JP5486919B2 - 成形材料、成形体、及びその製造方法、並びに電気電子機器用筐体 - Google Patents
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Description
ところで、石油、石炭、天然ガス等の化石資源は、長年月の間、地中に固定されてきた炭素を主成分とするものである。このような化石資源、又は化石資源を原料とする製品を燃焼させて、二酸化炭素が大気中に放出された場合には、本来、大気中に存在せずに地中深くに固定されていた炭素を二酸化炭素として急激に放出することになり、大気中の二酸化炭素が大きく増加し、これが地球温暖化の原因となっている。したがって、化石資源である石油を原料とするABS、PC等のポリマーは、電気電子機器用部材の素材としては、優れた特性を有するものであるものの、化石資源である石油を原料とするものであるため、地球温暖化の防止の観点からは、その使用量の低減が望ましい。
一方、植物由来の樹脂は、元々、植物が大気中の二酸化炭素と水とを原料として光合成反応によって生成したものである。そのため、植物由来の樹脂を焼却して二酸化炭素が発生しても、その二酸化炭素は元々、大気中にあった二酸化炭素に相当するものであるから、大気中の二酸化炭素の収支はプラスマイナスゼロとなり、結局、大気中のCO2の総量を増加させない、という考え方がある。このような考えから、植物由来の樹脂は、いわゆる「カーボンニュートラル」な材料と称されている。石油由来の樹脂に代わって、カーボンニュートラルな材料を用いることは、近年の地球温暖化を防止する上で急務となっている。
このため、PCポリマーにおいて、石油由来の原料の一部としてデンプン等の植物由来資源を使用することにより石油由来資源を低減する方法が提案されている(特許文献2)。
しかし、より完全なカーボンニュートラルな材料を目指す観点から、さらなる改良が求められている。
また、薬剤のコーティング等用途として、ヒドロキシプロピルメチルプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルブチルセルロース等(特許文献5)、ヒドロキシプロピルメチルセロースフタレート等(特許文献6)が開示されている。
例えば、上記特許文献3、4、及び6に記載のセルロース誘導体は水可溶性又は膨潤性であり、強度が不足しており成形材料として好ましくない。また、特許文献5に記載のセルロース誘導体は水難溶性であることが記載されているが、本文中に記載があるのみでその合成方法及び使用形態等については実施例等で具体的に開示されていない。
また、特許文献7に記載されたセルロースエステルとアクリロニトリル−スチレン樹脂とを含有する樹脂組成物は、耐衝撃性の観点で改善の余地がある。
すなわち、上記課題は以下の手段により達成することができる。
<1>
セルロースに含まれる水酸基の水素原子が、
下記A)で置換された基を少なくとも1つ、及び
下記B)で置換された基を少なくとも1つ含むセルロース誘導体と、
ゴム成分を分散相として有するアクリロニトリル−スチレン共重合体とを含有し、
セルロース誘導体における下記A)の基の置換度DS A は、1.0<DS A ≦2.5であり、
セルロース誘導体におけるアシル化度は58〜99であり、
セルロース誘導体/ゴム成分を分散相として有するアクリロニトリル−スチレン共重合体の質量組成比が20/80〜95/5である成形材料。
A)炭素数1〜4のアルキル基:−R A
B)アシル基:−CO−R B (R B はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、1−エチルペンチル基、2−エチルヘキシル基、tert−ブチル基、又はイソヘプチル基を表す。)
<2>
前記セルロース誘導体が、更に、セルロースに含まれる水酸基の水素原子が下記C)で置換された基を少なくとも1つ含む、<1>に記載の成形材料。
C)アルキレンオキシ基:−R C2 −O−とアシル基:−CO−R C1 とを含む基(R C1 は炭化水素基を表し、R C2 は炭素数が2又は3のアルキレン基を表す。)
<3>
前記C)アルキレンオキシ基とアシル基とを含む基が、下記一般式(3)で表される構造を含む基である、<2>に記載の成形材料。
(式中、R C1 は炭化水素基を表し、R C2 は炭素数が2又は3のアルキレン基を表す。nは1以上の整数を表す。)
<4>
前記R A がメチル基又はエチル基である、<1>〜<3>のいずれか1項に記載の成形材料。
<5>
前記R C1 が、アルキル基又はアリール基である、<2>〜<4>のいずれか1項に記載の成形材料。
<6>
前記R C1 が、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、1−エチルペンチル基、2−エチルヘキシル基、tert−ブチル基、又はイソヘプチル基である、<2>〜<5>のいずれか1項に記載の成形材料。
<7>
前記R B 及びR C1 が、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、又はプロピル基である、<2>〜<6>のいずれか1項に記載の成形材料。
