JP5466092B2 - 多端子送電線保護継電システム - Google Patents

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Description

本発明は、多端子系統を構成する電力用送電線を保護するための多端子送電線保護継電システムに関する。
電力系統に発生する故障、いわゆる短絡、地絡故障等に対しては、電力系統を形成する送電線、変圧器、母線、発電機といった機器要素ごとに設置された保護継電装置が、その守備範囲内に発生した故障に対して動作し、当該の故障点を含む区間を遮断器の引き外しにより、残りの健全な電力系統から切り離しすることで、故障の除去が行われている。係る保護継電装置は、現在では系統の電流、電圧情報をディジタル化し、ソフトウェア処理によって、系統故障を判別するアルゴリズムを実装したディジタル保護継電装置が主流となっている。
電力用保護継電装置は、その責務として、あらかじめ割り当てられた保護対象内の故障を正確に検出し、故障発生区間を可能な限り最小区間、系統から高速に切離しすることが望まれる。従って、主保護継電装置と呼ばれる故障発生時に第一に動作すべき保護継電装置は、内部故障では可能な限り速く動作し、外部故障では動作しないことが理想とされている。
現在、電力用送電線保護継電装置において、故障を検出しかつ、故障区間を判定する為の動作演算原理としては、1端子の電圧情報および送電線に流れる電流情報により、故障点までのインピーダンスを算出することで、故障点が保護区間の内部であるかまたは、外部であるかを判定するインピーダンス形の距離保護継電装置や、送電線の全端の電流情報をサンプリングし、キルヒホッフの電流則に基づいた電流差動保護継電装置が主流となっている。
特に超高圧送電線の保護としては、内部故障と外部故障を切り分けできる方式として、後者の電流差動保護継電装置が主流となっている。係る電流差動保護継電装置を、多端子の送電線の保護に適用したものとして例えば特許文献1が知られている。
特開平7−336874号公報
送電線の保護に電流差動保護継電装置を適用するためには、送電線の各末端の情報を少なくとも一点に、高速に集める必要があり、通信装置や通信路が不可欠である。
ところで、変電所の立地条件が厳しい日本では、送電線の分岐や多端子化により電力需要のニーズに対応しており、このため6端子以上の送電線も存在する。しかも、近年の再生資源化の流れもあり、風力発電等の分散電源の台頭により、今後さらに、送電線の多端子化は進むものと考えられる。
超高圧送電線の保護としては、電流差動保護継電装置の適用が望ましいが、送電線のさらなる多端子化や、既設送電線の端子増設が発生すると、全端子を結ぶ通信装置や通信路の整備と、端子数分の電流差動演算に対応した保護継電装置の設置が必要となる。しかしながら、保護継電装置のハードウェアやソフトウェアの処理量の制約もあり、適用端子数には制限がある。
また、端子増設に際しては、既存の保護継電装置や通信装置、通信路の再試験や、保護継電装置の改造、既存の保護継電装置が想定していた最大の端子数を超えるような端子増設となった場合などは、全端の保護継電装置の更新が必要である。
本発明は、以上の背景からなされ、端子数の多い送電線の保護に適し、かつ端子数の増加に対しても容易に対応可能な電流差動原理に基づく送電線保護継電システムを提供する。
本発明は、4端子以上の多端子送電線を、隣接する3つの端子とこの端子間の送電線部分を区分送電線として2つ以上の区分送電線に区分するとともに、少なくとも1つの端子は、2つの区分送電線に重複するように区分された重複端子とされた多端子送電線の保護継電システムであって、区分送電線の各端子に備えられ、区分送電線内の各端子で計測した電流を用いて電流差動演算により区間内故障を検出する電流差動継電要素を含む保護継電装置、保護継電装置において電流差動演算を行うために必要な電流情報を共有する為の区分送電線内通信路、2つの区分送電線に重複するように区分された重複端子の2組の保護継電装置で通信を行うための区分送電線間通信路を備え、区分送電線内に区間内故障を検出した保護継電装置は、区分送電線内通信路及び区分送電線間通信路を用いて、他の端子の保護継電装置に故障を転送し、各端子の遮断器引き外しを行わしめる。
なお、保護継電装置は、その端子から送電線分岐点手前までを測距範囲とする距離継電要素を含み、電流差動継電要素または距離継電要素のいずれかの動作出力により区間内故障を検出するのがよい。
また、保護継電装置はディジタル的に構成され、電流差動継電要素の電流情報は、同一の区分送電線内では同期化サンプリングされるが、異なる区分の区分送電線の間では非同期サンプリングとされるのがよい。
