JP5454913B2 - 高精度任意波形信号発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、実用上校正を不要にする高精度任意波形信号発生装置に関する。
(高精度信号発生装置)
高精度信号発生装置というと、その多くは高度なアナログ回路設計によって、高精度な直流電圧あるいは交流電圧を出力する装置であり、デジタルマルチメータ、シンセサイザ、オシロスコープなどを校正する目的で使用されている。
一方、デジタル技術の進歩によって、高精度信号発生装置(特許文献1、2参照)はデジタル化の傾向に進み始め、精度的にはアナログ回路設計には多少劣るものの、任意波形信号出力、参照クロックI/O、位相設定などの多機能仕様が可能であり、これらの機能によってデジタルマルチメータ、シンセサイザ、オシロスコープの校正以外に、パワーアナライザ、オーディオアナライザ(低周波スペクトルアナライザ、低周波FFTアナライザ)のような測定器の校正・評価が可能となった。
このような高精度任意波形信号発生装置は、デジタル技術の進歩により、今後ますます精度が向上し、アナログ回路設計による装置に置き換わることが予想される。図4は、従来の高精度任意波形信号発生装置の構成図である。
図4の高精度任意波形信号発生装置100は、基準クロック101、メモリ102、マイクロプロセッサ103、デジタル/アナログ変換器104、周辺アナログ回路105(オフセット調整回路・フィルター回路・アンプ回路)、DC基準106から構成されている。
メモリ102には、時系列に、種々の値の異なるデジタルデータ(例えば、サイン波の場合、サイン波をサンプリング間隔で量子化した階段状の疑似サイン波形Aのデータ)を記憶したテーブルが収納されている。
マイクロプロセッサ103は、基準クロック101からのクロック信号に基づき、メモリ102から任意に選択したデジタルデータを読み出し、デジタル/アナログ変換器104へ出力する。
デジタル/アナログ変換器104は、デジタルデータを基に、DC基準106の基準電圧値に応じた振幅の階段状の疑似サイン波形Aの信号を作成し、出力する。
周辺アナログ回路105は、デジタル/アナログ変換器104からの波形Aの信号を、DC基準106の基準電圧を利用したオフセット調整およびローパスフィルタを通してギザギザをなだらかにしてサイン波に近似した波形Bを出力する。
このように、従来装置では、デジタル回路部においてダイレクト・デジタル・シンセサイズ(DDS)方式を使い、サイン波形の場合、階段状の疑似サイン波形Aを生成し、その疑似波形をローパスフィルタで階段部分を取り除き、電圧増幅回路で低インピーダンス出力を行ってサイン波形Bとしている。このサイン波形Bは、交流電圧標準として用いられる。
このように出力される交流電圧標準は、従来装置内部のアナログ回路において温度変化やノイズに対するオフセット自動補正を行っている場合が多い。しかしながら、このような補正方法では、原理的に長期間の信頼性確保が困難であるため、結局のところ定期的な校正が必要となっている。
(交直変換標準とサーマルコンバータ)
交流電圧標準は周期的に変化している電圧の実効値を用いて定義されている。交流電圧標準を確立する主な手段として、理想的な正弦波を作る方法と、比較器(交直変換器)を介して、直流電圧(ジョセフソン電圧標準)と比較測定することによって導く方法が考えられている。現在最も精度良い方法は、熱型の交直変換器(サーマルコンバータ)を用いて、直流と交流電圧の電気エネルギーをジュール熱に変換し、それら実効値を比較測定する方法である。比較法に基づく標準体系は、
「交直変換標準」と呼ばれ、直流電圧から交流電圧への変換誤差に相当するものを交直差と呼んでいる。
交流電圧には、直流電圧と比較可能な交直変換器が必要で、それがサーマルコンバータである。サーマルコンバータは交流電圧も直流電圧も内部のヒーター抵抗で発生する熱で比較し、その熱は熱電対によって全て直流電圧として出力するため、いずれの場合も直流電圧として扱えるという利点がある。
