JP5478842B2 - 固液分離装置 - Google Patents
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Description
即ち、濃縮機や脱水機は、遠心力やろ布、スクリーンによるろ過、比重差による重力分離などを利用して、原水の濃縮や脱水を行うようにしている。
機械濃縮機についても種々のものがあり、ここでは、その中のスクリュー濃縮機を例に説明する。
図32は、スクリュー濃縮機の概略図である。図32に示す通常のスクリュー濃縮機は、主に汚泥を搬送するスクリューコンベア100と、このスクリューコンベア100を回転駆動するスクリューコンベア駆動装置101と、前記スクリューコンベア100の外側に配設されて固液分離を行う円筒状の濾過スクリーン102と、この濾過スクリーン102を回転駆動するスクリーン駆動装置103と、前記濾過スクリーン101を水洗浄するスクリーン洗浄設備104とを備えた構造となっている。
このようなスクリュー濃縮機には、次のような課題があった。
(1)濾過スクリーン102の洗浄には大量の洗浄水が必要になるが、通常固液分離装置付近には水を利用する装置や機械がほとんどないため、スクリュー濃縮機の設置場所まで洗浄水専用の上水あるいは雑排水などの供給管を設置したり、洗浄水用貯留槽が必要になったりする課題があった。また、洗浄のため濃縮処理を頻繁に中断する必要があり、効率的な運転や連続運転ができないという課題もあった。
(2)濾過スクリーン102の洗浄水として分離液を使用する場合、非常に良好な分離液を使用しないと、洗浄ノズル105の閉塞が生じ易い課題があった。また、非常に良好な分離液を使用しても上水と比較すると洗浄頻度や洗浄水量が増え、洗浄水用に分離液を貯留する大きなタンクが必要となる課題があった。
(3)また、濾過スクリーン102は適宜洗浄を行っていても、目詰まりが解消されず濾過できない箇所ができたり、原水中に含まれる固形物によって摩耗したり、使用可能な面積が減少してしまうため、濾過スクリーン102の定期的な補修や交換が必要となる課題があった。
(4)また、濾過スクリーン102は目詰まりや摩耗が無くても、通常1回転/分以下の低速で回転駆動させるので横型スクリーンの場合、上部に空間が生じやすく、また上部スクリーンからの分離液はスクリーンを伝って落下するため、円筒型の濾過スクリーン102では、スクリーン全体を有効に使用することができない課題があった。
(5)設備や構造が煩雑である。即ち、スクリューコンベア100以外に濾過スクリーン102を必要とするのみならず、スクリーン洗浄装置104を必要とする。スクリーン洗浄装置104は、洗浄水タンク、洗浄水供給用の配管、洗浄ポンプ106、洗浄ポンプ106の電源配線などを必要とする。
洗浄ポンプ106は、かなり大きな動力を必要とする大型のポンプを使用しなければならない。
(6)メンテナンスに関しては、濾過スクリーン102のスケール付着メンテナンス、濾過スクリーン102や配管の定期的交換、スクリューコンベア100及び濾過スクリーン102の駆動系統のオーバーホールなどを行わなければならない。
(7)濾過スクリーン102の補修費や洗浄水ポンプ106の駆動費(洗浄水ポンプの電気代)が嵩む課題があった。
以上のように、スクリュー濃縮機は、設備や構造が煩雑で、維持管理が容易ではなく、設備費、電力費や維持管理費が高くなる課題があった。
(1)原水に凝集剤を添加し、底板上の渦巻状回転板で囲まれた渦巻状の水路部に投入して前記渦巻状回転板を回転駆動すると、その渦巻状回転板の回転により原水中の汚泥だけが汚泥排出口から系外に搬送されるとともに、搬送過程では汚泥から分離された分離液が渦巻状の水路部から系外に排出されることにより、渦巻状回転板の全域で固液分離を効率よく行うことができる。
即ち、渦巻状回転板によって原水中の固液分離部が渦巻状に形成されるため、渦巻状回転板は汚泥の接触面積を大きくできて、固液分離効率が向上するとともに、汚泥を渦巻状回転板と底板との摩擦により系外方向に容易に搬送することができる。
