JP5516777B2 - Icカードとそのプログラム、及び、icカードの発行方法 - Google Patents
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図8(A)に示すように、一般的なICカード20は、記憶素子として揮発性メモリ(RAM23)と不揮発性メモリ(ROM21やEEPROM22)とを併せ持つ(例えば、特許文献1)。
データを格納する際には、ファイルをデータ単位として使用することがある。この場合は、ファイルに親子関係情報を設定し、論理的な階層構造を実現する。まず、親ファイル0を生成し、次いで、その子ファイル1,2,3を作成するような木構造を形成するケースが一般的である。
しかし、「ファイル構成」は、それぞれの用途ごとに共通であるにも関わらず、発行処理の段階では、親ファイルから子ファイルまでひとつずつファイル生成しなければならないので、ICカードの発行処理に時間がかかってしまうという問題があった。
第1の発明は、書き換え不可能な不揮発性メモリ(11)と、書き換え可能な不揮発性メモリ(12)と、前記各不揮発性メモリ(11,12)にアクセス可能な制御部(14)とを備えるICカード(10)であって、前記書き換え不可能な不揮発性メモリ(11)は、プログラム(A,B)及び前記プログラム(A,B)の動作に必要な初期データ(A0〜A3,B0〜B4)を含むアプリケーション(PA,PB)を記憶しており、前記初期データは、親ファイルと子ファイルとにより構成されており、前記親ファイルは、前記アプリケーションを活性化した旨の活性化情報を含み、前記制御部(14)は、前記アプリケーション(PA)の選択要求を受信した場合に、前記親ファイルを、前記書き換え可能な不揮発性メモリ(12)に書き込むこと、を特徴とするICカード(10)である。
第2の発明は、第1の発明のICカード(10)において、前記制御部(14)は、前記初期データ(A0〜A3,B0〜B4)の更新要求を受信した場合に、前記書き換え不可能な不揮発性メモリ(11)から前記書き換え可能な不揮発性メモリ(12)に前記初期データ(A0〜A3,B0〜B4)をコピーし、コピーした前記初期データ(A0〜A3,B0〜B4)を更新すること、を特徴とするICカード(10)である。
第3の発明は、第1の発明又は第2の発明のICカード(10)において、前記書き換え可能な不揮発性メモリ(12)は、前記初期データ(A0〜A3,B0〜B4)又は更新後の前記初期データがどのメモリのどの位置に存在しているかを示すリンク情報を記憶しており、前記制御部(14)は、前記初期データ(A0〜A3,B0〜B4)を更新した場合に、前記リンク情報を更新すること、を特徴とするICカード(10)である。
第4の発明は、第1の発明から第3の発明までのいずれかのICカード(10)において、前記初期データ(A0〜A3,B0〜B4)は、複数あり、前記制御部(14)は、複数の前記初期データ(A0〜A3,B0〜B4)のうち、少なくとも1つを更新すること、を特徴とするICカード(10)である。
第5の発明は、第2の発明から第4の発明までのいずれかのICカード(10)において、更新要求には、データの変更要求、データの追加要求、データの削除要求のうち少なくとも1つが含まれること、を特徴とするICカード(10)である。
第6の発明は、プログラム(A,B)及び前記プログラム(A,B)の動作に必要な初期データ(A0〜A3,B0〜B4)を含むアプリケーション(PA,PB)を記憶しており、書き換え不可能な不揮発性メモリ(11)と、書き換え可能な不揮発性メモリ(12)と、前記各不揮発性メモリ(11,12)にアクセス可能な制御部(14)とを備え、前記初期データは、親ファイルと子ファイルとにより構成されており、前記親ファイルは、前記アプリケーションを活性化した旨の活性化情報を含む、ICカード(10)に、前記アプリケーション(PA)の選択要求を受信した場合に、前記親ファイルを、前記書き換え可能な不揮発性メモリ(12)に書き込む手順、を実行させるためのICカード用プログラムである。
第7の発明は、プログラム(A,B)及び前記プログラム(A,B)の動作に必要な初期データ(A0〜A3,B0〜B4)を含むアプリケーション(PA,PB)を記憶しており、書き換え不可能な不揮発性メモリ(11)と、書き換え可能な不揮発性メモリ(12)と、前記各不揮発性メモリ(11,12)にアクセス可能な制御部(14)とを備え、前記初期データは、親ファイルと子ファイルとにより構成されており、前記親ファイルは、前記アプリケーションを活性化した旨の活性化情報を含む、ICカード(10)を発行するICカードの発行方法であって、外部装置が、前記ICカード(10)に前記アプリケーション(PA)の選択要求を送信する工程と、前記アプリケーション(PA)の選択要求を受信したICカード(10)の制御部(14)が、前記親ファイルを、前記書き換え可能な不揮発性メモリ(12)に書き込む工程と、前記ICカード(10)が、前記外部装置に前記アプリケーション(PA)の選択が完了した旨の応答を送信する工程と、を備えるICカードの発行方法である。