また、区分送電線内の各端子で計測した電流を用いて電流差動演算により区間内故障を検出する電流差動継電要素は、各端子において、その各分岐点における電圧を推定し、両側の分岐点から中央の分岐点に流入する電流あるいは、中央の分岐端子に流入する電流を算出し、この算出された電流と中央の端子で計測された電流との間での電流差動演算を実施して、区分送電線における内部故障を検出するのがよい。
また、区分送電線を隣接する3つ以上の端子とこの端子間の送電線部分で構成するのがよい。
本発明は、4端子以上の多端子送電線を、隣接する3つの端子とこの端子間の送電線部分を区分送電線として区分するとともに、少なくとも1つの端子は区分送電線に含まれない多端子送電線の保護継電システムであって、区分送電線の各端子に備えられ、区分送電線内の各端子で計測した電流を用いて電流差動演算により区間内故障を検出する電流差動継電要素を含む第1の保護継電装置、第1の保護継電装置において電流差動演算を行うために必要な電流情報を共有する為の区分送電線内通信路、区分送電線に含まれない端子に設けられ、その端子から送電線分岐点手前までを測距範囲とする距離継電要素を含む第2の保護継電装置、区分送電線に含まれない端子に隣接する端子に設けられた第3の保護継電装置、区分送電線に含まれない端子に隣接する端子に設けられた第1の保護継電装置と第3の保護継電装置の間で通信を行うための第1の通信路、第2の保護継電装置と第3の保護継電装置の間で通信を行うための第2の通信路を備え、送電線内に故障を検出した保護継電装置は、区分送電線内通信路及び第1と第2の通信路を用いて、他の端子の保護継電装置に故障を転送し、各端子の遮断器引き外しを行わせる。
本発明によれば、端子数の多い送電線の保護に適し、かつ端子数の増加に対しても容易に対応可能な電流差動原理に基づく送電線保護継電システムを提供できる。
本発明の動作原理を説明するための図。 多端子送電線として9端子送電線の例を示す図。 区間故障検出保護継電装置の構成を示す図。 各端子の保護継電装置構成を示す図。 ディジタル保護継電装の置基本ブロック構成を示す図。 4端子送電線の区分けを示す図。 5端子送電線の区分けを示す図。 6端子送電線の区分けを示す図。 7端子送電線の区分けを示す図。 余剰端子が生じる場合の対応策を示す図。 余剰端子が生じる場合の第2の対応策を示す図。
以下、図面を用いて本発明の多端子送電線保護継電装置について説明する。
本実施例において保護継電システムの適用を想定する多端子送電線は、4端子以上の送電線であり、図2では一例として9端子を示している。図2でT1からT9が発電所や変電所あるいは負荷などの電気所の端子であり、B1からB7が送電線L上の分岐点である。なお、通常、電力用送電線は3相回路構成であるが、ここでは簡略のため、単線表現としている。
各電気所の端子Tには、保護継電装置Ryが設置される。図2で、保護継電装置Ryに付した1から9の番号は、各端子の番号であり、さらに記号R、Lはそれぞれ右、左を意味する。また、保護継電装置Ryが1組の端子と、2組設置される端子とがあるが、これらの相違並びに機能についての詳細説明は後で行う。
本実施例における多端子送電線の保護は、例えば3端子分を1つの単位として行う。図2の例では、端子T1、T2、T3と、これら端子間を接続する送電線部分L1を1つの故障判定区間の単位として把握する。また、同様に端子T3、T4、T5と、これら端子間を接続する送電線部分L2を1つの故障判定区間の単位として把握する。係る区分を行うに際し、隣接する送電線部分L1とL2の間には、重複する端子(図2の例では端子T3)を含むように区分される。以下、同様に3つの端子とこれら端子間を接続する送電線部分を単位とするように、重複端子を設けながら区分する。図2の例では、さらに送電線部分L3とL4が同様にして区分されている。以下の説明では、3端子ごとに区分された送電線部分を区分送電線と呼ぶことにする。
本実施例では、送電線に対して係る区分を行った上で、さらに当該区分内の保護継電装置間で有線あるいは無線の通信を実行し、差動演算原理による保護を実施するための各端子電流を共有する。図2で保護継電装置間に点線で示すのが有線あるいは無線の通信路を意味する。以下、この区分送電線内の保護継電装置間で行われる通信のことを、区分送電線内通信という。従って、保護継電装置Ry1、Ry2、Ry3Lにより送電線部分L1の差動原理演算による保護を実施し、保護継電装置Ry3R、Ry4、Ry5Lにより送電線部分L2の差動原理演算による保護を実施する。他の区分された送電線部分L3,L4についても同様に行われる。
このように送電線を区分し、保護継電装置Ryを配置したために、重複端子T3、T5、T7には、保護継電装置Ryが2組存在する。以上の説明から推測できるように、重複端子の2組の保護継電装置Ryに付した記号R、Lはそれぞれ右側の区分送電線の保護のための保護継電装置、左側の区分送電線の保護のための保護継電装置間を意味している。
