JP5478842B2 - 固液分離装置 - Google Patents

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この発明は、廃水処理施設等から発生する原水(汚泥や汚泥成分を含む混合液)を濃縮処理や脱水処理を行うことによって、分離物と分離液とに固液分離する固液分離装置に関するものである。
この種の固液分離装置として適用される濃縮機や脱水機には、遠心式、ベルトプレス式、スクリュープレス式、浮上式、重力式等がある。
即ち、濃縮機や脱水機は、遠心力やろ布、スクリーンによるろ過、比重差による重力分離などを利用して、原水の濃縮や脱水を行うようにしている。
現在使用されている濃縮設備は、エネルギー効率や運転コストの面から原水の重力沈降によって分離濃縮する重力濃縮方式のものが一般的であるが、近年の原水の汚泥濃縮性悪化に対応して、機械濃縮機の導入も増加している。
機械濃縮機についても種々のものがあり、ここでは、その中のスクリュー濃縮機を例に説明する。
図32は、スクリュー濃縮機の概略図である。図32に示す通常のスクリュー濃縮機は、主に汚泥を搬送するスクリューコンベア100と、このスクリューコンベア100を回転駆動するスクリューコンベア駆動装置101と、前記スクリューコンベア100の外側に配設されて固液分離を行う円筒状の濾過スクリーン102と、この濾過スクリーン102を回転駆動するスクリーン駆動装置103と、前記濾過スクリーン101を水洗浄するスクリーン洗浄設備104とを備えた構造となっている。
前記スクリューコンベア100の回転軸100aには、該回転軸100aの一端から濾過スクリーン102内に原水を流入させる原水流入口100bが設けられている。前記濾過スクリーン102の一端壁部には汚泥排出口102aが設けられている。前記スクリーン洗浄設備104は、前記濾過スクリーン102の外側に配設されて該濾過スクリーン102に洗浄水を噴射する洗浄ノズル105と、該洗浄ノズル105に洗浄水を供給する洗浄ポンプ106とを備えた構造となっている。
このようなスクリュー濃縮機では、スクリューコンベア100の回転軸100aの原水流入口102aから濾過スクリーン102内のスクリューコンベア100に供給された原水がスクリューコンベア100により搬送されて、原水中の汚泥が濃縮され、分離液は通常1mm以下程度の目開きの濾過スクリーン101を通過して排出され、濃縮された汚泥は前記汚泥排出口102aから排出される。また、前記濾過スクリーン102は目詰まりを起こし易いため、スクリーン洗浄装置104によって水洗浄される。
なお、前記通常のスクリュー濃縮機以外に、円筒状の外容器内に同芯状に設けられた円筒体と、この円筒体の周面に形成された濾過スクリーン部と、前記円筒体内に配設された汚泥濃縮用のスクリューとを備えた汚泥の汚泥濃縮装置も既に知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−121955号公報(図1)
従来の固液分離装置として使用される通常のスクリュー濃縮機は以上のような構造となっており、スクリューコンベア100だけでは、原水の搬送中に分離液が汚泥から分離排出されないため、濾過スクリーン102が不可欠である。固液分離性能は濾過スクリーン102に依存するが、濾過スクリーン102は頻繁に目詰まりを起こすため、濾過スクリーン102を水洗浄する洗浄ポンプ106を備えた濾過スクリーン洗浄設備104が必要である。
このようなスクリュー濃縮機には、次のような課題があった。
(1)濾過スクリーン102の洗浄には大量の洗浄水が必要になるが、通常固液分離装置付近には水を利用する装置や機械がほとんどないため、スクリュー濃縮機の設置場所まで洗浄水専用の上水あるいは雑排水などの供給管を設置したり、洗浄水用貯留槽が必要になったりする課題があった。また、洗浄のため濃縮処理を頻繁に中断する必要があり、効率的な運転や連続運転ができないという課題もあった。
(2)濾過スクリーン102の洗浄水として分離液を使用する場合、非常に良好な分離液を使用しないと、洗浄ノズル105の閉塞が生じ易い課題があった。また、非常に良好な分離液を使用しても上水と比較すると洗浄頻度や洗浄水量が増え、洗浄水用に分離液を貯留する大きなタンクが必要となる課題があった。
(3)また、濾過スクリーン102は適宜洗浄を行っていても、目詰まりが解消されず濾過できない箇所ができたり、原水中に含まれる固形物によって摩耗したり、使用可能な面積が減少してしまうため、濾過スクリーン102の定期的な補修や交換が必要となる課題があった。
(4)また、濾過スクリーン102は目詰まりや摩耗が無くても、通常1回転/分以下の低速で回転駆動させるので横型スクリーンの場合、上部に空間が生じやすく、また上部スクリーンからの分離液はスクリーンを伝って落下するため、円筒型の濾過スクリーン102では、スクリーン全体を有効に使用することができない課題があった。
さらに、スクリュー濃縮機の設備には、次のような課題もあった。
(5)設備や構造が煩雑である。即ち、スクリューコンベア100以外に濾過スクリーン102を必要とするのみならず、スクリーン洗浄装置104を必要とする。スクリーン洗浄装置104は、洗浄水タンク、洗浄水供給用の配管、洗浄ポンプ106、洗浄ポンプ106の電源配線などを必要とする。
洗浄ポンプ106は、かなり大きな動力を必要とする大型のポンプを使用しなければならない。
(6)メンテナンスに関しては、濾過スクリーン102のスケール付着メンテナンス、濾過スクリーン102や配管の定期的交換、スクリューコンベア100及び濾過スクリーン102の駆動系統のオーバーホールなどを行わなければならない。
(7)濾過スクリーン102の補修費や洗浄水ポンプ106の駆動費(洗浄水ポンプの電気代)が嵩む課題があった。
以上のように、スクリュー濃縮機は、設備や構造が煩雑で、維持管理が容易ではなく、設備費、電力費や維持管理費が高くなる課題があった。
また、機械濃縮機のうち、遠心力を利用して固液分離を行う遠心脱水機を使用する場合、頻繁な洗浄は不要であるが、設備費、電力費、維持管理費が高くなる課題があった。
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、原水に含まれた汚泥の濃縮機や脱水機などとして適用するものでありながら、設備や構造が簡単で、良好な固液分離性能を確保することができるとともに、設備費、電力費、維持管理費などの費用を大幅に低減することができる固液分離装置を得ることを目的とする。