サーマルコンバータとしては、従来のヒーターと熱電対からなる単一熱電対型、薄膜多対熱電対型や、新型のポリイミドメンブレン(Polyimide membrane)型ヒーターの中空部に、窒化アルミニウム(AlN)膜の筒体中に熱電対(Thermocouples)を配置したものを挿入配置した構造のもの(例えば、JSTC(独立行政法人産業技術総合研究所製))、更には、ヒーター薄膜と熱電対膜をポリイミドフィルムの異なる面に分離した構造のものが提示されている。
米国特許第5012181号明細書 米国特許第4541065号明細書
上記のような高精度信号発生装置の動作方式は、DDS方式のデジタル回路および周辺アナログ回路の厳密な最適設計によってある程度の高精度化が可能となる。しかしながら、このような動作原理では、高精度化は可能であっても、精度を保証することは不可能である。高精度信号発生装置として使用されるためには、装置自体の高精度設計だけでは十分ではなく、校正され精度が保証されていることが必要不可欠である。
通常、高精度任意波形信号発生装置を校正するためには、高額な校正手数料を支払い、認定を受けた校正事業所に装置を輸送し、数週間かけて校正試験を受ける必要がある。しかも、この校正は通常1年毎に受ける必要があり、校正費用がかかるばかりか、校正期間中は装置が持ち出されているために使用できなくなる。
本発明の目的は、このような実用上の校正を不要にする高精度任意波形信号発生装置を提供することである。
本発明は、上記の目的を達成するために、以下のような手段を採用する。
本発明の高精度任意波形信号発生装置では、校正不要な誤差補正システムを装備する。その誤差補正システムは、長期安定性が保証されている直流電圧発生装置(例えば、ジョセフソン電圧発生装置)を利用することで、校正不要な電圧参照信号として利用し、本装置内の信号発生装置から出力される信号を、サーマルコンバータを代表とする、長期安定であり、実質的に再校正不要な比較装置を使用して比較することで誤差を検出し、信号発生装置を補正する。このような構造をとることで、信号発生装置は常に精度が保証された信号が出力可能となる。
特に、高精度任意波形信号発生装置は、直流電圧信号を基準信号として、この直流電圧信号と任意にパラメータを設定して作成した交流電圧信号とを、サーマルコンバータで熱比較し、その熱をそれぞれ熱電変換した直流出力Edc、Eacとして出力し、エラー解析装置で前記直流出力Edc、Eacを比較して前記交流電圧信号の誤差を求め、任意波形信号発生装置で前記交流電圧信号の実効値と前記誤差の差に基づいて前記交流電圧信号をデジタル補正する。
上記のように従来技術またはその応用技術では、どれだけ高精度化を進めても、長期間にわたる精度保証は困難である。ユーザー側は、高価な高精度任意波形信号発生装置の精度維持のために外部校正依頼による業務負担、校正料負担を強いられるとともに、校正依頼期間中には装置が使用できない空白期間が生じることとなる。
本発明の高精度任意波形信号発生装置では、校正不要な誤差補正原理に従うことで、従来の高精度任意波形信号発生装置には不可能であった校正不要の装置として実現可能であり、上記のようなユーザーへの負担問題が一掃され、評価業務や試験・検査などの品質維持が容易となる。
本発明の高精度任意波形信号発生装置の構成図である。 本発明の高精度任意波形信号発生装置のフローチャートである。 本発明の高精度任意波形信号発生装置のブロック構成図である。 従来の高精度任意信号発生装置の構成図である。
本発明の高精度任意波形信号発生装置の実施の形態を図に基づいて詳細に説明する。
