JP5507452B2 - グライドスロープ制御用の自動抗力機能 - Google Patents

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Description

本発明は、航空機を制御するシステム及び方法に関し、更に具体的には、着陸中に航空機の降下を制御するシステム及び方法に関するものである。
技術革新及び技術的進歩により、航空機メーカーが、以前の世代の航空機よりも着陸中に感じる抗力がより低い、新しい航空機を製造することが可能になった。より低い抗力により、着陸中に発生するノイズレベルを減少させることができる。着陸中のノイズレベルが減少した航空機は、更にノイズを発生させる航空機よりも多くの空港を使用することが認められる可能性がある。しかしながら、より低い抗力は時たま航空機のグライドスロープ制御能力に悪影響を与えうる。言い換えれば、抗力がより低い航空機は、着陸するために標準着陸進入路のグライドスロープを飛行している間に十分遅い速度で降下する望ましい能力を有さない可能性がある。航空機が標準着陸進入路のグライドスロープを飛行中に速度を落とす能力は、グライドスロープ増加能力の観点から、すなわち、航空機が推力をアイドリング状態にしフラップを着陸用に設定した状態で標準の3°グライドスロープよりもどれくらい急勾配で飛行できるかで表すことができる。ある場合には、ノイズレベルを減少させるように設計された現代の民間航空機は、普通にノイズが発生する同程度の民間航空機と比べて、グライドスロープ性能の相当する劣化(例えば1〜2°の低下)を経験する可能性がある。
パイロットが、着陸中に低下したグライドスロープ性能を補うのに試みることができる一つの方法は、例えば着陸ギアを早めに出す、又は空中速度ブレーキを使用することによって、手動で抗力を加えることによってである。しかしながら、これらを実行することはしばしば矛盾した結果を招く。さらに、空中速度ブレーキの使用はフラップが着陸用に設定された環境において一般的に推奨されていない。グライドスロープ性能を補う別の方法は、アイドリング推力レベルを下げることである。しかしながら、アイドリング推力レベルを下げることは、特定の航空機及びエンジン構成において不可能である。さらに、アイドリング推力レベルの低下は、特定の厳しい天候状態におけるアイシングを防ぐ必要とかちあう可能性がある。したがって、着陸中に劣化したグライドスロープ性能を矛盾なく確実に補うことができる新しいシステム及び方法が有用となる。
本発明は、航空機に自動的に追加抗力を加えて着陸中のグライドスロープ性能を向上させるシステム及び方法に関するものである。具体的には、加えられた抗力により上記航空機がより急速に降下し、着陸路進入中により迅速に速度を落とすことが可能になり得る。この方法では、航空機が速度を上げることなく、より良く降下してグライドスロープにのることができる。あるいは、上記航空機が標準着陸進入路のグライドスロープを飛行中に速度を落とす性能を向上させることができる。
様々な実施形態によると、航空機の着陸中に追加抗力を与える方法は、スロットル・リゾルバ角(TRA)と表記される制御信号で、本明細書においてスロットル・リゾルバと表記される、少なくとも一つのスロットル制御装置又は信号の変化を検知するステップを含む。本方法はさらに、TRAの変化に基づいて一以上の飛行制御面の偏向を決定して、決定された一以上の飛行制御面の偏向を行って追加抗力とこれに付随する所望のピッチングモーメントを発生させるステップを含む。一実施形態は、飛行制御面は少なくとも一つのエルロン、スポイラー、エレベーターを備えている。
他の実施形態においては、追加抗力システムを備えた航空機が開示されている。この航空機は、構造アセンブリと、構造アセンブリ内部に少なくとも部分的に配置された追加抗力を発生させる少なくとも一つのシステムを備えている。追加抗力を発生させるシステムは、少なくとも一つのスロットル・リゾルバ角(TRA)に変化を起こさせる入力コンポーネントを備えている。決定コンポーネントは、TRAの変化に基づいて一以上の飛行制御面の偏向を決定し、命令コンポーネントは、決定された一以上の飛行制御面の偏向を実施して追加抗力を発生させるように構成されている。ある特定の実施形態においては、命令要素はエルロン、スポイラー、エレベーターのうちの少なくとも一つを偏向させるように構成されている。
本明細書において本発明の特定の実施形態を上述したように図示し説明したが、本発明の精神及び範囲から逸脱せずに多数の変更を行うことが可能である。したがって、本発明の範囲は前述した特定の実施形態の開示によって限定されるべきではない。むしろ、本発明は下記の請求項を参照することによって全体的に確定されるべきである。
本発明の教示に基づくシステム及び方法の実施形態を、下記の図面を参照しながら下に詳細に説明する。
図1は一実施形態による、航空機に追加抗力を付与する例示の飛行制御面の偏向を図示するグラフである。 図2はスロットルレゾルバ角度(TRA)の例示の範囲を示すグラフであり、スロットルレゾルバ角度に対して一実施形態による追加抗力を付与する自動抗力機能が実行される。 図3aは一実施形態による、着陸中に低いグライドスロープ性能を持つ航空機に追加抗力を自動的に付与する例示の自動抗力ソフトウェアアルゴリズムを図示するブロック図である。 図3bは一実施形態による、着陸中に低いグライドスロープ性能を持つ航空機に追加抗力を自動的に付与する例示の自動抗力ソフトウェアアルゴリズムを図示するブロック図である。 図4は一実施形態による、例示の自動抗力ソフトウェアアルゴリズムによって実行される、スロットルレゾルバ角度(TRA)の変化に対する飛行制御面の反応を示すグラフである。 図5は別の実施形態による、追加抗力を自動的に付与するアビオニクスシステムを備えた航空機の側面立面図である。
本発明によるシステム及び方法の実施形態は、航空機に自動的に追加抗力を付与してグライドスロープ性能を向上させることが目的である。上記の実施形態を完全に理解できるように、本発明の特定の実施形態の多数の明確な詳細事項を下記の説明及び図1〜5に記載する。本発明は追加の実施形態を有することができる、あるいは、下に説明する一以上の詳細事項なしで実行することができる。
