JP5511628B2 - フレームレート変換装置及びプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、動画像のフレームレートを変換する装置及びプログラムに関し、特に、フレームを時間方向に内挿補間する技術に関する。
従来、動画像のフレームレートを変換する技術として、様々な手法が提案されている。例えば、同一フレームを複数回繰り返して用いることにより、元の動画像を高フレームレートの動画像に変換する手法がある。また、所定の間隔でフレームを間引くことにより、低フレームレートの動画像に変換する手法もある。
また、入力画像に対し、時間または時空間の線形フィルタ処理を行うことにより内挿フレームを生成し、高フレームレートの動画像に変換する手法が提案されている(特許文献1を参照)。具体的には、この手法は、生成する内挿フレームと、この内挿フレームを基準にした前後の時点に存在する2つの入力画像のフレームとの間の時間距離に応じて、2つの入力画像のフレームにおける画素値を按分することにより、内挿フレームを生成するものである。
また、動画像中の被写体の動きに着目し、この動き情報を用いることで画質の向上を実現する手法が提案されている(特許文献2を参照)。具体的には、この手法は、動画像中の被写体の動きをフレーム間で追跡し、動き情報を用いたブロックマッチングによって内挿フレームを生成するものである。
さらに、動画像のフレームレートを変換する際の計算リソースを低減する手法も提案されている(特許文献3を参照)。具体的には、この手法は、動画像フレームの符号化データを差分符号化データに復号し、差分符号化データの動きベクトルに基づいて、差分符号化データのフレーム間に挿入される補間データを生成し、この補間データに基づいて差分符号化データのフレームレートを変換し、変換後の差分符号化データを復号することにより動画像を復元するものである。
特開2009−100433号公報 特開昭61−26382号公報 特開2009−21963号公報
しかしながら、同一フレームを複数回繰り返して用いる手法、及び所定の間隔でフレームを間引く手法では、動画像において一定速度で動いている被写体が不均一になったり、時間折り返し歪みの影響が生じたりする。このため、これらの手法では、被写体の動きがぎこちなくなるという問題があった。
また、特許文献1による、時間または時空間方向のフレームに対して線形フィルタ処理を行う手法では、生成した内挿フレームにおける動領域の空間解像度が低下する。このため、この手法では、不鮮明感が生じてしまうという問題があった。また、入力画像のフレームと内挿フレームとを混在して出力する場合、または入力画像のフレームに対して内挿フレームの時間位相が変化する場合には、時間的な画質変動が生じる。このため、この手法では、入力画像のフレーム及び内挿フレームによる動画像が、フリッカとして知覚されてしまうという問題があった。
また、特許文献2,3による、動き情報を用いたブロックマッチング手法では、よりスムーズでフリッカの少ない動画像を出力することができる。しかしながら、被写体の動きの追跡を失敗した場合には、動静の境界において画像劣化を生じる。このような画像劣化は、物体輪郭、激しい動きまたは照明変動時に顕著に表れ、歪みが時間的または空間的に偏在して生じるため、不自然な映像になってしまうという問題があった。
そこで、本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、動きぶれの少ない滑らかに変化する動画像を得ることができ、時間方向の高画質化を実現可能なフレームレート変換装置及びプログラムを提供することにある。
前記目的を達成するために、請求項1の発明は、動画像のフレームレートを変換するフレームレート変換装置において、複数時点のフレームにより構成される動画像が格納された動画像記憶手段と、前記動画像記憶手段に格納された動画像における所定の時間範囲に含まれるフレームから、予め指定された画素位置の画素値を、指定画素時系列データとして読み出す画素時系列読出手段と、前記動画像記憶手段に格納された動画像における所定の時間範囲に含まれるフレームから、前記指定された画素位置を基準にした所定範囲内の周辺位置に存在する画素値を、周辺画素時系列データとして読み出す周辺画素時系列読出手段と、前記画素時系列読出手段により読み出された指定画素時系列データと、前記周辺画素時系列読出手段により読み出された周辺画素時系列データとが最も類似する時間位置を求め、前記時間位置を時間移動量として出力する時間位置合わせ手段と、前記画素時系列読出手段により読み出された指定画素時系列データ、または前記周辺画素時系列読出手段により読み出された周辺画素時系列データのうちのいずれか一方を、前記時間位置合わせ手段により出力された時間移動量だけ移動させ、前記移動させた後の時系列データ及び前記移動させていない時系列データに基づいて、所望時間における画素値を内挿値として求める内挿手段と、を備えることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、指定画素の画素値の時間変化に加えて周辺画素の画素値の時間変化を利用するようにしたから、動きぶれの少ない滑らかに変化する動画像を得ることが可能なフレームレート変換を実現することができる。また、従来のブロックマッチングが2次元的探索による位置合わせであったのに対し、時系列データ同士の1次元的な探索による位置合わせで済むため、処理が簡素化し、演算の高速化が可能になる。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載のフレームレート変換装置において、前記時間位置合わせ手段が、前記画素時系列読出手段により読み出された指定画素時系列データを時間方向に内挿補間し、時間方向に連続した画素値を有する指定画素の連続関数を生成し、前記周辺画素時系列読出手段により読み出された周辺画素時系列データを時間方向に内挿補間し、時間方向に連続した画素値を有する周辺画素の連続関数を生成し、前記指定画素の連続関数または前記周辺画素の連続関数のうちのいずれか一方を時間方向にずらしたときに、前記指定画素の連続関数及び前記周辺画素の連続関数が最も類似する時間ずれ量を求め、前記時間ずれ量を時間移動量として出力することを特徴とする。
