JP5444240B2 - スピロアミノジヒドロチアジン誘導体 - Google Patents
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Description
アミロイド前駆体タンパク(以下、APPという。)の代謝産物であるAβタンパクは、神経細胞の変性・脱落、さらには痴呆症状の発現に大きくかかわると考えられている(例えば、非特許文献3、4参照)。Aβタンパクの主成分は、アミノ酸40個からなるAβ40とC末が2アミノ酸増えたAβ42である。これらのAβ40および42は、凝集性が高く(例えば、非特許文献5参照)、老人班の主要構成成分であり(例えば、非特許文献5、6、7参照)、さらに、家族性アルツハイマー病で見られるAPPおよびプレセネリン遺伝子の変異は、これらのAβ40および42を増加させることが知られている(例えば、非特許文献8、9、10参照)。したがって、Aβ40および42の産生を低下させる化合物は、アルツハイマー病の進行抑制剤または予防薬として期待されている。
Aβは、APPがベータセクレターゼ(BACE1)により切断され、続いてガンマセクレターゼにより切り出されることにより産生する。このことより、Aβ産生抑制を目的として、ガンマセクレターゼおよびベータセクレターゼの阻害剤の創出が試みられている。既に知られているベータセクレターゼ阻害剤は、以下に示す特許文献1〜15、非特許文献1および2等で報告されており、中でも特許文献1、特許文献14および特許文献15にはアミノジヒドロチアジン誘導体およびベータセクレターゼの阻害活性、すなわちBACE1阻害活性を有する化合物が記載されている。
[1] 式(I):
環AはC6−10アリール基又は5−10員複素環基であり、
Lは単結合、酸素原子若しくは式−C(=O)NRL−(RLは水素原子又は置換基αから選択される1乃至3の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基である。)又は、それぞれ置換基群αから選ばれる1乃至3の置換基を有していてもよい、C1−6アルキレン基、C2−6アルケニレン基若しくはC2−6アルキニレン基であり、
環BはC3−8シクロアルキル基、C6−10アリール基又は5−10員複素環基であり、
Xは、それぞれ置換基群αから選ばれる1乃至3の置換基を有していてもよい、C1−3アルキレン基又はC2−3アルケニレン基であり、
Yは、酸素原子、硫黄原子、スルホキシド基、スルホン基又は式−NRY−(RYは水素原子又はそれぞれ置換基群αから選ばれる1乃至3の置換基を有していてもよい、C1−6アルキル基、C1−6アルキルカルボニル基、C3−8シクロアルキルカルボニル基、C6−10アリールカルボニル基、C1−6アルキルスルホニル基、C6−10アリールスルホニル基、C6−10アリール基若しくは5−6員へテロアリール基である。)で示される基であり、
Zは単結合又はC1−3アルキレン基であり、
R1及びR2は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基若しくはシアノ基又はそれぞれ置換基群αから選ばれる1乃至3の置換基を有していてもよい、C1−6アルキル基若しくはC1−6アルコキシ基であり、
R3は、水素原子又はそれぞれ置換基群αから選ばれる1乃至3の置換基を有していてもよい、C1−6アルキル基、C1−6アルキルカルボニル基、C6−10アリールカルボニル基、C1−6アルキルスルホニル基、C6−10アリールスルホニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−10アリール基若しくは5−10員複素環基であり、
R4及びR5は各々独立して水素原子、ハロゲン原子若しくはヒドロキシ基又はそれぞれ置換基群αから選ばれる1乃至3の置換基を有していてもよい、C1−6アルキル基、C1−6アルキルオキシ基、C3−8シクロアルキル基、C3−8シクロアルキルオキシ基、C6−10アリール基若しくは5−10員複素環基であり、
R6、R7及びR8は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基若しくはシアノ基又はそれぞれ置換基群αから選ばれる1乃至3の置換基を有していてもよい、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C1−6アルコキシ基、C3−8シクロアルキル基、C3−8シクロアルキルオキシ基、C6−10アリール基若しくは5−10員複素環基であり、
nは1から3の整数である。
置換基群α:水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、オキソ基、シアノ基、C1−6アルキル基、トリフルオロメチル基、トリフルオロメトキシ基、C1−6アルコキシ基、C3−8シクロアルキル基、C3−8シクロアルキルオキシ基、C6−10アリール基及び5−10員複素環基。]
で示される化合物又はその医薬上許容される塩;
[2] Xが置換基群αから選択される1乃至3の置換基を有していてもよいC1−3アルキレン基である、上記[1]の化合物又はその医薬上許容される塩;
[3] Yが酸素原子である、上記[1]又は[2]記載の化合物又はその医薬上許容される塩;
[4] Yが硫黄原子またはスルホン基である、上記[1]又は[2]記載の化合物又はその医薬上許容される塩;
[5] Yが式−NRY−(RYは水素原子又はそれぞれ置換基群αから選ばれる1乃至3の置換基を有していてもよい、C1−6アルキル基、C1−6アルキルカルボニル基、C3−8シクロアルキルカルボニル基、C6−10アリールカルボニル基、C1−6アルキルスルホニル基、C6−10アリールスルホニル基、C6−10アリール基若しくは5−6員へテロアリール基である。)で示される基である、上記[1]又は[2]記載の化合物又はその医薬上許容される塩;
[6] Lが式−C(=O)NRL−(RLは水素原子又は置換基αから選択される1乃至3の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基である。)で示される基である、上記[1]から[5]のいずれかに記載の化合物又はその医薬上許容される塩;
[7] 以下の化合物から選ばれる、上記[1]から[6]の何れかに記載の化合物若しくはその医薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物:1)(−)−N−(2´−アミノ−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−6−イル)−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
2)N−(2´−アミノ−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−6−イル)−5−トリフルロメチルピリジン−2−カルボキサミド、
3)N−(2´−アミノ−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−6−イル)−3,5−ジフルオロピリジン−2−カルボキサミド、
4)N−(2´−アミノ−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−6−イル)−5−ブロモピリミジン−2−カルボキサミド、
5)N−(2´−アミノ−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−6−イル)−5−ブロモピリジン−2−カルボキサミド、
6)N−(2´−アミノ−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−6−イル)−3,5−ジクロロピリジン−2−カルボキサミド;
[8] 上記[1]から[7]のいずれかに記載の化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物;
[9] アミロイドβタンパク質産生を抑制するための上記[8]に記載の医薬組成物1;
[10] ベータサイトアミロイドβ前駆体タンパク質開裂酵素1(BACE1)を阻害するための上記[8]に記載の医薬組成物;
[11] 神経変性疾患治療のための上記[8]から[10]のいずれかに記載の医薬組成物;
[12] 神経変性疾患がアルツハイマー型痴呆又はダウン症である上記[11]に記載の医薬組成物
に関する。
また、式(I)において、Yが酸素原子、硫黄原子、スルホン基または式−NRY−(RYは前記定義に同じである。)で示される基である、化合物が好ましい。
また、式(I)において、Lが式−C(=O)NRL−(RLは前記定義に同じである。)で示される基である、化合物が好ましい。
特に、式(I)においてYが酸素原子であり、Zが単結合である化合物;Yが酸素原子であり、Zが置換基群αから選択される1乃至3の置換基を有していてもよいC1−3アルキレンである化合物;Yが硫黄原子またはスルホンであり、Zが単結合である化合物が好ましい。
1)(−)−N−(2´−アミノ−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−6−イル)−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
2)N−(2´−アミノ−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−6−イル)−5−トリフルロメチルピリジン−2−カルボキサミド、
3)N−(2´−アミノ−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−6−イル)−3,5−ジフルオロピリジン−2−カルボキサミド、
4)N−(2´−アミノ−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−6−イル)−5−フルオロピリジン−2−カルボキサミド、
5)N−(2´−アミノ−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−6−イル)−5−ブロモピリミジン−2−カルボキサミド、
6)N−(2´−アミノ−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−6−イル)−5−ブロモピリジン−2−カルボキサミド、
7)N−(2´−アミノ−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−6−イル)−5−メトキシピラジン−2−カルボキサミド、
8)N−(2´−アミノ−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−6−イル)−3,5−ジクロロピリジン−2−カルボキサミド、
9)N−(2´−アミノ−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−6−イル)−3−フルオロピリジン−2−カルボキサミド、
10)6−(5−メトキシピリジン−3−イル)−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−2´−アミン、
11)6−(3,5−ジクロロフェニル)−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−2´−アミン、
12)6−(1−メチル−1H−ピラゾル−4−イル)−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−2´−アミン、
13)6−(2−フルオロピリジン−3−イル)−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−2´−アミン、
14)6−[(2−アミノピリジン−3−イル)エチニル]−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−2´−アミン、
