JP5480241B2 - コレスタノール誘導体の併用用途 - Google Patents

コレスタノール誘導体の併用用途 Download PDF

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Description

本発明は癌化学療法剤、より詳しくはコレスタノール誘導体と抗癌剤とを併用してなる癌化学療法剤に関する。
癌治療の一環である化学療法のための抗癌剤は、種々研究開発がなされ、構造・作用機序などにより分類されている。しかし、単剤での有効性は満足されるものではなく、また副作用との関係から、近年、複数の抗癌剤を併用する多剤併用療法が主体とされ、その治療効果が評価されている。
従って、従来の化学療法をしのぐ、さらなる副作用の軽減とより優れた有効性を有する、新しい併用化学療法及びそのための化学療法剤の開発が要望されている。
一方、コレステロールのB環の二重結合が飽和されたコレスタノールに、GlcNAc−Gal−、GlcNAc−Gal−Glc−、Fuc−Gal−、Gal−Glc−、Gal−、GlcNAc−などの糖鎖が結合したコレスタノール化合物は、優れた抗腫瘍活性を有することが見出されている(特許文献1〜4)。
しかしながら、当該化合物が他の抗癌剤と併用された例は全く報告されていない。
特開2000−191685号公報 特開平11−60592号公報 国際公開第2005/007172号パンフレット 国際公開第2007/026869号パンフレット
本発明は、副作用が軽減され且つ優れた有効性を発揮する癌化学療法剤を提供することに関する。
本発明者らは、上記課題に鑑み検討したところ、下記式(1)で表されるコレスタノール誘導体又はそのシクロデキストリン包接体を公知の化学療法剤(抗癌剤)と組み合わせて使用すると、抗癌効果が顕著に増強され、当該薬剤の併用が癌化学療法として極めて有用であることを見出した。
すなわち、本発明は、以下の1)〜14)に係るものである。
1)下記一般式(1):
Figure 0005480241
[式中、Gは、GlcNAc−Gal−、GlcNAc−Gal−Glc−、Fuc−Gal−、Gal−Glc−、Gal−又はGlcNAc−を示す。]
で表されるコレスタノール誘導体又はそのシクロデキストリン包接体と抗癌剤とを組み合わせてなる癌化学療法剤。
2)一般式(1)中、GがGlcNAc−Gal−又はGlcNAc−である前記1)の癌化学療法剤。
3)抗癌剤が、タキサン系抗癌剤、白金錯体抗癌剤、ペメトレキセド化合物及びフルオロウラシルからなる群より選択される1種以上である前記1)又は2)の癌化学療法剤。
4)抗癌剤が、パクリタキセル、ドセタキセル、ペメトレキセド、5−FU、シスプラチン、オキサリプラチン、サイクロフォスファミド及びイリノテカンからなる群から選択される1種以上である前記3)の癌化学療法剤。
5)抗癌剤が、タキサン系抗癌剤、ペメトレキセド化合物及びフルオロウラシルからなる群より選択される1種以上である前記1)又は2)の癌化学療法剤。
6)抗癌剤が、パクリタキセル、ドセタキセル、ペメトレキセド、5−FU、サイクロフォスファミド及びイリノテカンからなる群から選択される1種以上である前記5)の癌化学療法剤。
7)配合剤である前記1)〜6)のいずれかの癌化学療法剤。
8)コレスタノール誘導体を含有してなる薬剤と抗癌剤を含有してなる薬剤からなるキットである前記1)〜6)のいずれかの癌化学療法剤。
9)コレスタノール誘導体を含有してなる薬剤がリポソーム製剤である前記8)の癌化学療法剤。
10)癌化学療法剤を製造するための、下記一般式(1):
Figure 0005480241
[式中、Gは、GlcNAc−Gal−、GlcNAc−Gal−Glc−、Fuc−Gal−、Gal−Glc−、Gal−又はGlcNAc−を示す。]
で表されるコレスタノール誘導体又はそのシクロデキストリン包接体と抗癌剤との組み合わせの使用。
11)抗癌剤が、タキサン系抗癌剤、ペメトレキセド化合物及びフルオロウラシルからなる群より選択される1種以上である前記10)の使用。
12)抗癌剤が、パクリタキセル、ドセタキセル、ペメトレキセド、5−FU、サイクロフォスファミド及びイリノテカンからなる群から選択される1種以上である前記11)の使用。
13)下記一般式(1):
Figure 0005480241
[式中、Gは、GlcNAc−Gal−、GlcNAc−Gal−Glc−、Fuc−Gal−、Gal−Glc−、Gal−又はGlcNAc−を示す。]
で表されるコレスタノール誘導体又はそのシクロデキストリン包接体と抗癌剤とを組み合わせて投与することを特徴とする癌化学療法。
