JP5464424B2 - 防炎性繊維、防炎性繊維製品及び防炎性膜、並びにその製造方法 - Google Patents
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Description
絹糸の機能特性を向上させる加工手法にグラフト加工があり、ビニル化合物のようなグラフトモノマーによるグラフト加工で、絹の機能特性を改変すること(例えば、塩縮繊維等)が知られている(例えば、特許文献1参照)。化学修飾加工でタンパク質繊維表面に撥水性機能を持たせたり(例えば、非特許文献1参照)、カチオン性染料により染色性を向上させたり(例えば、非特許文献2参照)する研究も知られている。グラフト加工モノマーの特性を効率よく活用すれば絹糸等の種々の機能が改善できる。例えば、界面活性剤、重合開始剤及びグラフトモノマーを含んだグラフト加工溶液に絹繊維を入れ、所定温度で加熱することによりグラフト加工が可能となる。本発明者らによる予備実験の結果、例えば、リン酸基を持つホスマー(Phosmer)(ユニケミカル株式会社の登録商標であり、以下、登録商標という文言は省略する)と呼ばれるモノマーで絹糸をグラフト加工することにより繊維内でホスマーが重合し、リン酸基が繊維内部に確実に導入できるので、耐久性に優れた防炎素材を製造できるものと期待できることが分かった。
羊毛はオルソコルテックス、パラコルテックス、スケールなどの成分を有し、絹糸とは全く異なる特徴を有する。毛織物は、羊やアンゴラ・アルパカ・ラクダの毛を連続繊維となるように紡績して製造した繊維を織った布である。羊毛は、短繊維を紡績したものであるため、繊維の体積の約60%もの多量の空気を含むので、冬の衣料材料として尊重されている。羊毛構成分子には、「窒素」含量が多く、それが原因で発火温度が高いため、着火しても羊毛製品の先が炭化するだけで、それ以上は燃え広がらないという優れた特徴を有する。
柞蚕は、ヤママユ蛾に属する野蚕(野生のカイコ)の一種であり、柞蚕は、櫟・樫などの葉を食べて育ち、体色だけでも黄色いものや青いものなど、様々な種類の柞蚕が飼育されている。その繭の生産量は、気象にも左右され、蚕は蚕病にかかり易い。柞蚕は、一粒の繭から採取できる糸の量が家蚕の半分以下である。柞蚕は、中国原産の野蚕であり、明治初年日本に輸入された。柞蚕絹糸は、野蚕絹糸がもつ独特の色艶を有する他に、ヤママユガ科のみに見られる多孔性を有する繭糸(生糸は緻密性繭糸)である。多孔性であるため、繊維の中に空気を取り込むことができ、保温・保湿性に優れている。紫外線やエックス線など波長の長い光線を反射吸収する機能がある。
コラーゲンは、絹糸と同様に、タンパク質から構成され、ヒトの皮膚、筋肉・内臓・骨・関節・髪等の組織に含まれている。コラーゲンは、タンパク質であるため、多数のアミノ酸が結合したものである。このようなコラーゲンとしては繊維状又は膜状のコラーゲンがあるが、この繊維状又は膜状のコラーゲンに対しても防炎機能を付与することが求められている。
(1)アシッド・ホスホキシ・メタアクリレートは以下の構造式を有する。
ホスマーでグラフト加工した繊維状試料(家蚕絹糸、柞蚕絹糸、羊毛繊維)の機械的特性(強度及び伸度)は、テンシロン万能材料試験機(株式会社オリエンテック製RTC125OA型)を用いて測定し、試料の引っ張り切断時の強度と切断するまでの伸度とを評価した。引っ張り速度を2mm/minとし、測定回数を5とした。また、膜状試料サイズは、試料長と試料幅が、それぞれ、2cm及び2mmであった。
金を蒸着させたグラフト加工した羽二重、柞蚕絹織物の表面を、島津株式会社製のSEM(走査型電子顕微鏡)により観察した。