請求項2の発明によれば、時間的に連続した画素値を有する連続関数同士で時間位置合わせを行うから、元の離散的な画素時系列データ同士での時間位置合わせよりも確度の高い時間移動量を得ることが可能となる。
また、請求項3の発明は、請求項1に記載のフレームレート変換装置において、前記時間位置合わせ手段が、前記画素時系列読出手段により読み出された指定画素時系列データ、または前記周辺画素時系列読出手段により読み出された周辺画素時系列データのうちのいずれか一方を時間方向に内挿補間し、時間方向に連続した画素値を有する連続関数を生成し、前記生成された連続関数、または前記連続関数が生成されていない時系列データのうちのいずれか一方を時間方向にずらしたときに、前記連続関数及び前記時系列データが最も類似する時間ずれ量を求め、前記時間ずれ量を時間移動量として出力することを特徴とする。
請求項3の発明によれば、時間的に連続した画素値を有する連続関数と、離散的な画素時系列データとの間で時間位置合わせを行うから、元の離散的な画素時系列データ同士での時間位置合わせよりも確度の高い時間移動量を得ることが可能となる。
また、請求項4の発明は、請求項1に記載のフレームレート変換装置において、前記時間位置合わせ手段が、前記画素時系列読出手段により読み出された指定画素時系列データ、または前記周辺画素時系列読出手段により読み出された周辺画素時系列データのうちのいずれか一方を、前記フレームの時間間隔の自然数倍毎にずらしたときに、前記指定画素時系列データと前記周辺画素時系列データとの間の、前記フレームの時間間隔の自然数倍毎の離散的な誤差を示す評価値が最小となる時間を求め、前記時間を含む所定時間範囲において、時間的に連続した値を有する所定の複数の連続関数と、前記離散的な評価値と間の誤差をそれぞれ求め、前記誤差が最小となる連続関数を特定し、前記特定した連続関数の極値を求め、前記極値の時間を時間移動量として出力することを特徴とする。
請求項4の発明によれば、離散的な時系列データ同士にて評価値を求めるから、高速処理が可能となる。また、評価値が最小となる時間を含む時間範囲において、離散的な評価値が内挿補間されて連続化するから、確度の高い時間移動量を得ることが可能となる。
また、請求項5の発明は、請求項4に記載のフレームレート変換装置において、前記時間位置合わせ手段が、パラボラフィッティングまたは最小自乗フィッティングにより、前記誤差が最小となる連続関数を特定することを特徴とする。
請求項5の発明によれば、評価値が最小となる時間を含む時間範囲において、パラボラフィッティングまたは最小自乗フィッティングにて、離散的な評価値が内挿補間されて連続化される。これにより、確度の高い時間移動量を得ることが可能となる。
また、請求項6の発明は、コンピュータを、請求項1から5までのいずれか一項に記載のフレームレート変換装置として機能させるためのフレームレート変換プログラムにある。
以上のように、本発明によれば、動きぶれの少ない滑らかに変化する動画像を得ることができる。したがって、時間方向の高画質な動画像を得ることが可能なフレームレート変換を実現することができる。
本発明の実施形態によるフレームレート変換装置の全体構成を示すブロック図である。 時空間ボリュームの概念を説明する図である。 時空間ボリュームから特定の画素位置の画素時系列を抽出する操作を説明する図である。 時間位置合わせ手段の処理を説明する図である。 時間位置合わせ手段による第1の処理を示すフローチャートである。 時間位置合わせ手段による第2の処理を示すフローチャートである。 内挿手段による第1の処理を示すフローチャートである。 内挿手段による第2の処理を示すフローチャートである。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態によるフレームレート変換装置の全体構成を示すブロック図である。このフレームレート変換装置100は、入力動画像記憶手段1、計数手段2、画素時系列読出手段3、周辺画素時系列読出手段4、時間位置合わせ手段5、内挿手段6、画素時系列書込手段7及び出力動画像記憶手段8を備えている。
入力動画像記憶手段1には、動画像が記憶されている。この動画像をGとし、その画素位置を(x,y)、時刻tにおける画素値をG(t;x,y)とする。ここでは、水平画素位置x及び垂直画素位置yは、ともに0以上の整数によって表すこととする。画像の大きさは、水平方向にX画素、垂直方向にY画素とする。よって、画像座標(x,y)は、x∈{0,1,・・・,X−1}及びy∈{0,1,・・・,Y−1}となる。動画像のうちの処理対象(後述する補間対象または照合対象)となる時刻tは、t∈{t,t,・・・,tK−1}(Kは2以上の整数)の合計K時点とし、t<t<・・・<tK−1の順に整順されているものとする。時刻数列(t,t,・・・,tK−1)を入力動画像時間標本点列(tk∈{0,1,・・,K-1}という。入力動画像記憶手段1に記憶されている動画像は、3次元的な時空間ボリュームとしてランダムアクセスが可能である。
図2は、時空間ボリュームの概念を説明する図であり、入力動画像記憶手段1に記憶されている動画像を示している。この動画像の時空間ボリューム10は、各画素位置及び各時刻の配列状に並べられた画素値からなる。図2に示した時空間ボリューム10には、複数の物体12,13,14等が含まれており、時間軸tに対し、物体12は静止しており、物体13は左へ移動し、物体14は右へ移動していることがわかる。
