JP5446271B2 - アデニン由来化合物のループス治療への使用 - Google Patents

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Description

本発明はアデニンの2位および9位と場合によりN(6位)が置換されているアデニン由来化合物の全身性エリテマトーデス(SLE, systemic lupus erythematosus、全身性紅斑性狼瘡、以下、単にループスともいう)の治療用薬剤の製造に対する使用に関する。本化合物は、SLEの治療に使用される別の(第2の)化合物と組合わせて使用することもできる。
全身性エリテマトーデス(SLE)又は播種性エリテマトーデスは、非常に多形の多遺伝子性自己免疫疾患である。それは典型的な非臓器特異性の自己免疫疾患である。罹患するのは平均して年間10万人当たり15〜50人である。フランスでは年間50,000〜80,000人程度が罹患する。患者は主に女性(10例中約9例の割合で)であり、一部の人種の人々、特にアフリカ系カリブ人、アフリカ系アメリカ人およびスペイン系アメリカ人の人々がこの病気を発症しやすいようである。
この病気の発症原因はわかっていないが、多因子疾患であることは明らかであり、いろいろな病因因子が同定されてきた。遺伝因子としては、この疾患の罹病性は明らかに多遺伝子的である。とくにHLA系のDR2およびDR3アレル(対立遺伝子)のようないくつかの遺伝子が遺伝的罹病性にからんでいることが示された。HLA系には関係しない別の遺伝子もかかわっている。
さらに、紫外線(狼瘡発疹の光過敏性)および性ホルモン(生殖活性期の女性、妊娠のおよび妊娠への役割)といった環境因子も同定されてきた。
SLEは高度に多形性の疾患であって、従ってその徴候および臨床症状は非常に多様である。そのため、本疾患はしばしば診断が困難である。診断は詳しい質問と血液検査の後にしか下すことができない。診断を確立させるため、アメリカリウマチ学会(ARA)の診断基準が使用される。ループスの診断を確認するには、下記基準のうち4つが存在していなければならない。これらはSLEの96%に存在する:
1.顔面の蝶型形状の発疹
2.円板状ループス皮疹
3.光過敏症
4.口腔または鼻咽喉の潰瘍
5.非びらん性の多発性関節炎
6.胸膜炎または心膜炎
7.腎障害:タンパク尿(>0.5g/24h)または円柱尿
8.痙攣発作または精神病
9.血液異常:溶血性貧血または白血球減少症(<4000/mm3)またはリンパ球減少症(<1500/mm3)または血小板減少症(<100000/mm3
10.免疫異常:LE細胞(ハーグレーブス細胞)または抗天然(二本鎖)DNA抗体または抗Sm抗体の存在(陽性)、あるいは梅毒反応の偽陽性
11.抗核抗体陽性。
ループスの臨床症状のうち、ループス腎臓病は発生頻度の高い(通常の生物学的パラメータを用いて35〜55%と推定)症状であり、主要な予後因子の1つである。それは、血尿及び/又は円柱形成を伴う白血球尿、高血圧、あるいは最も普通にはタンパク尿について検査することによって検出することができる。腎臓病の検出は、5〜10年以内に慢性腎不全に進行することがあるので、本疾患の予後に影響するターニングポイントである。慢性腎不全になると、患者の生存は透析または腎臓移植によってのみ維持されうる。
生物学的レベルでは、SLEの特徴は次の通りである。
・ループス・フレア(憎悪)期間中の、特に多量のTNF−α分泌を伴う全身の炎症徴候;
・血液学的異常、
・血清学的異常、主に、抗DNA、抗ヒストン、抗ヌクレオソーム、抗Sm、抗SSAまたは抗SSBを含む抗核抗体(ANA)の存在。患者はまた、血液またはリン脂質の形のある要素に抗する抗体も産生し、それらの自己抗体の一部は血中免疫複合体の生成に関与することがある;および
・免疫複合体による補体の使用に関連する低補体血症(寛解中に改善する重度の腎不全に関係)、ならびに/またはC2もしくはC4の生来の欠損(SLEの素因となる)。
この病気の原因がまだわかっていないため、現在のところSLEの固有の治療は存在しない。疾患の重篤度や検出された症状に応じて多様な選択枝から選ばれた治療法が使用される。
静止性ループスについては単に監視するだけでよい。
皮膚および関節を冒す軽症形態の本疾患の治療は非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)、例えば、アスピリン(日用量2〜4g)、および合成抗マラリア薬、例えば、ヒドロキシクロロキンもしくはクロロキンの使用に基づく。NSAIDは症状を軽減するが、消化系への危険性(胃潰瘍)、アレルギーの危険性、および腎臓への危険性(腎不全)を伴う。ループスにおける合成抗マラリア薬の作用様式はよくわかっていないが、有効であることが実証されている。ヒドロキシクロロキン(プラケニルTM)は通常400mg/dで使用される。有効性は3カ月後に判定される。しかし、この種の化合物の主な副作用であって、治療中止の必要がある網膜への毒性の徴候の有無を見つけるために、年1回の検眼(色覚、アムスラースケール)が必要となる。他の副作用(例えば、神経筋障害、無顆粒球症)はまれである。
関節症状が持続する場合、温和なステロイド治療(10mg/d未満のプレドニゾン)の適用へと進むことがある。これに対して、抗マラリア薬に耐性の皮膚障害は、ステロイド治療の適応とはならず、他の治療法(抗マラリア薬、サリドマイド等の組合わせ)の使用が正当化される。
内蔵が冒された形態に対してはステロイド療法(corticothery)が使用される。プレドニゾン(例えば、コルタンシルTM)が標準的なコルチコステロイドである。広くいうと、用量は重症形態(びまん性増殖性糸球体腎炎、溶血性貧血)における1〜1.5mg/kg/dから漿膜炎における0.5mg/kg/dまでである。しかし、ステロイド療法は著しい副作用を生じ、そのあるものは防止しなければならない。特に、アテローム発生の促進におけるステロイド療法の役割のために、その各種の成分(HBP、糖尿病、異脂肪血症<dyslipidemia>、喫煙など)を考慮に入れる必要がある。ナトリウムを含まない低糖の食事が推奨され、一般にはそれにカリウムのサプリメントが併用される。胃腸保護剤の予防的使用および抗H2による治療処置が消化器合併症、特にNSAIDとの併用治療から起こるもの、を低減させる。骨に関しては、骨粗鬆症は、二燐酸塩と交互にビタミンDおよびカルシウムを毎日添加することにより低減するようである。感染の危険性は、高用量のステロイド療法によりかなり増大し、そのため感染の潜伏性病巣の検出と全身治療が正当化される。実際、初位相ステロイド療法は6週間から3カ月間までの期間で指示される。5〜15日ごとにそれまでの用量より10%ずつ少なくすることによって用量を徐々に少なくする。投与中止(離脱)を試みる場合には、視床下部−下垂体−副腎系の検査を事前に行わなければならない。高用量のコルチコステロイドは重症の憎悪、特に腎および神経の憎悪を治療するために静脈内ボーラスとして投与される。患者には、3時間で500mg〜1gのメチルプレドニゾロン(例えば、ソルメドロールTM)が3日間続けて投与され、その後は経口ステロイド療法に切り替わる。従って、最も重症形態のSLEに使用されるステロイド療法は患者の健康および生活の質にマイナスの影響を及ぼすことは明らかである。