(1)アプリケーションの選択要求を受信した場合に、アプリケーションを活性化した旨の活性化情報を、書き換え可能な不揮発性メモリに書き込むので、活性化情報を書き込んだ後は、書き換え不可能な不揮発性メモリに記憶されているアプリケーションが使用できるようになり、書き換え可能な不揮発性メモリにアプリケーションを書き込む必要は無く、発行処理を簡素化することができる。これにより、高速に発行処理を行うことができる。
(2)初期データは、親ファイル及び子ファイルにより構成されているので、初期データを階層的に管理することができ、ファイル構成に対応した発行処理を行うことができる。
(4)書き換え不可能な不揮発性メモリに初期データを記憶させておき、必要に応じて、書き換え不可能な不揮発性メモリから書き換え可能な不揮発性メモリに初期データをコピーし、コピーした初期データを更新するので、初期データを書き込む工程を省略することができ、より高速に発行処理を行うことができる。
(6)制御部は、複数の初期データのうち、少なくとも1つを更新するので、効率よく更新処理を行うことができる。
(7)更新要求には、データの変更要求、データの追加要求、データの削除要求のうち少なくとも1つが含まれるので、柔軟な設定が可能である。
(第1実施形態)
図1は、本発明によるICカードの第1実施形態を示す図であって、図1(A)は、発行処理前のICカードの状態を示す図であり、図1(B)は、発行処理後のICカードの状態を示す図である。
第1実施形態のICカード10は、ROM11と、EEPROM12と、RAM13と、CPU14などとを備える。
親ファイルA0と、子ファイルA1〜A3とは、プログラムAの動作に必要な初期データであり、親ファイルB0と、子ファイルB1〜B4とは、プログラムBの動作に必要な初期データである。
初期データとは、「変更される可能性のある情報」であって、初期値を格納しているデータである。
また、CPU14は、アプリケーションの選択要求を受信した場合に、アプリケーションを活性化した旨の活性化情報を、EEPROM12に書き込む。活性化情報は、フラグのON/OFFによる情報である。図1(B)は、アプリケーションPAの選択要求を受信した場合の状態を図示しており、アプリケーションPAの活性化情報XがEEPROM12に書き込まれている。この情報により、CPU14は、プログラムAと、親ファイルA0と、子ファイルA1〜A3とが活性化されていると判断することができる。
さらにまた、CPU14は、親・子ファイルを更新した場合に、リンク情報を更新する。
なお、ICカード10の各機能は、ROM11に記憶されている制御用プログラム(ICカード用プログラム)をCPU14が実行することによって実現される。
例えば、プログラムAを使用するためには、図2(A)のようなファイル構成を持たなくてはならないとする。同様に、プログラムBを使用するためには、図2(B)のようなファイル構成を持たなくてはならないとする。このように、それぞれのプログラムを有効にするために必要なファイル構成が定まっている場合に、そのファイル構成情報の全て又は一部分を予めROM11に記録しておく。
本実施形態では、図1に示すように、全てのファイル構成情報をROM11に記録している。
図3(A)に示すように、ICカードの発行方法は、一般的には、製造メーカでプログラムや固定情報をICチップに書き込むICチップ書き込み工程#101と、ICカード発行会社でEEPROM12に初期化情報を書き込むイニシャライズ工程#102と、ICカード発行会社で個別情報をEEPROM12に書き込むパーソナライズ工程#103とを備える。
本実施形態では、図3(B)に示すように、ICチップ書き込み工程#201において、ROM11に全てのファイル構成情報を書き込んで量産しており、イニシャライズ工程#202にて活性化情報を書き込むだけで済むので、発行処理中に存在するイニシャライズ工程#202の大半の工程(初期化情報の書き込み処理など)を省略することができる。その後、パーソナライズ工程#203において必要なデータのみを更新する。
発行処理においては、まず、外部装置が、ICカード10にアプリケーションPAの選択コマンド(選択要求)を送信する。ICカード10は、外部装置からアプリケーションPAの選択コマンドを受信する。実際には、アプリケーションPAがEEPROM12に存在していないにも関わらず、ICカード10は、アプリケーションPAの選択が完了した旨の応答を送信する。
それ以上、アプリケーションを活性化する必要がなくなった場合には、発行処理が完了した旨を示す発行処理完了情報Y(図1(B)参照)を外部装置から明示的に、又は、ICカード10の内部で暗黙的に記録する。この情報が記録されている場合には、アプリケーションの選択コマンドを受信しても、活性化されているアプリケーションが存在する場合に限り、アプリケーションの選択が完了した旨の応答を送信する。
