JP5509859B2 - ロボット制御装置及び方法 - Google Patents
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すなわち、ビジュアルサーボ制御では、「カメラによる撮影→画像処理→ワークの認識」と「位置計測→ワークのある方にアーム移動」の処理を高速に繰り返して、ワークの移動にカメラを追従させるものである。
そこで、把持動作中におけるワークの移動量を予測する手段が提案されている(例えば特許文献1)。
(1)ワークの速度と加速度を計測する際に誤差が生じる。
(2)ワークが理想的な等速運動又は等加速度運動をしていない。
定常偏差は、PD制御などの追従制御における制御系の遅れに由来する偏差である。位置偏差は、カメラとアーム手先の相対位置に由来する偏差である。
従来の把持動作では、定常偏差分と位置偏差を補償して移動する必要があり、これらが大きいほど、把持時間が長くなり、その分、把持位置の誤差が大きくなっていた。
すなわち、本発明の目的は、ビジュアルサーボ制御中に、ワークを把持する場合に、把持動作に要する把持時間を短縮し、把持時間に比例する把持位置の誤差を低減することができるロボット制御装置及び方法を提供することにある。
前記カメラで撮影した画像を画像処理する画像処理装置と、該ロボットを制御するロボットコントローラと、前記ロボットに、カメラの光軸と平行な軸を中心に前記ハンドの把持位置に対しカメラを旋回させる旋回機構と、を備え、
ワークの位置と姿勢をカメラで計測し、計測結果に基づいてロボットをフィードバック制御し、カメラをワークの移動に追従させるビジュアルサーボ制御を実施し、
ビジュアルサーボ制御中に、追従点とワーク位置との定常偏差を補償する位置に追従制御点を移動させ、かつ前記把持位置がカメラよりワーク側に位置するように、カメラを旋回させた後に、ハンドでワークを把持する、ことを特徴とするロボット制御装置が提供される。
(A) ワークの位置と姿勢をカメラで計測し、計測結果に基づいてロボットをフィードバック制御し、カメラをワークの移動に追従させるビジュアルサーボ制御と、
(B) ビジュアルサーボ制御中に、追従点とワーク位置との定常偏差を補償する位置に追従制御点を移動させる制御点移動制御と、を有し、
前記ロボットに、カメラの光軸と平行な軸を中心に前記ハンドの把持位置に対しカメラを旋回させる旋回機構を備え、
ビジュアルサーボ制御中に、前記把持位置がカメラよりワーク側に位置するように、カメラを旋回させる旋回制御を実施し、
前記制御点移動制御と旋回制御の後に、ハンドでワークを把持する、ことを特徴とするロボット制御方法が提供される。
また、前記制御点移動制御において、カメラで撮影した画像上の追従制御点を追従点として前記定常偏差を計測し、次いで、前記定常偏差の変動が少なくなり前記追従が安定したことを確認し、次いで、前記追従点近傍にワークが位置するように、前記追従制御点を移動させる。
また、制御点移動制御により、追従点とワーク位置との定常偏差を補償する位置に追従制御点を移動させるので、追従点をワーク位置に近づけることができる。追従点は任意の場所に設定できるので、例えばハンド把持点TCPを追従点としておけば、最短距離で把持動作ができる。
ワーク1の移動は、例えばコンベア装置による。コンベア装置は、ローラコンベア、ベルトコンベア、その他であってもよい。また、その移動方向は、テーブル上の水平面内に限定されず、上方(又は横方向)から見て一定の形状を維持する限りで3次元的に移動してもよい。
デジタル画像5の画素数は、任意であるが、例えば、約30万画素(横640ピクセル×縦480ピクセル)を有する。また、カメラ2bは、デジタル画像4を一定の制御周期(例えば30fps:1秒間に30回)で撮影するようになっている。以下、デジタル画像を単に画像という。
ロボット3は、この例では、テーブル4の上面に固定された多間接ロボットであるが、本発明はこれに限定されず、その他のロボットであってもよい。
ワーク1の基準点は、例えば中心、図心、その他の特徴点である。またワーク1の向きは、例えばその形状の対称軸であり、その形状に応じて任意に設定する。
この図に示すように、カメラ上に原点を有する直交3軸x−y−z軸を定義する。x軸はカメラの横方向、y軸はカメラの縦方向、z軸は上下方向である。