図2の右中央に示すフレーム11は、t=tの時点において、時空間ボリューム10をxy平面に平行な平面で切った断面図であり、図2の右上に示すフレーム15は、t=tの時点において、時空間ボリューム10をxy平面に平行な平面で切った断面図である。フレーム11には、y=yの画素位置において、物体12−1,13−1,14−1が存在し、フレーム15には、y=yの画素位置において、物体12−2,13−2,14−2が存在する。また、xt平面に平行な平面やyt平面に平行な平面で切ると、移動物体が傾きをもったテクスチャとして現れる。図2の右下に示すテクスチャ16は、y=yの画素位置において、xt平面に平行な平面で切ったときの図であり、x軸上における物体12−3,13−3,14−3の移動傾向が現れている。t=tの時点において、物体12−3,13−3,14−3が図2に示すx軸上の位置に存在していることがわかる。そして、t=tの時点から時間が経過したt=tの時点において、x軸上において、物体12−3の位置は変わらず、物体13−3は左へ移動した位置に存在し、物体14−3は右へ移動した位置に存在していることがわかる。
尚、入力動画像記憶手段1は、メモリ、ハードディスク等のハードウェアであり、時間t及び空間(x,y)のいずれに関してもランダムアクセスが可能であるものとする。
図1に戻って、計数手段2は、時点tにおける動画像Gの空間(x,y)の画素位置(t;x,y)を走査するための座標値を生成するカウンタである。走査の順序及びパターンは任意である。例えば、走査は、時点tにおいて、水平方向に走査線をとり、左から右へと画素を走査し、走査線を上から下へと走査するよう画素位置(t;x,y)を順次生成するようにしてもよい。計数手段2は、生成した画素位置(t;x,y)を画素時系列読出手段3、周辺画素時系列読出手段4及び画素時系列書込手段7に出力する。
図3は、図2に示した時空間ボリューム10から特定の画素位置の画素時系列を抽出する操作を説明する図である。t=tの時点におけるフレーム23及びt=tの時点におけるフレーム24には、指定画素位置21−1,21−2及び周辺画素位置22−1,22−2の画像がそれぞれ存在する。図3の右下に示す画素時系列波形26は、図3の左下に示すテクスチャ20のうちの、照合対象時刻範囲[t,t]における指定画素位置21の画素値波形であり、後述する画素時系列読出手段3により読み出される指定画素の時系列G(t;x,y)である。また、図3の右下に示す画素時系列波形25は、図3の左下に示すテクスチャ20のうちの、探索対象時刻範囲[t+t,t+t]における周辺画素位置22の画素値波形であり、後述する周辺画素時系列読出手段4により読み出される周辺画素の時系列G(t;ξ,η)である。
後述する時間位置合わせ手段5は、探索対象時刻範囲[t+t,t+t]における周辺画素位置22の画素時系列波形25(図3の右下の黒丸)の中から、照合対象時刻範囲[t,t]における指定画素位置21の画素時系列波形26(図3の右下の白丸)に類似する時刻範囲を探索する。照合対象時刻範囲内の時間標本点の集合をUとし、探索対象時刻範囲内の時間標本点の集合をSとする。尚、t及びtは過去方向及び未来方向への時間探索範囲であり、好ましくはt<0及びt>0なる値が設定される。
図1に戻って、画素時系列読出手段3は、計数手段2から画素位置(t;x,y)を入力し、入力動画像記憶手段1から、画素位置(t;x,y)における動画像Gの画素時系列(G(t;x,y))t∈Uを読み出す。画素時系列読出手段3は、指定画素の時系列G(t;x,y)を時間位置合わせ手段5及び内挿手段6に出力する。
周辺画素時系列読出手段4は、計数手段2から画素位置(t;x,y)を入力し、入力動画像記憶手段1から、画素位置(t;x,y)(指定画素位置(x,y))を基準にして、周辺画素位置(ξ,η)における動画像Gの画素時系列(G(t;ξ,η))t∈Sを読み出す。
指定画素位置(x,y)の周辺画素とは、指定画素位置(x,y)以外の位置にある画像内の画素である。典型的には、指定画素位置(x,y)からの距離が所定の閾値以下となる近傍に存在する画素であり、例えば、指定画素位置(x,y)に隣接する画素である。周辺画素は、一つの画素であってもよいし、複数の画素であってもよい。例えば、指定画素位置(x,y)に隣接する複数の画素、及びその複数の画素位置から順次選択された画素を周辺画素としてもよい。
例えば、周辺画素時系列読出手段4は、指定画素位置(x,y)の空間4近傍位置(x−1,y)、(x+1,y)、(x,y−1)及び(x,y+1)の4画素から、順次1画素位置を周辺画素位置(ξ,η)に設定し、入力動画像記憶手段1から、動画像Gの画素時系列(G(t;ξ,η))t∈Sを読み出すようにしてもよい。周辺画素時系列読出手段4は、周辺画素の時系列G(t;ξ,η)を時間位置合わせ手段5及び内挿手段6に出力する。
〔時間位置合わせ手段〕
時間位置合わせ手段5は、画素時系列読出手段3から指定画素の時系列G(t;x,y)を入力すると共に、周辺画素時系列読出手段4から周辺画素の時系列G(t;ξ,η)を入力し、指定画素の画素時系列(G(t;x,y))t∈Uと周辺画素の画素時系列(G(t;ξ,η))t∈Sとの間で、時間方向の時間位置合わせを行う。時間位置合わせとは、両画素時系列の波形が最も重なるように、いずれかの画素時系列を時間方向に平行移動させ、その時間移動量Δtを求める操作である。
図4は、時間位置合わせ手段5の処理を説明する図である。図4に示すように、時間位置合わせ手段5は、指定画素の画素時系列(G(t;x,y))t∈Uである画素時系列波形26を基準にして、周辺画素の画素時系列(G(t;ξ,η))t∈Sである画素時系列波形25を時間方向にずらし、両波形が最も重なるときの平行移動量Δtを求める(図4における時間位置合わせ後の画素時系列波形27を参照)。以下の説明では、時間位置合わせ手段5は、周辺画素の画素時系列(G(t;ξ,η))t∈Sを時間方向に平行移動させる。
両画素時系列(G(t;x,y))t∈U,(G(t;ξ,η))t∈Sは、時間に関して離散的である。以下、画素時系列の時間間隔が、不等間隔及び等間隔のいずれにも適用可能な位置合わせ法と、等間隔の場合に適用可能な位置合わせ法について説明する。画素時系列の時間間隔が不等間隔であるとは、図2に示した動画像の時空間ボリューム10を構成するフレームの時間間隔が同じでないことをいう。また、画素時系列の時間間隔が等間隔であるとは、フレームの時間間隔が同じであることをいう。