(2)原水を保持する底板1上に渦巻状回転板3を水平方向に回転可能に配設し、この渦巻状回転板3を駆動機4で回転させるように構造としたので、渦巻状回転板3の全域で固液分離を効率よく行うことが可能となり、常に良好な固液分離性能を確保することができる効果を奏する。
(3)従来のスクリュー濃縮機や一般的なスクリーン方式によるスクリュープレス脱水機では必要な濾過スクリーンを必要としないため、スクリーン洗浄工程自体も不要となり、大量の洗浄水や、洗浄水専用の上水や雑排水などの洗浄水供給管や洗浄水貯留槽洗浄水ポンプ及び洗浄水タンクが不要となる効果を奏する。
(4)またスクリーン洗浄工程自体が不要となるため、洗浄のために濃縮処理を中断することや、洗浄ノズルの目詰まりやスクリーンの目詰まりによる運転停止などもなくなり、効率的で安定した連続運転を継続することができる効果を奏する。
(5)さらに、濾過スクリーンを必要としないため、濾過スクリーンの目詰まりによる濾過効率の低下や、摩耗による定期的な補修や交換が不要となるため、煩わしい手間がかからず、メンテナンスが容易となる効果を奏する。
(6)また、洗浄整備や洗浄水貯留槽や洗浄水供給設備などが不要となるため、スクリュー濃縮機や一般的なスクリーン方式によるスクリュープレス脱水機よりも設備や構造が簡単で動力が小さくて済み、設置スペースが小さくすることができる効果を奏する。
(7)さらに、設備や構造が簡単で、濾過スクリーンのような定期的な補修やメンテナンスが必要な設備を必要としないため、維持管理が容易で、設備費などの建設費、電力費や補修・交換費などの維持管理費などの費用を大幅に低減できる効果を奏する。
(8)しかも、汚泥濃縮機や汚泥脱水機としてのみならず、通常の沈殿池として利用することもできるため、原水は活性汚泥、嫌気性汚泥、浄水処理汚泥、無機汚泥混合液等など幅広い用途が可能となる。
さらに、渦巻状回転板が分割され回転板の汚泥を押す力が一様でないため、汚泥を混ぜながら搬送することも可能となり、更に水抜け効果を高めることができる。
図1はこの発明の実施の形態1による固液分離装置を示す斜視図である。この実施の形態1の固液分離装置は、供給された原水を保持する底板1と、この底板1の上部に配設され、該底板1上で水平方向に回転する渦巻状回転板3と、この渦巻状回転板3を回転駆動する駆動機4とから主要部が構成されている。また、前記底板1には中心部付近に排出口2を有している。さらに、前記底板1の上面と渦巻状回転板3の下端との間には間隙Sが設けられている。
底板1上の渦巻状回転板3で囲まれた渦巻状の水路に凝集剤を添加した原水を投入すると、原水に含まれた汚泥が前記底板1上に堆積する。この状態において、前記渦巻状回転板3を一方向(図1の紙面上で反時計回り方向)に回転駆動すると、前記底板1上に堆積した汚泥が渦巻状回転板3の側面でガイドされて底板1の中心部方向に搬送されることにより、排出口2から系外に排出される。このような渦巻状回転板3の回転による汚泥の搬送過程では、汚泥から分離された分離液は、汚泥が底板1上に堆積していることから該汚泥の搬送方向とは反対方向に流れる。このとき、一部の分離液は底板1と渦巻状回転板3との間隙Sから外方に排出され、大部分の分離液は底板1上に堆積した汚泥の上部に沿って底板1の全周外方に排出される。
図2はこの発明の実施の形態2による固液分離装置を示す斜視図であり、図1と同一部分には同一符号を付して説明する。
この実施の形態2の固液分離装置において、前記底板1は中心部付近に汚泥排出口2aを有する平面円形状の板状部材からなり、この底板1の上面部に間隙Sを存して前記渦巻状回転板3が水平方向へ回転可能に配設されている。この間隙Sは、前記底板1の上面部と前記渦巻状回転板3の下端部との間に設けられた1〜2mm程度の隙間であり、この隙間Sは、原水から分離された分離液を底板1の上面部に沿って分離液排出口に流出させることができるように設けられている。隙間は1〜2mmに限らず凝集汚泥の流出を阻止できる程度であればよい。