一般に、本発明によるシステム及び方法の実施形態により、航空機のグライドスロープ性能及び減速性能を有利に向上させることができる。これらが向上することにより、例えば着陸中のノイズ出力が削減されるように設計された航空機等の、低いグライドスロープ性能を持つ航空機が着陸進入中にさらに迅速に降下しさらにすばやく対気速度を落とすことが可能になり得る。この方法によって、航空機が速度を上げずにより良く降下しグライドスロープにのることができるようになる。あるいは、本発明によるシステム及び方法の実施形態により、上記航空機が標準着陸進入路のグライドスロープを飛行中に減速する能力を有利に高めることができる。
図1は航空機に追加抗力に付随する所望のピッチングモーメントを含む追加抗力を付与して、着陸中のグライドスロープ性能を向上させる例示の飛行制御面の偏向を示している。追加抗力により、着陸中の航空機のグライドスロープ性能と減速性能を向上させることができる。図示したように、追加抗力は航空機の飛行制御面の自動偏向によって得ることができる。これらの飛行制御面は一以上のエルロン、一以上のスポイラー、一以上のエレベーターを含むことができる。航空機に追加抗力を付与するこの飛行制御面の自動偏向プロセスは「自動抗力」と表記することができる。
追加抗力を得るための飛行制御面の自動偏向は、推力制御装置から送信される制御信号の一機能として実行することができる。この推力制御装置はスロットルレゾルバと表記することができ、そしてこれに対応する制御信号はスロットルレゾルバ角度(TRA)と表記することができる。言い換えると、各飛行制御面の偏向の度合いは、これらを実行する場合にTRAの度合いに関わり、依存している。スロットルレゾルバ角度(TRA)は水平面に対するスロットルスティックの物理的角度(位置)として定義することができる。一般にスロットルは、送りこむ燃料及び/又は空気の量を設定するため、エンジン出力レベル(推力)を制御するのに使用される。様々な実施形態によると、「自動抗力」機能は、着陸中のスロットルレゾルバ角度が約41〜36°の範囲にあるときに起動することができる。もちろん他の実施形態においては、自動抗力機能は他のTRAの範囲又はTRA値において起動することができる。
図2はスロットルレゾルバ角度の変化に応じた自動抗力の起動に関する追加の詳細を提供する。具体的には、図2は着陸中のスロットルレゾルバ角度の例示の範囲を示す。図示したように、ほぼ38.5°のTRAは進入中のアイドリング状態202に対応し、ほぼ36°のTRAは最小アイドリング状態204に対応し、ほぼ34°のTRAはスロットル停止状態206に対応することができる。図2はまた、これらのスロットルレゾルバ角度間の遷移中に対応するエンジン推力208も示す。さらに、図2はまた、上述したように約41°〜36°のTRA間の自動抗力機能の起動状態210も示す。
図1を再度見ると、着陸中に航空機が通常使用するスロットルレゾルバ角度の範囲がX軸上に図示されている。さらに、図1はまた表面偏向の範囲を度合いで表すy軸も含む。ライン102〜108は、一実施形態による自動抗力機能によって生じる様々な飛行制御面の偏向を示している。例えば、ライン102は、スロットルレゾルバ角度が41°から36°まで遷移した際にエルロンの偏向に生じる変化を図示している。ライン104は同じスロットルレゾルバ角度が遷移した際に(例えばスポイラー1及び14等の)第1対のスポイラーの偏向に生じる変化を図示している。同様に、同じように遷移したときの(例えばスポイラー2及び13等の)第2対のスポイラーの偏向はライン106で表されている。さらに、同じように遷移した時のエレベーターの偏向はライン108で図示されている。当然ながら、ライン102〜108で示されるこれらの飛行制御面の自動偏向により、着陸中の航空機のグライドスロープ性能及び減速性能を向上させるための、様々な大きさの追加抗力を有利に得ることができる。ある実施形態においては、図4を参照して下に説明するように、飛行制御面が同時に偏向する。あるいは、飛行制御面は別々の時点で偏向して、所望の自動抗力機能性を得ることができる。
図3a及び3bは、着陸中に航空機に追加抗力を付与するために使用することができる例示の自動抗力システム300を図示するブロック図である。自動抗力システム300は、航空機に搭載されたアビオニクスシステムにおいて実行することができる。例えば、ある場合には、自動抗力システム300を飛行制御コンピュータ上で実行可能である。他の場合には、自動抗力システム300はオートパイロット、飛行管理コンピュータ(FMC)、飛行管理システム(FMS)、又は他のアビオニクスシステムにおいて実行可能である。
一般に、自動抗力システム300はソフトウェア・コンポーネント、ハードウェア・コンポーネント、又はこの両方を組み合わせたものを含むことができ、処理能力(例えば一以上のコンピュータ命令プロセッサ等)とコンピュータで実行可能な命令を保存、フェッチ、そして実行するのに適したメモリを有するコンピュータシステムにおいて実行可能である。様々な実施形態によれば、メモリは、例えばコンピュータによって読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール又は他のデータ等の情報を保存する任意の方法又は技術において実行される揮発性メモリ及び非揮発性メモリ、取り出し可能及び取り出し不能媒体を含むことができる。上記メモリは限定しないが、所望の情報を保存するのに使用することができ、コンピュータシステムによってアクセス可能な、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気的に消去可能なプログラム可能な読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、又は他のメモリ技術、コンパクトディスク、読み出し専用メモリ(CD−ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、または他の光学式記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク記憶装置、又は他の磁気保存装置、リダンダント・アレイ・オブ・インイクスペンシブ・ディスクス(RAID)保存システム、または任意の他の媒体を含む。