基本的には、高精度任意波形信号発生装置は、直流電圧信号を基準信号として、この直流電圧信号と任意にパラメータを設定して作成した交流電圧信号とを、サーマルコンバータで熱比較し、その熱をそれぞれ熱電変換した直流出力Edc、Eacとして出力し、エラー解析装置で前記直流出力Edc、Eacを比較して前記交流電圧信号の誤差を求め、任意波形信号発生装置で前記交流電圧信号の実効値と前記誤差の差に基づいて前記交流電圧信号をデジタル補正する。
本発明は、高精度任意波形信号発生装置内に以下に示すような誤差補正方法を実行できる手段を採用した点に特徴を有する。
図1に本発明の高精度任意波形信号発生装置の実施例を示す。図1(a)は本発明の高精度任意波形信号発生装置のブロック構成図である。図1(b)はジョセフソン電圧標準2の模式的な構成図である。図1(c)は、サーマルコンバータ4の模式的な構成図である。図1(a)の実線は処理対象の信号の処理経路を示す。図1(a)の点線は、制御装置7と、その他のジョセフソン電圧標準装置2、スイッチ3、サーマルコンバータ4、エラー解析装置5、および任意波形信号発生装置(シンセサイザ)6との間の制御信号の経路を示す。図3の任意波形信号発生装置6には、点線表示のエラー解析装置5およびジョセフソン電圧標準装置2は含まれない。
図1(a)に示す高精度任意波形信号発生装置1は、
ジョセフソン電圧標準装置2と、
スイッチ3と、
サーマルコンバータ4と、
エラー解析装置5と、
任意波形信号発生装置(シンセサイザ)6と、
制御装置7を、図示のように配線して構成される。
ジョセフソン電圧標準装置2は、図1(b)に示すように、マイクロ波入力端子13とマイクロ波終端抵抗14との間に準平面導波路を構成する超伝導ジョセフソン素子15を任意数個の接合ずつ直列に配置し、この超伝導ジョセフソン素子15と並列にスイッチ16を設けることで構成する。なお、各スイッチ16は、制御装置7の制御信号により開閉操作される。必要な直流電圧値に応じて、超伝導ジョセフソン素子15の接続個数を決定し、DC基準となる所望のVdc電圧を出力させる。このVdcはスイッチ3に出力される。また、このVdcは任意波形信号発生装置(シンセサイザ)6内のデジタル/アナログ変換器24用またはアナログ周辺回路25内のオフセット調整回路用のDC基準信号として利用することが可能である。
超伝導ジョセフソン素子は、通常、2つの超伝導体により絶縁層等の薄い障壁層を挟んだ構造をとり、非線形で特殊な電気的特性を持ち、電圧標準をはじめとする種々の分野において広く研究がなされている。超伝導ジョセフソン素子に対してあらかじめマイクロ波を照射しておき、電流を流すと、素子の両端にはマイクロ波の周波数fによってのみ決まる電圧(V=(h/2e)f)が発生する。一方、電流を流さなければ、電圧はゼロとなる。マイクロ波周波数は非常に高精度に制御可能のため、得られる電圧も非常に高精度なものが得られる。
超伝導ジョセフソン素子1個あたりの電圧は数十μV程度であるため、目標の出力を得るためには数十万個もの超伝導ジョセフソン素子を直列に接続したアレー構造(バイナリアレー)として構成される。
マイクロ波をジョセフソン接合アレーの片方から供給し反対側の端に接続したマイクロ波終端抵抗14 まで伝送し終端させる。バイナリアレーに直流バイアス電流をオンオフすることで、バイナリアレーを介したデジタル入力をアナログ出力電圧、すなわち、DC標準となるDC電圧に変換する。
スイッチ3は、電子的又は機械的なスイッチであり、制御装置7の制御により、ジョセフソン電圧標準装置2の出力のDC標準のDC電圧Vdcと、任意波形信号発生装置(シンセサイザ)6の出力のAC電圧Vacとを交互に切り替えてサーマルコンバータ4とエラー解析装置5へ出力する。高精度仕様にするためには、ジョセフソン電圧標準装置2から出力されるDC電圧をスイッチ3内部の反転回路で反転して−DC電圧を生成し、サーマルコンバータ4に±DC電圧とAC電圧の3入力信号を交互に切替制御する必要がある。
サーマルコンバータ4は、上記熱型の交直変換器であり、例えば、簡単な例では、図1(c)に示すように、ヒーター18と熱電対19から構成される。
