JP5458205B1 - 手術用器具 - Google Patents

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Abstract

【課題】線維柱帯の切除手術に用いられる器具であって、従来の器具よりも切除機能が向上した手術用器具を提供する。
【解決手段】手術用器具1は、プローブ2を備え、このプローブ2を線維柱帯内に挿入して線維柱帯を切除する。プローブ2は第1電極部22、第2電極部23を備え、この電極間で放電を起こして線維柱帯を切除する。それとともに、プローブ2は保護部21を備え、その保護部21のプローブ進行方向前方側の端部を鋭利な刀部210、212としている。プローブの進行により刀部210、212によっても線維柱帯は切断される。
【選択図】図1

Description

本発明は手術用器具に関する。
周知のとおり、緑内障は眼の主要な病気のひとつであり、失明の原因ともなり得るので適切な治療が不可欠である。緑内障は眼圧が長期間にわたって異常に高い数値を持続したときに起き、眼圧の上昇は、房水の流出が損なわれることにより生じる。したがって緑内障に対しては、適切に房水が流出するための治療が施される。
緑内障の治療法としては、薬の処方(目薬や経口薬)もあるが、外科的処置もある。線維柱帯の異常が房水の流出を損なう原因となることから、外科的処置として線維柱帯を除去する手術がある。この手術のための器具が下記特許文献1で提案されている。
特許第4685786号公報
上記特許文献1の器具は、器具の先端で放電を起こすことによって線維柱帯を焼いて切除する器具である。同文献ではこの器具の有効性が主張されているが、本発明者はこうした切除機能にはさらなる改良の余地が十分にあると考える。改良によって線維柱帯切除がより容易に、より迅速に行えるようになれば緑内障の患者にとって大きな利点となる。
そこで本発明が解決しようとする課題は、上記に鑑み、線維柱帯の切除手術に用いられる器具であって、従来の器具よりも切除機能が向上した手術用器具を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る第1の手術用器具は、線維柱帯切除手術において施術者が把持する把持部と、その把持部の端部から棒状に延設された棒状部と、を備え、前記棒状部は、線維柱帯切除手術において切除対象の部位を切除する第1切除部と、前記棒状部の先端側および側方側から前記第1切除部を覆う覆い部と、前記覆い部における線維柱帯切除手術での前記第1切除部の進行方向の端部の少なくとも前記第1切除部の側方であり前記第1切除部よりも進行方向側の位置に形成された切断刃からなる第2切除部と、を備えたことを特徴とする。この発明によれば、棒状部を線維柱帯の内部で進行させることにより、第2切除部によって効果的に線維柱帯が切断できる。したがって第1切除部による切除と相まって、線維柱帯の切除機能が顕著に向上する。
前記第2切除部は、前記覆い部において線維柱帯切除手術での前記第1切除部の進行方向の端部における、少なくとも前記第1切除部の側方側に形成されたとしてもよい。この発明によれば、棒状部を線維柱帯の内部で進行させることにより、少なくとも側方側に備えられた第2切除部によって効果的に線維柱帯が切断できる。したがって第1切除部による切除と相まって、線維柱帯の切除機能が顕著に向上する。
前記第2切除部は、前記覆い部における線維柱帯切除手術での前記第1切除部の進行方向の端部に、前記第1切除部を前記先端側および側方側から覆うように連続的に形成されたとしてもよい。この発明によれば、棒状部を線維柱帯の内部で進行させることにより、先端側と側方側に連続的に備えられた第2切除部によって効果的に線維柱帯が切断できる。したがって第1切除部による切除と相まって、線維柱帯の切除機能が顕著に向上する。
また前記第1切除部は、1対の電極を備えて、その電極間に放電を起こして線維柱帯切除手術における切除対象の部位を切除するとしてもよい。この発明によれば、放電による第1切除部と切断刀による第2切除部とが効果的に協働することで、線維柱帯の切除機能が顕著に向上する。
また前記第1切除部は、運動する運動切断刀を備えて、動力を供給して前記運動切断刀を運動させて線維柱帯切除手術における切除対象の部位を切除するとしてもよい。この発明によれば、運動切断刀による第1切除部と切断刀による第2切除部とが効果的に協働することで、線維柱帯の切除機能が顕著に向上する。
また上記課題を解決するために、本発明に係る第2の手術用器具は、線維柱帯切除手術において施術者が把持する把持部と、その把持部の端部から棒状に延設されて線維柱帯切除手術において切除対象の部位を切除する第1切除部を備えた棒状部と、を備えた取り付け対象の器具に取り付けるための取り付け部と、前記棒状部の先端側および側方側から前記第1切除部を覆う覆い部と、前記覆い部における線維柱帯切除手術での前記第1切除部の進行方向の端部の少なくとも前記第1切除部の側方であり前記第1切除部よりも進行方向側の位置に形成された切断刃からなる第2切除部と、を備えたことを特徴とする。この発明によれば、棒状部を線維柱帯の内部で進行させることにより、第2切除部によって効果的に線維柱帯が切断できる。したがって簡易な取り付け形態によって、第1切除部による切除と相まって、線維柱帯の切除機能が顕著に向上する。
