以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1には、本発明の一実施形態としての電気接続箱組立ユニット10が示されている。電気接続箱組立ユニット10は、一種類の電気接続箱本体12と、全三種類の第一〜第三バスバー回路体14,16,18とを含んで構成されている。
第一バスバー回路体14は、通電用の接続部として複数の共通接続部20a〜20gのみを備えている。一方、第二バスバー回路体16は、共通接続部20a〜20gに加えて付加接続部22を備えている。また、第三バスバー回路体18は、共通接続部20a〜20gと付加接続部22に加えて、追加接続部24a,24bを備えている。そして、このような互いに仕様の異なる三種類の第一〜第三バスバー回路体14,16,18のうちの何れかが、共通の電気接続箱本体12に択一的に組み付けられることによって、後述するように、内部の電気回路26の構成が互いに異なる全三種類の第一〜第三の電気接続箱84,86,88が組み立てられるようになっている。
より具体的には、電気接続箱本体12は、非導電性の合成樹脂から形成されており、図1および図2に示すように、上面および下面視において長手矩形状となるブロック形状とされている。
図2に示すように、電気接続箱本体12の上面には、多数の電気部品装着部が上方に開口して突設されている。これらの電気部品装着部のうち、第一〜第三バスバー回路体14,16,18に設けられた共通接続部20a〜20g,付加接続部22,追加接続部24a,24bが配設されるものとして、図2中の上下方向中央部分において左側から順に、共通ヒュージブルリンク装着部28,共通ヒューズ装着部30a,30b,付加ヒューズ装着部32,追加ヒュージブルリンク装着部34が設けられている。その他の電気部品装着部として、共通ヒューズ装着部30a,30bの間には大型のヒュージブルリンク装着部36が設けられており、周縁部には複数のリレー装着部38やヒューズ装着部40が設けられている。なお、共通ヒュージブルリンク装着部28,共通ヒューズ装着部30a,30b,付加ヒューズ装着部32,追加ヒュージブルリンク装着部34のそれぞれの底面には、電気接続箱本体12を上下方向に貫設して設けられた複数の入力側端子挿通孔42aおよび出力側端子挿通孔42bの上端部が開口している。
さらに、電気接続箱本体12の上面には、後述するダミータブ部82の有無を外部から視認可能とするための視認窓44が設けられている。視認窓44は、電気接続箱本体12の上面に矩形に開口して貫通形成されており、図2中の共通ヒューズ装着部30bと、付加ヒューズ装着部32との間に隣接して形成されている。なお、視認窓44の中央部分には、仕切壁46が上下方向に延出して形成されている。この仕切壁46により、誤って視認窓44へヒューズ等の電気部品が組み付けられることを防止できるようになっている。
また、図1に示すように、電気接続箱本体12の長手方向に延びる一対の側壁48,48には、長さ方向中央部分において下方に向かって開口する逆U字状の貫通窓50,50が設けられている。この貫通窓50,50を通じて、大型のヒュージブルリンク装着部36の下方に位置して、電気接続箱本体12の内部に収容配設されたナット52,52が外部に臨まされている。
一方、図1に示すように、電気接続箱本体12の下面には、幅方向略中央部分において、バスバー回路体14,16,18のうちの何れか一つが組み付けられるバスバー装着部54が、下方に開口して形成されている。バスバー装着部54は、電気接続箱本体12の長手方向の略全長に亘って連続して直線的に延びる一対の対向壁部56a,56b間に設けられている。各対向壁部56a,56bには、長さ方向の複数箇所で相互に向かって突出する一対の支持リブ58,58が突設されており、各支持リブ58,58間の寸法が、バスバー回路体14,16,18の厚さ寸法と略同一か、僅かに小さな幅寸法とされている。これにより、バスバー装着部54の下方の開口部から、嵌め入れられるバスバー回路体14,16,18が、一対の支持リブ58,58の間で挟持されるようになっている。なお、バスバー装着部54は、バスバー回路体14,16,18の何れも充分に収容できるだけの深さ寸法を有している。また、バスバー装着部54は、共通ヒュージブルリンク装着部28,共通ヒューズ装着部30,付加ヒューズ装着部32,追加ヒュージブルリンク装着部34の下方に位置して形成されている。そして、バスバー装着部54の上底部には、各装着部28,30,32,34の底面に開口する入力側端子挿通孔42aの下端部が開口している。
