JP5453269B2 - アンテナアレイ - Google Patents

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Description

関連出願の交差参照
本出願は、2007年9月13日付で出願された「広帯域アンテナを有する通信システム」という名称の米国仮特許出願60/971,958号、2007年9月17日付で出願された「広帯域アンテナを有する通信システム」という名称の米国仮特許出願60/973,112号、及び2008年9月8日付で出願された「広帯域アンテナを有する通信システム」という名称の米国仮特許出願61/095,167号に対する優先権を主張し、その各々は、本明細書でその全体が参照文献として含まれている。
本発明は、アンテナアレイに関するものである。
多くの通信システムは、衛星から情報信号の受信を伴う。従来のシステムは、衛星から信号を受信するロットマンレンズ(rotman lens)、ルネバーグレンズ(luneberg lens)、パラボラアンテナ(dish antenna)又は位相アレイ(phased array)等の多様なアンテナを使用していた。しかし、これらのシステムは、衛星信号を受信する能力を制限する、限定された視野又は低効率に悩まされている。特に、これら従来のシステムは、信号の強度が弱いか、雑音が強い衛星信号、例えば、低高度衛星からの信号を受信するのに必要な性能が不足する可能性がある。
また、多くの従来のシステムは、任意の又は十分な偏光補正を含んでいないので、交差偏光された信号雑音が所望の信号と干渉し得るため、上記システムが所望の信号を適切に受信することを妨害する。さらに、このようなシステムを信号の送受信のための航空機の胴体上に位置させることは、そのようなシステムに対して処理され得る多くの問題を有する。
従って、悪環境で弱信号又は通信信号を受信することができ、航空機の胴体上に少なくとも部分的に位置し得る改善されたアンテナシステムを含む改善された通信システムが必要とされている。
様相及び実施形態は、車両上及び車両内に搭載されるアンテナアレイ及び電子装置アセンブリを含む通信システムに関するものである。通信システムは、通常、車両の外面上に搭載される外部サブアセンブリ及び車両内に位置する内部サブアセンブリを含み、外部及び内部サブアセンブリは互いに通信接続される。以下述べるように、外部サブアセンブリは、アンテナアレイだけでなく、搭載設備及びステアリングアクチュエータを含み、アンテナアレイを所定の方位、高度、及び偏光で移動させることができる(例えば、衛星又は他の信号源をトラッキングする)。内部サブアセンブリは、通信システムと結合したほとんどの電子装置を含む。内部サブアセンブリを車両内に位置させることは、以下、さらに詳細に述べるように、電子装置へのアクセスを容易にして、電子装置を車両の外部環境から保護することができる。通信システムの実施形態は、以下更に述べるように、従来のシステムに比べて相対的に小さいサイズ及び重量であること(特に、航空機上に搭載されるシステムに有利である)、及び優れた広帯域RF性能を有することを含む多くの利点を提供する。
一実施形態によると、アンテナアレイは、複数のホーンアンテナ素子、各々が複数のホーンアンテナ素子各々に接続される対応する複数の誘電体レンズ、及び複数のホーンアンテナ素子を共通の給電点に接続する導波管給電ネットワークを含み、複数のホーンアンテナ素子及び対応する複数の誘電体レンズは、アンテナアレイがその両端部でテーパーとなるように形成されサイズが定められる。
一例において、複数のホーンアンテナ素子は、2つの平行列に配列され、2つの平行列は、複数のホーンアンテナ素子のいずれかのホーンアンテナ素子の1/2幅でアンテナアレイの長さに沿って互いにオフセットされる。他の例において、複数のホーンアンテナ素子は、内部ホーンアンテナ素子、第3ホーンアンテナ素子、第2ホーンアンテナ素子、及び端部ホーンアンテナ素子を含み、第3ホーンアンテナ素子は、内部ホーンアンテナ素子より小さく、内部ホーンアンテナ素子よりアンテナアレイの端部にさらに近接して位置し、第2ホーンアンテナ素子は、第3ホーンアンテナ素子より小さく、第3ホーンアンテナ素子よりアンテナアレイの端部にさらに近接して位置し、端部ホーンアンテナ素子は、第2ホーンアンテナ素子より小さく、アンテナアレイの端部に位置する。他の例において、複数の誘電体レンズ素子は、内部誘電体レンズ、第3誘電体レンズ、第2誘電体レンズ、及び端部誘電体レンズを含み、内部誘電体レンズは、内部ホーンアンテナ素子に接続され、第3誘電体レンズは、内部誘電体レンズより小さく、第3ホーンアンテナ素子に接続され、第2誘電体レンズは、第3誘電体レンズより小さく、第2ホーンアンテナ素子に接続され、端部誘電体レンズは、第2誘電体レンズより小さく、端部ホーンアンテナ素子に接続される。アンテナアレイは、複数のホーンインサートをさらに含み、複数のホーンインサートそれぞれは複数のホーンアンテナ素子それぞれ内に位置する。一例において、端部ホーンアンテナ素子及び第2ホーンアンテナ素子内に位置したホーンインサートはレーダー吸収材で製造される。他の例において、各誘電体レンズは、ガラス繊維ピンによって各ホーンアンテナ素子に固定される。
他の様相は、車載アンテナアレイを較正する方法に関するものである。一実施形態において、上記方法は、アンテナアレイ上に搭載された位置エンコーダーの位置に対するアンテナのビームパターンのRFセンターを決定するステップ、位置エンコーダーの位置に対するアンテナアレイの第1ピッチオフセット及び第1ロールオフセットを計算するステップ、及び計算された第1ピッチオフセット及び第1ロールオフセットをローカルメモリ装置に保存するステップを含む。他の実施形態において、上記方法は、アンテナアレイが搭載されるホスト車両の車両ピッチ及び車両ロールを示すデータを受信するステップ、位置エンコーダーによりアンテナピッチ及びアンテナロールを検出するステップ、車両ピッチとアンテナピッチとの間の第2ピッチオフセットを計算するステップ、車両ロールとアンテナロールとの間の第2ロールオフセットを計算するステップ、及び計算された第2ピッチオフセット及び第2ロールオフセットをローカルメモリ装置に保存するステップをさらに含む。一例において、上記方法は、計算された第2ピッチオフセット及び第2ロールオフセットを遠隔メモリ装置に保存するステップをさらに含む。他の例において、上記方法は、第1ピッチオフセット及び第1ロールオフセットに基づき第2ピッチオフセット及び第2ロールオフセットを補正するステップ、及び補正された第2ピッチオフセット及び第2ロールオフセットをローカルメモリ装置に保存するステップをさらに含む。上記方法は、補正された第2ピッチオフセット及び第2ロールオフセットを遠隔メモリ装置に保存するステップをさらに含む。一例において、上記方法は、ホスト車両の車両ヘッディングを示すデータを受信するステップ、アンテナアレイを選ばれた衛星信号源にポインティングするステップ、選ばれた衛星信号源によって信号ロックに基づくアンテナヘッディングを決定するステップ、車両ヘッディングとアンテナヘッディング間のヘッディングオフセットを計算するステップ、及びヘッディングオフセットをローカルメモリ装置に保存するステップをさらに含む。上記方法は、ヘッディングオフセットを遠隔メモリ装置に保存するステップをさらに含む。一例において、ホスト車両の車両ピッチ及び車両ロールを示すデータを受信するステップは、データをホスト車両のナビゲーションシステムから受信するステップを含む。
他の実施形態によると、通信システムは、信号を送受信するアンテナアレイと、アンテナアレイをホストプラットフォームに搭載して、アンテナアレイを方位及び高度で移動させるジンバルアセンブリと、第1メモリ装置と、アンテナアレイに搭載された少なくとも一つの位置エンコーダーとを備えた第1サブシステム、及び第1サブシステムに通信接続され、第2メモリ装置と、アンテナアレイの所定の方位及び高度の移動を制御する制御ユニットとを備えた第2サブシステムを含み、少なくと一つの位置エンコーダーは、アンテナアレイのファクトリー較正のレベル位置に対するアンテナアレイのピッチ及びロールを検出して、該検出されたアンテナアレイのピッチ及びロールを示す第1アンテナデータ信号を提供して、第1メモリ装置及び第2メモリ装置は、互いに通信接続され、アンテナデータ信号を受信及び保存する。一例において、第1メモリ装置及び第2メモリ装置は、第1サブシステム及び第2サブシステムに関する識別情報を保存するようにさらに構成される。
他の実施形態によると、車載通信システムは、信号を送受信するアンテナアレイと、アンテナアレイを車両に搭載して所定の方位及び高度で移動させるジンバルアセンブリと、ローカルメモリ装置と、アンテナアレイに搭載された少なくとも一つの位置エンコーダーとからなり、車両の外面に搭載される外部サブシステム、及び第1サブシステムに通信接続され、制御メモリ装置と、アンテナアレイの所定の方位及び高度の移動を制御する制御ユニットとを備えた内部サブシステムを含み、制御ユニットは、アンテナアレイが搭載される車両のピッチ及びロールを示すデータを受信し、位置エンコーダーは、アンテナアレイのピッチ及びロールを検出し、制御ユニットは、車両のピッチとアンテナのピッチとの間のピッチオフセット及び車両のロールとアンテナのロールとの間のロールオフセットを計算し、制御メモリ装置は、計算されたピッチオフセット及びロールオフセットを保存する。
一例において、ローカルメモリ装置は、計算されたピッチオフセット及びロールオフセットを保存する。他の例において、ローカルメモリ装置及び制御メモリ装置は、内部サブシステム及び外部サブシステムに関する識別情報を保存するようにさらに構成される。
他の様相は、情報信号を信号源からそれぞれ受信する複数のアンテナ素子と、複数のアンテナ素子を共通の給電点に接続する給電ネットワークを備えたアンテナアレイ、及び共通の給電点に接続され、アンテナアレイと信号源との間の偏光スキューを補償する偏光コンバータユニットを含む通信システムに関するものである。一実施形態において、偏光コンバータユニットは、情報信号を構成する2つの直交偏光成分信号を受信して、偏光補正出力信号を提供する回転直交モードトランスデューサ、回転直交モードトランスデューサに接続され、該回転直交モードトランスデューサの所望の回転角度を示す制御信号を受信する駆動システム、及び駆動システムに電力を提供して、回転直交モードトランスデューサを所望の回転角度に回転させるモータを含む。
一例において、偏光コンバータユニットはアンテナアレイに搭載される。他の例において、複数のアンテナ素子及び給電ネットワークは、給電ネットワークと複数のアンテナ素子との間にキャビティを提供するように配列され、偏光コンバータユニットは、キャビティ内に少なくとも部分的に搭載される。他の例において、複数のアンテナ素子はホーンアンテナ素子であり、給電ネットワークは導波管給電ネットワークである。
一実施形態によると、アンテナアレイは、複数のホーンアンテナ素子、各々が複数のホーンアンテナ素子各々に接続される対応する複数の誘電体レンズ、及び複数のホーンアンテナ素子を共通の給電点に接続する導波管給電ネットワークを含み、各誘電体レンズは、平面側及び対向する凸側を有する平凸レンズであり、各誘電体レンズは、凸側の内面に近接して形成された複数のインピーダンス整合特性を含み、凸側の外面は平坦である。
一例において、複数のインピーダンス整合特性は、複数の中空チューブを含む。他の例において、各誘電体レンズは、平面側の表面から誘電体レンズの内部に延びる複数のインピーダンス整合溝をさらに含む。複数の誘電体レンズは、例えば架橋ポリスチレン材料、又は例えばRexolite(登録商標)を含む。
他の実施形態において、アンテナアレイは、情報信号を受信する複数のホーンアンテナ素子、各直交モードトランスデューサは、各ホーンアンテナ素子に接続され、情報信号を直交偏光される第1成分信号及び第2成分信号に分割する対応する複数の直交モードトランスデューサ、及び複数の直交モードトランスデューサを共通の給電点に接続し、E面及びH面で各直交モードトランスデューサからの成分信号を合算する導波管給電ネットワークを含む。
一例において、導波管給電ネットワークは、第1成分信号を案内する第1経路及び第2成分信号を案内する第2経路を含み、第1経路は、各直交モードトランスデューサから受信された第1成分信号をE面で合算し、第2経路は、各直交モードトランスデューサから受信された第2成分信号をH面で合算し、導波管給電ネットワークは、共通の給電点で第1合算成分信号及び第2合算成分信号を提供する。他の例において、複数の直交モードトランスデューサは、第1ホーンアンテナ素子に接続された第1直交モードトランスデューサ及び第2ホーンアンテナ素子に接続された直交モードトランスデューサを含み、導波管給電ネットワークは、第1直交モードトランスデューサから第1成分信号を受信する第1入力部及び第2直交モードトランスデューサから第1成分信号を受信する第2入力部を有する導波管Tジャンクションと、2つの第1成分信号の加重和に対応する出力信号を提供する出力部とを含み、導波管Tジャンクションは、該導波管Tジャンクションをバイアスして、2つの第1成分信号の加重和を生成するチューニング素子を含む。
他の様相は、車両上に搭載可能な通信システムに関するものである。一実施形態において、上記通信システムは、車両の外面に搭載可能で、情報信号を送受信するアンテナアレイと、アンテナアレイを車両の外面に搭載して、アンテナアレイを所定の方位及び高度で移動させるジンバルアセンブリとを備えた外部サブシステム、及び車両内に搭載可能で、制御ユニットと送受信機とを備え、外部サブシステムに通信接続され、電力及び制御信号を外部サブシステムに提供する内部サブシステムを含み、制御ユニットは、制御信号をジンバルアセンブリに提供して、アンテナアレイの所定の方位及び高度の移動を制御し、ジンバルアセンブリは、外部サブシステムを車両の外面に搭載する搭載ブラケット、及びアンテナアレイをジンバルアセンブリに搭載するアンテナ搭載ブラケットを含む。
通信システムの一例において、搭載ブラケットは、中心部分及び4つの対応するアーム部分により中心部分に接続された4つのフットを含み、4つのフット各々は、アンテナアレイの回転スイープの外側に位置する。他の例において、外部サブシステムは、搭載ブラケットの中心部分内側に位置した回転継手をさらに含み、回転継手は、外部サブシステムを内部サブシステムに接続する。他の例において、アンテナ搭載ブラケットは、アンテナアレイの長さに沿って2箇所でアンテナアレイをグリップし、どのポイントもアンテナアレイの一端部にない。他の例において、ジンバルアセンブリは、制御ユニットから制御信号を受信して制御信号に応じた高度においてアンテナアレイを回転させる高度駆動アセンブリを含む。高度駆動アセンブリは、プッシュプルプーリーシステムを含む。他の例において、ジンバルアセンブリは、アンテナアレイに搭載され、偏光に応じた偏光でアンテナアレイを移動させる偏光コンバータユニットをさらに含む。
上記代表的な様相及び実施形態のまた別の様相、実施形態及び利点は、以下更に詳しく述べる。さらに、上述した情報及び以下の詳細な説明は、単に各種様相及び実施形態の示された例であり、請求された様相及び実施形態の本質及び特性を理解するための概要又は構造の提供を目的とすることが理解されるべきである。ここで開示された任意の実施形態は、ここで開示された目的、目標、及びニーズと一致する任意の方式で任意の他の実施形態と結合することができ、「実施形態」、「ある実施形態」、「代替実施形態」、「各種実施形態」、「一実施形態」等の参照は、相互排他的である必要はなく、実施形態に関連して記載された特殊な特徴、構造、または特性が、少なくとも一つの実施形態に含まれえることを示すことを目的とする。ここでこのような用語の出現は、必ずしも同一の実施形態を全て参照する必要はない。添付の図面は、各種様相及び実施形態の例示及びさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書の部分に統合され、この部分を構成する。明細書の残りと共に図面は、記載され請求された様相及び実施形態の原理及び動作を説明する役割を行う。
以下、少なくとも一つの実施形態の各種様相は、一定の縮尺で図示されることを意図していない添付図面を参照して述べる。図面の技術的特徴、詳細な説明または任意の請求範囲の後に参照符号が続く場合、参照符号は、図面、詳細な説明及び請求範囲の理解度を増加させる唯一の目的のために含まれる。従って、参照符号又はその部材のいかなるものも、任意の請求項の要素の範囲に任意の制限効果を有することを意図していない。図面において、各種図面に例示されたそれぞれ同一または略同一の構成要素は、同一番号で表される。明確にするために、全ての構成要素が全ての図面にラベリングされるのではない。図面は、例示及び説明のために提供され、本発明の制限の定義として意図していない。
本発明の様相による通信システムの一例の機能ブロック図である。 本発明の様相による外部サブシステムの一例を示す機能ブロック図である。 本発明の様相による航空機内及び航空機上に搭載された通信システムの一部を示す航空機の例示である。 本発明の様相による外部サブシステムの一例の斜視図である。 本発明の様相によるレードームの一例の平面図である。 本発明の様相によるカバーを有さない外部サブシステムの一例の斜視図である。 図6の外部サブシステムの分解図である。 本発明の様相による外部サブシステムをホストプラットフォームに固定する搭載ブラケットの一例の平面図である。 本発明の様相による高度ドライブの一例の部分分解図である。 本発明の様相によるアンテナアレイを高度で移動させるように使用されるプーリーシステムの一例の機能図である。 本発明の様相によるアンテナアレイの振動をチューニングするようにスプリング装着カムの使用を例示する概略図である。 本発明の様相によるアンテナアレイの一例の正面図である。 図12のアンテナアレイの部分分解図である。 ホーンアンテナの一例の断面図である。 本発明の様相による内部ホーンアンテナ素子の一例の側面図である。 本発明の様相による第3ホーンアンテナ素子の一例の側面図である。 本発明の様相による第2ホーンアンテナ素子の一例の側面図である。 本発明の様相による端部ホーンアンテナ素子の一例の側面図である。 本発明の様相による内部誘電体レンズの一例の側面図である。 図19の内部誘電体レンズの斜視図である。 図19の誘電体レンズの平面の平面図である。 本発明の様相による第3誘電体レンズの一例の側面図である。 本発明の様相による第3誘電体レンズの平面の平面図である。 本発明の様相による第2誘電体レンズの一例の側面図である。 図23aの第2誘電体レンズの平面の平面図である。 本発明の様相による端部誘電体レンズの一例の側面図である。 図24aの端部誘電体レンズの平面の平面図である。 本発明の様相による誘電体レンズの他の例の側面図である。 本発明の様相による誘電体レンズの他の例の側面図である。 本発明の様相による誘電体レンズをアンテナ素子に固定するのに使用されるピンの一例の側面図である。 図27aのピンの半径断面図である。 本発明の様相による誘電体レンズをアンテナ素子に固定するのに使用される保持クリップの斜視図である。 本発明の様相による誘電体レンズをアンテナ素子に固定するのに使用される保持クリップの斜視図である。 本発明の様相による誘電体レンズをアンテナ素子に固定するのに使用される保持クリップの斜視図である。 本発明の様相による保持クリップを収容するためのスロットを示す誘電体レンズの一例の斜視図である。 本発明の様相による誘電体レンズの少なくとも一部をアンテナアレイに固定するのに使用された保持クリップの他の例の側面図である。 本発明の様相によるホーンインサートの一例の等角投影図である。 図31aのホーンインサートの端部図である。 本発明の様相によるホーンインサートの他の例の等角投影図である。 本発明の様相によるホーンインサートの他の例の等角投影図である。 本発明の様相によるホーンインサートの他の例の等角投影図である。 本発明の様相による約1/2波長の素子スペーシングを有するアンテナアレイの0度のロールに対するビームパターンの図面である。 アンテナアレイの同一実施形態の15度のロールに対するビームパターンの図面である。 本発明の様相によるアンテナアレイの他の例を示す図面である。 本発明の様相による統合された直交モードトランスデューサを有するホーンアンテナ素子の一例の図面である。 本発明の様相による直交モードトランスデューサの一例の斜視図である。 本発明の様相による直交モードトランスデューサの他の例の斜視図である。 図37の直交モードトランスデューサの他の図面である。 本発明の様相による導波管給電ネットワークの一例の斜視図である。 本発明の様相による給電ネットワークの一例の一部の図面である。 図40aのA-A線に沿って切り取られた図40aの給電ネットワークの一部断面図である。 本発明の様相による給電ネットワークの一部の他の例の図面である。 本発明の様相による導波管T-ジャンクションの一例の斜視図である。 本発明の様相による給電ネットワークの他の例の一部図面である。 本発明の様相による偏光コンバータユニットを含むアンテナアレイの一例の部分分解図である。 本発明の様相による偏光コンバータユニットの一例の部分分解図である。 本発明の様相による低雑音増幅器の一例の斜視図である。 本発明の様相による内部サブシステムの一例の機能ブロック図である。 本発明の様相によるダウンコンバータユニットの一例の機能ブロック図である。 本発明の様相による内部サブシステムに対するハウジングの一例の斜視図である。 本発明の様相による較正プロセスの一例を示すフロー図である。
