JP5483108B2 - γ線を利用したマメ科植物の栽培方法 - Google Patents

γ線を利用したマメ科植物の栽培方法 Download PDF

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Description

本発明は、γ線を利用したマメ科植物の栽培方法に関し、特に、実生時期を経過した後、植物体に、特定範囲の線量率でγ線を照射する工程を含む、マメ科植物の栽培方法に関する。
ダイズ等のマメ科植物は、人類の主食である穀物の1つであり、全世界で約2億トン生産されている。ダイズ等のマメ科植物は、食用の他、植物油や家畜飼料の原料としても広く利用され、一部では、バイオエネルギーとしての利用も試みられており、年々その生産量は増大している。このような需要の増大に対する1つの対応策は遺伝子工学的な手法で生産性の高いダイズを作製することである。しかし、このような遺伝子工学的な手法で作り出された植物は、生物の多様性の保全及び持続可能な利用に悪影響を及ぼす可能性があり、遺伝子工学的手法によらずに生産性を増大できる手法に対する要求が増大しつつある。
ところで、1978年にミズーリ大学のトーマス・D・ラッキーによって、放射線ホルミシス効果が提唱された後、とうもろこし、アルファルファ、ダイズ、エンドウマメ、ジャガイモ、チューリップ、ユリ、オオムギ、インゲン等の様々な植物についても、γ線等の放射線によるホルミシス効果に関する報告がなされている(非特許文献1)。これらの報告の中には、種子、塊根、実生の状態で、所定量の放射線を照射すると、成長が促進される等の効果が得られることを提示するものがある。但し、線量は様々であり、線量率や、照射期間などについては言及されておらず、照射によって得られる効果も様々である。このため、そのデータの有効性については議論が多いのが現状である。
この文献にはまた、小麦の1品種(Bankut)に500R(他の条件は不明)のγ線を照射したところ、クロロフィルが増加したこと、トウモロコシの交雑種(VIR25)に500〜1000R(他の条件は不明)のγ線を照射したところ、クロロフィル及びアスコルビン酸が増加したこと、並びにジャガイモの2品種(Kisrarodal rozsa及びGullbaba)にそれぞれ400R及び600R(他の条件は不明)のγ線を照射したところ、アスコルビン酸が増加したことを示す報告がある。また、ダイズその他の植物に1−16kRのγ線を照射したところ(他の条件は不明)、ビタミンC量が増加したことを示す報告や、トマト種子に800Rのγ線を照射する(他の条件は不明)ことによりポリフェノール及びオキシダーゼ活性が増加したことを示す報告がある。これらの報告でも線量率や、照射期間などのγ線照射の詳細な条件は検討されておらず、その再現性については疑問がある。
最近では、マメ科植物の発芽後の若い苗への急照射で0.4Gy程度から、成長や莢付きが低減してくるが、莢の大きさなどには変化がないという報告がある(非特許文献2)。また、チェルノブイリ周辺での汚染地域で土壌中に放射線核種がある中で生育したダイズは収穫される豆が小さいなどの報告もある(非特許文献3)。
なお、本願明細書で引用した文献は参照により本願明細書に組み込む。
放射線ホルミシス Lucky 著 ソフトサイエンス社 Zaka, R., et al.,Science of the Total Envuronment 320, 121-129(2004) Danchenko, M., et al., Journal of Proteome Research 8(6), 2915-2922(2009) 昆野昭晨、ダイズの子実生産機構の生理学的研究、 農技研報告.D27:139-295(1976) E.N.Morandi,L.M.Casano and L.M. Reggiardo, Post-flowering photoperiodic effect on reproductive efficiency and seed growth in soybean, Field Crops Research 18, 227-241, 1988 J.D. Cure, R.P.Patterson, C.D. Raper, Jr., and W.A.Jackson, Assimilate Distribution in Soybeans as Affected by Photoperiod During Seed Development, Crop Science, 22:1245-1250, 1982. C.K.Martin, D.K. Cassel, and E.J.Kamprath, Irrigation and tillage effects on soybean yield in a coastal plain soil. Agronomy Journal. 71:592-594(1979) 豆の辞典、渡辺篤二監修 幸書房 McBlain, B. A. and R. L. Bernard. A new gene affecting the time of flowering and maturity in soybean. J. Hered. 78:160-162(1987) Palmer, R. G. and T. C. Kilen. 5-5.6.1 Flowering and maturity. p.152-155.In: J. R. Wilcox (ed.). Soybean: Improvement, Production, and Uses. 2nd ed. Agronomy 16. ASA,CSSA,SSSA. Madison, WI. (1987) 農林水産研究文献解題 No.27 大豆自給率向上に向けた技術開発 (2)生殖成長 http://rms1.agsearch.agropedia.affrc.go.jp/contents/kaidai/daizuNo27/27_m.html
このような放射線利用に関する研究の実態から、日本では、ジャガイモの芽の生育抑制や食物の殺菌処理などに使用されているに過ぎず、食品に供される植物の育成に放射線は利用されていない。また、放射線利用に関する規制が比較的緩やかな諸外国でも同様であり、世界的にみても実用レベルで食品に供される植物の育成に放射線は利用されていないのが現状である。
しかし、放射線利用により食品等に供する植物の増産が可能となれば、遺伝子工学的な手法で作り出された植物による問題を解消する増産のための新たな選択肢を提供することができる。また、放射線照射により、植物中である特定の物質を増産させることができれば、当該物質を効率的に生産する生物学的方法を提供することができる。
