JP5488042B2 - 鍛造ダイ - Google Patents
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Description
本発明は、例えば車両に装備される等速ジョイントの外輪などの製造に用いられる鍛造ダイに関する。
例えば等速ジョイントの外輪のように、軸部(小径部)とカップ部(大径部)とからなる部材は、温間鍛造などで鍛造成形することにより製造される。ここで用いられる鍛造ダイは、筒状のダイベースと、軸方向中間部に環状の段差面が形成された成形凹部を内周面に有し、ダイベース内に圧入された筒状の成形ダイとを備えている。そして、鍛造ダイの成形凹部内に配置した成形素材をパンチで押圧することにより、成形素材が成形凹部の段差面で絞られ、これにより成形素材に軸絞り加工が施される。
ところで、上記のような鍛造ダイを用いて温間鍛造を行う場合、成形素材が成形凹部の段差面で絞られるときには、成形素材の流動が激しくなり、段差面には大きな摩擦熱が加わることとなる。そのため、段差面の摩耗が他の部分に比べて大きくなることから、鍛造ダイの寿命を低下させる大きな原因となる。よって、従来より、鍛造ダイの成形凹部に外部から冷媒を塗布して成形凹部の段差面付近を冷却するようにしている。しかし、冷媒の塗布による冷却は、鍛造成形中には行うことができない。
そこで、特許文献1には、成形ダイ(入子型)の外壁面とダイベース(外ケース)の内壁面との間に、入子型の段差部を包囲するように周方向に延びる冷却水用通路を設けて、熱間または温間鍛造時において最も大きな熱疲労が加わる入子型の段差部を間接的に水で冷却することが提案されている。
ところで、上記のように温間鍛造を行って、成形素材が成形凹部の段差面で絞られるときには、段差面に加わる摩擦熱は、成形素材が下流に流動する程、即ち、段差面の小径側端部に近づく程大きくなる。しかし、特許文献1では、鍛造ダイが入子型と外ケースの2つの部材で構成されており、入子型の外壁面と外ケースの内壁面との間に、冷却水用通路が設けられている。即ち、特許文献1では、冷却水用通路は、入子型の段差部の径方向外方側に設けられているため、最も大きな熱疲労が加わる部位(段差面の小径側端部)から離れた所にしか設けることができない。したがって、冷却水用通路を流通する冷却水により、十分な冷却効果が得られ難く、改良の余地がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、成形ダイの段差部の冷却を効率良く行うことができ、成形ダイの長寿命化をより確実に図り得るようにした鍛造ダイを提供することを解決すべき課題とするものである。
上記課題を解決する請求項1に係る発明の構成上の特徴は、
テーパ状の内周面をもつ筒状のダイベースと、
軸方向中間部に環状の内側段差面が形成された成形凹部を内周面に有するとともに、軸方向一端側に位置しテーパ状の外周面をもつ大径筒部と軸方向他端側に位置しテーパ状の外周面をもつ小径筒部とを有し、前記大径筒部が前記ダイベースの内周面に圧入された筒状の成形ダイと、
テーパ状の内周面および外周面をもち、前記ダイベースと前記成形ダイの前記小径筒部との間に圧入された筒状のダイブッシュと、を備え、
前記ダイブッシュと前記成形ダイとの対向面間に、前記内側段差面に沿って周方向に延びる第1冷媒通路が設けられていることである。
テーパ状の内周面をもつ筒状のダイベースと、
軸方向中間部に環状の内側段差面が形成された成形凹部を内周面に有するとともに、軸方向一端側に位置しテーパ状の外周面をもつ大径筒部と軸方向他端側に位置しテーパ状の外周面をもつ小径筒部とを有し、前記大径筒部が前記ダイベースの内周面に圧入された筒状の成形ダイと、
テーパ状の内周面および外周面をもち、前記ダイベースと前記成形ダイの前記小径筒部との間に圧入された筒状のダイブッシュと、を備え、
前記ダイブッシュと前記成形ダイとの対向面間に、前記内側段差面に沿って周方向に延びる第1冷媒通路が設けられていることである。
請求項2に係る発明の構成上の特徴は、請求項1に記載の鍛造ダイにおいて、前記ダイブッシュは、前記成形ダイの対向面との間に前記第1冷媒通路を形成する第1環状溝を有することである。
請求項3に係る発明の構成上の特徴は、請求項2に記載の鍛造ダイにおいて、前記第1環状溝は、前記ダイブッシュの前記内側段差面側の端面と内周面とが交わる角部に設けられていることである。
