電気自動車(EV:Electric Vehicle)やプラグインハイブリッド車(PHV:Plug−In Hybrid Vehicle)では通常、駐車中に充電を行うので、駐車中の電力消費に制約がかからない。したがって例えば冬季の屋外駐車時にヒータやデフォッガなど電力を多く必要とする装置を駆動して、乗車前に窓に付着した霜や雪を除去することも可能である。その場合ユーザが車外から指令できれば利便性が高いと考えられる。
さらに、電力料金が安価な夜間電力時間帯を利用することが考えられる。出発時間が夜間電力時間帯以外の場合のために、車両の動力用とは別に、ヒータやデフォッガ用のサブバッテリーを設けて夜間電力時間帯に充電しておく構成が考えられる。
従来技術には、冬季の屋外駐車時などにユーザが車外から指令してヒータやデフォッガを作動させ、さらにヒータやデフォッガ用のサブバッテリーを装備して、夜間電力時間帯に充電するといった技術の提案はない。
そこで本発明が解決しようとする課題は、上記問題点に鑑み、EVやPHVの冬季の屋外駐車時に、窓に付着した霜や雪を除去するためにヒータやデフォッガなどを車外から指令して駆動させることができ、さらに、その駆動用にサブバッテリーを装備して安価な夜間電力を利用することができる制御装置を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記課題を達成するために、本発明に係る制御装置は、走行のための動力の少なくとも一部に電力を用いる車両が備えるバッテリーのうちで、車両の走行のための駆動部に供給される電力分である主バッテリーと、前記車両の窓を昇温する昇温手段と、前記バッテリーのうちで前記昇温手段に供給される電力分である副バッテリーと、前記車両の駆動部が停止しており、前記副バッテリーに接続されたプラグが商用電力のコンセントに装着された状態で、電力料金が相対的に安価な安価時間帯に、前記副バッテリーを充電する充電制御手段と、使用者が携帯可能で通信機能を有する携帯装置に備えられた、前記昇温手段による昇温処理の実行を指令する指令手段と、その指令手段から前記昇温処理の実行の指令を受けたときに、前記車両の駆動部が停止した状態で、前記安価時間帯に属しない時刻ならば、前記副バッテリーに蓄えられた電力を用いて前記昇温手段を駆動する昇温制御手段と、を備えたことを特徴とする。
これにより本発明に係る制御装置では、車両に主バッテリーと副バッテリーとを備えて、主バッテリーは車両の駆動部のための電力を、副バッテリーは車両の停止時における車両の窓の昇温のための電力を蓄える。そして副バッテリーは電力が安価な時間帯に充電し、安価な時間帯外の車両停止時にユーザが携帯装置から指令すると、副バッテリーに蓄えられた電力で車両の窓の昇温を実行する。したがって携帯装置からの指令で、安価な電力を有効に利用して車両の窓を昇温するので、例えば車外からの指令で安価に車両の窓に付着した雪や霜の除去が実行できる。
また前記昇温制御手段は、前記車両の駆動部が停止しており、前記プラグが前記コンセントに装着された状態で、前記安価時間帯に属する時刻ならば、前記コンセントから供給される電力を用いて前記昇温手段を駆動するとしてもよい。
これにより上記のとおり安価な時間帯外に車両停止時にユーザが携帯装置から指令すると、副バッテリーに蓄えられた電力で車両の窓の昇温を実行するとともに、安価な時間帯に指令されると、商用電力を用いて車両の窓の昇温を実行する。したがってユーザからの指令を受けた時間が電力が安価な時間帯か否かで適切に切替えて、車両の窓の昇温を実行して、車両の窓に付着した雪や霜の除去が実行できる。
また前記昇温手段は、前記車両のフロントガラスに沿って温風を供給してフロントガラスを昇温するデフロスタ手段を含むとしてもよい。
これによりユーザが例えば車外から指令することにより、安価な電力を使用しながらデフロスタ手段を駆動して、フロントガラスに付着した雪や霜を安価に除去できる。
また前記昇温手段は、前記車両のリアガラスに配置した抵抗回路に電流を流してリアガラスを発熱させるデフォッガ手段を含むとしてもよい。
これによりユーザが例えば車外から指令することにより、安価な電力を使用しながらデフォッガ手段を駆動して、リアガラスに付着した雪や霜を安価に除去できる。
