JP5476264B2 - カメラトラッキング装置およびそのプログラム - Google Patents
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Description
例えば、3D(3次元)モデルをベースとしたカメラトラッキング(モデルベースカメラトラッキング:Model-based camera tracking)手法では、既知の被写体の3D特徴(点やエッジ)を2次元平面に投影し、撮影した画像の特徴点の位置合わせにより、カメラ姿勢を推定している。
このとき、モデルベースカメラトラッキング手法では、粗いカメラ姿勢でカメラが撮影した画像から抽出した3D特徴に対する2次元座標位置と、既知の3D特徴を画像上に投影した2次元座標位置とのマッチングエラーを最小化することで、正確なカメラ姿勢を推定する。
これによって、最近傍距離比マッチング手法は、類似する特徴点に対する誤ったマッチングを軽減させることができる。
この距離比閾値を“1”に近い大きな値とすると、多くの不確定なアウトライヤ(外れ値)を含んだ粗いマッチングとなる。これに対して、距離比閾値を小さい値(例えば、“0.3”未満)とすると、インライヤの数が減少し、タイトなマッチングとなる。したがって、照明やカメラの視点位置などが大きく変化する環境下においてカメラトラッキングを行う場合、固定の閾値(距離比閾値、距離閾値)では、不十分な数のインライヤあるいは大量のアウトライヤによって悪影響を受け、頑健にトラッキングを行うことができない。
すなわち、カメラトラッキング装置は、特徴対応点検出手段の特徴点検出手段によって、カメラ画像から、画像内容が変化する特徴的な部分である特徴点の位置および多次元の特徴量を検出する。この特徴点の位置および特徴量を検出するには、例えば、SURFやSIFTを用いることができる。
なお、閾値算出手段は、インライヤ数が予め定めた数以上の場合であっても、アウトライヤ数のインライヤ数に対する割合が予め定めた値以下の場合に、閾値に調整量を加算する。
これによって、インライヤ数が少なければ、閾値による制限が緩められることになり、特徴点同士がマッチングする度合いが高まり、インライヤ数が増加する。一方、インライヤ数が多ければ、閾値による制限が厳しくなり、逆に、インライヤ数が減少する。
また、アウトライヤ数のインライヤ数に対する割合が予め定めた値以下の場合に、閾値を増加させることで、閾値による制限が緩められることになり、特徴点同士がマッチングする度合いが高まり、インライヤ数が増加し、アウトライヤ数が減少する。
そして、カメラトラッキングプログラムは、特徴点マッチング手段によって、特徴点検出手段で検出された特徴点の多次元の特徴量と、既知の情報として前記被写体の3次元座標上の特徴点の位置に対応付けて予め記憶手段に記憶されている多次元の特徴量との特徴空間上の距離に基づいて、閾値による近似判定を行うことで特徴点のマッチングを行い対応点を検出する。
なお、閾値算出手段は、インライヤ数が予め定めた数以上の場合であっても、アウトライヤ数のインライヤ数に対する割合が予め定めた値以下の場合に、閾値に調整量を加算する。
請求項1,4に記載の発明によれば、特徴点がマッチングするか否かの判定に用いる閾値を、インライヤ数に応じて調整することができるため、カメラ画像を撮影した環境に応じて、インライヤ数を安定して確保することができる。これによって、本発明は、画像特徴が照明等の環境下によって大きく変化する場合であっても、安定的にマッチングする特徴点を確保することができ、頑健(ロバスト)にカメラトラッキングを行うことができる。
[カメラトラッキング装置の構成]
最初に、図1を参照して、本発明の実施形態に係るカメラトラッキング装置の構成について説明する。カメラトラッキング装置1は、カメラによって撮影され入力される画像に含まれる特徴点から、カメラの姿勢を逐次推定するものである。
ここでは、カメラトラッキング装置1は、画像入力手段10と、記憶手段20と、特徴対応点検出手段30と、カメラ姿勢推定手段40と、カメラ姿勢出力手段50と、を備えている。また、ここでは、カメラトラッキング装置1は、外部にカメラCを接続し、カメラCによって撮影された画像(フレーム)を逐次入力することとする。
この特徴点検出手段31は、カメラCが撮影した画像から検出した特徴点の位置および多次元の特徴量を、特徴点マッチング手段32に出力する。