また、重複端子T3、T5、T7の2組の保護継電装置Ryの間では実線で示す有線通信が実施される。この重複端子における2組の保護継電装置Ryの間での実線の有線通信のことを区分送電線間通信ということにする。以上のことから推測できるように、本実施例においては、区分送電線内通信により、各端子電流の共有を行い、その区分内で発生した故障を差動原理演算により検出すると共に、故障の発生が、区分送電線間通信により他の区分送電線の保護継電装置Ryにも伝達され、結果として多端子送電線の全端子での遮断器引き外しを可能とする。
図1は、1つの区分送電線内で実施される保護継電動作を説明する為の図であり、図2の区分送電線L2のみを取り出し、例示している。この図で、各端子T3、T4、T5の母線BUS3、BUS4、BUS5の背後には背後電源G3、G4、G5があり、これらの間には背後インピーダンスRG3、RG4、RG5が存在する。なお、背後電源は、非電源の負荷であってもよい。また、各端子T3、T4、T5と、これら端子に接続するそれぞれの送電線の分岐点B2、B3、B4までの間には、分岐点側インピーダンスZ、Z、Zが存在する。さらに、分岐点間の送電線には、B2とB3の間に線路インピーダンスZL1が、B3とB4の間に線路インピーダンスZL2が、存在する。
本実施例では、上記のような電力系統において、各端子の保護継電装置Ry3R、Ry4、Ry5Lは、それぞれ変流器CT3、CT4、CT5により端子電流IB、C、を取り込んでいる。また、各母線電圧VB、C、を電圧変成器PT3、PT4、PT5から取り込んでいる。なお、本図では、母線の電圧計測を示しているが、送電線の端子側の末端であれば、線路側の電圧を計測するものであってもよい。
また、信号線315、316は、これらの保護継電装置Ry3R、Ry4、Ry5Lの間で、各端子電流を共有する為の区分送電線内通信のための通信路(有線または無線)である。なお、通信路315、316を介して互いに接続し、電流を共有するためには、サンプリング同期がとれた情報を受け渡しする。これは、代表装置へ全データを収集する方式であっても、相互にデータを送信し合い、全データが全端に配られる方式であってもよい。
なお、以上のような構成の送電線網を保護対象として故障区間判定するに当り、保護継電装置の故障検出範囲を定義すると、変流器CT3の設置点から分岐点B2まで、同様に、変流器CT4の設置点から分岐点B3まで、変流器CT5の設置点から分岐点B4まで、並びに3点の分岐点B2、B3、B4を結ぶ本線の送電線部分とする。この範囲は、図1に図示した区分送電線L2の範囲である。
以下、本発明の保護継電装置の演算原理について説明する。まず、図1の構成の多端子送電線において、3箇所の電気所に設置された3台の端末(保護継電装置Ry)は、各電気所において、サンプリング同期のとれた電圧情報と、送電線に流入するサンプリング同期のとれた電流情報を取得する。この電流・電圧を、端子T3、T4、T5について各々、VB、C、とする。また、電流情報は、IB、C、とする。
なお、本実施例では、各端で判定する例で説明するが、保護継電装置の情報を代表端に集約して判定する場合であっても動作原理は変わらない。ここでは、通信路315、316を用いて、全ての保護継電装置で判定させる構成にて説明する。
まず、各端子の電流、電圧情報により、分岐点B2、B3、B4の電圧VNB、NC、NDを算出する。このうち、分岐点B2の電圧VNBは、端子T3から分岐点B2までの送電線のインピーダンスZが既知であれば、電圧降下から(1)式により導出可能である。
Figure 0005466092
ここで、VNB、V 、Z、I は、いずれもベクトル量である。
同様に、分岐点B3、B4の電圧VNC、NDは、下記の(2)(3)式で示すことができる。
Figure 0005466092
Figure 0005466092
次に、分岐点B2,B3、B4の電圧VNB、NC、NDと、分岐点間のインピーダンスZL1、ZL2を用いて、中央の分岐点B3に流入する電流IL1、L2、を算出する。
このうち、分岐点B2から本線の送電線を通って分岐点B3に流入する電流IL1は、2点の電圧VNB、NCと分岐点間のインピーダンスZL1を用いると(4)式で表せる。
Figure 0005466092
同様に、分岐点B4から、分岐点B3に流入する電流IL2は、(5)式で求められる。
Figure 0005466092
ここで、故障検出区間に故障が発生していなければ、上記電流IL1、L2の和は、端子T4で計測された送電線電流Iと等しいはずである。従って、図1に矢印で示す電流の向きを正とすれば、故障のない健全状態では(6)式が成り立つ。
Figure 0005466092
これは、3端子の電流差動保護継電装置の動作原理と同様である。