本発明は、上述のような本願の出願当時における技術水準から全く予想し得なかったマメ科植物の種子を増産し得る条件並びにマメ科植物に特定の物質を増産させることができる条件を発見したことに基づく。すなわち、総線量のみならず、照射時期と線量率について詳細な検討を行なったところ、実生時期を経過した後、総線量0.5〜10.0Gyで、0.04〜0.4Gy/日の範囲の線量率でγ線を植物体に照射することで、非照射の場合に比べ種子を大きくし莢の平均重量を増大し得ることを見出した。また、同範囲の総線量で、0.05〜0.08Gy/日のさらに狭い特定範囲の線量率でγ線を植物体に照射すると、個体当たりの莢数をも増加し、1個体当たりから収穫される莢重量を顕著に増大し得ることを見出した。さらには、同範囲の総線量で、線量率0.04〜0.4Gy/日、より好ましくは、線量率0.1〜0.3Gy/日又は0.05〜0.08Gy/日で、γ線を照射すると、栽培されたマメ科植物から得られる種子の特定の代謝物質が非照射の場合に比べ増加することを見出した。
かくして、本発明は、その一の実施の形態において、実生時期を経過した後、植物体に、総線量0.5〜10.0Gyで、線量率0.04〜0.4Gy/日、0.1〜0.3Gy/日、又は0.05〜0.08Gy/日で、γ線を照射することを特徴とする、マメ科植物の栽培方法、この方法で栽培されたマメ科植物及びそれから得られる種子を提供する。本発明はまた、他の実施の形態において、上記の特定条件で栽培されたマメ科植物の種子又はその破砕物若しくは抽出物を、例えば、アスコルビン酸、システイン、シスチン、ピルビン酸、NADH、乳酸、グルタミン酸、ニコチン酸(ナイアシンとも呼ばれる)、芳香族アミノ酸(トリプトファン、チロシン、フェニルアラニン)からなる群から選択される少なくとも1種の物質の供給源として使用して、食品、動物用飼料、医薬、化粧品、その他の工業製品及びこれら製品のための原料などの組成物を製造する方法を提供する。
ここで、本明細書中「実生」とは、種子植物の種子から発芽した幼植物であって子葉を残存している植物体を指し、「実生時期を経過後」とは、子葉を失い普通葉を有する時期を指す。また、本明細書中「花芽」とは、栄養成長を行なってきた成長点が生殖生長を行なう成長点に分化したもの、つまり花、花序の原基を意味し、「蕾」とは、花芽が発育し開花に近づいた状態のものを意味する。
なお、花芽形成の有無は、成長点のオートラジオグラフィーを撮ったり、細胞分裂像の変化をみることによって決定することができる。もっとも、栽培植物の多くについては、既に花芽形成時期、即ち生殖分化開始時期について知られているので(例えば、非特許文献8には、大豆の花芽分化は開花前20日頃に行なわれるとある)、実用レベルでは、それに従えばよい。
また、1個体中の個々の花芽、蕾、花で見た場合その形成時期や開花時期は異なり、1個体で、花芽形成前の段階、花芽形成の段階、蕾形成の段階、及び開花の段階の内の2以上が混在し得る点には留意が必要である。本明細書で「開花前」、「蕾が形成される前」及び「花芽形成」という用語を用いる場合、特に言及がない限り、少なくとも1つの花が開花前であれば「開花前」とし、少なくとも1つの蕾が形成される前であれば「蕾が形成される前」とし、少なくとも1つの花芽が形成されれば「花芽形成」に該当するものとする。
本願明細書中「莢が充実する」とは、莢がその中にある種子によって十分に膨らんでいる状態を意味する。また、本明細書「莢が充実するまで」とは、少なくとも1つの莢が充実するまでを意味するが、本発明の方法による効果をより確実にする点では、γ線の照射を殆ど(80%以上、好ましくは90%以上)の莢が充実するまで行うことが好ましい。
また、本明細書中、「種子」とは、完熟の種子のみならず、未熟の種子をも含む。このような未熟の種子は、日本などで食用とされている。
また、本明細書において、線量率及び総線量は、線源(放射性物質)から放出されたガンマ線により直接又は間接的に空気を電離する能力を測定した空気吸収線量(Gy)から算出された値である。ガンマ線の線量及び線量率は、線源の核種、放射能、線源からの距離等から規定され、熱ルミネセンス線量計(TLD)で測定した。より具体的には、γフィールド内で線源(60Co)から10m間隔毎、地上1mで熱ルミネセンス線量計(TLD)で測ったのち、それをもとに回帰式:log10Y(Gy/h)=A+B×log10X(m)(式中、Yは検査日の1時間当たりの線量率であり、Xは線源からの距離である)を求めてA,Bを算出した。照射の際には、線源からの距離をこの回帰式に当て嵌め1時間当たりの線量率(Gy/h)を算出し、これをもとに1日の線量率(後述する実施例ではGy/8hを1日の線量率(Gy/day)とした)を算出した。総線量は、1日の線量率(Gy/day)×照射した日数により求めた。測定日からの減衰を考慮して、検査日の1時間当たりの線量率(Y)は、(Y)×(1/2)t/T(Tは線源の半減期であり、tは検査日からの経過時間である)により補正した。
本発明の栽培方法によれば、通常の栽培方法による場合よりも大きな種子を収穫することができる。また、本発明の特に好ましい実施の形態によれば、大きな種子を収穫することができることに加え、個体当たりの莢数を増加することができ、個体当たりの種子の収穫量を増加することができる。また、本発明の栽培方法で得られたマメ科植物の種子は、特定の代謝物が増加しており、当該豊富化した物質を各種用途に利用することができる。
本発明による方法では、遺伝子工学的手法による食品の安全性の問題や植物の多様性確保の問題などを生じさせることなく、種子の収穫量を増加したり特定代謝物質の豊富化を達成することができる。また、従来行なわれてきた品種改良技術では、品種改良に非常に大きな労力や長い時間を要していたが、本発明は、このような障壁を取り除き簡易な方法で増産や改良を可能とする。
図1は、2008年に行なった試験の各群の莢当たりの重量の平均値を示す、グラフである。0.06Gy/dayの線量率の群及び0.2Gy/dayの線量率の群で莢重量の増加が認められた(N=4−9、ここでNはサンプル数を示し、対照群、0.02Gy/dayの線量率の群、0.06Gy/dayの線量率の群、及び0.2Gy/dayの線量率の群の各サンプル数が4から9の間であることを指す。以下、同様)。 図2は、2008年に行なった試験の各群の個体当たりの莢数を示す、グラフである。莢付き数が0.06Gy/dayの線量率の群で個体当たりの莢数が増加したのに対して、0.02Gy/dayの線量率の群及び0.2Gy/dayの線量率の群では莢付き数の増加傾向は認められなかった(N=4−9)。 図3は、2008年に行なった試験の各群の個体当たりの総莢重量の平均値を示す、グラフである。莢当たりの重量が大きく、莢数の多い0.06Gy/dayの線量率の群で最も大きい値となった(N=4−9)。千葉で同時期に栽培した対照群も併記した(N=3)。 図4は、2009年に行なった試験の各群の莢当たりの重量の平均値を示す、グラフである。2008年と同様に0.06Gy/dayの線量率の群、及び0.2Gy/dayの線量率の群で莢重量の増加が認められた。 図5は、2009年に行なった試験の各群の個体当たりの莢数を示す、グラフである。