また前記取り付け部によって前記取り付け対象の器具に取り付けられた状態で、前記覆い部と前記第1切除部との間の距離を調節する調節部を備えたとしてもよい。この発明によれば、覆い部と第1切除部との間の距離を適切に調節することによって、線維柱帯切除に適切な位置に取り付けることができる。
本発明の1実施例における手術用器具を示す図。 図1の軸方向に平行な断面図。 図1の軸方向に直交の断面図。 制御装置に接続した状態を示す図。 図1の器具の内部構成の例を示す図。 本発明の別の実施例における手術用器具を示す図。 図6の器具の内部構成の第1の例を示す図。 図7において内筒部が回転した状態を示す図。 図6の器具の内部構成の第2の例を示す図。 図6の器具の内部構成の第3の例を示す図。 図6の器具の内部構成の第4の例を示す図。 図11において内筒部が運動した状態を示す図。 本発明の手術用器具を用いた緑内障手術の様子の例を示す図。 図13の拡大図。 保護部の第1の変形例を示す図。 保護部の第2の変形例を示す図。 保護部の第3の変形例を示す図。 本発明の手術用器具を硝子体切除用システムとの兼用の様子を示す図。 図14の拡大図。 緑内障手術において図19に先立つ手順の例を示す図。 本発明の手術用器具の取り付けタイプの実施形態を示す図。 取り付けタイプの手術用器具を取り付けた第1の例を示す図。 取り付けタイプの手術用器具を取り付けた第2の例を示す図。 取り付けタイプの手術用器具の調節用装置の例を示す図。 取り付けタイプの手術用器具の第2の例の斜視図。 取り付けタイプの手術用器具の第3の例の斜視図。 図25又は図26を側方から見た図。 保護部の第4の変形例を示す図。 図28の斜視図。 保護部の第5の変形例を示す図。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ説明する。まず図1は、本発明の1実施例における手術用器具1(以下、器具)である。器具1は、緑内障手術における特に線維柱帯の切除で使用される器具であり、プローブ2、胴体部3、ケーブル・チューブ部4を備える。
プローブ2は、胴体部3の先端側から延びて、患者の眼に挿入される部位である。プローブ2は胴体部3の端部から直線状に延設された棒形状あるいは円筒形状を有し、1点鎖線内の拡大図に示されているように、先端側に位置する径が小さい小径部2aと、胴体部3側の大径部2bとからなる。プローブ2(小径部2a、大径部2b)の径は、線維柱帯の切除に好適な数値(例えば4mm程度)とすればよい。
胴体部3(把持部)は、手術時に施術者が把持する部位であり、例えば把持に適した筒型形状で、内部に切断部を駆動する駆動部などを備える(後述)。また切除された線維柱帯や、洗浄液、その汚れた廃液などは、胴体部3の内部を通って、プローブから(あるいはプローブへ)送られる。
ケーブル・チューブ部4は、胴体部3の後端側から延びて、電力供給、洗浄液供給、切除部位および廃液回収に関係する。ケーブル・チューブ部4は複数のケーブルあるいはチューブを備えるとすればよく、例えば図1等のように、電力ケーブル40、洗浄液チューブ41、廃液チューブ42の3本(あるいは電力ケーブル40の両極線をそれぞれ数えれば4本)を備えるとすればよい。
電力ケーブル40は、後述するようにプローブ2の先端における切除処理のための電力を供給する。洗浄液チューブ41は、線維柱帯の切除施術中に施術部に洗浄液を送るためのチューブである。廃液チューブ42は、切除された線維柱帯や、施術部洗浄後の汚れた廃液や手術部位からの出血などを回収して廃棄するためのチューブである。
プローブ2において、小径部2aは、保護部21、第1電極部22、第2電極部23を備える。図2は小径部2aの先端付近における軸線方向に平行な断面による断面図、図3は軸線方向に直交する断面による断面図である。図1から図3の例で保護部21と第2電極部23は、先端部分が閉じられた1つの円筒形状の部材を一部変形することで形成されている。
具体的には、先端部分が閉じられた1つの円筒形状の部材の先端から主に軸線方向に沿う方向で切り込みを入れて、その切り込みの一方を円筒の内側に向けて断面S字状に屈曲させる。この屈曲した部分が第2電極部23であり、切り込みのもう一方の側が保護部21である。第1電極部22は、保護部21と第2電極部23とは別部材として棒形状で形成されている。
図1に示すとおり、第2電極部23に貫通孔が形成され、その貫通孔に第1電極部22が挿入される。第1電極部22は、第1電極部22の先端(尖った形状に形成される)が、第2電極部23の先端と対向する位置で固定される。これにより、プローブ2の先端において保護部21の端部が開口部を形成し、その開口部内に第1電極部22と第2電極部23とが配置される。
第1電極部22(および保護部21)と第2電極部23とは導体(例えば金属)で形成すればよい。図2に示すとおり、棒状の第2電極部22の先端以外の表面は絶縁膜220で覆う。これにより第1電極部22と第2電極部23の導体部分は直接接触しない。
後述するように、線維柱帯の切除手術において、プローブ2の先端が線維柱帯内に挿入される。その際、線維柱帯の内部で、上術の開口部(保護部21の端部)を前側にしてプローブ2の先端を進行させる。この観点から、以下の記載でプローブ2において開口部の側を前方側などと呼称する場合がある。
プローブ2の大径部2bは、その先端近傍の側面に孔部24を備える。孔部24は、洗浄液を供給する部位から連結しており、手術時に、孔部24からプローブ先端方向に向けて、すなわち施術位置周辺に向けて、洗浄液が流出(噴出、射出)する。プローブ2の材質は、例えば金属や剛性を有する樹脂などとすればよい。
