JP5452599B2 - ターゲット容器を充填するための方法および装置 - Google Patents
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Description
本発明の方法および本発明の装置によれば、ターゲット容器は、物質の測定された用量をターゲット容器へ充填する分配装置の支援により、自由流動物質の所定の目標量mzがリザーバから充填される。用量分配装置は、リザーバからターゲット容器への質量の流速
これらのパラメータの1つは遅延時間τである。遅延時間τは、質量の秤上への到達から秤上での質量値の指示までの時間間隔を示す。遅延時間τは測定により決定される。遅延時間τの大部分は、秤の特性に依存することが分かるであろう。さらに、周囲環境のパラメータは、遅延時間τに影響を与える。たとえば、低周波振動および/または微動は、遅延時間τの増加の原因となり得る。これは、遅延時間τの主要な要因は、秤に特有の測定遅延および環境パラメータであることを意味している。分配される物質の物理的な特性は、副次的な影響しかない。ターゲット容器内に分配される質量が、制限を越えないことを確保するために、望ましい質量流速m*・の決定に遅延時間τを入れることができる。ここでの法則は、遅延時間τは、望ましい質量流速m*・に反比例するということであり、すなわち、
望ましい質量流速の決定に考慮されるべきさらなるパラメータは、公差(tolerance)mTである。公差mTは、最大許容偏差を画定し、用量分配プロセスの最後におけるターゲット容器内の質量mが、目標質量mzから最大許容公差だけ異なることを許容する。換言すれば、用量分配プロセスの最後におけるターゲット容器内の質量mは、以下の間でなければならない。
mz−mT < m < mz+mT
公差mTが大きいならば、与えられた公差mT内にある最終的な質量の望ましい結果は、大きな質量流速m*・が望まれる場合に可能となる。一方、公差mTが小さい場合、望ましい質量流速m*・は、質量mが与えられた公差mT内になることを確保する程度に小さくなるように選択される必要がある。これは、望ましい質量流速m*・が公差mTに比例すべきことを導き、すなわち、
ターゲット容器内に分配される物質の最終質量mが、公差mTを超えて目標質量mzよりも大きい場合、すなわち、
m > mz+mT
の場合、これはオーバーシュートであると考えられる。過分に分配された物質は、ターゲット容器から多大な困難なく除去することができないので、交差mTを超えることは厳格に防止される必要がある。また、ターゲット容器から物質を取り除くプロセスにおいて、汚染が生じることがあり、完全に避けるべきリスクがある。
m*・×τ ≦ mT
とすべきである。
したがって、質量流速は、公差mTを遅延時間τで除したもの以下でなくてはならない。
すなわち、
m*・ ≦ mT/τ
でなければならない。
m*・=mT/τ
である。
遅延時間τは、環境パラメータに依存して充填プロセスの間に変化することがあるので、この遅延時間τの変化は、望ましい質量流速の調整を作成するのに用いることができる。
mnew・=(1−α)mold・ + α(mold・ − dm・)
係数αは、重み係数であり、ゼロから1までの所望の任意の値を使用することができ、すなわち、
目標質量mzの超過を防止する1つの可能性は、実際の質量
m〜(t)=m(t)+τ×m・(t)
ターゲット容器内の実際の質量を示す計算された量m〜(t)に基づいて、正しい時間におけるバルブの閉鎖が開始され、それゆえ、目標質量mzの超過が防止される。
本発明による方法による方法および本発明による装置によれば、特に粉末状または液体状物質の充填に用途が見つけられる。自由流動物質は、一般に複雑な流動特性を備え、多くの場合、非ニュートン的な性質である。所望の目標質量は、典型的には0.5mgから5000mgの範囲である。しかし、この方法において、より小さなまたは大きな用量が可能である。
実際の質量流速m・に到達するために、重量信号m(t)の1回微分
時間差Δt>0を任意に選択することができる。しかし、重量信号の統計的な変動が平滑化され、m・の値が結果として過度に変動しないように、Δtは十分に大きいものを選ぶことに注意されたい。過度な変動は、用量分配プロセスの不安定化を招くことがある。質量流速m・(t)の決定に際して、離散的な均一な時間間隔Δtを用いることが望ましい。バルブが開放されているとき、時間t1から、シーケンス
ti=t1+i×Δt
による均一なステップΔtに従う時間tiにおける質量流速m・(ti)は以下の数式から決定される。
dm・=m*・ − m・(t)
を決定することができ、質量流速m・(t)をそれに応じて調整することができる。