請求項4に係る発明の構成上の特徴は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の鍛造ダイにおいて、前記ダイベースと前記成形ダイの前記大径筒部との対向面間に、前記内側段差面の径方向外方側で周方向に延びる第2冷媒通路が設けられていることである。
請求項5に係る発明の構成上の特徴は、請求項4に記載の鍛造ダイにおいて、前記ダイベースは、前記大径筒部の対向面との間に前記第2冷媒通路を形成する第2環状溝を有することである。
請求項6に係る発明の構成上の特徴は、請求項4または5に記載の鍛造ダイにおいて、前記第2冷媒通路は、連通路を介して前記第1冷媒通路と連通されていることである。
請求項1に係る発明によれば、鍛造ダイは、ダイベースと成形ダイとダイブッシュの3つの部材からなるとともに、ダイブッシュがダイベースと成形ダイの小径筒部との間に圧入されており、ダイブッシュと成形ダイとの対向面間に、内側段差面に沿って周方向に延びる第1冷媒通路が設けられている。これにより、温間または熱間鍛造を行って成形素材が成形凹部の内側段差面で絞られる際に、最も大きな熱疲労が加わる部位(内側段差面の小径側端部)から近い所に第1冷媒通路を設けることが可能となる。そのため、第1冷媒通路を流動する冷媒により、成形凹部の内側段差面付近の冷却を効率良く行うことができるので、成形ダイの長寿命化をより確実に図ることができる。
請求項2に係る発明によれば、ダイブッシュは、成形ダイの対向面との間に第1冷媒通路を形成する第1環状溝を有する。これにより、成形ダイを変更することなく、第1環状溝が設けられるダイブッシュのみを変更することによって、第1環状溝の大きさや位置を簡易に調節することができる。
請求項3に係る発明によれば、第1環状溝は、ダイブッシュの内側段差面側の端面と内周面とが交わる角部に設けられている。これにより、温間または熱間鍛造を行って成形素材が成形凹部の内側段差面で絞られる際に、最も大きな熱疲労が加わる部位(内側段差面の小径側端部)から最短距離となる所に第1冷媒通路を設けることが可能となるので、成形凹部の内側段差面の冷却を更に効率良く行うことができる。
請求項4に係る発明によれば、ダイベースと成形ダイの大径筒部との対向面間に、内側段差面の径方向外方側で周方向に延びる第2冷媒通路が設けられている。これにより、第1冷媒通路を流動する冷媒とともに、第2冷媒通路を流動する冷媒により、成形凹部の内側段差面の冷却を効率良く行うことができるので、相乗的な冷却効果を得ることができる。そのため、成形ダイの更なる長寿命化を実現することができる。
請求項5に係る発明によれば、ダイベースは、前記大径筒部の対向面との間に前記第2冷媒通路を形成する第2環状溝を有する。これにより、成形ダイを変更することなく、第2環状溝が設けられるダイベースのみを変更することによって、第2環状溝の大きさや位置を簡易に調節することができる。
請求項6に係る発明によれば、第2冷媒通路は、連通路を介して前記第1冷媒通路と連通されている。これにより、第1冷媒通路と第2冷媒通路のそれぞれに、冷媒の導入口と導出口を設ける必要がないので、導入口と導出口の総数を低減することができる。そのため、冷媒通路の構造を簡略化することが可能となるので、製造コストを低減化することができる。
以下、本発明の鍛造ダイを具体化した実施形態について図面を参照しつつ説明する。
〔実施形態1〕
本実施形態の鍛造ダイを図1および図2を参照して説明する。図1は、実施形態1に係る鍛造ダイの軸方向に沿う断面図である。図2は、図1のA−A線矢視断面図である。なお、以下の説明において、軸方向一端側とは図1の上端側を意味し、軸方向他端側とは図1の下端側を意味するものとする。本実施形態の鍛造ダイは、車両に装備される等速ジョイントの外輪の製造に用いられるものであって、成形素材に軸絞り加工を施して鍛造成形する際の成形型として用いられる。この鍛造ダイは、図1および図2に示すように、ダイベース10と、成形ダイ20と、ダイブッシュ30とを備えている。
〔実施形態1〕