場合によっては、免疫抑制化合物が使用される。ループス疾患における免疫抑制治療は慎重な判断を必要とする。これは、危険性(短期的には感染症、不妊症、長期的には発がんの可能性)から免疫抑制剤の使用は重症の内臓またはコルチコステロイド依存性形態に制限されていることを意味するためである。従来の治療計画(プロトコル)では、下記の各種薬剤が6カ月から2年の期間にわたって使用される:2〜3mg/kg/日の用量のシクロホスファミド(例えば、エンドキサンTM)、2〜4mg/kg/日の用量のアザチオプリン(例えば、イムランTM)。どちらの薬剤にも共通する危険性に加えて、シクロホスファミドは膀胱炎および内臓がんを引き起こす傾向が高い。シクロホスファミドの間欠的静脈内投与(毎月0.5〜1g/m2を6カ月、次いで3カ月に1度を2年間)と中用量のステロイド療法の併用は、ステロイド療法単独より効果が高い。この治療法は近年広く使用されている。
上の説明から、現在の治療は単に症状を治療するにすぎず、患者の生活の質に著しく影響する多くの副作用を伴うことは明白である。即ち、SLEの満足すべき治療は現在まで利用可能ではない。従って、最も重症の症状、特にループス腎症状の発症を遅らせ、それらが現れてもその重症度を軽減することができ、とりわけ現在の治療のような重度の副作用を引き起こさない新たな治療を見つける必要性がある。
ホスホジエステラーゼ類(PDE)は、セカンド細胞内メッセンジャーのcAMPおよびcGMPの加水分解を生ずる酵素で、11ファミリーからなるスーパーファミリーを構成し、従って、細胞反応の正常および病的コントロールにおいて主要な役割を担っている。細胞内シグナル伝達でのそれらの基本的な役割から、これらの酵素は新たな治療標的とされてきた。これらの新規な標的の発見により創出された意気込みとそれらの組織中を通して変動する分布の面で、PDE阻害薬の潜在的な治療用途については多量の文献が作り出されてきた。特に、PDEの異なるファミリーの阻害薬の治療用途に関する非常に多くの特許出願が出願されている。これらの特許出願のほぼ全てにおいて、PDEの特定のファミリーの阻害薬に対して想定されている治療用途は極めて広く、血管、神経、血液および炎症障害を含む多くのカテゴリーの疾患を包含し、各カテゴリーにおいて非常に多くの病気が引用されている。特に、これらの特許出願の内容からは、SLEがいずれか1つのPDEファミリーの阻害薬により等しく十分に治療されうるように見える。次の表1は、ループスの治療に対する各種PDEファミリーの阻害薬の使用の可能性に関するいくつかの特許出願を示す。
Figure 0005446271
全PDEファミリーの阻害薬にとって、SLEのような特異的で多形の疾患の治療に真に有効となることは明らかに不可能である。さらに、SLEの特異的治療のためにPDE2阻害薬と場合によりPDE5阻害薬を使用することを示唆している出願WO03/17926を例外として、上の表1に示した出願のどれも、PDEのそれ以外のファミリーの阻害薬がループス治療に何らかの効果を本当に有すると当業者が考えるように仕向けるような結果を何ら与えていない。
PDE阻害薬およびそれらの潜在的治療用途に関して夥しい数の不協和の文献があることを考慮すると、PDE2阻害薬はもしかすると例外であるが、PDE阻害薬の中からループスの治療用の効果的な新規化合物を見つけるよう当業者が奨励されていないことは明らかである。
さらに、より具体的にPDE4阻害薬に関して、SLEについての実験結果を記載した従来技術の文書は全くなく、単にそれらの文書に記載された特定の阻害薬のアレルギーおよび炎症現象を阻害する能力、さらには場合によってLPS−由来TNF−αの産生を阻害するその能力を示す結果しか記載されていないことを強調することは重要である。
例えば、米国特許第6,716,987号は、実験部分において、特許請求されているPDE4阻害薬化合物が、SLEとは完全に異なる、いくつかのアレルギーおよび炎症現象、特にLPS−由来TNF−αの産生に対する阻害効果を有することを示している。SLEに関する結果は全く記載がない。
同様に、特許出願US2003/0104974においても、PEE4およびPDE7への二重阻害効果を有する特許請求された化合物のLPS由来TNF−α分泌の阻害能力についてしか実施例が示されていない。
従って、PDE4阻害薬に関する従来技術でSLE治療におけるその使用を特許請求または一般的に示唆しているものは、特許請求された化合物の抗炎症性または抗アレルギー性作用しか実験では示していない。ループス疾患の成分、例えば、タンパク尿または血清中の抗DNA抗体の存在に対する効果は、これらが本疾患の基本的成分であるにもかかわらず、記載がない。
ループスの複雑さおよび多形性という性質を承知しているSLE治療の領域で働いている当業者は、従来技術の文書中に提示されている結果がPDE4阻害薬をループス治療について試験するよう彼らを仕向けるのに十分であるとは決して考えないであろう。
特許出願EP1043021は、アデニン由来化合物とTH2細胞の免疫反応の選択的阻害薬または抗アレルギー薬としてのその使用を記載している。
この特許出願に記載されている治療用途は主にTH2反応誘発アレルギー疾患に関するが、ループスも触れられている。
しかし、実験的な実施例は、特許請求された化合物が感作TH2細胞によるサイトカイン産生とエオシン好性浸潤への阻害作用、並びに抗アレルギー作用を有することしか示していない