また、電気接続箱本体12の下面には、バスバー装着部54と連続して、二箇所の収容部60が電気接続箱本体12の下方に開口して形成されている。これにより、バスバー装着部54にバスバー回路体14,16,18が装着される際に、後述するバスバー回路体14,16,18の折曲部78がこの収容部60内に収容されるようになっている。収容部60は、バスバー装着部54の一方の側(図1中、上側)において、所定の幅寸法に亘ってバスバー回路体14,16,18の板厚方向(電気接続箱本体12の幅方向)に広がる空所とされている。また、収容部60の幅寸法は折曲部78の幅寸法よりも僅かに大きくされている。
また、電気接続箱本体12には、バスバー装着部54の内部にランス状に突出する複数のロック爪62が形成されている。ロック爪62は、視認窓44と、図2中左端の共通ヒュージブルリンク装着部28の入力側端子挿通孔42aと、図2中右端の追加ヒュージブルリンク装着部34の入力側端子挿通孔42aの内部において、三箇所形成されている。また、各ロック爪62は、電気接続箱本体12の幅方向に弾性変形可能に突出して形成されており、バスバー回路体14,16,18がバスバー装着部54に挿入されると、後述する係合部80に係合してバスバー回路体14,16,18に係止されるようになっている。
なお、図1に示されるように、電気接続箱本体12の下面には、複数のコネクタ装着部68が設けられており、図示しない外部電線端末に設けられたコネクタが装着されるようになっている。
また、共通ヒューズ装着部30bと付加ヒューズ装着部32の下方側においては、それらの装着部30b,32に設けられた出力側端子挿通孔42bの下端部が、電気接続箱本体12の下面に開口されており、図示しない電線端末に設けられた圧着端子が装着されるようになっている。さらに、電気接続箱本体12の下面には、リレー装着部38やヒューズ装着部40の下方に位置して複数の圧着端子装着孔70が下方に開口して形成されており、図示しない電線端末に設けられた圧着端子が装着されるようになっている。
このような電気接続箱本体12には、三種類の第一〜第三バスバー回路体14,16,18のうちの何れか一つが選択されて装着される。図1および図3に示されるように、第一〜第三バスバー回路体14,16,18は、それぞれ長さ寸法や形状が互いに異なっている。これら第一〜第三バスバー回路体14,16,18は、第一バスバー回路体14の構成を、全ての第一〜第三バスバー回路体14,16,18が略共通して有している一方、第二および第三バスバー回路体16,18では、それぞれ図1中の右側端部に、付加接続部22や追加接続部24a,24bが追加されている。
第一〜第三バスバー回路体14,16,18は、何れも金属平板をプレス打ち抜き加工等することにより作製されており、全体として薄肉の長手矩形状を呈している。また、第一〜第三バスバー回路体14,16,18は、何れも長手平板状に延びる導通部72を共通して有している。この導通部72の長手方向中央部付近には、先に述べたナット52に螺着される図示しないボルトが挿通されるボルト挿通孔74が形成されている。さらに、ボルト挿通孔74の近傍においては、外部導線支持突起76が屈曲して形成されている。
