JP5495213B2 - 水底部の溶存酸素量増加方法及びその装置 - Google Patents

水底部の溶存酸素量増加方法及びその装置 Download PDF

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本発明は、運河や港の水質浄化に関するものであり、詳しくは、一日に二回繰り返す満潮、干潮による潮位変化を利用して、運河や港の水底部の溶存酸素量を増加させ、ひいては、好気性菌の活躍を促して、水質を改善する方法及びその装置に関するものである。
従来より、電気やエンジンなどの動力を使って、水ポンプを駆動し、吸い込み側で、水とともに空気を吸い込むか、ないしは、吐き出し側で、吐出通路の一部を絞り、部分的に流速を速め、その結果、ベルヌーイの定理に沿って、その部分の圧力を大気圧より下げて空気を吸い込ませる装置や技術があった。そして、このような空気を含有する水を供給することにより、水の溶存酸素量を増加させる方法及び装置が考えられていた。
更に、気泡を含有する水の気泡を、剪断して細かな気泡とし、これを水中に放出し、溶存酸素量を増やそうとする方法があった。この方法では、細かい気泡故に水中滞在時間が増加し、細かい気泡故に表面積が増え、水へ溶け込む酸素量が増えるという利点がある。
しかし、これらの技術は、電気やエンジンなどの外部動力を必要とし、面積の広い運河や港の水底部の溶存酸素量を増加させるために、空気や細かい気泡を含有する水を供給し続けるためには膨大なエネルギーを消費する、という欠点を抱えている。
そこで、特許文献1に記載のように、満潮時にタンク上部から水面近くの水を取水して、干潮時には礫からなる浄化領域を通過させて、下部から水底部へ放出し、水を浄化する技術が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の技術は、浮遊物を除去して、水質浄化を図ろうとするものであって、水底部の溶存酸素量の増加を目的とするものではなかった。
更に、特許文献1記載の技術を、港や港湾に近い運河、即ち汽水域に適用しようとすると、汽水域では、上層部と下層部の比重差により、溶存酸素量が豊富な水は下層部に留まらず上昇してしまうため、水面近くの水を取水したのでは、溶存酸素量の不足している水底部の水を取水した場合と比較して、溶存酸素量の増加効率が良いものではなかった。効率的に溶存酸素量を増加させるには、溶存酸素量が少ない水が位置する水底部付近の水を対象とすべきである。
特許第2729506号公報
近年、特に都市部の運河や港は流入する富栄養化分の増加が、自然が有する浄化能力をはるかに超えてしまい、運河や港の水質は悪化の一途を辿っている。
本来、水中には有機物を分解する能力を有する好気性菌が存在しているが、上記のように悪化した水底部は貧酸素状態にあり、酸素が存在する条件下でのみ活動する好気性菌は、その活動を停止してしまっている。
冬季は、大気と接している水表面は溶存酸素量が豊富であり、大気に冷やされて比重を増し、水底部へ動き、こうして表面と水底部で自然に対流現象が起きて、水底部は溶存酸素量が豊富であり、運河も港も、あるいは一般河川湖沼の水質も比較的きれいである。
しかし、夏季は、溶存酸素量の豊富な表面水は太陽熱で熱せられ、比重は軽くなり、表面と水底部との対流は起きず、水底部は貧酸素状態のままであり、その結果、水性植物や魚介類は生存できなくなり、富栄養化分が堆積してヘドロと化し、硫化水素などの悪臭を放つことになる。
そこで、本発明は、溶存酸素量の不足している水底部の水を取水し、溶存酸素量を増加させた後、水底部へと戻すことにより、増加効率が良い溶存酸素量増加方法及びその装置を提供しようとする。
更に、潮位変化という自然エネルギーを利用して、水底部の溶存酸素量を増加させることを課題としている。現代社会は省エネということが大きな社会的課題になっている。その一方で自然を取り戻すべく種々の努力がなされている。本発明はその両方の課題を解決するものである。