少なくともある様相及び実施形態は、車両上及び車両内に搭載されるアンテナアレイ及び電子装置サブアセンブリを含む通信システムに関するものである。通信システムは、通常、車両の外面に搭載される外部サブアセンブリ及び車両内に位置する内部サブアセンブリを含み、外部及び内部サブアセンブリは、互いに通信接続される。以下述べるように、外部サブアセンブリは、アンテナアレイだけでなく、搭載設備及びステアリングアクチュエータを含み、アンテナアレイを所定の方位、高度、及び偏光で移動させることができる(例えば、衛星又は他の信号源をトラッキングする)。内部サブアセンブリは、通信システムと結合した殆どの電子装置を含むことができる。内部サブアセンブリを車両内に位置させることは、以下更に詳細に述べるように、電子装置へのアクセスを容易にして、車両の外部環境から電子装置を保護することができる。通信システムの実施形態は、以下さらに述べるように、従来のシステムに比べ相対的に小さいサイズ及び重量であること(特に、航空機上に搭載されるシステムに有利である)、及び優れた広帯域RF性能を有することを含む多くの利点を提供する。
ここで述べる方法及び装置の実施形態は、以下の説明に定義されたり、又は添付図面に例示された構成の詳細な説明及び構成要素の配列に対する適用に制限されないことが理解されるべきである。上記方法及び装置は、他の実施形態で実施してよく、各種の方法で実行または実施してもよい。具体的な実施の例は、例示的な目的のみのために提供され制限することを意図しない。特に、何れか少なくとも一つの実施形態に関連して述べた作用、要素及び特徴は、他の実施形態で同様の役割から排除されることを意図しない。また、ここで使用される語句及び用語は説明のためのものであり、制限されると見なされてはならない。ここで単数で言及されるシステム及び方法の実施形態または要素あるいは作用に対する任意の参照は、複数の要素を含む実施形態を含んでもよく、ここで複数乃至任意の実施形態または要素あるいは作用の任意の参照は、単一要素のみを含む実施形態を含んでもよい。単数又は複数形態の参照は、現在開示されているシステムまたは方法、その構成要素、行為または要素を制限することを意図しない。ここで「含む(including)」、「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(containing)」、「伴う(involving)」及びその変形の使用は、その後に挙げられる項目及びその同等物だけでなく、追加的項目も含むことを意味する。「又は」に対する参照は、「又は」を使用して記載される任意の用語が一つ、少なくとも一つ、及び記載された用語全体のいずれか一つを指示することができるように含むと解釈できる。正面と背面、左側と右側、頂上と底、及び上部と下部に対する任意の参照は、説明の便宜のために意図されたものであり、本システム及び方法又はその構成要素をいずれかの位置または空間的定位に制限することを意図しない。
図1を参照すると、外部サブシステム(102)及び内部サブシステム(104)を含む通信システムの一例のブロック図が例示されている。外部サブシステム(102)は、アンテナアレイ(106)及びジンバルアセンブリ(108)を含み、その各々は以下で詳しく述べる。アンテナアレイ(106)は、以下でさらに述べるように、信号源(110)から通信信号を受信して、また、少なくとも一つの受信地に信号を送信する。内部サブシステム(104)は、電力、データ及び制御信号を搬送するケーブル及び他の伝送媒体(導波管など)を通じて、外部サブシステム(102)に接続され得る。内部サブシステム(104)は、通信システムの殆どの電子装置を含み、アンテナアレイ(106)により送受信される信号を処理し得る。一例において、内部サブシステム(104)は、ジンバルアセンブリ(108)と通信してアンテナアレイ(106)を制御するアンテナ制御ユニット(112)を含む。例えば、アンテナ制御ユニット(112)は、ジンバルアセンブリ(108)に制御信号を提供して、アンテナアレイを正確に所定の方位及び高度でポインティングして、信号源(110)から所望の信号を受信し得る。また、アンテナ制御ユニット(112)は、以下でさらに述べるように、内部サブシステム(104)の各種他の構成要素と通信し得る。高電力送受信機(114)は、アンテナアレイ(106)により受信された信号を受信して処理し、この信号をモデム(116)を介して出力し得る。モデム(116)は、当業者に公知の方法で動作し得る。また、高電力送受信機(114)は、アンテナアレイ(106)により送信される信号を処理する。
一実施形態によると、内部サブシステム(104)は、内部サブシステム(104)の構成要素だけでなく、外部サブシステム(102)にも電力を提供する電源(118)を含む。電源(118)は、内部サブシステムの一部である専用の電源を含み得るか、又は電力を必要とするホスト車両の電源から内部サブシステムの構成要素に電力を供給して切り換える、ある必要な構成要素を含み得る。内部サブシステムは、ネットワーク管理サーバ(120)をさらに含み得る。内部サブシステム(104)の一部であり得るか、又はそれから分離されて、それと共に通信できるナビゲーションリファレンスシステム(122)は、以下さらに述べるように、通信システムが設けられる車両からナビゲーションデータを提供し得る。
図2を参照すると、一実施形態において、ジンバルアセンブリ(108)は、信号対雑音の考慮のために、できるだけアンテナアレイに近接して位置しなければならない低雑音増幅器(124)を含むので、内部サブシステム(104)というよりはむしろ外部サブシステム(102)に含まれる。一例において、ジンバルアセンブリ(108)は、以下でさらに述べるように、外部サブアセンブリ(図示せず)の角度位置を感知するのに使用される傾斜センサを含み得る機械的アンテナポインティングアセンブリ(126)、及びアンテナアレイ(106)と信号源(110)との間の偏光スキューを調整するのに使用される偏光コンバータユニット(128)をさらに含む。ジンバルアセンブリ(108)は、以下でさらに述べるように、外部サブシステム(102)に固有のデータを含むことができるメモリ装置(130)をさらに含み得る。
一実施形態によると、通信システムは、航空機又は自動車等の車両上及び車両内に搭載できる。図3を参照すると、本発明の様相による通信システムが備わった航空機(132)の一例が例示されている。通信システムの様相及び実施形態の以下の考察は、航空機上に設けられたシステムを主に言及するかもしれないが、本発明はそれに制限されず、通信システムの実施形態は、船、列車、自動車及び航空機を含む各種他の車両だけでなく、商業用又は住居用建物等の停止プラットフォーム上に設けられ得ることが理解されるべきである。外部サブシステム(102)は、航空機(132)のある適切な位置に搭載され得る。航空機(又は他の車両)上に外部サブアセンブリを搭載する位置は、例えば、空気力学的考察、重量バランス、システムの設置及び/又は維持の容易さ、FAAの要求、他の部品との干渉、及びアンテナアレイの視野等の各種要因を考慮することによって選択され得る。上記で述べたように、外部サブシステム(102)は、重要な情報信号(134)を信号源(11)から受信するアンテナアレイ(106)(図1参照)を含む。信号源(110)は、他の車両、衛星、基地局、タワーまたは放送局等の固定または停止プラットフォーム、或いはある他の形態の情報信号源であり得る。情報信号(134)は、TV信号、メンテナンスでエンコーダーされる(デジタル又は他の方式)信号、位置または他の情報、音声またはオーディオ伝送などを含む通信信号であり得るが、これらに制限されるのではない。一例において、上記システムは、システムそのものまたは航空機(132)の部品に対する情報(例えば、動作情報、必要な保全情報など)を遠隔サーバまたは制御/維持施設に送信して、システム及び/又は航空機の遠隔モニタリングを提供するのに使用できる通信ネットワークの部分を形成する。
世界の多くの地域において衛星の動作に精通している人に知られているように、周波数動作の広帯域で発生する各種の衛星動作周波数が存在する。直接放送衛星、例えば、略14.0GHz〜14.5GHzの周波数で信号を受信する一方、この衛星は、略10.7GHz〜12.75GHzの周波数の範囲でダウン信号を送信することができる。以下の表1は、周波数に加えて、本発明のアンテナアセンブリ及びシステムにより収容される直接放送信号の受信に存在する変数の一部を例示する。信号源(110)は、これら又は他の形態の衛星のうちいずれか一つであり得る。
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図3をさらに参照すると、通信システムは、個別的なチャンネル選択、インターネット接続や能力などを各乗客に提供するために、シートバックディスプレイユニット(136)、結合ヘッドフォン、及び選択パネル等の複数の乗客インターフェースを含み得るか、これに接続され得る。代案として、例えば、ライブビデオは航空機の乗客領域に周期的に位置する複数のスクリーンを通じた観覧を共有するために、全ての乗客にも分配され得る。信号は、無線またはケーブルを使用して、内部サブシステム(104)と乗客インターフェースとの間に提供され得る。また、通信システムは、例えば、全てのシステムをコントロールするために、また、維持管理及び修理を除き、外部サブアセンブリとの直接的な人間との相互作用が要求されないように、民間航空会社の客室乗務員により使用されるキャビン領域に位置し得るシステムコントロール/ディスプレイステーション(138)も含み得る。一例において、通信システムは、図3の航空機などの移動車両上の衛星ビデオ受信システムのフロントエンドとして使用され得る。衛星ビデオ受信システムは、例えば、ニュース、天気、スポーツ、ネットワークプログラミング、映画などのライブ番組を車両内の多くの乗客に提供するのに使用され得る。
図4を参照すると、外部サブシステム(102)の一実施形態が斜視図として例示されている。上記で述べたとおり、外部サブシステム(102)は、信号を情報源(図1の110)から受信し、信号を送信するようにされたアンテナアレイ(106)を含む。以下でさらに述べるように、アンテナアレイ(106)は、給電ネットワーク(202)に接続された複数のアンテナ素子(図示せず)を含み得る。一例において、該アンテナ素子はホーンアンテナであり、給電ネットワーク(202)は導波管給電ネットワークである。アンテナ素子の各々は、以下でさらに述べるように、各アンテナ素子の利得を改善するように構成された各レンズ(204)に接続され得る。また、保持クリップ(206a、206b、及び206c)は、以下で述べるように、レンズ(204)を各アンテナ素子に固定するのに使用され得る。一実施形態によると、アンテナアレイ(106)は、給電ネットワーク(202)、アンテナ素子及びレンズ(204)の構成並びに配置により、ベースモード構造の固有周波数のみで実質的な剛性構造を形成する。構造的発振の観点から、アンテナアレイ(106)は多くの個別的なユニットのアレイというよりは、むしろ単一ユニットの役割を行う。アンテナアレイ(106)に対する実質的な剛性構造の利点は、アンテナアレイの性能及びポインティングの正確度に他の方式で悪影響を与え得るアンテナアレイの最小発振を含み得る。一例において、アンテナアレイ(106)のベースモード構造の固有周波数は、約20Hzである。
アンテナアレイ(106)は、アンテナ搭載ブラケット(208)を使用してジンバルアセンブリ(108)に搭載され得る。図4に例示されたように、一実施形態において、アンテナ搭載ブラケット(208)は、アンテナアレイの端部でなく、むしろアンテナアレイの中心に近接したポイントでアンテナアレイ(106)をグリップする。アンテナ搭載ブラケットのグリップポイントは、アンテナアレイ(106)の縦方向の中心から実質的に対称的に離隔され得る。端部でというよりは、むしろその長さに沿って内部ポイントでアンテナアレイ(106)をグリップすることは、アンテナアレイの不要な構造的発振を低減させることをさらに容易にし得る。
図4をさらに参照すると、少なくとも一部の実施形態において、外部サブシステム(102)の殆どは、カバー(210)によりカバーされ得る。カバー(210)は、外部サブシステム(102)の部品の少なくとも一部に環境保護を提供し得る。ケーブル(212a、212b、及び212c)は、内部サブシステム(104)と外部サブシステム(102)との間で、データ、電力、及び制御信号を搬送するのに使用され得る。通信システムは、図4に例示されたように、3組のケーブル(212a、212b、及び212c)の使用に制限されず、適切な数のケーブルが使用され得るということが理解されるべきである。外部サブシステム(102)は、車両の本体[例えば、航空機(132)の胴体]に固定できる搭載ブラケット(214)を使用して車両に搭載され得る。
一実施形態によると、外部サブシステムは、車両(132)が移動するにつれて外部サブアセンブリにより発生した抗力を減少させる役割を果たすレードームによりカバーされ得る。レードーム(270)の例は図5に例示されている。一例において、レードームは、約9.5インチの最大高さ及び約64.4インチの長さ(272)を有するが、ある所定の実施形態でのレードーム(270)のサイズは、外部サブシステム(102)のアンテナアレイ(106)及び他の部品のサイズに依存し得ることが理解されるべきである。一例によると、レードーム(270)は、アンテナアレイ(106)により送受信される無線周波数(RF)信号を透過する。レードーム(270)は、石英またはガラス等の繊維の積層プライ(plies)、及びエポキシ、ポリエステル、シアン酸エステルまたはビスマレアミド等の樹脂を含む当業者に公知の材料で製造され得るが、これらに制限されない。これらまたは他の材料は、高透過軽量のレードームの構成を形成するために、ハニカムまたはフォームと結合して使用され得る。
図6を参照すると、カバー(210)無しで図示された外部サブシステム(102)の例が示されている。外部サブシステムの各種部品は、以下の図6を連続的に参照してさらに詳細に述べる。
図7を参照すると、図6に図示された外部サブシステム(102)の例の部分分解図が例示されている。一例において、カバー(210)は、カバー(210)を形成するように共に固定され得る上部部分(210a)、背面部分(210b)、及び2つの側面部分(210c及び210d)などのいくつかの部分を含む。しかし、本発明は、それに制限されず、カバー(210)は4つより多いかまたは少ない部分を含み得、カバーは、図7に例示されたものと相違するように構成し得ることが理解されるべきである。一例において、カバー部分はスクリュー又はボルト等のファスナーのみを使用して共に固定される。ファスナーの数は、外部サブシステム(102)(例えば、アップグレードまたは修理部品)のアクセスが必要な場合、カバーを除去する不要な遅延及び複雑化を避けるために、カバーを固定するのに必要な最小数であり得る。他の例において、接着剤は、カバー部分(201a〜210d)を共に固定するために単独又はファスナーと結合して使用され得る。しかし、一部の適用において、外部サブシステム(102)が航空機(132)上に搭載される場合、接着剤の使用はカバー(210)の除去をさらに複雑にし得るので、好ましくない。
上記で述べたとおり、外部サブシステム(102)は、搭載ブラケット(214)を使用して車両(または他のプラットフォーム)に搭載され得る。搭載ブラケット(214)の例は、図8に示されている。示された例において、搭載ブラケットは、中心部分(216)とこの中心部分(216)から外部に延びる部分(220)の端部にある4つのフット(218)を含む。搭載ブラケット(214)は、フット(218)を通じてスクリューまたはボルト等のファスナーにより車両に固定され得る。図8に例示されたような類似する構成を有する搭載ブラケット(214)の使用は、搭載ブラケットにより外部サブシステム(102)を車両に固定搭載して、車両上に外部サブシステムの設置を容易にするのに4つのファスナーのみが必要であるため、一部の適用で有利になり得る。一例において、フット(218)は、ファスナーがアンテナアレイの位置に関係なくアクセスされ得るように、アンテナアレイ(106)の回転スイープの外側に位置し得る。この構成は、搭載ブラケット(214)、例えば、アンテナアレイ(106)の各種条件と定位下で外部サブシステム(102)の設置、特に、除去を容易にし得る。外部サブシステム(102)と内部サブシステム(104)との間で電力、データ、及び/又は制御信号を搬送するケーブルは、中心部分(216)を通過し得る。ガスケット又は他のシール装置は、穴が車体に提供されて、ケーブルが内部サブシステム(104)を通過するので、搭載ブラケット(214)の中心部分(216)(またはそれを通じて延びるケーブルキャリア)と車体との間の接続をシールするのに使用され得る。
一実施形態によると、外部サブシステム(102)の少なくとも一部[例えば、アンテナアレイ(106)及びジンバルアセンブリ(108)の少なくとも一部部品]が、所定の高度、方位及び偏光のいずれか一つ又は全てで移動可能であるため、車両の複数の位置及び定位から信号源(110)との通信を容易にする。従って、ジンバルアセンブリ(108)は、そのような移動を収容するように設計され得る。一実施形態において、搭載ブラケット(214)の中心部分(216)は、方位の回転の中心を規定する方位アセンブリ(222)を収容し得る。方位アセンブリ(222)は、例えば、車両のシェル[例えば、航空機(132)のシェル]を貫通して、ケーブルが内部サブシステム(104)と外部サブシステム(102)との間の車両のシェルを通過させることのできる回転継手を含み得る。一例において、方位アセンブリは、無線周波数(RF)通信、電力、及び制御信号が、外部サブシステム(102)の移動可能な部品と航空機(132)の停止ホストプラットフォームとの間で、ケーブル(212a〜212c)を通じて移動するように、個別部品または統合アセンブリとして回転継手及びスリップリングを含み得る。回転継手とスリップリングとの組み合わせ、または当業者に公知の他の装置は、アンテナアレイ(106)がホスト航空機(132)に対してある一方向への方位で連続的に回転させることで、搭載可能なサブシステムが方位モータと組み合わせて使用されるとき、連続的な半球またはそれより広い範囲を提供するようにし得る。回転継手又は類似の装置なく、アンテナアレイ(106)はケーブルが互いにラッピングすることを防止するために、ストップに到達するまで移動した後、再度バック移動しなければならない。
図6及び図7を再度参照すると、一実施形態において、ジンバルアセンブリ(108)は、所定の方位及び高度でアンテナアレイ(106)を移動させる駆動アセンブリ及びモータを含む。アンテナアレイ(106)を所定の方位で移動させるために、ジンバルアセンブリ(108)は方位ハブ(226)に接続された方位駆動アセンブリ(224)を含み得る。一例において、方位ハブ(226)は、搭載ブラケット(214)の中心部分(216)を囲む方位プーリー(230)にワイヤ(228)を介して接続される。方位駆動アセンブリ(224)は、制御回路だけでなく、方位モータ筺体(232)内に収容された方位モータを含み得る。方位駆動アセンブリは、制御信号をアンテナ制御ユニット(112)(図1参照)から受信して、方位モータを作動させて、アンテナアレイ(106)を所定の方位で回転させ得る。