従って、SLEに特に重要である機序におけるこれらの化合物の何らかの効果を示す実験結果は全く記載されておらず、従って、明細書中におけるループスの単なる言及は、ループス治療の領域で働く当業者がこれらの化合物をSLE治療に試験するよう励ますことは全くなかった。
Bourguignon, J.J. et al., J. Med. Chem. (1997) 40, 1768-1770 Raboisson P. et al., Eur. J. Med. Chem. (2003) 38, 199-214 "Pharmaceutical Salts", J. Pharm. Sci. 66: 1 (1977) Monneaux F. et al., Eur. J. Immunol. (2003) 33, 287-296 Monneaux F. et al., Arthritis Rheum (2004) 50, 3232-3238 Lugnier C. et al., Biochem. Pharmacol. (1986) 35, 1743-1751 Keravis T. et al., Meth. Mol. Biol. (2005) 307, 63-74 Kameni Tcheudji J.F. et al., J. Mol. Biol. (2001) 310, 181-191
しかし、予想外にも、本発明者らは、PDE4ファミリーの酵素の阻害能力を有する、アデニンの2位と9位および場合によりN(6)位が置換されているアデニン由来化合物のSLE治療における有効性を示すことができた。本発明者らは実際、SLEのマウスモデルであるMRL/lprマウスにおける疾患の進行を、特に腎障害の阻止(タンパク尿の低下)、およびTNF−α産生や本疾患のマーカーである抗DNA自己抗体の産生の阻止によって阻害することができ、それによりMRL/lprマウスの生存期間が延長されることを示した。
本発明者らはまた、MRL/lprマウスにおけるループスの各種成分に対するこれらの化合物の効果を、別のアデニン由来PDE4阻害薬のデンブフィリン(denbufyline)のそれと比較した。デンブフィリンの化学式を下に示す。
Figure 0005446271
得られた結果は、in vivoループス治療に対して、本発明に係る化合物はデンブフィリンよりはるかに効果が高いことを示す。デンブフィリンは、TNF−α産生の阻害に対しては類似の効果を有するが、この化合物のタンパク尿または抗DNA自己抗体発生(ループスの基本成分の2つ)に対する効果は、本発明に係る化合物のそれより著しく低いか、或いは存在すらしない。
従って、本発明者らは、アデニンの2および9位および場合によりN(6)位が置換されている種類のアデニン由来化合物を示すと同時に、この高度に多形性の疾患であるSLEの全成分について真のin vivo効果を初めて示すものである。
よって、本発明は、下記一般式(I)で示される化合物、又はその薬剤に許容される塩、そのエナンチオマー若しくはジアステレオマー、又はそれらの混合物の全身性エリテマトーデスの治療用医薬の製造に対する使用に関する。
Figure 0005446271
式中、
R1はCF3,C1〜C5アルキル、若しくは(CH2)nR4から選ばれ、ここでnは0〜4の範囲内であり;
R2は(CH2)mR4又は(CH2)mArから選ばれ、ここでmは0〜5の範囲内であり;
R3は水素又はメチルから選ばれ;
R4はフェニル、OH、C1〜C3アルコキシ、C1〜C3ジアルキルアミノ、ピペリジノ、又はN−メチルピペラジノから選ばれ;
Arは次式で示される基を意味し、
Figure 0005446271
ここで、XはF、Cl、C1〜C3アルコキシ、又はCF3から選ばれる。
本出願で用いた「C1〜Ciアルキル」(i≧1)なる用語は、式:CjH2j+1(1≦j≦i)で示される線状または分岐飽和炭化水素基を意味するものである。特に、C1〜C5アルキルは、C1(メチル)、C2(エチル)、C3(n−プロピルもしくはイソプロピル)、C4(n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル)、またはC5(例えば、n−ペンチル、ネオペンチル、イソペンチル、tert−ペンチル)アルキルであることができる。同様に、C1〜C3アルキルは、C1(メチル)、C2(エチル)、またはC3(n−プロピルもしくはイソプロピル)アルキルであることができる。
本書で用いた「C1〜C3アルコキシ」なる用語は、式:−O−(C1〜C3アルキル)で示される基を意味し、ここでC1〜C3アルキルは上記と同じ意味である。従って、この用語は、メトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシおよびイソプロピルオキシ基を包含する。本発明で有利なアルコキシ基は、メトキシおよびn−プロピルオキシ、特にメトキシである。
本書で用いた「C1〜C3ジアルキルアミノ」なる用語は、式:−N(C1〜C3アルキル)2で示される基を意味し、ここで各C1〜C3アルキルは独立して上記と同じである。有利には、両方のC1〜C3アルキルが同一である。有利には、本発明におけるC1〜C3ジアルキルアミノは−N(CH3)2、−N(C25)2、または−N(C37)2から選ばれた式を有する。
エナンチオマーおよびジアステレオマーは、立体異性体である。ここで用いた「立体異性体」とは、異性体、即ち、同じ実験式を有する化合物で、展開式も同じであるが、空間配置が異なる化合物を意味するものである。その上で、「エナンチオマー」とは、平面鏡において互いに鏡像関係にあり、重なり合わない立体異性化合物であり、「ジアステレオマー」とは、エナンチオマーではない立体異性体、即ち、平面鏡において互いに鏡像関係にある立体異性体ではないものである。本発明の範囲は、一般式(I)で示される種々のエナンチオマーおよびジアステレオマー、並びにこれらの混合物、特に立体異性体のラセミ混合物にも及ぶ。
アデニンのN(6)位にメチル基が存在すると、上記化合物のループス治療に対する有効性が高まる。従って、有利な態様においては、R3はメチルである。
アデニンの9位が場合により置換されているベンジル基が存在する場合も、ループスの治療に対する上記化合物の有効性が改善される。従って、有利な態様においては、R2は(CH2)Arであり、ここでArは既に定義した通りである。Ar基のX置換基はベンゼン環のどの位置にあってもよい。しかし、Ar基のX置換基は有利にはベンゼン環の2位にある。さらに、Xは有利にはフッ素原子およびメトキシから選ばれる。