2008年と同様に0.06Gy/dayの線量率の群で個体当たりの莢数の増加が認められた。 図6は、2008年と2009年の両年に行なった試験の各群の莢当たりの重量の平均値を示す、グラフである。0.06Gy/dayの線量率の群、及び0.2Gy/dayの線量率の群で莢重量の増加が認められた(N=11−17) 図7は、2008年と2009年の両年に行なった試験の各群の個体当たりの莢数を示す、グラフである。0.06Gy/dayの線量率の群で個体当たりの莢数が増加したのに対して、0.02Gy/dayの線量率の群及び0.2Gy/dayの線量率の群では莢付き数の増加傾向は認められなかった(N=11−17)。 図8は、2008年に行なった試験の各群から収穫された種子を示す写真である。0.06Gy/dayの線量率の群、及び0.2Gy/dayの線量率の群で大きな種子が収穫された(N=4−9) 図9は、2008年に収穫した種子におけるタンパク質の発現パターンを解析した2次元電気泳動の泳動パターンを示す写真の写しである。図9(A)は、対照群から収穫された種子の泳動パターンを示し、図9(B)は、0.2Gy/dayの線量率の群から収穫された種子の泳動パターンを示す。 図10は、2009年に行った試験のコントロール群(C)、0.06Gy/dayの線量率の群(A)、及び0.2Gy/dayの線量率の群(B)から収穫された種子についてキャピラリー電気泳動−飛行時間型質量分析(CE−TOFMS)を実施し、そのデータに基づき検索された候補代謝物質並びにそれらの物質のピーク面積値から算出された各群での各代謝物質の量の相対的比較を示すグラフである。縦軸は相対面積値(1/g)であり計算法は[0053]に記載した。 図11は、HMT代謝物質データベースから検索された候補代謝物質(表1及び図10に示す)の代謝経路での位置を示す代謝経路図である。グラフは左から順にコントロール群、0.06Gy/dayの線量率の群、及び0.2Gy/dayの線量率の群における各代謝物質の量の相対的比較を示す。グラフデータは図10内の該当物質のグラフに基づいて記載された。 図12は、図11に示す代謝経路図のうち、解糖系/糖新生経路、ペントースリン酸経路及びクエン酸経路を示す代謝経路図である。グラフは左から順にコントロール群、0.06Gy/dayの線量率の群、0.2Gy/dayの線量率の群における各代謝物質の量の相対的比較を示す。グラフデータは図10内の該当物質のグラフに基づいて記載された。 図13は、図11に示す代謝経路図のうち、尿素回路及びアミノ酸代謝経路の一部(Glu,Gln,His,Pro)を示す代謝経路図である。グラフは左から順にコントロール群、0.06Gy/dayの線量率の群、0.2Gy/dayの線量率の群における各代謝物質の量の相対的比較を示す。グラフデータは図10内の該当物質のグラフに基づいて記載された。 図14は、図11に示す代謝経路図のうち、アミノ酸代謝の一部(Gly,Ser,Cys)を示す代謝経路図である。グラフは左から順にコントロール群、0.06Gy/dayの線量率の群、及び0.2Gy/dayの線量率の群における各代謝物質の量の相対的比較を示す。グラフデータは図10内の該当物質のグラフに基づいて記載された。 図15は、図11に示す代謝経路図のうち、アミノ酸代謝の一部(Asp,Ala,Lys)を示す代謝経路図である。グラフは左から順にコントロール群、0.06Gy/dayの線量率の群、0.2Gy/dayの線量率の群における各代謝物質の量の相対的比較を示す。グラフデータは図10内の該当物質のグラフに基づいて記載された。 図16は、図11に示す代謝経路図のうち、アミノ酸代謝の一部(分枝鎖アミノ酸)を示す代謝経路図である。グラフは左から順にコントロール群、0.06Gy/dayの線量率の群、0.2Gy/dayの線量率の群における各代謝物質の量の相対的比較を示す。グラフデータは図10内の該当物質のグラフに基づいて記載された。 図17は、図11に示す代謝経路図のうち、アミノ酸代謝の一部(芳香族アミノ酸)を示す代謝経路図である。グラフは左から順にコントロール群、0.06Gy/dayの線量率の群、0.2Gy/dayの線量率の群における各代謝物質の量の相対的比較を示す。グラフデータは図10内の該当物質のグラフに基づいて記載された。 図18は、図11に示す代謝経路図のうち、プリン及びピリミジンの代謝経路を示す代謝経路図である。グラフは左から順にコントロール群、0.06Gy/dayの線量率の群、0.2Gy/dayの線量率の群における各代謝物質の量の相対的比較を示す。グラフデータは図10内の該当物質のグラフに基づいて記載された。 図19は、図11に示す代謝経路図のうち、その他の糖代謝経路を示す代謝経路図である。グラフは左から順にコントロール群、0.06Gy/dayの線量率の群、0.2Gy/dayの線量率の群における各代謝物質の量の相対的比較を示す。グラフデータは図10内の該当物質のグラフに基づいて記載された。 図20は、代謝経路図に示されなかった代謝物質の量の相対的値を示すグラフである。グラフは左から順にコントロール群、0.06Gy/dayの線量率の群、0.2Gy/dayの線量率の群における各代謝物質の量の相対的比較を示す。グラフデータは図10内の該当物質のグラフに基づいて記載された。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、本発明はその本質に反しない限り他の実施の形態をも含むものである。
本発明では、実生時期を経過した後、植物体にγ線を照射する。
従来は、マメ科植物を含む各種植物で、種子、塊根、実生の段階で各種放射線を照射する多くの試みがなされていたが(非特許文献1)、分化が進んだ実生段階後でのγ線の照射がマメ科植物の種子の増産を生じさせるという報告はこれまでなされていない。また、このようなγ線の照射が種子中の特定の物質を増加させるとの報告もこれまでなされていない。従って、本発明は、実生後の段階でγ線を植物体に照射することでこれらの現象を生じさせるという知見を初めて提示する。
後述する実施例で述べる通り、今回、花芽形成の付近、より具体的には、幾つかの蕾を確認できた時点でγ線の照射を開始することで、マメ科植物の種子を増産させ得ることが実証された。従って、少なくとも花芽が形成された時点からγ線の照射を開始すれば、種子の増産が可能になると考えられ、ほとんどの苗が花芽を形成する直前又は直後の時期からγ線の照射を開始することが好ましい。但し、今回の試験によれば、ある程度蕾が確認された時点で行なっても増産が可能であったため蕾形成前又はその直後(数日以内)でγ線の照射を開始しても種子の増産が可能になると考えられる。また、種子の大きさは、開花期以降の日照、水及び栄養条件によって影響を受けることが知られており(非特許文献4から7、11)、開花期以降のγ線照射は種子の発育に関連する遺伝子の発現に何らかの影響を及ぼすことが予想される。従って、種子を大きくする点からすれば、蕾形成後開花前にγ線の照射を開始しても良いかもしれない。