一実施形態によると、ジンバルアセンブリ(108)はフレキシブルカップリング(236)を介して、高度モータ(238)に接続される高度駆動モータ(234)を含む。高度モータ(238)は、高度モータ支持体(240)に搭載され、ハウジング(242)内に収容され得る。示された例において、高度ドライブ(244a及び244b)は、アンテナ搭載ブラケット(208)に接続され、方位ハブ(226)に搭載されることによって、アンテナアレイ(106)を方位駆動システムに機械的に接続する。図7に図示されたように、一実施形態において、アンテナ搭載ブラケット(208)は一部円筒状を有し、高度ドライブ(244a、244b)は、湾曲したアンテナ搭載ブラケット(208)を支持する円弧状の側面支持体を含む。図9を参照すると、右側の高度ドライブ(244a)の部分分解図が例示されている。左側の高度ドライブ(244b)は、右側の高度ドライブ(244a)の実質的な鏡像であり得ることが理解されるべきである。図9に図示されたように、高度ドライブ(244a)は、アンテナ搭載ブラケット(208)、例えば、アンテナアレイ(106)が湾曲トラックに沿って移動し、アンテナアレイ(106)が高度で回転するようにするローラ(248)を備えた円弧状の側面支持体(246)を含む。
一例において、各種部品を互いに連結するフレキシブルカップリング(236)などのフレキシブルカップリングを使用することは、接続部で傾斜及び/又は角度の公差を緩和させ、この接続部上の歪みを除去または低減させることによって、外部サブシステム(102)の製造の容易さを加え得る。
一実施形態によると、高度駆動システムは、プーリーシステムを使用してアンテナアレイ(106)を高度で移動させることができる。プッシュプルプーリーシステムの例は、図10に概略的に例示されている。プッシュプルプーリーシステムは、アンテナアレイ(106)の連続ループで、ワイヤ(254)を介して接続されたアイドラー(252)及び駆動スプロケット(250)を含む。図6及び図8を参照すると、高度駆動モータ(234)における駆動スプロケット(250)(図7参照)と高度ドライブ(244a)に接続されたアイドラー(252)を含むプッシュプルプーリーシステムの例が示されている。図9に図示されたように、アイドラー(252)は、シャフト(256)、ローラ(258)、及びブラケット(260)を含み得る。ハウジング(232)内の高度モータは、電力を提供してプーリーシステムを駆動させ、アンテナ搭載ブラケット(208)が側面支持体(246)により形成された円弧状のトラックに沿ってローラ(248)上で回転するようにし得る。従って、プッシュプルプーリーシステムは、以下でさらに述べるように、制御信号に応じた高度でアンテナアレイ(106)の移動をもたらすことができる。一例において、アンテナアレイは、約-10°〜90°の高度角の範囲(天頂)にわたって移動し得る。プーリーシステムをプッシュプルシステムとして構成する利点は、低トルクの高度モータを使用できるということである。また、アンテナ搭載ブラケット(208)は、アンテナアレイ(106)に広い支持体を提供して、アンテナ搭載ブラケットの大半にわたってアレイのロードを分配するために、比較的広いバンドを含み得る。この特徴は、比較的小型で、低トルクの高度モータの使用をさらに容易にし得る。
一実施形態によると、アンテナ搭載ブラケット(208)は、図11に概略的に例示されたように、スプリング装着カム(262)を含み得る。スプリング装着カム(262)は、アンテナアレイ(106)の高周波振動をチューニングするのに使用され得る。一例において、スプリング装着カム(262)は、スプリング装着されたウェッジカムである。他の例において、アンテナ搭載ブラケット(208)の円弧上のアンテナアレイのレジストレーション(registration)は、ウェッジ及びスタンダードカム(264)により保持され得る。また、スナバホイール(図示せず)は、アンテナ搭載ブラケット(208)上に提供されて、アンテナアレイ(106)の揺れを防止し得る。アンテナアレイ(106)は、その構造的な固有周波数の結果として、前後に揺れる傾向があり得る。スナバホイールは、この揺れ(rocking)を防止して、アンテナアレイのポインティング角に影響を与えない揺動運動(rocking motion)を完全な並進運動(即ち、上下運動)に変更し得る。
図6及び図7を参照すると、一実施形態において、ジンバルアセンブリ(108)は、各種ケーブルと外部サブシステム(102)の部品との間でだけでなく、内部サブシステム(104)のアンテナ制御ユニット(112)及び/又は他の部品に接続を提供するジンバル接続カード(266)を含む。このジンバル接続カード(266)は、接続ケーブルを受け取り、多数の配線状況に使用される伝統的なケーブルハーネスに取って代わることによって、内部サブシステム(104)と共に、及び/又は内部サブシステムに外部サブシステム(102)の部品を接続することを大きく簡略化できる。ジンバル接続カード(266)において、外部サブシステム(102)の各部品は、ジンバル接続カードに容易にプラッギングできるように接続ケーブルを含み得る。従って、各部品は、他の部品の配線を変更するか、またはこの配線と干渉せずにジンバル接続カード(266)に接続されるか、またはこのカードから分離され得るので、システムの他の部品に接続され得る。
上記で述べたように、一実施形態によると、アンテナアレイ(106)は、少なくとも一部の実施形態で、導波管ネットワークである給電ネットワーク(202)に接続されるホーンアンテナ(268)などの複数のアンテナ素子(図6参照)を含む。また、各アンテナ素子(268)は、対応する誘電体レンズ(204)に接続され得る。誘電体レンズ(204)は、以下でさらに詳細に述べるように、アンテナ素子(268)及び該素子から流入したり透過される放射をフォーカスして、アンテナ素子の利得を高める役割を行う。給電ネットワーク(202)は、アンテナアレイ(106)に使用されるアンテナ素子(268)の形態及び構成に基づいて改造され得る。図4、図6及び図7に示された例において、給電ネットワーク(202)はカスタム(custom)サイズに形成された導波管給電ネットワークである。導波管の利点は、通常、ケーブルまたはマイクロストリップ等の他の伝送媒体よりも損失がさらに少ないことである。従って、アンテナアレイ(106)と関連した損失を低減するか、または最小化することが好ましい適用において、給電ネットワーク(202)の導波管を使用することが有利であり得る。しかし、給電ネットワーク(202)は、導波管以外の伝送媒体を使用して、全体または部分的に構成され得ることが理解されるべきである。給電ネットワーク(202)は、以下でさらに詳細に記載される。
図12及び図13を参照すると、アンテナアレイ(106)の一例の正面図(図12)及び部分分解図(図13)が例示されている。示された例において、アンテナアレイ(106)は2つの平行列に配列された64個の矩形ホーンアンテナ(268)のアレイ(即ち、2×32の構成)を含む。しかし、アンテナアレイ(106)は、その各々が適切なアンテナのいかなる形態でもあり得る多くのアンテナ素子を含み得ることが好ましい。例えば、代替的なアンテナアレイは、2×4または1×8の構成で8個の円形又は矩形のホーンアンテナを含み得る。一部の適用において、アンテナ素子は、例えばホーンアンテナ等の広帯域幅を有するアンテナとなることが有利であり得るとしても、本発明はホーンアンテナに制限されず、ある適切なアンテナが使用され得る。従って、以下の考察が矩形ホーンアンテナの2×32アレイの例示的な例を主に言及するが、本考察は、当業者に明白になり得る修正により、アレイの他の形態及びサイズに同様に適用されることが理解されるべきである。
通常、各ホーンアンテナ素子(268)は、図14に図示されたように、アンテナ素子の側面(304)により形成されたアパーチャー(302)を通じて流入する電磁放射を受信することができる。アンテナ素子(268)は、該アンテナ素子が給電ネットワーク(202)(図14に図示せず)に接続される給電点に受信された放射をフォーカスすることができる。アンテナアレイ(106)が情報源から流入する放射を受信することに関して、主にここでさらに述べる場合、アンテナアレイは、給電ネットワーク(202)が信号を対応する給電点(306)を通じて各アンテナ素子(268)に提供する送信モードで動作してもよく、アンテナアレイが信号を送信することが理解されるべきである。
上記で述べたように、一実施形態によると、外部サブシステム(102)は、図3に図示されたように、航空機(132)等の車両に搭載され得る。これと類似する適用において、航空機が移動するにつれてアンテナアレイ(106)の高さ[全体の外部サブシステム(102)の高さ]を減少させて、抗力を最小化するのが好ましい。従って、低プロファイルアンテナ素子(268)は、そのような適用のために目下のところ好ましい。よって、一例において、ホーンアンテナ素子(268)は、ホーンアンテナ素子(268)の高さ(312)を比較的小さく維持しながら、広いアパーチャー領域を提供するために、比較的広い内部角(308)と比較的広いアパーチャー幅(310)を有するもので構成される。一例において、ホーンアンテナ素子(288)は、同列上のホーン対ホーンの方位スペーシングが最も高い送信周波数で、約1波長になるようにサイジングされる。このサイジングは、以下でさらに述べるように、動作周波数帯域外側の第1グレーティングローブ(grating lobe)を維持するのに役立つ。
アンテナ素子(268)として低い高さ、広いアパーチャーのホーンアンテナを使用する一つの結果は、アンテナ素子は好ましいことよりも低い利得を有し得る。図14に図示されたように、該低い利得は、ホーンアパーチャー(302)に垂直入射される第1信号(314)と、アンテナ素子(268)の側面(304)に沿って入射される第2信号(316)との間にかなりの経路長の差があるため発生する。この経路長の差は、第1信号と第2信号(314、316)との間にかなりの位相差を発生させて、信号干渉を引き起こし、全体の利得を低くすることもある。従って、一実施形態によると、誘電体レンズ(204)は、各ホーンアンテナ素子(268)に接続されて、ホーンアンテナ素子の利得を改善させる。誘電体レンズ(204)は、ホーンアンテナ素子(268)のアパーチャー(310)に搭載され、RFエネルギーをホーンアンテナ素子の給電点(306)にフォーカスし得る。誘電体レンズ(204)は、ホーンアンテナ素子(268)上で相違する角で入射される信号の位相及び経路の長さをマッチングする役割を行い、アンテナアレイ(106)の利得を増加させ得る。
一実施形態によると、アンテナアレイ(106)は、アンテナアレイのビームパターンでサイドローブ低減をさらに容易にするためにテーパーとなる。一例において、アンテナ素子の各列の各端部での外部の3つのホーンアンテナ素子(268)は、サイズ及び形態において実質的に同一であり得る残りのアンテナ素子よりも小さい。上記テーパーとなったアンテナ素子(268)と結合した誘電体レンズ(204)は、残りのアンテナ素子と結合したレンズよりも相応してさらに小さいこともある。アンテナアレイ(106)のテーパリングは、図12及び図13を参照すると分かる。図12及び図13に図示されたように、一例において、アンテナアレイ(106)の各列の各端部からの第3誘電体レンズ(318)は、各列の誘電体レンズ(320)の内部(26)よりもわずかに小さい。一例において、内部誘電体レンズ(320)及び対応する内部ホーンアンテナ素子(322)の全ては、サイズが実質的に同一である。内部ホーンアンテナ素子(322)の例は図15に示されている。第3誘電体レンズ(318)と結合した第3ホーンアンテナ素子(324)は、内部ホーンアンテナ素子(322)よりもわずかに小さいこともある。第3ホーンアンテナ素子(324)の例は、図16に示されている。同様に、各列の各端部からの第2ホーンアンテナ素子(326)、及びその結合した第2誘電体レンズ(328)は、各々第3ホーンアンテナ素子(324)及び第3誘電体レンズ(318)よりもわずかに小さいこともある。第2ホーンアンテナ素子(326)の例は、図17に示されている。同様に、各列の各端部上の端部ホーンアンテナ素子(330)、及びその結合した端部誘電体レンズ(332)は、各々第2ホーンアンテナ素子(326)及び第2誘電体レンズ(328)よりもわずかに小さいこともある。端部ホーンアンテナ素子(330)の例は、図18に示されている。このように、アンテナアレイ(106)のエッジで、及びエッジに向かってホーンアンテナ素子(268)、及び結合した誘電体レンズ(204)のサイズを減少させることによって、アンテナアレイがテーパーとなる。このテーパーの慎重な設計は、以下でさらに述べるように、アンテナアレイ(106)のビームパターンでサイドローブ低減を容易にし得る。
一実施形態によると、誘電体レンズ(204)は、ホーンアンテナアパーチャー(302)上及び/又はアパーチャー内に部分的に搭載され得る平凸レンズである。本明細書のために、平凸レンズは、一つの実質的な平坦面及び対向する凸面を有するレンズとして定義される。誘電体レンズ(204)は、例えば、スネルの法則による回転を含む公知の光学原理に従って形成され、ホーンアンテナ素子(268)の給電点(306)に流入する放射をフォーカスし得る。
図19を参照すると、内部誘電体レンズ(320)の一例の側面図が示されている。示された例において、上記誘電体レンズ(320)は、平面(336)及び対向する凸面(338)を有する平凸レンズである。誘電体レンズ(320)の凸形状は、レンズのエッジに比べて中心(334)に提供される[対応するホーンアパーチャー(302)の中心上に位置し得る]誘電体材料の垂直深さが大きいことが分かる。従って、第1信号(314)等の垂直入射信号(図14参照)は、ホーンアンテナ素子(268)のエッジ(304)に沿って入射される第2信号(314)よりも大量の誘電体材料を通過し得る。電磁信号がエアを介してよりも誘電体を介してさらにゆっくりと移動するため、誘電体レンズ(320)の形状は、第1及び第2入射信号(314、316)の電気的経路長を同等にするのに使用され得る。相違する角からホーンアンテナ素子(268)上に入射される信号間の位相不整合を減少させることによって、誘電体レンズ(320)はホーンアンテナ素子の利得を増加させる役割を果たす。
誘電体レンズ(320)の凸面(338)上に入射される信号の反射は、通常、エア媒体とレンズ媒体との間のインピーダンス不整合から発生し得る。自由空間(又は乾燥エア)の特性インピーダンスは、約377オームとなることが公知となっている。誘電体レンズ(204)のために、特性インピーダンスはレンズ材料の誘電率の平方根に反比例する。従って、レンズ材料の誘電率が大きければ大きいほど、一般的にレンズとエアとの間のインピーダンス不整合は大きくなる。レンズ材料の誘電率は、しばしば比誘電率と呼ばれる所定の誘電体物質の特徴量である。一般的に、誘電率は、フレネル反射係数とも呼ばれる材料の反射面性質を示す実数部と、材料の電波吸収性質を示す虚数部とを含む複素数である。レンズ材料の誘電率がエアに相対的に密接するほど、反射される受信された通信信号のパーセンテージは低くなる。
レンズ(204)の誘電体材料は、少なくとも部分的にこの材料の公知の誘電率及び損失タンジェント値に基づいて選択され得る。例えば、多くの適用において、アンテナアレイ(106)での損失を低減又は最小化することが好ましいので、低損失タンジェントを有するレンズに対する材料を選択することが好ましい。アンテナアレイ(106)のサイズ及び重量の制限は、通常、材料の誘電率が低いほどレンズが大きくなる可能性があるため、少なくとも部分的に材料の誘電率の範囲を決定する。一部の適用において、レンズのサイズ及び重量を減少させるために、比較的高い誘電率を有する材料で誘電体レンズ(204)を製造することが好ましい。しかし、レンズとエアとの間のインピーダンス不整合から発生する反射は好ましくない。
従って、一実施形態において、誘電体レンズ(204)は凸面(338)及び平面(336)のいずれか又は両方に形成されたインピーダンス不整合特性を有する。図19を再度参照すると、誘電体レンズ(320)は、凸面(338)の内面直下に形成されたインピーダンス整合穴(340)を含む。この穴(340)は、図20に例示されたように、誘電体レンズ(320)の深さに沿って「チューブ」として延び得る。上記穴(340)は、凸面(338)で且つその近傍で、レンズの実効誘電率を低くすることによって、周囲のエアに対して誘電体レンズ(320)のインピーダンス整合を改善させ得る。誘電体レンズ(320)と周囲のエアとの間のインピーダンス整合を改善させることは、レンズ/エアのインターフェースでRFエネルギー反射を減少させるため、アンテナの効率を最大化するか、又は少なくとも改善させる。同様に、インピーダンス整合溝(342)が誘電体レンズ(320)の平面(336)に形成されて、ホーンアンテナ素子(268)でレンズとエアとの間のインピーダンス不整合を減少させ得る。誘電体レンズ(320)の平面(336)に形成され得る上記溝(342)のパターンの例は図21に示されている。インピーダンス整合穴(240)及び溝(342)を追加することは、少ない材料が使用されるため(材料が取り除かれて、穴及び/又は溝を形成する)、誘電体レンズ(320)の重量を減少させるさらなる利点を有し得る。
反射信号の大きさは、レンズの表面でインピーダンス整合特性の存在によりかなり減少し得る。インピーダンス整合穴(340)において、凸面(338)での反射信号は、以下の数学式1により、各境界での屈折率(η)の関数として減少し得る。
Figure 0005453269
反射信号の他の減少は、直接及び内部反射の信号が構成的に追加されるように穴(340)の直径を最適化することによって得られる。一例において、穴(340)は、実質的に類似するサイズであり、約0.129インチの直径を有する。
誘電体レンズのインピーダンス整合特性の上記考察が、主に内部誘電体レンズ(320)を言及していても、この考察はテーパー状の誘電体レンズ(318、328、及び330)に同じく適用されることが理解されるべきである。テーパー状の誘電体レンズ(318、328、及び332)の各々に形成されたインピーダンス整合穴(340)及び/又はインピーダンス整合溝(342)の数は、テーパー状の誘電体レンズ(318、328、及び332)の小型サイズ及び変更した形状により、内部レンズ(320)に対して変化し得る。また、インピーダンス整合溝(342)が形成される平面(336)の「溝ポケット」または領域は、以下でさらに述べるように、小型レンズより小さいこともある。図19を参照すると、一例において、誘電体レンズ(320)は、約3.000インチの溝ポケットの長さ(350)、及び約0.650インチの溝ポケットの幅(352)を有する。
図22aを参照すると、第3誘電体レンズ(318)の一例の側面図が示されている。図22bは、インピーダンス整合溝(342)を図示する第3誘電体レンズ(318)の平面(336)の一例を例示する。第3誘電体レンズ(318)が内部誘電体レンズ(320)よりもわずかに小さいため、溝ポケットの長さ(350)は、内部誘電体レンズ(320)の長さよりもわずかに小さい約2.750インチであり得る。一例において、各種相違するホーンアンテナ素子(268)の幅は、その長さがテーパリングを達成するために変化しても、一定のままであり得る。従って、溝ポケットの幅(352)は、全ての誘電体レンズ(318、320、328、及び332)と殆ど同一であり得る。図23a及び図23bは、各々第2誘電体レンズ(328)の一例の側面図及び第2誘電体レンズの平面(336)の対応する平面図を例示する。一例において、第2誘電体レンズ(328)は、約2.200インチの溝ポケットの長さ(350)を有し得る。同様に、図24a及び図24bは、各々端部誘電体レンズ(332)の一例の側面図及び端部誘電体レンズ(332)の平面(336)の対応する平面図を例示する。一例において、端部誘電体レンズ(332)は、約1.650インチの溝ポケットの長さ(350)を有する。
