JP5480241B2 - コレスタノール誘導体の併用用途 - Google Patents
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Description
従って、従来の化学療法をしのぐ、さらなる副作用の軽減とより優れた有効性を有する、新しい併用化学療法及びそのための化学療法剤の開発が要望されている。
しかしながら、当該化合物が他の抗癌剤と併用された例は全く報告されていない。
1)下記一般式(1):
で表されるコレスタノール誘導体又はそのシクロデキストリン包接体と抗癌剤とを組み合わせてなる癌化学療法剤。
2)一般式(1)中、GがGlcNAc−Gal−又はGlcNAc−である前記1)の癌化学療法剤。
3)抗癌剤が、タキサン系抗癌剤、白金錯体抗癌剤、ペメトレキセド化合物及びフルオロウラシルからなる群より選択される1種以上である前記1)又は2)の癌化学療法剤。
4)抗癌剤が、パクリタキセル、ドセタキセル、ペメトレキセド、5−FU、シスプラチン、オキサリプラチン、サイクロフォスファミド及びイリノテカンからなる群から選択される1種以上である前記3)の癌化学療法剤。
5)抗癌剤が、タキサン系抗癌剤、ペメトレキセド化合物及びフルオロウラシルからなる群より選択される1種以上である前記1)又は2)の癌化学療法剤。
6)抗癌剤が、パクリタキセル、ドセタキセル、ペメトレキセド、5−FU、サイクロフォスファミド及びイリノテカンからなる群から選択される1種以上である前記5)の癌化学療法剤。
7)配合剤である前記1)〜6)のいずれかの癌化学療法剤。
8)コレスタノール誘導体を含有してなる薬剤と抗癌剤を含有してなる薬剤からなるキットである前記1)〜6)のいずれかの癌化学療法剤。
9)コレスタノール誘導体を含有してなる薬剤がリポソーム製剤である前記8)の癌化学療法剤。
10)癌化学療法剤を製造するための、下記一般式(1):
で表されるコレスタノール誘導体又はそのシクロデキストリン包接体と抗癌剤との組み合わせの使用。
11)抗癌剤が、タキサン系抗癌剤、ペメトレキセド化合物及びフルオロウラシルからなる群より選択される1種以上である前記10)の使用。
12)抗癌剤が、パクリタキセル、ドセタキセル、ペメトレキセド、5−FU、サイクロフォスファミド及びイリノテカンからなる群から選択される1種以上である前記11)の使用。
13)下記一般式(1):
で表されるコレスタノール誘導体又はそのシクロデキストリン包接体と抗癌剤とを組み合わせて投与することを特徴とする癌化学療法。
14)コレスタノール誘導体又はそのシクロデキストリン包接体と抗癌剤とを同時にあるいは時間を置いて別々に投与する前記13)の癌化学療法。
斯かるコレスタノール誘導体(1)のうち、GがGlcNAc−Gal−であるものは、好ましくはGlcNAcβ1,3−Galβ−又はGlcNAcβ1,4−Galβ−であり、GlcNAc−Gal−Glc−であるものは、好ましくはGlcNAcβ1,3−Galβ1,4−Glc−であり、Fuc−Gal−であるものは、好ましくはFucα1,3Gal−であり、Gal−Glc−であるものは、好ましくはGalβ1,4Glcβ−であり、Gal−であるものは、好ましくはGalβ−であり、GlcNAc−であるものは、好ましくはGlcNAcβ−である。
このうち、GがGlcNAc−Gal−、GlcNAc−であるものがより好ましく、GlcNAcβ1,4−Galβ−、GlcNAcβ−であるものが更に好ましい。
上記コレスタノール誘導体は、例えば、前記特許文献1−4に記載の方法又はこれに準じる方法により製造することができる。
斯かるリポソーム製剤は、本発明のコレスタノール誘導体、膜成分物質及び脂肪族又は芳香族アミンを含有するリポソームであるのが好ましい。
リポソーム製剤中のコレスタノール誘導体の含有量は、膜成分物質1モルに対して、0.3〜2.0モル、好ましくは0.8〜1.5モルであるのが望ましい。
当該アミンは、膜成分物質(リン脂質)1モルに対して、0.04〜0.15モル、好ましくは0.1〜0.15モル含有するのが好ましい。