その上、汽水域においては上層部と下層部の塩分濃度による比重差を考慮せねばならないが、本発明は水底部の水を取水し、水底部に還す、ということでこの問題をクリアーしている。比重差は、温度によっても生じるが、吸い上げた水が太陽熱で熱せられて比重が軽くなっても、満潮から干潮に至る時間はおよそ6時間かかり、導水路(例えばパイプ)を通して、水底部に至る過程で、導水路の内外で十分に熱交換され、温度差による比重差の問題もクリアーできている。
上記課題を解決するため、第1の発明は、潮位変化のある運河や港で潮位変化を利用した該運河や港の水底部の溶存酸素量増加方法に次の手段を採用する。
第1に、干潮時水位と満潮時水位の間に設置されると共に上部が大気開放とされた貯水槽と、該貯水槽の底面又は側面下端部と前記潮位変化のある運河や港の水底部付近に設けられた取排水口とを連結する導水通路とを有する。
第2に、干潮時水位より満潮時水位への潮位変化により、前記水底部付近の水を前記貯水槽内に導き、該貯水槽内の水の溶存酸素量を増加させた後、満潮時水位より干潮時水位への潮位変化により前記貯水槽内で溶存酸素量を増加させられた水を前記導水通路を通じて前記水底部付近に放出する。
第2の発明は、第1の発明に、上記貯水槽が、上記運河や港の堰堤に並行して水底部に達するよう築かれた並行隔壁と、該並行隔壁の両端を閉じる閉鎖隔壁で形成されると共に、導水通路が、前記貯水槽の並行隔壁の底面又は側面下端部と上記潮位変化のある運河や港の水底部付近に設けられた取排水口とを連結して設けられたものであることを付加した水底部の溶存酸素量増加方法とする。
第3の発明は、潮位変化のある運河や港で潮位変化を利用した該運河や港の水底部の溶存酸素量増加装置に次の手段を採用する。
第1に、干潮時水位と満潮時水位の間に設置されると共に上部が大気開放とされた貯水槽と、該貯水槽の底面又は側面下端部と前記潮位変化のある運河や港の水底部付近に設けられた取排水口とを連結する導水通路とを有する。
第2に、干潮時水位より満潮時水位への潮位変化により、前記水底部付近の水を前記貯水槽内に導き、該貯水槽内の水の溶存酸素量を増加させた後、満潮時水位より干潮時水位への潮位変化により前記貯水槽内で溶存酸素量を増加させられた水を前記導水通路を通じて前記水底部付近に放出する。
第4の発明は、第3の発明に、上記貯水槽が、溶存酸素量増加用補助装置を併設されたものであることを、付加した水底部の溶存酸素量増加装置であって、該溶存酸素量増加用補助装置が、次の構成を有する。
第1に、前記貯水槽と同様、干潮時水位と満潮時水位の間に設置され、下面が開放で、上部が閉鎖されたシリンダーと、該シリンダーの閉鎖上部に吸気用チェック弁と排気用チェック弁を介して連結される気泡吐出パイプとを有する。
第2に、該気泡吐出パイプの先端に形成された気泡発生部を、前記貯水槽内に位置させ、満潮時水位より干潮時水位への潮位変化により、シリンダー内の空気が負圧化され、吸気用チェック弁の動作によりシリンダー内に吸気し、干潮時水位より満潮時水位への潮位変化により、シリンダー内の空気が圧縮され、排気用チェック弁の動作により圧縮された空気を前記貯水槽内に吐出する。
第5の発明は、第3の発明に、上記貯水槽が、溶存酸素量増加用補助装置を併設されたものであることを、付加した水底部の溶存酸素量増加装置であって、該溶存酸素量増加用補助装置が、次の構成を有する。
第1に、上記貯水槽の近傍に設置されるシリンダー式エアーポンプと、該シリンダー式エアーポンプ上方に伸びるシリンダーロッドに装着され、干潮時水位と満潮時水位の間を移動可能に設置された浮力体兼用錘と、該シリンダー式エアーポンプの圧縮室と吸気用チェック弁と排気用チェック弁を介して連結される気泡吐出パイプとを有する。