よって、動作量Iとして(7)式を、また抑制量として(8)式を求め、(9)式の関係を演算すれば比率差動保護継電装置特性が実現できる。
Figure 0005466092
Figure 0005466092
Figure 0005466092
なお、(9)式で、K1は比率係数、K2は動作感度を決定する係数である。
本原理によれば、隣接する3端子の電流、電圧情報を取得できれば、各々3端子から分岐点までの送電線区間と3点の分岐点のうち両側の分岐点により囲まれた送電線の内部故障に対して、仮想的に電流差動原理が応用可能である。
以上の図1の関係を、図2の多端子送電線で説明すると、送電線全体のうち、先に区分した隣接する3端子とこの間を接続する送電線で構成される区分送電線の内部では、電流差動原理による保護継電装置が成立することを意味する。このことは、区分送電線L1,L2,L3,L4のそれぞれで成立している。
従来の電流差動原理では、図2の例では9組の全端子において、サンプリング同期のとれた電流情報が必要であったが、本実施例では、3端子ごとに電流差動原理を適用できる。このため、3端子内では同期化を図る必要があるが、9組の全端子については、サンプリング同期制御や全端子のデータを1点に集める必要がない。つまり、区分送電線単位で同期化を図れば良く、区分送電線間は非同期でもよい。この結果、端子増設や、分岐端子の数が多くなっても、保護継電システムに負担をかけずに、電流差動原理の適用が可能となる。
本発明の基本的な考え方は以上のようであるが、実際に装置構成する場合には以下の点を考慮するのがよい。具体的課題は、誤差対策である。系統から取得した電流、電圧には必ず誤差成分を含む。また、あらかじめ設定される送電線のインピーダンスにも誤差を含む。このため、分岐点近傍の故障に対しては、検出精度が確保できない。
このことから、本発明では、内部故障の検出条件として、図1で説明した電流差動継電要素の故障判定条件に加えて、各端子から、分岐点近傍までの故障を確実に検出するための距離継電要素の故障判定条件を設ける。この距離継電要素によれば、各端子から、分岐点までは、単純な2端子送電線として扱えるため、多端子特有の分流による誤差や電流の回り込みによる誤差等がなく、精度を損なう心配はない。また、本発明では、確実に分岐点近傍の内部故障が検出できればよいので、誤差マージンを踏まえた整定を実施すればよく、他の端子に設置する距離継電要素との間での協調上の問題も少ない。
以上の電流差動継電要素と、分岐点近傍までをカバーする距離継電要素を複合した本発明の区間故障検出保護継電装置100の構成を図3に示す。ここで、10が前述した仮想的な電流差動原理による電流差動継電要素であり、11がその出力である区間内部故障条件である。また、20が各端子から分岐点まで(図1の端子T3では、変流器CT3設置点から、分岐点B2までの送電線)をカバーする距離継電要素であり、21がその出力である。また、OR1はオア回路である。
このように本発明では、電流差動原理による内部故障検出条件11と、距離継電要素による内部故障検出条件21のオア条件31を区間内故障の検出条件とする。
なお、図3において各継電要素の入力信号は以下のようである。ここでは、端子T3の保護継電装置RY3Lの例で示す。まず、距離継電要素20は、自端で計測した電流と電圧を用いて測距演算を実施する。
これに対し、電流差動継電要素10の構成には、幾つかの入力組み合わせが採用し得る。この理由は、各端子でそれぞれ(9)式の演算を実施させるのか、それとも代表端子でのみ判断して、他の端子には動作結果を転送するのかにより相違する。また電流・電圧情報を他の端子と共有する場合に、検出した端子電流・電圧のまま送信するのか、あるいは分岐点電圧・送電線路電流の形に加工した電圧・電流として送信するのかにより送信する情報の形態が相違する。但し、いずれの場合であっても区分送電線内通信路315,316を用いて入手した情報の共有化をする必要がある。
本実施例では、全ての端子に図3の区間故障検出保護継電装置100を備えるものとする。図の例では他の端子から端子電流と端子電圧を入手して、端子ごとに故障区間判定を行うものとする。なお、図3の区間故障検出保護継電装置100を備えるのみでは、図1の全端子での遮断器引き外しが行えないので次に、全端子での遮断器引き外しについて説明する。
実際の送電線故障が発生した場合は、区間故障を検出した区分送電線内の端子のみならず、全端子の送電線の遮断器を引き外さないと故障が除去されない。本発明では、区間故障検出保護継電装置100の動作により区間故障を検出した区分送電線内の端子から、他の(故障を検出していない)区分送電線内の端子に対して故障検出を通知せしめ、いわゆる転送遮断を実行させることで多端子送電線全体の遮断器引き外しを実現する。
