JP5484137B2 - 水素ガス発生材の保存方法、使用方法、運搬方法および水素ガスの製造方法 - Google Patents

水素ガス発生材の保存方法、使用方法、運搬方法および水素ガスの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は一般に、水素ガス発生材の保存方法、使用方法、運搬方法および水素ガスの製造方法に関する。より詳細には、本発明は、水中のように燃焼エンジンを使用できない環境下においてエネルギー源として利用する、水素ガス発生材の保存方法、使用方法、水素ガスの製造方法、並びに、潜水艇等の動力源として使用し、または、地下資源開発の目的で地下に水素ガス源を供給するための水素ガス発生材の運搬方法に関する。
旧来の潜水艇においては主な電源にバッテリーやディーゼルエンジンを用いていたが、近年これらはエネルギー密度に優れたリチウムイオンバッテリーや燃料電池に置き換えられている。燃料電池は、リチウムイオンバッテリーと比較してもエネルギー密度の点で優れているものの、使用する水素をどのような方法で燃料電池に供給するかが課題となっている。現在、燃料電池により駆動する方式の潜水艇では、水素吸蔵合金により貯蔵した水素を燃料としているが、この方式では、水素貯蔵容器を水中の深度圧力に耐える圧力容器としなければならず、容器の質量が大きくなるという問題点があった。
石炭埋蔵量の中で約半分を占めるといわれる褐炭は、含水量が多く発熱量が低いことなどから、あまり積極的に使用されていない。現在試みられている石炭液化の研究では、掘り出した石炭を高温高圧下で水素と反応させてガソリン等の液体の炭化水素を得ている(ベルギウス法)。このことから、地中深くにあって地熱と地圧によって高温高圧環境にある褐炭層に水素を供給することで同様の反応を生じさせることができると考えられる。これが実現すれば比較的安価にかつ簡便に大量の石炭液化をすることが可能で、有力な石油代替品になると考えられるが、実際にはこのような試みは行われてこなかった。これは、地中に大規模な水素注入を簡易かつ安価に行う方法が存在していないことが理由の1つと考えられる。
上記のような技術課題は、高圧下において液状の水素ガス発生材を用いてその場で水素を発生させることができれば解決可能となるものである。液状の水素ガス発生材は、高圧下での保存に際し耐圧容器が不要であり、しかも輸送が容易であるからである。しかし、現状として安価、安全で安定動作する液状の水素ガス発生材は開発されていない。
他方、本発明者らは、粉末の水素ガス発生材料である「活性アルミニウム微粒子」を開発し、従来のボンベや水素吸蔵合金などのような水素貯蔵型ではなくその場で必要量の水素を発生するという技術を提案してきた。しかしながら、この技術は常圧下での使用を前提としており、粉末であるが故にそのままでは高圧環境下で保存・運搬ができないものである。また、活性アルミニウム微粒子は、酸素と接触すると活性を失い、水や水蒸気と接触すると、水素の発生を開始してしまうため、使用直前まで不活性気体中で保存する必要があった。
本発明は、このような現状に鑑みて開発されたものであって、耐圧容器内に収容する必要のない、水素ガス発生材の保存方法、使用方法、および水素ガスの製造方法、さらに高圧の地下地質層及び潜水艇等に水素ガス発生材を運搬する方法を提供することを目的としている。
本発明者は、高圧および圧力変動に耐えることができるとともに、耐圧容器内に収容する必要がなく、安全で取り扱いの容易な水素ガス製造源を実現するに際して、スラリー化技術を応用する、という点に着目した。すなわち、水素ガス発生材をスラリー状態で保存して、潜水艇等の船舶に搭載してその場で水と反応させて水素ガスを製造する技術、または高圧の地下層へ送り込む技術を開発した。