また前記昇温制御手段によって前記副バッテリーに蓄えられた電力を用いて前記昇温手段を駆動している途中に前記副バッテリーの電力残量がゼロとなったら、前記昇温手段を駆動する電力を商用電力のコンセントから供給される電力に切り替える切替手段を備えたとしてもよい。
これにより車両の窓の昇温の途中で副バッテリーが残量ゼロとなったら、商用電力に切り替えるので、柔軟に電力供給元を切替えて、車両の窓に付着した雪や霜を安価に除去できる。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しつつ説明する。まず図1、図2は、本発明の実施例に係る車両用の空調システム1の概略構成図である。空調システム1は自動車車両に装備し、車両は例えばEVまたはPHVとすればよい。
同図のとおり空調システム1は、主にエアコンECU2、照合ECU3、エアコン部4、リモコンキー5(携帯機)、バッテリーECU6、計時部7、モータ8を備える。エアコンECU2、照合ECU3、バッテリーECU6、計時部7は多重通信バス9(バス)により接続されて各種情報の受け渡しが可能なように構成されている。
エアコンECU2は、各種演算など情報処理のためのCPU200、CPU200の作業領域としてのRAM201、各種情報を記憶するための不揮発性メモリ202を備える。エアコンECU2は通信インターフェイス部203(I/F)を介して多重通信バス9と接続されている。エアコンECU2はCPU200、RAM201、不揮発性メモリ202、I/F203、I/O204がバスによって接続されて情報の受け渡しが可能となっている。
図1のとおり、エアコンECU2はI/O204を介して、表示部410、入力部411、ヒータ405、デフォッガ420、吹出口切替ダンパ400等と接続されており、これらに駆動を指令する。さらに図2に示されているとおり、車両のエアコン部4は、内外気切替ダンパ401、エアミックスダンパ402、ブロアファン403、エバポレータ404、ヒータコア405を備える。なお図1に示されているエアコンECU2とエアコン部4との接続関係は本発明に関する部分のみで他は省略されている。
吹出口切替ダンパ400は、車室内のエアコンの吹出し口(例えばフェイス、フット、デフロスタ)を切り替えるために、個々の吹出し口の開閉状態を決めるダンパである。このうちデフロスタ吹出口は、車両のフロントガラスの内面下縁の近傍のインパネ上方奥に形成されており、このデフロスタ吹出口から温風が吹き出されることにより、フロントガラス内面にそって温風が流れてフロントガラスを昇温して、フロントガラスの曇りやフロントガラスに付着した霜や雪が除去される。
内外気切替ダンパ401は、車内の空気を循環させるための内気吸込口と車外の空気を取り込むための外気吸込口とを切り替えるダンパである。エアミックスダンパ402は、エバポレータで冷却された冷気と、その下流のヒータコア405で加熱された暖気との混合比率を決めるダンパである。
ブロアファン403の回動によって空調風が形成される。エバポレータ404では、車両のエンジンによって駆動されたコンプレッサ(図示せず)によって圧縮された冷媒ガスがエバポレータ404内へ噴出されて気化することによって周囲の熱が奪われる。こうしてエバポレータ404がブロワファンによる空気流を冷却する。
ヒータコア405(ヒータ)は、エンジンを冷却することによって昇温した冷却水の熱を用いて空気流を昇温させる。以上のとおりエバポレータ404は冷房機能を有し、ヒータコア405は暖房機能を有する。上述のとおり、エアミックスダンパ402の開度によって、エバポレータで冷却された冷気と、ヒータコア405で加熱された暖気との混合比率を決定して、温度調節を行う。
車両のリアガラス(後部ガラス)にはデフォッガ420(リアデフロスタ)が装備されている。デフォッガ420はリアガラス内面に設けられた抵抗回路として構成され、そこに電流を流すことにより発熱して、リアガラスの曇り、さらにはリアガラスに付着した霜や雪が除去される。