請求項1の発明に係る固液分離装置は、汚泥を含む原水を汚泥と分離液に分離する固液分離装置において、供給された原水を保持する底板と、この底板上に渦巻状の水路を形成すると共に水平方向に回転する渦巻状回転板と、この渦巻状回転板を回転させる駆動機と、を備え、前記渦巻状回転板は、2重以上に渦巻き、且つ前記底板とは間隙を存して配設されていることを特徴とするものである。
請求項2の発明に係る固液分離装置は、前記渦巻状回転板が分割されていることを特徴とするものである。
請求項3の発明に係る固液分離装置は、前記渦巻状回転板が複数枚で構成されていることを特徴とするものである。
請求項1の発明によれば、原水を保持する底板上に渦巻状回転板を水平方向に回転可能に配設し、この渦巻状回転板を駆動機で回転させるように構造したので、次のような作用・効果がある。
(1)原水に凝集剤を添加し、底板上の渦巻状回転板で囲まれた渦巻状の水路部に投入して前記渦巻状回転板を回転駆動すると、その渦巻状回転板の回転により原水中の汚泥だけが汚泥排出口から系外に搬送されるとともに、搬送過程では汚泥から分離された分離液が渦巻状の水路部から系外に排出されることにより、渦巻状回転板の全域で固液分離を効率よく行うことができる。
即ち、渦巻状回転板によって原水中の固液分離部が渦巻状に形成されるため、渦巻状回転板は汚泥の接触面積を大きくできて、固液分離効率が向上するとともに、汚泥を渦巻状回転板と底板との摩擦により系外方向に容易に搬送することができる。
(2)原水を保持する底板1上に渦巻状回転板3を水平方向に回転可能に配設し、この渦巻状回転板3を駆動機4で回転させるように構造としたので、渦巻状回転板3の全域で固液分離を効率よく行うことが可能となり、常に良好な固液分離性能を確保することができる効果を奏する。
(3)従来のスクリュー濃縮機や一般的なスクリーン方式によるスクリュープレス脱水機では必要な濾過スクリーンを必要としないため、スクリーン洗浄工程自体も不要となり、大量の洗浄水や、洗浄水専用の上水や雑排水などの洗浄水供給管や洗浄水貯留槽洗浄水ポンプ及び洗浄水タンクが不要となる効果を奏する。
(4)またスクリーン洗浄工程自体が不要となるため、洗浄のために濃縮処理を中断することや、洗浄ノズルの目詰まりやスクリーンの目詰まりによる運転停止などもなくなり、効率的で安定した連続運転を継続することができる効果を奏する。
(5)さらに、濾過スクリーンを必要としないため、濾過スクリーンの目詰まりによる濾過効率の低下や、摩耗による定期的な補修や交換が不要となるため、煩わしい手間がかからず、メンテナンスが容易となる効果を奏する。
(6)また、洗浄整備や洗浄水貯留槽や洗浄水供給設備などが不要となるため、スクリュー濃縮機や一般的なスクリーン方式によるスクリュープレス脱水機よりも設備や構造が簡単で動力が小さくて済み、設置スペースが小さくすることができる効果を奏する。
(7)さらに、設備や構造が簡単で、濾過スクリーンのような定期的な補修やメンテナンスが必要な設備を必要としないため、維持管理が容易で、設備費などの建設費、電力費や補修・交換費などの維持管理費などの費用を大幅に低減できる効果を奏する。
(8)しかも、汚泥濃縮機や汚泥脱水機としてのみならず、通常の沈殿池として利用することもできるため、原水は活性汚泥、嫌気性汚泥、浄水処理汚泥、無機汚泥混合液等など幅広い用途が可能となる。
請求項2の発明によれば、渦巻状回転板は、分割されているため適宜分離液の排出がし易くなっており、固液分離が促進されて、汚泥濃度が高くなるという効果がある。
さらに、渦巻状回転板が分割され回転板の汚泥を押す力が一様でないため、汚泥を混ぜながら搬送することも可能となり、更に水抜け効果を高めることができる。
請求項3の発明によれば、渦巻状回転板が複数枚で構成されているため、トータル汚泥の単位時間当りの搬送速度が速くなる効果がある。また、渦巻状回転板で構成される水路の容積が小さくなるため、高さや容積を有効に利用することができる効果がある。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1による固液分離装置を示す斜視図である。この実施の形態1の固液分離装置は、供給された原水を保持する底板1と、この底板1の上部に配設され、該底板1上で水平方向に回転する渦巻状回転板3と、この渦巻状回転板3を回転駆動する駆動機4とから主要部が構成されている。また、前記底板1には中心部付近に排出口2を有している。さらに、前記底板1の上面と渦巻状回転板3の下端との間には間隙Sが設けられている。
次に動作について説明する。
底板1上の渦巻状回転板3で囲まれた渦巻状の水路に凝集剤を添加した原水を投入すると、原水に含まれた汚泥が前記底板1上に堆積する。この状態において、前記渦巻状回転板3を一方向(図1の紙面上で反時計回り方向)に回転駆動すると、前記底板1上に堆積した汚泥が渦巻状回転板3の側面でガイドされて底板1の中心部方向に搬送されることにより、排出口2から系外に排出される。このような渦巻状回転板3の回転による汚泥の搬送過程では、汚泥から分離された分離液は、汚泥が底板1上に堆積していることから該汚泥の搬送方向とは反対方向に流れる。このとき、一部の分離液は底板1と渦巻状回転板3との間隙Sから外方に排出され、大部分の分離液は底板1上に堆積した汚泥の上部に沿って底板1の全周外方に排出される。
以上は、渦巻状回転板3を図1の紙面上で反時計回り方向に回転駆動して固液分離を行う場合であるが、渦巻状回転板3を図1の紙面上で時計回り方向に回転駆動することによっても固液分離を行うことができる。この場合、底板1上に堆積した汚泥は、渦巻状回転板3の外周に沿って系外に排出され、分離液は間隙Sと排出口2から排出される。
以上説明した実施の形態1によれば、原水を保持する底板1上に渦巻状回転板3を水平方向に回転可能に配設し、この渦巻状回転板3を駆動機4で回転させる構造としたので、渦巻状回転板3の全域で固液分離を効率よく行うことが可能となり、常に良好な固液分離性能を確保することができるとともに、設備や構造が簡単で、設備費、電力費、維持管理費などの費用を大幅に低減することができる効果を奏する。
実施の形態2.