本発明においては、水素ガス発生材として、活性アルミニウム微粒子を使用する。ここで、活性アルミウム微粒子とは、アルミニウム水素化物(AlH3 )を内包したアルミニウム微粒子のことを意味する(活性アルミニウム微粒子の詳細については、特開2004−123517号公報、特開2006−045004号公報、特開2006−063405号公報参照)。活性アルミニウム微粒子は、水分子を分解して水素ガスを製造するが、空気に触れるとその反応活性が失われる。本発明者は、活性アルミニウム微粒子の反応活性を保持するために、活性アルミニウム微粒子を、活性アルミニウム微粒子と反応しない液体に浸漬して保存し又は運搬するスラリーを開発した。活性アルミニウム微粒子は、金属アルミニウム微粒子の性質を有するので、液体の炭化水素、アルコール、エステル等の有機液体を使用すると部分的に反応して、その反応活性が損なわれることがある。したがって、本発明者は、活性アルミニウム微粒子を、化学反応性の極めて小さいフロン液に浸漬し混合することによって、スラリー状態にすることとした。フロン液は、疎水性が強いが、活性アルミニウム微粒子は、親水性が強いため、本スラリー内に水を混入すると水分子を選択して吸着し、水素ガス生成反応を迅速に進行させることができる。なお、フロン液の代わりに、腐食、変質する性質の小さい酢酸、グリコール液をスラリー液体又はスラリー圧縮液体として使用することも可能である。
水素ガス発生材のスラリー化には、3つの技術的な意義がある。すなわち、第1に、スラリー化し、非圧縮性流体である液状で貯蔵することにより、貯蔵容器内に空隙を消すことができるから耐圧容器を使用する必要がなく、これによる容器の軽量化の実現、第2に、水素ガス発生材と空気との接触の遮断による安定的な保存性の確保、第3に、スラリー化による水素ガス発生材の運搬および供給性の向上、である。なお、活性アルミニウム微粒子をスラリー化すると、反応速度及び活性度が幾分低下するので、これらの点に対する改善も検討した。
スラリー化に用いるフロン液には、種々の種類のものが知られている。フロン液は、基本的には、炭素原子(C)の鎖にフッ素原子(F)が結合したCF化合物であるが、使用目的に合わせ、また、オゾン層の破壊をなくし、地球温暖化係数を下げるため、H−、HO−、Cl−結合等を含んだ種類がある。水素ガス発生材のスラリー化に用いるフロン液として、活性アルミニウム微粒子との化学反応が無視できるものであること、スラリーの流動性を確保できるものであること、フロン分子の熱分解が生じないものであること、蒸発が少ないものであること等の条件を満たしていることが必要である。このような条件に合致するものとして、例えば、スリーエム社が製造している商品名「フロリナート」液がある。好ましくは、フロン液は、室温において蒸気圧が500Pa以下のものである。
スラリーは、放置すると濃淡ができ、濃い部分の移動が困難になる場合があるので、移動に際してフロン液を注入して攪拌を行うようにする。さらに、地下褐炭層にスラリーを注入する場合には、地下注入パイプが長距離となることが想定されるので、スラリーとフロン液、又は、スラリーと酢酸液(又は、スラリーとグリコール液)とを交互に注入して圧縮すると、スラリーの安定した移動、供給が可能になる。スラリーの地下褐炭層への注入方法の概要を図1により説明する。
スラリー化の方法により水素ガス発生材を圧縮供給することで、パイプ内を地下数kmにわたり連続して移動させることが可能になる。さらに、スラリー化の方法により、貯蔵容器及び水素製造の反応器は、耐圧仕様の堅固な容器でなくともよく、常圧用の容器でよい。水素ガス製造に伴う容器内の内部圧力の上昇は数気圧程度であるので、特別の耐圧構造は不要である。また、スラリー貯蔵容器を水素製造の反応器として使用することも可能である。
本願請求項1に記載された水素ガス発生材の保存方法は、アルミニウム水素化物を内包する活性アルミニウム微粒子をフロン液に混合して、活性アルミニウム微粒子スラリーを形成し、或いは、5μm以下の純粋又は合金アルミニウム微粒子をフロン液に混合して、アルミニウム微粒子スラリーを形成する工程を含むことを特徴とするものである。
本願請求項2に記載された水素ガス発生材の保存方法は、前記請求項1の方法において、前記フロン液が、室温において蒸気圧が500Pa以下であることを特徴とするものである。
本願請求項3に記載された水素ガス発生材の製造方法は、請求項1又は2に記載された活性アルミニウム微粒子スラリー又はアルミニウム微粒子スラリーに反応水を供給し,或いは、反応水に、請求項1又は2に記載された活性アルミニウム微粒子スラリー又はアルミニウム微粒子スラリーを供給する工程を含むことを特徴とするものである。
本願請求項4に記載された水素ガス発生材の製造方法は、前記請求項3の方法において、前記反応水が、地下水、水道水、アルカリ性水、又は海水を改質したアルカリ性水のいずれかであることを特徴とするものである。