本実施形態の鍛造ダイを図1および図2を参照して説明する。図1は、実施形態1に係る鍛造ダイの軸方向に沿う断面図である。図2は、図1のA−A線矢視断面図である。なお、以下の説明において、軸方向一端側とは図1の上端側を意味し、軸方向他端側とは図1の下端側を意味するものとする。本実施形態の鍛造ダイは、車両に装備される等速ジョイントの外輪の製造に用いられるものであって、成形素材に軸絞り加工を施して鍛造成形する際の成形型として用いられる。この鍛造ダイは、図1および図2に示すように、ダイベース10と、成形ダイ20と、ダイブッシュ30とを備えている。
ダイベース10は、所定の金属材料で円筒状に形成されており、径が略一定の外周面11と、軸方向一端側から他端側に向かって徐々に大径となるテーパ状の内周面12とを有する。外周面11の軸方向中間部には、ダイベース10を基台(図示せず)に固定する際に、固定具(図示せず)が係止される係止溝13が設けられている。
成形ダイ20は、耐熱性および耐衝撃性に優れた金属材料で円筒状に形成されている。この成形ダイ20は、ダイベース10よりも小径で、ダイベース10と略同じ長さに形成されている。成形ダイ20の内周面には、軸方向中間部に環状の内側段差面22を有する成形凹部21が設けられている。内側段差面22は、軸方向一端側から他端側に向かって徐々に小径となるようにテーパ状に形成されている。そして、内側段差面22の軸方向一端側には、外輪のカップ部を成形する大径成形面23が形成され、内側段差面22の軸方向他端側には、外輪の軸部を成形する小径成形面24が形成されている。なお、成形凹部21は、軸方向両端が開口している。
この成形ダイ20は、軸方向一端側に位置する大径筒部25と、軸方向他端側に位置する小径筒部26とを有する。大径筒部25の外周面25aは、軸方向一端側から他端側に向かって徐々に大径となるテーパ状に形成されている。大径筒部25の外周面25aのテーパ角度は、ダイベース10の内周面12のテーパ角度と符合するようにされている。一方、小径筒部26の外周面26aは、軸方向一端側から他端側に向かって徐々に小径となるテーパ状に形成されている。大径筒部25の外周面25aと小径筒部26の外周面26aの間には、外側段差面27が形成されている。この外側段差面27は、成形ダイ20の中心軸線と直角に交わる円環状の平面よりなる。この成形ダイ20は、大径筒部25がダイベース10の内周面12に軸方向他端側から圧入されることにより、ダイベース10と一体に組み付けられている。
ダイブッシュ30は、所定の金属材料で円筒状に形成されており、ダイベース10および成形ダイ20の長さの略1/3の長さに形成されている。ダイブッシュ30の内周面31は、軸方向一端側から他端側に向かって徐々に大径となるテーパ状に形成されている。ダイブッシュ30の内周面31のテーパ角度は、小径筒部26の外周面26aのテーパ角度と符合するようにされている。また、ダイブッシュ30の外周面32も、軸方向一端側から他端側に向かって徐々に大径となるテーパ状に形成されている。ダイブッシュ30の外周面32のテーパ角度は、ダイベース10の内周面12のテーパ角度と符合するようにされている。
このダイブッシュ30は、ダイベース10と成形ダイ20の小径筒部26との間に軸方向他端側から圧入することにより、ダイベース10および成形ダイ20と一体に組み付けられている。これにより、ダイブッシュ30の圧入方向先端側(軸方向一端側)の端面33は、成形ダイ20の外側段差面27に圧接した状態になっている。そして、ダイブッシュ30の端面33と内周面31とが交わる角部には、周方向に1周する断面が矩形の第1環状溝35が形成されている。この第1環状溝35は、成形ダイ20の小径筒部26の外周面26aと外側段差面27とが交わる角部と対向しており、第1環状溝35の開口は、小径筒部26の外周面26aおよび外側段差面27により覆蓋されている。これにより、第1環状溝35の壁面と小径筒部26の外周面26aと外側段差面27とにより区画された第1冷媒通路36が形成されている。この第1冷媒通路36は、成形ダイ20の小径筒部26の外周面26aと外側段差面27とが交わる角部に沿って周方向に1周している。即ち、第1冷媒通路36は、成形凹部21の内側段差面22と小径成形面24とが交わる角部と対向する位置で、内側段差面22に沿って周方向に1周している。
