JP5465129B2 - ロボットおよび行動制御システム - Google Patents

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本発明は、第1運動体の運動態様を規範として第2運動体の運動態様を制御するシステムおよび当該システムを有するロボットに関する。
モーションキャプチャーシステムにより観測されたインストラクタ等の第1運動体の動作を規範として、ヒューマノイドロボット等の第2運動体にラケットでボールを打ち返すなどの指定タスクを実行させるシステムが提案されている(特許文献1〜2参照)。
一般的に第1運動体および第2運動体の身体スケールは相違するので、第1運動体の動作を特徴付ける、動作特徴点の位置軌道がスケール変換されることにより、第2運動体の動作特徴点の位置軌道が生成される。
特開2008−307640号公報 特開2010−005761号公報
しかし、第1運動体と第2運動体とは身体スケールのみならず、身体の構造および機能も相違するので、第2運動体に指定タスクを実行させることを優先させるあまり、その運動態様が第2運動体の構造上または機能上の制約に鑑みて無理なものになる可能性がある。
そこで、本発明は、第1運動体の運動態様を規範とさせながらも、第2運動体に固有の制約に鑑みて適当な運動態様で当該第2運動体に指定タスクを実行させることができる行動制御システム等を提供することを解決課題とする。
前記課題を解決するための本発明の行動制御システムは、第1運動体の運動態様を規範として第2運動体の運動態様を制御するシステムであって、前記第1運動体について、環境を表わす外的因子のうち一部である外的特徴因子と、当該環境に応じて指定タスクを実行する際の運動態様を表わす内的因子のうち一部である内的特徴因子との連続的な相関関係を表わす運動態様が定義されている状況において、前記第2運動体について、前記外的特徴因子を認識し、当該認識結果に基づき、運動モデルにしたがって、運動態様を表わす内的因子のうち一部である内的特徴因子を認識する第1制御要素と、前記第1運動体に対する前記第2運動体の身体スケールの比率に応じて、かつ、前記第2運動体による前記内的因子の軌道が当該内的因子の可動範囲に収まるという制約条件が充足されるように当該内的特徴因子をスケール変換することにより、前記第2運動体の目標内的特徴因子を設定した上で、前記比率に応じて、前記第1制御要素により設定された前記第2運動体の前記目標内的特徴因子をスケール逆変換することにより、新たな前記内的特徴因子を決定し、前記新たな内的特徴因子および前記外的特徴因子に基づき、前記運動モデルを再定義するように構成されている第2制御要素とを備え、前記第2運動体の前記内的特徴因子が、前記目標内的特徴因子に一致するように前記第2運動体の運動態様を制御するように構成されている。
本発明の行動制御システムによれば、第1運動体が環境に応じて指定タスクを実行する際の運動態様を基礎として定義されている運動モデルに基づき、外的特徴因子に応じた、第2運動体が規範とすべき運動態様が定められる。第1運動体および第2運動体の身体スケールの相違に加えて、第2運動体の構造上または機能上の制約条件が充足されるように当該規範運動態様がスケール変換されることにより、第2運動体の目標運動態様を定める目標内的特徴因子が設定される。
しかるに、第2運動体の目標運動態様が制約条件を充足する一方で、第2運動体に指定タスクを実行させる観点から不適当なものになる可能性がある。
そこで、第2運動体の目標内的特徴因子がスケール逆変換された結果に基づき、運動モデルが再定義される。これにより、第1運動体の運動態様を規範とさせながらも、当該制約条件が充足されるような運動態様で第2運動体に指定タスクを実行させる観点から適当な運動モデルが構築される。そして、第1運動体の運動態様を規範とさせながらも、当該制約条件が充足されるような運動態様で第2運動体に指定タスクを実行させることができる。
本発明において、さらに、前記第2制御要素が、前記内的特徴因子の基準となる基準因子を補正することにより、前記制約条件が充足されるように前記第2運動体の目標内的特徴因子を決定するように構成されている
