JP5487266B2 - 騒音低減型地下穿孔用のハンマードリル - Google Patents
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Description
本発明は、地盤補強用のパイルを設置するための地下穿孔用のハンマードリルに関するものであり、より詳細には、空圧によってピストンが上下に往復運動しながらハンマービットを打撃して穿孔するに当たり、ピストンとハンマービットとの間に設けられたエアー圧縮室にて圧縮されたエアーの圧力によってハンマービットを打撃することで、穿孔時の騒音を格段に低減することができ、強力な穿孔性能を有することのできる騒音低減型地下穿孔用のハンマードリルに関するものである。
建築工事に当たり、地盤に鋼管パイルやコンクリートパイルを打設して地盤を補強する工事が一般におこなわれる。
地盤(軟弱地盤を含む)に地盤補強用のパイルを打設する方式に関し、従来は、パイルを垂直に立てた後、この立設するパイルの上部を杭打ち機で打撃してパイルを地中に直接打設していた。しかしながら、この杭打ちによるパイル施工方式では、衝撃騒音が非常に大きいために、都心や住居地域では騒音公害であるとの訴えが頻繁におこっており、そのために本工法の適用が困難な状況となっている。
そこで、昨今は、地下を穿孔した後にこの穿孔した孔の中にパイルを挿入したり、鉄骨とコンクリートモルタルを打設したりして地盤を補強する方式に代替されている。
ところで、パイルを挿入するために地下を穿孔する際に用いられるドリルはスクリュードリルとハンマードリルに区分することができ、スクリュードリルは騒音がほとんど生じない長所がある一方で岩盤を穿孔し難いという短所がある。
一方、ハンマードリルは強力な力を発生でき、岩盤も破砕できる特殊なダイヤモンド工具を有しており、岩盤層も容易に穿孔できるという長所がある一方で穿孔時の騒音が非常に大きいという短所がある。
ハンマードリルの一例としては、登録実用新案第20-0348757号(200.4.14)のハンマービットのピストン逆動作防止装置、登録実用新案第20-043274号の方向切換弁のない空気圧ハンマーとハンマービット、及び公開実用新案公報第20-2008-0004299号(2008.10.2)の空気圧ハンマードリル等を参照することができる。
上述した従来の空気圧ハンマードリルは、ハンマードリルの下端に取り付けられてダイヤモンド工具が固着されたハンマービットを空圧によって昇降されるピストンで打撃し、同時に、オーガドライバから提供される回転力によってハンマードリルを回転させながら穿孔作業をおこなうものである。
しかしながら、上述したように、ハンマードリルは強力な穿孔性能にもかかわらず作業騒音が過度に大きいため、この問題を補完するためにハンマービットを数個に分割して穿孔時の騒音を低減させる方法が試みられたこともあった。このようにハンマービットを分割することで穿孔時の騒音を低減することはできたが、今度は穿孔性能が著しく低下してしまい、穿孔作業時間が遅延するといった別の問題が生じてしまい、実質的に現場で活用するには至っていない。
本発明は上記する問題に鑑み、地下を穿孔するハンマードリルにおいて、空圧によってピストンが上下に往復運動をしながらハンマービットを打撃して穿孔するに当たり、ピストンとハンマービットの間に設けられたエアー圧縮室内で圧縮されたエアーの圧力によってハンマービットを打撃することにより、穿孔時の騒音を格段に低減することができ、強力な穿孔性能を有することのできる騒音低減型地下穿孔用のハンマードリルを提供することを目的とする。
本発明に係る騒音低減型地下穿孔用のハンマードリルは、空圧によって上下に往復運動しながらハンマービットを打撃するピストンを備えた地下穿孔用のハンマードリルにおいて、ハンマービットとピストンとが接する領域(部位)に圧縮室を備えており、ピストンがハンマービットを打撃する際に圧縮室内で圧縮された空圧によってハンマービットを打撃することで、ハンマードリルの運転騒音を格段に低減することのできる騒音低減型地下穿孔用のハンマードリルである。
本発明のハンマードリルでは、ハンマービットの上側とピストンの下端面に圧縮室を形成する空間が設けられる。
圧縮室では、ピストンが昇降され得る直径を有する外側シリンダがハンマービットの上端周りに設けられ、ハンマービットの有する中空(内径壁面)には、圧縮されたエアーが該中空を通じて漏気されないように内側シリンダが設けている。
なお、圧縮室の他の変形例として、ピストンの下端部とハンマービットの上端部にそれぞれ一定の空間からなる空間部を設けておき、ピストンとハンマービットが近接された際に両空間部が合体して所定の空間を形成するような形態の圧縮室であってもよい。
本発明は、ピストンの下端部とハンマービットの上端部とが近接された際に、圧縮室内で圧縮された空圧によってピストンの作動圧がピストンに伝達されるため、ハンマービットの上端に加えられる衝撃エネルギーはピストンに直接伝達されず、圧縮された空圧を介して打撃されることから、穿孔時に発生する騒音を著しく低減させることができる。
また、本発明に係るハンマードリルを構成するハンマービットは、空圧による打撃を通じて岩盤を穿孔することから、穿孔時の騒音を格段に低減し得るだけでなく、穿孔性能を確保することができ、都心や住居地域の穿孔作業において極めて有効である。
以下、本発明に係る地下穿孔用のハンマードリルについて図面を参照して詳細に説明する。
図1〜図6は、地下穿孔用のハンマードリルを示した要部断面図であり、運転の際のハンマードリルの作動状態を順に縦断面図で示したものである。
まず、ハンマードリル(100)は、トップサブ(10)を通じてオーガドライバ(図示しない)と連結され、地面上に垂直に立てられた状態で支持される。