いずれにせよ、種子の収穫量を増大させるには、花芽形成の数日前後でγ線の照射を開始することが好ましく、遅くとも蕾が形成される前にγ線の照射を開始することが好ましい。
また、莢数の増加は、花芽分化の期間、蕾形成の期間、及び莢形成の期間のいずれかでの放射線照射が寄与すると考えられるので、莢数を増加する点からは、γ線の照射を少なくとも蕾が形成されるまで行うことが好ましく、多数の蕾(例えば、1個体当たり予想される総蕾数の50%以上)が形成されるまで行うことがより好ましく、莢が形成されるまで行うことが特に好ましいであろう。勿論、莢が充実するまで行ってもよい。
大きな種子を形成する観点からは、莢の充実までの期間でγ線により更に種子の大型化が進む可能性があるので、γ線の照射を、少なくとも莢の中の種子が膨らみ始めるまで行うことが好ましく、数個から10個程度の莢が膨らみ始めるまで行うことがより好ましく、少なくとも1つの莢が充実するまで行うことが更に好ましく、総ての莢の内80%以上の莢が充実するまで行うことが特に好ましいであろう。
本発明では、その一の実施の形態において、上記所定の期間、植物体に、線量率0.04〜0.4Gy/日で、好ましくは線量率0.04〜0.3Gy/日で、より好ましくは線量率0.05〜0.25Gy/日でγ線を照射する。従来は、マメ科植物を含め様々な植物の種子等にγ線を照射してホルミシス効果に関する試験結果が報告されていたが、いずれも線量以外の詳細な条件は検討されておらず、その効果も様々であった(非特許文献1)。従って、この特定範囲の低線量率でのγ線の照射は、マメ科植物の種子を大きく(乾燥重量で1.3倍以上)するための明確かつ具体的な条件を初めて提示する。
本発明はまた、好ましい実施の形態において、形成される莢数も増大し、個体当たりのまめ収穫量が増大する条件を提示する。具体的には、上記所定の期間、植物体に、線量率0.05〜0.08Gy/日、好ましくは0.05〜0.07Gy/日のより狭い範囲の線量率でγ線を照射することで、形成される莢数も増大し、個体当たりの収穫量を増大することができる。このような条件は、従来知られておらず、マメ科植物の種子が大きくなり且つ形成される莢数が増大する明確な条件を初めて提示する。
本発明は更に、他の実施の形態において、得られる種子中の特定の物質を豊富化する条件を提示する。具体的には、上記所定の期間、植物体に、線量率0.04〜0.4Gy/日で、好ましくは線量率0.04〜0.3Gy/日で、より好ましくは線量率0.05〜0.25Gy/日でγ線を照射すると、得られるマメ科植物の種子中で、アスコルビン酸、システイン、シスチン、ピルビン酸、NADH、乳酸、グルタミン酸、ニコチン酸、及び芳香族アミノ酸(トリプトファン、チロシン、フェニルアラニン)からなる群から選択される少なくとも1種の物質が非照射の場合に比べ豊富化されることが見出された。
より具体的には、上記所定の期間、植物体に、線量率0.1〜0.3Gy/日、好ましくは線量率0.15〜0.25Gy/日、より好ましくは線量率0.18〜0.23Gy/日でγ線を照射すると、得られるマメ科植物の種子中で、ピルビン酸、グルタミン酸、及びシステイン等が非照射の場合に比べ豊富化されることが見出された。
更には、上記所定の期間、植物体に、線量率0.05〜0.08Gy/日、好ましくは0.05〜0.07Gy/日の範囲でγ線を照射することで、NADH、アスコルビン酸、ニコチン酸、システイン、シスチン、及び芳香族アミノ酸(トリプトファン、チロシン、フェニルアラニン)等が非照射の場合に比べ豊富化されることが見出された。
γ線の照射は、連続的に行なってもよく断続的におこなってもよいが、できるだけ連続的に行なうことが好ましい。また、日を隔てて照射する場合には、照射を数日空けて行なうことができるが、2日以下とすることが好ましい。
また、照射日の合計は、好ましくは10日以上、より好ましくは15日以上、さらに好ましくは20日以上、特に好ましくは25日以上とする。
γ線の総線量は、照射日の合計にも依存することになるが、0.5〜10.0Gy程度とすることが好ましく、0.8〜6.0Gy程度とすることがより好ましく、1.0〜2.0Gy程度とすることが特に好ましい。また、線量率が0.04〜0.4Gy/日、0.04〜0.3Gy/日又は0.1〜0.3Gy/日である場合には、総線量は、0.5〜10.0Gyであることが好ましく、1.0〜5.0Gy程度であることがより好ましく、線量率が0.05〜0.25Gy/日である場合には、総線量は0.8〜6.0Gy程度であることが好ましく、線量率が0.05〜0.08Gy/日である場合には、総線量は1.0〜2.0Gy程度であることが好ましく、線量率が0.06〜0.08Gy/日である場合には、総線量は1.3〜2.0Gy程度であることが好ましい。
なお、10Gy以下の総線量は、ジャガイモの発芽防止や殺菌処理に用いるもの(発芽抑制は0.05〜0.15kGy程度であり、腐敗菌病原菌の殺菌は1〜7kGyであり、調味料又は食品素材の殺菌は10〜50kGyである)と比較して極めて低い線量域であり、本発明は、その実用化に対する障壁も低いものと思われる。
1日の照射時間は一般的には照射による有効性と単位時間当たりでの高レベルの照射を回避する観点から、用いる線量率に応じて決定することが好ましい。例えば、線量率0.05〜0.08Gy/日で照射する場合であれば、少なくとも2時間以上の照射時間が確保されれば足りると考えられ、これを超える線量率で照射する場合には、4時間以上とすることが好ましく、7時間以上とすることが特に好ましい。
γ線の線源については特に制限はなく、例えば60Co、192Ir、169Yb、170Tm、75Se、124Sb、153Gd及び137Csを挙げることができる。
本発明の方法は、少なくともマメ科の植物であれば適用可能と考えられ(非特許文献1も参照)、マメ科の植物には、例えば、ダイズ属、ヘラマメ属、エンドウ属などの植物が含まれる。中でも放射線に対してある程度の耐性を有すると考えられるダイズ属の植物が好ましい。
日本では、ダイズ、インゲン、ササゲ、エンドウ、ラッカセイ、フジマメ、ナタマメ、シカクマメ、16ササゲ等の未熟な種子や若い莢をそのまま食用とする食習慣があり、ダイズの未熟な種子は「エダマメ」と称されて一般的に食されている。また、「エダマメ」として食するために開発されたダイズの品種には、例えば、奥原早生、白鳥、さやむすめ、ビアフレンド、白獅子等の早生品種;富貴、涼翠、三河島、錦秋、夕涼み、湯あがり娘、福獅子等の中早生若しくは中生品種;あきよし、とよしろめ等の晩生品種;中生光黒、丹波黒、祝黒、早生黒頭巾、快豆黒頭巾、濃姫等の黒豆品種;だだちゃ豆、黒埼茶豆、滝姫、福成等のちゃまめ品種がある。
また、完熟した種子は、日本では、豆腐、味噌、納豆等の加工食品、或いは植物油の原料として利用されており、世界的にも、植物油や家畜飼料の原料として広く利用され、一部では、バイオエネルギーとしての利用も試みられている。