14)コレスタノール誘導体又はそのシクロデキストリン包接体と抗癌剤とを同時にあるいは時間を置いて別々に投与する前記13)の癌化学療法。
本発明の癌化学療法剤及び癌化学療法を用いれば、安全で、より効率的な癌の予防又は治療が可能となる。
抗癌剤(CDDP、L−OHP)およびGC−CDの単独または併用での、colon26細胞に対する増殖抑制効果を示すグラフ 抗癌剤(5−FU、PTX、DTX、CPT)およびGC−CDの単独または併用での、colon26細胞に対する増殖抑制効果を示すグラフ CPAおよびGC−CDの単独または併用での、colon26細胞に対する増殖抑制効果を示すグラフ CDDPおよびGC−CDの単独または併用での、MKN45細胞、NCIH226細胞及びcolo201細胞に対する増殖抑制効果を示すグラフ CDDPおよびGGC−CDの単独または併用での、colon26細胞、MKN45細胞、NCIH226細胞及びcolo201細胞に対する増殖抑制効果を示すグラフ CDDPおよびGC−CDの単独または併用による単回投与での、マウス腹膜播種におけるcolon26に対する増殖抑制効果を示すグラフ CDDPおよびGC−CDの単独または併用による複数回投与での、マウス腹膜播種におけるcolon26に対する増殖抑制効果を示すグラフ 腹腔内接種した癌細胞による腹膜播種確認後のCDDPおよびGC−CDの単独または併用による単回投与での、マウス腹膜播種におけるcolon26に対する増殖抑制効果を示すグラフ CDDPおよびGC−CDの単独または併用による投与での、colon26マウス腹膜播種におけるマウスの生存率を示すグラフ CDDPおよびGGC−CDの単独または併用による単回投与での、マウス皮下投与におけるcolon26の癌体積増加抑制あるいは癌体積縮小効果を示すグラフ CDDPおよびGC−CD或いはGGC−CDの単独または併用による単回投与での、colon26の肺転移抑制効果を示すグラフ
本発明に用いられるコレスタノール誘導体(1)は、いずれも公知化合物である。
斯かるコレスタノール誘導体(1)のうち、GがGlcNAc−Gal−であるものは、好ましくはGlcNAcβ1,3−Galβ−又はGlcNAcβ1,4−Galβ−であり、GlcNAc−Gal−Glc−であるものは、好ましくはGlcNAcβ1,3−Galβ1,4−Glc−であり、Fuc−Gal−であるものは、好ましくはFucα1,3Gal−であり、Gal−Glc−であるものは、好ましくはGalβ1,4Glcβ−であり、Gal−であるものは、好ましくはGalβ−であり、GlcNAc−であるものは、好ましくはGlcNAcβ−である。
このうち、GがGlcNAc−Gal−、GlcNAc−であるものがより好ましく、GlcNAcβ1,4−Galβ−、GlcNAcβ−であるものが更に好ましい。
上記コレスタノール誘導体は、例えば、前記特許文献1−4に記載の方法又はこれに準じる方法により製造することができる。
コレスタノール誘導体(1)は、シクロデキストリン類又はその誘導体により容易に包接化され、複合体を形成することから、本発明においては、コレスタノール誘導体として当該シクロデキストリン包接体を用いることができる。シクロデキストリンは、包接すべきゲスト分子の径、又はゲスト分子とのVan der Waals力やシクロデキストリン由来ヒドロキシル基との水素結合が関与していると考えられているため、不溶性化合物ならすべて適応できるものではないが、本発明のコレスタノール誘導体については、良好な包接複合体が形成される。
本発明のシクロデキストリン包接体におけるシクロデキストリンとしては、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン等のシクロデキストリン類の他、例えばメチル−β−シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン、モノアセチル−β−シクロデキストリン、2−ヒドロキシプロピル−γ−シクロデキストリン等のシクロデキストリン誘導体が包含される。このうち、溶解性向上の点から、2−ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンが好適である。
斯かるシクロデキストリン包接体は、例えばシクロデキストリン類又はその誘導体の適当な水溶液(例えば20〜40%)を調製し、これに本発明のコレスタノール誘導体を添加し、攪拌することにより調製することができる。