機械的特性の測定は、上記したように、グラフト加工した繊維状試料を用いた。燃焼試験及び防炎評価の場合は、グラフト加工対象物として、(a)家蚕繊維素材に関しては、家蚕絹糸の羽二重(財団法人日本規格協会製、JIS L0803準拠)を使用した。この羽二重を構成する経糸及び緯糸の太さは、それぞれ2.3tex×3、2.3tex×4であり、経糸及び緯糸の密度は、264、 190本/cmであった。ここで2.3tex×3とは、2.3texという太さの絹繊維3本に対して撚りをかけた糸を使用した織物であることを意味する。この羽二重の重量は60g/m2であった。(b)柞蚕繊維素材に関しては、柞蚕絹糸から製造した柞蚕絹織物を用いた。(c)羊毛に関しては、毛織物(財団法人 日本規格協会、JIS L0803準拠)を試料として用いた。さらに、グラフト加工対象物として、絹フィブロイン膜及びコラーゲン膜を用いた実験も行った。
リン酸基を含むホスマーM、CL、PP、MH、PEH及びPPH(ユニケミカル株式会社製試薬)を用いた。
グラフト加工方法は次のようにして行った。 重合開始剤として作用する3%owfの過硫酸アンモニウム(APS)と2g/Lの非イオン界面活性剤(第一工業製薬製・ノイゲンHC)とを含むグラフト系に蟻酸水溶液を加えてpHを3.0に調整した。ホスマーM、CL、PP、MH、PEH及びPPHの濃度は120%owfとした。浴比は1:30に設定した。上記したようにして調整したグラフト系に前記繊維状試料及び織物試料を入れ、温度80℃で90分間、繊維状試料及び織物試料へのグラフト加工を行った。反応終了後、試料を取り出し、水洗いを行い、80℃で2g/Lの非イオン界面活性剤(第一工業製薬製・ノイゲンHC)で処理して、試料表面に付着した未反応試薬を除去し、最後に加工試料を室温で乾燥させた。繊維状試料及び織物試料にホスマーを用いてグラフト加工を行っても、グラフト加工条件が同じであれば、同一のグラフト加工率の試料が得られた。また、絹フィブロイン膜及びコラーゲン膜へのグラフト加工も可能であった。
WG=(W2−W1)/W1 × 100(%)
グラフト加工した試料について、DSC装置(リガク社製、DSC8230型)を用い、示差走査熱量分析を行った。試料重量、昇温速度、及び測定温度は、それぞれ、2.4mg、15℃/min、及び室温〜360℃であった。窒素気流中で測定した。
グラフト加工した羽二重(財団法人日本規格協会製、JIS L0803準拠)の燃焼性能について、JIS規格(L1091:1999)のA−1法(45°ミクロバーナー法)により、着炎3秒後の燃焼面積及び残炎時間等を評価した。なお、燃焼試験で使用する評価用語は下記の通りである。
加熱時間(A):バーナーの火が布(試料)に燃え移るまでの時間(sec)
残炎時間(B):布(試料)に燃え移った火が消えるまでの時間 (sec)
炭化距離(C):炭化したところの最大距離(mm)
炭化面積(D):炭化した面積(cm2)
グラフト加工した羽二重(財団法人日本規格協会製、JIS L0803準拠)(幅5mm、長さ10cm)の一端をピンセットで固定し、垂直に吊り下げる。吊り下げた下端3cm部分にライターの炎を近づけ試料片を燃やし、着火直後、ライターの炎を消す。試料布に炎が点火した後、自然に炎が消えるまでに燃えた距離を計測した。必要に応じて、燃え残りの試料の写真を撮影することで防炎加工の機能変化を評価した。試料としては、上記家蚕絹糸の羽二重の他に、柞蚕絹織物及び毛織物を用いた。
各種ホスマーを用い、ホスマー濃度100%owf及び200%owfの場合について、家蚕絹糸、羊毛又は柞蚕絹糸へのグラフト加工を行った。家蚕絹糸、羊毛及び柞蚕絹糸のグラフト加工率とホスマー濃度との関係を表2に示す。このグラフト加工条件は、APS2.5%owf、 浴比1:30、 加工温度85℃、加工時間90分であった。