当該構成の行動制御システムによれば、第2運動体に指定タスクを実行させることができるような外的特徴因子の範囲を拡張することができる。このため、当該拡張された範囲における外的特徴因子によって表わされる環境に応じた指定タスクを第2運動体に実行させることができる。
前記課題を解決するための本発明のロボットは、前記第2運動体としてのヒューマノイドロボットであって、前記行動制御システムを備え、当該行動制御システムにより、前記第1運動体としての人間の運動態様を規範として運動態様が制御されることを特徴とする。
本発明のロボットによれば、第2運動体としてのロボットの制御基礎である第1運動体としての人間の運動モデルが、人間およびロボットの身体スケールの相違のみならず、ロボットの構造上または機能上の制約条件が考慮されて補正される。これにより、人間の運動態様を規範とさせながらも、当該制約条件に鑑みて適当な運動態様でロボットに指定タスクを実行させることができる。
ロボットの構成説明図。 行動制御システムの構成説明図。 行動制御方法に関する説明図。 ロボットおよび人間の運動態様に関する説明図。 人間の運動態様の観測結果に関する説明図。 スケール変換および逆変換に関する説明図。 キネマスケール変換に関する説明図。 運動モデルの補正に関する説明図。 運動モデルの補正による効果に関する説明図。 運動モデルの補正による効果に関する他の説明図。
(ロボットの構成)
まず、本発明の一実施形態としてのロボットの構成について説明する。
図1に示されているロボット1は脚式移動ロボット(ヒューマノイドロボット)であり、人間と同様に基体10と、基体10の上部に設けられた頭部11と、基体10の上部左右両側から延設された左右の腕体12と、腕体12の先端部に設けられた手部14と、基体10の下部から下方に延設された左右の脚体13と、脚体13の先端部に取り付けられている足平部15とを備えている。ロボット1は、アクチュエータ24から伝達される力によって、人間の肩関節、肘関節、手首関節、股関節、膝関節、足首関節等の複数の関節に相当する複数の関節機構において腕体12や脚体14を屈伸運動させることができる。
腕体12は肩関節機構を介して基体10に連結された第1腕リンクと、一端が第1腕リンクの端部に肘関節機構を介して連結され、他端が手首関節を介して手部13の付根部に連結されている第2腕リンクとを備えている。肩関節機構は、ヨー軸およびピッチ軸のそれぞれの回りの2つの回転自由度を有する。肘関節機構は、ピッチ軸回りの1つの回転自由度を有する。手首関節機構は、ロール軸およびピッチ軸のそれぞれの回りの2つの回転自由度を有する。
脚体14は股関節機構を介して基体10に連結された第1脚リンクと、一端が第1脚リンクの端部に膝関節機構を介して連結され、他端が足首関節を介して足平部15に連結されている第2脚リンクとを備えている。股関節機構は、ヨー軸、ピッチ軸およびロール軸のそれぞれの回りの3つの回転自由度を有する。膝関節機構は、ピッチ軸回りの1つの回転自由度を有する。足首関節機構は、ピッチ軸およびロール軸のそれぞれ回りの2つの回転自由度を有する。ロボット1は、左右の脚体13のそれぞれの離床および着床の繰り返しを伴う動きによって自律的に移動することができる。
(行動制御システムの構成)
図2に示されている行動制御システム2はロボット1に搭載されている電子制御ユニット(CPU,ROM,RAM,I/O回路等により構成されている。)またはコンピュータにより構成されている。
行動制御システム2は内部状態センサ群201および外部状態センサ群202のそれぞれの出力信号に基づいて種々の状態変数の値を認識するように構成されている。
内部状態センサ群201にはロボット1の位置(重心位置)を測定するためのGPS測定装置または加速度センサのほか、基体10の姿勢を測定するためのジャイロセンサ、各関節機構の屈曲角度等を測定するロータリーエンコーダ等が含まれている。
