次に、この発明の実施形態を図1から図4に基づいて説明する。図1は、本発明の実施形態の自動二輪車用の2次電池の充電装置の全体構成を示すシステムブロック図である。図2は、充電装置に備わる診断手段の構成を示すブロック図である。図3は、充電装置に備わる回復充電手段の構成を示すブロック図である。図4は、充電装置に備わる維持充電手段の構成を示すブロック図である。
充電装置1は、AC100Vに設定され家電製品等に交流電流を供給する商用電源100と、自動二輪車に搭載され自動二輪車のヘッドランプ等の補機に直流電流を供給する鉛蓄電池等の2次電池200の間に接続される。商用電源100と充電装置1との接続は、両端にそれぞれ接続コネクタ(図示せず)が設けられた電源接続コード14によってなされ、一方の接続コネクタが商用電源100に電気的に接続され、他方の接続コネクタが、充電装置の筐体(図示せず)に設けられた接続端子16に電気的に接続される。
一方、2次電池200と充電装置1との接続は、両端にそれぞれ接続コネクタ(図示せず)が設けられた電源接続コード15によってなされ、一方の接続コネクタが2次電池200に電気的に接続され、他方の接続コネクタが、充電装置1の筐体(図示せず)に設けられた接続端子17に電気的に接続される。そして、商用電源100からの交流電流が電源接続コード14を経て充電装置1に供給され、充電装置1にて直流電流に変換され、この直流電流が電池接続コード15により2次電池200に供給される。
充電装置1の筐体(図示せず)の外側面には、操作手段8および表示部13が設けられている。ここで、操作手段8には、充電対象となる2次電池の容量を、大容量タイプまたは小容量タイプのいずれか一方を選択する容量選択手段8a、および充電処理の始動または停止を指示する始動停止手段8bが設けられている。
ここで、自動二輪車用の2次電池の定格容量は、自動二輪車に搭載されるヘッドランプ等の補機の消費電力の大きさにより異なり、自動二輪車用の2次電池の定格容量は1Ah程度のものから30Ahを超えるものまである。そのため、充電装置1には、2次電池の定格容量の大小に応じて充電方式を選択的に切り替えることができるよう設計されている。本実施形態では、充電対象の2次電池の定格容量が2Ah以上6Ah以下の小容量タイプか、6.5Ah以上32Ah以下の大容量タイプかを容量選択手段8aにて選択できるようになっている。
さらに、充電装置1の筐体(図示せず)の外側面には、表示部13が設けられている。表示部13は、容量表示部13a、診断表示部13b、回復充電表示部13cおよび維持充電表示部13dを備えている。これらの各表示部13a〜13dは、それぞれ緑色または赤色に光るLEDを備えており、充電対象となる2次電池の容量、充電の可不可、および充電状態等を緑色または赤色に光るLEDにて表示する。
充電装置1の筐体(図示せず)の内部には、容量設定手段9、初期診断手段7、商用電源100からの電流を2次電池200へ供給する供給経路3と、定電流供給手段2、開閉手段4、電圧センサ5、停止手段6、タイマ10および充電制御手段50を備えおり、定電流供給手段2、開閉手段4および停止手段6は、供給経路3に配置されている。
定電流供給手段2は、上述のように供給経路3に配置されており、商用電源100から供給される交流電流を直流電流に変換し、2次電池200に供給する。なお、定電流供給手段2の内容については、後に詳述する。
開閉手段4は、上述のように供給経路3に配置されており、供給経路3の開閉を制御する。電圧センサ5は、2次電池200、初期診断手段7、充電制御手段50に接続されており、開閉手段4により供給経路3が閉ざされている(以下「クローズ」という)ときの2次電池200の充電電圧、又は供給経路3が開かれている(以下「オープン」という)ときの2次電池200の開放電圧を検出し、検出した電圧に対応する電圧信号Vを初期診断手段7および充電制御手段50に供給する。
停止手段は、上述のように供給経路3に配置されており、定電流供給手段2からの2次電池200への直流電流に供給を所定の場合に停止する。
容量設定手段9は、容量表示部13aおよび充電制御手段50に接続されている。容量設定手段9は、容量選択手段8aにより、小容量タイプまたは大容量タイプに選択された2次電池の設定容量に応じた容量信号を発生し、容量表示部13aおよび充電制御手段50に供給する。容量表示部13aは、容量信号に応じ、小容量タイプまたは大容量タイプのいずれかを示す表示をLEDにて行う。一方、充電制御手段50は、容量信号に応じ、充電方式を選択的に切り替える。
初期診断手段7は、開閉手段4、電圧センサ5および停止手段6に接続されている。初期診断手段7は、充電装置1が電源接続コード14にて商用電源100に接続されたときに生じる供給経路3からの接続信号を受け動作し、開閉手段4に供給経路3のオープンを指定し、電圧センサ5が検出する2次電池200の開放電圧を診断する。そして、この開放電圧が、6V未満であるときは、充電対象の2次電池は充電不可であると診断され、初期診断手段7は、停止手段6に対し、定電流供給手段2からの2次電池200への直流電流に供給を停止する指令信号を供給する。
始動停止手段8bは、タイマ10および充電制御手段50に接続されている。始動停止手段8bにて、充電処理の始動が指示されると、その指示信号を受けタイマ10および充電制御手段50が動作する。
タイマ10は、6ヶ月でカウントアップし、経過信号6Mを出力するよう設定されているとともに、充電制御手段50に接続されており、充電処理の始動から6ヶ月が経過すると経過信号6Mを充電制御手段50に供給する。充電制御手段50は、経過信号6Mが供給されると充電処理を停止する。タイマ10には、所定の時間間隔にてインクリメントするカウンタ10a、カウンタ比較手段10bおよびメモリ10cが備えられている。
メモリ10cには、所定の時間間隔にてインクリメントするカウンタ10aが6ヶ月の期間にカウントするカウント値が記憶されている。そして、カウンタ比較手段10bにて、カウンタ10aのカウント値と、メモリ10cに記憶されたカウント値とを比較し、両者が一致した場合に経過信号6Mを生じるよう設定されている。
充電制御手段50は、上述のように容量設定手段9、始動停止手段8bおよびタイマ10に接続されるとともに、定電流供給手段2、開閉手段4、停止手段6および電圧センサ5に接続されている。充電制御手段50は、開閉手段4に供給経路3の開閉を指令し、電圧センサ5からの電圧信号V等に応じ、定電流供給手段2に対し、2次電池200に第1または第2の電流値の直流電流を選択的に種々の時間にて供給するよう指令する。なお、第1または第2の電流値は、容量選択手段8aにより設定される小容量タイプまたは大容量タイプの設定容量に応じ、それぞれ大小2つの電流値に設定される。また、充電制御手段50の構成については、後に詳述する。