(時空間ボリューム10のフレームが不等時間間隔及び等時間間隔のいずれの場合にも適用可能な位置合わせ法)
図5は、時間位置合わせ手段5による第1の処理(不等時間間隔及び等時間間隔のいずれの場合にも適用可能な位置合わせ法)を示すフローチャートである。時間位置合わせ手段5は、画素時系列読出手段3から指定画素の時系列G(t;x,y)を入力すると共に、周辺画素時系列読出手段4から周辺画素の時系列G(t;ξ,η)を入力する(ステップS501)。そして、時間位置合わせ手段5は、指定画素の画素時系列(G(t;x,y))t∈U及び周辺画素の画素時系列(G(t;ξ,η))t∈Sに対し、時間方向に内挿補間する。指定画素の画素時系列(G(t;x,y))t∈Uの内挿結果を、時刻tに関する連続関数g(t;x,y)とする。同様に、周辺画素の画素時系列(G(t;ξ,η))t∈Sの内挿結果を、時刻tに関する連続関数g(t;ξ,η)とする(ステップS502)。内挿には、例えば、一次内挿または三次内挿を用いることができる。
時間位置合わせ手段5は、一次内挿による場合、以下の式により補間を行い、連続関数g(t;x,y)を生成する。
Figure 0005511628
尚、連続関数g(t;ξ,η)は、前記式(1)において、x及びyをξ及びηにそれぞれ置き換えたものである。また、kは整数である。
特に、時系列G(t;x,y)が、整数の時点tにおいて単位時間間隔で時間標本化されている場合には、前記式(1)は以下の式となる。
Figure 0005511628
ここで、
Figure 0005511628
は床関数を示す。
時間位置合わせ手段5は、指定画素の連続関数g(t;x,y)と周辺画素の連続関数g(t;ξ,η)との間で、時間方向の時間位置合わせを行う。例えば、時間位置合わせ手段5は、指定画素の連続関数g(t;x,y)と、周辺画素の連続関数g(t;ξ,η)を時間方向にδtずらした連続関数g(t+δt;ξ,η)とを比較し(ステップS503)、これらの間の類似度を算出し、その類似度が最大化する時間ずれ量δtを求める(ステップS504)。そして、時間位置合わせ手段5は、時間ずれ量δtを時間移動量Δtとして出力する(ステップS505)。
例えば、類似性の評価尺度に絶対値誤差を用いる場合には、時間位置合わせ手段5は、以下の評価値mを最小化する時間ずれ量δtを求め、これを時間移動量Δtとする。
Figure 0005511628
Figure 0005511628
また、例えば、類似性の評価尺度に正規化相関を用いる場合には、時間位置合わせ手段5は、前記式(3)(4)の代わりに、以下の式を用いて、時間移動量Δtを求める。
Figure 0005511628
Figure 0005511628
尚、式(3)〜(6)の計算は、時刻に関して離散化しても構わない。この場合、式(3)(5)の積分演算は、総和演算に置き換えられる。
また、時間位置合わせ手段5は、指定画素の連続関数g(t;x,y)及び周辺画素の連続関数g(t+δt;ξ,η)の対のうち、指定画素の連続関数g(t;x,y)の代わりに、時間に関して離散的な時系列G(t;x,y)を用いるようにしてもよい。
さらに、時間位置合わせ手段5は、指定画素の連続関数g(t;x,y)及び周辺画素の連続関数g(t+δt;ξ,η)の対のうち、周辺画素の連続関数g(t+δt;ξ,η)の代わりに、時間に関して離散的な時系列G(t+δt;ξ,η)を用いるようにしてもよい。
このように、時間位置合わせ手段5における第1の処理によれば、指定画素の画素時系列(G(t;x,y))t∈Uを時間方向に内挿補間することにより連続関数g(t;x,y)を生成し、同様に、周辺画素の画素時系列(G(t;ξ,η))t∈Sを時間方向に内挿補間することにより連続関数g(t;ξ,η)を生成し、指定画素の連続関数g(t;x,y)と周辺画素の連続関数g(t;ξ,η)を時間方向にδtずらした連続関数g(t+δt;ξ,η)とを比較し、これらの間の類似度が最大化する時間ずれ量δtを求め、この時間ずれ量δtを時間移動量Δtとして出力するようにした。これにより、画素時系列G(t;x,y))t∈U,(G(t;ξ,η))t∈Sの時間間隔が不等時間間隔及び等時間間隔のいずれの場合であっても、その時間間隔(フレームの時間間隔)よりも短い時間間隔において(連続した時間において)、時間移動量Δtを求めることができる。つまり、元の離散的な画素時系列G(t;x,y))t∈U,(G(t;ξ,η))t∈Sの時間間隔よりも、細かい確度の時間移動量Δtを求めることができる。また、従来の動き情報を用いたブロックマッチング法では、2次元的な探索により空間位置合わせを行っていたのに対し、時間位置合わせ手段5における第1の処理では、1次元的な探索により時間位置合わせを行うようにしたから、処理が簡素化され、演算の高速化を実現することができる。
(時空間ボリューム10のフレームが等時間間隔の場合に適用可能な位置合わせ法)
図6は、時間位置合わせ手段5による第2の処理(等時間間隔の場合に適用可能な位置合わせ法)を示すフローチャートである。時間位置合わせ手段5は、前記式(1)(2)のような画素時系列波形の内挿を行わずに、時間移動量Δtを求める。以下の説明において、時間軸の標本点は、単位時間間隔(1刻みの間隔)とする。
時間位置合わせ手段5は、画素時系列読出手段3から指定画素の時系列G(t;x,y)を入力すると共に、周辺画素時系列読出手段4から周辺画素の時系列G(t;ξ,η)を入力する(ステップS601)。そして、時間位置合わせ手段5は、指定画素の時系列G(t;x,y)と、周辺画素の時系列G(t;ξ,η)を時間方向にδtずらした関数G(t+δt;ξ,η)との間の類似性を、δt毎に定量化する。ここで、δtは、動画像の時空間ボリューム10を構成するフレームの時間間隔の自然数倍とする。