15)7−フルオロ−6−(2−フルオロピリジン−3−イル)−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−2´−アミン、
より好ましくは、以下の化合物が挙げられる。
1)(−)−N−(2´−アミノ−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−6−イル)−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
2)N−(2´−アミノ−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−6−イル)−5−トリフルロメチルピリジン−2−カルボキサミド、
3)N−(2´−アミノ−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−6−イル)−3,5−ジフルオロピリジン−2−カルボキサミド、
4)N−(2´−アミノ−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−6−イル)−5−ブロモピリミジン−2−カルボキサミド、
5)N−(2´−アミノ−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−6−イル)−5−ブロモピリジン−2−カルボキサミド、
6)N−(2´−アミノ−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−6−イル)−3,5−ジクロロピリジン−2−カルボキサミド。
本工程は、化合物(a−1)を酸により閉環し、化合物(II)を得る方法である。
本反応は、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、例えば、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン等の溶媒の存在下または非存在下に適当な酸を1当量〜大過剰作用させて行うことができる。さらに酸を溶媒として用いることもできる。使用する酸としては、例えば硫酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸またはそれらの混合物等があげられる。反応時間は、特に限定されないが、通常、1から72時間であり、好ましくは1から48時間である。反応温度は、通常、氷冷〜溶媒の還流温度である。
一般的製造法1で用いる化合物(a−1)は化合物(a−2)から、方法1又は方法2によって合成することができる。
方法1:
方法1は、化合物(a−2)を原料として2工程で化合物(a−1)を製造する方法である。化合物(a−2)は、市販品をそのまま用いることもでき、市販品から公知の方法で製造することもでき、更に実施例中の製造例の記載の方法を用いて製造することもできる。
本工程は、市販または公知の方法で調整することができるビニルリチウム試薬、ビニルグリニヤール(Grignard)試薬と化合物(a−2)の付加反応により化合物(a−3)を得る工程である。この反応は、例えば、J.Am.Chem.Soc.2006、128、9998−9999、J.Heterocyclic Chem.1982、19、1041−1044、等に記載の条件と同様の条件で反応を行うことができる。反応に用いる溶媒は、出発原料、使用する試薬により異なり、また反応を阻害せず出発物質をある程度溶解し反応中常に不活性なものであれば特に限定されないが、好適には、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ベンゼン、トルエン等の有機溶媒、或いはその混合溶媒である。反応時間は、特に限定されないが、通常、0.1〜48時間であり、好ましくは0.1〜12時間である。反応温度は、出発原料、使用する試薬等により異なるが、副生成物の形成を最小限に抑えるために温度を低く、例えば、−78℃から室温等に保つことが好ましい。
また、添加剤として、例えば塩化亜鉛等のルイス酸、或いは、TMEDA(テトラメチルエチレンジアミン)、HMPA(ヘキサメチルホスホロアミド)を添加することにより収率の向上や反応時間の短縮等に良好な結果を与えることがある。
本工程は、化合物(a−3)にチオウレアまたはN−置換チオウレアを酸存在下に反応させて、化合物(a−1)を得る工程である。
本工程における反応は、例えば、Russ.J.Org.Chem.,2006、42(1)、42−47に記載の条件と同様の条件で反応を行うことができる。
本反応で用いる酸は例えば酢酸、トリフルオロ酢酸、塩化水素、硫酸またはそれらの混合物である。反応は無溶媒またはトルエン等の有機溶媒中で(a−3)に対して1当量以上のチオウレア誘導体を作用させて反応を行うことができる。反応時間は、特に限定されないが、通常、5分から24時間であり、好ましくは5分から12時間である。反応温度は、通常、0℃〜150℃であり、より好ましくは0℃〜100℃である。
方法2は、化合物(a−2)を原料として4工程で化合物(a−1)を製造する方法である。
本工程は、公知の方法と同様の条件でピーターソン試薬、ホーナー・ワズワース・エモンズ試薬と化合物(a−2)の付加反応により化合物(a−4)を得る工程である。
ピーターソン試薬、ホーナー・ワズワース・エモンズ試薬は、市販品をそのまま用いることもでき、当業者に公知の方法で調整することができる。具体的には、例えば、トリアルキルシリル酢酸アルキル化合物、またはホスホノ酢酸トリアルキル化合物に対し、市販の有機金属試薬、例えばブチルリチウム等のアルキルリチウム試薬、またはtert−ブトキシカリウム等のアルコキシカリウム、アルコキシナトリウム試薬、または金属マグネシウムや金属リチウムを用いるプロトン金属交換を行って対応するリチウムアルキルアミド試薬もしくはマグネシウムアルキルアミド試薬により調製することができる。
本工程において用いる溶媒は、出発原料、使用する試薬により異なり、また反応を阻害せず出発物質をある程度溶解し反応中常に不活性なものであれば特に限定されないが、好適には、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ベンゼン、トルエン、メタノール、エタノール等の有機溶媒、或いはその混合溶媒である。反応時間は、特に限定されないが、通常、0.1〜48時間であり、好ましくは0.1〜12時間である。反応温度は、出発原料、使用する試薬等により異なるが、副生成物の形成を最小限に抑えるために温度を低く、例えば、−78℃から室温等に保つことが好ましい。
本工程は、エステル化合物(a−4)を還元反応に付し、アルコール化合物(a−5)を得る工程である。
反応に使用される還元剤としては、例えば水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ジイソブチルアルミニウム等が挙げられる。反応温度は特に限定されないが、通常、−78℃〜溶媒の還流温度であり、好ましくは−78℃〜室温である。反応に使用される溶媒は、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、好適には、例えばテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、トルエン、ジクロロメタン等があげられる。
本工程は、化合物(a−5)の水酸基を脱離基に変換し、化合物(a−6)を得る工程である。
脱離基としては、前記した脱離基をあげることができる。水酸基をこれらの脱離基に変換する反応に通常用いられる条件と同様の条件で反応を行うことができる。例えば脱離基がハロゲン原子の場合には、化合物(a−5)を、例えば塩酸、臭酸、塩化チオニル、臭化チオニル、三臭化リンまたテトラハロゲノメタン−トリフェニルホスフィンと反応させることにより製造することができる。反応に使用する溶媒としては、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム等があげられる。反応温度は、通常、−78℃〜溶媒の還流温度であり、好ましくは氷冷〜溶媒の還流温度である。反応時間は、特に限定されないが、通常、5分〜48時間であり、好ましくは5分〜12時間である。
また、脱離基がC1−6アルキルスルホニルオキシ基又はアリールスルホニルオキシ基の場合には、化合物(a−5)を、例えば塩化メタンスルホニル、塩化p−トルエンスルホニル、無水トリフルオロメタンスルホン酸等と反応させて、製造することができる。
反応に使用する溶媒としては、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えばテトラヒドロフラン、トルエン、キシレン、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド等があげられる。反応温度は、通常、−78℃〜溶媒の還流温度であり、好ましくは−78℃〜室温である。さらに塩基の添加により収率向上等の良好な結果を得ることがある。用いる塩基は反応を阻害しない限りにおいて特に限定されないが、好ましくは、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリエチルアミン、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミン等があげられる。
本工程は、化合物(a−6)にチオウレアまたはN−置換チオウレアを反応させて、化合物(a−1)を得る工程である。
具体的には、本反応は、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、N,N‐ジメチルホルムアミド等の有機溶媒中、または臭酸等の無機酸中、化合物(a−6)に対して1当量以上のチオウレアまたはN−メチルチオウレアを作用させて反応を行うことができる。反応時間は、特に限定されないが、通常、5分から24時間であり、好ましくは5分から12時間である。反応温度は、通常、0℃〜150℃であり、より好ましくは室温〜100℃である。
一般的製造法2は、一般的製造法1で得られた化合物(II)から6工程で本発明にかかる一般式(I)において、Lが−NHCO−である化合物を製造する方法である。
化合物(II)は、市販品から前記一般的製造法1により製造することができ、更に実施例中の製造例の記載の方法を用いて製造することもできる。また、化合物(b−5)および(b−6)は、市販品をそのまま用いることもでき、市販品から当業者に公知の方法で製造することもでき、更に実施例中の製造例の記載の方法を用いて製造することもできる。
本工程は、化合物(II)から化合物(b−1)を製造する工程である。
この反応は、以下の公知の方法1又は方法2で行うことができる。
本反応は、当業者に公知の方法により反応することができ、反応に使用される条件としては、例えば濃硝酸/無水酢酸、発煙硝酸/無水酢酸等が挙げられる。反応温度は特に限定されないが、通常、−20℃から50℃であり、好ましくは−20℃〜室温である。
工程2−1:本工程は、化合物(II)のアセチル化反応により対応するアセチル化合物を得る工程である。アミノ化合物のアセチル化に一般に用いられる条件、例えばT.W.T.W.Green and P.G.M.Wuts,“Protective Groups in Organic Chemistry,Second Edition”,John Wiley&Sons(1991),P.351−352等の文献記載の条件と同様の条件で反応を行うことができる。反応に使用されるアセチル化剤としては、例えば塩化アセチル、無水酢酸等が挙げられる。反応温度は特に限定されないが、通常、−20℃〜150℃である。