本発明の主要な特徴として、保護部21の(上記の意味での)プローブ前方側の端部が、接触したものを切断するように剃刀状の鋭利な形状に形成されている。すなわち、保護部21の(上記の意味での)プローブ前方側の端部のうちでプローブ2先端側に刀部210が軸線方向に交差する方向に形成されている。
そしてプローブ2側方側に刀部212が略軸線方向に形成されている。これにより、プローブ2の開口部の端部は先端側と側方側とに渡って連続して形成された刀部となっている。線維柱帯内部でプローブ2先端が前方へ進行する際に、これらの刀部210、212が自身に接触する線維柱帯を切断する。
図2などに示された形態では、保護部21が(したがって刀部210、212も)前方へせり出すように形成されている。さらに刀部210はプローブ前方側に向けて尖った突端部211を有する。プローブ2を線維柱帯内で前方に進行させるときに、このような前方にせり出した形状、さらには突端部211の存在が線維柱帯の切断にとって好適となる。
器具1は、図4に示されているように、手術時には制御装置5に接続して使用される。制御装置5は、主要な構成として、電源50(電力供給部)、洗浄液供給部51、吸引部52を備える。電源50は、器具1の電力ケーブル40が接続されることにより、器具1に電力を供給する。供給された電力により器具1は、第1電極部22、第2電極部23の間で放電が発生する。電源50は、商用電力を器具1に適した電力(例えば相対的に低い電圧値)に変換して、器具1に供給するとすればよい。洗浄液供給部51は、器具1の洗浄液チューブ41が接続されることにより、器具1に洗浄液を供給する。吸引部52は、器具1の廃液チューブ42が接続されることにより、器具1を通じて廃液、切除部位などを吸引する。
図5は図1から図3の器具1の内部構成例を示す図である。なお図5は模式図であり、例えば図示縦方向の長さが圧縮されている。小径部2aと大径部2bとの境界のテーパ部には孔部24が形成され、さらには胴体部3を通って洗浄液チューブまで貫通する、洗浄液のための通路が形成されている。洗浄液は、適切な水圧とともに制御装置5の洗浄液供給部51から供給されて、胴体部3、プローブ2を通過して孔部24から手術部位周辺へ噴出される。
また電力ケーブル40内を通る導線は、胴体部3を通って一方が第1電極部22に接続され、もう一方が第2電極部23に接続されている。これにより、手術時に電力ケーブル40を通じて第1電極部22、第2電極部23に電力が供給されると、両電極間に放電が発生する。保護部21、第2電極部23を備えた円筒部は胴体部3内部まで達しており、そこで廃液チューブ42と連結している。手術時には、廃液チューブ42を通じて吸引力が供給されることで、施術部位の廃液がプローブ先端の開口部から吸引されて廃液チューブ42を通って装置5に回収される。
手術時に施術者は、上述の開口部を前側として線維柱帯内部にプローブ2の先端を進行させる。そして廃液チューブ42を通じた吸引も開始する。こうした進行(あるいは進行と吸引)の作用により、線維柱帯のうちで刀部210、212に接触した部分が切断される。さらに、第1電極部22と第2電極部23の間で発生した放電によって、放電領域に入り込んだ線維柱帯も切除される。
その際に、保護部21(特にプローブ先端側の面)は、シュレム管外壁などを放電による切除から保護する。このように器具1では、刀部210、212による切除と、第1電極部22と第2電極部23の間の放電による切除との、2つの切除機能によって効果的に切除すべき部位を切除し、切除すべきでない部位は保護部21で効果的に保護することができる。
本発明の器具1のプローブ2の先端構造は、図1のような形態に限定されない。図6には別の形態が示されている。図1の形態で放電で焼き切る構造が、図6の形態ではカッタで切断する構造に置き換えられている。図1、図6とも保護部21の端部に刀部210、212を有する点は同じである。なお異なる図で同符号の部位は同様、同機能の部位を示しており、重複する説明は簡略化あるいは省略する。
図6の形態では、プローブ2の小径部2aにおいて、内部が空洞の円筒部25の先端近傍の側面に孔部250が形成されている。円筒部25の孔部250の裏側に保護部21が配置され、保護部21には図1と同様の刀部210、212、突端部211などを備える。円筒部25の内部は後述するように吸引機構と接続されていて、孔部250の内部に線維柱帯の一部が吸引される。孔部250の内部にはカッタ(切断部)が備えられており、カッタによって吸引された線維柱帯が切断されて、胴体部3の方へ吸引される。手術により汚れた洗浄液も、孔部25から胴体部3の方へ吸引される。
図7から図12は、図6の先端構造に対応する器具1の内部構成の例を示す断面図である。なお図7から図12も模式図であり、縦方向の寸法などは圧縮されている。
まず図7は、1実施形態におけるプローブ2、および胴体部3の軸方向断面図を示している。同図に示されているように、プローブ2は図6に示された円筒部25を、外筒部(外側の円筒部)として、その内側に内筒部27(内側の円筒部)を備える。内筒部27は外筒部(円筒部25)に対して相対運動可能なように配置されている。
内筒部27は内部が空洞とされた円筒形状であり、図7の位置関係で外筒部25の孔部250と重なる位置に、内筒部27にも孔部26が形成されている。内筒部27の内部に形成された通路は、孔部26から廃液チューブ42まで連結する。