このことは、図2において区分送電線を定めたときの重複端子T3,T5,T7において、区間故障検出保護継電装置100をそれぞれの区分送電線ごとに設けた結果として、重複端子T3,T5,T7には区間故障検出保護継電装置100を含む保護継電装置Ryが2組設置されていることから、この間を区分送電線間通信路で接続し、転送遮断信号の受け渡しを行うことで実現されている。
このように、重複端子となる同一電気所に、オーバラップして区間故障検出保護継電装置100を含む端末(保護継電装置Ry)を設置することで、特別な通信装置を利用せず、例えば、無電圧接点等の簡易なインターフェイスで、内部故障情報を、隣接区間を保護している区間故障検出保護継電装置を含む端末(保護継電装置Ry)に受け渡しすることで、内部故障の条件を送電線全端に受け渡すことが可能である。
この受け渡しの状況を図2で説明すると、例えば、区分送電線L2で区間故障が発生した場合には、区分送電線L2内の各端末(Ry3R,Ry4,Ry5L)は、それぞれの遮断器に引き外し指令を出力するとともに、隣接する他の保護継電装置Ryに内部故障の条件を受け渡しする。
ここでは、区分送電線L2の端末Ry3Rが、同一端子T3内に設置されている区分送電線1の端末Ry3Lに受け渡しを行う。端末Ry3Lはこの条件を同一区分送電線L1のほかの端末であるRy1、Ry2に受け渡しする。Ry1、Ry2は本条件により端子T1,T2の遮断器に引き外し指令を出力する。
さらに端末Ry5Lは隣接する区分送電線3の端末Ry5R(同一端子T5内に設置されている)に内部故障の条件を受け渡しする。端末Ry5Rはこの条件を同一区分送電線L3のほかの端末であるRy6、Ry7Lに受け渡しする。同様に、Ry6、Ry7Lが、端子T6,T7の遮断器に引き外し指令を出力し、端末Ry7Lは区分送電線L4の端末Ry7Rへ内部故障の条件を受け渡しする。最終的に、区分送電線L4の端末、Ry8、Ry9が端子T8,T9の遮断器に引き外し指令を出力し、送電線の全端が遮断され、故障が系統から除去されることになる。
図4に、上記内部故障の受け渡しのシーケンス処理を示す。図4回路は、多端子送電線の保護継電装置Ryとして標準的に備えられる回路構成である。この装置によれば、区間故障検出保護継電装置100が自ら故障判定した場合、その出力はオア回路OR4を介して自端遮断器引き外し指令回路3110に与えられ、引き外し処理を実行する。例えば、区分送電線L2で内部故障が発生した場合、保護継電装置Ry3R,Ry4,Ry5L内の区間故障検出保護継電装置100が動作出力を与え、それぞれの自端遮断器引き外し指令回路3110を介して、端子T3、T4、T5の遮断器を開放する。
また、同時に区間故障検出保護継電装置100の出力は、隣接区間L転送送信回路3090と、隣接区間R転送送信回路3100にも与えられる。ここで、隣接区間Rとは、図2において右側に位置づけられた端子の保護継電装置側を意味しており、例えば区分送電線L2で内部故障が発生した場合にこの区分内で最も右側に位置する保護継電装置Ry5Lの場合には、Ry5Rに遮断器引き外し指令を転送送信するものである。従って、この場合の通信路は区分送電線間通信路で信号を受け渡すことを意味する。
同様に、隣接区間Lとは、図2において左側に位置づけられた端子の保護継電装置側を意味しており、例えば区分送電線L2で内部故障が発生した場合にこの区分内で最も左側に位置する保護継電装置Ry3Rの場合には、Ry3Lに遮断器引き外し指令を転送送信するものである。従って、この場合の通信路は区分送電線間通信路で信号を受け渡すことを意味する。
図4の回路によれば、内部故障では自らの端子で遮断処理を実行し、かつ左右の保護継電装置Ryに転送遮断を指示している。このことから、次に転送遮断指令を受けた場合の動作について説明する。
先の例では、保護継電装置Ry5Rは、Ry5Lから区分送電線間通信路を介して隣接区間L転送受信回路3070に転送指令を受信する。この転送指令はオア回路OR4を介して自端遮断器引き外し指令回路3110に与えられ、端子T5の遮断器の引き外し処理が実行される。但し、この場合の故障は区分送電線L2内で発生しているので、端子T5での引き外し処理はRy5Lからの転送指令に先行して、Ry5Lの判定で既に実行されている。
また、保護継電装置Ry5Lの隣接区間L転送受信回路3070に受信された転送指令は、そのままオア回路OR3を介してRy5Lの隣接区間R転送送信回路3100にも与えられる。この結果、Ry5Lの右側に位置する端子T6の保護継電装置Ry6にも転送指令が転送される。端子T6の保護継電装置Ry6での動作については、今までの説明から明らかなので説明を省略するが、要するに転送遮断信号が右側の端子、右側の保護継電装置Ryに順次転送され、それぞれの端子において遮断器引き外し動作を繰り返していく。