理想的には、充填プロセスにおいて、決定は、物質が流れることを可能にする最小直線変位Lminから、および/または、最大直線変位Lmaxからなされる。さらに、充填プロセスの最後におけるものを示す実際の質量を決定することが実際的である。これらのパラメータは、記憶することができ、また、後の充填サイクルでコントローラユニットにより使用することができる。したがって、これらのパラメータは、一度決定すればよく、後の充填サイクルをより迅速に行うことができる。先行する充填サイクルのパラメータ値は、メモリモジュールに記憶することができ、特に、RFID(Radio Frequency Identification)タグに記憶することができ、後の充填サイクルで使用される。関連するリザーバにRFIDタブを固定することが有利であり、これにより、リザーバ内の物質と、RFIDタグに記憶されるデータとの間の直接的な関連付けを確保する。しかし、他のメモリ記憶媒体を用いることもできる。
閉鎖素子の幾何学設計に基づいて、流速の直線変位Lへの依存性は、3次関数で表され、実験的に決定される。閉鎖素子の幾何形状の変更は、直線変位Lおよび質量流速の間の関係をも変化させ得る。
さらなる利点として、バルブは、既に開放しているバルブに対する可変タッピング周波数Fのタッピング機能を伝達するインパクト機構を備える。この場合、タッピング周波数Fは、バルブを通る質量流速m・に正に相関し、タッピング周波数Fの増加は、大きな質量流速m・を導く。タッピング衝突は、閉鎖素子の軸方向の横断とともに、平行に向けられる。
回転運動およびタッピング動作の両者により利益が得られ、バルブの詰まりおよび/またはパウダーブリッジの形成が打ち消される。このようにして、粉末の自由流動特性が保持されまたは増強される。
以下において、添付図面に概略的に示された例を通じて、ターゲット容器を充填するための方法および装置が説明される。添付図面は以下の通りである。
m*・ < mT/τ
ここで、mTは、望まれるターゲット重量と実際の最終重量との間の乖離の公差値を示し、τは秤の遅延時間を示す。遅延時間τは秤に特有のパラメータであり、分配される物質の物理的特性から独立している。遅延時間τは、最初の充填サイクルの前に決定し、コントローラユニット600内に記憶することができる。
200 リザーバ
300 用量分配装置
310 バルブ
311 バルブハウジング
312 バルブの出口開口
313 閉鎖素子
314 円筒形閉鎖部
315 閉鎖素子の出口通路部
316 連結要素
317 停止部
318 リセット素子
320 メモリモジュール
340 閉鎖素子の直線運動
350 閉鎖素子の回転運動
400 時間計測装置/機能
500 秤
600 コントローラユニット
610 質量流れ測定モジュール
620 調整モジュール
A 開口断面積
d 粒子サイズ
F タッピング周波数
h リザーバ内の物質の充填高さ
L 閉鎖素子の直線運動の長さ
Lmin 物質が流れる最小直線変位
Lmax 閉鎖素子の最大直線変位
m 質量
m・=dm/dt 質量流速
m*・ 望ましい質量流速
m〜(t) ターゲット容器内に存在する質量
mT ターゲット質量の公差
mz 目標質量
t 充填プロセス中の時間の可変ポイント
t1 充填プロセスの開示時間
t2 充填プロセスの終了時間
ω 回転の角速度
Claims (13)
- 用量分配装置(300)によりリザーバ(200)から自由流動物質の所定の目標質量mzをターゲット容器(100)に充填する方法であって、前記用量分配装置(300)は、前記ターゲット容器(100)に前記物質の測定された用量を充填するように機能し、前記用量分配装置(300)は、前記リザーバ(200)から前記ターゲット容器(100)へ流れる物質の、質量流速m・の可変設定を可能にするバルブ(310)と、充填プロセスの開始からの経過時間tを決定する時間計測装置(400)と、前記ターゲット容器(100)内に存在する物質の質量mを決定するための秤と、前記バルブ(310)を制御するためのコントローラユニット(600)と、を有し、前記コントローラユニット(600)は調整モジュール(620)を含み、望ましい質量流速m*・が前記調整モジュール(620)に記憶され、さらに、時間tにおける質量流速m・(t)が、前記望ましい質量流速m*・よりも小さい場合に、質量流速調整dm・だけ前記質量流速を増加させ、質量流速m・(t)が前記望ましい質量流速m*・よりも大きい場合に、質量流速調整dm・だけ前記質量流速を減少させ、前記質量流速調整dm・は、望ましい質量流速m*・と実際の質量流速m・(t)との差により形成され、用量分配プロセスの最後における前記ターゲット容器(100)内に存在する物質の質量mと前記目標質量mz との差は公差mT内にあり、
質量が前記秤に到達したときの時間と前記質量が前記秤により示された時間との間である遅延時間τが存在し、前記望ましい質量流速m*・は、前記望ましい質量流速m*・が、前記遅延時間τに逆比例するように選択され、前記望ましい質量流速m*・は、前記公差mTに正比例する、方法。 - 請求項1に記載の方法であって、前記質量流速m・(t)は、前記秤(500)の信号の時間微分から決定される、方法。
- 請求項2に記載の方法であって、新しい質量流速mnew・の決定のために、前回の質量流速mold・を、以下の式