図7に示すようにプローブ2は、例えば胴体部3に形成された孔部に挿入して固定された形態とすればよい。また保護部21も、例えば小径部2aと大径部2bとの境界のテーパ部に形成された凹部に挿入して固定された形態とすればよい。図7等では、円筒部25(外筒部)を大径部2bと一体で形成しているが、円筒部25(外筒部)は大径部2bとは別体として形成し、大径部2b内に固定する形態でもよい。
手術時にはプローブ2の先端が図示左側を前側として線維柱帯内部を進行する。これにより上記例と同様に、線維柱帯のうちで切断刀部210、212に接触した部分が切断される。そして孔部250と孔部26とが重なった位置関係となったときに、制御装置5の吸引部52が吸引することにより孔部250、26の内部にその近傍の線維柱帯(線維柱帯全体のうちの一部)が吸引される。手術部位を洗浄した洗浄液も孔部250、26内に吸引される。
図7の実施形態においては、胴体部3内にモータ30が装備されている。モータ30は、胴体部3の中央の位置に、プローブ2の軸線と回転軸線を共有するように配置される。そしてモータ30は、電力ケーブル40を通じて制御装置5から電力が供給されて、内筒部27にプローブ2の軸線周りの回転運動をさせる。図8は、内筒部27が90度ほど回転した状態を示している。
内筒部27の孔部26の端部(例えば図示左右方向の端部)にはカッタ26aが形成され、内筒部25が外筒部20に対して回転することにより、上述のとおり孔部22、24内に吸引された線維柱帯がカッタ26aによって切断される。外筒部25の孔部250にもカッタを形成してもよい。切断された線維柱帯と廃液は、内筒部27内の通路を通って、さらに廃液チューブを通って吸引部52まで吸引される。吸引部52に貯留された線維柱帯や廃液は、例えば適切な方法で廃棄すればよい。
次に図9は別の実施形態を示している。図9の実施形態では、モータ30の替わりにエアシリンダの機構が装備されている。そして制御装置5’は電力供給部50の替わりにポンプ53を装備する。また器具1は、電力ケーブル40の替わりに、動力としての空気を供給するエアチューブ40’を装備する。器具1は、胴体部3内にシリンダ31が形成され、ピストン32、ねじ部33を備える。
シリンダ31はプローブ2と軸線を共有する円筒形状で形成され、シリンダ31内に図示上下方向に移動可能なようにピストン32が配置される。ピストン32には、ねじ溝が形成され、ねじ部33のねじ溝とねじ嵌合している。ねじ部33は内筒部25に固定されている。
以上の構成で、制御装置5’のポンプ53から動力として空気の供給および吸引が繰り返されると、ピストン32が上下運動し、その上下運動がピストン32とねじ部33間のねじ機構によって、ねじ部33の回転運動に変換される。ねじ部33が回転運動することにより、内筒部27が回転する。これにより内筒部27の孔部26のカッタ26aが、孔部26内に吸引された線維柱帯を切断する。
次に図10の実施形態もエアシリンダ構造を備える。具体的には、図10の器具1は胴体部3内に、シリンダ34が形成され、ピストン35、ギア36、ラック37を備える。シリンダ34はその軸方向が、プローブ2の軸方向と直交な円筒形状として形成され、ピストン35が図示左右方向に移動可能なようにシリンダ34内に配置される。ラック37はピストン35に固定されて、ピストン37と一体に左右に運動する。ギア36は、ラック37との間でカム機構を形成し、ラック37の並進運動を回転運動に変換する。ギア36は内筒部27に固定されている。
以上の構成で、器具1は、制御装置5’のポンプ53から動力として空気の供給および吸引が繰り返されると、ピストン32が図示左右運動し、それと一体にラック37も左右運動し、その左右運動がラック37とギア36間のカム機構によって、ギア36の回転運動に変換される。ギア36が回転運動することにより、内筒部27も回転する。これにより内筒部27の孔部26のカッタ26aが、孔部26内に吸引された線維柱帯を切断する。
なお図7、図8における内筒部27の回転運動は同一方向への一定速度の回転運動であり、図9、図10における内筒部27の回転運動では、正逆方向への所定回転角度幅の回転を繰り返すとすればよい。
次に、図11、図12の実施形態では、内筒部27が図示上下方向へ平行移動する。具体的に器具1にはシリンダ31が形成され、ピストン38を備える。シリンダ31はプローブ2と軸線を共有する円筒形状で形成され、シリンダ31内に図示上下方向に移動可能なようにピストン38が配置される。ピストン38は内筒部27に固定されている。
以上の構成で、制御装置5’のポンプ53から動力として空気の供給および吸引が繰り返されると、ピストン38が図示上下運動する。ピストン38が上下運動することにより、内筒部27も上下運動する。図12には内筒部27が図示下方に移動した状態が示されている。内筒部27が下方へ移動することにより、内筒部27の孔部26のカッタ26aが、孔部246に吸引された線維柱帯を切断する。
この実施形態では、内筒部27の孔部26における上側の端部にカッタ26aを形成すればよい。あるいは内筒部27の運動距離を長くして、内筒部27の孔部26における上下両側の端部にカッタ26aを形成して、上下両方のカッタ26aで線維柱帯を切断するようにすることも好適である。もちろん外筒部25の孔部250にもカッタを備えてよい。