他方、保護継電装置Ry3Rの隣接区間L転送送信回路3090からの転送指令を受け取った保護継電装置Ry3Lは、区分送電線間通信路を介して隣接区間R転送受信回路3080に転送指令を受信する。この転送指令はオア回路OR4を介して自端遮断器引き外し指令回路3110に与えられ、端子T3での引き外し処理を実行するが、端子T3での引き外し処理は、Ry3Rの判定で既に実行されている。
また、保護継電装置Ry3Lの隣接区間R転送受信回路3080に受信された転送指令は、そのままオア回路OR2を介してRy3Lの隣接区間L転送送信回路3090にも与えられる。この結果、Ry3Lの左側に位置する端子T2の保護継電装置Ry2にも転送指令が転送される。端子T2の保護継電装置Ry2での動作については、今までの説明から明らかなので説明を省略するが、要するに転送遮断信号が左側の端子、左側の保護継電装置に順次転送され、それぞれの端子において遮断器引き外し動作を繰り返していく。
なお、以上の説明では故障発生した区分送電線の最も右側に位置する保護継電装置の転送信号が右側に伝達され、区分送電線の最も左側に位置する保護継電装置の転送信号が左側に伝達されて多端子送電線の全体が遮断されることについて説明した。しかし、実際には区分送電線の最も右側に位置する保護継電装置の転送信号は左側にも伝達され、区分送電線の最も左側に位置する保護継電装置の転送信号は右側にも伝達される。この結果、例えば故障区間の右側に位置する保護継電装置Ryは最初にRy5Lが発した転送信号を受信して遮断動作に入り、続いてRy4が発した転送信号を受信し、最後にRy3Rが発した転送信号を受信することにはなるが、遮断動作を確実に行わしめる上で障害となるものではない。
以上のようにして、左右の末端の端末まで転送指令が伝達されるわけであるが、末端の端末では、図4回路の一部を使用しない。右側末端の保護継電装置Ry9は、その右側に保護継電装置を備えないので、隣接区間R転送受信回路3080と、隣接区間R転送送信回路3100を使用しない。同様に、左側末端の保護継電装置Ry2は、その左側に保護継電装置を備えないので、隣接区間L転送受信回路3070と、隣接区間L転送送信回路3090を使用しない。
本実施例によれば、全端子が本シーケンス処理を実施することで、将来的に端子増設等があった場合も既存の検出保護継電装置のシーケンス処理を変更することなく対応が可能である。
本実施例においては、多端子送電線として9端子の場合を例に取り説明したが、任意の端子数の場合の区分送電線の仕分け方、あるいは保護継電装置Ryの動作原理について説明する。というのも、重複端子を設けながら3端子ずつ区分送電線に区分けするときに、一部端子が含まれないことが生じうるからである。
図6aには、4端子の場合、図6bには5端子の場合、図6cには6端子の場合、図6dには7端子の場合に区分送電線に区分した事例を示す。このことから明らかなように、奇数の多端子送電線では図2の9端子で説明したように全ての端子を区分送電線に仕分けることができる。また、図3の区間故障検出保護継電装置100を各端子に配置して、図4の転送送信、受信回路を構成することにより同等の保護機能を達成することができる。
図6aや図6cのように、区分送電線に区分けできない1つの端子(図6aのT4,図6cのT6)が生じてしまう場合には、図7あるいは図8の構成とすることで対応ができる。
図7は、4端子の場合に本来の区分送電線L1以外に、区分から外れた端子T4を含み、隣接する3つの端子で第2の区分送電線L2を形成してしまうやり方を示す。この場合に端子T2とT3は重複端子となるので、保護継電装置を2組保持することになる。2組の保護継電装置間では区分送電線間通信路を形成する。かつ、区分送電線に準じて、保護継電装置Ry1,Ry2L,Ry3Lの間に区分送電線内通信路を形成し、また保護継電装置Ry2R,Ry3R,Ry4の間でも区分送電線内通信路を形成する。この場合にも、図3、図4で説明したと同じ、自端での故障検出、あるいは転送遮断により全端子遮断が行い得ることが明らかである。
図8の構成では、区分から外れた端子T4を、あえて区分送電線に区分けしない。この端子では、差動原理演算による保護動作が行い得ないので、図3の標準的な区間故障検出保護継電装置100において、距離継電要素20のみの故障判定を実施し、端子T4のCT設置点から、分岐点Bまでの間に発生した故障を検出せしめる。但し、このままでは多端子送電線の他の部分に発生した故障に対応できず、また距離継電要素20の判断結果を他の端子に伝達することができない。
そのために、端子T4に隣接する端子T3を重複端子扱いとする。つまり、端子T3に2組の保護継電装置Ry3LとRy3Rを設置し、Ry3LとRy3Rの間に区分送電線間通信路を形成する。また、Ry3RとRy4の間に区分送電線内通信路を形成して、この間では転送遮断のみを機能せしめ、電流、電圧情報の送受信を行わない。またこのとき、Ry3Rは、信号の転送が主な責務であることから、図2の区間故障検出保護継電装置100としては機能させる必要がない。