さらに、第一〜第三バスバー回路体14,16,18の導通部72の幅方向一方の端部(図1および図3中、上側端部)においては、二個の折曲部78が形成されている。折曲部78は、一般的なタブ状端子と同一の形状で、共通接続部20a〜20g等と同一の方向に突出するようにプレス打ち抜き加工されたタブ状突起を、根元付近から屈曲加工することにより形成されている。なお、これらのボルト挿通孔74と外部導線支持突起76と二個の折曲部78は、第一〜第三バスバー回路体14,16,18のそれぞれにおいて、図1および図3における各第一〜第三バスバー回路体14,16,18の左側の端部からの離隔距離が互いに同一となる位置に設けられている。これにより、各折曲部78は、各第一〜第三バスバー回路体14,16,18の何れであっても電気接続箱本体12の収容部60に対して適切に収容されて、第一〜第三バスバー回路体14,16,18を位置決めするようになっている。なお、本実施形態では、折曲部78は共通接続部20a〜20g等の突出方向に対して90°の角度で屈曲されているが、この屈曲角度は特に限定されるものではなく、共通接続部20a〜20gや導通部72の平坦面からある程度突出して収容部60との位置決め作用を充分に発揮し得る角度であれば、任意の角度で屈曲され得る。
また、各第一〜第三バスバー回路体14,16,18の導通部72においては、二箇所あるいは三箇所において、係合部80が形成されている。一箇所目の係合部80は、各第一〜第三バスバー回路体14,16,18の図1および図3における左側の端部付近に形成されている。そして、第一バスバー回路体14においては、第一バスバー回路体14の右側端部に、二箇所目の係合部80が形成されている。また、図1から明らかなように、第二および第三バスバー回路体16,18においては、第一バスバー回路体14に形成された二箇所目の係合部80と、各第二および第三バスバー回路体16,18の図1中の左側の端部からの離隔距離が同一となる位置において、二箇所目の係合部80が形成されている。さらに、第三バスバー回路体18においては、第三バスバー回路体18の図1中の右側端部付近において、三箇所目の係合部80が形成されている。なお、後述するように、第二および第三バスバー回路体16,18の導通部72においては、二箇所目の係合部80に対応する位置の上方側、即ち、導通部72の幅方向一方の端縁部(図3中、上側端部)には、ダミータブ部82が突出形成されている。
そして、第一バスバー回路体14には、導通部72の幅方向一方の端部(図3中の上側端部)において、共通接続部20a〜20gのみが突設されている。一方、第二バスバー回路体16では、共通接続部20a〜20gに加えて、ダミータブ部82と付加接続部22とが図3中の共通接続部20a〜20gの右側において隣接して突設されている。さらに、第三バスバー回路体18では、共通接続部20a〜20gと付加接続部22とダミータブ部82に加えて、図3中の付加接続部22の右側に追加接続部24a,24bが隣接して突設されている。これにより、第一〜第三バスバー回路体14,16,18では、共通接続部20a〜20gのみを備えた第一バスバー回路体14の長さ寸法が最も短くされており、第二バスバー回路体16は、ダミータブ部82と付加接続部22の分だけ第一バスバー回路体14よりも長尺とされている。さらに、第三バスバー回路体18は、追加接続部24a,24bの分だけ第二バスバー回路体16よりもさらに長尺とされている。
より詳細には、共通接続部20a〜20gは、各導通部72の幅方向一方の端部において突設された二個のタブ端子と五個の音叉状端子により構成されている。なお、共通接続部20a〜20gは、第一〜第三バスバー回路体14,16,18の全てに設けられているが、各端子の形成位置や形状は、第一〜第三バスバー回路体14,16,18において何れも共通とされている。共通接続部20a〜20gの各端子は、第一〜第三バスバー回路体14,16,18が電気接続箱本体12に装着されると、入力側端子挿通孔42aを通じてそれぞれ共通ヒュージブルリンク装着部28と共通ヒューズ装着部30の内部に突設されて、各装着部28,30に装着される図示しないヒュージブルリンクやヒューズの端子部と接続されるようになっている。
