<第1の実施形態>
以下、遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下、「パチンコ機」という)の第1の実施形態を、図面に基づいて説明する。図1はパチンコ機10の正面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、当該パチンコ機10の外殻を形成する外枠11と、この外枠11に対して前方に回動可能に取り付けられた遊技機本体12とを有する。遊技機本体12は、内枠(図示略)と、その内枠の前方に配置される前扉枠14と、内枠の後方に配置される裏パックユニット(図示略)とを備えている。
遊技機本体12のうち内枠が、左右両側部のうち一方を支持側として外枠11に回動可能に支持されている。また、内枠には、前扉枠14が回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として前方へ回動可能とされている。また、内枠には、裏パックユニットが回動可能に支持されており、左右両側部のうち一方を支持側として後方へ回動可能とされている。
なお、遊技機本体12には、その回動先端部に施錠装置(図示略)が設けられており、遊技機本体12を外枠11に対して開放不能に施錠状態とする機能を有しているとともに、前扉枠14を内枠に対して開放不能に施錠状態とする機能を有している。これらの各施錠状態は、パチンコ機10前面にて露出させて設けられたシリンダ錠17に対して解錠キーを用いて解錠操作を行うことにより、それぞれ解除される。
内枠には遊技盤20が搭載されている。ここで、遊技盤20の構成を図2に基づいて説明する。図2は、遊技盤20の正面図である。
遊技盤20には、ルータ加工が施されることによって前後方向に貫通する大小複数の開口部が形成されている。各開口部には一般入賞口21,可変入賞装置22,上作動口(第1始動入球部)23,下作動口(第2始動入球部)24,スルーゲート25、可変表示ユニット26、メイン表示部33及び役物用表示部34等がそれぞれ設けられている。
一般入賞口21、可変入賞装置22、上作動口23及び下作動口24への入球が発生すると、それが遊技盤20の背面側に配設された検知センサ(図示略)により検知され、その検知結果に基づいて所定数の賞球の払い出しが実行される。
その他に、遊技盤20の最下部にはアウト口27が設けられており、各種入賞口等に入らなかった遊技球はアウト口27を通って遊技領域から排出される。また、遊技盤20には、遊技球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘28が植設されていると共に、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
ここで、入球とは、所定の開口部を遊技球が通過することを意味し、開口部を通過した後に遊技領域から排出される態様だけでなく、開口部を通過した後に遊技領域から排出されない態様も含まれる。但し、以下の説明では、アウト口27への遊技球の入球と明確に区別するために、可変入賞装置22、上作動口23、下作動口24又はスルーゲート25への遊技球の入球を、入賞とも表現する。
上作動口23及び下作動口24は、作動口装置としてユニット化されて遊技盤20に設置されている。上作動口23及び下作動口24は共に上向きに開放されている。また、上作動口23が上方となるようにして両作動口23,24は鉛直方向に並んでいる。下作動口24には、左右一対の可動片よりなるガイド片(サポート片)としての電動役物24aが設けられている。電動役物24aの閉鎖状態(非サポート状態又は非ガイド状態)では遊技球が下作動口24に入賞できず、電動役物24aが開放状態(サポート状態又はガイド状態)となることで下作動口24への入賞が可能となる。
可変入賞装置22は、遊技盤20の背面側へと通じる大入賞口22aを備えているとともに、当該大入賞口22aを開閉する開閉扉22bを備えている。開閉扉22bは、通常は遊技球が入賞できない又は入賞し難い閉鎖状態になっており、内部抽選において開閉実行モード(開閉実行状態)への移行に当選した場合に遊技球が入賞しやすい所定の開放状態に切り換えられるようになっている。ここで、開閉実行モードとは、大当たり当選となった場合に移行することとなるモードである。当該開閉実行モードについては、後に詳細に説明する。可変入賞装置22の開放態様としては、所定時間(例えば30sec)の経過又は所定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンドとして、複数ラウンド(例えば15ラウンド)を上限として可変入賞装置22が繰り返し開放される態様がある。
メイン表示部33では、上作動口23又は下作動口24への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。つまり、本パチンコ機10では、上作動口23への入賞と下作動口24への入賞とが内部抽選において区別されておらず、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が共通の表示領域であるメイン表示部33にて明示される。そして、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づく内部抽選の結果が開閉実行モードへの移行に対応した当選結果であった場合には、メイン表示部33にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、開閉実行モードへ移行する。
なお、メイン表示部33は、複数のセグメント発光部が所定の態様で配列されてなるセグメント表示器により構成されているが、これに限定されることはなく、液晶表示装置、有機EL表示装置、CRT又はドットマトリックス表示器等その他のタイプの表示装置によって構成されていてもよい。また、メイン表示部33にて変動表示される絵柄としては、複数種の文字が変動表示される構成、複数種の記号が変動表示される構成、複数種のキャラクタが変動表示される構成又は複数種の色が切り換え表示される構成などが考えられる。
役物用表示部34では、スルーゲート25への入賞をトリガとして絵柄の変動表示が行われ、その変動表示の停止結果として、スルーゲート25への入賞に基づいて行われた内部抽選の結果が表示によって明示される。スルーゲート25への入賞に基づく内部抽選の結果が電役開放状態への移行に対応した当選結果であった場合には、役物用表示部34にて所定の停止結果が表示されて変動表示が停止された後に、電役開放状態へ移行する。電役開放状態では、下作動口24に設けられた電動役物24aが所定の態様で開放状態となる。
可変表示ユニット26には、絵柄の一種である図柄を変動表示(又は、可変表示若しくは切換表示)する図柄表示装置31が設けられているとともに、図柄表示装置31を囲むようにしてセンターフレーム32が配設されている。図柄表示装置31は、液晶ディスプレイを備えた液晶表示装置として構成されており、後述する表示制御装置により表示内容が制御される。なお、図柄表示装置31は、液晶表示装置であることに限定されることはなく、プラズマディスプレイ装置、有機EL表示装置又はCRTといった表示画面を有する他の表示装置であってもよく、ドットマトリクス表示器であってもよい。
図柄表示装置31には、例えば上、中及び下に並べて図柄が表示され、これらの図柄が左右方向にスクロールされるようにして変動表示されるようになっている。この場合、図柄表示装置31における変動表示は、上作動口23又は下作動口24への入賞に基づいて開始される。すなわち、メイン表示部33において変動表示が行われる場合には、それに合わせて図柄表示装置31において変動表示が行われる。そして、例えば、開閉実行モードとして可変入賞装置22の大入賞口22aの開放が15回行われることとなる15ラウンド対応の開閉実行モードに移行する遊技回には、図柄表示装置31では予め設定されている有効ライン上に所定の組み合わせの図柄が停止表示される。
ちなみに、いずれかの作動口23,24への入賞に基づいて、メイン表示部33及び図柄表示装置31にて変動表示が開始され、内部抽選(後述する当否判定処理)の結果に対応した停止結果を表示し上記変動表示が最終停止されて当該変動表示が終了されるまでが遊技回の1回に相当する。
センターフレーム32の前面側における左上部分には、メイン表示部33及び図柄表示装置31に対応した第1保留ランプ部35が設けられている。遊技球が上作動口23又は下作動口24に入賞した個数は最大4個まで保留され、第1保留ランプ部35の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。
センターフレーム32の右上部分には、役物用表示部34に対応した第2保留ランプ部36が設けられている。遊技球がスルーゲート25を通過した回数は最大4回まで保留され、第2保留ランプ部36の点灯によってその保留個数が表示されるようになっている。なお、各保留ランプ部35,36の機能が図柄表示装置31の一部の領域における表示により果たされる構成としてもよい。
遊技盤20には、内レール部41と外レール部42とが取り付けられており、これら内レール部41と外レール部42とにより誘導レールが構成され、内枠において遊技盤20の下方に搭載された遊技球発射機構(図示略)から発射された遊技球が遊技領域の上部に案内されるようになっている。遊技球発射機構は、前扉枠14に設けられた発射ハンドル51が操作されることにより遊技球の発射動作が行われる。
内枠の前面側全体を覆うようにして前扉枠14が設けられている。前扉枠14には、図1に示すように、遊技領域のほぼ全域を前方から視認することができるようにした窓部52が形成されている。窓部52は、略楕円形状をなし、窓パネル53が嵌め込まれている。窓パネル53は、ガラスによって無色透明に形成されているが、これに限定されることはなく合成樹脂によって無色透明に形成されていてもよい。ちなみに、図柄表示装置31の表示画面及びメイン表示部33などは、パチンコ機10前方から窓パネル53を介して視認可能となっている。
窓部52の周囲には、各種ランプ部等の発光手段が設けられている。当該各種ランプ部の一部として表示ランプ部54が窓部52の上方に設けられている。また、表示ランプ部54の左右両側には、遊技状況に応じた効果音などが出力されるスピーカ部55が設けられている。
前扉枠14における窓部52の下方には、手前側へ膨出した上側膨出部56と下側膨出部57とが上下に並設されている。上側膨出部56内側には上方に開口した上皿56aが設けられており、下側膨出部57内側には同じく上方に開口した下皿57aが設けられている。上皿56aは、後述する払出装置より払い出された遊技球を一旦貯留し、一列に整列させながら遊技球発射機構側へ導くための機能を有する。また、下皿57aは、上皿56a内にて余剰となった遊技球を貯留する機能を有する。上皿56a及び下皿57aには、裏パックユニットに搭載された払出装置から払い出された遊技球が排出される。
内枠の背面側には、主制御装置と、音声ランプ制御装置と、表示制御装置とが搭載されている。また、内枠の背面に対しては既に説明したとおり裏パックユニットが設けられており、当該裏パックユニットには、払出装置を含む払出機構部と、払出制御装置と、電源及び発射制御装置とが搭載されている。以下、パチンコ機10の電気的な構成について説明する。
<パチンコ機10の基本的な電気的構成>
図3は、パチンコ機10の基本的な電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置60は、遊技の主たる制御を司る主制御基板61と、電源を監視する停電監視基板65と、を具備している。なお、主制御装置60において主制御基板61などを収容する基板ボックスに対して、その開放の痕跡を残すための痕跡手段を付与する又はその開放の痕跡を残すための痕跡構造を設けておくようにしてもよい。当該痕跡手段としては、基板ボックスを構成する複数のケース体を分離不能に結合するとともにその分離に際して所定部位の破壊を要する結合部(カシメ部)の構成や、引き剥がしにして粘着層が接着対象に残ることで剥がされたことの痕跡を残す封印シールを複数のケース体間の境界を跨ぐようにして貼り付ける構成が考えられる。また、痕跡構造としては、基板ボックスを構成する複数のケース体間の境界に対して接着剤を塗布する構成が考えられる。
主制御基板61には、MPU62が搭載されている。MPU62には、当該MPU62により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM63と、そのROM63内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM64と、割込回路、タイマ回路、データ入出力回路、乱数発生器としての各種カウンタ回路などが内蔵されている。
MPU62には、入力ポート及び出力ポートがそれぞれ設けられている。MPU62の入力側には、主制御装置60に設けられた停電監視基板65及び払出制御装置70が接続されている。この場合に、停電監視基板65には動作電力を供給する機能を有する電源及び発射制御装置80が接続されており、MPU62には停電監視基板65を介して電力が供給される。
また、MPU62の入力側には、各種入賞検知センサ67a〜67eといった各種センサが接続されている。各種入賞検知センサ67a〜67eには、一般入賞口21、可変入賞装置22、上作動口23、下作動口24及びスルーゲート25といった入賞対応入球部に対して1対1で設けられた検知センサが含まれており、MPU62において各入球部への入賞判定(入球判定)が行われる。また、MPU62では上作動口23及び下作動口24への入賞に基づいて大当たり発生抽選及び大当たり結果種別抽選が実行されるとともに、各遊技回のリーチ発生抽選や表示継続期間の決定抽選が実行される。
ここで、MPU62にて各種抽選を行うための電気的な構成について図4を用いて説明する。
MPU62は遊技に際し各種カウンタ情報を用いて、大当たり発生抽選、メイン表示部33の表示の設定、図柄表示装置31の図柄表示の設定、役物用表示部34の表示の設定などを行うこととしており、具体的には、図4に示すように、大当たり発生の抽選に使用する大当たり乱数カウンタC1と、確変大当たり結果や通常大当たり結果の大当たり種別を判定する際に使用する大当たり種別カウンタC2と、図柄表示装置31が外れ変動する際のリーチ発生抽選に使用するリーチ乱数カウンタC3と、大当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する乱数初期値カウンタCINIと、メイン表示部33及び図柄表示装置31における表示継続期間を決定する変動種別カウンタCSとを用いることとしている。さらに、下作動口24の電動役物24aを電役開放状態とするか否かの抽選に使用する電動役物開放カウンタC4を用いることとしている。なお、上記各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、RAM64の各種カウンタエリア64bに設けられている。
各カウンタC1〜C3,CINI,CS,C4は、その更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。各カウンタは短時間間隔で更新され、その更新値がRAM64の所定領域に設定された抽選カウンタ用バッファに適宜格納される。このうち抽選カウンタ用バッファにおいて、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3に対応した情報は、上作動口23又は下作動口24への入賞が発生した場合に、取得情報記憶手段として設けられた保留球格納エリア64aに格納される。
保留球格納エリア64aは、保留用エリアREと、実行エリアAEとを備えている。保留用エリアREは、第1保留エリアRE1、第2保留エリアRE2、第3保留エリアRE3及び第4保留エリアRE4を備えており、上作動口23又は下作動口24への入賞履歴に合わせて、抽選カウンタ用バッファに格納されている大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報の組み合わせが保留情報として、いずれかの保留エリアRE1〜RE4に格納される。
この場合、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4には、上作動口23又は下作動口24への入賞が複数回連続して発生した場合に、第1保留エリアRE1→第2保留エリアRE2→第3保留エリアRE3→第4保留エリアRE4の順に各数値情報が時系列的に格納されていく。このように4つの保留エリアRE1〜RE4が設けられていることにより、上作動口23又は下作動口24への遊技球の入賞履歴が最大4個まで保留記憶されるようになっている。また、保留用エリアREは、保留数記憶エリアNAを備えており、当該保留数記憶エリアNAには上作動口23又は下作動口24への入賞履歴を保留記憶している数を特定するための情報が格納される。
なお、保留記憶可能な数は、4個に限定されることはなく任意であり、2個、3個又は5個以上といったように他の複数であってもよく、単数であってもよい。
実行エリアAEは、メイン表示部33の変動表示を開始する際に、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納された各数値情報を移動させるためのエリアであり、1遊技回の開始に際しては実行エリアAEに記憶されている各種数値情報に基づいて、当否判定などが行われる。
上記各カウンタについて詳細に説明する。
各カウンタについて詳しくは、大当たり乱数カウンタC1は、例えば0〜599の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。特に大当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の乱数初期値カウンタCINIの値が当該大当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。なお、乱数初期値カウンタCINIは、大当たり乱数カウンタC1と同様のループカウンタである(値=0〜599)。
大当たり当選となる乱数の値は、ROM63における当否情報群記憶手段としての当否テーブル記憶エリア63aに当否テーブル(当否情報群)として記憶されている。当否テーブルとしては、低確率モード用の当否テーブル(低確率用当否情報群)と、高確率モード用の当否テーブル(高確率用当否情報群)とが設定されている。つまり、本パチンコ機10は、当否抽選手段における抽選モードとして、低確率モード(低確率状態)と高確率モード(高確率状態)とが設定されている。
上記抽選に際して低確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は2個である。一方、上記抽選に際して高確率モード用の当否テーブルが参照されることとなる遊技状態下では、大当たり当選となる乱数の数は20個である。なお、低確率モードよりも高確率モードの方の当選確率が高くなるのであれば、上記当選となる乱数の数は任意である。
大当たり種別カウンタC2は、0〜29の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本パチンコ機10では、(1)開閉実行モード終了後の当否抽選手段における当否抽選モード、(2)開閉実行モード終了後の下作動口24の電動役物24aにおけるサポートモード、という2つの条件に差異を設けることにより、複数の大当たり結果が設定されている。当否抽選モードとしては、上述したとおり低確率モードと高確率モードとが設定されている。
サポートモードとしては、遊技領域に対して同様の態様で遊技球の発射が継続されている状況で比較した場合に、下作動口24の電動役物24aが単位時間当たりに開放状態となる頻度が相対的に高低となるように、低頻度サポートモード(低頻度サポート状態又は低頻度ガイド状態)と高頻度サポートモード(高頻度サポート状態又は高頻度ガイド状態)とが設定されている。
具体的には、低頻度サポートモードと高頻度サポートモードとでは、電動役物開放カウンタC4を用いた電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率は同一(例えば、共に4/5)となっているが、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、電役開放状態当選となった際に電動役物24aが開放状態となる回数が多く設定されており、さらに1回の開放時間が長く設定されている。この場合、高頻度サポートモードにおいて電役開放状態当選となり電動役物24aの開放状態が複数回発生する場合において、1回の開放状態が終了してから次の開放状態が開始されるまでの閉鎖時間は、1回の開放時間よりも短く設定されている。さらにまた、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間として短い時間が選択されるように設定されている。
上記のように高頻度サポートモードでは、低頻度サポートモードよりも下作動口24への入賞が発生する確率が高くなる。換言すれば、低頻度サポートモードでは、下作動口24よりも上作動口23への入賞が発生する確率が高くなるが、高頻度サポートモードでは、上作動口23よりも下作動口24への入賞が発生する確率が高くなる。そして、下作動口24への入賞が発生した場合には、所定個数の遊技球の払出が実行されるため、高頻度サポートモードでは、遊技者は持ち球をあまり減らさないようにしながら遊技を行うことができる。
なお、高頻度サポートモードを低頻度サポートモードよりも単位時間当たりに電役開放状態となる頻度を高くする上での構成は、上記のものに限定されることはなく、例えば電動役物開放抽選における電役開放状態当選となる確率を高くする構成としてもよい。また、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間(例えば、スルーゲート25への入賞に基づき役物用表示部34にて実行される変動表示の時間)が複数種類用意されている構成においては、高頻度サポートモードでは低頻度サポートモードよりも、短い確保時間が選択され易い又は平均の確保時間が短くなるように設定されていてもよい。さらには、開放回数を多くする、開放時間を長くする、1回の電動役物開放抽選が行われてから次の電動役物開放抽選が行われる上で確保される確保時間を短くする(すなわち、役物用表示部34における1回の表示継続期間を短くする)、係る確保時間の平均時間を短くする及び当選確率を高くするのうち、いずれか1条件又は任意の組み合わせの条件を適用することで、低頻度サポートモードに対する高頻度サポートモードの有利性を高めてもよい。
大当たり種別カウンタC2に対する遊技結果の振分先は、ROM63における振分情報群記憶手段としての振分テーブル記憶エリア63bに振分テーブル(振分情報群)として記憶されている。そして、かかる振分先として、通常大当たり結果(低確率対応特別遊技結果)と、確変大当たり結果(高確率対応特別遊技結果)とが設定されている。
通常大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが低確率モードとなるとともに、サポートモードが移行後において遊技回数が終了基準回数(具体的には、100回)となるまで高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。なお、終了基準回数が経過した後に、低頻度サポートモードに移行する。
確変大当たり結果は、開閉実行モードの終了後に、当否抽選モードが高確率モードとなるとともに、サポートモードが高頻度サポートモードとなる大当たり結果である。当該高頻度サポートモードは、当否抽選における抽選結果が大当たり状態当選となり、それによる大当たり状態に移行するまで継続する。
振分テーブルにおいて、「0〜9」が通常大当たり結果に対応しており、「10〜29」が確変大当たり結果に対応しているが、この数値の振分は任意である。また、大当たり結果の振分先は、上記の2種類に限定されることはなく、例えば、開閉実行モードにおいて遊技球の獲得期待値が高低となるように複数のモードを設定し、当該開閉実行モードの移行先のモードに差異を設けることで大当たり結果の種別を上記の2種類よりも増やす構成としてもよい。
リーチ乱数カウンタC3は、例えば0〜238の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。ここで、本パチンコ機10には、図柄表示装置31における表示演出の一種として期待演出が設定されている。期待演出とは、図柄(絵柄)の変動表示(又は可変表示)を行うことが可能な図柄表示装置31を備え、可変入賞装置22の開閉実行モードが高頻度入賞モードとなる遊技回では変動表示後の停止結果が付与対応結果となる遊技機において、図柄表示装置31における図柄(絵柄)の変動表示が開始されてから停止結果が導出表示される前段階で、前記付与対応結果となり易い変動表示状態であると遊技者に思わせるための表示状態をいう。
期待演出には、リーチ表示と、当該リーチ表示が発生する前段階などにおいてリーチ表示の発生や付与対応結果の発生を期待させるための予告表示との2種類が設定されている。
リーチ表示には、図柄表示装置31の表示画面に表示される複数の図柄列のうち一部の図柄列について図柄を停止表示させることで、リーチ図柄の組み合わせを表示し、その状態で残りの図柄列において図柄の変動表示を行う表示状態が含まれる。また、上記のようにリーチ図柄の組み合わせを表示した状態で、残りの図柄列において図柄の変動表示を行うとともに、その背景画面において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものや、リーチ図柄の組み合わせを縮小表示させる又は非表示とした上で、表示画面の略全体において所定のキャラクタなどを動画として表示することによりリーチ演出を行うものが含まれる。
予告表示には、図柄表示装置31の表示画面において図柄の変動表示が開始されてから、全ての図柄列Z1〜Z3にて図柄が変動表示されている状況において、又は一部の図柄列であって複数の図柄列にて図柄が変動表示されている状況において、図柄列Z1〜Z3上の図柄とは別にキャラクタを表示させる態様が含まれる。また、背景画面をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものや、図柄列Z1〜Z3上の図柄をそれまでの態様とは異なる所定の態様とするものも含まれる。かかる予告表示は、リーチ表示が行われる場合及びリーチ表示が行われない場合のいずれの遊技回においても発生し得るが、リーチ表示の行われる場合の方がリーチ表示の行われない場合よりも高確率で発生するように設定されている。
リーチ表示は、開閉実行モードに移行する遊技回では、リーチ乱数カウンタC3の値に関係なく実行される。また、開閉実行モードに移行しない遊技回では、ROM63のリーチ用テーブル記憶エリアに記憶されたリーチ用テーブルを参照して、所定のタイミングで取得したリーチ乱数カウンタC3がリーチ表示の発生に対応している場合に実行される。一方、予告表示を行うか否かの決定は、主制御装置60において行うのではなく、表示制御装置100において行われる。
変動種別カウンタCSは、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCSは、メイン表示部33における表示継続期間と、図柄表示装置31における図柄の表示継続期間とをMPU62において決定する上で用いられる。変動種別カウンタCSは、後述する通常処理が1回実行される毎に1回更新され、当該通常処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。そして、メイン表示部33における変動表示の開始時及び図柄表示装置31による図柄の変動開始時における変動パターン決定に際して変動種別カウンタCSのバッファ値が取得される。
電動役物開放カウンタC4は、例えば、0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値に達した後0に戻る構成となっている。電動役物開放カウンタC4は定期的に更新され、スルーゲート25に遊技球が入賞したタイミングでRAM64の電役保留エリアに格納される。そして、所定のタイミングにおいて、その格納された電動役物開放カウンタC4の値によって電動役物24aを開放状態に制御するか否かの抽選が行われる。
既に説明したように、MPU62では、少なくとも変動種別カウンタCSのバッファ値を用いて、メイン表示部33における表示継続期間が決定されるが、その決定に際してはROM63の主側時間テーブル記憶エリア63cが用いられる。
図3の説明に戻り、MPU62の出力側には、停電監視基板65、払出制御装置70及び音声ランプ制御装置90が接続されている。払出制御装置70には、例えば、上記入賞対応入球部への入賞判定結果に基づいて賞球コマンドが出力される。この場合、賞球コマンドの出力に際しては、ROM63のコマンド情報記憶エリア63dが参照される。
音声ランプ制御装置90には、変動用コマンド、種別コマンド及びオープニングコマンドなどの各種コマンドが出力される。この場合、これら各種コマンドの出力に際しては、ROM63のコマンド情報記憶エリア63dが参照される。これら各種コマンドの詳細については、後に説明する。ちなみに、音声ランプ制御装置90は、信号線の両端にコネクタが設けられたコネクタユニット(接続ユニット)を介して主制御装置60と電気的に接続されている。
また、MPU62の出力側には、可変入賞装置22の開閉扉22bを開閉動作させる可変入賞駆動部22c、下作動口24の電動役物24aを開閉動作させる電動役物駆動部24b、メイン表示部33及び役物用表示部34が接続されている。主制御基板61には各種ドライバ回路が設けられており、当該ドライバ回路を通じてMPU62は各種駆動部の駆動制御を実行する。
つまり、開閉実行モードにおいては大入賞口22aが開閉されるように、MPU62において可変入賞駆動部22cの駆動制御が実行される。また、電動役物24aの開放状態当選となった場合には、電動役物24aが開閉されるように、MPU62において電動役物駆動部24bの駆動制御が実行される。また、各遊技回に際しては、MPU62においてメイン表示部33の表示制御が実行される。また、電動役物24aを開放状態とするか否かの抽選結果を明示する場合に、MPU62において役物用表示部34の表示制御が実行される。
停電監視基板65は、主制御基板61と電源及び発射制御装置80とを中継し、また電源及び発射制御装置80から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視する。払出制御装置70は、主制御装置60から入力した賞球コマンドに基づいて、払出装置71により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。
電源及び発射制御装置80は、例えば、遊技場等における商用電源(外部電源)に接続されている。そして、その商用電源から供給される外部電力に基づいて主制御基板61や払出制御装置70等に対して各々に必要な動作電力を生成するとともに、その生成した動作電力を供給する。また、電源及び発射制御装置80は遊技球発射機構81の発射制御を担うものであり、遊技球発射機構81は所定の発射条件が整っている場合に駆動される。
音声ランプ制御装置90は、主制御装置60から変動用コマンド及び種別コマンドといった遊技回制御用コマンド(遊技回制御用指令情報)を受信する。また、オープニングコマンドといった遊技状態用コマンド(遊技状態用情報)を受信する。音声ランプ制御装置90は、これらコマンドを受信したことに基づき、前扉枠14に設けられた各種ランプ部35,36,54やスピーカ部55を駆動制御する。また、これらコマンドを、その情報形態をそのまま維持した状態で表示制御装置100に送信する。ちなみに、音声ランプ制御装置90は、信号線の両端にコネクタが設けられたコネクタユニット(接続ユニット)を介して表示制御装置100と電気的に接続されている。
表示制御装置100は、プログラムROM103及びワークRAM104が複合的にチップ化された素子であるMPU102と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とがそれぞれ搭載された表示制御基板101を備えている。なお、MPU102に対してプログラムROM103及びワークRAM104が1チップ化されていることは必須の構成ではなく、それぞれが個別にチップ化された構成としてもよい。
MPU102は、音声ランプ制御装置90を経由して主制御装置60から受信した各種コマンドを解析し又は受信した各種コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP105の制御(具体的にはVDP105に対する内部コマンドの生成)を実施する。
プログラムROM103は、MPU102により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するためのメモリである。換言すれば、プログラムROM103は、MPU102により各種制御が実行される場合に読み出し専用の目的で用いられるメモリである。また、プログラムROM103は、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を要さない不揮発性記憶手段である。上記固定値データの一部はプログラムROM103の各エリア111〜116に予め記憶されている。これら各エリア111〜116の詳細については、MPU102にて実行される処理を説明する際に合わせて説明する。
ワークRAM104は、MPU102による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグ等を一時的に記憶するためのメモリである。換言すれば、ワークRAM104は、MPU102により各種制御が実行される場合に書き込み用及び読み出し用の両方の目的で用いられるメモリである。また、ワークRAM104は、記憶している情報の保持に際して外部からの電力供給を要する揮発性記憶手段である。ワークデータやフラグ等はワークRAM104の各エリア121〜125に記憶される。これら各エリア121〜125の詳細については、MPU102にて実行される処理を説明する際に合わせて説明する。
VDP105は、図柄表示装置31に組み込まれた液晶表示部ドライバとしての画像処理デバイスを直接操作する一種の描画回路である。VDP105はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP105は、MPU102、ビデオRAM107等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM107に記憶させる画像データを、キャラクタROM106から所定のタイミングで読み出して図柄表示装置31に表示させる。
キャラクタROM106は、図柄表示装置31に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するための画像データライブラリとしての役割を担うものである。このキャラクタROM106には、各種の表示図柄のビットマップ形式画像データ、ビットマップ画像の各ドットでの表現色を決定する際に参照する色パレットテーブル等が保持されている。
なお、キャラクタROM106を複数設け、各キャラクタROM106に分担して画像データ等を記憶させておくことも可能である。
ビデオRAM107は、図柄表示装置31に表示させる表示データを記憶するためのメモリであり、ビデオRAM107の内容を書き替えることに基づき図柄表示装置31の表示内容が変更される。
ここで、図柄表示装置31の表示内容について図5及び図6に基づいて説明する。図5は図柄表示装置31にて変動表示される図柄を個々に示す図であり、図6は図柄表示装置31の表示画面Gを示す図である。
図5(a)〜(j)に示すように、絵柄の一種である図柄は、「1」〜「9」の数字が各々付された9種類の主図柄と、貝形状の絵図柄からなる副図柄とにより構成されている。より詳しくは、タコ等の9種類のキャラクタ図柄に「1」〜「9」の数字がそれぞれ付されて主図柄が構成されている。
図6(a)に示すように、図柄表示装置31の表示画面Gには、複数の表示領域として、上段・中段・下段の3つの図柄列Z1,Z2,Z3が設定されている。各図柄列Z1〜Z3は、主図柄と副図柄が所定の順序で配列されて構成されている。詳細には、上図柄列Z1には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の降順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。下図柄列Z3には、「1」〜「9」の9種類の主図柄が数字の昇順に配列されると共に、各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。
つまり、上図柄列Z1と下図柄列Z3は18個の図柄により構成されている。これに対し、中図柄列Z2には、数字の昇順に「1」〜「9」の9種類の主図柄が配列された上で「9」の主図柄と「1」の主図柄との間に「4」の主図柄が付加的に配列され、これら各主図柄の間に副図柄が1つずつ配されている。つまり、中図柄列Z2に限っては、10個の主図柄が配されて20個の図柄により構成されている。そして、表示画面Gでは、これら各図柄列Z1〜Z3の図柄が周期性をもって所定の向きにスクロールするように変動表示される。
図6(b)に示すように、表示画面Gには、図柄列Z1〜Z3毎に3個の図柄が表示されるように待機領域SA1〜SA9が設定されており、結果として3×3の計9個の図柄が同時に表示されるようになっている。ちなみに、各待機領域SA1〜SA9には、それぞれ停止位置が含まれており、図柄が最終停止表示される場合には各待機領域SA1〜SA9にて待機されている図柄が各停止位置にて停止表示される。
また、表示画面Gには、全表示領域に跨り且つ3個の待機領域SA1〜SA9を結ぶように5つの有効ライン、すなわち左ラインL1、中ラインL2、右ラインL3、右下がりラインL4、右上がりラインL5が設定されている。そして、上図柄列Z1→下図柄列Z3→中図柄列Z2の順に変動表示が停止し、いずれかの有効ラインに同一の数字が付された図柄の組み合わせが形成された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が終了すれば、通常大当たり結果又は確変大当たり結果の発生として大当たり動画が表示されるようになっている。
本パチンコ機10では、奇数番号(1,3,5,7,9)が付された主図柄は「特定図柄」に相当し、確変大当たり結果が発生する場合には、同一の特定図柄の組み合わせが停止表示される。また、偶数番号(2,4,6,8)が付された主図柄は「非特定図柄」に相当し、通常大当たり結果が発生する場合には、同一の非特定図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、図柄表示装置31における図柄の変動表示の態様は上記のものに限定されることはなく任意であり、図柄列の数、図柄列における図柄の変動表示の方向、各図柄列の図柄数などは適宜変更可能である。また、図柄表示装置31にて変動表示される絵柄は上記のような図柄に限定されることはなく、例えば絵柄として数字のみが変動表示される構成としてもよい。
<主制御装置60にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置60内のMPU62にて各遊技回での遊技を進行させる上で実行されるタイマ割込み処理及び通常処理を説明する。なお、MPU62では、タイマ割込み処理及び通常処理の他に、電源投入に伴い起動されるメイン処理及びNMI端子(ノンマスカブル端子)への停電信号の入力により起動されるNMI割込み処理とが実行されるが、これらの処理については説明を省略する。
<タイマ割込み処理>
先ず、タイマ割込み処理について、図7のフローチャートを参照しながら説明する。本処理はMPU62により定期的に(例えば2msec周期で)起動される。
ステップS101では、各種検知センサの読み込み処理を実行する。当該読み込み処理には、各種入賞検知センサ67a〜67eの状態を読み込むとともに、これら各種入賞検知センサ67a〜67eの状態を判定して入賞検知情報を保存する処理が含まれる。続くステップS102では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行する。
続くステップS103では、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4の更新を実行する。具体的には、大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2、リーチ乱数カウンタC3及び電動役物開放カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値に達した際それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS104ではスルーゲート25への入賞に伴うスルー用の入賞処理を実行する。スルー用の入賞処理では、スルーゲート25への入賞が発生していた場合には、電役保留エリアに記憶されている役物保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した電動役物開放カウンタC4の値を電役保留エリアに格納する。また、音声ランプ制御装置90に対して、役物保留記憶数と対応する第2保留ランプ部36を点灯させるための処理を実行する。
続くステップS105では上作動口23又は下作動口24への入賞に伴う作動口用の入賞処理を実行する。作動口用の入賞処理では、上作動口23又は下作動口24への入賞が発生していた場合には、保留球格納エリア64aに記憶されている始動保留記憶数が上限数(例えば、「4」)未満であることを条件として、前記ステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各数値情報を保留球格納エリア64aの保留用エリアREに格納する。この場合、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリア、すなわち現状の始動保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。また、音声ランプ制御装置90に対して、始動保留記憶数と対応する第1保留ランプ部35を点灯させるための処理を実行する。ステップS105の処理を実行した後に、本タイマ割込み処理を終了する。
<通常処理>
次に、通常処理の流れを図8のフローチャートを参照しながら説明する。通常処理は電源投入に伴い起動されるメイン処理が実行された後に開始される処理であり、通常処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、ステップS201〜S207の処理が4msec周期の定期処理として実行され、その残余時間でステップS209,S210のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
通常処理において、ステップS201では、タイマ割込み処理又は前回の通常処理で設定したコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置に送信する。具体的には、賞球コマンドの有無を判定し、賞球コマンドが設定されていればそれを払出制御装置70に送信する。また、遊技回制御用コマンド又は遊技状態用コマンドが設定されている場合にはそれを音声ランプ制御装置90に送信する。
続くステップS202では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。具体的には、変動種別カウンタCSを1加算すると共に、カウンタ値が最大値に達した際にはカウンタ値を0にクリアする。そして、変動種別カウンタCSの更新値を、RAM64の該当するバッファ領域に格納する。
続くステップS203では、各遊技回における遊技を制御するための遊技回制御処理を実行する。この遊技回制御処理では、大当たり判定、図柄表示装置31による図柄の変動表示の設定、及びメイン表示部33の表示制御などを行う。遊技回制御処理の詳細は後述する。
その後、ステップS204では、遊技状態を移行させるための遊技状態移行処理を実行する。詳細は後述するが、この遊技状態移行処理により、遊技状態が開閉実行モード、高確率モード、高頻度サポートモードなどに移行する。
続くステップS205では、下作動口24に設けられた電動役物24aを駆動制御するための電役サポート用処理を実行する。この電役サポート用処理では、RAM64の電役保留エリアに格納されている情報を用いて電動役物24aを開放状態とするか否かの判定、電動役物24aの開閉処理及び役物用表示部34の表示制御などを行う。
その後、ステップS206では、遊技球発射制御処理を実行する。遊技球発射制御処理では、電源及び発射制御装置80から発射許可信号を入力していることを条件として、所定期間(例えば、0.6sec)に1回、遊技球発射機構81のソレノイドを励磁する。これにより、遊技球が遊技領域に向けて打ち出される。
続くステップS207では、RAM64に停電フラグが格納されているか否かを判定する。停電フラグは、停電監視基板65において停電の発生が確認され当該停電監視基板65からMPU62のNMI端子に停電信号が入力されることにより格納され、次回のメイン処理にて消去されるフラグである。
停電フラグが格納されていない場合は、繰り返し実行される複数の処理の最後の処理が終了したこととなるので、ステップS208にて次の通常処理の実行タイミングに至ったか否か、すなわち前回の通常処理の開始から所定時間(本実施形態では4msec)が経過したか否かを判定する。そして、次の通常処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、乱数初期値カウンタCINI及び変動種別カウンタCSの更新を繰り返し実行する。つまり、ステップS209では、乱数初期値カウンタCINIの更新を実行するとともに、ステップS210では、変動種別カウンタCSの更新を実行する。
一方、ステップ207にて、停電フラグが格納されていると判定した場合は、電源遮断が発生したことになるので、ステップS211以降の電断時処理を実行する。つまり、ステップS211では、タイマ割込み処理の発生を禁止し、その後、ステップS212にてRAM判定値を算出、保存し、ステップS213にてRAM64のアクセスを禁止した後に、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。
<遊技回制御処理>
次に、ステップS203の遊技回制御処理を図9のフローチャートを参照しながら説明する。
遊技回制御処理では、先ずステップS301にて、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中である場合には、ステップS302以降の処理、すなわちステップS303〜ステップS305の遊技回開始用処理及びステップS306〜ステップS308の遊技回進行用処理のいずれも実行することなく、本遊技回制御処理を終了する。つまり、開閉実行モード中である場合には、作動口23,24への入賞が発生しているか否かに関係なく、遊技回が開始されることはない。
開閉実行モード中でない場合には、ステップS302にて、メイン表示部33が変動表示中であるか否かを判定する。メイン表示部33が変動表示中でない場合には、ステップS303〜ステップS305の遊技回開始用処理に進む。遊技回開始用処理では、先ずステップS303にて、保留球格納エリア64aの保留数記憶エリアNAを参照し、保留記憶されている保留情報の数である始動保留記憶数Nが「0」か否かを判定する。始動保留記憶数Nが「0」である場合とは、保留球格納エリア64aに保留情報が記憶されていないことを意味する。したがって、そのまま本遊技回制御処理を終了する。始動保留記憶数Nが「0」でない場合には、ステップS304にてデータ設定処理を実行する。
データ設定処理では先ず始動保留記憶数Nを1減算する。また、保留球格納エリア64aにおける保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納されているデータを実行エリアAEに移動する。その後、保留用エリアREの各保留エリアRE1〜RE4に格納されたデータをシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1保留エリアRE1のデータをクリアするとともに、第2保留エリアRE2→第1保留エリアRE1、第3保留エリアRE3→第2保留エリアRE2、第4保留エリアRE4→第3保留エリアRE3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
なお、データ設定処理では、保留情報のシフトが行われたことを音声ランプ制御装置90に認識させて第1保留ランプ部35における表示を保留個数の減少に対応させて変更させるための処理を実行する。