定電流供給手段2は、上述のように充電制御手段50に接続されており、スイッチングレギュレータ2a、パルスドライバ2b、電流センサ2c、電流指令手段2d、電流比較手段2eおよびパルス幅変調(以下「PWM」という)指令部2fを備えている。
スイッチングレギュレータ2aは、商用電源100に供給経路3により接続されており、商用電源100から印加されるAC100Vの交流電圧を約DC12Vの直流電圧に変換する。スイッチングレギュレータ2aは、例えば、トランスおよび整流回路を備えており、トランスで電圧を所望の電圧値の交流電圧に降圧し、その後、整流回路にて全波整流または半波整流し、AC100Vの交流電圧を約DC12Vの直流電圧に変換する。
電流指令手段2dは、充電制御手段50および電流比較手段2eに接続されており、受電制御手段50から供給される第1または第2の電流値の電流値指令信号を、電流比較手段2eに供給する。
電流センサ2cは、定電流供給手段2から供給経路3を介して2次電池200に供給される直流電流の電流値を検出する。PWM指令部2fは、パルスドライバ2bに接続されており、パルスドライバ2bに対し、スイッチングレギュレータ2aから印加される直流電圧を所望のデューティのパルス波形の電圧波形とするよう指定する。
電流比較手段2eは、電流指令手段2d、電流センサ2cおよびPWM指令部2fに接続されており、電流比較手段2eは、電流指令手段2dからの電圧値と電流センサ2cからの電圧値との偏差を検出し、その偏差をゼロとなるよう所望のデューティ信号をPWM指令部2fに供給する。
以下、充電制御手段50の構成について詳述する。充電制御手段50は、診断手段20、回復充電手段30および維持充電手段40を備えている。まず、診断手段20の構成について、図2に基づき説明する。診断手段20は、充電対象の2次電池200の充電可能か不可かを判断する。
診断手段20は、診断制御部21、カウンタ22、カウント値比較手段23、カウンタメモリ24、電流値信号出力手段25、電流値メモリ26、電圧値比較手段27および電圧値メモリ28を備えている。
診断制御部21は、始動停止手段8b、容量設定手段9および電圧センサ5に接続され、始動停止手段8bから充電処理の始動または停止の信号が供給され、容量設定手段9から大容量または小容量の容量信号が供給され、電圧センサ5から電圧信号が供給される。
さらに、診断制御部21は、診断表示部13b、開閉手段4、停止手段6、回復充電手段30および電流値信号出力手段25に接続されている。診断制御部21から診断表示部13bには、電圧センサ5から供給される電圧信号等に基づき充電対象の2次電池200が充電可能か不可かが判断され、その判断結果を表示する。
診断制御部21から開閉手段4には、2次電池の充電電圧または開放電圧を検出するために、供給経路3をオープンまたはクローズさせるための信号が供給される。一方、診断制御部21から停止手段6には、充電対象の2次電池200が充電不可と判断された場合に、2次電池200への給電を停止させるための信号が供給される。診断制御部21から電流値信号出力手段25には、第1または第2の電流値を所望の時間供給する旨の指令信号が供給される。
診断制御部21は、カウンタ22およびカウント値比較手段23に接続され、カウント値比較手段23にはカウントメモリ24に接続されている。カウンタ22は、診断制御部21からのカウント開始の指令に基づき所定の時間間隔でインクリメントを行い、診断制御部21からのカウントクリアの指令に基づきカウントクリアを行う。カウンタメモリ24には、カウンタ22が第1の時間の間にカウントする第1カウント値および第2の時間の間にカウントする第2カウント値が記憶されている。
診断制御部21からカウント値比較手段23に、第1乃至第3のカウント値のいずれかのカウント値と、カウンタ22がインクリメントするカウント値とを比較する旨の指令がなされ、カウント値比較手段23が診断制御部21から指令された第1乃至第3のカウント値のいずれかのカウント値とカウンタ22がインクリメントするカウント値とが一致した場合には、その旨の信号がカウント値比較手段23から診断制御部21に供給される。なお、本実施の形態では、第1の時間は10秒間であり、第2の時間は30分間である。
一方、診断制御部21は、上述のように容量設定手段9および電流値信号出力手段25に接続され、電流値信号出力手段25は、電流値メモリ26および電流指令手段2dに接続されている。電流値メモリ26には、第1の電流値として、0.2Aおよび0.08Aが記憶され、第2の電流値として、0.5Aおよび0.3Aが記憶されている。
容量設定手段9にて大容量タイプが選択された場合、診断制御部21は、診断処理のステップに応じ、第1の電流値として0.2Aの電流を出力すべき旨の指令信号を電流値信号出力手段25に供給し、電流値信号出力手段25は電流値メモリ26から0.2Aの電流値を読み出し、電流指令手段2dに供給する。同様に、容量設定手段9にて大容量タイプが選択された場合、診断制御部21は、診断処理のステップに応じ、第2の電流値として0.5Aの電流を出力すべき旨の指令信号を電流値信号出力手段25に供給し、電流値信号出力手段25は電流値メモリ26から0.5Aの電流値を読み出し、電流指令手段2dに供給する。
一方、容量設定手段9にて小容量タイプが選択された場合、診断制御部21は、診断処理のステップに応じ、第1の電流値として0.08Aの電流を出力すべき旨の指令信号を電流値信号出力手段25に供給し、電流値信号出力手段25は電流値メモリ26から0.08Aの電流値を読み出し、電流指令手段2dに供給する。同様に、容量設定手段9にて小容量タイプが選択された場合、診断制御部21は、診断処理のステップに応じ、第2の電流値として0.3Aの電流を出力すべき旨の指令信号を電流値信号出力手段25に供給し、電流値信号出力手段25は電流値メモリ26から0.3Aの電流値を読み出し、電流指令手段2dに供給する。
次に、診断手段20での電圧信号の処理について説明する。診断制御部21は、電圧値比較手段27に接続されており、電圧値比較手段27は、電圧センサ5および電圧値メモリ28に接続されている。電圧値メモリ28には、第1の電圧値および第2の電圧値が記憶されている。
診断制御部21は、診断処理のステップに応じ、電圧センサ5にて検出される2次電池200の電圧信号が、第1乃至第3の電圧値と一致するか否かの比較を電圧値比較手段27に指令する。そして、2次電池200の電圧信号が第1乃至第3の電圧値と一致した場合には、その旨の通知が診断制御部21になされる。なお、本実施形態において第1の電圧値は15Vであり、第2の電圧値は10Vである。
診断手段20の各構成手段等の構成および動作については、上記に説明した通りであり、診断手段20にて充電対象の2次電池200が充電不可であると判断されたときは、停止手段6にて充電を停止し、充電可能であると判断したときは、その旨の信号を回復充電手段30に通知する。本実施形態でこれら各構成手段が診断処理の各ステップに応じ、どのように動作するかについては、後述の動作説明にて詳述する。