ここで用いるコレスタノール誘導体(1)の濃度は、コレスタノール誘導体がシクロデキストリンと包接体を形成できる濃度であればよく、通常1〜50質量%、好適には10〜30質量%程度である。
斯くして得られるシクロデキストリン包接体は、水に易溶性であることから生体内において効率的に効果を発揮できる。また、インビトロの試験系において安定した評価を行うことができるという利点もある。
また、コレスタノール誘導体(1)は、リポソーム製剤とすることにより、より効率的に作用発現部位に到達させることが可能となる。また、インビトロの試験系において、安定した評価を行うことも可能である。
斯かるリポソーム製剤は、本発明のコレスタノール誘導体、膜成分物質及び脂肪族又は芳香族アミンを含有するリポソームであるのが好ましい。
リポソーム製剤中のコレスタノール誘導体の含有量は、膜成分物質1モルに対して、0.3〜2.0モル、好ましくは0.8〜1.5モルであるのが望ましい。
膜成分物質としては、リン脂質が挙げられ、例えばホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール及びホスファチジン酸等の天然及び合成のリン脂質類並びにこれらの混合物の他、水性レシチン等の加工した天然リン脂質を好ましく用いることができる。より好適には、ホスファチジルコリン類の1αジパルミトイルフォスファチジルコリン(DPPC)が挙げられる。
脂肪族又は芳香族アミンは、主として脂質膜の表面を正に荷電させるために添加される物質である。斯かるアミンとしては、例えばステアリルアミン、オレイルアミン等の脂肪族アミン、フルオレンエチルアミン等の芳香族アミンが挙げられ、特にステアリルアミンを好適に用いることができる。
当該アミンは、膜成分物質(リン脂質)1モルに対して、0.04〜0.15モル、好ましくは0.1〜0.15モル含有するのが好ましい。
当該リポソームには、この他にも膜構造の安定剤としてコレステロール、脂肪酸、ジアセチルホスフェート等を必要に応じて添加してもよい。
膜成分を分散させる水溶液としては、水、生理食塩水、各種緩衝液、糖類の水溶液及びこれらの混合物が好ましく用いられる。緩衝液としては、有機系、無機系問わず体液水素イオン濃度付近に緩衝作用を有する緩衝液が好適に用いられ、例えばリン酸緩衝液を挙げることができる。
リポソームの調製は、特に限定されるものではなく汎用の方法が使用できるが、例えば特開昭57−82310号公報、特開昭60−12127号公報、特開昭60−58915号公報、特開平1−117824号公報、特開平1−167218号公報、特開平4−29925号公報、特開平9−87168号公報、Methods of Biochemical Analysis(1988)33,p337 或いは「リポソーム」(南江堂)に記載の方法等に従うことができる。
コレスタノール誘導体(1)又はそのシクロデキストリン包接体と組み合わせて用いられる抗癌剤は、癌化学療法剤として知られている各種の抗癌剤を用いることができ、治療対象である癌において確立されている標準治療薬が好適に使用できる。
具体的には、サイクロフォスファミド(Cyclophosphamide)、イフォスファミド(Ifosfamide)、メルファラン(Melphalan, L−PAM)、ブスルファン(Busulfan)、カルボキノン(Carboquone)等のアルキル化剤;6−メルカプトプリン(6-Mercaptopurine, 6−MP)、メトトレキサート(Methotrexate, MTX)、5−フルオロウラシル(5-Fluorouracil, 5−FU)、テガファー(Tegafur)、エノシタビン(Enocitabine, BHAC)、ペメトレキセド化合物(ペメトレキセド,Pemetrexed, MTA)等の代謝拮抗剤;アクチノマイシンD (Actinomycin D)、ダウノルビシン(Daunorubicin)、ブレオマイシン(Bleomycin)、ペプレオマイシン(Peplomycin)、マイトマイシンC(Mitomycin C)、アクラルビシン(Aclarubicin)、ネオカルチノスタチン(Neocarzinostatin, NCS)等の抗癌性抗生物質;ビンクリスチン(Vincristine)、ビンデシン(Vindesine)、ビンブラスチン (Vinblastine)、タキサン系抗癌剤(タキソテール(Docetaxel, ドセタキセル)、タキソール(Paclitaxel, TXL, パクリタキセル)等)、イリノテカン(Irinotecan,CPT-11)等の植物アルカロイド;シスプラチン(Cisplatin, CDDP)、カルボプラチン(Carboplatin)、オキサリプラチン(Oxaliplatin, L−OHP)等の白金化合物等が挙げられ、これらを1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