ジョセフソン電圧標準装置2のDC標準出力の直流電圧Vdcと、任意波形信号発生装置(シンセサイザ)6の出力の交流電圧Vacとの電気エネルギーをジュール熱に変換し、そのジュール熱を熱電対の出力Eac、Edcとして出力し、それらの直流電圧Vdcと交流電圧Vacの実効値を比較測定する。出力EacとEdcは、エラー解析装置5へ出力する。
サーマルコンバータ4は、例えば、線路のインダクタンスLと抵抗Rの直列接続と容量Cを接続点Pで並列に接続し、その接続点Pにヒーター抵抗を直列に接続した回路構成と見ることができ、そのヒーター抵抗の発生するジュール熱を熱電対出力として検出する。
サーマルコンバータ4固有の交直差は、ヒーター線の温度分布の不均一、熱リップル、浮遊容量やインダクタンスに起因するもの、表皮効果等により発生する。この固有の交直差δkの変動は非常に小さく無視できるため、1回校正すれば長期間校正を必要としない。校正された交直差δkは交流電圧Vacの補正に利用される。
エラー解析装置5は、少なくとも演算機能を有し、サーマルコンバータ4の出力Edcと出力Eacを計測し、その差分および交直差δkから交流実効値の相対誤差αkを誤差信号として任意波形信号発生装置6へ出力する。誤差αkは以下に示す式で算出される。
ここで、nは交流電圧に対するサーマルコンバータ出力の勾配を示す。
この交直差δは、以下のように定義できる。
理想的なサーマルコンバータは、直流電圧Vdcを入力した場合の出力Edcと、交流電圧の実効値Vacを入力した場合の出力Eacが等しい場合、Vac=Vdcであるが、実際のサーマルコンバータでは等しくならず、ズレ(交直差)を生じる。交直差は以下の式で定義する。
ここで、直流電圧は±DC電圧として扱うため、それぞれの平均値
となる。
ここで交直差周波数特性は、例えば、使用周波数の範囲が10Hz−1MHzとしたとき、従来の前記単一熱電対型の場合には〜30ppm、従来の前記薄膜多対熱電対型の場合には〜50ppm、前記JSTCの場合には〜20ppmとなる。
(デジタル補正処理)
任意波形信号発生装置(シンセサイザ)6は、図3において、マイクロプロセッサ23により、エラー解析装置5からの誤差検出信号αkを取り込み、メモリ22にテーブル形式で記憶する。
また、メモリ22には、時系列に、種々の値の異なるデジタルデータ(例えば、サイン波の場合、サイン波をサンプリング間隔で量子化した階段状の疑似サイン波形A1のデータ)を記憶したテーブル(サインテーブル)が収納されている。
取り込んだ誤差検出信号によりマイクロプロセッサ23はサインテーブルを補正計算しメモリ22に記憶する。
また、任意波形信号発生装置(シンセサイザ)6は、制御装置7との間で、いずれか一方が、装置1の動作開始に先立って、予め、AC電圧の任意波形信号のために必要なパラメータ、例えば、周波数F、F、・・・F、電圧の実効値A、A、・・・A、等をテーブルに記憶する。
マイクロプロセッサ23は、基本的に、基準クロック21からのクロック信号に基づき、メモリ22から読み出したデータおよび取り込んだデータを用いて必要な演算をする。
具体的には、メモリに格納されているサインテーブルのデジタルデータVac[i]を誤差検出信号αkを使って下記数4に代入して必要な演算を行い「補正デジタルデータVac_comp[i]」を求める。この補正計算は、A(1−α)と同義である。iはデジタルデータの順番を示すインデックスである。
デジタル/アナログ変換器24は、「補正デジタルデータVac_comp[i]」の電圧値や実効値に応じた振幅や幅の階段状の疑似サイン波形A1の信号を作成し、出力する。その階段状の疑似サイン波形A1に応じた振幅や幅の電圧値や実効値は、例えば、メモリ22にテーブルとして記憶しておくことも可能である。
周辺アナログ回路25は、デジタル/アナログ変換器24からの波形A1の信号を、オフセット調整した後、ローパスフィルタを通してギザギザをなだらかにしてサイン波に近似した波形B1の信号、すなわちVacを出力する。