次に、回復充電手段30の構成について、図3に基づき説明する。診断手段30は、充電容量の低下した充電対象の2次電池200の充電容量を定格容量に近づける充電動作を行う。
診断手段20は、回復充電制御部31、カウンタ32、カウント値比較手段33、カウンタメモリ34、電流値信号出力手段35、電流値メモリ36、電圧値比較手段37、電圧値メモリ38、ON電圧メモリ38aおよびOFF電圧メモリ38bを備えている。
回復充電制御部31は、診断手段20、容量設定手段9および電圧センサ5に接続され、診断手段20から充電可能の信号が供給され、容量設定手段9から大容量または小容量の容量信号が供給され、電圧センサ5から電圧信号が供給される。
さらに、回復充電制御部31は、回復充電表示部13c、開閉手段4、停止手段6、維持手段40および電流値信号出力手段35に接続されている。回復充電制御部21から回復充電表示部13cには、電圧センサ5から供給される電圧信号等に基づき充電対象の2次電池200の充電状態が判断され、その判断結果を表示する。
回復充電制御部31から開閉手段4には、2次電池の充電電圧または開放電圧を検出するために、供給経路3をオープンまたはクローズさせるための信号が供給される。一方、回復充電制御部31から停止手段6には、充電対象の2次電池200が充電不適と判断された場合に、2次電池200への給電を停止させるための信号が供給される。回復充電制御部31から電流値信号出力手段35には、第1または第2の電流値を所望の時間供給する旨の指令信号が供給される。
回復充電制御部31は、カウンタ32およびカウント値比較手段33に接続され、カウント値比較手段33にはカウントメモリ34に接続されている。カウンタ32は、回復充電制御部31からのカウント開始の指令に基づき予め定められた時間間隔でインクリメントを行い、回復充電制御部31からのカウントクリアの指令に基づきカウントクリアを行う。カウンタメモリ34には、カウンタ32が第3の時間の間にカウントする第3カウント値、第4の時間の間にカウントする第4カウント値および第5の時間の間にカウントする第5カウント値等が記憶されている。
回復充電制御部31からカウント値比較手段33に、第4乃至第6のカウント値等のいずれかのカウント値と、カウンタ22がインクリメントするカウント値とを比較する旨の指令がなされ、カウント値比較手段23が診断制御部21から指令された第4乃至第6のカウント値等のいずれかのカウント値とカウンタ22がインクリメントするカウント値とが一致した場合には、その旨の信号がカウント値比較手段33から回復充電制御部31に供給される。なお、本実施の形態では、第3の時間は約80時間であり、第4の時間は5秒間であり、第5の時間は1分である。
一方、回復充電制御部31は、上述のように容量設定手段9および電流値信号出力手段35に接続され、電流値信号出力手段35は、電流値メモリ36および電流指令手段2dに接続されている。電流値メモリ36には、第1の電流値として、0.2Aおよび0.08Aが記憶され、第2の電流値として、0.5Aおよび0.3Aが記憶されている。
容量設定手段9にて大容量タイプが選択された場合、回復充電制御部31は、回復充電処理のステップに応じ、第1の電流値として0.2Aの電流を出力すべき旨の指令信号を電流値信号出力手段35に供給し、電流値信号出力手段35は電流値メモリ26から0.2Aの電流値を読み出し、電流指令手段2dに供給する。同様に、容量設定手段9にて大容量タイプが選択された場合、回復充電制御部31は、回復充電処理のステップに応じ、第2の電流値として0.5Aの電流を出力すべき旨の指令信号を電流値信号出力手段35に供給し、電流値信号出力手段35は電流値メモリ36から0.5Aの電流値を読み出し、電流指令手段2dに供給する。
一方、容量設定手段9にて小容量タイプが選択された場合、回復充電制御部21は、回復充電処理のステップに応じ、第1の電流値として0.08Aの電流を出力すべき旨の指令信号を電流値信号出力手段25に供給し、電流値信号出力手段35は電流値メモリ36から0.08Aの電流値を読み出し、電流指令手段2dに供給する。同様に、容量設定手段9にて小容量タイプが選択された場合、回復充電制御部31は、回復充電処理のステップに応じ、第2の電流値として0.3Aの電流を出力すべき旨の指令信号を電流値信号出力手段25に供給し、電流値信号出力手段35は電流値メモリ36から0.3Aの電流値を読み出し、電流指令手段2dに供給する。
次に、回復充電手段30での電圧信号の処理について説明する。回復充電制御部31は、電圧値比較手段37に接続されており、電圧値比較手段37は、電圧センサ5、電圧値メモリ38、ON電圧メモリ38aおよびOFF電圧メモリ38bに接続されている。ここで、ON電圧メモリ38aおよびOFF電圧メモリ38bは、それぞれ電圧センサ5に接続されている。
電圧値メモリ28には、予め定められた第3の電圧値および第4の電圧値等が記憶されている。また、ON電圧メモリ38aには、回復処理のステップに応じ、電圧センサ5にて検出される充電電圧(以下「第1参照電圧値」という)が保存され、OFF電圧メモリ38bには、回復処理のステップに応じ、回復処理のステップに応じ、電圧センサ5にて検出される開放電圧(以下「第2参照電圧値」という)が保存される。
回復充電制御部21は、回復充電処理のステップに応じ、電圧センサ5にて検出される2次電池200の電圧信号または第1参照電圧若しくは第2参照電圧が、第4乃至第6の電圧値等と一致するか否かの比較を電圧値比較手段37に指令する。そして、2次電池200の電圧信号または第1参照電圧若しくは第2参照電圧が、第3乃至第4の電圧値等と一致した場合には、その旨の通知が回復充電制御部31になされる。
さらに、回復充電制御部31は、回復充電処理のステップに応じ、第1参照電圧と第2参照電圧との大小の比較を電圧値比較手段37に指令する。そして、その大小の比較結果の通知が回復充電制御部31になされる。なお、本実施形態において、第3の電圧値は、14.6Vであり、第4の電圧値は14.8Vである。
回復充電手段30の各構成手段等の構成および動作については、上記に説明した通りであり、回復充電手段30にて充電対象の2次電池200が定格容量に近づかず充電不適であると判断されたときは、停止手段6にて充電を停止し、定格容量に近づいたときは、その旨の信号を維持充電手段30に通知する。本実施形態でこれら各構成手段が診断処理の各ステップに応じ、どのように動作するかについては、後述の動作説明にて詳述する。
維持充電手段40の構成について、図4に基づき説明する。維持充電手段40は、充電対象の2次電池200の充電容量が、回復充電手段30により定格容量に近づいた2次電池200の充電容量の維持を目的とする。