第2に、該気泡吐出パイプの先端には気泡発生部を形成すると共に該気泡発生部を、前記貯水槽内底面付近に位置させて配置し、干潮時水位より満潮時水位への潮位変化により、前記浮力体兼用錘は浮力により水位と共に上昇し、前記シリンダーロッドを押し上げ、圧縮室内を負圧化し、吸気用チェック弁を動作させて、前記圧縮室内に空気を吸気し、満潮時水位より干潮時水位への潮位変化により、前記浮力体兼用錘は自重により水位と共に下降し、前記シリンダーロッドを押し下げ、圧縮室内の空気を圧縮し、前記気泡吐出パイプを通じて前記気泡発生部より前記貯水槽内に気泡を吐出する。
本発明は、一日に二回起こる潮の干満という自然現象、自然エネルギーを用いて、水底部の水を取水し、溶存酸素量を増加させた後、貧酸素状態の水底部に戻すので、有効に溶存酸素量の増加を図ることができる。特に水表面と水底部との間に対流現象が起きない夏季の貧酸素状態にある水底部へ、溶存酸素量の豊富な水を供給する場合に効果が大である。
特筆すべき点は、汽水域の比重差を考慮している点である。汽水域においては川からの水と海の水が、塩分濃度による比重差で上層水と下層水は交わることなく、二層を形成している。このことから、潮位差を利用して上層水を下層部へ放出しても折角の溶存酸素量豊富な水も上層へ昇ってしまう、ということになる。しかし、本発明では、水底部の水(比重の大きい水)を、貯水槽に引き込み、空気と接触させて溶存酸素量を増し、水底部(比重の大きい水の位置する部分)へ放出するので、前記汽水域の問題をクリアーすることができる。
第1実施例に係る溶存酸素量増加装置の側面断面説明図であり、(A)は満潮時を示し、(B)は干潮時を示す。 第2実施例に係る溶存酸素量増加装置の断面説明図で、(A)は、平面断面説明図であり、(B)は、同側面断面説明図である。 第3実施例に係る溶存酸素量増加装置の側面断面説明図である。 第4実施例に係るもので、溶存酸素量増加用補助装置が、シリンダーを用いたものである場合の溶存酸素量増加装置の側面断面説明図。 第5実施例に係るもので、溶存酸素量増加用補助装置が、シリンダー式エアーポンプである場合の溶存酸素量増加装置の側面断面説明図。
以下、図面に従って、実施例と共に本発明の実施の形態について説明する。
図1は、第1実施例に係る溶存酸素量増加装置の側面断面説明図であり、(A)は満潮時を示し、(B)は干潮時を示す。図1中符号1が本発明に係る溶存酸素量増加装置である。図1中符号2は、支持フレーム3によって支持固定された貯水槽である。
第1実施例での貯水槽2は、上部は図示の通り全面が大気開放としてあるプール状のものであり、底面には導通水路4との連結口5が開口されている。第1実施例では連結口5は貯水槽2の底面に形成されているが、第2実施例に係る図2(B)に示されるように側面下端部に形成されていても良い。
第1実施例では、貯水槽2は、干潮時水位12と満潮時水位11の間に設置される。第3実施例に係る図3のように貯水槽2の上端部が満潮時水位11より上方に位置し、底面が干潮時水位(図3で干潮時水位12が現在水位13として示されている)より上方に位置させることが好ましい。
貯水槽2底面の連結口5には、導水通路4の一端が連結されている。導水通路4の他端は、運河や港の水底部付近に開放して配置される取排水口6とされている。貯水槽2の導通水路4が運河や港の水底部とつながっているため、貯水槽2内の水位と外側の運河や港の水位は常に、同じレベルになる。
本発明が利用される運河や港は潮位変化があるため、干潮時と満潮時では貯水槽2内の水は移動する。干潮から満潮に至る過程では、運河や港の水底部側の取排水口6より貯水槽2の連結口5に向かって、導水通路4を通って、水底部の水は、図1(A)に示されるように貯水槽2の満潮時水位位置まで導かれる。尚、図1(A)は、満潮時を示すので、図中の現在水位13が、満潮時水位となる。
図1(A)に示される状態で、今まで空気に直接接していず、溶存酸素量の少ない運河や港の水底部の水は、貯水槽2に入っている。貯水槽2の上部は全面が大気開放とされているため、大気と接して溶存酸素量を増加させる。