データ設定処理を実行した後は、ステップS305にて変動開始処理を実行した後に、本遊技回制御処理を終了する。ここで、変動開始処理について、図10のフローチャートを参照しながら説明する。
ステップS401では当否判定処理を実行する。当否判定処理では、先ず当否抽選モードが高確率モードであるか否かを判定する。高確率モードである場合には当否テーブル記憶エリア63aに記憶されているテーブルのうち高確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納された情報のうち当否判定用の情報、すなわち大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が高確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。また、低確率モードである場合には当否テーブル記憶エリア63aに記憶されているテーブルのうち低確率モード用の当否テーブルを参照して、実行エリアAEに格納されている大当たり乱数カウンタC1に係る数値情報が低確率用の大当たり数値情報と一致しているか否かを判定する。
続くステップS402では、ステップS401における当否判定処理の結果が大当たり当選結果であるか否かを判定する。大当たり当選結果である場合には、ステップS403にて種別判定処理を実行する。
種別判定処理では、実行エリアAEに格納された情報のうち種別判定用の情報、すなわち大当たり種別カウンタC2に係る数値情報を把握する。そして、振分テーブル記憶エリア63bに記憶された振分テーブルを参照して、上記把握した大当たり種別カウンタC2に係る数値情報がいずれの大当たり種別に対応しているのかを特定する。
続くステップS404ではステップS403の種別判定処理にて特定した大当たり種別が確変大当たり結果に対応しているか否かを判定する。確変大当たり結果に対応している場合には、ステップS405にて確変大当たり用の停止結果設定処理を実行し、確変大当たり結果でない場合には、ステップS406にて通常大当たり用の停止結果設定処理を実行する。さらにまた、ステップS401における当否判定処理の結果が大当たり当選結果でないと判定した場合(ステップS402:NO)には、ステップS407にて外れ時用の停止結果設定処理を実行する。
ステップS405〜ステップS407の停止結果設定処理では、メイン表示部33に最終的に停止表示させる絵柄の態様の情報を、ROM63に予め記憶されている情報から特定し、その特定した情報をRAM64に記憶する。また、ステップS405及びステップS406では、今回の遊技回の当否判定結果が、確変大当たり結果又は通常大当たり結果であることをMPU62にて特定するための情報をRAM64に格納する。具体的には、ステップS405では確変大当たりフラグを格納し、ステップS406では通常大当たりフラグを格納する。
ステップS405〜ステップS407のいずれかの処理を実行した後は、ステップS408にて、表示継続期間の設定処理を実行する。
かかる処理では、RAM64の抽選カウンタ用バッファにおける変動種別カウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCSの値を取得する。また、今回の遊技回において図柄表示装置31にてリーチ表示が発生するか否かを判定する。具体的には、RAM64に確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。いずれかのフラグが格納されている場合には、リーチ表示が発生すると判定する。また、上記各フラグのいずれもが格納されていない場合であっても、実行エリアAEに格納されているリーチ乱数カウンタC3に係る数値情報がリーチ発生に対応した数値情報である場合には、リーチ表示が発生すると判定する。
リーチ表示が発生すると判定した場合には、ROM63の主側時間テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ発生用表示継続期間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した表示継続期間情報を取得し、その表示継続期間情報をRAM64の各種カウンタエリア64bに設けられた表示継続期間カウンタエリアにセットする。一方、リーチ表示が発生しないと判定した場合には、主側時間テーブル記憶エリア63cに記憶されているリーチ非発生用表示継続期間テーブルを参照して、今回の変動種別カウンタCSの値に対応した表示継続期間を取得し、その表示継続期間情報を上記表示継続期間カウンタエリアにセットする。ちなみに、リーチ非発生用変動表示テーブルを参照して取得され得る表示継続期間は、リーチ発生用表示継続期間テーブルを参照して取得され得る表示継続期間と異なっている。
なお、リーチ非発生時における表示継続期間情報は、始動保留記憶数Nの数が多いほど、表示継続期間が短くなるように設定されている。また、サポートモードが高頻度サポートモードである状況においては低頻度サポートモードである状況よりも、保留情報の数が同一である場合で比較して、短い表示継続期間が選択されるようにリーチ非発生用表示継続期間テーブルが設定されている。但し、これに限定されることはなく、始動保留記憶数Nやサポートモードに応じて表示継続期間が変動しない構成としてもよく、上記の関係とは逆であってもよい。さらには、リーチ発生時における表示継続期間に対して、上記構成を適用してもよい。また、確変大当たり結果の場合、通常大当たり結果の場合、外れリーチ時の場合及び完全外れ時の場合のそれぞれに対して個別に表示継続期間テーブルが設定されていてもよい。この場合、各遊技結果に応じた表示継続期間の振分が行われることとなる。
ステップS408にて、表示継続期間の設定処理を実行した後は、ステップS409にて、変動用コマンド及び種別コマンドを設定する。変動用コマンドには、表示継続期間の情報が含まれる。ここで、上記のとおりリーチ非発生用変動表示テーブルを参照して取得され得る表示継続期間は、リーチ発生用表示継続期間テーブルを参照して取得され得る表示継続期間と異なっているため、変動用コマンドにリーチ発生の有無の情報が含まれていなかったとしても、サブ側の制御装置では表示継続期間の情報からリーチ発生の有無を特定することは可能である。この点、変動用コマンドには、リーチ発生の有無を示す情報が含まれているとも言える。なお、変動用コマンドにリーチ発生の有無を直接示す情報が含まれていてもよい。また、種別コマンドには、遊技結果の情報が含まれる。つまり、種別コマンドには、遊技結果の情報として、確変大当たり結果の情報、通常大当たり結果の情報及び外れ結果の情報などが含まれる。
ステップS409にて設定された変動用コマンド及び種別コマンドは、通常処理(図8)におけるステップS201にて、音声ランプ制御装置90に送信される。音声ランプ制御装置90では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における表示ランプ部54の発光パターンやスピーカ部55からの音の出力パターンを決定し、その決定した演出の内容が実行されるように表示ランプ部54及びスピーカ部55を制御する。また、音声ランプ制御装置90は、上記変動用コマンド及び種別コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100では、受信した変動用コマンド及び種別コマンドに基づいて、その遊技回における図柄表示装置31での変動表示パターンを決定し、その変動表示パターンが実行されるように図柄表示装置31を表示制御する。当該表示制御の具体的な内容については、後に説明する。
ステップS409の処理を実行した後は、ステップS410にてメイン表示部33において絵柄の変動表示を開始させる。その後、本変動開始処理を終了する。
遊技回制御処理(図9)の説明に戻り、メイン表示部33が変動表示中である場合には、ステップS306〜ステップS308の遊技回進行用処理を実行する。
遊技回進行用処理では、先ずステップS306にて、今回の遊技回の表示継続期間が経過したか否かを判定する。具体的には、RAM64の表示継続期間カウンタエリアに格納されている表示継続期間情報の値が「0」となったか否かを判定する。当該表示継続期間情報の値は、上述したように、表示継続期間の設定処理(ステップS408)においてセットされる。また、このセットされた表示継続期間情報の値は、タイマ割込み処理(図7)が起動される度に1減算される。
表示継続期間が経過していない場合には、ステップS307にて変動表示用処理を実行する。変動表示用処理では、メイン表示部33における表示態様を変更する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
表示継続期間が経過している場合には、ステップS308にて変動終了処理を実行する。変動終了処理では、上記ステップS405〜ステップS407のいずれかの処理にてRAM64に記憶した情報を特定し、その情報に対応した絵柄の態様がメイン表示部33にて表示されるように当該メイン表示部33を表示制御する。その後、本遊技回制御処理を終了する。
ここで、従来のパチンコ機では変動終了処理を実行する場合又は実行した場合に確定コマンドが音声ランプ制御装置90や表示制御装置100といったサブ側の制御装置に送信されていたが、本パチンコ機10では確定コマンドの送信は行われない。つまり、本パチンコ機10では、遊技回の終了タイミングとなったことを示す指令情報が主制御装置60から送信されない構成となっている。
<遊技状態移行処理>
次に、ステップS204の遊技状態移行処理を図11のフローチャートを参照して説明する。
先ず、ステップS501では、開閉実行モード中か否かを判定する。開閉実行モード中でない場合にはステップS502に進み、1の遊技回のメイン表示部33における絵柄の変動表示が終了したタイミングか否かを判定する。変動表示が終了したタイミングでない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
変動表示が終了したタイミングである場合には、ステップS503にて、今回の遊技回の遊技結果が開閉実行モードへの移行に対応したものであるか否かを判定する。具体的には、RAM64に、確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグのいずれかが格納されているか否かを判定する。上記各フラグのいずれもが格納されていない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。
上記各フラグのいずれかが格納されている場合には、ステップS504にて開閉実行モードの開始処理を実行する。当該開始処理では、開閉実行モードのオープニング用に可変入賞装置22の大入賞口22aの開放を開始することなく待機するためのオープニング用待機時間を設定する
続くステップS505では、RAM64の各種カウンタエリア64bに設けられたラウンドカウンタエリアRCに、「15」をセットする。ラウンドカウンタエリアRCは、大入賞口22aが開放された回数をカウントするためのカウンタエリアである。
その後、ステップS506にてオープニングコマンドを設定した後に、本遊技状態移行処理を終了する。ステップS506にて設定されたオープニングコマンドは、通常処理(図8)におけるステップS201にて、音声ランプ制御装置90に送信される。
音声ランプ制御装置90では、オープニングコマンドに基づいて、オープニング演出を表示ランプ部54やスピーカ部55において開始させる。また、音声ランプ制御装置90は、上記オープニングコマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100では、オープニングコマンドに基づいて、オープニング演出を図柄表示装置31において開始させる。
一方、開閉実行モード中である場合(ステップS501:YES)には、ステップS507に進む。ステップS507では、オープニング用の待機時間が経過したか否かを判定する。オープニング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。オープニング用の待機時間が経過している場合には、ステップS508にて大入賞口開閉処理を実行する。
大入賞口開閉処理では、大入賞口22aが閉鎖中である場合には、ラウンドカウンタエリアRCが「1」以上であることを条件として、可変入賞駆動部22cを駆動状態とすることで大入賞口22aを開放させる。また、大入賞口22aが開放中である場合には、当該大入賞口22aの開放から所定時間が経過していること又は所定個数の遊技球が入賞していることを条件として、可変入賞駆動部22cの駆動状態を停止し、大入賞口22aを閉鎖させる。
また、大入賞口開閉処理では、大入賞口22aの開放に際してサブ側の制御装置に向けて開放コマンドの送信を行う。音声ランプ制御装置90では、開放コマンドに基づいて、各ラウンド演出を表示ランプ部54やスピーカ部55において開始させる。また、音声ランプ制御装置90は、上記開放コマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100では、開放コマンドに基づいて、各ラウンド演出を図柄表示装置31において開始させる。
また、大入賞口開閉処理では、ラウンドカウンタエリアRCの減算後において「0」となったことに基づいて、サブ側の制御装置に向けてエンディングコマンドの送信を行うとともに、エンディング用の待機時間の設定を行う。音声ランプ制御装置90では、エンディングコマンドに基づいて、エンディング演出を表示ランプ部54やスピーカ部55において開始させる。また、音声ランプ制御装置90は、上記エンディングコマンドをその情報形態を維持したまま表示制御装置100に送信する。表示制御装置100では、エンディングコマンドに基づいて、エンディング演出を図柄表示装置31において開始させる。
大入賞口開閉処理を実行した後は、ステップS509にてラウンドカウンタエリアRCの値が「0」か否かを判定するとともに、ステップS510にてエンディング用の待機時間が経過したか否かを判定する。ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」でない場合又はエンディング用の待機時間が経過していない場合には、そのまま本遊技状態移行処理を終了する。一方、ラウンドカウンタエリアRCの値が「0」であり、且つエンディング用の待機時間が経過している場合には、ステップS511にて、開閉実行モード終了時の移行処理を実行する。
当該移行処理では、RAM64に確変大当たりフラグ又は通常大当たりフラグのいずれが格納されているか否かを判定する。そして、確変大当たりフラグが格納されている場合には、当否抽選モードを高確率モードに設定するとともにサポートモードを高頻度サポートモードに設定し、通常大当たりフラグが格納されている場合には、当否抽選モードを低確率モードに設定するとともにサポートモードを高頻度サポートモードに設定する。
ちなみに、通常大当たりフラグが格納されている場合には、RAM64の各種カウンタエリア64bにおける遊技回数カウンタに終了基準回数である「100」をセットする。かかる遊技回回数カウンタは、上述した変動開始処理が実行される度に1減算され、遊技回数カウンタの値が「0」となった場合にはサポートモードが低頻度サポートモードに設定される。
その後、ステップS512にて、開閉実行モードの終了処理を実行した後に、本遊技状態移行処理を終了する。開閉実行モードの終了処理では、確変大当たりフラグ及び通常大当たりフラグのいずれかが格納されている場合には、それを消去するとともに、既に格納されていない場合にはその状態を維持する。
<表示制御装置100にて実行される各種処理について>
次に、表示制御装置100内のMPU102(以下、表示側MPU102という)にて図柄表示装置31の表示画面Gに画像を表示させる上で実行される表示制御処理を説明する。当該表示制御処理は、所定の周期(例えば、2msec)で繰り返し起動される。
ここで、表示側MPU102では、主制御装置60のMPU62から送信され音声ランプ制御装置90にて中継された変動用コマンドを受信したことに基づいて、1遊技回分の図柄の変動表示を開始させる。この場合に、伝送途中に電気的なノイズ等の影響で変動用コマンドの内容が変更されてしまい、その変更の程度によってはそのコマンドが変動用コマンドであることを認識することはできるが、変動用コマンドに含まれる表示継続期間を特定できない状況が発生し得る。以下、先ず表示継続期間が正常に特定される場合について説明し、その後に表示継続期間が正常に特定されない場合について説明する。
<変動用コマンドから表示継続期間が正常に特定される場合>
図12は、表示制御処理を示すフローチャートである。
ステップS601では、変動用コマンドを受信しているか否かを判定する。変動用コマンドを受信している場合には、ステップS602にて変動開始用処理を実行する。変動開始用処理では、図13のフローチャートに示すように、先ずステップS701にて、プログラムROM103の表示側時間テーブル記憶エリア111に設けられた表示側時間テーブルを参照する。
表示側時間テーブルは、図14(a)の説明図に示すように、主制御装置60のMPU62から送信される変動用コマンドに1対1で対応させて、それぞれ異なる表示継続期間の情報が設定されている。この場合、変動用コマンドは所定バイトの情報として、具体的には1バイトの情報として設定されており、その上位側のビット(7ビット目〜4ビット目)に自身が変動用コマンドであることを示す情報(図14(a)では、「C」の情報)が含まれているとともに、下位側のビット(3ビット目〜0ビット目)に表示継続期間の情報(図14(a)では、「A」,「B」,「C」,「X」等の情報)が含まれている。
表示側MPU102では、上位側のビットに含まれる情報によって受信しているコマンドが変動用コマンドであるか否かを判定(ステップS601の処理)し、変動用コマンドである場合には下位側のビットに含まれる情報に基づいて表示側時間テーブルから表示継続期間の情報を読み出す。また、本パチンコ機10では、表示側時間テーブルに設定されている表示継続期間が主制御装置60のMPU62においてメイン表示部33を変動表示させる場合にセットされる表示継続期間と同一の期間となっているが、これに限定されることはなく、表示側時間テーブルに設定されている表示継続期間が、主制御装置60のMPU62において表示継続期間がセットされてから表示側MPU102において表示継続期間がセットされるまでの遅延時間分、主制御装置60のMPU62においてセットされる表示継続期間から減算された期間として設定されていてもよい。
なお、変動用コマンドは、上記構成に限定されることはなく、自身が変動用コマンドである情報と、表示継続期間を特定する情報とが含まれているのであれば、具体的な情報容量や情報形態は任意である。例えば、変動用コマンドが2バイトといったように複数バイトで構成されていて、そのうち一のバイトに自身が変動用コマンドである情報が設定されているとともに、他のバイトに表示継続期間の情報が設定されている構成としてもよい。
変動開始用処理(図13)の説明に戻り、ステップS701にて表示側時間テーブルを参照した後は、ステップS702にて、該当する表示継続期間の情報が存在しているか否かを判定する。つまり、今回受信している変動用コマンドに含まれる表示継続期間を特定するための情報が表示側時間テーブルとしてプログラムROM103に予め記憶されている情報のいずれかに対応しているか否かを判定する。今回は表示継続期間が正常に特定された場合についての処理であるため、ステップS702にて肯定判定をし、ステップS703に進む。
ステップS703では、今回特定した表示継続期間の情報をワークRAM104の各種カウンタエリア121に遊技回用計測手段として設けられた遊技回用カウンタエリア121aにセットする。当該遊技回用カウンタエリア121aは所定バイト、具体的には、図14(b−1)に示すように2バイトのエリアとして設定されており、表示側時間テーブルから読み出した表示継続期間の情報がセットされる。この場合、遊技回用カウンタエリア121aに既に記憶されている情報に対して加算されるのではなく、表示継続期間の情報が新たにセットされる。
遊技回用カウンタエリア121aにセットされた情報は、表示制御処理が起動される度に1減算されるように更新される。既に説明したとおり、表示制御処理は2msec周期で起動されるため、遊技回用カウンタエリア121aにセットされた値は2msec周期で1減算されるように更新される。
ちなみに、遊技回用カウンタエリア121aの各ビットに全て「1」がセットされた場合には表示継続期間は2分を越えるものとなるが、表示側時間テーブルに予め記憶されている表示継続期間の最長時間は90.5secとなっている。つまり、遊技回用カウンタエリア121aは、予め設定されている最長の表示継続期間よりも長い表示継続期間の情報をセットできるようにその記憶容量が設定されている。
ステップS703にて、表示継続期間の情報を遊技回用カウンタエリア121aにセットした後は、ステップS704にて、今回の変動用コマンドとともに受信している種別コマンドを読み出し、当該コマンドから、大当たり結果の有無を把握するとともに、大当たり結果の情報が含まれている場合にはその大当たり結果の種別を把握する。なお、種別コマンドは変動用コマンドと同様に1バイトの情報として設定されており、自身が種別コマンドであることを示す情報と、遊技結果の情報とが含まれている。
また、ステップS704では、変動用コマンドから把握した表示継続期間の情報からリーチ発生の有無を把握する。本パチンコ機10では、既に説明したように、主制御装置60のMPU62においてリーチ発生の有無を決定しており、当該MPU62ではリーチ発生の場合とリーチ非発生の場合とでそれぞれ異なる表示継続期間を選択する。したがって、表示側MPU102では、変動用コマンドから把握した表示継続期間の情報によってリーチ発生の有無を把握することができる。
続くステップS705では、停止結果設定処理を実行する。停止結果設定処理では、ステップS704にて把握した遊技結果の情報に対応した停止結果の情報を設定する。当該停止結果の情報の設定に際しては、ワークRAM104に設けられた図柄更新用カウンタエリア及び図柄情報取得用エリアが用いられる。具体的には、図柄更新用カウンタエリアには、各図柄列に対応したカウンタエリアが設けられており、これらカウンタエリアには、各図柄列Z1〜Z3に設定されている図柄の数に対応したカウンタ値が設定されている。当該カウンタ値は、複数の有効ラインL1〜L5のうち、所定の有効ライン(例えば、有効ラインL1)上の図柄を示すものである。また、各図柄列用のカウンタエリアは、それぞれ異なる周期でカウンタ値の更新がなされる。そして、所定の周期で、各図柄列用のカウンタエリアにおいて更新されている情報が全て取得され、その取得された情報は図柄情報取得用エリアに格納される。
図柄情報取得用エリアには、確変大当たり用エリアと、通常大当たり用エリアと、外れリーチ用エリアと、完全外れ用エリアと、が設定されている。そして、各図柄列用のカウンタエリアの全てから取得された情報が、いずれかの有効ライン上において確変大当たり結果に対応した図柄の組み合わせが停止表示される情報である場合にはその情報が確変大当たり用エリアに格納され、いずれかの有効ライン上において通常大当たり結果に対応した図柄の組み合わせが停止表示される情報である場合にはその情報が通常大当たり用エリアに格納され、上記いずれの情報でもなく且ついずれかの有効ライン上において外れリーチ結果に対応した図柄の組み合わせが停止表示される情報である場合には外れリーチ用エリアに格納され、上記いずれの情報でもない場合にはその情報が完全外れ用エリアに格納される。ステップS705では、図柄情報取得用エリアの各エリアのうち、ステップS704にて把握した遊技結果の情報に対応したエリアから停止結果の情報を読み出す。
続くステップS706では、遊技回用演出態様の設定処理を実行する。遊技回用演出態様の設定処理では、プログラムROM103に設けられた遊技回用演出態様テーブルを参照して、ステップS703にてセットした表示継続期間の情報と、ステップS705にて取得した停止結果の情報との両方に対応した遊技回用演出の態様情報を特定する。具体的には、遊技回用演出態様テーブルには、各表示継続期間の情報と各停止結果の情報との任意の組み合わせに対して1対1で対応させて遊技回用演出の態様情報が設定されており、さらに各遊技回用演出の態様情報に対応させてアドレス情報が設定されている。各遊技回用演出の態様情報は、プログラムROM103に態様情報記憶手段として設けられた態様情報記憶エリア112bに予め記憶されており、上記アドレス情報は当該態様情報記憶エリア112bにおいて今回決定された態様情報が記憶されているエリアのアドレスを特定するための情報である。ステップS706では、遊技回用演出態様テーブルにおいて、今回既に特定されている表示継続期間の情報及び停止結果の情報の組み合わせに対応したアドレス情報を特定し、その特定したアドレス情報を、ワークRAM104に設けられた態様情報記憶エリア122に記憶させる。
当該態様情報記憶エリア122にアドレス情報が記憶されることにより、表示側MPU102では当該アドレス情報に対応した遊技回用演出の態様情報に応じてVDP105に対して描画指示を行う。この場合、遊技回用演出の態様情報には、動画表示を行うための描画指示タイミングの情報が含まれており、さらに各描画指示タイミングにおける描画指示内容の情報として描画リストの情報が含まれている。表示側MPU102では、遊技回用カウンタエリア121aにおいて計測されている遊技回の経過時間と、態様情報記憶エリア122に記憶されているアドレス情報に対応した遊技回用演出の態様情報とを参照することで、描画指示タイミングであるか否かを判定するとともに、描画指示タイミングである場合にはそのタイミングに対応した描画リストの情報をVDP105に内部コマンドとして出力する。
ここで、少なくとも完全外れ結果となる遊技回又はノーマルリーチ表示が行われる遊技回においては、低識別態様である高速変動表示において全図柄列Z1〜Z3の図柄の変動表示が開始され、その後、所定の順序で各図柄列Z1〜Z3が高識別態様である低速変動表示に切り換わるとともに当該所定の順序で各図柄列Z1〜Z3上の待機領域SA1〜SA9に図柄が待機表示される。そして、全図柄列Z1〜Z3の各待機領域に図柄が待機表示されている状態においてそれら図柄が揺動表示期間に亘って揺動表示が行われた後に、それら図柄が最終停止表示として静止表示(確定表示又は固定表示)され、その静止表示状態が静止表示期間に亘って継続される。
ちなみに、待機中表示の一種である揺動表示とは、待機領域SA1〜SA9に待機されている図柄が同一の待機領域SA1〜SA9内において揺動することであり、また各図柄は対応する待機領域SA1〜SA9内において停止位置を含んだ範囲で揺動し、さらに各図柄は対応する停止位置を間に挟んだ範囲で揺動する。
一方、スーパーリーチ表示が行われる遊技回においては、図柄の変動表示が開始され、一部の図柄列である上図柄列Z1及び下図柄列Z3の図柄が各待機領域SA1〜SA3,SA7〜SA9に待機表示されてリーチラインが形成された後に、スーパーリーチ用の画像が表示される。その後、大当たり図柄の組み合わせ又は外れリーチ図柄の組み合わせを形成した状態で、全図柄列Z1〜Z3上の各待機領域に待機表示されている図柄が揺動表示期間に亘って揺動表示される。そして、それら図柄が静止表示され、その静止表示状態が静止表示期間に亘って継続される。
遊技回用演出の態様情報には、図柄の変動表示の開始タイミングから静止表示期間が完了するまでの描画指示タイミングの情報、及び各描画指示タイミングにおける描画リストの情報が含まれている。つまり、遊技回用演出の態様情報には、高速変動表示から低速変動表示に切り換えるタイミングの情報、各図柄列Z1〜Z3の各待機領域に図柄を待機表示させるタイミングの情報、その待機させた状態にて図柄を揺動表示させている状態から静止表示に切り換えるタイミングの情報、及び静止表示を終了させるタイミングの情報が含まれていると言える。
ステップS706にて、態様情報記憶エリア122にアドレス情報が記憶されることにより、そのアドレス情報に対応した遊技回用演出の態様情報に設定されている最初の描画リストの情報をプログラムROM103に設けられた描画リスト情報記憶エリア113から読み出してVDP105に出力する。これにより、VDP105がその描画リストの情報に対応した画像を図柄表示装置31の表示画面Gに描画させることで、今回の遊技回における図柄の変動表示が図柄表示装置31にて開始される。
続くステップS707では、ワークRAM104に不一致情報記憶手段として設けられた不一致フラグ格納エリア123に不一致フラグ(不一致情報)が記憶されている場合には、当該不一致フラグを消去する。当該不一致フラグは、変動用コマンドから表示継続期間が正常に特定されなかった場合に格納されるフラグである。その後、本変動開始用処理を終了する。
表示制御処理(図12)の説明に戻り、ステップS601にて否定判定をした場合又はステップS602の処理を実行した後は、ステップS603にて、1遊技回の実行中であるか否かを判定する。1遊技回の実行中である場合には、ステップS604にて変動中用処理を実行する。
変動中用処理では、図15のフローチャートに示すように、ステップS801にて、遊技回用カウンタエリア121aにおいて計測されている遊技回の経過時間と、態様情報記憶エリア122に記憶されているアドレス情報に対応した態様情報とを参照することで、描画指示タイミングであるか否かを判定する。描画指示タイミングでない場合には、そのまま本変動中用処理を終了する。
描画指示タイミングである場合には、ステップS802にて、最終停止タイミング以降であるか否かを判定する。最終停止タイミング以降でない場合には、ステップS803にて、ワークRAM104に不一致フラグが格納されているか否かを判定する。今回は変動用コマンドから表示継続期間が正常に特定された場合についての処理であるため不一致フラグが格納されておらず、ステップS803にて否定判定をして、ステップS804に進む。
ステップS804では、今回の描画指示タイミングが全図柄列Z1〜Z3の各待機領域SA1〜SA9に図柄が待機表示された待機タイミング以降であるか否かを判定する。待機タイミング以降でない場合には、ステップS805にて、待機前用の描画指示処理を実行する。これにより、待機表示が行われるよりも前の演出態様に対応した描画リストの情報であって、今回の描画指示タイミングに対応した描画リストの情報を描画リスト情報記憶エリア113から読み出してVDP105に出力する。当該指示処理において描画リストの情報が出力された場合、例えば、背景画面が移り変わるように表示されている状況において図柄列Z1〜Z3上での図柄のスクロール表示が行われる。
一方、待機タイミング以降である場合には、ステップS806にて、揺動表示用の描画指示処理を実行する。これにより、揺動表示に対応した描画リストの情報であって、今回の描画指示タイミングに対応した描画リストの情報を描画リスト情報記憶エリア113から読み出してVDP105に出力する。当該指示処理において描画リストの情報が出力された場合、例えば、背景画面が移り変わるように表示されている状況において各待機領域SA1〜SA9上に待機されている図柄が所定方向に揺動するように表示される。
また、ステップS802にて、最終停止タイミング以降であると判定した場合には、ステップS807にて、静止表示用の描画指示処理を実行する。これにより、静止表示に対応した描画リストの情報であって、今回の描画指示タイミングに対応した描画リストの情報を描画リスト情報記憶エリア113から読み出してVDP105に出力する。当該指示処理において描画リストの情報が出力された場合、例えば、背景画面が移り変わるように表示されている状況において各待機領域SA1〜SA9上に待機されている図柄が静止しているように表示される。
ステップS805、ステップS806又はステップS807の処理を実行した後は、ステップS808にて、遊技回の終了タイミングか否か、すなわち遊技回用カウンタエリア121aの情報が初期値となっているか否かを判定する。遊技回の終了タイミングでない場合には、そのまま本変動中用処理を終了する。遊技回の終了タイミングである場合には、ステップS809にて、不一致フラグを消去した後に、本変動中用処理を終了する。
表示制御処理(図12)の説明に戻り、ステップS603にて否定判定をした場合又はステップS604の処理を実行した後は、ステップS605にて、オープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。オープニングコマンドを受信していない場合には、そのままステップS609に進む。オープニングコマンドを受信している場合には、ステップS606にて、ワークRAM104に不一致フラグが格納されているか否かを判定する。今回は変動用コマンドから表示継続期間が正常に特定された場合についての処理であるため不一致フラグが格納されておらず、ステップS606にて否定判定をして、ステップS607に進む。
ステップS607では、通常のオープニング設定処理を実行する。当該設定処理では、オープニング演出の継続時間の情報をプログラムROM103から読み出して、ワークRAM104の各種カウンタエリア121に設けられた開閉実行用カウンタエリアにセットする。当該開閉実行用カウンタエリアにセットされた情報は、表示制御処理が起動される度に1減算されるように更新される。また、当該設定処理では、オープニング演出用の描画指示タイミング及び各描画指示タイミングに対応した描画リストの情報が設定されたオープニング演出用の態様情報のアドレス情報を、ワークRAM104に設けられた開閉実行態様記憶エリア124に記憶させる。なお、当該態様情報も、プログラムROM103の態様情報記憶エリア112に記憶されている。
表示側MPU102では、開閉実行用カウンタエリアにおいて計測されているオープニング演出の経過時間と、開閉実行態様記憶エリア124に記憶されているアドレス情報に対応した態様情報とを参照することで、描画指示タイミングであるか否かを判定するとともに、描画指示タイミングである場合にはそのタイミングに対応した描画リストの情報をVDP105に内部コマンドとして出力する。これにより、図柄表示装置31の表示画面Gにてオープニング演出の画像が表示される。なお、上記オープニング演出について描画指示タイミングであるか否かの判定などは、後述するステップS611におけるその他の処理にて実行される。ステップS607の処理を実行した後はステップS609に進む。
ステップS609では、デモ画像の開始タイミングであるか否かを判定する。デモ画像とは、前回の遊技回の停止結果を表示して静止表示期間が経過してから予め定められた開始待ち期間(例えば、0.1sec)が経過している場合に、図柄表示装置31の表示画面Gにて表示される開始待ち演出の画像のことをいう。ちなみに、デモ画像では、各待機領域SA1〜SA9に表示されている図柄が所定の動作を行っている画像が表示されるが、これに限定されることはなく、例えば、図柄が所定の動作を行っている画像の表示の後に又はそれに代えてメーカ名、機種名若しくは所定のキャラクタによる動画が表示される構成としてもよい。
ステップS609では、前回の遊技回の停止結果を表示して静止表示期間が経過してから上記開始待ち期間が経過しているか否かを判定する。当該開始待ち期間が経過しているか否かの判定に際しては、ワークRAM104の各種カウンタエリア121に設けられた開始待ち演出用カウンタエリアが用いられ、当該カウンタエリアには静止表示期間が経過したタイミングで開始待ち期間の情報がセットされるとともに、表示制御処理が起動される度に1減算されるように更新される。
ここで、上記開始待ち期間は、主制御装置60にて保留情報が記憶されている状況において1の遊技回が終了してから、その既に記憶されている保留情報について主制御装置60のMPU62にて変動開始処理(図10)が実行されて変動用コマンドが送信され、さらに当該変動用コマンドについての表示側MPU102における変動開始用処理(図13)の実行が完了するまでに要する時間よりも長い期間として設定されている。これにより、主制御装置60にて保留情報が記憶されている状況において1の遊技回が終了した場合に、当該保留情報に係る遊技回が開始される直前にデモ画像の表示が開始されてしまうことが防止されている。
デモ画像の開始タイミングである場合には、ステップS610にて、デモ画像用処理を実行する。デモ画像用処理では、デモ画像の継続時間の情報を上記開始待ち演出用カウンタエリアにセットするとともに、デモ画像用の描画指示タイミング及び各描画指示タイミングに対応した描画リストの情報が設定されたデモ画像用の態様情報のアドレス情報を、ワークRAM104に設けられたデモ画像態様記憶エリア125に記憶させる。なお、当該態様情報も、プログラムROM103の態様情報記憶エリア112に記憶されている。
表示側MPU102では、開始待ち演出用カウンタエリアにおいて計測されているデモ画像の経過時間と、デモ画像態様記憶エリア125に記憶されているアドレス情報に対応した態様情報とを参照することで、描画指示タイミングであるか否かを判定するとともに、描画指示タイミングである場合にはそのタイミングに対応した描画リストの情報をVDP105に内部コマンドとして出力する。これにより、図柄表示装置31の表示画面Gにてデモ画像が動画として表示される。なお、上記デモ画像について描画指示タイミングであるか否かの判定などは後述するステップS611におけるその他の処理にて実行される。
ステップS609にて否定判定をした場合又はステップS610の処理を実行した後は、ステップS611にて、その他の処理を実行する。その他の処理では、既に説明したとおり、オープニング演出についての描画指示タイミングであるか否か又はデモ画像についての描画指示タイミングであるか否かを判定し、描画指示タイミングである場合には、当該描画指示タイミングに対応した描画リストの情報をVDP105に出力する。
また、その他の処理では、開放コマンド又はエンディングコマンドを受信しているか否かを判定し、いずれかのコマンドを受信している場合にはそれに対応した時間情報をセットする処理と、態様情報のアドレス情報を記憶させる処理とを実行する。そして、各ラウンド演出やエンディング演出についての描画指示タイミングであるか否かを判定し、描画指示タイミングである場合には、当該描画指示タイミングに対応した描画リストの情報をVDP105に出力する。その他の処理を実行した後は、本表示制御処理を終了する。
<変動用コマンドから表示継続期間が正常に特定される場合の表示制御の様子>
ここで、変動用コマンドから表示継続期間が正常に特定された場合の表示制御の様子について、図16のタイミングチャートを参照しながら説明する。
図16(a)は表示側MPU102におけるコマンドの受信状況を示し、図16(b)はメイン表示部33における変動表示の状況を示し、図16(c)は表示側MPU102における遊技回実行期間を示し、図16(d)は上図柄列Z1における図柄の変動表示の様子を示し、図16(e)は中図柄列Z2における図柄の変動表示の様子を示し、図16(f)は下図柄列Z3における図柄の変動表示の様子を示し、図16(g)は全図柄列Z1〜Z3での揺動表示期間を示し、図16(h)は静止表示期間を示し、図16(i)はデモ画像期間を示す。
t1のタイミングで、変動用コマンドを受信することで、表示側MPU102において遊技回実行期間となり、図柄表示装置31の表示画面Gにおいて図柄の変動表示が開始され、全図柄列Z1〜Z3において図柄が高速変動表示される。また、t1のタイミングでは、メイン表示部33においても変動表示が開始される。なお、t1のタイミングでは、変動用コマンドと共に種別コマンドを受信している。
その後、t2のタイミングで、上図柄列Z1における図柄のスクロール表示が高速変動表示から低速変動表示に切り換えられ、t3のタイミングで、上図柄列Z1の各待機領域SA1〜SA3に図柄が待機表示される。この場合、当該上図柄列Z1の各待機領域SA1〜SA3に待機表示されている図柄では、揺動表示が開始される。また、t3のタイミングでは、下図柄列Z3における図柄のスクロール表示が高速変動表示から低速変動表示に切り換えられる。
その後、t4のタイミングで、下図柄列Z3の各待機領域SA7〜SA9に図柄が待機表示される。この場合、当該下図柄列Z3の各待機領域SA7〜SA9に待機表示されている図柄では、揺動表示が開始される。また、t4のタイミングでは、中図柄列Z2における図柄のスクロール表示が高速変動表示から低速変動表示に切り換えられる。
その後、t5のタイミングで、中図柄列Z2の各待機領域SA4〜SA6に図柄が待機表示される。この場合、当該中図柄列Z2の各待機領域SA4〜SA6に待機表示されている図柄では、揺動表示が開始される。ここで、t5のタイミングでは、上図柄列Z1の各待機領域SA1〜SA3に待機表示されている図柄及び下図柄列Z3の各待機領域SA7〜SA9に待機表示されている図柄において既に揺動表示が開始されている。つまり、t5のタイミングは、全図柄列Z1〜Z3において各待機領域SA1〜SA9に図柄が待機表示されて揺動表示が開始された待機タイミングに相当する。
その後、t6のタイミングで揺動表示期間が経過することで、各待機領域SA1〜SA9に待機表示されている図柄が静止表示される。その後、t7のタイミングで静止表示期間(例えば、0.5sec)が経過することで表示側MPU102において今回の遊技回実行期間が終了される。この場合、メイン表示部33においても変動表示が終了される。なお、静止表示期間は任意である。
その後、t8のタイミングで、新たなコマンドの受信が発生することなく遊技回実行期間の終了からデモ表示用期間が経過することで、図柄表示装置31の表示画面Gにおいてデモ画像の表示が開始される。
つまり、本パチンコ機10では、表示側MPU102において変動用コマンドが受信されて図柄表示装置31にて図柄の変動表示が開始される場合には、その遊技回において図柄の静止表示が完了するまでの演出態様が表示側MPU102において決定され、主制御装置60のMPU62からの確定コマンドの送信を要することなく、図柄表示装置31における遊技回の演出が完了される。これにより、主制御装置60のMPU62は確定コマンドを送信する必要がなくなり、確定コマンドを送信する構成に比べ、主制御装置60のMPU62に予め用意しておくべきコマンドの数を抑えることができる。
また、主制御装置60のMPU62から送信された確定コマンドを受信するまで、表示側MPU102において1遊技回の演出の実行が継続される構成の場合、伝送途中に電気的なノイズ等の影響で確定コマンドの内容が書き換えられてしまうと、主制御装置60のMPU62では既に1遊技回が完了しているのに、表示側MPU102では1遊技回の演出の実行状態が継続されてしまうことが懸念される。これに対して、1遊技回の演出の終了が表示側MPU102にて独自に判断されるため、上記のような不都合の発生が抑えられる。
<変動用コマンドから表示継続期間が正常に特定されない場合>
次に、変動用コマンドから表示継続期間が正常に特定されない場合について説明する。
表示制御処理(図12)のステップS601では、既に説明したとおり、変動用コマンドを受信しているか否かを判定し、変動用コマンドを受信している場合には、ステップS602にて変動開始用処理を実行する。変動開始用処理では、図13のフローチャートに示すように、ステップS701にて表示側時間テーブルを参照し、ステップS702にて、該当する表示継続期間の情報が存在しているか否かを判定する。今回は表示継続期間が正常に特定されない場合についての処理であるため、ステップS702にて否定判定をし、ステップS708に進む。
ステップS708では、図14(b−2)に示すように、遊技回用カウンタエリア121aの全ビットに対して「1」をセットする。つまり、本パチンコ機10では、不一致用期間の情報がプログラムROM103において処理プログラム上で記憶されているが、これに限定されることはなく、プログラムROM103において不一致用期間の情報が数値情報として記憶されており、それを遊技回用カウンタエリア121aにセットする処理が実行される構成としてもよい。
ここで、既に説明したとおり、遊技回用カウンタエリア121aの各ビットに全て「1」がセットされた場合の表示継続期間は、表示側時間テーブルに予め記憶されている表示継続期間の最長時間を越えている。つまり、不一致用期間の情報は、変動用コマンドから表示継続期間が正常に特定される場合の最長の表示継続期間よりも長時間の情報として設定されている。
さらに言うと、不一致用期間は2分を越えているのに対して、変動用コマンドから表示継続期間が正常に特定される場合の最長の表示継続期間は90.5秒となっており、両者の差の時間は主制御装置60のMPU62において新たな保留情報についてデータ設定処理(ステップS304)及び変動開始処理(ステップS305)が実行されて、変動用コマンドが送信され、表示側MPU102においてその変動用コマンドについての変動開始用処理が完了するまでの時間よりも長くなっている。
続くステップS709では、プログラムROM103に不一致用停止結果の記憶手段として設けられた不一致用停止結果記憶エリア114から不一致用停止結果の情報を読み出す。ここで、当該不一致用停止結果の情報は、いずれの有効ラインL1〜L5にも大当たり図柄の組み合わせが停止表示されず且ついずれの有効ラインL1〜L5にもリーチ図柄の組み合わせが停止表示されないように設定されている。本パチンコ機10では、所定の有効ライン上に、大当たり図柄の組み合わせ及びリーチ図柄の組み合わせの両方を構成しない不一致用図柄の組み合わせが停止表示されるように設定されているが、例えば、いずれの有効ラインL1〜L5にも大当たり図柄の組み合わせが停止表示されず且ついずれの有効ラインL1〜L5にもリーチ図柄の組み合わせが停止表示されないことを条件として、任意の図柄が停止表示される構成としてもよい。
その後、ステップS710にて、不一致用態様の設定処理を実行する。不一致用態様の設定処理では、プログラムROM103に不一致用態様情報記憶手段として設けられた不一致用態様情報記憶エリア115に記憶されている不一致用態様情報のアドレス情報を、ワークRAM104の態様情報記憶エリア122に記憶させる。これにより、表示側MPU102では当該アドレス情報に対応した不一致用態様情報に応じてVDP105に対して描画指示を行う。この場合、不一致用態様情報には、動画表示を行うための描画指示タイミングの情報が含まれており、さらに各描画指示タイミングにおける描画指示内容の情報として描画リストの情報が含まれている。表示側MPU102では、遊技回用カウンタエリア121aにおいて計測されている遊技回の経過時間と、態様情報記憶エリア122に記憶されているアドレス情報に対応した不一致用態様情報とを参照することで、描画指示タイミングであるか否かを判定するとともに、描画指示タイミングである場合にはそのタイミングに対応した描画リストの情報をVDP105に内部コマンドとして出力する。
ここで、不一致用態様情報には、変動用コマンドから表示継続期間が正常に特定された場合に変動初期に実行される演出態様、具体的には高速変動表示による全図柄列Z1〜Z3の図柄のスクロール表示が遊技回の開始タイミングから開始され、遊技回の終了タイミング側から上記静止表示期間を除いた期間に亘って当該高速変動表示が継続されるように演出態様が設定されている。そして、静止表示タイミングとなった場合には、上記不一致用停止結果が静止表示されて、その静止表示されている状態が静止表示期間に亘って継続されるように設定されている。
換言すれば、不一致用態様情報には、不一致用期間の大半を占める初期変動用期間に亘って、表示継続期間が正常に特定された場合の遊技回における初期変動の演出態様が継続され、初期変動用期間が経過したタイミングで、不一致用停止結果が表示された状態で全図柄列Z1〜Z3の変動表示が停止され、さらにその状態が、表示継続期間が正常に特定された場合の遊技回における静止表示期間に亘って継続されるように演出態様が設定されている。この場合、初期変動用期間は、変動用コマンドから表示継続期間が正常に特定される場合の最長の表示継続期間よりも長時間の情報として設定されている。
さらに言うと、初期変動用期間は、変動用コマンドから表示継続期間が正常に特定される場合の最長の表示継続期間を当該初期変動用期間から差し引いた時間が、主制御装置60のMPU62において新たな保留情報についてデータ設定処理(ステップS304)及び変動開始処理(ステップS305)が実行されて、変動用コマンドが送信され、表示側MPU102においてその変動用コマンドについての変動開始用処理が完了するまでの時間よりも長くなるように設定されている。
ステップS710にて、態様情報記憶エリア122にアドレス情報が記憶されることにより、不一致用態様情報に設定されている最初の描画リストの情報をプログラムROM103の描画リスト情報記憶エリア113から読み出してVDP105に出力する。これにより、VDP105がその描画リストの情報に対応した画像を図柄表示装置31の表示画面Gに描画させることで、不一致用態様の遊技回の演出が図柄表示装置31にて開始される。
続くステップS711では、ワークRAM104の不一致フラグ格納エリア123に不一致フラグを格納する。その後、本変動開始用処理を終了する。