図21を再度参照すると、一例において、平面(336)上の溝(342)は、約0.750インチの「水平」中心間スペーシング(344)及び約0.325インチの「垂直」中心間スペーシング(346)を有する。溝(342)は、約0.125インチの「水平」幅及び約0.135インチの「垂直」幅を有し得る。一例において、溝(342)は約0.087インチの深さを有する。この寸法は、変化するレンズ(318、320、328及び332)の各々に形成された溝(342)と殆ど同一であり得る。しかし、溝(342)のサイズ及びスペーシングは、誘電体レンズ(204)のサイズ及び上記レンズを製造するのに使用される材料の誘電率により変化し得ることが理解されるべきである。
レンズは、例えば、レンズ材料の固形ブロックをミリングして、凸平面レンズを形成することによって生成され得る。インピーダンス整合穴(340)及び/又は溝(342)は、当業者に公知のミリング、エッチング、又は他の処理により形成され得る。「穴」及び「溝」の用語は単に例示的であり、特徴の形状またはサイズに関して制限されることを意図していないことが理解されるべきである。
誘電体レンズ(204)のサイズ、形状、及び構造的特徴に多数の変化があり、本発明は、上述した例のサイズ、形状、及び構造的特徴を有する誘電体レンズの使用に制限されないことが理解されるべきである。例えば、図25を参照すると、誘電体レンズ(204)の一部又は全てに使用され得る誘電体レンズ(356)の代替実施形態の側面図が例示されている。誘電体レンズ(356)は、上記で述べたように、凸面(338)及び平面(336)を有する平凸レンズである。一例において、誘電体レンズ(356)は、外部凸面(338)に形成されたインピーダンス整合溝(358)を有する。溝(358)は、誘電率を効果的に減少させるレンズの表面で誘電体材料のパーセンテージを減少させて、それをエアのパーセンテージに近接させ得る。一例において、誘電率は約2.53〜1.59に減少し得る。一例において、約1/4波長の厚さである溝壁は、レンズ/エアの境界での信号反射を減少させて、効率を最適化する役割を行う。従って、溝領域はエアと残りのレンズ材料間の誘電率の小さい「ステップ」の変化を提供して、インピーダンス整合を容易にする。
溝(358)は、平行(水平又は垂直)線、個別インデンテーション(indentation)のアレイ、連続的な往復ライン、規則的に離隔された一連の穴または離隔されたインデンテーション、例えば、全ての1/2波長などを含む多数の相違する構成に形成され得るが、これらに制限されるのではない。溝の偶数又は奇数のうちいずれかであり得、溝は規則的又は不規則的に離隔され得る。一例において、溝(358)は均一に離隔されており、標準ミリング技術及び手段を使用して、レンズ材料で容易に加工され得る。一例において、溝は機械化を容易にするために、実質的に同一の幅を有するように加工され得る。他の例において、溝(358)の各々は、該溝がレンズ構造の内側上のダルポイント(dull point)にテーパーとなり得る溝の最も大きい深さで凹面の特徴を有する。上記で述べたように、レンズ(356)が平凸レンズである実施形態で、レンズは、レンズのエッジに比べて、レンズの中心近傍にレンズ材料の最も大きい深さを有する。従って、少なくとも一つの実施形態において、溝(358)の深さはレンズ面上の位置によって変化する。例えば、溝各々がミリングされる深さは、溝が凹レンズ面の頂点又は中心(360)から遠く位置するほど増加し得る。一例において、溝は、中心軸近傍の深さで約1/4波長で表面を貫通し、直接及び内部反射信号の整合性のある合計(coherent summing)を維持するように規則的に離隔され、溝がレンズの周囲に接近するにつれて連続的に深くなる。
溝(358)の幅は、一定であるか、又はレンズ面の位置により変化し得もする。一例において、溝(358)は、一般的に波長(動作周波数の範囲の中心で)の約1/10以下の幅(368)を有し得る。レンズ面に形成されたレンズ(356)及び溝(358)のサイズは、アンテナアレイ(106)の所望の動作周波数に依存し得る。一つの具体的な例において、誘電体レンズ(204)は、Ku周波数帯域(10.70〜12.75GHz)に使用されるように設計され、この周波数帯域に対して適切な高さ及び長さを有する。
図25をさらに参照すると、一実施形態において、誘電体レンズ(356)は、各々凸レンズ面(338)及び平面(336)に形成されたインピーダンス整合溝(358及び362)を有する。一例において、溝(362)はレンズ(356)の凸面(338)にミリングする溝(358)と類似する一連の平行線又はインデンテーションのアレイとして平面(336)にミリングされる。一例において、溝(362)は一定の幅(364)に均一になる。しかし、溝は均一である必要はなく、レンズ(356)の所望の特性により変化する幅及び深さを有し得ることが理解されるべきである。凸面(338)上の外部溝(358)と異なり、平面(336)上の溝(362)は、各溝がレンズ(356)の中心(360)から遠くなる深さで変化し得ないが、その代わりに、全ての溝(362)は、実質的に類似する深さ(366)及び幅(364)を有し得る。
図25に示された例において、誘電体レンズ(356)の凸面(338)上の溝(358)は、レンズの平面(336)上の溝(362)と完全に整列されないが、その代わりにオフセットされる。例えば、レンズ(356)の外部凸面(338)上の全ての先端は、平面(336)上のトラフ(trough)又は谷(valley)に整列され得る。逆に、レンズ(356)の平面(336)上の全ての先端は、レンズの外部凸面(338)にミリングされるトラフによりオフセットされ得る。一例において、溝(362)は約0.090インチの幅(364)を有し得る。平面(336)上の溝(362)及びレンズ(356)の凸面(338)上の溝(358)を有する、図に示された例は、同一の材料で製造された類似するサイズの溝なしレンズにより反射される約0.23dB、約0.46dBの半分で反射されたRFエネルギーを減少させ得る。
図25に示された例において、溝(358)の各々は、誘電体レンズ(356)の凸面(338)に法線(垂直)に導入される。図26は、溝(358)が互いに平行に形成された代替例を示すため、溝(358)の少なくとも一部は、誘電体レンズ(356)の凸面(338)への垂直以外の角度で導入される。図26に例示された実施形態の利点は、全ての溝が平行面でカッティングされるため、溝(358)を容易に形成するというわけである。特に、全ての規格が垂直であり、規格化される部分が必要でないため、誘電体レンズ(356)を平行溝(358)で製造することが容易である。
多くの適用において、アンテナアレイ(106)を含む外部サブシステム(102)は、降水及び変化する湿度等の環境条件にさらされる。このような環境では、溝がレンズの外面上でミリング(又は別の方法で製造)されるレンズの実施形態で、湿気が誘電体レンズ(204)の凸面(338)上の溝(358)内に収集される可能性がある。溝(358)でのこのような湿気の収集は、例えば、レンズの実効誘電率を変化させて、レンズと周囲のエアとの間のインピーダンス整合に悪影響を与えて、RF性能を低下させ得るので、非常に望ましくない。例えば、誘電体レンズの溝(358)内側の凝縮からの水のビルドアップ(build-up)は、約2dBの信号電力の減少を引き起こし得る。また、特にアンテナアレイ(106)が広い温度変化に影響を与える状況で、溝(358)に収集された水が冷凍されて氷に変わったとき、水の膨張によりレンズの亀裂等の構造的問題を引き起こし得る。アンテナアレイ(106)をレードームでカバーして、一部の例で水をシェッド(shed)するようにされた材料でレードームの内面をコーティングすることによって、外部溝(358)で湿気の収集を減少させることができる。使用され得るコーティング材料の一例は、フルオロタン(fluorothane)である。しかし、本発明はフルオロタンの使用に制限されず、他の撥水性の材料がその代わりに使用され得ることが理解されるべきである。しかし、アンテナアレイが撥湿性材料でコーティングされたレードームでカバーされる際も、湿気が溝(358)で収集されることを完全に防止できない。また、ダスト粒子及び他の物質が溝(358)にも収集されて、レンズのRF性能にさらに影響を与え、レンズ上に環境的な磨耗及び破れ(tear)を加え得る。従って、少なくとも一部の実施形態において、誘電体レンズ(204)の外面よりは、むしろ内部上にインピーダンス整合特性を提供することが目下のところ好ましい。例えば、上記で述べて例示されているように、インピーダンス整合穴(340)は、外部凸面(338)が平坦になるように誘電体レンズ(204)の内部上に提供される。
他の実施形態によると、誘電体レンズ(204)と周囲のエアとの間のインピーダンス整合は、相違する誘電率を有する2以上の誘電体材料で誘電体レンズを形成することによって達成できる。例えば、誘電体レンズ(204)の内部部分は、一つの材料で製造でき、低誘電率を有する他の材料は、凸面(338)及び平面(336)に沿って帯域に使用できる。この方式で、エアからレンズの外部部分に、その後、レンズの内部部分への実効誘電率の変更、及び元通りの変更がさらに次第になされて、不要な反射を減少させ得る。次第に減少する誘電率を有する数個の材料の使用において、次第に変化する実効誘電率を有する誘電体レンズ(204)が生成できる。一例において、接着剤は、相違する材料の各種層を共に接着するのに使用できる。この例において、相違する層間の弱い接着のポケット又は微細空間の結果として発生し得る反射を避けるために、相違する層間の良好な接着を保障しなければならない。また、特に誘電体レンズ(204)が広範囲な温度に直面する適用に対しては、誘電体レンズ(204)の寿命を短縮させて、レンズの構造的保全及び/又はRF性能の低下を引き起こし得る相違する材料間の境界で、ストレスを回避または最小化するために、類似する熱膨張係数を有する相違した誘電体材料を慎重に選択することが重要である。
上記で述べたように、誘電体レンズ(204)は、重量、誘電率、損失タンジェント、及び広い温度範囲にわたって安定な屈折率の最適の組み合わせを有するように設計され得る。また、誘電体レンズ(204)は、大きな温度範囲への露出の結果として、又は製造中に、変形したり曲がらないことが好ましい。また、ある吸収された湿気が誘電率、損失タンジェント、及びレンズの屈折率の組み合わせに悪影響を与えないように、誘電体レンズ(204)が湿潤な条件にさらされたとき、非常に少量だけ、例えば、0.1%未満の湿気又は水を吸収することが好ましい。さらに、入手の可能性のためには、誘電体レンズ(204)が容易に製造されることが望ましい。また、レンズは、その誘電率、損失タンジェント、及び屈折率を維持し、アルカリ、アルコール、脂肪族炭化水素及び鉱酸に対して化学的に耐性を有することが好ましい。
一実施形態によると、誘電体レンズ(204)は、物理的衝撃によく耐えるある形態のポリスチレンを使用して構成され、アンテナアレイ(106)が航空機上に搭載されるときに経験する熱的条件の広い範囲にわたって動作できる。一例において、この材料は架橋ポリスチレンとして知られているポリスチレンの剛性形態である。高架橋、例えば、20%以上の架橋により形成されたポリスチレンは、形状が溶媒により影響を受けず、また、低誘電率、低損失タンジェント、及び低屈折率を有し得る高剛性の構造に形成され得る。一例において、架橋ポリマーポリスチレンは、以下の特性を有し得る:約2.5の誘電率、0.0007未満の損失タンジェント、0.1%未満の吸湿、及び低い塑性変形特性。プロスチレン等のポリマーは、低誘電率に形成でき、非極性又は実質的に非極性の組成物、及び熱可塑性エラストマー系ポリマー構成要素を有する熱可塑性エラストマーを有し得る。「非極性」という用語は、双極子がないか、又は双極子が実質的に垂直にバランスを保つ単量体単位を指す。該重合体材料において、誘電体性質は主に電子偏光効果の結果である。例えば、1%又は2%のジビニルベンゼン及びスチレンの混合物は、低損失誘電体材料を提供して、熱可塑性重合体成分を形成し得る架橋重合体を提供するように、ラジカル反応を通じて重合され得る。ポリスチレンは、例えば、以下の極性又は非極性の単量体単位で構成され得る:スチレン、アルファ-メチルスチレン、オレフィン、ハロゲン化オレフィン、スルホン、ウレタン、エステル、アミド、炭酸塩、イミド、アクリロニトリル、及び共重合体並びにその混合物。例えば、スチレンとアルファ-メチルスチレン等の非極性単量体単位、及びプロピレンとエチレン等のオレフィン、及び共重合体及びその混合物が使用されることもある。熱可塑性重合体成分は、ポリスチレン、ポリ(アルファ-メチルスチレン)及びポリオレフィンから選択され得る。
上述のような架橋重合体ポリスチレンで構成された誘電体レンズ(204)は、従来の機械加工の動作を用いて容易に形成でき、約0.0002インチの表面精度に研削され得る。架橋重合体ポリスチレンは、-70Fを超える温度まで下げて、2%以内の誘電率を維持することができ、また、アルカリ、アルコール、脂肪族炭化水素及び鉱酸に耐える化学的抵抗の材料特性を有し得る。
一例において、そのように形成された誘電体レンズ(204)は、上記述べたインピーダンス整合特性の例を含む。この例において、誘電体レンズ(204)は、架橋ポリスチレンであり得る低損失レンズ材料、及び、例えば、単量体シート及びロッド(rod)から鋳造された熱硬化性樹脂の組み合わせで形成され得る。かかる材料の一例は、Rexolite(登録商標)として公知となっている。Rexolite(登録商標)は、C-Lec Plastics, Inc.により製造された、唯一の架橋ポリスチレンマイクロ波プラスチックである。Rexolite(登録商標)は、非常に低い散逸係数により約2.53〜500GHzの誘電率を維持する。Rexolite(登録商標)は、定格負荷下で永久歪み又は塑性流動を示さない。全ての鋳造は、ストレスがなく、機械加工の前、最中、又は後にストレスを必要としないこともある。一回のテストの間、Rexolite(登録商標)は1000時間沸騰水に浸された後、及び、誘電率の大きな変化なく、湿気の.08%未満を吸収することが確認された。Rexolite(登録商標)を機械加工するのに使用されるツール構成は、アクリルに使用されるものと類似し得る。従って、Rexolite(登録商標)は、標準技術を使用して機械加工され得る。ストレスからの低温流動(cold flow)及び固有の自由度に対する高抵抗により、Rexolite(登録商標)は容易に機械加工され得たり、又は非常に精密な公差、例えば、約0.0001の精度にカッティングされるレーザービームは、研削により得られる。ひび割れ(crazing)は、鋭いツールを使用して、研磨中に過度な熱を避けることによって避けることができる。Rexolite(登録商標)は、アルカリ、アルコール、脂肪族炭化水素、及び鉱酸に化学的に耐える。また、Rexolite(登録商標)は、アクリルよりも軽く、ボリューム当たりTFE(テフロン(登録商標))の1/2重量よりも少ない約5%である。
上記述べたように、誘電体レンズ(204)はホーンアンテナ素子(268)に搭載され、各アンテナ素子にわたって、また、この素子の内側に少なくとも部分的に嵌合するように設計され得る。図19を再度参照すると、一実施形態において、誘電体レンズ(320)はテーパー状の側面(370)を有し、対応するホーンアンテナ素子(322)へのレンズの固定搭載を容易にする。一例において、誘電体レンズ(320)のテーパー状の側面(370)の傾斜は、ホーンアンテナ素子(322)の側面(304)の傾斜と殆ど同一である。そのようなテーパー状の側面(370)は、ホーンアンテナ素子(322)に対して誘電体レンズ(320)の自己中心を容易にし得る。ピン(372)は、誘電体レンズ(320)をホーンアンテナ素子(322)に固定するのに使用され得る。誘電体レンズ(204)を各アンテナ素子(268)に固定するのに使用され得るピン(372)の例は、図27a及び図27bに例示されている。図27aを参照すると、一例において、ピン(372)は、約0.030インチの公差と約0.320インチの長さ(374)を有する。図27bを参照すると、一例において、ピン(372)は、約0.001インチの公差と約0.098インチの直径(376)を有する。一例において、ピン(372)はガラス繊維で製造される。しかし、各種他の材料も適することが理解されるべきである。
図22a、図23a、及び図24aを再度参照すると、一実施形態において、各ホーンアンテナ素子(324、326、及び330)へのテーパー状のレンズ(318、328、及び332)の搭載を容易にするために、平面(336)の長さ(350)、即ち、上述のホームポケットの長さは、例えば、ミリングによりレンズの全長に対して減少し得る。平面(336)の減少したフットプリントは、レンズ(318、328、及び332)が各ホーンアンテナ素子(324、326、及び330)に部分的に挿入されるようにすることができる。ピン(372)は、誘電体レンズ(318、328、及び332)を各ホーンアンテナ素子(324、326、及び330)に固定するのに使用できる。
一実施形態によると、保持クリップ(206a、206b、及び206c)(図4及び図13参照)は、テーパー状の誘電体レンズ(318、328、及び332)を各ホーンアンテナ素子(324、326、及び330)に固定するのに使用される。一例において、上記保持クリップは、誘電体レンズ(318、328、及び332)をホーンアンテナ素子(324、326、及び330)にさらにしっかりと固定するために、ピン(372)と結合して使用される。代案として、保持クリップ(206a、206b、及び206c)は、ピン(372)の代わりに使用され得る。この配置は、レンズ(318、328、及び332)が小型であり、レンズの構造的統合又はレンズのRF性能のいずれか一つを含まず、ピン(372)を使用するルームが不十分な場合に好ましい。また、各種他の固定機構は、誘電体レンズ(204)をホーンアンテナ素子(268)に搭載するのに適切であり得ることが理解されるべきである。図28a〜図28cは、誘電体レンズ(318、328、及び332)を各ホーンアンテナ素子(324、326、及び330)に固定するのに使用され得る保持クリップ(206a、206b、及び206c)の例を各々示す。図29を参照すると、一例において、誘電体レンズ(328)は、保持クリップ(206b)を収容するスロット(378)を含む。類似するスロットは、誘電体レンズ(318及び332)上に提供され得る。図13を再度参照すると、一実施形態において、追加的な保持クリップ(380)は、テーパー状のレンズ(318、328、及び332)をさらに固定するのに使用される。示された例において、4つのそのような保持クリップ(380)が使用され、一つはアンテナアレイ(106)でのアンテナ素子の2つの列それぞれの各端部にある。保持クリップ(380)の例は図30に示されている。
他の例において、誘電体レンズ(204)は、接着剤を使用して各ホーンアンテナ素子に接着される。接着剤の固定は、単独で使用されるか、または上述したピン(372)及び保持クリップ(206a、206b、206c、及び380)のうちいずれか一つまたは全てと組み合わせて使用され得る。一例において、ピン(372)及び/又は保持クリップ(206a、206b、206c、及び380)は、誘電体レンズ(204)を各アンテナ素子(268)にさらにしっかりと固定するために、接着剤と共に第2付着手段として使用される。この配置は、例えば、アンテナアレイ(106)が航空機に搭載され、適用可能な安定性の標準を満たさなければならない場合に好ましい。
図13をさらに参照すると、一実施形態において、ホーンインサート(382)は、誘電体レンズ(204)の直下でホーンアンテナ素子(268)の少なくとも一部の内側に位置する。上記で述べたように、通信システムが航空機(132)上に搭載される場合などの一部の適用において、アンテナアレイ(106)は、温度、湿度、及び圧力などの環境的条件の大きな変動を経験し得る。この変化の条件は、湿気がアンテナアレイの性能に逆効果を与え得るアンテナアレイ(106)の各種部品上及び部品内に収集されるようにできる。従って、一実施形態において、ホーンインサート(382)は、湿気がホーンアンテナ素子の内側に収集されることを防止するために、ホーンアンテナ素子(268)の内側に位置する。一実施形態において、ホーンインサート(382)は、押出成形されたポリスチレン絶縁体で製造される。他の例において、ホーンインサートは発泡スチレンで製造される。しかし、当業者は、各種他の材料も適切であり得ることが分かるであろう。