ホスマー M及びCLをそれぞれ用い、ホスマー濃度を100%owfに設定して家蚕絹糸へのグラフト加工を行った。このグラフト加工条件は、APS2.5%、 浴比1:30、 加工温度85℃、加工時間90分であった。上記のようにして得られたグラフト加工絹糸の機械的特性を調べるため強度及び伸度測定を行い、その結果を図1に示す。比較のために、未加工の家蚕絹糸についても強度及び伸度を測定した。図1中の曲線aは未加工家蚕絹糸の場合、曲線bはホスマーMを用いてグラフト加工した家蚕絹糸の場合、そして曲線cはホスマーCLを用いてグラフト加工した家蚕絹糸の場合を示す。
実施例2の場合と同様の条件で、ホスマーMを用いてグラフト加工した家蚕絹糸、及びホスマーCLを用いてグラフト加工した家蚕絹糸と共に、未加工家蚕絹糸についてのDSC測定を行った。得られたDSC曲線を図2に示す。図2において、曲線aは未加工家蚕絹糸の場合、曲線bはホスマーMを用いてグラフト加工した家蚕絹糸の場合(加工率14.1%、)、そして曲線cはホスマーCLを用いてグラフト加工した場合(加工率21.1%)のDSC曲線を示す。
実施例2の場合と同様の条件で、ホスマーM及びCLをそれぞれ用いてグラフト加工した家蚕絹糸の表面をSEMで観察した。図3(a)に未加工家蚕絹糸のSEM像、また、図3(b)にホフマーCLでグラフト加工した家蚕絹糸(グラフト加工率:14.1%)のSEM像を示す。
重合開始剤(APS)濃度を0、1、2、4、及び6%owfに設定し、ホスマーM及びCLをそれぞれ用いて家蚕絹糸にグラフト加工を行った。グラフト加工した家蚕絹糸の強度(N)と伸度(%)とを測定し、得られた結果を表3に示す。このグラフト加工条件は、ホスマー濃度120%owf、APS2.5%、 浴比1:30、 加工温度85℃、加工時間90分であった。
重合開始剤(APS)濃度を1、2、4、及び6%owfにそれぞれ設定し、ホスマーM及びCLをそれぞれ用いて家蚕絹糸にグラフト加工を行った。家蚕絹糸の加工率と重合開始剤との関係を表4に示す。このグラフト加工条件は、ホスマー濃度 120%owf、浴比1:30、加工温度85℃、加工時間90分であった。
グラフト時間を0、30、及び90分にそれぞれ設定し、ホスマーM及びCLをそれぞれ用いて家蚕絹糸にグラフト加工を行った。グラフト加工した家蚕絹糸のグラフト加工率とグラフト時間との関係を表5に示す。このグラフト加工条件は、ホスマー濃度120%owf、APS2.5%owf、浴比1:30、加工温度85℃であった。
ホスマーM及びCLをそれぞれ用い、ホスマー濃度を50%owf、100%owf、及び200%にそれぞれ設定し、家蚕絹糸へのグラフト加工を行った。家蚕絹糸のグラフト加工率とホスマー濃度との関係を表6に示す。このグラフト加工条件は、APS3%owf、浴比1:30、 加工温度85℃、加工時間90分であった。
実施例4と同じグラフト加工条件でホスマーM及びCLのそれぞれでグラフト加工した柞蚕絹糸の表面形態をSEM観察した。実施例4の場合と同様に、これら試料の表面にはグラフトモノマーの重合物に基づく付着物や析出物は認められず、加工絹糸の表面は平滑であった。加工後も絹糸表面の形態には変化が認められなかった。
柞蚕絹糸にホスマーM及びCLのそれぞれを用いてグラフト加工を行った。ホスマー濃度を50、100、150、200%owfに設定し、柞蚕絹糸へのグラフト加工を行った。柞蚕絹糸のグラフト加工率とホスマー濃度との関係を表7に示す。重合開始剤のAPS濃度は2.5%owf、浴比は1:30の条件下でグラフト加工した。 加工溶液の温度を、室温から85℃まで40分で昇温し、85℃で90分保温加熱することでグラフト加工を実施した。