例えば、類似性の評価尺度に絶対値誤差を用いる場合には、時間位置合わせ手段5は、以下の評価値m(δt)をδt∈{t,tC+1,tC+2,・・・,tD−1,t}の範囲で求める(ステップS602)。そして、評価値m(δt)を最小化するδtを求め、これを時刻sとする(ステップS603)。
Figure 0005511628
Figure 0005511628
そして、時間位置合わせ手段5は、時刻sを含む(時刻s近傍の)時刻集合Rにおいて、評価値mの離散的なグラフに対し、連続的な曲線の当てはめを行う。例えば、曲線には放物線が用いられる(これをパラボラフィッティングという。)。パラボラフィッティングを用いる場合、時刻集合Rには、少なくとも3個以上の元を有するものとする。
時刻集合Rは、時刻sと、その前後の既定個数の時刻群とによって構成してもよい(例えば、R={s−1,s,s+1}、R={s−2,s−1,s,s+1,s+2}等)。
ここで、曲線を、tに関する関数f(t)とする。関数f(t)は、時間軸に対して連続した値を有する連続関数である。pは、曲線の形状を変えるパラメータである。尚、パラメータpは、スカラーであってもよいし、ベクトルであってもよい。例えば、パラボラフィッティングを用いる場合、関数f(t)は、以下の式となる。
Figure 0005511628
とおける。
そして、時間位置合わせ手段5は、時刻範囲Rにおいて、前記式(9)の連続関数f(t)と離散的な評価値m(t)とを比較し(ステップS604)、評価値m(t)と前記式(9)の連続関数f(t)との間の誤差が最小になるように、パラメータpを求める(ステップS605)。
例えば、最小自乗フィッティングを用いる場合、以下の式によりパラメータpを求める。
Figure 0005511628
特に、パラボラフィッティングを用いる場合には、以下の式によりパラメータpを求める。
Figure 0005511628
そして、時間位置合わせ手段5は、求めたパラメータpによる曲線y=f(t)を最小化(mの評価尺度として絶対値誤差、自乗誤差等、小さい値ほど評価が良い尺度を用いた場合)または最大化(mの評価尺度として正規化相関値等、大きい値ほど評価が良い尺度を用いた場合)する時間tを求め(ステップS606)、これを時間移動量Δtとして出力する(ステップS607)。すなわち、時間位置合わせ手段5は、求めたパラメータpによる曲線y=f(t)の極値を求め、極値におけるtを時間移動量Δtとして出力する。
例えば、時間位置合わせ手段5は、曲線y=f(t)を最小化するtを求める場合、以下の式により時間移動量Δtを求める。
Figure 0005511628
尚、時間位置合わせ手段5は、曲線y=f(t)を最大化するtを求める場合、前記式(12)の「arg min」を「arg max」に置き換えた式により、時間移動量Δtを求める。
特に、パラボラフィッティングを用いる場合には、時間位置合わせ手段5は、以下の式により時間移動量Δtを求める。
Figure 0005511628
となる。
さらに、R={s−1,s,s+1}に対するパラボラフィッティングを用いる場合には、時間位置合わせ手段5は、以下の式により時間移動量Δtを求める。
Figure 0005511628
このように、時間位置合わせ手段5における第2の処理によれば、指定画素の画素時系列(G(t;x,y))t∈Uと、周辺画素の画素時系列(G(t;ξ,η))t∈Sを時間方向にδt(フレームの時間間隔の自然数倍)ずらした画素時系列(G(t+δt;ξ,η))t∈Sとの間の誤差を示す評価値m(δt)を求め、評価値m(δt)が最小となる時間ずれ量δtを含む時間範囲において、離散的な評価値m(t)と連続的な関数f(t)との間の誤差が最小となるパラメータpを求め、その関数f(t)を最小化または最大化する時間tを求め、この時間tを時間移動量Δtとして出力するようにした。これにより、画素時系列G(t;x,y))t∈U,(G(t;ξ,η))t∈Sの時間間隔が等時間間隔の場合に、その時間間隔よりも短い時間間隔において(連続した時間において)、時間移動量Δtを求めることができる。つまり、元の離散的な画素時系列G(t;x,y))t∈U,(G(t;ξ,η))t∈Sの時間間隔よりも、細かい確度の時間移動量Δtを求めることができる。また、1次元的な探索により時間位置合わせを行うと共に、離散的な画素時系列G(t;x,y))t∈U,(G(t;ξ,η))t∈Sを用いて評価値m(δt)を求めるようにしたから、処理が簡素化され、演算の高速化を実現することができる。
〔内挿手段〕
図1に戻って、内挿手段6は、指定画素の画素時系列(G(t;x,y))t∈Uと、周辺画素の画素時系列(G(t;ξ,η))t∈Sと、時間移動量Δtとに基づいて、画素位置(x,y)の時刻tにおける画素値の内挿値F(t;x,y)を推定する。内挿値F(t;x,y)は、指定画素の画素時系列(G(t;x,y))t∈U、及び周辺画素の画素時系列(G(t;ξ,η))t∈Sを時刻移動量Δtずらした画素時系列(G(t+Δt;ξ,η))の両波形を共に近似するような滑らかな波形上の、時刻tにおける標本点として定義することができる。
(内挿補間により連続関数を生成し、内挿値を求める手法)
図7は、内挿手段6による第1の処理(内挿補間により連続関数を生成し、内挿値を求める手法)を示すフローチャートである。内挿手段6は、画素時系列読出手段3から指定画素の時系列G(t;x,y)を入力し、周辺画素時系列読出手段4から周辺画素の時系列G(t;ξ,η)を入力すると共に、時間位置合わせ手段5から時間移動量Δtを入力する(ステップS701)。そして、内挿手段6は、指定画素の画素時系列(G(t;x,y))t∈Uを時間方向に内挿補間し、時刻tに関する連続関数g(t;x,y)に変換する(ステップS702)。例えば、1次内挿による場合には、以下の式により連続関数g(t;x,y)を生成する。
Figure 0005511628
同様に、内挿手段6は、周辺画素の画素時系列(G(t;ξ,η))t∈Sを時間方向に内挿補間し、時刻tに関する連続関数g(t;ξ,η)に変換する(ステップS702)。例えば、1次内挿による場合には、以下の式により連続関数g(t;ξ,η)を生成する。