満潮から干潮に至る過程では、図1(B)に示されるように貯水槽2の連結口5より水底部側の取排水口6に向かって、導水通路4を通って、貯水槽2内の水が運河や港の水底部に導かれる。これにより満潮から干潮に至る過程では溶存酸素量を増した水が水底部へ放出される。
貯水槽2内に吸い上げられた水は、特に夏季は太陽熱により温度が上昇するが、満潮から干潮に至る時間はおよそ6時間かかり、導水通路4内外で熱交換が行われ、水底部とほとんど同じ温度の水が放出されることになり、溶存酸素量が豊富な水が比重差で上昇する懸念はない。
図1に示す実施例では、極めて簡単な装置により、一日二回繰り返す自然の干潮・満潮作用により、1年を通して水底部へ溶存酸素量の豊富な水を放出し続けることになる。
この装置は特に、溶存酸素量の豊富な表面水が太陽熱で熱せられ、比重が軽くなり、表面と水底部との対流は起きずらくなる夏季にその威力を発揮する。
第2実施例に係る溶存酸素量増加装置1は、図2に示されるように、貯水槽2が、運河や港の堰堤7に平行して水底部に達するよう築かれた平行隔壁8と、該平行隔壁8の両端から堰堤7に至って、両端を閉じる閉鎖隔壁9、10で形成されている。又、導水通路4が、平行隔壁8の底面から2本設けられている。導水通路4の本数は2本に限らず、距離と必要に応じて増減することができる。
尚、貯水槽2の導水通路4との連結口5は、側面となる平行隔壁8の下端部に形成されている。水底部まで達する貯水槽2を形成するには、一辺はすでに堰堤7があるので他の三辺を囲えば良い。そして貯水槽2と運河や港の水底部とを導通水路4で結ぶ。
干潮から満潮に至る過程では、運河や港の水底部の水が導水通路4を通して貯水槽2へ入ってきて、空気と接触し、溶存酸素量を増していく。満潮から干潮に至る過程ではこの溶存酸素量が増した水が、導水通路4を通して港や運河の水底部へと放出される。潮の干満は一日に二回起こり、貯水槽2の容量次第で、相当量の溶存酸素量を水底部へ供給することが可能となる。
第4実施例に係る溶存酸素量増加装置1は、貯水槽2が、溶存酸素量増加用補助装置を併設させたものであって、該溶存酸素量増加用補助装置が、シリンダーを用いたものである。図4に示されるように貯水槽2には、溶存酸素量増加用補助装置となるシリンダー14が併設されている。貯水槽2と同様、干潮時水位12と満潮時水位11の間に設置され、下面が開放で、上部が閉鎖されたシリンダー14と、該シリンダー14の閉鎖上部に吸気用チェック弁17と排気用チェック弁18を介して連結される気泡吐出パイプ19とを有し、該気泡吐出パイプ19の先端に形成された気泡発生部20を、前記貯水槽内に位置させる。
シリンダー14内に入ってくる水位とシリンダー14の内壁とで形成される空間15は水位の上昇及び下降に伴いその容積が変化する。満潮から干潮に至る過程ではその容積は増加し、シリンダー14内は負圧に変化する。このとき吸気用チェック弁17を介して空気はシリンダー14内に入る。尚、図4中符号16は空気通過時のフィルターである。
他方、干潮から満潮に至る過程ではシリンダー14内の容積は減少し、圧力が上昇してくる。その圧力が排気用チェック弁18のクラッキング圧を上回れば、シリンダー14内空気は、排気用チェック弁18、気泡吐出用パイプ19を通して気泡発生部20より貯水槽2内の水に供給される。
干潮及び満潮を利用したシリンダー14から得られる圧力は、1m当り0.01MPaと低いため、気泡発生部20の位置が水面下からかなり低いと空気は吐出できなくなる。そのため気泡発生部20に図示されていない浮体を締結しておき、気泡発生部20の位置が常に水面下の浅い位置となるようにしておくことが好ましい。こうして干潮及び満潮の水位変化という自然エネルギーを用いるだけで、貯水槽2内の水に空気を供給することができる。