SLEの治療用医薬の製造に使用するのが容易な具体的化合物が本発明者らにより既に同定されている。具体的には、このような有利な化合物は下の表2に示される化合物を含む。
Figure 0005446271
特に有利な化合物は、9−(2−フルオロベンジル)−N(6)−メチル−2−トリフルオロメチルアデニン(NCS613)である。
SLE治療用医薬を製造するために本発明に従って使用される化合物を製造するには、2つの合成経路を使用することができる。
第1の経路は、慣用的で適用範囲が狭い方法であるが、R2の位置が正確に置換されているクロロプリンを使用し、これをまず種々のハロゲン化アルキル(R2X)でアルキル化し、次いでN−メチルアミンとの反応によりアミノ化する(下の反応式1を参照)。この方法についてのさらなる詳細はBourguignon, J.J. et al., J. Med. Chem. (1997) 40, 1768-1770に見ることができる。
Figure 0005446271
第2の合成経路は、アデニンの2位のより体系的な検討を可能にするものであり、対応する2−ヨード化誘導体から出発してパラジウム(0)を用いたアミノ化またはカップリング(Suzuki、Sonogashira、Heck, Buchward)による方法である。出発のヨード化誘導体は2−アミノ誘導体を亜硝酸イソアミル、次にジヨードメタンで処理することにより得られる(下の反応式2を参照)。この合成経路についてのさらなる詳細はRaboisson P. et al., Eur. J. Med. Chem. (2003) 38, 199-214に見ることができる。
Figure 0005446271
上記化合物はそのまま、または薬剤に許容される塩として使用することができる。本書で用いた「薬剤に許容される塩」とは、塩酸塩、硫酸塩、燐酸塩、二燐酸塩、臭化水素酸塩、および硝酸塩のような無機酸の付加により生ずる塩、並びに酢酸塩、マイレン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、パモ酸塩、シュウ酸塩およびステアリン酸塩などの有機酸の付加により生ずる塩を特に意味するものである。やはり本発明の範囲内に含まれるのは、利用可能であれば、水酸化ナトリウムまたはカリウムのような塩基から生ずる塩である。薬剤に許容される塩の他の例については、"Pharmaceutical Salts", J. Pharm. Sci. 66: 1 (1977)を参照。
上記化合物から製造されたSLE治療用医薬は、当業者に公知の薬剤に許容される担体をさらに含有しうる。かかる医薬はまた薬剤に許容される任意の種類の賦形剤も含有しうる。これらの賦形剤は特に医薬中に含有される化合物の保存性とその生物学的利用能を改善し、または生体内での有効成分の持続放出を可能にする。
上記化合物から製造されたSLE治療用医薬は、種々の経路、特に経口、経鼻、直腸、静脈内、筋肉内、皮下および局所経路で投与することができる。特に、SLEの特徴として、全身性の炎症もしくは免疫複合体の循環といった全身性症状と、特に皮膚および関節での局所症状の両方を含むことがある。本発明に係る医薬は、従って、例えば、静脈内、筋肉内、皮下、経口、経鼻、もしくは局所経路または関節への浸潤により、侵襲性または非侵襲性の方法で使用することができる。
本発明者らは、上記化合物が特にSLEの治療に有効であることを実証した。これらの化合物は単独で使用することができる。それらはまた、SLEの治療に有用な別の(第2の)化合物と併用することもできる。ループスの治療に有用なそのような化合物は、好ましくは非ステロイド系抗炎症薬、合成抗マラリア薬、コルチコステロイド類または免疫抑制剤から選ばれる。従って、1態様において、本発明は、上記のような本発明の化合物を、非ステロイド系抗炎症薬、合成抗マラリア薬、コルチコステロイド又は免疫抑制剤から選ばれた別の化合物と組合わせて、同時に、別々に、一定時間引き離して、又は交互に投与される、全身性エリテマトーデスの治療用医薬の製造に使用することにも関する。
非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)は、鎮痛、解熱および抗炎症特性を備えたすぐに作用する症状治療薬であり、それらは、化学的な性質が互いに異質であるにもかかわらず、次のような共通の作用機序を有する:シクロオキシゲナーゼ(COX)の阻害による組織内でのプロスタグランジン(PG)およびトロンボキサン(TX)の産生低下。COXには2種類のアイソエンザイム(構成的かつ遍在的なCOX−1と、マクロファージ単核細胞および多核細胞中で誘導されうるCOX−2)。ここで用いた「NSAID」とは、NSAIDそれ自体とサリチレートの両方を意味するものである。なぜなら、それらはほとんど全く同じ治療効果と同じ副作用を有するからである。本発明に係る医薬において上記のような化合物と組合わせるのに有用なNSAIDとしては、ジフルニサール、ベノリレートもしくはアスピリンのようなサリシレート系NSAID;アルミノプロフェン、ケトプロフェン、イブプロフェン、ナプロキセン、フルルビプロフェンもしくはチアプロフェン酸のようなプロピオン酸誘導体;インドメタシン、スリンダックもしくはエトドラクのようなインドリン誘導体;フェニルブタゾンのようなピラゾール誘導体;ピクロキシカム、テノキシカムもしくはメロキシカムのようなオキシカム類;ロフェコキシブもしくはセレコキシブのような選択的抗COX2剤;またはジクロフェナック、ニメスリド、ニフルミン酸、メフェナミン酸、もしくはナブメトンのような他のNSAIDが挙げられる。好ましくは、上記化合物と併用するNSAIDはアスピリン、インドメタシンおよびイブプロフェンから選ばれる。
本発明に係る医薬において上記9−ベンジルアデニン由来化合物と組合わせることができる合成抗マラリア薬は、キニーネおよびメフロキンのような4−メタノールキノリン類;クロロキン、ヒドロキシクロロキンおよびアモジアキンのような4−アミノキノリン類;プリマキンのような8−アミノキノリン類;プログアニルのようなビグアニド類;スルファドキシン/ピリメタミンのようなスルホンアミドとジアミノピリミジンとの組合わせ;アルテミシニンおよび誘導体のようなセスキテルペンラクトン類を包含する。好ましくは、上記化合物と併用する合成抗マラリア薬は、クロロキンおよびヒドロキシクロロキンから選ばれ、好ましくはヒドロキシクロロキンである。