維持充電手段40は、維持充電制御部41、カウンタ42、カウント値比較手段43、カウンタメモリ44、電流値信号出力手段45、電流値メモリ46、電圧値比較手段47および電圧値メモリ48を備えている。
維持充電制御部41は、回復充電手段30、容量設定手段9、電圧センサ5およびタイマ10に接続され、回復充電手段30から維持充電処理の信号が供給され、容量設定手段9から大容量または小容量の容量信号が供給され、電圧センサ5から電圧信号が供給され、タイマ10から充電処理の開始から6ヶ月が経過した旨を伝える経過信号6Mが供給される。
さらに、維持充電制御部41は、維持充電表示部13d、開閉手段4、停止手段6および電流値信号出力手段45に接続されている。維持充電制御部41から維持充電表示部13dに供給される充電対象の2次電池200が満充電か充電異常かの信判断号に基づき、維持充電表示部13dは、その判断結果を表示する。
維持充電制御部41から開閉手段4には、2次電池の充電電圧または開放電圧を検出するために、供給経路3をオープンまたはクローズさせるための信号が供給される。一方、維持充電制御部41から停止手段6には、充電対象の2次電池200が満充電または充電異常と判断された場合に、2次電池200への給電を停止させるための信号が供給される。維持充電制御部41から電流値信号出力手段25には、第1または第2の電流値を所望の時間供給する旨の指令信号が供給される。
維持充電制御部41は、カウンタ42およびカウント値比較手段43に接続され、カウント値比較手段43にはカウントメモリ44が接続されている。カウンタ42は、維持充電制御部41からのカウント開始の指令に基づき所定の時間間隔でインクリメントを行い、維持充電制御部41からのカウントクリアの指令に基づきカウントクリアを行う。カウンタメモリ44には、カウンタ42が第5の時間の間にカウントする第5カウント値等が記憶されている。
維持充電制御部41からカウント値比較手段43に、第5のカウント値等のいずれかのカウント値と、カウンタ42がインクリメントするカウント値とを比較する旨の指令がなされ、カウント値比較手段43が維持充電制御部41から指令された第7のカウント値等のいずれかのカウント値とカウンタ42がインクリメントするカウント値とが一致した場合には、その旨の信号がカウント値比較手段43から維持充電制御部41に供給される。なお、本実施の形態では、第5の時間は20時間である。
一方、維持充電制御部41は、上述のように容量設定手段9および電流値信号出力手段45に接続され、電流値信号出力手段45は、電流値メモリ46および電流指令手段2dに接続されている。電流値メモリ46には、第1の電流値として、0.2Aおよび0.08Aが記憶されている。
容量設定手段9にて大容量タイプが選択された場合、維持充電制御部41は、維持充電処理のステップに応じ、第1の電流値として0.2Aの電流を出力すべき旨の指令信号を電流値信号出力手段25に供給し、電流値信号出力手段25は電流値メモリ26から0.2Aの電流値を読み出し、電流指令手段2dに供給する。
一方、容量設定手段9にて小容量タイプが選択された場合、維持充電制御部41は、診断処理のステップに応じ、第1の電流値として0.08Aの電流を出力すべき旨の指令信号を電流値信号出力手段25に供給し、電流値信号出力手段25は電流値メモリ26から0.08Aの電流値を読み出し、電流指令手段2dに供給する。
次に、維持充電手段40での電圧信号の処理について説明する。維持充電制御部41は、電圧値比較手段27に接続されており、電圧値比較手段27は、電圧センサ5および電圧値メモリ28に接続されている。電圧値メモリ28には、第5の電圧値、第6の電圧値、第7の電圧値および第8の電圧値が記憶されている。
維持充電制御部41は、診断処理のステップに応じ、電圧センサ5にて検出される2次電池200の電圧信号が、第7乃至第10の電圧値と一致するか否かの比較を電圧値比較手段47に指令する。そして、2次電池200の電圧信号が第7乃至第10の電圧値と一致した場合には、その旨の通知が維持充電制御部41になされる。なお、本実施形態において第5の電圧値は13.8Vであり、第6の電圧値は13.5Vであり、第7の電圧値は13.5Vであり、第8の電圧値は13.2Vである。
維持充電手段40の各構成手段等の構成および動作については、上記に説明した通りであり、維持充電手段40にて充電対象の2次電池200が満充電または充電異常であると判断されたときは、停止手段6にて充電を停止する。本実施形態でこれら各構成手段が診断処理の各ステップに応じ、どのように動作するかについては、後述の動作説明にて詳述する。
次に、商用電源から供給される電流により、自動二輪車用の2次電池の充電を行う本発明の実施形態における充電方法について、図5から図19に基づき説明する。充電対象の自動二輪車用の2次電池は、一般に定格電圧は約12V程度であり、定格容量は、2Ahから35Ah程度のものとなっている。
本実施形態の充電方法は、充電装置1の始動開始の後に行われる2次電池の充電を開始する開始工程(S250、S600)と、開始工程(S250、S600)の後に行われ、2次電池が充電可能か不可かを判断する診断工程(S300、S700)と、診断工程にて2次電池200が充電可能であると判断された場合に診断工程(S300、S700)の後に行われ、2次電池200の容量を定格容量に近づける回復充電工程(S400、S800)と、回復充電工程(S400、S800)の後に行われ、定格容量に近づいた2次電池200の容量を維持する維持充電工程(S500、S550、S900、S950)とを有している。
まず、充電装置1の始動開始について図5に基づき説明する。図5に示すように、充電装置1の本体電源がオフの状態(S000)から、電源接続コード14により商用電源100と充電装置1が電気的に接続されることにより、充電装置1の本体電源はオンとなる(S001)。本体電源がオンとなった後、初期処理が開始される(S002)。
図6は、本実施形態の充電装置1における充電方法を示すメインフローである。初期処理が開始されると(S002)、充電対象の2次電池200の初期診断がなされる(S100)。図7は、初期診断工程を示すフローチャートであり、初期診断は、初期診断手段7によってなされる。
初期診断処理が開始されると(S101)、初期診断手段7は開閉手段4に対し、2次電池200への直流電流の供給経路3を開放するよう指示する(S102)。そして、供給経路3が開放された状態での2次電池200の電圧(以下「開放電圧」という)が測定され(S103)、この開放電圧が6.0V以上であるか否かが判断される(S104)。このように、初期診断では、開放電圧が6.0Vに達しているかを判断することにより、2次電池200と充電装置1を電気的に接続する電池接続コード15により、2次電池200と充電装置1が適切に接続されているか否かも判断される。