本願請求項5に記載された水素ガス発生材の運搬方法は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された活性アルミニウム微粒子スラリー又はアルミニウム微粒子スラリーを、高圧条件で駆動する潜水艇の動力源として使用することを特徴とするものである。
本願請求項6に記載された水素ガス発生材の運搬方法は、請求項1又は2に記載された活性アルミニウム微粒子スラリー又はアルミニウム微粒子スラリーを、高圧の地下褐炭層に供給し、褐炭を液化するための水素発生源として使用することを特徴とするものである。
本願請求項7に記載された水素ガス発生材の運搬方法は、請求項5に記載された活性アルミニウム微粒子スラリー又はアルミニウム微粒子スラリーを、潜水艇内で長い配管内を輸送しようとする場合、圧縮運搬液体としてフロン液、酢酸液、又はグリコール液を使用することを特徴とするものである。
本願請求項8に記載された水素ガス発生材の運搬方法は、請求項6に記載された活性アルミニウム微粒子スラリー又はアルミニウム微粒子スラリーを、褐炭層に供給しようとする場合に、圧縮運搬液体としてフロン液、酢酸液、又はグリコール液を使用することを特徴とするものである。
本発明の方法により、高圧環境下において、その場で水素ガスを製造することが可能になり、耐圧水素タンク等の特殊で高価な装置が不要になる。また、水素ガス発生材をスラリー化することにより、必要な場所における水素ガスの製造、水素ガス発生材の保存および運搬を容易に行うことが可能になる。これにより、例えば、潜水艇内で水素を軽量で貯蔵することが可能になるとともに、褐炭が埋蔵されている高圧の地下に効率的に水素ガス発生材を供給することが可能となる。
次に図面を参照して、本発明の好ましい実施の形態に係る水素ガス発生材の保存方法および水素ガスの製造方法について詳細に説明する。図1には、フロン液と混合してスラリー状にした水素ガス発生材を地下褐炭層に供給し、その場で褐炭への水素添加反応を実行して褐炭を液化、気化する方法の概要が示されている。図2は、本発明の水素ガス発生材保存方法/水素ガス製造方法を実施するシステム(以下「保存/製造システム」という)の一例を模式的に示した図である。図2の保存/製造システムは、水素ガスを製造する反応器10と、反応器10の上方に配置され、活性アルミニウム微粒子とフロン液を混合し攪拌してスラリー状にしたもの(以下「活性アルミニウム微粒子スラリー」という)を貯蔵するスラリー貯蔵容器12と、反応水を貯蔵する水貯蔵容器14とを備えており、反応器10とスラリー貯蔵容器12、反応器10と水貯蔵容器14とは、管路16、18によってそれぞれ連結されている。管路16、18には、ポンプ26がそれぞれ設置されている。
スラリー貯蔵容器12を反応器10の上方に配置したことにより、フロン液の圧縮により活性アルミニウム微粒子スラリーを反応器10に容易に供給することができる。なお、水貯蔵容器14に貯蔵する反応水は、純水、地下水又は水道水でもよいが、スラリー化による水素ガス発生速度の遅延を改善しようとする場合には、アルカリ性水又は海水を改質したアルカリ性水を用いるのが好ましい。
保存/製造システムは又、反応器10において生成された水素ガスを貯蔵する水素ガス貯蔵タンク(図示せず)と、反応時に生成される残滓を貯蔵する残滓貯蔵タンク20とを備えており、反応器10と水素ガス貯蔵タンク、反応器10と残滓貯蔵タンク20とは、管路22、24によってそれぞれ連結されている。
保存/製造システムの主要構成要素である反応器10、スラリー貯蔵容器12、水貯蔵容器14、水素ガス貯蔵タンク、および残滓貯蔵タンク20は、外部圧力の変動に対応する圧力調整手段に接続されている。すなわち、圧力調整手段とは、フロン液を海水(又は湖水)に接触させることであり、上述のように、フロン液と海水(又は湖水)が接触しても両者は全く混合されないため、圧力の高い海水(又は湖水)にフロン液を接触させるとフロン液が加圧され、加圧されたフロン液を活性アルミニウム微粒子スラリーに接触させることにより、海水圧(又は湖水圧)がフロン液を介してスラリーに伝搬され、これにより各主要構成要素の圧力を調整するようになっている。
活性アルミニウム微粒子スラリーの水素ガス生成速度は、供給するスラリーの量と反応温度に依存し、水素ガス生成の開始温度は、25℃程度が適当である。反応器10の外部温度および活性アルミニウム微粒子スラリーの温度は、深海では5℃〜10℃程度であると想定されるので、最初に供給する反応水の温度を25℃程度にするのが好ましい。このため、スラリー貯蔵容器12のスラリー供給部12aに加温用のヒータ(図示せず)を設けるのが好ましい。このように構成することにより、スラリー供給量を調整することによって水素ガス生成速度を制御することが可能になる。