外部状態センサ群202にはロボット1とは別個独立のモーションキャプチャーシステム(図示略)のほか、ボール等のタスク実行に関連する物体の位置軌道を測定するため、頭部11に搭載されているステレオイメージセンサや、基体10に搭載されている赤外光を用いたアクティブ型センサ等が含まれる。
行動制御システム2は、後述する演算処理を実行するように構成されている第1制御要素21と、第2制御要素22とを備えている。第1制御要素21および第2制御要素22のそれぞれは、CPU(演算処理装置)と、担当する演算処理を実行するために必要なソフトウェアおよびデータが保存されているメモリ(記憶装置)とにより構成されている。第1制御要素21および第2制御要素22のそれぞれを構成するCPUは物理的に共通であってもよいし、別個であってもよい。
各制御要素が「構成されている」とは、当該制御要素を構成する演算処理装置がメモリ等の記憶手段から必要なソフトウェアおよびデータを読み出し、当該データを対象として当該ソフトウェアにしたがった演算処理を実行すること、さらには当該演算処理の結果として制御指令信号を生成し、制御対象に宛てて当該信号を出力すること等により、ロボット1の行動制御等の目的を達成することを意味する。
本発明の構成要素が情報を「認識する」とは、当該構成要素が情報をデータベースから検索すること、メモリ等の記憶装置から情報を読み取ること、センサ等の出力信号に基づき情報を測定、算定、推定、判定すること、測定等された情報をメモリに格納すること等、当該情報をさらなる演算処理のために準備または用意するのに必要なあらゆる情報処理を実行することを意味する。
行動制御システム2のうち一部(たとえば、第1制御要素21)がロボット1の外部コンピュータにより構成され、残りの部分(たとえば第2制御要素22)がロボット1に搭載され、当該外部コンピュータから演算結果を無線または有線方式で通信可能なコンピュータにより構成されていてもよい。
(ロボットおよび行動システムの機能)
本実施形態においては、図4(a)〜(c)左側に破線で示されているように、一方の手で把持しているラケットを用いてフォアハンドストロークでボールを打ち返すという指定タスクを実行する「第1運動体」としての人間(インストラクタ)の運動態様を規範として、図4(a)〜(c)右側に示されているように、同じく指定タスクを「第2運動体」としてのロボット1に実行させるようにその運動態様が制御される。
人間の内的特徴因子pおよび外的特徴因子qの連続的な相関関係p=f(q)を表わす運動モデルが定義されていることが前提とされている。運動モデルは、人間の内的特徴因子pおよび外的特徴因子qの測定結果に基づき、LWPR(Locally Weighted Projection Regression)(特許文献1参照)にしたがって定義されている。
具体的には、インストラクタが複数回にわたって指定タスクを実行する際に、光学式、機械式、磁気式または慣性式モーションキャプチャーシステムにより、図5に示されているようにインストラクタの手(たとえば手首)の位置軌道{p1(t)}およびラケットの位置軌道{p2(t)}が内的因子として観測される。また、ボールの位置軌道{q(t)}が外的因子として観測される。モーションキャプチャーシステムは、外部状態センサ22の構成要素であってもよい。「軌道」とは、時系列的な変化態様を意味する。各位置は、たとえば、インストラクタの肩関節箇所を原点とする肩座標系(3次元直交座標系)において定義される。
そして、図5に示されている、第1時点t=t1における手位置p1(t1)およびラケット位置p2(t1)、相互作用時点t=thitにおける手位置p1(thit)ならびに第2時点t=t2における手位置p1(t2)およびラケット位置p2(t2)のそれぞれが内的特徴因子pとして測定される。また、相互作用時点t=thitにおけるボール位置(打点)q(thit)が外的特徴因子qとして測定される。
第1時点t=t1は、インストラクタがテイクバックの姿勢からラケットを前方に動かし始める時点であり、ラケットの前方加速度が閾値を超えて増加したこと等が検知されることにより検知されうる。第2時点t=t2は、インストラクタがフォロースルーの後でラケットを振り切った時点であり、ラケットの前方加速度が閾値を超えて減少したこと等が検知されることにより検知されうる。