その結果、6.0V以上であれば初期診断で充電可能であると判断され、容量設定が容認される(S150)。一方、6.0V未満であれば初期診断で充電不可と判断され、初期診断手段7から停止手段6に対し充電の停止を指令し、停止手段6により2次電池200への充電が停止される(S1000)。
容量設定(S150)は、容量選択手段8aおよび容量設定手段9にてなされ、充電対象の2次電池の定格容量が2Ah以上6Ah以下の小容量タイプか、6.5Ah以上32Ah以下の大容量タイプかを容量選択手段8aにて選択できるようになっており、いずれかを選択した旨の信号が容量設定手段9に供給される(S200)。
容量設定(S150)にて大容量タイプが選択されるとともに、始動停止手段8bにより第1の充電処理の開始が指示されると(S250)、大容量の2次電池に対応した診断工程(S300)、回復充電工程(S400)、第1の維持充電工程(S500)又は第2の維持充電工程(S550)の処理が順に行われる。
一方、容量設定(S150)にて小容量タイプが選択されるとともに、始動停止手段8bにより第1の充電処理の開始が指示されると(S600)、小容量の2次電池に対応した診断工程(S700)、回復充電工程(S800)、第1の維持充電工程(S900)又は第2の維持充電工程(S950)の処理が順に行われる。
まず、容量設定手段(S150)にて大容量タイプが選択された場合の充電方法について、2次電池200の充電を開始する開始工程(S250)、診断工程(S300)、回復充電工程(S400)、維持充電工程(S500)又は第2の維持充電工程(S550)のそれぞれにつき、順を追って説明する。
図8は、大容量タイプが選択された場合に充電装置1にて行われる診断工程(S300)を示すフローチャートである。診断工程(S300)は、第1の診断工程(S311からS316)および第2の診断工程(S321からS326)を備えている。診断処理が開始されると(S301)、まず、予め定められた6ヶ月(所定の期間)をカウントするタイマ10の始動処理がなされる(S302)。その後、第1の診断断工程(S311からS316)から順に、第2の診断工程(S321からS326)が行われる。
第1の診断工程(S311からS316)では、まず、診断制御部21からの指令によりカウンタ22がカウント値「1」にセットされる(S311)。次に、診断制御部21からの指令により、定電流供給手段2から2次電池200に対し、0.2A(第1の電流値)の直流電流が1秒間供給され(S312)、2次電池200の充電電圧を測定する(S313)。そして、測定された充電電圧が定格電圧の約12V程度よりも大きい15.5V(第1の電圧値)以上であるか否か判断される(S314)。その結果、15.5V以上である場合には、2次電池の内部抵抗が大きいとして、充電不可と判断され充電停止(S1000)となる。
一方、15V未満であるときは、カウンタ22のカウント値が「5」であるかが判断され(S315)、カウント値が「5」でない場合には、カウント値を「1」増やす処理がなされる(S316)。その後、再び、2次電池200に対し、0.2A(第1の電流値)の直流電流を0.1秒間供給し(S312)、2次電池200の充電電圧が測定するとともに(S313)、測定された充電電圧が15V(第1の電圧値)以上であるか否か判断される(S314)。
よって、2次電池200の充電電圧が15.5V(第1の電圧値)未満あれば、カウンタ22のカウント値が「5」となるまで、上記の処理が繰り返される。すなわち、2次電池200には、最大0.5秒間(=0.1秒間×5)(第1の時間)0.2Aの直流電流が供給され、10秒間の電流供給において充電電圧が15V未満であれは、以下の第2の診断工程(S321からS326)へと進む。
本実施の形態では、第1の診断工程(S311からS316)は、1回となっているが、第1の診断工程(S311からS316)を行った後に、直流電流の供給を10秒間停止し、その後、再度第1の診断工程(S311からS316)を行ってもよく、その後、さらに、直流電流の供給を10秒間停止し、再度第1の診断工程(S311からS316)を行ってもよい。すなわち、第1の診断工程(S311からS316)を2回または3回繰り返したのちに、以下の第2の診断工程(S321からS326)へと進んでもよい。
第2の診断工程(S321からS326)では、まず、診断制御部21からの指令によりカウンタ22がカウント値「1」にセットされる(S321)。次に、診断制御部21からの指令により、定電流供給手段2から2次電池200に対し、0.7A(第2の電流値)の直流電流が5秒間供給され(S322)、2次電池200の充電電圧を測定する(S323)。そして、測定された充電電圧が定格電圧の約12V程度よりも小さい10V(第2の電圧値)以上であるか否か判断される(S324)。その結果、10V以上である場合には、第2の診断工程(S321からS326)では、充電可能であると診断し、回復充電工程(S400)へと進む。
一方、10V未満であるときは、カウンタ22のカウント値が「360」であるかが判断され(S325)、カウント値が「360」でない場合には、カウント値を「1」増やす処理がなされる(S326)。その後、再び、2次電池200に対し、0.7A(第2の電流値)の直流電流を5秒間供給し(S312)、2次電池200の充電電圧が測定されるとともに(S333)、測定された充電電圧が10V(第2の電圧値)以上であるか否か判断される(S334)。
よって、2次電池200の充電電圧が10V(第1の電圧値)未満あれば、カウンタ22のカウント値が「360」となるまで、上記の処理が繰り返される。すなわち、2次電池200には、最大30分間(=5秒間×360)(第2の時間)0.7Aの直流電流が供給され、30分間の電流供給においても充電電圧が10V以上となれば、充電可能であると診断され、以下の第2の診断工程(S321からS326)へと進む。一方、30分間の電流供給においても充電電圧が10V以上とならなければ、充電不可と判断され充電停止(S1000)となる。
本発明の実施形態では、第2の診断工程(S321からS326)で起電力の低下した2次電池であるか否か判断するのに加え、第1の診断工程(S311からS316)により、例えば、2次電池の電極表面に生じるサルフェーション等により、内部抵抗が所定以上増加した2次電池か否かの判断もされる。そのため、充電対象の2次電池の充電可否の診断がより確実に行える。
次に、回復充電工程(S400)について、図9および図10に基づき説明する。図9および図10は、回復充電工程(S400)の処理を示すフローチャートである。回復充電工程(S400)は、充電工程(S411からS416)、第1の保存工程(S421からS423)、第2の保存工程(S432からS434)、第1の判断工程(S435)、第2の判断工程(S437)、第1の反復工程(R1)、第3の保存工程(S443からS444)および第2の反復工程(R2)を備えている。