付加接続部22は、各導通部72の幅方向一方の端部において突設された一個の音叉状端子により構成されている。付加接続部22は、ダミータブ部82を挟んで、図3における共通接続部20a〜20gの右側に隣接して形成されている。なお、付加接続部22およびダミータブ部82は、第二および第三バスバー回路体16,18のみに形成されているが、その形成位置や形状は、第二および第三バスバー回路体16,18において共通とされている。また、付加接続部22は、第二および第三バスバー回路体16,18が電気接続箱本体12に装着されると、入力側端子挿通孔42aを通じて付加ヒューズ装着部32の内部に突設される。そして、付加ヒューズ装着部32に装着される図示しないヒューズの端子部と接続されるようになっている。
追加接続部24a,24bは、各導通部72の幅方向一方の端部において突設された二個のタブ状端子により構成されている。追加接続部24a,24bは、第三バスバー回路体18のみに形成されており、図3における付加接続部22の右側に隣接して形成されている。また、追加接続部24a,24bは、第三バスバー回路体18が電気接続箱本体12に装着されると、それぞれ入力側端子挿通孔42aを通じて追加ヒュージブルリンク装着部34の内部に突設される。そして、追加ヒュージブルリンク装着部34に装着される図示しないヒュージブルリンクの端子部と接続されるようになっている。
そして、第二および第三バスバー回路体16,18においては、共通接続部20gと付加接続部22の間において、ダミータブ部82が形成されている。ダミータブ部82は、導通部72の幅方向一方の端部において突設された一個のタブ状突起により構成されている。なお、ダミータブ部82は、一般的なタブ状端子と同様の形状を有しており、共通接続部20a〜20gや追加接続部24a,24b等と同様に、第二および第三バスバー回路体16,18の全体がプレス打ち抜き加工により製造される際に、同時に打ち抜き加工されることにより形成されている。このようなダミータブ部82は、第二および第三バスバー回路体16,18が電気接続箱本体12に装着されると、視認窓44の内部の略中央部分に挿入されるようになっており、電気接続箱本体12の外部から、視認窓44を通じて容易に視認できるようになっている。そして、ダミータブ部82に対しては、ヒューズ等の電気部品は何等装着されず、ダミータブ部82の先端部分は視認窓44から外部に臨まされたままとなる。即ち、共通接続部20a〜20gや付加接続部22、追加接続部24a,24bは何れも通電用とされているのに対して、ダミータブ部82は、非通電用とされている。
以上のような電気接続箱本体12と第一〜第三バスバー回路体14,16,18の組み合わせにより構成された本実施形態の電気接続箱組立ユニット10は、以下のようにして組み立てられ、第一〜第三バスバー回路体14,16,18の種類に応じて三種類の第一〜第三の電気接続箱84,86,88のうちの何れかが製造される。
先ず、三種類の第一〜第三バスバー回路体14,16,18のうちの何れか一種類のバスバー回路体14,16,18が適宜選択される。このような選択は、電気接続箱本体12の内部に構成される電気回路26において、付加接続部22および追加接続部24a,24bが必要であるか否かによって決定される。即ち、共通接続部20a〜20gのみが必要であれば第一バスバー回路体14が選択され、共通接続部20a〜20gと付加接続部22が必要であれば第二バスバー回路体16が、共通接続部20a〜20gと付加接続部22と追加接続部24a,24bが必要であれば第三バスバー回路体18がそれぞれ選択される。なお、これらの付加接続部22や追加接続部24a,24bは、特定の車種やグレード等においてのみ使用されるオーディオ用やABS用等の追加的な回路を構成する場合のみに用いられる。
選択された第一〜第三バスバー回路体14,16,18のうちの何れか一つは、電気接続箱本体12に対して組み付けられる。このような組み付け作業は、第一〜第三バスバー回路体14,16,18の何れも略同様にして行われることから、以下においては、第一バスバー回路体14が選択された場合を例にとって説明する。