<8>
前記R B が、イソプロピル基、イソブチル基、1−エチルペンチル基、2−エチルヘキシル基、tert−ブチル基、又はイソヘプチル基である、<1>〜<6>のいずれか1項に記載の成形材料。
<9>
前記アルキレンオキシ基が下記式(1)又は(2)で表される基である、<2>〜<8>のいずれか1項に記載の成形材料。
<10>
前記アルキレンオキシ基のモル置換度MSが0<MS<1.0である<2>〜<9>のいずれか1項に記載の成形材料。
<11>
前記セルロース誘導体の数平均分子量が10×10 3 〜200×10 3 である<1>〜<10>のいずれか1項に記載の成形材料。
<12>
前記セルロース誘導体に含まれるカルボキシル基、スルホン酸基、及びこれらの塩の含有量が、セルロース誘導体に対して1質量%以下である、<1>〜<11>のいずれか1項に記載の成形材料。
<13>
前記セルロース誘導体が水に不溶である、<1>〜<12>のいずれか1項に記載の成形材料。
<14>
前記ゴム成分を分散相として有するアクリロニトリル−スチレン共重合体において、アクリロニトリル−スチレン共重合体に分散するゴム成分が、ポリブタジエンゴム、アクリル系ゴム、及びエチレン−プロピレン−ジエン系ゴムからなる群から選ばれる少なくともいずれかである、<1>〜<13>のいずれか1項に記載の成形材料。
<15>
更に、相溶化剤を含有する、<1>〜<14>のいずれか1項に記載の成形材料。
<16>
前記相溶化剤が、カルボン酸無水物、又は、エポキシ基、イソシアネート基、及びオキサゾリン基から選ばれる少なくともいずれかを有する、<15>に記載の成形材料。
<17>
<1>〜<16>のいずれか1項に記載の成形材料を加熱成形して得られる成形体。
<18>
<1>〜<16>のいずれか1項に記載の成形材料を加熱し、成形する工程を含む、成形体の製造方法。
<19>
<17>に記載の成形体から構成される電気電子機器用筐体。
本発明は、上記<1>〜<19>に関するものであるが、その他の事項(たとえば下記[1]〜[17]に記載した事項など)についても参考のために記載した。
セルロースに含まれる水酸基の水素原子が、
下記A)で置換された基を少なくとも1つ、及び
下記B)で置換された基を少なくとも1つ含むセルロース誘導体と、
ゴム成分を分散相として有するアクリロニトリル−スチレン共重合体とを含有する成形材料。
A)炭化水素基:−RA
B)アシル基:−CO−RB(RBは炭化水素基を表す。)
[2]
前記セルロース誘導体が、更に、セルロースに含まれる水酸基の水素原子が下記C)で置換された基を少なくとも1つ含む、[1]に記載の成形材料。
C)アルキレンオキシ基:−RC2−O−とアシル基:−CO−RC1とを含む基(RC1は炭化水素基を表し、RC2は炭素数が2又は3のアルキレン基を表す。)
[3]
前記C)アルキレンオキシ基とアシル基とを含む基が、下記一般式(3)で表される構造を含む基である、[1]又は[2]に記載の成形材料。
[4]
前記RAが炭素数1〜4のアルキル基である、[1]〜[3]のいずれかに記載の成形材料。
[5]
前記RAがメチル基又はエチル基である、[1]〜[4]のいずれかに記載の成形材料。
[6]
前記RB及びRC1が、それぞれ独立に、アルキル基又はアリール基である、[1]〜[5]のいずれかに記載の成形材料。
[7]
前記RB及びRC1が、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、又はプロピル基である、[1]〜[6]のいずれかに記載の成形材料。
[8]
前記RBが、炭素数3〜10の分岐構造を有する炭化水素基である、[1]〜[6]のいずれかに記載の成形材料。
[9]
前記アルキレンオキシ基が下記式(1)又は(2)で表される基である、[2]〜[8]のいずれかに記載の成形材料。
前記セルロース誘導体が、カルボキシル基、スルホン酸基、及びこれらの塩を実質的に有さない、[1]〜[9]のいずれかに記載の成形材料。
[11]
前記セルロース誘導体が水に不溶である、[1]〜[10]のいずれかに記載の成形材料。
[12]
前記ゴム成分を分散相として有するアクリロニトリル−スチレン共重合体において、アクリロニトリル−スチレン共重合体に分散するゴム成分が、ポリブタジエンゴム、アクリル系ゴム、及びエチレンープロピレンージエン系ゴムからなる群から選ばれる少なくともいずれかである、[1]〜[11]のいずれかに記載の成形材料。
[13]
更に、相溶化剤を含有する、[1]〜[12]のいずれかに記載の成形材料。
[14]
前記相溶化剤が、カルボン酸無水物、又は、エポキシ基、イソシアネート基、及びオキサゾリン基から選ばれる少なくともいずれかを有する、[13]に記載の成形材料。
[15]
[1]〜[14]のいずれかに記載の成形材料を加熱成形して得られる成形体。
[16]
[1]〜[14]のいずれかに記載の成形材料を加熱し、成形する工程を含む、成形体の製造方法。
[17]
[15]に記載の成形体から構成される電気電子機器用筐体。