本発明は、このようなマメ科の植物の利用に寄与するものと思われ、ダイズ属の植物、特にダイズの早生種への適用は有効と思われる(なお、早晩性に関わる遺伝子については非特許文献9、10、11参照)。
本発明の方法で得られるマメ科植物は、後述する実施例で実証する通り、非照射の同じ植物に対して、種子の増大や莢数の増大といった表現型の点で差異が見られる。また、非照射の同じ植物に対して、タンパクの発現等の点でも差異を有し、後述するキャピラリー電気泳動−飛行時間型質量分析(CE−TOFMS)よる詳細な分析によれば、本発明の方法によりγ線を照射した植物は、デオキシチミジン5−一リン酸(dTMP、チミジル酸)、2−アミノアジピン酸、NADH、4−メチル−2−オキソペンタン酸、チアプロリン、システイン(Cys)、ピペコリン酸、乳酸、アスコルビン酸、シスチン、N−アセチルメチオニン、トリプトファン(Trp)、N−アセチル−β−アラニン、ニコチン酸、フルクトース1,6−二リン酸、2−オキソイソ吉草酸、グリセロホスホコリン、チロシン(Tyr)、5−オキソプロリン、ピルビン酸、S−アデノシルホモシステイン、セリン(Ser)−グルタミン酸(Glu)、ホスホエノールピルビン酸、グルタミン酸(Glu)、トレハロース−6−ホスフェート、メチオニン(Met)、オフタルミン酸、ウリジン5−一リン酸(UMP)、NADP、トリメチルアミンN−オキシド等を含む少なくとも1つの物質が非照射の同じ植物に対して2倍以上増加している。またTyrやTrpと同じ芳香族アミノ酸であるフェニルアラニンも1.9倍となっていた。もっとも、このような相違は遺伝子そのものに違いが生じたことに由来するわけではなく、γ線によって関連遺伝子の発現が影響を受けたためと考えられる。
従って、本発明は、その一の実施の形態において、上記で詳述した方法で栽培された従来にない形質のマメ科植物、並びにこのようなマメ科植物から得られる種子をも対象とする。このようなマメ科植物、及び種子は、遺伝子変換植物による、生物の多様性の保全及び持続可能な利用に対する悪影響を懸念することなしに、効率的に食料若しくはエネルギー資源を提供する新たな手段となり得る。また、本発明の方法で得られるマメ科植物の種子は、上述した物質、特に、NADH、アスコルビン酸、シスチン、ピルビン酸、システイン、ニコチン酸、乳酸、グルタミン酸及び芳香族アミノ酸(トリプトファン、チロシン、フェニルアラニン等)からなる群から選択される少なくとも1種の物質が豊富に含まれているため、得られた種子、又はその破砕物若しくは抽出物を、これら豊富化された物質の少なくとも1種の供給源として、食品、動物用飼料、医薬品、化粧品又はこれら製品のための原料などの各種組成物を製造するために利用することができる。
より具体的には、線量率0.1〜0.3Gy/日(総線量、照射時期は既に述べた通り)でγ線を照射する工程を含む他の実施の形態による方法で得られたマメ科植物の種子、又はその破砕物若しくは抽出物を、例えばピルビン酸、グルタミン酸、及びシステイン等の物質の供給源として、食品、動物用飼料、医薬品、化粧品等の各種工業製品又はこれら製品のための原料を製造するために利用することができる。
また、線量率0.05〜0.08Gy/日(総線量、照射時期は既に述べた通り)でγ線を照射する工程を含む更に他の実施の形態による方法で得られたマメ科植物の種子、又はその破砕物若しくは抽出物を、NADH、アスコルビン酸、乳酸、ニコチン酸、システイン、シスチン、及び芳香族アミノ酸(トリプトファン、チロシン、フェニルアラニン)等の物質の供給源として、食品、動物用飼料、医薬品、化粧品等の各種工業製品又はこれら製品のための原料を製造するために利用することができる。
従って、本発明は、各実施の形態による方法で得られたマメ科植物の種子、又はその破砕物若しくは抽出物を含む、食品、動物用飼料、医薬品、化粧品又はその他の工業製品、或いはこれら製品のための原料をも提供する。各製品及び原料の製造方法については特に制限は無く、得られた種子を、必要に応じて、慣用若しくは既知の方法で破砕若しくは抽出し、他の成分へ添加若しくは混合すればよい。
以下、実施例により本発明をより詳細に説明する。但し、本発明は、実施例により限定されるべきものではない。
1.2008年度の試験
エダマメ用ダイズの早生種である奥原早生(サカタ種苗)を試験に使用した。一晩水中に浸したエダマメ種子を、2008年5月14日(1日目)に、6号ポット(鉢)中の有機培養土(Plantation Iwamoto社製)内に播き、鳥害を避けるために8日間屋内で栽培した。種子は、5日目頃に発芽し、9日目には地上部から4〜10cmの大きさとなった。9日目に屋外(5階建て建物屋上)に出し栽培を続け、42日目(2008年6月24日)に幾つかの苗で蕾が数個形成されていることを確認した。この時点で、ポット(鉢)当たり1〜3本の苗がある複数のポット(鉢)を、コントロールと3つの照射群に、それぞれ10本程度の苗が割り当てられ、丈の分布が各群でおおよそ揃うようにして振り分けた。3つの照射群をポットのままで、42日目から、約82TBqの60Coを線源とするγ線をそれぞれ0.02Gy/day、0.06Gy/day及び0.2Gy/dayの線量率で照射するガンマ線フィールド(茨城県常陸大宮市に所在)に設置した。線量率はγフィールド内で線源(60Co)から10m間隔毎、地上1mで熱ルミネセンス線量計(TLD)で測ったのち、それをもとに回帰式(log10Y(Gy/h)=A+B×log10X(m))を描きA、Bを算出し、距離に応じた線量率(Gy/h)を出し、1日の線量率(この実施例ではGy/8hを1日の線量率(Gy/day)として表記した)とした。測定日からの減衰は(Y)×(1/2)t/Tにより補正し距離を決定した。(Yは検査日の線量率であり、Xは線源からの距離であり、Tは線源の半減期であり、tは検査日からの経過時間である)。
設置後、2008年6月28日、6月29日、7月5日、7月6日、7月12日、7月13日、7月16日、7月19日、7月20日、7月21日、7月26日、7月27日を除き、1日8時間γ線を照射した。各群の植物体は、50日目頃(照射期日合計7日目頃)には殆どの植物体で幾つかの開花が認められ、60日目頃(照射期日合計14日目頃)には殆どの植物体で莢が形成され、照射期日合計25日目(2008年7月30日)で殆どの莢が充実した。この時点で照射を中止した。総線量は各照射線群でそれぞれ0.5、1.5及び5Gyであった。対照群は42日目から、ガンマ線フィールドの外にポットのまま設置し、そこで2008年7月31日まで栽培した。またもう一つの対照群を、ガンマ線フィールドから離れた千葉でポットのまま設置し、そこで2008年7月31日まで栽培した。
栽培期間を通じて各群の灌水は2〜3回/週で行なった。
照射期間終了した日の翌日(2008年7月31日、種子を播いてから79日目)に、植物体から莢を収穫した。なお、虫害などにより著しく枯れた個体又は枯死した個体は除いた。
2.2009年度の試験