さらに、本実施例では、一つの区分送電線の区間故障検出保護継電装置は、3端子から構成される例を示しているが、4端子以上の構成を1つの区分送電線としても構わない。つまり、図6aの場合に、4端子分を1つの区分送電線に区分してもよい。3端子構成の場合、重複して端末を設置する重複端子が多くなるため、経済性を考慮するとさらに多端子の構成により、4端子以上を1つの区分送電線とした方が有利である。但し、4端子以上とする場合は、伝送部も4端子構成を実現できる同期制御部や光インターフェイスを装備する必要があるので、装置の複雑化、同期制御の困難性増加、汎用化装置が適用できないなどの問題が避けられないので、実際には3端子での区分が実用的である。
以上説明のようにして、本発明の多端子送電線の保護継電システムは、多端子数に関わりなく、電流差動保護原理による保護演算を実施することができる。また、このことから明らかなように、端子数を増加するときにも容易に変更することができる。つまり、区分送電線の区分けを変更し、あるいは標準的に構成された図4回路の使用法を変更することで容易に端子数の増加に対応できる。
図5には、区間故障検出保護継電装置を含む端末(保護継電装置Ry)のブロック図を示す。110は、系統から電圧情報や電流情報を取り込みする入力変換器であり、系統側に設けられたPTやCTの出力をディジタル処理に都合のよい電圧レベルに変換する機能を持つ。121はアナログフィルタであり、折り返し誤差防止や、高調波除去のために設置する。122がA/D変換器であり、系統情報のディジタル化を行う。
123がディジタルフィルタであり、保護継電装置演算の対象となる周波数成分を抽出するフィルタ特性を有している。
130がシステムバスであり、このシステムバス上に、演算部140や、I/O部11、伝送部160及び人間系とのインターフェイスとなるパネル制御部インターフェイス170やパソコン等とのインターフェイス180を有している。
演算部140は、演算部マイクロプロセッサ141、メモリ144およびバスインターフェイス142からなる。
メモリとしては、プログラムを格納する不揮発性メモリや一次記憶用のワークメモリ等から構成される。I/O部11は、外部機器条件の入力や隣接する区間故障検出装置からの情報の取り込みや、遮断器の引き外し制御や表示等に利用される。ここでは、入力回路154、出力回路153及びバスインターフェイス151から構成した例を示している。160は伝送部であり、他の電気所に配置された区間故障検出装置の端末装置と情報を伝達しあう。この情報としては、各端末にて取得された系統電圧や電流情報や機器情報、内部故障検出信号等を含める。ここでは、光インターフェイスにより他変電所に設置される端末と情報伝送を行う構成を示すが、通信メディアは、電気インターフェイス等であっても構わない。
5102、5202が光送信インターフェイスであり、フォトダイオード等で構成される。5103、5203が光受信インターフェイスであり、フォトダイオード等で構成される。5100、5200はパラレル−シリアル変換器、5101、5201シリアル−パラレル変換器であり、光インターフェイスとの中継を行う。
166は同期制御部であり、区間故障検出保護継電装置の端末間のサンプリング同期制御を実施する。本実施例では、3端末間のサンプリング同期制御を実施する。168は、サンプリング同期信号であり、同期制御部166で生成され、120アナログ入力部にサンプリング基準として伝達される。165は伝送部用のメモリであり、サンプリング同期あわせの為の一時的なワークメモリとして機能する。167は、バスインターフェイスであり、演算部とのデータの受け渡しを行う。
170のパネル制御部インターフェイスは、セグメント、LED、LCD等の表示器171や押しボタン等のスイッチ部172と接続し、人間系とのインターフェイスを実現する。
なお、以上の構成は、既存の送電線ディジタル電流差動保護継電装置の構成と大きく変わるものではない。
本発明の構成により、各端子の電流情報、電圧情報のサンプリング同期は、隣接3端子内で確立していればよく、従来の電流差動保護継電システムのように全端子でのサンプリング同期は不要とすることができ、通信装置、保護継電装置側の通信制御を大幅に簡素化することが可能である。
また、保護継電システムとしては、3端子による区間故障の検出機能でクローズしており、端子数増加による内部処理への影響がなく、将来的な端子増加に対しても変更が不要である。
端子増設の際には、最低3端子単位で区間故障検出保護継電装置を追加し、既存の区間故障検出保護継電装置とのインターフェイスとしては、内部故障検出条件を相互に受け渡しする簡易なインターフェイスのみでよい。
原理上は、端子数がいくつに増えたとしても本原理による送電線内部故障の検出が可能である。