図2はこの発明の実施の形態2による固液分離装置を示す斜視図であり、図1と同一部分には同一符号を付して説明する。
この実施の形態2の固液分離装置において、前記底板1は中心部付近に汚泥排出口2aを有する平面円形状の板状部材からなり、この底板1の上面部に間隙Sを存して前記渦巻状回転板3が水平方向へ回転可能に配設されている。この間隙Sは、前記底板1の上面部と前記渦巻状回転板3の下端部との間に設けられた1〜2mm程度の隙間であり、この隙間Sは、原水から分離された分離液を底板1の上面部に沿って分離液排出口に流出させることができるように設けられている。隙間は1〜2mmに限らず凝集汚泥の流出を阻止できる程度であればよい。
前記渦巻状回転板3は、中心部が駆動機4の回転軸4aに何らかのサポート、たとえば
駆動機4の回転軸4aからラジアル方向に延びるサポート5を介して一体的に連結されている。前記駆動機4は渦巻状回転板3の上方で固定保持されている。したがって、前記渦巻状回転板3は、底板1の上面部に間隙Sを存して駆動機4の回転軸4aに一体回転可能に保持されているものである。このように駆動機4の回転軸4aに保持された渦巻状回転板3は、底板1の上面部で垂直方向に立ち上がって平面渦巻状の水路を形成しており、この水路の渦巻径方向の中間部に上方から原水を投入するための原水投入管6が配設されている。この原水投入管6の先端は、底板1の中心部付近の汚泥排出口2aを避けた位置で渦巻状回転板3の中間部の水路に向って開口している。原水投入管6は、これに変えて、原水投入水路でも、原水投入口でも、原水自然流下投入でも、固液分離装置に原水が投入できるものであればよい。
前記底板1の上面部においては、渦巻状回転板3の最も外側の外周面に沿って該渦巻状回転板3が存在しない部位が設けられており、この部位は外周面に沿って分離液排出部1aを形成しているものである。
次に動作について説明する。
この実施の形態2では、図2の固液分離装置を汚泥濃縮機として使用する場合の動作を説明する。
まず、原水に凝集剤を添加し原水投入管6から渦巻状回転板3中間部の水路に投入される。
固液分離装置を汚泥濃縮機として使用する場合は、原水の性状に応じて原水中に凝集剤を添加しなくても良い。前記凝集剤としては、通常の高分子凝集剤(カチオン、アニオン、両性)や無機凝集剤(ポリ鉄、PAC等)で良く、凝集条件についても、特に制限はなく、通常の凝集混和槽等を設けても良いが、配管で直接混合するライン注入方式などを用いても良く、凝集剤を混合することができればよい。
前記のように原水投入管6から投入された原水に含まれている汚泥は、渦巻状回転板3の側面に接触した状態で底板1上に堆積する。この状態において、駆動機4が起動し、該駆動機4の回転軸4aと一体に保持された渦巻状回転板3が、図2の紙面上で反時計回り方向(矢印の方向)に低速回転駆動されると、底板1の上面部に堆積している原水中の汚泥は、底板1の上面と渦巻状回転板3の側面との摩擦の差により、図3に示すように渦巻状回転板3でガイドされて、底板1の中心部に向かって徐々に搬送され、汚泥排出口2aから系外に排出される。
ここで、渦巻状回転板3の側面(底板1の上面部に堆積されている原水中の汚泥と接触する面)の摩擦が大きい場合、汚泥が渦巻状回転板3の動きに同伴して回転してしまうので、渦巻状回転板3の側面の摩擦は小さい方がよく、一方、汚泥の濃縮や搬送効率は、底板1の上面の摩擦が大きい方が高くなる。
そこで、図2の固液分離装置では、底板1の上面部との摩擦が、渦巻状回転板3の側面との摩擦よりも大きくなるように、渦巻状回転板3の側面粗さや底板の上面粗さが予め設定されており、これにより、底板1上に堆積している汚泥は、低速回転時の渦巻状回転板3でガイドされて、汚泥排出口2aの方向へスムーズに搬送される。
このような汚泥の搬送過程で汚泥から分離された分離液は汚泥と同方向に搬送されようとするが、汚泥が排出口付近に堆積しており、底板1の上面部を渦巻状回転板3の回転方向と同方向に流れ、その一部の分離液は、底板1の上面部と渦巻状回転板3の下端部との隙間Sから外方に排出され、大部分の分離液は底板1上の渦巻状の水路上に堆積した汚泥上部に沿って、分離液排出部1aから全周外方に排出される。
図4は原水から汚泥と分離液が分離される原理を示す説明図である。
渦巻状回転板3は、渦巻状に巻かれているが、その渦巻きを長く伸ばすと、長い水路と同じであり、該水路の一部に凝集剤が添加された原水を投入し、該原水が渦巻状回転板3の回転によって一方方向に搬送可能とすれば、分離液は広がる性質があるため反対方向に流出する。すなわち、底板1上の汚泥は、渦巻状回転板3の回転時における底板1との摩擦で盛り上がり、その盛り上がり勾配により分離液は汚泥を反対方向に流出する(図4参照)。この原理より、前記実施の形態2の固液分離装置は、濾過スクリーンなしで凝集汚泥の搬送過程において分離液の排出が可能となるものである。
この実施の形態2では、底板1が平面円形状の板状部材であるものについて示したが、さらに分離液の流れを良くするため、底板1の中心部が外周部より高くなるように、角度やテーパーを底板1につけるようにしてもよい。
図2では、原水中の凝集汚泥を底板1に投入しているものを示したが、実際には、渦巻状回転板3を回転させると濃縮が進むため、汚泥の濃度は底板1の外側が低く、中心部になるほど高くなる濃度分布が得られる。