このVacを任意波形信号発生装置(シンセサイザ)6のAC出力として出力する。
以下、同様にして、各周波数の信号を補正処理する。
制御装置7は、マイクロプロセッサからなる中央演算装置、メモリ、およびI/Oインターフェース等からなるコンピュータとして構成され、このコンピュータにより所定のプログラムを実行して、ジョセフソン電圧標準2、スイッチ3、サーマルコンバータ4、エラー解析装置5、および任意波形信号発生装置(シンセサイザ)6を以下に説明する手順又はフローチャートに従って制御する。
また、制御装置7は、装置1の動作開始に先立って、予め、AC電圧の任意波形信号のために必要なパラメータ、例えば、周波数F、F、・・・F、電圧の実効値A、A、・・・A、等をテーブルに記憶する。
以上の構成要素からなる本発明の校正不要な標準直流電圧発生装置は、ジョセフソン電圧標準装置2を用い、また再校正不要な比較装置として長期安定なサーマルコンバータ4を使用することを特徴とする。
サーマルコンバータ4の性質は、直流電圧Vdcを入力した場合の出力信号Edcと、交流電圧Vac(実効値)を入力した場合の出力信号Eacが等しいならば、Vdc=Vacが成立することが知られている(実際は成立しないので、その誤差は予め校正によって求め、補正する)。このサーマルコンバータの特性を生かし、広い範囲の周波数帯域の交流信号が標準直流電圧で校正することが可能である。
図3の任意波形信号発生装置6は、基準クロック21、メモリ22、マイクロプロセッサ23、デジタル/アナログ変換器24、周辺アナログ回路25、基準電源26から構成されている。
メモリ22には、上記のとおりの、時系列に、デジタルデータVac[i](例えば、サイン波の場合、サイン波をサンプリング間隔で量子化した階段状の疑似サイン波形A1のデータ)を記憶したテーブルも記憶されている。
マイクロプロセッサ23は、基準クロック21からのクロック信号に基づき、メモリ22からデジタルデータVac[i]を読み出し、数4の式を満たす補正デジタルデータVac_comp[i]を求める。単サイン波形信号を出力する場合は、このままデジタル/アナログ変換器24に出力されるが、複雑な波形の場合には、必要な周波数の補正デジタルデータを全て加算してからデジタル/アナログ変換器24に出力される。
デジタル/アナログ変換器24は、補正デジタルデータVac_comp[i]を読み出し、波形A1の信号を出力する。
周辺アナログ回路25は、デジタル/アナログ変換器24からの波形A1の信号を、オフセット調整した後、ローパスフィルタを通してギザギザをなだらかにしてサイン波に近似した波形B1を出力する。
図2に図1および図3のブロック図の制御手順を、フローチャートとして以下に説明する。
制御装置7は、以下の手順およびフローチャートの手順を装置内のコンピュータ(図示省略)により実行させる所定のプログラムを有する。
制御装置7は、内蔵の所定のプログラムを実行させ、
まず、設定パラメータとして、ジョセフソン電圧標準装置2において任意のDC基準(Vdc)を設定し、このVdcを出力させ、任意波形信号発生装置6において任意の信号ACを設定し、このVacを出力する。
設定パラメータとして、直流波形あるいは単サイン波形の場合は単に直流電圧の設定あるいは1組の周波数と実効値を設定するが、多数の周波数を含む歪み波形を発生させる場合には、複数の周波数と実効値を設定する必要がある。パラメータ設定後、本装置内で各周波数における交流信号の誤差補正が始まる。以下に誤差補正の手順の流れを説明する。
任意波形信号発生装置6から設定された、ある一つの周波数F、実効値Aの交流電圧Vacがスイッチ3に入力される。この実効値Aの交流電圧Vacを校正するために、ジョセフソン電圧標準装置2では振幅値Aの直流電圧Vdcを発生し、同様にスイッチ3に入力する。