まず、特徴点検出手段31は、入力された画像に対して、スケールσの異なるガウシアンフィルタ(Laplacian-of-Gaussian filter)によって画像を平滑化する。このとき、特徴点検出手段31は、以下の(1)式に示す近似ヘッセ行列の行列式(ヘシアン値)H(X,σ)を計算する。
これによって、特徴点検出手段31は、ヘシアン値が“0”以外の画素に特徴点が存在すると判定することができる。
すなわち、特徴点検出手段31は、特徴点Xごとに、SURF特徴量として、64次元(16×4)の特徴量を算出する。
ここでは、特徴点マッチング手段32は、特徴空間において最も近い距離と、2番目に近い距離との比(最近傍距離比)が、閾値(距離比閾値)よりも小さい場合に、特徴量の差が顕著であるため、特徴空間において最も近い特徴点同士を対応する点と判定する。なお、距離比閾値は、後記する閾値算出手段36で算出された値を用いるが、初期値には、予め定めた値を設定しておくものとする。
この特徴点投影手段34は、画像上に投影した座標(2次元座標)を、記憶手段20に記憶されている特徴点の位置と対応付けて、投影誤差算出手段35に出力する。
例えば、投影誤差算出手段35は、インライヤ数をn、検出された特徴点(インライヤ)の座標をXpi(i=1〜n)、画像上に投影された特徴点の座標をXri(i=1〜n)としたとき、以下の(4)式に示すように、座標間の距離の平均二乗誤差を算出することで、カメラ姿勢Eにおける投影誤差e(E)を算出する。
また、ここでは、投影誤差算出手段35は、検出された特徴点の座標と、対応する投影された特徴点の座標との距離差(二乗誤差)が小さいものから順に、カメラ姿勢推定に必要な予め定めた数の特徴点(インライヤ)の組(対応点)をカメラ姿勢推定手段40に出力する。なお、投影誤差算出手段35は、単に、検出された特徴点の座標と、対応する投影された特徴点の座標とを、任意にカメラ姿勢推定に必要な予め定めた数だけ選択して対応点としてカメラ姿勢推定手段40に出力することしてもよい。
この投影誤差算出手段35が選択するカメラ姿勢推定に必要な数については後記する。
そこで、閾値算出手段36は、以下の(5)式に示す条件に従って、閾値(距離比閾値)rthを、調整量Δ分だけ増減させる。
なお、ここでは、最適な条件として前記(5)式としたが、条件を減らした簡易な判定としてもよい。例えば、インライヤ数のみで、閾値を調整することとしてもよい。
また、前記(5)式に示した条件により、nthによってインライヤ数を増加させ、アウトライヤ数を減少させる方向に閾値が調整されるため、インライヤ数の最大化と、アウトライヤ数の最小化が可能になり、演算量を抑えつつ、安定したカメラトラッキングを実現することができる。
まず、閾値調整量算出手段37は、予め“0”から“0.1”の範囲(0<Δ<0.1)でランダムに調整量Δを初期値として定めておく。そして、閾値調整量算出手段37は、閾値算出手段36から入力された閾値rthが、予め定めた回数連続して増加した場合、現在の調整量Δに“0.001”を加算して、新たな調整量を算出する。
ここでは、カメラ姿勢推定手段40は、投影誤差算出手段35において、特徴点マッチング手段32によって対応付けられた画像上の特徴点の位置(2次元座標)と、記憶手段20に記憶されている特徴点の位置(3次元座標)との誤差(距離差)が小さいものから順に選択されたカメラ姿勢推定に必要なインライヤの組を入力し、カメラ姿勢を推定する。そして、カメラ姿勢推定手段40は、推定したカメラ姿勢を推定結果として、特徴対応点検出手段30の特徴点投影手段34およびカメラ姿勢出力手段50に出力する。
カメラCで撮影された画像上の2次元座標(u,v)と、実世界の3次元座標(Xw,Yw,Zw)とは、透視投影変換行列Pを用いて、以下の(6)式で表される。
例えば、ここでは、特徴点マッチング手段32において、最近傍距離比によって特徴点がマッチングするか否かを判定したが、特徴点検出手段31で検出された特徴点と、記憶手段20に記憶されている特徴点との特徴空間での距離が予め定めた距離より短いものを、特徴点同士がマッチングすると判定してもよい。
この場合、特徴点マッチング手段32は、閾値rthを距離比ではなく、予め定めたマッチングを許容する最大限の距離の値とすればよい。また、閾値調整量算出手段37が行う閾値を調整するための調整量Δについても、距離比ではなく、閾値よりも小さい予め定めた微小な値を調整量とすればよい。