この場合、ハンド2aのハンド把持点TCPは、通常、カメラ2bの視野から外れており、ハンド把持点TCPとカメラ2bの軸線間位置(水平距離)をL0とする。
また、画像上のワークの大きさと、予め設定した形状との相違からワーク1とカメラ2bの距離czを算出することができる。czはこの例ではワーク1からカメラ2bまでの高さであり、長さの単位(例えばmm)を有する。
なお、cx,cy,czは、同一単位に変換してもよい。
以下、検出されたワーク1の位置を(cx,cy,cz)と表示する。
ここで、目標点に追従させるのは画像上の追従制御点6(px,py,pz)であり、動作開始時には、追従制御点6を追従点7(cx0,cy0,cz0)(例えば画像上の原点(0、0)、cz0はカメラとワークの目標距離300mm)に設定する。
従って、ビジュアルサーボ制御中は、画像上の追従制御点6(px,py,pz)がワーク1の位置(cx,cy,cz)に追従する。
上述したビジュアルサーボ制御は、好ましくは、デジタル画像4の取り込みと同期して同一の制御周期で行う。
制御点移動制御の開始時(A)には、追従制御点6は追従点7(例えば画像上の原点)であり、追従制御点6と追従点7は一致している。
追従安定時(B)には、カメラ及び制御系の遅れに起因する定常偏差L1が安定する。この定常偏差L1は、ワークの移動速度Vと制御遅れ(例えば、画像取得間隔と、アームの機械的な動作遅れなどを含めて、0.2秒ほどの遅れがあり得る)に比例するほぼ一定の距離であり、例えば実寸法で約100mmである。この状態では、ワーク1に対し、追従制御点6(及び追従点7)の位置が定常偏差L1の分、遅れている。
制御点移動時(C)では、追従制御点6を追従点7(画像上の原点)に対し、ワーク1の反対側に移動している。
追従再安定時(D)は、制御点移動後に、再度追従が安定した状態である。この状態において、ワーク1に対し、追従制御点6の位置が定常偏差L1の分、遅れているが、追従点7の位置はワーク1とほぼ一致している。
すなわち、追従再安定時(D)において、追従点7の位置はワーク1とほぼ一致しており、追従点7を仮想的に追従制御点6と考えると、制御遅れに起因する定常偏差が、ゼロまたはゼロに近くなっていることになる。
追従再安定時(D)には、ワークの移動に対し、追従点7の遅れはなく、追従点7の位置はワーク1とほぼ一致しているので、従来の把持時間に含まれる定常偏差分を低減することができ、その分、把持時間を短縮することができる。
この場合、把持動作における水平方向移動は実質的にゼロとなり、把持動作は上下動のみとなる。
この例では、ロボット3に、鉛直軸を中心にハンド2aのハンド把持点TCPに対しカメラ2bを旋回させる旋回機構8を備える。旋回機構8の鉛直軸(鉛直軸)は、カメラ2bの光軸、ハンド把持点TCP、又はその中間位置であってもよい。
この状態から、ビジュアルサーボ制御中に、把持位置2aがカメラ2bよりワーク側に位置するように、カメラ2bを旋回させると、旋回後(B)に示す位置関係となる。
なお、カメラを旋回させても、カメラ画像上のTCPの位置は動かない。すなわち、カメラ2bはハンドと一体的に取り付けられ、ワーク1直上より撮影しているため、カメラとハンドTCPの位置関係は変わらない。
すなわち、旋回後(B)において、移動するワーク1に対し、ハンド2aのハンド把持点TCPの位置(水平距離)は、定常偏差L1と水平距離L0の差のみとなる。
従って、ビジュアルサーボ制御中のカメラの画像上にハンド2aのハンド把持点TCPが存在する場合もしない場合でも、従来の把持時間に含まれる定常偏差分を定常偏差L1と水平距離L0の差まで低減することができ、その分、把持時間を短縮することができる。
図8(A)〜(D)において、ワーク1と追従制御点6の定常偏差L1は同一である。この場合、4通りの相対姿勢のうち、把持位置2aがワークに最も近い(D)の姿勢をとることにより、図8(A)(B)(C)の姿勢に比較して、把持時間に含まれる定常偏差分を低減することができ、その分、把持時間を短縮することができる。