そして、第1冷媒通路36の周方向の1箇所には、第1冷媒通路36から径方向外方に延びる冷媒導入路37が設けられている。冷媒導入路37の径方向外方側には、ダイベース10の外周面11に開口する導入口37aが形成されている。また、第1冷媒通路36の冷媒導入路37と180°位相がずれた軸対称位置には、第1冷媒通路36から径方向外方に延びる冷媒導出路38が設けられている。冷媒導出路38の径方向外方側には、ダイベース10の外周面11に開口する導出口38aが形成されている。これにより、図2に示すように、導入口37aから導入された冷媒(図示せず)は、冷媒導入路37から第1冷媒通路36に流入した後、第1冷媒通路36を時計回り方向と反時計回り方向の2方向に分かれて流動し、その後第1冷媒通路36の反対側で合流して冷媒導出路38を通過し、導出口38aから外部へ排出するようになっている。なお、冷媒としては、例えば、水や水溶性アルコール系の冷却媒体などから最適なものを適宜選択して採用することができる。
次に、上記のように構成された本実施形態の鍛造ダイの作用を説明する。本実施形態の鍛造ダイは、ダイベース10の外周面に設けられた導入口37aから例えば水などの冷媒が導入されると、その冷媒は、冷媒導入路37から第1冷媒通路36、冷媒導出路38を経由して導出口38aから外部へ排出されることにより、第1冷媒通路36を流動する冷媒により第1冷媒通路36の周囲を常時冷却する。
この状態で、成形ダイ20の成形凹部21内に成形素材を大径成形面23側から投入配置した後、その成形素材をパンチで大径成形面23側から押圧する。これにより、成形素材が成形凹部21の内側段差面22で絞られ、成形素材に軸絞り加工が施される。このとき、成形素材が成形凹部21の内側段差面22で絞られる際には、成形素材の流動が激しくなり、内側段差面22には大きな摩擦熱が加わる。しかし、本実施形態では、第1冷媒通路36が内側段差面22に沿うようにして内側段差面22の近傍に設けられているので、第1冷媒通路36を流動する冷媒により、内側段差面22付近が冷却される。特に、本実施形態では、第1冷媒通路36が最も大きな熱疲労が加わる部位(内側段差面22の小径側端部)から近い所に設けられているため、最も大きな熱疲労が加わる部位が効率良く冷却される。これにより、成形ダイの長寿命化がより確実に図られる。
以上のように、本実施形態の鍛造ダイによれば、鍛造ダイは、ダイベース10と成形ダイ20とダイブッシュ30の3つの部材からなるとともに、ダイブッシュ30がダイベース10と成形ダイ20の小径筒部26との間に圧入されており、ダイブッシュ30と成形ダイ20との対向面間に、内側段差面22に沿って周方向に延びる第1冷媒通路36が設けられている。これにより、成形素材が成形凹部21の内側段差面22で絞られる際に、最も大きな熱疲労が加わる部位から近い所に第1冷媒通路36を設けることができる。そのため、第1冷媒通路36を流動する冷媒により、成形凹部21の内側段差面22の冷却を効率良く行うことができるので、成形ダイの長寿命化をより確実に図ることができる。
また、本実施形態では、ダイブッシュ30は、小径筒部26の外周面26aおよび外側段差面27との間に第1冷媒通路36を形成する第1環状溝35を有する。そのため、成形ダイ20を変更することなく、ダイブッシュ30のみを変更することによって、第1環状溝35の大きさや位置を簡易に調節することができる。
特に、本実施形態の第1環状溝35は、ダイブッシュ30の内側段差面22側の端面33と内周面31とが交わる角部に設けられているので、成形素材が成形凹部21の内側段差面22で絞られる際に、最も大きな熱疲労が加わる部位から最短距離となる所に第1冷媒通路36を設けることができる。そのため、成形凹部21の内側段差面の冷却を更に効率良く行うことができる。
〔実施形態2〕
本実施形態の鍛造ダイを図3および図4を参照して説明する。図3は、実施形態2に係る鍛造ダイの軸方向に沿う断面図である。図4は、図3のB−B線矢視断面図である。本実施形態の鍛造ダイは、実施形態1の鍛造ダイに対して第2冷媒通路16および連通路19を付加したものである。よって、以下に、変更した点を説明する。なお、実施形態1と共通する部材や構成については、図3および図4に同じ符号を付してそれらの詳しい説明は省略する。
本実施形態の鍛造ダイを図3および図4を参照して説明する。図3は、実施形態2に係る鍛造ダイの軸方向に沿う断面図である。図4は、図3のB−B線矢視断面図である。本実施形態の鍛造ダイは、実施形態1の鍛造ダイに対して第2冷媒通路16および連通路19を付加したものである。よって、以下に、変更した点を説明する。なお、実施形態1と共通する部材や構成については、図3および図4に同じ符号を付してそれらの詳しい説明は省略する。