図5のステップ101(以下、「ステップ」を「S」という。)において、ICカード10は、コマンド受信待ちの状態である。
ICカード10が、外部装置からコマンドを受信すると、ICカード10のCPU14は、そのコマンドがアプリケーションを選択するコマンド(アプリケーションの選択要求)であるか否かを判断する(S102)。
受信したコマンドがアプリケーションを選択するコマンドでなければ(S102;NO)、通常通りにそのコマンド(例えば、データの読み出しコマンド)を実行し(S103)、コマンド受信待ちの状態に戻る(S101)。
受信したコマンドがアプリケーションを選択するコマンドであれば(S102;YES)、S104に進む。
EEPROM12に該当するアプリケーションが存在すれば(S104;NO)、アプリケーションの選択に成功した旨の応答を外部装置に送信し(S105)、コマンド受信待ちの状態に戻る(S101)。
EEPROM12に該当するアプリケーションが存在しなければ(S104;YES)、S106に進む。
アプリケーションの活性化情報が記憶されていれば(S106;NO)、ROM11から該当するアプリケーションを検索し、アプリケーションの選択に成功した旨の応答を外部装置に送信し(S107)、コマンド受信待ちの状態に戻る(S101)。
アプリケーションの活性化情報が記憶されていなければ(S106;YES)、S108に進む。
発行処理完了情報が記憶されていれば(S108;NO)、アプリケーションの選択に失敗した旨の応答を外部装置に送信し(S109)、コマンド受信待ちの状態に戻る(S101)。
発行処理完了情報が記憶されていなければ(S108;YES)、S110に進む。
S111では、ICカード10のCPU14は、アプリケーションの選択に成功した旨の応答を外部装置に送信し、コマンド受信待ちの状態に戻る(S101)。
(1)アプリケーションPAの選択要求を受信した場合に、アプリケーションPAを活性化した旨の活性化情報Xを、EEPROM12に書き込むので、活性化情報Xを書き込んだ後は、ROM11に記憶されているアプリケーションPAが使用できるようになり、EEPROM12にアプリケーションPAを書き込む必要は無く、発行処理を簡素化することができる。これにより、高速に発行処理を行うことができる。
(2)初期データは、親ファイルA0,B0及び子ファイルA1〜A3,B1〜B4により構成されているので、初期データを階層的に管理することができ、ファイル構成に対応した発行処理を行うことができる。
(3)ROM11に親・子ファイルを記憶させておき、必要に応じて、ROM11からEEPROM12に親・子ファイルをコピーし、コピーした親・子ファイルを更新するので、親・子ファイルを書き込む工程を省略することができ、より高速に発行処理を行うことができる。
(5)CPU14は、複数の初期データのうち、少なくとも1つを更新するので、効率よく更新処理を行うことができる。
(6)更新要求には、データの変更要求、データの追加要求、データの削除要求のうち少なくとも1つが含まれるので、柔軟な設定が可能である。
図6は、本発明によるICカードの第2実施形態を示す図であり、図7は、ファイルの格納状態を示す図である。
なお、前述した第1実施形態と同様な機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明や図面を適宜省略する。
第2実施形態のICカード10−2は、第1実施形態で存在していた活性化情報Xの代わりに、親ファイルA0をEEPROM12に書き込むものである。
この場合、全てのファイルは、親ファイルと子ファイルとの関係情報によってリンクされているため、記録位置が異なっていても、正しいファイル構成を表現することができる。
まず、発行処理完了情報が記録されていない状態のICカード10−2が、「アプリケーションPAを選択するコマンド」を受信する。
初期状態では、EEPROM12に活性化情報が記録されていないため、ROM11に記録しておいた親ファイルA0をEEPROM12へコピーする。親ファイルA0には、「アプリケーションが活性化されているか」を表現する「活性化情報」が含まれており、これをROM11からEEPROM12へコピーすることにより、「非活性状態」から「活性状態」へと状態を変更することができる。
各ファイルには、ファイルの親子関係を示す情報が含まれているため、親ファイルが活性化された時点で、全てのファイル構成が形成され、活性化された状態になる。
そして、必要に応じてパーソナライズ処理を行い、これらのファイルへ、アプリケーションが必要とするデータを記録する。