以上の構成により、端子増設や端子数に制限のなく対応可能な、多端子送電線の区間故障検出保護継電装置を実現可能である。
風力発電等の分散電源の台頭により、今後さらに、送電線の多端子化は進むものと考えられるが、簡単な設備の増設と変更で対応できるので多端子化に適している。
T:電気所の端子
B:分岐点
Ry:保護継電装置
BUS:母線
G:背後電源
RG:背後インピーダンス
、Z、Z:分岐点側インピーダンス
L1、L2:線路インピーダンス
CT:変流器
PT:電圧変成器
315、316:区分送電線内通信路
NB、NC、ND:分岐点電圧
L1,L2,L3,L4:区分送電線
100:区間故障検出保護継電装置
10:電流差動継電要素
20:距離継電要素
OR:オア回路
3110:自端遮断器引き外し指令回路
3090:隣接区間L転送送信回路
3100:隣接区間R転送送信回路
3070:隣接区間L転送受信回路
3080:隣接区間R転送受信回路

Claims (6)

  1. 4端子以上の多端子送電線を、隣接する3つの端子とこの端子間の送電線部分を区分送電線として2つ以上の区分送電線に区分するとともに、少なくとも1つの端子は、2つの区分送電線に重複するように区分された重複端子とされた多端子送電線の保護継電システムであって、
    前記区分送電線の各端子に備えられ、前記区分送電線内の各端子で計測した電流を用いて電流差動演算により区間内故障を検出する電流差動継電要素を含む保護継電装置、該保護継電装置において電流差動演算を行うために必要な電流情報を共有する為の区分送電線内通信路、前記2つの区分送電線に重複するように区分された重複端子の2組の保護継電装置で通信を行うための区分送電線間通信路を備え、
    前記区分送電線内に区間内故障を検出した保護継電装置は、区分送電線内通信路及び区分送電線間通信路を用いて、他の端子の保護継電装置に故障を転送し、各端子の遮断器引き外しを行わしめることを特徴とする多端子送電線の保護継電システム。
  2. 第1項記載の多端子送電線の保護継電システムにおいて、
    保護継電装置は、その端子から送電線分岐点手前までを測距範囲とする距離継電要素を含み、前記電流差動継電要素または距離継電要素のいずれかの動作出力により区間内故障を検出することを特徴とする多端子送電線の保護継電システム。
  3. 第1項記載の多端子送電線の保護継電システムにおいて、
    保護継電装置はディジタル的に構成され、前記電流差動継電要素の電流情報は、同一の区分送電線内では同期化サンプリングされるが、異なる区分の区分送電線の間では非同期サンプリングとされることを特徴とする多端子送電線の保護継電システム。
  4. 第1項記載の多端子送電線の保護継電システムにおいて、
    前記区分送電線内の各端子で計測した電流を用いて電流差動演算により区間内故障を検出する電流差動継電要素は、各端子において、その各分岐点における電圧を推定し、両側の分岐点から中央の分岐点に流入する電流あるいは、中央の分岐端子に流入する電流を算出し、この算出された電流と中央の端子で計測された電流との間での電流差動演算を実施して、区分送電線における内部故障を検出することを特徴とする多端子送電線の保護継電システム。
  5. 第1項記載の多端子送電線の保護継電システムにおいて、
    区分送電線を隣接する3つ以上の端子とこの端子間の送電線部分構成することを特徴とする多端子送電線の保護継電システム。
  6. 4端子以上の多端子送電線を、隣接する3つの端子とこの端子間の送電線部分を区分送電線として区分するとともに、少なくとも1つの端子は区分送電線に含まれない多端子送電線の保護継電システムであって、
    前記区分送電線の各端子に備えられ、前記区分送電線内の各端子で計測した電流を用いて電流差動演算により区間内故障を検出する電流差動継電要素を含む第1の保護継電装置、該第1の保護継電装置において電流差動演算を行うために必要な電流情報を共有する為の区分送電線内通信路、前記区分送電線に含まれない端子に設けられ、その端子から送電線分岐点手前までを測距範囲とする距離継電要素を含む第2の保護継電装置、前記区分送電線に含まれない端子に隣接する端子に設けられた第3の保護継電装置、前記区分送電線に含まれない端子に隣接する端子に設けられた第1の保護継電装置と第3の保護継電装置の間で通信を行うための第1の通信路、前記第2の保護継電装置と第3の保護継電装置の間で通信を行うための第2の通信路を備え、前記送電線内に故障を検出した保護継電装置は、区分送電線内通信路及び第1と第2の通信路を用いて、他の端子の保護継電装置に故障を転送し、各端子の遮断器引き外しを行わしめることを特徴とする多端子送電線の保護継電システム。
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