図31aを参照すると、内部ホーンアンテナ素子(322)への挿入のために、サイジングされたホーンインサート(382a)の一例が示されている。一例において、ホーンインサート(382a)は約2.899インチの長さ(384)を有する。図31a及び図31bに示されたように、一例において、ホーンインサート(382a)は、ホーンインサート(382a)の幅(386a)が約0.005インチの公差と、約0.745インチである一方、テーパー状のエッジを含む幅(386b)が約0.790インチであるように少しテーパー状のエッジを有する。一例において、ホーンインサート(382a)のテーパー状のエッジは、約45度の角を有する。小さいホーンアンテナ素子(324、326、及び330)のホーンインサート(382)は、内部ホーンアンテナ素子(322)のホーンインサート(382a)よりも適切に小さいこともあり、また、対応するホーンアンテナ素子の形状に良好に嵌合する修正された形状を有し得ることが理解されるべきである。例えば、図32aを参照すると、第3ホーンアンテナ素子(324)内に位置するように大きさが定まられて形成されたホーンインサート(382b)の一例が示されている。一例において、ホーンインサート(382b)は、約2.850インチの長さ(384)を有する。図32bは、第2ホーンアンテナ素子(326)により収容されるように大きさが定まられて形成されたホーンインサート(382c)の例を示す。一例において、ホーンインサート(382c)は、約2.300インチの長さ(384)を有する。図32cは、端部ホーンアンテナ素子(330)により収容されるように大きさが定まられて形成されたホーンインサート(382d)の例を示す。一例において、ホーンインサート(382d)は約1.750インチの長さ(384)を有する。図32b及び図32cに示された例において、ホーンインサート(382c及び382d)は、ホーンインサート(382a及び392b)の示された例が有するように、連続的な湾曲面を有するというよりは、むしろ部分的な直線エッジ(388)を有する。しかし、ホーンインサート(382)の形状とサイズの多数の変更が可能であり、本発明が示された例に制限されないことが理解されるべきである。また、ホーンインサート(382)の形状及びサイズは、アンテナアレイ(106)に使用された各種アンテナ素子(268)の形状及びサイズにより変更し得る。
上記述べたように、一実施形態において、アンテナアレイ(106)がテーパーとなり、このアレイのエッジ近傍に小型のアンテナ素子(268)を有して、アレイのビームパターンでのサイドローブを減少させる。小型のアンテナ素子(324、326、及び330)は、下部信号振幅を有し、アレイにより受信又は送信される全体の信号に対して内部アンテナ素子(322)よりも寄与しない。上記アンテナ素子(324、326、及び330)、及びその結合した誘電体レンズ(318、328、及び332)を適切にサイジングすることによって、この素子からの信号寄与、及びアンテナアレイのビームパターンが調整されて、サイドローブを減少させることができる。また、以下でさらに述べるように、給電ネットワーク(202)は、相違するアンテナ素子(268)からの信号寄与を相違して加重するように設計されることによって、アンテナアレイ(106)のビームパターンをさらに制御して、サイドローブを減少させることができる。一例において、ホーンインサート(382)は、サイドローブの抑制を容易にするように構成されることもある。例えば、外部ホーンアンテナ素子(324、326、及び330)の一部又は全てに対するホーンインサート(382)は、上記アンテナ素子の信号寄与をさらに減衰させるためにレーダー吸収材(RAM)で製造され得る。内部ホーンアンテナ素子(322)でのホーンインサート(382)のうちの選ばれた一つは、ビームパターンをさらに制御するためにRAMで製造されることもある。
サイドローブ低減は、例えば、アンテナアレイの利得を改善すること(多くのエネルギーがアンテナ放射パターンの有用な主要ローブにキャプチャーされることを意味する下部サイドローブを有する)、及びある達成目標及び/又は規則を満たすこと(例えば、FAAは衛星テレビ又はラジオ等の適用のためのサイドローブ抑制用明細をセッティングできる)を含むいくつかの理由で有利になり得る。アンテナアレイ(106)が航空機等の車両上に搭載される適用については、アンテナビームパターンの車両移動の効果が考慮されることもある。例えば、アンテナアレイ(106)が航空機(132)上に搭載される場合に、ビームパターンは信号源(110)に直接整列されるときだけでなく、航空機の移動によりアンテナアレイと信号源との間の偏光オフセットがあるときにも、サイドローブ明細(例えば、FAA又は他の国際当局あるいは規則によりセッティングされる)を満たすようにされなければならない。従って、サイズ、形状、及びアンテナ素子(268)並びに結合した誘電体レンズ(204)及びホーンインサート(382)の配置(テーパーとスペーシングを含む)と、給電ネットワーク(以下で述べる)の配置の何れかまたは全ては、信号源又は受信地に対するアンテナアレイの各種定位(偏光オフセット)のサイドローブ抑制の標準を満たすビームパターンを生成することを容易にするために制御され得る。
図12を再度参照すると、他の実施形態において、アンテナアレイ(106)を構成するアンテナ素子(268)の2つの列は、完全に整列されるよりは、むしろアレイの長さに沿って互いに少しオフセットされる。示された例において、アンテナ素子(268)の上部列はアンテナ素子(268)の下部列の少し左側[アンテナアレイの面を見る観点から]に位置する。また、この位置オフセットは、アンテナアレイ(106)の放射パターンのサイドローブ低減を容易にし得る。一例において、このオフセットは、図12に図示されたように、0度の高度角面の可視空間でサイドローブを最小化するために、アンテナアレイ(106)において一つのアンテナ素子(268)の幅の約1/2と同じである。
図33aを参照すると、上記及び以下で述べる略半波長のアンテナ素子のスペイシングを有し、テーパリング、列オフセット、RAMホーンインサート、及び給電ネットワークを含むアンテナアレイの実施形態に対する方位角の関数として、シミュレーションアンテナ利得のプラットとしてのビームパターンが例示されている。図33aに例示されたビームパターンは、14.3GHzの動作周波数及び信号源(110)とアンテナアレイ(106)との間の0度の「ロール」又は偏光オフセットのためのものである。線(390)は、アンテナアレイのサイドローブ抑制要件の例を示し、線(392)は、コポラリゼーション(co-polarization)要件を示す。図33bは、図33aと同一のアンテナアレイのシミュレーションビームパターンを例示するが、15度の偏光オフセットを有する。図33bにおけるビームパターンは、サイドローブ抑制及びコポラリゼーション要件を更に満たすことが分かる。一例において、給電ネットワーク、アンテナ素子スペイシング、アンテナアレイの列オフセット、及びテーパーを適切に設計し、アレイのエッジに向かうアンテナ素子でのRAMホーンインサートを使用することにより、アンテナアレイは約25度の偏光オフセットまで適用可能なサイドローブ抑制要件を満たすビームパターンを有することからなる。
上記で述べたとおり、アンテナアレイ(106)は、アンテナ素子(268)のそれぞれに接続された給電ネットワーク(202)を含み、一実施形態における給電ネットワーク(202)は、図4、図6、図7、及び図13に例示されたように、導波管給電ネットワークである。給電ネットワーク(202)は、ホーンアンテナ素子(268)のそれぞれから信号を受信し、通信システム電子装置に接続される給電ポートに少なくとも一つの出力信号を提供するために、アンテナアレイ(106)が受信モードにある場合に動作する。同様に、アンテナアレイ(106)が送信モードで動作する場合に、給電ネットワーク(202)は、送信給電ポートで提供された信号を送信用アンテナ素子(268)のそれぞれに案内する。従って、以下の考察が受信モードにおける動作を主に言及しても、部品が同様の方式で動作することができ、アンテナアレイ(106)が送信モードで動作している場合、信号の流れが反対であることが理解されるべきである。また、給電ネットワーク(202)が導波管給電ネットワークとして例示され、現在の好ましい実施形態における導波管給電ネットワークであるとしても、給電ネットワークは、当業者により認識されるように、印刷回路、同軸ケーブル等の適切な技術を使用して実施できることが理解されるべきである。
一実施形態によると、導波管給電ネットワーク(202)は、低プロファイルを有し、抑制されたボリューム内に嵌合されるように設計されるコンプレスされた非合致(即ち、カスタムサイズ及び形状)の導波管給電である。上記で述べたとおり、一部の適用において、アンテナアレイ(106)は、自動車又は航空機等の移動車両上に搭載されるので、車両の空気力学に最小の衝撃を与え、車両上に容易に搭載可能にするために、できるだけ小さなボリュームを占めるアンテナアレイに好ましい。従って、給電ネットワーク(202)は、減少したボリュームを占めるように形成され配列できる。一実施形態において、給電ネットワーク(202)は、以下で更に述べるように、E面及びH面における信号合算/分割、コンプレスされた低プロファイルの給電ネットワークを提供する能力に寄与する特徴を行う。一実施形態において、給電ネットワーク(202)は、図13に例示されたように、アンテナ素子(268)の2つの列の後に嵌合されるように設計され、以下で述べる偏光コンバーターユニットは、アンテナアレイ(106)の「内側」に嵌合できる。代案として、給電ネットワーク(202)は、図34に例示されたように、アンテナ素子(268)の2つの列の間に嵌合されるように設計できる。何れか一方の配置で、または、当業者に明らかな各種他の配置で、給電ネットワーク(202)は、コンプレスされた低プロファイル設計を有することができる。
図35を参照すると、一実施形態において、各アンテナ素子(268)は、直交モードトランスデューサ(OMT)(402)の給電点(306)に接続される。以下で更に述べるとおり、OMT(402)は、アンテナ素子(268)と給電ネットワーク(202)との間の接続インターフェースを提供することができ、また、2つの直交線形偏光RF信号を分離することができる。アンテナアレイ(106)が信号を受信する場合、OMT(402)は、第1ポートで入力信号をアンテナ素子(268)から受信し、信号を第2及び第3ポート(404、406)に提供される2つの直交成分信号に分割する。アンテナアレイが信号を送信する場合、OMT(402)は、第2及び第3ポート(404、406)で2つの直交偏光成分信号を受信し、それを結合して第1ポートでまたアンテナ素子(268)に送信用信号を提供する。示された例において、OMT(402)は、アンテナ素子(268)と一体に形成される。しかし、OMT(402)は、アンテナ素子(268)と個別部品として形成され、アンテナ素子に接続できることが理解されるべきである。
上記で述べたとおり、一実施形態において、OMT(402)は、第1ポートで受信されたRF信号を2つの直交RF成分信号に分割する。1つのRF成分信号は、ホーンの長軸と平行なE-界を有し(ここでは垂直、Vで示される)、他のRF成分信号は、ホーンの短軸と平行なE-界を有する(ここでは水平、Hで示される)。これらのRF成分信号は、ここで垂直偏光RF成分信号、または垂直成分信号(V)、及び水平偏光RF成分信号、または水平成分信号(H)として言及される。これら2つの直交成分信号から送信された入力信号は、2つの成分信号をベクトル結合することで再構成できる。
図36を参照すると、コンパクトな広帯域直交モードトランスデューサ(OMT)(402)の一例の等角度が例示されている。一例において、OMT(402)は、直交電磁波の送信を提供する多面体導波管OMTである。上記で述べたとおり、OMT(402)は、互いに垂直面である2つの矩形導波管ポート(404、406)だけでなく、第1矩形導波管ポート(408)を含む。以下で更に詳細に記載される複数の傾斜、水平、及び垂直面を形成する多面体面が導波管OMT(402)内に具体化される。受信モードで動作するアンテナアレイ(106)については、ポート(408)はOMT(402)の入力端子として考慮され、ポート(404及び406)はOMT(402)の出力端子として考慮できる。一実施形態において、OMT(402)の多面体面の組合せは、信号の非常に小さな反射を発生させながら、ポート(408)の領域で水平偏光電波(H)及び垂直偏光電波(V)を同時に伝播させるように位置されオリエントされる。
OMT(402)の他の例は、図37に例示されている。図37に示された例において、多面体面は、OMT(402)の垂直中心線の左側と右側に対称的に位置する傾斜(410及び412)、及び互いにそれぞれ対称であって導波管OMT(402)の正方形断面端部の近傍に図示される傾斜(414及び416)を含むが、これらに制限されない。傾斜面(410及び414)は、互いに45度にそれぞれオフセットされ、相互の交差点で90度の内角を形成する。同様に、傾斜(412及び416)は、互いに45度にそれぞれオフセットされ、相互の交差点で90度の内角を形成する。傾斜(410及び412)は、傾斜(414及び416)がOMT(402)内に対称的に位置するので、同一平面である。また、一例において、傾斜相互の交差点は、対応するアンテナ素子(268)から発生した電磁波に対して効果的な低損失トランジションを形成する。相互の交差点は、アンテナ素子(268)の給電点(306)と一致し得もする。
図37及び図38を参照すると、一例において、水平及び垂直電磁波は、導波管OMT(81)の端子(408)に入り得る。垂直偏光電磁波(V)は、使用周波数帯域のために設計された空間を形成する導波管OMT(402)の左右側壁及び導波管OMT(402)の水平面(418、420、422、424、426、及び428)によりバウンドする空間を通じて、ポート(408)を伝播してポート(404)に送信される。一例において、垂直偏光電波(V)は、430、432、434、及び436として示した金属壁により発生する周波数遮断効果により、OMT(402)のポート(406)に少なく送信されるか全く送信されない。OMT(402)の多面体の特徴は、効果的な導波管を形成できる。一例において、効果的な導波管の寸法は、略0.600インチの幅及び0.270インチの高さであり、10.7GHz〜14.5GHz帯域の周波数を超低損失伝送に提供する。
図37を更に参照すると、一例において、水平偏光電波(H)は、OMT(402)の上部及び下部内壁によりバウンドする端子(408)を通じて導波管OMT(402)に入り、導波管OMT(81)の面(430、432、434、436、438、及び440)の間にバウンドする空間を形成する。水平偏光電波(H)は、418、420、422、424、426及び428として示された壁の間に形成された空間により発生した周波数遮断効果により、OMT(402)のポート(404)に少なく送信されるかまたは全く送信されない。導波管型OMT(402)は、ミニチュアフォームファクター(miniature form factor)、及び低損失の広帯域電波を含むいくつかの利点を提供できることが理解されるべきである。また、当業者はOMT(402)の変化が可能であり、本発明が示された例に制限されないことを理解するであろう。
一例において、TE01等の基本モードの垂直偏光電磁波(V)は、導波管OMTを通じてOMT(402)のポート(408)から伝播され、406の矩形分岐導波管をバイパスし、TE01等の基本モードでポート(404)に伝播される。垂直偏光電磁波(V)のトランジットの間、OMT(402)で矩形分岐導波管の上部及び下部側壁の間に形成された空間のそれぞれは、使用時の周波帯域の自由空間波長の半分と同じであるか、半分より小さいように設計できる。従って、垂直偏光電磁波(V)は、非常に低い反射特性を有する空間の遮断効果によりポート(406)に伝播できない。従って、ポート(408)に提供された垂直偏光電磁波(V)は、ポート(404)に効率的に送信され垂直成分信号としてそのポートに提供される一方、OMT(402)は、ポート(408)への反射を抑制してポート(406)への電波を除去する。同様に、基本モード(TE10)における水平偏光電磁波(H)は、OMT(402)を通じてポート(408)から伝播され、ポート(404)の導波管分岐をバイパスし、水平成分信号としてポート(406)に提供される。
上記で述べたとおり、OMT(402)の動作は、ポート(408)が入力端子であり、ポート(404及び406)は出力端子であるように信号の流れがある場合について記載されていても、OMT(402)は、ポート(404及び406)が出力端子ポート(408)で結合され提供される直交成分信号の入力端子であるように動作され得もする。また、OMT(402)は実質的な円形導波管及びターミネーションを含み得もするということが理解されるべきである。
一実施形態によると、給電ネットワーク(202)は、垂直偏光成分信号を案内するOMT(402)の第2ポート(404)に接続された第1経路、及び水平偏光成分信号を案内するOMT(402)の第3ポート(406)に接続された第2経路を含む。各経路は、アンテナアレイ(106)でのアンテナ素子(268)の全てに接続される。従って、2つの直交偏光成分信号のそれぞれは、OMT(402)の各ポート(404、406)から該信号が、以下で述べるシステム電子装置に供給される給電ポートに個別分離経路を移動できる。アンテナアレイ(106)の受信モードについては、給電ネットワーク(202)は、各アンテナ素子から垂直及び水平偏光成分信号を受信し、それを2つの給電経路に沿って合算して、給電ポートに1つの垂直偏光信号及び1つの水平偏光信号を提供する。アンテナアレイ(106)の送信モードについては、給電ネットワーク(202)は、給電ポートで垂直偏光信号を受信し、その信号を各OMT(402)のポート(404)に提供された垂直成分信号に分割する。同様に、給電ネットワーク(202)は、給電ポートで水平偏光信号を受信し、それを各OMT(402)のポート(406)に提供された水平成分信号に分割する。一例において、2つの経路は、給電ネットワーク(202)が位相不均衡を垂直及び水平成分信号に提供しないように、同じ数のベンド、Tジャンクション、及び他の導波管経路素子を含み、実質的に対称である。
上記で述べたとおり、一実施形態において、給電ネットワーク(202)は、信号合算がE面で行われる経路、及び信号合算がH面で行われる経路を含む。E面及びH面での合算は、給電ネットワークの合算が一面でのみ行われる類似する給電ネットワークより実質的に更にコンパクトにする。特に、図39に示されたとおり、E面及びH面の使用は、給電ネットワークの2つの経路(440、442)がこの2つの経路の相違するサイズ及び形状によりインターウィーブ(interweave)されるようにする。従って、全体の給電ネットワーク(202)は、両経路の合算が同一面で行われる場合よりも小さいボリューム内で適し得る。一例において、垂直成分信号はE面経路に供給されて案内され、水平成分信号はH面経路に供給されて案内される。しかし、水平成分信号がE面経路によって案内され、垂直成分信号がH面により案内されるという反対の配置が実施できることが理解されるべきである。垂直成分信号及び水平成分信号は、E面界及びH面界で構成されるので、何れかの成分信号は何れかの面で合算できる。従って、ここで給電ネットワーク(202)の2つの給電経路は、水平給電経路及び垂直給電経路として言及され、何れかの経路は、何れかのH面又はE面で信号を合算/分割できる。
一実施形態によると、給電ネットワーク(202)は、E面経路で全てのアンテナ素子(268)をともに接続する複数のE面Tジャンクションとベンド、及びH面経路で全てのアンテナ素子(268)を共に接続する複数のH面Tジャンクションとベンドを含む。アンテナアレイ(106)が受信モードで動作している場合、Tジャンクションは、各アンテナ素子(268)から受信される成分信号(垂直又は水平)を追加して、給電ポートに単一出力信号(それぞれ直交偏光で)を提供するように動作する。アンテナアレイ(106)が送信モードで動作している場合、Tジャンクションは、単一の給電ポートから信号(各直交成分信号に対して)を分割し、各アンテナアレイ(106)での各アンテナ素子(268)を給電するように電力分配器の役割を行う。