同様の試験を翌年の2009年にも行った。種蒔を、2009年5月14日(1日目)に行い、43日目(2009年6月25日)でγ線照射を開始し、その後、2009年6月27日、6月28日、7月4日、7月5日、7月11日、7月12日、7月15日、7月18日、7月19日、7月20日、7月25日、7月26日を除き、1日8時間γ線を照射した。各群の植物体は、2008年度と同様の経過で生育し照射期日合計25日目(2009年7月31日)で殆どの莢が充実した。この時点で照射を中止した。その後3日目(2009年8月3日、種子を播いて82日目)に莢を収穫した。なお、対照群はフィールド外にポットを設置した群のみとした。
3.試験結果
3−1.莢の数、莢当たりの平均重量、総莢重量及び種子の平均重量
得られた莢の数、莢当たりの平均重量、総莢重量及び種子の平均重量を各群について計測した。莢の数、莢当たりの平均重量及び総莢重量の試験結果並びにマメの大きさは図1〜8にも示した。
図1は、2008年に行なった試験の各群の莢当たりの平均重量を示し、図2は、2008年に行なった試験の各群の個体当たりの莢数を示し、図3は、個体当たりの総莢重量を示す。また、図4は、2009年に行なった試験の各群の莢当たりの平均重量を示し、図5は、2009年に行なった試験の各群の個体当たりの莢数を示す(なお、2009年は天候不順等により個体損傷が多かった(N=4−9))。また、図6は、両年に行なった試験の各群の莢当たりの平均重量を示し、図7は、両年に行なった試験の各群の個体当たりの莢数を示す。また、図8は、2008年に行なった試験の各群から収穫されたマメを示す写真である。
図1、図4、図6及び図8に示す通り、莢当たりの平均重量は0.06Gy/day線量率(総線量1.5Gy)の群、及び0.2Gy/dayの線量率(総線量5Gy)の群で増加が認められた。種子の乾燥重量の平均は、対照群(n=105)、0.02Gy/day線量率(総線量1.5Gy)の群(n=64)、0.06Gy/day線量率(総線量1.5Gy)の群(n=132)、0.2Gy/dayの線量率(総線量5Gy)の群(n=117)で、それぞれ種子1個当たり0.11g、0.108g、0.146g、0.155gであり(2008年度に収穫した種子による)、対照群の種子の乾燥重量の平均に対する、0.06Gy/day線量率(総線量1.5Gy)の群の種子の乾燥重量、及び0.2Gy/dayの線量率(総線量5Gy)の群の種子の乾燥重量はそれぞれ1.3及び1.44倍であった。
また、図2、図5及び図7に示す通り、個体当たりの莢の数は、0.06Gy/day線量率(総線量1.5Gy)の群で、対照群に対して有意に増加したが、0.02Gy/day線量率(総線量0.5Gy)の群及び0.2Gy/dayの線量率(総線量5Gy)の群は、対照群に対する有意差が認められなかった。また、図3に示す通り、0.06Gy/day線量率(総線量1.5Gy)の群で、個体あたりの莢総重量が、対照群に対して顕著に増加した。
3−2.2次元電気泳動法によるタンパク質の発現パターンの解析
(A)抽出
2008年に収穫された対照群、0.2Gy/dayの線量率(総線量5Gy)の群から得られた種子を、緩衝液(0.05M Tris−HCl pH 7.5 1mM EDTA,1mM PMSF,1mM DTT)に3%(w/v)PVP(ポリビニルピロリドン)を加えた溶液に入れ、液体窒素中で破砕し、1gのサンプルに対して10mlの緩衝液(0.05M Tris−HCl pH 7.5 1mM EDTA、1mM PMSF、1mM DTT)を加えて遠心した(18800g、30min、4℃)。
得られたペレットを顆粒性画分のタンパク質採取のため緩衝液(100mM Tris−HCl pH8.5、4%SDS,2%メルカプトエタノール、20%グリセロール、2mM PMSF)に入れ、沸騰水中に3分入れた。冷却後、遠心(18800g、10min、室温)し、上清をとり0.22μmPVDFメンブレンフィルターをとおし、アセトン抽出にかけた(8倍体積量のアセトン中、−20℃、一晩)。
アセトン抽出にかけたサンプルを遠心(18800g、10min、4℃)し、得られたペレットを80%アセトンで再攪拌し、溶解液を−20℃に90min置き、さらに遠心(18800g,10min,4℃)して、得られたペレットを溶解バッファー(5M Urea,2Mチオ尿素,2%CHAPS,2%SB3−10,1%DTT)に溶解した。最後に溶解液を超遠心(100,000g,+20℃、1h)にかけ、得られた上清を顆粒性画分サンプルとして電気泳動に使用した。
(B)2次元電気泳動
70μgのタンパク質を1次元目はpH4−7(13cm)のImmobiline DryStrip(GEヘルスケア社)で電気泳動を行い、その後12%SDS−PAGEで2次元目の電気泳動を行った。泳動終了後、SYPRO Ruby染色(Invitrogen社)し、FLA−5100イメージングアナライザー(富士フィルム)で画像化した。
(C)結果
図9に示す通り、主要なタンパク質の発現パターンは対照群と照射群で類似しているが幾つかのタンパク質(図中にマークした)で顕著な増減が認められた。このことは照射され栽培されたマメは対照群と同じ時期に収穫したものであるが質的に変化していることを示している。
3−3.キャピラリー電気泳動−飛行時間型質量分析計(CE−TOFMS)によるメタボローム解析
(A)前処理
2009年に収穫された対照群、0.06Gy/day線量率(総線量1.5Gy)の群、及び0.2Gy/dayの線量率(総線量5Gy)の群から得られた種子100mgあたり、内部標準物質の終濃度を50μMとしたメタノール溶液を500μL加え、破砕用チューブに入れ液体窒素により凍結し、ビーズ式細胞破砕装置(トミー精工社製、MS−100R)を用いて破砕(4,000rpm,60秒×5回)し代謝物質の抽出をした。これを500μL遠沈管に移し取り、500μLのクロロホルム及び200μLのMilli−Q水を加え撹拌し、遠心分離(2,300×g,4°C,5分)を行った。遠心分離後、水相を限外ろ過チューブ(MILLIPORE,ウルトラフリーMC UFC3 LCC遠心式フィルターユニット 5 KDa)に200μL×2本移し取った。これを遠心(9,100×g,4°C,120分)し、限外ろ過処理を行った。ろ液を乾固させ、再び50μLのMilli−Q水に溶解して測定に供した。得られたピーク強度、形状から判断して、カチオンモードでの測定には10倍、アニオンモードでの測定には2倍に希釈した試料を用いた。
(B)測定
カチオンモード及びアニオンモードの測定を以下に示す条件で行った。なお、以下の文献を参照した。
1) T.Soga,D.N.Heiger: Amino acid analysis by capillary electrophoresis electrospray ionization mass spectrometry.Anal.Chem.72: 1236-1241,2000.