駆動機4の回転軸4aからラジアル方向に延びるサポート5を介して一体的に連結されている。前記駆動機4は渦巻状回転板3の上方で固定保持されている。したがって、前記渦巻状回転板3は、底板1の上面部に間隙Sを存して駆動機4の回転軸4aに一体回転可能に保持されているものである。このように駆動機4の回転軸4aに保持された渦巻状回転板3は、底板1の上面部で垂直方向に立ち上がって平面渦巻状の水路を形成しており、この水路の渦巻径方向の中間部に上方から原水を投入するための原水投入管6が配設されている。この原水投入管6の先端は、底板1の中心部付近の汚泥排出口2aを避けた位置で渦巻状回転板3の中間部の水路に向って開口している。原水投入管6は、これに変えて、原水投入水路でも、原水投入口でも、原水自然流下投入でも、固液分離装置に原水が投入できるものであればよい。
この実施の形態2では、図2の固液分離装置を汚泥濃縮機として使用する場合の動作を説明する。
まず、原水に凝集剤を添加し原水投入管6から渦巻状回転板3中間部の水路に投入される。
固液分離装置を汚泥濃縮機として使用する場合は、原水の性状に応じて原水中に凝集剤を添加しなくても良い。前記凝集剤としては、通常の高分子凝集剤(カチオン、アニオン、両性)や無機凝集剤(ポリ鉄、PAC等)で良く、凝集条件についても、特に制限はなく、通常の凝集混和槽等を設けても良いが、配管で直接混合するライン注入方式などを用いても良く、凝集剤を混合することができればよい。
そこで、図2の固液分離装置では、底板1の上面部との摩擦が、渦巻状回転板3の側面との摩擦よりも大きくなるように、渦巻状回転板3の側面粗さや底板の上面粗さが予め設定されており、これにより、底板1上に堆積している汚泥は、低速回転時の渦巻状回転板3でガイドされて、汚泥排出口2aの方向へスムーズに搬送される。
渦巻状回転板3は、渦巻状に巻かれているが、その渦巻きを長く伸ばすと、長い水路と同じであり、該水路の一部に凝集剤が添加された原水を投入し、該原水が渦巻状回転板3の回転によって一方方向に搬送可能とすれば、分離液は広がる性質があるため反対方向に流出する。すなわち、底板1上の汚泥は、渦巻状回転板3の回転時における底板1との摩擦で盛り上がり、その盛り上がり勾配により分離液は汚泥を反対方向に流出する(図4参照)。この原理より、前記実施の形態2の固液分離装置は、濾過スクリーンなしで凝集汚泥の搬送過程において分離液の排出が可能となるものである。
即ち、渦巻状回転板3の回転数を増加させて1G以上とすると、汚泥が渦巻状回転板3の側面に付着して、底板1の上面部との接触による搬送効率が低下し、また、分離液の分離も悪化するので、渦巻状回転板3の外側末端で1G以下が望ましい。
また、原水中の固液分離部として、渦巻形状である渦巻状回転板3を用いているため、汚泥と渦巻状回転板3の接触面積(分離面積)を大きくすることができる。このため、固液分離効率を高めることができるとともに、底板1の上面部に堆積された汚泥を底板1の中心部にある汚泥排出口2aに向かってスムーズに搬送することができる。
図5は、渦巻状回転板3を中心部から外側に向かって右に巻いた時の概略的な平面図であり、図6は、渦巻状回転板3を中心部から外側に向って左に巻いた時の概略的な平面図である。図5に示す渦巻状回転板3の場合、同図の紙面上で時計回り方向(図2の矢印と反対方向)に低速で回転させると、底板1の上面部に堆積されている原水中の汚泥は、渦巻状回転板3にガイドされて、底板1の中心部に向かって徐々に搬送され、中心部付近の汚泥排出口2aから排出される。
分離液はこの場合も汚泥の搬送方向と反対方向(中心部の方向)に流出しようとするが、分離液の流れを良くするため、底板1の中心部が外周部より低くなるように、底板1に角度やテーパーをつけるとつけない時より、分離液は底板1中心部の分離液排出口10Bから流出し易くなる。