下記A)で置換された基を少なくとも1つ、及び
下記B)で置換された基を少なくとも1つ含むセルロース誘導体(以下、「セルロース誘導体」ともいう)と、
ゴム成分を分散相として有するアクリロニトリル−スチレン共重合体とを含有する成形材料に関する。
A)炭化水素基:−RA
B)アシル基:−CO−RB(RBは炭化水素基を表す。)
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の成形材料に含まれるセルロース誘導体は、セルロースに含まれる水酸基の水素原子が、
下記A)で置換された基を少なくとも1つ、及び
下記B)で置換された基を少なくとも1つ含むセルロース誘導体である。
A)炭化水素基:−RA
B)アシル基:−CO−RB(RBは炭化水素基を表す。)
すなわち、本発明におけるセルロース誘導体は、セルロースエーテルエステルであり、セルロース{(C6H10O5)n}に含まれる水酸基の水素原子の少なくとも一部が、A)炭化水素基:−RA、B)アシル基:−CO−RB(RBは炭化水素基を表す。)により置換されている。
より詳細には、本発明におけるセルロース誘導体は、下記一般式(A)で表される繰り返し単位を有する。
更には、セルロースは完全な植物由来成分であるため、カーボンニュートラルであり、環境に対する負荷を大幅に低減することができる。
より具体的な態様としては、例えば以下の態様が挙げられる。
(1)R2、R3及びR6の少なくとも1つが、A)炭化水素基で置換されている繰り返し単位と、R2、R3及びR6の少なくとも1つが、B)アシル基で置換されている繰り返し単位と、から構成されるセルロース誘導体。
(2)ひとつの繰り返し単位のR2、R3及びR6のいずれかがA)炭化水素基、及びB)アシル基で置換されている(すなわち、ひとつの繰り返し単位中に前記A)及びB)の置換基を有する)同種の繰り返し単位から構成されるセルロース誘導体。
(3)置換位置や置換基の種類が異なる繰り返し単位が、ランダムに結合しているセルロース誘導体。
また、セルロース誘導体には、無置換の繰り返し単位(すなわち、前記一般式(A)において、R2、R3及びR6すべてが水素原子である繰り返し単位)を含んでいてもよい。
また、セルロース誘導体は、水素原子、A)炭化水素基、及びB)アシル基以外のその他の置換基を有していても良い。
RAが脂肪族基である場合は、直鎖、分岐、及び環状のいずれでもよく、不飽和結合を持っていてもよい。脂肪族基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。
RAが芳香族基である場合は、単環、及び縮環のいずれでもよい。RAが芳香族基である場合の好ましい炭素数は6〜18であり、より好ましくは6〜14、更に好ましくは6〜10である。芳香族基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基等が挙げられる。
A)炭化水素基は、得られる成形材料(以下「セルロース樹脂組成物」又は「樹脂組成物」と称する場合がある。)の耐衝撃性が優れることから、脂肪族基であることが好ましく、メルトフローレート等の成形加工性が優れることから、より好ましくはアルキル基であり、更に好ましくは炭素数1〜4のアルキル基(低級アルキル基)である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、tert−ブチル基、イソヘプチル基等が挙げられ、メチル基又はエチル基が特に好ましい。
RBが脂肪族基である場合は、直鎖、分岐、及び環状のいずれでもよく、不飽和結合を持っていてもよい。脂肪族基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。
RBが芳香族基である場合は、単環、及び縮環のいずれでもよい。芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、アントリル基等が挙げられる。
RBは、好ましくはアルキル基又はアリール基である。RBは、より好ましくは炭素数1〜12のアルキル基又はアリール基であり、更に好ましくは炭素数1〜12のアルキル基であり、特に好ましくは炭素数1〜4のアルキル基であり、最も好ましくは炭素数1又は2のアルキル基(すなわち、メチル基又はエチル基)である。
また、RBは、炭素数3〜10の分岐構造を有する炭化水素基であることも好ましく、炭素数3〜10の分岐構造を有するアルキル基であることがより好ましく、炭素数7〜9の分岐構造を有するアルキル基であることが更に好ましい。
RBとしては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、2−エチルヘキシル基、tert−ブチル基、及びイソヘプチル基等が挙げられる。好ましくは、RBはメチル基、エチル基、プロピル基、又は2−エチルヘキシル基であり、より好ましくはメチル基、エチル基、又は2−エチルヘキシル基である。
C)アルキレンオキシ基:−RC2−O−とアシル基:−CO−RC1とを含む基(RC1は炭化水素基を表し、RC2は炭素数が2又は3のアルキレン基を表す。)