図40aを参照すると、数個のTジャンクションとベンドを示す水平給電経路の一部の一例が示されている。図40bは、図40aのA-A線に沿って切り取られた水平給電経路の一部断面図である。図40a及び40bを参照すると、一例において、導波管Tジャンクション(444)は、インピーダンス整合の機能を行うナロー部分(446)(残りの部分の幅と比較して)を含む。ナロー部分は、ワイド部分よりも高いインピーダンスを有し、通常、1/4波長の長さである。他の例において、導波管給電ネットワーク(202)は、給電ネットワーク(202)が直角ベンドが使用される場合よりも小さい空間を更に占めるようにすることができるシャープな90度のベンドというよりは、むしろ円形ベンド(448)を有し、また、ベンドを通過するときに信号の位相歪みを減少させる役割を行う。一例において、垂直成分信号は、最小のVSWRのために全て設計される導波管ステップトランスフォーマ及び90度面取りされたベンド(448)を通過した後に合算される。同様に、水平成分信号は、最小VSWRのために全て設計される導波管ステップトランスフォマー及び90度面取りされたベンド(448)を通過した後に合算され得る。上記で述べたとおり、一実施形態において、給電ネットワーク(202)における水平及び垂直給電経路のそれぞれは、2つの成分信号が給電ネットワーク(202)を介した電波から同一の位相遅れを受信するように各方向に同じ数のベンドを有する。
一実施形態によると、導波管Tジャンクションは、Tジャンクション(444)を通過するので、信号の位相歪みを減少させる役割を行うことができるT交差点にノッチ(450)を含む。他の実施形態において、H面導波管Tジャンクション(444)の中心にステップセプタムが存在する。他の実施形態において、E面導波管Tジャンクション(444)の中心に「V」型セプタムが存在する。インピーダンス整合のために、E面Tジャンクションの2つの入力に対する導波管の短壁の寸法は、出力導波管部分の短壁の寸法の略1/2であり得る。他の例において、ショートコンダクティブチューニングシリンダ(452)は、図41に例示されたとおり、セプタムのチップに提供される。該チューニングシリンダ(452)は、導波管の広壁のうち1つに垂直な導波管に突出し、示された例において、小さな「ボール(454)」で終わる。一例において、チューニングシリンダ(452)は、約0.214インチの長さ(456)を有し、「ボール」(454)は、約0.082インチの直径(458)を有する。しかし、3つの寸法は、チューニングシリンダ(452)及び「ボール」(454)の寸法を含む導波管給電ネットワーク(202)の全ての特徴の寸法がアンテナアレイ(106)の所望の動作周波数帯域に応じて変化するため、単に例示的であることが理解されるべきである。また、導波管の部分の湾曲の一部例示的な角は、図41に例示されており、また、これは単に代表的なものであり、制限されることを意図していない。
一実施形態において、E及びH面導波管Tジャンクションセプタムの位置は、振幅の均衡及び不均衡を生成するために、Tジャンクションの2つの入力ポートのうち何れかに向かってバイアスされるように位置する。概略的な斜視図である図42を参照すると、Tジャンクションは、2つの入力(460及び462)で信号を受信し、出力(464)で合算信号を提供する。1つの入力、例えば、入力(460)のためのTジャンクションをバイアスすることにより、その入力(460)で受信された信号の寄与は、他の入力(462)からの寄与より出力(464)での合算信号で更に大きいこともある。この関係は、以下の数学式により提供され得る。
Figure 0005453269
ここで、S1及びS2は、入力(460及び462)に受信された信号であり、A及びBはTジャンクションのバイアスにより決定されるスケーリング係数である。また、Tジャンクション(444)のバイアスは、チューニング素子(466)を使用して達成できる。チューニング素子(466)がTジャンクション(444)にセンターリングされる場合に、図42に示されたとおり、スケーリング係数(A及びB)が同一であるため、2つの入力(460及び462)における信号が同様に合算され得る。しかし、チューニング素子(466)の形態及び/又は位置を変更することにより、一方のスケーリング係数は、他のスケーリング係数よりも大きく形成され、合算出力信号(Sout)は、大きなスケーリング係数を有する入力から信号のより大きな寄与を含む。
例えば、図43を参照すると、チューニング素子(466)をバイアスする数個のTジャンクション(444)を示す給電ネットワーク(202)の一部が例示されている。示された例において、チューニングシリンダ(452)は、Tジャンクションの中心右側にオフセットされ、「ボール」(454)は、チューニングシリンダ(452)からオフセットされ、 チューニングシリンダ(452)の右側より左側に大きな部分を有する。従って、Tジャンクション(444)の2つのアーム(468a、468b)のスケーリング係数は相違する。チューニングシリンダ(452)のオフセット、及び「ボール」(454)の形状とオフセットを制御することにより、出力(464)における合算信号に対し各アーム(468a、468b)を介して移動する信号の寄与が制御できる。この方式により、アンテナアレイ(106)における各アンテナ素子(268)からの成分信号の寄与が制御され、上記で述べたアレイの物理的テーパリング(268)(即ち、小型のホーンアンテナ素子及び結合された誘電体レンズ)に加えて、信号振幅テーパーを生成できる。この信号振幅テーパリングは、上記で述べたとおり、サイドローブ抑制の所望のレベルの達成を容易にするように制御できる。送信モードで信号の流れが反対のとき、チューニング素子(466)のオフセットと形状は、アンテナアレイ(106)の各アンテナ素子(268)に提供される成分信号の振幅を制御することにより、アレイの送信ビームパターンでサイドローブ抑制を容易にすることが理解されるべきである。従って、高いサイドローブ抑制/減少を有する図33a及び図33bに例示されたビームパターンは、アンテナ素子のサイズ、数及びスペイシングの組合せ、アンテナアレイの物理的テーパリング、及び信号振幅テーパリングを含む給電ネットワーク(202)の設計により達成できる。サイドローブ抑制に寄与する給電ネットワーク(202)を設計する利点は、ホーンアンテナ素子(268)の他の1つが更に小さく形成される必要がないので、更に大きなサイドローブ抑制がアンテナ効率に対して安価で達成できるという事実を含む。
一実施形態によると、誘電体インサートは、各種位置での給電ネットワーク(202)内に、例えば、E面及び/又はH面Tジャンクション内に位置し得る。誘電体インサートのサイズ及び誘電体インサートを形成するのに使用される材料の誘電率は、導波管Tジャンクションの入力と出力との間のRFインピーダンス整合及び送信特性を改善するために選択できる。一例において、誘電体インサートはRexolite(R)から構成できる。誘電体インサートの長さ及び幅は、この誘電体インサートが所望の位置で導波管内にぴったり嵌合されるように選択できる。一例において、誘電体インサートには、複数の穴が形成され得る。この穴は、良好なインピーダンス整合が達成できるように誘電体インサートの実効誘電率を低める役割を行う。
上記で述べたとおり、一実施形態において、給電ネットワーク(202)は、受信モードにおいて、アンテナアレイ(106)の各アンテナ素子(268)から垂直及び水平成分信号を合算して、給電ポートに合算された垂直偏光信号と合算された水平偏光信号を提供する。一実施形態において、2つの合算信号は、システム電子装置により再結合される。代案として、他の実施形態において、給電ネットワーク(202)は、OMT(402)に対して上記で述べた同一方式で2つの直交合算信号を結合する給電ポートで給電直交モードトランスデューサ(図示せず)を含む。一例において、アンテナOMT(402)及び給電OMTは直交して給電される。従って、垂直成分信号は、アンテナOMT(402)からの第1位相遅れ(φ1)、経路遅れ(φq)、及び給電OMTからの第2位相遅れ(φ2)を受信できる。同様に、水平成分信号は、アンテナOMT(402)からの第1位相遅れ(φ2)、経路遅れ(φq)、及び給電OMTからの第2位相遅れ(φ1)を受信することができる。従って、直交して給電された2つのOMTの組合せは、以下の数学式3に示したとおり、垂直及び水平成分信号のそれぞれが実質的に同一の全体の位相遅れを受信するようにすることができる。
Figure 0005453269
(3)
ここで、(ωt+φ1)及び(ωt+φ2)は、給電OMTの出力ポートで位相整合された垂直及び水平偏光成分信号である。OMT及び給電ネットワーク(202)の動作が2つの直交線形偏光成分信号に対して述べられていても、本発明はそれに制限されず、OMTは流入信号を2つの直交循環(例えば、左側偏光及び右側偏光)信号に分割されるように(これらの成分信号を再結合するように)設計されることが好ましい。この場合、給電ネットワーク(202)は、2つの直交循環偏光信号を案内するように設計され得る。
他の実施形態によると、給電ネットワークからの2つの直交偏光合算成分信号(V及びH)は、円形デュアルモードポートを有する第1給電OMTに供給される。円形回転導波管の部分は、第1給電OMTの円形デュアルモードに接続され得る。また、円形デュアルモードポートを有する第2給電OMTは、円形回転導波管に接続され、前記第2給電OMTは、円形デュアルモードポートの軸を中心に回転できる。従って、少なくとも1つの例において、第1給電OMTの円形デュアルモードポートを通じて、給電ネットワーク(202)からのV信号及びH信号の位相の長さは効果的に同一になる。第2給電OMTを効果的に回転させることは、第2給電OMTの出力で任意の傾斜角に対する2つの線形直交偏光信号を生成する。一例において、給電OMT及び円形回転導波管は、アンテナアレイから外れて位置し得る。前記例において、フレキシブル導波管は、給電ネットワーク(202)の最終のTジャンクションを第1給電OMTに接続するのに使用され、アンテナアレイの移動を収容することができる。
一実施形態によると、給電ネットワーク(202)は、ともに機械的に接続されるコンポーネントピースに製造できる。上記で述べたとおり、給電ネットワーク(202)は、アンテナアレイ(106)のアンテナ素子(268)それぞれを単一の給電点に接続するために「ツリー状」の構造を形成する複数の対称部分を含み得る。従って、給電ネットワーク(202)の構造は、個別に製造された後、共に接続される素子の分離を助けることが可能である。一例において、給電ネットワーク(202)は、金属を必要な部分にキャスティングした後、その金属を半田付けしてそれを仕上げることで製造される。キャスティング及び半田付けのステップは、給電ネットワークの部分、例えば、4つのアンテナ素子を含む部分に対して同時に行われ得る。このようにして仕上がったピースは、その際全体の給電ネットワーク(202)を生成するために共に接続され得る。他の例において、給電ネットワーク(202)及びホーンアンテナ素子(268)を含むアンテナアレイは、その長さに沿って切り取られた中心に沿って対称となるように配列される。従って、この例において、アンテナアレイは、2つの対称部分に中心線に沿って分割され、そのそれぞれは、個別に製造された後(例えば、キャスティング及び半田付けにより)共に接続される。アンテナアレイ(106)を「縦」に分割することは、上記で述べたとおり、アレイが分割されるときに発生する小さな4つの素子又は類似する部分よりも2つの部分のそれぞれが相当更に複雑になることがあっても、製造時間を大きく短縮することができる。
衛星(又は他の通信)信号は、2つの直交波面に送信され得る。これは、衛星(又は他の情報源)が同一周波数の多くの情報を送信し、偏光ダイバーシティに依存して信号が干渉されることを防止するようにする。アンテナアレイ(106)は、衛星[又は他の信号源(110)]上の送信アンテナとしての同一経度又は真下にある場合に、受信アンテナアレイ及び送信源アンテナ偏光が整列できる。しかし、上記で述べたとおり、一部の例において、信号源(110)の相対位置及びアンテナアレイ(106)のホストプラットホームにより発生する信号源(110)とアンテナアレイ(106)との間の偏光スキューがあり得る。例えば、アンテナアレイ(106)が航空機(132)上に搭載される適用については、航空機のピッチ、ロール、ヨー(yaw)、及び空間位置(例えば、経度又は経線)は、信号源(110)とアンテナアレイ(106)の間の偏光スキュー(β)を発生させ得る。従って、一実施形態において、外部サブシステム(102)は、情報源とアンテナアレイとの間の偏光スキューを補償する偏光コンバーターユニットを含む。
図44を参照すると、偏光コンバーターユニット(PCU)(502)が接続されたアンテナアレイ(106)の一例が例示されている。上記で述べたとおり、示された例において、アンテナアレイ(106)は、PCU(502)がアレイの「内側」に嵌合されるように配列される。この配列は、外部サブシステム(102)の相対的に小さなフットプリント及びボリュームを維持するのに対して有利になるように配列される。しかし、本発明は、図44に例示された配置に制限されず、PCU(502)は、外部サブシステム(102)上の如何なる適切な位置にも配置できることが理解されるべきである。また、他の実施形態において、偏光スキュー補償は、完全に電子的に行われ得る。従って、内部サブシステム(104)は、アンテナアレイ(106)と信号源(110)との間の偏光スキュー(β)を補償し、また、垂直成分信号と水平成分信号との間の任意の偏光スキューを選択的に補償する電子装置(回路及び/又はソフトウェア)を含み得る。一例において、偏光コンバーターユニット(502)、又は他の信号処理電子装置は、線形偏光信号及び円形偏光信号の何れか又は両方を収容するように改造できる。
一実施形態によると、PCU(502)は偏光補正信号を、この信号を増幅して内部サブシステム(104)に供給する低雑音増幅器(504)に提供できる。上記で述べたとおり、通信システムの信号処理及び制御電子装置のほとんどは、内部サブシステム(104)に含まれ、ホストプラットフォーム内に収容され、それを環境条件から保護できる。しかし、当業者に公知のように、多数の適用において、信号対雑音の考慮をできるだけ精密にするアンテナ給電に低雑音増幅器(504)を有するのが好ましい。従って、一実施形態において、低雑音増幅器(504)は、外部サブシステム(102)の一部である。図44に示された例において、低雑音増幅器は、偏光補正信号をPCU(502)から直接又は非常に短い経路に亘って受信できるようにPCT(502)に搭載される。その後、低雑音増幅器(504)からの増幅信号は、以下で更に述べるとおり、内部サブシステム(104)に供給できる。
図45を参照すると、偏光コンバーターユニット(PCU)(502)の一例の分解図が示されている。上記で述べたとおり、低雑音増幅器(LNA)(504)は、PCU(502)に搭載できる。従って、PCU(502)は、低雑音増幅器(504)にマウント(506)を含むことができる。示された例において、LNA(504)は、導波管基盤のLNAであり、LNAマウント(506)は、偏光補正信号をPCU(502)から受信してそれを導波管基盤のLNAに供給する導波管の部分である。
一実施形態によると、PCU(502)は、以下で更に述べるとおり、偏光スキューの補正の責任を負う回転直交モードトランスデューサ(OMT)(508)を含む。回転OMT(508)はスパイン(510)に搭載され、それによってPCU駆動用ケーブル(512)をラーニングする。ケーブル(512)の一端部(514)は回転OMT(508)に接続され、他端部(516)はマスタープリー(518)に接続される。モーター(520)は、電力を供給してマスタープリー(518)及びプリー(522)を駆動し、ケーブル(512)を使用して回転OMT(508)を回転させる。モーター(520)は、モーターマウント(524)に支持され得る。一実施形態において、アンテナアレイ(106)の給電点からの2つの垂直及び水平合算成分信号は、回転OMT(508)の第1及び第2導波管ポート(526、528)に供給される。2つの導波管ポート(526、538)は、回転OMT(508)の回転可能な部分(530)に接続される。回転可能部分(530)は、受信された電磁界を回転させ、信号源(110)とアンテナアレイ(106)との間の変更スキュー(β)を補償する。偏光エンコーダー(532)は、所望の偏光係数に対応する回転OMT(508)の回転角度を決定するのに使用できる。一例において、PCU(502)は、測定/検出偏光スキューを補正するのに要求される必要な回転角度を決定するアンテナ制御ユニット(112)(図1参照)から制御信号を受信する。最終の偏光補正信号は、導波管部分(534)を介して低雑音増幅器(504)に供給される。一例において、PCU(502)は、何れかの方向(時計回り又は反時計回り)にほぼ270度まで回転可能である。
上記で述べたとおり、一例において、偏光スキューの補償は、電子的に行われ得る。しかし、上記で述べたPCU(502)の実施形態を使用して変更スキュー(β)を機械的に補償するのはいくつかの利点を有し得る。例えば、機械的偏光スキューの補償は、RF信号を電子信号に変換すること(偏光スキューを補償するよう処理される)、及び元来のRF信号に変換することに関する効率損失を被らない。また、機械的PCU(502)は、アンテナアレイ(106)が送信しているとき、偏光スキューを補償するのに特に有用な非常に高い電力信号をハンドリングできる一方、電子的偏光スキューを行える電子装置は、信号が相対的に低い電力であることを必要とし得る。
図45を更に参照すると、一実施形態において、アンテナアレイ(106)の受信動作については、回転OMT(508)の出力は低雑音増幅器(504)に接続される。低雑音増幅器(504)からの増幅信号は、外部サブシステム(102)を内部サブシステム(104)に接続する回転ジョイント(538)にケーブル(536)を介して供給され得る。アンテナアレイ(106)の送信動作については、アンテナアレイにより送信される信号は、他の回転ジョイント(538)及びケーブル(540)を介して回転OMT(508)に直接供給され得る。一例において、回転ジョイント(538)は、単一のチャンネル回転ジョイントである。回転ジョイント(538)は、内部サブシステム(104)側上のRF同軸ケーブル及び/又はフレキシブル導波管に接続できる。回転ジョイント(538)は、所定の方位でアンテナアレイ(106)の回転を収容することができる。
図46を参照すると、低雑音増幅器(504)の一例が例示されている。低雑音増幅器(504)は、回転OMT(508)に接続され得る導波管ポート(542)を含む。出力ポート(544)は、上記で述べたとおり、ケーブル(536)に接続され、増幅信号を内部サブシステム(104)にテークすることができる。一例において、出力ポート(544)は、同軸ケーブルと一致するように設計された同軸ポートである。電力は、パワーコネクタ(546)を介して低雑音増幅器(504)[例えば、内部サブシステム(104)により]に供給され得る。
図1を再度参照すると、受信モードにおいて、外部サブシステム(102)により受信され処理される[例えば、導波管給電ネットワーク(202)を通過し、偏光スキュー(β)を補償するようにPCU(502)により調整され、低雑音増幅器(504)により増幅される]信号は、内部サブシステム(104)に供給される。内部サブシステム(104)の動作の以下の考察は、主に信号源(110)から信号を受信するアンテナアレイ(106)を参照することができるが、当業者はアンテナアレイ(106)が信号を送信しているときに、任意の部品が逆信号に対して動作し得るということを認識できるであろう。