図7はこの発明の実施の形態3による固液分離装置を示す概略的な斜視図、図8は図7の概略的な平面図であり、図1および図2と同一部分には同一符号を付して説明する。
この実施の形態3の固液分離装置は、上面が開放されたタンク10を適用している点、該タンク10内に渦巻状回転板3を水平方向へ回転可能に収納配設している点、前記タンク10の底板10Aの中心部付近に分離液排出口10Bを設けた点、前記タンク10の内周面と該内周面に面する前記渦巻状回転板3の外周面との間に形成された外側水路10Cを汚泥排出部として形成した点が、前記実施の形態2と大きく異なる。その他の構造は前記実施の形態2と同じである。
タンク10内における渦巻状回転板3の中間部に原水投入管6から凝集剤添加後の原水を投入すると、原水中の汚泥が渦巻状回転板3の側面に接した状態でタンク10の底板10Aに堆積する。この状態で駆動機3が起動して渦巻状回転板3が図7および図8の紙面上で時計回り方向に低速回転駆動されると、底板10A上に堆積した汚泥が渦巻状回転板3の側面でガイドされ、該渦巻状回転板3で形成されている渦巻状の水路を渦巻径方向の外側(分離液排出口10Bと反対方向)に向って徐々に搬送される。
図9はこの発明の実施の形態4による固液分離装置を示す概略的な平面図、図10は図9の概略断面図であり、図1から図2および図7と同一部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
この実施の形態4の固液分離装置は、前記実施の形態2との比較において、上面が開放された有底筒状のタンク10を適用した点、該タンク10の底板10Aを中心部に向って下降傾斜する円錐形状に形成した点、その底板10Aの中心部に分離液排出口10Bを設けた点、前記タンク10内に渦巻状回転板3を水平方向へ回転可能に収納配設した点、前記タンク10の上端開口部を上蓋11で閉塞した点、前記タンク10の周面壁上端部に上蓋11との間で開口して脱水ケーキを排出させるケーキ排出口12を部分的に設けた点が、前記実施の形態1と大きく異なる。
凝集剤添加後の原水が原水投入管6から渦巻状回転板3の中間部の水路に投入されると、原水中の汚泥がタンク10の底板10A上に落下堆積する(図11,12参照)。これにより、前記汚泥は、渦巻状回転板3の側面および上蓋11の下面に順次接触する。この状態で駆動機4が起動して渦巻状回転板3が図11の紙面上で時計回り方向に低速回転駆動されると、前記底板10A上に堆積した汚泥は、底板10Aの上面と渦巻状回転板3の側面および上蓋11の下面との摩擦の差により、渦巻状回転板3の側面に沿って該渦巻状回転板3の回転方向とは逆方向に搬送される状態となる。これにより、前記底板10A上の汚泥は、渦巻状回転板3の外側先端部に向って漸次幅狭く形成された外側水路10Cで徐々に圧縮されて濃縮・脱水される。このように濃縮・脱水された脱水ケーキは、前記外側水路10Cで盛り上がることにより、ケーキ排出口12から流出して系外に排出される。
図19はこの発明の実施の形態4による固液分離装置を示す概略断面図、図20は図19のA−A断面図であり、図1から図18と同一または相当部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
この実施の形態5による固液分離装置は、前記実施の形態4との比較において、有底筒状のタンク10の上端開口部を上蓋11で密閉した点、上蓋11に原水投入口6aを設けて該原水投入口6aに原水投入管6を接続した点、前記タンク10の周壁部に横向き管状のケーキ排出口12を設けた点、そのケーキ排出口12に脱水ケーキの排出量を調整するためのケーキ排出量調整装置15を設けた点が、前記実施の形態4と大きく異なる。その他の構造は前記実施の形態4とほぼ同じである。
この実施例1では、前記実施の形態5による固液分離装置を汚泥脱水機として用い、その性能を測定したものである。
ここで、当該固液分離装置の直径が約1000mm、高さが約400mm、駆動モータ4の動力が1kWhであるものとする。