エアコンECU2は、例えば液晶表示部(LCD)である表示部410を用いてユーザに向けてエアコンに関する各種情報を表示する。また入力部411によってユーザからの希望温度設定などの各種入力を受け付ける。表示部410や入力部411は例えば車室内のインパネ正面下部などに配置されたエアコン操作パネルのなかに配置される。
次に照合ECU3は、照合処理などの情報処理のためのCPU300、CPU300の作業領域としてのRAM301、各種情報を記憶するためのROM302を備える。照合ECU3は通信インターフェイス部303(I/F)を介して多重通信バス9と接続されている。照合ECU3は以上のCPU300、RAM301、ROM302、I/F303、無線通信部304がバスによって接続されて情報の受け渡しが可能となっている。無線通信部304は、リモコンキー5との無線通信のために装備されている。
次に、リモコンキー5は、CPU500、RAM501、ROM502、無線通信部503、ロックボタン504、アンロックボタン505、デフォッガ作動ボタン506、表示ランプ507を備える。CPU500は各種の情報処理を実行する。RAM501はCPU500の作業領域としての記憶部である。ROM502は各種情報を記憶するために装備される。
無線通信部503は、照合ECU3との無線通信のために装備されている。ロックボタン504は車両の乗員が車両のドアを施錠(ロック)するときに押下(オン操作)するボタンであり、アンロックボタン505は車両の乗員が車両のドアを開錠(アンロック)するときに押下(オン操作)するボタンである。デフォッガ作動ボタン506は、車両の乗員が車外からあるいは車室内でオンすることにより、デフォッガ420やヒータ405を作動して車両のフロントガラスやリアガラスに付着した霜や雪を除去する処理を指令するボタンである。表示ランプ507は例えば発光ダイオード(LED)により構成されて、後述するようにヒータ405、デフォッガ420が作動している間点灯する。表示ランプ507が点灯することにより、ユーザにヒータ405、デフォッガ420が作動していることを報知する。
照合ECU3とリモコンキー5との間の照合処理は以下のように実行される。照合ECU3の無線通信部304は、車両の周辺の空間に向けて、識別信号の返信を求めるポーリング信号(要求信号)を無線送信する。リモコンキー5がポーリング信号の到達範囲内にある場合は、無線通信部503がポーリング信号を受信する。
そしてポーリング信号を受信したリモコンキー5は、例えばROMに記憶されている識別信号(IDコード)を無線通信部503から送信する。照合ECU3の無線通信部304は、リモコンキー5から送信された識別信号を受信する。例えばROM302にはリモコンキー5から送信された識別信号と照合するためのマスター信号(マスターID、参照信号)が記憶されているとする。そして照合ECU3では、受信したIDコードとマスターIDとを照合し、一致したら照合を終了する。照合がOKとなればユーザがアンロックボタン505を押下することにより車両のドアが開錠される。
次にバッテリーECU6は、バッテリー制御に関する各種の情報処理を実行するCPU600、CPU600の作業領域としての一時記憶部であるRAM601、各種情報を記憶するためのROM602、を装備する。バッテリーECU6は、I/F603を介してバス9と接続されている。またバッテリーコントローラ604は、バッテリーの充放電に関する各種制御を行う。
本実施例ではバッテリーをメインバッテリー606、サブバッテリー607の2個装備し、バッテリーコントローラ604で、この2個のバッテリーを制御する。主にメインバッテリー606は車両の走行のための駆動部であるモータ8に電力を供給することを目的とし、サブバッテリー607は、本発明の主要目的である車両停止時におけるガラスの霜や雪の除去のために電力を供給する。メインバッテリー606、サブバッテリー607の充電はプラグ605を介して商用電力から行われる。また計時部7は、現在時刻を算出する。モータ8は、電力が供給されて、車両の走行のための駆動力を発生させる電気的モータとする。