回復充電工程が開始されると(S401)、充電工程(S411からS416)が行われる。充電工程(S411からS416)では、まず、回復充電制御部31からの指令により、カウンタ32がカウント値「1」にリセットされる。次に、回復充電制御部31からの指令により、定電流供給手段2から2次電池200に対し、0.7A(第2の電流値)の直流電流が5秒間供給され(S412)、5秒経過時に2次電池200の充電電圧が測定される(S413)。そして、測定された充電電圧が14.6V(第3の電圧値)以上であるか否か判断される(S414)。その結果、14.6V(第3の電圧値)以上である場合には、2次電池200の充電容量が、充電工程(S411からS416)にて設定する所望の充電容量に達したと判断し、第1の保存工程(S421からS423)へと進む。
一方、14.6V(第3の電圧)未満であるときは、カウンタ32のカウント値が「59000」であるかが判断され(S415)、カウント値が「59000」でない場合には、カウント値を「1」増やす処理がなされる(S416)。その後、再び、2次電池200に対し、0.7A(第2の電流値)の直流電流を5秒間供給し(S412)、5秒経過後に2次電池200の充電電圧が測定されるとともに(S413)、測定された充電電圧が10V(第2の電圧値)以上であるか否か判断される(S414)。
このように、2次電池200の充電電圧が14.6V(第3の電圧値)未満あれば、カウンタ32のカウント値が「59000」となるまで、上記の処理が繰り返される。すなわち、2次電池200には、最大約82時間(≒5秒間×59000)(第3の時間)0.7Aの直流電流が供給され、約82時間(第3の時間)の電流供給において、充電電圧が14.6V(第3の電圧値)以上となれば、充電工程(S411からS416)にて設定する所望の充電容量に達したと判断し、第1の保存工程(S421からS423)へと進む。一方、約80時間(第3の時間)の電流供給においても充電電圧が14.6V(第3の電圧)以上とならなければ、充電工程(S411からS416)にて設定する所望の充電容量に達せず、充電不適と判断され充電停止(S1000)となる。
第1の保存工程(S421からS423)では、回復充電制御部31から開閉手段4に供給経路3の開放を指令し、開放後5秒経過時に(S421、S422)、開放電圧が電圧センサ5にて計測される(S423)。そして、計測された開放電圧がOFF電圧メモリ38bに第1参照電圧(DATA1)として保存される(S423)。
第1の保存工程(S421からS423)に引き続き、第1参照電圧が13.5V以上であるか否かが判断される(S424)。ここで、第1参照電圧が13.5V未満である場合には、第2の維持充電工程(S550)に進む。一方、第1参照電圧が13.5V以上である場合には、第2の保存工程(S432からS434)へと進む。
第2の保存工程(S432からS434)の処理に先立ち、まず、回復充電制御部31にカウンタ32のカウント開始を指令する。第2の保存工程(S432からS434)では、回復充電制御部31からの指令により、定電流供給手段2から2次電池200に対し、0.2A(第1の電流値)の直流電流が5秒間供給され(S432)、5秒経過時の2次電池200の充電電圧を測定する(S433)。そして、計測された充電電圧がON電圧メモリ38aに第2参照電圧(DATA2)として保存される(S434)。
第2の保存工程(S432からS434)にて保存された第2参照電圧(DATA2)は、第1の判断工程(S435)にて、14.8V(第4の電圧値)以上であるか否か判断される。第1の判断工程(S435)にて、14.8V(第4の電圧値)以上であると判断された場合には、回復充電工程(S400)にて設定する所望の充電容量に達したと判断され、第1の維持充電工程(S500)へと進む。
一方、第1の判断工程(S435)にて、14.8V(第4の電圧値)未満であると判断された場合には、第1aの判断工程(S436)にて、第2参照電圧(DATA2)が14.0V以上であるか否か判断される。第1aの判断工程(S436)にて、第2参照電圧(DATA2)が14.0V以上であると判断された場合には、第2の判断工程(S437)へと進む。一方、第2参照電圧(DATA2)が14.0V未満であると判断された場合には、カウンタ32のカウント値は「1」にリセットされ(S441、S442)、
第2の判断工程(S437)では、開放電圧である第1参照電圧と、開放後の充電電圧である第2参照電圧の大小が比較される。ここで、第2参照電圧が第1参照電圧よりも大きいと判断されたときは、第2aの判断工程(S438)へと進む。一方、第2参照電圧が第1参照電圧以下であると判断されたときは、上記と同様に、カウンタ32のカウント値は「1」にリセットされ(S441、S442)、第3の保存工程(S444からS448)へと進む。
このように、第1aの判断工程(S436)にて、第2参照電圧(DATA2)が14.0V以上であると判断され、かつ、第2の判断工程(S437)にて、第2参照電圧(DATA2)が第1参照電圧(DATA1)よりも大きいと判断された場合には、第2aの判断工程(S438)へと進み、カウント時間が1時間以上であるか否か判断される。
ここで、カウント時間が1時間未満であるときは、第1の反復工程(R1)により、再度、第2の保存工程(S432からS434)および第1の判断工程(S435)が行われる。そして、第1の判断工程(S435)にて、第2参照電圧が14.8V(第4の電圧値)以上であれば、第1の維持充電工程(S500)へと進み、第2参照電圧が14.8V(第4の電圧値)未満であれば、再度、第1aの判断工程(S436)へと進む。
このように、第1aの判断工程(S436)にて、第2参照電圧(DATA2)が14.0V以上であると判断され、かつ、第2の判断工程(S437)にて、第2参照電圧(DATA2)が第1参照電圧(DATA1)よりも大きいと判断された場合には、0.2A(第1の電流値)の直流電流を2次電池200に供給することを継続することで、回復充電工程(S400)にて設定する所望の充電容量に達する可能性が高いものとし、これらの工程(S432からS438)が1時間のカウント時間繰り返される。
しかしながら、これらの工程(S432からS438)を1時間のカウント時間繰り返しても、第1の判断工程(S435)にて、第2参照電圧が、14.8V以上とならない場合には、回復充電工程(S400)を終了し、第1の維持充電工程(S500)へと進む。
第1aの判断工程(S436)で第2参照電圧が14.0V未満であると判断され、または、第2の判断工程(S437)で第2参照電圧が第1参照電圧以下であると判断された場合には、上述のようにカウンタ32のカウント値は「1」にリセットされ(S441、S442)、第3の保存工程(S444からS448)へと進む。