保存/製造システムを用いて水素ガスを製造するに際して、まず最初に、反応器10に純水(又は水道水、アルカリ性水)を満たしておき、活性アルミニウム微粒子スラリーを反応器10に注入する。常圧で1m3 の水素ガスを製造するには、約1kgの活性アルミニウム微粒子を供給する必要がある。或いは、活性アルミニウム微粒子スラリーをパイプを通して移動させるのが困難である場合には、スラリー貯蔵容器12と反応器10を一体に構成してもよい。この場合には、反応器10内に予め活性アルミニウム微粒子スラリーを満たしておき、しかる後、反応器10内に純水(又は水道水、アルカリ性水)を注入するようにしてもよい。
反応器10において生成された水素ガスは、浮力により反応器10の上部に集まり、管路22を経て水素貯蔵タンクに移動して貯蔵される。また、水素ガス生成時にアルミナ残滓スラリーも生成される。
反応器10には、水素ガス生成により、水を含むアルミナ−フロン液の混合スラリーが残る。反応器10の体積はほぼ一定に維持される必要があるので、反応器10に残った残滓を反応器10の外に排出しなければならない。そこで、本発明では、反応器10の下部に設けたバルブを開放し、反応器10の内部圧力および反応器10へのフロン液の注入により残滓スラリーを排出し、反応器10の下方に配置されている残滓貯蔵タンク20に収容する。残滓貯蔵タンク20では、未反応の活性アルミニウム微粒子により少量の水素ガス生成が継続する可能性があるため、残滓貯蔵タンク20の上部に水素ガスの放出口(図示せず)を設け、水素貯蔵タンクに接続するように構成するのが好ましい。
フロン液として、蒸気圧が相対的に低く、分解性の低い、上述のフロリナート(室温における蒸気圧=300Pa)を使用した。蒸発を回避するため、活性アルミニウム微粒子とフロリナートとの混合をグローブボックス内で行った。活性アルミニウム微粒子とフロリナートの混合は比較的容易であり、窒素ガスに封入されている活性アルミニウム微粒子の粉体をフロリナートに投入して混合すればよい。その際、活性アルミニウム微粒子内の窒素ガスを排除するため、十分に混合することが必要である。なお、活性アルミニウム微粒子スラリーの流動性を確保するため、通常、重さにして2倍程度のフロリナートを活性アルミニウム微粒子に投入するのがよい。
図3は、スラリー状態の活性アルミニウム微粒子と粉体状態の活性アルミニウム微粒子の水素ガス生成速度を比較したグラフである。活性アルミニウム微粒子は、内包するアルミニウム水素化物(AlH3 )が水分子と反応して水素ガスを生成する。図3に示されるように、スラリー状態の活性アルミニウム微粒子は、粉体状態の活性アルミニウム微粒子よりも水素ガス生成反応が幾分遅くなり、水素ガス生成量も幾らか減少する傾向が観測された。これは、フロン液(フロリナート)により水分子との接触が制限されるからであると考えられる。しかしながら、このような傾向も、反応温度を上昇させ、十分な水供給を行うことにより、改善される。
図4は、活性アルミニウム微粒子スラリーを使用して100気圧の高圧における水素ガスの生成能を常温における生成能と比較したグラフである。スラリーの高圧における性能の変化は認められないが、水素ガス生成反応が短時間に終了する傾向があることが分かった。実験結果では、100気圧までの高圧条件下において水素ガス生成量は、常圧における水素ガス生成量と比較してやや少ないが、水素ガス生成反応が短時間に進行することが分かった。水素ガス生成量が少なくなるのは、高圧条件下では生成した水素ガスがアルミニウム微粒子から脱離するのが制限されることによるものと推測される。
活性アルミニウム微粒子スラリーに供給された水が、どのようにして活性アルミニウム微粒子と反応するのかについて考察する。フロン液は疎水性が強いのに対して、活性アルミニウム微粒子は親水性が強い。本発明者が実施した実験におけるデータをまとめると、水と活性アルミニウム微粒子との反応は、図5に示すようなものであると考えられる。すなわち、活性アルミニウム微粒子スラリーに反応水を滴下する(図5(a))と、スラリー中の活性アルミニウム微粒子は反応水中に移動する(図5(b))。そして、反応水の滴下量の増加につれて、活性アルミニウム微粒子の移動量が増加していく(図5(c))。反応水の側に移動した活性アルミニウム微粒子は、容器の壁面に付着していく。さらに、反応水を滴下し続けると、ほぼ全量の活性アルミニウム微粒子が、反応水中に移動する(図5(d))。