自動抗力システム300は、複数のモジュール(例えばソフトウェア、ハードウェア、又はこれらの組み合わせ)を含むことができる。具体的には、各モジュールは特定機能を実施するのに実行することができる。したがって、これらのモジュールは一以上のコンピュータ命令プロセッサによって実行されるコンピュータによって実行可能な命令を含むことができる。
図3aに示すように、自動抗力システム300は、自動抗力機能を実行するためにスロットルレゾルバ角度(TRA)を決定する命令部302を備えることができる。さらに具体的には、この実施形態においては、命令部302は一以上のスロットル(例えば左及び右側のスロットル)に対するTRAを受信する第1モジュール304を含む。スロットルの位置を一旦受け取ると、第2モジュール306により一以上のスロットルのより大きい(又は最大)スロットルレゾルバ角度を決定することが可能になる。次に第3モジュール308によってこの最大TRAを予め確立したスロットルレゾルバ角度の範囲と比較して、自動抗力命令を引き出すことができる。一実施形態では、予め確立したスロットルレゾルバ角度の範囲は、第1角度閾値と第2角度閾値との間で変化する。
この実施形態においては、第3モジュール308が、TRAが第1角度閾値から第2角度閾値まで減少するときに、自動抗力機能を効果ゼロの状態から最大効果へ引き上げる一以上の信号を送るように構成されていてよい。言い換えると、一以上の信号により、着陸中にTRAが減少するにつれ自動抗力機能の効果が逆に増加するようにすることができる。このプロセスは、自動抗力機能の「ランプ・イン」と表記することができる。例えば一実施形態では、第3モジュール308はスロットルレゾルバ角度が41°(第1角度閾値又は初期のアイドリング状態)に到達したときに、自動抗力機能が最小効果を発揮するように設定する信号を発信することができる。さらに第3モジュール308は、自動抗力機能の効果が36°(第2角度閾値又は最小アイドリング状態)において最大効果を発揮するようになるまで、自動抗力機能の効果をスロットルレゾルバ角度に対して実質的に反比例して増加させる追加の信号を発信することができる。当然ながら、第3モジュール308によって発信される一以上の信号はまとめて「TRA因数」と表記することができる。
図3aにさらに示すように、「無効化」部310を採用して自動抗力機能の「無効化」因数を供給することができる。自動抗力機能の「無効化」因数は、航空機の飛行制御面上の自動抗力機能の効果を減少させる。後述するように、無効化部310は、特定の飛行状態により自動抗力機能の段階的な変化及び/又は中止が必要となったときに、自動抗力の「無効化因数」を供給する。
具体的にこの実施形態では、無効化部310はフラップが着陸用に設定されているかを決定するフラップ監視モジュール312を備えている。したがって、一実施形態においては、自動抗力機能はフラップが25°又は30°の角度をなすときにのみ、起動される。これにより、航空機が離陸している、又は上昇しているときに自動抗力機能が起動されないようにすることができる。このため、フラップ監視モジュール312は、フラップが着陸用に設定された状態(例えば25°又は30°)にあるときに第1信号、すなわち「オン」信号を発信することができ、これにより自動抗力機能を起動させることができる。逆に、フラップ監視モジュール312は、フラップが着陸用に設定された状態になく自動抗力機能が起動されるべきでないときに、第2信号、すなわち「オフ」信号を発信することができる。
タッチダウンする直前、一以上のスロットルは普通推力レベルを下げるために手前に引っ張られている(又はそうでなければ引き下げられている)。したがって、航空機が地上に近づいたときに自動抗力機能を無効にしてタッチダウン高度に影響が出ないようにする必要があり得る。図3aに示すように、最終過程モジュール314を使用して自動抗力機能を徐々に無効にすることができる。一実施形態では、最終過程モジュール314は、レーダー高度測定値を受信して、航空機がタッチダウンに近づいている様子を監視し自動抗力機能を必要に応じて調節するように構成することができる。さらに、最終過程モジュール314は、自動抗力機能を「ランプアウト」させる、すなわち、航空機が初期の地上高度から最低地上高度まで降下するときに、表面偏向での自動抗力機能の効果を減少させる一以上の信号を発信するようにさらに構成することができる。民間旅客機の一実施形態においては、初期の地上高度は500フィートであり、最低地上高度は300フィートである。もちろん代替実施形態においては、他の高度範囲及び値を使用することが可能である。さらに、最終過程部314は、最低高度において最終過程部314から自動抗力機能を停止させる信号が送られるまで、航空機の初期高度からより低い高度までの降下に正比例して一以上の「ランプアウト」信号を発信することができる。
マイナス迎え角(AOA)モジュール316は、自動抗力機能をランプアウトさせるように構成することができる。具体的には、マイナスAOAモジュール316は航空機がマイナス迎え角をなしているかを検知して、徐々に「ランプアウト」させる、すなわち迎え角(AOA)の変化に正比例して自動抗力機能の効果を減少させる一以上の信号を発信することができる。一実施形態では、マイナスAOAモジュール316は、約−2°のAOAと約−6°のAOAとの間で自動抗力機能の効果を徐々に「ランプアウト」させる、すなわち減少させる一以上の信号を発信することができる。これは、AOAが約−2°であるときに自動抗力機能が最大効果を発揮できることを意味する。しかしながら、例えば−6°等のほぼ最大AOA角度においては、自動抗力機能を完全に「ランプアウト」させる、つまり停止させることができる。