具体的には、サイクロフォスファミド(Cyclophosphamide)、イフォスファミド(Ifosfamide)、メルファラン(Melphalan, L−PAM)、ブスルファン(Busulfan)、カルボキノン(Carboquone)等のアルキル化剤;6−メルカプトプリン(6-Mercaptopurine, 6−MP)、メトトレキサート(Methotrexate, MTX)、5−フルオロウラシル(5-Fluorouracil, 5−FU)、テガファー(Tegafur)、エノシタビン(Enocitabine, BHAC)、ペメトレキセド化合物(ペメトレキセド,Pemetrexed, MTA)等の代謝拮抗剤;アクチノマイシンD (Actinomycin D)、ダウノルビシン(Daunorubicin)、ブレオマイシン(Bleomycin)、ペプレオマイシン(Peplomycin)、マイトマイシンC(Mitomycin C)、アクラルビシン(Aclarubicin)、ネオカルチノスタチン(Neocarzinostatin, NCS)等の抗癌性抗生物質;ビンクリスチン(Vincristine)、ビンデシン(Vindesine)、ビンブラスチン (Vinblastine)、タキサン系抗癌剤(タキソテール(Docetaxel, ドセタキセル)、タキソール(Paclitaxel, TXL, パクリタキセル)等)、イリノテカン(Irinotecan,CPT-11)等の植物アルカロイド;シスプラチン(Cisplatin, CDDP)、カルボプラチン(Carboplatin)、オキサリプラチン(Oxaliplatin, L−OHP)等の白金化合物等が挙げられ、これらを1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明の癌化学療法剤の適用により有効に治療可能な癌は、制限されるものではないが、特に胃癌、大腸癌、膵臓癌、子宮癌、卵巣癌、肺臓癌、胆嚢癌、食道癌、肝臓癌、乳癌、中皮腫、前立腺癌などの悪性腫瘍が挙げられる。
斯かる製剤の投与形態も限定されるものではなく、剤形に応じて適切な経路により投与すればよく、例えば、注射剤は静脈内、筋肉内、皮下、皮内腹腔内投与され、固形製剤は経口、経腸投与され得る。
例えば、経口用固形製剤を調製する場合は、本発明の薬効成分に賦形剤、必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味剤、矯臭剤等を加えた後、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等を製造することができる。そのような添加剤としては、当該分野で一般的に使用されるものでよく、例えば、賦形剤としては、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、珪酸等を、結合剤としては、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドン等を、崩壊剤としては、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖等を、滑沢剤としては精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコール等を、矯味剤としては白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等を挙げることができる。
投与回数は、特に限定されず、一日1回或いは数回に分けて投与することができるが、一日1回投与するのが好ましい。また、キットとする場合は、それぞれ単独の製剤を同時に或いは間隔を空けて投与してもよい。
colon26細胞(マウス大腸癌由来)を、96穴ウェルに蒔き(1x104 cells/50μl、10%FCS−RPMI medium/well)、37oCで16時間培養した。公知の抗癌剤(シスプラチン(「CDDP」と略す)、オキサリプラチン(「L−OHP」と略す)、フルオロウラシル(5−FU)、パクリタキセル(TXL;「PTX」と略す)、ドセタキセル(TXT;「DTX」と略す)、イリノテカン(CPT-11;「CPT」と略す)、または、サイクロホスファミド(「CPA」と略す))および/または式(1)においてGがGlcNAcβ−であるコレスタノール誘導体(「GC」と略す)のシクロデキストリン包接体(「GC−CD」と略す)を各ウェルに加え(FCS(−)−mediumで倍数希釈:終濃度 500μM以下、50μl)、37oCで2日間培養する。尚、GC−CDは、前記特許文献4の実施例1の(2)に記載の方法に準じて製造した。すなわち、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリンの水溶液(40%)を調整し、GCを添加して、攪拌・混合(80℃、30分)して作製した。