以上の実施形態の器具1は、緑内障の外科的処置における線維柱帯の切除において使用される。図13に示された眼の構造の概要図を参照しつつ説明すると、眼の虹彩104の図示下部に位置する毛様体において房水は生成される。通常、この房水は、水晶体105に押し寄せた後に、前眼房101の周方向にある隅角から流れ出る。隅角には線維柱帯102やシュレム管103が存在する。線維柱帯102は房水の流出を制限するフィルタの役目を果たす。シュレム管103は房水が流れ出るための構造を有する。
線維柱帯102が異常に変形したり機能異常を起こした場合、前眼房101を出る房水の流れが制限される。それにより眼圧が異常に増加し、緑内障となる。本発明による手術用器具1は、この緑内障に対する外科的処置において効果的な器具である。器具1を用いた手術方法の一例は以下のとおりである。
手術の準備として、線維柱帯が隅角鏡を通して正面から見えるように、顕微鏡を術者側に30から45度傾けると同時に患者の頭位も決める。角膜をナイフ(例えば1.7mm)で切開し、房水を少し抜いた後、粘弾性物質を注入する。見やすくするために、特に隅角部分に充満させるとよい。隅角鏡を置いて線維柱帯を確認したらプローブ2をシュレム管103に挿入し、切除を開始する。図14の示されたとおり、シュレム管103内において、プローブ2の開口部(上述)が形成された側へ向かって器具1を動かす。したがって器具1が前進する方向は、刀部210、212が形成された方向と同じとなる。
時計回り、その後反時計周りに切除を進めると、90から120度まで切除できる。(白内障手術を同時に行う場合には、ここで1.7mmの角膜切開創を3.0mmまで広げ、レンズを入れる。)最後に粘弾性物質と逆流性出血を洗って完全に除去したら、創口部から房水が漏れてこないことを確認する。ある程度眼圧が保たれるように、必要ならば1針(例えば10−0ナイロン)ほど傷口を縫合する。
この手術の利点としては例えば、角膜100の切開創が小さく、シュレム管が損傷しにくいという低侵襲性と、線維柱帯を実際に見ながら切れる確実性等があげられる。また術後の重篤な合併症が少ないので、早期、中期で21mmHg以上の高眼圧の緑内障であれば、点眼を増やすよりも早期の手術適応の可能性がある。
以上のとおり、本発明の器具1を用いて、繊維柱帯が切除(掻爬)される(なお線維柱帯切除との表現には、前房側からシュレム管内壁を所定角度範囲で切除し、線維柱帯を露出させること等も含まれるとする)。この際、シュレム管外壁は保護部21により保護される。
本発明の実施形態において刀部210、212等は多様な形状をとってよい。例えば図15に示すように、保護部21(刀部210、212)が前方にせり出さない形状でもよい。また保護部21のプローブ先端側の形状は、例えば図16、図17に示された形状などとしてよい。図16、図17はプローブ先端を前方側から見た図である。
保護部21のプローブ先端側の表面形状は、図16の例では(先端側に向けて膨出する)曲面形状、図17の例では略平面状である。これらの例のように、保護部21のプローブ前方側の端部が刀部210、212として鋭利な形状により線維柱帯を切断する一方で、保護部21のプローブ先端側の端部は尖っていない曲面、平面などとして切除すべきでない部分(シュレム管外壁など)を傷つけず、確実に切除から保護する。またこのような形状は保護部21がプローブの先端をシュレム管に沿って進行させるガイド部の役割も果たすためにも好適である。
プローブの先端の形状においては、保護部21のプローブ先端側表面から、図1の形態では放電領域まで、図6の形態では孔部250までの距離を適切にすることが重要である。図19に示すとおり、この距離dは、保護部21が線維柱帯に進入してからシュレム管に当接するまでの範囲内にある状態で、放電領域あるいは孔部250が切除すべき線維柱帯の位置に来るように設定する。ここで、切除すべき線維柱帯の位置とは、例えば線維柱帯のうちで眼の中心に近い側(プローブを挿入する側)を含むとすればよい。
なお図1に示すように保護部21の前側に突端部211を有することは、図20に示すように手術の最初にプローブの先端を線維柱帯の中に進入させるときに、保護部21の突端部211を線維柱帯に突き刺してプローブを進入させるのに好適である。
本発明の緑内障の手術用器具1は、既存の医療装置との並存が可能である。そのしくみが図18に示されている。
図18には、硝子体切除用の手術システムが示されている。同システムは、硝子体切除用制御装置500と硝子体切除用器具200を備える。硝子体切除用制御装置500は、硝子体切除用の電力供給部50(あるいはポンプ53)、洗浄液供給部51、吸引部52を備える。硝子体切除用器具100は、ケーブルあるいはチューブを備えて、それらを電力供給部50(あるいはポンプ53)、洗浄液供給部51、吸引部52に接続することにより、硝子体切除用器具200の切除部に患部(硝子体)切除のためにカッターを駆動する電力が供給され、手術部位へ洗浄液が供給され、切除された部位(硝子体)や、手術部位から還流された廃液が吸引、回収される。これにより硝子体切除用器具200を用いた硝子体切除手術が可能となる。
発明者の知見によれば、線維柱帯切除用の制御装置5(5’)に要求される機能は、既存の硝子体切除用制御装置500との機能と近く、両装置の兼用が十分可能である。すなわち、本発明の器具1に対する上述の制御装置5(5’)は、図18の硝子体切除用制御装置500で兼用(代行)することができる。これにより、従来は別々に構築されていた硝子体切除用のシステムと線維柱帯切除用のシステムとの装置部分を兼用して、眼科医療におけるシステムの簡素化、省スペース化、低コスト化に大きく寄与できる。なお硝子体切除用制御装置500に限らず、他の同様な機能を有する装置でもよい。