本工程は、化合物(b−1)の脱アセチル化反応により化合物(b−2)を得る工程である。本反応は、アセチル基の脱保護反応に一般に用いられる条件、例えばT.W.Green and P.G.M.Wuts,“Protective Groups in Organic Chemistry,Second Edition”,John Wiley&Sons(1991),P.351−352等の文献記載の条件と同様の条件で反応を行うことができる。反応は、例えば塩酸、硫酸、臭化水素酸等の酸存在下行うことができる。反応溶媒はメタノール、エタノール、トルエン、プロパノール等であり、反応温度は特に限定されないが、通常、−20℃から150℃であり、好ましくは室温から溶媒還流温度である。
本工程は、化合物(b−2)のアミノ基をt−ブトキシカルボニル化させることにより化合物(b−3)を得る工程である。
アミノ化合物のt−ブトキシカルボニル化に一般に用いられる条件、例えばT.W.Green and P.G.M.Wuts,“Protective Groups in Organic Chemistry,Second Edition”,John Wiley&Sons(1991),P.327−330等の文献記載の条件と同様の条件で反応を行うことができる。例えばテトラヒドロフラン等の溶媒中でトリエチルアミンを塩基として化合物(b−2)とジ−tert−ブチル ジカーボネートを反応させることで化合物(b−3)を得ることができる。
本工程は、化合物(b−3)を還元して、化合物(b−4)を得る工程である。
本反応は、ニトロ化合物の還元反応に一般的に用いられる条件で反応を行うことができ、例えばラネーニッケル、パラジウム、ルテニウム、ロジウムまたは白金等の貴金属触媒を使用する接触水素化による還元、鉄等を用いた金属による還元、亜二チオン酸ナトリウムによる還元等が挙げられる。この場合に好ましいのは、例えば、塩化アンモニウムを用いる中性条件下での鉄による還元反応等が挙げられる。
本工程は化合物(b−4)から化合物(b−7)を得る工程である。
この反応は、(1)化合物(b−4)と化合物(b−5)とを縮合剤を用いて直接縮合させる方法(方法(1))、(2)化合物(b−5)の混合酸無水物と化合物(b−4)とを反応させる方法(方法(2))、(3)化合物(b−5)の活性エステルと化合物(b−4)とを反応させる方法(方法(3))、または(4)酸クロリド化合物(b−6)と化合物(b−4)とを反応させる方法(方法(4))等の公知の方法で行うことができる。
これらの反応に用いる化合物(b−4)はフリー体であっても塩であってもよい。
化合物(b−4)と化合物(b−5)とを縮合剤を用いて直接縮合させて化合物(b−7)を得ることができる。
本反応は公知の方法で反応することができ、縮合剤としては、CDI(N,N´−カルボニルジイミダゾール)、Bop(1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ(トリ(ジメチルアミノ))ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェ−ト)、WSC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩)、DCC(N,N−ジシクロヘキシルカルボジイミド)、ジエチルホスホリルシアニド、PyBOP(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート)、EDC・HCl(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩)等が挙げられる。
本反応の溶媒は、反応を阻害しないものであれば特に限定されないが、例えばテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、酢酸エチル、酢酸メチル、ジクロロメタン、クロロホルム、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、キシレン等があげられる。
化合物(b−5)は化合物(b−4)に対して1当量から大過剰用いる。また必要に応じて1当量から大過剰の有機塩基、例えばトリエチルアミン等を加えてもよい。
反応時間は、特に限定されないが、通常、0.5から48時間であり、好ましくは0.5から24時間である。反応温度は、使用する原料、溶媒等により異なり特に限定されないが、好ましくは氷冷〜溶媒の還流温度である。
化合物(b−5)を混合酸無水物とした後、該混合酸無水物と化合物(b−4)とを反応させて化合物(b−7)を得ることができる。混合酸無水物は、公知の方法により合成できるが、例えばトリエチルアミン等の塩基存在下、化合物(b−5)および例えばクロロギ酸エチル等のクロロギ酸エステル類を反応させることで行われる。クロロギ酸エステル類および塩基は、化合物(b−5)に対して1当量から2当量用いる。反応温度は−30℃〜室温であり、好ましくは−20℃〜室温である。
混合酸無水物と化合物(b−4)を縮合させる工程は、例えばジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒中、混合酸無水物と化合物(b−4)とを反応させることにより行われる。化合物(b−4)は、混合酸無水物に対して1当量から大過剰を用いる。
反応時間は、特に限定されないが、通常、0.5から48時間であり、好ましくは0.5から12時間である。反応温度は−20℃〜50℃であり、好ましくは−20℃から室温である。
化合物(b−5)を活性エステルとした後、該活性エステルと化合物(b−4)とを反応させて化合物(b−7)を得ることができる。活性エステルを得る工程は、例えば1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒中、例えばDCC等の縮合剤存在下、化合物(b−5)および活性エステル合成試薬を反応させることにより行われる。活性エステル合成試薬としては、例えばN−ヒドロキシスクシンイミド等が挙げられる。活性エステル合成試薬および縮合剤は化合物(b−5)に対して1当量から1.5当量用いる。反応時間は、特に限定されないが、通常、0.5から48時間であり、好ましくは0.5から24時間である。
反応温度は−20℃〜50℃であり、好ましくは−20℃から室温である。
活性エステルと化合物(b−4)を縮合させる工程は、例えばジクロロメタン、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒中、活性エステルと化合物(b−4)とを反応させることにより行われる。化合物(b−4)は、活性エステルに対して1当量から大過剰を用いる。反応時間は、特に限定されないが、通常、0.5から48時間であり、好ましくは0.5から24時間である。反応温度は−20℃〜50℃であり、好ましくは−20℃から室温である。
化合物(b−4)と化合物(b−6)から化合物(b−7)を得るアシル化反応は、公知の一般的に用いられる条件と同様の条件で行うことができる。
反応に使用される塩基としては、例えばトリエチルアミン、ピリジン、炭酸カリウム、ジイソプロピルエチルアミン等が挙げられる。反応温度は特に限定されないが、通常、−78℃〜溶媒の還流温度であり、好ましくは−20℃〜室温である。反応に使用される溶媒は、反応を阻害せず出発物質をある程度溶解するものであれば特に限定されないが、好適には、例えば、テトラヒドロフラン、エーテル、トルエン、ジクロロメタン等があげられる。
本工程は、化合物(b−7)のt−ブトキシカルボニル基の脱保護反応により化合物(I−a)を得る工程である。
t−ブトキシカルボニル基の脱保護反応に一般に用いられる条件、例えばT.W.Green and P.G.M.Wuts,“Protective Groups in Organic Chemistry,Second Edition”,John Wiley&Sons(1991),P.327−330等の文献記載の条件と同様の条件で反応を行うことができる。例えばジクロロメタン等の溶媒中でトリフルオロ酢酸と化合物(b−7)を反応させることで化合物(I−a)を得ることができる。
一般的製造法3は、化合物(II)から3工程で一般式(I)において、Lが単結合、二重結合、三重結合である化合物(I−b)を製造する方法である。
化合物(II)は、市販品から前記一般製造法1により製造することができ、更に実施例中の製造例の記載の方法を用いて製造することもできる。また、化合物(c−4)、(c−5)、(c−6)、(c−7)および(c−8)は、市販品をそのまま用いることもでき、市販品から公知の方法で製造することもでき、更に実施例中の製造例の記載の方法を用いて製造することもできる。
本工程は、化合物(II)の臭素化反応を系内で行うことにより化合物(c−1)を得る工程である。本反応は、例えば、Holmberg,P.;Tedenborg, P.;Rosquvist, S.;Hohansson, A.M.,Bioorg.Med.Chem.Lett.;15(3),747−750(2005)等の文献記載の方法と同様の方法で行うことができる。反応に使用される条件としては、例えば臭素/酢酸、臭素/炭酸ナトリウム/ヘキサン、N−ブロモスクシンイミド/塩化メチレン等が挙げられる。反応温度は特に限定されないが、通常、−20℃から50℃であり、好ましくは−20℃〜室温である。
本工程は、化合物(c−1)をtert−ブトキシカルボニル化することにより化合物(c−2)、或いはR3が水素原子の場合に化合物(c−3)を得る工程である。本反応は、アミド化合物のt−ブトキシカルボニル化に一般に用いられる条件、例えば、THF等の溶媒中で4−ジメチルアミノピリジンを塩基として化合物(c−1)とジ−tert−ブチル ジカーボネートを反応させることで化合物(c−2)或いは(c−3)を得ることができる。
本反応に用いられる溶媒は、反応を阻害しないものであれば特に限定されないが、好ましくは、例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジクロロメタン、DMF、アセトニトリル等の有機溶媒、或いは、これらの混合溶媒が挙げられる。使用する塩基としては、例えば、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、DBU、或いは、これらの混合物等があげられる。これらの塩基は、化合物(c−1)に対して、触媒量から過剰量用いられ、より好ましくは0.1−5当量である。ジ−tert−ブチル ジカーボネートは、化合物(c−1)に対して2当量から過剰量用いられ、より好ましくは、2−10当量用いられる。反応時間は、特に限定されないが、通常、5分から24時間であり、好ましくは5分から12時間である。反応温度は、通常、−20℃〜溶媒の還流温度であり、より好ましくは0℃〜溶媒の還流温度である。
本工程は、化合物(c−2)或いは(c−3)と、化合物(c−4)、(c−5)、(c−6)、(c−7)、(c−8)或いは(c−9)との遷移金属を用いたカップリング反応により、t−ブトキシカルボニル基の脱保護を伴って化合物(I−b)を得る工程である。本反応は、遷移金属を用いたカップリング反応(例えば、鈴木−宮浦反応、スティル反応(Stille反応)、園頭反応、ヘック反応(Heck反応)、Buckwald、S.L.et al.,J Am Chem Soc(1999)121(18),4369−4378等に記載の方法等)に通常用いられている条件で反応を行うことができる。
これらの錠剤、カプセル剤、顆粒剤、粉末などの固形製剤は、一般的には0.01〜100重量%、好ましくは0.1〜100重量%の有効成分である本発明に係るスピロアミノジヒドロチアジン誘導体又はその医薬上許容される塩を含むことができる。
例えばシロップ剤や注射用製剤等の場合は、pH調整剤、溶解剤、等張化剤等と、必要に応じて溶解補助剤、安定化剤等を加えて、常法により製剤化する。また、これらの注射剤は予め溶解したものの他、粉末のまままたは適当な添加物を加えたものを用時溶解する形態も取ることができる。これらの注射液は、通常0.01〜100重量%、好ましくは0.1〜100重量%等の有効成分を含むことができる。さらには、経口投与の懸濁剤またはシロップ剤等の液剤は、通常0.01〜100重量%、好ましくは0.1〜100重量%等の有効成分を含むことができる。