図47を参照すると、内部サブシステム(104)の一例のブロック図が例示されている。上記で述べたとおり、内部サブシステムは、制御信号を内部サブシステム及び外部サブシステム(104、102)の部品の一部又は全てにそれぞれ提供するアンテナ制御ユニット(112)を含み得る。高電力の送受信機(114)は、以下で更に述べるとおり、「受信信号」としてここで言及されている増幅信号を低雑音増幅器(504)から受信し、受信信号を処理する。また、高電力の送受信機は、アンテナアレイ(106)により送信される信号をモデム(116)から受信し、その信号を処理し、「送信信号」を出力する。受信信号及び送信信号は、コネクタ(140)を介して内部サブシステム(104)と外部サブシステム(102)を通過する。コネクタ(140)は、回転ジョイント(538)だけでなく、回転ジョイント(538)と内部サブシステムの電子装置の間の介在ケーブル及び他の部品を含み得ることが理解されるべきである。図47に例示されたとおり、それぞれの線(142a及び142b)上の受信及び送信信号に加えて、コネクタ(140)は、電力[線(144)]を電源(118)から通過させ、信号[線(146)]をアンテナ制御ユニット(112)から外部サブシステム(102)に制御する。
一実施形態によると、内部サブシステム(104)は、コネクタ(140)を介して入力信号、例えば、線形又は円形偏光信号を受信し、受信された入力信号の周波数よりも低い周波数で線(150)上の出力信号、例えば、線形又は円形偏光信号を提供できるダウンコンバーターユニット(DCU)(148)を含む。DCU(148)は、以下で更に詳細に述べる。線(150)上の信号は、信号処理電子装置(152)により処理され得る。同様に、送信経路で内部サブシステム(104)は、アップコンバーターユニット(154)を含み得ることができる。送信信号は、例えば、乗客又は使用者のインターフェース等の信号源からコネクタ(156)を介して内部サブシステム(104)により受信され、信号処理電子装置(152)により処理され、アップコンバーターユニット(154)により送信周波数にアップコンバーターできる。当業者により認識されるとおり、アップコンバーターユニット(154)は、ダウンコンバーターユニット(148)と類似する方式により、例えば、以下で更に述べるとおり、送信信号と局部発振器信号を混合してデータ信号の周波数を変更させることにより動作できる。
上記で述べたとおり、信号は、数ギガヘルツまで延びる周波数の広い範囲に亘ってアンテナアレイ(106)により送信及び/又は受信できる。例えば、垂直及び水平成分信号は、略10.7GHz〜12.75GHzの周波数の範囲にあり得る。そのため、一部の適用において、特に、アンテナアレイ(106)が超短波を受信及び/または送信している場合に、2つの局部発振器を使用してダウンコンバージョン又はアップコンバージョンを行うのが好ましい。従って、1以上の実施形態において、内部サブシステム(104)は、重要な信号をモデム(116)により使用可能な周波数に変換するために、第2局部発振器を選択的に含む。信号処理は、相違するダウン/アップコンバージョンの段階間でダウン又はアップコンバージョンの前に、又は全てのダウン/アップコンバージョンが行われた後に発生し得ることが理解されるべきである。受信モードにおいて、ダウンコンバートされて処理された信号は、ホスト車両に関する乗客によりアクセスされる乗客インターフェース(例えば、シートバックディスプレイ)にモデム(116)及びコネクタ(156)を介して供給できる。同様に、送信モードにおいて、処理、アップコンバーター、及び送信される信号は、コネクタ(156)を介して乗客インターフェースから受信できる。
図48を参照すると、ダウンコンバーターユニット(DCU)(148)の一実施形態の機能ブロック図が例示されている。図48は、DCU(148)の機能履行のみを示すことを目的とし、物理的履行である必要はないものと理解されるべきである。更に、アップコンバーターユニット(154)及びダウンコンバーターユニット(158)は、当業者により理解されるとおり、類似する構造により履行できる。一例において、DCU(148)は、例えば、10.7GHz〜12.75GHzの周波数の範囲でRF信号を取って帯域の10.7GHz〜11.7GHzの部分を、例えば、0.95GHz〜1.95GHzの周波数の範囲から中間周波数(IF)信号へ変換するように構成される。第2局部発振器は、帯域の11.7GHz〜12.75GHzの部分を1.1GHz〜2.15GHzのIFに変換するのに使用される。
図48を更に参照すると、一実施形態によると、DCU(148)は、電力を線(162)を介して電源(118)(図1参照)から受信する。一実施形態によると、DCU(148)は、線(142a)上のRF信号を受信し、線(166)上の出力IF信号を提供することができる。上記で述べたとおり、RF信号は、コネクタ(140)を介して外部サブシステム(102)(例えば、低雑音増幅器)から供給できる。一例において、指向性カプラ(168)は、ビルトインテスト信号を局部発振器(170)から注入するのに使用される。アンテナ制御ユニット(112)により制御インターフェース(174)を介して制御できるスイッチ(172)[線(176)上の制御信号を制御インターフェース(174)に提供する]は、ビルトインテスト信号が注入される場合を制御するのに使用される。電力分配器(178)は、単一信号を局部発振器(70)から分割して、それを両経路に提供するのに使用できる。指向性カプラ(168)のスルーポート(through port)は、受信信号をフィルタリングして、ある不要な信号の高調波を除去するのに使用され得るベンドパスフィルタ(180)に接続され得る。上記で述べたとおり、受信信号は、2つの局部発振器を使用して、ダウンコンバートされる2つの帯域に分割され得るので、図48に図示されたとおり、DCU(148)は、受信信号を2つの帯域に分割する2つのベンドパスフィルタ(180)を含み得る。フィルタリングされた信号は、このときミキサー(182a、182b)に供給され得る。ミキサー(182a)は、信号を局部発振器(184)から線(183)上に受信された局部発振器トーン(tone)と混合して、帯域の第1部分をIF周波数にダウンコンバートすることができる。同様に、第2ミキサー(182b)は、信号を第2局部発振器(158)から線(160)上に受信された局部発振器トーンと混合して、帯域の第2部分をIF周波数にダウンコンバートできる。一例において、第2局部発振器(184)は、7GHz〜8GHzの周波数でチューニングされるので、広範囲な動作及びIF周波数を許容することができる。増幅器(188)及び/又は減衰器(189)は、IF信号をバランシングするのに使用できる。フィルタ(190)は、IF信号が出力線(166)上に提供される前に、IF信号に存在し得る不所望なミキサー積を最小化するのに使用できる。
従って、内部サブシステム(104)は、アンテナアレイ(106)により送信されるデータ、通信又は他の信号を、例えば、ホスト車両内の乗客インターフェースから受信し、これらの信号を処理して送信信号をコネクタ(140)を介して外部サブシステム(102)に提供できる。外部サブシステム(102)において、偏光コンバーターユニット(502)は、アンテナアレイ(106)と送信信号の所望の受信先の間の偏光スキュー(β)を補償することができる。アンテナアレイ(106)の給電ネットワーク(202)は、送信信号をアンテナアレイ(106)の全てのアンテナ素子(268)のうち、それぞれ分割される2つの垂直偏光された成分信号に分割できる。各アンテナ素子(268)は、2つの直交成分信号をアンテナ素子(268)により送信される信号に再結合するOMT(402)を含み得る。同様に、アンテナアレイ(106)は、情報信号をこのアレイの各アンテナ素子(268)を介して信号源から受信し得る。給電ネットワーク(202)は、各アンテナ素子(268)で受信された信号を2つの直交成分信号に分割し、成分信号を各偏光で全てのアンテナ素子から合算して2つの直交合算信号を生成することができる。これらの合算信号は、信号源(110)とアンテナアレイ(106)との間の偏光スキュー(β)に対して補正され、低雑音増幅器により増幅される受信信号に再結合され、コネクタ(140)を介して内部サブシステム(104)に通過され得る。内部サブシステム(104)で、受信信号が処理され(例えば、ダウンコンバートされ)、ホスト車両の乗客インターフェースにコネクタ(156)を介して供給できる。
一実施形態によると、内部サブシステムは、ホスト車両の内部に搭載されるハウジング内に含まれる。そのようなハウジング(192)の一例は、図49に例示されている。上記で述べたとおり、一部の適用において、特に、通信システムが航空機上で使用される場合、車両の外部は、温度、圧力、及び湿度の広い変動に影響を受ける可能性がある。電子部品がそのような変動条件に影響を受けると、電子部品の寿命を相当短縮させかねない。電子部品を車両内に位置させることにより、この部品は、車両外側の潜在的な厳しい環境から保護される。また、この部品の更に効果的な熱制御を行うことが更に容易になり得る。更に、車両内側に電子装置を位置させることは、維持、修理、及び交換のための装置に容易に接近することができる。一実施形態において、搭載ブラケット(214)は、外部サブシステム(102)の設置及び除去を容易にすることができる。回転ジョイント(538)を含むコネクタ(140)は、上記で述べたとおり、ホスト車両の表面を貫通し、ケーブルが外部サブシステム(102)とホスト車両の内部との間を移動するようにすることができる。従って、情報、制御、及び電力信号等の信号は、外部サブシステム(102)と内部サブシステム(104)に、また、これらから提供できる。
図49を参照すると、一例において、ハウジング(192)は、航空機の機体と絶縁体との間に嵌合されるように設計できる小さくて薄いボックスである。ハウジングは、このハウジング内の電子部品を冷却させるファン(194)を含むことができる。電子装置の熱制御を容易にするために、エアフローがハウジング(192)に向かってハウジング及び電子装置を冷却させることができる。このハウジングは、ホスト車両の電源から電力を受信するコネクタ(196a及び196b)、及び通信信号を、例えば、ホスト車両の乗客インターフェースから受信するコネクタ(196c)(例えば、イーサネット(登録商標)コネクタ)を含むことができる。
一例において、内部サブシステムは、該内部サブシステム(104)の故障が存在する場合を指示する故障指示器を含む。例えば、故障指示器は、1つの色がある所定時間にハウジング(192)を通じて見られる二色(例えば、白及び黒)フラグを含み得る。第1色(例えば、白)は、内部サブシステム(104)が正常のパラメータ内で機能していることを指示できる一方、第2色(例えば、黒)は、故障を指示することができる。一例において、故障指示器は、電力が内部サブシステム(104)に供給できないときにも動作できるように、機械的に(例えば、磁気的に)作動する。
図1及び図47に例示されたとおり、一実施形態において、送信チェーンに使用される電力増幅器(図示せず)を含み得る高電力の送受信機(114)は、内部サブシステム(104)内にある。電力増幅器が同軸ケーブル等のケーブルを介してアンテナアレイ(106)に接続される場合に、電力増幅器がアンテナアレイから相対的に遠くなるとき(即ち、それを接続するケーブルが長くなるとき)に相当な損失が発生することが見出されている。しかし、上記で述べたとおり、多数の適用において、電力増幅器とアンテナアレイ(106)との間の距離を大きくできるホスト車両[即ち、内部サブシステム(104)の一部として]の内側に電力増幅器を含むシステム電子装置を有することが非常に好ましい。電力増幅器とアンテナアレイ(106)との間の接続損失の問題を処理するために、一実施形態において、コネクタ(140)は、送信信号を内部サブシステム(104)から(例えば、電力増幅器から)回転ジョイント(538)に搬送するフレキシブル導波管を含む。フレキシブル導波管は、接続公差を吸収し、導波管及び/又は内部サブシステムハウジング(192)の位置に更に多くの柔軟性を許容するために使用できる。導波管は、低損失の伝送媒体である。フレキシブル導波管接続を使用することにより、アンテナアレイ(106)から相対的に遠い電力増幅器に起因するシステムの性能低下を無視できることが見出されている。一例において、ベンドパスフィルター等のフィルターは、フレキシブル導波管接続素子に統合され、不要な周波数成分を送信信号から取り除く。従って、高電力の送受信機(114)をアンテナアレイ(106)に接続するためのフィルタリング部品と伝送線を含む容易に代替可能な単一素子が提供されることができる。よって、この単一素子を代替することは、ベンドパスフィルターを変更することができるので、内部サブシステム(104)を変更せずに、システムの動作周波数帯域を変更する。また、導波管が同軸ケーブルよりも小さな損失伝送媒体であるため、送信信号は、電力が低減されることにより(アンテナアレイの経路上で少ない損失を経験するので)、通信システムの電力消費を低減させる。また、フィルタリング部品を選択的に含む類似するフレキシブル導波管接続素子は、送受信機(114)を低雑音増幅器(504)に接続される回転ジョイント(538)に接続するために、受信チェーンに使用され得ることが理解されるべきである。
アンテナアレイ(106)のポインティングの正確度(即ち、アンテナアレイが信号源(110)又は信号受信先にどれほど正確に指向されるか)は、通信システムの重要な性能測定であり得る。しかし、特に、通信システムが航空機(132)等の車両上に搭載される場合に、ポインティングの正確度に悪影響を与え得る多数の条件(例えば、形状と利用可能な搭載位置、環境的要因、及び機械的公差)がある。従って、一実施形態において、較正手順は、以下で更に述べるとおり、ホスト車両でアンテナアレイ及び構造的公差の機械的公差を補正し、部品の代替を検出及び調整するために使用される。一例において、較正手順は、位置オフセットを考慮し、車両のナビゲーションシステムに対する外部サブシステムをバイアスする。以下の考察は、車両が航空機であると仮定して、航空機の慣性ナビゲーションシステム(122)を言及するが、較正手順は、システムが設けられる車両の形態に関係なく適用できることが理解されるべきである。
図50を参照すると、較正手順の一例のフロー図が例示されている。較正手順の第1段階は、ファクトリー較正段階(602)を含み得る。この段階(602)は、通信システムが車両上に設けられる前に行われ得る。一例において、アンテナアレイ(106)は、所定の方位及び高度でアンテナアレイのポインティング位置を感知するアンテナアレイ上に直接搭載される少なくとも1つの位置エンコーダー(「ティルトセンサ」とも呼ばれる)を含む。一例において、位置エンコーダーは、アンテナアレイ(106)のピッチ及びロールを示すデータを提供する。システムの動作の間、位置エンコーダーからの情報は、制御信号をモータ(及び関連のモータドライブ)に提供し、アンテナアレイ(106)を所定の方位及び高度で所望の角にポインティングするとき、アンテナ制御ユニット(112)を援助するために、アンテナ制御ユニット(112)(図1参照)にフィードバックされ得る。そのため、一実施形態において、ファクトリー較正段階(602)は、位置エンコーダーの位置に対するアンテナアレイ(106)のRF中心を位置させる手順を含む(ステップ604)。この手順は、アンテナアレイ(106)のRF中心とエンコーダーの位置との間の位置で、任意のオフセットを考慮して、エンコーダーがアレイ上の便利な位置に位置するようにすることができる。また、温度に関する位置エンコーダーでデータの変動が構成され得もする。計算されたオフセットは、通信システムの他の較正及び/又は動作の間、アンテナ制御ユニット(112)によりアクセスされ得るメモリ装置(130)(図1参照)に保存され得る(ステップ606)。一例において、メモリ装置(130)に保存された情報は、上記で述べたとおり、位置エンコーダー較正データ(例えば、温度変動等)、機械的較正及び補正データ(例えば、アンテナアレイと位置エンコーダー間のオフセット)のみならず、正規の動作パラメータ及びリミット、及び(選択的に)全体として又は個別部品[例えば、アンテナアレイ(106)又はPCU(502)]に対する一連の番号及び/又は部品数のデータを含む。機械的較正データは、アンテナアレイ(106)のRF中心と搭載及びジンバルアセンブリの間の全ての幾何学的変数を考慮することができる。一連の番号及び/又は部品数情報は、以下で更に述べるとおり、部品交換の自動検出(及び補正)に使用できる。メモリ装置(130)でのデータの保存は、各外部サブシステム(102)の個別特性がファクトリー製造及び較正(602)の間に決定され保存されるようにする。
一実施形態において、通信システムは、2つのメモリ装置を含み、一方のメモリ装置(130)は外部サブシステム(102)に位置し、他方は内部サブシステム(104)に位置する。外部サブシステム(102)にあるメモリ装置(130)は、ここでアンテナメモリ(130)と呼ばれ、内部サブシステムにあるメモリ装置は、ここでアンテナ制御メモリと呼ばれる。アンテナ制御メモリは、アンテナ制御ユニット(112)の一部として含まれるか、アンテナ制御ユニット(112)に通信接続された分離装置(図1に図示せず)であり得ることが理解されるべきである。メモリは、当業者に公知のランダムアクセスメモリ又はフラッシュメモリを含む適切なメモリの形態であり得るが、これに制限されない。アンテナメモリ(130)及びアンテナ制御メモリは、互いに通信接続され、2つのメモリの間でデータ転送を許容することができる。アンテナメモリ(130)とアンテナ制御メモリの間のデータ共有は、以下で更に述べるとおり、例えば、初期設置較正手順(以下で述べる)を検出及び実行し、通信システムの各種部品又は外部部品(航空機の慣性ナビゲーションシステム等)の交換を検出し、部品交換に要求されるシステムデータセットのアイテムを再計算するのに使用され得る通信システムに完全なデータセットを提供することができる。
一実施形態において、上記で計算されたオフセット等の較正データは、アンテナメモリ(130)及びアンテナ制御メモリに保存できる。較正メモリの任意の変更又はアップデートは、両メモリに同様に保存できる。このデュアルメモリ構造は、データの重複(即ち、第1メモリが損傷する場合、データは第2メモリに保存されるので、損失しない)及び外部又は内部サブシステム(又はその部品)のうち何れかを「交換し」、ファクトリー較正を再度行わずそれを新たな/アップデートされた部品に代替する能力を含むいくつかの利点を提供することができる。例えば、内部サブシステムが交換される場合、新たなアンテナ制御メモリは、アンテナメモリ(130)に保存された較正データをダウンロードすることにより、システムを再較正する必要性を回避することができる。
図50を再度参照すると、ファクトリー較正(602)の後、通信システムはホスト車両上に設けられることができる。従って、較正の第2段階は、設置較正(608)を含み得る。以下で更に述べるとおり、設置較正手順(608)は、搭載されたアンテナアレイ(106)と航空機の慣性ナビゲーションシステム(122)の間のオフセットと公差を考慮し、従来の手順よりも簡単な外部サブシステムの設置を成すことができる。
航空機を含む従来の車両は、外部サブシステム(102)が搭載できる大きくて平らな面を有さないが、かえってその面は、若干の傾斜又は湾曲を有し得る。従って、外部サブシステムがそのような面上に搭載される場合、レベルからアンテナアレイのオフセットが一部存在する。更に、アンテナアレイが航空機の慣性ナビゲーションシステムセンサに非常に近接して搭載されなければ、アンテナアレイ(106)と慣性ナビゲーションシステム(122)との間のオフセットもあり得る。設置較正の手順(608)は、以下で更に述べるとおり、前記オフセットを考慮することができる。従来の設置手順は、外部サブシステム(102)が航空機の慣性ナビゲーションシステム(122)の公知のバイアスに10分の数度内に正確に位置することを許容し得る。しかし、補償されなければ、更には、かかる10分の数度は、アンテナアレイがポインティングの計算のみを使用して、信号を自動追跡する内蔵送受信機に対して十分に正確な衛星にポインティングされないようにし得るため、乗客の信号損失を生じさせ得る。更に、車両上の外部サブシステム(102)の正確な交換が困難となり、時間がかかり得る。そのため、車両上の外部サブシステムの正確な交換の必要性を除去する設置較正の手順(608)を使用するのが好ましい。