この実施の形態2では、渦巻状回転板3を低速で回転させるものについて示したが、渦巻状回転板3の回転数は、目的とする性能によっても異なるが、渦巻状回転板3の外側末端で1G以下が望ましい。例えば、渦巻状回転板3の直径を2メートル程度とすると、最大30rpm程度である。
即ち、渦巻状回転板3の回転数を増加させて1G以上とすると、汚泥が渦巻状回転板3の側面に付着して、底板1の上面部との接触による搬送効率が低下し、また、分離液の分離も悪化するので、渦巻状回転板3の外側末端で1G以下が望ましい。
以上説明した実施の形態2によれば、前記実施の形態1と同様の効果を奏する。即ち、従来のスクリュー濃縮機における濾過スクリーンやスクリーン洗浄装置を必要としないため、設備や構造の簡素化を図ることができるとともに、設備費や電力費などの費用を大幅に低減でき、メンテナンスも容易に行うことができる効果を奏する。
また、原水中の固液分離部として、渦巻形状である渦巻状回転板3を用いているため、汚泥と渦巻状回転板3の接触面積(分離面積)を大きくすることができる。このため、固液分離効率を高めることができるとともに、底板1の上面部に堆積された汚泥を底板1の中心部にある汚泥排出口2aに向かってスムーズに搬送することができる。
なお、この実施の形態2では、渦巻状回転板3が中心に向かって左に巻いたものを示したが、渦巻状回転板3が中心に向かって右に巻いているものであってもよい。
図5は、渦巻状回転板3を中心部から外側に向かって右に巻いた時の概略的な平面図であり、図6は、渦巻状回転板3を中心部から外側に向って左に巻いた時の概略的な平面図である。図5に示す渦巻状回転板3の場合、同図の紙面上で時計回り方向(図2の矢印と反対方向)に低速で回転させると、底板1の上面部に堆積されている原水中の汚泥は、渦巻状回転板3にガイドされて、底板1の中心部に向かって徐々に搬送され、中心部付近の汚泥排出口2aから排出される。
図6に示す渦巻状回転板3の場合、同図の紙面上で時計回り方向(図2の矢印と反対方向)に低速で回転させると、底板1の上面部に堆積されている原水中の汚泥は、渦巻状回転板3にガイドされて、底板1の外周に向かって徐々に搬送され、底板1の外側に排出される。
分離液はこの場合も汚泥の搬送方向と反対方向(中心部の方向)に流出しようとするが、分離液の流れを良くするため、底板1の中心部が外周部より低くなるように、底板1に角度やテーパーをつけるとつけない時より、分離液は底板1中心部の分離液排出口10Bから流出し易くなる。
実施の形態3.
図7はこの発明の実施の形態3による固液分離装置を示す概略的な斜視図、図8は図7の概略的な平面図であり、図1および図2と同一部分には同一符号を付して説明する。
この実施の形態3の固液分離装置は、上面が開放されたタンク10を適用している点、該タンク10内に渦巻状回転板3を水平方向へ回転可能に収納配設している点、前記タンク10の底板10Aの中心部付近に分離液排出口10Bを設けた点、前記タンク10の内周面と該内周面に面する前記渦巻状回転板3の外周面との間に形成された外側水路10Cを汚泥排出部として形成した点が、前記実施の形態2と大きく異なる。その他の構造は前記実施の形態2と同じである。
次に、この実施の形態3による固液分離装置の動作について説明する。
タンク10内における渦巻状回転板3の中間部に原水投入管6から凝集剤添加後の原水を投入すると、原水中の汚泥が渦巻状回転板3の側面に接した状態でタンク10の底板10Aに堆積する。この状態で駆動機3が起動して渦巻状回転板3が図7および図8の紙面上で時計回り方向に低速回転駆動されると、底板10A上に堆積した汚泥が渦巻状回転板3の側面でガイドされ、該渦巻状回転板3で形成されている渦巻状の水路を渦巻径方向の外側(分離液排出口10Bと反対方向)に向って徐々に搬送される。
そして、前記底板10A上の汚泥が、タンク10の内周面とこれに面する渦巻状回転板3の外周面との間の外側水路10Cまで搬送されてくると、該外側水路10Cでは低速回転中の渦巻状回転板3により前記汚泥が圧縮される。即ち、前記外側水路10Cは、渦巻状回転板3の外側先端部に向って水路幅が漸次幅狭くなっており、その幅狭方向に汚泥が低速回転時の渦巻状回転板3で搬送されることにより、前記汚泥は圧縮される。これにより、底板10A上に堆積した汚泥は外側水路10Cで盛り上がってタンク10の周面壁上端から外側に溢れ出し系外に排出される。
一方、前記汚泥の搬送過程で該汚泥から分離された分離液は、タンク10の底板10Aの中心部に設けられた分離液排出口10Bに向って流れ、該分離液排出口10Bから系外に排出される。
以上説明した実施の形態3の固液分離装置によれば、前記実施の形態2と同様の効果が得られることに加え、タンク10の内周面と該内周面に面する渦巻状回転板3の外周面との間に外側水路10Cが形成され、該外側水路10Cは渦巻状回転板3の外側先端部に向って水路幅が漸次幅狭くなっており、その幅狭方向に汚泥が搬送されて圧縮されるため、汚泥の濃縮や脱水効率が向上するという効果がある。また、上述のように圧縮された汚泥は外側水路10Cで盛り上がって、タンク10の周面壁上端から外側に溢れ出すことにより、系外に排出できるという効果がある。汚泥脱水機として使用する場合は原水に凝集剤を添加した方が高い効果が得られ、汚泥濃縮機として使用する場合は原水に凝集剤を添加しても、しなくても高い効果が得られる。
実施の形態4.
