JP5449533B2 - フィルタ付きシガレット - Google Patents

Description

本発明は、フィルタ付きシガレットに係り、より詳しくは、パッケージから取り出しやすいフィルタ付きシガレットに関する。

フィルタ付きシガレットは、パッケージを開封したとき、開封端側にフィルタが位置するようにパッケージ内に収容され、販売されている。シガレットを喫煙するとき、購入したシガレットパッケージを開封し、１本目のシガレットを指または爪でつまんで取り出そうとする。しかし、フィルタ付きシガレットは、パッケージ内に密に装填されているため、特にソフトパッケージの場合、取り出しにくく、あるいはフィルタを変形させるほど強い力で取り出すことが必要になり得る。人によっては、パッケージをたたいてシガレットをパッケージから突出させてから指でつまんで取り出す。最初の１本を取り出した後も、２本目以降のシガレットを取り出すことが比較的困難に感じる喫煙者もいる。

パッケージに収容されたシガレットを取り出しやすくするために、特許文献１では、フィルタにフィルタから突出するつまみを設けることが提案されている。

日本国実開昭５０−１１２７９８号公報

本発明は、比較的簡単な構造で、パッケージから取り出しやすいフィルタ付きシガレットを提供することを目的とする。

本発明の一つの側面によれば、それぞれ円形の先端面と基端面を有する円柱状シガレットロッド、および前記シガレットロッドに接続されたフィルタを備え、前記フィルタは、前記シガレットロッドの基端面と同じ円形の下底面と前記シガレットロッドの軸の延長線に対し傾斜した傾斜面を持つ斜め切り円柱の形状を有し、前記下底面において前記シガレットロッドに接続されているフィルタ付きシガレットが提供される。

本発明のフィルタ付きシガレットは、比較的簡単な構造で、パッケージ、特にソフトパッケージから取り出しやすい。

図１は、本発明の第１の態様によるフィルタ付きシガレットを示す斜視図である。 図２は、図１に示すフィルタ付きシガレットの側面図である。 図３は、本発明の第２の態様によるフィルタ付きシガレットを示す斜視図である。 図４は、図３に示すフィルタ付きシガレットの側面図である。 図５は、本発明の第３の態様によるフィルタ付きシガレットを部分的に示す側面図である。 図６は、図５に示すフィルタ付きシガレットを部分的に示す斜視図である。 図７は、本発明の第４の態様によるフィルタ付きシガレットを部分的に示す側面図である。 図８は、図７に示すフィルタ付きシガレットを部分的に示す斜視図である。 図９は、図１および図２に示すフィルタ付きシガレットを複数本収容したシガレットパッケージを一部切欠して示す概略正面図である。

以下、本発明の態様をより詳細に説明する。

本発明の一つの側面によるフィルタ付きシガレットは、フィルタの構造が異なる以外は、通常のフィルタ付きシガレットと同様の構造を有する。すなわち、本発明の一つの側面によるフィルタ付きシガレットは、それぞれ円形の先端面（平面）と基端面（平面）とを有する円柱状シガレットロッド、およびシガレットロッドに接続されたフィルタを備える。フィルタは、シガレットロッドの基端面と同じ円形の下底面（平面）とシガレットロッドの軸の延長線に対し傾斜した傾斜面とを持つ斜め切り円柱の形状を有する。フィルタは、その下底面においてシガレットロッドの基端面に当接する。

斜め切り円柱は、円柱の軸（シガレットロッドの軸の延長線上にある）（フィルタの中心軸に一致する）に対し、０度を超え、９０度未満の角度で傾斜した平面で円柱を切断して得られる構造を含む。本発明の一つの態様において円柱を切断する上記平面は、円柱の下底面を切断しないが、円柱の上底面はこれを切断しても、切断しなくてもよい。上記切断平面が、円柱の上底面を切断しないとき、切断された円柱は、いわゆる斜切円柱となる。斜切円柱では、上記傾斜面は、楕円形状の平面となる。上記切断平面が円柱の上底面を切断するとき、得られる斜め切り円柱の上面は、下底面と平行な円弧平面と、この円弧平面の円弧の弦と共通の弦を持つ傾斜した楕円弧平面からなる。この楕円弧は、この楕円弧を含む楕円の長軸に対し線対称となる。これらの場合、通常、フィルタの傾斜平面は、シガレットロッドの軸の延長線と交差する。

本発明において、斜め切り円柱は、傾斜面が曲面である場合を含む。すなわち、上記傾斜楕円面は、平面ではなく、凸曲面または凹曲面を構成する。ここで、凸曲面または凹曲面が傾斜しているとは、凸曲面または凹曲面の輪郭線上の２点を結ぶ直線のうち最大長さを規定する２点間を結ぶ直線がシガレットロッドの軸と交差することを意味する。