コルチコステロイドとして天然コルチコステロイド(コルチゾンおよびヒドロコルチゾン)並びにそれらの合成誘導体が挙げられる。本発明に係る医薬において上記9−ベンジルアデニン誘導体と併用するのに有用なコルチコステロイドは、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、フッ素化トリアムシノロン、デキサメタゾン、ベタメタゾン、パラメタゾン、トリアムシノロン、コルチバゾール、およびテトラコサクチドを包含する。プレドニゾンはループス治療においていまだ第一級のコルチコステロイドであるので、優先的に使用される。コルチコステロイドを本発明に係る医薬において上記化合物と併用する場合には、食塩を含まない糖尿病型の食事(低糖、低カロリー)とカリウム、カルシウムおよびビタミンDの補給が重要である。
本発明に係る医薬において上記9−ベンジルアデニン由来化合物と組合わせることができる免疫抑制剤は、シクロスポリン、タクロリムス、アザチオプリンおよびシクロホスファミドを包含する。好ましくは、上記化合物と併用する免疫抑制剤はアザチオプリンおよびシクロホスファミドから選ばれる。
SLE治療用医薬を上記化合物とSLEの治療に有用な第2の化合物とから製造する場合、これらの有効化合物は、同時に、別々に、一定時間引き離して、または交互に投与することができる。これは、2種類の化合物の組合わせから得られる医薬が、これを取るたびごとにその2種類の化合物が必ず「同時に」に投与される単一医薬の形態で、或いはそれぞれ一方の化合物を含む2つの別個の医薬の形態で、それらの医薬を「別々に」(同時ではあるが、2つの異なる単位で、場合により2つの異なる経路で)、または「一定時間引き離して」(2つの単位を数時間または数日離れた異なる時点で投与する)投与する形で提供することができることを意味する。これらの異なる可能性によって、その異なる2種類の化合物の具体的な性質を考慮することが可能となる。さらに、この2種類の化合物を「交互に」に投与することもできる。即ち、患者は、まず一方の化合物の処置による治療を受け、次いでもう1つの化合物の処置による治療を受け、これを交互に繰り返すのである。
実施例1:化合物NCS613の生物学的効果および別のPDE4阻害薬のデンブフィリンの効果との比較
1.1 材料および方法
1.1.1 動物実験:化合物NCS613またはデンブフィリンの投与の効果のin vivo試験
投与およびサンプル
5週齢のプレ自己免疫雌性MRL/lprマウスに、緩衝食塩水(PBS;対照群、1匹当たり100μl)、または化合物NCS613(10%エタノールを含有する食塩水中に希釈、1匹当たり30μg/100μl)、またはデンブフィリン(10%エタノールを含有する食塩水中に希釈、1匹当たり100μg/100μl)のいずれかを静脈内経路により投与した。最後の2群はそれぞれ10匹ずつのマウスから構成された。投与(4回)は5、7、9および13週齢の時点で行い、マウスを規則的に監視した(観察、アルブティクス試験紙によるタンパク尿検査、血液検査)。
血清中の抗DNA抗体の測定
マウス血清中のDNAに抗する抗体の存在を、ELISAにより異なる週齢で測定した(Monneaux et al., Eur. J. Immunol. (2003) 33, 287-296; Monneaux et al., Arthritis Rheum (2004) 50, 3232-3238)。ウシ胸腺二本鎖DNA(Sigma)を96ウェルのポリ塩化ビニルプレート(Falcon)上で吸着させ(100ng/ml)、37℃で一晩インキュベーションした。三回の洗浄とウシ血清アルブミンを含有するPBS−Tween緩衝液中での飽和工程の後、血清(1/500に希釈)を37℃で1時間インキュベーションした。血清中に存在する抗体とDNAとの結合を、第二の抗体(ペルオキシダーゼ結合抗マウスIgG)と共にインキュベーションした後、ペルオキシダーゼ基質および色原体と共にインキュベーションすることにより顕示させた。反応を停止させた後、分光光度法によって450nmでの吸光度を測定した。
LPS刺激後の治療マウスの血球(血液細胞)によるTNF−α分泌の測定
TNF−α分泌をマウス血球(1群当たり7匹のマウスから集めた血球)の細菌性リポ多糖(LPS)刺激後に測定した。24時間のLPS細胞刺激はTNF−α分泌を生ずるので、それを培養液の上清中で測定することができる。3群のマウスの血液から得た細胞(血球)をフィコール比重装置で分離し、次いでLPSで刺激した。24時間培養した後で上清を集め、上清中のTNF−αの存在を、二重サンドイッチELISA試験(BD Biosciences)により測定した。この実験を異なる週齢(11および14週齢、即ち、それぞれ3回目の投与から2週間後と、4回目の投与から1週間後)に行った。
1.1.2 患者試験:化合物NCS613がTNF−α産生に及ぼす効果のex vivo試験
ループス、リウマチ様関節炎またはシェーグレン症候群の患者5名の血液をヘパリン加チューブ内に直接集めた。単核血球をフィコール比重装置で遠心(600gで30分)により分離した。細胞をその後、化合物NCS613(10μM)の存在下または不存在下で1ウェル当たり2×105個の濃度で45分間増殖させ、その後にLPSで刺激した。24時間の培養後に上清を回収し、上清中のTNF−αの濃度を二重サンドイッチELISA(BD Biosciences)により測定した。
1.1.3 サイクリックヌクレオチドホスホジエステラーゼの試験
ホスホジエステラーゼ活性
サイクリックヌクレオチドホスホジエステラーゼ活性を、基質としてトリチウム化サイクリックAMPまたはGMP(1μM)を用いた放射酵素法により測定した(Lugnier C. et al., Biochem. Pharmacol. (1986) 35, 1743-1751;Keravis T. et al., Meth. Mol. Biol. (2005) 307, 63-74)。標識サイクリックヌクレオチドの加水分解により生成させたトリチウム化アデノシンまたはグアノシン一リン酸を、過剰のヌクレオチダーゼと一緒の二次インキュベーションにおいて、トリチウム化アデノシンまたはグアノシンに変換させた。生成したヌクレオシドをヌクレオチドからアニオン交換樹脂クロマトグラフィーにより分離した。分離したヌクレオシドの放射能を液体シンチレーションにより測定した。酵素インキュベーションは基質加水分解が15%以下である条件下で実施し、各ポイントを反復した。