アルキレンオキシ基(−RC2−O−)としては、具体的には下記構造が挙げられる。
また、本発明におけるセルロース誘導体は、アルキレンオキシ基を1つだけ含む前記C)の基(上記一般式(3)においてnが1である基)と、アルキレンオキシ基を2以上含む前記C)の基(上記一般式(3)においてnが2以上である基)とを含んでいてもよい。
なお、「カルボキシル基、スルホン酸基、及びこれらの塩を実質的に有さない」とは、本発明におけるセルロース誘導体が全くカルボキシル基、スルホン酸基、及びこれらの塩を有さない場合のみならず、本発明におけるセルロース誘導体が水に不溶な範囲で微量のカルボキシル基、スルホン酸基、及びこれらの塩を有する場合を包含するものとする。例えば、原料であるセルロースにカルボキシル基が含まれる場合があり、これを用いて前記A)〜C)の置換基を導入したセルロース誘導体はカルボキシル基が含まれる場合があるが、これは「カルボキシル基、スルホン酸基、及びこれらの塩を実質的に有さないセルロース誘導体」に含まれるものとする。
この場合、カルボキシル基、スルホン酸基、及びこれらの塩の好ましい含有量としては、セルロース誘導体に対して1質量%以下、より好ましくは0.5質量%以下である。
B)アシル基(−CO−RB)の置換度DSB(繰り返し単位中、β−グルコース環のセルロース構造の2位、3位及び6位の水酸基に対する−CO−RBの数)は、0.1<DSBであることが好ましく、0.1<DSB<2.0であることがより好ましい。
C)アルキレンオキシ基:−RC2−O−とアシル基:−CO−RC1とを含む基の置換度DSC(繰り返し単位中、β−グルコース環のセルロース構造の2位、3位及び6位の水酸基に対するC)アルキレンオキシ基:−RC2−O−とアシル基:−CO−RC1とを含む基の数)は、0<DSCであることが好ましく、0<DSC<1.0であることがより好ましい。0<DSCであることにより、セルロース誘導体の溶融開始温度を低くできるので、熱成形をより容易に行うことができる。
上記のような範囲の置換度とすることにより、機械強度及び成形性等を向上させることができる。
分子量分布(MWD)は1.1〜10.0の範囲が好ましく、1.5〜8.0の範囲が更に好ましい。この範囲の分子量分布とすることにより、成形性等を向上させることができる。
本発明における、数平均分子量(Mn)、質量平均分子量(Mw)及び分子量分布(MWD)の測定は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いて行うことができる。具体的には、N−メチルピロリドンを溶媒とし、ポリスチレンゲルを使用し、標準単分散ポリスチレンの構成曲線から予め求められた換算分子量較正曲線を用いて求めることができる。
本発明におけるセルロース誘導体の製造方法は特に限定されず、セルロースを原料とし、セルロースに対しエーテル化及びエステル化することにより本発明におけるセルロース誘導体を製造することができる。セルロースの原料としては限定的でなく、例えば、綿、リンター、パルプ等が挙げられる。
前記セルロースエーテルとしては、例えば、セルロースに含まれるβ−グルコース環の2位、3位、及び6位の水酸基の水素原子の少なくとも一部が、炭化水素基に置換されたものを用いることができ、具体的には、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ブチルセルロース、アリルセルロース、ベンジルセルロース等が挙げられる。
また、別の態様として、例えばメチルセルロース、エチルセルロース等のセルロースエーテルにプロピレンオキサイド等によりエーテル化するか、又はセルロースにメチルクロライド、エチルクロライド等のアルキルクロライド/炭素数3のアルキレンオキサイド等を作用させた後、更に酸クロライド又は酸無水物等を反応させることにより、エステル化する工程を含む方法も挙げられる。
酸クロライドを反応させる方法としては、例えばCellulose 10;283−296,2003に記載の方法を用いることができる。
炭化水素基とヒドロキシエチル基を有するセルロースエーテルとしては、具体的には、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシエチルプロピルセルロース、ヒドロキシエチルアリルセルロース、ヒドロキシエチルベンジルセルロース等が挙げられる。好ましくは、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロースである。
炭化水素基とヒドロキシプロピル基を有するセルロースエーテルとしては、具体的には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルアリルセルロース、ヒドロキシプロピルベンジルセルロース等が挙げられる。好ましくは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルエチルセルロースである。