次に、図面を参照して、本発明の態様を説明する。全図にわたり、同様の要素は、同じ符号で示し、繰り返しの説明を省略する。

図１は、本発明の第１の態様によるフィルタ付きシガレット１０を示す斜視図であり、図２は、フィルタ付きシガレット１０の側面図である。

フィルタ付きシガレット１０は、タバコ刻等の通常のタバコ充填材の円柱状ロッドの外周を通常のシガレット巻紙で包んで構成されるシガレットロッド１１０を備える。シガレットロッド１１０は、先端面１１１および基端面１１２を有し、これら先端面１１１および基端面１１２は、いうまでもなく、円形平面である。シガレットロッド１１０は、通常のシガレットと同様、４９ｍｍ〜６８ｍｍの長さ、および７．２〜８．３ｍｍの直径を有し得る。

シガレットロッド１１０の基端面１１２には、通常のフィルタ付きシガレットと同様チップペーパー１３０により、フィルタ１２０が接続されている。フィルタ１２０は、例えばセルロースアセテート繊維のトウからなるフィルタ本体と、このフィルタ本体を包む成形紙から構成される。フィルタ１２０は、斜切円柱の形状にある。すなわち、フィルタ１２０は、楕円形の傾斜平面１２１と、シガレットロッド１１０の先端と同じ円形の下底面１２２とを有する。楕円形傾斜平面１２１は、円柱の軸（シガレットロッド１１０の軸ＡＸの延長線）と交差する。フィルタ１２０は、下底面１２２がシガレットロッド１１０の基端面１１２と当接している。通常のフィルタ付きシガレットと同様、チップペーパー１３０は、シガレットロッド１１０の基端部からフィルタ１２０の上端にかけてシガレットロッド１１０およびフィルタ１２０の外周を覆っている。

フィルタ１２０の直径は、シガレットロッド１１０の直径と同じである。上述のように、シガレットロッド１１０とフィルタ１２０はチップペーパー１３０により接続されているが、フィルタ１２０の上記直径にはチップペーパー１３０の厚さ（通常４０μｍ）は含まれていない。

図２を参照して、楕円形傾斜平面１２１がシガレットロッド１１０の軸ＡＸの延長線との間に形成する鋭角θは、シガレットの取り出しやすさ（指でのつまみやすさ）の観点から、２８度より大きく、７２度未満であることが好ましく、２８度より大きく、５８度以下であることがより好ましい。また、傾斜平面１２１の楕円の長軸を規定するフィルタ１２０（正確には、チップペーパー１３０であるが簡便のためにフィルタと表現する。以下同じ）の外周面上の２点間の、シガレットロッド１１０の軸方向の距離（いいかえると、フィルタ１２０の、シガレットロッド１１０の軸方向における最大長さと最小長さとの差）ｄは、口に含んだときの喫煙しやすさを考慮すると、２．５ｍｍより大きく、１２．５ｍｍより小さいことが好ましく、５．０〜７．５ｍｍであることがより好ましい。フィルタロッド１２０の、シガレットロッド１１０の軸方向における最大長さＬＬは、通常、１８．２５ｍｍ〜３６．２５ｍｍである。なお、上記傾斜平面１２１の楕円の長軸を規定するフィルタ１２０の外周面上の２点は、上記傾斜平面１２１の輪郭線上の２点間を結ぶ直線のうち最も長い直線を規定する２点でもある。

図１および図２に示すフィルタ付きシガレット１０は、例えば、最終フィルタ付きシガレットのフィルタの２倍の長さを有するフィルタ部材の両端にチップペーパーによりシガレットロッドを接続したシガレット接続体を常法により製造した後、円錐台形状のカッティングドラムの周面上に置きカッティングドラムの軸と垂直な方向にフィルタ部材に対し丸ナイフを押し当てることにより１本のシガレット接続体から２本同時に製造することができる。

図３は、本発明の第２の態様によるフィルタ付きシガレット２０を示す斜視図であり、図４は、フィルタ付きシガレット２０の側面図である。

フィルタ付きシガレット２０は、フィルタ２１０の構造が異なる以外は、図１および図２に示すフィルタ付きシガレットと同様の構造である。

フィルタ２１０は、円柱を、上底面を切断する平面で切断した斜め切り円柱構造を有する。すなわち、フィルタ２１０は、円柱の下底面に相当する、シガレットロッド１１０の基端面１１２と同じ円形の下端面２１３を有する。フィルタ２１０の上端面は、下端面２１３と平行な円弧平面２１１と、この円弧平面２１１の円弧の弦２１１ａと共通の弦を持つ傾斜した楕円弧平面２１２からなる。この楕円弧２１２は、この楕円弧２１２を含む楕円の長軸ＬＡに対し線対称となる。楕円弧平面２１１は、円柱の軸（シガレットロッド１１０の軸ＡＸの延長線）と交差している。