2) T.Soga,Y.Ueno,H.Naraoka,Y.Ohashi,M.Tomita et al.: Simultaneous determination of anionic intermediates for Bacillus subtilis metabolic pathways by capillary electrophoresis electrospray ionization mass spectrometry.Anal.Chem.74: 2233-2239,2002.
3) T.Soga,Y.Ohashi,Y.Ueno,H.Naraoka,M.Tomita et al.: Quantitative metabolome analysis using capillary electrophoresis mass spectrometry.J.Proteome Res. 2: 488-494,2003.
(B−1)陽イオン性代謝物質(カチオンモード)
装置:Agilent CE−TOFMS system(Agilent Technologies社)3号機
キャピラリー:石英ガラスキャピラリー i.d.50μm×80cm
測定条件:
泳動バッファー:カチオンバッファー溶液(p/n:H3301−1001)
リンスバッファー:カチオンバッファー溶液(p/n:H3301−1001)
サンプルインジェクション:加圧インジェクション 50mbar,10sec
CE 電圧:Positive,27kV
MSイオン化:ESI Positive
MS キャピラリー電圧:4,000V
MS スキャンレンジ:m/z 50−1,000
シース液:HMT Sheath Liquid(p/n:H3301−1020)
(B−2)陰イオン性代謝物質(アニオンモード)
装置:Agilent CE−TOFMS system(Agilent Technologies社)5号機
キャピラリー:石英ガラスキャピラリー i.d.50μm×80cm
測定条件:
泳動バッファー:アニオンバッファー溶液(p/n:H3302−1021)
リンスバッファー:アニオンバッファー溶液(p/n:H3302−1022)
サンプルインジェクション:加圧インジェクション 50mbar,25sec
CE電圧:Positive,30kV
MSイオン化:ESI Negative
MS キャピラリー電圧:3,500V
MSスキャンレンジ:m/z 50−1,000
シース液:HMT Sheath Liquid(p/n:H3301−1020)
(C)データ処理及び解析
(C−1)データ処理
CE−TOFMSで検出されたピークは、自動積分ソフトウェアのMasterHands ver.1.0.6.12(慶應義塾大学開発)を用いて自動抽出し、ピーク情報として質量電荷比(m/z)、泳動時間(Migration time:MT)とピーク面積値を得た。得られたピーク面積値は下記の式を用いて相対面積値に変換した。

次に、m/zとMTの値をもとに、各試料間のピークの照合・整列化を行った。このとき、ピーク以外のノイズは削除した。また、これらのデータにはNaやKなどのアダクトイオン及び、脱水、脱アンモニウムなどのフラグメントイオンが含まれているので、これらの分子量関連イオンを削除した。しかし、物質特異的なアダクトやフラグメントも存在するため、すべてを精査することはできなかった。
検出ピークの相対面積値の閾値はカチオンモードでは1.2E-01であり、アニオンモードではおよそ1.8E-02である。ピーク強度が飽和したAla, Asn,g-Aminobutyric acidについては13Cのデータをもとに12Cに換算した相対面積値を示した。
(C−2)候補代謝物質検索
検出されたピークに対してm/zとMTの値をもとにヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社(HMT)代謝物質データベースと照合し、検索を行った。検索のための許容誤差はMTで±0.5min、m/zでは±10ppmとした(質量誤差は以下の式により求めた)。
質量誤差(ppm)=(実測値−理論値)/実測値×10
(C−3)代謝経路の描画
検索された候補代謝物質のデータを、代謝経路マップへ描画した。代謝経路の描画には、VANTED(Visualization and Analysis of Networks containing Experimental Data、http://vanted.ipk-gatersleben.de/でアクセス可能である)を用いた。尚、代謝経路はヒトで確認された酵素を基に作成している。
(D)結果
(D−1)候補代謝物質検索
エダマメ3検体についてCE−TOFMSによるメタボローム解析を行った。HMT代謝物質データベースに登録された物質のm/z及びMTの値から142(カチオン74,アニオン68)ピークに候補化合物が割り当てられた。この候補化合物142のピークについて、それぞれ各群間の相対面積値比を算出した。結果はグラフにして図10に示した。また、図11の代謝経路図に載っている259の代謝物質を以下の表1−1〜1−6に列挙し、データベースでその中に割り当てられた98の候補化合物については相対面積値を示した。図11の代謝経路図に載らない残りの44の候補化合物については表2に相対面積値と共に列挙し、図20に相対面積値比のグラフを示した。なお、表1及び2中、N.D.はnot detectedを意味する。






なお、本測定中、いずれの試料についてもクエン酸のピーク強度が高く、これと近傍のMTで検出されるフマル酸、cis−アコニット酸及びイソクエン酸のピーク形状にゆがみが生じた。またリンゴ酸のピーク強度も高く、これと近傍のMTで検出されるコハク酸及びホスホエノールピルビン酸のピーク形状にゆがみが生じた。このためフマル酸、cis−アコニット酸、イソクエン酸、コハク酸及びホスホエノールピルビン酸について表2では参考値として示した。
(D−2)候補物質の代謝経路への描画
候補物質を解糖系/糖新生、ペントースリン酸経路、クエン酸回路、尿素回路、プリン代謝経路、ピリミジン代謝経路及び各種アミノ酸代謝経路に描画した(図11〜19)。図中で略称により示された物質の名称との対応表を以下に示す。
(D−3)考察
何れかの照射群で2倍以上増加する代謝物は、デオキシチミジン5−一リン酸(dTMP,チミジル酸)、2−アミノアジピン酸、NADH、4−メチル−2−オキソペンタン酸、チアプロリン、システイン(Cys)、ピペコリン酸、乳酸、アスコルビン酸、シスチン、N−アセチルメチオニン、トリプトファン(Trp)、N−アセチル−b−アラニン、ニコチン酸、フルクトース1,6−二リン酸、2−オキソイソ吉草酸、グリセロホスホコリン、チロシン(Tyr)、5−オキソプロリン、ピルビン酸、S−アデノシルホモシステイン、セリン(Ser)−グルタミン酸(Glu)、ホスホエノールピルビン酸(PEP)、グルタミン酸(Glu)、トレハロース−6−リン酸、メチオニン(Met)、オフタルミン酸、ウリジン5−一リン酸(UMP)、NADP、トリメチルアミン−N−オキシドであった。