第5実施例に係る溶存酸素量増加装置1は、貯水槽2が、図5に示されるように溶存酸素量増加用補助装置を併設させたものであって、該溶存酸素量増加用補助装置が、シリンダー式エアーポンプを用いたものである。シリンダー式エアーポンプは、貯水槽2の近傍に設置される。
シリンダー式エアーポンプは、シリンダー23と、ピストン22と、上方へ伸びるシリンダーロッド21とで形成される。シリンダー式エアーポンプは、シリンダーロッド21を上方に位置させて設置され、シリンダーロッド21の上部には浮力体兼用錘24が締結されている。浮力体兼用錘24の浮力は、シリンダーロッド21とともに動く可動部全体の重量よりやや大きく設定される。又、浮力体兼用錘24は、干潮時水位12と満潮時水位11の間を移動可能に設置されている。
該シリンダー式エアーポンプは、吸気用チェック弁17と排気用チェック弁18とを介して連結される気泡吐出パイプ19を有する。気泡吐出パイプ19は、シリンダー23内の圧縮室26と空気通路25でつながっており、他方側の気泡吐出パイプ19の先端には気泡発生部20が形成されている。該気泡発生部20は、前記貯水槽2内底面付近に位置させて配置される。
従って、満潮と干潮に伴ってシリンダーロッド21は昇降し、連結さえているピストン22も上下動する。ピストン22とシリンダー23のボトム側で形成される圧縮室26の容積は潮の干満に伴って変化する。
干潮から満潮に至る過程では、シリンダーロッド21と共にピストン22は引き上げられ、圧縮室26の容積は増加し、圧縮室26内は負圧となる。圧縮室26内の負圧は、シリンダーロッド21の内部に形成された空気通路25を通じ、フィルター16及び吸気用チェック弁17を介して空気を圧縮室26内に吸い込む。
他方、満潮から干潮に至る過程では、逆に圧縮室26の容積は減少し、圧力を増加し、排気用チェック弁18、気泡吐出用パイプ19を介して気泡発生部20より気泡を吐出する。尚、気泡発生部20は、極めて細かい小孔を有するセラミックスで形成されており、空気はミクロの泡となって貯水槽2の底面付近に放出される。気泡サイズが細かいことにより水中での滞留時間が長くなり、気泡内の酸素は十分に水に溶け込み、貯水槽2の底面付近の溶存酸素量を増加させる。
尚、浮力体兼用錘24のシリンダーロッド21と共に可動する可動部全体の重力と浮力とを適切に設定すれば、気泡発生部20を図5のように貯水槽2の底面付近で吐出できるほどに吐出圧力を高くすることが可能である。即ち、シリンダーロッド21とともに可動するすべての部分の重量より、浮力の合計値がやや大きくなるように設定する。こうして満潮及び干潮の動きとともにシリンダーロッド21は上昇及び下降の動作を繰り返す。
更に、例えば、貯水槽2の閉鎖水域の底部の高さを、第3実施例のように干潮時には底部が露出するように設定すれば、人工干潟が現出することになり、葦などを植生すれば魚介類が棲みつき鳥が飛来する自然環境を作り出すことも可能となる。
又、空気をより積極的に水に溶存させるため、小型の風車を設け、撹拌することも有力な手段である。
1・・・・・・・・溶存酸素量増加装置
2・・・・・・・・貯水槽
3・・・・・・・・支持フレーム
4・・・・・・・・導水通路
5・・・・・・・・連結口
6・・・・・・・・取排水口
7・・・・・・・・堰堤
8・・・・・・・・平行隔壁
9、10・・・・・閉鎖隔壁
11・・・・・・・満潮時水位
12・・・・・・・干潮時水位
13・・・・・・・現在水位
14、23・・・・シリンダー
15・・・・・・・空間
16・・・・・・・フィルター
17・・・・・・・吸気用チェック弁
18・・・・・・・排気用チェック弁
19・・・・・・・気泡吐出用パイプ
20・・・・・・・気泡発生部
21・・・・・・・シリンダーロッド
22・・・・・・・ピストン
24・・・・・・・浮力体兼用錘
25・・・・・・・空気通路
26・・・・・・・圧縮室

Claims (5)

  1. 潮位変化のある運河や港で潮位変化を利用した該運河や港の水底部の溶存酸素量増加方法であって、