本実施形態の鍛造ダイは、ダイベース10の内周面12と成形ダイ20の大径筒部25の外周面25aとの対向面間に、内側段差面22の径方向外方側で周方向に延びる第2冷媒通路16が設けられている。より具体的には、ダイベース10の内周面12の軸方向中央部には、周方向に1周する断面が矩形の第2環状溝15が形成されている。第2環状溝15は、内側段差面22の軸方向幅よりも大きい軸方向幅を有する。この第2環状溝15は、内側段差面22の径方向外方側位置で、内側段差面22の軸方向両端が第2環状溝15の軸方向幅の範囲内に位置するように設けられている。第2環状溝15の開口は、大径筒部25の外周面25aにより覆蓋されている。これにより、第2環状溝15の壁面と大径筒部25の外周面25aとにより区画された第2冷媒通路16が形成されている。この第2冷媒通路16は、内側段差面22の径方向外方側位置で、内側段差面22に沿って周方向に1周している。
そして、第2冷媒通路16の周方向の1箇所には、第2冷媒通路16から径方向外方に延びる冷媒導入路17が設けられている。冷媒導入路17の径方向外方側には、ダイベース10の外周面11に開口する導入口17aが形成されている。第2冷媒通路16の冷媒導入路17と180°位相がずれた軸対称位置には、第2冷媒通路16からダイベース10の内周面12に沿って軸方向他端側に延び、その後、外側段差面27に沿って径方向内方に延びて第1冷媒通路36に開口する連通路19が設けられている。これにより、第2冷媒通路16と第1冷媒通路36は、連通路19を介して連通されている。
なお、実施形態1において設けられていた冷媒導入路37は、本実施形態では、そのままの状態で冷媒導出路18として利用されている。また、実施形態1において設けられていた導入口37aは、本実施形態では、そのままの状態で導出口18aとして利用されている。さらには、実施形態1において設けられていた冷媒導出路38は、本実施形態では除去されている。
次に、上記のように構成された本実施形態の鍛造ダイの作用を説明する。本実施形態の鍛造ダイでは、ダイベース10の外周面に設けられた導入口17aから例えば水などの冷媒が導入されると、その冷媒は、冷媒導入路17から第2冷媒通路16に流動した後、連通路19を経由して第1冷媒通路36に流動し、その後、冷媒導出路18aを流動して導出口38aから外部へ排出される。これにより、第1冷媒通路36および第2冷媒通路16を流動する冷媒により、第1冷媒通路36および第2冷媒通路16の周囲を常時冷却する。
この状態で、成形ダイ20の成形凹部21内に成形素材を投入配置し、その成形素材をパンチで押圧することによって、成形素材が成形凹部21の内側段差面22で絞られ、成形素材に軸絞り加工が施される。このとき、成形素材が成形凹部21の内側段差面22で絞られる際には、成形素材の流動が激しくなり、内側段差面22には大きな摩擦熱が加わる。しかし、本実施形態では、第1冷媒通路36および第2冷媒通路16が内側段差面22に沿うようにして内側段差面22の近傍に設けられているので、第1冷媒通路36および第2冷媒通路16を流動する冷媒により、内側段差面22付近が効率良く冷却される。特に、本実施形態では、第1冷媒通路36および第2冷媒通路16の2つの冷媒通路が、最も大きな熱疲労が加わる部位(内側段差面22の小径側端部)から近い所に設けられているため、最も大きな熱疲労が加わる部位が極めて効率良く冷却される。これにより、成形ダイの長寿命化がより確実に図られる。
以上のように、本実施形態の鍛造ダイは、実施形態1の場合に得られる効果に加えて、次の効果を得ることができる。即ち、本実施形態の鍛造ダイによれば、ダイベース10と成形ダイ20の大径筒部25との対向面間に、内側段差面22の径方向外方側で周方向に延びる第2冷媒通路16が設けられている。これにより、第1冷媒通路36を流動する冷媒とともに、第2冷媒通路16を流動する冷媒により、成形凹部21の内側段差面22の冷却を効率良く行うことができるので、相乗的な冷却効果を得ることができる。そのため、成形ダイの更なる長寿命化を実現することができる。