上記実施例は特許請求の範囲に記載された趣旨の範囲内で任意に変更してよい。例えば器具1は、硝子体の切除手術に用いてもよい。器具1は、硝子体切除に必要な装備を有するので、緑内障と硝子体の両方に対応できる高い汎用性を実現できる。
以上述べてきた実施形態は、保護部21と、それ以外のプローブ2、胴体部3、ケーブル・チューブ部4とが一体となった形態であったが、本発明はこうしたいわば一体型の形態に限定されない。図21には、保護部のみを取り付ける取り付け型の形態の本発明の手術用器具の斜視図が示されている。これを取り付ける対象は、例えば図18に示した硝子体切除用器具200(以下、器具)とすればよい。以下では器具200に取り付けた場合を説明する。
なお器具200は、保護部が形成されていないこと以外では図6などの器具1と同様の構造、形状を有するとする。図22に示すとおり、器具200のプローブは、小径部と大径部とを有し、小径部に孔部221が形成され、大径部から小径部へのテーパ部に孔部231が形成されている。孔部231からは施術部へ洗浄液を供給する。孔部221はカッタを装備して、線維柱帯(あるいは硝子体)を吸入して、カッタで切断し、廃液とともに制御装置へ送る。
図21に示された取り付けタイプの手術用器具300(以下、器具)は、先端側円筒部310(取り付け部)、胴体側円筒部320(取り付け部)、接続部330(調節部)からなる。先端側円筒部310に保護部311が形成され、先端側円筒部310、胴体側円筒部320、接続部330の順で、器具200のプローブの先端側から配置される。先端側円筒部310、胴体側円筒部320、接続部330には、軸方向中央部に器具200のプローブが挿入される貫通孔312が形成されている。そして保護部310のプローブ前方側端部に刀部313、315、突端部314が形成されている。刀部313、315、突端部314はそれぞれ上述の刀部210、212、突端部211と同様なので重複する説明は省略する。
図22は、器具300が器具200に取り付けられた、すなわち器具200が貫通孔312に挿入された状態での一部断面図である。器具300は、器具200に取り付けるための構造とともに、保護部311の位置決めのための構造を備える。以下で、それらを説明する。
先端側円筒部310には、鍔部316、嵌合部317が形成されている。鍔部316は、先端側円筒部310の外周面において周方向外方に突出する形状で形成されている。嵌合部317は、先端側円筒部310の図示下端つまり胴体側の端部において、軸方向に向かう凹形状と凸形状とが周方向に沿って繰り返すように形成されている。
接続部330には、凹部332、ねじ溝部331が形成されている。凹部332は、接続部330の内周面に周方向に沿って形成された凹形状であって、先端側円筒部310の鍔部316と嵌合する。これにより先端側円筒部310と接続部330とは周方向に摺動可能となる。ねじ溝部331は、接続部330の内周面の凹部332より図示下部に形成されたねじ溝である。
胴体側円筒部320は、ねじ溝部321、嵌合部323、ボルト322を備える。ねじ溝部321は、胴体側円筒部320の外周面に形成されたねじ溝であり、接続部330のねじ溝部331と螺合する。これにより、接続部330を軸周りに回動させることによって、接続部330と胴体側円筒部320とは図示上下方向に相対移動する。
嵌合部323は、胴体側円筒部320の図示上端側において、軸方向に向かう凹形状と凸形状とが周方向に沿って繰り返すように形成されて、先端側円筒部310の嵌合部317と嵌合する。これにより胴体側円筒部320と先端側円筒部310とは、嵌合部317、323が嵌合しつつ図示上下方向に相対移動が可能となる。
ボルト322は、胴体側円筒部320の側面に形成された貫通孔に螺合されている。器具300に器具200が挿入されて適切な位置となった状態でボルト322を締め付けることによって、胴体側円筒部320が器具200に対して固定(位置決め)される。なおボルト322を備えず、胴体側円筒部320が適切な圧力で圧入されることによる固定でもよい。
ボルト322によって胴体側円筒部320が器具200に固定された状態で、接続部330を軸周りに右回りに回動させると、胴体側円筒部320は固定されているので、接続部330が回動しながら図示上方へと移動する。鍔部312と凹部332とが嵌合しているので、接続部330の上方への移動につれて、先端側円筒部310も図示上方に移動する。先端側円筒部310の上方への移動の際、嵌合部317、323の嵌合によって、先端側円筒部310軸周りの回動は規制(禁止)される。したがって先端側円筒部310は回動せずに、図示上方に平行移動する。当然、接続部330を逆方向に回動させると、先端側円筒部310は図示下方に平行移動する。
以上のとおり、器具300に器具200のプローブを挿入して、ボルト322で胴体側円筒部320を器具200へ固定し、その状態で接続部330を回動させることによって、先端側円筒部310が図示上下方向に平行移動する。これにより、接続部330の回動角度を調節することによって、保護部311の適切な位置決めが行える。つまり、保護部311(のプローブ先端側表面)から孔部221までの距離(図19のd)が適切に調節できる。このような取り付けタイプの器具300は既存の眼科手術用器具(例えば硝子体手術用器具や緑内障用の器具に限定されず、他の眼科手術用器具でもよい)に取り付けて使用できるので、顕著なコスト削減の効果を奏する。