コレスタノール誘導体(1)又はそのシクロデキストリン包接体と抗癌剤を併用すると、後記実施例に示すように、それぞれを単独で投与した場合に比べ、各種癌細胞の増殖が強力に抑制される。従って、これらを組み合わせた化学療法は有効性及び副作用軽減を向上でき極めて有用であり、これらを含有する医薬は、癌化学療法剤として有用である。
本発明の癌化学療法剤の適用により有効に治療可能な癌は、制限されるものではないが、特に胃癌、大腸癌、膵臓癌、子宮癌、卵巣癌、肺臓癌、胆嚢癌、食道癌、肝臓癌、乳癌、中皮腫、前立腺癌などの悪性腫瘍が挙げられる。
本発明の癌化学療法剤は、配合剤として、上記各成分それぞれの有効量を適当な配合比において一の剤型に製剤化したもの(1剤型形態)でも、上記各成分のそれぞれの有効量を含有する薬剤を単独に製剤化したものを同時に又は間隔を空けて別々に使用できるようにしたキット(2剤型形態)であってもよい。
上記製剤の剤形は、一般的医薬製剤と同様、特に限定されず、錠剤等の固形製剤や注射剤等の液剤、乾燥粉末等の用時溶解剤のいずれであってもよい。
斯かる製剤の投与形態も限定されるものではなく、剤形に応じて適切な経路により投与すればよく、例えば、注射剤は静脈内、筋肉内、皮下、皮内腹腔内投与され、固形製剤は経口、経腸投与され得る。
各製剤の調製は常法に従って行うことができ、その際用い得る製剤担体としても慣用される充填剤、増量剤、結合剤等の賦形剤乃至希釈剤を全て利用できる。
例えば、経口用固形製剤を調製する場合は、本発明の薬効成分に賦形剤、必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤等を加えた後、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等を製造することができる。そのような添加剤としては、当該分野で一般的に使用されるものでよく、例えば、賦形剤としては、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、珪酸等を、結合剤としては、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドン等を、崩壊剤としては、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖等を、滑沢剤としては精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコール等を、矯味剤としては白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等を挙げることができる。
経口用液体製剤を調製する場合は、本発明の薬効成分に、矯味剤、緩衝剤、安定化剤、矯臭剤等を加えて常法により内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤等を製造することができる。この場合矯味剤としては、上記に挙げられたもので良く、緩衝剤としては、クエン酸ナトリウム等が、安定化剤としては、トラガント、アラビアゴム、ゼラチン等が挙げられる。
注射剤を調製する場合は、本発明の薬効成分にpH調節剤、緩衝剤、安定化剤、等調化剤、局所麻酔剤等を添加し、常法により、皮下、筋肉内及び静脈内注射剤を製造することができる。この場合のpH調節剤及び緩衝剤としてはクエン酸ナトリウム、EDTA、チオグリコール酸、チオ乳酸等が挙げられる。局所麻酔剤としては、塩酸プロカイン、塩酸リドカイン等が挙げられる。等調化剤としては、塩化ナトリウム、ブドウ糖等が挙げられる。
坐剤を調製する場合は、本発明の薬効成分に、公知の製剤用担体、例えば、ポリエチレングリコール、ラノリン、カカオ脂、脂肪酸トリグリセライド等を、更に必要に応じてツイーン(登録商標)のような界面活性剤等を加えた後、常法により製造することができる。
軟膏剤を調製する場合は、本発明の薬効成分に通常使用される基剤、安定剤、湿潤剤、保存剤等が必要に応じて配合され、常法により混合、製剤化される。基剤としては、流動パラフィン、白色ワセリン、サラシミツロウ、オクチルドデシルアルコール、パラフィン等が挙げられる。保存剤としては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル等が挙げられる。