第3の保存工程(S443からS448)では、回復充電制御部31からの指令により、定電流供給手段2から2次電池200に対し、0.7A(第2の電流値)の直流電流が1分間(第5の時間)供給される(S443)。そして、供給後5秒経過したのちの2次電池200の開放電圧が電圧センサ5により測定される(S444、S445)。その開放電圧を新たな第1参照電圧としてOFF電圧メモリ38bに保存される(S446)。
この第3の保存工程(S443からS448)は、カウンタ32のカウント値が「300」となるまで、繰り返される(S447、S448、R2)。すなわち、再度、0.7A(第2の電流値)の直流電流を1分間(第5の時間)供給した(S443)のちに再度計測される新たな第2参照電圧が、14.0Vを超えない場合(S435、S436)や、新たな第2参照電圧が新たな第1参照電圧よりも小さい場合(S437)には、第3の保存工程(S443からS448)は、カウンタ32のカウント値が「300」となるまで、繰り返されることになる(S447、S448、R2)。
上記の第3の保存工程(S443からS448)をカウンタ32のカウント値が「300」となった場合には(S447)、第2参照電圧が13.8V以上であるか否かが判断される(S449)。その結果、第2参照電圧が13.8V以上であれば回復充電工程(S400)から第1の維持充電工程(S500)へと進む。一方、第2参照電圧が13.8V未満であれば回復充電工程(S400)を終了するとともに、充電停止となる(S1000)。
本発明の実施形態の回復充電工程(S400)では、第1参照電圧と第2参照電圧の電圧値の比較等を行うことにより、充電電圧のみでなく、開放電圧も用いて、2次電池の充電状態の良否を判別することとしている。そのため、2次電池の充電状態を判断を確実に実行することができる。
次に、第1及び第2の維持充電工程(S500、S550)について、図10及び図11に基づき説明する。図10及び図11は、第1及び第2の維持充電工程(S500、S550)の処理を示すフローチャートである。ここで、第2の維持充電工程(S550)は、第1の維持充電工程(S500)よりも低い電圧値での維持充電を目的とする。
本発明の実施形態では、第1の維持充電工程(S500)は、充電工程(S411からS416)後の開放電圧である第1参照電圧が13.5V以上である場合に行われる(S424)。一方、第2の維持充電工程(S500)は、充電工程(S411からS416)後の開放電圧である第1参照電圧が13.5V未満であるかに行われる(S424)。
すなわち、充電工程(S411からS416)により充電電圧が14.6V(第3の電圧値)以上となるまで充電された2次電池200のうち、この充電後の開放電圧が13.5V以上とならない2次電池200は、充電能力が若干劣るもと判断され、第1の維持充電工程(S500)よりも低い電圧値での維持充電を目的とする第2の維持充電工程(S550)にて、維持充電がなされる。以下、第1の維持充電工程(S500)から説明する。
第1の維持充電処理が開始されると(S501)、維持充電制御部41からカウンタ42にカウント開始が指令され(S511)、引き続き第1の継続充電工程(S512、S513、S515、S516)が行われる。まず、維持充電制御部41からの指令により、定電流供給手段2から2次電池200に対し、0.2A(第1の電流値)の直流電流が0.5秒間供給される(S512)。そして、0.5秒経過時の2次電池200の充電電圧が電圧センサ5により測定され(S513)、充電電圧が13.8V(第5の電圧値)以上であるか否かが判断される(S515)。
ここで、充電電圧が13.8V(第5の電圧値)未満であれば、カウンタ42がカウントする時間が20時間(第6の時間)を越えるか否か判断され(S516)、20時間(第6の時間)を越えない場合には、再度、0.2A(第1の電流値)の直流電流が0.5秒間供給され(S512)とともに、充電電圧が13.8V(第5の電圧値)以上であるか否かが判断される(S515)。一方、充電電圧が13.8V(第5の電圧値)未満にもかかわらず、カウンタ42がカウントする時間が20時間(第6の時間)を越えたと判断された場合には(S516)、充電不適と判断され充電停止となる(S1000)。
第1の継続充電工程(S512、S513、S515、S516)の充電電圧の測定工程(S513)の後には、第4の判断工程(S514)が行われる。第4の判断工程(S514)では、診断工程(S300)が開始された後にカウントを開始した(S302)タイマ10が、6ヶ月の期間をカウントした否かが判断され、6ヶ月経過した場合には、第1の維持充電工程(S500)を停止するとともに充電停止(S1000)とする。
第1の継続充電工程(S512、S513、S515、S516)で充電電圧が13.8V(第5の電圧値)以上であると判断された場合には(S515)、維持充電制御部41から開閉手段4に対し、供給経路3の開放を指示し、開放後5秒経過した後の開放電圧が電圧センサ5にて測定される(S521、S552)。そして、測定された開放電圧が、第1の継続充電工程(S512、S513、S515、S516)で判断される13.8Vよりも小さい13.5V(第6の電圧値)以上であるか否かが、第3の判断工程(S524)にて判断される。
第3の判断工程(S524)で、開放電圧が13.5V(第6の電圧値)以上であると判断されたときは、さらなる給電は行わず第1の維持充電工程(S500)を終了するとともに、充電を停止する(S1000)。一方、第3の判断工程(S524)で、開放電圧が13.5V(第6の電圧値)未満であると判断されたときは、カウンタ42をリセットするとともに(S511)、再度、第1の継続充電工程(S512、S513、S515、S516)を行い、充電電圧が13.8V(第5の電圧値)以上となるのを目指す。
ここで、第3の判断工程(S524)の処理の前にも、第4の判断工程(S523)が行われ、診断工程(S300)が開始された後にカウントを開始した(S302)タイマ10が、6ヶ月の期間をカウントした否かが判断され、6ヶ月経過した場合には、第1の維持充電工程(S500)を停止するとともに充電停止(S1000)とする。
次に、第2の維持充電工程(S550)について説明する。上述のように、第2の維持充電工程(S550)は、充電工程(S411からS416)により充電電圧が14.6V(第3の電圧値)以上となるまで充電された2次電池200のうち、この充電後の開放電圧が13.5V以上とならない2次電池200を、充電能力が若干劣るもと判断し、第1の維持充電工程(S500)よりも低い電圧値での維持充電を目的とするものである。