さらに、航空機が失速につながる可能性のある高迎角に進入するとき、特定の稼働状態にある間に自動抗力機能を停止させる必要性が生じ得る。この場合に自動抗力機能を停止させることによって、自動抗力機能が航空機の失速速度に影響を与えないようにすることができる。したがって、失速監視モジュール318は、スティック・シェーカー又は他の失速警報システムの起動に関連して自動抗力機能を停止させるように構成することができる。当然ながら、スティック・シェーカーは、航空機が失速に近づくと、航空機の操縦かんを振動させる機械装置である。
具体的には、失速監視モジュール318は、航空機の迎え角(通常対気速度と組み合わせて)が失速警報システム(例えばスティック・シェーカー)が起動する閾値よりも下の初期設定(度の単位)に到達したかどうかを検知することができ、この閾値はAOAスティック・シェーカーとして表記することができる。さらに、失速監視モジュール318は、この初期の度数設定と二次的設定(度の単位)の間で、自動抗力機能の効果を最大からゼロまで徐々に「ランプアウト」させるように構成することができる。
一実施形態では、スティック・シェーカー閾値より下の5°〜1°の間で、失速監視モジュール318は、それぞれ自動抗力機能の効果を最大からゼロまで徐々に「ランプアウト」させる一以上の信号を発信することができる。例えば、失速監視モジュール318は、AOAの大きさに正比例してもう一つの「ランプアウト」信号を発信することができる。言い換えると、スティック・シェーカー閾値又はAOAスティック・シェーカーより下の約5°では、自動抗力機能は最大効果を発揮する。自動抗力機能の効果はそして、AOAが増加し続けると比例的に減少する。この自動抗力機能の減少は、スティック・シェーカー閾値より下の約1°まで継続し、ここで失速監視モジュール318によって送られた一以上の信号により自動抗力機能を完全に停止させることができる。
さらに、特定の実施形態では、自動抗力機能が稼働しているときに、スティック・シェーカー起動閾値を計算するために、揚力係数補正因子を得ることができる。この揚力係数補正因子は、起動された自動抗力機能が予測されるスティック・シェーカー閾値に与える影響を軽減することができる。これを後にさらに詳しく説明する。
図3aにさらに示すように、対気速度モジュール320は、航空機の対気速度が初期速度閾値からより低い二次速度閾値まで減少するときに、自動抗力機能を徐々にランプインさせるように構成することができる。一実施形態では、民間旅客機に対しては、初期速度閾値は約225ノットであってよく、二次速度閾値は約200ノットであってよい。具体的には、対気速度モジュール320は225ノットで「ランプイン」を開始させる信号を発信し、そして「ランプイン」を徐々に増加させる、つまり、200ノットにおいて完全に「ランプイン」するまで自動抗力機能の効果を増加させる一以上の信号を発信することができる。一実施形態では、対気速度モジュール320は対気速度に反比例して「ランプイン」を実施することができる。言い換えると、225ノットにおいて、自動抗力機能は起動されていない。しかしながら、200ノットでは、自動抗力機能は最大効果を発揮する。
その後、200ノット未満のすべての対気速度において、自動抗力機能は最大効果を発揮したまま持続する。この225ノットと200ノットの間の自動抗力機能のランプインと、それに続く200ノット以下における自動抗力機能の最大稼働により、巡航速度でフラップ信号の故障が起きた場合に自動抗力機能がうっかり起動しないようにすることができる。
当然ながら、無効化部310のモジュール312〜320は様々な方法で「ランプアウト」及び「ランプイン」信号を発信することができる。例えば、無効化部310は航空機の高度が自動抗力機能が最大効果を発揮するのに適切である場合に第1信号を送ることができる。反対に、無効化部310は、フラップの角度により自動抗力機能の停止が必要となった場合に第2信号を送ることができる。さらに、無効化部310は、自動抗力機能の漸進的な「ランプアウト」に対応する追加信号を発信するようにさらに構成することができる。これも当然ながら、信号は任意の形態であってよい。ある場合には、第1信号は「1」で表される「オン」の論理信号であってよく、第2信号は「0」で表される「オフ」の論理信号であってよい。
さらに、無効化部310は、フラップ監視モジュール312から送られる信号と、他のモジュール314〜318より送られる「ランプアウト」及び「ランプイン」信号を含む様々な信号を処理する一以上の追加のソフトウェアモジュールを含むことができる。一実施形態では、無効化部310は様々なモジュール312〜320から信号を同時に識別して、信号を結合し処理して「自動抗力無効化」因数を決定するように構成することができる。
一実施形態では、無効化部310は、モジュール312〜320から送られたいずれかの信号が、飛行状態により自動抗力機能を一時停止する必要があることを示す場合に、自動抗力機能停止信号を発信することができる。例えば、無効化部310はモジュール312〜320から複数の論理信号「1」を受け取ることができる。しかしながら、無効化信号310が最終過程モジュール314から(航空機が最低高度である300フィートよりも下を飛行しているために)論理信号「0」も受け取った場合、無効化部310は論理プロセスを利用して、自動抗力「無効化因数」を停止させるべきであると決定することができる。
加えて、無効化部310は「ランプアウト」及び「ランプイン」信号を含む様々な信号を「乗じて」、適切な自動抗力「無効化因数」を得ることができる。言い換えれば、自動抗力「無効化因数」は、モジュール312〜320により発信された様々な信号を乗じた結果であってよく、ここで各信号は自動抗力「無効化因数」の大きさに対する寄与因子である。当然ながら、無効化部310は、論理アルゴリズム、すなわちブール論理及び/又はファジー論理アルゴリズムを含むものとして様々なプロセスをさらに実行することができる。