相互作用時点t=thitは、インストラクタがラケットでボールを打った時点であり、モーションキャプチャーシステムにより測定されるボールの速度水平方向成分の極性が反転したこと、ラケットとボールとがぶつかった音がマイクにより検知されたこと等により検知されうる。
なお、第1制御要素21は、あらかじめ定義された運動モデルを単に記憶装置から読み取るだけではなく、外的特徴因子qおよび内的特徴因子pの測定結果を記憶装置から読み取った上で、当該測定結果に基づいて運動モデルを定義するように構成されていてもよい。さらに、第1制御要素は、外的特徴因子qおよび内的特徴因子pを測定した上で、当該測定結果に基づいて運動モデルを定義するように構成されていてもよい。
外的特徴因子qおよび内的特徴因子pのそれぞれは任意に変更されてもよい。そのほか、複数の外的因子および複数の内的因子が測定され、当該測定結果との乖離度が閾値以下であるという要件を満たす連続的な相関関係が定義されうる外的因子および内的因子のそれぞれが外的特徴因子および内的特徴因子として特定されてもよい。複数時点におけるボールの位置、速度、加速度等が複数の外的因子に該当する。複数時点における手首、肘、肩等の位置、速度および加速度、ならびに各関節角度、角速度および角加速度等が複数の内的因子に該当する。
まず、第1制御要素21により、ロボット1に向かってくるボールの目標打点q_targetが、ロボット1が接する外的特徴因子qとして認識される(図3/STEP02)。具体的には、ある時点におけるボールの位置、速度および加速度が測定され、当該測定結果から、ボールの運動方程式にしたがってボールの位置軌道が予測される。そして、ロボット1が腕体12を動かしてラケットを到達させることが可能な範囲において、当該予測位置軌道上の任意の1点が目標打点q_targetとして設定される(図4(a)参照)。
さらに、第1制御要素21により、外的特徴因子q=q_targetに基づき、運動モデルにしたがって、人間の内的特徴因子p(=f(q_target))が導出される(図3/STEP04)。これにより、図6(a)に破線で示されているように、第1時点t=t1における手位置p1(t1)およびラケット位置p2(t1)、相互作用時点t=thitにおける手位置p1(thit)ならびに第2時点t=t2における手位置p1(t2)およびラケット位置p2(t2)のそれぞれが人間の内的特徴因子pとして導出される。
ボールの予測位置軌道の形態によっては、腕体12を限界まで折り畳んでもまたは伸ばしても、ロボット1がラケットでこのボールを打ち返すことができない蓋然性が高い場合がある。
しかるに、図8に示されているように、グローバル座標系における肩座標系の原点位置(基準因子)をΔpだけ変位させることにより、目標打点q_targetを設定可能である場合、まず、目標打点q_targetを−Δpだけ変位させた位置を外的特徴因子qとして、運動モデルにしたがって内的特徴因子p(=f(q_target−Δp))が導出される。そして、当該内的特徴因子pがΔpだけ変位されることにより、人間の内的特徴因子pが導出される。
続いて、第2制御要素22により、人間の内的特徴因子qのスケール変換によって、ロボット1の規範運動軌道{f1(p)}が生成される(図3/STEP06)。
具体的には、まず、運動モデルから導出された人間の内的特徴因子pが、ロボット1および当該人間の身体スケールの相違に応じた比率で変位されることにより、ロボット1の内的特徴因子f1(p)=(f1(p1(t1)),f1(p2(t1)),f1(p1(thit))=p1(thit),f1(p1(t2)),f1(p2(t2)))が決定される。