全てのICカードに対して個別の情報が記録されるファイル(子ファイルA2)は、情報を書き込む際にROM11からEEPROM12へコピーされ、必要に応じて個人情報などが書き込まれて更新される。
新たにファイルを生成したい場合には、直接EEPROM12へファイルを生成し(子ファイルA3)、鍵情報などを書き込んで更新する。この際、リンク情報も更新する。
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の範囲内である。
(1)ICカードは、SIM(Subscriber Identity Module)やUIM(User Identity Module)であってもよい。
(2)書き換え可能な不揮発性メモリは、EEPROMの例で説明したが、フラッシュメモリやFeRAM(FRAM:ラムトロン・インターナショナル・コーポレーションの登録商標)などであってもよい。
なお、上述した実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本発明は、以上説明した実施形態や変形形態によって限定されることはない。
11 ROM(書き換え不可能な不揮発性メモリ)
12 EEPROM(書き換え可能な不揮発性メモリ)
13 RAM
14 CPU(制御部)
A,B プログラム
A0,B0 親ファイル
A1〜A3,B1〜B4 子ファイル
PA,PB アプリケーション
X 活性化情報
Y 発行処理完了情報
Claims (7)
- 書き換え不可能な不揮発性メモリと、
書き換え可能な不揮発性メモリと、
前記各不揮発性メモリにアクセス可能な制御部とを備えるICカードであって、
前記書き換え不可能な不揮発性メモリは、プログラム及び前記プログラムの動作に必要な初期データを含むアプリケーションを記憶しており、
前記初期データは、親ファイルと子ファイルとにより構成されており、
前記親ファイルは、前記アプリケーションを活性化した旨の活性化情報を含み、
前記制御部は、前記アプリケーションの選択要求を受信した場合に、前記親ファイルを、前記書き換え可能な不揮発性メモリに書き込むこと、
を特徴とするICカード。 - 請求項1に記載のICカードにおいて、
前記制御部は、前記初期データの更新要求を受信した場合に、前記書き換え不可能な不揮発性メモリから前記書き換え可能な不揮発性メモリに前記初期データをコピーし、コピーした前記初期データを更新すること、
を特徴とするICカード。 - 請求項1又は請求項2に記載のICカードにおいて、
前記書き換え可能な不揮発性メモリは、前記初期データ又は更新後の前記初期データがどのメモリのどの位置に存在しているかを示すリンク情報を記憶しており、
前記制御部は、前記初期データを更新した場合に、前記リンク情報を更新すること、
を特徴とするICカード。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載のICカードにおいて、
前記初期データは、複数あり、
前記制御部は、複数の前記初期データのうち、少なくとも1つを更新すること、
を特徴とするICカード。 - 請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載のICカードにおいて、
更新要求には、データの変更要求、データの追加要求、データの削除要求のうち少なくとも1つが含まれること、
を特徴とするICカード。 - プログラム及び前記プログラムの動作に必要な初期データを含むアプリケーションを記憶しており、書き換え不可能な不揮発性メモリと、
書き換え可能な不揮発性メモリと、
前記各不揮発性メモリにアクセス可能な制御部とを備え、
前記初期データは、親ファイルと子ファイルとにより構成されており、
前記親ファイルは、前記アプリケーションを活性化した旨の活性化情報を含む、ICカードに、
前記アプリケーションの選択要求を受信した場合に、前記親ファイルを、前記書き換え可能な不揮発性メモリに書き込む手順、
を実行させるためのICカード用プログラム。 - プログラム及び前記プログラムの動作に必要な初期データを含むアプリケーションを記憶しており、書き換え不可能な不揮発性メモリと、
書き換え可能な不揮発性メモリと、
前記各不揮発性メモリにアクセス可能な制御部とを備え、
前記初期データは、親ファイルと子ファイルとにより構成されており、
前記親ファイルは、前記アプリケーションを活性化した旨の活性化情報を含む、ICカードを発行するICカードの発行方法であって、
外部装置が、前記ICカードに前記アプリケーションの選択要求を送信する工程と、
前記アプリケーションの選択要求を受信したICカードの制御部が、前記親ファイルを、前記書き換え可能な不揮発性メモリに書き込む工程と、
前記ICカードが、前記外部装置に前記アプリケーションの選択が完了した旨の応答を送信する工程と、
を備えるICカードの発行方法。
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