以上の構成のもとで空調システム1は、リモコンキー5を用いて例えば車両外部にいる乗員からデフォッガ作動指令が出されると、ヒータ405やデフォッガ420を駆動して車両のガラスに付着した霜や雪などを除去する制御を実行する。この処理の電力は、商用電力を直接使用する場合と、サブバッテリー606から供給する場合とがある。サブバッテリー606の充電は電力料金が安価な時間帯に自動的に実行する。
これらの処理手順が図3、図4に示されている。図3、4の処理手順はプログラム化して予め例えば不揮発性メモリ202などに記憶しておき、CPU200、300、500が協働して、これを自動的に実行するとすればよい。
図3のフローチャートはサブバッテリー607の充電処理手順を示している。図3の処理は車両の駆動部が停止中(つまりエンジン(モータ8)が停止中)に実行する。図3の処理ではまず、S10で深夜時間帯であるか否かを判定する。ここで深夜時間帯とは、車両の充電を実行する地域の電力会社における電力料金が安価な(主に深夜の)時間帯を指す。
S10の判定では、計時部7により算出された現在時刻を取得して用いる。また深夜時間帯の情報は、例えばユーザが予め調べておき、入力部411を用いて入力した数値(例えば深夜時間帯の開始時刻と終了時刻)を不揮発性メモリ202(例えばEEPROM)に記憶しておけばよい。現在時刻が深夜時間帯内である場合(S10:YES)はS20に進み、現在時刻が深夜時間帯外である場合(S10:NO)は図3の処理を終了する。
次にS20でプラグ605が商用電源のコンセントに装着されているか否かを判定する。例えばバッテリーコントローラ604に、流れる電流値などからプラグの装着を検出する機能を持たせておく。プラグ605が商用電源のコンセントに装着されている場合(S20:YES)はS30に進み、プラグ605が装着されていない場合(S20:NO)は図3の処理を終了する。
S30に進んだら、サブバッテリー607の充電を実行する。ただしサブバッテリー607がフル充電状態であれば充電を行わなくてよい。なお深夜時間帯においてメインバッテリー606の充電を実行している場合もあるが、バッテリーコントローラ604には、メインバッテリー606とサブバッテリー607の同時充電の機能を持たせるとすればよく、S30ではメインバッテリー606とサブバッテリー607の同時充電を実行すればよい。
次に図4を説明する。図4に示された処理は、車両停止中に、車外からヒータやデフォッガを作動してフロントガラスやリアガラスの霜や雪を除去する処理手順である。なお以下では、フロントガラスやリアガラスの霜や雪を除去する処理を、略して防霜処理と呼称する場合がある。
図4の処理ではまずS100で、エンジン停止状態か否かを判定する。ここでエンジン停止状態とは、車両のエンジン、あるいはモータ8が停止状態であることとする。エンジン停止状態の場合(S100:YES)はS110に進み、エンジンが停止していない場合(S100:NO)は図4の処理を終了する。
S110では、プラグ605が商用電源のコンセントに装着されているか否かを判定する。プラグ605が商用電源のコンセントに装着されている場合(S110:YES)はS120に進み、プラグ605が装着されていない場合(S110:NO)は図4の処理を終了する。
S120ではユーザによりデフォッガ作動ボタン506のオン操作がなされたか否かを判定する。デフォッガ作動ボタン506のオン操作がなされた場合(S120:YES)はS130に進み、オン操作がなされていない場合(S120:NO)はオン操作がされるまで待つ。
なお車両がデフォッガ作動指令を受け付けるためには、その前に上述のリモコンキー5の認証(照合)が終了していることが条件となる。照合が終了したら照合ECU3はコマンド待ち状態となり、ユーザがデフォッガ作動ボタン506をオン操作すると、上述の無線通信部503、304を通じて車両にデフォッガ作動指令が伝達される。
S130では、深夜時間帯であるか否かを判定する。現在時刻が深夜時間帯内である場合(S130:YES)はS140に進み、現在時刻が深夜時間帯外である場合(S130:NO)はS160に進む。上述のS10と同様に、現在時刻は計時部7から取得し、深夜時間帯の情報はユーザが入力して不揮発性メモリ202に記憶されている情報を取得する。