PDE1,PDE3,PDE4およびPDE5の単離
ウシ大動脈中膜の3gの小片をハサミで切り刻み、多種類のプロテアーゼ阻害薬(20 mM Tris-HCl, 0.25 M サッカロース、 2 mM 酢酸マグネシウム、1 mM ジチオスレイトール、5mM EGTA、 2000 U/ml アプロチニン、10 mg/l ロイペプチンおよび10 mg/l 大豆トリプシン阻害薬)を含有する7体積/重量倍量の緩衝液A中ので、最初にウルトラタラックスを用い、次にガラス/ガラスポッター型を用いてホモジナイズした。ホモジネートを105,000 gで1時間遠心分離した。上清を、緩衝液B(サッカロース、EGTAおよびプロテアーゼ阻害薬を含有しない緩衝液A)で予め平衡化させておいたDEAEセファセルカラム(15×1.6 cm)に通した。カラムを、280 nmでの吸光が検出できなくなるまで洗浄し、次いで緩衝液B中の直線NaCl傾斜 (0〜0.5 M) で溶離した。3 mlずつの画分を集め、溶離順で、酵素活性をPDE1,PDE5,PDE3およびPDE4について、画分中に含まれる酵素活性のピークを求めるように各種条件下で酵素活性を測定した。各画分は等分して−80℃で保存した。
PDE2の単離
ストラスブールのフランス血液銀行(Etalissement Francais du Sang)から入手した洗浄ずみのヒト血小板を放置した後、沈降細胞を緩衝液A中でホモジナイズし、105,000 gで1時間遠心分離した。上清を大動脈中膜について既に述べた手順に従ってクロマトグラフィー処理した(C−2)。その後、PDE2(活性が5 μM cGMPにより刺激される)に富む画分を、ファルマシアのMono Q H/R 5X5を用いてHPLCクロマトグラフィーにかけた。PDE2を含有する画分を等分し、−80℃で保存した (Kameni Tcheudji J.F. et al, J. Mol. Biol. (2001) 310, 181-791)。
分子の活性および薬理プロフィール
IC50の測定
1μMの基質で酵素活性の50%阻害を生じる物質の濃度(IC50)を、分子濃度を1nMから300μMまで増大させた間に変動させた化合物濃度に対して得られた結果を利用して非線形回帰(Prism, GraphPad)により算出した。可溶性の問題のために、この試験で用いた最大濃度は300μMに制限された。
PDE1からPDE5までの全群についてのIC50の決定により、その標的に対する該分子の特異性の特性決定が可能となった。
1.2 結果
1.2.1 化合物NCS613のPDE4c選択的阻害能力
異なるファミリーのPDE酵素に対する化合物NCS613およびデンブフィリンの選択性を分析した。下の表3に示す結果は、この化合物がPDE4ファミリーの酵素に対して選択性であることを示す。
Figure 0005446271
さらに、PDE4酵素の4タイプ(A,B,C,D)に対する化合物NCS613の選択性も試験した。下の表4に示す結果は、この化合物がPDE4Cサブタイプに対して選択性であることを示す。
Figure 0005446271
1.2.2 プレ自己免疫マウスへの化合物NCS613又はデンブフィリンの投与の病状発現への効果
化合物NCS613の生物学的性質のin vivo試験をプレ自己免疫(pre-autoimmune)MRL/lprマウスで行った。これらのマウスでは、Fas遺伝子(アポトーシスに入る細胞に関与する膜受容体)に関係するlprとして知られる突然変異の存在が自己免疫症状をもたらす。この症状は、発現する臨床及び生物学的徴候に関してはヒトのループスに似ているが、ヒトで見られる症状より重症である。MRL/lprマウス系の特色は、血管病変を伴うリンパ滲出性症候群、関節炎、およびマウスの死に至る腎炎である。この疾患はMRL/lprマウスでは早くに現れ(20週齢で死亡率50%)、最初の臨床徴候(タンパク尿)は13〜14週齢から現れる。ヒトのループスと同様に、核複合体(スプライセオソームおよびヌクレオソーム)に抗するように向けられた自己抗体がこれらのMRL/lprマウス中に存在する。従って、MRL/lprマウス系は全身性エリテマトーデスの非常に良好なマウスモデルとなる。しかし、MRL/lprマウスの別の特色は、別のヒトの自己免疫疾患であるリウマチ様関節炎に似たリウマチ様因子を伴う関節炎の発現である。ほぼ3〜4月齢で群れの45%は関節糜爛を伴う滑膜への浸潤を有する。
MRL/lprマウスのループスの各種成分に対する化合物NCS613のin vivo効果を、別のアデニン由来PDE4阻害薬であるデンブフィリンの効果とさらに比較した。
タンパク尿への効果
臨床パラメータの観察は、13週齢までの化合物NCS613の投与がタンパク尿の出現を遅らせることを示す。14週齢でタンパク尿が検出されたのは、対照マウスの70%に対して、化合物NCS613で治療したマウスではわずか10%である。さらに、治療の終了後も、化合物NCS613で治療したマウスではタンパク尿の割合がずっと低くなる。20週齢でタンパク尿が検出されたのは、化合物NCS613で治療したマウスでは50%にすぎないのに対して、未治療の対照マウスで80%である(図1を参照)。
即ち、化合物NCS613による治療期間中(13週齢まで)、治療されたマウスはタンパク尿の発症から保護されるのに対して、一部の未治療の対照マウスでは早くも10週齢からタンパク尿が検出される。化合物NCS613により治療の終了後、タンパク尿が検出されるマウスの数は26週齢(これは治療終了から13週後である)まではより小さいままである。
従って、長期投与した場合に化合物NCS613はMRL/lprマウスにおけるタンパク尿の発症を防止するようである。
これに対して、化学構造が異なる別のアデニン由来PDE4阻害薬であるデンブフィリンで得られた結果は、デンブフィリンがタンパク尿の発症を有意に遅らせないことを示す。なぜなら、化合物NCS613で治療されたマウスとは異なり、デンブフィリンで治療されたマウスは20週齢で対照マウスと同等のタンパク尿を有するからである。
従って、デンブフィリンとは異なり、別のPDE4阻害薬である化合物NCS613は、MRL/lprマウスのタンパク尿を有意に低下させる。そして、タンパク尿の発現こそが高度に多形性の疾患であるSLEの進行の主要因子なのである。
平均余命への効果
得られた結果は、化合物NCS613の投与がMRL/lprマウスの生存率に有益な効果を及ぼすことを示す。