貼付剤を製造する場合は、通常の支持体に前記軟膏、クリーム、ゲル、ペースト等を常法により塗布すれば良い。支持体としては、綿、スフ、化学繊維からなる織布、不織布や軟質塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン等のフィルム或いは発泡体シートが適当である。
尚、上記製剤中におけるコレスタノール誘導体及び抗癌剤の配合量は、一般には、製剤中に有効成分量が0.0001〜80重量%となる製剤形態に調製されるのが好ましい。
本発明の癌化学療法剤をキットとする場合、以上のごとく製剤化されたコレスタノール誘導体(1)又はそのシクロデキストリン包接体と抗癌剤を含有してなる薬剤をそれぞれ別個にパッケージして、投与時にそれぞれのパッケージから各々の医薬品製剤を取り出して使用するように設計することができる。また、それぞれの医薬品製剤を、1回毎の併用投与に適した形態でパッケージしておくこともできる。
本発明の癌化学療法剤の投与量は、患者の体重、年齢、性別、症状、投与形態及び投与回数等によって異なるが、通常は成人に対して、コレスタノール誘導体(1)として、一日成人一人当り約0.1〜30mg/kg、好適には3〜10mg/kgの範囲が挙げられ、抗癌剤は、既に確立されているそれらの各投与量或いはそれらより低用量が挙げられる。
投与回数は、特に限定されず、一日1回或いは数回に分けて投与することができるが、一日1回投与するのが好ましい。また、キットとする場合は、それぞれ単独の製剤を同時に或いは間隔を空けて投与してもよい。
以下、本発明を更に詳しく説明するため、実施例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1 癌細胞の増殖抑制における薬剤添加効果
colon26細胞(マウス大腸癌由来)を、96穴ウェルに蒔き(1x10 cells/50μl、10%FCS−RPMI medium/well)、37oCで16時間培養した。公知の抗癌剤(シスプラチン(「CDDP」と略す)、オキサリプラチン(「L−OHP」と略す)、フルオロウラシル(5−FU)、パクリタキセル(TXL;「PTX」と略す)、ドセタキセル(TXT;「DTX」と略す)、イリノテカン(CPT-11;「CPT」と略す)、または、サイクロホスファミド(「CPA」と略す))および/または式(1)においてGがGlcNAcβ−であるコレスタノール誘導体(「GC」と略す)のシクロデキストリン包接体(「GC−CD」と略す)を各ウェルに加え(FCS(−)−mediumで倍数希釈:終濃度 500μM以下、50μl)、37oCで2日間培養する。尚、GC−CDは、前記特許文献4の実施例1の(2)に記載の方法に準じて製造した。すなわち、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの水溶液(40%)を調整し、GCを添加して、攪拌・混合(80℃、30分)して作製した。
また、コントロールとして、FCS(−)−mediumのみを加えたものを準備した。Cell counting kit(Dojin)で生細胞を測定した。
細胞増殖抑制率(Cell proliferation inhibition(CPI) rate)(%)を、次式で求めた。結果を図1(図1−A、図1−B、図1−C)に示す。
Figure 0005480241
実施例2 各種癌細胞の増殖抑制効果
実施例1のcolon26細胞をMKN45(ヒト胃癌由来)、NCIH226(ヒト肺癌由来)及びColo201(ヒト大腸癌由来)に変えて、実施例1と同様に実験を行い、CPI rate(%)を測定した。結果を図2に示す。
また、コレスタノール誘導体として、式(1)においてGがGlcNAcβ1,4−Galβ−である化合物(「GGC」と略す)のシクロデキストリン包接体(コレスタノール化合物をGCCに変えた以外は、上記GC−CDの製造方法と同様にして製造した;「GGC−CD」と略す)を用いた場合の、上記癌細胞に対するCPI rateを測定した結果を図3に示す。
実施例3 生体内での癌細胞増殖抑制における薬剤添加効果
以下の実施例では、対象動物として、Balb/cマウス(6週齢、メス)を使用した。
(1)Colon26細胞を、1x10cells/匹にて腹腔内に接種した(0日)。接種後1日目に、それぞれCDDPおよび/またはGC−CDを生理的食塩水(大塚生食注)にて濃度調整し、500μlを腹腔内投与して、そのまま飼育を続けた。接種後19日目に解剖し、その腸間膜および大網重量を測定した。コントロール群には、生理的食塩水のみを500μl投与した。(n=10;各群10匹)
結果を図4に示す。