表示制御処理(図12)の説明に戻り、ステップS601にて否定判定をした場合又はステップS602の処理を実行した後は、既に説明したとおり、ステップS603にて、1遊技回の実行中であるか否かを判定し、1遊技回の実行中である場合にはステップS604にて変動中用処理を実行する。
変動中用処理では、図15のフローチャートに示すように、ステップS801にて、描画指示タイミングであるか否かを判定する。描画指示タイミングでない場合には、そのまま本変動中用処理を終了し、描画指示タイミングである場合には、ステップS802にて、最終停止タイミング以降であるか否かを判定する。最終停止タイミング以降でない場合には、ステップS803にて、ワークRAM104に不一致フラグが格納されているか否かを判定する。今回は変動用コマンドから表示継続期間が正常に特定されていない場合についての処理であるため不一致フラグが格納されている。したがって、ステップS803にて肯定判定をして、ステップS804の処理を実行することなく、ステップS805の待機前用の描画指示処理を実行する。
既に説明したとおり、不一致用態様で遊技回の演出が実行される場合には、初期変動の演出態様が不一致用期間の大半に亘って継続され、その終了に際して全図柄列Z1〜Z3において不一致用停止結果が表示された状態で静止表示される。したがって、不一致用態様で遊技回の演出が実行される場合には、待機表示が行われている状態で揺動表示が行われることはなく、それに伴ってステップS804の処理及びステップS806の処理が実行されないようになっている。
ステップS805における待機前用の描画指示処理では、初期変動、すなわち高速変動表示にて全図柄列Z1〜Z3の図柄がスクロール表示される演出態様に対応した描画リストの情報であって、今回の描画指示タイミングに対応した描画リストの情報を描画リスト情報記憶エリア113から読み出してVDP105に出力する。これにより、図柄表示装置31では上記初期変動が初期変動用期間に亘って進行することとなる。
一方、最終停止タイミング以降であると判定した場合(ステップS802:YES)には、ステップS807にて、静止表示用の描画指示処理を実行する。当該描画指示処理では、静止表示に対応した描画リストの情報であって、今回の描画指示タイミングに対応した描画リストの情報を描画リスト情報記憶エリア113から読み出してVDP105に出力する。これにより、各待機領域SA1〜SA9に不一致用停止結果が静止表示されるとともに、それが静止表示期間に亘って継続される。
ステップS805又はステップS807の処理を実行した後は、既に説明したとおり、ステップS808にて、遊技回の終了タイミングか否かを判定し、遊技回の終了タイミングでない場合には、そのまま本変動中用処理を終了し、遊技回の終了タイミングである場合には、ステップS809にて、不一致フラグを消去した後に、本変動中用処理を終了する。
表示制御処理(図12)の説明に戻り、ステップS603にて否定判定をした場合又はステップS604の処理を実行した後は、既に説明したように、ステップS605にて、オープニングコマンドを受信しているか否かを判定し、オープニングコマンドを受信していない場合には、そのままステップS609に進む一方、オープニングコマンドを受信している場合には、ステップS606にて、不一致フラグが格納されているか否かを判定する。今回は変動用コマンドから表示継続期間が正常に特定されていない場合についての処理であるため不一致フラグが格納されている。したがって、ステップS608にて、不一致用のオープニング設定処理を実行する。
不一致用のオープニング設定処理では、図17のフローチャートに示すように、先ずステップS901にて、オープニング時間の把握処理を実行する。具体的には、オープニング演出の継続時間の情報をプログラムROM103から読み出して、それを表示側MPU102のレジスタに記憶する。続くステップS902では、静止表示期間の情報をプログラムROM103から読み出してワークRAM104の遊技回用カウンタエリア121aにセットする。この場合、遊技回用カウンタエリア121aに既に記憶されている情報に対して加算されるのではなく、静止表示期間の情報が新たにセットされる。
続くステップS903では、不一致用静止態様の設定処理を実行する。当該設定処理では、プログラムROM103に不一致用静止態様情報記憶手段として設けられた静止態様情報記憶エリア116に記憶されている不一致用静止態様情報のアドレス情報を、ワークRAM104の態様情報記憶エリア122に記憶させる。不一致用静止態様情報には、不一致用停止結果を静止表示期間に亘って静止表示させるための情報が含まれており、具体的には当該表示を行うための描画指示タイミングの情報と、各描画指示タイミングにおける描画リストの情報とが設定されている。
続くステップS904では、オープニング時間の情報の設定処理を実行する。具体的には、ステップS901にて把握したオープニング時間に対して、ステップS902にて遊技回用カウンタエリア121aにセットした静止表示期間を差し引いた時間の情報を、ワークRAM104の開閉実行用カウンタエリアにセットする。続くステップS905では、オープニング演出用の態様情報の設定処理を実行する。この場合、オープニング演出用の態様情報であって不一致用静止態様分だけ短縮された態様情報のアドレス情報を、ワークRAM104の開閉実行態様記憶エリア124に記憶させる。オープニング演出用の態様情報については、既に説明したとおりである。
ここで、既に説明したとおり、変動用コマンドから正常に表示継続期間が特定されなかった場合には不一致用期間の情報がセットされることとなるが、当該不一致用期間は、変動用コマンドから表示継続期間が正常に特定される場合の最長の表示継続期間よりも長時間の情報として設定されている。そうすると、大当たり結果となる遊技回の変動用コマンドについて、当該変動用コマンドから正常に表示継続期間が特定されなかった場合には、図柄表示装置31において不一致用態様で遊技回の演出が実行されている状況で表示側MPU102はオープニングコマンドを受信することとなる。
上記のような事情において、ステップS901〜ステップS905の処理が実行されることにより、オープニングコマンドを受信した後において、遊技回用カウンタエリア121a及び開閉実行用カウンタエリアの両方に時間の情報が格納された状態となる。この場合、表示側MPU102では、表示制御処理が起動される度に遊技回用カウンタエリア121aの減算処理を優先し、開閉実行用カウンタエリアについては遊技回用カウンタエリア121aが初期値となった後に減算処理を実行する。また、ステップS611におけるその他の処理にて、遊技回用カウンタエリア121aが初期値となるまでは、描画指示タイミングとなる度に不一致用停止結果を表示する画像に対応した描画リストの情報を出力し、遊技回用カウンタエリア121aが初期値となった後は、描画指示タイミングとなる度にオープニング演出の画像に対応した描画リストの情報を出力する。
不一致用のオープニング設定処理(図17)において、ステップS905の処理を実行した後は、ステップS906にて、ワークRAM104から不一致フラグを消去する。その後、本設定処理を終了する。
表示制御処理(図12)の説明に戻り、ステップS608にて不一致用のオープニング設定処理を実行した後は、ステップS609以降の処理を実行する。ステップS609以降の処理は既に説明したとおりである。
<変動用コマンドから表示継続期間が正常に特定されない場合の表示制御の様子>
ここで、変動用コマンドから表示継続期間が正常に特定されない場合の表示制御の様子について、図18のタイミングチャートを参照しながら説明する。
図18(a)は表示側MPU102におけるコマンドの受信状況を示し、図18(b)はメイン表示部33における変動表示の状況を示し、図18(c)は開閉実行モードの実行状況を示し、図18(d)は全図柄列Z1〜Z3で高速変動表示が行われる期間を示し、図18(e)は図柄表示装置31にて不一致用態様ではない通常の変動表示が行われる期間を示し、図18(f)は静止表示期間を示し、図18(g)はオープニング演出の実行状況を示す。
先ず、遊技回の開始対象となったもの以外に保留情報が記憶されておらず、その保留情報が大当たり結果に対応しておらず、さらに当該保留情報に係る変動用コマンドから正常に表示継続期間を特定することができない場合であって、当該遊技回の不一致用態様による演出が終了するまで新たな保留情報の取得が行われない場合について説明する。
t1のタイミングで、変動用コマンドを受信することで、表示側MPU102において遊技回を開始させるための処理が実行される。但し、今回の変動用コマンドからは正常に表示継続期間を特定することができず、表示継続期間として不一致用期間がセットされるとともに、全図柄列Z1〜Z3において高速変動表示による図柄のスクロール表示が開始される。また、t1のタイミングでは、メイン表示部33においても変動表示が開始される。なお、t1のタイミングでは、変動用コマンドと共に種別コマンドを受信しているが、今回の遊技回は不一致用態様による演出が実行されるため、表示側MPU102において種別コマンドが参照されない。
その後、t2のタイミングで、メイン表示部33において変動表示が終了される。但し、既に説明したとおり、不一致用期間は、変動用コマンドから表示継続期間が正常に特定される場合の最長の表示継続期間よりも長時間の情報として設定されているため、図柄表示装置31における図柄の変動表示はt2のタイミングで終了されず、さらに全図柄列Z1〜Z3において高速変動表示による図柄のスクロール表示が実行されている状況が継続される。
その後、t3のタイミングで、図18(A)に示すような不一致用停止結果が表示された状態で上記高速変動表示が終了され、さらに各待機領域において図柄が静止表示される。その後、t4のタイミングで、静止表示期間が経過することで、当該静止表示が継続される状態が解除される。なお、t1のタイミングでワークRAM104に格納されている不一致フラグは、t4のタイミングでステップS809の処理が実行されることで消去される。
次に、保留情報が複数記憶されており、先に遊技回の開始対象となった保留情報が大当たり結果に対応しておらず、さらに当該先に遊技回の開始対象となった保留情報に係る変動用コマンドから正常に表示継続期間を特定することができない場合について説明する。
t5のタイミングで変動用コマンドを受信することで、表示側MPU102において遊技回を開始させるための処理が実行される。但し、今回の変動用コマンドからは正常に表示継続期間を特定することができず、表示継続期間として不一致用期間がセットされるとともに、全図柄列Z1〜Z3において図柄の高速変動表示が開始される。また、t5のタイミングでは、メイン表示部33において変動表示が開始される。なお、t5のタイミングでは、変動用コマンドと共に種別コマンドを受信しているが、今回の遊技回は不一致用態様による演出が実行されるため、表示側MPU102において種別コマンドが参照されない。
その後、t6のタイミングで、メイン表示部33において変動表示が終了される。但し、図柄表示装置31では不一致用態様で演出が実行されているため、図柄表示装置31における図柄の変動表示はt6のタイミングで終了されず、さらに全図柄列Z1〜Z3において高速変動表示による図柄のスクロール表示が実行されている状況が継続される。
その後、図柄表示装置31にて不一致用態様での演出が継続されている状況においてt7のタイミングで、次の保留情報に係る変動用コマンドを受信する。表示制御処理(図12)では、1遊技回の実行中であるか否かに関係なく、変動用コマンドを受信しているか否かの判定が行われ、変動用コマンドを受信している場合には、その新たに受信している変動用コマンドについて変動開始用処理(図13)が実行される。したがって、前回受信した変動用コマンドについての不一致用態様による演出が図柄表示装置31にて実行されている状況であっても、表示側MPU102では新たに受信した変動用コマンドについて変動開始用処理が実行される。
今回受信した変動用コマンドから正常に表示継続期間を特定できたことにより、t7のタイミングで、図柄表示装置31において不一致用態様ではない通常の図柄の変動表示が開始される。この場合に、不一致用態様の演出では、その大半の期間に亘って、全図柄列Z1〜Z3における高速変動表示が継続されるとともに、通常の図柄の変動表示であっても最初は全図柄列Z1〜Z3において高速変動表示が行われる。さらに、表示制御処理(図12)では、1遊技回の実行中に新たに変動用コマンドを受信した場合に図柄表示装置31における図柄の変動表示を一旦停止させるといった処理を実行することなく、新たに受信した変動用コマンドについて変動開始用処理が実行され、その処理結果に対応した図柄の変動表示へと移行される。したがって、図柄表示装置31ではt7のタイミングの前後で、全図柄列Z1〜Z3において高速変動表示が実行されている状態が継続されることとなり、遊技者にとっては図柄表示装置31を確認しただけでは新たな遊技回が開始されたか否かを認識することはできない。
ここで、不一致用態様の演出では、既に説明したとおり、変動用コマンドから表示継続期間が正常に特定された場合に選択される最長の表示継続期間よりも長い時間に亘って、全図柄列Z1〜Z3における図柄の高速変動表示が継続される。また、既に説明したとおり、不一致用態様の演出において全図柄列Z1〜Z3にて図柄の高速変動表示が継続される初期変動用期間は、変動用コマンドから表示継続期間が正常に特定される場合の最長の表示継続期間を当該初期変動用期間から差し引いた時間が、主制御装置60のMPU62において新たな保留情報についてデータ設定処理(ステップS304)及び変動開始処理(ステップS305)が実行されて、変動用コマンドが送信され、表示側MPU102においてその変動用コマンドについての変動開始用処理が完了するまでの時間よりも長くなるように設定されている。これにより、不一致用態様の演出が実行されている状況において主制御装置60のMPU62に保留情報が保留記憶されている場合、全図柄列Z1〜Z3における図柄の高速変動表示が実行されている状況において表示側MPU102における新たな変動開始用処理の実行が確実に完了し、全図柄列Z1〜Z3において高速変動表示が実行されている状態が複数の遊技回を跨いで継続される。
なお、t7のタイミングでは、変動用コマンドと共に種別コマンドを受信しており、変動開始用処理に際しては当該種別コマンドの情報も参照される。
その後、t8のタイミングで、上記新たに開始された遊技回における通常の図柄の変動表示について、全図柄列Z1〜Z3で図柄が高速変動表示されている状況から少なくとも一部の図柄列で図柄が低速変動表示される状況となる。その後、全図柄列Z1〜Z3の各待機領域SA1〜SA9に図柄が待機表示されてその状態で各図柄が揺動表示されるようになるとともに、t9のタイミングで、それら各待機領域SA1〜SA9に待機表示されている図柄が静止表示される。この場合の停止結果は、図18(B)に示すように、不一致用停止結果として選択されない停止結果となる。
その後、t10のタイミングで、静止表示期間が経過することで、当該静止表示が継続される状態が解除される。なお、t5のタイミングでワークRAM104に格納されている不一致フラグは、t7のタイミングでステップS707の処理が実行されることで消去される。
次に、遊技回の開始対象となった保留情報が大当たり結果に対応しており、さらに当該保留情報に係る変動用コマンドから正常に表示継続期間を特定することができない場合について説明する。
t11のタイミングで変動用コマンドを受信することで、表示側MPU102において遊技回を開始させるための処理が実行される。但し、今回の変動用コマンドからは正常に表示継続期間を特定することができず、表示継続期間として不一致用期間がセットされるとともに、全図柄列Z1〜Z3において図柄の高速変動表示が開始される。また、t11のタイミングでは、メイン表示部33において変動表示が開始される。なお、t11のタイミングでは、変動用コマンドと共に種別コマンドを受信しているが、今回の遊技回は不一致用態様による演出が実行されるため、表示側MPU102において種別コマンドが参照されない。
その後、図柄表示装置31にて不一致用態様での演出が継続されている状況においてt12のタイミングで、メイン表示部33における今回の変動表示が終了されるとともに、表示側MPU102ではオープニングコマンドを受信する。また、主制御装置60のMPU62では開閉実行モードが開始される。
この場合、既に説明した不一致用のオープニング設定処理(図17)が実行されることで、図柄表示装置31では即座にオープニング演出が実行されるのではなく、図18(C)に示すような不一致用停止結果が表示された状態で上記高速変動表示が終了され、さらに各待機領域において図柄が静止表示される。その後、t13のタイミングで、静止表示期間が経過することで、図柄表示装置31ではオープニング演出が開始される。
上記のように不一致用態様での演出が実行されている状況においてオープニングコマンドを受信した場合、不一致用停止結果が表示されてからオープニング演出が開始されることにより、不一致用態様での演出に連続して開閉実行モードへの移行が発生したとしても、遊技者は両者の境界を認識し易くなる。また、不一致用停止結果の静止表示期間に亘る静止表示は、本来のオープニング演出が静止表示期間分だけ短縮させて行われる。これにより、不一致用停止結果が静止表示されることによる影響は、オープニング演出の範囲内に限定され、その後の各ラウンド演出にまで影響が及ぶことが阻止される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
主制御装置60のMPU62(以下、主側MPU62とも言う)から送信された情報に基づいて、図柄の変動表示が行われるように表示側MPU102により図柄表示装置31が表示制御されるため、主側MPU62に対する処理負荷の集中が緩和される。この場合に、表示側MPU102では、主側MPU62から送信された変動用コマンドを受信したことに基づいてそれに対応した遊技回用演出の態様が決定され、さらにその遊技回用演出が図柄表示装置31にて実行されている状況においては、停止結果の最終停止表示が、主側MPU62からの確定コマンドの送信を要することなく、上記決定された遊技回用演出の態様に基づいて行われる。これにより、主側MPU62は確定コマンドを送信する必要がなくなり、確定コマンドを送信する構成に比べ、主側MPU62から送信されるコマンドの数を減らすことができ、主制御装置60において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
また、表示側MPU102では、待機表示の開始タイミング、待機表示の終了タイミング及び静止表示の開始タイミングも、主側MPU62からの指令に因らずに独自に特定され、さらにはデモ画像の表示を開始させるタイミングも主側MPU62からの指令に因らずに独自に特定される。この点からも、上記各タイミングを特定するためのコマンドが主側MPU62から送信される構成に比べ、主側MPU62から送信されるコマンドの数を減らすことができ、主制御装置60において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
上記の各種タイミングは、変動用コマンドを受信したことに基づいて決定された遊技回用演出の態様に含まれている。これにより、表示側MPU102では、上記遊技回用演出の態様に基づいて表示制御を行うことで、一連の遊技回用演出を完了させることができるため、遊技回用演出を行わせるための表示制御の実行途中における処理負荷の軽減が図られる。
表示側MPU102は、受信した変動用コマンドから表示継続期間を正常に特定できなかった場合であっても、不一致用態様による図柄の変動表示を開始させる。これにより、変動用コマンドの一部の情報が伝送途中にノイズ等の影響で書き換えられたとしても、遊技回用演出を行うことができる。この場合に、既に説明したとおり、遊技回用演出の終了契機は表示側MPU102において独自に特定することができる。
不一致用態様による遊技回用演出が行われる場合の表示継続期間は、変動用コマンドから表示継続期間が正常に特定される場合に選択され得る最短の表示継続期間よりも長い時間として設定されている。これにより、不一致用態様による遊技回用演出が行われる場合に、その表示継続期間が極端に短くなってしまうことが抑えられる。表示継続期間が極端に短い構成を想定すると、主側MPU62に保留情報が保留記憶されている状況において不一致用態様による遊技回用演出が終了されてから次の遊技回用演出が開始されるまでの期間が必要以上に長くなってしまうことが懸念される。この場合、遊技者は、第1保留ランプ部35にて保留情報が保留記憶されている旨の表示がなされているにも関わらず、次の遊技回が開始されないと感じるおそれがあり、そうすると遊技者に違和感を与えることが懸念される。これに対して、上記のように不一致用態様による遊技回用演出が行われる場合にその表示継続期間が極端に短くなってしまうことが抑えられていることで、上記のような不都合の発生が抑えられる。
不一致用態様による遊技回用演出が行われる場合、表示側MPU102は表示継続期間の設定に関して、遊技回用カウンタエリア121aの全ビットに「1」をセットするだけでよいため、不一致用態様による遊技回用演出の設定に係る処理の簡素化が図られる。
不一致用態様による遊技回用演出が行われている途中において新たな変動用コマンドを受信した場合には、表示側MPU102では不一致用態様による遊技回用演出を中止して、新たに受信した変動用コマンドについての遊技回用演出が開始される。これにより、主側MPU62が新たな遊技回を開始させようとしているにも関わらず不一致用態様による遊技回用演出が継続されてしまうことが阻止される。
また、不一致用態様による遊技回用演出が行われる場合、上記のとおり遊技回用カウンタエリア121aの全ビットに「1」がセットされる。これは、遊技回用カウンタエリア121aにセット可能な上限表示継続期間に対応しており、変動用コマンドから正常に表示継続期間が選択される場合の最長の表示継続期間よりも長い時間である。これに対して、主側MPU62では独自に各遊技回の表示継続期間を計測しているため、不一致用態様による遊技回用演出が行われている状況において主側MPU62に保留情報が保留記憶されている場合には、当該不一致用態様による遊技回用演出が行われている状況において主側MPU62から変動用コマンドが送信される。この場合に、上記のように新たな遊技回用演出の開始が優先されることで、変動用コマンドから表示継続期間を正常に特定できない状況が突発的に発生したとしても、当該状況の発生が、その後に送信される変動用コマンドに係る遊技回用演出にまで大きく影響してしまうことが抑えられる。
不一致用態様による遊技回用演出が行われる場合、その遊技回用演出の態様の決定をする場合に受信していた種別コマンドが正常に解読できるか否かに関係なく、大当たり図柄の組み合わせがいずれの有効ライン上にも停止表示されない停止結果が最終停止表示される。変動用コマンドの情報が伝送途中においてノイズ等の影響で書き換えられている場合、それと同時に送信される種別コマンドの情報も書き換えられている可能性がある。このような事情において、不一致用態様による遊技回用演出が行われる場合、大当たり図柄の組み合わせがいずれの有効ライン上にも停止表示されない停止結果が最終停止表示されることで、種別コマンドの情報が正常でなかったにも関わらず大当たり図柄の組み合わせが停止表示されてしまうことを防止することができる。
<第2の実施形態>
本実施形態では、表示側MPU102における変動開始用処理の処理構成が上記第1の実施形態と異なっている。図19は、本実施形態における変動開始用処理を示すフローチャートである。
先ずステップS1001では、表示側時間テーブルを参照する。続くステップS1002では、該当する表示継続期間の情報が存在しているか否かを判定する。該当する表示継続期間の情報が存在している場合には、ステップS1003にて、ワークRAM104に不一致フラグが格納されているか否かを判定する。不一致フラグが格納されていない場合には、ステップS1004〜ステップS1007の処理を実行する。これらステップS1004〜ステップS1007の各処理は、上記第1の実施形態におけるステップS703〜ステップS706の各処理と同様である。
ステップS1003にて、不一致フラグが格納されていると判定した場合には、ステップS1008〜ステップS1014の処理を実行する。つまり、ステップS1008では、静止表示期間の情報をプログラムROM103から読み出してワークRAM104の優先カウンタエリアにセットする。続くステップS1009では、不一致用静止態様の設定処理を実行する。当該設定処理では、プログラムROM103の静止態様情報記憶エリア116に記憶されている不一致用静止態様情報のアドレス情報を、ワークRAM104の優先記憶エリアに記憶させる。不一致用静止態様情報には、不一致用停止結果を静止表示期間に亘って静止表示させるための情報が含まれており、具体的には当該表示を行うための描画指示タイミングの情報と、各描画指示タイミングにおける描画リストの情報とが設定されている。
続くステップS1010では、調整後の表示継続期間の情報をセットするための処理を実行する。具体的には、ステップS1001にて把握した表示継続期間に対して、ステップS1008にて優先カウンタエリアにセットした静止表示期間を差し引いた時間の情報を、ワークRAM104の遊技回用カウンタエリア121aにセットする。
続くステップS1011では、大当たり結果の有無を把握するとともに、大当たり結果の情報が含まれている場合にはその大当たり結果の種別を把握する。また、リーチ発生の有無を把握する。続くステップS1012では、停止結果設定処理を実行するとともに、ステップS1013では、遊技回用演出態様の設定処理を実行する。この場合、遊技回用演出態様の設定処理では、遊技回用演出の態様情報であって不一致用静止態様分だけ高速変動表示期間が短縮された態様情報のアドレス情報を、ワークRAM104の態様情報記憶エリア122に記憶させる。その後、ステップS1014にて、ワークRAM104から不一致フラグを消去した後に、本変動開始用処理を終了する。
ステップS1008〜ステップS1012の処理が実行されることにより、変動用コマンドを受信した後において、優先カウンタエリア及び遊技回用カウンタエリア121aの両方に時間の情報が格納された状態となる。この場合、表示側MPU102では、表示制御処理が起動される度に優先カウンタエリアの減算処理を優先し、遊技回用カウンタエリア121aについては優先カウンタエリアが初期値となった後に減算処理を実行する。また、本実施形態における変動中用処理では、図示による説明を省略するが、優先カウンタエリアが初期値となるまでは、描画指示タイミングとなる度に不一致用停止結果を表示する画像に対応した描画リストの情報を出力し、優先カウンタエリアが初期値となった後は、描画指示タイミングとなる度に新たな遊技回に係る演出の画像に対応した描画リストの情報を出力する。
変動開始用処理(図19)において、ステップS1002にて、該当する表示継続期間の情報が存在していない場合には、ステップS1015にて不一致用処理を実行した後に、本変動開始用処理を終了する。不一致用処理は、上記第1の実施形態におけるステップS708〜ステップS711の処理と同様である。
以上詳述した本実施形態によれば、不一致用態様での演出が実行されている状況において表示側MPU102が新たに変動用コマンドを受信した場合には、不一致用停止結果が最終停止表示された後に、次の遊技回用演出が開始される。これにより、遊技者は1遊技回が終了して次の遊技回が開始されたことを認識し易い。
また、不一致用態様での演出が実行されている状況において表示側MPU102が新たに変動用コマンドを受信した場合、不一致用停止結果の静止表示期間に亘る静止表示は、次の遊技回用演出の表示継続期間を静止表示期間分だけ短縮させて行われる。これにより、上記のように不一致用停止結果が静止表示されることによる影響は、次の遊技回用演出の範囲内に限定される。
<第3の実施形態>
本実施形態では、主側MPU62及び表示側MPU102における処理構成の一部が上記第1の実施形態と異なっている。以下、上記第1の実施形態との相違点について説明する。
図20は、本実施形態における電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置60は、上記第1の実施形態と同様に、ROM63及びRAM64を有する主側MPU62が搭載された主制御基板61を備えている。ROM63には、当否テーブル記憶エリア63a、振分テーブル記憶エリア63b、主側時間テーブル記憶エリア63c及びコマンド情報記憶エリア63dが設けられており、RAM64には、保留球格納エリア64a、各種カウンタエリア64b及び各種フラグ格納エリア64cが設けられている。これら各エリア63a〜63d,64a〜64cの詳細は上記第1の実施形態と同様である。
主側MPU62の出力側には、上記第1の実施形態と同様に、メイン表示部33が接続されている。また、主側MPU62の出力側には、保留球格納エリア64aに格納されている保留情報の数を明示するための保留情報数表示部(特別情報数表示部)としての保留ランプ部35が接続されている。当該保留ランプ部35は、上記第1の実施形態では音声ランプ制御装置90により表示制御されていたものであり、本実施形態では当該保留ランプ部35が主制御装置60(すなわち、主側MPU62)により表示制御される。つまり、主側MPU62は、遊技回の実行中であること及び抽選結果を報知するための表示部であるメイン表示部33を他の制御装置を介することなく直接制御するとともに、上記保留情報の数を明示するための表示部である保留ランプ部35を他の制御装置を介することなく直接制御する。
主側MPU62は、上記第1の実施形態と同様に、各種コマンドを他の制御装置に送信する。そのうち、図柄表示装置31を表示制御するための遊技回制御用コマンドや遊技状態用コマンドを音声ランプ制御装置90に送信する。また、主側MPU62は、保留球格納エリア64aに記憶されている保留情報の数が増減した場合に、それを下流側の制御装置に認識させるための保留情報数用コマンドを音声ランプ制御装置90に送信する。音声ランプ制御装置90は受信した各種コマンドを、その情報形態をそのまま維持した状態で表示制御装置100に送信する。
表示制御装置100は、上記第1の実施形態と同様に、プログラムROM103及びワークRAM104を有する表示側MPU102と、VDP105と、キャラクタROM106と、ビデオRAM107とがそれぞれ搭載された表示制御基板101を備えている。
プログラムROM103には、表示側時間テーブル記憶エリア111、態様情報記憶エリア112及び描画リスト情報記憶エリア113が設けられている。これら各エリア111〜113の詳細は上記第1の実施形態と同様である。また、プログラムROM103には、異常用停止結果記憶エリア131と、異常用態様情報記憶エリア132と、が設けられている。これら異常用停止結果記憶エリア131及び異常用態様情報記憶エリア132に記憶されている情報は、遊技回用演出を正常に実行できない場合に利用される。その詳細については後に説明する。
ワークRAM104には、リングバッファ141、保留情報数記憶エリア142、各種カウンタエリア143及び各種フラグ格納エリア144が設けられている。これら各エリア141〜144のうちリングバッファ141は、音声ランプ制御装置90から受信したコマンドを時系列的に格納する機能を有しており、コマンドを個別に格納するためのエリアを複数備えている。また、コマンドの書き込み毎に更新される書き込みポインタと、コマンドの読み出し毎に更新される読み出しポインタと、が設定されており、書き込みポインタにより示されたエリアに対してコマンドを書き込み、読み出しポインタにより示されたエリアからコマンドを読み出す。
ここで、表示側MPU102には、音声ランプ制御装置90から送信されたコマンドを受信する情報受信手段(又は情報受け手段)として、入力ポート151を備えている。入力ポート151は、複数ビット、具体的には8ビットの情報を同時に受信可能なエリアを備えている。また、音声ランプ制御装置90と入力ポート151とを接続する信号経路には、入力ポート151の各ビットのエリアに1対1で対応させて複数の単位経路が設けられている。そして、音声ランプ制御装置90から表示側MPU102へは、8ビットの情報がパラレルで送信されるようになっている。ちなみに、かかるパラレル送信の構成は、主側MPU62から音声ランプ制御装置90へのコマンドの送信に際しても同様である。この点、主側MPU62は表示側MPU102に向けて複数ビットの情報をパラレルで送信しているとも言える。
主側MPU62から表示側MPU102に向けて送信される各種コマンドは、複数バイトの情報、具体的には2バイト(16ビット)の情報として設定されている。つまり、表示側MPU102において一のコマンドが受信される場合に、入力ポート151へのパラレル送信が複数回発生することとなる。なお、コマンドの送信に係る構成は上記のものに限定されることはなく、1バイトよりも少ない単位でパラレル送信される構成としてもよい。
入力ポート151にて受信されたコマンドは、リングバッファ141の複数のエリアのうち、書き込みポインタにて示されたエリアに書き込まれる。この書き込みは、プログラムに基づくソフトウェアによる処理ではなく、専用のハード回路による処理として実行されるが、これに限定されることはなく、プログラムに基づくソフトウェアによる処理にて実行される構成としてもよい。リングバッファ141の書き込みポインタは、リングバッファ141の一のエリアに対して一のコマンドが格納された場合に、次のエリアを書き込み対象とするように更新される。
ちなみに、表示側MPU102は、一のコマンドを受信する場合、音声ランプ制御装置90から受信報知用信号としてストローブ信号を受信するとともに、一のコマンドの受信又は1回のパラレル送信による情報の受信が完了した場合に音声ランプ制御装置90に向けて受信完了用信号としてビジー信号を送信する。つまり、表示側MPU102は、上流側の制御装置との間での通信を良好に行うために、所定の情報を受ける場合に上流側からストローブ信号を受信するとともに、所定の情報を受けた場合に上流側に向けてビジー信号を送信する。但し、表示側MPU102から音声ランプ制御装置90に向けてビジー信号が送信されない構成としてもよく、この場合、上流側の制御装置である音声ランプ制御装置90ではビジー信号の受信がなくてもコマンドの送信を良好に行えるように処理プログラムなどが設定されている必要がある。
ワークRAM104の各エリア141〜144のうち保留情報数記憶エリア142は、主側MPU62にて保留記憶されている保留情報の数を表示側MPU102において認識するために用いられるカウンタエリアである。表示側MPU102では、保留情報数記憶エリア142に記憶されている情報に基づいて、保留情報の数の報知が図柄表示装置31の表示画面Gにて行われるようにVDP105に対して内部コマンドを出力する。
当該報知について図21を用いて詳細に説明する。図21は図柄表示装置31の表示画面Gを示す図である。
表示画面Gの下部には、保留表示領域Gaが設定されている。保留表示領域Gaは、主側MPU62にて保留記憶可能な保留情報の最大個数と同一の数の単位保留表示領域Ga1〜Ga4が所定方向(具体的には、左右方向)に並設されるように区画表示されている。具体的には、保留記憶可能な保留情報の最大個数は4個であり、これに対応させて保留表示領域Gaには、第1単位保留表示領域Ga1、第2単位保留表示領域Ga2、第3単位保留表示領域Ga3及び第4単位保留表示領域Ga4が設定されている。
例えば、保留個数が1個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1のみにて所定の保留用画像が表示される。また、保留個数が増加する毎に保留用画像が表示される単位保留表示領域の数が所定方向に増加し、保留個数が4個の場合には、第1単位保留表示領域Ga1〜第4単位保留表示領域Ga4の全てにおいて保留用画像が表示される。
上記保留表示領域Gaは、表示画面Gにおいて待機領域SA1〜SA9と重複しないように設定されているが、これに限定されることはなく待機領域SA1〜SA9の一部と重複するように設定されていてもよい。また、保留用画像の画像データは、キャラクタROM106に予め記憶されているとともに、保留表示領域Ga及び保留用画像は、表示側MPU102からの指示に基づきVDP105においてビデオRAM107への描画処理が実行されることにより表示画面Gにおいて表示されることとなる。
<主制御装置60にて実行される各種処理について>
次に、主制御装置60にて実行される各種処理のうち、作動口用の入賞処理及びデータ設定処理について説明する。
先ず、作動口用の入賞処理について説明する。当該処理は、上記第1の実施形態と同様に、主側MPU62のタイマ割込み処理(図7)におけるステップS105にて実行される。
図22は、作動口用の入賞処理を示すフローチャートである。ステップS1101では、RAM64に上作動口入賞フラグが格納されているか否かを判定する。上作動口入賞フラグはステップS101の読み込み処理にて上作動口23への入賞の発生が確認された場合に格納されるフラグである。上作動口入賞フラグが格納されていない場合には、ステップS1102〜ステップS1107の処理を実行することなくステップS1108に進む。上作動口入賞フラグが格納されている場合には、ステップS1102に進む。
ステップS1102では、上作動口入賞フラグを消去する。続くステップS1103では、保留球格納エリア64aの保留数記憶エリアNAに格納された値を読み出し、保留用エリアREに保留記憶されている始動保留記憶数Nが上限値(本実施の形態では「4」)未満であるか否かを判定する。始動保留記憶数Nが上限値以上である場合には、そのままステップS1108に進む。始動保留記憶数Nが上限値未満である場合には、ステップS1104に進み、始動保留記憶数Nを1加算する。
続くステップS1105では、前回のステップS103にて更新した大当たり乱数カウンタC1、大当たり種別カウンタC2及びリーチ乱数カウンタC3の各値(各数値情報)を、保留用エリアREの空き保留エリアRE1〜RE4のうち最初の保留エリア、すなわち上記ステップS1104にて1加算した保留記憶数と対応する保留エリアに格納する。
続くステップS1106では、保留コマンドの設定処理を実行する。当該処理は、保留情報の新たな取得が発生したことを下流側の制御装置である音声ランプ制御装置90及び表示制御装置100に認識させるための保留コマンドを設定するための処理である。この場合、当該設定処理では、現状記憶されている保留情報の数を認識し、その認識した保留情報の数に対応した情報を含む保留コマンド(特別情報の増加認識用情報)を設定する。ここで設定された保留コマンドは、通常処理(図8)のステップS201における外部出力処理にて音声ランプ制御装置90に送信され、音声ランプ制御装置90から表示制御装置100に送信される。表示側MPU102では、当該保留コマンドを受信することで、保留情報が増加したこと及び増加後の保留情報の数を認識することができる。
なお、表示側MPU102において増加後の保留情報の数を認識することができるのであれば、保留情報が増加したことを認識できることは必須ではなく、この点、保留コマンドに保留情報が増加したことを示す情報が含まれていなくてもよい。
続くステップS1107では、保留表示の更新処理を実行する。当該更新処理では、保留ランプ部35にて報知されている保留情報の数が1増加した状態となるように、当該保留ランプ部35の制御状態を変更する。具体的には、保留ランプ部35が増加後の保留情報の数に対応した表示状態となるように、駆動信号の出力状態を変更する。
ステップS1101にて否定判定した場合、ステップS1103にて否定判定した場合又はステップS1107の処理を実行した後には、ステップS1108にて、RAM64に下作動口入賞フラグが格納されているか否かを判定する。下作動口入賞フラグはステップS101の読み込み処理にて下作動口24への入賞の発生が確認された場合に格納されるフラグである。下作動口入賞フラグが格納されていない場合には、そのまま本入賞処理を終了する。下作動口入賞フラグが格納されている場合には、ステップS1109にて下作動口入賞フラグを消去した後に、ステップS1103〜ステップS1107の処理を実行する。この場合、ステップS1103〜ステップS1107の処理後におけるステップS1108の処理にて否定判定をすることで、本入賞処理を終了する。
次に、データ設定処理について説明する。当該処理は、上記第1の実施形態と同様に、主側MPU62の遊技回制御処理(図9)におけるステップS304にて実行される。
図23は、データ設定処理を示すフローチャートである。ステップS1201では、始動保留記憶数Nを1減算する。続くステップS1202では、保留用エリアREの第1保留エリアRE1に格納されたデータを実行エリアAEに移動する。
その後、ステップS1203にて、保留用エリアREの各保留エリアRE1〜RE4に格納されたデータ(すなわち、保留情報)をシフトさせる処理を実行する。このデータシフト処理は、第1保留エリアRE1〜第4保留エリアRE4に格納されているデータを下位エリア側に順にシフトさせる処理であって、第1保留エリアRE1のデータをクリアするとともに、第2保留エリアRE2→第1保留エリアRE1、第3保留エリアRE3→第2保留エリアRE2、第4保留エリアRE4→第3保留エリアRE3といった具合に各エリア内のデータがシフトされる。
続くステップS1204では、シフト時コマンドの設定処理を実行する。当該処理は、保留情報のシフトが発生したことを下流側の制御装置である音声ランプ制御装置90及び表示制御装置100に認識させるためのシフト時コマンドを設定するための処理である。この場合、当該設定処理では、現状記憶されている保留情報の数を認識し、その認識した保留情報の数に対応した情報を含むシフト時コマンド(特別情報の減少認識用情報)を設定する。ここで設定されたシフト時コマンドは、通常処理(図8)のステップS201における外部出力処理にて音声ランプ制御装置90に送信され、音声ランプ制御装置90から表示制御装置100に送信される。表示側MPU102では、当該シフト時コマンドを受信することで、保留情報が減少したこと及び減少後の保留情報の数を認識することができる。
なお、表示側MPU102において減少後の保留情報の数を認識することができるのであれば、保留情報が減少したことを認識できることは必須ではなく、この点、シフト時コマンドに保留情報が減少したことを示す情報が含まれていなくてもよい。
ここで、主側MPU62の遊技回制御処理(図9)にてデータ設定処理が実行される場合、その処理回の通常処理(図8)にて変動開始処理が実行されて変動用コマンド及び種別コマンドが設定される。つまり、シフト時コマンドは変動用コマンド及び種別コマンドとともに通常処理の同一の処理回にて設定される。そして、これらコマンドはその次の通常処理の処理回におけるステップS201にて全て出力される。
すなわち、主側MPU62は通常処理の一の処理回において少なくとも3種類のコマンドを送信可能な構成となっており、シフト時コマンドが送信される場合にはその送信が行われる通常処理の処理回にて変動用コマンド及び種別コマンドの両方も送信される。但し、これら3種類のコマンドは同時に送信されるのではなく、通常処理における一の処理回の範囲内において、シフト時コマンド→変動用コマンド→種別コマンドの順で送信される。この順序は、音声ランプ制御装置90から表示側MPU102に上記3種類のコマンドが送信される場合も同様である。
続くステップS1205では、保留表示の更新処理を実行する。当該更新処理では、保留ランプ部35にて報知されている保留情報の数が1減少した状態となるように、当該保留ランプ部35の制御状態を変更する。具体的には、保留ランプ部35が減少後の保留情報の数に対応した表示状態となるように、駆動信号の出力状態を変更する。その後、本データ設定処理を終了する。
<表示制御装置100にて実行される各種処理について>
次に、表示側MPU102にて、図柄表示装置31の表示画面Gにおいて画像を表示させる上で実行される表示制御処理を説明する。当該表示制御処理は、上記第1の実施形態と同様に、所定の周期(例えば、2msec)で繰り返し起動される。
図24は、表示制御処理を示すフローチャートである。当該表示制御処理では、ステップS1301にてコマンド確認処理を実行し、ステップS1302にて静止表示後の確認処理を実行し、ステップS1303にて保留表示用処理を実行する。その後、ステップS1304にて、大当たり演出中か否かを判定し、大当たり演出中でないことを条件としてステップS1305〜ステップS1308の処理を実行する。
ステップS1305では、ワークRAM104の各種フラグ格納エリア144に変動用フラグ及び種別フラグの両方が格納されているか否かを判定する。変動用フラグはステップS1301のコマンド確認処理において変動用コマンドの受信が確認された場合に格納されるフラグであり、種別フラグはステップS1301のコマンド確認処理において種別コマンドの受信が確認された場合に格納されるフラグである。変動用フラグ及び種別フラグの両方が格納されていることを条件として、ステップS1306にて変動開始用処理を実行する。
ステップS1305にて否定判定をした場合又はステップS1306の後は、ステップS1307にて1遊技回の実行中であるか否かを判定する。1遊技回の実行中であることを条件として、ステップS1308にて変動中用処理を実行する。
ステップS1307にて否定判定をした場合又はステップS1308の後は、ステップS1309に進む。ステップS1309では、前回の遊技回の停止結果を表示して静止表示期間が経過してから開始待ち期間が経過しているか否かを判定する。当該開始待ち期間が経過しているか否かの判定に際しては、ワークRAM104の各種カウンタエリア143に設けられた開始待ち演出用カウンタエリアが用いられ、当該カウンタエリアには静止表示期間が経過したタイミングで開始待ち期間の情報がセットされるとともに、表示制御処理が起動される度に1減算されるように更新される。
ここで、上記開始待ち期間は、主側MPU62にて保留情報が記憶されている状況において1の遊技回が終了してから、その既に記憶されている保留情報について主側MPU62にて変動開始処理(図10)が実行されて変動用コマンドが送信され、さらに当該変動用コマンドについての表示側MPU102における変動開始用処理の実行が正常に完了するまでに要する時間よりも長い期間として設定されている。これにより、主側MPU62にて保留情報が記憶されている状況において1の遊技回が終了した場合に、当該保留情報に係る遊技回が開始される直前にデモ画像の表示が開始されてしまうことが防止されている。なお、上記開始待ち期間は、静止表示期間が経過してから後述する第1の開始異常タイミングであると判定されるまでに要する期間よりも長い期間として設定されている。かかる第1の開始異常タイミングについては後に説明する。
デモ画像の開始タイミングである場合には、ステップS1310にて、デモ画像用処理を実行する。デモ画像用処理の内容は、上記第1の実施形態におけるステップS610と同様である。
ステップS1309にて否定判定をした場合又はステップS1310の処理を実行した後は、ステップS1311にて、その他の処理を実行する。当該処理では、上記第1の実施形態におけるステップS605〜ステップS608と同様の処理を実行するとともに、上記第1の実施形態におけるステップS611と同様の処理を実行する。その後、本表示制御処理を終了する。
以下、ステップS1301におけるコマンド確認処理、ステップS1302における静止表示後の確認処理、ステップS1303における保留表示用処理、ステップS1306における変動開始用処理及びステップS1308における変動中用処理について詳細に説明する。
<コマンド確認処理>
先ず、ステップS1301のコマンド確認処理について説明する。コマンド確認処理は、リングバッファ141に格納されたコマンドを順次確認するための処理である。
図25のフローチャートに示すように、ステップS1401にて、確認すべきコマンドがリングバッファ141に格納されているか否かを判定する。確認すべきコマンドがない場合には、そのまま本確認処理を終了する。確認すべきコマンドがある場合には、ステップS1402にて、確認すべきコマンドのうち、1バイト目の確認状態であるか否かを判定する。
既に説明したように、表示側MPU102が受信するコマンドは2バイトで構成されており、当該コマンドの情報を上位側のバイトと下位側のバイトとで区別した場合に、ステップS1402では上位側のバイトの情報を確認すべき状態であるか否かを判定する。当該判定の仕方は任意であるが、本実施形態では、ワークRAM104の各種フラグ格納エリア144に確認状態用フラグ格納エリアが設定されており、当該エリアに確認状態用フラグが格納されていない状態が1バイト目の確認状態であり、当該エリアに確認状態用フラグが格納されている状態が2バイト目の確認状態に相当する。
1バイト目の確認状態である場合には、ステップS1403にて、1バイト目の各ビットの確認処理を実行する。具体的には、リングバッファ141から今回の確認対象のコマンドのうち、上位側のバイトに含まれる各ビットの情報を表示側MPU102のレジスタに転送し、それら各ビットの情報を順次確認する。そして、その確認結果を表示側MPU102のレジスタにおける別のエリアに記憶する。