本発明は、以上の発明の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
たとえば、前記実施の形態では、水素ガス発生材として、活性アルミニウム微粒子が用いられているが、活性アルミニウム微粒子の代わりに、アルミニウム水素化物(AlH3)を内包しない5μm以下の純粋又は合金アルミニウム微粒子を用いてもよい。また、前記実施の形態では、反応水にスラリーを供給するように記載されているが、スラリーに反応水を供給するようにしてもよい。
本発明の方法によって、地下、水中等の特殊な環境下において水素ガスを製造することができ、これにより褐炭層内における石炭の液化が可能になり、さらに海底探査艇等の燃料電池の動力源として用いることが可能になる。また、水中以外のガソリンを使用できない環境下、又は炭酸ガスの放出が規制される環境下における動力源として使用することができる。さらに、海底や湖底にある物質を引き上げようとする際、引き上げようとする物質に水素ガス発生材の袋を装着し、袋内に海水や湖水を導入して水素ガスを発生させることにより、浮き材として使用することができる。
フロン液と混合してスラリー状にした水素ガス発生材を地下褐炭層に供給し、その場で褐炭への水素添加反応を実行して褐炭を液化、気化する方法を示した模式図である。 本発明の好ましい実施の形態に係る水素ガス発生材の保存方法および水素ガスの製造方法を実施するシステムの一例を模式的に示した図である。 スラリー状態の活性アルミニウム微粒子と粉体状態の活性アルミニウム微粒子の水素ガス生成速度を比較したグラフである。 高圧条件におけるスラリーから水素ガスを生成した例を示したグラフである。 活性アルミニウム微粒子スラリーの反応の態様を説明するための一連の図である。
10 反応器
12 スラリー貯蔵容器
14 水貯蔵容器
16、18 管路
20 残滓貯蔵タンク
22、24 管路
26 ポンプ

Claims (8)

  1. 水素ガス発生材の保存方法であって、
    アルミニウム水素化物を内包する活性アルミニウム微粒子をフロン液に混合して、活性アルミニウム微粒子スラリーを形成し、或いは、5μm以下の純粋又は合金アルミニウム微粒子をフロン液に混合して、アルミニウム微粒子スラリーを形成する工程を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記フロン液が、室温において蒸気圧が500Pa以下であることを特徴とする請求項1に記載された方法。
  3. 水素ガスの製造方法であって、
    請求項1又は2に記載された活性アルミニウム微粒子スラリー又はアルミニウム微粒子スラリーに反応水を供給し,或いは、反応水に、請求項1又は2に記載された活性アルミニウム微粒子スラリー又はアルミニウム微粒子スラリーを供給する工程を含むことを特徴とする方法。
  4. 前記反応水が、地下水、水道水、アルカリ性水、又は海水を改質したアルカリ性水のいずれかであることを特徴とする請求項3に記載された方法。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された活性アルミニウム微粒子スラリー又はアルミニウム微粒子スラリーを、高圧条件で駆動する潜水艇の動力源として使用する水素ガス発生材の使用方法。
  6. 請求項1又は2に記載された活性アルミニウム微粒子スラリー又はアルミニウム微粒子スラリーを、高圧の地下褐炭層に供給し、褐炭を液化するための水素発生源として使用する水素ガス発生材の使用方法。
  7. 請求項5に記載された活性アルミニウム微粒子スラリー又はアルミニウム微粒子スラリーを、潜水艇内で長い配管内を輸送しようとする場合、圧縮運搬液体としてフロン液、酢酸液、又はグリコール液を使用する水素ガス発生材の運搬方法。
  8. 請求項6に記載された活性アルミニウム微粒子スラリー又はアルミニウム微粒子スラリーを、褐炭層に供給しようとする場合に、圧縮運搬液体としてフロン液、酢酸液、又はグリコール液を使用する水素ガス発生材の運搬方法。
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