした画像とに基づいて、撮像素子103の位置と投影部102の位置との対応関係を求めてパターンの位置情報を得、三次元形状算出部109に出力する。
三次元形状算出部109は、パターン認識部108から出力された、スリット光がシフトした画像の位置情報に基づいて三角測量の原理で計測対象110の三次元形状を算出する。
図2(a)は、一般的な空間符号化のパターンを示す図である。空間符号化は、パターン201〜205のような、空間を順次2分割するパターンを投影し、空間を唯一識別可能な符号を空間に対して付与し、撮像部と投影部との対応を求め三角測量の原理で三次元計測を行う方式である。
図2(a)に示した空間符号化のパターン205のような高周波なパターンを計測対象110に投影した場合には、計測対象110上でのパターンが撮像素子103の分解能を超えてしまう可能性があるため、計測対象110を認識しにくくなるという問題点がある。特許文献1に記載の技術は、このような問題点を改善するようにしている。特許文献1では、低周波のパターン206〜208として、図2(a)に示したような、通常の空間符号化と同一のパターンを用いて、空間を分割する。次に、図2(b)に示すパターン209〜212のように、複数のスリット光からなるパターンのスリット位置をシフトさせることにより得られた複数のパターン209〜212を計測対象110に投射する。パターン209〜212のようなパターンを用いるのは、計測対象110上でのパターンが撮像素子103の分解能を超える領域を減少させ、計測精度が下がることを防ぐ為である。
図2(c)に示すパターン213〜216は、図2(b)に示すパターン209〜212の最小単位のパターンを切り出したパターンである。
特許文献1に記載の技術で用いられるパターンでは、スリット光を投射するため、パターンの光量が減少し、計測対象110の信号(画像データ)に含まれるノイズが増大してしまう問題点がある。そこで、本実施形態の投影部102を用いて投影されるパターンとして、低周波のパターン217〜219として、図2(a)、図2(b)に示したような、通常の空間符号化と同一の(単一又は複数の)パターンを用いて、空間を分割する。さらに、本実施形態では、投影部102は、パターン220〜223として、アダマール符号を用いた複数のパターン(アダマール行例に基づいて決定される複数のパターン)を計測対象110に投射する。
図3(b)は、図3(a)に示す、アダマール符号を用いたパターン220〜223の最小単位のパターン224〜227を示す図である。パターン認識部108は、アダマール符号を用いたパターン224〜227を、パターン213〜216を投射した画像に擬似的に変換して三次元計測を行う。ただし、このようにパターン認識部108によって、アダマール符号を用いたパターン224〜227から変換された画像データは、パターン213〜216を投射したときに得られる画像データよりもノイズが低減されている。尚、図3(b)に示す、アダマール符号を用いたパターン224〜227を用いることで、画像データに発生するノイズが減少することについては後述する。
投影パターンに使用するアダマール行列は、S型H行列であり、n次のS型H行列の要素Hnは、以下の(1)式、(2)式、(3)式で求めることができる。
まず、図3(b)に示すパターン224〜227ではなく、図2(c)に示すパターン213〜216を投射して撮像した場合について説明する。
図5は、図2(c)に示すパターンを投射して得られた撮像画像の輝度の真値(図5(a))と実際値(図5(b))の一例を示す図である。
撮像画像の輝度の真値をs1、s2、s3、s4とし、撮像時のノイズをn1、n2、n3、n4とする。ただし、撮像時のノイズは信号に依存しないものとし、平均0、分散σ2(σは標準偏差)とする。パターン213〜216を計測対象110に投射した場合に撮像される撮像画像の輝度値y1、y2、y3、y4は、以下の(7)式〜(10)式のようになる。
y1=s1+n1 ・・・(7)
y2=s2+n2 ・・・(8)
y3=s3+n3 ・・・(9)
y4=s4+n4 ・・・(10)
図3(b)に示すパターン224〜227を計測対象110に投射した場合に実際に観測される撮像画像の輝度値x1、x2、x3、x4は、以下の(12)式〜(15)式のようになる。
x1=s1+s2+s3+s4+n1 ・・・(12)
x2=s1+s3+n2 ・・・(13)
x3=s1+s2+n3 ・・・(14)
x4=s1+s4+n4 ・・・(15)
まず、制御部106は、投影パターンを出力することを指示する制御信号を投影パターン制御部105に送る。この制御信号を受けた投影パターン制御部105は、投影部102を制御して、空間を分割するパターンを計測対象110に投影させる。ここで、空間を分割する投影パターンとは、例えば、図3(a)に示すパターン217〜219である。投影パターン制御部105は、投影が完了するタイミングで、投影が完了したことを示す信号を制御部106に送る。