本発明の取り付け型器具は緑内障手術で用いられる既存の器具に取り付けてもよい。図23には、図21の取り付け型器具300を上記特許文献1に記載された器具に取り付けた例が示されている。特許文献1の器具6は、本発明の図1の器具とは保護部の形状が異なっており、図1の器具1の保護部21がプローブの側方にも形成されているのに対して、特許文献1の器具6はプローブ先端側にのみ形成されている。そして図1の保護部には刀部210、212が形成されているのに対して、特許文献1の器具では保護部の端部に刀部を備えない。
図23に示された器具6は、保護部61、電極部60、62を備える。こうした器具6に対して、図22と同様に本発明の器具300を取り付けることにより、プローブの側面部にも保護部が備えられ、さらにプローブ前方側に先端側と側方側に渡って連続的に刀部が備えられる。よって線維柱帯の切除がより容易に行える。
器具300において、接続部330を回動して、保護部311(の上端)から孔部221までの距離を適切に調節する処理は、施術者(作業者)が手作業で行ってもよいが、微細な位置決めであるので、機械によっておこなってもよい。この目的のための装置の例が図24に示されている。
図24の装置400は、筐体のなかに(器具200が挿入されてボルト322で固定された)器具300を配置(把持)して、保護部311を精密に位置決めするための装置である。装置400は、主要な構造として、把持部401、挟持部402、403、モータ410、計測部420、制御部430を備える。
把持部401は、接続部330を径方向外方から把持する部位である。把持部401は、周方向に間隔を置いて、あるいは全周に渡って配置されているとすればよい。挟持部402、403は、棒状の部位であり、図示左右方向に移動可能で、図24に示されるように、保護部311の上端(図示右端)と孔部221の上端(図示右端)とを(適切な圧力で)挟持する。
モータ410は、例えばステップモータなどとして、把持部401が軸周りの指令された角度だけ回動するように駆動する。計測部420、挟持部402、403のそれぞれの先端間の距離を計測する。計測方法は周知の電子計測の手法を用いればよい。
制御部430は、通常のコンピュータと同様の構造、すなわち各種計算などの情報処理のためのCPU、CPUの作業領域としての一時記憶部のRAM、プログラムなど必要な各種情報を記憶するROM等を備える。制御部430は、計測部420の計測結果をモニターしながら、保護部311(の上端)から孔部221までの距離が、線維柱帯切除手術で最適な距離となるための回動角度をモータ410に指令する。
制御部430によるこの制御は、例えばフィードバック制御とすればよい。すなわち、計測部420での計測値をフィードバックして目標値(目標距離)との差分を算出し、この算出結果を適切に設計されたコントローラに入力して、その出力をモータ410への入力値とすればよい。こうした制御によって、保護部311(の上端)から孔部221までの距離を最適な距離に調節できる。
本発明の手術用器具の取り付けタイプの形態は以上の例に限定されない。図25から図27に別の実施形態が示されている。図25は、取り付けタイプの手術用器具の第2の例の斜視図、図26は、取り付けタイプの手術用器具の第3の例の斜視図、図27は、図25又は図26を側方から見た図である。図25から図27の例は、図21等の例よりも簡素な形態であり、既存の器具(例えば器具200の場合で説明する)の先端のみに取り付ける形態である。
図25に示された器具300aは、左右両側に湾曲して延設された湾曲部340の図示上方に保護部311を有する。保護部311は、上述の保護部21と同様の形状とすればよい。器具300aは、器具200のプローブが湾曲部340内に挿入されるようにして、例えば器具200の先端側から装着する。
器具300aの器具200への固定は、例えば器具200のプローブが湾曲部340に圧入されることによってもよい。あるいは、器具200のプローブを湾曲部340内に挿入した後に、湾曲部340をペンチなどの器具で外側から加締める(押圧して変形する)ことによって器具200に固定する形態でもよい。あるいは湾曲部340の内側に接着材(粘着材)層を形成して、接着(粘着)によって器具200に固定してもよい。
図26に示された器具300bは、円筒形状の円筒部341の図示上方に保護部311が形成されている。器具300bは、器具200のプローブが円筒部341内に挿入されるようにして、例えば器具200の先端側から装着する。
器具300bの器具200への固定は、例えば器具200のプローブが円筒部341に圧入されることによってもよい。あるいは、器具200のプローブを円筒部341内に挿入した後に、円筒部341をペンチなどの器具で外側から加締める(押圧して変形する)ことによって器具200に固定する形態でもよい。あるいは円筒部341の内側に接着材(粘着材)層を形成して、接着(粘着)によって器具200に固定してもよい。
器具300a、300bにおいても、上述のように図19で示したような保護部311のプローブ先端側表面から吸入口221までの距離dを適切にする必要がある。この目的のために、器具300a、300bには、図27に示されているように、保護部311の図示下側に例えば板形状の長さ調節部311aが形成されている。