例えば、外用剤の場合は、特に製法が限定されず、常法により製造することができる。使用する基剤原料としては、医薬品、医薬部外品、化粧品等に通常使用される各種原料を用いることが可能で、例えば動植物油、鉱物油、エステル油、ワックス類、高級アルコール類、脂肪酸類、シリコン油、界面活性剤、リン脂質類、アルコール類、多価アルコール類、水溶性高分子類、粘土鉱物類、精製水等の原料が挙げられ、必要に応じ、pH調整剤、抗酸化剤、キレート剤、防腐防黴剤、着色料、香料等を添加することができる。さらに、必要に応じて分化誘導作用を有する成分、血流促進剤、殺菌剤、消炎剤、細胞賦活剤、ビタミン類、アミノ酸、保湿剤、角質溶解剤等の成分を配合することもできる。
ケミカルプローブに用いる標識基、リンカー等は、例えば以下の(1)ないし(5)からなる群に示される基が挙げられる。
(1)光親和性標識基(例えば、ベンゾイル基、ベンゾフェノン基、アジド基、カルボニルアジド基、ジアジリジン基、エノン基、ジアゾ基およびニトロ基等)および化学親和性基(例えば、アルファー炭素原子がハロゲン原子で置換されたケトン基、カルバモイル基、エステル基、アルキルチオ基、α、β−不飽和ケトン、エステル等のマイケル受容体、およびオキシラン基等)等のタンパク質標識基、
(2)−S−S−、−O−Si−O−、単糖(グルコース基、ガラクトース基等)または二糖(ラクトース等)等の開裂可能なリンカー、および酵素反応で開裂可能なオリゴペプチドリンカー、
(3)ビオチン、3−(4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4H−3a,4a−ジアザ−4−ボラ−s−インダセン−3−イル)プロピオニル基等のフィッシングタグ基、
(4)125I、32P、3H、14Cなどの放射性標識基;フルオレセイン、ローダミン、ダンシル、ウンベリフェロン、7−ニトロフラザニル、3−(4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4H−3a,4a−ジアザ−4−ボラ−s−インダセン−3−イル)プロピオニル基等の蛍光標識基;ルミフェリン、ルミノール等の化学発光基;ランタノイド金属イオン、ラジウムイオン等の重金属イオン等の検出可能なマーカー、または
(5)ガラスビーズ、ガラスベット、マイクロタイタープレート、アガロースビーズ、アガロースベッド、ポリスチレンビーズ、ポリスチレンベッド、ナイロンビーズ、ナイロンベッド等の固相担体と結合させる基等。
上記の(1)ないし(5)からなる群より選択される標識基等を上記文献に記載の方法等に準じて本発明の化合物に導入して調製されるプローブは、新たな創薬ターゲットの探索等に有用な標識タンパクの同定のためのケミカルプローブとして用いることができる。
THF;テトラヒドロフラン
DMF;N,N−ジメチルホルムアミド
TFA;トリフルオロ酢酸
EDC・HCl;1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩
pTLC;分取薄層クロマトグラフィー
LC−MS;液体クロマトグラフィー−マススペクトルメトリー
PyBOP;ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリス(ピロリジノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート
プロトン核磁気共鳴スペクトルの化学シフトは、テトラメチルシランに対するδ単位(ppm)で記録、カップリング定数はヘルツ(Hz)で記録されている。パターンは、s;シングレット、d;ダブレット、t;トリプレット、br;ブロード。
8−フルオロクロマン−4−オン(化合物1−3)の合成
(1−1)窒素雰囲気下、50%水素化ナトリウム(3.22g)のN,N−ジメチルホルムアミド(100ml)溶液に、氷浴にて冷却しながら、2−フルオロフェノール(化合物1−1、3.0g)のN,N−ジメチルホルムアミド(7.0ml)溶液を加えた。同温度にて30分間撹拌した後、3−ブロモ−プロピオン酸(4.91g)のN,N−ジメチルホルムアミド(8.0ml)溶液を加えた。室温に戻し、同温度にて24時間撹拌した。1N塩酸(100ml)を加え、pH1−2に調整して反応停止させた。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣に20%酢酸エチル−ヘキサン混合溶媒を加えて結晶化し標題化合物を得た(1.53g)。
化合物1−1(2.20g)のテトラヒドロフラン(100ml)溶液に、室温にてカリウム−t−ブトキシド(2.42g)を加えた。同温度にて5分間撹拌した後、beta−プロピオラクトン(2.71ml)を加えた。発熱したため、氷浴に移し、同温度にて1時間撹拌した。さらに室温にて4時間撹拌した後に、1N塩酸を加えて酸性とし、反応停止させた。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣に20%酢酸エチル−ヘキサン混合溶媒を加えて結晶化し標題化合物を得た(1.44g)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d6)(ppm):2.73(t,J=6.0Hz,2H),4.24(t,J=6.0Hz,2H),6.90−7.00(m,1H),7.09−7.24(m,3H),12.41(br.s.,1H).
化合物1−2(450mg)にポリリン酸(7.0g)を加え、100度で3.5時間撹拌した。熱源を切り、75度まで温度を下げたところで、激しく撹拌しながら、砕氷を反応混合物に少しずつ加えた。室温に戻ったところで、反応液を氷水に加えた。水層をジエチルエーテルで抽出し、有機層を重曹水、続いて飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し標題化合物を得た(273mg)。
1H NMR(400MHz,CDCl3)(ppm):2.89(t,J=6.4Hz,2H),4.66(t,J=6.4Hz,2H),6.98(td,J=4.4,8.0Hz,1H),7.29−7.34(m,1H),7.71(dt,J=1.5,8.0Hz,1H).
2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3] チアジン]−2´−アミン(化合物1)の合成
ビニルマグネシウムクロライド(1.48Mテトラヒドロフラン溶液;29.7ml)に塩化亜鉛(461mg)を加え室温で1時間撹拌した。反応液を0度に冷却した後、化合物2−1(5.00g)のテトラヒドロフラン(20.0ml)溶液を滴下した。反応液を同温で5時間撹拌した。原料の消失を確認した後、反応混合物に塩化アンモニウム水溶液を加えた。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで標題化合物を得た(5.37g)。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.99(ddd,J=2.4,4.8,13.6Hz,1H),2.12(m,1H),4.26(ddd,J=4.0,4.8,8.8Hz,1H),4.35(dt,J=2.8,10.8Hz,1H),5.31(dd,J=1.6,10.6Hz,1H),5.47(dd,J=1.6,16.8Hz,1H),6.01(dd,10.6,16.8Hz,1H),6.85(dd,J=1.2,8.4Hz,1H),6.90(dt,J=1.2,7.6Hz,1H),7.20(ddd,J=1.6,7.6,8.4Hz,1H),7.28(dd,J=1.6,7.6Hz,1H).
化合物2−2(5.30g)の酢酸(28.0ml)溶液に、チオウレア(2.75g)を加えた。室温で4時間撹拌した後、不溶物を綿栓濾過で除き、濾液をエーテル(200ml)に滴下した。0度に冷却し、4時間撹拌した。固体をさらに一晩静置した。グラスフィルターで生成した固体を除き、濾液の溶媒を減圧留去した。残渣の油状物質に酢酸エチルを加え、重曹水で中和した後、生じた白色固体をグラスフィルターで回収し、水で洗浄した。得られた固体を乾燥させることで標題化合物を得た(3.10g)。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ(ppm):2.74(m,2H),3.74(m,2H),4.17(m,2H),6.18(m,1H),6.83(m,1H),6.90(m,1H),7.16(m,1H),7.59(m,1H).
化合物2−3(1.00g)のトリフルオロ酢酸(5.00ml)溶液に氷浴下、トリフルオロメタンスルホン酸(1.00ml)を滴下した。室温まで昇温し、2時間撹拌した。反応混合物を氷浴下、重曹水に滴下し、中和した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を重曹水および飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し標題化合物を得た(300mg)。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.92(ddd,J=3.0,4.8,14.0Hz,1H),1.95(ddd,J=4.0,6.6,14.0Hz,1H),2.07(ddd,J=4.2,9.6,14.0Hz,1H),2.23(ddd,J=4.2,10.8,14.0Hz,1H),3.04(ddd,J=4.2,6.6,12.8Hz,1H),3.11(ddd,J=4.0,9.6,12.8Hz,1H),4.24(ddd,J=3.0,10.8,11.6Hz,1H),4.33(ddd,J=4.2,4.8,11.6Hz,1H),6.81(dd,J=1.4,8.1Hz,1H),6.89(dt,J=1.4,7.2Hz,1H),7.12(ddd,J=1.6,7.2,8.1Hz,1H),7.15(dd,J=1.6,7.6Hz,1H).
N−(2´−アミノ(6−ニトロ−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−6−イル)トリフルオロアセトアミド(化合物2)の合成
化合物3−1(1.0g)をアセトン(50ml)に溶解した。二塩化スズ−2水和物(3.66g)を加え、終夜加熱還流した。反応の完結を確認した後、反応混合物を室温まで冷却した。溶媒を減圧下留去した後、反応混合物に重曹水を加え、塩化メチレンにて抽出した。水槽を酢酸エチルにて再度抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した。得られた生成物(464mg)を、塩化メチレン(14ml)に溶解し、氷浴下においてトリエチルアミン(0.57ml)と無水トリフルオロ酢酸(0.57ml)を加え、同温度で20分間撹拌した。トリエチルアミン(0.595ml)を加え、さらに氷浴下40分間撹拌した。原料の消失を確認したら反応混合物に塩化アンモニウム水溶液を加え反応停止させた。水層を塩化メチレンで抽出した。水槽をさらに酢酸エチルで抽出し、併せた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去時に生じた淡黄色固体を桐山ロートで回収し、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで標題化合物を得た(644mg)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d6)(ppm):2.82(t,J=6.5Hz,2H),4.55(t,J=6.5Hz,2H),7.11(d,J=9.0Hz,1H),7.79(dd,J=9.0,2.8Hz,1H),8.10(d,J=2.8Hz,1H),11.30(s,1H).