傾斜した楕円弧平面２１２がシガレットロッド１１０の軸の延長線との間に形成する鋭角θは、図１および図２を参照して説明したフィルタ付きシガレット１０におけるθと同じであり得る。また、フィルタ２１０の、シガレットロッド１１０の軸方向における最大長さと最小長さとの差ｄも、図１および図２を参照して説明したフィルタ付きシガレット１０におけるｄと同じであり得、フィルタ２１０の、シガレットロッド１１０の軸方向における最大長さＬＬも、図１および図２を参照して説明したフィルタ付きシガレット１０におけるＬＬと同じであり得る。傾斜した楕円弧平面２１２とともにフィルタ２１０の上端面を形成する円弧平面２１１において、該円弧を含む円の中心を通り、弦２１１ａと直行する線分の、弦２１１ａから円弧までの長さは、上記円の半径の１０％〜１００％に相当することが好ましい。

図３および図４に示すフィルタ付きシガレットは、図１および図２に示すフィルタ付きシガレットを得た後、そのフィルタの先端部をシガレットロッドの軸に対し垂直な方向に切断することにより製造することができる。

図５は、本発明の第３の態様によるフィルタ付きシガレット３０を部分的に示す側面図であり、図６は、フィルタ付きシガレット３０を部分的に示す斜視図である。

フィルタ付きシガレット３０は、フィルタ３１０の構造が異なる以外は、図１および図２に示すフィルタ付きシガレットと同様の構造である。フィルタ３１０は、シガレットロッド１１０の基端面１１２と同じ円形平面の下底平面３１２を有するが、傾斜面が、凸曲面３１１を構成する。凸曲面３１１の輪郭線上の２点間を結ぶ直線のうち最も長い直線ＬＢがシガレットロッド１１０の軸の延長線ＡＸとの間に形成する鋭角θは、図１および図２を参照して説明したフィルタ付きシガレット１０におけるθと同じである。また、凸曲面３１２の輪郭線上の２点間を結ぶ直線のうち最も長い直線ＬＢを規定する２点間の、シガレットロッド１１０の軸方向の距離（いいかえると、フィルタ３１０の、シガレットロッド１１０の軸方向における最大長さＬＬも、図１および図２を参照して説明したフィルタ付きシガレット１０におけるｄおよびＬＬと同じである。

図７は、本発明の第４の態様によるフィルタ付きシガレット４０を部分的に示す側面図であり、図８は、フィルタ付きシガレット４０を部分的に示す斜視図である。

フィルタ付きシガレット４０は、フィルタ４１０の構造が異なる以外は、図１および図２に示すフィルタ付きシガレットと同様の構造である。フィルタ４１０は、シガレットロッド１１０の基端面１１２と同じ円形平面の下底平面４１２を有するが、傾斜面が、凹曲面４１１を構成する。凹曲面４１１の輪郭線上の２点間を結ぶ直線のうち最も長い直線ＬＢがシガレットロッド１１０の軸の延長線ＡＸとの間に形成する鋭角θは、図１および図２を参照して説明したフィルタ付きシガレット１０におけるθと同じである。また、凹曲面４１２の輪郭線上の２点間を結ぶ直線のうち最も長い直線ＬＢを規定する２点間の、シガレットロッド１１０の軸方向の距離（いいかえると、フィルタ４１０の、シガレットロッド１１０の軸方向における最大長さＬＬも、図１および図２を参照して説明したフィルタ付きシガレット１０におけるｄおよびＬＬと同じである。

図５および図６並びに図７および図８に示すフィルタ付きシガレットは、先に述べたシガレット接続体を得た後、フィルタ部材を、レーザにより曲面状に切断することにより製造することができる。１本のシガレット接続体から、図５および図６に示すフィルタ付きシガレット１本と図７および図８に示すフィルタ付きシガレット１本が得られる。

以上述べた本発明の一つの側面によるフィルタ付きシガレットは、通常のシガレットと同様にしてパッケージ内に収容される。パッケージ内において、フィルタ付きシガレットは、フィルタが、パッケージを開封する側に位置するように収容される。好ましくは、パッケージ内において、フィルタ付きシガレットは、フィルタの傾斜面が互いに平行になるように配置されることが好ましい。

図９は、図１および図２に示すフィルタ付きシガレットが複数本例えば２０本ソフトパッケージ５１０内に収容されたタバコパッケージ５０を一部切欠して示す概略正面図である。タバコパッケージ５０は、収容されたフィルタ付きシガレットが本発明のものである以外は、通常のタバコパッケージと同じである。

すなわち、ソフトパッケージ５１０は、通常のソフトパッケージと同じであり、例えば紙で箱型に作られた外側ソフトパック５１１を含む。外側ソフトパック５１１内には、アルミニウム箔により裏打ちされた紙からなる内側ソフトパック５１２に包まれた２０本のフィルタ付きシガレット１０が密に装填されて収容されている。パッケージ５１０は、頂面から前面および背面にかけて、封緘紙５１３により封緘されている。通常、パッケージ５１０は、通常、図示しない薄い樹脂フィルムによって包まれている。