実際、化合物NCS613は20週齢でマウスの平均余命を著しく延長し(p=0.0581)、この効果は26週までは、少なくなるものの継続する(p=0.0881、図2A参照)。21週齢での死亡率が、未治療の対照群では60%であるのに比べてわずか30%であるので、本化合物は自己免疫マウスの半減期を著しく増大させる(図2A照)。
これに対して、デンブフィリンは、15週齢で死亡が始まり、26週齢での死亡率は対照マウスのそれとほぼ同じであるので、マウス生存率に対して何の効果も認められない(p=0.27、図2B参照)。
TNF−α分泌への効果
TNF−α分泌のex vivo阻害を、マウス血球(1群当たり7匹のマウスから集めた血液)の細菌性リポ多糖類(LPS)刺激後に測定した。この実験は、異なる週齢のマウス(11および14週齢、即ち、それぞれ3回目の投与から2週間後と、4回目の投与から1週間後)に行った。。
結果は、前に化合物NCS613を投与されたマウスの血球は、未治療の対照群のマウスからの血球よりLPSに応答したTNF−αの産生量がより少量であったことを示す(図3参照)。PBS対照群の血球に比べた化合物NCS613で治療したマウスの血球中のTNF−α分泌の阻害率(%)は、11週齢で44%、14週齢では54%であった(図3を参照)。
デンブフィリンでも同等の結果が得られた(図3を参照)。14週齢ではデンブフィリンで得られた阻害は化合物NCS613で得られたものより大きかった。
抗二本鎖DNA抗体の産生への効果、ループスのマーカー
結果(図4参照)は、未治療のループスマウス(対照)では血清中の抗DNA抗体の存在が11週齢から明らかとなり、20週齢では実際に全てで検出可能であった。化合物NCS613は、これらの抗体の出現を20週齢まで遅らせ、さらにマウスのより少数(20%)でしか抗体が出現しなかった。26週齢、即ち、治療終了から13週間後に、血清中の抗DNA抗体の存在に対して陽性であるのは、対照群では90%であるのに比べて、化合物NCS613で治療したマウスでは50%だけであった。
デンブフィリンも陽性マウスの割合を低減させたが、その効果は化合物NCS613より著しく目立たなかった。最初の陽性マウスの出現は、化合物NCS613では20週齢であったのに対し、14週齢(即ち、治療停止からわずか1週間後)であった。さらに、26週齢での陽性マウスの割合は、化合物NCS613で治療した群ではより小さい値にとどまった。
血清中の抗DNA抗体の存在は高度に多形性の疾患であるSLEの重要な発現である。これに関して、得られた結果は、別のアデニン由来PDE4阻害薬であるデンブフィリンに比べた化合物NCS613の優位性を明らかに示している。
結論
以上の全ての結果が、プレ自己免疫MRL/lprマウスへの化合物NCS613の投与によって、細菌由来の分裂促進刺激に応答したTNF−αを分泌する血球の能力が低減し、かつタンパク尿および抗DNA抗体の産生の低減により治療マウスにおける疾患の進行が遅くなることを示す。
従って、化合物NCS613は高度に多形性の疾患であるSLEの全部の成分に対して効果的に作用する。
これに対して、別のアデニン由来PDE4阻害薬であるデンブフィリン(100μg)は、LPS刺激に応答するTNF−α分泌の阻害だけは化合物NCS613(30μg)同等の効果を有するが、タンパク尿や抗DNA抗体産生といった本疾患の残りの成分については効果がずっと弱いか、又は存在しない。その結果、MRL/lprマウスの生存に対する効果はずっと小さくなる。
総括すると、これらの結果は従って本発明者らが、SLEの全成分と戦うことから、本疾患のin vivo治療に特に有用な新規種類の化合物を見出したことを示す。
1.2.3 自己免疫患者の単核血球のLPS刺激後のTNF−α分泌に及ぼす化合物NCS613の効果
ループス(SLE)、リウマチ様関節炎(RA)およびシェーグレン症候群(SS)を含む全身性自己免疫疾患の患者からの単核血球(単核血液細胞)を化合物NCS613の存在下又は不存在下でインキュベーションした後、LPSで刺激し、TNF−α分泌を測定した。
結果(図5参照)は、10μMの濃度で使用した化合物NCS613が、細菌性リポ多糖類(LPS)により刺激された自己免疫患者の血球によるTNF−α産生を非常に有意に阻害する(約70〜98%)ことを示す。特に、ループス(SLE)患者の単核血球によるTNF−α分泌の阻害率は69%、91%および98%(平均86%)である。
ヒトで得られたこの結果は、ループスのマウスモデルで得られたものと一致し、ループス患者からのLPS刺激された単核血球がSLEにより起こる炎症症状に固有の炎症性サイトカインのTNF−αを分泌する能力を阻害することができることを示す。
1.2.4 ループス患者の単核血球による基礎TNF−α分泌に及ぼす化合物NCS613の効果
試験した3名のループス患者のうち、1名はLPS刺激の不存在下でも基礎TNF−α分泌を有していた。そこで、化合物NCS613が基礎TNF−α分泌を阻害する能力を、この患者の血球中で試験した。
図6に示した結果は、化合物NCS613がループス患者からの血球による自発TNF−α分泌を67%阻害したことを示す。
従って、化合物NCS613はSLE患者の単核血球によるTNF−α分泌を有効に阻害することができる。
1.3 結論
ループスマウスで得られた全ての結果は、化合物NCS613が、タンパク尿およびマーカーの抗DNA抗体産生を遅延又は減少させ、炎症反応を減少させ、かつ治療マウスの生存率を高めることによりループスの発現を防止することを明らかに示している。その有益な効果は治療を停止した後も長く続き、長期治療がより一層効果的であることを示唆している。
これらの結果は化合物NCS613およびその誘導体に特異的なものである。別のアデニン由来PDE4阻害薬であるデンブフィリンの使用は、匹敵しうる結果を生じなかった。デンブフィリンはLPSにより起こるTNF−α分泌を阻害することができるが、タンパク尿阻害および抗DNA抗体の産生については化合物NCS613に匹敵する効果を示さない。従って、本発明者らは、SLEのin vivo治療に特に有効な新規種類の化合物を明らかにした。
さらに、ループス患者およびリウマチ様関節炎およびシェーグレン症候群のような全身性自己免疫疾患の患者の炎症反応に及ぼす化合物NCS613の効果は、化合物NCS613がループスおよび他の自己免疫疾患を治療することができる可能性を秘めていることを示唆する。