ホスマーM及びCLをそれぞれ用い、重合開始剤(APS)濃度を0、1、2、4、及び6%owfにそれぞれ設定し、柞蚕絹糸にグラフト加工を行った。柞蚕絹糸の加工率と重合開始剤との関係を表8に示す。このグラフト加工条件は、ホスマー濃度120%owf、浴比1:30、加工温度85℃、加工時間90分であった。
実施例11記載の方法でホスマーM及びCLのそれぞれを用いて柞蚕絹糸にグラフト加工を行った。このグラフト加工条件は、ホスマー濃度120%owf、浴比1:30、加工温度85℃であった。グラフト加工時間を20及び50分とした。その結果、グラフト時間が20分の場合、ホフマーM及びCLによるグラフト加工率は、それぞれ、14%及び16%となった。また、グラフト時間が50分の場合、ホフマーM及びCLによるグラフト加工率は、それぞれ、17.3%及び19%となった。未加工柞蚕絹糸、ホスマーMでグラフト加工した柞蚕絹糸、及びホスマーCLでグラフト加工した柞蚕絹糸の強度・伸度測定を行った。得られた結果を表9に示す。
ホスマーM及びCLをそれぞれ用い、ホスマー濃度を50、100、150、及び200%owfにそれぞれ設定し、羊毛繊維へのグラフト加工を行った。羊毛繊維のグラフト加工率とホスマー濃度との関係を表10に示す。このグラフト加工条件は、APS2.5%owf、浴比1:30、加工温度85℃、加工時間90分であった。
ホスマーPP、M、及びCLでそれぞれグラフト加工した羊毛繊維の強度(gf)と伸度(%)の測定を行った。グラフト加工条件は実施例13に準じた。得られた結果を表11に示す。
グラフト加工時間を0、30、及び90分にそれぞれ設定し、ホスマーM及びCLをそれぞれ用い羊毛繊維にグラフト加工を行った。羊毛繊維のグラフト加工率とグラフト加工時間との関係を表12に示す。このグラフト加工条件は、ホスマー濃度120%owf、APS2.5%、浴比1:30、加工温度85℃、加工時間90分であった。
ホスマーM、CL、PP、PE、PEH、PPH、及びMHをそれぞれ使用し、羊毛繊維のグラフト加工率に及ぼす界面活性剤の種類の違いとホスマー濃度の差との影響を調べた。このグラフト加工条件は、APS2.5%owf、浴比1:30、加工温度85℃、加工時間90分であった。得られた結果を表13に示す。
CL>PP>M>MH=PE>PPH≒PEH
重合開始剤(APS)濃度を1、2、4、及び6%owfにそれぞれ設定し、ホスマーM及びCLをそれぞれ用いて羊毛繊維にグラフト加工を行った。グラフト加工した羊毛繊維のグラフト加工率と重合開始剤濃度との関係を表14に示す。このグラフト加工条件は、ホスマー濃度200%owf、浴比1:30、加工温度85℃、加工時間90分であった。
ホスマーPP、M、及びCLをそれぞれ用い、その濃度を10%owfとし、APS3%、浴比1:30、 加工温度85℃、加工時間90分の条件下で羊毛繊維へのグラフト加工を行った。得られたグラフト加工した羊毛繊維の強度と伸度測定を行った。その結果を表15に示す。
家蚕絹糸を公知の方法で溶解し、透析して得られた家蚕絹フィブロイン水溶液を乾燥固化させて家蚕絹フィブロイン膜を製造した。この家蚕絹フィブロイン膜に対し、上記実施例と同様の方法でホスマーM及びCLをそれぞれ用いてグラフト加工し、加工率6.5%のグラフト加工した家蚕絹フィブロイン膜を製造した。ホスマーM及びCLによるグラフト加工条件は、ホスマー濃度200%owf、APS2.0%owf、 浴比1:30、加工温度85℃、加工時間90分であった。
本実施例では、羽二重(財団法人 日本規格協会製、JISL0803準拠)にホスマーPE、PEH、PP、MH、CL、及びMをそれぞれ用いてグラフト加工した素材に対して、JIS規格に基づいて防炎機能の評価を行った。得られた結果を表16に集約して示す。