    干潮時水位と満潮時水位の間に設置されると共に上部が大気開放とされた貯水槽と、
    該貯水槽の底面又は側面下端部と前記潮位変化のある運河や港の水底部付近に設けられた取排水口とを連結する導水通路とを有し、
    干潮時水位より満潮時水位への潮位変化により、前記水底部付近の水を前記貯水槽内に導き、該貯水槽内の水の溶存酸素量を増加させた後、
    満潮時水位より干潮時水位への潮位変化により前記貯水槽内で溶存酸素量を増加させられた水を前記導水通路を通じて前記水底部付近に放出することを
    特徴とする水底部の溶存酸素量増加方法。
  2. 上記貯水槽が、上記運河や港の堰堤に並行して水底部に達するよう築かれた並行隔壁と、該並行隔壁の両端を閉じる閉鎖隔壁で形成されると共に、導水通路が、前記貯水槽の並行隔壁の底面又は側面下端部と上記潮位変化のある運河や港の水底部付近に設けられた取排水口とを連結して設けられたものである請求項1記載の水底部の溶存酸素量増加方法。
  3. 潮位変化のある運河や港で潮位変化を利用した該運河や港の水底部の溶存酸素量増加装置であって、
    干潮時水位と満潮時水位の間に設置されると共に上部が大気開放とされた貯水槽と、
    該貯水槽の底面又は側面下端部と前記潮位変化のある運河や港の水底部付近に設けられた取排水口とを連結する導水通路とを有し、
    干潮時水位より満潮時水位への潮位変化により、前記水底部付近の水を前記貯水槽内に導き、該貯水槽内の水の溶存酸素量を増加させた後、
    満潮時水位より干潮時水位への潮位変化により前記貯水槽内で溶存酸素量を増加させられた水を前記導水通路を通じて前記水底部付近に放出することを
    特徴とする水底部の溶存酸素量増加装置。
  4. 上記貯水槽が、溶存酸素量増加用補助装置を併設されたものであって、
    該溶存酸素量増加用補助装置が、
    前記貯水槽と同様、干潮時水位と満潮時水位の間に設置され、下面が開放で、上部が閉鎖されたシリンダーと、
    該シリンダーの閉鎖上部に吸気用チェック弁と排気用チェック弁を介して連結される気泡吐出パイプとを有し、
    該気泡吐出パイプの先端に形成された気泡発生部を、前記貯水槽内に位置させ、
    満潮時水位より干潮時水位への潮位変化により、シリンダー内の空気が負圧化され、吸気用チェック弁の動作によりシリンダー内に吸気し、
    干潮時水位より満潮時水位への潮位変化により、シリンダー内の空気が圧縮され、排気用チェック弁の動作により圧縮された空気を前記貯水槽内に吐出するものとした請求項3に記載の水底部の溶存酸素量増加装置。
  5. 上記貯水槽が、溶存酸素量増加用補助装置を併設されたものであって、
    該溶存酸素量増加用補助装置が、
    上記貯水槽の近傍に設置されるシリンダー式エアーポンプと、
    該シリンダー式エアーポンプ上方に伸びるシリンダーロッドに装着され、干潮時水位と満潮時水位の間を移動可能に設置された浮力体兼用錘と、
    該シリンダー式エアーポンプの圧縮室と吸気用チェック弁と排気用チェック弁を介して連結される気泡吐出パイプとを有し、
    該気泡吐出パイプの先端には気泡発生部を形成すると共に該気泡発生部を、前記貯水槽内底面付近に位置させて配置し、
    干潮時水位より満潮時水位への潮位変化により、前記浮力体兼用錘は浮力により水位と共に上昇し、前記シリンダーロッドを押し上げ、圧縮室内を負圧化し、吸気用チェック弁を動作させて、前記圧縮室内に空気を吸気し、
    満潮時水位より干潮時水位への潮位変化により、前記浮力体兼用錘は自重により水位と共に下降し、前記シリンダーロッドを押し下げ、圧縮室内の空気を圧縮し、前記気泡吐出パイプを通じて前記気泡発生部より前記貯水槽内に気泡を吐出するものとした請求項3記載の水底部の溶存酸素量増加装置。
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