なお、前述したとおり、本発明におけるセルロース誘導体は置換基としてカルボン酸を有さないことが好ましいため、例えば無水フタル酸、無水マレイン酸等のジカルボン酸等、セルロースと反応させてカルボキシル基が生じる化合物を用いないことが好ましい。
本発明の成形材料はゴム成分を分散相として有するアクリロニトリル−スチレン共重合体(以下、ゴム分散AS樹脂ともいう)を含有する。
ゴム分散AS樹脂は、分散しているゴム成分が衝撃を吸収するため、本発明における特定のセルロース誘導体と混ぜることで、特定のセルロース誘導体を単独で用いた場合よりも、耐衝撃性を向上させることができる。更に、本発明における特定のセルロース誘導体は、エーテル構造とエステル構造を含むため、従来のセルロースエステルなどよりも、アクリロニトリルなどの極性が高い構造に対して親和性が高く、ゴム分散AS樹脂との親和性に優れる。そのため、ゴム分散AS樹脂は、本発明における特定のセルロース誘導体に対する分散性に優れ、両者は良好に混ざり合うため、特定のセルロース誘導体を単独で用いた場合に対して剛性、曲げ強度、熱変形温度、及び成形加工性といった性能を下げない。
これらエチレン−α−オレフィン系共重合ゴムを得るには、均一系、不均一系いずれの触媒を用いても良い。均一系触媒としてはメタロセン系触媒を挙げることができる。不均一系触媒としては、例えばバナジウム化合物と有機アルミニウム化合物を組み合わせたバナジウム系触媒を挙げることができる。
アクリル酸エステルの具体例としては、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸へキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルへキシルなどが挙げられる。これらは1種又は2種以上を併用することができる。好ましいアクリル酸エステルとしては、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸2−エチルへキシルである。
本発明の成形材料は、上記で説明したセルロース誘導体とゴム分散AS樹脂とを含有しており、必要に応じてその他の添加剤を含有することができる。
本発明の成形材料に含まれる成分の含有割合は、特に限定されない。
本発明の成形材料に含まれるセルロース誘導体の含有割合は、特に限定されない。好ましくはセルロース誘導体を全固形分に対して、35質量%以上、より好ましくは45質量%以上99質量%、更に好ましくは60質量%以上95質量%含有する。
本発明の成形材料に含まれるゴム分散AS樹脂の含有割合は特に限定されない。好ましくはゴム分散AS樹脂を全固形分に対して1質量%以上70質量%以下、より好ましくは5質量%以上50質量%以下含有する。
また、本発明の成形材料中、前記セルロース誘導体と前記ゴム分散AS樹脂の含有比は、耐衝撃性、成形加工性、及び耐熱性の観点から、セルロース誘導体/ゴム分散AS樹脂の質量組成比が20/80〜95/5であることが好ましく、より好ましくは40/60〜90/10、更に好ましくは60/40〜90/10である。
好ましい相溶化剤としては、カルボン酸無水物、エポキシ基、イソシアネート基、及びオキサゾリン基で変性された重合体、ブロック共重合体、グラフト重合体、並びにランダム共重合体、更に種々のノニオン系界面活性剤、カップリング剤、架橋剤を挙げることができる。
相溶化剤は、上記の条件を満たす材料であれば特に限定されないが、具体的には、日本油脂(株)製モディパーシリーズ、住友化学(株)製、ボンドファースト、ボンダインシリーズ、日本石油(株)社製レクスパールシリーズ、東亞合成(株)社製レゼダシリーズ、アルフォンシリーズ、日本触媒(株)製エポクロスシリーズ、旭化成ケミカルズ(株)社製デュラネートシリーズ(いずれも商品名)などの市販品が好適に用いられる。また相溶化剤はこれらに限定されることはなく、「プラスチック相溶化剤 開発・評価・リサイクル」(シーエムシー出版)に記載の相溶化剤なども好適に用いることができる。
フィラーとしては、公知のものを使用できる。フィラーの形状は、繊維状、板状、粒状、粉末状等いずれでもよい。また、無機物でも有機物でもよい。
具体的には、無機フィラーとしては、ガラス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、金属繊維、チタン酸カリウムウイスカー、ホウ酸アルミニウムウイスカー、マグネシウム系ウイスカー、珪素系ウイスカー、ワラステナイト、セピオライト、スラグ繊維、ゾノライト、エレスタダイト、石膏繊維、シリカ繊維、シリカ・アルミナ繊維、ジルコニア繊維、窒化硼素繊維、窒化硅素繊維及び硼素繊維等の繊維状の無機フィラーや;ガラスフレーク、非膨潤性雲母、カーボンブラック、グラファイト、金属箔、セラミックビーズ、タルク、クレー、マイカ、セリサイト、ゼオライト、ベントナイト、ドロマイト、カオリン、微粉ケイ酸、長石粉、チタン酸カリウム、シラスバルーン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、酸化ケイ素、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、石膏、ノバキュライト、ドーソナイト、白土等の板状や粒状の無機フィラーが挙げられる。