第一バスバー回路体14は、図1に示されるように、電気接続箱本体12の下面側から上側に向かって、バスバー装着部54に挿入されて組み付けられる。この時、第一バスバー回路体14に形成された折曲部78が、電気接続箱本体12に形成された収容部60にそれぞれ収容されることにより、第一バスバー回路体14が適切に位置決めされるようになっている。これにより、例えば、作業者が第一バスバー回路体14の表裏を逆にした状態で第一バスバー回路体14をバスバー装着部54に挿入しようとしたとしても、この折曲部78が電気接続箱本体12の底面と干渉して、第一バスバー回路体14を最後まで挿入できないようになっている。また、同様に、第一バスバー回路体14の挿入位置が図1における左右方向にずれている場合にも、折曲部78と電気接続箱本体12の底面との干渉によって、第一バスバー回路体14の誤った位置での挿入が阻止されるようになっている。なお、好適には、このような第一〜第三バスバー回路体14,16,18の誤挿入が行われた際にも、共通接続部20a〜20g等が電気接続箱本体12に干渉するよりも先に、折曲部78と電気接続箱本体12との干渉が生じるようにされる。
また、第一バスバー回路体14が正しい向きおよび位置において所定の深さまで差し込まれると、電気接続箱本体12に形成されたロック爪62が、弾性変形して第一バスバー回路体14の導通部72上に乗り上げる。その後、第一バスバー回路体14が更に押し込まれると、ロック爪62が弾性復帰して、第一バスバー回路体14の係合部80に対して係合する。これにより、第一バスバー回路体14が電気接続箱本体12に対して抜け出し不能に固定されて、電気接続箱本体12の内部に電気回路26が形成される。
このようにして第一バスバー回路体14の装着が完了すると、共通接続部20a〜20gの各突出先端部が、入力側端子挿通孔42aを通じて共通ヒュージブルリンク装着部28および共通ヒューズ装着部30の内部に突設された状態となる。なお、図4に示すように、第一の電気接続箱84においては、第一バスバー回路体14が付加接続部22および追加接続部24a,24bを有していないことから、付加ヒューズ装着部32および追加ヒュージブルリンク装着部34は、何等端子等が突出しない状態のままとされる。また、第一バスバー回路体14は、ダミータブ部82を有していないことから、視認窓44の内部は、ダミータブ部82が存在しない状態のままとされる。また、図示は省略するが、共通接続部20a,20bが突出された共通ヒュージブルリンク装着部28においては、出力側端子挿通孔42bに、それぞれ別のバスバーに設けられた接続端子部が突出されて、共通接続部20a,20bと接続端子部の間に跨って、図示しないヒュージブルリンクが装着されることとなる。さらに、共通接続部20c〜20gが突出された共通ヒューズ装着部30a,bにおいては、出力側端子挿通孔42bに対して、図示しない電線端末に設けられた音叉状端子が挿入され、共通接続部20c〜20gと音叉状端子に跨って図示しないヒューズが装着される。
また、第一の電気接続箱84に対しては、貫通窓50,50を通じて図示しない外部電線端末に設けられた圧着端子が電気接続箱本体12の内部に挿入される。そして、バスバー装着部54に装着された第一バスバー回路体14に設けられたボルト挿通孔74がナット52のボルト穴に位置合わせされており、第一バスバー回路体14を間に挟んで、圧着端子がナット52に対して、ボルト固定される。これにより、バッテリからの電源が外部電線端末に設けられた圧着端子を通じて第一バスバー回路体14に供給されるようになっている。なお、装着された外部電線は、第一バスバー回路体14に形成された外部導線支持突起76により係止されて支持される。
第二,第三バスバー回路体16,18は、第一バスバー回路体14と同様に電気接続箱本体12に組み付けられる。これにより、第二および第三の電気接続箱86,88がそれぞれ製造される。第二および第三の電気接続箱86,88においては、付加ヒューズ装着部32の内部に付加接続部22が突出される。第二および第三の電気接続箱86,88の付加ヒューズ装着部32においては、出力側端子挿通孔42bに対して、図示しない電線端末に設けられた圧接端子が挿入されて、それら付加接続部22と圧接端子に跨って図示しないヒューズが装着されることとなる。このようにして、第二および第三の電気接続箱86,88においては、付加ヒューズ装着部32を含んだ電気回路26が形成される。また、第二および第三の電気接続箱86,88の視認窓44の内部には、ダミータブ部82が配設される。