図9はこの発明の実施の形態4による固液分離装置を示す概略的な平面図、図10は図9の概略断面図であり、図1から図2および図7と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
この実施の形態4の固液分離装置は、前記実施の形態2との比較において、上面が開放された有底筒状のタンク10を適用した点、該タンク10の底板10Aを中心部に向って下降傾斜する円錐形状に形成した点、その底板10Aの中心部に分離液排出口10Bを設けた点、前記タンク10内に渦巻状回転板3を水平方向へ回転可能に収納配設した点、前記タンク10の上端開口部を上蓋11で閉塞した点、前記タンク10の周面壁上端部に上蓋11との間で開口して脱水ケーキを排出させるケーキ排出口12を部分的に設けた点が、前記実施の形態1と大きく異なる。
また、この実施の形態4の固液分離装置は、前記実施の形態2との比較において、タンク10の底板10Aを円錐形状に形成した点、その底板10Aの中心部に分離液排出口10Bを設けた点、タンク10の上端開口部を上蓋11で閉塞した点、タンク10の周面壁上端部に上蓋11との間でケーキ排出口12を部分的に設けた点が、前記実施の形態3と大きく異なる。その他の構造において、この実施の形態4では、前記ケーキ排出口12を、タンク10の内周面と渦巻状回転板3の外側先端寄りの外周面との間に形成されて渦巻状回転板3の外側先端部に向って漸次幅狭くなる外側水路10C側に開口するように設けている。また、この実施の形態4では、駆動機4の回転軸4aをタンク10の底板10Aの最下部まで延ばして軸受13で支持しており、これにより、駆動機4の回転軸4aと渦巻状回転板3とを安定してスムーズに一体回転させることができる。さらに、上蓋11には原水投入管6の先端部を貫通させており、これにより、タンク10内に渦巻状回転板3で形成された渦巻状水路の中間部に前記原水投入管6から原水を投入できるようにしてある。
このような構造とされた実施の形態4の固液分離装置を汚泥脱水機として使用する場合の作用を以下に説明する。なお、図11から図18は動作説明図である。
凝集剤添加後の原水が原水投入管6から渦巻状回転板3の中間部の水路に投入されると、原水中の汚泥がタンク10の底板10A上に落下堆積する(図11,12参照)。これにより、前記汚泥は、渦巻状回転板3の側面および上蓋11の下面に順次接触する。この状態で駆動機4が起動して渦巻状回転板3が図11の紙面上で時計回り方向に低速回転駆動されると、前記底板10A上に堆積した汚泥は、底板10Aの上面と渦巻状回転板3の側面および上蓋11の下面との摩擦の差により、渦巻状回転板3の側面に沿って該渦巻状回転板3の回転方向とは逆方向に搬送される状態となる。これにより、前記底板10A上の汚泥は、渦巻状回転板3の外側先端部に向って漸次幅狭く形成された外側水路10Cで徐々に圧縮されて濃縮・脱水される。このように濃縮・脱水された脱水ケーキは、前記外側水路10Cで盛り上がることにより、ケーキ排出口12から流出して系外に排出される。
さらに詳述すると、原水投入管6からタンク10内に渦巻状回転板3で形成された渦巻状水路の中間部に原水が連続投入されると、タンク10内には汚泥が充満することによって、該汚泥の濃縮段階に入る。この濃縮段階以後、さらにタンク10内に汚泥が充満すると、該汚泥はタンク10の内側面に接して低速回転中の渦巻状回転板3で押されることにより、脱水段階に入る。この脱水段階での脱水ケーキは、前述のように外側水路10Cで盛り上がってケーキ排出口12から系外に排出される。盛り上がって排出される以外に脱水ケーキを系外に排出できる構造であればこれに限らない。
一方、汚泥の搬送過程で該汚泥から分離された分離液は、タンク10の底板10Aの円錐面を流下することにより、底板10Aの中心部に設けられた分離液排出口10Bに向って集水され、該分離液排出口10Bから系外に排出される。
以上のような構造と作用により、この実施の形態4の固液分離装置においても、濾過スクリーンを必要としないので、濾過スクリーン洗浄装置も必要なく、したがって、前記実施の形態1,2,3の場合と同様に、設備費や電力費を大幅に低減できるとともに、メンテナンスも容易に行うことができるという効果がある。また、タンク10の底板10Aを円錐形状に形成したことにより、原水の搬送過程で該汚泥から分離された分離液を前記底板10Aの円錐面に沿った自然流下により分離液排出口10Bに集水して該分離液排出口10Bからスムーズに排出できるという効果がある。
特に、この実施の形態4による固液分離装置では、上蓋11で閉塞されたタンク10内に原水投入管6から原水を連続投入させることにより、その汚泥をタンク10内に充満させることができ、汚泥はタンク10の側面に接した状態で回転時の渦巻状回転板3で押されることにより、汚泥の脱水が促進されて固液分離効率が向上するという効果がある。
実施の形態5.