自動抗力システム300は、結合モジュール322も含むことができる。結合モジュール322は命令部302によって生成されたTRA因数を無効化部310によって生成された自動抗力「無効化」因数と結合させて、自動抗力(AD)因数を生成するように構成することができる。一実施形態では、自動抗力因数は自動抗力無効化因数とTRA因数とを乗じた結果である。このやり方では、自動抗力ソフトウェアアルゴリズムの様々なモジュールによって生成された「ランプアウト」及び「ランプイン」の態様を統合して自動抗力因数を形成することができる。
図3aにさらに示すように、自動抗力システム300のシステム検証部324を採用して、様々な飛行システム及び飛行制御面の動作を検証することができる。さらに具体的には、この実施形態においては、エルロンモジュール326を、左及び右側のエルロンが使用可能であり、入力された命令を正確に受け取ることができるかを検証するように構成することができる。スポイラーモジュール328は左側のスポイラーの動作を検証できる。一実施形態では、スポイラーモジュール328は、一以下の左側のスポイラーの故障を検知したときに、左側のスポイラーの動作状態が有効であるかを決定することができる。同様に、スポイラーモジュール328は、右側のスポイラーの動作を検証することができる。一実施形態では、スポイラーモジュール328は、右側のスポイラーの故障のみを検知したときに、右側のスポイラーの動作状態が有効であるか決定することができる。
さらに、エルロン及びスポイラーモジュール326〜328は、エルロンとスポイラー制御面の動作状態を第1制御面モジュール330へ送るようにさらに構成することができる。同様に、第1制御面モジュール330は、第1制御面(例えばエルロン及びスポイラー)が使用可能である場合に「有効」であることを表す第1制御面状態、又は少なくとも一つの第1制御面が使用不可能である場合に制御面の状態が「無効」であることを表す第2制御面状態を出力することができる。
同様に、TRA有効性モジュール332は、自動抗力システム300が有効なTRA入力値を受信しているかを検証するように構成することができる。一実施形態では、TRA有効性モジュール332は、自動抗力ソフトウェアアルゴリズムがTRAの入力値を受け取っていることを知らせる「有効な」TRA状態を出力するように構成することができる。逆に、自動抗力システム300がTRAの入力値を受け取っていない場合に、ソフトウェアモジュール330によって「無効な」TRA状態を出力することが可能である。
AOA有効性モジュール334は、自動抗力システム300が有効なAOA入力値を受け取っているかを検証するように構成することができる。一実施形態では、AOA有効性モジュール334は、有効なAOA入力値を受信したかを表す「有効な」AOA状態を出力し、有効なAOA入力値が自動抗力システム300によって受信されていない場合に、「無効な」AOA状態を出力する。
さらに、高度検証モジュール336を採用して、検知されたレーダー高度が確実に有効であるようにすることができる。一実施形態では、高度有効性モジュール336は、レーダー高度計の動作状態を決定するように構成することができる。例えば高度有効性モジュール336は、レーダー高度が使用可能であることを表示する「有効な」レーダー状態を出力することができる。あるいは、高度有効性モジュール336は、レーダー高度計が有効な高度データを生成することができなかったことを表示する「無効な」状態を出力することができる。
フラップ有効性モジュール338は、自動抗力システム300が有効なフラップ位置入力値を受信しているかを決定するように構成することができる。一実施形態では、フラップ有効性モジュール338は、自動抗力システム300が有効なフラップ位置入力値を受け取っているかを知らせる「有効な」フラップ状態を出力するように構成することができる。逆に、フラップ有効性モジュール338は、自動抗力システム300が有効なフラップ位置入力値を受け取っていない場合に、「無効な」フラップ状態を出力することができる。
スラット有効性モジュール340は、前縁スラットの位置が有効であるかどうかを決定するように構成することができる。当然ながら、スラットを使用して翼のAOAを変えることができる。したがって、スラット有効性モジュール340は、自動抗力システム300が有効なフラップ位置入力値を受け取っていることを知らせる「有効な」スラットの状態を出力し、自動抗力システム300が有効なスラット位置入力値を受け取っていない場合に、「無効な」スラット状態を出力するように構成することができる。
エンジン有効性モジュール342は、一以上のエンジンの状態を決定するように構成することができる。一実施形態では、エンジン有効性モジュール342は、自動抗力システム300が有効なエンジン性能データ(例えば推力データ)を受け取っていることを知らせる「有効な」エンジン状態を出力するように構成することができ、このエンジン性能データは、エンジンが稼働していることを示す。逆に、自動抗力システム300が有効なエンジンデータを受け取っていない場合は、エンジン有効性モジュール342によって「無効な」エンジン状態を出力することができる。
さらに、システム検証部324は、コンポーネント有効性モジュール330〜342から送られる様々な信号を処理する一以上の追加モジュールを含むことができる。様々な実施形態によれば、システム検証部324は、コンポーネント有効性モジュール330〜342から出力された状態を同時に認識するように構成することができ、「無効な」状態を受け取っていないときに「自動抗力機能を有効にする」信号を発信することができる。「自動抗力機能を有効にする」信号は、自動抗力システム300が自動抗力機能を実行するための適切なデータ入力値を受け取っていることを示す。しかしながら、システム検証部324がコンポーネント有効性モジュール330〜342から少なくとも一つの「無効な」状態を受け取った場合に、システム検証部324は「自動抗力機能を無効にする」信号を発信することができる。一実施形態においては、発信された「自動抗力機能を有効にする」信号は、論理信号「1」であってよく、発信された「自動抗力機能を無効にする」信号は論理信号「0」であってよい。