S140に進んだら、ヒータやデフォッガ駆動用の電力を、サブバッテリー607の電力ではなく、プラグ605から取得している電力の方に設定する(あるいは切り替える)。
次にS150で、プラグ605から取得している電力を用いてヒータやデフォッガを駆動する。具体的には、以下の処理を行って車両のフロントガラスとリアガラスを昇温する。まずヒータ405を作動させ、同時にブロワファン403も駆動して、温風流を形成する。そして吹出口切替ダンパ400を駆動してデフロスタ吹出口を開口して、そこから温風流をフロントガラス内面に接触するように流す。
またデフォッガ420も駆動する。具体的には、リアガラス内面に形成された抵抗回路であるデフォッガ420に電流を流してリアガラスを昇温する。これらの処理によって車両のフロントガラスとリアガラスとに付着した霜や雪が除去される。
S160に進んだら、ヒータやデフォッガ駆動用の電力を、サブバッテリー607に蓄えられている電力に切り替える。
次にS170で、サブバッテリー607に蓄えられている電力を用いてヒータやデフォッガを駆動する。詳細は後述する。S170での処理は、駆動電力源をサブバッテリー607とする部分以外は、S150と同じである。
次にS180で、ヒータやデフォッガによる霜や雪の除去処理(防霜処理)の終了前にサブバッテリー残量がゼロとなったか否かを判定する。防霜処理終了前にサブバッテリー残量がゼロとなった場合(S180:YES)はS190に進み、サブバッテリーの電力量によって防霜処理が完了できた場合(S180:NO)は図4の処理を終了する。
S190では、ヒータやデフォッガに対する電力供給元を商用電力のコンセントに切り替えて、防霜処理を続ける。なお最初からサブバッテリー607の残量がゼロの場合、すなわちS160に進んだ時点でサブバッテリー607の残量がゼロの場合は、当然最初から商用電力のコンセントからの電力でヒータやデフォッガを駆動すればよい。以上が図4の処理である。
以上のとおり図3、4の処理では、ユーザが防霜処理を指令した時刻が深夜時間帯に含まれる場合は、プラグから供給されている電力を用いて防霜処理を実行し、防霜処理の指令時刻が深夜時間帯に含まれない場合は、サブバッテリーからの電力で防霜処理を実行する。そしてサブバッテリーの充電は深夜時間帯に行う。したがって安価な電力を有効に利用して防霜処理が実行できる。
図4の処理手順では、車両のプラグ605が商用電力のコンセントに装着した場合を想定しているが、本発明は、車両が停車中でかつプラグ605が商用電力のコンセントに装着していない場合も含むように拡張してよい。その場合、ユーザからのデフォッガ作動ボタン506による指令を受けたら、サブバッテリー607に蓄えられた電力を使用してヒータやデフォッガを駆動する。
もし防霜処理の途中でサブバッテリー607が残量ゼロとなったら(あるいは指令を受けた時点でサブバッテリー607が残量ゼロであったら)、防霜処理を中止する(実行しない)か、メインバッテリー606の電力を使用して防霜処理を実行するかのいずれかとする。これは、ユーザが例えば入力部411を用いて、プラグ605が装着されておらずサブバッテリー607が残量ゼロの場合には、防霜処理を中止する(実行しない)か、メインバッテリー606の電力を使用して防霜処理を実行するか、のうちどちらを選択するかを予め決めておくシステムとすればよい。
上記実施例ではフロントガラスとリアガラスのみの霜や雪の除去を実行しているが、本発明はこれに限定せず、車室内の暖房全般まで広げてもよい。あるいは車両のサイドガラス(ウィンドウ)近傍にもデフロスタ吹出口を備えて、ここから温風を送ってサイドガラスの霜や雪を除去することを含めてもよい。このように、S150やS170でどのような処理を実行するかは、ユーザが例えば入力部411を用いて設定できるとしてもよい。
上記実施例はメインバッテリーとは別にサブバッテリーを備える形態だが、これを単一のバッテリーのみを備える形態に変更してもよい。この場合、単一のバッテリーに蓄えられた電力のうちの所定割合を防霜処理のために優先的に使用すると決める。その所定割合が上記のサブバッテリーに相当するとすればよい。