また、カメラトラッキング装置1は、一般的なコンピュータを前記した各手段として機能させるプログラム(カメラトラッキングプログラム)により動作させることができる。
次に、図2を参照(構成については、適宜図1参照)して、本発明の実施形態に係るカメラトラッキング装置の動作について説明する。
まず、カメラトラッキング装置1は、画像入力手段10によって、カメラCから入力される画像(動画像)を順次入力する(ステップS1)。
すなわち、カメラトラッキング装置1は、特徴点検出手段31によって、ステップS1で入力された画像(フレーム)から、エッジ、コーナー等、画像内の特徴的な部分を特徴点として検出し、当該特徴点の特徴量を算出する(ステップS2)。ここでは、特徴点検出手段31は、SURFによって、特徴点の画像上の位置(2次元座標)を検出し、特徴点近傍の64次元の特徴量をSURF特徴量として算出する。
このとき、特徴点マッチング手段32は、初期状態においては、最近傍距離比マッチングを行う際の閾値(距離比閾値)として、予め定めた値(初期値)を用いるが、次画像(フレーム)が入力され、後記するステップS7において、閾値が算出された場合は、その閾値を用いて最近傍距離比マッチングを行う。
そして、カメラトラッキング装置1は、特徴点投影手段34によって、ステップS3でインライヤと判定された記憶手段20に記憶されている特徴点の位置(3次元座標)を、2次元画像上に投影する(ステップS5)。
その後、カメラトラッキング装置1は、カメラ姿勢出力手段50によって、ステップS8で推定されたカメラ姿勢を外部に出力する(ステップS9)。
ここで、本発明のカメラトラッキング装置1を評価した評価結果について説明する。
以下の〔表1〕は、前記(5)式において、調整量Δおよび割合最大値nthを異なる初期値としたときの距離比閾値rth、調整量Δ、インライヤ数Ninlier、アウトライヤ数/インライヤ数(Noutlier/Ninlier)、並進および回転の姿勢のエラー量(mm,度)の各平均値を示したものである。
なお、姿勢エラー量は、カメラ姿勢が既知の状態で、カメラトラッキング装置1において推定したカメラ姿勢のエラー量を測定したものである。また、ここで、前記(5)式において、インライヤ数の絶対数の最小値τを“10”、投影誤差の最小値εを“5”とした。
また、〔表2〕に示すように、従来の手法では、距離比閾値rthが“0.55”以下の場合、インライヤ数が少なくなり、しばしば、カメラ姿勢の推定が破綻する等、カメラトラックングが不安定となった。また、距離比閾値が“0.85”以上の場合、アウトライヤ数(表不記載)が多くなり、カメラトラックングが不安定となった。
これに対し、本発明のカメラトラッキング装置1は、カメラ姿勢の推定が破綻することなく、頑健にカメラ姿勢を推定することができた。
この図3に示すように、距離比閾値rthの初期値を“0”に設定した場合であっても、カメラトラッキング装置1は、逐次入力されるカメラ画像のインライヤ数、アウトライヤ数および投影誤差に応じて、距離比閾値rthを調整することができる。これによって、従来のように画像の特性に応じて予め距離比閾値rthを固定に設定する必要がなく、照明やカメラの視点位置などが大きく変化する環境下においても、人手を介さずに最適な調整を行いカメラトラッキングを行うことができる。
10 画像入力手段
20 記憶手段
30 特徴対応点検出手段
31 特徴点検出手段
32 特徴点マッチング手段
33 対応点集計手段
34 特徴点投影手段
35 投影誤差算出手段
36 閾値算出手段
37 閾値調整量算出手段
40 カメラ姿勢推定手段
50 カメラ姿勢出力手段
Claims (4)
- カメラで撮影された被写体のカメラ画像内の2次元座標上の特徴点と、前記被写体の3次元座標上の既知の情報である特徴点とをマッチングすることで、前記カメラの姿勢を推定するカメラトラッキング装置において、
前記被写体の3次元座標上の既知の情報である特徴点の位置および多次元の特徴量を予め対応付けて記憶する記憶手段と、
前記カメラ画像内の特徴点と、前記記憶手段に記憶されている特徴点とに基づいて、前記カメラの姿勢を推定するための特徴点同士の対応点を検出する特徴対応点検出手段と、
この特徴対応点検出手段で検出された対応点である前記カメラ画像内の2次元座標上の特徴点の位置と、前記記憶手段に記憶されている3次元座標上の特徴点の位置とに基づいて、カメラ姿勢を推定するカメラ姿勢推定手段と、を備え、