難燃剤は、特に限定されず、常用のものを用いることができる。例えば、臭素系難燃剤、塩素系難燃剤、リン含有難燃剤、ケイ素含有難燃剤、窒素化合物系難燃剤、無機系難燃剤等が挙げられる。これらの中でも、樹脂との複合時や成形加工時に熱分解してハロゲン化水素が発生して加工機械や金型を腐食させたり、作業環境を悪化させたりすることがなく、また、焼却廃棄時にハロゲンが気散したり、分解してダイオキシン類等の有害物質の発生等によって環境に悪影響を与える可能性が少ないことから、リン含有難燃剤及びケイ素含有難燃剤が好ましい。
これらのリン含有難燃剤は、1種単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらのケイ素含有難燃剤は1種単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
他の成分としては、例えば、前記セルロース誘導体及び前記ゴム分散AS樹脂以外のポリマー、可塑剤、安定剤(酸化防止剤、紫外線吸収剤など)、離型剤(脂肪酸、脂肪酸金属塩、オキシ脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪族部分鹸化エステル、パラフィン、低分子量ポリオレフィン、脂肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミド、脂肪族ケトン、脂肪酸低級アルコールエステル、脂肪酸多価アルコールエステル、脂肪酸ポリグリコールエステル、変成シリコーン)、帯電防止剤、難燃助剤、加工助剤、ドリップ防止剤、抗菌剤、防カビ剤等が挙げられる。更に、染料や顔料を含む着色剤などを添加することもできる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等が挙げられ、好ましくは、フェノール系酸化防止剤である。フェノール系酸化防止剤としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製のイルガノックス1010、イルガノックス1076、イルガノックス3114等を好適に使用できる。
また、各種アクリルゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体及びそのアルカリ金属塩(いわゆるアイオノマー)、エチレン−アクリル酸アルキルエステル共重合体(例えば、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、エチレン−アクリル酸ブチル共重合体)、ジエン系ゴム(例えば、1,4−ポリブタジエン、1,2−ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン)、ジエンとビニル単量体との共重合体(例えば、スチレン−ブタジエンランダム共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレンランダム共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、ポリブタジエンにスチレンをグラフト共重合させたもの、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体)、ポリイソブチレン、イソブチレンとブタジエン又はイソプレンとの共重合体、ブチルゴム、天然ゴム、チオコールゴム、多硫化ゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、ポリエーテルゴム、エピクロロヒドリンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、その他ポリウレタン系やポリエステル系、ポリアミド系などの熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
これらのポリマーは、1種単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明の成形体の製造方法は、前記成形材料を加熱し、成形する工程を含む。
成形方法としては、例えば、射出成形、押し出し成形、ブロー成形等が挙げられる。
加熱温度は、通常160〜300℃であり、好ましくは180〜260℃である。
メカニカルスターラー、温度計、冷却管、滴下ロートをつけた5Lの三ツ口フラスコにヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名メトローズ90SH−100;信越化学製)60g、N,N−ジメチルアセトアミド2100mLを量り取り、室温で攪拌した。反応系が透明になり完溶したことを確認した後、アセチルクロライド101mLをゆっくりと滴下し、系の温度を80℃〜90℃に昇温した。このまま3時間攪拌した後、反応系の温度を室温まで冷却した。反応溶液を水10Lへ激しく攪拌しながら投入すると、白色固体が析出した。白色固体を吸引ろ過によりろ別し、大量の水で3回洗浄を行った。得られた白色固体を100℃で6時間真空乾燥することにより目的のセルロース誘導体(C−1)(アセトキシプロピルメチルアセチルセルロース)を白色粉体として得た。