また、代謝経路レベルで見ると、まず解糖系の代謝経路に関わる物質の増加が顕著であった。解糖系の重要な代謝中間物質としてピルビン酸があるが、0.2Gy/日の照射で顕著に増加(3.2倍)し、代謝経路でつながっているPEP(2倍)やアセチルCoA(1.6倍)も上昇が認められた。ピルビン酸がアラニンから生成される際にGluを生成するが、Glu、Ser−Glu及びGlu−Gluもそれぞれ0.2Gy/日の照射で5.7倍、2.3倍、及び1.8倍となった。また5−オキソプロリンはGluからの生成物であり、0.06Gy/日照射、0.2Gy/日の照射でそれぞれ1.6,2.4倍となった。これらから、Gluの関与する物質の増加は相互に密接に関連していると推定される。
0.06Gy/日照射の場合には、乳酸は3倍、NADHが4.4倍、アスコルビン酸が2.6倍増加した。アスコルビン酸はCysと同様、抗酸化物質であり、一種の酸化ストレスである放射線に対する防御反応として増加している可能性がある。Cysは酸化してシスチンになるがシスチンが0.06Gy/日だけで増加し(2.5倍)、アスコルビン酸も0.06Gy/日で顕著に増加していることから0.2Gy/日よりも0.06Gy/日の場合において生体内酸化ストレスが増加している可能性はある。例えばミトコンドリアはNADHを消費するところであるが、この過程で活性酸素を生成する。NADHが増加したことによるミトコンドリアの活性化が酸化ストレスをもたらしている可能性はある。乳酸の増加が0.06Gy/日で大きいのは、ピルビン酸が乳酸デヒドロゲナーゼにより触媒されるNADHによる還元反応で乳酸になるため、NADHの増加による影響を受けたためとも考えられる。解糖系では平衡はこの方向に傾いている。ニコチン酸(ナイアシン)は、NADの成分でありNADHの増加に関連すると思われる。0.06Gy/日照射でのNADHの顕著な上昇(4.4倍)がどのような仕組みで生じているのかは不明だが解糖系やTCA回路での代謝が促進されていることによる可能性はある。
Trp、Tyr、Met、Gluのようなアミノ酸、Ser−Glu、Glu−Gluのようなペプチド、UMPやdTMPのようなリボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチドが増加していることは生合成が活発になっていることを示す。MetはCysやシスチンの前駆体でもあり、S−アデノシルホモシステインはMetの代謝に関わるため関連して増加している可能性がある。Cysはグルタチオンの前駆体でもある。グルタチオンは生体内での豊富なSH化合物であり、抗酸化物質である。グルタチオンはCys、Glu、Glyからg−グルタミル経路で生成される。GluやGlyは特に0.2Gy/日での照射の場合に増加し(それぞれ5.7倍、1.6倍)、さらに酸化されたグルタチオンを還元型に戻す際の反応に関連するNADP+も2倍になっていることからグルタチオンの生成、代謝経路が活発化していることが推察される。また植物においてはPEPからシキミ酸経路を介して芳香族アミノ酸であるTrp、Tyr、フェニルアラニンのようなアミノ酸の生合成を行うが、この経路の活発化が示唆される。芳香族アミノ酸をつくる能力は動物にはなく(チロシンはフェニルアラニンから合成できるが)基本的には食事からの摂取が不可欠であるが、Trp、Tyrは2倍以上、フェニルアラニンも0.06Gy/日で1.9倍になっていることは芳香族アミノ酸生産のために本方法は有用な方法であることを示す。
以上のように、本発明によれば、現存するマメ科植物から、遺伝子工学的手法によることなく、大粒のマメを収穫できたり、個体あたりの種子の収穫量を大幅に増加することができる。また、本発明の方法で収穫される種子は、アスコルビン酸、システイン、シスチン、ピルビン酸、ニコチン酸、NADH、乳酸、グルタミン酸、芳香族アミノ酸(トリプトファン、チロシン、フェニルアラニン)等の代謝物質が通常の栽培による種子より豊富に含まれている。従って、健康食品としての利用の他、エネルギー資源としての利用、化粧品、医薬などの各種工業製品の原料としての利用が期待できる。また、宇宙空間では、放射線が常に存在しており、これをうまく制御することで、本発明へ応用することも可能と思われる。

Claims (16)

  1. 実生時期を経過後に、植物体に、線量率0.04〜0.4Gy/日、総線量0.5〜10.0Gyでγ線を照射する工程を含む、マメ科植物の栽培方法。
  2. 前記γ線を、線量率0.04〜0.3Gy/日で照射する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記γ線を、線量率0.1〜0.3Gy/日で照射する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記γ線を、線量率0.05〜0.08Gy/日で照射する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記γ線の総線量を、0.8〜6.0Gy程度とする、請求項1から4の何れか1項に記載の方法。
  6. 前記γ線の総線量を、1.0〜2.0Gy程度とする、請求項1から4の何れか1項に記載の方法。
  7. 前記マメ科植物がダイズ属の植物である、請求項1から6の何れか1項に記載の方法。
  8. 前記γ線の照射を、開花前に開始する、請求項1から7の何れか1項に記載の方法。
  9. 前記γ線の照射を、蕾が形成される前に開始する、請求項1から7の何れか1項に記載の方法。
  10. 前記γ線の照射を、花芽形成の数日前後以内に開始する、請求項1から7の何れか1項に記載の方法。
  11. 前記γ線の照射を、少なくとも、莢が形成されるまで行う、請求項1から10の何れか1項に記載の方法。
  12. 前記γ線の照射を、少なくとも、莢が充実するまで行う、請求項1から10の何れか1項に記載の方法。
  13. 請求項1から12に記載の方法で栽培されたマメ科植物。
  14. 請求項13に記載のマメ科植物から得られる種子。
  15. 請求項14に記載の種子、又はその破砕物若しくは抽出物を含む、食品、動物用飼料、医薬品、化粧品、又はこれら製品のための原料、或いはバイオマスエネルギー資源
  16. 請求項14に記載の種子、又はその破砕物若しくは抽出物の、食品、動物用飼料、医薬、化粧品又はこれら製品のための原料を製造するための、アスコルビン酸、シスチン、ピルビン酸、システイン、ニコチン酸、NADH、乳酸、グルタミン酸及び芳香族アミノ酸からなる群から選択される少なくとも1種の物質の供給源としての使用。
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