実施例2:腎でのPDE4活性とMRL/lprマウスのループスの発現との相関
2.1 材料および方法
プレループス(前ループス)マウス(8週齢、n=3)およびループスマウス(18週齢、n=3)を致死後、腎臓を取り出し、液体窒素中で凍結させ、ついで酵素活性測定まで−80℃で保存した。腎臓を次いで凍結粉砕器を用いて液体窒素中でばらばらに粉砕し、種々のプロテアーゼ阻害薬を含有するpH7.5の緩衝液中でホモジナイズ処理した。各マウス臓器について別々に、タンパク質含有量をローリー法により、PDE類の加水分解活性を放射化酵素法を用いて求めた。
このアッセイは、過剰の5’ヌクレオチダーゼの添加後のトリチウム化cAMP又はcGMPからそれぞれトリチウム化アデノシン又はグアノシンへの変換を測定する。生成したトリチウム化ヌクレオシド類はイオン交換クロマトグラフィーによりサイクリックヌクレオチド類から分離して、液体シンチレーションにより定量した。
cAMPの全加水分解活性に対するPDE4の寄与を、特異的PDE4阻害薬であるロリプラム(rolipram)(Keravis anc coll., 2005)10μMの存在下および不存在下でアッセイを行うことにより求めた。
2.2 結果
ループスが始まるにつれて、cGMPの加水分解活性は全く変化せずにcAMPの加水分解活性が増大し、cAMPを特異的に加水分解する酵素だけがループスにより変性することを示唆している。さらに、この増大は特異的にPDE4活性の増大を伴い、この活性はcAMP加水分解活性に50%以上も寄与する。
従って、この結果は、腎のPDE4活性の増大とループス疾患の発現との間の真の相関関係を初めて示す。当業者といえども、この正確な結果を予測できなかった。
MRL/lprマウスのタンパク尿に及ぼす化合物NCS613およびデンブフィリンの影響。13週齢までマウスは30μgの化合物NCS613または100μgのデンブフィリンのいずれかを4回投与された。結果は、使用したマウスの週齢によるタンパク尿が陽性のマウスの割合を示す。 MRL/lprループスマウスの生存に及ぼす化合物NCS613(A)およびデンブフィリン(Den)(B)の影響。13週齢までマウスは30μgの化合物NCS613または100μgのデンブフィリンのいずれかを4回投与された。結果はマウスの生存率で示す。対照マウスは、有効成分を含まないPBS(燐酸緩衝食塩水、pH7.4)のみを投与された。 LPS刺激後の治療マウスの血球によるTNF−α産生に及ぼす化合物NCS613およびデンブフィリンの影響。24時間のex vivoLPS刺激後に食塩水(PBS)、化合物NCS613またはデンブフィリンを投与されたマウスの血球によるTNF−α分泌を上清中でELISAにより測定した。エラー・バー(誤差範囲棒)は、2回の標準偏差を示し、PBS群で測定された分泌の関数としてのTNF−α分泌の阻害率を示す。この図は11週齢(A)および14週齢(B)のマウスで行われた実験を示す。 抗二本鎖DNA抗体に及ぼす化合物NCS613およびデンブフィリンの影響。マウス血清中の抗DNA抗体の存在をELISAにより異なる週齢で測定した。結果は陽性マウスの割合で示す。ELISAにより測定された光学密度(OD)が1より大きい場合にマウスを陽性とする。 自己免疫疾患患者のPBMCのLPS刺激後の化合物NCS613によるTNF−α分泌の阻害。ループス(SLE)、リウマチ様関節炎(慢性関節リウマチ)(RA)、およびシェーグレン症候群(SS)の患者からの血球を、NCS613(10μM)の存在下または不存在下で45分間インキュベーションした後、LPSで刺激した。24時間の培養後に上清を回収し、上清中のTNF−α濃度をELISAにより測定した。結果は、(A)NCS613の存在下もしくは不存在下でインキュベーションした後のTNF−α濃度、または(B)NCS613と共にインキュベーションした後のTNF−α分泌の阻害により示す。エラー・バーは、2回の標準偏差を示す。 NCS613と共にインキュベーションした後のループス患者のPBMCによるTNF−α分泌の阻害。ループス患者(LED2)の血球をNCS613(10μM)の存在下または不存在下でインキュベーションした。24時間の培養後に上清を回収し、上清中のTNF−α濃度をELISAにより測定した。結果は、NCS613の存在下もしくは不存在下でインキュベーションした後のTNF−α濃度、並びにNCS613の存在下でのインキュベーション後のTNF−α分泌の阻害率により示す。エラー・バーは、2回の標準偏差を示す。 ループスが起こる時の腎組織におけるホスホジエステラーゼ活性の変化。cGMP(A)、cAMP(B)の加水分解活性、並びにPDE4活性(C)をプレループスマウス(8週齢、n=3)とループスマウス(18週齢、n=3)とで比較した。結果はpmol.min-1.mg-1で表された3匹のマウスで得られた結果の平均値±標準誤差である。*P<0.05(プレループス組織に対して)。

Claims (4)

  1. − (2−フルオロベンジル) −N (6) −メチル−2−トリフルオロメチルアデニン、9− (2−メトキシベンジル) −N (6) −メチル−2−n−プロピルアデニン、9− (2−メトキシベンジル) −N (6) −メチル−2−トリフルオロメチルアデニン、及び9− (2−メトキシベンジル) −N (6) −メチル−2−メチルアデニン、又はその薬剤に許容される塩、そのエナンチオマー若しくはジアステレオマー、又はそれらの混合物から選ばれる化合物の、全身性エリテマトーデスの治療用医薬の製造に対する使用。
  2. 該化合物が9− (2−フルオロベンジル) −N (6) −メチル−2−トリフルオロメチルアデニンであることを特徴とする、請求項記載の使用。
  3. 非ステロイド系抗炎症薬、合成抗マラリア薬、コルチコステロイド又は免疫抑制剤から選ばれた別の化合物と組合わせた、請求項1または2に記載の化合物の、同時に、別々に、一定時間引き離して、又は交互に投与される、全身性エリテマトーデス(ループス)の治療用医薬の製造に対する使用。
  4. ループスの治療に有用な前記別の化合物が、アスピリン、イブプロフェン、インドメタシン、ヒドロキシクロロキン、プレドニゾン、シクロホスファミド、又はアザチオプリンから選ばれることを特徴とする、請求項に記載の使用。
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