Figure 0005511628
そして、内挿手段6は、前記式(15)により生成された指定画素の連続関数g(t;x,y)の波形と、前記式(16)により生成された周辺画素の連続関数g(t;ξ,η)の波形を時間方向にΔtだけずらした連続関数g(t+Δt;ξ,η)の波形とを合成し(ステップS703)、内挿値F(t;x,y)を求めて画素時系列書込手段7に出力する(ステップS704)。
尚、以上の説明では、周辺画素の画素位置(ξ,η)は1か所で定式化を進めてきたが、周辺画素の画素位置は複数あっても構わない。以下、周辺画素の画素位置がM個(Mは自然数)あるものとし、そのm番目(mは0以上M未満の整数)の画素位置を(ξ,η)とする。また、このm番目の周辺画素の画素位置(ξ,η)における時間移動量ΔtをΔtとし、探索対象時刻範囲内の時間標本点の集合SをSとする。
内挿値F(t;x,y)を求めるための合成手法として、例えば、単純平均が用いられる。内挿手段6は、単純平均を示す以下の式により、内挿値F(t;x,y)を求める。
Figure 0005511628
また、内挿値F(t;x,y)を算出するための合成手法として、例えば、重み付き平均が用いられる。内挿手段6は、重み付き平均を示す以下の式により、内挿値F(t;x,y)を求める。
Figure 0005511628
ここで、w(t)は、時刻tにおける周辺画素位置(ξ,η)に対する重み係数である。尚、w−1(t)は、時刻tにおける指定画素位置(x,y)に対する重み係数である。
尚、重み係数w(t)は、指定画素位置(x,y)と周辺画素位置(ξ,η)との間の距離に応じて定めるようにしてもよい。例えば、重み係数w(t)は、距離dに関する関数α(d)を用いて、以下の式で表される(式(19)の例は、時刻tに関して不変である)。
Figure 0005511628
関数α(d)は、好ましくは距離dに対して減少関数とする。すなわち、関数α(d)は、距離dが短い場合は、重み係数w(t)が大きくなり、距離dが長い場合は、重み係数w(t)が小さくなるような関数とする。例えば、以下の式で表される。
Figure 0005511628
ここで、λは、距離dに対する関数値α(d)の減衰の速さを決めるための減衰係数であり、λが大きいほど減衰が緩やかになる。例えば、λ=1とする。
また、重み係数w(t)は、時刻列(t+Δtk∈Smまたは(tk∈Uと、時刻tとの間の時間距離に応じて定めるようにしてもよい。まず、時間距離e(t)を、例えば、以下のように定義する。
Figure 0005511628
このe(t)は、位置合わせをした時系列と注目時刻tとの間の最小時間距離である。
重み係数w(t)は、時間距離eに関する関数β(e)を用いて、以下の式で表される(式(22)の例は、空間位置に関して不変である)。
Figure 0005511628
関数β(e)は、好ましくは時間距離eに対して減少関数とする。すなわち、関数β(e)は、時間距離eが短い場合、重み係数w(t)が大きくなり、時間距離eが長い場合、重み係数w(t)が小さくなるような関数とする。例えば、以下の式により表される。
Figure 0005511628
ここで、μは、時間距離eに対する関数値β(e)の減衰の速さを決めるための減衰係数であり、μが大きいほど減衰が緩やかになる。例えば、μ=1とする。
さらに、重み係数w(t)は、空間距離d及び時間距離eの両距離に応じて定めるようにしてもよい。例えば、重み係数w(t)は、以下の式で表される。
Figure 0005511628
ここで、γ(α,β)は、α及びβの値を合成するための関数であり、好ましくはαに関して増加関数、βに関して増加関数とする。例えば、以下の式で表される。
Figure 0005511628
Figure 0005511628
また、重み係数w(t)は、式(12)において時間移動量Δtを求めたときの最小(または最大)評価値を考慮して、定めるようにしてもよい。例えば、以下の式のように、周辺画素の画素位置(ξ,η)の時間移動量Δtを求めたときの最小(または最大)評価値をrとする。このとき、最小評価値rが小さいほど重み係数w(t)が大きくなるように(最大評価値rが大きいほど重み係数w(t)が大きくなるように)、重み係数w(t)を定めればよい。
Figure 0005511628
(劣化モデルに基づく復元処理により内挿値を求める手法)
図8は、内挿手段6による第2の処理(劣化モデルに基づく復元処理により内挿値を求める手法)を示すフローチャートである。内挿手段6は、画素時系列読出手段3から指定画素の時系列G(t;x,y)を入力し、周辺画素時系列読出手段4から周辺画素の時系列G(t;ξ,η)を入力すると共に、時間位置合わせ手段5から時間移動量Δtを入力する(ステップS801)。
ここで、求めるべき内挿値Fから画素時系列Gへの観測モデル(時間標本化のモデル)D(Dは汎関数)を、以下のように定義する。
Figure 0005511628
観測モデルDとして、例えば、動きぼけをモデル化したものが用いられる。時刻tにおける画像(フレーム)を撮影したときのカメラのシャッター時間(または、撮像素子の蓄積時間)をτとおくと、動きぼけの観測モデルDは、以下の式で表される。
Figure 0005511628
内挿結果である内挿値F(t;x,y)の仮の結果をΦ(t;x,y)とする。内挿手段6は、この仮の結果Φが指定画素の時系列G(t;x,y)に整合するか否かを、誤差評価汎関数Jにより評価する。内挿手段6は、以下の式により、評価値J[Φ]が最小となるように、仮の結果Φの試行錯誤(例えば、最急降下法等による最適化)を行い、仮の結果Φの最適化結果を内挿値Fとして求める。
Figure 0005511628
ここで、Vは、最適化を行う時刻の範囲である。例えば、時刻範囲Vは、注目時刻t近傍の時間区間(例えば、時刻tとその前後1秒の時間区間)とする。