次に、パターン認識部108は、空間を分割するパターンを撮像して得られた画像データと、スリット光がシフトした画像データとを元に、撮像素子103の位置と、投影部102の位置との対応を求め、パターンの位置情報を得る(ステップS706)。
次に、三次元形状算出部109は、パターン認識部108で求めた、撮像素子103の位置と投影部102の位置との対応に基づいて、三角測量の原理で、計測対象110の三次元形状を算出する(ステップS707)。
最後に、三次元形状算出部109は、算出した三次元形状の情報を出力する(ステップS708)。
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、まず、以上の実施形態の機能を実現するソフトウェア(コンピュータプログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給する。そして、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)が当該コンピュータプログラムを読み出して実行する。
Claims (14)
- 光強度の分布を有する複数の投影パターンの光を計測対象に投影する投影手段と、
前記投影手段による光の投影方向と異なる方向から、前記投影パターンが投影された計測対象を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段により撮像された画像に基づいて、前記計測対象の三次元形状を算出する三次元形状算出手段と、を有し、
前記投影手段は、アダマール行列に基づいて光強度の分布が定められた複数の投影パターンを前記計測対象に投影することを特徴とする三次元計測装置。 - 前記投影手段は、空間を分割する単一又は複数の投影パターンと、アダマール行列に基づいて光強度の分布が定められた複数の投影パターンとのそれぞれを個別に前記計測対象に投影することを特徴とする請求項1に記載の三次元計測装置。
- 前記空間を分割する複数の投影パターンは、光の強度分布が相互に反転された投影パターンを含むことを特徴とする請求項2に記載の三次元計測装置。
- 前記三次元形状算出手段は、前記光の強度分布が相互に反転された投影パターンが前記撮像手段により撮像されることによって得られた画像を合成することを特徴とする請求項3に記載の三次元計測装置。
- 前記アダマール行列に基づいて光強度の分布が定められた投影パターンは、2進アダマール行列に基づいて光強度の分布が定められた投影パターンであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の三次元計測装置。
- 前記2進アダマール行列は、00型正規系のアダマール行列、又は00型補正規系のアダマール行列であることを特徴とする請求項5に記載の三次元計測装置。
- 前記アダマール行列に基づいて決定される複数のパターンは、アダマール行列から作成されるS行列に基づいて決定されるパターンであることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の三次元計測装置。
- 光強度の分布を有する複数の投影パターンの光を計測対象に投影する投影工程と、
前記投影工程による光の投影方向と異なる方向から、前記投影パターンが投影された計測対象を撮像する撮像工程と、
前記撮像工程により撮像された画像に基づいて、前記計測対象の三次元形状を算出する三次元形状算出工程と、を有し、
前記投影工程は、アダマール行列に基づいて光強度の分布が定められた複数の投影パターンを前記計測対象に投影することを特徴とする三次元計測方法。 - 前記投影工程は、空間を分割する単一又は複数の投影パターンと、アダマール行列に基づいて光強度の分布が定められた複数の投影パターンとのそれぞれを個別に前記計測対象に投影することを特徴とする請求項8に記載の三次元計測方法。
- 前記空間を分割する複数の投影パターンは、光の強度分布が相互に反転された投影パターンを含むことを特徴とする請求項9に記載の三次元計測方法。
- 前記三次元形状算出工程は、前記光の強度分布が相互に反転された投影パターンが前記撮像工程により撮像されることによって得られた画像を合成することを特徴とする請求項10に記載の三次元計測方法。
- 前記アダマール行列に基づいて光強度の分布が定められた投影パターンは、2進アダマール行列に基づいて光強度の分布が定められた投影パターンであることを特徴とする請求項8〜11の何れか1項に記載の三次元計測方法。
- 前記2進アダマール行列は、00型正規系のアダマール行列、又は00型補正規系のアダマール行列であることを特徴とする請求項12に記載の三次元計測方法。
- 前記アダマール行列に基づいて決定される複数のパターンは、アダマール行列から作成されるS行列に基づいて決定されるパターンであることを特徴とする請求項8〜11の何れか1項に記載の三次元計測方法。
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