残炎時間(B):布に燃え移った火が消えるまでの時間 (sec)
炭化距離(C):炭化したところの最大距離(mm)
炭化面積(D):炭化した面積(cm2)
(a)試料No.1〜10の加熱時間は、何れも試料No.0(対照区)の加熱時間と比較して大きな値を示しており、グラフト加工した場合は、対照区の場合よりも、いったん着火した炎が燃え移り難いことが確かめられた。この意味でいずれのホスマー(PE、PEH、PP、MH、CL、及びM)の場合も、羽二重に加工することで羽二重には防炎機能が付与できたものといえる。
No.8(CL:21.0%)>No.5(MH:9.1%)>No.7(CL:12.2%)>No.10(M:14.1%)
(a)試料No.8の場合は、残炎時間が0秒であり、着火した炎が羽二重に燃え移ることは無く、防炎の効果が認められた。試料No.10の試料も対照区に比べて僅かであるが防炎効果が確認できた。その他の試料は、燃え移り難い反面、火が消えるまでに時間がかかるため消え難いことが分かった。対照区は3秒程度で消火することから、羽二重は点火すると燃え移り易いが、消火もし易いという性質のあることが確認された。
炭化距離と炭化面積は、残炎時間と相関を有する傾向がある。試料No.8及び10の炭化距離及び炭化面積は対照区No.0の場合よりも小さい値を示している。燃え残りの試料を観察すると、試料No.8及び10では、炭化した羽二重の形は楕円形を示し、いったん着火した炎が燃え広がる様子がなく、自己消火性が見られた。
ホスマーM及びCLをそれぞれ用いてグラフト加工した羽二重、柞蚕絹織物、及び毛織物に対して上記した簡易防炎評価法による防炎評価を行った。防炎評価は、上記したように、試料に炎が点火した後に自然に炎が消えるまでに燃えた距離を燃焼評価値(cm)として計測して行った。得られた結果を表17に示す。
家蚕絹フィブロイン繊維を55℃の9M LiBr水溶液で完全に溶解した後、セルロース透析膜に入れて水道水で4日間透析し、絹フィブロイン水溶液を製造した。この絹フィブロイン水溶液を送風乾燥して濃度1.3%の絹フィブロイン水溶液とし、この水溶液をポリエチレン膜の上に拡げて蒸発乾固させ、厚さ70μmの絹フィブロイン膜を製造した。続いて、この絹フィブロイン膜を不溶化させるため、50v/v%のメタノール水溶液に1時間浸漬処理し、メタノール水溶液から取り出した後、絹フィブロイン膜を室温で軽く乾燥させた。
Claims (4)
- 家蚕及び野蚕由来の絹タンパク質繊維、羊毛繊維、ケラチン繊維、並びにコラーゲン繊維から選ばれた少なくとも1種の動物タンパク質繊維、又はその繊維製品を、リン酸基を含むメタアクリル酸誘導体である以下の構造式を有する3−クロロ−2−アシッド・ホスホキシ・プロピルメタクリレート:
- 家蚕及び野蚕由来の絹タンパク質膜、並びにコラーゲン膜から選ばれた少なくとも1種の膜を、リン酸基を含むメタアクリル酸誘導体である以下の構造式を有する3−クロロ−2−アシッド・ホスホキシ・プロピルメタクリレート:
- 家蚕及び野蚕由来の絹タンパク質繊維、羊毛繊維、ケラチン繊維、並びにコラーゲン繊維から選ばれた少なくとも1種の動物タンパク質繊維、又はその繊維製品に対して、リン酸基を含むメタアクリル酸誘導体である以下の構造式を有する3−クロロ−2−アシッド・ホスホキシ・プロピルメタクリレート:
- 家蚕及び野蚕由来の絹タンパク質膜、並びにコラーゲン膜から選ばれた少なくとも1種の膜に対して、リン酸基を含むメタアクリル酸誘導体である以下の構造式を有する3−クロロ−2−アシッド・ホスホキシ・プロピルメタクリレート:
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