また、コントロールとして、FCS(−)−mediumのみを加えたものを準備した。Cell counting kit(Dojin)で生細胞を測定した。
細胞増殖抑制率(Cell proliferation inhibition(CPI) rate)(%)を、次式で求めた。結果を図1(図1−A、図1−B、図1−C)に示す。
実施例1のcolon26細胞をMKN45(ヒト胃癌由来)、NCIH226(ヒト肺癌由来)及びColo201(ヒト大腸癌由来)に変えて、実施例1と同様に実験を行い、CPI rate(%)を測定した。結果を図2に示す。
また、コレスタノール誘導体として、式(1)においてGがGlcNAcβ1,4−Galβ−である化合物(「GGC」と略す)のシクロデキストリン包接体(コレスタノール化合物をGCCに変えた以外は、上記GC−CDの製造方法と同様にして製造した;「GGC−CD」と略す)を用いた場合の、上記癌細胞に対するCPI rateを測定した結果を図3に示す。
以下の実施例では、対象動物として、Balb/cマウス(6週齢、メス)を使用した。
(1)Colon26細胞を、1x104cells/匹にて腹腔内に接種した(0日)。接種後1日目に、それぞれCDDPおよび/またはGC−CDを生理的食塩水(大塚生食注)にて濃度調整し、500μlを腹腔内投与して、そのまま飼育を続けた。接種後19日目に解剖し、その腸間膜および大網重量を測定した。コントロール群には、生理的食塩水のみを500μl投与した。(n=10;各群10匹)
結果を図4に示す。
結果を図5に示す。
結果を図6に示す。
対象動物として、Balb/cマウス(6週齢、メス)を使用した。Colon26細胞を、1x104cells/匹にて腹腔内に接種した(0日)。接種後2日目および/または3日目(投与スケジュールは図7の凡例参照)に、それぞれCDDPおよび/またはGC−CDを生理的食塩水(大塚生食注)にて濃度調整し、500μlを腹腔内投与して、そのまま飼育を続け、接種後43日目までの生存日数を比較した。コントロール群には、生理的食塩水のみを500μl投与した。(n=10;各群10匹)
結果を図7に示す。
対象動物として、Balb/cマウス(6週齢、メス)を使用した。Colon26細胞を、5x104cells/匹にて皮下注射にて投与した(0日)。腫瘍の径が4mm程度になったことを確認し(接種後7−10日目)、それぞれCDDPおよび/またはGGC−CDを生理的食塩水(大塚生食注)にて濃度調整し、200μlを尾静脈投与して、そのまま飼育を続け、接種後21日目までの腫瘍径を経時的に測定し、体積を求めた。コントロール群には、生理食塩水のみを200μl投与した。(n=7;各群7匹)
結果を図8に示す。
対象動物として、Balb/cマウス(6週齢、メス)を使用した。Colon26細胞を、5x104cells/匹にて腹腔内投与した(0日)。接種後に、それぞれCDDPおよび/またはGC−CDあるいはGGC−CDを生理的食塩水(大塚生食注)にて濃度調整し、200μlを尾静脈投与して、そのまま飼育を続け、接種後14日目に解剖し、肺の腫瘍結節数を測定した。コントロール群には、何も投与しなかった。(n=10;各群10匹)
結果を図9に示す。
Claims (7)
- 抗癌剤が、パクリタキセル、ドセタキセル、5−FU、サイクロフォスファミド及びイリノテカンからなる群から選択される1種以上である請求項1記載の癌化学療法剤。
- 配合剤である請求項1又は2記載の癌化学療法剤。
- コレスタノール誘導体を含有してなる薬剤と抗癌剤を含有してなる薬剤からなるキットである請求項1又は2記載の癌化学療法剤。
- コレスタノール誘導体を含有してなる薬剤がリポソーム製剤である請求項3又は4記載の癌化学療法剤。
- 抗癌剤が、パクリタキセル、ドセタキセル、5−FU、サイクロフォスファミド及びイリノテカンからなる群から選択される1種以上である請求項6記載の使用。
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