従って、カメラとハンド2aの相対姿勢を独立に制御することができ、上述した4通りの相対姿勢に吸着パッド9を旋回させると同時に、ビジュアルサーボ制御中に、把持位置2aがカメラ2bよりワーク側に位置するように、カメラ2bを旋回させることができる。
この状態において、把持位置2aがカメラ2bよりワーク側に位置するので、ハンド2aとカメラ2bの水平距離L0の分、把持時間に含まれる定常偏差分を低減することができ、その分、把持時間を短縮することができる。
次いで、把持動作(S17)の開始後に、把持動作と並行して、ハンド2aを旋回させてワーク1の相対姿勢(回転位置)に限定される4方向に位置決めする。
この方法により、図8(A)〜(D)の姿勢に比較して、把持時間に含まれる定常偏差分を最小まで低減することができ、その分、把持時間を短縮することができる。また、旋回は把持動作と並行するので、旋回に要する時間は把持時間に含まれない。
また、制御点移動制御により、追従点7とワーク位置との定常偏差L1を補償する位置に追従制御点6を移動させるので、追従点7をワーク位置に近づけることができる。
さらに追従点7は任意の場所に設定できるので、例えばハンド把持点TCPを追従点としておけば、最短距離で把持動作ができる。
3 ロボット、3a ロボットアーム、
4 テーブル、5 画像、6 追従制御点、
7 追従点(原点)、8 旋回機構、9 吸着パッド、
10 ロボット制御装置、11 第2旋回機構、
12 画像処理装置、14 ロボットコントローラ
cx,cy,cz 検出されたワークの位置座標(目標点)、
cx0,cy0,cz0 追従点の位置座標、
px,py,pz 追従制御点の位置座標、
L0 ハンドとカメラの水平距離、
L1 定常偏差、
TCP ハンド把持点、
V ワークの移動速度
Claims (5)
- ワークを把持するハンドと、該ハンドに取り付けられワークを撮影するカメラとを有し、前記ハンドを3次元的に移動可能なロボットを制御するロボット制御装置であって、
前記カメラで撮影した画像を画像処理する画像処理装置と、該ロボットを制御するロボットコントローラと、前記ロボットに、カメラの光軸と平行な軸を中心に前記ハンドの把持位置に対しカメラを旋回させる旋回機構と、を備え、
ワークの位置と姿勢をカメラで計測し、計測結果に基づいてロボットをフィードバック制御し、カメラをワークの移動に追従させるビジュアルサーボ制御を実施し、
ビジュアルサーボ制御中に、追従点とワーク位置との定常偏差を補償する位置に追従制御点を移動させ、かつ前記把持位置がカメラよりワーク側に位置するように、カメラを旋回させた後に、ハンドでワークを把持する、ことを特徴とするロボット制御装置。 - 前記カメラの計測範囲内にあり、前記ハンドの把持位置に最も近い点を前記追従点に設定する、ことを特徴とする請求項1に記載のロボット制御装置。
- ワークを把持するハンドと、該ハンドに取り付けられワークを撮影するカメラとを有し、前記ハンドを3次元的に移動可能なロボットを制御するロボット制御方法であって、
(A) ワークの位置と姿勢をカメラで計測し、計測結果に基づいてロボットをフィードバック制御し、カメラをワークの移動に追従させるビジュアルサーボ制御と、
(B) ビジュアルサーボ制御中に、追従点とワーク位置との定常偏差を補償する位置に追従制御点を移動させる制御点移動制御と、を有し、
前記ロボットに、カメラの光軸と平行な軸を中心に前記ハンドの把持位置に対しカメラを旋回させる旋回機構を備え、
ビジュアルサーボ制御中に、前記把持位置がカメラよりワーク側に位置するように、カメラを旋回させる旋回制御を実施し、
前記制御点移動制御と旋回制御の後に、ハンドでワークを把持する、ことを特徴とするロボット制御方法。 - 前記カメラの計測範囲内にあり、前記ハンドの把持位置に最も近い点を前記追従点に設定する、ことを特徴とする請求項3に記載のロボット制御方法。
- 前記制御点移動制御において、
カメラで撮影した画像上の追従制御点を追従点として前記定常偏差を計測し、
次いで、前記定常偏差の変動が少なくなり前記追従が安定したことを確認し、
次いで、前記追従点の近傍にワークが位置するように、前記追従制御点を移動させる、ことを特徴とする請求項3に記載のロボット制御方法。
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