図19はこの発明の実施の形態4による固液分離装置を示す概略断面図、図20は図19のA−A断面図であり、図1から図18と同一または相当部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
この実施の形態5による固液分離装置は、前記実施の形態4との比較において、有底筒状のタンク10の上端開口部を上蓋11で密閉した点、上蓋11に原水投入口6aを設けて該原水投入口6aに原水投入管6を接続した点、前記タンク10の周壁部に横向き管状のケーキ排出口12を設けた点、そのケーキ排出口12に脱水ケーキの排出量を調整するためのケーキ排出量調整装置15を設けた点が、前記実施の形態4と大きく異なる。その他の構造は前記実施の形態4とほぼ同じである。
このような構造とした実施の形態5の固液分離装置によれば、前記実施の形態4と同様の作用・効果が得られることに加え、ケーキ排出口12から排出される脱水ケーキの排出量(ケーキ含水率)を適宜調整することができるという効果がある。
実施例1.
この実施例1では、前記実施の形態5による固液分離装置を汚泥脱水機として用い、その性能を測定したものである。
ここで、当該固液分離装置の直径が約1000mm、高さが約400mm、駆動モータ4の動力が1kWhであるものとする。
また、原水投入管6から投入される原水における汚泥の性状がTS2%、VTS82%であり、高分子凝集剤の薬注率が1〜1.5%/TSであるものとする。
渦巻状回転板3の回転方向は上面から見て時計回り方向であり、回転数は0.1〜1回転/分であるものとする。
また、当該固液分離装置の排出口12には排出量調整装置が設置されており、排出量調整装置が排出口12の面積を変更することにより、排出ケーキ量を調整することができるものとする。
上記のような条件の下、汚泥処理量0.5m3/hでの薬注率や、渦巻状回転板3の回転数を変化させながら固液分離装置を駆動して、その固液分離装置の性能を測定する。
図21はこの発明の実施の形態4(実施例1)による固液分離装置の性能測定例を示す説明図である。
図21の性能測定例から明らかなように、固液分離装置の脱水性能は、薬注率が高く、渦巻状回転板3の回転数が遅いほど良好であり、分離液の濃度は薬注率にのみ依存する傾向にある。
図22はこの発明の実施の形態5(実施例1)による固液分離装置と、一般的なスクリーン方式によるスクリュープレス脱水機との比較を示す説明図である。
図22では、各脱水機の共通設備を除いた比較を示しており、この実施の形態5の固液分離装置では、一般的なスクリーン方式によるスクリュープレス脱水機よりも、設置スペースが小さいことを示している。
また、一般的なスクリーン方式によるスクリュープレス脱水機では必要な洗浄水ポンプ及び洗浄水タンクが、この実施の形態4の固液分離装置では不要であり、また、当該スクリュープレス脱水機では必要なスクリーン交換が、この実施の形態4の固液分離装置では不要であることを示している。
実施の形態6.
図23はこの発明の実施の形態5による固液分離装置を示す断面図であり、図9,10および図19,20と同一部分には同一符号を付して説明する。
この実施の形態6の固液分離装置は、汚泥濃縮機として有効な一例を示すもので、この実施の形態6と同様に上蓋11を有するタンク10を適用した前記実施の形態4,5との比較では、タンク10の下部構造および渦巻状回転板3の下部形状が異なる。
即ち、前記実施の形態4,5では、図9,10および図19,20に示すように、タンク10の底板10Aを、中心部が最も低くなるテーパー面状に形成し、その中心部に分離液排出口10Bを設けるとともに、タンク10の周壁部に分離液排出口12を設け、かつ、渦巻状回転板3は前記底板10Aのテーパー面に対応してタンク10の中心側が高さ方向に最も長くなる下部形状に形成してある。
これに対して、この実施の形態6では、タンク10の底板10Aを、前記実施の形態4,5の場合とは逆に、中心部が最も高く且つ周縁側が漸次低くなるテーパー面状に形成し、その底板10Aの中心部に汚泥排出口16を設けるとともに、周縁部に分離液排出口14を設け、前記底板10Aのテーパー面に対応して渦巻状回転板3の下端部をタンク10の中心部から周壁面に向って高さ方向が漸次長くなるように形成したものである。
このような構造とした実施の形態6の固液分離装置では、原水投入管6からタンク10内に投入されて底板10A上に堆積した汚泥がタンク10の中心部に掻き寄せられる方向に渦巻状回転板3を回転駆動すると、その渦巻状回転板3によって汚泥は前記底板10Aの中心部に集められて汚泥排出口16から排出され、汚泥から分離された分離液は前記底板10Aのテーパー面を周縁側に流下して分離液排出口14から排出される。
以上説明した実施の形態6の固液分離装置によれば、タンク10の底板10Aを中心部が最も高くなるテーパー面状に形成して、その中心部に汚泥排出口16を設け、前記底板10A上に堆積した汚泥を、渦巻状回転板3によって、前記底板10Aのテーパー面の低い位置から最も高い位置の汚泥排出口16に向って寄せ集めるので、汚泥を効率よく濃縮できて固液分離性能が向上するとともに、上述したように、汚泥が前記底板10Aの中心部に集まるため、高濃度汚泥と底板10Aの接触面積が小さくなり、駆動モータ4の動力を小さくすることができるという効果がある。
実施の形態7.