具体的には、内挿手段6は、指定画素の時系列G(t;x,y)と観測モデルDの値との間の誤差(指定画素の誤差)を算出し、周辺画素の時系列G(t;ξ,η)を時間移動量Δtずらした時系列G(t+Δt;ξ,η)と観測モデルDの値との間の誤差を算出して全ての周辺画素の誤差合計(周辺画素の誤差)を算出し、指定画素の誤差と周辺画素の誤差とを加算し、この加算結果を、最適化を行う時刻範囲Vにて合計して評価値J[Φ]を求める(ステップS802)。そして、内挿手段6は、評価値J[Φ]が最小となる仮の結果Φを算出し(ステップS803)、この仮の結果Φを内挿値F(t;x,y)として画素時系列書込手段7に出力する(ステップS804)。
〔画素時系列書込手段〕
図1に戻って、画素時系列書込手段7は、計数手段2から画素位置(t;x,y)を入力すると共に、内挿手段6から内挿値F(t;x,y)を入力し、画素位置(t;x,y)に応じて書き込みアドレスを変化させることにより、時刻数列(t,t,・・・,tL−1)(出力動画像時間標本点列(Tk∈{0,1,・・,L-1}という。)における内挿値列(F(T;x,y))k∈{0,1,・・,L-1}を出力動画像記憶手段8に記憶させる。これにより、出力動画像記憶手段8には、入力動画像記憶手段1に記憶された動画像に比べて、フレームレートが変換された動画像の時空間ボリューム10が記憶される。ここで、時刻Tはk番目の時刻標本点であり、Lは時刻列の標本点総数である。
尚、時刻Tは、整数値であっても、非整数値であっても構わない。例えば、出力動画像時間標本点列(Tk∈{0,1,・・,L-1}を、入力動画像時間標本点列(tk∈{0,1,・・,K-1}より細かくとれば、フレームレートのアップサンプリングが実現される。逆に、出力動画像時間標本点列(Tk∈{0,1,・・,L-1}を、入力動画像時間標本点列(tk∈{0,1,・・,K-1}より粗くとればフレームレートのダウンサンプリングが実現できる。さらに、出力動画像時間標本点列(Tk∈{0,1,・・,L-1}の時間間隔及び入力動画像時間標本点列(tk∈{0,1,・・,K-1}の時間間隔は、それぞれ等間隔であっても、片方または両方が不等間隔であっても構わない。また、出力動画像時間標本点列(Tk∈{0,1,・・,L-1}の時間間隔及び入力動画像時間標本点列(tk∈{0,1,・・,K-1}の時間間隔が、共に等間隔の場合において、両者のフレームレートの比は有理数比であっても無理数比であっても構わない。さらに、出力動画像時間標本点列(Tk∈{0,1,・・,L-1}及び入力動画像時間標本点列(tk∈{0,1,・・,K-1}の位相は、揃っていても、ずれていても、時間と共に変化しても構わない。
出力動画像記憶手段8には、処理結果の動画像の時空間ボリューム10が記憶される。記憶される動画像の時空間ボリューム10において、画素位置(t;x,y)における画素時系列は(F(T;x,y))k∈{0,1,・・,L-1}である。
尚、出力動画像記憶手段8は、メモリ、ハードディスク等のハードウェアであり、時間t及び空間(x,y)のいずれに関してもランダムアクセスが可能であるものとする。
以上のように、本発明の実施形態によるフレームレート変換装置100によれば、時間位置合わせ手段5が、第1の処理または第2の処理にて、指定画素の画素時系列(G(t;x,y))t∈Uと周辺画素の画素時系列(G(t;ξ,η))t∈Sとを比較し、類似度を最大化する時間ずれ量δtを求め、これを時間移動量Δtとして出力するようにした。また、内挿手段6が、第1の処理にて、指定画素の画素時系列(G(t;x,y))t∈Uを時間方向に内挿補間することにより連続関数g(t;x,y)を生成し、同様に、周辺画素の画素時系列(G(t;ξ,η))t∈Sを時間方向に内挿補間することにより連続関数g(t;ξ,η)を生成し、指定画素の連続関数g(t;x,y)と、周辺画素の連続関数g(t;ξ,η)を時間方向に時間移動量Δtずらした連続関数g(t+Δt;ξ,η)とを、単純平均等により合成し、内挿値F(t;x,y)を求めるようにした。また、内挿手段6が、第2の処理にて、指定画素の画素時系列(G(t;x,y))t∈Uと観測モデルDの値との間の誤差、及び、時間移動量Δtずらした周辺画素の画素時系列(G(t+Δt;ξ,η))t∈Sと観測モデルDの値との間の誤差に基づいて評価値J[Φ]を求め、評価値J[Φ]が最小となる仮のΦを算出し、内挿値F(t;x,y)を求めるようにした。
これにより、複数の画素位置について時間的な相関をとることで、指定画素の画素時系列(G(t;x,y))t∈Uに最も類似する周辺画素の画素時系列(G(t;ξ,η))t∈Sにおける時間移動量Δtを求め、指定画素の画素時系列(G(t;x,y))t∈Uと時間移動量Δtずらした周辺画素の画素時系列(G(t+Δt;ξ,η))t∈Sとを用いて、内挿値F(t;x,y)を生成するようにしたから、動きぶれが少なく、時間的に滑らかに変化する動画像を得ることができる。したがって、時間方向の高画質な動画像を得ることが可能なフレームレート変換を実現することができる。
また、本発明の実施形態によるフレームレート変換装置100によれば、時間位置合わせ手段5が、フレーム間で局所テクスチャのマッチング(ブロックマッチング等)を行う代わりに、画素位置間で局所時系列のマッチングを行うことにより、動画像の時空間相関を利用した位置合わせを行うようにした。このため、2次元の探索を行うブロックマッチングとは異なり、1次元の探索を行えばよいから、処理が簡素化され、演算コストも小さくなる。また、フレーム内においてブロック分割を行うことなく、画素位置単位で処理を行うから、ブロックノイズが生じない。また、画素間の時間相関演算は、レジストレーションを行う複数枚超解像手法の時間軸と空間軸を入れ替えたものとみなすことができる。すなわち、2次元の空間について高画質を実現する従来の複数枚超解像度手法に対し、このフレームレート変換装置100では、1次元の時間方向について高画質を実現することができる。したがって、フレームレートを変換する際の画像劣化(主にぼけ)が生じにくく、高画質のフレームレート変換を実現することができる。