続くステップS1404では、ワークRAM104の各種カウンタエリア143における確認回数用のカウンタエリアの情報を更新することで、確認回数を更新する。なお、当該確認回数用のカウンタエリアの情報は1バイト目の確認状態と2バイト目の確認状態との間で切り換えられる場合に初期化される。続くステップS1405では、ステップS1404の更新後における確認回数が2回以上であるか否かを判定する。確認回数が2回未満である場合にはそのまま本確認処理を終了する。確認回数が2回以上である場合にはステップS1406に進む。
ステップS1406では、ステップS1403の処理の結果が、前回と一致しているか否かを判定する。前回と一致していない場合には、そのまま本確認処理を終了する。この場合、同一のコマンドにおける上位側のバイトの情報が再度確認される。前回と一致している場合には、ステップS1407にて、ステップS1403における確認結果の情報を、今回の確認対象のコマンドにおける上位側のバイトの情報として確定させる。上記のように複数回の確認を行うようにすることで、例えばリングバッファ141から表示側MPU102のレジスタへの転送途中でノイズなどの影響で情報が書き換えられてしまったとしても、その影響が低減される。
続くステップS1408では、ステップS1407にて確定させた情報が変動用コマンドに対応しているか否かを判定する。表示側MPU102に送信されるコマンドは、その上位側のバイトの情報がコマンドの種類を表示側MPU102に認識させるための識別用情報となっており、例えば16進数で「C1」となっている。ステップS1408では、ステップS1407にて確定させた情報が当該識別用情報と一致しているか否かを判定する。
上記識別用情報と一致している場合にはステップS1409にて、ワークRAM104の各種フラグ格納エリア144に静止表示許可情報の記憶手段として設けられた静止表示フラグ格納エリアに、静止表示フラグを格納する。静止表示フラグが格納されることによる作用は後に詳細に説明する。
ステップS1408にて否定判定をした場合又はステップS1409の後は、ステップS1410にて2バイト目の確認状態に設定する。その後、本確認処理を終了する。
2バイト目の確認状態に設定されることにより、次回のコマンド確認処理では、ステップS1402にて否定判定をして、ステップS1411に進む。ステップS1411では各ビットの確認処理を実行し、ステップS1412では確認回数を更新し、ステップS1413では確認回数が2回以上であるか否かを判定し、ステップS1414では確認結果が前回と一致しているか否かを判定する。これらステップS1411〜ステップS1414の各処理は、確認対象の情報が上位側のバイトの情報ではなく下位側のバイトの情報であることを除き、上記ステップS1403〜ステップS1406の各処理と同様である。
ステップS1415では、今回確認が完了したコマンドが変動用コマンドであるか否かを判定する。変動用コマンドでない場合には、そのままステップS1418に進み、変動用コマンドである場合には、ステップS1416にて、ワークRAM104の各種フラグ格納エリア144に変動用フラグが格納されているとともに、種別フラグが格納されていない状態であるか否かを判定する。既に説明したように変動用フラグ及び種別フラグの両方が格納されている場合に変動開始用処理が実行されて遊技回用演出が開始される。また、後述するように当該変動開始用処理が実行された場合、その終了に際して変動用フラグ及び種別フラグは消去される。したがって、変動用フラグが格納されているとともに種別フラグが格納されていない状態とは、種別コマンドの受信が生じることなく変動用コマンドの受信が連続したことを意味する。
上記状態でない場合には、そのままステップS1418に進み、上記状態である場合にはステップS1417に進む。ステップS1417では、ワークRAM104の各種フラグ格納エリア144に連続異常情報の記憶手段として設けられた連続異常フラグ格納エリアに、連続異常フラグを格納する。連続異常フラグが格納されることによる作用は後に詳細に説明する。その後、ステップS1418に進む。
ステップS1418では、確認した情報の書き込み処理を実行する。具体的には、ステップS1407にて確定させた情報に基づいて、今回確認が完了したコマンドの種類をその後の処理において表示側MPU102にて特定するための情報を、ワークRAM104の各種フラグ格納エリア144に格納する。例えば、変動用コマンドの確認が完了した場合には変動用フラグを格納し、種別コマンドの確認が完了した場合には種別フラグを格納する。また、保留コマンドの確認が完了した場合には保留増加フラグを格納し、シフト時コマンドの確認が完了した場合には保留減少フラグを格納する。
また、ステップS1418では、今回の確認対象となったコマンドの2バイト目、すなわち下位側のバイトの情報を、今回格納したフラグと対応付けてワークRAM104に記憶させる。この場合、コマンドの受信に対応したフラグ格納エリアは、各コマンドに対して1個のみ設定されているとともに、下位側のバイトの情報を格納するためのエリアも各コマンドに対して1個のみ設定されている。したがって、ステップS1418では、今回確認が完了したコマンドに対応したエリアであって、下位側のバイトの情報を格納するためのエリアに既に情報が書き込まれていたとしても、そのエリアに対して新たな情報を書き込む。例えば、変動用コマンドに対応したエリアであって、下位側のバイトの情報を格納するためのエリアに既に情報が書き込まれていたとしても、新たに変動用コマンドについての確認が完了した場合には、この新たに確認が完了した変動用コマンドについて下位側のバイトの情報を上書きする。
続くステップS1419では、2バイト目の確認状態を解除して、1バイト目の確認状態に設定する。その後、ステップS1420にて、リングバッファ141の読み出しポインタの情報を更新することで、リングバッファ141の複数のエリアにおけるコマンドの読み出し対象となるエリアが次に更新される。その後、本確認処理を終了する。
<静止表示後の確認処理>
次に、ステップS1302の静止表示後の確認処理について説明する。静止表示後の確認処理は、先の遊技回用演出の静止表示後における状態を確認するための処理である。
図26のフローチャートに示すように、ステップS1501では、1遊技回の実行中であるか否かを判定し、ステップS1502では、大当たり演出中であるか否かを判定する。1遊技回の実行中又は大当たり演出中のいずれかである場合には、そのまま本確認処理を終了する。1遊技回の実行中及び大当たり演出中のいずれでもない場合には、ステップS1503にて、ワークRAM104に変動用フラグが格納されているか否かを判定する。変動用フラグは既に説明したように、変動用コマンドの受信の確認が完了した場合に格納されるフラグである。
変動用フラグが格納されている場合には、そのまま本確認処理を終了する。変動用フラグが格納されていない場合には、ステップS1504にて、ワークRAM104の各種フラグ格納エリア144に保留中終了フラグが格納されているか否かを判定する。保留中終了フラグは、後述するように、主側MPU62にて保留情報が保留記憶されていると表示側MPU102にて把握されている状況で遊技回用演出が終了した場合に格納されるフラグである。保留中終了フラグが格納されていない場合には、ステップS1505の処理を実行することなくステップS1506に進む。保留中終了フラグが格納されている場合には、ステップS1505に進む。
ステップS1505では、第1の開始異常タイミングであるか否かを判定する。具体的には、前回の遊技回の停止結果を表示して静止表示期間が経過してから又は大当たり演出が終了した直後から第1開始異常期間が経過しているか否かを判定する。当該第1開始異常期間が経過しているか否かの判定に際しては、ワークRAM104の各種カウンタエリア143に設けられた第1開始異常用カウンタエリアが用いられ、当該カウンタエリアには静止表示期間が経過したタイミングで又は大当たり演出が終了したタイミングで第1開始異常期間の情報がセットされるとともに、表示制御処理が起動される度に1減算されるように更新される。
ここで、上記第1開始異常期間は、主側MPU62にて保留情報が記憶されている状況において1の遊技回が終了してから又は大当たり演出が終了してから、その既に記憶されている保留情報について主側MPU62にて正常に変動開始処理(図10)が実行されて変動用コマンドが正常に送信され、さらに当該変動用コマンドについての表示側MPU102における変動開始用処理の実行が正常に完了するまでに要する時間よりも長い期間として設定されている。例えば、1secとして設定されている。なお、当該第1開始異常期間は、開始待ち期間よりも短い期間として設定されている。
ステップS1505にて、第1の開始異常タイミングとなっていると判定した場合には、ステップS1508にて、ワークRAM104の各種フラグ格納エリア144に開始異常情報の記憶手段として設けられた開始異常フラグ格納エリアに、開始異常フラグを格納する。開始異常フラグが格納されることによる作用は後に詳細に説明する。ステップS1508の処理を実行した後に、本確認処理を終了する。
一方、ステップS1505にて、第1の開始異常タイミングとなっていないと判定した場合には、ステップS1506にて、ワークRAM104の保留情報数記憶エリア142を確認することで、表示側MPU102において主側MPU62に保留情報が保留記憶されていることが把握されているか否かを判定する。保留記憶されていないと把握されている場合には、そのまま本確認処理を終了し、保留記憶されていると把握されている場合には、ステップS1507にて、第2の開始異常タイミングであるか否かを判定する。
具体的には、遊技回用演出及び大当たり演出のいずれもが実行されておらず且つ保留情報が保留記憶されていないと把握されている特定の状況において保留情報が取得されたと把握されてから、第2開始異常期間が経過しているか否かを判定する。当該第2開始異常期間が経過しているか否かの判定に際しては、ワークRAM104の各種カウンタエリア143に設けられた第2開始異常用カウンタエリアが用いられ、上記特定の状況において保留情報が取得されたタイミングで第2開始異常期間の情報がセットされるとともに、表示制御処理が起動される度に1減算されるように更新される。
ここで、上記第2開始異常期間は、上記特定の状況において保留情報が取得されてから、その取得された保留情報について主側MPU62にて正常に変動開始処理(図10)が実行されて変動用コマンドが正常に送信され、さらに当該変動用コマンドについての表示側MPU102における変動開始用処理の実行が正常に完了するまでに要する時間よりも長い期間として設定されている。例えば、100msecとして設定されている。
ステップS1507にて、第2の開始異常タイミングとなっていないと判定した場合には、そのまま本確認処理を終了する。一方、第2の開始異常タイミングとなっていると判定した場合には、ステップS1508にて、ワークRAM104に開始異常フラグを格納した後に、本確認処理を終了する。
<保留表示用処理>
次に、ステップS1303の保留表示用処理について説明する。保留表示用処理は、保留表示領域Gaに係る表示制御を実行するための処理である。
図27のフローチャートに示すように、ステップS1601にて、ワークRAM104に保留増加フラグが格納されているか否かを判定する。保留増加フラグは既に説明したように、コマンド確認処理(図25)にて保留コマンドの受信の確認が完了した場合に格納されるフラグである。
保留増加フラグが格納されている場合には、ステップS1602にて、保留情報数の更新処理を実行する。既に説明したように、保留コマンドには当該保留コマンドが設定されるタイミングで保留記憶されている保留情報の数の情報が含まれており、具体的には下位側のバイトの情報として当該保留情報の数の情報が設定されている。また、既に説明したように、コマンド確認処理(図25)では保留増加フラグをワークRAM104に格納する場合に、保留コマンドにおける下位側のバイトの情報をワークRAM104に書き込んでいる。ステップS1602では、ワークRAM104に書き込まれているこの情報から保留情報の数を特定し、その特定結果の情報をワークRAM104の保留情報数記憶エリア142に上書きする。このように、保留コマンドの受信の度に、その時点における保留情報の数が特定されて、保留情報数記憶エリア142に上書きされることにより、表示側MPU102にて把握している保留情報数の正確性を高めることができる。
ステップS1601にて否定判定をした場合又はステップS1602の後は、ステップS1603にて、ワークRAM104に保留減少フラグが格納されているか否かを判定する。保留減少フラグは既に説明したように、コマンド確認処理(図25)にてシフト時コマンドの受信の確認が完了した場合に格納されるフラグである。
保留減少フラグが格納されている場合には、ステップS1604にて、保留情報数の更新処理を実行する。既に説明したように、シフト時コマンドには当該シフト時コマンドが設定されるタイミングで保留記憶されている保留情報の数の情報が含まれており、具体的には下位側のバイトの情報として当該保留情報の数の情報が設定されている。また、既に説明したように、コマンド確認処理(図25)では保留減少フラグをワークRAM104に格納する場合に、シフト時コマンドにおける下位側のバイトの情報をワークRAM104に書き込んでいる。ステップS1604では、ワークRAM104に書き込まれているこの情報から保留情報の数を特定し、その特定結果の情報をワークRAM104の保留情報数記憶エリア142に上書きする。このように、シフト時コマンドの受信の度に、その時点における保留情報の数が特定されて、保留情報数記憶エリア142に上書きされることにより、表示側MPU102にて把握している保留情報数の正確性を高めることができる。
ステップS1603にて否定判定をした場合又はステップS1604の後は、ステップS1605にて、ワークRAM104に開始異常フラグが格納されているか否かを判定する。開始異常フラグが格納されている場合には、ステップS1606にて、保留表示の禁止状態に設定する。具体的には、ワークRAM104の各種フラグ格納エリア144に保留表示禁止情報の記憶手段として設けられた禁止フラグ格納エリアに、禁止フラグを格納する。保留表示の禁止状態に設定されることにより、描画指示を行うためにVDP105に対して出力する描画リストとして、保留表示領域Gaを非表示とするための描画リストがVDP105に対して出力されることとなる。
ちなみに、開始異常フラグが格納されている状況は遊技回用演出及び大当たり演出のいずれもが実行されていない状況である。したがって、保留表示領域Gaを非表示とするための描画リストは、遊技回用演出又は大当たり演出の終了後においてデモ画像の表示が開始されるまでの描画指示タイミングにおいて出力されることがあるとともに、デモ画像の表示が実行されている状況において出力されることがある。
VDP105は、上記保留表示領域Gaを非表示とするための描画リストを受けた場合、保留表示領域Gaが表示されないようにしながらその他の画像が表示されるように、図柄表示装置31に対する描画処理を実行する。ここで、いずれの表示状況であっても20msecといったように比較的短い間隔で定期的に描画指示タイミングとなるため、保留表示の禁止状態に設定された場合には比較的早いタイミングで保留表示領域Gaが非表示となる。
一方、ステップS1605にて、ワークRAM104に開始異常フラグが格納されていないと判定した場合には、ステップS1607にて、ワークRAM104に変動用フラグが格納されているか否かを判定する。変動用フラグが格納されている場合には、ステップS1608にて、保留表示の禁止状態を解除する。具体的には、ワークRAM104に記憶されている禁止フラグを消去する。保留表示の禁止状態が解除されることにより、保留表示領域Gaを表示させるための描画リストがVDP105に対して出力されることとなる。
ちなみに、表示側MPU102において、保留表示領域Gaを表示させるための描画リストを設定する場合、ワークRAM104の保留情報数記憶エリア142が確認され、その確認結果に対応した数の単位保留表示領域Ga1〜Ga4にて保留用画像を表示させるための描画リストが設定される。VDP105は、上記保留表示領域Gaを表示させるための描画リストを受けた場合、保留表示領域Gaが表示されるとともに保留情報数に対応した単位保留表示領域Ga1〜Ga4にて保留用画像が表示されるようにしながら、その他の画像(例えば、遊技回用演出の画像、大当たり演出の画像又はデモ画像)が表示されるように、図柄表示装置31に対する描画処理を実行する。
ステップS1606若しくはステップS1608を実行した後、又はステップS1607にて否定判定をした場合、ステップS1609に進む。ステップS1609では、保留表示の禁止状態であるか否かを判定する。
保留表示の禁止状態でない場合には、そのまま本保留表示用処理を終了する。保留表示の禁止状態である場合には、ステップS1610にて、異常報知タイミングであるか否かを判定する。具体的には、保留表示の禁止状態に設定してから報知発生用期間(例えば、1sec)が経過しているか否かを判定する。異常報知タイミングでない場合には、そのまま本保留表示用処理を終了する。異常報知タイミングである場合には、ステップS1611にて、異常報知処理を実行した後に、本保留表示用処理を終了する。
異常報知処理では、例えば、遊技ホールの管理コンピュータへの異常信号の出力、パチンコ機10に設けられた所定の発光部の発光、パチンコ機10に設けられたスピーカ部55からの異常報知音の出力、又は図柄表示装置31における異常報知画像の表示のうち、少なくともいずれかを開始させる。なお、異常報知処理により開始された異常報知は、保留表示の禁止状態が解除された場合に解除される。また、異常報知処理が実行されるタイミングは上記タイミングに限定されることはなく、保留表示の禁止状態に設定されたタイミングであってもよい。
<保留表示領域Gaの表示及び非表示の切り換えの様子>
次に、保留表示領域Gaの表示及び非表示の切り換えの様子を説明する。図28は、保留表示領域Gaの表示及び非表示の切り換えの様子を説明するためのタイミングチャートである。
図28(a)は作動口23,24への入賞状況を示し、図28(b)は主側MPU62にて把握されている保留情報数を示し、図28(c)は表示側MPU102における遊技回用演出の実行状況を示し、図28(d)は表示側MPU102における変動用コマンドの受信状況を示し、図28(e)は表示側MPU102にて把握されている保留情報数を示し、図28(f)は表示側MPU102における保留系のコマンドの受信状況を示し、図28(g)は図柄表示装置31での保留表示の実行状況を示す。また、図28(A)〜(C)は所定のタイミングにおける表示画面Gの表示内容を簡略に示している。
なお、以下の説明では、保留情報が保留記憶されている状況において前回の遊技回用演出の終了後に第1開始異常期間が経過しているにも関わらず、表示側MPU102にて変動用コマンドが受信されない場合を例に挙げて説明する。但し、他の状況において保留表示領域Gaの表示及び非表示が切り換えられる場合の様子も、基本的に同様である。
t1のタイミングで、図柄表示装置31にてそれまで実行されていた遊技回用演出が終了される。この場合、主側MPU62及び表示側MPU102のそれぞれにて把握されている保留情報数は3個である。その後、t2のタイミングで、主側MPU62にて新たな遊技回を開始させるための処理が実行されることで、主側MPU62にて把握されている保留情報数が2個となる。また、このタイミングでシフト時コマンドが表示側MPU102にて受信されることで、表示側MPU102にて把握されている保留情報数も2個となる。この場合、図柄表示装置31の表示画面Gでは、図28(A)に示すように、前回の遊技回の停止結果が表示された状態で保留表示領域Gaが表示されており、当該保留表示領域Gaでは現状の保留情報数が2個であることが明示されている。
その後、t3のタイミングで、前回の遊技回の静止表示期間が経過してから第1開始異常期間が経過する。表示側MPU102では、次回の描画指示タイミングにおいて保留表示領域Gaを非表示とするための描画リストをVDP105に出力する。これにより、図柄表示装置31の表示画面Gでは、図28(B)に示すように、前回の遊技回の停止結果が表示された状態で保留表示領域Gaが非表示とされる。但し、保留表示領域Gaが非表示とされた状況であっても、表示側MPU102では既に把握している保留情報数を初期化するのではなく、当該保留情報数の情報を把握した状態を維持する。
その後、t4のタイミングで、作動口23,24への新たな入賞が発生することにより、主側MPU62にて把握されている保留情報数が加算されて3個となる。また、このタイミングで保留コマンドが表示側MPU102にて受信されることで、表示側MPU102にて把握されている保留情報数も3個となる。但し、保留コマンドの新たな受信が発生したとしても、保留表示領域Gaが非表示となった状態が維持される。
その後、t5のタイミングで、表示側MPU102において変動用コマンドが受信される。これにより、その後のt6のタイミングで、図柄表示装置31にて新たな遊技回用演出が開始される。また、保留表示領域Gaを非表示とする状態が解除される。これにより、図柄表示装置31の表示画面Gでは、図28(C)に示すように、新たな遊技回用演出が開始されている状態で保留表示領域Gaが表示される。
上記のように保留表示領域Gaを非表示とすることで、主側MPU62に保留情報が保留記憶されていることが表示側MPU102にて把握されているにも関わらず、表示側MPU102にて変動用コマンドが受信されない状況が発生した場合に、当該状況を表示画面G上にて強調してしまわないようにすることができ、新たな遊技回用演出が表示画面Gにて開始されないことに対して遊技者が違和感を抱きづらくなるようにすることができる。また、変動用コマンドを受信した場合には、保留表示領域Gaの表示を再開することで、変動用コマンドの受信状況の異常が解消されたことに合わせて、保留表示領域Gaを非表示とする状態を解除することができる。
また、保留表示領域Gaを非表示とした状態であっても、表示側MPU102における保留情報数の情報は記憶保持されるとともに、保留コマンドやシフト時コマンドの受信に基づく保留情報数の更新は実行される。よって、保留表示領域Gaの表示を再開する場合には、保留情報数の明示を正確に行うことができる。
<変動開始用処理>
次に、ステップS1306の変動開始用処理について説明する。変動開始用処理は、変動用コマンド及び種別コマンドを受信している場合に、表示画面Gにて遊技回用演出を開始させるための処理である。
図29のフローチャートに示すように、ステップS1701にて、プログラムROM103の表示側時間テーブル記憶エリア111に設けられた表示側時間テーブルを参照する。表示側時間テーブルは、主側MPU62から送信される変動用コマンドに1対1で対応させて、それぞれ異なる表示継続期間の情報が設定されている。
変動用コマンドは既に説明したように、2バイトの情報として設定されており、上位側のバイトに自身が変動用コマンドであることを示す情報が含まれているとともに、下位側のバイトに表示継続期間の情報が含まれている。そして、コマンド確認処理(図25)においてワークRAM104に変動用フラグが格納される場合に、それに合わせて下位側のバイトの情報がワークRAM104における専用のエリアに書き込まれている。表示側MPU102では、ワークRAM104に記憶されている上記下位側のバイトの情報に基づいて表示側時間テーブルから表示継続期間の情報を読み出す。なお、表示継続期間テーブルに設定されている表示継続期間の情報の内容は、上記第1の実施形態と同様である。
ステップS1701にて表示側時間テーブルを参照した後は、ステップS1702にて、該当する表示継続期間の情報が存在しているか否かを判定する。つまり、今回受信している変動用コマンドに含まれる表示継続期間を特定するための情報が、表示側時間テーブルとしてプログラムROM103に予め記憶されている情報のいずれかに対応しているか否かを判定する。
該当する表示継続期間の情報が存在している場合には、ステップS1703にて、ワークRAM104に異常変動フラグが格納されているか否かを判定する。異常変動フラグは、変動用コマンドの受信が正常に行われず、正常ではない状態で遊技回用演出が実行される場合に格納されるフラグである。詳細については後に説明する。
異常変動フラグが格納されていない場合には、ステップS1704にて、前回の変動開始用処理の実行に基づきセットされた表示継続期間の計測が完了しているか否かを判定する。つまり、遊技回用演出が実行されている途中で変動開始用処理が実行されたか否かを判定する。
ワークRAM104に異常変動フラグが格納されていない場合(ステップS1703:YES)又は表示継続期間の計測が完了している場合(ステップS1704:YES)には、ステップS1705にてワークRAM104に連続異常フラグが格納されているか否かを判定するとともに、ステップS1706にてワークRAM104に開始異常フラグが格納されているか否かを判定する。
これら連続異常フラグ及び開始異常フラグの両方が格納されていない場合には、ステップS1707に進み、通常の変動開始用処理を実行する。通常の変動開始用処理では、上記第1の実施形態における変動開始用処理(図13)のステップS703〜ステップS707と同様の処理を実行する。これにより、変動用コマンド及び種別コマンドに対応した正常な状態での遊技回用演出が開始されることとなる。
その後、ステップS1708にて、フラグ消去処理を実行する。通常の変動開始用処理が実行された後のフラグ消去処理では、ワークRAM104に格納されている変動用フラグ及び種別フラグの消去が実行される。また、ワークRAM104に静止表示フラグが格納されている場合には当該静止表示フラグの消去が実行される。当該静止表示フラグが格納されていることによる作用は後に説明する。その後に、本変動開始用処理を終了する。
一方、ステップS1704にて、前回の変動開始用処理の実行に基づきセットされた表示継続期間の計測が完了していないと判定した場合には、ステップS1709〜ステップS1711の第1の異常変動設定処理を実行する。また、ステップS1705にて、ワークRAM104に連続異常フラグが格納されていると判定した場合、すなわち種別コマンドの受信が生じることなく変動用コマンドの受信が連続していた場合にも、ステップS1709〜ステップS1711の第1の異常変動設定処理を実行する。また、ステップS1706にて、ワークRAM104に開始異常フラグが格納されていると判定した場合、すなわち遊技回の開始対象の保留情報が存在しているにも関わらず第1開始異常期間又は第2開始異常期間が経過した後に変動用コマンドを受信していると判定した場合にも、ステップS1709〜ステップS1711の第1の異常変動設定処理を実行する。
第1の異常変動設定処理では、先ずステップS1709にて、ステップS1701において特定した表示継続期間の情報を、ワークRAM104の各種カウンタエリア143に遊技回用計測手段として設けられた遊技回用カウンタエリア121aにセットする。当該遊技回用カウンタエリア121aは、上記第1の実施形態と同様に所定バイト、具体的には2バイトのエリアとして設定されており、表示側時間テーブルから読み出した表示継続期間の情報がセットされる。この場合、遊技回用カウンタエリア121aに既に記憶されている情報に対して加算されるのではなく、表示継続期間の情報が新たにセットされる。
ステップS1709の処理を実行した後は、ステップS1710にて、プログラムROM103に異常用停止結果の記憶手段として設けられた異常用停止結果記憶エリア131から異常用停止結果の情報を読み出してワークRAM104に記憶させる。ここで、当該異常用停止結果の情報は、いずれの有効ラインL1〜L5にも大当たり図柄の組み合わせが停止表示されず且ついずれの有効ラインL1〜L5にもリーチ図柄の組み合わせが停止表示されないように設定されている。本パチンコ機10では、所定の有効ライン上に、大当たり図柄の組み合わせ及びリーチ図柄の組み合わせの両方を構成しない予め定められた異常用図柄の組み合わせが停止表示されるように設定されているが、例えば、いずれの有効ラインL1〜L5にも大当たり図柄の組み合わせが停止表示されず且ついずれの有効ラインL1〜L5にもリーチ図柄の組み合わせが停止表示されないことを条件として、任意の図柄が停止表示される構成としてもよい。
その後、ステップS1711にて、異常用態様の設定処理を実行する。異常用態様の設定処理では、プログラムROM103に異常用態様記憶手段として設けられた異常用態様情報記憶エリア132に記憶されている異常用態様情報のアドレス情報を、ワークRAM104に記憶させる。ここで、異常用態様情報記憶エリア132には、表示側MPU102において選択される可能性がある表示継続期間の全てに1対1で対応させて異常用態様情報が設定されている。ステップS1711では、ステップS1709にてセットした表示継続期間に対応した異常用態様情報を選択し、その選択結果に対応した情報をワークRAM104に記憶させる。これにより、第1の異常変動設定処理にてセットされる表示継続期間として、表示側MPU102に予め設定されたいずれの表示継続期間であっても選択される可能性がある構成において、その選択に対応した異常用態様情報を選択することが可能となる。
ステップS1711にて、ワークRAM104に異常用態様情報のアドレス情報が記憶されることにより、異常用態様情報に設定されている最初の描画リストの情報をプログラムROM103の描画リスト情報記憶エリア113から読み出してVDP105に出力する。これにより、VDP105がその描画リストの情報に対応した画像を図柄表示装置31の表示画面Gに描画させることで、異常用態様の遊技回用演出が図柄表示装置31にて開始される。当該異常用態様による遊技回用演出の詳細については後に説明する。
続くステップS1712では、ワークRAM104の各種フラグ格納エリア144に異常変動用情報の記憶手段として設けられた異常変動フラグ格納エリアに、異常変動フラグを格納する。その後、ステップS1708にて、フラグ消去処理を実行する。当該フラグ消去処理では、ワークRAM104に格納されている変動用フラグ、種別フラグ及び静止表示フラグだけでなく、連続異常フラグが格納されている場合には当該連続異常フラグが消去されるとともに、開始異常フラグが格納されている場合には当該開始異常フラグが消去される。その後、本変動開始用処理を終了する。
以上のとおり、(1)正常な遊技回用演出の実行途中で変動用コマンドを受信した場合、(2)種別コマンドを受信することなく複数の変動用コマンドを連続して受信した場合、又は(3)遊技回の開始対象の保留情報が存在していることが表示側MPU102にて把握されているにも関わらず第1開始異常期間又は第2開始異常期間が経過した後に変動用コマンドを受信した場合には、第1の異常変動設定処理が実行されて、異常用態様による遊技回用演出が開始される。上記(1)〜(3)の状況は、通信に関して何らかの異常が発生している状況であると想定され、このような状況において通常の遊技回用演出を実行すると、例えば大当たり当選となった遊技回ではないにも関わらず最終的に大当たり図柄の組み合わせが停止表示されたり、例えばリーチ発生の遊技回ではないにも関わらずリーチ表示が実行されたりするといった不都合が生じる可能性がある。これに対して、異常用態様による遊技回用演出が開始されるようにすることで、上記のような不都合の発生が抑えられる。
但し、上記(1)〜(3)の状況であっても、変動用コマンドから表示継続期間の情報を正常に読み取ることができた場合には、その表示継続期間に亘って遊技回用演出を実行するようにすることで、主側MPU62において認識されている遊技回の消化時間と表示側MPU102において認識されている遊技回の消化時間とが一致し易くなる。これにより、異常用態様による遊技回用演出が実行される場合であっても、表示画面Gにおける遊技回の消化時間を正常なものとし易くなる。
ここで、上記(2)の状況は、既に説明したとおり、種別コマンドを受信することなく複数の変動用コマンドを連続して受信している状況である。この場合に、コマンド確認処理(図25)では、変動用コマンドにおける下位側のバイトの情報、すなわち表示継続期間を示す情報を、ワークRAM104に記憶させる場合に、新たに変動用コマンドを受信する度に、ワークRAM104における専用のエリアに対して上記下位側のバイトの情報を上書きする。したがって、連続異常フラグが格納されている状況でステップS1709の処理が実行された場合、連続して受信した複数の変動用コマンドのうち最後の変動用コマンドに対応した表示継続期間の情報が遊技回用カウンタエリア121aにセットされる。種別コマンドを受信することなく複数の変動用コマンドを連続して受信する場合、先に受信した変動用コマンドの方が異常なコマンドである可能性が高く、当該事情においては上記のように最後に受信した変動用コマンドに対応した表示継続期間の情報を選択した方が、正常な表示継続期間の情報が選択される可能性が高くなる。
また、異常変動フラグが格納されている状況、すなわち異常用態様による遊技回用演出の実行途中で変動用コマンドを受信したとしても、ステップS1703の処理が実行されることにより、第1の異常変動設定処理は実行されずに、通常の変動開始用処理が実行される。異常用態様による遊技回用演出が実行されている状況とは、既に説明したとおり、通信に関して何らかの異常が発生している状況であるため、表示側MPU102にて把握されている表示継続期間は主側MPU62にて決定された表示継続期間よりも長いことが想定される。特に、後述するように、本実施形態では上記第1の実施形態と同様、変動用コマンドから表示継続期間を正常に読み取れなかった場合、変動用コマンドから表示継続期間が正常に特定される場合の最長の表示継続期間よりも長時間の情報が表示継続期間の情報として選択される。
そうすると、異常用態様による遊技回用演出が実行されている状況では、遊技回用演出の途中で変動用コマンドの正常な受信が発生し易いものと考えられる。これに対して、当該状況では通常の変動開始用処理が実行されることにより、変動用コマンドの受信が正常に行われているにも関わらず、異常用態様による遊技回用演出が実行されてしまう可能性が低減される。
変動開始用処理の説明に戻り、ステップS1702にて、該当する表示継続期間の情報が存在していないと判定した場合には、ステップS1713〜ステップS1716の第2の異常変動設定処理を実行する。第2の異常変動設定処理では、先ずステップS1713にて、異常用期間の情報をセットする。具体的には、上記第1の実施形態における変動開始用処理(図13)のステップS708と同様に、ワークRAM104の遊技回用カウンタエリア121aの全ビットに対して「1」をセットする。つまり、本パチンコ機10では、異常用期間の情報がプログラムROM103において処理プログラム上で記憶されているが、これに限定されることはなく、プログラムROM103において異常用期間の情報が数値情報として記憶されており、それを遊技回用カウンタエリア121aにセットする処理が実行される構成としてもよい。この異常用期間は、上記第1の実施形態における不一致用期間と同様に、変動用コマンドから表示継続期間が正常に特定される場合の最長の表示継続期間よりも長時間の情報として設定されている。
続くステップS1714では、プログラムROM103の異常用停止結果記憶エリア131から異常用停止結果の情報を読み出してワークRAM104に記憶させる。当該異常用停止結果の内容は、既に説明したとおりである。
続くステップS1715では、異常用態様の設定処理を実行する。当該異常用態様の設定処理では、プログラムROM103の異常用態様情報記憶エリア132において異常用期間に対応させて予め記憶されている異常用態様情報のアドレス情報を、ワークRAM104に記憶させる。これにより、ステップS1711の場合と同様に、異常用態様の遊技回用演出が図柄表示装置31にて開始される。当該異常用態様による遊技回用演出の詳細については後に説明する。
続くステップS1716では、ワークRAM104に異常変動フラグを格納する。その後、ステップS1708にて、フラグ消去処理を実行する。当該フラグ消去処理では、ワークRAM104に格納されている変動用フラグ、種別フラグ及び静止表示フラグだけでなく、連続異常フラグが格納されている場合には当該連続異常フラグが消去されるとともに、開始異常フラグが格納されている場合には当該開始異常フラグが消去される。その後、本変動開始用処理を終了する。
以上のとおり、変動用コマンドから表示継続期間を正常に読み出すことができなかった場合には、第2の異常変動設定処理が実行されて、異常用態様による遊技回用演出が開始される。これにより、上記第1の実施形態において不一致用態様による遊技回用演出が実行されることと同様の作用が生じ、同様の効果を奏することができる。
<変動中用処理>
次に、ステップS1308の変動中用処理について説明する。変動中用処理は、遊技回用演出が実行されている場合に、当該遊技回用演出に対応した画像の表示を更新するための処理である。
図30のフローチャートに示すように、ステップS1801では、遊技回用カウンタエリア121aにおいて計測されている遊技回の経過時間と、ワークRAM104に記憶されているアドレス情報に対応した態様情報とを参照することで、描画指示タイミングであるか否かを判定する。描画指示タイミングでない場合には、ステップS1801〜ステップS1809の処理を実行することなく、ステップS1810に進む。
描画指示タイミングである場合には、ステップS1802にて、ワークRAM104に静止表示フラグが格納されているか否かを判定する。静止表示フラグが格納されていない場合には、ステップS1803にて、ワークRAM104に異常変動フラグが格納されているか否かを判定する。つまり、ステップS1803では、異常用態様による遊技回用演出が実行されている状況であるか否かを判定する。異常変動フラグが格納されていない場合には、ステップS1804にて、通常の描画指示処理を実行する。通常の描画指示処理では、上記第1の実施形態の変動中用処理(図15)におけるステップS802,ステップS804〜ステップS807の処理を実行する。その後、ステップS1810に進む。
一方、ステップS1803にて、ワークRAM104に異常変動フラグが格納されていると判定した場合には、ステップS1805に進む。ステップS1805では、最終停止タイミング以降であるか否かを判定する。最終停止タイミング以降でない場合には、ステップS1806にて、今回の描画指示タイミングが全図柄列Z1〜Z3の各待機領域SA1〜SA9に図柄が待機表示される又は待機表示されている待機タイミングであるか否かを判定する。
待機タイミングでない場合には、ステップS1807にて、待機前用の描画指示処理を実行する。当該指示処理では、異常用態様の遊技回用演出において待機前用の演出態様に対応した描画リストの情報であって、今回の描画指示タイミングに対応した描画リストの情報を描画リスト情報記憶エリア113から読み出してVDP105に出力する。これにより、表示画面Gでは、通常の遊技回用演出における初期変動、すなわち高速変動表示にて全図柄列Z1〜Z3の図柄がスクロール表示される。
待機タイミングである場合には、ステップS1808にて、揺動表示用の描画指示処理を実行する。当該指示処理では、揺動表示用の演出態様に対応した描画リストの情報であって、今回の描画指示タイミングに対応した描画リストの情報を描画リスト情報記憶エリア113から読み出してVDP105に出力する。これにより、表示画面Gでは、各待機領域SA1〜SA9のそれぞれに所定の図柄が待機表示された状態で、それら所定の図柄が揺動表示される。
また、ステップS1805にて、最終停止タイミング以降であると判定した場合には、ステップS1809にて、静止表示用の描画指示処理を実行する。当該描画指示処理では、静止表示に対応した描画リストの情報であって、今回の描画指示タイミングに対応した描画リストの情報を描画リスト情報記憶エリア113から読み出してVDP105に出力する。これにより、各待機領域SA1〜SA9に異常用停止結果が静止表示されるとともに、それが静止表示期間に亘って継続される。
ここで、異常用態様の遊技回用演出について、図31のタイミングチャートを参照しながら説明する。
図31(a)は表示側MPU102における遊技回用演出の実行状況を示し、図31(b)は全図柄列Z1〜Z3において高速変動表示が行われている期間を示し、図31(c)は全図柄列Z1〜Z3において揺動表示が行われている期間を示し、図31(d)は静止表示期間を示す。また、図31(A)〜(H)は所定のタイミングにおける表示画面Gの表示内容を簡略に示している。
t1のタイミングで、図柄表示装置31にて遊技回用演出が開始される。この場合、図31(A)に示すように、表示画面Gでは全図柄列Z1〜Z3において高速変動表示が行われる。その後、t2のタイミングで、待機タイミングとなることで、全図柄列Z1〜Z3において高速変動表示が行われている状態から、全図柄列Z1〜Z3において揺動表示が行われている状態に切り換えられる。この場合、図31(B)に示すように、表示画面Gの各待機領域SA1〜SA9では、いずれの有効ラインL1〜L5にも大当たり図柄の組み合わせが表示されず且ついずれの有効ラインL1〜L5にもリーチ図柄の組み合わせが表示されないように、さらに所定の有効ライン(ここでは、中ラインL2)に異常用態様の中間停止図柄の組み合わせが表示される。
その後、t3のタイミングで、待機タイミングではなくなることで、全図柄列Z1〜Z3において揺動表示が行われている状態から、全図柄列Z1〜Z3において高速変動表示が行われている状態に切り換えられる(図31(C)参照)。また、その後のt4のタイミングで、再度、待機タイミングとなることで、全図柄列Z1〜Z3において高速変動表示が行われている状態から、全図柄列Z1〜Z3において揺動表示が行われている状態に切り換えられる(図31(D)参照)。
その後、t5のタイミングで全図柄列Z1〜Z3において高速変動表示が行われている状態に切り換えられ(図31(E)参照)、t6のタイミングで全図柄列Z1〜Z3において揺動表示が行われている状態に切り換えられ(図31(F)参照)、t7のタイミングで全図柄列Z1〜Z3において高速変動表示が行われている状態に切り換えられ(図31(G)参照)、t8のタイミングで全図柄列Z1〜Z3において揺動表示が行われている状態に切り換えられる(図31(H)参照)。その後、t9のタイミングで、全図柄列Z1〜Z3において揺動表示が行われている状態から静止表示が行われている状態に切り換えられ、その状態が、静止表示期間が経過することとなるt10のタイミングまで継続される。そして、t10のタイミングで、今回の遊技回用演出が終了される。
つまり、異常用態様の遊技回用演出では、静止表示が開始されるまで、全図柄列Z1〜Z3において高速変動表示されている状態と、全図柄列Z1〜Z3において揺動表示されている状態とが交互に繰り返される。この場合、高速変動表示されている状態の期間に比べて揺動表示されている状態の期間が長く設定されている。
異常用態様による遊技回用演出が実行される場合、既に説明したように、変動用コマンドから表示継続期間が正常に特定される場合の最長の表示継続期間よりも長時間の表示継続期間が選択されることがある。そうすると、異常用態様の遊技回用演出の途中で、新たに変動用コマンドを受信し、次の遊技回用演出が開始されることがある。ここで、後述するように、遊技回用演出の途中で新たに変動用コマンドを受信した場合には、その遊技回の停止結果に対応した図柄の組み合わせが静止表示された後に、次の遊技回用演出が開始される。この場合に、上記のように高速変動表示されている状態の期間よりも揺動表示されている状態の期間の方が長いことにより、揺動表示されている状態において、静止表示→次の遊技回用演出の開始となる状況が発生し易くなる。よって、遊技回用演出の途中で新たな遊技回用演出が開始されたと遊技者が認識しづらくなり、当該状況が発生した場合に遊技者が違和感を抱きづらくなる。
また、相対的に短い期間での高速変動表示と、相対的に長い期間での揺動表示とが交互に繰り返される構成であるため、高速変動表示されている状態において、静止表示→次の遊技回用演出の開始となる状況が発生したとしても、遊技者は上記繰り返しが継続された結果であると認識し易くなり、当該状況が発生した場合に遊技者が違和感を抱きづらくなる。特に、高速変動表示が行われている状態では、遊技者は各図柄列Z1〜Z3においてスクロール表示されている図柄を識別できない又は識別しづらいため、高速変動表示の途中で静止表示が開始されたとしても、遊技者が違和感を抱きづらくなる。
また、短い期間での高速変動表示後に、揺動表示を表示継続期間が経過するまで継続する構成も想定されるが、この場合、遊技者は表示画面Gにて遊技回用演出が実行されていることを認識しづらくなる。これに対して、上記のように高速変動表示と揺動表示とが交互に繰り返し実行されることにより、遊技者は表示画面Gにて遊技回用演出が実行されていることをし認識し易くなる。
ちなみに、t2のタイミング、t4のタイミング及びt6のタイミングにて表示が開始される中間停止図柄の組み合わせは、異常用態様の情報に含まれている。一方、t8のタイミングにて表示が開始される停止図柄の組み合わせは、異常用停止結果に対応した図柄の組み合わせであり、当該情報は異常用停止結果の情報としてワークRAM104に記憶されている。また、各中間停止図柄の組み合わせ及び異常用停止結果に対応した図柄の組み合わせは、図31(B),図31(D),図31(F)及び図31(H)に示すように、それぞれ異なっている。これにより、停止結果の多様化が図られている。
なお、各中間停止図柄の組み合わせが停止表示される態様の多様化を図るべく、ステップS1711やステップS1715における異常用態様の設定処理にて、各中間停止図柄の組み合わせの種類が抽選される構成としてもよい。また、各中間停止図柄の組み合わせとして、大当たり図柄の組み合わせは停止表示されないがリーチ表示に対応した図柄の組み合わせが停止表示されることがある構成としてもよい。また、各中間停止図柄の組み合わせが停止表示される態様の多様化は図れないが、各中間停止図柄の組み合わせが異常用停止結果に対応した図柄の組み合わせと同一である構成としてもよい。
変動中用処理(図30)の説明に戻り、ステップS1801にて否定判定をした場合又はステップS1804,ステップS1807,ステップS1808若しくはステップS1809のいずれかの処理を実行した後は、ステップS1810に進む。ステップS1810では、遊技回の終了タイミングか否か、すなわち遊技回用カウンタエリア121aの情報が初期値となっているか否かを判定する。遊技回の終了タイミングでない場合には、そのまま本変動中用処理を終了する。
遊技回の終了タイミングである場合には、ステップS1811にて、ワークRAM104の保留情報数記憶エリア142を参照することで、表示側MPU102に把握されている保留情報数が「1」以上であるか否かを判定する。「1」以上である場合には、ステップS1812にて、ワークRAM104に保留中終了フラグを格納する。当該保留中終了フラグは、既に説明したように、保留情報が保留記憶されていることが表示側MPU102にて把握されている状況で、遊技回用演出又は大当たり演出が終了したか否かを、表示側MPU102にて判定する場合に用いられる。なお、ステップS1811及びステップS1812の処理は、大当たり演出の終了に際しても実行される。
ステップS1811にて否定判定をした場合又はステップS1812の後は、ステップS1813にて、ワークRAM104から異常変動フラグを消去する。その後、本変動中用処理を終了する。
一方、ステップS1802にて、ワークRAM104に静止表示フラグが格納されていると判定した場合には、ステップS1814にて、静止表示用の描画指示処理を実行した後に、本変動中用処理を終了する。静止表示用の描画指示処理では、前回の変動開始用処理(図29)にてワークRAM104に記憶された停止結果の情報を読み出し、その停止結果の情報に対応した図柄が各待機領域SA1〜SA9にて静止表示されるようにするための描画リストの情報を描画リスト情報記憶エリア113から読み出してVDP105に出力する。ちなみに、ワークRAM104に記憶された停止結果の情報(又は態様情報)は、新たな停止結果の情報(又は態様情報)が上書きされるまでは、ワークRAM104において記憶保持される。
但し、上記構成に限定されることはなく、静止表示用の描画指示処理では、前回の変動開始用処理にてワークRAM104に記憶されている停止結果の情報に関係なく、異常用停止結果が静止表示される構成としてもよい。また、異常用停止結果とは異なるが、大当たり図柄の組み合わせがいずれの有効ラインL1〜L5上にも停止表示されない専用の停止結果が静止表示される構成としてもよい。上記いずれかの構成とすることにより、変動用コマンドの通信異常が発生している可能性が高い状況においては、大当たり図柄の組み合わせが停止表示されないようにすることができる。