また、本実施形態では、ダイベース10は、大径筒部25の外周面25a(対向面)との間に第2冷媒通路16を形成する第2環状溝15を有する。これにより、成形ダイ20を変更することなく、第2環状溝15が設けられるダイベース10のみを変更することによって、第2環状溝15の大きさや位置を簡易に調節することができる。
また、第2冷媒通路16は、連通路19を介して第1冷媒通路36と連通されているため、第1冷媒通路36と第2冷媒通路16のそれぞれに、冷媒の導入口と導出口を設ける必要がないので、導入口と導出口の総数を低減することができる。そのため、冷媒通路の構造を簡略化することが可能となるので、製造コストを低減化することができる。
なお、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更することが可能である。
例えば、第1冷媒通路36および第2冷媒通路16の断面形状や断面積の大きさ、或いはそれら冷媒通路を設ける位置を、成形凹部21の内側段差面22が設けられている位置やその大きさに応じて、適宜変更することができる。
また、第1冷媒通路36や第2冷媒通路16に対して、冷媒の流量や流路を調整可能なピン若しくは弁などを設けて、冷媒の流量や流路を調整できるようにしてもよい。さらには、熱膨張率の高い材料で形成したピン(部材)を第1冷媒通路36や第2冷媒通路16に配設し、鍛造ダイの温度変化に応じてピン(部材)の体積が変化することを利用して、冷媒の流量や流路の変更が自動的に行われるようにすることも可能である。この場合、例えば、パンチによる鍛造成形時には、冷却すべき箇所へ冷媒が優先的に流れるようにし、パンチによる鍛造成形時の合間には、鍛造ダイの温度が低下し過ぎないように、冷媒の流量を自動的に減少させたり、冷媒の流路を自動的に変更させたりすることができる。
また、上記実施形態では、温間鍛造の場合を例示しているが、その他、熱間鍛造など鍛造ダイの冷却が必要となる鍛造成形を行う場合にも、本発明を適用することができる。
10…ダイベース、 11…外周面、 12…内周面、 13…係止溝、 15…第2環状溝、 16…第2冷媒通路、 17…冷媒導入路、 17a…導入口、 18…冷媒導出路、 18a…導出口、 19…連通路、 20…成形ダイ、 21…成形凹部、 22…内側段差面、 23…大径成形面、 24…小径成形面、 25…大径筒部、 25a…外周面、 26…小径筒部、 26a…外周面、 27…外側段差面、 30…ダイブッシュ、 31…内周面、 32…外周面、 33…端面、 35…第1環状溝、 36…第1冷媒通路、 37…冷媒導入路、 37a…導入口、 38…冷媒導出路、 38a…導出口。
Claims (6)
- テーパ状の内周面をもつ筒状のダイベースと、
軸方向中間部に環状の内側段差面が形成された成形凹部を内周面に有するとともに、軸方向一端側に位置しテーパ状の外周面をもつ大径筒部と軸方向他端側に位置しテーパ状の外周面をもつ小径筒部とを有し、前記大径筒部が前記ダイベースの内周面に圧入された筒状の成形ダイと、
テーパ状の内周面および外周面をもち、前記ダイベースと前記成形ダイの前記小径筒部との間に圧入された筒状のダイブッシュと、を備え、
前記ダイブッシュと前記成形ダイとの対向面間に、前記内側段差面に沿って周方向に延びる第1冷媒通路が設けられていることを特徴とする鍛造ダイ。 - 請求項1において、
前記ダイブッシュは、前記成形ダイの対向面との間に前記第1冷媒通路を形成する第1環状溝を有することを特徴とする鍛造ダイ。 - 請求項2において、
前記第1環状溝は、前記ダイブッシュの前記内側段差面側の端面と内周面とが交わる角部に設けられていることを特徴とする鍛造ダイ。 - 請求項1〜3のいずれか一項において、
前記ダイベースと前記成形ダイの前記大径筒部との対向面間に、前記内側段差面の径方向外方側で周方向に延びる第2冷媒通路が設けられていることを特徴とする鍛造ダイ。 - 請求項4において、
前記ダイベースは、前記大径筒部の対向面との間に前記第2冷媒通路を形成する第2環状溝を有することを特徴とする鍛造ダイ。 - 請求項4または5において、
前記第2冷媒通路は、連通路を介して前記第1冷媒通路と連通されていることを特徴とする鍛造ダイ。
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