化合物3−3(150mg)のテトラヒドロフラン(10.0ml)を−78度に冷却し、ビニルマグネシウムクロライド(1.6Mテトラヒドロフラン溶液;1.09ml)を滴下した。同温で1時間撹拌後、室温にて5時間撹拌した。原料の消失を確認後、反応混合物に塩化アンモニウム水溶液を加え反応停止させた。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物3−4(178mg)は精製することなく、次反応に用いた。
化合物3−4(178mg)の酢酸(2.0ml)溶液に、チオウレア(66mg)を加えた。50度で5時間撹拌した後、室温にて終夜撹拌した。溶媒を減圧留去した後に、残渣の油状物質に酢酸エチルを加え、重曹水で中和した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を重曹水および飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。残渣に酢酸エチルとジエチルエーテルを加え、生じた淡黄色固体を桐山ロートで回収し、酢酸エチルとジエチルエーテル混合溶媒にて洗浄した。得られた固体を乾燥させることで標題化合物を得た(26mg)。
1H NMR(400MHz,DMSO−d6)(ppm):2.74(m,2H),4.11(d,J=7.7Hz,2H),4.18(m, ,2H),6.07(t,J=7.7Hz,1H),6.89(d,J=8.8Hz,1H),7.45(dd,J=2.4,8.8Hz,1H),7.92(d,J=2.4Hz,1H).
化合物(3−5)(25.0mg)のトリフルオロ酢酸(0.459ml)溶液に、氷浴下トリフルオロメタンスルホン酸(0.0459ml)を加えた。同温度にて1.5時間撹拌した後、室温にて1.5時間撹拌した。原料の消失を確認した後、反応混合物を、氷浴にて冷却した重曹水に加え中和した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物を塩化メチレン溶液から結晶化することで標題化合物を得た(6.6mg)。
1H NMR(400MHz,CDCl3)(ppm):2.07−2.14(m,1H),2.26(ddd,J=3.9,7.9,14.4Hz,1H),2.42−2.53(m,2H),3.14−3.29(m,2H),4.23−4.32(m,1H),4.34−4.46(m,1H),6.87(d,J=8.9Hz,1H),7.35(d,J=2.6Hz,1H),7.53(dd,J=8.9,2.6Hz,1H).
8−フルオロ−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−2´−アミン(化合物3)の合成
ドライアイス−アセトン浴にて−78度に冷却した、ジシクロヘキシルアミン(545.7mg)のテトラヒドロフラン(13.0ml)溶液に、N−ブチルリチウム−ヘキサン溶液(1.6N、1.88ml)を加えた。同温度にて10分間撹拌した後に、エチル(トリメチルシリル)アセテート(482.3mg)のテトラヒドロフラン(2.5ml)溶液を加えた。−78度にて10分間撹拌した後に、化合物4−1(250.0mg)のテトラヒドロフラン(2.5ml)溶液を加えた。−78度にて1時間撹拌した後、室温に戻しさらに3時間撹拌した。原料の消失を確認した後、反応混合物を、飽和食塩水に加えた。水層を酢酸エチルで抽出、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで標題化合物を得た(162mg)。
1H NMR(400MHz,CDCl3)(ppm):1.29(t,J=7.1Hz,3H),2.67(td,J=1.3,5.9Hz,2H),4.22(q,J=7.1Hz,2H),4.44−4.49(m,2H),5.76(s,1H),6.78(td,J=5.1,8.1Hz,1H),7.06(ddd,J=1.5,8.1,10.9Hz,1H),7.57(dt,J=1.5,8.1Hz,1H).
窒素雰囲気下、氷浴にて冷却した水素化リチウムアルミニウム(52.1mg)のジエチルエーテル(8.0ml)溶液に、化合物4−2(162mg)のジエチルエーテル(4.0ml)溶液を2分間かけて滴下した。同温度にて2時間撹拌した後、反応混合物に酢酸エチルをゆっくりと滴下した。次に、水を加え1時間撹拌した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を重曹水、続いて飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物は精製することなく、次反応に用いた。
1H NMR(400MHz,CDCl3)(ppm):2.61−2.65(m,2H),4.43(brt,J=5.2Hz,2H),4.52(d,J=6.4Hz,2H),5.65(t,J=6.4Hz,1H),6.78−6.85(m,1H),6.94(brd,J=7.6Hz,1H),7.02(brt,J=9.5Hz,1H).
化合物4−3(19.6mg)の48%臭化水素(2.0ml)溶液に、室温にてチオウレア(7.7mg)を加え、50度にて2時間撹拌した。原料の消失を確認した後、反応混合物を、氷浴にて冷却した重曹水に加え中和した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をトリフルオロ酢酸(0.49ml)に溶解した後に、氷浴下トリフルオロメタンスルホン酸(0.1ml)を加えた。同温度にて1.5時間撹拌した後、室温にて1.5時間撹拌した。原料の消失を確認した後、反応混合物を、氷浴にて冷却した重曹水に加え中和した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し標題化合物を得た(58.5mg)。
1H NMR(400MHz,CDCl3)(ppm):1.93−2.01(m,2H),2.05−2.14(m,1H),2.28(ddd,J=4.2,10.5,14.2Hz,1H),3.02−3.09(m,1H),3.09−3.17(m,1H),4.32(td,J=2.9,11.0Hz,1H),4.45(td,J=4.5,11.0Hz,1H),6.79−6.86(m,1H),6.92−6.99(m,2H).
N−{4−[7−フルオロクロマン−(4E)−イリデン]エチル}イソチオウレア(化合物5−3)の合成
氷浴にて冷却された、実施例4に準じて7−フルオロクロマン−4−オンから合成した化合物5−1(200mg)のテトラヒドロフラン(3.0ml)溶液に、トリエチルアミン(0.19ml)を加えた。同温度にて、メタンスルホニルクロリド(177mg)のテトラヒドロフラン(2.0ml)溶液を滴下し、1.5時間撹拌した。原料の消失を確認したら反応混合物を重曹水に加え反応停止させた。水層を酢酸エチルで抽出した。水槽をさらに酢酸エチルで抽出し、併せた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた標題化合物(214mg)は粗生成物のまま、次反応に用いた。
(2−1)化合物5−2(214mg)をエタノール(6.0ml)に溶解した。チオウレア(153mg)を加えて、10時間加熱還流した。原料の消失を確認したら、溶媒を減圧留去した。残渣をLCMSで精製し、標題化合物を得た(33mg)。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)(ppm):2.74(m,2H),4.05(d,J=7.9Hz,2H),4.20(t,J=5.8Hz,2H),6.13(t,J=7.9Hz,1H),6.72(dd,J=2.7,10.3Hz,1H),6.78(ddd,J=2.7,8.6,9.0Hz,1H),7.67(dd,J=6.7,8.9Hz,1H).
氷浴にて冷却された、化合物5−1(1.0g)のテトラヒドロフラン(20ml)溶液に、トリエチルアミン(1.15ml)を加えた。無水トリフルオロ酢酸(1.62g)のテトラヒドロフラン(2.5ml)溶液を滴下し、同温度にて1時間撹拌した。原料の消失を確認したら反応混合物を重曹水に加え反応停止させた。水層を酢酸エチルで抽出した。水槽をさらに酢酸エチルで抽出し、併せた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去して得られた標題化合物(1.42g)は精製せずに次反応に用いた。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)(ppm):2.64(m,2H),4.36(m,2H),5.15(d,J=7.1Hz,2H),5.55(t,J=7.1Hz,1H),5.60(dd,J=2,7,10.1Hz,1H),6.66(ddd,J=2.6,8.3,8.7Hz,1H),7.08(dd,J=6.4,8.7Hz,1H).
化合物5−4(1.41g)をエタノール(20ml)に溶解した。チオウレア(0.92g)を加えて、1時間加熱還流した。原料の消失を確認したら、溶媒を減圧留去した。残渣をLCMSで精製し、化合物5−3を化合物5−5との混合物(9:1)として得た(0.96g)。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)(ppm):2.74(m,2H),4.05(d,J=7.9Hz,2H),4.20(t,J=5.8Hz,2H),6.13(t,J=7.9Hz,1H),6.72(dd,J=2.7,10.3Hz,1H),6.78(ddd,J=2.7,8.6,9.0Hz,1H),7.67(dd,J=6.7,8.9Hz,1H).
(±)−N−[2´−アミノ−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−6−イル]−5−クロロピリジン−2−カルボキサミド(化合物8)の合成
化合物1(280mg)の無水酢酸(10.0ml)溶液に氷浴下、発煙硝酸(比重1.53、49.5μl)を滴下した。反応液を同温で1時間撹拌した後、室温まで昇温し3時間撹拌した。反応液に無水酢酸(10.0ml)を追加した後、発煙硝酸(比重1.53、400μl)を加えた。反応の完結を確認した後、反応液をエーテルで希釈し重曹水を加えて1時間撹拌した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を重曹水および飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し化合物6−1を8−ニトロ体との混合物として得た(360mg)。
得られたニトロ体の混合物(330mg)にエタノール(10.0ml)および濃硫酸(330μl)を加え、8時間加熱還流した。反応の完結を確認した後、反応混合物を室温まで冷却した。反応混合物に重曹水を加えて中和し、酢酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物を得た(82.0mg)。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):2.02(m,3H),2.22(m,1H),3.05(m,1H),3.15(m,1H),4.32(m,1H),4.45(m,1H),6.89(d,J=9.0Hz,1H),8.03(d,J=9.0Hz,1H),8.13(s,1H).