スイッチ3では、入力された交流電圧Vac又は直流電圧Vdcを交互に切替えて出力し、サーマルコンバータ4に入力する。高精度仕様にするためには、ジョセフソン電圧標準装置2から出力されるDC電圧をスイッチ内部の反転回路で−DC電圧を生成し、サーマルコンバータに±DC電圧とAC電圧の3入力信号を交互に切替制御する必要がある。
サーマルコンバータ4では、直流電圧、交流電圧の入力により発生する熱電対の各出力電圧Edc、Eacを出力し、エラー解析装置5に入力する。
エラー解析装置5では、Edc、Eacを測定・比較して得られる差分、予め校正されたサーマルコンバータの交直差δkおよび出力電圧の勾配nから、数1を満たす交流電圧(実効値)の相対誤差αを算出する。この誤差αのデータは任意波形信号発生装置6にフィードバックし、装置1の内部で数4を満たす誤差補正A(1−α)が行われる。以上の誤差補正が、最初に設定された周波数成分だけ行われ、最終的に、全ての周波数成分が誤差補正され、合成された歪み波が出力される。
(フローチャート)
スタート
1)任意波形信号発生装置6において、任意波形信号のパラメータの設定を行う(ステップS1)。パラメータは、(周波数:F、F、・・F・・F、実効値:A、A、・・A・・A)等。
2)任意波形信号発生装置6において、k ← 1を行う(ステップS2)。
3)任意波形信号発生装置6において、周波数F、実効値AのAC信号をスイッチ3に入力する(ステップS3)。
4)ジョセフソン電圧標準装置2において、DC電圧Aをスイッチ3に入力する(ステップS4)。
5)スイッチ3において、DC電圧とAC電圧が交互に切り替わり、サーマルコンバータ4に入力する(ステップS5)。
6)サーマルコンバータ4において、DC電圧、AC電圧を熱比較し、熱電対からそれぞれEdc、Eacを出力する(ステップS6)。
7)エラー解析装置5において、Edc、Eacを比較し、AC信号Aの誤差αを算出する(ステップS7)。
8)任意波形信号発生装置6において、数4を満たすデジタル補正処理A(1−α)を行う(ステップS8)。
9)k=nか否か判断する(ステップS9)
10)ステップS9において、K=nのとき、任意波形信号発生装置6において、全ての周波数信号を含む合成波を出力する(ステップ10)。
11)ステップS9において、K=nでないとき、k←k+1の代入を行って、S3へ進む(ステップ11)。
エンド
上記フローチャートは、本発明の標準直流電圧発生装置1のコンピュータによる処理手順を表し、該装置の各部品の基本機能に裏付けされ、一連の手順に技術的意義を有する。
制御装置7の実行する上記フローチャートの手順は、装置内のコンピュータ(図示省略)により実行させるプログラムを構成し、このプログラムを記録媒体に記憶することもできる。
1 高精度任意波形信号発生装置
2 ジョセフソン電圧標準装置
3 スイッチ
4 サーマルコンバータ
5 エラー解析装置
6 任意波形信号発生装置(シンセサイザ)
7 制御装置

Claims (2)

  1. 予め定められた周波数を持つ交流信号を発生させる交流信号生成手段と、
    所望の波形を有する信号を生成するために必要とされる前記交流信号の実効値と等しい振幅を持つ直流信号を発生させる直流信号生成手段と、
    前記交流信号が発生するジュール熱の大きさが、前記直流信号が発生するジュール熱の大きさと等しくなるように、前記交流信号の実効値を校正する交流信号校正手段と、
    前記交流信号校正手段で校正された前記交流信号、又は前記交流信号校正手段で校正された周波数の異なる前記交流信号を合成することにより得られた合成信号を出力する出力手段とを備えた高精度任意波形信号発生装置。
  2. 前記直流信号生成手段は、直列接続された超伝導ジョセフソン素子により構成される請求項1に記載の高精度任意波形信号発生装置。
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