ハンマードリル(100)は、トップサブ(10)の内部に設けられたエアー流入孔(11)を通じてその内部に圧力エアーが流入され、オーガドライバから提供される回転力によって回転される。
エアー流入孔(11)に流入される高圧のエアーは、図2の拡大図Aで示すように、チェック弁(21)を圧力によって強制開放しながら、エアー弁(20)に設けられたエアー分配孔(22)と誘導通路(23)を経由してアウタースリーブ(30)とインナースリーブ(31)の外周面(外径壁面)の間に進入し、作動室(24)の内部圧力を瞬間的に上昇させる。
アウタースリーブ(30)とインナースリーブ(31)の間の作動室(24)の圧力が瞬間的に上昇すると、図3で示すように、圧力上昇によってチェック弁(21)がエアー流入孔(11)を閉鎖し、ピストン(40)がアウタースリーブ(30)の上側へ移動しながら、ピストン(40)はハンマービット(50)の上面から分離される。そして、ピストン(40)の上昇によって露出されるハンマービット(50)のエアー排気孔(51)を通じてエアーが排気される。
また、ピストン(40)が上昇すると、図3の拡大図Cで示すように、ピストン(40)の外周面に設けられたシーリング突起(42)がアウタースリーブ(30)の内周面(内径壁面)に接し、作動室(24)では、エアー流入孔(11)から流入されるエアーによってピストン(40)が瞬間的に下降することになる。
上述したように、ピストン(40)の昇降運動によってハンマービット(50)の上端部を打撃することになる。その具体的な構成を以下で説明する。
図5の拡大図Eで示すように、ピストン(40)の下端部が圧縮室(52)内に進入しながら圧縮室(52)内のエアーを圧縮させることになる。
圧縮室(52)は、ハンマービット(50)とピストン(40)とが接する、アウタースリーブ(30)内の領域に形成されるものであり、ピストン(40)が挿入される内径と所定の高さを備えた外側シリンダ(54a)と、ハンマービット(50)のエアー排気孔(51)の上端部においてピストン(40)の有する中空(内径壁面)内に挿入される外径を備えた内側シリンダ(54b)と、から構成されている。
外側シリンダ(54a)は、外径がアウタースリーブ(30)の内径と略同一の直径を有し、アウタースリーブ(30)の内部に挿入されて組立てられており、図4の拡大図Dで示すように、アウタースリーブ(30)の内周面との間に円周方向に一定間隔で配置されたエアー漏気用の溝(53)を備えている。
エアー漏気用の溝(53)は、ドライブサブ(57)の円周面に設けられたエアー通路(56)と連通する孔(54c)を備えており、ピストン(40)が圧縮室(52)内に進入する前は、下降するピストン(40)によってハンマービット(50)の上部周辺に存在するエアーはエアー排気孔(51)を通じて排気され、ピストン(40)が圧縮室52内に進入すると、ピストンの周りに存在するエアーは、エアー漏気用の溝(53)と孔(54c)及びエアー通路(56)を通じて排気されながらハンマービット(50)を冷却する。
エアー通路(56)を介して、ドライブサブ(57)の円周面に一定間隔で軸線方向に配置された溝に少量のエアーが排気される。
内側シリンダ(54b)は、ピストン(40)が圧縮室(52)に進入する過程において圧縮室(52)で圧縮されるエアーがエアー排気孔(51)へ漏気するのを抑止するとともに、ピストン(40)をハンマービット(50)上の定位置に整列させるガイド作用を提供する。
また、ハンマービット(50)の上端部には、図6で示すように、圧縮室(52)の底面に伸縮力を有する高弾性のゴム材のような緩衝部材(55)を配置しておき、ピストン(40)が下死点に到達した際にハンマービットに衝突する衝突圧力を緩和させるのが好ましい。
ピストン(40)が圧縮室(52)内に進入し、ピストンが下死点に達して圧縮力が最大となった際に、ピストンの底面が緩衝部材の上端部と接するように圧縮室(52)の高さを設計するのが好ましい。これは、ピストン(40)の衝撃によって緩衝部材(55)が破損するのを防止できるだけでなく、エアーの圧縮力を最も大きく確保することで、ハンマービット(50)の穿孔性能を極大化することができ、しかも、穿孔時の騒音をより一層低減できるからである。
以上で説明したように、本発明に係る騒音低減型地下穿孔用のハンマードリルは、ピストンの圧縮によって生じるエアー圧にてハンマービットを打撃して地盤の穿孔をおこなうため、穿孔時の騒音を大幅に低減することができる。
10…トップサブ、11…エアー流入孔、21…チェック弁、20…エアー弁、22…エアー分配孔、23…誘導通路、24…作動室、30…アウタースリーブ、31…インナースリーブ、40…ピストン、42…シーリング突起、50…ハンマービット、51…エアー排気孔、52…圧縮室、53…エアー漏気用の溝、54a…外側シリンダ、54b…内側シリンダ、54c…孔、55…緩衝部材、56…エアー通路、57…ドライブサブ、100…ハンマードリル
Claims (2)
- 空圧によって上下に往復運動しながらハンマービットを打撃するピストンを備えた地下穿孔用のハンマードリルであって、
ハンマービット(50)とピストン(40)とが接する、アウタースリーブ(30)内の領域に圧縮室(52)を備えており、
前記圧縮室(52)は、
ピストン(40)が挿入される内径と所定の高さを有する外側シリンダ(54a)と、
ハンマービット(50)のエアー排気孔(51)の上端部に配設され、ピストン(40)の有する中空に挿入される外径を備えた内側シリンダ(54b)と、から構成されていることを特徴とする、騒音低減型地下穿孔用のハンマードリル。 - 圧縮室(52)の底面に緩衝部材(55)が取付けられていることを特徴とする請求項1に記載の騒音低減型地下穿孔用のハンマードリル。
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