化合物1(1.1g)のピリジン(6ml)溶液に、室温で無水酢酸(0.886ml)を加え、混合物を室温で12時間攪拌した。反応液を氷−重曹水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾去し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた粗生成物をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し化合物1のN−アセチル体(N−(2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−2´−イル)アセトアミド)(1.1g)を得た。
上記のように得られるN−アセチル体(1.3g)の酢酸(0.2ml)溶液に室温で、硝酸(比重1.42、1.0ml)を加えた。混合物を50℃で30分攪拌した。この溶液に50℃で硝酸(3.0ml)を加え、混合物を50℃で30分攪拌した。さらに50℃で硝酸(2.0ml)を加え、50℃で30分攪拌した。反応液を氷−重曹水にゆっくり加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。乾燥剤を濾去し、ろ液を減圧下濃縮した。粗生成物をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物6−1(0.93g)を8−ニトロ体との混合物として得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:2.00−2.40(m,4H),2.03(s,3H,8−異性体),2.06(s,3H,6−異性体),2.95−3.10(m,2H),4.13−4.60(m,2H),6.90−6.95(m,1H,6−異性体),6.99(t,J=8.0Hz,1H,8−異性体),7.36(dd,J=1.6,8.0Hz,1H,8−異性体),7.74(dd,J=1.6,8.0Hz,1H,8−異性体),8.03−8.10(m,2H,6−異性体).
化合物6−2(82.0mg)をテトラヒドロフラン(5.00ml)に溶解し、トリエチルアミン(631μl)を加えた。次いで反応液に二炭酸ジ−t−ブチル(192mg)を加え、室温で4日間撹拌した。反応の完結を確認したら反応液を減圧留去し、残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで標題化合物を得た(110mg)。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.48(s,9H),2.00−2.30(m,4H),3.02(m,1H),3.14(m,1H),4.39(m,2H),6.93(d,J=9.2Hz,1H),8.08(dd,J=2.8,9.2Hz,1H),8.14(m,1H).
化合物6−3(110mg)をエタノール(20.0ml)に溶解し、亜二チオン酸ナトリウム(253mg)の水溶液を室温で滴下した。反応液に、更に亜二チオン酸ナトリウム(253mg)の水溶液を加えて室温で撹拌した。さらにN,N−ジメチルホルムアミド(20.0ml)を加えた。反応の完結を確認した後、余剰のエタノールを減圧留去した。残渣に水を加え、水層を酢酸エチルで抽出した。有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで標題化合物を得た(10.0mg)。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.46(s,9H),2.05(m,1H),2.15(ddd,J=4.0,6.4,14.0Hz,1H),2.26(m,1H),2.38(ddd,J=4.0,10.0,14.0Hz,1H)、3.10(m,2H),4.20(m,2H),6.59(m,2H),6.68(m,1H).
化合物6−3(510mg)のエタノール(18ml)−塩化アンモニウム水溶液(1.8ml)に、鉄(1.05g)を加え、87℃で0.5時間加熱攪拌した。反応液を室温に戻し、反応液を酢酸エチルに注ぎ、不溶物をろ去した。濾液を減圧下濃縮した。残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾去し、ろ液を減圧下濃縮し、標記化合物(0.40g)を得た。。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.46(s,9H),2.05(m,1H),2.15(ddd,J=4.0,6.4,14.0Hz,1H),2.26(m,1H),2.38(ddd,J=4.0,10.0,14.0Hz,1H)、3.10(m,2H),4.20(m,2H),6.59(m,2H),6.68(m,1H).
5−クロロピリジン−2−カルボン酸(5.86mg)にトルエン(3.00ml)を加えて懸濁させた。N,N−ジメチルホルムアミドを一滴加えた後、塩化チオニル(1.00ml)を加えた。反応混合物を120℃まで加温し、同温で1時間撹拌した。室温まで冷却した後、溶媒を減圧留去することで5−クロロピリジン−2−カルボン酸クロライドを得た。得られた酸クロライドをテトラヒドロフラン(1.00ml)に懸濁させ、化合物6−4(10.0mg)のテトラヒドロフラン(2.00ml)溶液に、氷浴下滴下した。同温でピリジン(11.3μl)を滴下した後、室温まで昇温し30分間撹拌した。反応の完結を確認した後、重曹水を加えて反応を停止させた。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去した。得られた残渣をジクロロメタン(2.00ml)に溶解し、トリフルオロ酢酸(0.40ml)を加えて室温で3時間撹拌した。反応の完結を確認した後、ジエチルエーテルで希釈し、重曹水を加えて反応を停止させた。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧留去し、残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで標題化合物を得た(7.8mg)。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.95(ddd,J=2.8,5.2,14.0Hz,1H),2.02(ddd,J=4.4,6.2,14.0Hz,1H),2.11(ddd,J=4.4,9.6,14.0Hz,1H),2.24(ddd,J=4.0,10.0,14.0Hz,1H),3.08−3.20(m,2H),4.24(dt,J=2.8,11.2Hz,1H),4.34(dt,J=4.8,10.8Hz,1H),6.85(d,J=8.8Hz,1H),7.50(d,J=2.4Hz,1H),7.57(dd,J=2.4,8.8Hz,1H),7.86(dd,J=2.0,8.4Hz,1H),8.24(dd,J=0.8,8.4Hz,1H),8.55(dd,J=0.8,2.0Hz,1H),9.70(s,1H).
(−)−N−[2´−アミノ−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−6−イル]−5−クロロピリジン−2−カルボキサミド (化合物9)の合成
ESI−MS;m/z389[M+ +H].1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.95(ddd,J=2.8,5.2,14.0Hz,1H),2.02(ddd,J=4.4,6.2,14.0Hz,1H),2.11(ddd,J=4.4,9.6,14.0Hz,1H),2.24(ddd,J=4.0,10.0,14.0Hz,1H),3.08−3.20(m,2H),4.24(dt,J=2.8,11.2Hz,1H),4.34(dt,J=4.8,10.8Hz,1H),6.85(d,J=8.8Hz,1H),7.50(d,J=2.4Hz,1H),7.57(dd,J=2.4,8.8Hz,1H),7.86(dd,J=2.0,8.4Hz,1H),8.24(dd,J=0.8,8.4Hz,1H),8.55(dd,J=0.8,2.0Hz,1H),9.70(s,1H).
(−)−(6−アミノ−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−2´−イル)カルバミン酸t−ブチル(化合物10)の合成
(−)−N−(2´−アミノ−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−6−イル)−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド(化合物11)の合成
化合物9−1(2.8g)とシアン化銅(3.6g)のNMP(30ml)混合液を170度で1.5時間加熱攪拌した。反応液に室温で、水を加え、不溶物を濾過で除いた。濾液を酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾去し、ろ液を減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し標題化合物(920mg)を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):4.06(s,3H),8.16(dd,J=2.0,8.0Hz,1H),8.27(d,J=8.0Hz,1H),9.01(d,J=2.0Hz,1H).
化合物9−2(920mg)と5N水酸化ナトリウム水溶液(2.26ml)のエタノール(30ml)溶液を室温で10分間攪拌した。反応液に室温で、5N塩酸(5.2ml)を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾去し、ろ液を減圧下濃縮し標題化合物(800mg)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSOd6)δ(ppm):8.18(d,J=8.0Hz,1H),8.51(dd,J=2.0,8.0Hz,1H),9.12−9.18(m,1H).
実施例3で得た化合物10(25.0mg)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.0624ml)、5−シアノピリジン−2−カルボン酸(化合物9−3)(16.9mg)のジクロロメタン(5.0ml)溶液に、PyBOP(74.5mg)を室温で加えた。混合物を室温で1時間攪拌した。反応液を重曹水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾去し、ろ液を減圧下濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物(35mg)を得た。
ESI−MS;m/z480[M++H].
化合物9−4(35mg)のジクロロメタン(3.0ml)溶液に、トリフルオロ酢酸(1.0ml)を加え、反応液を室温で1.5時間撹拌した。反応液を重曹水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾去し、ろ液を減圧下濃縮した。粗生成物をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物(26.1mg)を得た。
ESI−MS;m/z380[M++H].
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.90−2.15(m,3H),2.24(ddd,J=4.0,10.4,14.0Hz,1H),3.05−3.2(m,2H),4.25(dt,J=3.2,10.8Hz,1H),4.35(dt,J=4.8,10.8Hz,1H),6.86(d,J=8.8Hz,1H),7.50(d,J=2.8Hz,1H),7.58(dd,J=2.8,8.8Hz,1H),8.19(dd,J=2.0,8.0Hz,1H),8.42(d,J=8.0Hz,1H),8.88(d,J=2.0Hz,1H),9.74(s,1H).
N−(2´−アミノ−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−6−イル)−5−トリフルロメチルピリジン−2−カルボキサミド(化合物12)の合成
化合物10(20.0mg)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.0499ml)、5−トリフルオロメチルピリジン−2−カルボン酸(13.5mg)のジクロロメタン(3.0ml)溶液に、PyBOP(59.6mg)を室温で加えた。混合物を室温で1時間攪拌した。反応液を重曹水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾去し、ろ液を減圧下濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物(30mg)を得た。
ESI−MS;m/z523[M++H].
化合物10−1(30mg)のジクロロメタン(3.0ml)溶液に、トリフルオロ酢酸(0.857ml)を加え、反応液を室温で1.5時間撹拌した。反応液を重曹水に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。抽出液を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。乾燥剤を濾去し、ろ液を減圧下濃縮した。粗生成物をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物(13.0mg)を得た。
ESI−MS;m/z423[M++H].
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ(ppm):1.90−2.16(m,3H),2.24(ddd,J=4.4,10.4,14.0Hz,1H),3.06−3.22(m,2H),4.25(dt,J=2.8,11.2Hz,1H),4.35(dt,J=4.8,11.2Hz,1H),6.86(d,J=8.8Hz,1H),7.53(d,J=2.4Hz,1H),7.58(dd,J=2.4,8.8Hz,1H),8.15(dd,J=1.6,8.0Hz,1H),8.42(d,J=8.0Hz,1H),8.87(s,1H),9.80(s,1H).