mnew・=(1−α)mold・ + α(mold・ ± dm・)
にしたがって前記決定に導入し、αはゼロから1までの任意の値とすることができる重み係数である、方法。 - 請求項1に記載の方法であって、前記調整モジュール(620)は、等時間間隔で繰り返し使用される、方法。
- 請求項1に記載の方法であって、前記バルブ(310)は、ハウジング(311)と、円形の開口断面積を備える出口オリフィス(312)と、閉鎖素子(313)と、を有し、前記出口オリフィス(312)および前記閉鎖素子(313)は、共通の軸上に配置され、前記閉鎖素子(313)は、前記ハウジングに対して前記共通の軸を中心に回転するように駆動され、且つ、前記共通の軸に沿う直線運動において、前記出口オリフィス(312)の内外へスライドするように駆動され、さらに、前記閉鎖素子(313)は、円筒形の閉鎖部(314)と出口通路部(315)とを有し、前記バルブ(310)は、前記閉鎖素子(313)の直線運動(340)により開閉される、方法。
- 請求項5に記載の方法であって、前記質量流速m・(t)の大きさは、前記閉鎖素子(313)の直線運動に対して正に相関する、方法。
- 請求項6に記載の方法であって、前記バルブ(310)は、前記閉鎖素子(313)を等しい大きさΔLの直線ステップで運動させることにより開閉される、方法。
- 請求項7に記載の方法であって、充填プロセスの間に、前記物質が流れ始める、前記閉鎖素子(313)の最小直線変位Lmin、および/または、前記物質の流れが停止する、前記閉鎖素子(313)の最大直線変位Lmaxが決定され、これらのパラメータはメモリに記憶されて、後の充填プロセスにおける質量流速m・(t)の制御のために、前記コントローラユニット(600)により使用される、方法。
- 用量分配装置(300)によりリザーバ(200)から自由流動物質の所定の目標質量mzをターゲット容器(100)に充填するように動作する装置であって、前記用量分配装置(300)は、前記ターゲット容器(100)に前記物質の測定された用量を充填するように機能し、前記用量分配装置(300)は、前記リザーバ(200)から前記ターゲット容器(100)へ流れる物質の、質量流速m・の可変設定を可能にするバルブ(310)と、充填プロセスの開始からの経過時間tを決定する時間計測装置(400)と、前記ターゲット容器(100)内に存在する物質の質量mを決定するための秤と、前記バルブ(310)を制御するためのコントローラユニット(600)と、を有し、前記コントローラユニット(600)は調整モジュール(620)を含み、望ましい質量流速m*・が前記調整モジュール(620)に記憶され、さらに、時間tにおける質量流速m・(t)が、前記望ましい質量流速m*・よりも小さい場合に、質量流速調整dm・だけ前記質量流速を増加させ、質量流速m・(t)が前記望ましい質量流速m*・よりも大きい場合に、質量流速調整dm・だけ前記質量流速を減少させ、dm・は、望ましい質量流速m*・と実際の質量流速m・(t)との差により形成され、用量分配プロセスの最後における前記ターゲット容器(100)内に存在する物質の質量mと前記目標質量mz の差は公差mT内にあり、
質量が前記秤に到達したときの時間と前記質量が前記秤により示された時間との間である遅延時間τが存在し、前記望ましい質量流速m*・は、前記望ましい質量流速m*・が、前記遅延時間τに逆比例するように選択され、前記望ましい質量流速m*・は、前記公差mTに正比例する、装置。 - 請求項9に記載の装置であって、前記バルブ(310)は、ハウジング(311)と、円形の開口断面積を備える出口オリフィス(312)と、閉鎖素子(313)と、を有し、前記出口オリフィス(312)および前記閉鎖素子(313)は、共通の軸上に配置され、前記閉鎖素子(313)は、前記ハウジングに対して前記共通の軸を中心に回転する可動性を備え、且つ、前記共通の軸に沿う直線運動において前記出口オリフィス(312)の内外にスライドする可動性を備え、前記閉鎖素子(313)は、円筒形の閉鎖部(314)と出口通路部(315)とを有し、前記バルブ(310)は、前記閉鎖素子(313)の直線運動により開閉可能である、装置。
- 請求項10に記載の装置であって、前記閉鎖素子(313)の前記出口通路部は、可変開口断面積Aを備え、前記閉鎖素子(313)の直線変位は、前記バルブ(310)の前記開口断面積Aに対して正に相関する、装置。
- 請求項11に記載の装置であって、前記閉鎖素子(313)は、可変角速度ωで回転可能であり、前記角速度ωは、前記バルブ(310)を通る物質の流れの質量流速m・に対して正に相関する、装置。
- 請求項12に記載の装置であって、前記バルブ(310)は衝突機構を有し、可変タッピング周波数Fのタップが、すでに開放しているバルブに対して向けられ、前記タッピング周波数Fは、前記バルブ(310)を通る物質の流れの質量流速m・に対して正に相関する、装置。
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