第三の電気接続箱88においては、各追加ヒュージブルリンク装着部34の内部に追加接続部24a,24bが突出される。第三の電気接続箱88の追加ヒュージブルリンク装着部34においては、出力側端子挿通孔42bに、それぞれ別のバスバーに設けられた接続端子部90が突出されて、追加接続部24a,24bと各接続端子部90の間に跨って、図示しないヒュージブルリンクが装着されることとなる。なお、バスバーの他方の端部は、電気接続箱本体12の下面に装着される外部電線端末に設けられたコネクタの端子と導通されることとなる。このように、第三の電気接続箱88においては、追加ヒュージブルリンク装着部34を含んで電気回路26が形成されている。なお、第三バスバー回路体18においては、追加接続部24bの下方に設けられた三箇所目の係合部80も、その他の二箇所の係合部80と同様にロック爪62に対して係止される。
以上のように、本実施形態に従う電気接続箱組立ユニット10によれば、共通の電気接続箱本体12に対して、三種類の第一〜第三バスバー回路体14,16,18のうちの何れか一種類のバスバー回路体14,16,18を選択して組み付けることによって、全三種類の第一〜第三の電気接続箱84,86,88を製造することができる。
ここにおいて、本実施形態では、電気接続箱本体12に視認窓44が設けられると共に、第二および第三バスバー回路体16,18のみにダミータブ部82が設けられている。これにより、作業者は、視認窓44の内部におけるダミータブ部82の有無を目視により確認することによって、電気接続箱本体12に組み付けられているのが第一バスバー回路体14であるのか、第二又は第三バスバー回路体16,18のうちの何れかであるのかを容易に確認することができる。また、作業者は、ダミータブ部82の視認とあわせて、追加ヒュージブルリンク装着部34の内部における追加接続部24a,24bの有無を確認することによって、電気接続箱本体12に組み付けられているのが第二バスバー回路体16と第三バスバー回路体18の何れであるのかを容易に識別することができる。
すなわち、第一〜第三バスバー回路体14,16,18は、付加接続部22および追加接続部24a,24bの有無が異なっているものの、特に、第一バスバー回路体14と第二バスバー回路体16の違いである付加接続部22の有無は、電気接続箱本体12に装着された状態では、付加接続部22の上側部分が電気接続箱本体12によって略覆蓋されることにより、外部から視認することが難しくなっている。このため、従来の構造では、作業者が第一バスバー回路体14と第二バスバー回路体16の何れが装着されているかを取り違えてしまうおそれがあった。しかしながら、本実施形態に従う第二バスバー回路体16においては、付加接続部22に加えてダミータブ部82が設けられており、その有無を全体が完全に開口状態とされた視認窓44から容易に視認し得ることから、電気接続箱本体12に組み付けられているのが第一バスバー回路体14であるのか否かを作業者が容易に確認することができる。その結果、電気接続箱本体12に組み付けられているのが第一バスバー回路体14であるのに、種類の異なる第二バスバー回路体16であると誤認して、付加ヒューズ装着部32や出力側端子挿通孔42bに対してヒューズや電線端末を誤って組み付けてしまうことを防止できる。