ここで、静止表示フラグは、既に説明したように、コマンド確認処理(図25)にて、2バイトからなるコマンドの上位側のバイトの情報を確認した場合に、変動用コマンドを受信したことが特定されることで格納されるフラグである。また、変動用コマンドの2バイト分の情報の全てが確認された場合には変動用フラグが格納され、それに基づき遊技回用演出が新たに開始される。この動作の流れについて、図32のタイミングチャートを用いて説明する。
図32(a)は表示側MPU102における遊技回用演出の実行状況を示し、図32(b)は表示側MPU102における変動用コマンドの確認期間を示し、図32(c)は表示側MPU102における静止表示フラグの格納状況を示し、図32(d)は静止表示期間を示し、図32(e)は表示側MPU102における変動用フラグの格納状況を示す。また、図32(A)は所定のタイミングにおける表示画面Gの表示内容を簡略に示している。
先ず、遊技回用演出の実行途中において変動用コマンドを新たに受信する場合について説明する。
t1のタイミングで、図柄表示装置31にて遊技回用演出が開始される。その後、t2のタイミングで、表示側MPU102にて変動用コマンドの確認が開始され、t3のタイミングにて、変動用コマンドにおける上位側のバイトの確認が1回行われることで静止表示フラグが格納される。これにより、それまで実行されていた遊技回用演出は途中であっても終了され、当該遊技回用演出の静止表示が強制的に開始される。例えば、途中で終了された遊技回用演出が正常なものではなく、異常用態様によるものであった場合には、図32(A)に示すように、異常用停止結果を表示した状態で静止表示されることとなる。
その後、t4のタイミングで、変動用コマンドにおける上位側のバイト及び下位側のバイトの確認が完了することで、変動用フラグが格納される。但し、当該タイミングにおいては未だ静止表示が継続されている。その後、t5のタイミングで、t4のタイミングにおいて格納された変動用フラグに基づき、新たな遊技回用演出が開始される。
次に、遊技回用演出の実行後において変動用コマンドを新たに受信する場合について説明する。
t6のタイミングで、図柄表示装置31にて遊技回用演出が開始される。その後、t7のタイミングで、当該遊技回用演出において静止表示を開始するタイミングとなることで、静止表示が開始される。そして、t8のタイミングにて、静止表示期間が経過することで、今回の遊技回用演出が終了される。
その後、t9のタイミングで、表示側MPU102にて変動用コマンドの確認が開始され、t10のタイミングにて、変動用コマンドにおける上位側のバイトの確認が1回行われることで静止表示フラグが格納される。これにより、例えば、そのタイミングまでデモ画像の表示がなされており、前回の遊技回用演出の停止結果が非表示となっている状況であっても、当該前回の遊技回用演出の停止結果が再度、静止表示される。
その後、t11のタイミングで、変動用コマンドにおける上位側のバイト及び下位側のバイトの確認が完了することで、変動用フラグが格納される。但し、当該タイミングにおいては未だ静止表示が継続されている。その後、t12のタイミングで、t11のタイミングにおいて格納された変動用フラグに基づき、新たな遊技回用演出が開始される。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
表示側MPU102では、主側MPU62から送信された変動用コマンドを受信したことに基づいてそれに対応した遊技回用演出の態様が決定され、さらにその遊技回用演出が図柄表示装置31にて実行されている状況においては、停止結果の最終停止表示が、主側MPU62からの確定コマンドの送信を要することなく、上記決定された遊技回用演出の態様に基づいて行われる。これにより、上記第1の実施形態と同様に、主側MPU62は確定コマンドを送信する必要がなくなり、確定コマンドを送信する構成に比べ、主側MPU62から送信されるコマンドの数を減らすことができ、主制御装置60において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
表示側MPU102は、遊技回用演出が実行されている状況において変動用コマンドを受信した場合、その実行されている遊技回用演出を静止表示させた後に、新たな遊技回用演出を開始させる。これにより、上記のように主側MPU62から確定コマンドが送信されない構成において、新たな遊技回用演出を開始させるための変動用コマンドが確定コマンドとして兼用される。よって、上記のように主側MPU62から送信されるコマンドの種類の増加を抑えた構成において、遊技回用演出の制御を良好に行うことができる。
また、遊技回用演出の途中で変動用コマンドを受信することで、その遊技回用演出を静止表示させる場合、表示側MPU102ではその受信した変動用コマンドの上位側のビットについて確認処理が完了した場合に上記静止表示を実行し、当該変動用コマンドの全ビットについて確認処理が完了した場合に新たな遊技回用演出を開始させる。つまり、新たな遊技回用演出の表示継続期間を短縮させることなく、現状実行されている遊技回用演出について静止表示される期間が確保される。これにより、新たな遊技回用演出への影響を抑えながら、1遊技回が終了してから次の遊技回が開始されたことを遊技者に認識させ易くなる。
ちなみに、上記上位側のビットに設定されている情報は、表示側MPU102において、変動用コマンドを他のコマンドと区別するための情報であり、このように区別するための情報が設定されていることにより表示側MPU102におけるコマンドの種類の認識が良好に行われることとなる。また、この上位側のビットについて確認が完了した場合に上記静止表示を実行するようにすることで、コマンドの種類の認識を良好に行えるようにした構成を利用しながら、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
また、コマンドの認識の正確性を高めるために表示側MPU102では、受信したコマンドの各ビットを複数回に亘って確認し、その確認結果が連続して一致したことに基づいて、その受信したコマンドに対応した処理を実行する。当該構成において、変動用コマンドを受信した場合には、上記上位側のビットの情報が1回確認された場合に静止表示が実行される。これにより、変動用コマンドの受信に対する遊技回用演出の実行を正確に行えるようにしながら、上記上位側のビットの確認に基づき静止表示が開始されてから新たな遊技回用演出が開始されるまでの期間を長く確保することが可能となる。
表示側MPU102は、変動用コマンドの受信が正常に行われていない場合であっても、新たな遊技回用演出を開始させる必要があることを特定した場合には、異常用態様の遊技回用演出を開始させる。これにより、本来なら異常用態様の遊技回用演出を開始させる必要がある状況であるにも関わらず、表示側MPU102とその上流側の制御装置との間の通信異常を原因として図柄表示装置31にて遊技回用演出が全く行われなくなるといった不都合の発生が抑えられる。
また、変動用コマンドから表示継続期間を正常に特定することができなかった場合には、表示継続期間が正常に特定される場合に選択され得る最短の表示継続期間よりも長い時間、より具体的には最長の表示継続期間よりも長い時間の表示継続期間による遊技回用演出が実行される。これにより、上記第1の実施形態と同様に、表示継続期間を正常に特定できなかったことを起因として異常用態様の遊技回用演出が行われる場合に、その表示継続期間が極端に短くなってしまうことが抑えられる。また、当該状況において表示継続期間を設定する場合、遊技回用カウンタエリア121aの全ビットに「1」をセットするだけでよいため、当該異常用態様の遊技回用演出の設定に係る処理の簡素化が図られる。
ちなみに、上記のように遊技回用カウンタエリア121aの全ビットに「1」がセットされる構成においては、異常用態様の遊技回用演出が実行されている状況で新たな変動用コマンドの受信が発生する可能性が高くなる。これに対して、既に説明したとおり、変動用コマンドにおける上位側のビットの情報を確認した場合に静止表示が実行されるため、当該異常用態様による遊技回用演出の終了が良好に行われる。
また、異常用態様の遊技回用演出が実行される場合の要因は複数種類設定されているが、いずれの要因で遊技回用演出が実行される場合であっても、大当たり図柄の組み合わせがいずれの有効ライン上にも停止表示されない停止結果が最終停止表示される。変動用コマンドの通信異常が発生している場合、それと同時に送信される種別コマンドについても通信異常が発生している可能性がある。このような事情において、異常用態様の遊技回用演出における停止結果が上記のように設定されていることにより、主側MPU62における抽選結果が大当たり結果でない遊技回において大当たり図柄の組み合わせが停止表示されてしまうことを防止することができる。
新たな遊技回用演出を開始することが可能な状況であって主側MPU62に保留情報が保留記憶されていることが表示側MPU102にて把握されている状況であるにも関わらず、表示側MPU102にて変動用コマンドが受信されない状況が発生した場合には、表示側MPU102は表示画面Gにおける保留情報数の報知を中止させる。これにより、上記状況であることを表示画面G上にて強調してしまわないようにすることができ、新たな遊技回用演出が表示画面Gにて開始されないことに対して遊技者が違和感を抱きづらくなるようにすることができる。
<第4の実施形態>
本実施形態では、表示側MPU102におけるコマンド確認処理の処理構成が、上記第3の実施形態と異なっている。図33(a)は、本実施形態におけるコマンド確認処理を示すフローチャートであり、図33(b)は、本実施形態における所定のコマンドの情報形態を説明するための説明図である。
図33(a)に示すように、先ずステップS1901にて、確認すべきコマンドがリングバッファ141に格納されているか否かを判定する。確認すべきコマンドがない場合には、そのまま本確認処理を終了する。確認すべきコマンドがある場合には、ステップS1902にて、確認すべきコマンドのうち1バイト目の確認状態であるか否かを判定する。
1バイト目の確認状態である場合には、ステップS1903にて、上位側のバイトに含まれる各ビットのうち、今回の確認対象となるビットの確認処理を実行する。具体的には、リングバッファ141から今回の確認対象のコマンドにおける上位側のバイトのうち、今回の確認対象となる1ビットの情報を表示側MPU102のレジスタに転送し、そのビットの情報を確認する。そして、その確認結果を表示側MPU102のレジスタにおける別のエリアに記憶する。つまり、本実施形態では、1回のコマンド確認処理にて、複数ビットで構成されるコマンドの1ビット分の情報が確認される。
続くステップS1904では、所定順番目のビットの確認が完了したか否かを判定する。具体的には、上位側のバイトのうち上位4ビット分の情報の確認が完了したか否かを判定する。所定順番目のビットの確認が完了している場合には、ステップS1905にて、所定順番目のビットまでの確認結果が静止表示に対応した情報であるか否かを判定する。
本実施形態では、1回の遊技回用演出の終了直後において表示側MPU102にて受信する可能性があるコマンドとして、変動用コマンドと、デモ開始用コマンドと、オープニングコマンドとが設定されている。変動用コマンドは、既に説明したとおり、遊技回用演出を開始させるために主側MPU62から送信されるコマンドである。
また、デモ開始用コマンドは、デモ画像の表示を開始させるために主側MPU62から送信されるコマンドである。つまり、上記第1の実施形態や上記第3の実施形態では、デモ画像の開始タイミングを表示側MPU102にて独自に判断していたが、本実施形態では、デモ画像の開始タイミングが主側MPU62にて判断され、表示側MPU102ではデモ開始用コマンドを受信したことに基づいて、デモ画像の表示を開始させる。また、オープニングコマンドは、大当たり演出を開始させるために主側MPU62から送信されるコマンドである。
上記変動用コマンド、デモ開始用コマンド及びオープニングコマンドの情報形態は、図32(b)に示すように、2バイトの情報を16進数で表すと、変動用コマンドが「C1○○」となっており、デモ開始用コマンドが「C2△△」となっており、オープニングコマンドが「C3□□」となっている。つまり、変動用コマンド、デモ開始用コマンド及びオープニングコマンドは、その上位側のバイトにおける上位側から所定順番目のビットまでの情報が「C」で共通している。ステップS1905では、所定順番目のビットまでの確認結果が、共通識別情報(具体的には、「C」)に対応したものとなっているか否かを判定する。所定順番目のビットまでの確認結果が共通識別情報に対応している場合には、ステップS1906にて、ワークRAM104に静止表示フラグを格納する。
ステップS1904若しくはステップS1905にて否定判定をした場合、又はステップS1906の実行後は、ステップS1907に進む。ステップS1907では、上位側のバイトについて確認が完了したか否かを判定する。つまり、上位側のバイトの全ビットについて確認を行ったか否かを判定する。なお、上位側のバイトの全ビットについて確認が完了するまでにコマンド確認処理が複数回(具体的には、上位側のバイトを構成するビット数分)実行される必要があり、定期的に起動される表示制御処理が複数回(具体的には、上位側のバイトを構成するビット数分)起動される必要がある。
ステップS1907にて否定判定をした場合には、そのまま本確認処理を終了する。ステップS1907にて肯定判定をした場合には、ステップS1908にて、これまで確認した各ビットの情報をまとめて上位側のバイトの情報として記憶する。その後、ステップS1909にて、2バイト目の確認状態に設定した後に、本確認処理を終了する。
2バイト目の確認状態に設定されることにより、次回のコマンド確認処理では、ステップS1902にて否定判定をして、ステップS1910に進む。ステップS1910では、下位側のバイトに含まれる各ビットのうち、今回の確認対象となるビットの確認処理を実行する。具体的には、リングバッファ141から今回の確認対象のコマンドにおける下位側のバイトのうち、今回の確認対象となる1ビットの情報を表示側MPU102のレジスタに転送し、そのビットの情報を確認する。そして、その確認結果を表示側MPU102のレジスタにおける別のエリアに記憶する。
続くステップS1911では、下位側のバイトについて確認が完了したか否かを判定する。つまり、下位側のバイトの全ビットについて確認を行ったか否かを判定する。なお、下位側のバイトの全ビットについて確認が完了するまでにコマンド確認処理が複数回(具体的には、下位側のバイトを構成するビット数分)実行される必要があり、定期的に起動される表示制御処理が複数回(具体的には、下位側のバイトを構成するビット数分)起動される必要がある。
ステップS1911にて否定判定をした場合には、そのまま本確認処理を終了する。ステップS1911にて肯定判定をした場合には、ステップS1912にて、確認した情報の書き込み処理を実行する。具体的には、ステップS1908にてレジスタに記憶した上位側のバイトの情報に基づいて、ワークRAM104の各種フラグ格納エリア144に、今回確認が完了したコマンドに対応したフラグを格納する。また、今回の確認対象となった下位側のバイトの情報を、今回格納したフラグと対応付けてワークRAM104に記憶させる。
続くステップS1913では、2バイト目の確認状態を解除して、1バイト目の確認状態に設定する。その後、ステップS1914にて、リングバッファ141の読み出しポインタの情報を更新することで、リングバッファ141の複数のエリアにおけるコマンドの読み出し対象となるエリアが次に更新される。その後、本確認処理を終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、遊技回用演出が1回行われた後に開始される演出が複数種類設定されている構成において、それら演出を開始させるために表示側MPU102に向けて送信されるコマンドの全てを、遊技回用演出を終了させるためのコマンドとして兼用させることができる。
また、上記複数種類のコマンドは全て、上位側のビットの情報として共通識別情報を有している。これにより、いずれのコマンドが遊技回用演出を終了させるためのコマンドとして兼用される場合であっても、表示側MPU102では当該共通識別情報の確認を行えばよいため、情報の確認に係る構成の複雑化が抑えられる。
また、上記複数種類のコマンドのいずれであっても、共通識別情報は上位側のビットの情報として設定されているため、いずれのコマンドが兼用される場合であっても、現状実行されている遊技回用演出の静止表示が開始されてから次の演出が開始されるまでの期間をある程度確保することができる。
<第5の実施形態>
本実施形態では、上記第3の実施形態と異なり、表示側MPU102に向けたコマンドの送信はパラレル通信で行われるのではなくシリアル通信で行われる。そして、この通信方式の相違に対応させて、表示側MPU102におけるコマンド確認処理の処理構成が、上記第3の実施形態と異なっている。図34は、本実施形態におけるコマンド確認処理を示すフローチャートである。
図34に示すように、先ずステップS2001にて、入力ポート151においてコマンドの受信が行われるエリア(以下、コマンド用エリアともいう)を確認する必要があるか否かを判定する。既に説明したように、コマンドの送信はシリアル通信で行われるため、入力ポート151の上記コマンド用エリアは1ビット分となっており、当該コマンド用エリアに対して1ビットの情報が順次送信される。また、上位側の制御装置である音声ランプ制御装置90は、コマンドの送信を開始する場合にストローブ信号を表示側MPU102に向けて送信しており、表示側MPU102ではストローブ信号を受信した後に、コマンド1個分の情報の受信が完了したか否かを判定することで、ステップS2001の判定を行っている。ちなみに、本実施形態では、コマンドを構成する複数ビットの情報のうち、コマンド確認処理の1回の処理回において1ビット分の情報が1回確認される。
ステップS2001にて、確認の必要がないと判定した場合には、そのまま本確認処理を終了する。確認の必要があると判定した場合には、ステップS2002にて、表示側MPU102から音声ランプ制御装置90に向けたビジー信号の送信を停止することで、音声ランプ制御装置90からの新たなビットの情報の送信を禁止させる。但し、既にビジー信号の送信が停止されている状況では、その状態を維持する。また、ビジー信号の送信が停止されたとしても、音声ランプ制御装置90は現状の送信対象となっているビットの情報の送信は継続する。
続くステップS2003では、入力ポート151の上記コマンド用エリアにて受信している情報の確認処理を実行する。具体的には、当該コマンド用エリアに格納されている情報を、表示側MPU102のレジスタに転送する。続くステップS2004では、所定のコマンドの最上位ビットを今回の確認処理にて確認したか否かを判定する。最上位ビットでない場合には、そのままステップS2008に進む。
最上位ビットである場合には、ステップS2005にて、その最上位ビットの情報が静止表示に対応した情報であるか否かを判定する。本実施形態では、変動用コマンドの最上位のビット、すなわち、変動用コマンドが表示側MPU102に送信される場合に最初に送信されるビットの情報は、他のコマンドとは異なる情報となっている。ステップS2005では、この最上位のビットが変動用コマンドに対応し、他のコマンドに対応していない情報であるか否かを判定する。
なお、本構成に限定されることはなく、例えば、上記第4の実施形態のように、変動用コマンド、デモ開始用コマンド及びオープニングコマンドにおいて表示側MPU102に最初に送信されるビットの情報が共通しているとともに、他のコマンドとは異なっている構成としてもよい。この場合、ステップS2005では、上記最上位のビットが変動用コマンド、デモ開始用コマンド又はオープニングコマンドのいずれかに対応し、他のコマンドに対応していない情報であるか否かを判定することとなる。
ステップS2005にて静止表示に対応した情報でないと判定した場合には、そのままステップS2008に進む。ステップS2005にて静止表示に対応した情報であると判定した場合には、ステップS2006にて、ワークRAM104に静止表示フラグを格納する。つまり、本実施形態では、コマンドにおける最上位のビットを1回確認するだけで、静止表示フラグが格納される。そして、静止表示フラグが格納されることで、現状表示されている画像の内容に関係なく、表示画面Gでは静止表示が強制的に実行される。
続くステップS2007では、ワークRAM104の各種カウンタエリア143における確認回数用のカウンタエリアの情報を更新することで、確認回数を更新する。その後、ステップS2008にて、ステップS2007の更新後における確認回数が2回以上であるか否かを判定する。確認回数が2回未満である場合にはそのまま本確認処理を終了する。確認回数が2回以上である場合にはステップS2009に進む。
ステップS2009では、ステップS2003にてレジスタに転送した情報が、前回転送された情報と一致しているか否かを判定する。前回と一致していない場合には、そのまま本確認処理を終了する。この場合、同一のビットの情報が再度確認される。前回と一致している場合には、ステップS2010にて、ステップS2003にてレジスタに転送した情報を、今回の確認対象のビットにおける情報として確定させる。上記のように複数回の確認を行うようにすることで、例えば音声ランプ制御装置90から表示側MPU102の入力ポート151への転送途中でノイズなどの影響で情報が書き換えられてしまったとしても、その影響が低減される。
続くステップS2011では、表示側MPU102から音声ランプ制御装置90に向けたビジー信号の送信を再開することで、音声ランプ制御装置90からの新たなビットの情報の送信を許可する。続くステップS2012では、所定のコマンドについて、全ビットの情報の確認が完了したか否かを判定する。完了していない場合には、そのまま本確認処理を終了する。完了している場合には、ステップS2013にて、確認した情報の書き込み処理を実行する。具体的には、今回の受信対象となったコマンドの全ビットの情報のうち、上位側のバイトの情報に基づいて、ワークRAM104の各種フラグ格納エリア144に、今回確認が完了したコマンドに対応したフラグを格納する。また、今回の受信対象となったコマンドの全ビットの情報のうち、下位側のバイトの情報を、今回格納したフラグと対応付けてワークRAM104に記憶させる。その後、本確認処理を終了する。
以上詳述した本実施形態は、表示側MPU102では受信したコマンドを確認する場合に、コマンド確認処理の1処理回で1ビット分の情報が確認されるとともに、最上位ビットの情報が静止表示に対応した情報である場合に現状実行されている遊技回用演出について静止表示が行われる構成である。これにより、現状実行されている遊技回用演出の静止表示が開始されてから次の演出が開始されるまでの期間を、上記第3の実施形態よりも長く確保することができる。
なお、表示側MPU102から音声ランプ制御装置90に向けたビジー信号の送信が行われない構成としてもい。この場合、表示側MPU102において次ビットの送信を禁止する処理(ステップS2002)や次ビットの送信を許可する処理(ステップS2011)が行われないようになることに対応させて、音声ランプ制御装置90といった上流側の制御装置において一のビットの情報を送信してから次のビットの情報を送信するまでに所定の送信待機期間が設定されている構成としてもよい。当該送信待機期間を表示側MPU102において各ビットの情報の確認を十分に行えるように設定することで、表示側MPU102における情報の確認の正確性が担保される。
<他の実施形態>
なお、上述した各実施形態の記載内容に限定されず例えば次のように実施してもよい。ちなみに、以下の各構成を単独で上記各実施形態の構成に適用してもよく、所定の組み合わせで上記各実施形態の構成に適用してもよい。
(1)上記第1,第2の実施形態において、図柄表示装置31における遊技回用演出を最終停止表示させるための確定コマンドが主側MPU62から送信される構成としてもよい。この場合、表示側MPU102は確定コマンドを受信している場合に遊技回用演出を最終停止表示させるとともに、上記第1,第2の実施形態と同様に独自に判断して遊技回用演出を最終停止表示させる構成とすることで、受信した確定コマンドの情報がノイズ等の影響で書き換えられており解読できない場合であっても、表示側MPU102は遊技回用演出を最終停止表示させることができる。但し、主側MPU62から送信されるコマンドの数を抑える上では、上記第1,第2の実施形態における構成が好ましい。
また、上記第3乃至第5の実施形態において、変動用コマンドの通信異常が発生した場合であっても異常用態様の遊技回用演出が実行される構成や、変動用コマンドの通信異常が発生した場合には表示画面Gにおける保留情報数の報知が中止される構成に着目した場合、変動用コマンドなどによって確定コマンドの機能が兼用される構成に代えて、確定コマンドが主側MPU62から送信される構成を適用してもよい。
また、上記第3乃至第5の実施形態のように、変動用コマンドなどによって確定コマンドの機能が兼用されるとともに、確定コマンドも送信される構成としてもよい。この場合、確定コマンドの通信異常が発生した場合であっても、上記兼用されるコマンドの受信に基づいて、静止表示を強制的に実行させることができる。
(2)主側MPU62にて変動開始処理(図10)が実行される度に変動用コマンドが送信される構成に限定されることはなく、例えば、複数の保留情報が保留記憶されている場合には遊技回の開始対象となる順番が後の保留情報についての当否判定結果が主側MPU62にて先特定される構成においては、変動用コマンドが1回送信されることで、表示側MPU102では複数の遊技回に跨る一連の演出が実行され得る構成としてもよい。この場合であっても、表示側MPU102は主側MPU62から送信されたコマンドに因らずに一連の演出を最終停止表示させることができる構成とすることが好ましい。
(3)上記各実施形態において、変動用コマンドを受信した場合に遊技回用カウンタエリア121aにセットされる表示継続期間には、静止表示期間が開始されるタイミングよりも前のタイミングまでの時間が含まれており、当該時間が経過した場合には静止表示期間が完了するタイミングまでの時間の情報が新たに遊技回用カウンタエリア121aにセットされる構成としてもよい。
例えば、変動用コマンドを受信した場合に遊技回用カウンタエリア121aにセットされる表示継続期間には静止表示が開始されるまでの時間が含まれており、静止表示が開始された場合には静止表示期間の情報が新たに遊技回用カウンタエリア121aにセットされる構成としてもよい。この場合、変動用コマンドには静止表示が開始されるまでの表示継続期間の情報が含まれている構成としてもよい。また、主側MPU62においても変動開始に際して静止表示が開始されるまでの時間をセットし、当該時間が経過した後に静止表示期間の情報が新たにセットされる構成としてもよい。
また、上記構成を上記第3乃至第5の実施形態に適用する場合、遊技回用演出の途中で変動用コマンドを受信したことに基づき当該遊技回用演出を静止表示させる状況において、変動用コマンドの上位側のビットによって静止表示を実行する必要があることが特定されたタイミングで、遊技回用演出が正常に終了される場合と同様の静止表示期間がセットされる構成としてもよい。また、新たな演出への影響を抑えるためには、新たな演出に影響しない範囲の専用の静止表示期間がセットされる構成としてもよい。また、遊技回用演出の途中で変動用コマンドを受信した場合には静止表示期間のセットは行われず、上記第3乃至第5の実施形態と同様に、新たな遊技回用演出が開始されるまで静止表示が継続される構成としてもよい。
(4)上記第1,第2の実施形態において、遊技回用演出が終了されてからデモ画像の表示が開始されるまでの開始待ち期間は0.1secに限定されることはなく、当該待ち時間が例えば1sec以上であってもよい。また、遊技回用演出が終了された直後にデモ画像の表示が開始される構成としてもよい。
(5)上記第1,第2の実施形態において、表示側MPU102は変動用コマンドを受信した場合に遊技回用演出を開始させるのではなく、種別コマンドを受信した場合に遊技回用演出を開始させる構成としてもよい。また、上記各実施形態において、主側MPU62から変動開始指令用の専用のコマンドが送信される構成としてもよい。また、上記各実施形態において、主側MPU62が遊技回の開始に際して変動用コマンドと種別コマンドとの2種類のコマンドを送信する構成に限定されることはなく、これらの情報を含んだ単一のコマンドを送信する構成としてもよい。
(6)上記第1,第2の実施形態において、種別コマンドは、変動用コマンドと同時に送信されるのではなく、変動用コマンドよりも前のタイミングで送信される構成としてもよく、変動用コマンドよりも後のタイミングで送信される構成としてもよい。
(7)上記各実施形態において、表示側MPU102は変動用コマンドから表示継続期間を特定した後に遊技回用演出の態様を決定するのではなく、変動用コマンドと種別コマンドとの組み合わせから遊技回用演出の態様を直接決定する構成としてもよい。また、例えば、主側MPU62が遊技回の開始に際して変動用コマンド及び種別コマンドの両方の情報を含んだ単一のコマンドを送信する構成においては、表示側MPU102は当該単一のコマンドから遊技回用演出の態様を直接決定する構成としてもよい。
また、本構成においては、表示側MPU102は受信したコマンドから遊技回用演出の表示継続期間を決定することができない場合に異常用態様による遊技回用演出を実行するのではなく、受信したコマンドから遊技回用演出の態様を決定することができない場合に異常用態様による遊技回用演出を実行する構成としてもよい。
(8)上記各実施形態において、表示側MPU102が変動用コマンドから表示継続期間を正常に特定できなかった場合、表示側MPU102において変動用コマンドから表示継続期間が正常に特定された場合に選択される表示継続期間のいずれかが遊技回用カウンタエリア121aにセットされる構成としてもよい。この場合、最長の表示継続期間がセットされる構成としてもよく、最短の表示継続期間がセットされる構成としてもよく、完全外れ用の表示継続期間がセットされる構成としてもよい。本構成によれば、不一致用期間の情報をプログラムROM103に予め記憶させておく必要がない。なお、上記構成においても、停止結果を最終停止表示させる場合には、いずれの有効ラインL1〜L5上にも大当たり図柄の組み合わせが停止表示されず、さらにいずれの有効ラインL1〜L5上にもリーチ図柄の組み合わせが停止表示されない構成としてもよい。
また、不一致用期間又は異常用期間が、遊技回用カウンタエリア121aにセット可能な上限の表示継続期間ではないが、表示側MPU102において変動用コマンドから表示継続期間が正常に特定された場合に選択される表示継続期間のうち最長の表示継続期間よりも長い専用時間であってもよく、最短の表示継続期間よりも長い専用時間であってもよい。
また、不一致用期間又は異常用期間が、表示側MPU102において変動用コマンドから表示継続期間が正常に特定された場合に選択される表示継続期間のうち最短の表示継続期間以下の時間であってもよい。この場合、不一致用態様又は異常用態様で遊技回用演出が実行されている途中で新たな変動用コマンドが主側MPU62から送信されることを防止することができる。
また、不一致用期間又は異常用期間は、その時点で保留記憶されている保留情報の個数に応じて変動する構成としてもよい。例えば、図柄表示装置31にて保留情報の個数を表示させる構成においては、表示側MPU102では主側MPU62から送信される保留増加コマンドや保留減少コマンドによって保留情報の個数が把握されている。この場合に、表示側MPU102は変動用コマンドから表示継続期間を正常に特定できない場合に保留情報の個数を参照し、保留情報の個数が第1個数である場合にはそれよりも少ない第2個数の場合よりも短い不一致用期間又は異常用期間を選択する構成とする。主側MPU62では、保留情報の個数が多いほど短い表示継続期間を選択し易くなっているため、上記構成によれば、保留情報の個数に応じて適した不一致用期間又は異常用期間が選択されるようにすることができる。
(9)上記第1,第2の実施形態において、不一致用態様による演出が行われる場合に、高速変動表示が継続される構成に限定されることはなく、正常に表示継続期間が特定された場合と同様に各図柄列Z1〜Z3が順次待機表示されていく構成としてもよい。この場合、変動用コマンドから正常に表示継続期間が特定された場合に選択される表示継続期間のうちいずれかの表示継続期間に亘って遊技回用演出が実行される構成としてもよく、最長の表示継続期間に亘って遊技回用演出が実行される構成としてもよく、最短の表示継続期間に亘って遊技回用演出が実行される構成としてもよく、遊技回用カウンタエリア121aにおける上限の表示継続期間に亘って遊技回用演出が実行される構成としてもよい。なお、当該構成においても、停止結果を最終停止表示させる場合には、いずれの有効ラインL1〜L5上にも大当たり図柄の組み合わせが停止表示されず、さらにいずれの有効ラインL1〜L5上にもリーチ図柄の組み合わせが停止表示されない構成としてもよい。
また、上記第1,第2の実施形態において、不一致用態様による演出が行われる場合、変動用コマンドから正常に表示継続期間が特定された場合に選択され得る完全外れに対応した遊技回用演出が実行される構成としてもよい。この場合、その時点で保留記憶されている保留情報の個数に応じて選択される遊技回用演出の態様が変更される構成としてもよい。例えば、図柄表示装置31にて保留情報の個数を表示させる構成においては、表示側MPU102では主側MPU62から送信される保留増加コマンドや保留減少コマンドによって保留情報の個数が把握されている。この場合に、表示側MPU102は変動用コマンドから表示継続期間を正常に特定できない場合に保留情報の個数を参照し、保留情報の個数が第1個数である場合にはそれよりも少ない第2個数の場合よりも、表示継続期間が短い完全外れに対応した遊技回用演出の態様を選択する構成とする。主側MPU62では、保留情報の個数が多いほど短い表示継続期間を選択し易くなっているため、上記構成によれば、保留情報の個数に応じて適した完全外れに対応した遊技回用演出の態様が選択されるようにすることができる。
(10)上記第1,第2の実施形態において、不一致用態様による演出が行われる場合、変動用コマンドから正常に表示継続期間が特定された場合に選択される表示継続期間のうちいずれかの表示継続期間に亘って又は上限の表示継続期間よりも短い所定時間に亘って全図柄列Z1〜Z3において図柄を高速変動表示させた後に、不一致用停止結果の図柄を待機領域SA1〜SA9に待機させ、さらに揺動表示を継続させた後に、静止表示させる構成としてもよい。この場合、上限の表示継続期間の終了側から静止表示期間前のタイミングで静止表示を開始させてそれを静止表示期間に亘って継続させる構成としてもよく、上限の表示継続期間の終了後から静止表示期間に亘って静止表示を継続させる構成としてもよく、静止表示が行われない構成としてもよい。また、上記構成において、揺動表示が行われるのではなく直接静止表示が開始される構成としてもよい。
また、不一致用態様による演出が行われる場合、変動用コマンドから正常に表示継続期間が特定された場合に選択される表示継続期間のうちいずれかの表示継続期間に亘って又は上限の表示継続期間よりも短い所定時間に亘って完全外れに対応した遊技回用演出が行われた後に、不一致用停止結果の図柄を待機領域SA1〜SA9に待機させ、さらに揺動表示を継続させた後に、静止表示させる構成としてもよい。この場合、上限の表示継続期間の終了側から静止表示期間前のタイミングで静止表示させて、それを静止表示期間に亘って継続させる構成としてもよく、上限の表示継続期間の終了後から静止表示期間に亘って静止表示を継続させる構成としてもよく、静止表示が行われない構成としてもよい。また、上記構成において、揺動表示が行われるのではなく直接静止表示が開始される構成としてもよい。
(11)上記第1,第2の実施形態において、不一致用態様による演出が行われる場合、変動用コマンドから正常に表示継続期間が特定された場合に選択される表示継続期間のうちいずれかの表示継続期間に亘って又は上限の表示継続期間よりも短い所定時間に亘って全図柄列Z1〜Z3にて図柄を高速変動表示させた後に、各図柄列Z1〜Z3におけるスクロール表示を通常時と同様に順次終了させる構成としてもよい。
この場合、変動用コマンドから正常に表示継続期間が特定された場合に選択される表示継続期間のうち最長の表示継続期間以上に亘って全図柄列Z1〜Z3において図柄を高速変動表示させた後に、各図柄列Z1〜Z3におけるスクロール表示を通常時と同様に順次終了させる構成とすることが好ましい。これにより、複数の保留情報が主側MPU62に保留記憶されている状況で先に遊技回の開始対象となった保留情報に係る変動用コマンドについて、不一致用態様による演出が行われた場合には、次の保留情報に係る遊技回が新たに開始された際に図柄表示装置31では高速変動表示が遊技回を跨いで継続される。また、不一致用態様による演出が最終停止表示の段階まで継続される場合には、通常時と同様に全図柄列Z1〜Z3の停止表示が行われる。よって、不一致用態様による演出が行われた場合に遊技者が違和感を抱きづらくなる。
(12)上記第1,第2の実施形態において、不一致用態様による演出が行われる場合、遊技回用カウンタエリア121aにセット可能な上限の表示継続期間となるまで全図柄列Z1〜Z3において高速変動表示が行われた後に、静止表示が行われる構成としてもよい。また、静止表示が行われない構成としてもよい。
(13)上記各実施形態において、変動用コマンドから表示継続期間を正常に特定できなかった場合に、不一致用態様又は異常用態様による演出が行われるのではなく、表示側MPU102において変動用コマンドを受信し得る状況において解読できないコマンドを受信した場合に不一致用態様又は異常用態様による演出が行われる構成としてもよい。また、解読できないコマンドに連続して種別コマンドを受信した場合に不一致用態様又は異常用態様による演出が行われる構成としてもよい。また、解読できないコマンドを同時期に連続して受信した場合に不一致用態様又は異常用態様による演出が行われる構成としてもよい。また、変動用コマンドから表示継続期間を正常に特定できたとしても、変動用コマンドに含まれる他の情報が本来とは異なる情報である場合に不一致用態様又は異常用態様による演出が行われる構成としてもよい。
また、変動用コマンドに含まれる全ビットを用いて論理和や論理積といった演算処理を行うことで、所定の演算結果となる構成である場合、変動用コマンドであると表示側MPU102において認識されたとしても、上記演算処理の結果が所定の演算結果でない場合に不一致用態様又は異常用態様による演出が行われる構成としてもよい。
(14)上記各実施形態において、表示側MPU102は、不一致用態様又は異常用態様による遊技回用演出が実行されている状況においてオープニングコマンドを受信した場合には、大当たり図柄の組み合わせを最終停止表示させる構成としてもよい。この場合、表示側MPU102においてオープニングコマンドから大当たり結果の種別を特定できない場合には、確変大当たり結果の場合に選択される大当たり図柄の組み合わせではなく、通常大当たり結果の場合に選択される大当たり図柄の組み合わせが最終停止表示されるようにするとよい。実際には通常大当たり結果であるにも関わらず、確変大当たり結果の場合に選択される大当たり図柄の組み合わせが停止表示されると、確変大当たり結果を期待した遊技者を落胆させることとなり、遊技続行の意欲を低減させてしまうおそれがあるからである。
また、表示側MPU102においてオープニングコマンドから大当たり結果の種別を特定できる構成としてもよい。この場合、その種別に対応した大当たり図柄の組み合わせが最終停止表示される構成とするとよい。
(15)上記各実施形態において、不一致用態様又は異常用態様による遊技回用演出が実行されている状況においてオープニングコマンドを受信した場合には、停止結果が最終停止表示されることなくオープニング演出が開始される構成としてもよい。
(16)上記第1乃至第3の実施形態において、デモ画像の表示を開始させるか否かの判定が主側MPU62にて行われる構成としてもよい。つまり、主側MPU62は、遊技回が終了したタイミングから次の遊技回や開閉実行モードが開始されることなく予め定められた開始待ち期間が経過したか否かを判定し、経過している場合にはデモ開始用コマンド(開始待ち用コマンド)を送信するようにする。そして、表示側MPU102は、デモ開始用コマンドを受信した場合に、開始待ち表示としてのデモ画像の表示を開始させる処理を実行する。
本構成において、不一致用態様又は異常用態様による遊技回用演出が実行されている状況において表示側MPU102がデモ開始用コマンドを受信した場合には、不一致用停止結果又は異常用停止結果を最終停止表示させる構成としてもよい。この場合、遊技回用カウンタエリア121aにセット可能な上限の表示継続期間に亘って不一致用態様又は異常用態様による遊技回用演出が実行されている状況において、主側MPU62から新たな変動用コマンドやオープニングコマンドが送信されない場合であっても、デモ画像の表示が開始されるタイミングで不一致用態様又は異常用態様による遊技回用演出を終了させることができるため、当該演出が継続される時間を上記各実施形態よりも短くすることができる。
なお、上記構成において、不一致用停止結果又は異常用停止結果を静止表示期間に亘って静止表示させた後にデモ画像の表示が開始される構成としてもよい。
(17)上記第1,第2の実施形態において、表示側MPU102は、変動中用処理(図15)における、ステップS802〜ステップS807の処理を実行することなく、描画指示タイミングである場合には態様情報記憶エリア122に記憶されているアドレス情報に対応した遊技回用演出の態様情報に示されている描画リストの情報をVDP105に出力することで、図柄表示装置31において待機表示、揺動表示及び静止表示などを行わせる構成としてもよい。
また、上記第3乃至第5の実施形態において、表示側MPU102は、変動中用処理(図30)における、ステップS1807〜ステップS1809の処理を実行することなく、描画指示タイミングである場合にはワークRAM104に記憶されている異常用態様の情報に示されている描画リストの情報をVDP105に出力することで、図柄表示装置31において待機表示、揺動表示及び静止表示などを行わせる構成としてもよい。
(18)各図柄列Z1〜Z3における図柄の変動表示が、高速変動→中速変動→低速変動といったように、2段階ではなく3段階で変動表示の速度が変更される構成としてもよい。
また、図柄の変動表示について低識別表示態様(第1識別表示態様)と高識別表示態様(第1識別表示態様よりも識別し易い第2識別表示態様)とを設定する手法は、高速変動表示と低速変動表示とを設定する構成に限定されることはない。例えば、図柄を半透明にするといったように本来の態様の一部を表示しない又は識別しづらくすることを低識別表示態様とし、図柄の情報を全て表示することを高識別表示態様とする構成としてもよい。また、かかる図柄の表示態様の変更と上記図柄の変動表示速度の変更との両方によって、低識別表示態様と高識別表示態様とを設定してもよい。
(19)図柄表示装置31における図柄の変動表示の態様は、上記各実施形態におけるものに限定されることはなく任意であり、例えば、複数の図柄表示領域において図柄がスクロール表示されるのではなく、各図柄表示領域において1図柄ずつ切換表示される構成としてもよい。この場合、各図柄表示領域において図柄が変動表示されている状況で待機タイミングとなった場合に各図柄表示領域に含まれる待機領域にそれぞれ1の図柄が待機表示されて揺動表示といった待機中表示が行われた後に、それら各図柄が静止表示される構成とするとよい。
(20)表示側MPU102により表示制御される表示装置は、所定の音を出力するスピーカ部であってもよく、所定の発光態様で発光する発光部であってもよい。また、表面に装飾が付された可動物であってもよい。これらの場合であっても、本発明を適用することが好ましい。
(21)変動用コマンドは、表示制御装置100といったサブ側の制御装置において変動用コマンドであること及び表示継続期間を特定することができるのであれば、具体的な情報形態は任意であり、例えば、変動用コマンドにおいては自身が変動用コマンドであることを示す情報と表示継続期間の情報とが区別されて設定されていないが、サブ側の制御装置において上記各情報を特定可能な構成としてもよい。
(22)上記各実施形態において、図柄表示装置31にて遊技回用演出が開始される場合には、各図柄列Z1〜Z3の各停止位置に図柄が停止表示されている状態から除々に変動速度が速くなり、所定の加速期間の経過後に高速変動表示が行われている状態となる構成としてもよい。当該構成において、上記第1,第2の実施形態にて、不一致用態様による演出を中止して次の遊技回用演出が開始される場合には、各図柄列Z1〜Z3において図柄が高速変動表示されている状態から一旦図柄が停止し、その後に上記加速変動表示が行われて再度、高速変動表示されている状態となる構成としてもよい。
また、上記のように一旦図柄が停止する構成に代えて、例えば表示側MPU102における変動開始用処理(図13)にて不一致用態様による演出を中止して新たな変動開始用の設定を行う状況か否かを判定し、当該状況である場合には上記加速変動表示を行わずに高速変動表示を維持させながら、不一致用態様による演出を中止して次の遊技回用演出を開始させる構成としてもよい。この場合、遊技者は不一致用態様による演出が実行されていたことを認識しづらくなる。
(23)上記第1,第2の実施形態では、不一致用態様による演出を実行している状況で変動用コマンドを受信した場合、表示側MPU102は、図柄表示装置31にて現在、遊技回用演出を実行している状況であるか否かの判定を行わずに新たな変動開始用の設定を行う構成としたが、これに限定されない。例えば、表示側MPU102は、図柄表示装置31にて現在、遊技回用演出を実行している状況であるか否かの判定を行った後に、新たな変動開始用の設定を行う構成としてもよい。この場合、現在、遊技回用演出を実行している状況であると判定した場合には、専用の処理を実行する構成としてもよく、専用の処理を実行しない構成としてもよい。
(24)上記各実施形態において、主側MPU62や表示側MPU102において表示継続期間の計測方法は、カウントダウン式に限定されることはなく、カウントアップ式であってもよい。
(25)上記各実施形態において、図柄表示装置31における遊技回用演出にて各待機領域SA1〜SA9に図柄が待機表示された後の待機中表示は、揺動表示に限定されることはなく、例えば図柄が振動表示される構成としてもよく、図柄が点滅表示される構成としてもよく、図柄が拡縮表示される構成としてもよい。また、3Dなどで図柄が表示される場合には、図柄が前後表示される構成としてもよい。また、図柄の一部のみが動作することで待機中表示が行われる構成としてもよく、例えば図柄がキャラクタと文字とで構成されている場合にそれらの一方は静止され他方が動作している状態を待機中表示としてもよい。また、図柄は静止しているが、図柄に付されている色が変化している状態を待機中表示としてもよい。
また、各待機領域SA1〜SA9に待機されている図柄は全て静止しているが、図柄表示装置31の表示画面Gなどにおいて待機領域SA1〜SA9とは別に設定された待機中用領域において点滅表示や絵柄の変動表示などが行われている状態を待機中表示としてもよい。この場合、静止表示とは、図柄だけでなく上記他の領域も静止表示されている状態のことをいう。
また、表示側MPU102において遊技回用演出の終了タイミングを独自に特定できる構成に着目した場合、待機表示や待機中表示が行われることは任意である。
(26)上記第3乃至第5の実施形態において、静止表示を強制的に実行させることに対応したコマンドを受信した場合には、遊技回用演出が実行されている状況であるか否かに関係なく、静止表示フラグが格納されて静止表示が強制的に実行される構成に代えて、遊技回用演出の途中であることを条件として静止表示が強制的に実行される構成としてもよい。
(27)上記第3の実施形態において、静止表示を強制的に実行させる契機として格納される静止表示フラグの格納条件は、変動用コマンドにおける上位側のバイトの情報が確認されたことである必要はなく、例えば上位側のバイトにおける一部のビットの情報が確認されたことであってもよい。また、上位側のバイトの全ビットと、下位側のバイトにおける一部のビットの情報が確認されたことで、静止表示フラグが格納される構成としてもよい。
また、コマンド確認処理(図25)では、受信したコマンドの確認に際して各ビットを複数回確認する構成に代えて、各ビットを1回のみ確認する構成としてもよい。この場合であっても、変動用コマンドといった静止表示を強制的に実行させる機能を兼用したコマンドにおける上位側の一部のビットが確認された場合に、静止表示フラグが格納されて静止表示が強制的に実行されるようにすることが好ましい。これにより、強制的な静止表示が開始されてから次の演出の表示が開始されるまでの期間をある程度確保することが可能となる。