人間の内的特徴因子pのうち、第1時点t=t1における手位置p1(t1)および第2時点t=t2における手位置p1(t2)が、人間の腕の長さLに対するロボット1の腕体12の長さL’の比率r=(L’/L)に応じて、ヒット時点t=thitにおける手位置p1(thit)に近づくように(あるいは遠ざかるように)変位される。これにより、図6(a)に示されているようにロボット1の手位置f1(p1(t1))およびf1(p1(t2))が決定される。
さらに、人間の内的特徴因子pのうち、第1時点t=t1におけるラケット位置p2(t1)および第2時点t=t2におけるラケット位置p2(t2)が、人間の腕の長さLに対するロボット1の腕体12の長さL’の比率r=(L’/L)に応じて、打点位置p2(thit)に近づくように(あるいは遠ざかるように)変位される。これにより、図6(a)に示されているようにロボット1のラケット位置f1(p2(t1))およびf1(p2(t2))が導出される。なお、比率(L’/L)に代えて、人間が使うラケットの長さdおよびロボット1が使うラケットの長さd’を考慮した比率(L’+d’)/(L+d)に応じて、ラケット位置p2(t1)およびp2(t2)が変位されてもよい。
そして、ロボット1の手位置f1(p1(t1))およびf1(p1(t2))に基づき、ダイナミクスベイジアンネットワーク(DBN(特許文献2参照))を用いて、ヒット時点における人間の手位置p1(thit)を通過するようにロボット1の手位置軌道{f1(p1)}が生成される(図6(a)破線参照)。同様に、ロボット1のラケット位置f1(p2(t1))およびf1(p2(t2))に基づき、DBNを用いて、目標打点p2(thit))を通過するようにロボット1のラケット位置軌道{f1(p2)}が生成される(図6(a)破線参照)。
運動軌道{f1(p)}の生成に際して、当該軌道全体の時間スケールが調節される。具体的には、人間が指定タスクを実行する時間T(=t2−t1)に、身体スケールに応じた比率rの平方根r1/2が乗じられた時間T’=r1/2Tでロボット1に指定タスクを実行させるように時間スケールが調節される。
このDBNには、特許文献2に記載されているものと同一であり、位置のほか、速度v、加速度αおよび加加速度βを表わすノードが含まれている。これにより、手位置およびラケット位置が、速度および加速度に不連続が生じずに円滑に変化するように、ロボット1の手位置軌道{f1(p1)}およびラケット位置軌道{f1(p2)}が生成される。
続いて、第2制御要素22により、ロボット1の規範運動軌道{f1(p)}のキネマティクススケール変換により、ロボット1の目標運動軌道{f2(p)}が生成される(図3/STEP08)。
具体的には、DBNから得られたロボット1の手位置軌道{f1(p1)}にしたがった場合の、ロボット1の肩関節機構を基準とした手部13の範囲[γ1min,γ2max](γ1>1,γ2>1)が、ロボット1の手部13の可動範囲[Lmin,Lmax]に収まるように補正される。
これにより、図6(a)に示されているように、ロボット1の補正後の手位置軌道{f2(p1)}が生成される。また、当該補正後の手位置軌道{f2(p1)}に含まれる、ロボット1の補正後の手位置f2(p1(t1)),f2(p1(thit))およびf2(p1(t2))が補正後の内的特徴因子f2(p1)として決定される。ここで、t1(ロボット)=r1/21(人間)、t2(ロボット)=r1/22(人間)、thit(ロボット)=r1/2hit(人間)である。
規範運動態様{f1(p)}にしたがった肩関節機構および手位置の間隔Loriginalから、目標運動態様{f2(p)}にしたがった肩関節機構および手位置の間隔Lamendedへの補正態様(f2・f1 -1)は、たとえば図7に示されているような連続関数により表現される。この関数は、関係式(1)により表わされる。
Lamended=(Lmax-Lmin)/{1+exp(a(Loriginal-b))}+Lmin..(1)。
ここで、「a」は適当な正の係数である。「b」はスイング時の人間の標準的な腕の長さを表わす定数である。当該関数はその定義域[γ1min,γ2max]の中央付近でほぼ線型関数になっているが、これは、外的特徴因子q(目標打点q_target)に対する、ロボット1の内的特徴因子pの相対的な関係を保持するためである。手部13の可動範囲は、腕体12の各関節機構の関節角度の許容範囲等に基づいて算出されうる。