6−(5−メトキシピリジン−3−イル)−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−2´−アミン(化合物21)の合成
化合物1(560mg)の酢酸(12.0ml)溶液に、室温にて臭素(382mg)を加えて30分間撹拌した。原料の消失を確認した後、反応混合物を氷浴にて冷却した10%水酸化ナトリウム水溶液に加え中和した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで標題化合物を得た(580mg)。
1H NMR(400MHz,CDCl3)(ppm):1.93(ddd,J=3.0,5.0,14.1Hz,1H),2.00−2.05(m,2H),2.22(ddd,J=4.1,10.3,14.1Hz,1H),3.02−3.09(m,1H),3.10−3.18(m,1H),4.18−4.25(m,1H),4.33(ddd,J=4.4,4.7,11.3Hz,1H),6.70(d,J=8.6Hz,1H),7.20−7.24(m,1H),7.25(d,J=2.4Hz,1H).
化合物20(139mg) を塩化メチレン(15ml)に溶解し、二炭酸ジ−t−ブチル(387mg)を加えた。次いでN,N−ジメチルアミノピリジン(217mg)を加え、室温で3.5時間間撹拌した。原料の消失を確認した後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液に加えた。水層を塩化メチレンで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで化合物11−1と11−2を得た[(11−1)144mg、(11−2)52.3mg]。
化合物11−1の1H NMR(400MHz,METHANOL−d4)(ppm):1.59(s,18H),1.87−1.98(m,2H),2.06−2.17(m,2H),2.37(td,J=4.0,14.6Hz,1H),3.21(td,J=4.2,12.9Hz,1H),3.45(dt,J=3.6,12.9Hz,1H),4.28−4.37(m,1H),6.80(d,J=8.7Hz,1H),7.28(d,J=2.4Hz,1H),7.26(dd,J=2.4,8.7Hz,1H).
化合物11−2の1H NMR(400MHz,METHANOL−d4)(ppm):1.60(s,9H),2.03−2.12(m,1H),2.18−2.29(m,1H),3.16−3.23(m,1H),3.36−3.43(m,1H),4.31−4.37(m,2H),6.80(d,J=8.7Hz,1H),7.26(d,J=2.4Hz,1H),7.32(dd,J=2.4,8.7Hz,1H).
化合物11−1(25mg)のN,N−ジメチルホルムアルデヒド(2ml)溶液に、3−メトキシ−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(14.9mg)を加えた。続いて1M重曹水溶液(0.12ml)と、パラジウム−トリフェニルホスフィン(2.8mg)を加え、窒素雰囲気下、100度で12時間撹拌した。原料の消失を確認した後、反応混合物に水を加えた。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで標題化合物を得た(8.6mg)。
1H NMR(400MHz,CDCl3)(ppm):2.11−2.26(m,2H),2.37−2.53(m,2H),3.13−3.29(m,2H),3.92(s,3H),4.27−4.36(m,1H),4.40−4.47(m,1H),6.93−6.98(m,1H),7.36−7.44(m,3H),8.23(br.s.,1H),8.37(br.s.,1H).
6−(2−フルオロピリジン−3−イル)−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−2´−アミン(化合物24)の合成
1H NMR(400MHz,CDCl3)(ppm):2.04−2.18(m,2H),2.29−2.37(m,1H),2.46(ddd,J=4.0,10.7,14.4Hz,1H),3.18−3.24(m,2H),4.31(dt,J=2.8,11.4Hz,1H),4.44−4.47(m,1H),6.95(d,J=8.6Hz,1H),7.24−7.26(m,1H),7.36−7.42(m,2H),7.88(ddd,J=1.7,7.6,9.9Hz,1H),8.15(dt,J=1.7,4.6Hz、1H).
7−フルオロ−6−(2−フルオロピリジン−3−イル)−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1、3]チアジン]−2´−アミン(化合物26)の合成
化合物6(20mg)の酢酸(1.0ml)溶液に、室温にて臭素(12.7mg)を加えて30分間撹拌した。原料の消失を確認した後、反応混合物を重曹水に加え中和した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物25(14.4mg)は精製することなく、次の反応に用いた。
1H NMR (400MHz,CDCl3)(ppm):1.87−1.99(m,2H),1.99−2.28(m,2H),2.97−3.08(m,1H),3.08−3.17(m,1H),4.16−4.28(m,1H),4.30−4.39(m,1H),6.62(d,J=9.7Hz,1H),7.29(d,J=7.8Hz,1H).
化合物25(14.4mg) を塩化メチレン(3.0ml)に溶解し、二炭酸ジ−t−ブチル(47.5mg)を加えた。次いでN,N−ジメチルアミノピリジン(26.5mg)を加え、室温で6時間間撹拌した。原料の消失を確認した後、反応混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液に加えた。水層を塩化メチレンで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去し、得られた粗生成物13−1(17mg)は精製することなく、次の反応に用いた。
上記反応で得られた粗生成物13−1(17mg)のN,N−ジメチルホルムアルデヒド(0.5ml)溶液に、2−フルオロピリジン−3−ボロン酸(7.2mg)を加えた。続いて1M重曹水溶液(0.05ml)と、パラジウム−トリフェニルホスフィン(3.8mg)を加え、窒素雰囲気下、100度で終夜撹拌した。原料の消失を確認した後、反応混合物に水を加えた。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで標題化合物を得た(1.7mg)。
1H NMR(400MHz,CDCl3)(ppm):2.00−2.18(m,2H),2.26−2.51(m,2H),3.14−3.25(m,2H),4.27−4.36(m,1H),4.42−4.48(m,1H),6.70(d,J=11.1Hz,1H),7.22(d,J=9.1Hz,1H),7.25−7.34(m,1H),7.86−7.92(m,1H),8.21(brd,J=4.9Hz,1H).
6−[(2−アミノピリジン−3−イル)エチニル]−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−2´−アミン(化合物27)の合成
化合物14−1(200mg)をテトラヒドロフラン(1.2ml)とトリエチルアミン(7ml)の混合溶媒に溶解した。エチニル(トリメチル)シラン(227mg)、ヨウ化銅(I)(8.8mg)と、ジクロロパラジウム−トリフェニルホスフィン(32.5mg)を加えて封管した。混合物を90度にて22時間撹拌した後に、反応混合物を水に加えて反応を停止した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで標題化合物を得た(244mg)。
1H NMR (400MHz,CDCl3)(ppm):0.26(s,9H),5.08(br.s.,2H),6.62(br.s.,1H),7.54d,J=7.2Hz,1H),8.05(br.s.,1H).
化合物14−2(244mg)をメタノール(15.0ml)に溶解した。炭酸カリウム(212.6mg)を加え、室温にて2時間撹拌した。反応混合物を水に加えて、水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製することで標題化合物を得た(93.5mg)。
1H NMR(400MHz,CDCl3)(ppm):3.42(s,1H),5.08(br.s.,2H),6.63(dd,J=5.2,7.4Hz,1H),7.58(dd,J=7.4,1.6Hz,1H),8.08(br.s.,1H).
化合物14−3(30mg)と実施例11−1で得られた化合物20(40mg)をテトラヒドロフラン(2ml)とトリエチルアミン(2ml)の混合溶媒に溶解した。ヨウ化銅(I)(1.2mg)と、ジクロロパラジウム−トリフェニルホスフィン(4.5mg)を加えて封管し、90度にて22時間撹拌した。反応混合物を水に加えて反応を停止した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。得られた粗生成物をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィーとNH−シリカゲルTLCで精製することで標題化合物を得た(12.5mg)。
ESI−MS;m/z 351[M++H]
1H NMR(400MHz,CDCl3)(ppm):1.92−2.12(m,3H),2.25(ddd,J=4.0,10.5,14.2Hz,1H),3.02−3.10(m,1H),3.11−3.20(m,1H),4.26(td,J=2.9,11.2Hz,1H),4.38(dt,J=4.6,11.2Hz,1H),5.05(br.s.,2H),6.63(dd,J=5.0,7.5Hz,1H),6.81(d,J=8.4Hz,1H),7.29(dd,J=2.0,8.4Hz,1H),7.34(d,J=2.0Hz,1H),7.57(dd、J=1.6,7.5Hz,1H),7.97-8.05(m,1H).
2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[1,3−チアジン−4,4´−チオクロメン]−2−アミン(化合物28)の合成
ビニルマグネシウムクロライド(1.6Mテトラヒドロフラン溶液;2.75ml)に塩化亜鉛(46.1mg)を加え室温で1時間撹拌した。混合物を0度に冷却し、化合物15−1(555mg)のテトラヒドロフラン(2.0ml)を滴下した。同温で5時間撹拌した。原料の消失を確認したら反応混合物に塩化アンモニウム水溶液を加え反応停止させた。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を減圧留去して粗生成物を得た(665mg)。この粗生成物を酢酸(5.0ml)に溶解した後に、チオウレア(334mg)を加えた。室温で終夜撹拌した後、不溶物を綿栓濾過で除き、濾液をジエチルエーテルに滴下した。0度に冷却し撹拌した。グラスフィルターで固体を除き、濾液の溶媒を減圧留去した。残渣の油状物質に酢酸エチルを加え、重曹水で中和した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。溶媒を減圧留去している間に、固体が生じた。濃縮を止めて、ヘキサン・ジエチルエーテル混合溶媒を加え、生じた固体を桐山ロートで回収し、ジエチルエーテルで洗浄した。得られた固体を乾燥させることで標題化合物を得た(66.5mg)。
1H NMR(400MHz,MeOD)(ppm):2.96−3.01(m,2H),3.05−3.10(m,2H),4.08(d,J=8.0Hz,2H),6.09(t,J=8.0Hz,1H),7.07−7.20(m,3H),7.50(dd,J=1.3,7.9Hz,1H).