マスタースイッチ部344も自動抗力システム300に含まれている。マスタースイッチ部344は「スイッチ」機能として作用し、適切な場合に、自動抗力因数を航空機の適切なシステムに送る機能を果たす。一実施形態では、マスタースイッチ部344は、「自動抗力機能を有効にする」信号をシステム検証部324から受け取った場合に、自動抗力因数を送るように構成されている。逆に、マスタースイッチ部344が「自動抗力機能を無効にする」信号をシステム検証部324から受け取った場合、「スイッチ」機能を解除してマスタースイッチ部344以降に自動抗力因数が送られないようにすることができる。
自動抗力システム300のさらなる態様を図3bに示し、図3bは、図3aのマスタースイッチ部344から受け取った自動抗力因数を受け取りフィルターをかけるフィルターモジュール346を示す。様々な実施形態によれば、フィルターモジュール346は、一次遅れで自動抗力因数のすべての変化をフィルターにかけることができる。加えて、自動抗力因数の変化は、フィルターモジュール346による低速及び高速限界によってさらに律速されていてよい。具体的には、自動抗力因数の変化はTRAの変化と相互に関連するため、一次遅れと律速を利用してパイロットが感じる基本的なスロットル応答をエミュレートすることができる。さらに、遅れ及び律速により、TRAが急激に変更(例えば突然スロットルを手前に引っ張る等)された場合に、擾乱を最小化することも可能である。別の言い方をすれば、ほとんどの事業用パイロットは、スロットルの遅れ、あるいは、ジェットエンジンの回転が上がる又は下がるのにかかる時間に起因してTRAが変化したときに航空機が徐々に応答すると考える。このため、自動抗力因数の変化をフィルターモジュール346によってフィルターにかけて、航空機の自動抗力機能の効果がTRAの変化に対する通常の航空機の応答に似るようにする。この自動抗力因数をフィルターにかけた結果が様々な飛行制御面に最終的に伝播された様子を、後述するように図4に示す。
図3bに戻ると、フィルターモジュール346によってフィルターにかけられた後に、フィルターにかけられた自動抗力因数を制御信号部348に送って、飛行制御面に対する偏向命令を生成することができる。一実施形態では、制御信号部348は、フィルターにかけられた自動抗力因数の強度に関連して表面偏向を供給する二次元データを保存する表350〜354を含むことができる。例えば、表350〜354により、強い自動抗力因数に対するより大きい表面偏向を提供することができる。他方では、小さい、又は無効化自動抗力因数を表350〜354において小さい表面偏向に関連付けることができる。様々な実施形態によれば、表350〜354は非線形表だけでなく線形表を含むことができる。図示したように、フィルターにかけられた自動抗力因数をエルロン表346、機外スポイラー表348、及び機内スポイラー表348に送ることができる。代替実施形態では、他の好適な表を含むことができる。さらなる実施形態では、表を制御信号を決定する方程式又は他の好適な手段と置き換えることが可能である。
表350〜354によって制御信号部348から必要な表面偏向信号を生成することが可能になると、偏向信号を増幅しそれぞれの制御面に送ることが可能である。一実施形態では、制御信号部348は、エルロン表350から得られた計算されたエルロン表面偏向信号356をある増幅率358によって、計算された偏向をエルロン命令360としてエルロンに送る前に増幅することができる。
同様に、制御信号部348は、機外スポイラー表352から得られた機外スポイラー偏向信号362を一以上の増幅率364だけ、偏向信号366を対応する機外スポイラーに送る前に、増幅することができる。航空機がイリノイ州シカゴのボーイング・カンパニーによって製造された787型民間航空機である特定の実施形態では、制御信号部348は機外スポイラー表352から得られた偏向信号362を別々の増幅率364a、364b、及び364cのそれぞれによって増幅することができ、その後に偏向信号が別々の命令366a、366b、366cで、機外スポイラー1及び14、スポイラー2及び13、及びスポイラー3及び12のそれぞれに送られる。
同様に、制御信号部348は、機内スポイラー表354から得られた機内スポイラー偏向信号368を一以上の増幅率370でさらに増幅することができる。次いで、偏向信号372を機内スポイラーに送ることができる。前と同じように、航空機がボーイング787型民間航空機である一実施形態において、偏向信号368を増幅率370a及び370bで増幅することができ、その次に偏向信号を別々の命令372a及び372bとしてスポイラー7と8及び6と9それぞれに送ることができる。
制御信号部348は増幅率374で自動抗力因数を増幅して、DeltaCL命令376を形成するようにさらに構成することができる。上述したように、自動抗力機能の起動は、AOAと揚力係数(CL)との関係に影響を与える可能性がある。したがって、増幅率374によって増幅された後のDeltaCL命令376を、AOAモジュール318に送り返してスティック・シェーカーの起動閾値の計算を調節することができる。
自動抗力システム300は、第2フィルター部378をさらに含むことができる。第2フィルター部378は、マスタースイッチ部344によって送られたフィルタリング済みの自動抗力因数をさらにフィルターをかける一以上のモジュール380を含むことができる。様々な実施形態によれば、自動抗力因数は、(フィルター部346によって元の自動抗力因数にフィルターをかけるのと同じ要領で)高限界及び低限界の両方によって律速される一次遅れで第2フィルター部378によってさらにフィルターをかけることができる。したがって、フィルタリングされたエレベーター因数が生成される。第2フィルター部378によって生成されたフィルタリングされたエレベーター因数を採用して自動抗力機能の起動中にエルロンとスポイラーの偏向によって起こるピッチの狂いを補正するピッチ応答を生成することができる。一実施形態においては、第2フィルター部378によって行われる追加のフィルタリングにより、スロットルが急に切られたときに、航空機の先端部が目に見えて上がるのが防止される。