長さ調節部311aの形成によって、図27に示されているように、器具200の先端が長さ調節部311aに当接するように器具300a、300bを器具200に固定すれば、保護部311のプローブ先端側表面から吸入口221までの距離dが、上述の意味で緑内障手術の線維柱帯切除に適切な長さになるようにする。長さ調節部311aの厚さは、この要求を満たすように、既存の器具200の寸法に適して設定しておく。以上のような簡易な形態の器具300a、300bを、既存の器具(器具200に限定されない)に装着することによって低コストで緑内障手術用の器具が作成できる。
なお上記実施例ではプローブ2の開口部の端部に連続的に刀部210、212(313、315)を形成したが、本発明はこうした形態には限定されない。図28から図30には別の実施形態が示されている。図28、図29の例では、開口部のうちでプローブ先端側の部位210(313)は切断刀として形成せず、その表面を曲面状に形成している。開口部の両側方には刀部212(315)を形成している。この形態は切除すべきでない部分(例えばシュレム管外壁)の保護を重視した形態である。
なお側方部において切断刀を形成する位置は、側方部の全てとしてもよいが、側方部の一部としてもよい。側方部の一部とする場合、線維柱帯切除手術でプローブ2を線維柱帯内に挿入した状態において切除すべき部分に当接する領域には切断刀を形成し、それ以外の領域(保護すべき領域を含む)には切断刀を形成しないようにすればよい。このような形態により、切除すべき部分の確実な切除と切除すべきでない部分の保護とが両立できる。
図30の形態では、図28、図29の形態で、開口部のプローブ先端側の部位210(313)のうちで突端部211(314)のみは鋭利に尖った形状に変形している。プローブ先端側の部位210(313)で突端部211(314)以外は表面を曲面状としている。このような形状とすることにより、突端部で線維柱帯をひっかいてこじ開ける機能と、切除すべきでない部分の保護の機能とを両立させることができる。なお突端部211(313)の突出方向は、プローブ2の前方側に向かう方向、あるいはその方向からプローブ2の根元側に斜めに(少し)傾いた方向などとすれば、切除すべきでない部分の保護機能を突端部211(313)の存在が損なわないようにできる。
以上の形態を含めて本発明では、プローブ2の開口部の端部の少なくとも一部を切断刀とする形態でよい。その際、プローブ2の開口部の端部のうち少なくとも側方側の部分(その一部あるいは全部)のみを切断刀とする形態や、プローブ2の開口部に断続的に切断刀を形成する形態などでもよい。このような形状により、線維柱帯の切除機能や、切除すべきでない部分の保護機能などが効果的に発揮される。
1、300、300a、300b 手術用器具
2 プローブ
3 胴体部(把持部)
4 ケーブル・チューブ部
21、311 保護部
210、212、313、315 刀部
26a カッタ(運動切断刀)

Claims (7)

  1. 線維柱帯切除手術において施術者が把持する把持部と、
    その把持部の端部から棒状に延設された棒状部と、
    を備え、前記棒状部は、
    線維柱帯切除手術において切除対象の部位を切除する第1切除部と、
    前記棒状部の先端側および側方側から前記第1切除部を覆う覆い部と、
    前記覆い部における線維柱帯切除手術での前記第1切除部の進行方向の端部の少なくとも前記第1切除部の側方であり前記第1切除部よりも進行方向側の位置に形成された切断刃からなる第2切除部と、
    を備えたことを特徴とする手術用器具。
  2. 前記第2切除部は、前記覆い部において線維柱帯切除手術での前記第1切除部の進行方向の端部における、少なくとも前記第1切除部の側方側に形成された請求項1に記載の手術用器具。
  3. 前記第2切除部は、前記覆い部における線維柱帯切除手術での前記第1切除部の進行方向の端部に、前記第1切除部を前記先端側および側方側から覆うように連続的に形成された請求項1又は2に記載の手術用器具。
  4. 前記第1切除部は、1対の電極を備えて、その電極間に放電を起こして線維柱帯切除手術における切除対象の部位を切除する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の手術用器具。
  5. 前記第1切除部は、運動する運動切断刀を備えて、動力を供給して前記運動切断刀を運動させて線維柱帯切除手術における切除対象の部位を切除する請求項1ないし3のいずれか1項に記載の手術用器具。
  6. 線維柱帯切除手術において施術者が把持する把持部と、その把持部の端部から棒状に延設されて線維柱帯切除手術において切除対象の部位を切除する第1切除部を備えた棒状部と、を備えた取り付け対象の器具に取り付けるための取り付け部と、
    前記棒状部の先端側および側方側から前記第1切除部を覆う覆い部と、
    前記覆い部における線維柱帯切除手術での前記第1切除部の進行方向の端部の少なくとも前記第1切除部の側方であり前記第1切除部よりも進行方向側の位置に形成された切断刃からなる第2切除部と、
    を備えたことを特徴とする手術用器具。
  7. 前記取り付け部によって前記取り付け対象の器具に取り付けられた状態で、前記覆い部と前記第1切除部との間の距離を調節する調節部を備えた請求項6に記載の手術用器具。
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