図24はこの実施の形態7による固液分離装置を示す概略断面図である。この実施の形態6の固液分離装置では、原水投入管6からタンク10内に投入された原水によって該タンク10内の渦巻状回転板3を少なくとも高さ方向の一部(下部寄り)が水没する一部水没型構造としたものである。
この実施の形態7の固液分離装置では、渦巻状回転板3を一部水没型としたため、タンク10の底板10Aは中心部が最も低くなるテーパー面状に形成し、その中心部に汚泥排出管18を接続し、この汚泥排出管18に汚泥ポンプ(またはバルブ)19を設けるとともに、タンク10の周壁上部には分離液をオーバーフローによって排出させる分離液排出口20を設けた構造となっている。
この実施の形態7の固液分離装置では、汚泥は、自然沈降により底板10Aのテーパー面に沿って該底板10Aの中心部に溜まり、タンク10内の上澄液が分離液となるため、分離液の清澄度が向上するという効果がある。このような実施の形態7の固液分離装置は汚泥濃縮機としてのみならず、通常の沈殿池として利用することもできるため、原水は活性汚泥、嫌気性汚泥、浄水処理汚泥、無機汚泥混合液等としても良い。
実施の形態8.
図25はこの発明の実施の形態8による固液分離装置を示す概略的な縦断面図、図26は図25の概略的な横断面図であり、図24と同一または相当部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
この実施の形態8の固液分離装置では、前記実施の形態7(図24)におけるタンク10よりも高さが高いタンク10を適用し、このタンク10内の底板10A上に間隙Sを存して渦巻状回転板3を近接配設し、原水投入管6から原水流入筒60を介してタンク10内に投入された原水によって前記渦巻状回転板3の全体がタンク10内の底部側で水没する構造とした点、および、前記原水流入筒60をタンク10の中心上部に配設してその原水流入筒60をタンク10内の上澄液(分離液)中に垂下水没させた点が、前記実施の形態6と大きく異なる。
また、この実施の形態8の固液分離装置では、タンク10の底板10Aの中心部(テーパー面の下降面)に接続された汚泥排出管18にバルブ21を設けるとともに、タンク10の上端外周には分離液を越流させる越流樋22を設け、この越流樋22に設けられた分離液排出口から分離液を系外に排出する構造としてある。
以上説明した実施の形態8の固液分離装置によれば、渦巻状回転板3全体をタンク10内の底部側で水没させる構造としたので、通常の汚泥掻き寄せ機とは異なり、タンク10内に自然沈降した汚泥を渦巻状回転板3によってタンク10の底板10Aの中心部に掻き寄せながら、その掻き寄せと同時に前記汚泥を濃縮することができるという効果がある。また、タンク10の中心上部に原水流入筒60を配設して該原水流入筒60をタンク10内の上澄液中に垂下水没させたことにより、タンク10内の上澄液が原水投入管6から投入される原水の影響を受けない、つまり、原水中の汚泥が上澄液に混入するのを抑制することができ、上澄液(分離液)の清澄度が向上するという効果もある。また、原水は活性汚泥、嫌気性汚泥、浄水処理汚泥、無機汚泥混合液等としても良い
実施の形態9.
図27はこの発明の実施の形態8による固液分離装置を示す概略平面図であり、図28は図27の概略断面図である。
上記実施の形態1〜8の固液分離装置に適用した渦巻状回転板3は、平面渦状であれば、どのような形状でもよい。
この実施の形態9の固液分離装置に適用した渦巻状回転板3は、外側末端が真円軌線に近い渦巻き形状に形成したものである。このように形成した渦巻状回転板3は回転時に乱流が起こり難くなり、このため、汚泥の搬送効率および濃縮効率が高くなるという効果がある。
実施の形態10.
図29はこの発明の固液分離装置に適用可能な渦巻状回転板3の様々な形状例を示す説明図である。
図29(a)に示す渦巻状回転板3は、該渦巻状回転板3を細かく分割した構造となっているものであり、このような構造によれば、分割された回転板30の間から、適宜分離液の排出がし易くなっているため、固液分離が促進されて、汚泥濃縮濃度が高くなるという効果がある。
図29(b)に示す渦巻状回転板3は、分割された個々の平板31を、間隙を持って相互に重なり合い、渦巻状を呈するように配置した構造となっているものである。このような構造によれば、渦巻き方向に隣り合う平板31間から分離液の排出が可能となり、また、汚泥を押す面が平滑ではなく変化するため、汚泥を混ぜながら搬送することが可能になり、更に水抜け効果を高めることができる。
図29(c)は、さらに形状が異なる渦巻状回転板3を示す平面図、図29(d)は図29(c)の平面図であり、これらの図に示す渦巻状回転板3は、前記実施の形態3〜5の固液分離装置に適用した渦巻状回転板3の一部に水平の汚泥切り回転板32を突設したものである。このような構造とした渦巻状回転板3では、該渦巻状回転板3の回転時に汚泥切り回転板32が圧縮され固まっている汚泥に切れこみを入れることにより、汚泥内部に閉じこめられた水分を更に分離することができ、このため、汚泥濃度がさらに高くなるという効果がある。
図29(e)に示す渦巻状回転板3は、分割された個々の湾曲板(曲線板)33を、間隙を持って相互に重なり合い、渦巻状を呈するように配置した構造となっているものである。このような構造によれば、曲線板33間から分離液の排出が可能であり、また、汚泥を押す面が平滑ではなく変化するため、汚泥を混合したり偏在を解消したりしながら、安定して水分を分離でき均等化させながら搬送することが可能になり、更に水抜け効果を高めることができる。
実施の形態11.