合成例1におけるヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名メトローズ90SH−100;信越化学製)をヒドロキシエチルメチルセルロース(商品名マーポローズME−250T;松本油脂製)、メチルセルロース(商品名マーポローズM−4000:松本油脂製株式会社製)、エチルセルロース(商品名エトセル300CP:ダウケミカル製)に変更した以外は合成例1と同様にしてアセトキシエチルメチルアセチルセルロース(C−2)、メチルアセチルセルロース(C−3)、エチルアセチルセルロース(C−4)を得た。
メカニカルスターラー、温度計、冷却管、滴下ロートをつけた3Lの三ツ口フラスコにメチルセルロース(和光純薬製:メチル置換度1.8)80g、ピリジン1500mLを量り取り、室温で攪拌した。ここに水冷下、2−エチルヘキサノイルクロリド173mLをゆっくりと滴下し、更に60℃で6時間攪拌した。反応後、室温に戻し、氷冷下、メタノール200mLを加えてクエンチした。反応溶液を水12Lへ激しく攪拌しながら投入すると、白色固体が析出した。白色固体を吸引ろ過によりろ別し、大量のメタノール溶媒で3回洗浄を行った。得られた白色固体を100℃で6時間真空乾燥することによりメチルセルロース−2−エチルヘキサノエート(C−5)を得た。
合成例5におけるメチルセルロース(和光純薬製:メチル置換度1.8)に変えて、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名メトローズ90SH−100;信越化学製)、及び2−エチルヘキサノイルクロリドに変えてバレロイルクロライドを用いた以外、合成例5と同様にして、バレロキシプロピルブバレロイルセルロース(C−6)を得た。
合成例6におけるヒドロキシプロピルメチルセルロース(商品名メトローズ90SH−100;信越化学製)をヒドロキシブチルメチルセルロース(メトローズSM4000:信越化学製)を用いた以外、合成例6と同様にしてバレロキシブチルメチルバレロイルセルロース(C−7)を得た。
得られたセルロース誘導体について、数平均分子量(Mn)、質量平均分子量(Mw)、を測定した。これらの測定方法は以下の通りである。
[分子量及び分子量分布]
数平均分子量(Mn)、質量平均分子量(Mw)の測定は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いた。具体的には、N−メチルピロリドンを溶媒とし、ポリスチレンゲルを使用し、標準単分散ポリスチレンの構成曲線から予め求められた換算分子量較正曲線を用いて求めた。GPC装置は、HLC−8220GPC(東ソー社製)を使用した。
[成形体の作製]
セルロース誘導体(C−1〜C−7、H−1)、ゴム分散AS樹脂、相溶化剤、酸化防止剤を表3に示す配合割合(質量%)で混合し、セルロース樹脂組成物(成形材料)を作製した。この樹脂組成物を二軸混練押出機(テクノベル(株)製、Ultranano)に供給しペレットを作製し、ついで得られたペレットを、射出成形機(ファナック(株)Roboshot S−2000i、自動射出成形機)に供給して、4×10×80mmの多目的試験片(衝撃試験片及び曲げ試験片)を成形した。
ABS樹脂(ブタジエン分散AS樹脂):UMG−ABS−AM、UMG社
AAS(ASA)樹脂(アクリルゴム分散AS樹脂):ダイヤラックS510、UMG社
AES樹脂(エチレン−プロピレン−ジエン系ゴム分散AS樹脂):ダイヤラックSK30、UMG社
相溶化剤:モディパーA4400、日本油脂(株)
酸化防止剤:フェノール系酸化防止剤イルガノックス1010、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)
得られた多目的試験片を用いて、以下の項目について評価した。評価結果は表3に示した。
ISO178に準拠して、射出成形にて成形した試験片を23℃±2℃、50%±5%RHで48時間以上調整した後、インストロン(東洋精機製、ストログラフV50)によって支点間距離64mm、試験速度2mm/minで曲げ弾性率を測定した。測定は3回測定の平均値である。
ISO178に準拠して、射出成形にて成形した試験片を23℃±2℃、50%±5%RHで48時間以上調整した後、インストロン(東洋精機製、ストログラフV50)によって支点間距離64mm、試験速度2mm/minで曲げ試験を行い、試験中の最大応力を曲げ強度とした。測定は3回測定の平均値である。
ISO75に準拠して、試験片の中央に一定の曲げ荷重(1.8MPa)を加え(フラットワイズ方向)、等速度で昇温させ、中央部のひずみが0.34mmに達したときの温度(℃)を測定した。熱変形温度測定装置は、(株)東洋精機製作所製 HDTテスタ6M−2を用いた。測定は3回測定の平均値である。