化合物15−3(50mg)をトリフルオロ酢酸(0.46ml)に溶解した後に、氷浴下トリフルオロメタンスルホン酸(0.1ml)を加えた。同温度にて0.5時間撹拌した後、室温にて3.0時間撹拌した。原料の消失を確認した後、反応混合物を、氷浴にて冷却した重曹水に加え中和した。水層を酢酸エチルで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減圧留去した。残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー、次にシリカゲルTLCで精製し標題化合物を得た(1.6mg)。
ESI−MS;m/z 251[M++H]
1H NMR(400MHz,CDCl3)(ppm):1.87−1.95(m,1H),2.24−2.35(m,3H),2.92−2.98(m,2H),3.07−3.13(m,1H),3.14−3.24(m,1H),7.07−7.12(m,1H),7.13−7.15(m,2H),7.19(brd,J=1.3Hz,1H).
ラット胎仔脳由来神経細胞培養におけるAβペプチド定量
(1)ラット初代神経細胞培養
胎生18日齢のWistar系ラット(Charles River Japan,Yokohama,Japan)より大脳皮質を単離し培養に供した。具体的には、エーテル麻酔下、妊娠ラットより無菌的に胎仔を摘出した。胎仔より脳を摘出し、氷冷L−15medium(Invitrogen Corp. Cat #11415−064,Carlsbad,CA USA あるいは SIGMA L1518など)に浸した。その摘出脳から、実体顕微鏡下で大脳皮質を採取した。採取した大脳皮質断片を、0.25%trypsin(Invitrogen Corp. Cat #15050−065,Carlsbad,CA USA)および0.01%DNase)Sigma D5025,St. Louis,MO,USA)を含有した酵素溶液中、37℃下30分間の酵素処理することにより、細胞を分散させた。この際、酵素反応は非働化済みウマ血清を加えることで停止させた。この酵素処理溶液を1500rpmにて5分間遠心分離し、上清を除いた。得られた細胞塊に培地を5〜10ml加えた。培地にはNeurobasal medium(Invitrogen Corp. Cat #21103−049,Carlsbad,CA USA)に、2% B27 supplement(Invitrogen Corp. Cat #17504−044,Carlsbad,CA USA)と25μM2−mercaptoethanol(2−ME,WAKO Cat #139−06861,Osaka,Japan)と0.5mML−glutamine(Invitrogen Corp. Cat #25030−081,Carlsbad,CA USA)およびAntibiotics−Antimycotics(Invitrogen Corp. Cat #15240−062,Carlsbad,CA USA)を添加したもの(Neurobasal/B27/2−ME)を用いた。但し、アッセイの際は、2−MEのみを添加しない培地(Neurobasal/B27)を用いた。培地が加えられた細胞塊を、緩やかなピペッティング操作により細胞を再分散させた。この細胞分散液を、40μmナイロンメッシュ(セルストレーナー、Cat #.35−2340,Becton Dickinson Labware,Franklin Lakes,NJ、USA)でろ過し、細胞塊を除くことにより、神経細胞懸濁液を得た。この神経細胞懸濁液を培地にて希釈し、予めpoly−LあるいはD−lysineにてコーティングされた96wellポリスチレン製培養器(Falcon Cat #.35−3075,Becton Dickinson Labware,Franklin Lakes,NJ,USAを以下の方法でpoly−L−lysineコートを施したもの、あるいはBIOCOATTM cell environments Poly−D−lysine cell ware 96−well plate,Cat #.35−6461,Becton Dickinson Labware,Franklin Lakes,NJ,USA)に初期細胞密度が5x105 cells/cm2になるように100μl/wellにて播種した。Poly−L−lysineコーティングは以下のように行った。0.15M Borate buffer(pH8.5)を用いて100μg/mlのpoly−L−lysine(SIGMA P2636,St. Louis,MO,USA)溶液を無菌的に調製した。その溶液を100μg/wellにて96wellポリスチレン製培養器に添加し、室温1時間以上、あるいは4℃一晩以上、インキュベートした。その後、コーティングした96wellポリスチレン製培養器は、滅菌水を用いて4回以上洗浄した後、乾燥させるか、あるいは無菌PBSあるいは培地などを用いてすすいだ後に、細胞播種に用いた。播種した細胞は、5%CO2−95%air下、37℃インキュベーター中にて一日培養した後、培地全量を新鮮なNeurobasal/B27/2−ME培地と交換し、引き続き3日間培養した。
培養4日目に薬物添加を以下の通りに行った。培地全量を抜き取り、2−MEを含まない、2%B−27を含有するNeurobasal medium(Neurobasal/B27)を180μl/well加えた。試験化合物のジメチルスルホキシド(以下DMSOと略す)溶液をNeurobasal/B27にて最終濃度の10倍になるように希釈した。この希釈液を20μl/well添加し、よく混和した。最終DMSO濃度は1%以下とした。また対照群にはDMSOのみを添加した。
化合物添加後3日間培養し、培地全量を回収した。得られた培地は、ELISAサンプルとした。Aβx−42測定には希釈せずに、Aβx−40測定にはELISAキット付属の希釈液にて5倍希釈して各ELISAに供した。
細胞生存は以下の方法でMTTアッセイにより評価した。培地回収後のwellに温めた培地を100μl/well加え、さらにD−PBS(−)(DULBECCO´S PHOSPHATE BUFFERED SALINE、SIGMA D8537、St. Louis,MO,USA)に溶解した8 mg/mlのMTT(SIGMA M2128,St. Louis,MO,USA)溶液を8 μl/wellにて添加した。この96 wellポリスチレン製培養器を、5%CO2−95%air下、37℃インキュベーター中にて20分間インキュベートした。そこへMTT溶解バッファーを100μl/well加え、5%CO2−95%air下、37℃インキュベーター中にてMTTフォルマザン結晶をよく溶解させた後、各Wellの550nmの吸光度を測定した。MTT溶解バッファーは以下の通りに調製した。N,N−ジメチルホルムアミド(WAKO 045−02916,Osaka,Japan)と蒸留水を250mLずつ混合した溶液に、100gSDS(ドデシル硫酸ナトリウム(ラウリル硫酸ナトリウム)、WAKO 191−07145,Osaka,Japan)を溶解した。さらに、この溶液に濃塩酸および酢酸を各350μl添加することにより、溶液の最終pHを4.7程度にした。
測定の際、細胞を播種しないwellに培地とMTT溶液のみを加えたものをバックグラウンド(bkg)として設定した。各測定値は、以下の数式に従い、bkgを差し引き、対照群(薬物処理しなかった群、CTRL)に対する比率(%ofCTRL)を算出し、細胞生存活性を比較・評価した。
% of CTRL =) A550_sample − A550_bkg)/)A550_CTRL −bkg) x 100
(A550_sample: サンプルwellの550 nm吸光度、A550_bkg: バックグラウンドwellの550 nm吸光度、A550_CTRL:対照群wellの550 nm吸光度)
Aβ ELISAは和光純薬工業株式会社(Wako Pure Chemical Industries,Ltd.)のヒト/ラットβアミロイド(42)ELISAキットワコー(#290−62601)、およびヒト/ラットβアミロイド(40)ELISAキットワコー(#294−62501)を用いた。方法はメーカー推奨のプロトコール(添付文書に記載の方法)にて行った。但しAβ検量線は、beta−amyloid peptide 1−42,ratおよびbeta−amyloid peptide 1−40,rat(Calbiochem. #171596[Aβ42],171593[Aβ40])を用いて作製した。結果は、結果は培地中のAβ42濃度低下のためのIC50値(μM)にて表5に示した。
Claims (8)
- 式(I):
[式中、
環AはC6−10アリール基であり、
Lは単結合、式−C(=O)NR L −(RLは水素原子又は置換基αから選択される1乃至3の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基である。)又はC2−6アルキニレン基であり、
環BはC6−10アリール基又は5−10員複素環基であり、
Xは、それぞれ置換基群αから選ばれる1乃至3の置換基を有していてもよいC2アルキレン基であり、
Yは、酸素原子であり、
Zは単結合であり、
R1及びR2は各々独立して水素原子又はハロゲン原子であり、
R3は、水素原子であり、
R4及びR5は水素原子であり、
R6、R7及びR8は各々独立して水素原子、ハロゲン原子、シアノ基又はそれぞれ置換基群αから選ばれる1乃至3の置換基を有していてもよいC1−6アルキル基若しくはC1−6アルコキシ基であり、
nは2の整数である。
置換基群α:水素原子又はハロゲン原子。]
で示される化合物又はその医薬上許容される塩。 - Lが式−C(=O)NRL−(RLは水素原子である。)で示される基である、請求項1に記載の化合物又はその医薬上許容される塩。
- 以下の化合物から選ばれる、請求項1又は2に記載の化合物若しくはその医薬上許容される塩又はそれらの溶媒和物:
1)(−)−N−(2´−アミノ−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−6−イル)−5−シアノピリジン−2−カルボキサミド、
2)N−(2´−アミノ−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−6−イル)−5−トリフルロメチルピリジン−2−カルボキサミド、
3)N−(2´−アミノ−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−6−イル)−3,5−ジフルオロピリジン−2−カルボキサミド、
4)N−(2´−アミノ−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−6−イル)−5−ブロモピリミジン−2−カルボキサミド、
5)N−(2´−アミノ−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−6−イル)−5−ブロモピリジン−2−カルボキサミド、 6)N−(2´−アミノ−2,3,5´,6´−テトラヒドロスピロ[クロメン−4,4´−[1,3]チアジン]−6−イル)−3,5−ジクロロピリジン−2−カルボキサミド。 - 請求項1から3のいずれかに記載の化合物又はその医薬上許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物。
- アミロイドβタンパク質産生を抑制するための請求項4に記載の医薬組成物。
- ベータサイトアミロイドβ前駆体タンパク質開裂酵素1(BACE1)を阻害するための請求項4に記載の医薬組成物。
- 神経変性疾患治療のための請求項4から6のいずれかに記載の医薬組成物。
- 神経変性疾患がアルツハイマー型痴呆又はダウン症である請求項7に記載の医薬組成物。
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