また、上記第3の実施形態のように、コマンド確認処理(図25)において、受信したコマンドの確認に際して各ビットを複数回確認する構成の場合、変動用コマンドといった静止表示を強制的に実行させる機能を兼用したコマンドの全ビットが1回確認された場合に、静止表示フラグが格納されて静止表示が強制的に実行されるようにしてもよい。本構成であっても、上記兼用したコマンドの全ビットが複数回確認されるタイミングに比べて、早いタイミングで静止表示フラグが格納されることとなるため、強制的な静止表示が開始されてから次の演出の表示が開始されるまでの期間をある程度確保することが可能となる。但し、当該期間を長くする上では、上記第3の実施形態における構成が好ましい。
(28)上記第4の実施形態において、静止表示を強制的に実行させる契機となる静止表示フラグの格納が、変動用コマンドといった静止表示を強制的に実行させる機能を兼用したコマンドにおける最上位のビットが確認された場合に行われる構成としてもよい。この場合、静止表示が強制的に実行されるタイミングを上記第4の実施形態よりも早めることができる。
(29)上記第5の実施形態において、静止表示を強制的に実行させる契機となる静止表示フラグの格納が、変動用コマンドといった静止表示を強制的に実行させる機能を兼用したコマンドにおける最上位のビットではなく、所定順番目のビットが確認された場合に行われる構成としてもよい。また、所定順番目のビットの確認が完了した場合において当該所定順番目のビットまでの情報に応じて、静止表示フラグが格納される構成としてもよい。また、上位側のバイトを構成する全ビットが確認された場合に、静止表示フラグが格納される構成としてもよい。但し、強制的な静止表示が開始されてから次の演出の表示が開始されるまでの期間を長く確保する上では、最上位のビットが確認された場合に、静止表示フラグが格納される構成とすることが好ましい。
(30)上記第3乃至第5の実施形態において、変動用コマンドといった静止表示を強制的に実行させる機能を兼用したコマンドを受信した場合に、静止表示フラグを格納する処理に代えて、当該タイミングにて静止表示を実行させる構成としてもよい。この場合、強制的な静止表示が開始されるタイミングを早めることが可能となる。
(31)上記第3の実施形態において、静止表示を強制的に実行させる契機となる静止表示フラグの格納が、入力ポート151にて受信したコマンドがリングバッファ141に転送される前のタイミングで行われる構成としてもよい。
具体的には、表示側MPU102では上流側の制御装置からストローブ信号を受信した場合、入力ポート151に受信しているコマンドの情報を複数回確認して連続する確認結果が同一であるといったように確認異常がない場合にそのコマンドをリングバッファ141に転送する構成とする。当該構成において、変動用コマンドといった静止表示を強制的に実行させる機能を兼用したコマンドが1回確認された場合に、当該コマンドをリングバッファ141には格納しないが、静止表示フラグを格納するといったことを行うことにより静止表示を強制的に実行させる構成としてもよい。また、静止表示が強制的に実行されるタイミングを早める上では、上記兼用したコマンドにおける上位側の一部のビットが確認された場合に、静止表示フラグを格納するといったことを行うことにより静止表示を強制的に実行させる構成としてもよい。
(32)上記第3の実施形態において、主側MPU62又は音声ランプ制御装置90は、デモ画像の表示を開始させるためにデモ開始用コマンドを送信する構成としてもよい。この場合、静止表示を強制的に実行させる機能を兼用したコマンドは変動用コマンドではなく、デモ開始用コマンドであってもよい。また、変動用コマンドよりも前に、シフト時コマンド又は種別コマンドが送信される構成においては、静止表示を強制的に実行させる機能を兼用したコマンドは変動用コマンドではなく、シフト時コマンド又は種別コマンドであってもよい。
(33)上記各実施形態において、表示側MPU102では、変動用コマンドを受信したタイミングで遊技回用演出を開始させ、その後に種別コマンドを受信することで、変動用コマンドと種別コマンドとの内容から、既に開始している遊技回用演出の表示態様を決定する構成としてもよい。
本構成において、
・種別コマンドを受信するはずのタイミングで種類を認識できないコマンドを受信した場合
・種別コマンドを受信したが一部のビットの情報が異常であった場合
・変動用コマンドを受信してから又は遊技回用演出を開始させてから本来受信するはずの期間が経過するまでに種別コマンドを受信しなかった場合
のうち少なくとも一の条件が成立した場合に、既に実行されている遊技回用演出の表示態様として異常用態様を選択する構成としてもよく、途中までは異常用態様ではないが最終的に異常用停止結果が表示される構成としてもよい。
(34)上記第3の実施形態において、遊技回用演出を開始させることが可能な状況で、表示側MPU102にて保留情報数が1以上であることが確認されてから、第1開始異常期間又は第2開始異常期間が経過しても新たな変動用コマンドを受信していない場合には、当該変動用コマンドの受信を待つことなく、異常用態様による遊技回用演出を開始させる構成としてもよい。上記のように変動用コマンドを受信しない状況は、表示側MPU102にて把握されている保留情報数が正確であることを条件として、変動用コマンドの通信異常が確実に発生している状況であり、このような状況においては上記のように変動用コマンドの受信を条件とすることなく異常用態様による遊技回用演出を開始させることが好ましい。
(35)上記第3乃至第5の実施形態において、異常用態様ではない正常な遊技回用演出の途中で変動用コマンドを受信したとしても、それが当該遊技回用演出の終了タイミングから所定期間前までの範囲内であれば、その受信した変動用コマンドを正常なものとして扱う構成としてもよい。この場合、静止表示期間の範囲内であれば変動用コマンドを正常なものとして扱う構成としてもよく、静止表示期間の途中タイミング以降であれば変動用コマンドを正常なものとして扱う構成としてもよく、待機表示が開始された後であれば変動用コマンドを正常なものとして扱う構成としてもよい。
また、上記構成において、遊技回用演出の途中で変動用コマンドを受信した場合であってその受信した変動用コマンドを正常なものとして扱う場合には、その実行途中の遊技回用演出を既に決定されている表示態様通りに終了させるとともに、その終了後に正常な遊技回用演出を開始させる構成としてもよい。この場合、異常用態様の遊技回用演出が実行される頻度を抑えることが可能となる。
(36)上記第3乃至第5の実施形態において、正常な遊技回用演出の途中で変動用コマンドを受信した場合には、その受信した変動用コマンドが正常なものであるか異常なものであるかに関係なく、その実行途中の遊技回用演出を既に決定されている表示態様通りに終了させた後に、異常用態様の遊技回用演出を開始する構成としてもよい。この場合、変動用コマンドの通信異常が発生した場合に、既に実行されている正常な遊技回用演出にまで影響が及ばないようにすることができる。
(37)上記第3乃至第5の実施形態において、異常用態様による遊技回用演出が実行される場合、上記第1の実施形態における不一致用態様と同様の態様で遊技回用演出が実行される構成としてもよい。また、当該構成に限定されることはなく、正常に表示継続期間が特定された場合と同様に各図柄列Z1〜Z3が順次待機表示されていく構成としてもよい。この場合、変動用コマンドから正常に表示継続期間が特定された場合に選択される表示継続期間のうちいずれかの表示継続期間に亘って遊技回用演出が実行される構成としてもよく、最長の表示継続期間に亘って遊技回用演出が実行される構成としてもよく、最短の表示継続期間に亘って遊技回用演出が実行される構成としてもよく、遊技回用カウンタエリア121aにおける上限の表示継続期間に亘って遊技回用演出が実行される構成としてもよい。
また、リーチ表示が発生しないとともに大当たり図柄の組み合わせが停止表示されない外れ結果に対応したスクロール表示が、最短の表示継続期間又はそれよりも短い表示継続期間に亘って行われた後に、今回の遊技回用演出に対して設定されている異常用期間が経過するまで又は異常用期間が経過する直前まで、待機表示が行われ、さらにその待機表示されている停止結果が静止表示される構成としてもよい。この場合、遊技回用演出の表示継続期間において待機表示及び静止表示が実行される期間が占める割合は、正常に遊技回用演出が実行される場合に比べて大きくなる。また、本構成であれば、異常用態様による遊技回用演出の実行途中に正常な遊技回用演出が新たに開始されるとしても、異常用態様による遊技回用演出にて待機表示が実行されている状況において変動用コマンドを受信することとなる。そうすると、待機表示されている状態から新たな遊技回用演出が開始される、又は待機表示されている状態が静止表示された後に新たな遊技回用演出が開始されることとなり、スクロール表示の途中で新たな遊技回用演出が開始される構成に比べて、新たな遊技回用演出への移行が円滑に行われる。
また、異常用態様による遊技回用演出の開始タイミングから終了タイミングまで、異常用停止結果を構成する各図柄が待機領域SA1〜SA9において揺動表示といった待機中表示が行われる構成としてもよい。また、異常用態様による遊技回用演出の開始タイミングから終了タイミングまで、リーチ表示及び大当たり図柄の組み合わせのいずれにも対応しない停止結果が、スクロール表示を伴うことなく順次切り換えられていく構成としてもよい。これらの場合であっても、遊技回用演出の表示継続期間において待機表示(又は静止表示)が実行される期間が占める割合は、正常に遊技回用演出が実行される場合に比べて大きくなる。
(38)遊技回用演出が開始される場合に複数種類のコマンドを受信することが正常である構成において、表示側MPU102にて、受信順序が先のコマンドの受信が確認されていない状況で受信順序が後のコマンドの受信が確認された場合、又は受信順序が先のコマンドの受信が確認されてから所定期間内に受信順序が後のコマンドの受信が確認されない場合に、異常用態様による遊技回用演出が実行される構成としてもよい。
また、遊技回用演出が開始される場合に3種類以上のコマンドを受信することが正常である構成において、表示側MPU102にて、それらコマンドのうち一部であって2種類以上のコマンドの受信が確認されている状況で所定期間内に残りのコマンドの受信が確認されない場合に、異常用態様による遊技回用演出が実行される構成としてもよい。また、遊技回用演出が開始される場合に、第1のコマンド→第2のコマンド→第3のコマンドの順序で3種類以上のコマンドを受信することが正常である構成において、表示側MPU102にて、第2のコマンドの受信が確認されていない状況で第1のコマンド及び第3のコマンドの受信が確認された場合に、異常用態様による遊技回用演出が実行される構成としてもよい。
(39)上記第3乃至第5の実施形態では、表示画面Gにて保留情報の数を報知するための保留表示が行われる場合、保留表示領域Gaにおいて各保留情報数に対応した領域が区画表示されるとともに、保留表示が中止される場合にはその区画表示も含めて保留表示領域Gaにおける報知が行われない構成とした。つまり、保留表示が中止される場合には、保留表示が中止されていることを遊技者に示唆可能な構成とした。これに対して、当該示唆が行われることなく保留表示が中止される構成としてもよい。
例えば、保留表示領域Gaにおいて区画表示を残した状態で、各区画部分における「●」の表示を消去するといったように、保留情報の数が0個の場合と同様の表示にすることで、保留表示を中止する構成としてもよい。また、保留表示が中止されている状況であるか否かに関係なく、保留表示領域Gaにおいて区画表示が行われない構成としてもよい。この場合も、保留表示が中止されている状況では、保留情報の数が0個の場合と同様の表示が行われることとなる。このように保留表示が中止されていることを示唆しないようにすることで、表示画面Gにおいて保留表示が中止されたことに対して遊技者が違和感を抱きづらくなる。
(40)上記第3乃至第5の実施形態において、表示画面Gにおいて1回の遊技回用演出が終了した場合には、シフト時コマンドを受信する前までに、又はシフト時コマンドを受信してからその受信結果が表示画面Gにおける保留表示にて反映される前までに、表示画面Gにおける保留表示が常に中止される構成としてもよい。また、当該構成に代えて、シフト時コマンドを受信した場合に、その受信結果が表示画面Gにおける保留表示にて反映される前までに、表示画面Gにおける保留表示が常に中止される構成としてもよい。これらの場合、例えば主側MPU62にて所定の保留情報に対して当否判定処理が実行されたにも関わらず、表示側MPU102にて変動用コマンドが受信されないことで表示画面Gにて遊技回用演出が開始されなかったとしても、表示画面Gにて報知されている保留情報の数が減算される様子を遊技者に視認させないようにすることができる。よって、一部の保留情報が無効化されてしまったと遊技者が認識してしまう可能性が低減される。
また、上記構成において、表示画面Gにおける保留表示が中止されている状態を、変動用コマンド又は種別コマンドといったように、遊技回用演出を正常に開始する場合に受信するコマンドを受信したことに基づいて解除する構成とするとよい。これにより、表示側MPU102に対する通信が正常に行われる場合には、保留表示が中止される期間が僅かなものとなる。
(41)上記第3乃至第5の実施形態において、保留ランプ部35を主側MPU62が表示制御するのではなく、音声ランプ制御装置90が表示制御する構成としてもよく、表示側MPU102が表示制御する構成としてもよい。これらいずれの構成であっても、表示画面Gにおける保留表示が中止される状況であっても、保留ランプ部35における報知は継続される構成としてもよい。
(42)上記第3乃至第5の実施形態において、保留情報数表示部として保留ランプ部35を用いる構成に限定されることはなく、表示画面Gとは別の領域にて保留情報の数の報知が行われるのであれば、液晶表示装置などの表示画面を有する表示装置であってもよく、セグメント表示器であってもよい。また、当該保留情報数表示部の位置は任意であるが、例えば表示画面Gとの間に遊技領域における遊技球の流下領域が介在している位置に配置してもよい。この場合、保留情報数表示部よりも表示画面Gにおける保留情報の数の報知への注目度が高められる。
また、保留情報数表示部における保留情報の数の報知態様が、表示画面Gにおける保留情報の数の報知態様に比べて、低識別な態様である構成としてもよい。例えば、表示画面Gにおける保留情報の数の報知では、保留情報の数と1対1で対応させて表示領域が設定されている構成とするとともに、保留情報数表示部における保留情報の数の報知では、保留情報の数と1対1で対応させて表示領域が設定されていない構成としてもよい。より具体的には、保留情報表示部における保留情報の数の報知では、保留情報の数に比べて個別に設定されている表示領域の数が少なく、各表示領域の表示パターンを変化させることにより、保留情報の数の報知が行われる構成としてもよい。
(43)上記第3乃至第5の実施形態において、表示画面Gにおける保留情報の数の報知が中止される場合には、保留ランプ部35における保留情報の数の報知も中止される構成としてもよい。
また、表示側MPU102の制御により保留情報の数の報知が行われる表示手段は、図柄表示装置31に限定されることはなく、当該図柄表示装置31とは別に設けられた表示装置や発光部であってもよい。この場合、保留表示の中止条件が成立した場合には、その表示装置や発光部における報知を中止させればよい。但し、遊技回用演出などが実行されている場合、遊技者は表示画面Gを注目するものと考えられ、このように表示画面Gに注目している遊技者にとっては当該表示画面Gにて保留情報の数の報知が行われた方が、当該報知内容を視認し易くなる。
(44)上記第3乃至第5の実施形態において、シフト時コマンドといったように、遊技回用演出を開始させる場合に変動用コマンドよりも先に送信されるコマンドを受信してから、受信異常期間が経過するまでに変動用コマンドや種別コマンドを受信しなかった場合、又は受信異常期間が経過するまでに遊技回用演出が開始されなかった場合に、表示画面Gにおける保留表示が中止される構成としてもよい。
また、表示画面Gにおける保留情報の数の報知が中止される条件として設定されている期間が、保留情報の数が1以上であることが確認されてから変動用コマンドを受信しないことにより異常用態様の遊技回用演出が開始される基準となる期間とは異なる期間として設定されていてもよい。例えば、前者の期間の方が後者の期間よりも短い構成としてもよく、前者の期間の方が後者の期間よりも長い構成としてもよい。
(45)上記第3乃至第5の実施形態において、表示画面Gにて保留情報の数の報知が中止されている状態の解除が、変動用コマンドを受信したことにより行われるのではなく、遊技回用演出が新たに開始された場合に行われる構成としてもよい。
(46)上記第3乃至第5の実施形態において、シフト時コマンドが設定されておらず、変動用コマンドにてシフト時コマンドの機能が兼用されている構成としてもよい。この場合、表示側MPU102では、変動用コマンドを受信したことに基づき、遊技回用演出を開始させるための処理が実行されるとともに、表示画面Gにおける保留情報の数の報知を更新させるための処理が実行されることとなる。
(47)上記第3乃至第5の実施形態において、保留コマンド及びシフト時コマンドに保留情報の数の情報が含まれているのではなく、保留情報の数が増加したことを示す情報として保留コマンドが送信され、保留情報の数が減少したことを示す情報としてシフト時コマンドが送信される構成としてもよい。この場合、表示側MPU102では、保留コマンドを受信した場合に保留情報数記憶エリア142の情報を、認識している保留情報数を1加算するように更新するとともに、シフト時コマンドを受信した場合に保留情報数記憶エリア142の情報を、認識している保留情報数を1減算するように更新する構成とするとよい。
ここで、上記のように保留コマンド又はシフト時コマンドの受信に基づき、表示側MPU102にて認識している保留情報の数の加算又は減算を行う構成においては、保留情報の数の記憶及び各コマンドの受信に基づく保留情報の数の更新を継続しないと、保留情報の数を正確に把握できなくなる。したがって、当該構成においては、表示画面Gにおける保留情報の数の報知が中止されている状況であっても、保留情報数記憶エリア142の情報の記憶及び更新が継続される必要がある。
(48)上記各実施形態において、通信異常が発生している状況では異常用態様による遊技回用演出が表示画面Gにて実行されるようにすることで、本来なら遊技回用演出を実行する必要がある状況であるにも関わらず、当該遊技回用演出が全く行われなくなるといった不都合の発生が抑えられるという顕著な効果に着目した場合、当該構成を、主側MPU62から確定コマンドが送信される構成に適用してもよく、静止表示を強制的に行わせる機能が変動用コマンドにおいて兼用されていない構成に適用してもよく、表示画面Gにおける保留情報の数の報知が中止されない構成に適用してもよい。
(49)上記各実施形態において、強制的に静止表示を実行させる機能が変動用コマンドといったコマンドにて兼用されるようにすることで、表示側MPU102にて遊技回用演出の終了契機を良好に認識することができるという顕著な効果に着目した場合、当該構成を、通信異常が発生している状況では遊技回用演出が表示画面Gにて実行されない構成に適用してもよく、表示画面Gにおける保留情報の数の報知が中止されない構成に適用してもよい。
(50)上記各実施形態において、表示画面Gにおける保留情報の数の報知が中止されるようにすることで、当該報知を継続すると不都合が生じるおそれがある場合に当該不都合の発生が抑えられるという顕著な効果に着目した場合、当該構成を、通信異常が発生している状況では遊技回用演出が表示画面Gにて実行されない構成に適用してもよく、主側MPU62から確定コマンドが送信される構成に適用してもよく、静止表示を強制的に行わせる機能が変動用コマンドにおいて兼用されていない構成に適用してもよい。
(51)上作動口23への入賞に係る保留情報と下作動口24への入賞に係る保留情報とが区別して記憶されるとともに、下作動口24への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよく、これとは逆に上作動口23への入賞に係る保留情報が優先して消化される構成を適用してもよい。
また、下作動口24に電動役物24aが設けられておらず、上作動口23及び下作動口24の両方において入賞頻度が遊技状態に依存しない構成に適用してもよい。
また、複数の作動口が上下に並設されているのではなく、上作動口23に対応した第1作動口と、下作動口24に対応した第2作動口とが左右に並設された構成としてもよく、これら両作動口が斜めに並設された構成としてもよい。さらにまた、発射ハンドル51の操作態様に応じて、第1作動口への入賞のみ又は第2作動口への入賞のみを狙えるように、両作動口を離間して配置する構成としてもよい。この場合、遊技者にとっては、保留予告に応じて、第1作動口又は第2作動口の一方の入賞のみを狙うことが可能となる。
また、メイン表示部33に、上作動口23への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定の結果を表示する第1表示領域と、下作動口24への入賞に基づき取得された保留情報の当否判定の結果を表示する第2表示領域とを設けてもよい。この場合、上作動口23への入賞に基づき取得された保留情報が当否判定の対象となることに先立って又は当否判定の対象となったことに基づいて、第1表示領域において絵柄の変動表示が開始されるとともに当該当否判定に対応した停止結果を表示し係る1遊技回の変動表示が終了される。また、下作動口24への入賞に基づき取得された保留情報が当否判定の対象となることに先立って又は当否判定の対象となったことに基づいて、第2表示領域において絵柄の変動表示が開始されるとともに当該当否判定に対応した停止結果を表示し係る1遊技回の変動表示が終了される。
(52)上作動口23への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合と、下作動口24への入賞に係る保留情報が当否判定の対象となった場合とで、遊技者が得られる利益が異なる構成としてもよい。また、作動口の数は2個に限定されることはなく、3個以上であってもよい。また、作動口が1個のみ設けられた構成としてもよい。
(53)上記各実施形態では、主制御装置60から出力されるコマンドに基づいて、音声ランプ制御装置90により表示制御装置100が制御される構成としたが、これに代えて、主制御装置60から出力されるコマンドに基づいて、表示制御装置100が音声ランプ制御装置90を制御する構成としてもよい。また、音声ランプ制御装置90と表示制御装置100とが別々に設けられた構成に代えて、両制御装置90,100が一のサブ側の制御装置として設けられた構成としてもよい。
また、主制御装置60は図柄の表示継続期間を決定することなく、図柄表示装置31における表示制御の内容が音声ランプ制御装置90と表示制御装置100とによって行われる構成としてもよい。また、表示制御装置100として、第1の表示制御装置と第2の表示制御装置とが設けられており、主制御装置60又は音声ランプ制御装置90からの指令に基づいて両表示制御装置が協働して表示制御を行う構成としてもよい。
また、主制御装置60と、それとは別に設けられた表示制御装置と、それとは別に設けられた音声制御装置と、それとは別に設けられた発光制御装置と、を備え、主制御装置60からの指令に基づいて表示制御装置100が音声制御装置及び発光制御装置のそれぞれに対して指令情報を送信する構成としてもよい。また、主制御装置60と、それとは別に設けられたサブ側統括制御装置と、それとは別に設けられた表示制御装置と、それとは別に設けられた音声制御装置と、それとは別に設けられた発光制御装置と、を備え、主制御装置60からの指令に基づいてサブ側統括制御装置が表示制御装置、音声制御装置及び発光制御装置のそれぞれに対して指令情報を送信する構成としてもよい。
また、主制御装置60と音声ランプ制御装置90との信号経路の途中や、音声ランプ制御装置90と表示制御装置100との信号経路の途中に、中継基板が介在していてもよい。これらいずれの場合であっても、主制御装置60を第1制御手段と見なすことができるとともに、音声ランプ制御装置90、表示制御装置100及び中継基板の組み合わせを第2制御手段と見なすことができる。また、例えば前者のように主制御装置60と音声ランプ制御装置90との信号経路の途中に中継基板が介在している場合において、主制御装置60を第1制御手段と見なした場合、中継基板及び音声ランプ制御装置90の組み合わせが上流側の第2制御手段であり、表示制御装置100が下流側の第2制御手段であると見なすことができる。
また、主制御装置60において直接表示制御されるメイン表示部33や役物用表示部34を不具備としてもよい。
(54)上記各実施形態では、音声ランプ制御装置90は、受信した各種コマンドをその情報形態をそのまま維持した状態で表示制御装置100に送信する構成としたが、これに限定されることはなく、音声ランプ制御装置90において各種コマンドを受信した場合、そのコマンドについての解読結果又は演算結果に対応したコマンドが音声ランプ制御装置90から表示側MPU102に向けて送信される構成としてもよい。例えば、音声ランプ制御装置90が変動用コマンドを受信した場合に、当該音声ランプ制御装置90から表示側MPU102に向けて変動パターンコマンドが送信される構成としてもよい。
この場合、変動パターンコマンドは、変動用コマンドとは情報形態(各ビットの情報)は異なるものの、変動用コマンドに含まれる情報(例えば、表示継続期間の情報)と同一種類の情報が含まれる構成としてもよく、変動用コマンドに含まれる情報のうち一部の種類の情報が含まれない構成としてもよく、変動用コマンドに含まれる情報とは異なる種類の情報が含まれる構成としてもよい。これは、種別コマンド、オープニングコマンド、保留コマンド及びシフト時コマンドなどといった、変動用コマンド以外の各種コマンドにおいても同様である。
また、本構成においては、音声ランプ制御装置90においてコマンドを受信した場合に、その受信に対する解読結果又は演算結果に対応して展開されたコマンドが表示側MPU102に向けて送信される構成としてもよい。例えば、音声ランプ制御装置90において一のコマンドを受信した場合に、その受信に対する解読結果又は演算結果に対応した複数のコマンドが表示側MPU102に向けて送信される構成としてもよい。具体的には、音声ランプ制御装置90が変動用コマンドを受信した場合に、当該音声ランプ制御装置90から表示側MPU102に向けて、表示継続期間用のコマンド及び変動開始用のコマンドが送信される構成としてもよい。
また、音声ランプ制御装置90において所定の複数のコマンドを受信した場合に、その受信に対する解読結果又は演算結果に対応したコマンドとして、上記所定の複数よりも多い数又は少ない数のコマンドが表示側MPU102に向けて送信される構成としてもよい。具体的には、音声ランプ制御装置90が変動用コマンド及び種別コマンドを受信した場合に、当該音声ランプ制御装置90から表示側MPU102に向けて、表示継続期間用のコマンド及び遊技結果のコマンドが送信される構成としてもよい。
(55)上記各実施形態では、主制御装置60において当否判定が行われたことに基づいてメイン表示部33における一の遊技回が開始される構成としたが、これに限定されることはなく、主制御装置60において当否判定が行われる条件が成立した場合に実際に当否判定が行われるタイミングよりも前のタイミングで上記遊技回が開始され、その後に当否判定が行われたことに基づいてその遊技回におけるその後の表示態様、表示継続期間及び停止結果が決定される構成としてもよい。この場合、主制御装置60では遊技回の開始タイミングとなった場合に、先ず変動用コマンドを送信し、その後に当否判定、表示継続期間の決定及び種別判定を行った場合に、時間コマンド及び種別コマンドを送信する構成としてもよく、これら時間コマンド及び種別コマンドの送信タイミングもずれている構成としてもよい。但し、時間コマンドや種別コマンドが送信されるタイミングは、図柄表示装置31において図柄の変動表示が高速変動から低速変動に切り換えられるまでのタイミングとする必要がある。
(56)上記各実施形態とは異なる他のタイプのパチンコ機等、例えば特別装置の特定領域に遊技球が入ると電動役物が所定回数開放するパチンコ機や、特別装置の特定領域に遊技球が入ると権利が発生して大当たりとなるパチンコ機、他の役物を備えたパチンコ機、アレンジボール機、雀球等の遊技機にも本発明を適用できる。
また、弾球式でない遊技機、例えば、複数種の図柄が周方向に付された複数のリールを備え、メダルの投入及びスタートレバーの操作によりリールの回転を開始し、ストップスイッチが操作されるか所定時間が経過することでリールが停止した後に、表示窓から視認できる有効ライン上に特定図柄又は特定図柄の組み合わせが成立していた場合にはメダルの払い出し等といった特典を遊技者に付与するスロットマシンにも本発明を適用できる。
具体的には、スタートレバーが操作されたことに基づく役抽選などを行う主制御装置と、リール装置とは別に設けられ補助演出が行われる補助表示装置と、主制御装置から送信される指令情報に基づいて補助表示装置を表示制御するサブ制御装置と、を備えた構成において、主制御装置から送信された開始指令情報を受信したことに基づき開始された補助演出が、サブ制御装置において主制御装置からの指令に因らずに独自に終了される構成とする。この場合、サブ制御装置では主制御装置から送信された指令情報を受信したことに基づき、補助演出の演出態様又は表示継続期間を決定し、その決定した情報に基づいて終了タイミングを特定するようにするとよい。
また、本構成の場合、リール装置における遊技回の開始に際して補助演出が開始される構成に限定されることはなく、遊技回の途中で補助演出が開始されてもよく、大当たり状態中に補助演出が開始されてもよい。さらに、複数の遊技回を跨ぐようにして補助演出が実行されてもよい。また、サブ制御装置において指令情報から表示態様を決定できない場合に不一致用態様で補助演出が行われる構成としてもよい。また、指令情報の通信異常が発生した場合に、異常用態様で補助演出が行われる構成としてもよい。また、補助演出に含まれる所定の演出の終了契機が、サブ制御装置において当該所定の演出の終了制御とは異なる制御を実行するために転送される指令情報によって兼用される構成としてもよい。
また、外枠に開閉可能に支持された遊技機本体に貯留部及び取込装置を備え、貯留部に貯留されている所定数の遊技球が取込装置により取り込まれた後にスタートレバーが操作されることによりリールの回転を開始する、パチンコ機とスロットマシンとが融合された遊技機にも、本発明を適用できる。
<上記各実施形態から抽出される発明群について>
以下、上述した各実施形態から抽出される発明群の特徴について、必要に応じて効果等を示しつつ説明する。なお以下においては、理解の容易のため、上記各実施形態において対応する構成を括弧書き等で適宜示すが、この括弧書き等で示した具体的構成に限定されるものではない。
<特徴A群>
特徴A1.絵柄の変動表示を行う表示手段(図柄表示装置31)を備えているとともに、第1制御手段(主制御装置60)及び第2制御手段(音声ランプ制御装置90、表示制御装置100)を備え、
前記第1制御手段から送信された情報に基づいて、前記絵柄の変動表示が行われるように前記第2制御手段により前記表示手段が表示制御される遊技機において、
前記第2制御手段は、
前記第1制御手段から送信された特別指令情報(変動用コマンド)を受信したことに基づいて、前記絵柄の変動表示を含む特別表示が前記特別指令情報に対応した表示継続期間に亘って行われる場合の表示態様を決定する態様決定手段(表示側MPU102におけるステップS706の処理を実行する機能)と、
前記表示継続期間に亘って前記特別表示が実行されている状況において待機タイミングとなることで予め定められた待機領域(待機領域SA1〜SA9)に前記絵柄を待機させて待機中表示を行わせた後に、前記第1制御手段からの指令に基づくのではなく、前記態様決定手段により決定された表示態様に基づいて、前記絵柄を最終停止表示させる終了実行手段(表示側MPU102における変動中用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A1の遊技機では、第1制御手段から送信された情報に基づいて、絵柄の変動表示が行われるように第2制御手段により表示手段が表示制御されるため、例えば第1制御手段に対する処理負荷の集中が緩和される。
この場合に、第2制御手段は、特別指令情報を受信したことに基づいてそれに対応した表示態様を決定し、さらに特別表示が実行されている状況において待機タイミングとなることで待機領域に絵柄を待機させて待機中表示を行わせた後に、第1制御手段からの指令に基づくのではなく、上記決定した表示態様に基づいて、絵柄を最終停止表示させることが可能である。例えば、特別表示を終了させるための確定指令情報を第1制御手段から送信しないようにすることで、確定指令情報を送信する構成に比べ、第1制御手段から送信される指令情報の数を減らすことができ、第1制御手段において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。また、例えば、上記確定指令情報を第1制御手段から送信する構成であった場合、当該確定指令情報が伝送途中にノイズ等の影響で書き換えられ第2制御手段において解読できなくなったとしても、第2制御手段では独自に特別表示を終了させることができる。
以上より、第1制御手段から送信された指令情報に基づいて第2制御手段にて表示制御が行われる構成において、表示体系を好適なものとすることが可能となる。
なお、「前記第1制御手段から送信された特別指令情報を受信した」には、特別指令情報を第1制御手段から直接受信する構成だけでなく、第1制御手段と第2制御手段との信号経路上に中継手段を備える構成においては第1制御手段から送信され中継手段にて中継された特別指令情報を受信する構成も含まれる。
また、「第1制御手段」は単一の制御装置からなる構成に限定されることはなく複数の制御装置からなる構成であってもよく、同様に、「第2制御手段」は単一の制御装置からなる構成に限定されることはなく複数の制御装置からなる構成であってもよい。
特徴A2.前記終了実行手段は、前記絵柄を最終停止表示させた場合、その状態を最終停止期間(静止表示期間)に亘って継続させるとともに、当該継続表示制御を前記第1制御手段からの指令に因らずに行うものであることを特徴とする特徴A1に記載の遊技機。
特徴A2によれば、絵柄が最終停止表示された場合、その状態が最終停止期間に亘って継続されるため、遊技者は最終停止表示された絵柄の種類を認識し易くなる。この場合に、第2制御手段は、上記最終停止期間に亘る絵柄の最終停止表示を、第1制御手段からの指令に因らずに行うことが可能である。例えば、上記表示制御を行わせるための指令情報を第1制御手段から送信しないようにすることで、当該指令情報を送信する構成に比べ、第1制御手段から送信される指令情報の数を減らすことができ、第1制御手段において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。また、例えば、上記指令情報を第1制御手段から送信する構成であった場合、当該指令情報が伝送途中にノイズ等の影響で書き換えられ第2制御手段において解読できなくなったとしても、第2制御手段では独自に、最終停止期間に亘って絵柄を最終停止表示させることができる。
特徴A3.前記態様決定手段は、前記特別指令情報を受信したことに基づいて、前記特別表示が前記特別指令情報に対応した表示継続期間に亘って行われる場合の表示態様を決定するとともに、その表示態様に対応した表示態様情報(遊技回用演出の態様情報のアドレス情報)を記憶手段(ワークRAM104)に記憶させるものであり、
さらに前記表示態様情報には、前記最終停止期間に亘って前記絵柄が最終停止表示される態様の情報が含まれているとともに、
前記終了実行手段は、前記最終停止期間に亘って前記絵柄を最終停止表示させる表示制御を、前記第1制御手段からの指令に因らずに、前記記憶手段に記憶されている前記表示態様情報に基づいて行うものであることを特徴とする特徴A2に記載の遊技機。
特徴A3によれば、第2制御手段では表示態様情報に基づいて表示制御を行うことで、最終停止期間に亘って絵柄を最終停止表示させることができるため、特別表示を行わせるための表示制御の実行途中における処理負荷の軽減が図られる。
特徴A4.前記第2制御手段は、前記絵柄の最終停止表示が終了されたタイミングよりも後に、開始待ち表示(デモ画像の表示)が行われるように前記表示手段を表示制御する開始待ち表示実行手段(表示側MPU102におけるステップS610及びステップS611の処理を実行する機能)を備え、
当該開始待ち表示実行手段は、前記第1制御手段からの指令に因らずに、前記開始待ち表示を開始させる手段(表示側MPU102におけるステップS610の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A4によれば、絵柄の最終停止表示が終了されたタイミングよりも後に開始待ち表示が行われることで、表示手段において絵柄が最終停止表示された状態が必要以上に継続してしまうことが抑えられる。この場合に、第2制御手段は、上記開始待ち表示を、第1制御手段からの指令に因らずに行うことが可能である。例えば、上記表示制御を行わせるための指令情報を第1制御手段から送信しないようにすることで、当該指令情報を送信する構成に比べ、第1制御手段から送信される指令情報の数を減らすことができ、第1制御手段において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。また、例えば、上記指令情報を第1制御手段から送信する構成であった場合、当該指令情報が伝送途中にノイズ等の影響で書き換えられ第2制御手段において解読できなくなったとしても、第2制御手段では独自に、開始待ち表示を開始させることができる。
特徴A5.前記第2制御手段は、前記絵柄の最終停止表示が終了されてから開始待ち期間が経過したことに基づいて、開始待ち表示(デモ画像の表示)が行われるように前記表示手段を表示制御する開始待ち表示実行手段(表示側MPU102におけるステップS610及びステップS611の処理を実行する機能)を備え、
当該開始待ち表示実行手段は、前記開始待ち期間を計測する計測手段(各種カウンタエリア121)を備え、当該計測手段の計測結果が前記絵柄の最終停止表示が終了されてから前記開始待ち期間が経過したことに対応した計測結果となったことに基づいて、前記第1制御手段からの指令に因らずに、前記開始待ち表示を開始させる手段(表示側MPU102におけるステップS610の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A3のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A5によれば、絵柄の最終停止表示が終了されてから開始待ち期間が経過したことに基づいて開始待ち表示が行われることで、表示手段において絵柄が最終停止表示された状態が必要以上に継続してしまうことが抑えられる。この場合に、第2制御手段は、上記開始待ち表示を、第1制御手段からの指令に因らずに行うことが可能である。例えば、上記表示制御を行わせるための指令情報を第1制御手段から送信しないようにすることで、当該指令情報を送信する構成に比べ、第1制御手段から送信される指令情報の数を減らすことができ、第1制御手段において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。また、例えば、上記指令情報を第1制御手段から送信する構成であった場合、当該指令情報が伝送途中にノイズ等の影響で書き換えられ第2制御手段において解読できなくなったとしても、第2制御手段では独自に、開始待ち表示を開始させることができる。
特徴A6.前記第1制御手段は、前記特別表示を開始させる場合に、前記特別指令情報又はそれとは異なる開始指令情報を送信する送信処理(主制御装置60のMPU62におけるステップS201の処理及びステップS409の処理)を実行し、さらに先に実行された送信処理により送信された指令情報に対応した表示継続期間が経過していない場合には新たな送信処理の実行を待機するとともに、当該表示継続期間が経過した後にその待機されている送信処理を実行するものであり、
前記第2制御手段は、前記送信処理により送信された指令情報を受信したことに基づいて、前記特別表示を開始させる開始実行手段(表示側MPU102における変動開始用処理を実行する機能)を備え、
前記開始待ち期間は、前記送信処理の実行が待機されている状態で前記表示継続期間が経過してから、前記第1制御手段にて前記送信処理が実行されて前記開始実行手段による開始処理が実行されるまでに要する期間よりも長い期間として設定されていることを特徴とする特徴A5に記載の遊技機。
特徴A6によれば、第2制御手段において独自に開始待ち表示を開始させることができる構成において、特別表示が実行されている状況で第1制御手段にて送信処理が待機された場合に、表示手段にて開始待ち表示が開始された直後に新たな特別表示が開始されてしまう可能性が低減される。
特徴A7.前記第2制御手段は、前記特別指令情報を受信したことに基づいて、前記特別表示を開始させる開始実行手段(表示側MPU102における変動開始用処理を実行する機能)を備え、
当該開始実行手段は、前記態様決定手段において前記特別指令情報から前記表示態様を決定することができない場合であっても、前記特別表示を開始させるものであることを特徴とする特徴A1乃至A6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A7によれば、特別指令情報が表示態様を決定するための情報としてだけでなく、特別表示を開始させる場合のトリガとなる情報として兼用される。これにより、それぞれの機能を有する指令情報が個別に送信される構成に比べ、第1制御手段から送信される指令情報の数を減らすことができ、第1制御手段において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
また、特別指令情報が伝送途中にノイズ等の影響で書き換えられたとしても特別表示を行うことができる。この場合に、上記特徴A1の構成を備えていることにより、その特別表示の終了契機を第2制御手段において独自に特定することができる。
特徴A8.前記態様決定手段は、受信した前記特別指令情報から前記表示態様を決定することができない場合、前記表示態様を、前記特別表示が不一致用継続期間に亘って行われる不一致用表示態様に決定する不一致用決定手段(表示側MPU102におけるステップS710の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A8によれば、特別指令情報が伝送途中にノイズ等の影響で書き換えられたとしても、不一致用表示態様で特別表示を行うことができる。この場合に、上記特徴A1の構成を備えていることにより、その特別表示の終了契機を第2制御手段において独自に特定することができる。
なお、特徴A8の構成に代えて、「前記第2制御手段は、受信した前記特別指令情報に含まれる少なくとも所定情報の内容が書き換えられていることを特定する特定手段(表示側MPU102におけるステップS702の処理を実行する機能)を備え、前記態様決定手段は、前記特別指令情報に含まれる少なくとも所定情報の内容が書き換えられていることが前記特定手段により特定された場合、前記表示態様を、前記特別表示が不一致用継続期間に亘って行われる不一致用表示態様に決定する不一致用決定手段(表示側MPU102におけるステップS710の処理を実行する機能)を備えている」構成を適用してもよい。
特徴A9.前記終了実行手段は、前記不一致用表示態様に対応した前記特別表示において前記絵柄を最終停止表示させる場合、予め定められた不一致用停止結果を表示させるものであることを特徴とする特徴A8に記載の遊技機。
特徴A9によれば、不一致用態様で特別表示が行われる場合であっても、不一致用停止結果を最終停止表示させることが可能となる。また、伝送途中にノイズ等の影響で情報が書き換えられてしまった特別指令情報から停止結果の内容を導出する構成を想定すると、その停止結果の内容を導出する上で要因となった情報もノイズ等の影響で書き換えられていることが想定され、この場合、例えば本来停止させるべきでない停止結果が最終停止表示されてしまうことが懸念される。これに対して、予め定められた不一致用停止結果が最終停止表示されるため、上記のような不都合の発生が抑えられる。
特徴A10.前記第2制御手段は、前記表示継続期間が相互に異なる表示態様を含むように当該表示態様の情報を予め複数種類記憶しており、
前記態様決定手段は、受信した前記特別指令情報から前記表示態様を決定することができる場合、前記複数種類の表示態様の情報のうち、その受信した特別指令情報に対応した表示態様の情報を選択するものであり、
前記不一致用継続期間は、前記複数種類の表示態様の情報に対応した前記表示継続期間のうち、最短の表示継続期間以上の期間として設定されていることを特徴とする特徴A8又はA9に記載の遊技機。
特徴A10によれば、不一致用表示態様で特別表示が行われる場合に、その継続期間が極端に短くなってしまうことが抑えられる。不一致用表示態様で特別表示が行われる場合の継続期間が極端に短い構成を想定すると、例えば第1制御手段は送信した特別指令情報に対応した表示継続期間が経過するまでは次の特別表示を開始させるための指令情報を送信しない構成である場合、不一致用表示態様による特別表示が終了されてから次の特別表示が開始されるまでの期間が必要以上に長くなってしまうことが懸念される。これに対して、本特徴A10によればこのような不都合の発生が抑えられる。
特徴A11.前記第2制御手段は、前記表示継続期間が相互に異なる表示態様を含むように当該表示態様の情報を予め複数種類記憶しており、
前記態様決定手段は、受信した前記特別指令情報から前記表示態様を決定することができる場合、前記複数種類の表示態様の情報のうち、その受信した特別指令情報に対応した表示態様の情報を選択するものであり、
前記不一致用継続期間は、前記複数種類の表示態様の情報に対応した前記表示継続期間のうち、最長の表示継続期間以上の期間として設定されていることを特徴とする特徴A8乃至A10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A11によれば、不一致用表示態様で特別表示が行われる場合に、その継続期間を長く確保することが可能となる。
なお、上記特徴A10又は上記特徴A11の構成において、例えば、前記不一致用継続期間は前記複数種類の表示態様の情報に対応した表示継続期間のいずれかである構成としてもよい。この場合、不一致用継続期間を専用の情報として用意しておく必要がなくなる。
特徴A12.前記態様決定手段は、受信した前記特別指令情報から前記表示態様を決定することができる場合、当該特別指令情報に対応した前記表示継続期間の情報を継続期間記憶手段(遊技回用カウンタエリア121a)に記憶させるものであり、
前記終了実行手段は、前記継続期間記憶手段に記憶されている前記表示継続期間の情報に基づいて、前記絵柄を最終停止表示させるものであり、
前記不一致用継続期間は、前記継続期間記憶手段に記憶させることが可能な上限継続期間であることを特徴とする特徴A8乃至A11のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A12によれば、不一致用表示態様で特別表示を行わせる場合には、継続期間記憶手段に上限継続期間の情報を記憶させればよいため、当該処理の簡素化が図られる。
特徴A13.前記第2制御手段は、前記第1制御手段から送信された指令情報を受信したことに基づき開始条件が成立した場合に、前記特別表示を開始させる開始実行手段(表示側MPU102における変動開始用処理を実行する機能)を備え、
当該開始実行手段は、前記不一致用表示態様で前記特別表示が行われている途中において前記開始条件が成立した場合、前記不一致用表示態様による特別表示を中止して、当該開始条件の成立に対応した新たな特別表示を開始させるものであることを特徴とする特徴A8乃至A12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A13によれば、不一致用表示態様で特別表示が行われている途中において開始条件が成立した場合には当該開始条件の成立に対応した新たな特別表示の開始が優先されるため、第1制御手段が新たな特別表示を開始させようとしているにも関わらず不一致用表示態様による特別表示が継続されてしまうことが阻止される。
また、不一致用表示態様での特別表示が行われる場合、特別指令情報を反映しない不一致用継続期間に亘って行われるため、その表示継続期間は正規のものではない。この場合に、上記のように新たな特別表示の開始が優先されることで、特別指令情報から表示態様を決定することができない状況が突発的に発生したとしても、当該状況の発生が、その後に送信される特別指令情報に係る特別表示にまで大きく影響してしまうことが抑えられる。
特徴A14.前記態様決定手段により前記特別指令情報から決定された表示態様に基づいて前記特別表示が行われる場合、その開始タイミングから所定期間に亘って初期変動表示が継続される構成であり、