図30はこの発明の固液分離装置に適用可能な渦巻状回転板3の別の形状例を示す説明図である。
図30(a)に示す渦巻状回転板3は、渦巻軌線に沿って複数の湾曲板3a,3b,3c,3dをそれぞれ所定の間隔を存して渦巻き状に配置し、これらを平面ほぼ十字状のサポート5で連結する構造となっている。このような形状構造の渦巻状回転板3によれば、渦巻軌線に沿った方向で隣り合う湾曲板3a,3b,3c,3d間の間隙を広くできることによって、分離液が抜けやすくなるという効果がある。
図30(b)に示す渦巻状回転板3は、二枚の回転板34,35を一組とした二重渦巻き構造としたものである。このような構造によれば、トータル汚泥の単位時間当りの搬送速度が速くなる効果がある。また、タンク10内の容積や高さを有効に利用することができる効果もある。なお、前記渦巻状回転板3は、三重渦巻き以上であって、巻き方がずれていてもよい。
実施の形態12.
上記実施の形態1〜7では、固液分離装置が1段構造であるものについて示したが、固液分離装置が多段に設置されているようにしてもよい。
図31は例えば脱水機として使用する図19の固液分離装置が多段に設置されている例を示している。
例えば、脱水機として使用する固液分離装置を多段に設置する場合、最下部の固液分離装置を乾燥工程に使用することも可能である。
即ち、固液分離装置のタンク本体側面部を中空にして、熱媒体を供給することにより、より高効率で省スペース型の乾燥装置とすることができる。
この場合、多段の固液分離装置は、「汚泥濃縮−脱水−乾燥」を行える多機能性を得ることになる。
この発明の実施の形態1による固液分離装置を示す斜視図である。 この発明の実施の形態2による固液分離装置を示す斜視図である。 汚泥が渦巻状回転板3にガイドされて、底板1の中心部に向かって徐々に搬送される様子を示す説明図である。 原水から汚泥と分離液が分離される原理を示す説明図である。 中心部から外側に向かって右に巻いた渦巻状回転板3が、時計回り方向の回転を示す概略的な平面図である。 中心部から外側に向かって左に巻いた渦巻状回転板3が、時計回り方向の回転を示す概略的な平面図である。 この発明の実施の形態3による固液分離装置を示す概略的な斜視図である。 図7の概略的な平面図である。 この発明の実施の形態4による固液分離装置を示す概略的な平面図である。 図9の概略的な断面図である。 原水投入管6から原水が投入された初期状態を示している固液分離装置の平面図である。 原水投入管6から原水が投入された初期状態を示している固液分離装置の断面図である。 分離液が原水から分離されて、底板10Aの中心部に集水されている様子を示している固液分離装置の平面図である。 分離液が原水から分離されて、底板10Aの中心部に集水されている様子を示している固液分離装置の断面図である。 凝集汚泥である原水が更に連続的に投入されて、タンク10内に汚泥が充満している様子を示している固液分離装置の平面図である。 凝集汚泥である原水が更に連続的に投入されて、タンク10内に汚泥が充満している様子を示している固液分離装置の断面図である。 タンク10内に汚泥が更に充満されて、脱水ケーキ(高濃縮汚泥)が排出される様子を示している固液分離装置の平面図である。 タンク10内に汚泥が更に充満されて、脱水ケーキ(高濃縮汚泥)が排出される様子を示している固液分離装置の断面図である。 この発明の実施の形態5による固液分離装置を示す概略断面図である。 図19のA−A断面図である。 この発明の実施の形態5(実施例1)による固液分離装置の性能測定例を示す説明図である。 この発明の実施の形態5(実施例1)による固液分離装置と、一般的なスクリーン方式によるスクリュープレス脱水機との比較を示す説明図である。 この発明の実施の形態6による固液分離装置を示す断面図である。 この発明の実施の形態7による固液分離装置を示す概略断面図である。 この発明の実施の形態8による固液分離装置を示す概略的な縦断面図である。 図25の概略平面図である。 この発明の実施の形態9による固液分離装置を示す概略平面図である。 図27の概略断面図である。 この発明の実施の形態10による渦巻状回転板の形状例を示す説明図である。 この発明の実施の形態11による渦巻状回転板の形状例を示す説明図である。 この発明の実施の形態12による固液分離装置を示す説明図である。 スクリュー濃縮機の概要図である。
符号の説明
1 底板
1a 分離液排出部
2 排出口
2a 汚泥排出口
3 渦巻状回転板
3a,3b,3c,3d 湾曲板
4 駆動機
4a 回転軸
5 サポート
6 原水投入管
6a 原水投入口
10 タンク
10A 底板
10B 分離液排出口
10C 外側水路
11 上蓋
12 ケーキ排出口
13 軸受
14 分離液排出口
15 ケーキ排出量調整装置
16 汚泥排出口
18 汚泥排出管
19 汚泥ポンプ
20 分離液排出口
30 回転板
31 平板
32 汚泥切り回転板
33 曲線板
34,35 回転板
S 間隙

Claims (3)

  1. 汚泥を含む原水を汚泥と分離液に分離する固液分離装置において、
    供給された原水を保持する底板と、
    該底板上に渦巻状の水路を形成すると共に水平方向に回転する渦巻状回転板と、
    該渦巻状回転板を回転させる駆動機と、を備え、
    前記渦巻状回転板は、
    2重以上に渦巻き、且つ前記底板とは間隙を存して配設されている
    ことを特徴とする固液分離装置。
  2. 前記渦巻状回転板は、分割されている
    ことを特徴とする請求項1記載の固液分離装置。
  3. 前記渦巻状回転板は、複数枚で構成されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の固液分離装置。
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