これに伴い、DBNから得られたロボット1のラケット位置軌道{f1(p2)}も補正される。これにより、図6(a)に示されているように、ロボット1の新たなラケット位置軌道{f2(p1)}が生成される。また、当該補正後のラケット位置軌道{f2(p2)}に含まれる、ロボット1の補正後のラケット位置f2(p2(t1))およびf2(p2(t2))が補正後の内的特徴因子f2(p1)として決定される。
そして、行動制御システム2により、目標運動軌道{f2(p)}にしたがってロボット1の運動態様が制御される(図3/STEP10)。具体的には、ロボット1の内的特徴因子pが、目標運動軌道{f2(p)}に含まれる目標内的特徴因子f2(p)に一致するように、ロボット1の運動態様が制御される。
これにより、図4(a)〜(c)右側に示されているように、一方の手部13で把持しているラケットを用いてフォアハンドストロークでボールを打ち返すという指定タスクをロボット1に実行させることができる。
また、第2制御要素22により、ロボット1の目標運動軌道{f2(p)}のスケール逆変換によって、外的特徴因子(目標打点q_target)およびこれに応じた人間の新たな内的特徴因子f3(p)が決定される(図3/STEP12)。
具体的には、ロボット1の補正後の内的特徴因子f2(p)が、先のスケール変換f1の逆変換f1 -1によって変換される。これにより、図6(b)に示されているように、人間の新たな手位置f3(p1(t1)),f3(p1(thit))およびf3(p1(t2))ならびにラケット位置f3(p2(t1)),f3(p2(t2))が新たな内的特徴因子f3(p)=f1 -1(f2(p))として定義される。
そして、第2制御要素22により、外的特徴因子q(目標打点q_target)および人間の新たな内的特徴因子f3(p)が追加された上で、LWPRにしたがって運動モデルが再定義される(図3/STEP14)。
以降、ロボット1に指定タスクを繰り返して実行させるたび、ロボット1が接する外的特徴因子qの測定(図3/STEP02参照)以降の処理が繰り返される。
(本発明のロボットおよび行動制御システムの作用効果)
前記機能を発揮する本発明のロボット1または行動制御システム2によれば、人間(第1運動体)が環境に応じて指定タスクを実行する際の運動態様を基礎として定義されている運動モデルに基づき、目標打点q_target(外的特徴因子)に応じた、ロボット1(第2運動体)が規範とすべき運動態様{f1(q)}が定められる(図3/STEP06参照)。さらに、人間およびロボット1の身体スケールの相違に加えて、ロボット1の構造上または機能上の制約条件が充足されるように当該規範運動態様{f1(q)}がスケール変換されることにより、ロボット1の目標運動態様{f2(q)}を定める目標内的特徴因子f2(q)が設定される(図3/STEP08、図6(a)参照)。
しかるに、ロボット1の目標運動態様が制約条件を充足する一方で、ロボット1に指定タスクを実行させる観点から不適当なものになる可能性がある。
そこで、ロボットの目標内的特徴因子f2(q)がスケール逆変換された結果f3(q)に基づき、運動モデルが再定義される(図3/STEP12,14、図6(b)参照)。これにより、人間の運動態様を規範とさせながらも、当該制約条件が充足されるような運動態様でロボット1に指定タスクを実行させる観点から適当な運動モデルが構築される(図9参照)。そして、人間の運動態様を規範とさせながらも、当該制約条件が充足されるような運動態様でロボット1に指定タスクを実行させることができる(図4(a)〜(c)参照)。
さらに、ロボットの内的特徴因子pの基準となる、グローバル座標系における肩座標系の原点位置(肩関節機構の位置(基準因子))を変位させることにより、制約条件が充足されるようにロボット1の目標内的特徴因子f2(p)が設定される(図8参照)。これにより、ロボット1に指定タスクを実行させることができるような目標打点q_target(外的特徴因子)の範囲を拡張することができる。このため、当該拡張された範囲における外的特徴因子qによって表わされる環境に応じた指定タスクをロボット1に実行させることができる。