ISO179に準拠して、射出成形にて成形した試験片に入射角45±0.5°、先端0.25±0.05mmのノッチを形成し、23℃±2℃、50%±5%RHで48時間以上静置した後、シャルピー衝撃試験機((株)東洋精機製作所製)によってエッジワイズにて衝撃強度を測定した。測定は3回測定の平均値である。
分散性の指標として、光学顕微鏡(ニコン LV100)を用いて評価をした。ミクロトームで2μmに薄切し1000倍で観察したときに下記基準で評価した。
○:凝集物が観察されない場合
△:凝集物がわずかに観察される場合
×:凝集物が多数観察される場合
成形性評価は、射出成形機での成形適性を示しており、計量性及び射出性をそれぞれ低せん断速度(10s−1)、及び高せん断速度(660s−1)での粘度で評価した。粘度測定は、回転式レオメーター(レオストレス RS600:Thermo HAAKE)を用いて行った。評価基準は以下4段階とした。
Claims (19)
- セルロースに含まれる水酸基の水素原子が、
下記A)で置換された基を少なくとも1つ、及び
下記B)で置換された基を少なくとも1つ含むセルロース誘導体と、
ゴム成分を分散相として有するアクリロニトリル−スチレン共重合体とを含有し、
セルロース誘導体における下記A)の基の置換度DS A は、1.0<DS A ≦2.5であり、
セルロース誘導体におけるアシル化度は58〜99であり、
セルロース誘導体/ゴム成分を分散相として有するアクリロニトリル−スチレン共重合体の質量組成比が20/80〜95/5である成形材料。
A)炭素数1〜4のアルキル基:−RA
B)アシル基:−CO−RB(RBはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、1−エチルペンチル基、2−エチルヘキシル基、tert−ブチル基、又はイソヘプチル基を表す。) - 前記セルロース誘導体が、更に、セルロースに含まれる水酸基の水素原子が下記C)で置換された基を少なくとも1つ含む、請求項1に記載の成形材料。
C)アルキレンオキシ基:−RC2−O−とアシル基:−CO−RC1とを含む基(RC1は炭化水素基を表し、RC2は炭素数が2又は3のアルキレン基を表す。) - 前記RAがメチル基又はエチル基である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の成形材料。
- 前記R C1が、アルキル基又はアリール基である、請求項2〜4のいずれか1項に記載の成形材料。
- 前記R C1 が、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、1−エチルペンチル基、2−エチルヘキシル基、tert−ブチル基、又はイソヘプチル基である、請求項2〜5のいずれか1項に記載の成形材料。
- 前記RB及びRC1が、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、又はプロピル基である、請求項2〜6のいずれか1項に記載の成形材料。
- 前記RBが、イソプロピル基、イソブチル基、1−エチルペンチル基、2−エチルヘキシル基、tert−ブチル基、又はイソヘプチル基である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の成形材料。
- 前記アルキレンオキシ基のモル置換度MSが0<MS<1.0である請求項2〜9のいずれか1項に記載の成形材料。
- 前記セルロース誘導体の数平均分子量が10×10 3 〜200×10 3 である請求項1〜10のいずれか1項に記載の成形材料。
- 前記セルロース誘導体に含まれるカルボキシル基、スルホン酸基、及びこれらの塩の含有量が、セルロース誘導体に対して1質量%以下である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の成形材料。
- 前記セルロース誘導体が水に不溶である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の成形材料。
- 前記ゴム成分を分散相として有するアクリロニトリル−スチレン共重合体において、アクリロニトリル−スチレン共重合体に分散するゴム成分が、ポリブタジエンゴム、アクリル系ゴム、及びエチレン−プロピレン−ジエン系ゴムからなる群から選ばれる少なくともいずれかである、請求項1〜13のいずれか1項に記載の成形材料。
- 更に、相溶化剤を含有する、請求項1〜14のいずれか1項に記載の成形材料。
- 前記相溶化剤が、カルボン酸無水物、又は、エポキシ基、イソシアネート基、及びオキサゾリン基から選ばれる少なくともいずれかを有する、請求項15に記載の成形材料。
- 請求項1〜16のいずれか1項に記載の成形材料を加熱成形して得られる成形体。
- 請求項1〜16のいずれか1項に記載の成形材料を加熱し、成形する工程を含む、成形体の製造方法。
- 請求項17に記載の成形体から構成される電気電子機器用筐体。
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