上記で述べたとおり、外部サブシステム(102)は、車両上に設けられると、アンテナアレイ(106)のピッチ及びロールを感知できる少なくとも1つの位置エンコーダーを含むことができる。一例において、アンテナアレイのピッチ及びロールは、内蔵慣性ナビゲーションシステム(122)のピッチ及びロールに対して計算され得る(ステップ610)。一例において、ステップ610は、アンテナアレイのリファレンスフレーム(位置エンコーダーにより測定され保存されたファクトリー較正データを使用して補正される)と航空機リファレンスフレーム[慣性ナビゲーションシステム(122)を使用して測定される]との間のオフセットを測定する内蔵パラメータを使用することを含む。これは、時間がかかる手動較正をすることなく、ピッチオフセット及びロールオフセットを決定し、航空機の製造公差を除去する。また、全てのピッチオフセット及びロールオフセットは、較正により考慮されるため、航空機上に外部サブシステム(102)を正確に位置させる必要がない。むしろ、アンテナアレイのアライメントと慣性ナビゲーションシステムのアライメントとの間のエラーは、メモリ装置に簡単に保存され、ポインティング制御信号をアンテナアレイ(106)に供給する場合、アンテナ制御ユニット(112)により補償される。従って、設置較正(608)は、システム設置の容易さを大きく改善することができる。
従来のアンテナアライメントプロセスは、通常、初期アンテナシステムの設置の間にのみ行われ、手動プロセスにより行われた。従来の手動プロセスは、通常、デルタロール、デルタピッチ、及びデルタヨーの数を入力する能力を有さないため、手動プロセスはシム(shim)の使用を必要とする。このシムは、アンテナの付着ベースと航空機との間に位置し、アンテナシステム座標をナビゲーションシステムの座標と一致させる、例えば、アルミニウムシム等の充填材の小さなシートである。しかし、シムの使用は、レードームの除去、シムの交換、及びレードームの再設置を必要とする。これは、非常に時間がかかり、危険なアプローチである。制限された人のみが認証を受け、航空機のトップで作業し、これはかなりの量のステージングを必要とする。アライメントが完了すると、レードームは再び取り付けられなければならず、レードームのシールは数時間の間硬化される。この手動アライメントのプロセスは、非常に時間がかかって困難である。これとは対照的に、自動設置較正手順(608)は、アンテナアレイを移動させる必要なく、迅速に且つ容易に行われることができる。
図50を再度参照すると、ピッチオフセット及びロールオフセットが位置エンコーダーからの(補正)データと慣性ナビゲーションシステム(122)からのデータを比較することで計算され保存された後(ステップ610)、ヘッディングオフセットは、衛星信号ロック(ステップ612)を使用して計算され得る。一例において、ステップ610は、アンテナアレイ(106)を公知の衛星でポインティングして、アンテナアレイ(106)のヘッディングアライメントをナビゲーションシステム(112)によりチェックするよう、アンテナ制御ユニット(112)を命令することを含み得る。このアライメントチェックが要請される場合、アンテナ制御ユニット(112)は、選択された衛星をポインティングするように慣性ナビゲーションデータを初期に使用することができる。初期に、即ち、アンテナアレイ(106)がヘッディングオフセットに対して整列または較正されない場合、システムはピーク受信信号を探す領域のスキャニングを開始することができる。このピークは、システムが最上の信号強度で位置する場合決定できる。アンテナのポインティングヘッディング(例えば、位置エンコーダーを使用して決定される)とナビゲーションシステムにより指示されるヘッディングとの間のエラーは、上記で述べたとおり、メモリ装置で計算され記録され得る。ピッチオフセット及びオフセットが既に決定され(ステップ610)補償されているため、ヘッディングオフセットは、単一衛星を使用して計算され得る。
従って、設置較正手順(608)は、アンテナアレイ(106)と航空機の慣性ナビゲーションシステム(122)との間のバイアス又はオフセットを考慮するのに容易に又は自動的に使用され得る。これは、アンテナ制御ユニット(112)(図1参照)がナビゲーション情報を慣性ナビゲーションシステム(122)から受信し、ナビゲーション情報を使用して慣性ナビゲーションシステム(122)とアンテナアレイ(106)との間のオフセットから起因するエラーがなく、アンテナアレイ(106)を正確にポインティングするようにする。一実施形態によると、設置較正の手順(608)は、アンテナ制御ユニット(112)の制御下で又は制御で実行されるソフトウェアにより実施され得る。また、設置較正データは、アンテナメモリ(130)とアンテナ制御メモリに保存できる。
上記で述べたとおり、一実施形態において、通信システムは、各種のシステム部品の交換を自動的に検出し、アンテナメモリ(130)とアンテナ制御メモリ間の通信を通じてこの交換を調整することができる。一例において、パワーアップ時にアンテナメモリ(130)及びアンテナ制御メモリのそれぞれは、共有の且つ局部的に保存されたデータを使用して、どのメモリ装置が新しいかを決定するように、他に問い合わせることができる。既存のデータと新たなメモリ装置に提供される新たなデータを比較することにより、システムは、新たなメモリ装置により識別される新たな部品の潜在的に相違する公差及びパラメータの補償を自動的に計算することができる。それぞれのパワーアップ時に、システムは、現在の較正オフセットを再評価するために条件が存在するかを決定することができる。そのような条件が存在すれば、このときシステムは、現在のオフセットが有効なのかを評価することができる。これは、慣性ナビゲーションシステム(122)の交換を含む機体変更の検出と補正を提供する。また、飛行中のトラッキングアップデートは、船体の与圧及び温度効果により惹起され得るように、慣性ナビゲーションシステム(122)及び/又は機体の機械的変更からのスロードリフト(slow drift)を処理することができる。
一部の適用において、精密な較正後であっても、ナビゲーションデータは、許容公差レベル内の所望のソースにロックされたアンテナアレイを単独で維持するのに十分でないこともある。そのため、一実施形態によると、アンテナ制御ユニット(112)は、信号源をトラッキングするナビゲーションデータと信号フィードバックのデータを使用できるトラッキングアルゴリズムを実行することができる。トラッキングアルゴリズムは、最も強い衛星信号を常に探すことができるので、慣性ナビゲーションデータが遅ければ、トラッキングアルゴリズムが、最適なポインティング角の発見を接収ことができる。慣性ナビゲーションデータが正確且つ最新式の場合、システムは、慣性データがビームのピークと一致するので、所定の方位及び高度角を算定する慣性データを使用することができる。これは、慣性ナビゲーションシステムの座標が、測定可能なエラーなく、アンテナを意図した衛星に正確にポインティングできるためであり、即ち、予想されたルック角(look angle)及び最適なルック角が同一になるであろう。慣性ナビゲーションデータが正確でない場合、トラッキングソフトウェアは、約5度までの計算されたルック角と最適のルック角の間の差を本来「補正」できるので、ポインティングを維持するのに使用できる。
一実施形態において、アンテナアレイは、情報源から所望の信号のピークを位置させるように制御できる。アンテナアレイは、その際、ソース信号のビーム幅(アンテナアレイのビーム幅に対して)を決定する信号に対して「ディーザード(dithered)」され得る。一例において、アンテナ制御ユニット(112)は、アンテナを計算された位置から若干オフセット位置に個別に再配置させ、信号受信強度が最適の場合、及び最適の方向にアンテナ指向を再配置しない場合等を決定することにより、受信信号の振幅が最適の方位及び高度ポインティング角を決定する受信信号の振幅を使用し得るということをモニタリングすることができる。当業者に公知のように、幾何学的計算は、航空機からのものを含む公知の座標から対地静止衛星のルック角を決定するために容易に使用できる。3つの衛星を位置させてトラッキングすることにより、三角測量データは、アンテナアレイのルック方向とナビゲーションシステムデータとの間の任意のバイアスを更にリファイン(refine)するために使用されることができる。リファインされたエラーは、その際アンテナ制御メモリ及びアンテナメモリ(130)に保存され、システムの動作の間、所望の信号源(110)の正確なトラッキングを容易にするのに使用されることができる。
図48を再度参照すると、トラッキングアルゴリズムを実行する一例において、アンテナ制御ユニット(112)は、このアンテナ制御ユニット(112)が信号処理電子装置(152)又は第2DCU(158)から信号を選択的にサンプリングすることが理解されても、例えば、DCU(148)[線(166)上に]から受信信号をサンプリングすることができる。従って、以下の考察が、サンプリングされるDCU(148)からの信号を言及していても、本発明がそれに制限されないことが理解されるべきである。一実施形態によると、DCU(148)の制御インターフェース(174)は、線(166)上の信号をサンプリングすることができ、線(176)を通じてアンテナ制御ユニット(112)に信号を提供することができる。サンプリングは、IF信号を線(166)から取り出してそれをアンテナ制御ユニット(112)に供給される情報に変換する、例えば、指向性カプラ、RF検出器、及びアナログデジタルコンバーター(図示せず)等の部品を必要とし得る。アンテナ制御ユニット(112)は、連続的な較正手順の一部として、上記で述べたディザリングと類似するアンテナアレイのポインティング角を調整するサンプリング信号の振幅を使用し得る。また、トラッキング/機内の較正手順は、航空機の部品の機内変更及びスロードリフトを処理する機内オフセットをアップデートするのに使用できる。
従って、少なくとも1つの実施形態のいくつかの様相を記載していても、当業者は各種の変更、修正、及び改善を容易に考えることが理解されるべきである。そのような変更、修正、及び改善は、この公開の一部となり、本発明の範囲内にあることを意図している。従って、上述の記載及び図面は、ほんの一例である。

Claims (21)

  1. アンテナアレイの第1端部から前記アンテナアレイの第2端部へ延びるホーンアンテナ素子の少なくとも1つの列に配列され、各ホーンアンテナ素子が情報信号を受信して、情報信号を前記ホーンアンテナ素子の給電点に提供する複数のホーンアンテナ素子、
    各々が各ホーンアンテナ素子に接続され、情報信号を互いに直交偏光された第1成分信号及び第2成分信号に分割する複数の直交モードトランスデューサ、及び
    複数の直交モードトランスデューサを共通のアレイ給電点に接続し、各直交モードトランスデューサからの成分信号を合算して、合算信号を前記共通のアレイ給電点に提供する導波管給電ネットワーク、
    を含むアンテナアレイであって、
    前記導波管給電ネットワークは、前記複数の直交モードトランスデューサから受信された複数の第1成分信号を合算して、前記共通のアレイ給電点に第1合算成分信号を提供する第1経路と、前記複数の直交モードトランスデューサから受信された複数の第2成分信号を合算して、前記共通のアレイ給電点に第2合算成分信号を提供する第2経路とを含み、
    前記第1経路は、E面で複数の第1成分信号を合算する少なくとも1つの第1E面素子及びH面で複数の第1成分信号を合算する少なくとも1つの第1H面素子を含み、
    前記第2経路は、E面で複数の第2成分信号を合算する少なくとも1つの第2E面素子及びH面で複数の第2成分信号を合算する少なくとも1つの第2H面素子を含み、
    前記少なくとも1つの列で前記複数のアンテナ素子のうち隣接したアンテナ素子間の中心間ホーンスペーシングは、前記アンテナアレイの実質的に最も高い送信周波数における1波長と略同一であり、
    ホーンアンテナ素子の各列は、32個のホーンアンテナ素子を含むことを特徴とするアンテナアレイ。
  2. 前記複数のホーンアンテナ素子は、2つの平行列に配列され、前記2つの平行列は前記複数のホーンアンテナ素子のいずれかのホーンアンテナ素子の1/2幅でアンテナアレイの長さに沿って互いにオフセットされることを特徴とする、請求項1に記載のアンテナアレイ。
  3. 複数のホーンインサートをさらに含み、前記複数のホーンインサート各々は前記複数のホーンアンテナ素子各々内に位置することを特徴とする、請求項1に記載のアンテナアレイ。
  4. 前記導波管給電ネットワークは、第1成分信号を案内する第1経路及び第2成分信号を案内する第2経路を含み、
    前記第1経路は、各直交モードトランスデューサから受信された第1成分信号をE面で合算し、
    前記第2経路は、各直交モードトランスデューサから受信された第2成分信号をH面で合算し、
    前記導波管給電ネットワークは、前記共通のアレイ給電点に第1合算成分信号及び第2合算成分信号を提供し、
    合算信号は、第1合算成分信号及び第2合算成分信号を含むことを特徴とする、請求項1に記載のアンテナアレイ。
  5. 前記複数の直交モードトランスデューサは、第1ホーンアンテナ素子に接続された第1直交モードトランスデューサ及び第2ホーンアンテナ素子に接続された直交モードトランスデューサを含み、
    前記導波管給電ネットワークの第1経路は、前記第1直交モードトランスデューサから第1成分信号を受信する第1入力部及び第2直交モードトランスデューサから第1成分信号を受信する第2入力部を有するE面の導波管Tジャンクションと、2つの第1成分信号の加重和に対応する出力信号を提供する出力部とを含み、
    前記E面の導波管Tジャンクションは、該E面の導波管Tジャンクションをバイアスして、2つの第1成分信号の加重和を生成するチューニング素子を含むことを特徴とする、請求項4に記載のアンテナアレイ。
  6. 前記導波管給電ネットワークの第2経路は、前記第1直交モードトランスデューサから第2成分信号を受信する第1入力部及び第2直交モードトランスデューサから第2成分信号を受信する第2入力部を有するH面の導波管Tジャンクションと、2つの第2成分信号の加重和に対応する出力信号を提供する出力部とを含むことを特徴とする、請求項5に記載のアンテナアレイ。
  7. 前記E面の導波管Tジャンクション及び前記H面の導波管Tジャンクション各々は、第1入力部及び第2入力部各々にインピーダンス整合部を含むことを特徴とする、請求項6に記載のアンテナアレイ。
  8. 前記導波管給電ネットワークの第1経路及び第2経路は、同一数のベンドを含むことを特徴とする、請求項4に記載のアンテナアレイ。
  9. 前記共通のアレイ給電点に接続され、前記アンテナアレイと信号源との間の偏光スキューを補償する偏光コンバータユニットをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のアンテナアレイ。
  10. 前記偏光コンバータユニットは、
    第1合算成分信号及び第2合算成分信号を受信して、偏光補正出力信号を提供する回転直交モードトランスデューサ、
    前記回転直交モードトランスデューサに接続され、該回転直交モードトランスデューサの所望の回転角度を示す制御信号を受信して、偏光補正出力信号を提供する駆動システム、及び
    前記駆動システムに電力を提供して、前記回転直交モードトランスデューサを所望の回転角度に回転させるモータを含むことを特徴とする、請求項9に記載のアンテナアレイ。
  11. 前記回転直交モードトランスデューサに接続され、偏光補正出力信号を受信して増幅する低雑音増幅器をさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載のアンテナアレイ。
  12. 前記偏光コンバータユニットは、前記アンテナアレイと前記信号源との間の偏光スキューを補償する電子回路を含むことを特徴とする、請求項10に記載のアンテナアレイ。
  13. 前記複数のホーンアンテナ素子は、ホーンアンテナ素子のN個の平行列に配列され、Nは1〜8の範囲の整数であることを特徴とする、請求項1に記載のアンテナアレイ。
  14. Nは、1、2、4及び8からなるグループより選ばれることを特徴とする、請求項13に記載のアンテナアレイ。
  15. 前記導波管給電ネットワークは、合算信号に前記複数のホーンアンテナ素子からの情報信号各々の信号寄与を加重して、前記アンテナアレイのビームパターンを制御することを特徴とする、請求項1に記載のアンテナアレイ。
  16. 前記複数のホーンアンテナ素子は、第1アンテナ出力信号を提供する第1ホーンアンテナ素子及び第2アンテナ出力信号を提供する第2ホーンアンテナ素子を含み、
    前記導波管給電ネットワークは、第1アンテナ出力信号を受信する第1入力部、第2アンテナ出力信号を受信する第2入力部、及び第1アンテナ出力信号及び第2アンテナ出力信号の加重和に対応する出力信号を提供する出力部を有する導波管Tジャンクションを含み、
    前記導波管Tジャンクションは、該導波管Tジャンクションをバイアスして第1アンテナ出力信号及び第2アンテナ出力信号の加重和を生成するチューニング素子を含むことを特徴とする、請求項1に記載のアンテナアレイ。
  17. 前記導波管Tジャンクションは、第1入力部と第2入力部との間で略中心に配置されたセプタムを含むことを特徴とする、請求項16に記載のアンテナアレイ。
  18. 前記チューニング素子は、前記セプタムのチップに配置され、前記導波管Tジャンクションに突出するチューニングシリンダを含むことを特徴とする、請求項17に記載のアンテナアレイ。
  19. 前記チューニング素子は、前記導波管Tジャンクションの中心に対してオフセットされ、該導波管Tジャンクションをバイアスすることを特徴とする、請求項16に記載のアンテナアレイ。
  20. アンテナアレイの第1端部から前記アンテナアレイの第2端部に延びるN個の平行列に配列され、各列が32個のホーンアンテナ素子を含み、各ホーンアンテナ素子は情報信号を受信して、給電点にアンテナ出力信号を提供するた複数のホーンアンテナ素子、
    対応する複数の第1成分信号及び対応する複数の第2成分信号を提供するように、各々が複数のホーンアンテナ素子の各々に接続され、各アンテナ出力信号を第1成分信号及び第2成分信号に分割する対応する複数の直交モードトランスデューサ、
    前記複数のホーンアンテナ素子を共通のアレイ給電点に接続し、第1成分信号を案内する第1経路及び第2成分信号を案内する第2経路を含み、前記第1経路及び前記第2経路は、同一数のベンドを各方向に含み、前記第1経路は、前記複数の直交モードトランスデューサから受信された複数の第1成分信号を合算して、前記共通のアレイ給電点に第1合算成分信号を提供し、前記第2経路は、前記複数の直交モードトランスデューサから受信された複数の第2成分信号を合算して、前記共通のアレイ給電点に第2合算成分信号を提供する導波管給電ネットワーク、及び
    前記共通のアレイ給電点に接続され、第1合算成分信号及び第2合算成分信号を受信し、前記アンテナアレイと情報信号源との間の偏光スキューを補償する偏光コンバータユニットを含むアンテナアレイであって、
    Nは、1、2、4及び8からなるグループより選ばれた整数であり、
    前記導波管給電ネットワークは、E面合算素子及びH面合算素子を含み、前記E面合算素子及び前記H面合算素子は、第1合算成分信号に第1成分信号各々の振幅寄与の加重及び第2合算成分信号に第2成分信号各々の振幅寄与の加重を提供し、前記アンテナアレイの複数のホーンアンテナ素子にわたって振幅テーパーを提供することを特徴とするアンテナアレイ。
  21. 32個のホーンアンテナ素子のN列の各列に対して前記ホーンアンテナ素子は16組の隣接したホーンアンテナ素子にグループ化され、
    前記導波管給電ネットワークは、第1経路及び第2経路各々で隣接したホーンアンテナ素子の各組に対する合算素子を含み、該合算素子はE面合算素子とH面合算素子のいずれかであることを特徴とする、請求項20に記載のアンテナアレイ。
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