具体的にはフィルタリングエレベーター因数はエレベーター表382に送ることができ、エレベーターに対するエレベーター偏向信号384を生成することができる。一実施形態では、エレベーター表382は、フィルタリングエレベーター因数の強度に関連するエレベーター偏向を供給する二次元データを保存できる。例えば表382は、フィルタリングされた強いエレベーター因数に対してより大きい表面偏向を提供することができる。その一方で無効化されたフィルタリング済みのエレベーター因数には小さいエレベーター偏向との相関性があってよい。様々な実施形態によれば、エレベーター表380は非線形表を含むことができ、例えばこの場合は表350〜354が非線形表である。他の実施形態では、エレベーター表382は線形表を含むことができる。
したがって、第2フィルタリング部378は、フィルタリング済みのエレベーター因数とエレベーター表382に基づいてエレベーター偏向信号384を生成することができる。増幅率386で増幅されたエレベーター偏向信号384は次にエレベーター命令388として送られエレベーターが制御される。
図4は、スロットルレゾルバ角度(TRA)の変化に対する飛行制御面の応答への自動抗力因数のフィルタリングの影響をグラフで表している。図示したように、秒単位の時間をx軸に示し、表面偏向の度合いをy軸上に示す。エレベーター偏向402、エルロン偏向404、スポイラー偏向406は、TRA408の変化に応じて表示されている。図4から良く分かるように、フィルタリング部346及び378は、自動抗力因数の変化を(遅延及び律速機能によって)フィルタリングすることにより、TRA(例えば410)の変化を、飛行制御面それぞれの偏向角の(例えば412、414、416等の)段階的な一次変化として最終的に伝えることができる。
まとめると、自動抗力システム300は、デジタル及びアナログ制御信号を含むスロットルレゾルバ角度(TRA)制御信号、又は同等の推力制御信号にしたがって、様々な飛行制御面を自動的に偏向させることによって、航空機に追加抗力を有利に付与して着陸中のグライドスロープ性能を向上させることができる。上述した実施形態においては、飛行制御面は、一以上のエルロン、一以上のスポイラー、及び一以上のエレベーターを含むことができる。しかし、当然ながら、ほかの実施形態では、追加の制御面を偏向させて追加抗力を付与することも可能である。さらに当然ながら他の実施形態では、自動抗力ソフトウェアアルゴリズムの一以上の機能を、ソフトウェアモジュールの代わりにハードウェアコンポーネントを使用して実行することができる。これらのハードウェアコンポーネントは、専用電気回路、専用集積回路、機械装置(例えば経電器、端子、及びスイッチ)、他の同等の電気又は機械構成要素、又はこれらの組み合わせを含むことができる。言い換えれば、自動抗力ソフトウェアアルゴリズムのソフトウェアモジュールは、自動抗力機能の全体的な動作に変化がない限り、ハードウェアを使用して置き換え、実行することが可能である。
図5は本発明の一実施形態による航空機500の側面立面図である。一般に、本発明による一以上のシステム以外は、航空機500の様々な構成要素及びサブシステムは既知の構造でできていてよく、簡潔にするために、ここでは詳細を記述しない。図5に示すように、航空機500は胴体502に連結した一以上の推進装置504、胴体502のコックピット506、翼アセンブリ508(または他の揚力面)、尾部アセンブリ510、着陸アセンブリ512、制御システム(外から見えない)及び航空機500の適切な操作を可能にする他のシステム及びサブシステムのホストは、たいていの場合胴体502として表記される航空機の構造アセンブリの一部を含む。本発明にしたがって形成された自動抗力機能システム514の少なくとも一つのコンポーネントは胴体502内部に配置されている。しかし、キャプチャー操縦システム514のコンポーネントは航空機500の様々な部分全体にわたって配置されることができる。
図5に示す航空機は概して、例えばイリノイ州シカゴのボーイング社から市販されている737、747、757、767、777及び787型を含む民間旅客機を表しているが、本明細書に開示されている本発明の装置及び方法は、実質的に任意の他のタイプの航空機の組立てにも採用することができる。さらに具体的には、本発明の教示は、他の旅客機、貨物航空機、回転翼航空機、及び例えば2001年9月にBook Sales Publishersから出版されたEnzo Angelucci氏による図解入り軍用機百科事典、及び英国サリー州クロイドンのJane‘s Information Groupから出版されたJane’s All the World‘s Aircraftに記載されたものを含む、任意の他のタイプの航空機の製造及び組立てに応用することが可能である。また当然ながら、本発明によるシステム及び方法の代替実施形態を用いて他の航空飛行体に用いることができる。
本発明によるシステム及び方法の実施形態は、従来技術をしのぐ著しい利点を提供することができる。例えば、自動抗力機能により、航空機が着陸中に低下したグライドスロープ性能を自動的に補正することが可能になり得る。具体的には、追加の抗力により、そのような航空機が着陸進入中により急速に降下し、より迅速に対気速度を落とすことが可能になり得る。このように、航空機が速度を上げずにより良く降下しグライドスロープにのることが可能になる。あるいは、標準着陸進入路のグライドスロープを飛行している間に、上記航空機の速度を落とす性能を向上させることが可能になる。したがって、低抗力着陸設定によって得られるノイズ削減の利点を失うことなく、航空機の着陸性能を向上させることができる。
本発明の特定の実施形態を上に示し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく多数の変更をおこなうことができる。したがって、本発明の範囲はこれらの実施形態の開示によって限定されない。むしろ、本発明は下記の請求項にしたがって全体的に決定されるべきである。

Claims (13)