また、原水投入管6から投入される原水における汚泥の性状がTS2%、VTS82%であり、高分子凝集剤の薬注率が1〜1.5%/TSであるものとする。
渦巻状回転板3の回転方向は上面から見て時計回り方向であり、回転数は0.1〜1回転/分であるものとする。
また、当該固液分離装置の排出口12には排出量調整装置が設置されており、排出量調整装置が排出口12の面積を変更することにより、排出ケーキ量を調整することができるものとする。
図21はこの発明の実施の形態4(実施例1)による固液分離装置の性能測定例を示す説明図である。
図21の性能測定例から明らかなように、固液分離装置の脱水性能は、薬注率が高く、渦巻状回転板3の回転数が遅いほど良好であり、分離液の濃度は薬注率にのみ依存する傾向にある。
図22では、各脱水機の共通設備を除いた比較を示しており、この実施の形態5の固液分離装置では、一般的なスクリーン方式によるスクリュープレス脱水機よりも、設置スペースが小さいことを示している。
また、一般的なスクリーン方式によるスクリュープレス脱水機では必要な洗浄水ポンプ及び洗浄水タンクが、この実施の形態4の固液分離装置では不要であり、また、当該スクリュープレス脱水機では必要なスクリーン交換が、この実施の形態4の固液分離装置では不要であることを示している。
図23はこの発明の実施の形態5による固液分離装置を示す断面図であり、図9,10および図19,20と同一部分には同一符号を付して説明する。
この実施の形態6の固液分離装置は、汚泥濃縮機として有効な一例を示すもので、この実施の形態6と同様に上蓋11を有するタンク10を適用した前記実施の形態4,5との比較では、タンク10の下部構造および渦巻状回転板3の下部形状が異なる。
即ち、前記実施の形態4,5では、図9,10および図19,20に示すように、タンク10の底板10Aを、中心部が最も低くなるテーパー面状に形成し、その中心部に分離液排出口10Bを設けるとともに、タンク10の周壁部に分離液排出口12を設け、かつ、渦巻状回転板3は前記底板10Aのテーパー面に対応してタンク10の中心側が高さ方向に最も長くなる下部形状に形成してある。
これに対して、この実施の形態6では、タンク10の底板10Aを、前記実施の形態4,5の場合とは逆に、中心部が最も高く且つ周縁側が漸次低くなるテーパー面状に形成し、その底板10Aの中心部に汚泥排出口16を設けるとともに、周縁部に分離液排出口14を設け、前記底板10Aのテーパー面に対応して渦巻状回転板3の下端部をタンク10の中心部から周壁面に向って高さ方向が漸次長くなるように形成したものである。
図24はこの実施の形態7による固液分離装置を示す概略断面図である。この実施の形態6の固液分離装置では、原水投入管6からタンク10内に投入された原水によって該タンク10内の渦巻状回転板3を少なくとも高さ方向の一部(下部寄り)が水没する一部水没型構造としたものである。
この実施の形態7の固液分離装置では、渦巻状回転板3を一部水没型としたため、タンク10の底板10Aは中心部が最も低くなるテーパー面状に形成し、その中心部に汚泥排出管18を接続し、この汚泥排出管18に汚泥ポンプ(またはバルブ)19を設けるとともに、タンク10の周壁上部には分離液をオーバーフローによって排出させる分離液排出口20を設けた構造となっている。
この実施の形態7の固液分離装置では、汚泥は、自然沈降により底板10Aのテーパー面に沿って該底板10Aの中心部に溜まり、タンク10内の上澄液が分離液となるため、分離液の清澄度が向上するという効果がある。このような実施の形態7の固液分離装置は汚泥濃縮機としてのみならず、通常の沈殿池として利用することもできるため、原水は活性汚泥、嫌気性汚泥、浄水処理汚泥、無機汚泥混合液等としても良い。
図25はこの発明の実施の形態8による固液分離装置を示す概略的な縦断面図、図26は図25の概略的な横断面図であり、図24と同一または相当部分には同一符号を付して重複説明を省略する。