前記特徴対応点検出手段は、
前記カメラ画像から、画像内容が変化する特徴的な部分である特徴点の位置および多次元の特徴量を検出する特徴点検出手段と、
この特徴点検出手段で検出された特徴点の多次元の特徴量と、前記記憶手段に記憶されている多次元の特徴量との特徴空間上の距離に基づいて、閾値による近似判定を行うことで特徴点のマッチングを行い前記対応点を検出する特徴点マッチング手段と、
この特徴点マッチング手段において、前記カメラ画像の対応点としてマッチングが行われた特徴点の数であるインライヤ数と前記対応点としてマッチングが行われなかった特徴点の数であるアウトライヤ数とを集計する対応点集計手段と、
この対応点集計手段で集計されたインライヤ数が予め定めた数未満の場合、前記特徴点マッチング手段で特徴点がマッチングしているか否かの判定を行う前記閾値に所定の調整量を加算し、前記インライヤ数が予め定めた数以上の場合に、前記閾値から前記調整量を減算して新たな閾値を算出する閾値算出手段と、を備え、
前記閾値算出手段は、前記インライヤ数が予め定めた数以上の場合であっても、前記アウトライヤ数の前記インライヤ数に対する割合が予め定めた値以下の場合に、前記閾値に前記調整量を加算することを特徴とするカメラトラッキング装置。 - 前記特徴対応点検出手段は、
現在のカメラ姿勢に基づいて、前記記憶手段に記憶されている3次元座標上の特徴点を2次元座標の画像上に投影する特徴点投影手段と、
この特徴点投影手段で投影された特徴点の位置と、当該特徴点に対応して前記特徴点マッチング手段でマッチングが行われた前記カメラ画像内の特徴点の位置との誤差を累計する投影誤差算出手段と、をさらに備え、
前記閾値算出手段は、前記インライヤ数が予め定めた数以上、かつ、前記投影誤差算出手段で累計された誤差が予め定めた数より多い場合、前記アウトライヤ数の前記インライヤ数に対する割合にかかわらず、前記閾値から前記調整量を減算して新たな閾値を算出することを特徴とする請求項1に記載のカメラトラッキング装置。 - 前記閾値算出手段で算出される閾値が、予め定めた回数連続して増加した場合、前記調整量から予め定めた値を減算し、予め定めた回数連続して減少した場合、前記調整量に予め定めた値を加算して新たな調整量を算出する閾値調整量算出手段を、さらに備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のカメラトラッキング装置。
- カメラで撮影された被写体のカメラ画像内の2次元座標上の特徴点と、前記被写体の3次元座標上の既知の情報である特徴点とをマッチングすることで、前記カメラの姿勢を推定するカメラトラッキング装置において、コンピュータを、
前記カメラ画像から、画像内容が変化する特徴的な部分である特徴点の位置および多次元の特徴量を検出する特徴点検出手段、
この特徴点検出手段で検出された特徴点の多次元の特徴量と、既知の情報として前記被写体の3次元座標上の特徴点の位置に対応付けて予め記憶手段に記憶されている多次元の特徴量との特徴空間上の距離に基づいて、閾値による近似判定を行うことで特徴点のマッチングを行い対応点を検出する特徴点マッチング手段、
この特徴点マッチング手段において、前記カメラ画像の対応点としてマッチングが行われた特徴点の数であるインライヤ数と前記対応点としてマッチングが行われなかった特徴点の数であるアウトライヤ数とを集計する対応点集計手段、
この対応点集計手段で集計されたインライヤ数が予め定めた数未満の場合、前記特徴点マッチング手段で特徴点がマッチングしているか否かの判定を行う前記閾値に所定の調整量を加算し、前記インライヤ数が予め定めた数以上の場合に、前記閾値から前記調整量を減算して新たな閾値を算出する閾値算出手段、
前記対応点として検出された前記カメラ画像内の2次元座標上の特徴点の位置と、前記記憶手段に記憶されている3次元座標上の特徴点の位置とに基づいて、カメラ姿勢を推定するカメラ姿勢推定手段、として機能させ、
前記閾値算出手段は、前記インライヤ数が予め定めた数以上の場合であっても、前記アウトライヤ数の前記インライヤ数に対する割合が予め定めた値以下の場合に、前記閾値に前記調整量を加算することを特徴とするカメラトラッキングプログラム。
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