前記第2制御手段は、前記不一致用表示態様で前記特別表示を行わせる場合、最終停止される前段階まで前記初期変動表示を継続させるものであることを特徴とする特徴A13に記載の遊技機。
特徴A14によれば、不一致用表示態様による特別表示を中止して新たな特別表示が開始されたとしても、表示手段においては初期変動表示が行われている状況が継続し易くなる。この場合、遊技者には、不一致用表示態様による特別表示が、その後の特別表示の一部であると認識され易くなり、不一致用表示態様による特別表示を中止して新たな特別表示が開始された場合に遊技者に違和感を与える可能性が低減される。
特徴A15.前記第1制御手段は、前記特別表示を開始させる場合に、前記特別指令情報又はそれとは異なる開始指令情報を送信する送信処理(主制御装置60のMPU62におけるステップS201の処理及びステップS409の処理)を実行し、さらに先に実行された送信処理により送信された指令情報に対応した表示継続期間が経過していない場合には新たな送信処理の実行を待機するとともに、当該表示継続期間が経過した後にその待機している送信処理を実行するものであり、
前記表示継続期間が相互に異なる表示態様を含むように当該表示態様の情報を予め複数種類記憶した表示態様情報記憶手段(態様情報記憶エリア112)を備え、
前記態様決定手段は、受信した前記特別指令情報から前記表示態様を決定することができる場合、前記複数種類の表示態様の情報のうち、その受信した特別指令情報に対応した表示態様の情報を選択するものであり、
さらに、前記態様決定手段により前記特別指令情報から決定された表示態様に基づいて前記特別表示が行われる場合、その開始タイミングから所定期間に亘って初期変動表示が継続される構成であり、
前記第2制御手段は、前記不一致用表示態様で前記特別表示を行わせる場合、前記初期変動表示を、前記複数種類の表示態様情報に対応した前記表示継続期間のうち、最長の表示継続期間よりも長い期間に亘って継続させるものであることを特徴とする特徴A13に記載の遊技機。
特徴A15によれば、不一致用表示態様による特別表示を中止して新たな特別表示が開始されたとしても、表示手段においては初期変動表示が行われている状況が継続し易くなる。この場合、遊技者には、不一致用表示態様による特別表示が、その後の特別表示の一部であると認識され易くなり、不一致用表示態様による特別表示を中止して新たな特別表示が開始された場合に遊技者に違和感を与える可能性が低減される。
特に、不一致用表示態様で特別表示が行われる場合、初期変動表示は、複数種類の表示態様情報に対応した表示継続期間のうち、最長の表示継続期間よりも長い期間に亘って継続される。これにより、不一致用表示態様で特別表示が行われている状況において第1制御手段にて送信処理の実行が待機された場合には、当該特別表示にて初期変動表示が行われている状況において新たな特別表示が開始され易くなる。
特徴A16.前記第2制御手段は、前記不一致用表示態様で前記特別表示を行わせる場合、前記初期変動表示を、前記最長の表示継続期間と、前記第1制御手段にて前記送信処理が実行されてから前記開始実行手段による開始処理が実行されるまでに要する期間との和よりも長い期間に亘って継続させるものであることを特徴とする特徴A15に記載の遊技機。
特徴A16によれば、不一致用表示態様で特別表示が行われている状況において第1制御手段にて送信処理の実行が待機された場合には、当該特別表示にて初期変動表示が行われている状況において新たな特別表示が確実に開始される。
特徴A17.前記特別表示の表示態様として、外観による絵柄の識別性が相対的に高低となる高識別表示態様と低識別表示態様とが設定されており、
前記初期変動表示は、前記低識別表示態様で行われることを特徴とする特徴A14乃至A16のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A17によれば、不一致用表示態様による特別表示を中止して新たな特別表示が開始された場合に、両者の境界を遊技者が認識しづらいため、不一致用表示態様による特別表示を中止して新たな特別表示が開始された場合に遊技者に違和感を与える可能性が低減される。
特徴A18.前記終了実行手段は、前記絵柄を最終停止表示させた場合、その状態を最終停止期間に亘って継続させるものであり、
前記開始実行手段は、前記不一致用表示態様で前記特別表示が行われている途中において前記開始条件が成立した場合、当該不一致用表示態様に対応した停止結果を最終停止表示させるとともにその状態を前記最終停止期間に亘って継続させて当該不一致用表示態様による特別表示を中止して、前記開始条件の成立に対応した新たな特別表示を開始させるものであることを特徴とする特徴A13に記載の遊技機。
特徴A18によれば、不一致用表示態様に特別表示が中止される場合であっても停止結果が最終停止表示されるため、遊技者は一の特別表示が終了したことを認識し易い。
特徴A19.前記終了実行手段は、前記不一致用表示態様で前記特別表示が行われている途中において前記開始条件が成立した場合、新たに開始される特別表示を、その特別表示に係る特別指令情報に対応した表示継続期間から前記最終停止期間を差し引いた分の期間が経過したことに基づいて終了させるものであることを特徴とする特徴A18に記載の遊技機。
特徴A19によれば、不一致用表示態様による特別表示を、停止結果を最終停止表示させた状態を最終停止期間に亘って継続させて中止するようにした構成において、それによる時間的な影響を、次の特別表示の範囲内において抑えることができる。
特徴A20.前記第2制御手段は、前記不一致用表示態様で前記特別表示が行われている途中において、前記第1制御手段から送信された新たな表示の指令情報を受信した場合、前記不一致用表示態様による特別表示を中止して、当該指令情報に対応した新たな表示を開始させるものであることを特徴とする特徴A8乃至A19のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A20によれば、不一致用表示態様で特別表示が行われている途中において第2制御手段にて新たな表示の指令情報を受信した場合には、当該指令情報に対応した新たな表示の開始が優先されるため、第1制御手段が新たな表示を開始させようとしているにも関わらず不一致用表示態様による特別表示が継続されてしまうことが阻止される。
また、不一致用表示態様での特別表示が行われる場合、特別指令情報を反映しない不一致用継続期間に亘って行われるため、その表示継続期間は正規のものではない。この場合に、上記のように新たな表示の開始が優先されることで、特別指令情報から表示態様を決定することができない状況が突発的に発生したとしても、当該状況の発生が、その後に送信される指令情報に係る表示にまで大きく影響してしまうことが抑えられる。
特徴A21.前記終了実行手段は、前記絵柄を最終停止表示させた場合、その状態を最終停止期間に亘って継続させるものであり、
前記第2制御手段は、前記不一致用表示態様で前記特別表示が行われている途中において前記開始指令情報を受信した場合、当該不一致用表示態様に対応した停止結果を最終停止表示させるとともにその状態を前記最終停止期間に亘って継続させて当該不一致用表示態様による特別表示を中止して、前記指令情報に対応した新たな表示を開始させるものであることを特徴とする特徴A20に記載の遊技機。
特徴A21によれば、不一致用表示態様に特別表示が中止される場合であっても停止結果が最終停止表示されるため、遊技者は一の特別表示が終了したことを認識し易い。
特徴A22.前記第1制御手段は、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS105の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段により取得されている特別情報が、予め定められた付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS401の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応している付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置60のMPU62における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて、前記特別指令情報を送信する情報送信手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS201の処理及びステップS409の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記付与情報に対応した特別情報について前記付与判定が行われたことで送信された特別指令情報に対応した前記表示態様で前記特別表示が行われる場合、前記絵柄により付与対応停止結果が最終停止表示される構成であり、
前記終了実行手段は、前記特別指令情報から前記態様決定手段が前記表示態様を決定することができない場合の前記特別表示において、前記絵柄を最終停止表示させる場合、前記付与対応停止結果とは異なる態様の停止結果を表示させるものであることを特徴とする特徴A7乃至A21のいずれか1に記載の遊技機。
伝送途中にノイズ等の影響で情報が書き換えられてしまった特別指令情報から停止結果の内容を導出する構成を想定すると、その停止結果の内容を導出する上で要因となった情報もノイズ等の影響で書き換えられていることが想定され、この場合、例えば付与対応停止結果が最終停止表示されてしまうことが懸念される。これに対して、特徴A22によれば、特別指令情報から表示態様を決定することができない場合の特別表示では、付与対応停止結果とは異なる態様の停止結果が表示されるため、上記のような不都合の発生が抑えられる。
なお、表示手段が複数の変動表示領域において絵柄の変動表示を行う構成であり、さらに表示態様の一種として、一部の変動表示領域において待機表示させることで、前記付与対応停止結果が成立する可能性のあるリーチ絵柄を有効ライン上に成立させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において残りの変動表示領域にて絵柄の変動表示を行わせるリーチ変動表示が含まれている構成においては、前記終了実行手段は、前記特別指令情報から前記表示態様を決定することができない場合の前記特別表示において、前記絵柄を最終停止表示させる場合、前記付与対応停止結果及び前記リーチ絵柄を含む停止結果とは異なる態様の停止結果を表示させるものである構成としてもよい。
特徴A23.前記第2制御手段は、前記特別指令情報を受信したことに基づいて、前記特別表示を開始させる開始実行手段(表示側MPU102における変動開始用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A22のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A23によれば、特別指令情報が表示態様を決定するための情報としてだけでなく、特別表示を開始させる場合のトリガとなる情報として兼用される。これにより、それぞれの機能を有する指令情報が個別に送信される構成に比べ、第1制御手段から送信される指令情報の数を減らすことができ、第1制御手段において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。
特徴A24.前記第1制御手段は、前記特別指令情報として第1特別指令情報を送信するとともに、当該第1特別指令情報を送信するのと同時に又はそれに前後して第2特別指令情報(種別コマンド)を送信するものであり、
前記第2制御手段は、前記第2特別指令情報を受信したことに基づいて、前記特別表示において最終停止表示される絵柄の種類を決定する停止絵柄決定手段(表示側MPU102におけるステップS705の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴A1乃至A23のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A24によれば、特別表示において最終停止表示される絵柄の種類を、第1制御手段からの指令に基づいて第2制御手段にて決定することができる。
特徴A25.前記第1制御手段は、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS105の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段により取得されている特別情報が、予め定められた付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS401の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応している付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置60のMPU62における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて、前記特別指令情報を送信する情報送信手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS201の処理及びステップS409の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2制御手段は、前記特別指令情報を受信したことに基づいて又は当該特別指令情報と同時に若しくは異なるタイミングで前記第1制御手段から送信される開始指令情報を受信したことに基づいて、1遊技回分の前記特別表示を開始させる開始実行手段(表示側MPU102における変動開始用処理を実行する機能)を備え、
前記終了実行手段は、前記態様決定手段において前記特別指令情報から前記表示態様を決定することができている場合、前記付与判定手段の判定結果に対応した停止結果を最終停止表示させた後に前記1遊技回分の前記特別表示を終了させるものであることを特徴とする特徴A1乃至A24のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A25によれば、第2制御手段において各遊技回の特別表示の実行が良好に行われる。
特徴A26.前記第1制御手段は、前記付与判定手段により前記付与判定が行われることに先立って又は前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて遊技回用動作が開始され、前記付与判定手段の判定結果に対応した報知結果とし前記遊技回用動作が終了されることを遊技回の1回として、前記情報取得手段により取得されている特別情報に応じて各遊技回の前記遊技回用動作が行われるように前記表示手段とは異なる報知手段(メイン表示部33)を制御する遊技回制御手段(主制御装置60のMPU62における遊技回制御処理を実行する機能)を備え、
前記情報送信手段は、前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて、その付与判定の対象となった特別情報について前記遊技回制御手段により実行される前記遊技回用動作の継続期間に対応した前記特別指令情報を送信するものであることを特徴とする特徴A25に記載の遊技機。
特徴A26によれば、第1制御手段による報知制御に基づいて報知手段においても付与判定の結果が報知される。また、第1制御手段から送信される特別指令情報は遊技回用動作の継続期間に対応したものであるため、報知手段における各遊技回の遊技回用動作と、表示手段における各遊技回の特別表示とをリンクさせることができる。
特徴A27.前記待機領域は、待機されている絵柄が最終停止表示される場合の停止位置を含んでおり、
前記待機中表示は、前記待機領域に待機されている絵柄が当該待機領域において待機中動作をしている状態であることを特徴とする特徴A1乃至A26のいずれか1に記載の遊技機。
特徴A27によれば、絵柄が待機中表示されている状態から最終停止表示される様子を遊技者が視認し易くなる。
特徴A28.絵柄の変動表示を行う表示手段(図柄表示装置31)を備えるとともに、第1制御手段(主制御装置60)及び第2制御手段(音声ランプ制御装置90、表示制御装置100)を備え、
前記第1制御手段から送信された情報に基づいて、前記絵柄の変動表示が行われるように前記第2制御手段により前記表示手段が表示制御される遊技機において、
前記第2制御手段は、前記第1制御手段から送信された特別指令情報を受信したことに基づいて、当該特別指令情報に対応した表示継続時間に亘って、前記絵柄の変動表示を含む特別表示が行われるように前記表示手段を表示制御するとともに、前記特別表示が実行されている状況において待機タイミングとなることで予め定められた待機領域に前記絵柄を待機させて待機中表示を行わせた後に、前記第1制御手段からの指令に因らずに、当該絵柄を最終停止表示させて前記特別表示を終了させる表示実行手段(表示側MPU102における表示制御処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A28によれば、第1制御手段から送信された情報に基づいて、絵柄の変動表示が行われるように第2制御手段により表示手段が表示制御されるため、例えば第1制御手段に対する処理負荷の集中が緩和される。
この場合に、第2制御手段は、特別指令情報を受信したことに基づいて、当該特別指令情報に対応した表示継続期間に亘って特別表示を行わせるとともに、当該特別表示が実行されている状況において待機タイミングとなることで待機領域に絵柄を待機させて待機中表示を行わせた後に当該絵柄を最終停止表示させる表示制御を、第1制御手段からの指令に因らずに行うことが可能である。例えば、特別表示を終了させるための確定指令情報を第1制御手段から送信しないようにすることで、確定指令情報を送信する構成に比べ、第1制御手段から送信される指令情報の数を減らすことができ、第1制御手段において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。また、例えば、上記確定指令情報を第1制御手段から送信する構成であった場合、当該確定指令情報が伝送途中にノイズ等の影響で書き換えられ第2制御手段において解読できなくなったとしても、第2制御手段では独自に特別表示を終了させることができる。
以上より、第1制御手段から送信された指令情報に基づいて第2制御手段にて表示制御が行われる構成において、表示体系を好適なものとすることが可能となる。
なお、「前記第1制御手段から送信された特別指令情報を受信した」には、特別指令情報を第1制御手段から直接受信する構成だけでなく、第1制御手段と第2制御手段との信号経路上に中継手段を備える構成においては第1制御手段から送信され中継手段にて中継された特別指令情報を受信する構成も含まれる。
また、「第1制御手段」は単一の制御装置からなる構成に限定されることはなく複数の制御装置からなる構成であってもよく、同様に、「第2制御手段」は単一の制御装置からなる構成に限定されることはなく複数の制御装置からなる構成であってもよい。
また、上記特徴A28に対して、上記特徴A2乃至A27のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。この場合、各構成による相乗的な効果を奏することができる。
特徴A29.絵柄の変動表示を行う表示手段(図柄表示装置31)を備えているとともに、第1制御手段(主制御装置60)及び第2制御手段(音声ランプ制御装置90、表示制御装置100)を備え、
前記第1制御手段から送信された情報に基づいて、前記絵柄の変動表示が行われるように前記第2制御手段により前記表示手段が表示制御される遊技機において、
前記第2制御手段は、
前記第1制御手段から送信された特別指令情報(変動用コマンド)を受信したことに基づいて、前記絵柄の変動表示を含む特別表示が前記特別指令情報に対応した表示継続期間に亘って行われる場合の表示態様を決定する態様決定手段(表示側MPU102におけるステップS706の処理を実行する機能)と、
前記表示継続期間に亘って前記特別表示が実行されている状況において待機タイミングとなることで予め定められた待機領域(待機領域SA1〜SA9)に前記絵柄を待機させて待機中表示を行わせた後に、前記態様決定手段により決定された表示態様に基づいて、前記絵柄を最終停止表示させる終了実行手段(表示側MPU102における変動中用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A29の遊技機では、第1制御手段から送信された情報に基づいて、絵柄の変動表示が行われるように第2制御手段により表示手段が表示制御されるため、例えば第1制御手段に対する処理負荷の集中が緩和される。
この場合に、第2制御手段は、特別指令情報を受信したことに基づいてそれに対応した表示態様を決定し、さらに特別表示が実行されている状況において待機タイミングとなることで待機領域に絵柄を待機させて待機中表示を行わせた後に、上記決定した表示態様に基づいて絵柄を最終停止表示させることが可能である。例えば、特別表示を終了させるための確定指令情報を第1制御手段から送信しないようにすることで、確定指令情報を送信する構成に比べ、第1制御手段から送信される指令情報の数を減らすことができ、第1制御手段において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。また、例えば、上記確定指令情報を第1制御手段から送信する構成であった場合、当該確定指令情報が伝送途中にノイズ等の影響で書き換えられ第2制御手段において解読できなくなったとしても、第2制御手段では独自に特別表示を終了させることができる。
以上より、第1制御手段から送信された指令情報に基づいて第2制御手段にて表示制御が行われる構成において、表示体系を好適なものとすることが可能となる。
なお、「前記第1制御手段から送信された特別指令情報を受信した」には、特別指令情報を第1制御手段から直接受信する構成だけでなく、第1制御手段と第2制御手段との信号経路上に中継手段を備える構成においては第1制御手段から送信され中継手段にて中継された特別指令情報を受信する構成も含まれる。
また、「第1制御手段」は単一の制御装置からなる構成に限定されることはなく複数の制御装置からなる構成であってもよく、同様に、「第2制御手段」は単一の制御装置からなる構成に限定されることはなく複数の制御装置からなる構成であってもよい。
特徴A30.絵柄の変動表示を行う表示手段(図柄表示装置31)を備えるとともに、第1制御手段(主制御装置60)及び第2制御手段(音声ランプ制御装置90、表示制御装置100)を備え、
前記第1制御手段から送信された情報に基づいて、前記絵柄の変動表示が行われるように前記第2制御手段により前記表示手段が表示制御される遊技機において、
前記第2制御手段は、
前記第1制御手段から送信された特別指令情報(変動用コマンド)を受信したことに基づいて、前記絵柄の変動表示を含む特別表示の表示継続期間を前記特別指令情報に基づいて決定する継続期間決定手段(表示側MPU102におけるステップS703の処理を実行する機能)と、
前記表示継続期間に亘って前記特別表示が実行されている状況において待機タイミングとなることで予め定められた待機領域(待機領域SA1〜SA9)に前記絵柄を待機させて待機中表示を行わせた後に、前記継続期間決定手段により決定された前記表示継続期間に基づいて、前記絵柄を最終停止表示させる終了実行手段(表示側MPU102における変動中用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A30の遊技機では、第1制御手段から送信された情報に基づいて、絵柄の変動表示が行われるように第2制御手段により表示手段が表示制御されるため、例えば第1制御手段に対する処理負荷の集中が緩和される。
この場合に、第2制御手段は、特別指令情報を受信したことに基づいてそれに対応した表示継続期間を決定し、さらに特別表示が実行されている状況において待機タイミングとなることで待機領域に絵柄を待機させて待機中表示を行わせた後に、上記決定した表示継続期間に基づいて絵柄を最終停止表示させることが可能である。例えば、特別表示を終了させるための確定指令情報を第1制御手段から送信しないようにすることで、確定指令情報を送信する構成に比べ、第1制御手段から送信される指令情報の数を減らすことができ、第1制御手段において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。また、例えば、上記確定指令情報を第1制御手段から送信する構成であった場合、当該確定指令情報が伝送途中にノイズ等の影響で書き換えられ第2制御手段において解読できなくなったとしても、第2制御手段では独自に特別表示を終了させることができる。
以上より、第1制御手段から送信された指令情報に基づいて第2制御手段にて表示制御が行われる構成において、表示体系を好適なものとすることが可能となる。
なお、「前記第1制御手段から送信された特別指令情報を受信した」には、特別指令情報を第1制御手段から直接受信する構成だけでなく、第1制御手段と第2制御手段との信号経路上に中継手段を備える構成においては第1制御手段から送信され中継手段にて中継された特別指令情報を受信する構成も含まれる。
また、「第1制御手段」は単一の制御装置からなる構成に限定されることはなく複数の制御装置からなる構成であってもよく、同様に、「第2制御手段」は単一の制御装置からなる構成に限定されることはなく複数の制御装置からなる構成であってもよい。
特徴A31.表示手段(図柄表示装置31)を備えるとともに、第1制御手段(主制御装置60)及び第2制御手段(音声ランプ制御装置90、表示制御装置100)を備え、
前記第1制御手段から送信された情報に基づいて、特別表示が行われるように前記第2制御手段により前記表示手段が表示制御される遊技機において、
前記第2制御手段は、
前記第1制御手段から送信された特別指令情報(変動用コマンド)を受信したことに基づいて、前記特別表示が前記特別指令情報に対応した表示継続時間に亘って行われる場合の表示態様を決定する態様決定手段(表示側MPU102におけるステップS706の処理を実行する機能)と、
前記特別表示が実行されている状況において、前記態様決定手段により決定された前記表示態様に基づいて終了タイミングであることを特定し、当該終了タイミングであることを特定した場合に、前記特別表示を終了させる終了実行手段(表示側MPU102における変動中用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A31の遊技機では、第1制御手段から送信された情報に基づいて、第2制御手段により表示手段が表示制御されるため、例えば第1制御手段に対する処理負荷の集中が緩和される。
この場合に、第2制御手段は、特別指令情報を受信したことに基づいてそれに対応した表示態様を決定し、さらに特別表示が実行されている状況において、上記決定した表示態様に基づいて終了タイミングであることを特定し、当該終了タイミングであることを特定した場合に、当該特別表示を終了させることが可能である。例えば、特別表示を終了させるための確定指令情報を第1制御手段から送信しないようにすることで、確定指令情報を送信する構成に比べ、第1制御手段から送信される指令情報の数を減らすことができ、第1制御手段において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。また、例えば、上記確定指令情報を第1制御手段から送信する構成であった場合、当該確定指令情報が伝送途中にノイズ等の影響で書き換えられ第2制御手段において解読できなくなったとしても、第2制御手段では独自に特別表示を終了させることができる。
以上より、第1制御手段から送信された指令情報に基づいて第2制御手段にて表示制御が行われる構成において、表示体系を好適なものとすることが可能となる。
なお、「前記第1制御手段から送信された特別指令情報を受信した」には、特別指令情報を第1制御手段から直接受信する構成だけでなく、第1制御手段と第2制御手段との信号経路上に中継手段を備える構成においては第1制御手段から送信され中継手段にて中継された特別指令情報を受信する構成も含まれる。
また、「第1制御手段」は単一の制御装置からなる構成に限定されることはなく複数の制御装置からなる構成であってもよく、同様に、「第2制御手段」は単一の制御装置からなる構成に限定されることはなく複数の制御装置からなる構成であってもよい。
特徴A32.表示手段(図柄表示装置31)を備えるとともに、第1制御手段(主制御装置60)及び第2制御手段(音声ランプ制御装置90、表示制御装置100)を備え、
前記第1制御手段から送信された情報に基づいて、特別表示が行われるように前記第2制御手段により前記表示手段が表示制御される遊技機において、
前記第2制御手段は、
前記第1制御手段から送信された特別指令情報(変動用コマンド)を受信したことに基づいて、前記特別表示の表示継続時間を前記特別指令情報に基づいて決定する継続期間決定手段(表示側MPU102におけるステップS703の処理を実行する機能)と、
前記特別表示が実行されている状況において、前記態様決定手段により決定された前記表示継続期間に基づいて終了タイミングであることを特定し、当該終了タイミングであることを特定した場合に、前記特別表示を終了させる終了実行手段(表示側MPU102における変動中用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴A32の遊技機では、第1制御手段から送信された情報に基づいて、第2制御手段により表示手段が表示制御されるため、例えば第1制御手段に対する処理負荷の集中が緩和される。
この場合に、第2制御手段は、特別指令情報を受信したことに基づいてそれに対応した表示継続期間を決定し、さらに特別表示が実行されている状況において、上記決定した表示継続期間に基づいて終了タイミングであることを特定し、当該終了タイミングであることを特定した場合に、当該特別表示を終了させることが可能である。例えば、特別表示を終了させるための確定指令情報を第1制御手段から送信しないようにすることで、確定指令情報を送信する構成に比べ、第1制御手段から送信される指令情報の数を減らすことができ、第1制御手段において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。また、例えば、上記確定指令情報を第1制御手段から送信する構成であった場合、当該確定指令情報が伝送途中にノイズ等の影響で書き換えられ第2制御手段において解読できなくなったとしても、第2制御手段では独自に特別表示を終了させることができる。
以上より、第1制御手段から送信された指令情報に基づいて第2制御手段にて表示制御が行われる構成において、表示体系を好適なものとすることが可能となる。
なお、「前記第1制御手段から送信された特別指令情報を受信した」には、特別指令情報を第1制御手段から直接受信する構成だけでなく、第1制御手段と第2制御手段との信号経路上に中継手段を備える構成においては第1制御手段から送信され中継手段にて中継された特別指令情報を受信する構成も含まれる。
また、「第1制御手段」は単一の制御装置からなる構成に限定されることはなく複数の制御装置からなる構成であってもよく、同様に、「第2制御手段」は単一の制御装置からなる構成に限定されることはなく複数の制御装置からなる構成であってもよい。
また、上記特徴A29乃至A32のいずれか1に対して、上記特徴A2乃至A27のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。この場合、各構成による相乗的な効果を奏することができる。ちなみに、当該適用に際しては、「前記第1制御手段からの指令に因らずに」という構成を限定しない状態で各構成を適用してもよい。
また、上記特徴A1〜A32のいずれか1の構成に対して、下記特徴B1〜B20、下記特徴C1〜C18、下記特徴D1〜D9のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
<特徴B群>
特徴B1.表示手段(図柄表示装置31)を備えるとともに、第1制御手段(主制御装置60)及び第2制御手段(音声ランプ制御装置90、表示制御装置100)を備え、
前記第1制御手段から送信された情報に基づいて、特別表示が行われるように前記第2制御手段により前記表示手段が表示制御される遊技機において、
前記第2制御手段は、
前記第1制御手段から送信された特別指令情報(第1の実施形態又は第3の実施形態では変動用コマンド、第4の実施形態では変動用コマンド、デモ開始用コマンド、オープニングコマンド)を受信したことに基づいて、予め定められた制御を実行する実行手段(表示側MPU102における変動開始用処理を実行する機能)と、
前記特別表示が行われている状況において前記特別指令情報を受信したことに基づいて、前記予め定められた制御とは異なる制御として、その行われている特別表示が終了されるようにする特別表示終了手段(第1の実施形態では表示側MPU102におけるステップS902及びステップS903の処理を実行する機能、第3の実施形態では表示側MPU102におけるステップS1409及びステップS1814の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B1の遊技機では、第1制御手段から送信された情報に基づいて、第2制御手段により表示手段が表示制御されるため、例えば第1制御手段に対する処理負荷の集中が緩和される。この場合に、第2制御手段において特別表示を終了する契機となる指令情報が、当該終了の制御とは異なる制御の契機となる特別指令情報によって兼用される。例えば、特別表示を終了させるための確定指令情報を第1制御手段から送信しないようにすることで、確定指令情報を送信する構成に比べ、第1制御手段から送信される指令情報の数を減らすことができ、第1制御手段において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。また、例えば、上記確定指令情報を第1制御手段から送信する構成であった場合、当該確定指令情報が伝送途中にノイズ等の影響で書き換えられ第2制御手段において解読できなくなったとしても、第2制御手段では特別指令情報の受信に基づいて特別表示を終了させることができる。
特徴B2.前記第2制御手段は、受信した指令情報を読み取る読み取り手段(表示側MPU102におけるコマンド確認処理を実行する機能)を備え、
前記特別表示終了手段は、前記読み取り手段において前記特別指令情報の読み取りが完了していない状況であっても、その読み取り結果に基づいて前記特別指令情報が受信されたことが特定された場合に、前記特別表示が終了されるようにするものであることを特徴とする特徴B1に記載の遊技機。
特徴B2によれば、特別指令情報の読み取りが完了するよりも前に、現状実行されている特別表示が特別指令情報の受信に基づいて終了される。これにより、特別指令情報の受信に基づいて、予め定められた制御とは別に、現状実行されている特別表示が終了されるように制御される構成において、特別表示が終了されるようにする制御を優先させながら、両者の制御が同時に行われることを回避する構成を採用することが可能となる。
特徴B3.前記特別表示終了手段は、前記特別指令情報の全情報が前記読み取り手段により読み取られていない状況であっても、前記特別指令情報の一部の情報(第3の実施形態では上位側のバイトの情報)が前記読み取り手段により読み取られたことに基づいて、前記特別表示が終了されるようにするものであることを特徴とする特徴B2に記載の遊技機。
特徴B3によれば、特別指令情報の読み取りに係る構成を利用しながら、上記特徴B2について説明した作用効果を奏することができる。
特徴B4.前記指令情報には前記特別指令情報の他に特定の指令情報が含まれており、前記特別指令情報は、前記第2制御手段において当該特別指令情報と前記特定の指令情報とを識別可能とする情報(第3の実施形態では上位側のバイトの情報)を一部の情報として有しており、
前記特別表示終了手段は、前記特別指令情報の全情報が前記読み取り手段により読み取られていない状況であっても、前記識別可能とする情報が前記読み取り手段により読み取られたことに基づいて、前記特別表示が終了されるようにするものであることを特徴とする特徴B2又はB3に記載の遊技機。
第2制御手段において指令情報の認識を良好に行うには、いずれの種類の指令情報であるかを第2制御手段において認識できるようにする情報が指令情報自身に含まれていることが好ましい。この場合に、特徴B4によれば、この指令情報の認識を良好に行えるようにした構成を利用しながら、上記特徴B2について説明した作用効果を奏することができる。
なお、上記特徴B4の構成に代えて、「前記特別指令情報は複数ビットの情報を有しており、前記識別可能とする情報は前記複数ビットの情報のうち、一部のビットの情報であり、前記読み取り手段は、前記特別指令情報を読み取る場合、前記一部のビットの情報とは異なる特定のビットの情報を読み取る前に当該一部のビットの情報を読み取るものであるとともに、前記一部のビットの情報の読み取りが完了してから前記特定のビットの情報の読み取りが完了するまでに少なくとも特定の期間を要するものである」という構成を適用してもよい。
また、前記特別指令情報は、前記識別可能とする情報とは異なる情報として、同一種類の特別指令情報間において前記第2制御手段への指令内容を相違させる内容情報を有する構成としてもよい。この場合、第2制御手段は、特別指令情報の受信に基づいて予め定められた制御を実行することができるとともに、その予め定められた制御の内容を、受信した特別指令情報の内容情報に応じたものとすることが可能となる。
特徴B5.前記実行手段は、前記特別指令情報を受信したことに基づいて、前記特別表示又はそれとは異なる表示を開始させる開始制御を実行する表示開始手段(表示側MPU102におけるステップS1707、ステップS1711及びステップS1715の処理を実行する機能)を備え、
前記読み取り手段は、前記特別指令情報を読み取る場合、前記識別可能とする情報とは異なる特定の情報(第3の実施形態では下位側のバイトの情報)を読み取る前に当該識別可能とする情報を読み取るものであるとともに、前記識別可能とする情報の読み取りが完了してから前記特定の情報の読み取りが完了するまでに少なくとも特定の期間を要するものであり、
前記表示開始手段は、前記読み取り手段において、前記特別指令情報における少なくとも前記特定の情報の読み取りが完了したことに基づいて、前記開始制御を実行するものであることを特徴とする特徴B4に記載の遊技機。
特徴B5によれば、開始制御は、特別指令情報における少なくとも特定の情報の読み取りが完了したことに基づいて実行されるのに対して、現状実行されている特別表示の終了の制御は、特定の情報の読み取りが完了していなくても実行される。これにより、特別指令情報の受信に基づいて、予め定められた開始制御とは別に、現状実行されている特別表示が終了されるように制御される構成において、特別表示が終了されるようにする制御を優先させながら、この終了に係る特別表示とその後の表示との間に時間的な間隔を生じさせることが可能となる。
なお、上記特徴B5の構成に代えて、「前記実行手段は、前記特別指令情報を受信したことに基づいて、前記特別表示又はそれとは異なる表示を開始させる開始制御を実行する表示開始手段を備え、当該表示開始手段は、前記特別指令情報の全情報が前記読み取り手段により読み取られたことに基づいて、前記開始制御を実行するものである」という構成を適用してもよい。
特徴B6.前記読み取り手段は、読み取りタイミングとなる度に読み取り処理を実行するものであり、
前記特別表示終了手段は、判定タイミングとなる度に前記一部の情報の読み取りが完了しているか否かを判定する判定処理を実行するものであり、
前記判定タイミングは、1の読み取りタイミングと次の読み取りタイミングとの間に発生するタイミングとして設定されており、
前記読み取り手段は、1処理回において前記一部の情報又はそれよりも少ない情報の読み取りを行い、複数の処理回の読み取り処理が実行されることにより、1の特別指令情報の読み取りを完了させるものであることを特徴とする特徴B3乃至B5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B6によれば、上記特徴B3又は上記特徴B4について説明した作用効果を、各種処理の処理タイミングとの関係を調整することで奏することができる。
特徴B7.前記読み取り手段は、受信した指令情報を確認する確認手段(第3の実施形態では表示側MPU102におけるステップS1403及びステップS1411の処理を実行する機能)を備え、複数回として予め定められた確認基準回数に亘って前記受信した指令情報が前記確認手段により確認された場合に当該受信した指令情報の読み取りが完了したとするものであり、
前記特別表示終了手段は、前記読み取り手段において前記特別指令情報の読み取りが完了していない状況であっても、前記特別指令情報についての前記確認手段による確認が前記確認基準回数の一部の回数分完了したことに基づいて、前記特別表示が終了されるようにするものであることを特徴とする特徴B2乃至B6のいずれか1に記載の遊技機。
受信した指令情報が複数回に亘って確認された場合に、指令情報の読み取りが完了する構成であるため、指令情報の読み取りの正確性が高められる。当該構成において、特徴B7によれば、この指令情報の読み取りの正確性を高める構成を利用しながら、上記特徴B2について説明した作用効果を奏することができる。
特徴B8.前記特別表示終了手段は、前記読み取り手段において前記特別指令情報の読み取りが完了していない状況であっても、前記確認手段において前記特別指令情報における一部の情報の確認が前記確認基準回数の一部の回数分完了したことに基づいて、前記特別表示が終了されるようにするものであることを特徴とする特徴B7に記載の遊技機。
特徴B8によれば、特別指令情報の受信に基づいて、予め定められた制御とは別に、現状実行されている特別表示が終了されるように制御される構成において、特別表示が終了されるようにする制御が実行されてから、予め定められた制御が実行されるまでの時間的な間隔を長くすることが可能となる。
特徴B9.前記実行手段は、前記特別指令情報を受信したことに基づいて、前記特別表示又はそれとは異なる表示を開始させる開始制御を実行する表示開始手段(表示側MPU102におけるステップS1707、ステップS1711及びステップS1715の処理を実行する機能)を備え、
前記表示開始手段は、前記読み取り手段において、前記特別指令情報についての前記確認手段による確認が前記確認基準回数分完了したことに基づいて、前記開始制御を実行するものであることを特徴とする特徴B7又はB8に記載の遊技機。
特徴B9によれば、開始制御は、特別指令情報についての確認が確認基準回数分、完了したことに基づいて実行されるのに対して、現状実行されている特別表示の終了の制御は、特別指令情報についての確認が確認基準回数の一部の回数分、完了したことに基づいて実行される。これにより、特別指令情報の受信に基づいて、予め定められた開始制御とは別に、現状実行されている特別表示が終了されるように制御される構成において、特別表示が終了されるようにする制御を優先させながら、この終了に係る特別表示とその後の表示との間に時間的な間隔を生じさせることが可能となる。
特徴B10.前記確認手段は、確認タイミングとなる度に確認処理を実行するものであり、
前記特別表示終了手段は、判定タイミングとなる度に前記確認手段による確認が前記一部の回数分完了しているか否かを判定する判定処理を実行するものであり、
前記判定タイミングは、1の確認タイミングと次の確認タイミングとの間に発生するタイミングとして設定されており、
前記確認手段は、1処理回において1回の確認を行い、前記確認基準回数の確認処理が実行されることにより、1の特別指令情報又はその一部の情報について確認を完了させるものであることを特徴とする特徴B7乃至B9のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B10によれば、上記特徴B7について説明した作用効果を、各種処理の処理タイミングとの関係を調整することで奏することができる。
特徴B11.前記第2制御手段は、複数の単位経路のそれぞれから同時に情報を受信する受信手段(入力ポート151)を備え、当該受信手段にて情報の受信が行われることにより前記第1制御手段から送信された指令情報の受信を行うものであり、
前記読み取り手段は、前記受信手段において受信された各情報を読み取ることで、前記指令情報の読み取りを行うものであることを特徴とする特徴B2乃至B10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B11によれば、複数の単位経路のそれぞれから同時に情報を受信することに基づき指令情報の受信が行われる構成において、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴B12.前記第2制御手段は、信号経路から単位情報を順次受信する受信手段を備え、当該受信手段にて前記単位情報の受信が複数回行われることにより前記第1制御手段から送信された指令情報の受信を行うものであり、
前記読み取り手段は、前記受信手段において受信された各単位情報を読み取ることで、前記指令情報の読み取りを行うものであることを特徴とする特徴B2乃至B10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B12によれば、信号経路から単位情報を順次受信することに基づき指令情報の受信が行われる構成において、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴B13.前記特別指令情報は、前記特別表示が1回行われた後に予め定められた表示を前記表示手段にて開始させる場合に送信される指令情報であることを特徴とする特徴B1乃至B12のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B13によれば、特別表示が1回行われた後に予め定められた表示を開始させる指令情報を利用して、既に説明したような優れた効果を奏することができる。
特徴B14.前記特別表示が1回行われた後に行われる表示が複数種類設定されているとともに、前記特別指令情報として、それら複数種類の表示に個別に対応させて第1の特別指令情報(変動用コマンド)と第2の特別指令情報(デモ開始用コマンド)とが設定されており、
前記特別表示終了手段は、前記特別表示が行われている状況において前記第1の特別指令情報を受信したことに基づいて、その行われている特別表示が終了されるようにするとともに、前記特別表示が行われている状況において前記第2の特別指令情報を受信したことに基づいて、その行われている特別表示が終了されるようにするものであることを特徴とする特徴B13に記載の遊技機。
特徴B14によれば、特別表示が1回行われた後に行われる表示が複数種類存在している場合であっても、特別表示を終了させる指令情報として特別指令情報が兼用される効果を奏することができる。
特徴B15.前記第2制御手段は、受信した指令情報を読み取る読み取り手段(第4の実施形態における表示側MPU102のコマンド確認処理を実行する機能)を備え、
前記第1特別指令情報及び前記第2特別指令情報は共に、共通識別情報を一部の情報として有しており、
前記特別表示終了手段は、前記第1特別指令情報又は前記第2特別指令情報の全情報が前記読み取り手段により読み取られていない状況であっても、前記共通識別情報が前記読み取り手段により読み取られたことに基づいて、前記特別表示が終了されるようにするものであることを特徴とする特徴B14に記載の遊技機。
特徴B15によれば、複数種類の特別指令情報が特別表示を終了させる契機となる指令情報として兼用される構成において、いずれの特別指令情報を契機として特別表示を終了させる場合であっても、共通識別情報を読み取ればよいため、情報の読み取りに係る構成の複雑化が抑えられる。
特徴B16.前記実行手段は、前記特別指令情報を受信したことに基づいて、前記予め定められた制御として、その受信した特別指令情報に対応した特別表示が開始されるようにする特別表示開始手段(表示側MPU102におけるステップS1707、ステップS1711及びステップS1715の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B15のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B16によれば、新たな特別表示を開始させるのに必要な指令情報を、既に実行されている特別表示を終了させる契機となる指令情報として兼用することができる。
特徴B17.前記実行手段は、
前記特別指令情報を受信したことに基づいて、前記特別表示がその受信した情報に対応した表示継続期間に亘って行われる場合の表示態様を決定する態様決定手段(表示側MPU102におけるステップS706の処理を実行する機能)と、