ロボット1に指定タスクを実行させうる目標打点q_targetの範囲は3次元に広がっているが、図9には、あるz座標値における当該3次元範囲の断面図が示されている。「○」で表わされている追加学習前にロボット1が指定タスクを実行可能な打点範囲が、追加学習(運動モデルの再定義)の繰り返しにより「●」で表わされている分だけ拡張されていることがわかる。
図10(a)に示されているように、追加学習の繰り返し回数が増加するにつれて対応可能な打点の数は増加した後、ほぼ飽和する。目標打点に対するラケットの位置誤差が5cm以上の点の数は急激に増加した後、減少している。
図10(b)には、追加学習前(予め、人のデータを元にした学習を20000回行ったもの)である場合ラケットの位置誤差のヒストグラムが示されている。図10(c)には、ロボットのデータを元に追加学習を11440回行った後である場合ラケットの位置誤差のヒストグラムが示されている。両者を比較すると、前者の場合における5cm以上の範囲の頻度分布と比較して、後者の場合における5cm以上の範囲の頻度分布が少なくなっていることがわかる。
(本発明の他の実施形態)
前記実施形態ではラケットを用いてフォアハンドストロークでボールを打ち返すというタスクが指定タスクとして採用されたが、他の実施形態において、ロボット1とは別個の物体の位置等に応じて、当該物体を捕まえる、押す、所定部位を当てる等、当該物体との相互作用を伴うタスクのほか、当該物体から所定間隔だけ離れた箇所に所定部位を通過させる等、当該物体との相互作用を伴わないタスクが指定タスクとして採用されてもよい。この場合、物体の所定位置、速度または加速度等が、外的特徴因子として認識されうる。
1‥ロボット、2‥行動制御システム、21‥第1制御要素、22‥第2制御要素。

Claims (2)

  1. 第1運動体の運動態様を規範として第2運動体の運動態様を制御するシステムであって、
    前記第1運動体について、環境を表わす外的因子のうち一部である外的特徴因子と、当該環境に応じて指定タスクを実行する際の運動態様を表わす内的因子のうち一部である内的特徴因子との連続的な相関関係を表わす運動態様が定義されている状況において、前記第2運動体について、前記外的特徴因子を認識し、当該認識結果に基づき、運動モデルにしたがって、運動態様を表わす内的因子のうち一部である内的特徴因子を認識する第1制御要素と、
    前記第1運動体に対する前記第2運動体の身体スケールの比率に応じて、かつ、前記第2運動体による前記内的因子の軌道が当該内的因子の可動範囲に収まるという制約条件が充足されるように当該内的特徴因子をスケール変換することにより、前記第2運動体の目標内的特徴因子を設定した上で、前記比率に応じて、前記第1制御要素により設定された前記第2運動体の前記目標内的特徴因子をスケール逆変換することにより、新たな前記内的特徴因子を決定し、前記新たな内的特徴因子および前記外的特徴因子に基づき、前記運動モデルを再定義するように構成されている第2制御要素とを備え、
    前記第2運動体の前記内的特徴因子が、前記目標内的特徴因子に一致するように前記第2運動体の運動態様を制御するように構成され、
    前記第2制御要素が、前記内的特徴因子の基準となる基準因子を補正することにより、前記制約条件が充足されるように前記第2運動体の目標内的特徴因子を決定するように構成されていることを特徴とする行動制御システム。
  2. 前記第2運動体としてのヒューマノイドロボットであって、請求項1記載の行動制御システムを備え、当該行動制御システムにより、前記第1運動体としての人間の運動態様を規範として運動態様が制御されることを特徴とするロボット。
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