また、本実施形態の電気接続箱組立ユニット10においては、第一および第二バスバー回路体14,16に加えて、さらに第三バスバー回路体18が存在している。しかしながら、第三バスバー回路体18に特有の追加接続部24a,24bは、電気接続箱本体12への組み付け状態においても、追加ヒュージブルリンク装着部34の全体が上方に完全に開口して形成されていると共に、追加接続部24a,24bの突出位置が各追加ヒュージブルリンク装着部34の周壁からある程度離れた位置とされていることから、容易に視認可能とされている。加えて、第三バスバー回路体18の全体が第一および第二バスバー回路体14,16に比して長尺とされていることから、第三バスバー回路体18は、電気接続箱本体12への組み付け状態においても容易に識別され得る。それ故、本実施形態によれば、三種類の第一〜第三バスバー回路体14,16,18の存在する電気接続箱組立ユニット10においても、作業者が電気接続箱本体12に対して第一〜第三バスバー回路体14,16,18の何れが装着されているのかを容易に識別でき、作業者の誤認に伴う外部電線の誤結等の発生を良好に防止することができる。
さらに、本実施形態においては、第一〜第三バスバー回路体14,16,18の識別に用いられるダミータブ部82が、係合部80と対応した位置において、導通部72の幅方向一方の端縁部から突出形成されている。即ち、係合部80の形成位置には、仮に付加接続部22等の接続部が設けられていると、第一〜第三バスバー回路体14,16,18の装着時にロック爪62と接続部とが当接して、接続部に変形が生じるおそれがある。特に、付加接続部22のような音叉状端子からなる接続部は強度が弱いため、当接による変形が生じ易い。このため、通常は、このような接続部は係合部80に対応する上側位置を避けて設けられ、係合部80の周辺は空きスペースとなることが多い。本実施形態ではこのような空きスペースを利用して、そこに識別用のダミータブ部82を形成したことにより、ダミータブ部82が省スペースに形成されている。その結果、付加的なダミータブ部82を有する第二および第三バスバー回路体16,18の全体を、コンパクトなサイズに抑えることができる。
以上、本発明の幾つかの実施形態について詳述したが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、前記実施形態において採用された共通接続部20a〜20g,付加接続部22,追加接続部24a,24bのそれぞれの端子形状や数は、何ら限定されるものではなく、装着される電気部品や回路構成に応じて適宜に設定可能である。
加えて、ダミータブ部82は、電気接続箱組立ユニット10に含まれるバスバー回路体の種類数などに応じて、複数設けられていても良い。例えば、電気接続箱本体12に第二の視認窓を設けると共に、第三バスバー回路体18において第二のダミータブ部を設けるようにしてもよい。さらに、ダミータブ部82の具体的な形状も、特に限定されるものではなく、例えば、音叉状端子や他の公知の端子と同一の形状としても良い。これにより、既存の設備を流用して、容易にダミータブ部82を形成することができる。
さらに、電気接続箱組立ユニット10には、三種類以上のバスバー回路体が存在していてもよい。このような場合にも、適宜、ダミータブ部82や視認窓44を設けることによって、バスバー回路体の誤認を防ぐことができる。即ち、例えば、バスバー回路体の種類に応じて、ダミータブ部の数や形状等を変化させておき、視認窓からいくつのダミータブ部が見えるのか等によって、バスバー回路体の種類を判別するようにしてもよい。
また、本実施形態においては、第一〜第三バスバー回路体14,16,18にそれぞれ貫通孔形状の係合部80を設ける一方、電気接続箱本体12にロック爪62を形成して相互に係合させていたが、このような第一〜第三バスバー回路体14,16,18と電気接続箱本体12との係合機構の具体的な構成は、これに限定されない。即ち、第一〜第三バスバー回路体14,16,18に突起状の係合部を設ける一方、電気接続箱本体12に係合孔を形成することによって、第一〜第三バスバー回路体14,16,18と電気接続箱本体12とが相互に係止されるようにしてもよい。このような場合にも、ダミータブ部82を導通部72における係合部の形成部位において突出形成することにより、係合部の形成位置を有効に利用してダミータブ部82を効率的に設けることができる。