第2の維持充電処理が開始されると(S551)、維持充電制御部41からカウンタ42にカウント開始が指令され(S561)、引き続き第2の継続充電工程(S562、S563、S565、S566)が行われる。まず、維持充電制御部41からの指令により、定電流供給手段2から2次電池200に対し、0.2A(第1の電流値)の直流電流が0.5秒間供給される(S562)。そして、0.5秒経過時の2次電池200の充電電圧が電圧センサ5により測定され(S563)、充電電圧が13.5V(第7の電圧値)以上であるか否かが判断される(S565)。
上述のように、第2の維持充電工程(S550)では、第1の維持充電工程(S500)よりも低い電圧値での維持充電を目的とするものである。そのため、第1の維持充電工程(S500)では、0.2A(第1の電流値)の直流電流が0.5秒間供給した後(S512)に、13.8V(第5の電圧値)以上となるか判断されたのに対し、第2の維持充電工程(S550)では、13.8V(第5の電圧値)よりも小さい、13.5V(第7の電圧値)以上であるか否かが判断される(S565)。
ここで、充電電圧が13.5V(第7の電圧値)未満であれば、カウンタ42がカウントする時間が20時間(第6の時間)を越えるか否か判断され(S566)、20時間(第6の時間)を越えない場合には、再度、0.2A(第1の電流値)の直流電流が0.5秒間供給され(S562)とともに、充電電圧が13.5V(第7の電圧値)以上であるか否かが判断される(S565)。一方、充電電圧が13.5V(第7の電圧値)未満にもかかわらず、カウンタ42がカウントする時間が20時間(第6の時間)を越えたと判断された場合には(S566)、充電不適と判断され充電停止となる(S1000)。
第2の継続充電工程(S562、S563、S565、S566)の充電電圧の測定工程(S563)の後には、第6の判断工程(S564)が行われる。第6の判断工程(S564)では、診断工程(S300)が開始された後にカウントを開始した(S302)タイマ10が、6ヶ月の期間をカウントした否かが判断され、6ヶ月経過した場合には、第2の維持充電工程(S550)を停止するとともに充電停止(S1000)とする。
第2の継続充電工程(S562、S563、S565、S566)で充電電圧が13.5V(第7の電圧値)以上であると判断された場合には(S565)、維持充電制御部41から開閉手段4に対し、供給経路3の開放を指示し、開放後5秒経過した後の開放電圧が電圧センサ5にて測定される(S571、S572)。そして、測定された開放電圧が、第2の継続充電工程(S562、S563、S565、S566)で判断される13.5Vよりも小さい13.2V(第8の電圧値)以上であるか否かが、第5の判断工程(S574)にて判断される。
ここでも、第2の維持充電工程(S550)では、第1の維持充電工程(S500)よりも低い電圧値での維持充電を目的とするものであるため、第1の維持充電工程(S500)では、0.2A(第1の電流値)の直流電流が0.5秒間供給した後(S512)に、13.5V(第6の電圧値)以上となるか判断されたのに対し、第2の維持充電工程(S550)では、13.5V(第6の電圧値)よりも小さい、13.2V(第8の電圧値)以上であるか否かが判断される(S565)。
第5の判断工程(S574)で、開放電圧が13.2V(第8の電圧値)以上であると判断されたときは、さらなる給電は行わず第2の維持充電工程(S550)を終了するとともに、充電を停止する(S1000)。一方、第5の判断工程(S574)で、開放電圧が13.2V(第8の電圧値)未満であると判断されたときは、カウンタ42をリセットするとともに(S561)、再度、第2の継続充電工程(S562、S563、S565、S566)を行い、充電電圧が13.5V(第7の電圧値)以上となるのを目指す。
ここで、第5の判断工程(S574)の処理の前にも、第6の判断工程(S573)が行われ、診断工程(S300)が開始された後にカウントを開始した(S302)タイマ10が、6ヶ月の期間をカウントした否かが判断され、6ヶ月経過した場合には、第2の維持充電工程(S550)を停止するとともに充電停止(S1000)とする。
本発明の実施形態では、充電電圧が13.8V(13.5V)以上、かつ、開放電圧が13.5V(13.2V)以上となるまでは、基本的に6ヶ月の長期間にわたり維持充電工程(S500、S550)が行われる。このため、自動二輪車が長期にわたり放置されたときに生じる、2次電池は長期にわたる自然放電を補うことができる。そのため、回復充電(S400)により回復した充放電能力を、長期間にわたり維持することが可能となる。
これにより、自然放電により2次電池の充放電能力が低下し、充放電能力の経時劣化により使用不能となることを適切に防止することができる。
本発明の実施形態では、上述のように充電対象の2次電池の定格容量が2Ah以上6Ah以下の小容量タイプか、6.5Ah以上32Ah以下の大容量タイプかを容量選択手段8aにて選択できるようになっている。
大容量タイプが選択された場合に引き続き、以下、容量設定手段(S150)にて小容量タイプが選択された場合の充電方法について説明する。図13から図17は、小容量タイプが選択された場合の充電方法を示すフローチャートであり、図13から図17に基づき小容量タイプが選択された場合の充電方法について説明する。
小容量タイプが選択された場合には、2次電池200の充電を開始する開始工程(S600)、診断工程(S700)、回復充電工程(S800)、維持充電工程(S900)又は第2の維持充電工程(S950)が順を追ってなされる。
ここで、大容量タイプが選択された場合の開始工程(S250)と小容量タイプが選択された場合の開始工程(S600)は同一の処理であり、大容量タイプが選択された場合の診断工程(S300)、回復充電工程(S400)、維持充電工程(S500、S550)と、小容量タイプが選択された場合の診断工程(S700)、回復充電工程(S800)、維持充電工程(S900、S950)も、定電流供給手段2から2次電池200に供給される直流電流の電流値以外は同一である。
従って、大容量タイプが選択された場合と小容量タイプが選択された場合に定電流供給手段2から2次電池200に供給される直流電流の電流値について説明し、その他の処理内容については説明を省略する。
大容量タイプが選択された場合には、定電流供給手段2から、第1の電流値として0.2A、第2の電流値として0.7Aの直流電流が、2次電池200に供給されるよう設定されている。一方、小容量タイプが選択された場合には、大容量タイプの2次電池に比較し充電対象の2次電池の充電容量が小さくなるため、大容量タイプと同様の電流値の直流電流を供給するよりも、電流値の小さい直流電流を供給したほうが、適切に診断および充電を行うことができる。
そこで、小容量タイプが選択された場合には、第1の電流値として0.08A、第2の電流値として0.3Aの直流電流を供給されるよう設定されている(S700、S800、S900、S950)。