本発明の実施形態によるフレームレート変換装置100は、フレームレートの互いに異なるテレビジョン方式間の映像変換、及びテレシネ変換等に用いることができる。また、任意の時間標本点を設定することができるから、映像内容に応じた動的なフレームレート制御に用いることも可能である。
尚、本発明の実施形態によるフレームレート変換装置100のハードウェア構成としては、通常のコンピュータを使用することができる。フレームレート変換装置100は、CPU、RAM等の揮発性の記憶媒体、ROM等の不揮発性の記憶媒体、及びインターフェース等を備えたコンピュータによって構成される。フレームレート変換装置100に備えた入力動画像記憶手段1、計数手段2、画素時系列読出手段3、周辺画素時系列読出手段4、時間位置合わせ手段5、内挿手段6、画素時系列書込手段7及び出力動画像記憶手段8の各機能は、これらの機能を記述したプログラムをCPUに実行させることによりそれぞれ実現される。また、これらのプログラムは、磁気ディスク(フロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク等)、光ディスク(CD−ROM、DVD等)、半導体メモリ等の記憶媒体に格納して頒布することもできる。
1 入力動画像記憶手段
2 計数手段
3 画素時系列読出手段
4 周辺画素時系列読出手段
5 時間位置合わせ手段
6 内挿手段
7 画素時系列書込手段
8 出力動画像記憶手段
10 時空間ボリューム
11,15,23,24 フレーム
12,12−1,12−2,12−3,13,13−1,13−2,13−3,14,14−1,14−2,14−3 物体
16,20 テクスチャ
21,21−1,21−2 指定画素位置
22,22−1,22−2 周辺画素位置
23,24 フレーム
25 周辺画素の画素時系列波形
26 指定画素の画素時系列波形
27 時間位置合わせ後の画素時系列波形
100 フレームレート変換装置

Claims (6)

  1. 動画像のフレームレートを変換するフレームレート変換装置において、
    複数時点のフレームにより構成される動画像が格納された動画像記憶手段と、
    前記動画像記憶手段に格納された動画像における所定の時間範囲に含まれるフレームから、予め指定された画素位置の画素値を、指定画素時系列データとして読み出す画素時系列読出手段と、
    前記動画像記憶手段に格納された動画像における所定の時間範囲に含まれるフレームから、前記指定された画素位置を基準にした所定範囲内の周辺位置に存在する画素値を、周辺画素時系列データとして読み出す周辺画素時系列読出手段と、
    前記画素時系列読出手段により読み出された指定画素時系列データと、前記周辺画素時系列読出手段により読み出された周辺画素時系列データとが最も類似する時間位置を求め、前記時間位置を時間移動量として出力する時間位置合わせ手段と、
    前記画素時系列読出手段により読み出された指定画素時系列データ、または前記周辺画素時系列読出手段により読み出された周辺画素時系列データのうちのいずれか一方を、前記時間位置合わせ手段により出力された時間移動量だけ移動させ、前記移動させた後の時系列データ及び前記移動させていない時系列データに基づいて、所望時間における画素値を内挿値として求める内挿手段と、
    を備えることを特徴とするフレームレート変換装置。
  2. 請求項1に記載のフレームレート変換装置において、
    前記時間位置合わせ手段が、前記画素時系列読出手段により読み出された指定画素時系列データを時間方向に内挿補間し、時間方向に連続した画素値を有する指定画素の連続関数を生成し、前記周辺画素時系列読出手段により読み出された周辺画素時系列データを時間方向に内挿補間し、時間方向に連続した画素値を有する周辺画素の連続関数を生成し、前記指定画素の連続関数または前記周辺画素の連続関数のうちのいずれか一方を時間方向にずらしたときに、前記指定画素の連続関数及び前記周辺画素の連続関数が最も類似する時間ずれ量を求め、前記時間ずれ量を時間移動量として出力することを特徴とするフレームレート変換装置。
  3. 請求項1に記載のフレームレート変換装置において、
    前記時間位置合わせ手段が、前記画素時系列読出手段により読み出された指定画素時系列データ、または前記周辺画素時系列読出手段により読み出された周辺画素時系列データのうちのいずれか一方を時間方向に内挿補間し、時間方向に連続した画素値を有する連続関数を生成し、前記生成された連続関数、または前記連続関数が生成されていない時系列データのうちのいずれか一方を時間方向にずらしたときに、前記連続関数及び前記時系列データが最も類似する時間ずれ量を求め、前記時間ずれ量を時間移動量として出力することを特徴とするフレームレート変換装置。
  4. 請求項1に記載のフレームレート変換装置において、
    前記時間位置合わせ手段が、前記画素時系列読出手段により読み出された指定画素時系列データ、または前記周辺画素時系列読出手段により読み出された周辺画素時系列データのうちのいずれか一方を、前記フレームの時間間隔の自然数倍毎にずらしたときに、前記指定画素時系列データと前記周辺画素時系列データとの間の、前記フレームの時間間隔の自然数倍毎の離散的な誤差を示す評価値が最小となる時間を求め、前記時間を含む所定時間範囲において、時間的に連続した値を有する所定の複数の連続関数と、前記離散的な評価値と間の誤差をそれぞれ求め、前記誤差が最小となる連続関数を特定し、前記特定した連続関数の極値を求め、前記極値の時間を時間移動量として出力することを特徴とするフレームレート変換装置。
  5. 請求項4に記載のフレームレート変換装置において、
    前記時間位置合わせ手段が、パラボラフィッティングまたは最小自乗フィッティングにより、前記誤差が最小となる連続関数を特定することを特徴とするフレームレート変換装置。
  6. コンピュータを、請求項1から5までのいずれか一項に記載のフレームレート変換装置として機能させるためのフレームレート変換プログラム。
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