(2)Colon26細胞を、1x10cells/匹にて腹腔内に接種した(0日)。接種後1日、2日、3日、6日、7日および8日目に、それぞれCDDPおよび/またはGC−CDを生理的食塩水(大塚生食注)にて濃度調整し、500μlを腹腔内投与して、そのまま飼育を続けた。接種後21日目に解剖し、その腸間膜および大網重量を測定した。コントロール群には、生理的食塩水のみを500μl投与した。(n=10;各群10匹)
結果を図5に示す。
(3)Colon26細胞を、1x10cells/匹にて腹腔内に接種した(0日)。接種後7日目に、それぞれCDDPおよび/またはGC−CDを生理的食塩水(大塚生食注)にて濃度調整し、500μlを腹腔内投与して、そのまま飼育を続けた。接種後18日目に解剖し、その腸間膜および体網重量を測定した。コントロール群には、生理的食塩水のみを500μl投与した。(n=10;各群10匹)
結果を図6に示す。
実施例4 薬剤添加による抗腫瘍効果
対象動物として、Balb/cマウス(6週齢、メス)を使用した。Colon26細胞を、1x10cells/匹にて腹腔内に接種した(0日)。接種後2日目および/または3日目(投与スケジュールは図7の凡例参照)に、それぞれCDDPおよび/またはGC−CDを生理的食塩水(大塚生食注)にて濃度調整し、500μlを腹腔内投与して、そのまま飼育を続け、接種後43日目までの生存日数を比較した。コントロール群には、生理的食塩水のみを500μl投与した。(n=10;各群10匹)
結果を図7に示す。
実施例5 薬剤添加による抗腫瘍効果
対象動物として、Balb/cマウス(6週齢、メス)を使用した。Colon26細胞を、5x10cells/匹にて皮下注射にて投与した(0日)。腫瘍の径が4mm程度になったことを確認し(接種後7−10日目)、それぞれCDDPおよび/またはGGC−CDを生理的食塩水(大塚生食注)にて濃度調整し、200μlを尾静脈投与して、そのまま飼育を続け、接種後21日目までの腫瘍径を経時的に測定し、体積を求めた。コントロール群には、生理食塩水のみを200μl投与した。(n=7;各群7匹)
結果を図8に示す。
実施例6 薬剤添加による癌転移抑制効果
対象動物として、Balb/cマウス(6週齢、メス)を使用した。Colon26細胞を、5x10cells/匹にて腹腔内投与した(0日)。接種後に、それぞれCDDPおよび/またはGC−CDあるいはGGC−CDを生理的食塩水(大塚生食注)にて濃度調整し、200μlを尾静脈投与して、そのまま飼育を続け、接種後14日目に解剖し、肺の腫瘍結節数を測定した。コントロール群には、何も投与しなかった。(n=10;各群10匹)
結果を図9に示す。
以上のことから、本発明のコレスタノール誘導体又はそのシクロデキストリン包接体と抗癌剤を併用すると、各種癌細胞の増殖が強力に抑制され、相乗効果及び/又は既知抗癌剤の抗癌作用の増強効果が得られることが分かった。

Claims (7)

  1. 下記一般式(1):
    Figure 0005480241
    [式中、Gは、GlcNAc−Gal−又はGlcNAc−を示す。]
    で表されるコレスタノール誘導体又はそのシクロデキストリン包接体と、タキサン系抗癌剤、フルオロウラシル、サイクロフォスファミド及びイリノテカンからなる群より選択される1種以上の抗癌剤とを組み合わせてなる癌化学療法剤。
  2. 抗癌剤が、パクリタキセル、ドセタキセル、5−FU、サイクロフォスファミド及びイリノテカンからなる群から選択される1種以上である請求項1記載の癌化学療法剤。
  3. 配合剤である請求項1又は2記載の癌化学療法剤。
  4. コレスタノール誘導体を含有してなる薬剤と抗癌剤を含有してなる薬剤からなるキットである請求項1又は2記載の癌化学療法剤。
  5. コレスタノール誘導体を含有してなる薬剤がリポソーム製剤である請求項3又は4記載の癌化学療法剤。
  6. 癌化学療法剤を製造するための、下記一般式(1):
    Figure 0005480241
    [式中、Gは、GlcNAc−Gal−又はGlcNAc−を示す。]
    で表されるコレスタノール誘導体又はそのシクロデキストリン包接体と、タキサン系抗癌剤、フルオロウラシル、サイクロフォスファミド及びイリノテカンからなる群より選択される1種以上の抗癌剤との組み合わせの使用。
  7. 抗癌剤が、パクリタキセル、ドセタキセル、5−FU、サイクロフォスファミド及びイリノテカンからなる群から選択される1種以上である請求項記載の使用。
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