  1. 航空機(500)の着陸中に追加抗力を発生させる方法であって、
    少なくとも一つのスロットルレゾルバ角度「TRA」の変化を検知(302)するステップ、
    少なくとも一つのTRAの変化に基づいて一以上の飛行制御面(102〜108)の偏向を決定(310、324)するステップ、及び
    決定された一以上の飛行制御面の偏向を行って(348)、追加抗力を発生させるステップ
    を含み、
    少なくとも一つのフラップの位置を検知するステップをさらに含み、決定された偏向を行うステップが、フラップの位置が着陸用に設定されているときに、決定された一以上の飛行制御面の偏向を行うステップを含む、方法。
  2. 決定された偏向を行うステップが、エルロン(102)、スポイラー(104、106)、及びエレベーター(108)のうちの少なくとも一つを偏向させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 決定された偏向を行うステップが、少なくとも一つのTRAが第1角度閾値から第2角度閾値に変化したときに、決定された偏向を比例的にランプインさせるステップを含み、第1角度閾値が第2角度閾値よりも大きい、請求項1に記載の方法。
  4. 航空機(500)の着陸中に追加抗力を発生させる方法であって、
    少なくとも一つのスロットルレゾルバ角度「TRA」の変化を検知(302)するステップ、
    少なくとも一つのTRAの変化に基づいて一以上の飛行制御面(102〜108)の偏向を決定(310、324)するステップ、及び
    決定された一以上の飛行制御面の偏向を行って(348)、追加抗力を発生させるステップ
    を含み、
    地上高度を検知するステップをさらに含み、決定された偏向を行うステップが、地上高度が最低高度以上であるときに決定された一以上の飛行制御面の偏向を行うステップを含む、方法。
  5. 地上高度が初期高度から最低高度に変化するときに、決定された偏向を比例的にランプアウトさせるステップをさらに含み、初期高度が最低高度よりも高い、請求項4に記載の方法。
  6. 航空機(500)の着陸中に追加抗力を発生させる方法であって、
    少なくとも一つのスロットルレゾルバ角度「TRA」の変化を検知(302)するステップ、
    少なくとも一つのTRAの変化に基づいて一以上の飛行制御面(102〜108)の偏向を決定(310、324)するステップ、及び
    決定された一以上の飛行制御面の偏向を行って(348)、追加抗力を発生させるステップ
    を含み、
    迎え角「AOA」を検知する(310)ステップをさらに含み、決定された偏向を行うステップが、AOAが最大AOA以下であるときに、決定された一以上の飛行制御面の偏向を行うステップを含む、方法。
  7. AOAが初期AOAから最大AOAに変化するときに、決定された一以上の飛行制御面の偏向を比例的にランプアウトさせるステップをさらに含み、初期AOAが最大AOAよりも小さい、請求項6に記載の方法。
  8. 航空機(500)の着陸中に追加抗力を発生させる方法であって、
    少なくとも一つのスロットルレゾルバ角度「TRA」の変化を検知(302)するステップ、
    少なくとも一つのTRAの変化に基づいて一以上の飛行制御面(102〜108)の偏向を決定(310、324)するステップ、及び
    決定された一以上の飛行制御面の偏向を行って(348)、追加抗力を発生させるステップ
    を含み、
    対気速度を検知するステップをさらに含み、決定された偏向を行うステップが、対気速度が初期対気速度閾値以下であるときに、決定された一以上の飛行制御面の偏向を行うステップを含む、方法。
  9. 対気速度が初期対気速度閾値から二次対気速度閾値に変化したときに、決定された偏向を比例的にランプインさせるステップをさらに含み、二次対気速度閾値が初期対気速度閾値よりも小さい、請求項8に記載の方法。
  10. 航空機(500)の着陸中に追加抗力を発生させる方法であって、
    少なくとも一つのスロットルレゾルバ角度「TRA」の変化を検知(302)するステップ、
    少なくとも一つのTRAの変化に基づいて一以上の飛行制御面(102〜108)の偏向を決定(310、324)するステップ、及び
    決定された一以上の飛行制御面の偏向を行って(348)、追加抗力を発生させるステップ
    を含み、
    AOAを検知するステップをさらに含み、決定された偏向を行うステップが、AOAが、スティック・シェーカーが起動する閾値よりも低い初期設定値以下であるときに、決定された一以上の飛行制御面の偏向を行うステップを含む、方法。
  11. AOAが、初期設定値からスティック・シェーカーが起動する閾値よりも低い二次設定値に変化したときに、決定された偏向を比例的にランプアウトさせるステップをさらに含み、初期設定値が二次設定値よりも緩やかである、請求項10に記載の方法。
  12. 構造アセンブリ(502)と、
    構造アセンブリ内部に少なくとも部分的に配置された、追加抗力を発生させるための少なくとも一つのシステム(514)と
    を備える航空機(500)であって、当該システムが、
    少なくとも一つのスロットルレゾルバ角度「TRA」に変化を起こさせる入力コンポーネント(302)と、
    TRAの変化に基づいて一以上の飛行制御面の偏向(102〜108)を決定する決定コンポーネント(310、324)と、
    決定された一以上の飛行制御面の偏向を行って追加抗力を発生させる命令コンポーネント(348)と
    を含み、
    命令コンポーネントが、少なくとも一つのTRAの変化に定格制限時間遅れで応答し、一以上の飛行制御面を偏向させるように構成された、航空機。
  13. 命令コンポーネントが、エルロン(102)、スポイラー(104、106)、及びエレベーター(108)のうちの少なくとも一つを偏向させるように構成された、請求項12に記載の航空機。
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