当該態様決定手段により決定された表示態様に対応した特別表示が行われるように前記表示手段を表示制御する特別表示実行手段(表示側MPU102における変動中用処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴B1乃至B15のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B17によれば、新たな特別表示を開始させるのに必要な指令情報を、既に実行されている特別表示を終了させる契機となる指令情報として兼用することができる。
なお、上記特徴B16又は上記特徴B17に対して上記特徴B2乃至B10のいずれか1の構成を適用することで、1回の特別表示が終了されてから次の特別表示が開始されるまでに時間的な間隔を生じさせることが可能となる。
特徴B18.前記表示手段は絵柄の変動表示を行うものであり、前記特別表示は前記絵柄の変動表示を含んでおり、
前記第2制御手段は、前記実行手段として又はそれとは別に、
前記第1制御手段から送信された指令情報を受信したことに基づいて、前記特別表示がその受信した指令情報に対応した表示継続期間に亘って行われる場合の表示態様を決定する態様決定手段(表示側MPU102におけるステップS706の処理を実行する機能)と、
当該態様決定手段により決定された表示態様に対応した特別表示を開始させるとともに、前記表示継続期間に亘って前記特別表示が実行されている状況において待機タイミングとなることで予め定められた待機領域(待機領域SA1〜SA9)に前記絵柄を待機させて待機中表示を行わせた後に、前記第1制御手段からの指令に基づくのではなく、前記態様決定手段により決定された表示態様に基づいて、前記絵柄を最終停止表示させる特別表示実行手段(表示側MPU102における変動中用処理を実行する機能)と、
を備えており、
当該特別表示実行手段は、前記態様決定手段において前記特別指令情報から前記表示態様を決定することができない場合であっても、前記特別表示を開始させるものであることを特徴とする特徴B1乃至B17のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B18によれば、第2制御手段は、第1制御手段から送信された指令情報を受信したことに基づいてそれに対応した表示態様を決定し、さらに特別表示が実行されている状況において待機タイミングとなることで待機領域に絵柄を待機させて待機中表示を行わせた後に、第1制御手段からの指令に基づくのではなく、上記決定した表示態様に基づいて、絵柄を最終停止表示させることが可能である。例えば、特別表示を終了させるための確定指令情報を第1制御手段から送信しないようにすることで、確定指令情報を送信する構成に比べ、第1制御手段から送信される指令情報の数を減らすことができ、第1制御手段において必要な記憶容量を抑えることが可能となる。また、例えば、上記確定指令情報を第1制御手段から送信する構成であった場合、当該確定指令情報が伝送途中にノイズ等の影響で書き換えられ第2制御手段において解読できなくなったとしても、第2制御手段では独自に特別表示を終了させることができる。
また、特別表示を開始させるのに必要な指令情報が伝送途中にノイズ等の影響で書き換えられたとしても特別表示を行うことができる。この場合に、上記構成を備えていることにより、その特別表示の終了契機を第2制御手段において独自に特定することができる。
但し、特別表示を開始させるのに必要な指令情報が伝送途中にノイズ等の影響で書き換えられた場合、その指令情報に基づき開始された特別表示は第1制御手段において把握されている表示継続期間よりも長いものであることが想定される。そうすると、特別表示が未だ実行されている状況であるにも関わらず、例えば新たな表示を開始させるための指令情報が第1制御手段から送信されることが想定される。これに対して、上記特徴B1の構成を備えていることにより、特別表示を終了させる契機となる指令情報として当該指令情報を兼用することができ、表示制御を良好に行うことが可能となる。
特徴B19.前記特別表示終了手段は、前記特別表示が行われている状況において前記特別指令情報を受信したことに基づいて、所定の結果を表示した状態で前記特別表示が終了されるようにするものであることを特徴とする特徴B1乃至B18のいずれか1に記載の遊技機。
特徴B19によれば、特別指令情報の受信に基づいて特別表示が終了される場合であっても、所定の結果を表示した状態で特別表示が終了されるため、特別表示が終了したことを遊技者が認識し易くなる。
特徴B20.表示手段(図柄表示装置31)を備えるとともに、第1制御手段(主制御装置60)及び第2制御手段(音声ランプ制御装置90、表示制御装置100)を備え、
前記第1制御手段から送信された情報に基づいて、特別表示が行われるように前記第2制御手段により前記表示手段が表示制御される遊技機において、
前記第2制御手段は、
前記第1制御手段から送信された特別指令情報(第3の実施形態では変動用コマンド、第4の実施形態では変動用コマンド、デモ開始用コマンド、オープニングコマンド)を受信したことに基づいて、前記特別表示又はそれとは異なる表示を開始させる開始制御を実行する表示開始手段(表示側MPU102における変動開始用処理を実行する機能)と、
前記特別指令情報を受信したことに基づいて、現状行われている特別表示の表示結果又はその受信タイミングよりも前に終了している特別表示の表示結果が表示されるようにする結果表示手段(表示側MPU102におけるステップS1409及びステップS1814の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴B20の遊技機では、第1制御手段から送信された情報に基づいて、第2制御手段により表示手段が表示制御されるため、例えば第1制御手段に対する処理負荷の集中が緩和される。この場合に、表示手段にて新たな表示が開始される場合には、現状行われている特別表示の表示結果又は以前に終了している特別表示の表示結果が表示される。これにより、特別表示の表示結果を確認する機会を多く設定することが可能となる。
なお、「前記第1制御手段から送信された指令情報を受信した」には、指令情報を第1制御手段から直接受信する構成だけでなく、第1制御手段と第2制御手段との信号経路上に中継手段を備える構成においては第1制御手段から送信され中継手段にて中継された指令情報を受信する構成も含まれる。
また、「第1制御手段」は単一の制御装置からなる構成に限定されることはなく複数の制御装置からなる構成であってもよく、同様に、「第2制御手段」は単一の制御装置からなる構成に限定されることはなく複数の制御装置からなる構成であってもよい。
また、上記特徴B1〜B20のいずれか1の構成に対して、上記特徴A1〜A32、下記特徴C1〜C18、下記特徴D1〜D9のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
<特徴C群>
特徴C1.表示手段(図柄表示装置31)を備えるとともに、第1制御手段(主制御装置60)及び第2制御手段(音声ランプ制御装置90、表示制御装置100)を備え、
前記第1制御手段から送信された情報に基づいて、特別表示が行われるように前記第2制御手段により前記表示手段が表示制御される遊技機において、
前記第2制御手段は、
前記第1制御手段から送信された指令情報(変動用コマンド)を受信したことに基づいて、その受信した指令情報に対応した特別表示を前記表示手段にて実行させる正常用実行手段(第1の実施形態ではステップS703〜ステップS706の処理が実行されたことに基づき開始された遊技回用演出を表示制御する機能、第3の実施形態ではステップS1707の処理が実行されたことに基づき開始された遊技回用演出を制御する機能)と、
前記特別表示を行わせるために前記第1制御手段から送信される指令情報の受信が正常に行われていない状況において、前記特別表示を開始させる必要があることを特定した場合に、異常用に対応した特別表示を前記表示手段にて実行させる異常用実行手段(第1の実施形態ではステップS708〜ステップS710の処理が実行されたことに基づき開始された遊技回用演出を表示制御する機能、第3の実施形態ではステップS1709〜ステップS1711又はステップS1713〜ステップS1715の処理が実行されたことに基づき開始された遊技回用演出を制御する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴C1の遊技機では、第1制御手段から送信された情報に基づいて、第2制御手段により表示手段が表示制御されるため、例えば第1制御手段に対する処理負荷の集中が緩和される。
この場合に、特別表示を行うために第1制御手段から送信される指令情報の受信が正常に行われていない状況であっても、特別表示を開始させる必要があることが第2制御手段において特定された場合には、表示手段にて特別表示が行われる。これにより、本来なら特別表示を開始させる必要がある状況であるにも関わらず、第1制御手段と第2制御手段との間の通信異常を原因として表示手段にて特別表示が全く行われなくなるといった不都合の発生が抑えられる。
特徴C2.前記異常用実行手段は、前記特別表示を終了させる場合、予め定められた異常用表示結果を表示させるものであることを特徴とする特徴C1に記載の遊技機。
特徴C2によれば、異常用実行手段による制御に基づく特別表示が行われる場合であっても、異常用表示結果を表示させることが可能となる。また、伝送途中にノイズ等の影響で情報が書き換えられてしまった指令情報から表示結果の内容を導出する構成を想定すると、その表示結果の内容を導出する上で要因となった情報もノイズ等の影響で書き換えられていることが想定され、この場合、例えば本来停止させるべきでない表示結果が最終停止表示されてしまうことが懸念される。これに対して、予め定められた異常用表示結果が表示されるため、上記のような不都合の発生が抑えられる。
特徴C3.前記第1制御手段は、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS105の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段により取得されている特別情報が、予め定められた付与情報に対応しているか否かの付与判定を行う付与判定手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS401の処理を実行する機能)と、
当該付与判定手段による付与判定の結果が、判定対象の特別情報が前記付与情報に対応している付与対応結果となったことに基づいて遊技者に特典を付与する特典付与手段(主制御装置60のMPU62における遊技状態移行処理を実行する機能)と、
前記付与判定手段により前記付与判定が行われたことに基づいて、前記指令情報を送信する情報送信手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS201の処理及びステップS409の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記付与情報に対応した特別情報について前記付与判定が行われたことで送信された指令情報に対応した表示態様で前記特別表示が行われる場合、付与対応結果が表示される構成であり、
前記異常用実行手段は、前記異常用表示結果として、前記付与対応結果とは異なる態様の停止結果を表示させるものであることを特徴とする特徴C2に記載の遊技機。
伝送途中にノイズ等の影響で情報が書き換えられてしまった指令情報から表示結果の内容を導出する構成を想定すると、その表示結果の内容を導出する上で要因となった情報もノイズ等の影響で書き換えられていることが想定され、この場合、例えば付与対応結果が表示されてしまうことが懸念される。これに対して、特徴C3によれば、第1制御手段と第2制御手段との間での通信異常が発生した可能性がある場合に実行される異常用の特別表示では、付与対応結果とは異なる態様の表示結果が表示されるため、上記のような不都合の発生が抑えられる。
なお、表示手段が複数の変動表示領域において絵柄の変動表示を行う構成であり、さらに表示態様の一種として、一部の変動表示領域において待機表示させることで、前記付与対応停止結果が成立する可能性のあるリーチ絵柄を有効ライン上に成立させることによりリーチラインを形成させ、当該リーチラインが形成されている状況下において残りの変動表示領域にて絵柄の変動表示を行わせるリーチ変動表示が含まれている構成においては、前記異常用実行手段は、前記異常用表示結果として、前記付与対応結果及び前記リーチ絵柄を含む表示結果とは異なる態様の表示結果を表示させるものである構成としてもよい。
特徴C4.前記異常用実行手段は、前記特別表示を開始させる必要があることを特定した場合に、表示態様を異常用態様に決定する異常用決定手段(第1の実施形態ではステップS710の処理を実行する機能、第3の実施形態ではステップS1711又はステップS1715の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C3のいずれか1に記載の遊技機。
伝送途中にノイズ等の影響で情報が書き換えられてしまった指令情報から表示態様を導出する構成を想定すると、その表示態様の内容を導出する上で要因となった情報もノイズ等の影響で書き換えられていることが想定され、この場合、例えば本来表示させるべきでない表示態様で特別表示が行われてしまうことが懸念される。これに対して、予め定められた異常用態様で特別表示が行われるため、上記のような不都合の発生が抑えられる。
特徴C5.前記正常用実行手段は、前記特別表示を行わせる場合、その開始タイミングから所定期間に亘って初期表示を継続させるものであり、
前記異常用実行手段は、前記異常用に対応した特別表示を行わせる場合、当該特別表示が終了される前段階まで前記初期表示を継続させるものであることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
特徴C5によれば、指令情報の通信異常に係る特別表示を中止して新たな特別表示が開始されたとしても、表示手段においては初期表示が行われている状況が継続し易くなる。この場合、遊技者には、指令情報の通信異常に係る特別表示が、その後の特別表示の一部であると認識され易くなり、特別表示を中止して新たな特別表示が開始された場合に遊技者に違和感を与える可能性が低減される。
特徴C6.前記第1制御手段は、前記特別表示を開始させる場合に、前記指令情報を送信する送信処理を実行し、さらに先に実行された送信処理により送信された指令情報に対応した表示継続期間が経過していない場合には新たな送信処理の実行を待機するとともに、当該表示継続期間が経過した後にその待機している送信処理を実行するものであり、
前記表示継続期間が相互に異なる表示態様を含むように当該表示態様の情報を予め複数種類記憶した表示態様情報記憶手段(態様情報記憶エリア112)を備え、
前記正常用実行手段は、受信した指令情報から前記表示態様を決定することができる場合、前記複数種類の表示態様の情報のうち、その受信した指令情報に対応した表示態様の情報を選択するものであり、さらに、その選択した表示態様に基づいて前記特別表示を行わせる場合、その開始タイミングから所定期間に亘って初期表示を継続させるものであり、
前記異常用実行手段は、前記異常用に対応した特別表示を行わせる場合、前記初期表示を、前記複数種類の表示態様情報に対応した前記表示継続期間のうち、最長の表示継続期間よりも長い期間に亘って継続させるものであることを特徴とする特徴C5に記載の遊技機。
特徴C6によれば、指令情報の受信異常に係る特別表示を中止して新たな特別表示が開始されたとしても、表示手段においては初期表示が行われている状況が継続し易くなる。この場合、遊技者には、指令情報の通信異常に係る特別表示が、その後の特別表示の一部であると認識され易くなり、特別表示を中止して新たな特別表示が開始された場合に遊技者に違和感を与える可能性が低減される。
特に、指令情報の通信異常に係る特別表示が行われる場合、初期表示は、複数種類の表示態様情報に対応した表示継続期間のうち、最長の表示継続期間よりも長い期間に亘って継続される。これにより、指令情報の通信異常に係る特別表示が行われている状況において第1制御手段にて送信処理の実行が待機された場合には、当該特別表示にて初期表示が行われている状況において新たな特別表示が開始され易くなる。
特徴C7.前記表示手段は絵柄の変動表示を行うものであり、
前記正常用実行手段は、前記絵柄の変動表示が行われている状況において待機タイミングとなることで予め定められた待機領域に前記絵柄が待機されて待機中表示が行われた後に、前記絵柄が最終停止表示されるように前記特別表示を行わせるものであり、
前記異常用実行手段は、1回の特別表示において前記待機中表示が行われている期間が占める割合が、前記正常用実行手段の制御によって前記特別表示が行われる場合よりも大きくなるように前記特別表示を行わせるものであることを特徴とする特徴C4に記載の遊技機。
特徴C7によれば、指令情報の通信異常に係る特別表示を中止して新たな特別表示が開始されたとしても、指令情報の通信異常に係る特別表示にて待機中表示が実行されている状況において新たな特別表示が開始され易くなる。この場合、遊技者には、2回の特別表示が消化されたことが認識され易くなり、特別表示が実行された回数に注目している遊技者に違和感を与える可能性が低減される。
特徴C8.前記正常用実行手段は、
前記第1制御手段から送信された指令情報を受信したことに基づいて、前記特別表示がその受信した指令情報に対応した表示継続期間に亘って行われる場合の表示態様を決定する態様決定手段(表示側MPU102におけるステップS706の処理を実行する機能)と、
当該態様決定手段により決定された表示態様に対応した特別表示が行われるように前記表示手段を表示制御する特別表示実行手段(表示側MPU102における変動中用処理を実行する機能)と、
を備えており、
前記異常用実行手段は、前記態様決定手段において前記指令情報から前記表示態様を決定することができない場合であっても、前記特別表示を開始させる必要があることを特定した場合に、前記異常用に対応した特別表示を前記表示手段にて実行させるものであることを特徴とする特徴C1乃至C7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C8によれば、受信した指令情報から特別表示の表示態様を決定できない状況であっても、特別表示を開始させる必要があることが第2制御手段において特定された場合には、表示手段にて異常用に対応した特別表示が行われる。これにより、本来なら特別表示を開始させる必要がある状況であるにも関わらず、第2制御手段において指令情報から表示態様を決定することができないことを原因として、表示手段にて特別表示が全く行われなくなるといった不都合の発生が抑えられる。
特徴C9.前記第2制御手段は、前記表示継続期間が相互に異なる表示態様を含むように当該表示態様の情報を予め複数種類記憶しており、
前記態様決定手段は、受信した前記指令情報から前記表示態様を決定することができる場合、前記複数種類の表示態様の情報のうち、その受信した指令情報に対応した表示態様の情報を選択するものであり、
前記異常用に対応した特別表示の表示継続期間は、前記複数種類の表示態様の情報に対応した前記表示継続期間のうち、最短の表示継続期間以上の期間として設定されていることを特徴とする特徴C8に記載の遊技機。
特徴C9によれば、異常用態様で特別表示が行われる場合に、その継続期間が極端に短くなってしまうことが抑えられる。異常用態様で特別表示が行われる場合の継続期間が極端に短い構成を想定すると、例えば第1制御手段は送信した指令情報に対応した表示継続期間が経過するまでは次の特別表示を開始させるための指令情報を送信しない構成である場合、異常用態様による特別表示が終了されてから次の特別表示が開始されるまでの期間が必要以上に長くなってしまうことが懸念される。これに対して、本特徴C9によればこのような不都合の発生が抑えられる。
特徴C10.前記第2制御手段は、前記表示継続期間が相互に異なる表示態様を含むように当該表示態様の情報を予め複数種類記憶しており、
前記態様決定手段は、受信した前記指令情報から前記表示態様を決定することができる場合、前記複数種類の表示態様の情報のうち、その受信した指令情報に対応した表示態様の情報を選択するものであり、
前記異常用に対応した特別表示の表示継続期間は、前記複数種類の表示態様の情報に対応した前記表示継続期間のうち、最長の表示継続期間以上の期間として設定されていることを特徴とする特徴C8又はC9に記載の遊技機。
特徴C10によれば、異常用態様で特別表示が行われる場合に、その継続期間を長く確保することが可能となる。
なお、上記特徴C9又は上記特徴C10の構成において、例えば、異常用の表示継続期間は前記複数種類の表示態様の情報に対応した表示継続期間のいずれかである構成としてもよい。この場合、異常用の表示継続期間を専用の情報として用意しておく必要がなくなる。
特徴C11.前記態様決定手段は、受信した前記指令情報から前記表示態様を決定することができる場合、当該指令情報に対応した前記表示継続期間の情報を継続期間記憶手段(遊技回用カウンタエリア121a)に記憶させるものであり、
前記正常用実行手段は、前記継続期間記憶手段に記憶されている前記表示継続期間の情報に基づいて、前記特別表示の表示結果を表示させるものであり、
前記異常用に対応した特別表示の表示継続期間は、前記継続期間記憶手段に記憶させることが可能な上限継続期間であることを特徴とする特徴C8乃至C10のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C11によれば、異常用態様で特別表示を行わせる場合には、継続期間記憶手段に上限継続期間の情報を記憶させればよいため、当該処理の簡素化が図られる。
特徴C12.前記異常用実行手段は、前記特別表示を行うために前記第1制御手段から送信される指令情報の受信が正常に行われていない状況であっても、受信した指令情報から前記特別表示を実行させる場合の表示継続期間を特定した場合、その特定した表示継続期間に対応した特別表示を前記異常用に対応した特別表示として前記表示手段にて実行させる手段(表示側MPU102におけるステップS1709の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C12によれば、指令情報の受信異常に係る特別表示が実行される状況であっても、その特別表示が実行される表示継続期間を、第1制御手段にて把握されている表示継続期間と一致させる機会を多くすることができる。
特徴C13.前記第2制御手段は、前記第1制御手段から送信された新たな表示の指令情報を受信したことに基づき開始条件が成立した場合に、前記特別表示が実行されている状況であったとしても、その実行されている特別表示を中止して、当該開始条件の成立に対応した新たな表示を開始させる開始実行手段(表示側MPU102における変動開始用処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C12のいずれか1に記載の遊技機。
指令情報の受信異常に係る特別表示は、指令情報の受信に関して何らかの異常が発生した場合に実行されるものであるため、その表示継続期間は第1制御手段において把握している表示継続期間とは異なるものであることが想定される。この場合に、特徴C13によれば、特別表示が行われている途中において開始条件が成立した場合には当該開始条件の成立に対応した新たな表示の開始が優先される。これにより、第1制御手段が新たな表示を開始させようとしているにも関わらず、指令情報の受信異常に係る特別表示が継続されてしまうことが阻止される。
特徴C14.前記第2制御手段は、
前記特別表示を終了させる場合、表示結果を最終表示期間に亘って継続させる終了実行手段(表示側MPU102におけるステップS902の処理を実行する機能)と、
前記特別表示が行われている途中において前記開始条件が成立した場合、新たに開始される表示を、その表示に係る指令情報に対応した表示継続期間から前記最終停止期間を差し引いた分の期間が経過したことに基づいて終了させる調整手段(表示側MPU102におけるステップS904の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴C13に記載の遊技機。
特徴C14によれば、指令情報の受信異常に係る特別表示を、表示結果を最終表示期間に亘って継続させて中止するようにした構成において、それによる時間的な影響を、次の表示の範囲内において抑えることができる。
特徴C15.前記第1制御手段は、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS105の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段により取得された特別情報が予め定められた情報に対応しているか否かを判定する情報判定手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS401の処理を実行する機能)と、
当該情報判定手段による判定が行われたことに基づいて、その判定結果に対応した指令情報を送信する情報送信手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS201の処理及びステップS409の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記異常用実行手段は、前記情報取得手段により前記特別情報が取得されているにも関わらず、前記指令情報を受信しない状況が予め定められたタイミングから受信異常期間(第1開始異常期間又は第2開始異常期間)に亘って継続したことに基づいて、前記異常用に対応した特別表示を前記表示手段にて実行させるものであることを特徴とする特徴C1乃至C14のいずれか1に記載の遊技機。
第1制御手段において特別情報が取得されているにも関わらず、第2制御手段において指令情報が受信されないことで、特別表示が開始されないことが想定される。この場合、特別情報が取得されているにも関わらず、それが無効化されてしまったのではないかと、遊技者が認識してしまう可能性がある。これに対して、特徴C15によれば、上記状況が受信異常期間に亘って継続したことに基づいて特別表示が実行されるため、上記のように遊技者が認識してしまう可能性が低減される。
なお、上記特徴C15の構成に対して、
「前記第1制御手段は、前記情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア64a)を備え、
前記情報判定手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報について前記判定を実行するとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合には、それら複数の特別情報について前記判定を順次行うものであり、
さらに、前記第1制御手段は、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数を前記第2制御手段において把握する場合に用いられる情報である数認識用情報を送信する数認識用情報送信手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS201、ステップS1106及びステップS1204の処理を実行する機能)を備え、
前記異常用実行手段は、受信した前記数認識用情報に基づいて、前記情報取得手段により前記特別情報が取得されているか否かを判定するものである」
という構成を適用してもよい。この場合、第2制御手段における特別情報の有無の認識を良好に行うことができる。
また、「前記異常用実行手段は、前記情報取得手段により前記特別情報が取得されているにも関わらず、前記表示手段における先の表示が終了されて前記特別表示を新たに開始させることが可能となったことに基づく条件の成立から、前記指令情報を受信しない状況が前記受信異常期間に亘って継続したことに基づいて、前記異常用に対応した特別表示を前記表示手段にて実行させる」構成としてもよい。
また、「前記異常用実行手段は、前記特別表示を新たに開始させることが可能な状況において前記情報取得手段により前記特別情報が取得されたことに基づく条件の成立から、前記指令情報を受信しない状況が前記受信異常期間に亘って継続したことに基づいて、前記異常用に対応した特別表示を前記表示手段にて実行させる」構成としてもよい。
特徴C16.前記異常用実行手段は、前記特別表示を行わせるために前記第1制御手段から送信される指令情報を受信してから予め定められた受信条件が成立するまでに当該指令情報を受信したことに基づいて、前記異常用に対応した特別表示を前記表示手段にて実行させるものであることを特徴とする特徴C1乃至C15のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C16によれば、特別表示を行わせるために第1制御手段から送信される指令情報を受信してから、予め定められた受信条件が成立するまでに当該指令情報を受信した場合、何らかの通信異常が発生している可能性がある。この場合に、その通信異常に係る指令情報に対応した特別表示がそのまま実行されてしまうと不都合が生じるおそれがあるが、本構成によれば、このような状況では異常用に対応した特別表示が実行されるため、このような不都合の発生が抑えられる。
特徴C17.前記第1制御手段は、前記特別表示が行われる場合の表示継続期間を計測する計測手段(各種カウンタエリア64bにおける表示継続期間カウンタエリア、及び主制御装置60のMPU62における当該カウンタエリアを更新する機能)を備え、当該計測手段による表示継続期間の計測が完了した場合に、前記特別表示を行わせるための指令情報を新たに送信するものであり、
前記異常用実行手段は、前記特別表示を行わせるために前記第1制御手段から送信される指令情報を、前記正常用実行手段の制御に係る前記特別表示が実行されている状況において受信したことに基づいて、前記異常用に対応した特別表示を前記表示手段にて実行させるものであることを特徴とする特徴C1乃至C16のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C17によれば、特別表示を行わせるために第1制御手段から送信される指令情報を、正常な特別表示が実行されている状況において受信した場合、何らかの通信異常が発生している可能性がある。この場合に、その通信異常に係る指令情報に対応した特別表示がそのまま実行されてしまうと不都合が生じるおそれがあるが、本構成によれば、このような状況では異常用に対応した特別表示が実行されるため、このような不都合の発生が抑えられる。
特徴C18.前記第2制御手段は、
前記第1制御手段から送信された特別指令情報を受信したことに基づいて、予め定められた制御を実行する実行手段(表示側MPU102における変動開始用処理を実行する機能)と、
前記特別表示が行われている状況において前記特別指令情報を受信したことに基づいて、前記予め定められた制御とは異なる制御として、その行われている特別表示が終了されるようにする特別表示終了手段(第1の実施形態では表示側MPU102におけるステップS902及びステップS903の処理を実行する機能、第3の実施形態では表示側MPU102におけるステップS1409及びステップS1814の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする特徴C1乃至C17のいずれか1に記載の遊技機。
特徴C18によれば、第2制御手段において特別表示を終了する契機となる指令情報が、当該終了の制御とは異なる制御の契機となる特別指令情報によって兼用される。これにより、第1制御手段から第2制御手段へ送信される指令情報の種類の増加を抑えることが可能となる。
なお、「前記第1制御手段から送信された指令情報を受信した」には、指令情報を第1制御手段から直接受信する構成だけでなく、第1制御手段と第2制御手段との信号経路上に中継手段を備える構成においては第1制御手段から送信され中継手段にて中継された指令情報を受信する構成も含まれる。
また、「第1制御手段」は単一の制御装置からなる構成に限定されることはなく複数の制御装置からなる構成であってもよく、同様に、「第2制御手段」は単一の制御装置からなる構成に限定されることはなく複数の制御装置からなる構成であってもよい。
また、上記特徴C1〜C18のいずれか1の構成に対して、上記特徴A1〜A32、上記特徴B1〜B20、下記特徴D1〜D9のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
<特徴D群>
特徴D1.表示手段(図柄表示装置31)を備えるとともに、第1制御手段(主制御装置60)及び第2制御手段(音声ランプ制御装置90、表示制御装置100)を備え、
前記第1制御手段から送信された情報に基づいて、特別表示が行われるように前記第2制御手段により前記表示手段が表示制御される構成であり、
前記第1制御手段は、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS105の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア64a)と、
当該取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が予め定められた情報に対応しているか否かを判定するとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合には、それら複数の特別情報について前記判定を順次行う情報判定手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS401の処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数を前記第2制御手段において把握する場合に用いられる情報である数認識用情報を送信する数認識用情報送信手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS201、ステップS1106及びステップS1204の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2制御手段は、
前記数認識用情報を受信したことに基づいて、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数を把握する特別情報数把握手段(表示側MPU102におけるステップS1602及びステップS1604の処理を実行する機能)と、
当該特別情報数把握手段の把握結果に基づいて、前記特別情報の数を前記表示手段にて報知させる報知実行手段(表示側MPU102における保留表示領域Gaを表示制御する機能)と、
前記特別情報数把握手段により把握されている前記特別情報の数が1以上である状況であっても、予め定められた中止条件が成立したことに基づいて、前記報知実行手段による前記特別情報の数の報知を中止させる報知中止手段(表示側MPU102におけるステップS1606の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D1の遊技機では、第1制御手段から送信された情報に基づいて、第2制御手段により表示手段が表示制御されるため、例えば第1制御手段に対する処理負荷の集中が緩和される。また、取得されている特別情報の数が表示手段において報知されるため、遊技者は取得されている特別情報の数を把握し易くなる。
この場合に、予め定められた中止条件が成立したことに基づいて、取得されている特別情報の数の報知が中止されるため、例えば第1制御手段と第2制御手段との間の通信に関して何らかの異常が発生した場合のように、特別情報の数の報知を継続すると不都合が生じるおそれがある場合に、当該不都合の発生が抑えられる。
特徴D2.表示手段(図柄表示装置31)を備えるとともに、第1制御手段(主制御装置60)及び第2制御手段(音声ランプ制御装置90、表示制御装置100)を備え、
前記第1制御手段から送信された情報に基づいて、特別表示が行われるように前記第2制御手段により前記表示手段が表示制御される構成であり、
前記第1制御手段は、
予め定められた取得条件が成立したことに基づいて、特別情報を取得する情報取得手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS105の処理を実行する機能)と、
当該情報取得手段の取得した特別情報を、複数の数として予め定められた規定数を上限として記憶する取得情報記憶手段(保留球格納エリア64a)と、
当該取得情報記憶手段に記憶されている特別情報が予め定められた情報に対応しているか否かを判定するとともに、前記取得情報記憶手段に複数の特別情報が記憶されている場合には、それら複数の特別情報について前記判定を順次行う情報判定手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS401の処理を実行する機能)と、
当該情報判定手段による判定が行われたことに基づいて、その判定結果に対応した指令情報を送信する情報送信手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS201の処理及びステップS409の処理を実行する機能)と、
前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数を前記第2制御手段において把握する場合に用いられる情報である数認識用情報を送信する数認識用情報送信手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS201、ステップS1106及びステップS1204の処理を実行する機能)と、
を備え、
前記第2制御手段は、
前記指令情報を受信したことに基づいて、その受信した指令情報に対応した特別表示を前記表示手段にて実行させる特別表示実行手段(表示側MPU102における変動開始用処理及び変動中用処理を実行する機能)と、
前記数認識用情報を受信したことに基づいて、前記取得情報記憶手段に記憶されている特別情報の数を把握する特別情報数把握手段(表示側MPU102におけるステップS1602及びステップS1604の処理を実行する機能)と、
当該特別情報数把握手段の把握結果に基づいて、前記特別情報の数を前記表示手段又はそれとは異なる表示手段にて報知させる報知実行手段(表示側MPU102における保留表示領域Gaを表示制御する機能)と、
前記特別情報数把握手段により把握されている前記特別情報の数が1以上である状況であっても、前記特別表示の実行後において予め定められた中止条件が成立したことに基づいて、前記報知実行手段による前記特別情報の数の報知を中止させる報知中止手段(表示側MPU102におけるステップS1606の処理を実行する機能)と、
を備えていることを特徴とする遊技機。
特徴D2の遊技機では、第1制御手段から送信された情報に基づいて、第2制御手段により表示手段が表示制御されるため、例えば第1制御手段に対する処理負荷の集中が緩和される。また、取得されている特別情報の数が表示手段において報知されるため、遊技者は取得されている特別情報の数を把握し易くなる。
この場合に、特別表示の実行後において予め定められた中止条件が成立したことに基づいて、取得されている特別情報の数の報知が中止されるため、例えば第1制御手段と第2制御手段との間における指令情報の通信に関して何らかの異常が発生した場合のように、特別情報の数の報知を継続すると不都合が生じるおそれがある場合には、当該不都合の発生が抑えられる。
特徴D3.前記報知中止手段は、前記特別情報数把握手段により把握されている前記特別情報の数が1以上である状況において前記中止条件が成立するまでに前記指令情報を受信しないことに基づいて、前記報知実行手段による前記特別情報の数の報知を中止させるものであることを特徴とする特徴D2に記載の遊技機。
指令情報の通信異常が発生した場合、表示手段にて特別表示が実行されないにも関わらず、報知実行手段の制御に基づき報知されている特別情報の数が減少し、さらにその状態が継続してしまうことが想定される。この場合、遊技者は特別情報の一部が無効化されてしまったと認識してしまうおそれがある。これに対して、特徴D3によれば、上記状況においては報知実行手段の制御に基づく特別情報の数の報知が中止されるため、上記不都合が発生しづらくなる。
特徴D4.前記報知中止手段は、前記特別情報数把握手段により把握されている前記特別情報の数が1以上であるにも関わらず、前記表示手段における先の表示が終了されてから前記特別表示を新たに開始させることが可能となったことに基づく条件の成立から、前記指令情報を受信しない状況が受信異常期間に亘って継続したことに基づいて、前記中止条件の成立として、前記報知実行手段による前記特別情報の数の報知を中止させるものであることを特徴とする特徴D3に記載の遊技機。
特徴D4によれば、指令情報の通信異常が発生した可能性が高い状況において、報知実行手段の制御に基づく特別情報の数の報知を中止することができる。
特徴D5.前記報知中止手段は、前記特別表示を新たに開始させることが可能な状況において前記特別情報の新たな取得に対応した数認識用情報の受信に基づく条件の成立から、前記指令情報を受信しない状況が受信異常期間に亘って継続したことに基づいて、前記中止条件の成立として、前記報知実行手段による前記特別情報の数の報知を中止させるものであることを特徴とする特徴D3又はD4に記載の遊技機。
特徴D5によれば、指令情報の通信異常が発生した可能性が高い状況において、報知実行手段の制御に基づく特別情報の数の報知を中止することができる。
特徴D6.前記第1制御手段は、前記情報判定手段による判定結果に基づいて、当該情報判定手段による判定対象となった特別情報に係る特別表示の表示継続期間を決定する期間決定手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS408の処理を実行する機能)を備え、
前記情報判定手段は、前記期間決定手段が決定した表示継続期間の計測が完了していない状況では、前記判定を新たに行わないものであり、
前記特別情報数把握手段は、前記指令情報を受信したことに基づいて又は前記情報判定手段において前記判定が行われたことに基づき送信された前記数認識用情報を受信したことに基づいて、把握している前記特別情報の数が少なくなるように更新するものであり、
前記報知中止手段は、前記特別表示の実行後から前記特別情報数把握手段により把握されている前記特別情報の数が少なくなるように更新されるまでの間に、前記報知実行手段による前記特別情報の数の報知を中止させるものであることを特徴とする特徴D2乃至D5のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D6によれば、報知実行手段の制御に基づき報知されている特別情報の数が減少するよりも前に、当該報知が中止されることとなる。これにより、指令情報の通信異常などが発生したことにより特別表示を開始させることができない状況であるにも関わらず、報知実行手段の制御に基づき報知されている特別情報の数が減少してしまうという状況が発生しづらくなる。よって、特別情報の一部が無効化してしまったと遊技者が認識しづらくなる。
特徴D7.前記取得情報記憶手段に記憶されている前記特別情報の数を報知手段にて報知させるとともに、前記報知中止手段により前記報知実行手段による前記特別情報の数の報知が中止されている状況であっても、前記報知手段での前記特別情報の数の報知を継続させる他の報知実行手段(主制御装置60のMPU62におけるステップS1107及びステップS1205の処理を実行する機能)を備えていることを特徴とする特徴D1乃至D6のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D7によれば、報知実行手段の制御に基づく特別情報の数の報知が中止されている状況であっても、報知手段における特別情報の数の報知は継続されるため、例えば遊技ホールの管理者などが指令情報の通信異常が発生していることを認識し易くなる。
特徴D8.前記特別情報数把握手段は、前記報知中止手段により前記報知実行手段による前記特別情報の数の報知が中止されている状況であっても、前記特別情報の数の把握を継続するとともに、前記数認識用情報を受信したことに基づき、把握している前記特別情報の数の情報をその受信した数認識用情報に対応させて更新させるものであることを特徴とする特徴D1乃至D7のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D8によれば、報知実行手段の制御に基づく特別情報の数の報知が中止されている状況であっても、第2制御手段における特別情報の数の把握は継続される。これにより、特別報知の数の報知が中止されている状況が解除された後は、当該特別情報の数の報知を良好に再開させることができる。
特徴D9.前記報知中止手段は、前記指令情報を受信したことに基づいて、前記報知実行手段による前記特別情報の数の報知を中止している状態を解除するものであることを特徴とする特徴D1乃至D8のいずれか1に記載の遊技機。
特徴D9によれば、報知実行手段の制御に基づく特別情報の数の報知が中止されている状況が長期間に亘って継続してしまわないようにすることができる。
なお、「前記第1制御手段から送信された指令情報を受信した」には、指令情報を第1制御手段から直接受信する構成だけでなく、第1制御手段と第2制御手段との信号経路上に中継手段を備える構成においては第1制御手段から送信され中継手段にて中継された指令情報を受信する構成も含まれる。
また、「第1制御手段」は単一の制御装置からなる構成に限定されることはなく複数の制御装置からなる構成であってもよく、同様に、「第2制御手段」は単一の制御装置からなる構成に限定されることはなく複数の制御装置からなる構成であってもよい。
また、上記特徴D1〜D9のいずれか1の構成に対して、上記特徴A1〜A32、上記特徴B1〜B20、上記特徴C1〜C18のいずれか1にて限定した構成を適用してもよい。この場合、各構成を適用したことによるさらなる効果を奏することができる。
なお、上記各特徴によれば、以下の課題を解決することが可能である。
例えばパチンコ遊技機等の遊技機においては、表示画面に複数の絵柄を変動表示する絵柄表示装置を備えたものが知られている。かかる遊技機では、例えば遊技領域に設けられた作動口を遊技球が通過したことを契機として、当たり抽選が行われるとともに絵柄の変動表示が開始される。そして当たり抽選に当選した場合には、表示画面に特定絵柄の組み合わせ等が最終停止表示されるとともに、遊技状態が特別遊技状態に移行する。
ところで近年では、第1制御手段として例えば主制御装置が設けられているとともに、当該主制御装置が送信する指令情報に基づいて、すなわち、主制御装置から直接指令を受けて、又は主制御装置から指令を受けた他の制御装置からの指令を受けて絵柄表示装置を表示制御する第2制御手段として例えば表示制御装置が設けられており、主制御装置の処理負荷を低減させつつ表示画面に表示される表示演出の多様化を図った遊技機が一般的となっている。そして、例えば当たり種別や表示継続期間などを主制御装置が決定し、これらの決定結果に基づいて表示制御装置が絵柄表示装置を表示制御するようにした遊技機が提案されている。
上記遊技機の一例について詳細には、主制御装置は、絵柄の表示継続期間や絵柄の表示態様を表示制御装置において決定するために用いられる変動パターン決定用コマンドと、停止図柄を表示制御装置において決定するために用いられる停止図柄決定用コマンドと、絵柄を最終停止表示させるために用いられる最終停止コマンドと、を送信する。表示制御装置は、変動パターン決定用コマンドを受信したことに基づいて絵柄の変動表示を開始させるとともに、例えば高速変動表示→中速変動表示→低速変動表示といったように所定の態様で絵柄の変動表示を行わせ、既に決定されている表示継続期間が経過した場合に、停止図柄決定用コマンドに対応した絵柄の組み合わせを所定の待機領域に待機させる。その後、最終停止コマンドを受信したことに基づいて、各絵柄が静止した状態となるように最終停止表示させる。
ここで、上記のように主制御装置から送信されたコマンドに基づいて表示制御装置において表示制御が行われる構成をより効果的なものとすることが好ましい。この点、コマンドを用いた通信に係る構成や絵柄の表示のさせ方に係る構成といった表示体系について未だ改善の余地がある。
なお、上記問題は、第1制御手段から送信された指令情報に基づいて、第2制御手段において表示制御が行われる他の遊技機においても同様に発生する問題である。
以下に、以上の各特徴を適用し得る各種遊技機の基本構成を示す。
パチンコ遊技機:遊技者が操作する操作手段と、その操作手段の操作に基づいて遊技球を発射する遊技球発射手段と、その発射された遊技球を所定の遊技領域に導く球通路と、遊技領域内に配置された各遊技部品とを備え、それら各遊技部品のうち所定の通過部を遊技球が通過した場合に遊技者に特典を付与する遊技機。
スロットマシン等の回胴式遊技機:複数の絵柄を可変表示させる絵柄表示装置を備え、始動操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が開始され、停止操作手段の操作に起因して前記複数の絵柄の可変表示が停止され、その停止後の絵柄に応じて遊技者に特典を付与する遊技機。