この実施の形態8の固液分離装置では、前記実施の形態7(図24)におけるタンク10よりも高さが高いタンク10を適用し、このタンク10内の底板10A上に間隙Sを存して渦巻状回転板3を近接配設し、原水投入管6から原水流入筒60を介してタンク10内に投入された原水によって前記渦巻状回転板3の全体がタンク10内の底部側で水没する構造とした点、および、前記原水流入筒60をタンク10の中心上部に配設してその原水流入筒60をタンク10内の上澄液(分離液)中に垂下水没させた点が、前記実施の形態6と大きく異なる。
図27はこの発明の実施の形態8による固液分離装置を示す概略平面図であり、図28は図27の概略断面図である。
上記実施の形態1〜8の固液分離装置に適用した渦巻状回転板3は、平面渦状であれば、どのような形状でもよい。
この実施の形態9の固液分離装置に適用した渦巻状回転板3は、外側末端が真円軌線に近い渦巻き形状に形成したものである。このように形成した渦巻状回転板3は回転時に乱流が起こり難くなり、このため、汚泥の搬送効率および濃縮効率が高くなるという効果がある。
図29はこの発明の固液分離装置に適用可能な渦巻状回転板3の様々な形状例を示す説明図である。
図29(a)に示す渦巻状回転板3は、該渦巻状回転板3を細かく分割した構造となっているものであり、このような構造によれば、分割された回転板30の間から、適宜分離液の排出がし易くなっているため、固液分離が促進されて、汚泥濃縮濃度が高くなるという効果がある。
図30はこの発明の固液分離装置に適用可能な渦巻状回転板3の別の形状例を示す説明図である。
図30(a)に示す渦巻状回転板3は、渦巻軌線に沿って複数の湾曲板3a,3b,3c,3dをそれぞれ所定の間隔を存して渦巻き状に配置し、これらを平面ほぼ十字状のサポート5で連結する構造となっている。このような形状構造の渦巻状回転板3によれば、渦巻軌線に沿った方向で隣り合う湾曲板3a,3b,3c,3d間の間隙を広くできることによって、分離液が抜けやすくなるという効果がある。
上記実施の形態1〜7では、固液分離装置が1段構造であるものについて示したが、固液分離装置が多段に設置されているようにしてもよい。
図31は例えば脱水機として使用する図19の固液分離装置が多段に設置されている例を示している。
例えば、脱水機として使用する固液分離装置を多段に設置する場合、最下部の固液分離装置を乾燥工程に使用することも可能である。
即ち、固液分離装置のタンク本体側面部を中空にして、熱媒体を供給することにより、より高効率で省スペース型の乾燥装置とすることができる。
この場合、多段の固液分離装置は、「汚泥濃縮−脱水−乾燥」を行える多機能性を得ることになる。
1a 分離液排出部
2 排出口
2a 汚泥排出口
3 渦巻状回転板
3a,3b,3c,3d 湾曲板
4 駆動機
4a 回転軸
5 サポート
6 原水投入管
6a 原水投入口
10 タンク
10A 底板
10B 分離液排出口
10C 外側水路
11 上蓋
12 ケーキ排出口
13 軸受
14 分離液排出口
15 ケーキ排出量調整装置
16 汚泥排出口
18 汚泥排出管
19 汚泥ポンプ
20 分離液排出口
30 回転板
31 平板
32 汚泥切り回転板
33 曲線板
34,35 回転板
S 間隙
Claims (3)
- 汚泥を含む原水を汚泥と分離液に分離する固液分離装置において、
供給された原水を保持する底板と、
該底板上に渦巻状の水路を形成すると共に水平方向に回転する渦巻状回転板と、
該渦巻状回転板を回転させる駆動機と、を備え、
前記渦巻状回転板は、
2重以上に渦巻き、且つ前記底板とは間隙を存して配設されている
ことを特徴とする固液分離装置。 - 前記渦巻状回転板は、分割されている
ことを特徴とする請求項1記載の固液分離装置。 - 前記渦巻状回転板は、複数枚で構成されている
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の固液分離装置。
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