パッケージからの取り出しやすさの観点から、フィルタ付きシガレット１０は、図９に示すように、フィルタ１２０の傾斜面１２１が互いに平行となるようにパッケージ内に収容されることが好ましい。

実施例１
傾斜面１２１の傾斜角度θ、およびフィルタ１２０の、シガレットロッド１１０の軸方向における最大長さと最小長さとの差ｄを表１に示すように種々変更して図１および図２に示すフィルタ付きシガレットと同様の構造を有するフィルタ付きシガレットを作製した。シガレットロッド１１０の長さは５９ｍｍであり、直径は７．９ｍｍであった。また、フィルタ１２０の、その中心軸に沿った長さは、２５ｍｍであった。シガレットロッド１１０とフィルタ１２０とは厚さ４０μｍのチップペーパーで接続されている。同じ構造の２０本のフィルタ付きシガレットを、図９に示すようにソフトパッケージ５１０に収容し、封緘紙で封緘し、タバコパッケージ５０を作製した。作製した各タバコパッケージについて、最初の１本目のシガレットの取り出しやすさ（指でのつまみやすさ）と、シガレットを喫煙したときの喫煙のしやすさを、複数のパネラーに諮って調査した。結果を下記表１に示す。

表１に示す結果から、フィルタが傾斜面を有すれば、パッケージから取り出しやすくなることがわかる。傾斜角θは、２８度より大きく、７２度未満の範囲内にあることが好ましいことがわかる。また、ｄは、２．５ｍｍより大きく、１２．５ｍｍより小さい範囲内にあることが好ましいことがわかる。

以上詳述したように、本発明によるフィルタ付きシガレットは、比較的簡単な構造で、パッケージ、特にソフトパッケージから取り出しやすい。

Claims (10)

1. それぞれ円形の先端面と基端面を有する円柱状シガレットロッド、および前記シガレットロッドに接続されたフィルタを備え、前記フィルタは、前記シガレットロッドの基端面と同じ円形の下底面と前記シガレットロッドの軸の延長線に対し傾斜した傾斜面を持つ斜め切り円柱の形状を有し、前記傾斜面は平面を構成し、かつ前記シガレットロッドの軸の延長線と交差し、前記傾斜面が前記シガレットロッドの軸の延長線との間に形成する鋭角は、２８度より大きく７２度未満であり、前記フィルタは前記下底面において前記シガレットロッドに接続されているフィルタ付きシガレット。
2. 前記傾斜面が前記シガレットロッドの軸の延長線との間に形成する鋭角が、３８度より大きく、７２度未満である請求項１に記載のフィルタ付きシガレット。
3. 前記傾斜面が、楕円形状をなす請求項１または２に記載のフィルタ付きシガレット。
4. 前記傾斜面が、楕円弧形状をなす請求項１または２に記載のフィルタ付きシガレット。
5. それぞれ円形の先端面と基端面を有する円柱状シガレットロッド、および前記シガレットロッドに接続されたフィルタを備え、前記フィルタは、前記シガレットロッドの基端面と同じ円形の下底面と前記シガレットロッドの軸の延長線に対し傾斜した傾斜面を持つ斜め切り円柱の形状を有し、前記傾斜面は曲面を構成し、前記曲面を構成する前記傾斜面の輪郭線上の２点間を結ぶ直線のうち最も長い直線は前記シガレットロッドの軸の延長線と鋭角を形成するように交差し、前記鋭角は、２８度より大きく７２度未満であり、前記フィルタは前記下底面において前記シガレットロッドに接続されているフィルタ付きシガレット。
6. 前記鋭角が、３８度より大きく、７２度未満である請求項５に記載のフィルタ付きシガレット。
7. 前記シガレットロッドが４９ｍｍ〜６８ｍｍの長さおよび７．２〜８．３ｍｍの直径を有する請求項１〜６のいずれか一項に記載のフィルタ付きシガレット。
8. 前記フィルタが、前記シガレットロッドの軸方向において１８．２５〜３６．２５ｍｍの最大長さを有する請求項１〜７のいずれか一項に記載のフィルタ付きシガレット。
9. 前記フィルタの、前記シガレットロッドの軸方向における最大長さと最小長さとの差が、２．５ｍｍより大きく、１２．５ｍｍよりも小さい請求項１〜８のいずれか一項に記載のフィルタ付きシガレット。
10. 前記シガレットロッドが４９ｍｍ〜６８ｍｍの長さおよび７．２〜８．３ｍｍの直径を有する請求項１〜９のいずれか一項に記載のフィルタ付きシガレット。

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